デジタル放送受信装置および受信方法
【課題】受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合であっても、ユーザによる処理の煩雑さを抑制する技術を提供する。
【解決手段】GPS測位部26は、位置情報を取得する。選択部44は、位置情報をもとに、チャンネルリストから、物理チャンネルを選択する。チューナ部12は、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号を受信する。選択部44は、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号が、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号である場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能であることを通知した後に、チューナ部12に対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示する。
【解決手段】GPS測位部26は、位置情報を取得する。選択部44は、位置情報をもとに、チャンネルリストから、物理チャンネルを選択する。チューナ部12は、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号を受信する。選択部44は、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号が、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号である場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能であることを通知した後に、チューナ部12に対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信技術に関し、デジタル放送を受信するデジタル放送受信装置および受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送受信機が移動体に搭載されると、移動しながらデジタル放送信号を受信することが可能になる。移動すると、受信状況や放送局エリアが変化することによって、受信可能な放送局が変化する。このような状況下において、デジタル放送受信機が、デジタル放送信号を効率よく受信するために、エリア毎に受信可能な放送局のチャンネルのリスト(以下、「チャンネルリスト」という)が、予めメモリに記憶される。また、ユーザにエリアを選択させることによって、エリアに応じて、チャンネルリストが切りかえられる。ここで、ユーザの利便性を向上させるために、ユーザにエリアを選択させる代わりに、GPSによって現在位置の位置情報が検出され、位置情報をもとにエリアが選択される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−111602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまで説明したデジタル放送は、例えば、一つの都道府県という広域において同一内容の番組が放送されることを前提とする。なお、ここでいう広域放送とはARIB規格でいう関東広域などの概念とは異なり、単純に一都道府県単位の広域で受けられる放送を意味する。さらに、ワンセグメント放送でも、広域において同一内容の番組が放送されている。このようなワンセグメント放送の受信機は、携帯電話装置に搭載されているので、普及率が高まっている。このような状況において、エリア・ワンセグメント放送の実証実験が行われている。これは、通常のワンセグメント放送での送信電力よりも小さい送信電力を使用する。このような送信電力は、微弱電力あるいは小電力とも呼ばれる。微弱電力の場合の受信範囲は半径約3mであり、小電力の場合の受信範囲は半径約100mであるので、広域ではなく局所的な放送となる。
【0005】
エリア・ワンセグメント放送は、例えば、店舗の中の放送や、イベント会場内の放送に使用され、その店舗で売っている商品の情報や、イベント会場のイベントや出演者に関する情報を伝送する。つまり、エリア・ワンセグメント放送は、限定的な場所での放送であり、放送の内容もその場所に関係したものになる。これは、局所的にしか受信できないため、受信機を搭載した移動体は、エリア・ワンセグメント放送がなされているエリア近辺に行くと、エリア・ワンセグメント放送の信号を受信する。このようなエリア・ワンセグメント放送は、広域の放送と比較すると、放送局数が頻繁に増減される。そのため、前述のチャンネルリストは、ある程度の頻度で更新されるべきである。
【0006】
エリア・ワンセグメント放送が含まれている場合でも、放送を効率的に受信するために、例えば、特定の場所において、チャンネルスキャンがなされると、その結果によりチャンネルリストに新たなチャンネルが追加されたり、チャンネルリストが更新されたりする。再度その場所に訪れたときに、チャンネルリストから、過去に記憶した周波数情報を取得し、それを使用してデジタル放送信号が受信される。しかしながら、周波数情報は取得できるが、エリア・ワンセグメント放送であるか、広域のデジタル放送であるかを分類していなかったために、選局が必要とされる。しかも、選局後に、受信した放送信号の中から、エリア・ワンセグメント放送が特定されなければならない。その結果、ユーザの処理が煩雑になる。
【0007】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合であっても、ユーザによる処理の煩雑さを抑制する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のデジタル放送受信装置 は、デジタル放送受信装置において、複数の物理チャンネルと、これら複数の物理チャンネルで放送されるデジタル放送信号を受信可能な地域に関する受信可能地域情報とをそれぞれ対応付けた情報の一覧であるチャンネル一覧情報を管理する管理部と、デジタル放送受信装置の位置情報を取得する取得部と、取得部において取得した位置情報をもとに、管理部が管理する物理チャンネル一覧情報から、所定の物理チャンネルを選択する選択部と、選択部において選択された物理チャンネルのデジタル放送信号を受信する受信部とを備え、受信部において受信可能なデジタル放送信号は、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号、あるいは狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であり、管理部は、複数の物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類しながら、チャンネル一覧情報の管理を実行し、選択部は、チャンネル一覧情報に基づいて、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号が狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であると判断した場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能であることをユーザに通知した後に、受信部に対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示するデジタル放送受信装置。
【0009】
この態様によると、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な場合だけその旨を通知した後に、デジタル放送信号を受信するので、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合であっても、ユーザによる処理の煩雑さを抑制できる。
【0010】
選択部は、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能状態となる前に、当該デジタル放送信号をまもなく受信可能になることを予告し、当該デジタル放送信号の受信を指示された場合に、受信部に対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示してもよい。この場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域に近づいた場合に、その旨を予告するので、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域に近づいたことをユーザに早期に知らせることができる。
【0011】
選択部における通知および予告の少なくとも一方を実行するか否かを設定する設定部とをさらに備えてもよい。この場合、通知および予告の少なくとも一方を実行するか否かを設定するので、ユーザの好みに合わせた処理を実行できる。
【0012】
地図情報を記憶する記憶部と、取得部において取得した位置情報をもとに、記憶部において記憶した地図情報上において、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域を表示する表示部とをさらに備えること特徴としてもよい。この場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域を地図情報上に表示するので、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域をユーザに容易に認識させることができる。
【0013】
