デジタル放送受信装置、及び、プログラム
【課題】強階層受信中に、弱階層用のチューナや復調処理部を間欠的に動作させて弱階層の受信状態を効率良く監視することで、消費電力を抑えながら強階層受信から弱階層受信へ切り替えを行うことができるデジタル放送受信装置等を提供する。
【解決手段】本発明に係るデジタル放送受信装置は、デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定し、前記デジタル放送信号から弱階層信号及び強階層信号を取り出して復号し、自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する。また、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、前記信号品質が所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する。
【解決手段】本発明に係るデジタル放送受信装置は、デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定し、前記デジタル放送信号から弱階層信号及び強階層信号を取り出して復号し、自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する。また、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、前記信号品質が所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信装置に関し、特に、階層伝送により、同一内容の番組が弱階層と強階層で放送されているデジタル放送を受信するデジタル放送受信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本の地上デジタル放送は、伝送方式としてISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)方式を採用している。ISDB−T方式では、1チャンネルの伝送帯域を13個のセグメントに分割し、それぞれのセグメントを単位として伝送パラメータを変更することが可能である。また、最大3階層までの階層伝送を行うことができる。
【0003】
現在、この階層伝送を利用して、固定受信端末向け放送(以下、弱階層という)と携帯受信端末向け放送(以下、強階層という)が行われており、弱階層と強階層は、同一内容の番組を放送するサイマル放送が大部分を占める。ここで、弱階層は、伝送容量が大きく、高品質コンテンツ(高画質、高音質)であるが、ノイズ耐性が比較的弱く、一方、強階層は、伝送容量が小さく低品質コンテンツ(低画質、低音質)であるが、ノイズ耐性が比較的強いという特徴がある。
【0004】
ところで、地上デジタル放送を車載装置や携帯端末などの移動体で受信する場合、移動に応じて放送電波の受信状態は時々刻々と変化する。このため、階層伝送に対応したデジタル放送受信装置において、例えば、デジタル変調された信号を復調する際のエラーレートや電界強度などを階層毎に監視し、弱階層を受信時に弱階層の受信状態が悪化した時には、ノイズ耐性の比較的強い強階層に切り替えて受信を継続し、また、強階層を受信時に弱階層の受信状態が改善した時には、弱階層に切り替えて受信を行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−277873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、強階層受信から弱階層受信へ切り替えるためには、強階層受信中に、常に弱階層の受信状態を監視するために弱階層用のチューナや復調処理部を起動しておく必要があり、消費電力が大きくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、強階層受信中に、弱階層用のチューナや復調処理部を間欠的に動作させて弱階層の受信状態を効率良く監視することで、消費電力を抑えながら強階層受信から弱階層受信へ切り替えを行うことができるデジタル放送受信装置、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るデジタル放送受信装置は、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記信号品質が所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とする。
【0009】
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定する、ことも可能である。
【0010】
タイマ時刻を計時するタイマ部と、をさらに備え、
前記位置測定部は、前記タイマ部が計時するタイマ時刻が所定の時刻になった場合、前記移動量及び前記移動速度の測定を開始する、ことも可能である。
【0011】
前記所定の時刻は、前記移動量及び/又は前記移動速度が大きければ大きいほど、小さく設定される、ことも可能である。
【0012】
本発明の他の観点に係るデジタル放送受信装置は、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号及び前記強階層信号により示される信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記強階層信号により示される信号品質が所定の強階層品質を満たすか否かを判定し、
前記位置測定部は、前記強階層信号により示される信号品質が前記所定の強階層品質を満たすと判定された場合、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、
前記信号品質測定部は、前記移動量及び/又は前記移動速度が前記所定の閾値以上である場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の弱階層品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の弱階層品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とする。
【0013】
本発明の他の観点に係るデジタル放送受信装置は、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置の位置を示す位置情報を測定する位置測定部と、
前記位置情報と、当該位置において前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たす回数及び/又は割合と、を対応付けて記憶する記憶部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置に対応付けられる前記回数及び/又は前記割合が所定の閾値以上か否かを判定し、さらに、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とする。
【0014】
本発明の他の観点に係るデジタル放送受信装置は、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置の位置が屋外にあるか否かを判定する屋外判定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置が屋外にあると判定された場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とする。
【0015】
前記自装置の位置を示す位置情報を測定する前記位置測定部と、
前記自装置の位置及び屋内外の位置が示される地図を記憶する地図記憶部と、
前記自装置の位置と前記屋内外の位置とを比較して、当該自装置の位置が屋外にあるか否かを判定する屋外判定部と、をさらに備える、ことも可能である。
【0016】
本発明の他の観点に係るデジタル放送受信装置は、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
複数の基地局と無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信により示される通信品質を測定する通信品質測定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記無線通信部が無線通信を行う基地局が変更された、または、前記通信品質が所定の通信品質を満たさない場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0017】
本発明の他の観点に係るデジタル放送受信装置は、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定部と、を備え、
前記信号再生部は、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記弱階層信号の再生を中止して前記強階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0018】
本発明の他の観点に係るプログラムは、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記信号品質が所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0019】
本発明の他の観点に係るプログラムは、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号及び前記強階層信号により示される信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記強階層信号により示される信号品質が所定の強階層品質を満たすか否か判定し、
前記位置測定工程では、前記強階層信号により示される信号品質が前記所定の強階層品質を満たすと判定された場合、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、
前記信号品質測定工程では、前記移動量及び/又は前記移動速度が前記所定の閾値以上である場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の弱階層品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の弱階層品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0020】
本発明の他の観点に係るプログラムは、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置の位置を示す位置情報を測定する位置測定工程と、
前記位置情報と、当該位置において前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たす回数及び/又は割合と、を対応付けて記憶する記憶工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置に対応付けられる前記回数及び/又は前記割合が所定の閾値以上か否かを判定し、さらに、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0021】
本発明の他の観点に係るプログラムは、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置の位置が屋外にあるか否かを判定する屋外判定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置が屋外にあると判定された場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0022】
本発明の他の観点に係るプログラムは、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
複数の基地局と無線通信を行う無線通信工程と、
前記無線通信により示される通信品質を測定する通信品質測定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記無線通信部が無線通信を行う基地局が変更された、または、前記通信品質が所定の通信品質を満たさない場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0023】
本発明の他の観点に係るプログラムは、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定工程と、を実行させ、
前記信号再生工程では、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記弱階層信号の再生を中止して前記強階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、強階層受信中に弱階層受信可能エリアに移動した時に、消費電力を抑えながら強階層受信から弱階層受信へ切り替えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(実施形態1)
以下では、本発明のデジタル放送受信装置の実施形態の一つについて説明するが、当該実施形態は本発明の原理の理解を容易にするためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施形態に限られるものではなく、当業者が以下の実施形態の構成を適宜置換した他の実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0026】
まず、本発明の実施の形態に係るデジタル放送受信装置が実現される典型的な携帯電話端末1の概要構成を示す図1を参照して説明する。本実施形態は、デジタル放送受信装置を、デジタル放送受信機能を持つ携帯電話端末1に適用した例である。
【0027】
(携帯電話端末の基本構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る携帯電話端末1の機能構成図である。携帯電話端末1は、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、ワンセグチューナ部15、ワンセグデコード部16、フルセグチューナ部17、デスクランブル部18、フルセグデコード部19、音声出力部20、音声入力部21、通信部22、位置情報取得部23、タイマ部24、バス25を備える。
【0028】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサユニット等から構成され、後述する記憶部12に格納された動作プログラムに従って、携帯電話端末1の全体的な動作を制御する。例えば、受信するデジタル放送のチャンネルの変更や、受信したデジタル放送のコンテンツの再生を制御する。また、制御部11は、各種のデータ(例えば、映像、字幕文、データ放送等)を、表示部14に表示させる。
【0029】
記憶部12は、各種のデータを記憶する。例えば、記憶部12は、制御部11の動作制御用プログラムを記憶する。記憶部12は、携帯電話端末1に内蔵されるメモリ、取り外し可能な外部メモリ、のいずれから構成されても良い。
【0030】
操作部13は、キーボード、カーソルキー、テンキー等の各種のキー若しくはボタンを備え、ユーザからの操作を受け付け、操作信号を制御部11に入力する。
【0031】
表示部14は、ドットマトリクスタイプのLCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示パネルと、ドライバ回路等から構成され、制御部11の制御下にて任意のデータ(例えば、映像、字幕、データ放送等)を表示する。
【0032】
ワンセグチューナ部15は、アンテナを介して受信したワンセグ放送のコンテンツを復調し、復調信号をワンセグデコード部16に出力する。
