説明

デジタルカメラ

【課題】撮像素子と位相差式焦点検出センサとの間の相対的な取り付け誤差、経年変化による精度劣化を補正値として算出する。
【解決手段】デジタルカメラは、撮影光学系を介して被写体像を撮像し、撮影光学系の焦点調節状態を検出して第1焦点検出信号を出力する第1焦点検出手段と、撮影光学系を介して被写体像を、第1焦点検出手段の配置位置とは異なる位置にて撮像し、撮影光学系の焦点調節状態を検出して第2焦点検出信号を出力する第2焦点検出手段と、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号とに基づいて、第1焦点検出手段と第2焦点検出手段との間の相対的な取り付け誤差を算出する誤差算出手段と、誤差算出手段により算出された誤差を補正値として記憶媒体に記録する記録制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮像素子の撮像面に組み込まれた焦点検出素子と、撮像素子とは異なる位置に配置された位相差式焦点検出センサとを備えるカメラが知られている(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−233032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、位相差式焦点検出センサに基づく焦点検出精度を高めるには、撮像素子と位相差式焦点検出センサとに対して高い取り付け精度が要求されるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明によるデジタルカメラは、撮影光学系を介して被写体像を撮像し、撮影光学系の焦点調節状態を検出して第1焦点検出信号を出力する第1焦点検出手段と、撮影光学系を介して被写体像を、第1焦点検出手段の配置位置とは異なる位置にて撮像し、撮影光学系の焦点調節状態を検出して第2焦点検出信号を出力する第2焦点検出手段と、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号とに基づいて、第1焦点検出手段と第2焦点検出手段との間の相対的な取り付け誤差を算出する誤差算出手段と、誤差算出手段により算出された誤差を補正値として記憶媒体に記録する記録制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号とに基づいて、第1焦点検出手段と第2焦点検出手段との間の相対的な取り付け誤差を算出し、補正値として記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態によるデジタルカメラの要部構成を説明する図
【図2】実施の形態によるデジタルカメラの制御系の構成を説明するブロック図
【図3】実施の形態による第1焦点検出センサの詳細を説明する図
【図4】実施の形態によるデジタルカメラの焦点検出位置
【図5】第1の実施の形態によるデジタルカメラの調整モードにおける処理を説明するフローチャート
【図6】第2の実施の形態による撮像素子の詳細を説明する図
【図7】第2の実施の形態による第2焦点検出センサの詳細を説明する図
【図8】第2焦点検出センサを構成する画素の詳細を説明する図
【図9】第2の実施の形態によるデジタルカメラの調整モードにおける処理を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
−第1の実施の形態−
図面を参照して、本発明による第1の実施の形態におけるカメラを説明する。図1はデジタルカメラ1の要部構成を示す図である。デジタルカメラ1のボディに、撮影レンズL1と絞り3とレンズ駆動部4とを備える交換レンズ2が着脱可能に装着されている。デジタルカメラ1のボディ側には、クイックリターンミラー10、焦点板11、ペンタプリズム12、接眼レンズ13、撮像素子14、第1焦点検出センサ15、光学ローパスフィルタ17およびシャッタ18が設けられている。
【0009】
図2は交換レンズ2が装着されたデジタルカメラ1の制御系のブロック図である。図2において、図1に示した構成要素には同一の符号を付して説明する。図2に示すように、交換レンズ2は、撮影レンズL1(焦点調節レンズL1a、結像レンズL1b)、絞り3、およびレンズ駆動部4を備える。デジタルカメラ1は、撮像素子14、第1焦点検出センサ15、制御回路19、LCD駆動回路20、液晶表示器21、メモリ22、内蔵メモリ23、外部インタフェース24、操作部30およびメモリカードインタフェース31を備えている。
【0010】
撮影レンズL1は、図1に示すように焦点調節レンズL1aや結像レンズL1b等の複数の光学レンズ群を含んで構成される。絞り3は、図示しない信号接点を介して入力された、デジタルカメラ1の制御回路19からの駆動制御信号に基づいて、図示しない絞り駆動機構により駆動される。レンズ駆動部4はたとえばステッピングモータ等により構成され、図示しない信号接点を介して入力されたデジタルカメラ1の制御回路19からの駆動制御信号に基づいて、撮影レンズL1を構成する焦点調節レンズL1a等の各種レンズを光軸方向に駆動する。
【0011】