本発明の別の態様は、受信方法である。この方法は、デジタル放送受信装置にて使用される受信方法において、複数の物理チャンネルと、これら複数の物理チャンネルで放送されるデジタル放送信号を受信可能な地域に関する受信可能地域情報とをそれぞれ対応付けた情報の一覧であるチャンネル一覧情報を管理するステップと、デジタル放送受信装置の位置情報を取得するステップと、取得した位置情報をもとに、管理する物理チャンネル一覧情報から、所定の物理チャンネルを選択するステップと、選択された物理チャンネルのデジタル放送信号を受信するステップとを備え、受信するステップにおいて受信可能なデジタル放送信号は、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号、あるいは狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であり、管理するステップは、複数の物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類しながら、チャンネル一覧情報の管理を実行し、選択するステップは、チャンネル一覧情報に基づいて、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号が狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であると判断した場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能であることをユーザに通知した後に、受信するステップに対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示する。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合であっても、ユーザによる処理の煩雑さを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1に係るデジタル放送受信装置の構成を示す図である。
【図2】図1のデジタル放送受信装置において受信されるTMCC情報のデータ構造を示す図である。
【図3】図1のデジタル放送受信装置において受信されるNIT情報のデータ構造を示す図である。
【図4】図4(a)−(b)は、図1のフラッシュメモリに記憶されるチャンネルリストのデータ構造を示す図である。
【図5】図4(a)−(b)の受信可能地域情報に対応した地域を示す図である。
【図6】図1のデジタル放送受信装置を搭載した車両の走行状態を示す図である。
【図7】図1のグラフィクス部によって表示される画面を示す図である。
【図8】図1のグラフィクス部によって表示される別の画面を示す図である。
【図9】図1のグラフィクス部によって表示されるさらに別の画面を示す図である。
【図10】図1のグラフィクス部によって表示される設定画面を示す図である。
【図11】図1のデジタル放送受信装置によるチャンネルリストの生成手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例2に係るデジタル放送受信装置によるチャンネルリストの生成手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施例3による補正部の補正前の受信可能地域情報に対応した地域を示す図である。
【図14】図14(a)−(b)は、本発明の実施例3によるフラッシュメモリに記憶されるチャンネルリストのデータ構造を示す図である。
【図15】本発明の実施例3による補正部の補正後の受信可能地域情報に対応した地域を示す図である。
【図16】本発明の実施例3に係るデジタル放送受信装置による受信可能地域情報の補正手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施例は、デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置に関する。ここで、デジタル放送受信装置は、車両に搭載されていたり、可搬性を有していたりするので、移動可能である。また、デジタル放送信号として、都道府県のようなある程度広い領域で受信可能な放送信号と、半径数mから数100m程度の狭い領域で受信可能な放送信号とが規定されている。以下では、前者の放送を広域放送といい、後者の放送を狭域放送ということがある。このようなデジタル放送信号を受信する際のユーザの利便性を向上するために、デジタル放送受信装置は、(1)チャンネルリストを生成・更新するための管理処理、(2)チャンネルリストを使用して信号を受信するための受信処理を実行する。
【0018】
管理処理において、デジタル放送受信装置は、デジタル放送信号を受信し、デジタル放送信号に含まれた受信可能地域情報をもとに、広域放送と狭域放送とに分けて、チャンネルリストを生成する。その際、広域放送に対して、受信可能地域情報に含まれた地域名が使用され、狭域放送に対して、受信位置を測位して受信可能地域情報が生成される。受信処理において、デジタル放送受信装置は、現在の存在位置を測位するとともに、チャンネルリストを参照することによって、チャンネルを設定して、デジタル放送信号を受信する。その際、広域放送に対して、チャンネルリストをもとにチャンネルが自動的に設定され、狭域放送に対して、チャンネルリストをもとに狭域放送が受信可能である旨がユーザに通知された後、ユーザからの受信の指示によってチャンネルが設定される。
【0019】
図1は、本発明の実施例1に係るデジタル放送受信装置100の構成を示す。デジタル放送受信装置100は、UHFアンテナ10、チューナ部12、デスクランブラ部14、デマルチプレクサ部16、ビデオデコーダ部18、オーディオデコーダ部20、グラフィクス部22、デマルチプレクサ用RAM24、GPS測位部26、スイッチ検出部28、CPU30、ROM32、RAM34、フラッシュメモリ36、RTC(Real Time Clock)38を含む。また、CPU30は、抽出部40、管理部42、選択部44を含む。抽出部40は、補正部46を含み、選択部44は、通知部48を含む。以下では、(1)管理処理と(2)受信処理の順に説明する。
【0020】
1.管理処理
UHFアンテナ10は、図示しない放送局や中継局からのデジタル放送信号を受信する。ここで、UHFアンテナ10には、複数の物理チャンネルのそれぞれに対応したデジタル放送信号が受信される。また、デジタル放送信号は、前述の広域放送や狭域放送に対応する。つまり、UHFアンテナ10において受信可能なデジタル放送信号は、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号、あるいは狭い領域にて放送されるデジタル放送信号である。UHFアンテナ10は、受信したデジタル放送信号をチューナ部12へ出力する。
【0021】
チューナ部12は、UHFアンテナ10から、デジタル放送信号を受けつけるとともに、後述の選択部44から、複数の物理チャンネルのうちのいずれかを選択するための指示も受けつける。チューナ部12は、複数のデジタル放送信号のうち、指示された物理チャンネルのデジタル放送信号を選択する。チューナ部12は、選択したデジタル放送信号からTMCC情報を取得し、それをもとにデジタル放送信号を復調する。TMCC情報では、選局した物理チャンネルの中の放送信号における強階層、弱階層などの構成が示されると共にそれぞれの階層で使われる詳細な変調の情報が記載されており、これが取得できないと復調できない。なお、復調には、公知の技術が使用されればよい。また、チューナ部12には、設定した物理チャンネルに、デジタル放送信号の電波強度が十分であるかを検出する回路が含まれていてもよい。チューナ部12は、ワンセグメント放送のみを受信してもよいし、フルセグメント放送とワンセグメント放送の両方を受信してもよい。
【0022】
デスクランブラ部14は、チューナ部12において復調したデジタル放送信号にデスクランブルを実行する。図示しない放送局では、フルセグメント放送の有料放送などに対して、スクランブルを実行している。これは、そのままでは視聴できないようにするためである。デスクランブラ部14は、特定のカードなどがデジタル放送受信装置100に挿入されていた場合のみに、スクランブルを解く。なお、ワンセグメント放送のように、デジタル放送信号にスクランブルがかけられていない場合、デスクランブラ部14は、デスクランブル処理を行わず、信号をそのまま通過させる。デジタル放送受信装置100が、ワンセグメント放送の受信のみに対応している場合、デスクランブラ部14は省略されてもよい。
【0023】
デマルチプレクサ部16は、デスクランブラ部14からのデジタル放送信号を受けつける。デマルチプレクサ部16は、デジタル放送信号をビデオのデータとオーディオのデータとに分離する。デマルチプレクサ部16は、分離したこれらのデータをデマルチプレクサ用RAM24に一時的に蓄積させる。その後、デマルチプレクサ部16は、デマルチプレクサ用RAM24からビデオのデータとオーディオのデータそれぞれを、ビデオのデータはビデオデコーダ部18へ出力し、オーディオのデータはオーディオデコーダ部20へ出力する。
【0024】
ビデオデコーダ部18は、デマルチプレクサ部16から、ビデオのデータを受けつけ、ビデオのデータを復号する。ビデオデコーダ部18は、復号したビデオのデータをグラフィクス部22に出力する。グラフィクス部22は、ビデオデコーダ部18において復号したビデオのデータに、GUI(graphics user interface)画面を重畳させて、図示しないモニタに表示させる。オーディオデコーダ部20は、デマルチプレクサ部16から、オーディオのデータを受けつけ、オーディオのデータを復号する。オーディオデコーダ部20は、復号したオーディオのデータを図示しないスピーカに出力させる。
【0025】
CPU30は、チューナ部12、デスクランブラ部14、デマルチプレクサ部16、ビデオデコーダ部18、オーディオデコーダ部20、グラフィクス部22をバスによって接続し、これらを動作させるように制御する。CPU30のバスには、これら以外に、CPU30のプログラムを格納するためのROM32、CPU30の変数を格納するためのRAM34、フラッシュメモリ36、RTC38、図示しないリモートコントローラ用I/Fが接続される。
【0026】
デマルチプレクサ部16は、前述のオーディオのデータとビデオのデータ以外に、デジタル放送信号から、SI/PSI情報、データカルーセル情報を抽出し、これらをデマルチプレクサ用RAM24に一時的に蓄積させる。CPU30は、これらのデータをデマルチプレクサ部16を経由してデマルチプレクサ用RAM24にアクセスすることにより取得する。CPU30は、SI情報に対して番組表関連の番組情報を整理したり、データカルーセル情報に対してBML文書の情報を抽出したりして、それらの結果をRAM34に蓄積させる。BML文書は自動的あるいはユーザの操作によって実行され、その中のグラフィクスユーザインターフェース部分はグラフィクス部22によってモニタに表示される。フラッシュメモリ36は、不揮発のメモリであり、電源が切断されても記憶内容を保持する。フラッシュメモリ36は、前述のチャンネルリストを記憶する。
【0027】