【0033】
ワンセグチューナ部15の詳細な構成を図2に示す。ワンセグチューナ部15は、アンテナ150、電界強度測定器151、受信機152、復調器153、BER測定器154、電界強度出力線155、BER出力線156、TS出力線157などから構成される。
【0034】
アンテナ150はデジタル放送が受信可能な、例えば、UHF帯やVHF帯の電波を受信するために必要な形状をしている。
【0035】
電界強度測定器151は、デジタル放送を受信している状態での電界強度値を求め、電界強度出力線155を介して制御部11に出力する。
【0036】
受信機152は、アンテナ150から入力された信号を、RF信号として後段の復調器153に出力する。
【0037】
復調器153は、受信機152から入力された信号を復調してトランスポートストリーム(以下、TSという)データを出力する。さらに、後段のBER測定器154によって受信信号のビット誤り率(BER;Bit Error Rate)値が測定された後、TS出力線157からTSが出力される。また、測定されたBER値は、BER出力線156を介して制御部11に出力される。
【0038】
BER測定器154は、復調器153の出力である復号ビット列から、受信信号のBERを逐次測定する。
【0039】
ワンセグデコード部16は、ワンセグチューナ部15が出力したコンテンツをデコードし、出力する。映像デコーダ、音声デコーダを含む。
【0040】
フルセグチューナ部17は、アンテナを介して受信したフルセグ放送のコンテンツを復調し、復調信号を後述するデスクランブル部18に出力する。
なお、フルセグチューナ部17の詳細な構成は、ワンセグチューナ部15と同様であるため各部の説明は省略する。また、ワンセグチューナ部15とフルセグチューナ部17とが一つのモジュールとして構成されている場合も考えられる。
【0041】
デスクランブル部18では、フルセグチューナ部17が出力したスクランブルのかかったコンテンツの暗号を解き、データを平文にしてフルセグデコード部19に出力する。
【0042】
フルセグデコード部19は、デスクランブル部18が出力した平文コンテンツをデコードし、出力する。映像デコーダ、音声デコーダを含む。
【0043】
音声出力部20は、スピーカ、DAC(Digital Analog Converter)等を備え、例えば、制御部11が再生したコンテンツの音声信号にDA変換を施し、スピーカにより放音する。
【0044】
音声入力部21は、マイク等を備え、通話時等に、音声信号を収集し、通信部22に供給する。
【0045】
通信部22は、無線通信基地局を介して、通話音声、各種のデータ、等を送受信する。
【0046】
位置情報取得部23は、携帯電話端末1の現在位置情報を取得するもので、例えば、GPS装置や、加速度センサ、電子コンパス等で構成される。
【0047】
タイマ部24は、マイクロプロセッサユニットなどに付属した機構であり、一定の時間間隔で割り込みを発生させる。制御部11が割り込みを発生させる時間間隔を設定できる。
【0048】
バス25は、各部間で相互にデータを伝送する。
【0049】
電源部(図示せず)は、バッテリを備え、当該バッテリは、携帯電話端末1に電力を供給する。
【0050】
(切り替え処理の概要)
次に、フルセグ放送をワンセグ放送に切り替える処理について図3を用いて説明する。
【0051】
フルセグ放送を受信して視聴している際に、移動等により受信状態が悪化すると、映像にブロックノイズが発生し、それ以上快適な視聴を続けられなくなる場合がある。そのような場合に、同じチャンネルのワンセグ放送に切り替えて表示することにより、ユーザは番組を継続して視聴でき、使い勝手が向上する。このように制御するには、フルセグ放送の受信中に、例えば、受信電界強度やBER値を取得し、予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定する必要がある。そして、もし閾値よりも小さくなった場合は、ワンセグ放送に切り替えて表示を行う。
【0052】
図3は、フルセグチューナ部17のBER測定器154が取得したBER値の時間変化をプロットした図を示している。ここで、閾値140は、これ以上BER値が大きい場合にフルセグ放送受信からワンセグ放送受信に切り替える値を示す。
【0053】
まず、時刻t1で、取得したBER値が閾値140を超えると、ワンセグ放送への切り替え処理を行う。具体的には、制御部11は、まず、フルセグチューナ部17の電源をOFFにする。そして、制御部11は、ワンセグチューナ部15の電源をONにして起動し、ワンセグチューナ部15が出力するTSをワンセグデコード部16に入力する。入力されたTSをワンセグデコード部16で復号しYUV(輝度信号(Y)と、輝度信号と青色成分の差(U)、輝度信号と赤色成分の差(V))データに変換し、表示部14に表示する。
【0054】
また、時刻t2で閾値140を下回ると、フルセグ放送への切り替え処理を行う。具体的には、ワンセグ放送への切り替え処理と同様の処理を行う。制御部11は、まず、ワンセグチューナ部15の電源をOFFにする。そして、制御部11は、フルセグチューナ部17の電源をONにして起動し、フルセグチューナ部17が出力するTSをデスクランブル処理及びデコード処理を行い、表示部14に表示する。このように、フルセグ放送のBER値を用いて、ワンセグ放送とフルセグ放送との切り替え処理を行うことができる。
【0055】
同様に、時刻t3及びt4においても、閾値140が判定されワンセグ放送とフルセグ放送との切り替え処理が行われる。
【0056】
ここで、フルセグ放送のBER値や受信電界強度を用いて切り替え判定処理を行う場合、常にフルセグチューナ部17の電源を入れておくと消費電力が大きくなってしまう。一般的に、フルセグチューナ部17の消費電力はワンセグチューナ部15のそれに比べて大きい。これは、フルセグ放送はワンセグ放送の約13倍の周波数帯域を使用していることや、TSのビットレートが高く処理するデータ量が多いことなどが理由として挙げられる。
【0057】
そのため、本発明では、常にフルセグチューナ部17の電源を入れておくのではなく、必要に応じてフルセグチューナ部17の電源を入れることで、消費電力を抑制するというものである。フルセグチューナ部17の電源を入れるタイミングについては、後述する。
【0058】
(フルセグ映像出力処理)
次に、フルセグ放送の映像出力処理について図4を用いて説明する。
【0059】
まず、フルセグチューナ部17がフルセグ放送の電波を受信する。そして、フルセグチューナ部17は、復調処理を行い、フルセグ放送のTSを出力する(ステップS11)。
【0060】
次に、このTSにはコンテンツ保護のためにスクランブルがかかっているので、デスクランブル部18は、デスクランブル処理を行い平文のTSを出力する(ステップS12)。
【0061】
そして、フルセグデコード部19は、この平文のTSをデコードする処理を行う(ステップS13)。デコード処理では、まずTSを映像データ、音声データ、字幕データ、データ放送、PSI/SI(Program Specific Information / Service Information)情報などのデータに分離された後、それぞれのエレメンタリストリーム(ES)が復号される。これにより、映像ESはYUVデータに変換される。
【0062】
そして最後に、制御部11は、映像データを表示部14に表示させる(ステップS14)。音声ESはPCM(Pulse Code Modulation)データに変換され、音声出力部20から出力される。
【0063】
(切り替え処理の詳細)
図5は、本発明の実施形態1に係る携帯電話端末1のデジタル放送受信処理を示すフローチャートである。このデジタル放送受信処理は、例えば、制御部11が、記憶部12に格納されたプログラムに従って、携帯電話端末1の動作を制御することにより実行される。
【0064】
まず、携帯電話端末1の電源が投入される、もしくは、デジタル放送受信機能が起動されると、初期化処理を行う(ステップS101)。例えば、携帯電話通信に必要な回路に電源を供給したり、ユーザにデジタル放送受信機能の起動を知らせるアニメーションを表示したり、それまで動作していた他のアプリケーションを終了したりする。
【0065】
次に、制御部11は、電源部を制御してフルセグチューナ部17に電源を供給し、必要な起動パラメータ等を設定し、その機能を有効にする(ステップS102)。
【0066】
続いて、制御部11は、フルセグ放送の受信状態を確認する(ステップS103)。具体的には、制御部11は、フルセグチューナ部17からBERや受信電波強度等の値を取得する。他にも、パケット誤り率(PER;Packet Error Rate)やC/N比(Carrier to Noise Ratio)などの値でも良い。
【0067】
そして、制御部11は、予め決めておいた閾値と比較することでフルセグ放送を受信状態か否かを判定する(ステップS104)。この閾値は、記憶部12に格納されたプログラム上の変数であり、記憶部12にアクセスすることで取得できる値である。なお、携帯電話端末1のハードウェア上のレジスタにセットしておいても良い。
【0068】
フルセグ放送の受信状態が良好でフルセグ放送受信可能と判断された場合は(ステップS104;Yes)、制御部11は、フルセグチューナ部17が出力するTSをデスクランブル処理及びデコード処理を行い、表示部14に表示する(ステップS105)。
【0069】
その後は、ステップS103に戻ってフルセグ放送の受信状態を継続的に確認する。タイマ処理によって、所定時間毎にフルセグ放送の受信状態を確認しても良い。フルセグ放送の受信状態が良好な間は、継続してフルセグ放送を受信して表示する。
【0070】
一方、フルセグ放送の受信状態が悪く、フルセグ放送受信不可と判断された場合は(ステップS104;No)、制御部11は、フルセグチューナ部17への電源供給を停止し(ステップS106)、ワンセグチューナ部15に電源を供給し、必要な起動パラメータ等を設定し、その機能を有効にする(ステップS107)。
【0071】
続いて、ワンセグ放送の受信状態を確認する(ステップS108)。具体的には、制御部11は、ワンセグチューナ部15からBERや受信電波強度等の値を取得する。
【0072】
そして、制御部11は、予め決めておいた閾値と比較することでワンセグ放送を受信状態か否かを判定する(ステップS109)。
【0073】
ワンセグ放送の受信状態が良好でワンセグ放送受信可能と判断された場合は(ステップS109;Yes)、制御部11は、ワンセグチューナ部15が出力するTSをデコード処理して、表示部14に表示する(ステップS110)。
【0074】
一方、ワンセグ放送の受信状態が悪く、ワンセグ放送受信不可と判断された場合は(ステップS109;No)、制御部11は、デジタル放送を受信できない旨を示すメッセージを表示部14に表示して(ステップS111)、本フロー処理を終了する。
【0075】
次に、制御部11は、ワンセグ放送を受信して、当該放送を表示部14に表示したら、タイマ部24を制御してタイマ計測を開始する(ステップS112)。
【0076】
そして、制御部11は、ある時間が経過してタイマが満了したか否かを判定する(ステップS113)。
【0077】
制御部11は、タイマが満了するまで当該判定処理を繰り返す(ステップS113;No)。
【0078】
一方、ある時間が経過してタイマが満了したことを検知すると(ステップS113;Yes)、制御部11は、位置情報取得部23を制御して携帯電話端末1の現在位置情報を取得する(ステップS114)。位置情報取得方法として、例えば、複数のGPS衛星から送信される信号を受信し、信号の送信時間と受信時間との差からGPS衛星との距離を算出し、そこから現在位置情報を算出することもできる。また、加速度センサから取得した加速度値を各方向に沿って時間積分することで移動量を算出し、移動後の位置を算出することもできる。
【0079】
なお、上述のステップS114の位置情報取得処理は、GPS測位や加速度センサを使った測位方法を例として挙げたが、これは後述するステップS115において所定以上の移動があったか否かを判定するためのものであり、ステップS115において所定以上の移動があったか否かを判定できれば他の処理方法であっても良い。
【0080】
例えば、GPS測位などの位置測位において、数メートルから数十メートル程度の荒い精度でも良い。また、加速度センサを使うと、静止状態や歩行状態といった運動の激しさを示す状態を識別できるので、静止状態でなければ「所定以上の移動があった」とみなすこともできる。また、加速度センサを使った場合に、移動距離ではなく、所定量以上の移動速度を検出した時に「所定量以上の移動があった」とみなすこともできる。また、携帯電話端末1が移動すると、ワンセグチューナ部15やフルセグチューナ部17が受信する信号レベルが徐々に大きくなったり、小さくなったりするので、このことを利用し、受信した信号レベルの変動量が所定レベルよりも大きい場合は「所定以上の移動があった」とみなすこともできる。
【0081】
また、ワンセグチューナ部15やフルセグチューナ部17は、放送局から定期的にパイロット信号を受信するが、端末が静止している間は基本的に時不変である。しかし、携帯電話端末1が高速に移動すると、携帯電話端末1がそのまま静止していればパイロット信号を受信したであろうタイミングと、実際にパイロット信号を受信するタイミングに差が生じる。このことを利用し、ワンセグチューナ部15やフルセグチューナ部17がパイロット信号を受信する時間間隔が、時間的にどの程度変動するかを見て、時間変動が所定レベルよりも大きい場合は「所定以上の移動があった」とみなすこともできる。
【0082】
また、携帯電話端末1が移動した場合、ドップラー効果により、受信する信号の周波数が送信時の周波数よりもずれる。また、本来の信号の中心周波数は、ワンセグチューナ部15やフルセグチューナ部17が選局したチャンネルに従って予め決まっている。このことを利用し、ワンセグチューナ部15やフルセグチューナ部17が受信した信号の中心周波数と、本来の信号の中心周波数との差を見て、その差が所定レベルよりも大きい場合は「所定以上の移動があった」とみなすこともできる。
【0083】
次に、制御部11は、現在位置情報を取得したら、前回の位置情報との差分と、予め決めておいた閾値と比較することで所定以上の距離の移動があったかを判定する(ステップS115)。
【0084】
所定以上の移動がなかった場合(ステップS115;No)には、制御部11は、ステップS110で行ったワンセグ放送表示を継続しつつ、ステップS112のタイマ計測開始処理に戻る。
【0085】
一方、所定以上の移動があった場合(ステップS115;Yes)、制御部11は、フルセグチューナ部17に電源を供給し、必要な起動パラメータ等を設定し、その機能を有効にする(ステップS116)。
【0086】
続いて、制御部11は、フルセグ放送の受信状態を確認する(ステップS117)。
【0087】
そして、制御部11は、予め決めておいた閾値と比較することでフルセグ放送を受信状態か否かを判定する(ステップS118)。
なお、ステップS116〜ステップS118の処理は、ステップS102〜ステップS104と同様の処理である。
【0088】
フルセグ放送の受信状態が良好でフルセグ放送受信可能と判断された場合は(ステップS118;Yes)、制御部11は、ワンセグチューナ部15への電源供給を停止する(ステップS119)。
【0089】
制御部11は、フルセグチューナ部17が出力するTSをデスクランブル処理及びデコード処理を行い、表示部14に表示する(ステップS120)。
なお、ステップS120は、ステップS105と同様の処理であり、処理後にステップS103に戻ってフルセグ放送の受信状態を継続的に確認する点も同様である。
【0090】