図1を参照して説明すると、撮影レンズL1を通過してデジタルカメラ1に入射した被写体光は、シャッタレリーズ前は図1(a)に示すように位置する(ミラーダウン)クイックリターンミラー10で上方へ導かれて焦点板11に結像する。焦点板11に結像された被写体像は、ペンタプリズム12により接眼レンズ13へ導かれる。その結果、被写体像が撮影者に観察される。被写体光の一部はクイックリターンミラー10の半透過領域を透過し、サブミラー10aにて下方に反射され、第1焦点検出用センサ15へ入射される。レリーズ後はクイックリターンミラー10が図1(b)で示される位置へ回動し(ミラーアップ)、シャッタ18を介して被写体光が撮像素子14へ導かれ、その撮像面上に被写体像が結像する。
【0012】
図2を参照して制御系について詳細に説明する。
撮像素子14は、二次元状に多数配列された複数の撮影用画素を有する、たとえばCCDやCMOS等の光電変換素子である。撮像素子14は、後述する制御回路19の制御に応じて駆動して撮影レンズL1を通して入力される被写体像を撮像し、撮像して得た画像信号を出力する。撮像素子14の撮像面には、それぞれR(赤)、G(緑)およびB(青)のカラーフィルタが画素位置に対応するように設けられている。撮像素子14から出力された画像信号は、図示しないAFE回路等によりアナログ処理(ゲインコントロールなど)が施され、後述する制御回路19へ出力される。
【0013】
第1焦点検出センサ15は、撮影レンズL1の予定焦点面(予定結像面)に配置され、撮影レンズL1の焦点検出機能を有する。第1焦点検出センサ15は、撮影画面上に設定される複数の焦点検出位置で焦点検出を行うために複数組の再結像方式の焦点検出ユニットが組み込まれている。制御回路19から出力された指示信号に応じて、対の光像に応じた焦点検出信号(第1焦点検出信号)を制御回路19に出力する。なお、第1焦点検出センサ15の詳細については後述する。
【0014】
図2に示す制御回路19は、図示しないCPU、ROM、RAMなどを有し、制御プログラムに基づいて、デジタルカメラ1の各構成要素を制御したり、各種のデータ処理を実行する演算回路である。制御プログラムは、制御回路19内の不図示の不揮発性メモリに格納されている。
【0015】
制御回路19は、撮像処理部191、圧縮/伸張部192、第1焦点検出部193および第2焦点検出部194を機能的に備える。撮像処理部191は、撮像素子14から入力した画像信号に対してガンマ補正やホワイトバランス調整等の種々の画像処理を施して画像データを生成する。また、撮像処理部191は、メモリカード32に記録されている画像データに基づいて、後述する液晶表示器21に表示するための表示用画像データを生成する。
【0016】
圧縮/伸張部192は、撮像処理部191により生成された画像データに対してJPEGなどの所定の方式により圧縮処理を行い、EXIFなどの形式でメモリカード32へ記録する。第1焦点検出部193は、第1焦点検出センサ15から出力された第1焦点検出信号を入力して、デジタルカメラ1の焦点検出処理および焦点状態調節処理に関する各種の処理を制御する。第2焦点検出部194は、撮像素子14から出力された画像信号を入力して、公知のコントラスト方式によりデジタルカメラ1の焦点検出処理および焦点調節処理に関する各種の処理を制御する。なお、第1焦点検出部193および第2焦点検出部194については、詳細を後述する。
【0017】
メモリ22は、画像処理、画像圧縮処理の途中や処理後のデータを一時的に格納するバッファメモリとして使用される揮発性記憶媒体である。内蔵メモリ23は、生成された画像データや、後述する調整モードで算出された補正値等を記録するための不揮発性記憶媒体である。外部インタフェース24は、制御回路19の制御に従って、たとえばUSBインターフェイスケーブル(不図示)等の所定のケーブルや無線伝送路を介して接続される他の外部機器(たとえば、パーソナルコンピュータ)との間で、双方向通信によるデータの送受を行う。
【0018】
メモリカードインタフェース31は、メモリカード32が着脱可能なインタフェースである。メモリカードインタフェース31は、制御回路18の制御に基づいて、画像データをメモリカード32に書き込んだり、メモリカード32に記録されている画像データを読み出す。メモリカード32はコンパクトフラッシュ(登録商標)やSDカードなどの半導体メモリカードである。
【0019】
LCD駆動回路20は、制御回路19の命令に基づいて液晶表示器21を駆動する回路である。液晶表示器21は、再生モードにおいて、メモリカード32に記録されている画像データに基づいて制御回路19で作成された表示データの表示を行う。また、液晶表示器21には、デジタルカメラ1の各種動作を設定するためのメニュー画面が表示される。
【0020】
操作部30は、ユーザの操作を受け付ける各種のスイッチであり、操作内容に応じた各種の操作信号を制御回路19へ出力する。操作部30は、電源ボタン、レリーズボタン、モード選択ボタン、十字キー、その他の設定メニューの表示切換ボタン、設定メニュー決定ボタン、後述する調整モードを起動するための調整ボタン等を含む。
【0021】
