説明

デジタル信号プロセッサを備えたパワーコンバータ

アップコンバータ(100)は、出力(3)と直列に接続されたインダクタ(5)及びダイオード(6)と、前記出力と並列に接続されたコンデンサ(8)と、前記インダクタと前記ダイオードとの間のノードに結合された1つのスイッチ端子を持つ制御可能スイッチ(7)とを有する。制御方法は、−インダクタに整流化された交流電圧(V)を供給するステップと、−スイッチをスイッチ開閉するために、パルス幅(T)を持つスイッチ制御信号(S)を発生させるステップと、を有し、スイッチ制御信号は、出力(3)における出力電圧(V)に基づいて発生させられる。本発明によれば、アップコンバータは、デジタルプロセッサ(110)を有し、該デジタルプロセッサ(110)は、出力電圧(V)をサンプリングし、出力電圧(V)が略一定に留まるようにスイッチ制御信号(S)のパルス幅(T)を計算するように、サンプリングされた出力電圧(V)をデジタル的に処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にアップコンバータに関する。本発明は、特に、ランプドライバ、例えばガス放電ランプを駆動するためのドライバにおける使用のためのアップコンバータに関するが、これに限られるものではない。以下では、本発明は、ガス放電ランプのためのドライバに関連して具体的に説明されるが、これは例示に過ぎず、本発明の範囲を制限することを意図しないことが理解されるべきである。
【背景技術】
【0002】
一般的に言って、ガス放電ランプは、略一定のランプ電流を供給されるべきであるのに対し、電源は、交流電圧を供給する電圧源とみなされることができる。ランプドライバは、電源から交流電圧を受け、これを用いて、ランプによって決定される電圧で略一定の電流を発生させるように設計されるべきである。更に、ドライバは、電源を歪ませないように設計されるべきであり、少なくとも、いかなる歪みも予め規定された範囲内に留まるべきである。
【0003】
これらの要求を満たすため、ランプドライバは、プリコンディショナ又はアップコンバータとも示される第1の段又は入力段を有し、この段で、典型的には230VACのオーダーの電源から受ける入力交流電圧は、典型的には400VDCのオーダーの略一定の出力電圧に整形され変換される。電源から引き出される入力電圧は、略正弦波形(sinus-shaped)である。
【0004】
従来技術のアップコンバータは、典型的に、図1に示されるように力率コントローラIC(PFC)を中核として設計される。このような従来技術のデザインは当業者に一般的に知られているので、アップコンバータのデザイン及び動作は簡単にしか議論しない。
【0005】
図1は、電源への接続のための入力端子2を持ち、略一定の出力電圧Vを供給するための出力端子3を持つ、従来技術のアップコンバータ1を図式的に示す。アップコンバータ1は、整流器4と、整流器4の出力に結合された第1の端子5aを持つコンバータコイル5と、第2のコイル端子5bと出力端子3との間に結合されたダイオード6とを有する。入力フィルタコンデンサ4Aは、整流器4の出力に並列に結合され、整流器4の出力(即ち整流化された電源)の高周波リップルをフィルタ除去する役目を果たす。出力バッファコンデンサ8は、出力端子3に並列に結合され、電圧を出力端子3でバッファしてこの電圧が略一定であることを保証する役目を果たす。アップコンバータ1は、制御可能なスイッチ7を更に有し、これは、第2のコイル端子5bとグラウンドとの間に接続され、PFC 10の制御出力17に結合される制御端子7cを持つ。コンバータコイル5は、整流器4からエネルギーをチャージされる。出力電圧は、基本的には出力バッファコンデンサ8によって供給される。略一定の出力電圧(即ちバッファコンデンサ8の電圧)を維持するために、PFC 10は、スイッチ7の開閉を制御する。
【0006】
PFC 10は、コンバータ1を臨界モードで動作させるように設計されている。このために、PFC 10は、コイル5の検出巻線21に結合されるコイル検出入力11を持つ。スイッチ7を通じるピーク電流を制御パラメータとして用いることが可能であるためには、検出レジスタ9が、スイッチ7と直列に接続され、スイッチ7と検出レジスタ9との間のノードは、PFC 10のピーク電流検出入力19に接続される。PFC 10は、第1の測定信号生成手段24から、入力測定信号Sを受けるように結合された第1の入力14を更に持ち、前記第1の測定信号生成手段24は、フィルタリングされた整流化された電源の電圧(図1中でVで示される)に基づいて、入力測定信号Sを発生させるように適応されている。PFC 10は、第2の測定信号発生手段28から出力測定信号Sを受けるように結合された第2の出力18を更に持ち、前記第2の測定信号発生手段28は、スイッチ7を通じるピーク電流のためのセットポイントを計算することができるために、出力3における出力電圧Vに基づいて出力測定信号Sを発生させるように適応されている。