RTC38は、時計であり、水晶発振器を含んで自走で時刻を保持してもよいし、放送信号からSI情報として抽出した時刻データをもとに時刻を保持してもよい。後者の場合、CPU30は、デマルチプレクサ用RAM24からデマルチプレクサ部16経由で、SI情報の中の時刻情報TOTを取得し、RTC38に保持させる。いずれの場合であっても、CPU30は、RTC38から時刻データを取得する。スイッチ検出部28は、デジタル放送受信装置100に備えられた図示しないスイッチへの入力を検出する。デジタル放送受信装置100のモニタがタッチパネルである場合、スイッチ検出部28は、タッチパネルの位置検出を実行してもよい。外部にリモートコントローラが接続されている場合、スイッチ検出部28は、リモートコントローラからの入力を受けつけてもよい。GPS測位部26は、デジタル放送受信装置100の存在位置を位置情報として測位する。なお、デジタル放送受信装置100が車両に搭載されている場合、GPS測位部26は、測位の際に、図示しない車輪のエンコーダ、ジャイロの出力等とを使用してもよい。
【0028】
次に、チャンネルリストの生成を具体的に説明する。前提として、UHFアンテナ10において受信可能な複数の物理チャンネルは、13チャンネルから62チャンネルまでであり、チューナ部12は、選択部44の指示に応じて、初期の物理チャンネルを13チャンネルに設定する。チューナ部12は、設定した物理チャンネルにおいて、デジタル放送信号が存在するか否かを判定する。この処理はチャンネルスキャンと呼ばれる。まずデジタル放送信号のC/Nが一定以上あるかどうかを判定する。また、チューナ部12は、選択部44の指示に応じて、1チャンネルずつ物理チャンネルを変更しながら、すべての物理チャンネルに対してデジタル放送信号があるかどうかを判定する。なお、チャンネルスキャン開始時に、CPU30は、フラッシュメモリ36に記憶したチャンネルリストをクリアする。
【0029】
抽出部40は、デジタル放送信号のC/Nが一定以上である物理チャンネルに対して、デジタル放送信号からTMCC情報を取得する。また、抽出部40は、TMCC情報をもとに、デジタル放送信号の中のセグメント構成、具体的には、ワンセグメント放送が含まれているかを確認する。図2は、デジタル放送受信装置100において受信されるTMCC情報のデータ構造を示す。例えば、B27を確認することによって、ワンセグメント放送の存在を確認する。図1に戻る。抽出部40は、デマルチプレクサ部16を通じてTSをフィルタリングしてPAT、PMT、NITを取得する。なお、ワンセグメント放送ではPATが含まれていない。その際、CPU30は、デマルチプレクサ部16に対してセクションフィルタを設定して、その結果をデマルチプレクサ用RAM24に格納させる。抽出部40は、デマルチプレクサ用RAM24に格納された内容を確認する。
【0030】
抽出部40は、チューナ部12において受信したデジタル放送信号のNIT情報から、選択部44において選択した物理チャンネルのデジタル放送信号を受信可能な地域に関する情報を抽出する。当該情報が、受信可能地域情報である。図3は、デジタル放送受信装置100において受信されるNIT情報のデータ構造を示す。この中の「network_id」により狭い地域に限定された情報がわかる。「network_id」が「0x7e8e」である場合、この放送はエリア・ワンセグメント放送のように狭い地域に限定された放送である。一方、「network_id」が他の値であれば、各値に対応した地域の広域放送であり、それぞれの値は放送局固有の数値であり、かつ各放送局はどこの都道府県で受信すべきかが決められている。つまり、受信可能地域情報は、広域な領域を特定するための情報、あるいは狭い領域であることを示した情報である。図1に戻る。抽出部40は、デジタル放送信号が、広域な領域に対しての放送なのか、狭い領域に対しての放送なのかを区別する。
【0031】
管理部42は、抽出部40において抽出した受信可能地域情報と、選択部44において選択した物理チャンネルとを対応づけて管理する。その際、管理部42は、広域な領域を特定するための情報と、狭い領域であることを示した情報とに基づいて、物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類しながら、チャンネルリストを生成し管理する。なお、広域な領域を特定するための情報では、具体的な地域名がその放送局が本来受信できる地域名が決まっているためにわかる。もちろん一部の放送局は隣接の都道府県でも受信できることがある。一方、狭い領域であることを示した情報では、狭い地域に限定された放送であることが示されているだけで、具体的な地域名が示されていない。そのため、管理部42は、抽出部40において抽出した受信可能地域情報が、狭い領域であることを示した情報である場合に、GPS測位部26から、エリア・ワンセグメント放送を受信したときの位置情報を取得する。管理部42は、当該位置情報をもとに、狭い領域を特定するための情報を受信可能地域情報として生成し、チャンネルリストに記載する。
【0032】
図4(a)−(b)は、フラッシュメモリ36に記憶されるチャンネルリストのデータ構造を示す。図4(a)は、広域な領域における放送に対するチャンネルリストであり、図4(b)は、狭域な領域における放送に対するチャンネルリストである。両方のデータ構造は同一であり、物理CH欄110、狭い領域の放送欄112、受信可能地域情報欄114、TMCC情報欄116が含まれる。物理CH欄110には、物理チャンネルが示される。狭い領域の放送欄112には、狭い領域の放送であるか否かが示される。「network_id」が「0x7e8e」でなければ、各種情報が図4(a)に登録され、「network_id」が「0x7e8e」であれば、各種情報が図4(b)に登録される。「network_id」が「0x7e8e」でない場合、そのときの「network_id」から特定される放送局が受信される都道府県から地域Aがわかり、受信可能地域情報欄114に登録される。また、図4(b)の受信可能地域情報欄114における地域Zは、GPS測位部26において取得された位置情報に相当する。受信可能地域情報は、地図情報に対応しており、緯度・経度によって示されている。図5は、受信可能地域情報に対応した地域を示す。図中の「A」が地域Aに対応し、「B」が地域Bに対応し、「Z」が地域Zに対応する。図1に戻る。
【0033】
管理部42は、このように生成したチャンネルリストを次のように更新してもよい。図示しない受付部は、UHFアンテナ10、チューナ部12においてデジタル放送信号を受信すべき放送用回線とは異なった通信ネットワークに接続される。通信ネットワークは、例えば、携帯電話回線や無線LANである。受付部は、通信ネットワークを介して図示しないサーバから、チャンネルリストを受けつける。管理部42は、受付部からチャンネルリストを受けつける。管理部42は、受付部から受けつけたチャンネルリストの中に、フラッシュメモリ36に記憶させたチャンネルリストに含まれていない情報があるかを確認する。管理部42は、含まれていない情報があれば、含まれていない情報に対して、広域な領域を特定するための情報と、狭い領域であることを示した情報とに基づいて、物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類するとともに、フラッシュメモリ36に記憶させたチャンネルリストに当該情報を追加して管理する。
【0034】
また、管理部42は、抽出部40において抽出した受信可能地域情報をもとにチャンネルリストを生成する前であっても、チャンネルリストを予め管理してもよい。ここでも、チャンネルリストは、広域な領域を特定するための情報と、狭い領域であることを示した情報とに基づいて、物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類されている。このようなチャンネルリストは、製造時にフラッシュメモリ36い記憶されている。また、以上の説明では、チャンネルリストには、物理チャンネルの情報が含まれるとしたが、それに加えてSDTのサービス記述子に書いてあるサービス名が、エリア・ワンセグメント放送の放送名としてチャンネルリストに記憶されてもよい。また、エリア・ワンセグメント放送のさまざまなテキスト、音声、画像データの付随情報が、チャンネルリストに記憶されてもよい。
【0035】
2.受信処理
前述のごとく、管理部42は、チャンネルリストを管理する。ここで、チャンネルリストは、物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類して管理する。スイッチ検出部28は、視聴者から所定のデジタル放送信号を受信する旨の指示を受けつけた場合、指示を選択部44に出力する。選択部44は、スイッチ検出部28からの指示を受けつけた場合、その所定のデジタル放送信号の物理チャンネルがチャンネルリストに存在するか否かを確認する。存在する場合は、選択部44は、その物理チャンネルが広域な領域に分類されているか狭い領域に分類されているかにかかわらず、その物理チャンネルの受信をチューナ部12に指示する。存在しない場合は、選択部44は、「放送されていません」などのメッセージを、通知部48、グラフィクス部22を介してモニタに表示する。また、選択部44は、GPS測位部26から、位置情報を適宜取得する。選択部44は、GPS測位部26からの位置情報をもとに、現在位置において受信可能な狭い領域に分類される物理チャンネルがあるか否かを判断する。具体的には、図4(a)−(b)のうちの(b)(狭域放送側)の受信可能地域情報欄114に示された地域の中の位置情報とGPS測位部26からの位置情報とを比較して、その比較結果が第1の所定距離以内か否か等の条件によって判断する。
【0036】
上記判断で、受信可能な狭い領域に分類されている物理チャンネルがあった場合、通知部48は、グラフィクス部22を介してモニタに、その物理チャンネルのデジタル放送信号を受信可能であることを表示する。これは表示するのでなくオーディオデコーダ部20を利用して音声を出してもよい。
【0037】
さらに次の処理がなされてもよい。選択部44は、図4(a)−(b)のうちの(b)(狭域放送側)の受信可能地域情報欄114に示された地域の中の位置情報とGPS測位部26からの位置情報とを比較して、その比較結果が前述した第1の所定距離よりも長い第2の所定距離以内か否か等の条件によって、チャンネルリストにその位置情報が示す所定の領域内に、もうすぐ受信可能となる狭い領域に分類されている物理チャンネルがあるか否かを判断する。この判断により、もうすぐ受信可能な狭い領域に分類されている物理チャンネルがある場合、通知部48は、その物理チャンネルのデジタル放送信号を受信可能であることを表示する前に、グラフィクス部22を介してモニタに、当該デジタル放送信号を受信可能であることを予告する表示をする。これは表示するのでなくオーディオデコーダ部20を利用して音声を出してもよい。