次に、図3の第1焦点検出センサ15の詳細な構成を示す図を用いて、再結像方式による焦点検出方法について説明する。図3において、91は撮影レンズL1の光軸、110、120はコンデンサレンズ、111、121は絞りマスク、112、113、122、123は絞り開口、114、115、124、125は再結像レンズ、116、126は焦点検出用のイメージセンサ(CCD)、132、133、142、143は焦点検出用光束である。
【0022】
101は、撮影レンズL1の予定焦点面の前方d5の距離に設定した射出瞳である。距離d5は、コンデンサレンズ110、120の焦点距離と、コンデンサレンズ110、120と絞り開口112、113、122、123の間の距離などに応じて決まる値であって、測距瞳距離と呼ぶ。102はコンデンサレンズ110、120により投影された絞り開口112、122の領域(測距瞳)、103はコンデンサレンズ110、120により投影された絞り開口113、123の領域(測距瞳)である。コンデンサレンズ110、絞りマスク111、絞り開口112、113、再結像レンズ114、115、イメージセンサ116が一つの位置で焦点検出を行う再結像方式の瞳分割位相差検出の焦点検出ユニットを構成する。
【0023】
図3では、光軸91上にある焦点検出ユニットと光軸91の外にある焦点検出ユニットを模式的に例示している。複数の焦点検出ユニットを組み合わせることによって、図4に示すように、撮影画面Im上に設けられた、たとえば5箇所の焦点検出位置P1〜P5で再結像方式の瞳分割位相差検出で焦点検出を行うことができる。光軸91上の焦点検出ユニットは、撮影レンズL1の予定焦点面近傍に配置されたコンデンサレンズ110、その背後に配置されたイメージセンサ116、コンデンサレンズ110とイメージセンサ116との間に配置されて予定焦点面近傍に結像された1次像をイメージセンサ116上に再結像する一対の再結像レンズ114、115、一対の再結像レンズの近傍(図では前面)に配置された一対の絞り開口112、113を有する絞りマスク111を備えている。
【0024】
イメージセンサ116は、複数の光電変換部が直線に沿って密に配置されたラインセンサであって、光電変換部の配置方向は一対の測距瞳の分割方向(すなわち絞り開口の並び方向)と一致させる。そして、撮影レンズL1の一対の測距瞳を介して入射された一対の光束は、イメージセンサ116上の異なる位置に再結像される。これら一対の被写体像は、撮影レンズL1が予定焦点面よりも前に被写体の鮮鋭像を結ぶ、いわゆる前ピン状態ではイメージセンサ116上で互いに近づき、予定焦点面よりも後ろに被写体の線映像を結ぶ、いわゆる後ピン状態では互いに遠ざかる。予定焦点面で被写体の鮮鋭像を結ぶ合焦状態では、一対の被写体像がイメージセンサ116上で相対的に一致する。イメージセンサ116上に再結像された一対の像の光強度分布に対応した情報、すなわち第1焦点検出信号は、イメージセンサ116から出力される。
【0025】
第1焦点検出信号を用いて、第1焦点検出部193は像ズレ検出演算処理(相関処理、位相差検出処理)を施すことによって、いわゆる瞳分割型位相差検出方式(再結像方式)で一対の像の相対位置の像ズレ量を検出することができる。そして、第1焦点検出部193は、像ズレ量に所定の変換係数を乗じて、予定焦点面に対する現在の結像面の偏差(デフォーカス量)を算出する。第1焦点検出部193は、算出したデフォーカス量に応じて、焦点調節レンズL1aの進退駆動量および駆動方向を決定する。そして、第1焦点検出部193は、決定した駆動量と駆動方向とを駆動制御信号として交換レンズ2のレンズ駆動部4へ出力し、焦点調節レンズL1aの駆動を制御する。
【0026】
第2焦点検出部194は、撮像素子14から出力される撮像信号から高周波成分を抽出して周知の焦点評価値演算を行う。撮影レンズL1が撮像素子14上に尖鋭像を結ぶ合焦状態では、被写体像のエッジのボケが最小となりコントラストは最大になるので、焦点評価値も最大となる。
【0027】
第2焦点検出部194は、算出したデフォーカス量に基づいて焦点調節レンズL1aの駆動量と駆動方向とを決定する。そして、第2焦点検出部194は、決定した駆動量と駆動方向とを駆動制御信号として交換レンズ2のレンズ駆動部4へ出力し、焦点調節レンズL1aの駆動を制御する。また、第2焦点検出部194は、レンズ駆動部4を制御して焦点調節レンズL1aを駆動しながら、検出される焦点評価値が最大になる位置にレンズを駆動する(いわゆる山登り方式)。
【0028】
本発明の実施の形態によるデジタルカメラ1は、撮像素子14と第1焦点検出センサ15との間に生じる取り付け誤差、クイックリターンミラー10およびサブミラー10aの経年変化に伴うズレ量等の撮像素子14と第1焦点検出センサ15との間の相対的な誤差を調整するための調整モードを備える。調整モードでは、デジタルカメラ1はコントラスト方式により焦点調節動作に基づいて、撮影レンズL1の焦点調節レンズL1aを合焦位置に駆動させた状態で、第1焦点検出センサ15から出力された第1焦点検出信号を用いて上述した位相差式方式により焦点検出を行い、デフォーカス量を算出する。デジタルカメラ1は、算出したデフォーカス量を、撮像素子14と第1焦点検出センサ15との間の相対的な誤差とし、このデフォーカス量を補正値として内蔵メモリ23に記録する。以下、調整モードの詳細について説明する。