一方、フルセグ放送の受信状態が悪く、フルセグ放送受信不可と判断された場合は(ステップS118;No)、制御部11は、フルセグチューナ部17への電源供給を停止する(ステップS121)。ステップS110で行ったワンセグ放送表示を継続しつつ、ステップS112のタイマ計測開始処理に戻る。
【0091】
以上のように、フルセグ放送の受信状況確認処理を間欠的に行うことで、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。特に、一般にはGPS受信用LSIや加速度センサの消費電力はフルセグチューナLSIの消費電力よりも低いため、ステップS115の判定により、所定以上の移動があったことを検出した時だけフルセグチューナ部17を起動し、所定以上の移動がなかった時はフルセグチューナ部17を起動しないことで、省電力化を実現できる。
【0092】
一方で、フルセグチューナ部17によるフルセグ放送の受信状況確認処理を実行する機会が減るが、ステップS115の判定により、所定以上の移動がなかった時は、前回の位置測位時からフルセグ放送の受信状況が本質的には変化しないと推測できるため、フルセグチューナ部17によるフルセグ放送の受信状況確認処理を実行しないためにワンセグ放送受信からフルセグ放送受信へ自動的に切り替えるタイミングが遅れるといった問題はほとんど発生しない。以上の結果、テレビ視聴時間が延び、ユーザの使い勝手が向上する。
【0093】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0094】
なお、実施形態2に係る携帯電話端末1の機能構成は図1と同様である。
また、ステップS110〜ステップS121までの処理と、図示していないステップS110に至るまでの処理は、図5中の同番号の処理と同様である。
【0095】
実施形態2では、携帯電話端末1が移動した大きさに応じてタイマ値を変えることにより、移動が小さい時はさらに消費電力を低く抑え、移動が大きい時はワンセグ放送受信からフルセグ放送受信への切り替えタイミングが遅れないようにする。
【0096】
つまり、実施形態1のステップS112において使用するタイマ値が、ステップS115で検出した移動の大きさに応じて変更される。ここで言う移動の大きさとは、例えば、移動距離や、加速度センサを使って算出した運動の激しさを示す値などである。
【0097】
実施形態1との違いは、ステップS115及びステップS121の後、ステップS112に戻る前に、ステップS115で判定された携帯電話端末1の移動の大きさに応じてステップS112で使用するタイマ値を更新する処理(ステップS201)が追加された点である。
【0098】
例えば、ステップS115で判定された移動距離が予め決められた閾値よりも大きい場合は、移動速度が速いため、フルセグ放送の受信状況が短時間で変化する可能性が高いと考え、ステップS112で使用するタイマ値を小さく設定する。
【0099】
逆に、ステップS115で判定された移動距離が予め決められた閾値よりも小さい場合は、移動速度が遅いため、フルセグ放送の受信状況が短時間で変化する可能性が低いと考え、ステップS112で使用するタイマ値を大きく設定する。運動の激しさを示す値を使う場合も同様である。また、比較に使用する閾値を複数設けて、ステップS112において使用するタイマ値を複数段階に切り替えるようにしても良い。
【0100】
これにより、フルセグ放送の受信状況確認処理を間欠的に行うことで、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。
また、フルセグ放送の受信状況確認処理の実施間隔を携帯電話端末1の移動の大きさに応じて変化させることで、移動が小さい時はさらに消費電力を低く抑え、移動が大きい時はワンセグ放送受信からフルセグ放送受信への切り替えタイミングが遅れないようにすることができる。
【0101】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0102】
なお、実施形態3に関わる携帯電話端末1の機能構成は図1と同様である。
また、図示していないステップS110に至るまでの処理とステップS112以降の処理は、図5中の同番号の処理と同様である。
【0103】
実施形態3では、移動量検出処理を行う前に、ワンセグ放送の受信状態が非常に良好であることを確認して、ワンセグ放送の受信状態がそれ程良くなく、同じ場所ではフルセグ放送は良好には受信できないと推測される場合には、移動量検出処理を行わない。
【0104】
つまり、実施形態1のステップS112〜ステップS115の移動検出処理を行う前に、ワンセグ放送の受信状態が確認されて、ワンセグ放送の受信状態が非常に良好な時にのみステップS112〜ステップS115の移動検出処理が行われる。
【0105】
実施形態1との違いは、制御部11は、ワンセグ放送の表示を行った直後から、ワンセグ放送の受信状態を定期的に確認し(ステップS301)、ワンセグ放送の受信状態が非常に良い状態か否かを判定する(ステップS302)。例えば、ワンセグ放送のBERが0であるか否か、さらには、受信電波強度が所定の閾値よりも大きいか否かといった判定を行う。
【0106】
ワンセグ放送の受信状態が非常に良い状態であると判定された場合は(ステップS302;Yes)、フルセグ放送を受信できる可能性があるということで、ステップS112以降の処理へ移る。なお、ステップS301でワンセグ放送の受信状態を確認するタイミングは、タイマ処理などで管理しても良い。
【0107】
一方、ワンセグ放送の受信状態が非常に良い状態ではないと判定された場合は(ステップS302;No)、制御部11は、ワンセグ放送の受信状態を再度確認する(ステップS301)。
【0108】
これにより、フルセグ放送の受信状況確認処理を間欠的に行うことで、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。通常は、ワンセグ放送の復調処理においてBERが0でない状態では、フルセグ放送を良好に受信することは難しい。また、フルセグ放送受信には、ワンセグ放送受信時に比べて高いC/Nが必要である。よって、移動量検出処理を行う前に、ワンセグ放送の受信状態が非常に良好であることを確認するので、ワンセグ放送の受信状態がそれ程良くなく、同じ場所ではフルセグ放送は良好には受信できないと推測される場合に移動量検出処理を行わないので、さらに携帯電話端末1の消費電力を低く抑えることができる。
【0109】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について、図8及び図9のフローチャートを参照して説明する。
【0110】
なお、実施形態4に係る携帯電話端末1の機能構成はほぼ図1と同様である。
また、ステップS112〜ステップS116までの処理と、図示していないステップS112に至るまでの処理とステップS116以降の処理は、図5中の同番号の処理と同様である。
【0111】
実施形態1との違いは、記憶部12に、フルセグ放送受信状態確認履歴情報121を保持していることである。フルセグ放送受信状態確認履歴情報121のデータ構造の一例を図8に示す。フルセグ放送受信状態確認履歴情報121は、位置情報1211、フルセグ受信状態確認回数1212、フルセグ受信状態の良好検出回数1213、フルセグ受信状態の良好検出率1214などの要素から成り立つ。
なお、フルセグ放送受信状態確認履歴情報121は、ユーザ操作によって初期状態に戻せることが望ましい。
【0112】
位置情報1211は、フルセグ放送の受信状態確認処理を行った位置やエリアを示す情報であり、緯度経度情報や、ある地点からの距離情報、どの地域に属するかを示すエリア情報などの組み合わせで構成される。
【0113】
フルセグ受信状態確認回数1212は、位置情報1211で示された位置またはエリアで、フルセグ放送の受信状態確認処理を行った回数を表す。
【0114】
フルセグ受信状態の良好検出回数1213は、位置情報1211で示された位置またはエリアで、フルセグ放送の受信状態確認処理を行った結果、フルセグ放送の受信状態が良好であると判定された回数を表す。
【0115】
フルセグ受信状態の良好検出率1214は、位置情報1211で示された位置またはエリアで、フルセグ放送の受信状態確認処理を行った結果、フルセグ放送の受信状態が良好であると判定された割合を表す。
【0116】
図9は、本発明の実施形態4に係る携帯電話端末1のデジタル放送受信処理を示すフローチャートである。
【0117】
ステップS114で携帯電話端末1の現在位置情報を取得した後、制御部11は、記憶部12からフルセグ放送受信状態確認履歴情報121を読み出す(ステップS401)。
なお、制御部11は、フルセグ放送の受信状態確認処理等を行った際には、フルセグ放送受信状態確認履歴情報121の更新登録を行う。制御部11は、更新登録されたフルセグ放送受信状態確認履歴情報121を記憶部12から読み出すことにより、最新の履歴情報に基づいて判定を行うことができる。
【0118】
次に、制御部11は、携帯電話端末1の現在位置でフルセグ放送の受信状態が良好だった履歴があるか否かの判定を行う(ステップS402)。ここでの判定処理の例としては、ステップS114で取得した現在位置情報と、ステップS401で読み出したフルセグ放送受信状態確認履歴情報121に含まれる位置情報1211とを比較して、最も現在位置に近い位置情報1211を決定する。
【0119】
また、制御部11は、その位置情報1211に対応するフルセグ受信状態の良好検出回数1213を読み出し、当該検出回数が所定の閾値以上でるか否かに基づいて、判定することもできる。
さらに、制御部は、フルセグ受信状態の良好検出率1214を読み出し、当該検出率が所定の閾値以上であるか否かに基づいて、判定することもできる。 そして、ステップS402において、所定の閾値以上であればYes、所定の閾値未満であればNoと判定される。
【0120】
現在位置でフルセグ放送の受信状態が良好だった履歴がある、または、履歴が多数あると判定された場合は(ステップS402;Yes)、ステップS116以降のフルセグ放送の受信状態確認処理へと進む。
【0121】
一方、現在位置でフルセグ放送の受信状態が良好だった履歴がない、または、履歴が少ないと判定された場合は(ステップS402;No)、ステップS112の処理へと戻る。
【0122】
なお、ステップS114で取得した現在位置情報に対応する履歴情報そのものがフルセグ放送受信状態確認履歴情報121に含まれない場合は、ステップS116以降のフルセグ放送の受信状態確認処理へと進む。
【0123】
また、過去にフルセグ放送の受信状態を確認した結果の履歴を使って、現在地周辺でフルセグ放送の受信状態が悪かった記録がある場合は、あらためてフルセグ放送の受信状態確認処理を行わないこともできる。
【0124】
これにより、過去にフルセグ放送を良好に受信できなかったという履歴情報を使うことで、フルセグ放送を良好に受信できない可能性が高い場所でフルセグ放送の受信状態確認を行わないので、フルセグ放送の受信状況確認処理が間欠的に行われることになり、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。
【0125】
なお、過去にフルセグ放送を良好に受信できなかったという履歴がある場所でも、送信設備の変更などで電波状況が変わる可能性もあるので、数回に一回は受信状態確認を行うようにしても良い。これにより、ユーザの利便性が向上する。
【0126】
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0127】
なお、実施形態5に係る携帯電話端末1の機能構成はほぼ図1と同様である。
また、ステップS112〜ステップS116までの処理と、図示していないステップS112に至るまでの処理とステップS116以降の処理は、図5中の同番号の処理と同様である。
【0128】
実施形態1との違いは、ステップS113でタイマが満了したら、制御部11は、まず、屋内外の検出処理を行う(ステップS501)。例えば、位置情報取得部23が取得した現在位置情報と、別途記憶部12に保持しておいた地図情報とを照合することで、現在地が建物内かどうかを検出することができる。また、GPS衛星を使って位置測位を行う場合、通信できたGPS衛生の数などから測定結果の精度を知ることができるので、測定結果の精度が予め決められた所定のレベルよりも低い場合は、GPS衛星を良好に見渡すことのできない屋内にいるとし、そうでない場合は屋外にいると検出できる。
【0129】
屋外にいると判定された場合は(ステップS502;Yes)、ステップS116以降のフルセグ放送の受信状態確認処理へと進む。
【0130】
一方、屋内にいると判定された場合は(ステップS502;No)、ステップS112の処理へと戻る。
【0131】
また、実施形態1のステップS114、ステップS115の移動判定処理の代わりに、現在位置が屋内か屋外かの判定処理を行い、屋内の場合は、フルセグ放送を受信できる可能性が低いとしてフルセグ放送の受信状態確認処理を行わないこともできる。
【0132】
これにより、屋内にいると判定された時は、フルセグ放送を良好に受信できない可能性が高いとしてフルセグ放送の受信状態確認を行わないので、フルセグ放送の受信状況確認処理が間欠的に行われることになり、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。
【0133】
なお、屋内であっても、自宅の場合は、携帯電話端末1をすぐに充電することが可能なので、消費電力を気にせずにフルセグ放送の受信を試みたいというニーズが考えられる。その場合は、GPS衛星を使った位置測位の精度に基づいて屋内であると判定された場合であっても、別途、現在地が自宅などの予め登録しておいた場所であると判定された場合は、例外的に、フルセグ放送の受信状態確認を行うこともできる。これにより、ユーザの使い勝手が向上する。
【0134】
(実施形態6)
次に、本発明の実施形態6について、図11及び図12のフローチャートを参照して説明する。
【0135】
実施形態6に係る携帯電話端末1の機能構成を図11に示す。実施形態1との違いは、近距離通信部26を備える点である。
【0136】
近距離通信部26は、例えば、無線LANやPHS、フェムトセルで構成される通信方式で、無線通信基地局を介して、通話音声、各種のデータ、等を送受信する。
【0137】
図12は、本発明の実施形態6に係る携帯電話端末1のデジタル放送受信処理を示すフローチャートである。
図示していないステップS112に至るまでの処理と、ステップS116以降の処理は、図5中の同番号の処理と同様である。
【0138】
実施形態1との違いは、ワンセグ放送の表示を行った直後から、制御部11は、待受無線通信基地局が変更されたか否かを検出する(ステップS601)。
【0139】
待受無線通信基地局が変更されない場合(ステップS601;No)、制御部11は、ワンセグ放送の表示を継続する(ステップS112)。
【0140】
一方、待受無線通信基地局が変更された場合(ステップS601;Yes)、ステップS116以降のフルセグ放送の受信状態確認処理へと進む。
【0141】
なお、待受無線通信基地局が変更されたか否かは、制御部11が近距離通信部26を制御することにより検出される。近距離通信部26は、携帯電話端末1が移動するなどして、より良好に通信可能な無線通信基地局を発見すると、その無線通信基地局に対して待受処理を行う。ここで言う待受処理とは、無線通信基地局が送信するパイロット信号やビーコン信号を検出し、同期を取ったり、無線通信基地局が送信する制御メッセージを理解したりし、位置登録処理や認証処理が完了した状態のことである。一連の待受処理の中で、無線通信基地局を特定する情報が変わったことが分かるので、それにより待受無線通信基地局が変更されたと認識する。
【0142】
また、無線LANなどの近距離通信や携帯電話通信において、待受無線通信基地局が変わったか否かの判定処理を行い、変化があった場合に、所定以上の移動があったとみなして、フルセグ放送の受信状態確認処理を行うこともできる。