【0007】
このような従来技術の設計は、幾つかの欠点を持つ。
【0008】
検出巻線の必要性は、コンバータコイルアセンブリのコストを増加させる。
【0009】
スイッチ7を通じる電流は、高周波電流パルスからなり、このことは、ピークスイッチ電流を測定するための測定回路が、動作状態が非常にゆっくりしか変化しないとしても非常に速くなければならないことを意味する。
【0010】
スイッチ7を通じるピーク電流のためのセットポイントを計算する際には、PFC 10は、略同一の形状を持つ電源電流をコンバータが電源電圧として引き出すためには、エラー信号を電源電圧によって乗じなければならない。しかし、乗算器は、限定された範囲しか持たない。結果として、コンバータ1は、大きな範囲の入力電圧を扱うことはできない。
【0011】
PFC 10は、入力電圧及び/又は出力電圧の変化に応じて、スイッチ7のスイッチング周波数を変化させる。これは、コンバータ1が処理することができる入力電圧の範囲及び出力電力の範囲を制限する。コンバータ1が汎用電源電圧(universal mains voltage)(例えば110〜280VACの範囲)を処理すべきなら、及び/又は、コンバータ1が可変出力電力を処理すべきなら、1MHzまでの範囲のスイッチング周波数が必要とされる。これは、スイッチング損失につながる。更に、これは、増加された電磁干渉にもつながり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の全般的な目的は、上述の欠点の少なくとも一部が除去又は少なくとも低減されるアップコンバータを提供することである。
【0013】
特に、本発明は、コンバータコイルアセンブリが検出巻線を必要としないアップコンバータを提供することを目的とする。
【0014】
本発明の他の特定の目的は、大きな動的範囲の入力電圧を持つアップコンバータを提供することである。
【0015】
本発明の他の特定の目的は、広範囲の入力電圧及び広範囲の出力電力を処理することができるアップコンバータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の重要な側面によれば、アップコンバータは、不連続モードで一定周波数及び可変パルス幅で動作させられる。
【0017】
本発明の第2の重要な側面によれば、パルス幅は、入力電圧及び出力電圧から直接計算される。1つの利点は、ピークスイッチ電流を測定するための、スイッチと直列の電流検出レジスタが、省略されることができるということである。他の利点は、入力電圧及び出力電圧が、比較的ゆっくりと変化する信号であるので、測定回路は高速回路である必要がないということである。
【0018】
本発明の第3の重要な側面によれば、コンバータは、デジタルコントローラ、例えばデジタル信号プロセッサによって制御される。より具体的には、スイッチは、デジタル的に発生させられた制御信号によって制御される。制御信号をデジタル的に発生させることの1つの利点は、信号処理が、如何なる他の外的部品も必要としないということである。他の利点は、入力信号が、比較的広い範囲に亘って容易に変化し得るということである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のこれらの及び他の側面、特徴及び利点は、図面を参照して本発明によるアップコンバータの好適な実施例の以下の説明によって更に説明され、ここで同一参照番号が同一又は類似した部分を示す。
【0020】
図2は、本発明によるアップコンバータ100を図式的に示す。図1の構成要素と同一の参照番号を持つ構成要素は、従来技術と同一又は類似の機能を持つので、上記の議論を繰り返す必要はない。しかし、本発明によるアップコンバータ100は、検出巻線を備えたコイルを持つ必要がなく、スイッチ7と直列のセンスレジスタも必要ないので、これらの部品は図2では存在しないことに注意されたい。
【0021】
本発明の重要な側面によれば、アップコンバータ100はデジタルコントローラ110を有する。デジタルコントローラ110は、当業者にとっては明らかであるように、デジタル信号プロセッサとして、又は、デジタル部品のプログラマブルアレイ等として便利に実現されることができる。更に、デジタルコントローラ110は、ハードウェアのみで実現されることは可能であるが、デジタルコントローラ110がソフトウェアプログラムを実行することができることによりこれが特定のアプリケーションに容易に適応されることができるということが、好適である。
【0022】
デジタルコントローラ110は、フィルタリングされた整流化された電源電圧Vを表す入力測定信号Sを受けるための、第1の信号発生手段124に結合された第1の入力114を持つ。第1の信号発生手段124はデジタル的に動作するように適応されることができるので、入力測定信号Sはデジタル信号であるが、デジタルコントローラ110が、その第1の入力114に関連したアナログデジタルコンバータ(ADC)を持つことも可能である。分かり易さのため、このようなADCは、図2に示されない。