【0038】
フラッシュメモリ36は、地図情報も記憶する。CPU30は、GPS測位部26において測位した位置情報をもとに、フラッシュメモリ36ら地図情報を抽出する。グラフィクス部22は、地図情報と位置情報とを合成してモニタに表示する。その結果、カーナビゲーションシステムの機能が実現される。さらに、グラフィクス部22は、GPS測位部26において取得した位置情報をもとに、フラッシュメモリ36において記憶した地図情報上において、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域を表示してもよい。なお、地図情報は、フラッシュメモリ36でなくて、図示しないハードディスドライブに記憶されてもよい。
【0039】
ここでは、以上のような構成のデジタル放送受信装置100を搭載した車両が走行している場合を具体的に説明する。図6は、デジタル放送受信装置100を搭載した車両の走行状態を示す。ここでは、車両が道路130を左から右へ走行しているとする。地域Z1、Z2は、狭い領域の放送であるエリア・ワンセグメント放送AOB1、AOB2をそれぞれ受信可能な領域である。ここでは、エリア・ワンセグメント放送AOB2の送信電力が、エリア・ワンセグメント放送AOB1の送信電力よりも大きいとする。そのため、地域Z2は、地域Z1よりも広くなっている。なお、図6では、説明を明瞭にするために、広域の放送を省略する。
【0040】
地域Z10、Z20は、地域Z1、Z2の外側に設けられた領域である。例えば、これらの半径は、地域Z1、Z2よりも100m大きくなっている。車両が地域Z10、Z20に入ると、エリア・ワンセグメント放送AOB1、AOB2をもうすぐ受信可能なることが予告される。ここで、図1の管理部42は、狭域放送に対する受信可能地域情報を所定の半径だけ広げることによって、予告のための領域を導出する。車両は、道路130を左から走行して、地点T1に到達する。GPS測位部26が地点T1への到達を検出すると、選択部44は、地域Z10に到達したことを検出する。
【0041】
図7は、グラフィクス部22によって表示される画面を示す。図7において、エリア・ワンセグメント放送AOB1は、Aガソリンスタンドより送信されている。この時点ではエリア・ワンセグメント放送AOB1を受信できないが、もうすぐ受信できるところまで近づいているので、エリア・ワンセグメント放送AOB1を受信可能な領域への接近が音声によって運転者に予告される。また、図7において、Aガソリンスタンドの周りが太い線で囲われており、運転者が視認しやすいように表示される。この時の音声の情報やAガソリンスタンドという名称と、エリア・ワンセグメント放送AOB1との対応づけは、SDTのような放送情報や、通信ネットワークから取得される。ここで、エリア・ワンセグメント放送AOB1が放送されているAガソリンスタンドに関する広告が前述の情報に含まれていてもよい。例えば、「本日は満タンの方もれなくティッシューをプレゼント」のような音声が出力されればよい。図6に戻る。
【0042】
車両は、さらに進行して地点T2に到達する。地点T2は、エリア・ワンセグメント放送AOB1を受信可能な地点である。図8は、グラフィクス部22によって表示される別の画面を示す。図8では、エリア・ワンセグメント放送AOB1の存在がウインドウ140に表示される。運転者がウインドウ140に触れると、図8の画面は、エリア・ワンセグメント放送AOB1の放送画面に切りかわる。なお、図8が表示されている時点であっても、エリア・ワンセグメント放送の音声が出力されていてもよい。図6に戻る。図9は、地点T3まで進んだ時のグラフィクス部22によって表示されるさらに別の画面を示す。図示のごとく、この段階でエリア・ワンセグメント放送AOB1の発信地点を通過するのでエリア・ワンセグメント放送AOB1の情報が消える。また、次に到達すべきエリア・ワンセグメント放送AOB2についても、図6の地点T5に到達していないので、強調した表示がされていない。図6に戻る。以上のような受信領域に進入したときの通知は、広域放送に対してなされず、狭域放送に対してのみなされる。
【0043】
図1のチューナ部12は、選択部44において選択した物理チャンネルのデジタル放送信号を受信する。CPU30は、選択部44における通知および予告の少なくとも一方を実行するか否かを設定するための設定部が備えられてもよい。つまり、通知や予告を出力するか否かが運転者によって設定されてもよい。図10は、グラフィクス部22によって表示される設定画面を示す。図10では、3つの項目が設定可能であり、これは、デジタル放送受信装置100に備えられたボタン、リモートコントローラ、タッチパネルにて操作される。一番上の設定メニューでは、エリア・ワンセグメント放送の領域に近づいた時に案内をするか否かが設定される。「しない」が選択されると、図7の予告はなされない。二番目の設定メニューでは、エリア・ワンセグメント放送の受信領域に入った時の案内をするか否かが設定される。これは、図8の通知に相当する。一番下の設定メニューでは、エリア・ワンセグメント放送の受信領域に入った時の切換をするか否かが設定される。図8においてウインドウ140が表示された時に、ウインドウ140にタッチしなくても自動的にエリア・ワンセグメント放送AOB1の放送に切り替わるか、あるいはウインドウ140をタッチしないと切り換わらないかが設定される。
【0044】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0045】
以上の構成によるデジタル放送受信装置100の動作を説明する。図11は、デジタル放送受信装置100によるチャンネルリストの生成手順を示すフローチャートである。チューナ部12は、チャンネルスキャンを開始する際に、初期チャンネルを13チャンネルに設定し、CPU30は、広域の放送用のチャンネルリストと狭い領域の放送用のチャンネルリスト両方をクリアする(S10)。物理チャンネルの62チャンネルまでスキャンが終わっていなければ(S12のN)、チューナ部12は、当該物理チャンネルにチューニングする(S14)。抽出部40は、TMCC情報を取得する(S16)。取得が成功すれば(S18のY)、抽出部40は、PMT、NITを取得する(S20)。
【0046】
取得が成功し(S22のY)、「network_id」が「0x7e8e」でない場合(S24のN)、管理部42は、広域の放送用のチャンネルリストに情報を登録する(S26)。「network_id」が「0x7e8e」である場合(S24のY)、管理部42は、狭い領域の放送用のチャンネルリストに情報を登録する(S28)。取得が成功しなかった場合(S18のN)、あるいは取得が成功しなかった場合(S22のN)、ステップ24から28は、スキップされる。チューナ部12は、物理チャンネルに1を追加することによって、次の物理チャンネルに移行し(S30)、ステップ12に戻る。物理チャンネルの62チャンネルまでスキャンが終わっていれば(S12のY)、処理は終了される。
【0047】
本発明の実施例によれば、広域な領域を特定するための情報と、狭い領域であることを示した情報とに分類しながら、チャンネルリストを管理するので、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合でも処理を分離できる。また、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合に、受信可能なエリアの広さに応じて処理が分離されるので、それぞれに適した処理を実行できる。また、受信可能なエリアの広さに適した処理が実行されるので、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合であっても、ユーザによる処理の煩雑さを抑制できる。
【0048】
また、受信可能地域情報が、狭い領域であることを示した情報である場合に、取得した位置情報を使用するので、受信可能地域を推定できる。また、取得した位置情報を使用して受信可能地域を推定するので、チャンネルリストに受信可能地域が含まれない状況を回避できる。また、通信ネットワークを介してチャンネルリストを受けつけた場合、これを追加して管理するので、対応関係の正確性を向上できる。また、チャンネルリストを予め管理するので、チャンネルリストをすぐに使用できる。
【0049】
また、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な場合だけその旨を通知した後に、デジタル放送信号を受信するので、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合であっても、ユーザによる処理の煩雑さを抑制できる。また、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な場合だけその旨を通知するので、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号の存在をユーザに知らしめることができる。また、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な場合には、ユーザへの通知を省略してデジタル放送信号を受信するので、ユーザによる処理の煩雑さを抑制できる。
【0050】
また、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域に近づいた場合に、その旨を予告するので、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域に近づいたことをユーザに早期に知らせることができる。また、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域に近づいたことをユーザに早期に知らせるので、ユーザの利便性を向上できる。また、通知および予告の少なくとも一方を実行するか否かを設定するので、ユーザの好みに合わせた処理を実行できる。また、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域を地図情報上に表示するので、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域をユーザに容易に認識させることができる。また、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域をユーザに容易に認識させるので、ユーザの利便性を向上できる。