【0029】
調整モードは、ユーザにより操作部30を構成する調整ボタンが操作され、操作部30から調整モードの起動操作が行われたことを示す操作信号が出力されると、制御回路19により起動される。なお、操作部30を構成する各種のボタンの本来の動作を阻害しないものであれば、調整ボタンを備える代わりに、複数のボタンの組み合わせ操作により調整モードが起動されてもよい。さらには、外部機器からのユーザによる操作に応じて調整モードが起動されてもよい。この場合は、外部機器は調整モードの起動が指示されたことを示すコマンド信号を外部インタフェース24を介して出力し、制御回路19は外部機器からのコマンド信号を入力すると調整モードを起動する。また、調整モードでは、専用チャートが被写体として用いられ、専用チャートとデジタルカメラ1までの距離、および焦点検出位置P1〜P5、いわゆる測距点の睨み位置が固定された状態で起動されることを前提とする。
【0030】
制御回路19は、調整モードを起動すると、クイックリターンミラー10を図1(b)に示すミラーアップ位置へ駆動させる。その結果、上述したように、撮像素子14の撮像面に被写体からの光束が導かれ、被写体像が結像する。ミラーアップが行われると、制御回路19は、撮像素子14に対して画像信号を出力させる。
【0031】
第2焦点検出部194は、撮像素子14から出力された画像信号のうち、図4に示す焦点検出位置P1〜P5のうちのいずれか一つに対応する位置に配置された画素から出力された画像信号を用いて、上述したコントラスト方式による焦点検出演算を行う。以下、焦点検出位置P1に対応する位置に配置された画素からの画像信号に基づいて焦点検出演算が行われたものと仮定して説明する。
【0032】
第2焦点検出部194は、焦点評価値演算の結果に応じて焦点調節レンズL1aの駆動量と駆動方向を示す駆動制御信号を交換レンズ2のレンズ駆動部4へ出力する。そして、第2焦点調節部194は、算出された焦点評価値に基づいて、焦点調節レンズL1aが合焦位置に駆動された、すなわち焦点評価値が最大になったと判断すると、焦点調節レンズL1aの駆動を停止させ合焦位置で固定(ロック)させる駆動停止指示信号を交換レンズ2のレンズ駆動部4へ出力する。その結果、焦点調節レンズL1aが合焦位置で固定された状態となる。
【0033】
焦点調節レンズL1aが合焦位置まで駆動されその位置で固定されると、制御回路19は、撮像素子14に対して画像信号の出力を終了させる。そして、制御回路19は、クイックリターンミラー10を図1(a)に示すミラーダウン位置に駆動させる。ミラーダウンが完了すると、第1焦点調節部193は、焦点検出位置P1に対応して設けられた第1焦点検出センサ15からの第1焦点検出信号を用いて、上述した位相差方式により焦点検出を行う。すなわち、第1焦点検出部193は、撮影レンズL1の予定焦点面に対する現在の結像面のデフォーカス量を算出する。
【0034】
このデフォーカス量は、焦点調節レンズL1aがコントラスト方式に従って合焦位置に駆動され固定された状態で算出されているので、撮像素子14と第1焦点検出センサ15との間の相対的な誤差を示すことになる。したがって、制御回路19は、上記のようにして第1焦点調節部193により算出されたデフォーカス量を、ズレ量を補正するための補正値として内蔵メモリ23に記録する。調整モードにおいては、制御回路19は、上記の動作を全ての焦点検出位置P1〜P5のそれぞれについて実行する。すなわち、制御回路19は、それぞれの焦点検出位置P1〜P5について補正値を算出し内蔵メモリ23に記録する。
【0035】
図5に示すフローチャートを参照しながら、第1の実施の形態によるデジタルカメラ1の調整モードにおける動作について説明する。図5に示す各処理は、制御回路19内の図示しないメモリに記録され、操作部30から調整モードの起動を指示する操作信号、または外部機器から外部インタフェース24を介してコマンド信号が入力されると、制御回路19により起動され、実行される。
【0036】
ステップS101では、クイックリターンミラー10をミラーアップ位置に駆動させてステップS102へ進む。ステップS102では、撮像素子14から出力された画像信号を用いてコントラスト方式による焦点検出および焦点検出レンズL1aの駆動を行ってステップS103へ進む。ステップS103では、焦点調節レンズL1aが合焦位置に駆動されたか否かを判定する。焦点調節レンズL1aが合焦位置に駆動された場合、すなわち焦点評価値が最大値の場合は、ステップS103が肯定判定されてステップS104へ進む。焦点調節レンズL1aが合焦位置に駆動されていない場合は、ステップS103が否定判定されてステップS102へ戻る。
【0037】
ステップS104では、焦点調節レンズL1aを合焦位置で駆動を停止させて、その位置で固定させてステップS105へ進む。ステップS105では、クイックリターンミラー10をミラーダウン位置まで駆動させてステップS106へ進む。ステップS106では、第1焦点検出センサ15から出力された第1焦点検出信号を用いて、位相差方式で焦点検出を行い、デフォーカス量を算出してステップS107へ進む。ステップS107では、ステップS106で算出されたデフォーカス量を補正値として内蔵メモリ23に記録してステップS108へ進む。ステップS108では、全ての焦点検出位置P1〜P5について上記の処理が終了したか否かを判定する。全ての焦点検出位置P1〜P5について処理が終了した場合には、ステップS108が肯定判定されて調整モードによる処理を終了する。全ての焦点検出位置P1〜P5について処理が終了していない場合には、ステップS109が否定判定されてステップS101へ戻る。