【0023】
同様に、デジタルコントローラ110は、出力電圧Vを表す出力測定信号Sを受けるための、第2の信号発生手段128に結合される第2の入力118を持つ。第2の信号発生手段128はデジタル的に動作するように適応されることができるので、出力測定信号Sはデジタル信号であるが、デジタルコントローラ110が、その第2の入力118に関連したADCを持つことも可能である。これも、分かり易さのため示されない。
【0024】
デジタルコントローラ110は、スイッチ7のための制御信号Sを、その制御出力117で発生させるように適応される。この信号は、2レベルを持つデジタル制御信号である。即ち、スイッチ7をその非伝導状態に制御するための第1のレベルと、スイッチ7をその伝導状態に制御するための第2のレベルとである。議論のため、第1のレベルはローレベル「L」であり、第2のレベルはハイレベル「H」でありそれぞれ「0」及び「1」とも示されると仮定される。デジタルコントローラ110は、アップコンバータ100を非連続モードで一定の周波数及び可変のパルス幅で動作させるように適応される。これは、制御信号Scが略一定の周波数で発生させられることを意味する。即ち、相次ぐH−パルスの繰返し周期は略一定であり、以下ではTとして示される。制御信号Scは、可変パルス幅Tを持つ、即ち、H−パルスの持続期間THは変化されることができる。同様に、L−パルスの持続期間TLは、
=T−T
に従って可変である。当業者には明らかであるように、デジタルコントローラ110は、結果として生じる出力電流が所望の特徴を持つようにパルス幅Tをセットするように適応される。
【0025】
例1
制御信号Sの1つの繰返し期間Tにおいて、電源から引き出される平均電流IAVは、次の式(1)によって表現されることができることが示されることができる。
【数3】

【0026】
アップコンバータは、T/T<1−V/Vという条件が満たされる限り不連続モードで動作される。
【0027】
アップコンバータ100の重要な機能は、力率コントローラの機能である。これは、アップコンバータ100が、電源電流が電源電圧に略比例することを保証しなければならないことを意味する。この要件は、式(2)で表され、
【数4】

ここでRは、抵抗の次元を持つ比例定数である。
【0028】
式(2)を式(1)と組み合わせることは、Tが次の式(3)に従ってセットされたら上記要件が満たされることを示す。
【数5】

【0029】
が一定であると仮定すると、式(3)によって表されるTは、電源周波数で周期的に変化することが容易に理解される。L、T及びRは一定の回路パラメータである。
【0030】
力率の要件が式(2)の要件とは異なれば、Tは異なった式に従ってセットされることができることに注意されたい。
【0031】
例2
図2のコンバータは、スイッチ制御信号SCの繰返し周波数が50kHzにセットされた、実験的な実施例で試験された。入力測定信号S及び出力測定信号Sは、それぞれ、サンプリング周波数6.7kHzでサンプリングされた。デジタル制御ループは、デジタル化された測定信号S及びSを処理し、パルス幅を式(3)に従って計算した。パルス幅は150μs毎に更新された。デジタル制御ループは、7Hzのバンド幅を持つように設計された。交流電圧電源は入力2に接続された。入力電圧は、100〜280Vの範囲内で変化させられた。出力3に接続された抵抗型負荷は16W〜80Wの範囲内で変化させられた。
【0032】
全ての場合において、動作は安定していることが分かった。即ち、全高調波歪は、常に14%より低かった。
【0033】
(整流器4の出力における)整流化された電源電圧及び出力電圧Vは、例えばスイッチ7のスイッチング周波数に対応する高周波信号成分を含んでよいことに注意されたい。好適には、整流化された電源電圧V及び出力電圧Vのサンプリングレートよりも高い周波数を持つ信号成分は、フィルタ除去される。従って、デジタルコントローラ110は、好適には、その第1の及び第2の入力114及び118に関連するローパスフィルタ(示されない)を備える。これらのフィルタは、デジタルコントローラ110自体又はそれぞれ対応する測定信号発生器124,128に組み込まれてよい。非制限的な例により、これらのローパスフィルタの適切なカットオフ周波数は、約1kHz〜約4kHzの範囲内にある。
【0034】
図3−Aは、ガス放電ランプLaを駆動するためのランプドライバ300Aの第1の実施例を図式的に示すブロック図である。ランプドライバ300Aは、上述のアップコンバータ100を有する。実質的にランプ電流を発生させるための電流源として挙動するダウンコンバータ301は、アップコンバータ100の一定の出力電圧を受け、この電圧を略一定の第2の電圧レベルに変換する。コミュテータ302は、ダウンコンバータ301の出力をランプLaに接続し、ランプ電流の方向を所定の転流(commutation)周波数で変更する。