【0051】
(実施例2)
本発明の実施例2は、実施例1と同様に、デジタル放送受信装置に関する。実施例2では、チャンネルリストが既に存在している場合に、チャンネルスキャン動作が実行される。つまり、チャンネルスキャンによってチャンネルリストが更新される。ここで、実施例2に係るデジタル放送受信装置100は、図2と同様のタイプであるので、説明を省略する。
【0052】
図12は、本発明の実施例2に係るデジタル放送受信装置100によるチャンネルリストの生成手順を示すフローチャートである。チューナ部12は、チャンネルスキャンを開始する際に、初期チャンネルを13チャンネルに設定する(S50)。物理チャンネルの62チャンネルまでスキャンが終わっていない場合(S52のN)、この地域で広域の放送が受信できる物理チャンネルでなければ(S54のN)、チューナ部12は、当該物理チャンネルにチューニングする(S56)。抽出部40は、TMCC情報を取得する(S58)。取得が成功すれば(S60のY)、抽出部40は、PMT、NITを取得する(S62)。
【0053】
取得が成功し(S64のY)、「network_id」が「0x7e8e」でない場合(S66のN)、管理部42は、広域の放送用のチャンネルリストへの登録がなされていなければ、広域の放送用のチャンネルリストに情報を登録する(S68)。「network_id」が「0x7e8e」である場合(S66のY)、管理部42は、狭い領域の放送用のチャンネルリストへの登録がなされていなければ、狭い領域の放送用のチャンネルリストに情報を登録する(S70)。この地域で広域の放送が受信できる物理チャンネルであった場合(S54のY)、あるいは取得が成功しなかった場合(S60のN)、あるいは取得が成功しなかった場合(S64のN)、ステップ66から70は、スキップされる。チューナ部12は、物理チャンネルに1を追加することによって、次の物理チャンネルに移行し(S72)、ステップ52に戻る。物理チャンネルの62チャンネルまでスキャンが終わっていれば(S52のY)、処理は終了される。
【0054】
図12の処理は、図11の処理と比較して、次の点が異なる。図12のステップ50において、チャンネルスキャンが開始される際に、広域と狭い領域両方のチャンネルリストはクリアされず、チューナ部12は、物理チャンネルを13チャンネルに設定するだけである。また、図12のステップ54において、現在の位置情報を確認し、広域放送に対するチャンネルリストの中で現在地で受信できる物理チャンネルであった場合には、チャンネルスキャンがなされない。一方、広域放送に対するチャンネルリストの中で現在地で受信できない物理チャンネルであった場合、チャンネルスキャンがなされる。さらに、図12のステップ68、70において、管理部42は、チャンネルスキャンの結果、既に登録されている放送局であった場合は重複して登録せず、いままで存在していなかった放送局の時のみ登録する。
【0055】
本発明の実施例によれば、既にチャンネルリストが存在している場合に、チャンネルスキャンを実行しても、重複した処理は省略されるので、処理を簡易化できる。また、処理が簡易化されるので、チャンネルスキャンの期間を短縮できる。
【0056】
(実施例3)
本発明の実施例3は、これまで同様に、デジタル放送受信装置に関する。実施例1では、狭域放送に対する受信可能地域情報が、GPSによって測位された位置情報をもとに生成されている。実施例3は、このような受信可能地域情報を補正する。ここで、実施例3に係るデジタル放送受信装置100は、図2と同様のタイプであるので、差異を中心に説明する。
【0057】
管理部42がGPS測位部26において取得した位置情報をもとに、狭い領域を特定するための情報を生成した後であっても、補正部46は、GPS測位部26において新たに取得した位置情報をもとに、狭い領域を特定するための情報を補正する。補正した情報は、チャンネルリストに反映される。前述のごとく、チャンネルスキャンを実行しても、狭域放送に対する受信可能地域情報が含まれていない。そのため、管理部42は、GPS測位部26から取得した位置情報をもとに、受信可能地域情報を生成している。つまり、GPS測位部26から取得した位置情報の周辺が、受信可能地域とみなされる。
【0058】
図13は、本発明の実施例3による補正部46の補正前の受信可能地域情報に対応した地域を示す。地点T131においてチャンネルスキャンがなされたときに、狭い領域で受信可能な放送が受信されたとする。図4(b)の受信可能地域情報欄114に対して、地域Z132が設定される。地域Z132は、例えば、チャンネルスキャンを行った地点T131を中心とする半径50mの円である。管理部42は、このように生成した受信可能地域情報が仮であることをフラグによって示す。図14(a)−(b)は、本発明の実施例3によるフラッシュメモリ36に記憶されるチャンネルリストのデータ構造を示す。図15(a)は、広域放送に対するチャンネルリストを示し、図4(a)と同一である。一方、図15(b)は、狭域放送に対するチャンネルリストを示すが、図4(b)とは異なっている。図15(b)の受信可能地域情報欄114には、仮のものであるというフラグの有無も一緒に示される。管理部42によって生成された受信可能地域情報は、「仮のフラグ有り」と示されており、外部メモリや通信ネットワークから取得された受信可能地域情報は、正確であるので、「仮のフラグ無し」と示される。
【0059】
ここでは、「仮のフラグ有り」の場合に、図15をもとに、その付近を通過したときの動作を説明する。図15は、本発明の実施例3による補正部46の補正後の受信可能地域情報に対応した地域を示す。チャンネルスキャンは、前述のごとく、地点T131でなされたので、地点T131が狭域放送の放送地点と仮定されている。しかしながら、実際には、狭域放送が地点T132から放送されている。そのため、本来の受信可能地域情報は、地域Z134とされるべきである。仮のフラグがついている場合、前回のチャンネルスキャンを行った地点T131を中心とした半径200mの円が地域Z133とされ、これが、仮想的に受信の可能性がある地域になる。半径200mは、通常の小電力のエリア・ワンセグメント放送の届く範囲である半径100mよりも大きく設定する。
【0060】
図15のような道路130で、車両が左から右へ走行する場合、地点T135において、地域Z133に進入することが認識される。デジタル放送受信装置100では、地点T135から、地点T131で受信した狭い領域で受信可能なエリア・ワンセグメント放送の物理チャンネルにチューニングする。そのうち本来の受信ができる地域Z134に地点T133でさしかかる。ここで受信ができたことを認識し、そのまま進むと今度は、地点T134で本来の受信ができる地域Z134から外れるので、受信できなくなる。そこで、デジタル放送受信装置100は、補正された受信可能の地域Z135をT133とT134を直径とする円の地域Z135として設定し、補正された地点T136をその中心とする。これを新たに図14(b)のチャンネルリストで受信可能地域情報として新たに記憶する。なお、ここでもあくまでも仮想的な受信地域なので、仮のフラグは有りのままとする。
【0061】
図16は、本発明の実施例3に係るデジタル放送受信装置100による受信可能地域情報の補正手順を示すフローチャートである。GPS測位部26は、現在走っている位置情報を取得する(S100)。現在の位置情報がチャンネルリストのうちの仮のフラグが有りとなっている地域に入っていなければ(S102のN)、ステップ100に戻る。現在の位置情報がチャンネルリストのうちの仮のフラグが有りとなっている地域に入っている場合(S102のY)、チューナ部12は、その物理チャンネルにチューニングして受信できる準備をしておく(S104)。これは、図15において地点T135において、チャンネルリストに登録されている受信可能地域情報で仮のフラグが有りとなっている地域Z133に入るときに、地域Z133で使用されている40チャンネルにチューニングすることに相当する。
【0062】
受信できるまで待機し、受信できた地点をt1とする(S106)。これは、図15における地点T133に相当する。受信できなくなるまで待機し、受信できなくなった地点をt2とする(S108)。これは、図15における地点T134に相当する。補正部46は、t1とt2を直径とする円を補正された受信可能地域とする(S110)。これは、図15における地点T133と地点T134を直径とする円の地域Z135に相当する。管理部42は、補正された受信可能地域を新たにチャンネルリストの受信可能地域情報として記憶する(S112)。
【0063】
本発明の実施例によれば、新たに取得した位置情報をもとに、狭い領域を特定するための情報を補正するので、受信可能地域の正確性を向上できる。また、デジタル放送信号の受信状況をもとに、受信可能地域を補正するので、受信可能地域の正確性を向上できる。
【0064】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0065】
実施例1から3の任意の組合せも有効である。本変形例によれば、実施例1から3の任意の組合せによる効果が得られる。
【0066】
実施例1から3において、狭い領域で受信可能な放送として、エリア・ワンセグメント放送を例示している。しかしながらこれに限らず例えば、狭い領域で受信可能な放送が、フルセグメント放送であってもよく、あるいは別方式の放送であってもよい。本変形例によれば、さまざまな放送信号に本発明を適用できる。
【0067】
実施例1から3において、ひとつのCPU30が含まれている。しかしながらこれに限らず例えば、2つ以上のCPU30が備えられ、それらが連携して動作してもよい。本変形例によれば、処理能力を向上できる。
【符号の説明】
【0068】