【0038】
以上で説明した第1の実施の形態のデジタルカメラによれば、以下の作用効果が得られる。
(1)撮像素子14は、撮影レンズL1を介して被写体像を撮像し、撮影レンズL1の焦点調節状態を検出して第2焦点検出信号を出力し、第1焦点検出センサ15は、撮影レンズL1を介して被写体像を、撮像素子14の配置位置とは異なる位置にて撮像し、撮影レンズL1の焦点調節状態を検出して第1焦点検出信号を出力する。制御回路19は、第1焦点調節部193によって算出されたデフォーカス量を用いて、撮像素子14と第1焦点検出センサ15との間の相対的な取り付け誤差を算出し、算出された誤差を補正値として内蔵メモリ23に記録するようにした。したがって、第1焦点検出センサ15に対する複雑な調整を排除し、簡易かつ低コストで調整可能とすることができる。さらに、各サービス拠点にて調整を行う場合に、専用の大型の調整装置等を必要としないので、調整作業の簡易化、低コスト化に寄与する。
【0039】
(2)調整モードにおいては、第2焦点検出部194は、焦点評価値演算の結果に応じて焦点調節レンズL1aを合焦位置まで駆動させ、第1焦点検出部193は、焦点調節レンズL1aを合焦位置で固定(ロック)させた状態で第1焦点検出センサ15から出力された第1焦点検出信号を用いて算出したデフォーカス量を、相対的な取り付け誤差として算出するようにした。したがって、撮像素子14から出力された画像信号を用いたコントラスト方式を用いることにより、撮像素子14の全面のうちの任意の点で焦点検出処理を行うことができるので、第1焦点検出センサ15に対応する焦点検出位置の個数、位置に柔軟に対応可能となる。
【0040】
(3)ユーザによる操作部30の操作に応じて、制御回路19は調整モードを起動するようにした。したがって、ユーザがデジタルカメラ1の調整作業を行えるので、ユーザがクイックリターンミラー10、サブミラー10aの経年変化による相対的な誤差を感じた時のような所望のタイミングで、容易に調整を行うことができる。
【0041】
−第2の実施の形態−
図面を参照して、本発明の第2の実施の形態によるデジタルカメラ1を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、撮像素子14から出力された画像信号を用いてコントラスト方式により焦点検出演算を行うものに代えて、撮像素子14の撮像面に組み込まれた第2焦点検出センサの出力を用いて位相差方式により焦点検出演算を行う点、制御回路19の第2焦点検出部194は第2焦点検出センサの出力を用いて焦点検出を行う点で第1の実施の形態と異なる。
【0042】
第2の実施の形態のデジタルカメラ1は、撮像素子14の撮像面に組み込まれて配置される第2焦点検出センサ16を有する。第2焦点検出センサ16は、後述するように第2焦点検出信号を制御回路19へ出力する。そして、制御回路19の第2焦点検出部194は、入力した第2焦点検出信号を用いて、後述する瞳分割型位相差検出方式により予定焦点面に対する現在の結像面の偏差(デフォーカス量)を算出する。
【0043】
図6に示すように、撮像素子14を構成する撮像用画素141が二次元状に配列されて、図4に示す焦点検出位置P1〜P5には、第2焦点検出センサ16を構成する焦点検出用画素161が配列される。なお、図6は、撮影画面の中央付近に設けられた焦点検出位置P1の近傍を拡大して示す図である。
【0044】
図7は、撮像用画素141および焦点検出用画素161を拡大して示す断面図である。図7(a)に示すように、撮像用画素141は、撮像用の光電変換部142と、撮像用光電変換部142の前方に配置されたマイクロレンズ143とを有する。撮像用の光電変換部142は、撮像素子14内の図示しない半導体回路基板上に形成される。
【0045】
図7(b)に示すように、焦点検出用画素161は、焦点検出用の光電変換部162、163と、焦点検出用の光電変換部162、163の前方に配置されたマイクロレンズ164とを有する。焦点検出用の光電変換部162,163は、撮像用画素141と同一の半導体回路基板上に形成される。なお、撮像用画素141のマイクロレンズ143および焦点検出用画素161のマイクロレンズ164は、撮影レンズL1の焦点面位置の近傍に配置される。
【0046】
図8を用いて、第2焦点検出センサ16による瞳分割方位相差検出方式を説明する。図8では、第2焦点検出センサ16を構成する一部の焦点検出用画素161aおよび161b(マイクロレンズ164a、164bと、二対の光電変換部162aおよび163aと、162bおよび163b)を代表して示す。90は、撮影レンズL1の焦点面位置に配置された、マイクロレンズ164aおよび164bへ入射する光束の射出瞳を示す。この射出瞳90は、マイクロレンズ164aおよび164bの前方であって、距離d4の位置に設けられる。なお、距離d4は、マイクロレンズ164の曲率や屈折率、またマイクロレンズ164と光電変換部162および163との間の距離等に応じて決まる距離であり、本明細書では、撮影レンズL1の焦点面位置と射出瞳との間の距離を測距瞳距離と呼ぶ。