【0143】
これにより、近距離通信の待受無線通信基地局が変化しない間は、携帯電話端末1はあまり移動しておらず、前回からフルセグ放送の受信状況が本質的には変化しないと推測し、フルセグ放送の受信状態確認を行わないので、フルセグ放送の受信状況確認処理が間欠的に行われることになり、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。
【0144】
なお、近距離通信部26を介して待受無線通信基地局の変化を検出するとしたが、通信部22を介して待受無線通信基地局の変化を検出しても良い。また、待受無線通信基地局の変化でなく、待受無線通信基地局から受信する信号の受信状態の変化を検出して、移動があったと判定しても良い。いずれの場合も、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。
【0145】
(実施形態7)
次に、本発明の実施形態7について、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0146】
これまでの実施形態は、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に切り替える動作に関するものであった。逆に、フルセグ放送受信からワンセグ放送受信に切り替える動作に関しては、図5のステップS105(ステップS120)からステップS103に戻る手順以外が考えられる。実施形態7は、フルセグ放送受信時に定期的に移動検出処理を行い、所定以上の移動を検出したら、ワンセグ放送受信に切り替えるものである。
【0147】
なお、実施形態7に係る携帯電話端末1の機能構成は図1と同様である。
また、ステップS105、及びステップS106の処理と、図示していないステップS105に至るまでの処理とステップS106以降の処理は、図5中の同番号の処理と同様である。
【0148】
実施形態1との違いは、ステップS105でフルセグ放送を表示中に、制御部11は、タイマ部24を制御してタイマ計測を開始する(ステップS701)。
【0149】
そして、制御部11は、ある時間が経過してタイマが満了したか否かを判定する(ステップS702)。
【0150】
制御部11は、タイマが満了するまで当該判定処理を繰り返す(ステップS702;No)。
【0151】
一方、ある時間が経過してタイマが満了したことを検知すると(ステップS702;Yes)、制御部11は、位置情報取得部23を制御して携帯電話端末1の現在位置情報を取得する(ステップS703)。
【0152】
現在位置情報を取得したら、制御部11は、前回の位置情報との差分と、予め決めておいた閾値と、を比較することで所定以上の距離の移動があったかを判定する(ステップS704)。
【0153】
なお、ステップS701〜ステップS704の処理は、図5のステップS112〜ステップS115と同様の処理である。
【0154】
所定以上の移動がなかった場合(ステップS704;No)には、ステップS105で行ったフルセグ放送表示を継続しつつ、ステップS701のタイマ計測開始処理に戻る。
【0155】
一方、所定以上の移動があった場合(ステップS704;Yes)、ステップS106以降のワンセグ放送受信処理へと進む。
【0156】
一般的に、高速移動中は静止時に比べてフルセグ放送を良好に受信しづらい。一方、ワンセグ放送はフルセグ放送に比べて移動時であっても良好に受信することが可能である。そのため、本実施形態のように、フルセグ放送受信中に所定量以上の移動があったことを検出した時点で、フルセグ放送をすぐに受信できなくなると予想し、ワンセグ放送受信に自動的に切り替えることで、継続的にデジタル放送を受信することができ、ユーザの使い勝手が向上する。
【0157】
なお、ステップS703の位置情報取得処理は、ステップS704において所定以上の移動があったか否かを判定するためのものであり、ステップS704において所定以上の移動があったか否かを判定できれば他の処理方法であっても良い点は、実施形態1のステップS114と同様である。
【0158】
また、ステップS703の位置情報取得処理の代わりに、実施形態5で説明したように、屋内外検出処理を行い、屋内であると判定された場合に、ワンセグ放送受信に切り替えることもできる。これにより、ユーザの利便性が向上する。
【0159】
以上説明したように、強階層受信中に、弱階層用のチューナや復調処理部を間欠的に動作させて弱階層の受信状態を効率良く監視することで、消費電力を抑えながら強階層受信から弱階層受信へ切り替えを行うことができる。また、消費電力を抑えながら弱階層受信から強階層受信へ切り替えを行うこともできる。
【0160】
なお、上記実施形態に係る携帯電話端末1により実行されるデジタル放送受信処理は、コンピュータによって実現することもできる。
【0161】
例えば、上記実施形態において携帯電話端末1の記憶部12等に記憶されているプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する装置を構成することができる。
【0162】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するようにしても良い。
【0163】
また、通信ネットワークを介してプログラムを転送しながら起動実行することによっても、上述の処理を達成することができる。
更に、プログラムの全部又は一部をサーバ装置上で実行させ、その処理に関する情報をコンピュータが通信ネットワークを介して送受信しながらプログラムを実行することによっても、上述の処理を達成することができる。
【0164】
なお、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、コンピュータにダウンロード等しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】実施形態1に係る携帯電話端末の機能構成を示す図である。
【図2】ワンセグチューナ部の構成を示す図である。
【図3】BER値の時間変化をプロットしたグラフを示す図である。
【図4】フルセグ映像出力処理を説明するフローチャートである。
【図5】実施形態1に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートである。
【図6】実施形態2に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートの一部である。
【図7】実施形態3に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートの一部である。
【図8】フルセグ放送受信状態確認履歴情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図9】実施形態4に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートの一部である。
【図10】実施形態5に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートの一部である。
【図11】実施形態6に係る携帯電話端末の機能構成を示す図である。
【図12】実施形態6に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートの一部である。
【図13】実施形態7に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートの一部である。
【符号の説明】
【0166】
1…携帯電話端末、11…制御部、12…記憶部、13…操作部、14…表示部、15…ワンセグチューナ部、16…ワンセグデコード部、17…フルセグチューナ部、18…デスクランブル部、19…フルセグデコード部、20…音声出力部、21…音声入力部、22…通信部、23…位置情報取得部、24…タイマ部、25…バス、26…近距離通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信装置に関し、特に、階層伝送により、同一内容の番組が弱階層と強階層で放送されているデジタル放送を受信するデジタル放送受信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本の地上デジタル放送は、伝送方式としてISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)方式を採用している。ISDB−T方式では、1チャンネルの伝送帯域を13個のセグメントに分割し、それぞれのセグメントを単位として伝送パラメータを変更することが可能である。また、最大3階層までの階層伝送を行うことができる。
【0003】
現在、この階層伝送を利用して、固定受信端末向け放送(以下、弱階層という)と携帯受信端末向け放送(以下、強階層という)が行われており、弱階層と強階層は、同一内容の番組を放送するサイマル放送が大部分を占める。ここで、弱階層は、伝送容量が大きく、高品質コンテンツ(高画質、高音質)であるが、ノイズ耐性が比較的弱く、一方、強階層は、伝送容量が小さく低品質コンテンツ(低画質、低音質)であるが、ノイズ耐性が比較的強いという特徴がある。
【0004】
ところで、地上デジタル放送を車載装置や携帯端末などの移動体で受信する場合、移動に応じて放送電波の受信状態は時々刻々と変化する。このため、階層伝送に対応したデジタル放送受信装置において、例えば、デジタル変調された信号を復調する際のエラーレートや電界強度などを階層毎に監視し、弱階層を受信時に弱階層の受信状態が悪化した時には、ノイズ耐性の比較的強い強階層に切り替えて受信を継続し、また、強階層を受信時に弱階層の受信状態が改善した時には、弱階層に切り替えて受信を行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−277873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、強階層受信から弱階層受信へ切り替えるためには、強階層受信中に、常に弱階層の受信状態を監視するために弱階層用のチューナや復調処理部を起動しておく必要があり、消費電力が大きくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、強階層受信中に、弱階層用のチューナや復調処理部を間欠的に動作させて弱階層の受信状態を効率良く監視することで、消費電力を抑えながら強階層受信から弱階層受信へ切り替えを行うことができるデジタル放送受信装置、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るデジタル放送受信装置は、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記信号品質が所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とする。
【0009】
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定する、ことも可能である。
【0010】
タイマ時刻を計時するタイマ部と、をさらに備え、
前記位置測定部は、前記タイマ部が計時するタイマ時刻が所定の時刻になった場合、前記移動量及び前記移動速度の測定を開始する、ことも可能である。
【0011】
前記所定の時刻は、前記移動量及び/又は前記移動速度が大きければ大きいほど、小さく設定される、ことも可能である。
【0012】
本発明の他の観点に係るデジタル放送受信装置は、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号及び前記強階層信号により示される信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記強階層信号により示される信号品質が所定の強階層品質を満たすか否かを判定し、
前記位置測定部は、前記強階層信号により示される信号品質が前記所定の強階層品質を満たすと判定された場合、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、
前記信号品質測定部は、前記移動量及び/又は前記移動速度が前記所定の閾値以上である場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の弱階層品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の弱階層品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とする。
【0013】
本発明の他の観点に係るデジタル放送受信装置は、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置の位置を示す位置情報を測定する位置測定部と、
前記位置情報と、当該位置において前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たす回数及び/又は割合と、を対応付けて記憶する記憶部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置に対応付けられる前記回数及び/又は前記割合が所定の閾値以上か否かを判定し、さらに、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とする。
【0014】
本発明の他の観点に係るデジタル放送受信装置は、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置の位置が屋外にあるか否かを判定する屋外判定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置が屋外にあると判定された場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とする。
【0015】
前記自装置の位置を示す位置情報を測定する前記位置測定部と、
前記自装置の位置及び屋内外の位置が示される地図を記憶する地図記憶部と、
前記自装置の位置と前記屋内外の位置とを比較して、当該自装置の位置が屋外にあるか否かを判定する屋外判定部と、をさらに備える、ことも可能である。
【0016】
本発明の他の観点に係るデジタル放送受信装置は、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
複数の基地局と無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信により示される通信品質を測定する通信品質測定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記無線通信部が無線通信を行う基地局が変更された、または、前記通信品質が所定の通信品質を満たさない場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0017】
本発明の他の観点に係るデジタル放送受信装置は、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定部と、を備え、
前記信号再生部は、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記弱階層信号の再生を中止して前記強階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0018】
本発明の他の観点に係るプログラムは、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記信号品質が所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0019】