10 UHFアンテナ、 12 チューナ部、 14 デスクランブラ部、 16 デマルチプレクサ部、 18 ビデオデコーダ部、 20 オーディオデコーダ部、 22 グラフィクス部、 24 デマルチプレクサ用RAM、 26 GPS測位部、 28 スイッチ検出部、 30 CPU、 32 ROM、 34 RAM、 36 フラッシュメモリ、 38 RTC、 40 抽出部、 42 管理部、 44 選択部、 46 補正部、 48 通知部、 100 デジタル放送受信装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信技術に関し、デジタル放送を受信するデジタル放送受信装置および受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送受信機が移動体に搭載されると、移動しながらデジタル放送信号を受信することが可能になる。移動すると、受信状況や放送局エリアが変化することによって、受信可能な放送局が変化する。このような状況下において、デジタル放送受信機が、デジタル放送信号を効率よく受信するために、エリア毎に受信可能な放送局のチャンネルのリスト(以下、「チャンネルリスト」という)が、予めメモリに記憶される。また、ユーザにエリアを選択させることによって、エリアに応じて、チャンネルリストが切りかえられる。ここで、ユーザの利便性を向上させるために、ユーザにエリアを選択させる代わりに、GPSによって現在位置の位置情報が検出され、位置情報をもとにエリアが選択される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−111602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまで説明したデジタル放送は、例えば、一つの都道府県という広域において同一内容の番組が放送されることを前提とする。なお、ここでいう広域放送とはARIB規格でいう関東広域などの概念とは異なり、単純に一都道府県単位の広域で受けられる放送を意味する。さらに、ワンセグメント放送でも、広域において同一内容の番組が放送されている。このようなワンセグメント放送の受信機は、携帯電話装置に搭載されているので、普及率が高まっている。このような状況において、エリア・ワンセグメント放送の実証実験が行われている。これは、通常のワンセグメント放送での送信電力よりも小さい送信電力を使用する。このような送信電力は、微弱電力あるいは小電力とも呼ばれる。微弱電力の場合の受信範囲は半径約3mであり、小電力の場合の受信範囲は半径約100mであるので、広域ではなく局所的な放送となる。
【0005】
エリア・ワンセグメント放送は、例えば、店舗の中の放送や、イベント会場内の放送に使用され、その店舗で売っている商品の情報や、イベント会場のイベントや出演者に関する情報を伝送する。つまり、エリア・ワンセグメント放送は、限定的な場所での放送であり、放送の内容もその場所に関係したものになる。これは、局所的にしか受信できないため、受信機を搭載した移動体は、エリア・ワンセグメント放送がなされているエリア近辺に行くと、エリア・ワンセグメント放送の信号を受信する。このようなエリア・ワンセグメント放送は、広域の放送と比較すると、放送局数が頻繁に増減される。そのため、前述のチャンネルリストは、ある程度の頻度で更新されるべきである。
【0006】
エリア・ワンセグメント放送が含まれている場合でも、放送を効率的に受信するために、例えば、特定の場所において、チャンネルスキャンがなされると、その結果によりチャンネルリストに新たなチャンネルが追加されたり、チャンネルリストが更新されたりする。再度その場所に訪れたときに、チャンネルリストから、過去に記憶した周波数情報を取得し、それを使用してデジタル放送信号が受信される。しかしながら、周波数情報は取得できるが、エリア・ワンセグメント放送であるか、広域のデジタル放送であるかを分類していなかったために、選局が必要とされる。しかも、選局後に、受信した放送信号の中から、エリア・ワンセグメント放送が特定されなければならない。その結果、ユーザの処理が煩雑になる。
【0007】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合であっても、ユーザによる処理の煩雑さを抑制する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のデジタル放送受信装置 は、デジタル放送受信装置において、複数の物理チャンネルと、これら複数の物理チャンネルで放送されるデジタル放送信号を受信可能な地域に関する受信可能地域情報とをそれぞれ対応付けた情報の一覧であるチャンネル一覧情報を管理する管理部と、デジタル放送受信装置の位置情報を取得する取得部と、取得部において取得した位置情報をもとに、管理部が管理する物理チャンネル一覧情報から、所定の物理チャンネルを選択する選択部と、選択部において選択された物理チャンネルのデジタル放送信号を受信する受信部とを備え、受信部において受信可能なデジタル放送信号は、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号、あるいは狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であり、管理部は、複数の物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類しながら、チャンネル一覧情報の管理を実行し、選択部は、チャンネル一覧情報に基づいて、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号が狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であると判断した場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能であることをユーザに通知した後に、受信部に対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示するデジタル放送受信装置。
【0009】
この態様によると、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な場合だけその旨を通知した後に、デジタル放送信号を受信するので、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合であっても、ユーザによる処理の煩雑さを抑制できる。
【0010】
選択部は、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能状態となる前に、当該デジタル放送信号をまもなく受信可能になることを予告し、当該デジタル放送信号の受信を指示された場合に、受信部に対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示してもよい。この場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域に近づいた場合に、その旨を予告するので、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域に近づいたことをユーザに早期に知らせることができる。
【0011】
選択部における通知および予告の少なくとも一方を実行するか否かを設定する設定部とをさらに備えてもよい。この場合、通知および予告の少なくとも一方を実行するか否かを設定するので、ユーザの好みに合わせた処理を実行できる。
【0012】
地図情報を記憶する記憶部と、取得部において取得した位置情報をもとに、記憶部において記憶した地図情報上において、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域を表示する表示部とをさらに備えること特徴としてもよい。この場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域を地図情報上に表示するので、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域をユーザに容易に認識させることができる。
【0013】
本発明の別の態様は、受信方法である。この方法は、デジタル放送受信装置にて使用される受信方法において、複数の物理チャンネルと、これら複数の物理チャンネルで放送されるデジタル放送信号を受信可能な地域に関する受信可能地域情報とをそれぞれ対応付けた情報の一覧であるチャンネル一覧情報を管理するステップと、デジタル放送受信装置の位置情報を取得するステップと、取得した位置情報をもとに、管理する物理チャンネル一覧情報から、所定の物理チャンネルを選択するステップと、選択された物理チャンネルのデジタル放送信号を受信するステップとを備え、受信するステップにおいて受信可能なデジタル放送信号は、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号、あるいは狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であり、管理するステップは、複数の物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類しながら、チャンネル一覧情報の管理を実行し、選択するステップは、チャンネル一覧情報に基づいて、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号が狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であると判断した場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能であることをユーザに通知した後に、受信するステップに対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示する。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合であっても、ユーザによる処理の煩雑さを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1に係るデジタル放送受信装置の構成を示す図である。
【図2】図1のデジタル放送受信装置において受信されるTMCC情報のデータ構造を示す図である。
【図3】図1のデジタル放送受信装置において受信されるNIT情報のデータ構造を示す図である。
【図4】図4(a)−(b)は、図1のフラッシュメモリに記憶されるチャンネルリストのデータ構造を示す図である。
【図5】図4(a)−(b)の受信可能地域情報に対応した地域を示す図である。
【図6】図1のデジタル放送受信装置を搭載した車両の走行状態を示す図である。
【図7】図1のグラフィクス部によって表示される画面を示す図である。
【図8】図1のグラフィクス部によって表示される別の画面を示す図である。