【0047】
91は、撮影レンズL1の光軸を示す。92はマイクロレンズ164aおよび164bとその光電変換部162aおよび162bに対応する測距瞳である。93はマイクロレンズ164aおよび164bとその光電変換部163aおよび163bに対応する測距瞳である。これら一対の測距瞳92、93を通過して被写体からの二対に焦点検出用光束72および73と、82および83とは、マイクロレンズ164aおよび164bを介して、二対の光電変換部162aおよび162bと、163aおよび163bに到達する。図8では、光軸91上に配置された焦点検出用画素161a(マイクロレンズ164aと一対の光電変換部162aおよび163aからなる)と、光軸91外に配置された焦点検出用画素161b(マイクロレンズ164bと一対の光電変換部162bおよび163bからなる)を模式的に示している。しかし、その他の焦点検出用画素161についても、一対の測距瞳から各マイクロレンズ164に入射する焦点検出光束を一対の光電変換部162および163でそれぞれ受光する。なお、焦点検出用画素161の配列方向は、一対の測距瞳の分割方向と一致させる。
【0048】
マイクロレンズ164aおよび164bは、上述したように撮影レンズL1の焦点面位置の近傍に配置されている。光軸91上に配置されたマイクロレンズ164aとその一対の光電変換部162aおよび163aは、マイクロレンズ164aから測距瞳距離d4だけ離れた位置、すなわち射出瞳90上に測距瞳92および93を有する。一方、光軸91から離れて配置されたマイクロレンズ164bとその一対の光電変換部162bおよび163bは、射出瞳90上で測距瞳92および93を有する。すなわち、測距瞳距離d4にある射出瞳90上で各焦点検出用画素161の光電変換部162および163の測距瞳形状(測距瞳92、93)が一致するように構成されている。
【0049】
光電変換部162aは、測距瞳92を通過して、マイクロレンズ164aに向かう焦点検出光束72がマイクロレンズ164a上に形成する像の強度に応じた信号を出力する。また、光電変換部163aは、測距瞳93を通過して、マイクロレンズ164aに向かう焦点検出光束73がマイクロレンズ164a上に形成する像の強度に応じた信号を出力する。一方、光電変換部162bは、測距瞳92を通過して、マイクロレンズ164bに向かう焦点検出光束82がマイクロレンズ164b上に形成する像の強度に応じた信号を出力する。また、光電変換部163bは、測距瞳93を通過して、マイクロレンズ164bに向かう焦点検出光束83がマイクロレンズ164b上に形成する像の強度に応じた信号を出力する。上述したような焦点検出用画素161をアレイ状に多数配置し、その背後に配置した一対の光電変換部162および163から出力された信号を測距瞳92および93に対応した出力グループにまとめることにより、測距瞳92および93をそれぞれ通過する焦点検出光束が画素列上に形成する一対の像の強度分布に関する情報、すなわち第2焦点検出信号が得られる。
【0050】
第2焦点検出部194は、この第2焦点検出信号に対して像ズレ検出演算処理(相関処理、位相差検出処理)を施すことにより、いわゆる瞳分割型位相差検出方式(マイクロレンズ方式)で一対の像の像ズレ量を検出する。さらに、第2焦点検出部194は、像ズレ量に所定の変換係数を乗ずることにより、予定焦点面の偏差(デフォーカス量)を算出することができる。第2焦点検出部194は、デフォーカス量から焦点調節レンズL1aの進退駆動量および駆動方向を決定する。そして、第2焦点検出部194は、決定した駆動量と駆動方向とを駆動制御信号として交換レンズ2のレンズ駆動部4へ出力し、焦点調節レンズL1aの駆動を制御する。なお、デフォーカス量は焦点検出位置P1〜P5ごとに異なる。また、デフォーカス量(像ズレ量)の検出精度は、像ズレ量の検出ピッチ、マイクロレンズ方式の場合はマイクロレンズの配列ピッチにより決まる。
【0051】
次に、第2の実施の形態におけるデジタルカメラ1の調整モードについて説明する。調整モードでは、デジタルカメラ1は第2焦点検出センサ16から出力された第2焦点検出信号を用いて上述した瞳分割型位相差式方式により焦点検出を行い、第2デフォーカス量を算出する。さらに、デジタルカメラ1は、第1焦点検出センサ15から出力された第1焦点検出信号を用いて上述した位相差式方式により焦点検出を行い、第1デフォーカス量を算出する。デジタルカメラ1は、算出した第1デフォーカス量と第2でフォーカス量との差分値を算出する。そして、デジタルカメラ1は、算出した差分値を、撮像素子14と第1焦点検出センサ15との間の相対的な誤差とし、この差分値を補正値として内蔵メモリ23に記録する。以下、調整モードの詳細について説明する。
【0052】