【0035】
ランプドライバ300Aでは、ダウンコンバータ301及びコミュテータ302の動作は、それぞれ、対応するコントローラ303によって制御される。図3−Aでは、コントローラ303は、アップコンバータ100のデジタルコントローラ110とは分離して示される。しかし、好適には、このコントローラ303は、アップコンバータ100のデジタルコントローラ110と一体化されたデジタルコントローラである。
【0036】
図3−Bは、ガス放電ランプLaを駆動するためのランプドライバ300Bの第2の実施例を図式的に示すブロック図である。ランプドライバ300Bは、上述のアップコンバータ100を有する。例えばハーフブリッジ又はフルブリッジとして実現され、転流ランプ電流を発生させるための転流電流源として実質的に挙動する、整流フォワードブリッジ304は、アップコンバータ100の一定出力電圧を受け、転流ランプ電流をランプLaに供給し、所定の転流周波数でランプ電流の方向を変化させる。
【0037】
ランプドライバ300Bにおいて、転流フォワードブリッジの動作は、対応するコントローラ305によって制御される。図3Bで、コントローラ305は、アップコンバータ100のデジタルコントローラ110とは別個に示される。しかし、好適には、このコントローラ305は、アップコンバータ100のデジタルコントローラ110と統合されたデジタルコントローラである。
【0038】
従って、本発明は、出力3に直列接続されたインダクタ5及びダイオード6と、前記出力3に並列に接続されたコンデンサ8と、インダクタ5とダイオード6との間のノードに結合された1つのスイッチ端子を持つ制御可能スイッチ7とを有するアップコンバータ100を提供することに成功する。
【0039】
アップコンバータ100の制御方法は、インダクタ5に整流化されたAC電圧Vを供給するステップと、スイッチを略一定の繰返し周波数でスイッチ開閉させるようにパルス幅THを持つスイッチ制御信号Sを発生させるステップとを有し、ここで、スイッチ制御信号Sは、前記出力3における出力電圧Vを表す第1の測定信号Sに基づいて発生させられる。
【0040】
本発明によれば、アップコンバータは、第1の測定信号Sをサンプリングし、且つ、出力電圧Vが略一定に留まるようにスイッチ制御信号Sのパルス幅Tを計算するように、サンプリングされた第1の測定信号Sをデジタル的に処理する、デジタルプロセッサ110を有する。
【0041】
当業者には、本発明が、上述の例示の実施例に制限されるものではなく、添付の請求項に規定される発明の保護範囲内で幾つもの変形例及び秋冷例が可能であることが明らかであろう。
【0042】
上記において、本発明は、本発明による装置の機能ブロックを図示するブロック図を参照して説明された。これらの機能ブロックのうち1つ又は複数がハードウェアで実現され、機能ブロックの機能が個々のハードウェア部品によって実行されることができるが、これらの機能ブロックのうち1つ又は複数がソフトウェアで実現されてこのような機能ブロックの機能がコンピュータプログラム又はプログラマブルデバイス(例えばマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ等)の1つ又は複数のプログラムラインによって実行されることも可能であることは理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】従来技術のアップコンバータを図式的に示すブロック図である。
【図2】本発明によるアップコンバータを図式的に示すブロック図である。
【図3−A】ランプドライバを図式的に示すブロック図である。
【図3−B】ランプドライバを図式的に示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流入力電圧を受けるための入力を持ち、更に出力を持つアップコンバータを制御するための方法において、
前記出力と直列に接続されたインダクタ及びダイオードを提供するステップと、
前記出力と並列に接続されたコンデンサを提供するステップと、
前記インダクタと前記ダイオードとの間のノードに結合された1つのスイッチ端子を持つ制御可能スイッチを提供するステップと、
前記インダクタに前記交流入力電圧から引き出される整流化された交流電圧を供給するステップと、
前記スイッチをスイッチ開閉するために、略一定の繰返し周波数及び変化するパルス幅を持つスイッチ制御信号を発生させるステップと、
前記出力における前記出力電圧を表す第1の測定信号を発生させるステップと、
第1の所定のサンプリング周波数で前記第1の測定信号をサンプリングするステップと、
前記出力電圧が略一定に留まるように前記スイッチ制御信号の前記パルス幅を計算するように、前記サンプリングされた第1の測定信号をデジタル的に処理するステップと、
前記パルス幅を前記計算結果に従ってセットするステップと、