本発明の他の観点に係るプログラムは、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号及び前記強階層信号により示される信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記強階層信号により示される信号品質が所定の強階層品質を満たすか否か判定し、
前記位置測定工程では、前記強階層信号により示される信号品質が前記所定の強階層品質を満たすと判定された場合、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、
前記信号品質測定工程では、前記移動量及び/又は前記移動速度が前記所定の閾値以上である場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の弱階層品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の弱階層品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0020】
本発明の他の観点に係るプログラムは、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置の位置を示す位置情報を測定する位置測定工程と、
前記位置情報と、当該位置において前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たす回数及び/又は割合と、を対応付けて記憶する記憶工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置に対応付けられる前記回数及び/又は前記割合が所定の閾値以上か否かを判定し、さらに、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0021】
本発明の他の観点に係るプログラムは、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置の位置が屋外にあるか否かを判定する屋外判定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置が屋外にあると判定された場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0022】
本発明の他の観点に係るプログラムは、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
複数の基地局と無線通信を行う無線通信工程と、
前記無線通信により示される通信品質を測定する通信品質測定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記無線通信部が無線通信を行う基地局が変更された、または、前記通信品質が所定の通信品質を満たさない場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【0023】
本発明の他の観点に係るプログラムは、
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定工程と、を実行させ、
前記信号再生工程では、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記弱階層信号の再生を中止して前記強階層信号を再生させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、強階層受信中に弱階層受信可能エリアに移動した時に、消費電力を抑えながら強階層受信から弱階層受信へ切り替えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(実施形態1)
以下では、本発明のデジタル放送受信装置の実施形態の一つについて説明するが、当該実施形態は本発明の原理の理解を容易にするためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施形態に限られるものではなく、当業者が以下の実施形態の構成を適宜置換した他の実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0026】
まず、本発明の実施の形態に係るデジタル放送受信装置が実現される典型的な携帯電話端末1の概要構成を示す図1を参照して説明する。本実施形態は、デジタル放送受信装置を、デジタル放送受信機能を持つ携帯電話端末1に適用した例である。
【0027】
(携帯電話端末の基本構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る携帯電話端末1の機能構成図である。携帯電話端末1は、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、ワンセグチューナ部15、ワンセグデコード部16、フルセグチューナ部17、デスクランブル部18、フルセグデコード部19、音声出力部20、音声入力部21、通信部22、位置情報取得部23、タイマ部24、バス25を備える。
【0028】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサユニット等から構成され、後述する記憶部12に格納された動作プログラムに従って、携帯電話端末1の全体的な動作を制御する。例えば、受信するデジタル放送のチャンネルの変更や、受信したデジタル放送のコンテンツの再生を制御する。また、制御部11は、各種のデータ(例えば、映像、字幕文、データ放送等)を、表示部14に表示させる。
【0029】
記憶部12は、各種のデータを記憶する。例えば、記憶部12は、制御部11の動作制御用プログラムを記憶する。記憶部12は、携帯電話端末1に内蔵されるメモリ、取り外し可能な外部メモリ、のいずれから構成されても良い。
【0030】
操作部13は、キーボード、カーソルキー、テンキー等の各種のキー若しくはボタンを備え、ユーザからの操作を受け付け、操作信号を制御部11に入力する。
【0031】
表示部14は、ドットマトリクスタイプのLCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示パネルと、ドライバ回路等から構成され、制御部11の制御下にて任意のデータ(例えば、映像、字幕、データ放送等)を表示する。
【0032】
ワンセグチューナ部15は、アンテナを介して受信したワンセグ放送のコンテンツを復調し、復調信号をワンセグデコード部16に出力する。
【0033】
ワンセグチューナ部15の詳細な構成を図2に示す。ワンセグチューナ部15は、アンテナ150、電界強度測定器151、受信機152、復調器153、BER測定器154、電界強度出力線155、BER出力線156、TS出力線157などから構成される。
【0034】
アンテナ150はデジタル放送が受信可能な、例えば、UHF帯やVHF帯の電波を受信するために必要な形状をしている。
【0035】
電界強度測定器151は、デジタル放送を受信している状態での電界強度値を求め、電界強度出力線155を介して制御部11に出力する。
【0036】
受信機152は、アンテナ150から入力された信号を、RF信号として後段の復調器153に出力する。
【0037】
復調器153は、受信機152から入力された信号を復調してトランスポートストリーム(以下、TSという)データを出力する。さらに、後段のBER測定器154によって受信信号のビット誤り率(BER;Bit Error Rate)値が測定された後、TS出力線157からTSが出力される。また、測定されたBER値は、BER出力線156を介して制御部11に出力される。
【0038】
BER測定器154は、復調器153の出力である復号ビット列から、受信信号のBERを逐次測定する。
【0039】
ワンセグデコード部16は、ワンセグチューナ部15が出力したコンテンツをデコードし、出力する。映像デコーダ、音声デコーダを含む。
【0040】
フルセグチューナ部17は、アンテナを介して受信したフルセグ放送のコンテンツを復調し、復調信号を後述するデスクランブル部18に出力する。
なお、フルセグチューナ部17の詳細な構成は、ワンセグチューナ部15と同様であるため各部の説明は省略する。また、ワンセグチューナ部15とフルセグチューナ部17とが一つのモジュールとして構成されている場合も考えられる。
【0041】
デスクランブル部18では、フルセグチューナ部17が出力したスクランブルのかかったコンテンツの暗号を解き、データを平文にしてフルセグデコード部19に出力する。
【0042】
フルセグデコード部19は、デスクランブル部18が出力した平文コンテンツをデコードし、出力する。映像デコーダ、音声デコーダを含む。
【0043】
音声出力部20は、スピーカ、DAC(Digital Analog Converter)等を備え、例えば、制御部11が再生したコンテンツの音声信号にDA変換を施し、スピーカにより放音する。
【0044】
音声入力部21は、マイク等を備え、通話時等に、音声信号を収集し、通信部22に供給する。
【0045】
通信部22は、無線通信基地局を介して、通話音声、各種のデータ、等を送受信する。
【0046】
位置情報取得部23は、携帯電話端末1の現在位置情報を取得するもので、例えば、GPS装置や、加速度センサ、電子コンパス等で構成される。
【0047】
タイマ部24は、マイクロプロセッサユニットなどに付属した機構であり、一定の時間間隔で割り込みを発生させる。制御部11が割り込みを発生させる時間間隔を設定できる。
【0048】
バス25は、各部間で相互にデータを伝送する。
【0049】
電源部(図示せず)は、バッテリを備え、当該バッテリは、携帯電話端末1に電力を供給する。
【0050】
(切り替え処理の概要)
次に、フルセグ放送をワンセグ放送に切り替える処理について図3を用いて説明する。
【0051】
フルセグ放送を受信して視聴している際に、移動等により受信状態が悪化すると、映像にブロックノイズが発生し、それ以上快適な視聴を続けられなくなる場合がある。そのような場合に、同じチャンネルのワンセグ放送に切り替えて表示することにより、ユーザは番組を継続して視聴でき、使い勝手が向上する。このように制御するには、フルセグ放送の受信中に、例えば、受信電界強度やBER値を取得し、予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定する必要がある。そして、もし閾値よりも小さくなった場合は、ワンセグ放送に切り替えて表示を行う。
【0052】
図3は、フルセグチューナ部17のBER測定器154が取得したBER値の時間変化をプロットした図を示している。ここで、閾値140は、これ以上BER値が大きい場合にフルセグ放送受信からワンセグ放送受信に切り替える値を示す。
【0053】
まず、時刻t1で、取得したBER値が閾値140を超えると、ワンセグ放送への切り替え処理を行う。具体的には、制御部11は、まず、フルセグチューナ部17の電源をOFFにする。そして、制御部11は、ワンセグチューナ部15の電源をONにして起動し、ワンセグチューナ部15が出力するTSをワンセグデコード部16に入力する。入力されたTSをワンセグデコード部16で復号しYUV(輝度信号(Y)と、輝度信号と青色成分の差(U)、輝度信号と赤色成分の差(V))データに変換し、表示部14に表示する。
【0054】
また、時刻t2で閾値140を下回ると、フルセグ放送への切り替え処理を行う。具体的には、ワンセグ放送への切り替え処理と同様の処理を行う。制御部11は、まず、ワンセグチューナ部15の電源をOFFにする。そして、制御部11は、フルセグチューナ部17の電源をONにして起動し、フルセグチューナ部17が出力するTSをデスクランブル処理及びデコード処理を行い、表示部14に表示する。このように、フルセグ放送のBER値を用いて、ワンセグ放送とフルセグ放送との切り替え処理を行うことができる。
【0055】
同様に、時刻t3及びt4においても、閾値140が判定されワンセグ放送とフルセグ放送との切り替え処理が行われる。
【0056】
ここで、フルセグ放送のBER値や受信電界強度を用いて切り替え判定処理を行う場合、常にフルセグチューナ部17の電源を入れておくと消費電力が大きくなってしまう。一般的に、フルセグチューナ部17の消費電力はワンセグチューナ部15のそれに比べて大きい。これは、フルセグ放送はワンセグ放送の約13倍の周波数帯域を使用していることや、TSのビットレートが高く処理するデータ量が多いことなどが理由として挙げられる。
【0057】
そのため、本発明では、常にフルセグチューナ部17の電源を入れておくのではなく、必要に応じてフルセグチューナ部17の電源を入れることで、消費電力を抑制するというものである。フルセグチューナ部17の電源を入れるタイミングについては、後述する。
【0058】
(フルセグ映像出力処理)
次に、フルセグ放送の映像出力処理について図4を用いて説明する。
【0059】
まず、フルセグチューナ部17がフルセグ放送の電波を受信する。そして、フルセグチューナ部17は、復調処理を行い、フルセグ放送のTSを出力する(ステップS11)。
【0060】
次に、このTSにはコンテンツ保護のためにスクランブルがかかっているので、デスクランブル部18は、デスクランブル処理を行い平文のTSを出力する(ステップS12)。
【0061】
そして、フルセグデコード部19は、この平文のTSをデコードする処理を行う(ステップS13)。デコード処理では、まずTSを映像データ、音声データ、字幕データ、データ放送、PSI/SI(Program Specific Information / Service Information)情報などのデータに分離された後、それぞれのエレメンタリストリーム(ES)が復号される。これにより、映像ESはYUVデータに変換される。
【0062】
そして最後に、制御部11は、映像データを表示部14に表示させる(ステップS14)。音声ESはPCM(Pulse Code Modulation)データに変換され、音声出力部20から出力される。
【0063】
(切り替え処理の詳細)
図5は、本発明の実施形態1に係る携帯電話端末1のデジタル放送受信処理を示すフローチャートである。このデジタル放送受信処理は、例えば、制御部11が、記憶部12に格納されたプログラムに従って、携帯電話端末1の動作を制御することにより実行される。
【0064】
まず、携帯電話端末1の電源が投入される、もしくは、デジタル放送受信機能が起動されると、初期化処理を行う(ステップS101)。例えば、携帯電話通信に必要な回路に電源を供給したり、ユーザにデジタル放送受信機能の起動を知らせるアニメーションを表示したり、それまで動作していた他のアプリケーションを終了したりする。
【0065】
次に、制御部11は、電源部を制御してフルセグチューナ部17に電源を供給し、必要な起動パラメータ等を設定し、その機能を有効にする(ステップS102)。
【0066】
続いて、制御部11は、フルセグ放送の受信状態を確認する(ステップS103)。具体的には、制御部11は、フルセグチューナ部17からBERや受信電波強度等の値を取得する。他にも、パケット誤り率(PER;Packet Error Rate)やC/N比(Carrier to Noise Ratio)などの値でも良い。
【0067】
そして、制御部11は、予め決めておいた閾値と比較することでフルセグ放送を受信状態か否かを判定する(ステップS104)。この閾値は、記憶部12に格納されたプログラム上の変数であり、記憶部12にアクセスすることで取得できる値である。なお、携帯電話端末1のハードウェア上のレジスタにセットしておいても良い。
【0068】
フルセグ放送の受信状態が良好でフルセグ放送受信可能と判断された場合は(ステップS104;Yes)、制御部11は、フルセグチューナ部17が出力するTSをデスクランブル処理及びデコード処理を行い、表示部14に表示する(ステップS105)。