制御回路19は、第1の実施の形態と同様に、操作部30から調整モードの起動操作が行われたことを示す操作信号を入力した場合、または外部インタフェース24を介して外部機器からコマンド信号を入力した場合に、調整モードを起動する。調整モードでは、専用チャートが被写体として用いられ、専用チャートとデジタルカメラ1までの距離、および焦点検出位置P1〜P5、いわゆる測距点の睨み位置が固定された状態で起動されることを前提とする点は、第1の実施の形態と同様である。
【0053】
制御回路19は、調整モードを起動すると、クイックリターンミラー10を図1(b)に示すミラーアップ位置へ駆動させる。その結果、上述したように、撮像素子14および第2焦点検出センサ16の撮像面に被写体からの光束が導かれ、被写体像が結像する。第2焦点検出部194は、図4に示す焦点検出位置P1〜P5のうちのいずれか一つに対応する位置に配置された第2焦点検出センサ16から出力された第2焦点検出信号を用いて、上述した瞳分割型位相差方式による焦点検出演算を行う。すなわち、第2焦点検出部194は撮影レンズL1の予定焦点面に対する現在の結像面の第2デフォーカス量を算出する。以下、焦点検出位置P1に対応する位置に配置された画素からの画像信号に基づいて焦点検出演算が行われたものと仮定して説明する。
【0054】
第2焦点検出部194により第2デフォーカス量が算出されると、制御回路19は、クイックリターンミラー10を図1(a)に示すミラーダウン位置へ駆動させる。ミラーダウンが完了すると、第1焦点調節部193は、焦点検出位置P1に対応して設けられた第1焦点検出センサ15からの第1焦点検出信号を用いて、上述した位相差方式により焦点検出を行う。すなわち、第1焦点検出部193は、撮影レンズL1の予定焦点面に対する現在の結像面の第1デフォーカス量を算出する。
【0055】
制御回路19は、第1でフォーカス量と第2デフォーカス量との差分値を算出する。この差分値は、同一の焦点検出位置に対する第1デフォーカス量と第2デフォーカス量の差分なので、撮像素子14および第2焦点検出センサ16と第1焦点検出センサ15との間の相対的な誤差を示すことになる。したがって、制御回路19は、算出した差分値を、相対的な誤差を補正するための補正値として内蔵メモリ23に記録する。調整モードにおいては、制御回路19は、上記の動作を全ての焦点検出位置P1〜P5のそれぞれについて実行する。すなわち、制御回路19は、それぞれの焦点検出位置P1〜P5について補正値を算出し内蔵メモリ23に記録する。
【0056】
なお、調整モードにおいて、第1焦点検出部193が第1デフォーカス量を算出してから第2焦点検出部194が第2デフォーカス量を算出してもよい。この場合、調整モードが起動されると、制御回路19がミラーアップを行う前に第1焦点検出部193が第1デフォーカス量を算出する。第1デフォーカス量が算出された後、制御回路19はミラーアップを行い、第2焦点検出部194が第2デフォーカス量を算出する。そして、第2デフォーカス量が算出された後、制御回路19がミラーダウンを行う。
【0057】
図9に示すフローチャートを参照しながら、第2の実施の形態によるデジタルカメラ1の調整モードにおける動作について説明する。図9に示す各処理は、制御回路19内の図示しないメモリに記録され、操作部30から調整モードの起動を指示する操作信号、または外部機器から外部インタフェース24を介してコマンド信号が入力されると、制御回路19により起動され、実行される。
【0058】
ステップS201では、クイックリターンミラー10をミラーアップさせてステップS202へ進む。ステップS202では、第2焦点検出センサ16から出力された第2焦点検出信号を用いて、瞳分割型位相差方式の焦点検出処理により第2デフォーカス量を算出してステップS203へ進む。ステップS203では、クイックリターンミラー10をミラーダウンさせてステップS204へ進む。
【0059】
ステップS204では、第1焦点検出センサ15から出力された第1焦点検出信号を用いて、位相差方式の焦点検出処理により第1デフォーカス量を算出してステップS205へ進む。ステップS205では、第1デフォーカス量と第2デフォーカス量との差分値を算出してステップS206へ進む。ステップS206では、ステップS205で算出した差分値を補正値として内蔵メモリ23に記録してステップS207へ進む。ステップS207では、全ての焦点検出位置P1〜P5のそれぞれについて上記の処理が終了したか否かを判定する。全ての焦点検出位置P1〜P5について処理が終了した場合には、ステップS207が肯定判定されて調整モードによる処理を終了する。全ての焦点検出位置P1〜P5について処理が終了していない場合には、ステップS207が否定判定されてステップS201へ戻る。
【0060】
以上で説明した第2の実施の形態のデジタルカメラによれば、第1の実施の形態により得られた作用効果(3)に加えて、以下の作用効果が得られる。