【図9】図1のグラフィクス部によって表示されるさらに別の画面を示す図である。
【図10】図1のグラフィクス部によって表示される設定画面を示す図である。
【図11】図1のデジタル放送受信装置によるチャンネルリストの生成手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例2に係るデジタル放送受信装置によるチャンネルリストの生成手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施例3による補正部の補正前の受信可能地域情報に対応した地域を示す図である。
【図14】図14(a)−(b)は、本発明の実施例3によるフラッシュメモリに記憶されるチャンネルリストのデータ構造を示す図である。
【図15】本発明の実施例3による補正部の補正後の受信可能地域情報に対応した地域を示す図である。
【図16】本発明の実施例3に係るデジタル放送受信装置による受信可能地域情報の補正手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施例は、デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置に関する。ここで、デジタル放送受信装置は、車両に搭載されていたり、可搬性を有していたりするので、移動可能である。また、デジタル放送信号として、都道府県のようなある程度広い領域で受信可能な放送信号と、半径数mから数100m程度の狭い領域で受信可能な放送信号とが規定されている。以下では、前者の放送を広域放送といい、後者の放送を狭域放送ということがある。このようなデジタル放送信号を受信する際のユーザの利便性を向上するために、デジタル放送受信装置は、(1)チャンネルリストを生成・更新するための管理処理、(2)チャンネルリストを使用して信号を受信するための受信処理を実行する。
【0018】
管理処理において、デジタル放送受信装置は、デジタル放送信号を受信し、デジタル放送信号に含まれた受信可能地域情報をもとに、広域放送と狭域放送とに分けて、チャンネルリストを生成する。その際、広域放送に対して、受信可能地域情報に含まれた地域名が使用され、狭域放送に対して、受信位置を測位して受信可能地域情報が生成される。受信処理において、デジタル放送受信装置は、現在の存在位置を測位するとともに、チャンネルリストを参照することによって、チャンネルを設定して、デジタル放送信号を受信する。その際、広域放送に対して、チャンネルリストをもとにチャンネルが自動的に設定され、狭域放送に対して、チャンネルリストをもとに狭域放送が受信可能である旨がユーザに通知された後、ユーザからの受信の指示によってチャンネルが設定される。
【0019】
図1は、本発明の実施例1に係るデジタル放送受信装置100の構成を示す。デジタル放送受信装置100は、UHFアンテナ10、チューナ部12、デスクランブラ部14、デマルチプレクサ部16、ビデオデコーダ部18、オーディオデコーダ部20、グラフィクス部22、デマルチプレクサ用RAM24、GPS測位部26、スイッチ検出部28、CPU30、ROM32、RAM34、フラッシュメモリ36、RTC(Real Time Clock)38を含む。また、CPU30は、抽出部40、管理部42、選択部44を含む。抽出部40は、補正部46を含み、選択部44は、通知部48を含む。以下では、(1)管理処理と(2)受信処理の順に説明する。
【0020】
1.管理処理
UHFアンテナ10は、図示しない放送局や中継局からのデジタル放送信号を受信する。ここで、UHFアンテナ10には、複数の物理チャンネルのそれぞれに対応したデジタル放送信号が受信される。また、デジタル放送信号は、前述の広域放送や狭域放送に対応する。つまり、UHFアンテナ10において受信可能なデジタル放送信号は、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号、あるいは狭い領域にて放送されるデジタル放送信号である。UHFアンテナ10は、受信したデジタル放送信号をチューナ部12へ出力する。
【0021】
チューナ部12は、UHFアンテナ10から、デジタル放送信号を受けつけるとともに、後述の選択部44から、複数の物理チャンネルのうちのいずれかを選択するための指示も受けつける。チューナ部12は、複数のデジタル放送信号のうち、指示された物理チャンネルのデジタル放送信号を選択する。チューナ部12は、選択したデジタル放送信号からTMCC情報を取得し、それをもとにデジタル放送信号を復調する。TMCC情報では、選局した物理チャンネルの中の放送信号における強階層、弱階層などの構成が示されると共にそれぞれの階層で使われる詳細な変調の情報が記載されており、これが取得できないと復調できない。なお、復調には、公知の技術が使用されればよい。また、チューナ部12には、設定した物理チャンネルに、デジタル放送信号の電波強度が十分であるかを検出する回路が含まれていてもよい。チューナ部12は、ワンセグメント放送のみを受信してもよいし、フルセグメント放送とワンセグメント放送の両方を受信してもよい。
【0022】
デスクランブラ部14は、チューナ部12において復調したデジタル放送信号にデスクランブルを実行する。図示しない放送局では、フルセグメント放送の有料放送などに対して、スクランブルを実行している。これは、そのままでは視聴できないようにするためである。デスクランブラ部14は、特定のカードなどがデジタル放送受信装置100に挿入されていた場合のみに、スクランブルを解く。なお、ワンセグメント放送のように、デジタル放送信号にスクランブルがかけられていない場合、デスクランブラ部14は、デスクランブル処理を行わず、信号をそのまま通過させる。デジタル放送受信装置100が、ワンセグメント放送の受信のみに対応している場合、デスクランブラ部14は省略されてもよい。
【0023】
デマルチプレクサ部16は、デスクランブラ部14からのデジタル放送信号を受けつける。デマルチプレクサ部16は、デジタル放送信号をビデオのデータとオーディオのデータとに分離する。デマルチプレクサ部16は、分離したこれらのデータをデマルチプレクサ用RAM24に一時的に蓄積させる。その後、デマルチプレクサ部16は、デマルチプレクサ用RAM24からビデオのデータとオーディオのデータそれぞれを、ビデオのデータはビデオデコーダ部18へ出力し、オーディオのデータはオーディオデコーダ部20へ出力する。
【0024】
ビデオデコーダ部18は、デマルチプレクサ部16から、ビデオのデータを受けつけ、ビデオのデータを復号する。ビデオデコーダ部18は、復号したビデオのデータをグラフィクス部22に出力する。グラフィクス部22は、ビデオデコーダ部18において復号したビデオのデータに、GUI(graphics user interface)画面を重畳させて、図示しないモニタに表示させる。オーディオデコーダ部20は、デマルチプレクサ部16から、オーディオのデータを受けつけ、オーディオのデータを復号する。オーディオデコーダ部20は、復号したオーディオのデータを図示しないスピーカに出力させる。
【0025】
CPU30は、チューナ部12、デスクランブラ部14、デマルチプレクサ部16、ビデオデコーダ部18、オーディオデコーダ部20、グラフィクス部22をバスによって接続し、これらを動作させるように制御する。CPU30のバスには、これら以外に、CPU30のプログラムを格納するためのROM32、CPU30の変数を格納するためのRAM34、フラッシュメモリ36、RTC38、図示しないリモートコントローラ用I/Fが接続される。
【0026】
デマルチプレクサ部16は、前述のオーディオのデータとビデオのデータ以外に、デジタル放送信号から、SI/PSI情報、データカルーセル情報を抽出し、これらをデマルチプレクサ用RAM24に一時的に蓄積させる。CPU30は、これらのデータをデマルチプレクサ部16を経由してデマルチプレクサ用RAM24にアクセスすることにより取得する。CPU30は、SI情報に対して番組表関連の番組情報を整理したり、データカルーセル情報に対してBML文書の情報を抽出したりして、それらの結果をRAM34に蓄積させる。BML文書は自動的あるいはユーザの操作によって実行され、その中のグラフィクスユーザインターフェース部分はグラフィクス部22によってモニタに表示される。フラッシュメモリ36は、不揮発のメモリであり、電源が切断されても記憶内容を保持する。フラッシュメモリ36は、前述のチャンネルリストを記憶する。
【0027】
RTC38は、時計であり、水晶発振器を含んで自走で時刻を保持してもよいし、放送信号からSI情報として抽出した時刻データをもとに時刻を保持してもよい。後者の場合、CPU30は、デマルチプレクサ用RAM24からデマルチプレクサ部16経由で、SI情報の中の時刻情報TOTを取得し、RTC38に保持させる。いずれの場合であっても、CPU30は、RTC38から時刻データを取得する。スイッチ検出部28は、デジタル放送受信装置100に備えられた図示しないスイッチへの入力を検出する。デジタル放送受信装置100のモニタがタッチパネルである場合、スイッチ検出部28は、タッチパネルの位置検出を実行してもよい。外部にリモートコントローラが接続されている場合、スイッチ検出部28は、リモートコントローラからの入力を受けつけてもよい。GPS測位部26は、デジタル放送受信装置100の存在位置を位置情報として測位する。なお、デジタル放送受信装置100が車両に搭載されている場合、GPS測位部26は、測位の際に、図示しない車輪のエンコーダ、ジャイロの出力等とを使用してもよい。
【0028】
次に、チャンネルリストの生成を具体的に説明する。前提として、UHFアンテナ10において受信可能な複数の物理チャンネルは、13チャンネルから62チャンネルまでであり、チューナ部12は、選択部44の指示に応じて、初期の物理チャンネルを13チャンネルに設定する。チューナ部12は、設定した物理チャンネルにおいて、デジタル放送信号が存在するか否かを判定する。この処理はチャンネルスキャンと呼ばれる。まずデジタル放送信号のC/Nが一定以上あるかどうかを判定する。また、チューナ部12は、選択部44の指示に応じて、1チャンネルずつ物理チャンネルを変更しながら、すべての物理チャンネルに対してデジタル放送信号があるかどうかを判定する。なお、チャンネルスキャン開始時に、CPU30は、フラッシュメモリ36に記憶したチャンネルリストをクリアする。
【0029】