を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記サンプリングされた第1の測定信号の前記処理及び前記パルス幅の前記計算は、適切にプログラムされたコントローラにおいて実行されているソフトウェアプログラムによって行われる、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記パルス幅は所定の更新周波数で更新される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、更に、
前記整流化された交流電圧を表す第2の測定信号を発生させるステップと、
第2の所定のサンプリング周波数で前記第2の測定信号をサンプリングするステップであって、前記第2の所定のサンプリング周波数は好適には前記第1の所定のサンプリング周波数に等しく、前記第2の測定信号及び前記第1の測定信号は好適には同時にサンプリングされる、ステップと、
を有し、前記スイッチ制御信号の前記パルス幅は、以下の式に従って計算され、
【数1】

ここで、Kは、装置パラメータに応じた乗算定数である、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記第1の所定のサンプリング周波数は、前記制御信号の前記繰返し周波数に略等しい、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記アップコンバータは、ガス放電ランプのためのドライバの一部である、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記アップコンバータの前記入力は電源に接続されている、方法。
【請求項8】
アップコンバータにおいて、
交流入力電圧を受けるための入力と、
出力と、
前記入力に接続される自身の入力を持ち、整流化された交流電圧を提供する出力を持つ整流器と、
前記アップコンバータの前記出力と直列に接続されたインダクタ及びダイオードであって、前記インダクタは、前記整流器の前記出力に結合された第1の端子を持つと共に前記ダイオードに結合された第2の端子を持つ、インダクタ及びダイオードと、
前記アップコンバータの前記出力と並列に接続されたコンデンサと、
前記インダクタと前記ダイオードとの間のノードに結合された1つのスイッチ端子を持つスイッチと、
前記出力で前記出力電圧を表す第1の測定信号を受けるように結合された第1の入力を持ち、更に、前記スイッチの制御端子に結合された結合出力を持つデジタルプロセッサと、
を有するアップコンバータにおいて、前記デジタルプロセッサは、
−自身の制御出力部において前記スイッチをスイッチ開閉するために、パルス幅及び略一定の繰返し周波数を持つスイッチ制御信号を発生させ、
−好適には前記繰返し周波数に等しい第1の所定のサンプリング周波数で第1の測定信号をサンプリングし、
−前記出力電圧が略一定に留まるように前記スイッチ制御信号のパルス幅を計算するように、サンプリングされた第1の測定信号をデジタル的に処理し、
−前記計算結果に従って前記スイッチ制御信号の前記パルス幅をセットする
ように適応された、アップコンバータ。
【請求項9】
請求項8に記載のアップコンバータにおいて、前記デジタルプロセッサは、少なくとも前記スイッチ制御信号の前記パルス幅を計算する前記ステップを行うように実行するソフトウェアプログラムを有する、アップコンバータ。
【請求項10】
請求項8に記載のアップコンバータにおいて、
前記デジタルプロセッサは、前記整流化された交流電圧を表す第2の測定信号を受けるように結合された第2の入力を更に有し、
当該デジタルプロセッサは、前記第1のサンプリング周波数に好適には等しい、第2の所定のサンプリング周波数で前記第2の測定信号をサンプリングするように適応され、当該デジタルプロセッサは、好適には、前記第1の測定信号と同時に前記第2の測定信号をサンプリングするように適応され、
前記デジタルプロセッサは、前記スイッチ制御信号の前記パルス幅を以下の式に従って計算するように適応され、
【数2】

ここで、Kは、装置パラメータに応じた乗算定数である、アップコンバータ。
【請求項11】
請求項8に記載のアップコンバータを有するガス放電ランプ用のドライバ。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2007−507199(P2007−507199A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527521(P2006−527521)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051719
【国際公開番号】WO2005/029925
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】