(1)第1焦点検出センサ15は、撮影レンズL1を介して被写体像を撮像し、撮影レンズL1の焦点調節状態を検出して第1焦点検出信号を出力し、撮像素子14に組み込まれて配置された第2焦点検出センサ16は、撮影レンズL1を介して被写体像を第1焦点センサ15の配置位置とは異なる位置にて撮像し、撮影レンズL1の焦点調節状態を検出して第2焦点検出信号を出力する。制御回路19は、第1焦点検出部193が第1焦点検出信号を用いて算出した第1デフォーカス量と、第2焦点検出部194が第2焦点検出信号を用いて算出した第2デフォーカス量との差分を算出することにより、第1焦点検出センサ15と第2焦点検出センサ16との間の相対的な取り付け誤差を算出する。すなわち制御回路19は、撮像素子14と第1焦点検出センサ15との間の相対的な取り付け誤差を算出する。そして、制御回路19は、この誤差を補正値として内蔵メモリ23に記録するようにした。したがって、第1の実施の形態における効果(1)と同様に、第1焦点検出センサ15に対する複雑な調整を排除し、簡易かつ低コストで調整可能とすることができる。さらに、各サービス拠点にて調整を行う場合に、専用の大型の調整装置等を必要としないので、調整作業の簡易化、低コスト化に寄与する。
【0061】
(2)第1焦点検出部193は、第1焦点検出センサ15から出力された第1焦点検出信号を用いて第1デフォーカス量を算出し、第2焦点検出部194は、第2焦点検出センサ16から出力された第2焦点検出信号を用いて第2デフォーカス量を算出するようにした。その結果、第1デフォーカス量および第2デフォーカス量の算出に際して、焦点調節レンズL1aを駆動させる必要がないので、調整モードで要する時間を短縮することができる。
【0062】
また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。説明に用いた実施の形態および変形例は、それぞれを適宜組合わせて構成しても構わない。
【符号の説明】
【0063】
14・・・撮像素子、 15・・・第1焦点検出センサ、
16・・・第2焦点検出センサ、 19・・・制御回路、
23・・・内蔵メモリ、 30…操作部、
193・・・第1焦点検出部、 194・・・第2焦点検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系を介して被写体像を撮像し、前記撮影光学系の焦点調節状態を検出して第1焦点検出信号を出力する第1焦点検出手段と、
前記撮影光学系を介して前記被写体像を、前記第1焦点検出手段の配置位置とは異なる位置にて撮像し、前記撮影光学系の焦点調節状態を検出して第2焦点検出信号を出力する第2焦点検出手段と、
前記第1焦点検出信号と前記第2焦点検出信号とに基づいて、前記第1焦点検出手段と前記第2焦点検出手段との間の相対的な取り付け誤差を算出する誤差算出手段と、
前記誤差算出手段により算出された前記誤差を補正値として記憶媒体に記録する記録制御手段とを備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記誤差算出手段は、前記第1焦点検出信号に基づいて前記撮影光学系を合焦位置へ駆動させ、前記合焦位置で前記撮影光学系を固定させた状態で前記第2焦点検出手段から出力された前記第2焦点検出信号を用いて、前記相対的な取り付け誤差を算出することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】
請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記第1焦点検出手段は、前記撮影光学系を介して被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像素子を含み、前記画像信号に基づいて前記被写体のコントラストを検出し、
前記第2焦点検出手段は、前記撮影光学系の異なる一対の領域を通過した一対の光束を受光して、被写体像の像ズレ量を検出することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項4】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記誤差算出手段は、前記第1焦点検出信号と前記第2焦点検出信号との差分値を前記相対的な取り付け誤差として算出することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項5】
請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、
前記第1焦点検出手段は、前記撮影光学系を介して被写体像を撮像する撮像素子に組み込まれ、前記撮影光学系の異なる一対の領域を通過した一対の光束を受光して、被写体像の像ズレ量を検出し、
前記第2焦点検出手段は、前記撮影光学系の異なる一対の領域を通過した一対の光束を受光して、被写体像の像ズレ量を検出することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデジタルカメラにおいて、
前記誤差算出手段が前記誤差を算出するための調整モードの起動操作を受け付ける受付手段をさらに備えることを特徴とするデジタルカメラ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−175172(P2011−175172A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40379(P2010−40379)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】