【0069】
その後は、ステップS103に戻ってフルセグ放送の受信状態を継続的に確認する。タイマ処理によって、所定時間毎にフルセグ放送の受信状態を確認しても良い。フルセグ放送の受信状態が良好な間は、継続してフルセグ放送を受信して表示する。
【0070】
一方、フルセグ放送の受信状態が悪く、フルセグ放送受信不可と判断された場合は(ステップS104;No)、制御部11は、フルセグチューナ部17への電源供給を停止し(ステップS106)、ワンセグチューナ部15に電源を供給し、必要な起動パラメータ等を設定し、その機能を有効にする(ステップS107)。
【0071】
続いて、ワンセグ放送の受信状態を確認する(ステップS108)。具体的には、制御部11は、ワンセグチューナ部15からBERや受信電波強度等の値を取得する。
【0072】
そして、制御部11は、予め決めておいた閾値と比較することでワンセグ放送を受信状態か否かを判定する(ステップS109)。
【0073】
ワンセグ放送の受信状態が良好でワンセグ放送受信可能と判断された場合は(ステップS109;Yes)、制御部11は、ワンセグチューナ部15が出力するTSをデコード処理して、表示部14に表示する(ステップS110)。
【0074】
一方、ワンセグ放送の受信状態が悪く、ワンセグ放送受信不可と判断された場合は(ステップS109;No)、制御部11は、デジタル放送を受信できない旨を示すメッセージを表示部14に表示して(ステップS111)、本フロー処理を終了する。
【0075】
次に、制御部11は、ワンセグ放送を受信して、当該放送を表示部14に表示したら、タイマ部24を制御してタイマ計測を開始する(ステップS112)。
【0076】
そして、制御部11は、ある時間が経過してタイマが満了したか否かを判定する(ステップS113)。
【0077】
制御部11は、タイマが満了するまで当該判定処理を繰り返す(ステップS113;No)。
【0078】
一方、ある時間が経過してタイマが満了したことを検知すると(ステップS113;Yes)、制御部11は、位置情報取得部23を制御して携帯電話端末1の現在位置情報を取得する(ステップS114)。位置情報取得方法として、例えば、複数のGPS衛星から送信される信号を受信し、信号の送信時間と受信時間との差からGPS衛星との距離を算出し、そこから現在位置情報を算出することもできる。また、加速度センサから取得した加速度値を各方向に沿って時間積分することで移動量を算出し、移動後の位置を算出することもできる。
【0079】
なお、上述のステップS114の位置情報取得処理は、GPS測位や加速度センサを使った測位方法を例として挙げたが、これは後述するステップS115において所定以上の移動があったか否かを判定するためのものであり、ステップS115において所定以上の移動があったか否かを判定できれば他の処理方法であっても良い。
【0080】
例えば、GPS測位などの位置測位において、数メートルから数十メートル程度の荒い精度でも良い。また、加速度センサを使うと、静止状態や歩行状態といった運動の激しさを示す状態を識別できるので、静止状態でなければ「所定以上の移動があった」とみなすこともできる。また、加速度センサを使った場合に、移動距離ではなく、所定量以上の移動速度を検出した時に「所定量以上の移動があった」とみなすこともできる。また、携帯電話端末1が移動すると、ワンセグチューナ部15やフルセグチューナ部17が受信する信号レベルが徐々に大きくなったり、小さくなったりするので、このことを利用し、受信した信号レベルの変動量が所定レベルよりも大きい場合は「所定以上の移動があった」とみなすこともできる。
【0081】
また、ワンセグチューナ部15やフルセグチューナ部17は、放送局から定期的にパイロット信号を受信するが、端末が静止している間は基本的に時不変である。しかし、携帯電話端末1が高速に移動すると、携帯電話端末1がそのまま静止していればパイロット信号を受信したであろうタイミングと、実際にパイロット信号を受信するタイミングに差が生じる。このことを利用し、ワンセグチューナ部15やフルセグチューナ部17がパイロット信号を受信する時間間隔が、時間的にどの程度変動するかを見て、時間変動が所定レベルよりも大きい場合は「所定以上の移動があった」とみなすこともできる。
【0082】
また、携帯電話端末1が移動した場合、ドップラー効果により、受信する信号の周波数が送信時の周波数よりもずれる。また、本来の信号の中心周波数は、ワンセグチューナ部15やフルセグチューナ部17が選局したチャンネルに従って予め決まっている。このことを利用し、ワンセグチューナ部15やフルセグチューナ部17が受信した信号の中心周波数と、本来の信号の中心周波数との差を見て、その差が所定レベルよりも大きい場合は「所定以上の移動があった」とみなすこともできる。
【0083】
次に、制御部11は、現在位置情報を取得したら、前回の位置情報との差分と、予め決めておいた閾値と比較することで所定以上の距離の移動があったかを判定する(ステップS115)。
【0084】
所定以上の移動がなかった場合(ステップS115;No)には、制御部11は、ステップS110で行ったワンセグ放送表示を継続しつつ、ステップS112のタイマ計測開始処理に戻る。
【0085】
一方、所定以上の移動があった場合(ステップS115;Yes)、制御部11は、フルセグチューナ部17に電源を供給し、必要な起動パラメータ等を設定し、その機能を有効にする(ステップS116)。
【0086】
続いて、制御部11は、フルセグ放送の受信状態を確認する(ステップS117)。
【0087】
そして、制御部11は、予め決めておいた閾値と比較することでフルセグ放送を受信状態か否かを判定する(ステップS118)。
なお、ステップS116〜ステップS118の処理は、ステップS102〜ステップS104と同様の処理である。
【0088】
フルセグ放送の受信状態が良好でフルセグ放送受信可能と判断された場合は(ステップS118;Yes)、制御部11は、ワンセグチューナ部15への電源供給を停止する(ステップS119)。
【0089】
制御部11は、フルセグチューナ部17が出力するTSをデスクランブル処理及びデコード処理を行い、表示部14に表示する(ステップS120)。
なお、ステップS120は、ステップS105と同様の処理であり、処理後にステップS103に戻ってフルセグ放送の受信状態を継続的に確認する点も同様である。
【0090】
一方、フルセグ放送の受信状態が悪く、フルセグ放送受信不可と判断された場合は(ステップS118;No)、制御部11は、フルセグチューナ部17への電源供給を停止する(ステップS121)。ステップS110で行ったワンセグ放送表示を継続しつつ、ステップS112のタイマ計測開始処理に戻る。
【0091】
以上のように、フルセグ放送の受信状況確認処理を間欠的に行うことで、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。特に、一般にはGPS受信用LSIや加速度センサの消費電力はフルセグチューナLSIの消費電力よりも低いため、ステップS115の判定により、所定以上の移動があったことを検出した時だけフルセグチューナ部17を起動し、所定以上の移動がなかった時はフルセグチューナ部17を起動しないことで、省電力化を実現できる。
【0092】
一方で、フルセグチューナ部17によるフルセグ放送の受信状況確認処理を実行する機会が減るが、ステップS115の判定により、所定以上の移動がなかった時は、前回の位置測位時からフルセグ放送の受信状況が本質的には変化しないと推測できるため、フルセグチューナ部17によるフルセグ放送の受信状況確認処理を実行しないためにワンセグ放送受信からフルセグ放送受信へ自動的に切り替えるタイミングが遅れるといった問題はほとんど発生しない。以上の結果、テレビ視聴時間が延び、ユーザの使い勝手が向上する。
【0093】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0094】
なお、実施形態2に係る携帯電話端末1の機能構成は図1と同様である。
また、ステップS110〜ステップS121までの処理と、図示していないステップS110に至るまでの処理は、図5中の同番号の処理と同様である。
【0095】
実施形態2では、携帯電話端末1が移動した大きさに応じてタイマ値を変えることにより、移動が小さい時はさらに消費電力を低く抑え、移動が大きい時はワンセグ放送受信からフルセグ放送受信への切り替えタイミングが遅れないようにする。
【0096】
つまり、実施形態1のステップS112において使用するタイマ値が、ステップS115で検出した移動の大きさに応じて変更される。ここで言う移動の大きさとは、例えば、移動距離や、加速度センサを使って算出した運動の激しさを示す値などである。
【0097】
実施形態1との違いは、ステップS115及びステップS121の後、ステップS112に戻る前に、ステップS115で判定された携帯電話端末1の移動の大きさに応じてステップS112で使用するタイマ値を更新する処理(ステップS201)が追加された点である。
【0098】
例えば、ステップS115で判定された移動距離が予め決められた閾値よりも大きい場合は、移動速度が速いため、フルセグ放送の受信状況が短時間で変化する可能性が高いと考え、ステップS112で使用するタイマ値を小さく設定する。
【0099】
逆に、ステップS115で判定された移動距離が予め決められた閾値よりも小さい場合は、移動速度が遅いため、フルセグ放送の受信状況が短時間で変化する可能性が低いと考え、ステップS112で使用するタイマ値を大きく設定する。運動の激しさを示す値を使う場合も同様である。また、比較に使用する閾値を複数設けて、ステップS112において使用するタイマ値を複数段階に切り替えるようにしても良い。
【0100】
これにより、フルセグ放送の受信状況確認処理を間欠的に行うことで、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。
また、フルセグ放送の受信状況確認処理の実施間隔を携帯電話端末1の移動の大きさに応じて変化させることで、移動が小さい時はさらに消費電力を低く抑え、移動が大きい時はワンセグ放送受信からフルセグ放送受信への切り替えタイミングが遅れないようにすることができる。
【0101】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0102】
なお、実施形態3に関わる携帯電話端末1の機能構成は図1と同様である。
また、図示していないステップS110に至るまでの処理とステップS112以降の処理は、図5中の同番号の処理と同様である。
【0103】
実施形態3では、移動量検出処理を行う前に、ワンセグ放送の受信状態が非常に良好であることを確認して、ワンセグ放送の受信状態がそれ程良くなく、同じ場所ではフルセグ放送は良好には受信できないと推測される場合には、移動量検出処理を行わない。
【0104】
つまり、実施形態1のステップS112〜ステップS115の移動検出処理を行う前に、ワンセグ放送の受信状態が確認されて、ワンセグ放送の受信状態が非常に良好な時にのみステップS112〜ステップS115の移動検出処理が行われる。
【0105】
実施形態1との違いは、制御部11は、ワンセグ放送の表示を行った直後から、ワンセグ放送の受信状態を定期的に確認し(ステップS301)、ワンセグ放送の受信状態が非常に良い状態か否かを判定する(ステップS302)。例えば、ワンセグ放送のBERが0であるか否か、さらには、受信電波強度が所定の閾値よりも大きいか否かといった判定を行う。
【0106】
ワンセグ放送の受信状態が非常に良い状態であると判定された場合は(ステップS302;Yes)、フルセグ放送を受信できる可能性があるということで、ステップS112以降の処理へ移る。なお、ステップS301でワンセグ放送の受信状態を確認するタイミングは、タイマ処理などで管理しても良い。
【0107】
一方、ワンセグ放送の受信状態が非常に良い状態ではないと判定された場合は(ステップS302;No)、制御部11は、ワンセグ放送の受信状態を再度確認する(ステップS301)。
【0108】
これにより、フルセグ放送の受信状況確認処理を間欠的に行うことで、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。通常は、ワンセグ放送の復調処理においてBERが0でない状態では、フルセグ放送を良好に受信することは難しい。また、フルセグ放送受信には、ワンセグ放送受信時に比べて高いC/Nが必要である。よって、移動量検出処理を行う前に、ワンセグ放送の受信状態が非常に良好であることを確認するので、ワンセグ放送の受信状態がそれ程良くなく、同じ場所ではフルセグ放送は良好には受信できないと推測される場合に移動量検出処理を行わないので、さらに携帯電話端末1の消費電力を低く抑えることができる。
【0109】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について、図8及び図9のフローチャートを参照して説明する。
【0110】
なお、実施形態4に係る携帯電話端末1の機能構成はほぼ図1と同様である。
また、ステップS112〜ステップS116までの処理と、図示していないステップS112に至るまでの処理とステップS116以降の処理は、図5中の同番号の処理と同様である。
【0111】
実施形態1との違いは、記憶部12に、フルセグ放送受信状態確認履歴情報121を保持していることである。フルセグ放送受信状態確認履歴情報121のデータ構造の一例を図8に示す。フルセグ放送受信状態確認履歴情報121は、位置情報1211、フルセグ受信状態確認回数1212、フルセグ受信状態の良好検出回数1213、フルセグ受信状態の良好検出率1214などの要素から成り立つ。
なお、フルセグ放送受信状態確認履歴情報121は、ユーザ操作によって初期状態に戻せることが望ましい。
【0112】
位置情報1211は、フルセグ放送の受信状態確認処理を行った位置やエリアを示す情報であり、緯度経度情報や、ある地点からの距離情報、どの地域に属するかを示すエリア情報などの組み合わせで構成される。
【0113】
フルセグ受信状態確認回数1212は、位置情報1211で示された位置またはエリアで、フルセグ放送の受信状態確認処理を行った回数を表す。
【0114】
フルセグ受信状態の良好検出回数1213は、位置情報1211で示された位置またはエリアで、フルセグ放送の受信状態確認処理を行った結果、フルセグ放送の受信状態が良好であると判定された回数を表す。
【0115】
フルセグ受信状態の良好検出率1214は、位置情報1211で示された位置またはエリアで、フルセグ放送の受信状態確認処理を行った結果、フルセグ放送の受信状態が良好であると判定された割合を表す。
【0116】
図9は、本発明の実施形態4に係る携帯電話端末1のデジタル放送受信処理を示すフローチャートである。
【0117】
ステップS114で携帯電話端末1の現在位置情報を取得した後、制御部11は、記憶部12からフルセグ放送受信状態確認履歴情報121を読み出す(ステップS401)。
なお、制御部11は、フルセグ放送の受信状態確認処理等を行った際には、フルセグ放送受信状態確認履歴情報121の更新登録を行う。制御部11は、更新登録されたフルセグ放送受信状態確認履歴情報121を記憶部12から読み出すことにより、最新の履歴情報に基づいて判定を行うことができる。
【0118】
次に、制御部11は、携帯電話端末1の現在位置でフルセグ放送の受信状態が良好だった履歴があるか否かの判定を行う(ステップS402)。ここでの判定処理の例としては、ステップS114で取得した現在位置情報と、ステップS401で読み出したフルセグ放送受信状態確認履歴情報121に含まれる位置情報1211とを比較して、最も現在位置に近い位置情報1211を決定する。
【0119】
また、制御部11は、その位置情報1211に対応するフルセグ受信状態の良好検出回数1213を読み出し、当該検出回数が所定の閾値以上でるか否かに基づいて、判定することもできる。
さらに、制御部は、フルセグ受信状態の良好検出率1214を読み出し、当該検出率が所定の閾値以上であるか否かに基づいて、判定することもできる。 そして、ステップS402において、所定の閾値以上であればYes、所定の閾値未満であればNoと判定される。
【0120】
現在位置でフルセグ放送の受信状態が良好だった履歴がある、または、履歴が多数あると判定された場合は(ステップS402;Yes)、ステップS116以降のフルセグ放送の受信状態確認処理へと進む。
【0121】
一方、現在位置でフルセグ放送の受信状態が良好だった履歴がない、または、履歴が少ないと判定された場合は(ステップS402;No)、ステップS112の処理へと戻る。
【0122】
なお、ステップS114で取得した現在位置情報に対応する履歴情報そのものがフルセグ放送受信状態確認履歴情報121に含まれない場合は、ステップS116以降のフルセグ放送の受信状態確認処理へと進む。
【0123】
また、過去にフルセグ放送の受信状態を確認した結果の履歴を使って、現在地周辺でフルセグ放送の受信状態が悪かった記録がある場合は、あらためてフルセグ放送の受信状態確認処理を行わないこともできる。
【0124】
これにより、過去にフルセグ放送を良好に受信できなかったという履歴情報を使うことで、フルセグ放送を良好に受信できない可能性が高い場所でフルセグ放送の受信状態確認を行わないので、フルセグ放送の受信状況確認処理が間欠的に行われることになり、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。
【0125】
なお、過去にフルセグ放送を良好に受信できなかったという履歴がある場所でも、送信設備の変更などで電波状況が変わる可能性もあるので、数回に一回は受信状態確認を行うようにしても良い。これにより、ユーザの利便性が向上する。
【0126】
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0127】
なお、実施形態5に係る携帯電話端末1の機能構成はほぼ図1と同様である。
また、ステップS112〜ステップS116までの処理と、図示していないステップS112に至るまでの処理とステップS116以降の処理は、図5中の同番号の処理と同様である。
【0128】
実施形態1との違いは、ステップS113でタイマが満了したら、制御部11は、まず、屋内外の検出処理を行う(ステップS501)。例えば、位置情報取得部23が取得した現在位置情報と、別途記憶部12に保持しておいた地図情報とを照合することで、現在地が建物内かどうかを検出することができる。また、GPS衛星を使って位置測位を行う場合、通信できたGPS衛生の数などから測定結果の精度を知ることができるので、測定結果の精度が予め決められた所定のレベルよりも低い場合は、GPS衛星を良好に見渡すことのできない屋内にいるとし、そうでない場合は屋外にいると検出できる。
【0129】
屋外にいると判定された場合は(ステップS502;Yes)、ステップS116以降のフルセグ放送の受信状態確認処理へと進む。
【0130】
一方、屋内にいると判定された場合は(ステップS502;No)、ステップS112の処理へと戻る。
【0131】
また、実施形態1のステップS114、ステップS115の移動判定処理の代わりに、現在位置が屋内か屋外かの判定処理を行い、屋内の場合は、フルセグ放送を受信できる可能性が低いとしてフルセグ放送の受信状態確認処理を行わないこともできる。
【0132】
これにより、屋内にいると判定された時は、フルセグ放送を良好に受信できない可能性が高いとしてフルセグ放送の受信状態確認を行わないので、フルセグ放送の受信状況確認処理が間欠的に行われることになり、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。
【0133】
なお、屋内であっても、自宅の場合は、携帯電話端末1をすぐに充電することが可能なので、消費電力を気にせずにフルセグ放送の受信を試みたいというニーズが考えられる。その場合は、GPS衛星を使った位置測位の精度に基づいて屋内であると判定された場合であっても、別途、現在地が自宅などの予め登録しておいた場所であると判定された場合は、例外的に、フルセグ放送の受信状態確認を行うこともできる。これにより、ユーザの使い勝手が向上する。
【0134】
(実施形態6)
次に、本発明の実施形態6について、図11及び図12のフローチャートを参照して説明する。
【0135】
実施形態6に係る携帯電話端末1の機能構成を図11に示す。実施形態1との違いは、近距離通信部26を備える点である。
【0136】
近距離通信部26は、例えば、無線LANやPHS、フェムトセルで構成される通信方式で、無線通信基地局を介して、通話音声、各種のデータ、等を送受信する。
【0137】
図12は、本発明の実施形態6に係る携帯電話端末1のデジタル放送受信処理を示すフローチャートである。
図示していないステップS112に至るまでの処理と、ステップS116以降の処理は、図5中の同番号の処理と同様である。
【0138】
実施形態1との違いは、ワンセグ放送の表示を行った直後から、制御部11は、待受無線通信基地局が変更されたか否かを検出する(ステップS601)。
【0139】
待受無線通信基地局が変更されない場合(ステップS601;No)、制御部11は、ワンセグ放送の表示を継続する(ステップS112)。
【0140】
一方、待受無線通信基地局が変更された場合(ステップS601;Yes)、ステップS116以降のフルセグ放送の受信状態確認処理へと進む。
【0141】
なお、待受無線通信基地局が変更されたか否かは、制御部11が近距離通信部26を制御することにより検出される。近距離通信部26は、携帯電話端末1が移動するなどして、より良好に通信可能な無線通信基地局を発見すると、その無線通信基地局に対して待受処理を行う。ここで言う待受処理とは、無線通信基地局が送信するパイロット信号やビーコン信号を検出し、同期を取ったり、無線通信基地局が送信する制御メッセージを理解したりし、位置登録処理や認証処理が完了した状態のことである。一連の待受処理の中で、無線通信基地局を特定する情報が変わったことが分かるので、それにより待受無線通信基地局が変更されたと認識する。
【0142】
また、無線LANなどの近距離通信や携帯電話通信において、待受無線通信基地局が変わったか否かの判定処理を行い、変化があった場合に、所定以上の移動があったとみなして、フルセグ放送の受信状態確認処理を行うこともできる。
【0143】
これにより、近距離通信の待受無線通信基地局が変化しない間は、携帯電話端末1はあまり移動しておらず、前回からフルセグ放送の受信状況が本質的には変化しないと推測し、フルセグ放送の受信状態確認を行わないので、フルセグ放送の受信状況確認処理が間欠的に行われることになり、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。
【0144】
なお、近距離通信部26を介して待受無線通信基地局の変化を検出するとしたが、通信部22を介して待受無線通信基地局の変化を検出しても良い。また、待受無線通信基地局の変化でなく、待受無線通信基地局から受信する信号の受信状態の変化を検出して、移動があったと判定しても良い。いずれの場合も、携帯電話端末1の消費電力を低く抑えつつ、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に自動的に切り替えることができる。
【0145】
(実施形態7)
次に、本発明の実施形態7について、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0146】
これまでの実施形態は、ワンセグ放送受信からフルセグ放送受信に切り替える動作に関するものであった。逆に、フルセグ放送受信からワンセグ放送受信に切り替える動作に関しては、図5のステップS105(ステップS120)からステップS103に戻る手順以外が考えられる。実施形態7は、フルセグ放送受信時に定期的に移動検出処理を行い、所定以上の移動を検出したら、ワンセグ放送受信に切り替えるものである。
【0147】
なお、実施形態7に係る携帯電話端末1の機能構成は図1と同様である。
また、ステップS105、及びステップS106の処理と、図示していないステップS105に至るまでの処理とステップS106以降の処理は、図5中の同番号の処理と同様である。
【0148】
実施形態1との違いは、ステップS105でフルセグ放送を表示中に、制御部11は、タイマ部24を制御してタイマ計測を開始する(ステップS701)。
【0149】
そして、制御部11は、ある時間が経過してタイマが満了したか否かを判定する(ステップS702)。
【0150】
制御部11は、タイマが満了するまで当該判定処理を繰り返す(ステップS702;No)。
【0151】
一方、ある時間が経過してタイマが満了したことを検知すると(ステップS702;Yes)、制御部11は、位置情報取得部23を制御して携帯電話端末1の現在位置情報を取得する(ステップS703)。
【0152】
現在位置情報を取得したら、制御部11は、前回の位置情報との差分と、予め決めておいた閾値と、を比較することで所定以上の距離の移動があったかを判定する(ステップS704)。
【0153】
なお、ステップS701〜ステップS704の処理は、図5のステップS112〜ステップS115と同様の処理である。
【0154】
所定以上の移動がなかった場合(ステップS704;No)には、ステップS105で行ったフルセグ放送表示を継続しつつ、ステップS701のタイマ計測開始処理に戻る。
【0155】
一方、所定以上の移動があった場合(ステップS704;Yes)、ステップS106以降のワンセグ放送受信処理へと進む。
【0156】
一般的に、高速移動中は静止時に比べてフルセグ放送を良好に受信しづらい。一方、ワンセグ放送はフルセグ放送に比べて移動時であっても良好に受信することが可能である。そのため、本実施形態のように、フルセグ放送受信中に所定量以上の移動があったことを検出した時点で、フルセグ放送をすぐに受信できなくなると予想し、ワンセグ放送受信に自動的に切り替えることで、継続的にデジタル放送を受信することができ、ユーザの使い勝手が向上する。
【0157】
なお、ステップS703の位置情報取得処理は、ステップS704において所定以上の移動があったか否かを判定するためのものであり、ステップS704において所定以上の移動があったか否かを判定できれば他の処理方法であっても良い点は、実施形態1のステップS114と同様である。
【0158】
また、ステップS703の位置情報取得処理の代わりに、実施形態5で説明したように、屋内外検出処理を行い、屋内であると判定された場合に、ワンセグ放送受信に切り替えることもできる。これにより、ユーザの利便性が向上する。
【0159】
以上説明したように、強階層受信中に、弱階層用のチューナや復調処理部を間欠的に動作させて弱階層の受信状態を効率良く監視することで、消費電力を抑えながら強階層受信から弱階層受信へ切り替えを行うことができる。また、消費電力を抑えながら弱階層受信から強階層受信へ切り替えを行うこともできる。
【0160】
なお、上記実施形態に係る携帯電話端末1により実行されるデジタル放送受信処理は、コンピュータによって実現することもできる。
【0161】
例えば、上記実施形態において携帯電話端末1の記憶部12等に記憶されているプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する装置を構成することができる。
【0162】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するようにしても良い。
【0163】
また、通信ネットワークを介してプログラムを転送しながら起動実行することによっても、上述の処理を達成することができる。
更に、プログラムの全部又は一部をサーバ装置上で実行させ、その処理に関する情報をコンピュータが通信ネットワークを介して送受信しながらプログラムを実行することによっても、上述の処理を達成することができる。
【0164】
なお、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、コンピュータにダウンロード等しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】実施形態1に係る携帯電話端末の機能構成を示す図である。
【図2】ワンセグチューナ部の構成を示す図である。
【図3】BER値の時間変化をプロットしたグラフを示す図である。
【図4】フルセグ映像出力処理を説明するフローチャートである。
【図5】実施形態1に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートである。
【図6】実施形態2に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートの一部である。
【図7】実施形態3に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートの一部である。
【図8】フルセグ放送受信状態確認履歴情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図9】実施形態4に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートの一部である。
【図10】実施形態5に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートの一部である。
【図11】実施形態6に係る携帯電話端末の機能構成を示す図である。
【図12】実施形態6に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートの一部である。
【図13】実施形態7に係るデジタル放送受信処理を説明するフローチャートの一部である。
【符号の説明】
【0166】
1…携帯電話端末、11…制御部、12…記憶部、13…操作部、14…表示部、15…ワンセグチューナ部、16…ワンセグデコード部、17…フルセグチューナ部、18…デスクランブル部、19…フルセグデコード部、20…音声出力部、21…音声入力部、22…通信部、23…位置情報取得部、24…タイマ部、25…バス、26…近距離通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記信号品質が所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
タイマ時刻を計時するタイマ部と、をさらに備え、
前記位置測定部は、前記タイマ部が計時するタイマ時刻が所定の時刻になった場合、前記移動量及び前記移動速度の測定を開始する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記所定の時刻は、前記移動量及び/又は前記移動速度が大きければ大きいほど、小さく設定される、
ことを特徴とする請求項3に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号及び前記強階層信号により示される信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記強階層信号により示される信号品質が所定の強階層品質を満たすか否かを判定し、
前記位置測定部は、前記強階層信号により示される信号品質が前記所定の強階層品質を満たすと判定された場合、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、
前記信号品質測定部は、前記移動量及び/又は前記移動速度が前記所定の閾値以上である場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の弱階層品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の弱階層品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項6】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置の位置を示す位置情報を測定する位置測定部と、
前記位置情報と、当該位置において前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たす回数及び/又は割合と、を対応付けて記憶する記憶部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置に対応付けられる前記回数及び/又は前記割合が所定の閾値以上か否かを判定し、さらに、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項7】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置の位置が屋外にあるか否かを判定する屋外判定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置が屋外にあると判定された場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項8】
前記自装置の位置を示す位置情報を測定する前記位置測定部と、
前記自装置の位置及び屋内外の位置が示される地図を記憶する地図記憶部と、
前記自装置の位置と前記屋内外の位置とを比較して、当該自装置の位置が屋外にあるか否かを判定する屋外判定部と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項6に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項9】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
複数の基地局と無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信により示される通信品質を測定する通信品質測定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記無線通信部が無線通信を行う基地局が変更された、または、前記通信品質が所定の通信品質を満たさない場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項10】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定部と、を備え、
前記信号再生部は、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記弱階層信号の再生を中止して前記強階層信号を再生する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項11】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記信号品質が所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号及び前記強階層信号により示される信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記強階層信号により示される信号品質が所定の強階層品質を満たすか否か判定し、
前記位置測定工程では、前記強階層信号により示される信号品質が前記所定の強階層品質を満たすと判定された場合、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、
前記信号品質測定工程では、前記移動量及び/又は前記移動速度が前記所定の閾値以上である場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の弱階層品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の弱階層品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置の位置を示す位置情報を測定する位置測定工程と、
前記位置情報と、当該位置において前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たす回数及び/又は割合と、を対応付けて記憶する記憶工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置に対応付けられる前記回数及び/又は前記割合が所定の閾値以上か否かを判定し、さらに、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置の位置が屋外にあるか否かを判定する屋外判定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置が屋外にあると判定された場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項15】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
複数の基地局と無線通信を行う無線通信工程と、
前記無線通信により示される通信品質を測定する通信品質測定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記無線通信部が無線通信を行う基地局が変更された、または、前記通信品質が所定の通信品質を満たさない場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項16】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定工程と、を実行させ、
前記信号再生工程では、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記弱階層信号の再生を中止して前記強階層信号を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記信号品質が所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
タイマ時刻を計時するタイマ部と、をさらに備え、
前記位置測定部は、前記タイマ部が計時するタイマ時刻が所定の時刻になった場合、前記移動量及び前記移動速度の測定を開始する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記所定の時刻は、前記移動量及び/又は前記移動速度が大きければ大きいほど、小さく設定される、
ことを特徴とする請求項3に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号及び前記強階層信号により示される信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記強階層信号により示される信号品質が所定の強階層品質を満たすか否かを判定し、
前記位置測定部は、前記強階層信号により示される信号品質が前記所定の強階層品質を満たすと判定された場合、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、
前記信号品質測定部は、前記移動量及び/又は前記移動速度が前記所定の閾値以上である場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の弱階層品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の弱階層品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項6】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置の位置を示す位置情報を測定する位置測定部と、
前記位置情報と、当該位置において前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たす回数及び/又は割合と、を対応付けて記憶する記憶部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置に対応付けられる前記回数及び/又は前記割合が所定の閾値以上か否かを判定し、さらに、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項7】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置の位置が屋外にあるか否かを判定する屋外判定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置が屋外にあると判定された場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項8】
前記自装置の位置を示す位置情報を測定する前記位置測定部と、
前記自装置の位置及び屋内外の位置が示される地図を記憶する地図記憶部と、
前記自装置の位置と前記屋内外の位置とを比較して、当該自装置の位置が屋外にあるか否かを判定する屋外判定部と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項6に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項9】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
複数の基地局と無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信により示される通信品質を測定する通信品質測定部と、を備え、
前記信号品質測定部は、前記強階層信号が再生されている際に、前記無線通信部が無線通信を行う基地局が変更された、または、前記通信品質が所定の通信品質を満たさない場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生部は、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項10】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定部と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号部と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号部と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生部と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定部と、を備え、
前記信号再生部は、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記弱階層信号の再生を中止して前記強階層信号を再生する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項11】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記信号品質が所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号及び前記強階層信号により示される信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記強階層信号により示される信号品質が所定の強階層品質を満たすか否か判定し、
前記位置測定工程では、前記強階層信号により示される信号品質が前記所定の強階層品質を満たすと判定された場合、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、
前記信号品質測定工程では、前記移動量及び/又は前記移動速度が前記所定の閾値以上である場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の弱階層品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の弱階層品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置の位置を示す位置情報を測定する位置測定工程と、
前記位置情報と、当該位置において前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たす回数及び/又は割合と、を対応付けて記憶する記憶工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置に対応付けられる前記回数及び/又は前記割合が所定の閾値以上か否かを判定し、さらに、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置の位置が屋外にあるか否かを判定する屋外判定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記自装置の位置が屋外にあると判定された場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項15】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
複数の基地局と無線通信を行う無線通信工程と、
前記無線通信により示される通信品質を測定する通信品質測定工程と、を実行させ、
前記信号品質測定工程では、前記強階層信号が再生されている際に、前記無線通信部が無線通信を行う基地局が変更された、または、前記通信品質が所定の通信品質を満たさない場合、前記弱階層信号により示される信号品質が所定の品質を満たすか否かを判定し、
前記信号再生工程では、前記弱階層信号により示される信号品質が前記所定の品質を満たす場合、前記強階層信号の再生を中止して前記弱階層信号を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項16】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するコンピュータにて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
受信された前記デジタル放送信号により示される弱階層の信号品質を測定する信号品質測定工程と、
前記デジタル放送信号から前記弱階層を構成する弱階層信号を取り出して、当該弱階層信号を復号する弱階層信号復号工程と、
前記デジタル放送信号から前記強階層を構成する強階層信号を取り出して、当該強階層信号を復号する強階層信号復号工程と、
復号された前記弱階層信号と前記強階層信号とのいずれかを再生する信号再生工程と、
自装置を利用する利用者の移動量及び移動速度を測定する位置測定工程と、を実行させ、
前記信号再生工程では、前記移動量及び/又は前記移動速度が所定の閾値以上の場合、前記弱階層信号の再生を中止して前記強階層信号を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−141713(P2010−141713A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317225(P2008−317225)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】
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