抽出部40は、デジタル放送信号のC/Nが一定以上である物理チャンネルに対して、デジタル放送信号からTMCC情報を取得する。また、抽出部40は、TMCC情報をもとに、デジタル放送信号の中のセグメント構成、具体的には、ワンセグメント放送が含まれているかを確認する。図2は、デジタル放送受信装置100において受信されるTMCC情報のデータ構造を示す。例えば、B27を確認することによって、ワンセグメント放送の存在を確認する。図1に戻る。抽出部40は、デマルチプレクサ部16を通じてTSをフィルタリングしてPAT、PMT、NITを取得する。なお、ワンセグメント放送ではPATが含まれていない。その際、CPU30は、デマルチプレクサ部16に対してセクションフィルタを設定して、その結果をデマルチプレクサ用RAM24に格納させる。抽出部40は、デマルチプレクサ用RAM24に格納された内容を確認する。
【0030】
抽出部40は、チューナ部12において受信したデジタル放送信号のNIT情報から、選択部44において選択した物理チャンネルのデジタル放送信号を受信可能な地域に関する情報を抽出する。当該情報が、受信可能地域情報である。図3は、デジタル放送受信装置100において受信されるNIT情報のデータ構造を示す。この中の「network_id」により狭い地域に限定された情報がわかる。「network_id」が「0x7e8e」である場合、この放送はエリア・ワンセグメント放送のように狭い地域に限定された放送である。一方、「network_id」が他の値であれば、各値に対応した地域の広域放送であり、それぞれの値は放送局固有の数値であり、かつ各放送局はどこの都道府県で受信すべきかが決められている。つまり、受信可能地域情報は、広域な領域を特定するための情報、あるいは狭い領域であることを示した情報である。図1に戻る。抽出部40は、デジタル放送信号が、広域な領域に対しての放送なのか、狭い領域に対しての放送なのかを区別する。
【0031】
管理部42は、抽出部40において抽出した受信可能地域情報と、選択部44において選択した物理チャンネルとを対応づけて管理する。その際、管理部42は、広域な領域を特定するための情報と、狭い領域であることを示した情報とに基づいて、物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類しながら、チャンネルリストを生成し管理する。なお、広域な領域を特定するための情報では、具体的な地域名がその放送局が本来受信できる地域名が決まっているためにわかる。もちろん一部の放送局は隣接の都道府県でも受信できることがある。一方、狭い領域であることを示した情報では、狭い地域に限定された放送であることが示されているだけで、具体的な地域名が示されていない。そのため、管理部42は、抽出部40において抽出した受信可能地域情報が、狭い領域であることを示した情報である場合に、GPS測位部26から、エリア・ワンセグメント放送を受信したときの位置情報を取得する。管理部42は、当該位置情報をもとに、狭い領域を特定するための情報を受信可能地域情報として生成し、チャンネルリストに記載する。
【0032】
図4(a)−(b)は、フラッシュメモリ36に記憶されるチャンネルリストのデータ構造を示す。図4(a)は、広域な領域における放送に対するチャンネルリストであり、図4(b)は、狭域な領域における放送に対するチャンネルリストである。両方のデータ構造は同一であり、物理CH欄110、狭い領域の放送欄112、受信可能地域情報欄114、TMCC情報欄116が含まれる。物理CH欄110には、物理チャンネルが示される。狭い領域の放送欄112には、狭い領域の放送であるか否かが示される。「network_id」が「0x7e8e」でなければ、各種情報が図4(a)に登録され、「network_id」が「0x7e8e」であれば、各種情報が図4(b)に登録される。「network_id」が「0x7e8e」でない場合、そのときの「network_id」から特定される放送局が受信される都道府県から地域Aがわかり、受信可能地域情報欄114に登録される。また、図4(b)の受信可能地域情報欄114における地域Zは、GPS測位部26において取得された位置情報に相当する。受信可能地域情報は、地図情報に対応しており、緯度・経度によって示されている。図5は、受信可能地域情報に対応した地域を示す。図中の「A」が地域Aに対応し、「B」が地域Bに対応し、「Z」が地域Zに対応する。図1に戻る。
【0033】
管理部42は、このように生成したチャンネルリストを次のように更新してもよい。図示しない受付部は、UHFアンテナ10、チューナ部12においてデジタル放送信号を受信すべき放送用回線とは異なった通信ネットワークに接続される。通信ネットワークは、例えば、携帯電話回線や無線LANである。受付部は、通信ネットワークを介して図示しないサーバから、チャンネルリストを受けつける。管理部42は、受付部からチャンネルリストを受けつける。管理部42は、受付部から受けつけたチャンネルリストの中に、フラッシュメモリ36に記憶させたチャンネルリストに含まれていない情報があるかを確認する。管理部42は、含まれていない情報があれば、含まれていない情報に対して、広域な領域を特定するための情報と、狭い領域であることを示した情報とに基づいて、物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類するとともに、フラッシュメモリ36に記憶させたチャンネルリストに当該情報を追加して管理する。
【0034】
また、管理部42は、抽出部40において抽出した受信可能地域情報をもとにチャンネルリストを生成する前であっても、チャンネルリストを予め管理してもよい。ここでも、チャンネルリストは、広域な領域を特定するための情報と、狭い領域であることを示した情報とに基づいて、物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類されている。このようなチャンネルリストは、製造時にフラッシュメモリ36い記憶されている。また、以上の説明では、チャンネルリストには、物理チャンネルの情報が含まれるとしたが、それに加えてSDTのサービス記述子に書いてあるサービス名が、エリア・ワンセグメント放送の放送名としてチャンネルリストに記憶されてもよい。また、エリア・ワンセグメント放送のさまざまなテキスト、音声、画像データの付随情報が、チャンネルリストに記憶されてもよい。
【0035】
2.受信処理
前述のごとく、管理部42は、チャンネルリストを管理する。ここで、チャンネルリストは、物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類して管理する。スイッチ検出部28は、視聴者から所定のデジタル放送信号を受信する旨の指示を受けつけた場合、指示を選択部44に出力する。選択部44は、スイッチ検出部28からの指示を受けつけた場合、その所定のデジタル放送信号の物理チャンネルがチャンネルリストに存在するか否かを確認する。存在する場合は、選択部44は、その物理チャンネルが広域な領域に分類されているか狭い領域に分類されているかにかかわらず、その物理チャンネルの受信をチューナ部12に指示する。存在しない場合は、選択部44は、「放送されていません」などのメッセージを、通知部48、グラフィクス部22を介してモニタに表示する。また、選択部44は、GPS測位部26から、位置情報を適宜取得する。選択部44は、GPS測位部26からの位置情報をもとに、現在位置において受信可能な狭い領域に分類される物理チャンネルがあるか否かを判断する。具体的には、図4(a)−(b)のうちの(b)(狭域放送側)の受信可能地域情報欄114に示された地域の中の位置情報とGPS測位部26からの位置情報とを比較して、その比較結果が第1の所定距離以内か否か等の条件によって判断する。
【0036】
上記判断で、受信可能な狭い領域に分類されている物理チャンネルがあった場合、通知部48は、グラフィクス部22を介してモニタに、その物理チャンネルのデジタル放送信号を受信可能であることを表示する。これは表示するのでなくオーディオデコーダ部20を利用して音声を出してもよい。
【0037】
さらに次の処理がなされてもよい。選択部44は、図4(a)−(b)のうちの(b)(狭域放送側)の受信可能地域情報欄114に示された地域の中の位置情報とGPS測位部26からの位置情報とを比較して、その比較結果が前述した第1の所定距離よりも長い第2の所定距離以内か否か等の条件によって、チャンネルリストにその位置情報が示す所定の領域内に、もうすぐ受信可能となる狭い領域に分類されている物理チャンネルがあるか否かを判断する。この判断により、もうすぐ受信可能な狭い領域に分類されている物理チャンネルがある場合、通知部48は、その物理チャンネルのデジタル放送信号を受信可能であることを表示する前に、グラフィクス部22を介してモニタに、当該デジタル放送信号を受信可能であることを予告する表示をする。これは表示するのでなくオーディオデコーダ部20を利用して音声を出してもよい。
【0038】
フラッシュメモリ36は、地図情報も記憶する。CPU30は、GPS測位部26において測位した位置情報をもとに、フラッシュメモリ36ら地図情報を抽出する。グラフィクス部22は、地図情報と位置情報とを合成してモニタに表示する。その結果、カーナビゲーションシステムの機能が実現される。さらに、グラフィクス部22は、GPS測位部26において取得した位置情報をもとに、フラッシュメモリ36において記憶した地図情報上において、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域を表示してもよい。なお、地図情報は、フラッシュメモリ36でなくて、図示しないハードディスドライブに記憶されてもよい。
【0039】
ここでは、以上のような構成のデジタル放送受信装置100を搭載した車両が走行している場合を具体的に説明する。図6は、デジタル放送受信装置100を搭載した車両の走行状態を示す。ここでは、車両が道路130を左から右へ走行しているとする。地域Z1、Z2は、狭い領域の放送であるエリア・ワンセグメント放送AOB1、AOB2をそれぞれ受信可能な領域である。ここでは、エリア・ワンセグメント放送AOB2の送信電力が、エリア・ワンセグメント放送AOB1の送信電力よりも大きいとする。そのため、地域Z2は、地域Z1よりも広くなっている。なお、図6では、説明を明瞭にするために、広域の放送を省略する。
【0040】
地域Z10、Z20は、地域Z1、Z2の外側に設けられた領域である。例えば、これらの半径は、地域Z1、Z2よりも100m大きくなっている。車両が地域Z10、Z20に入ると、エリア・ワンセグメント放送AOB1、AOB2をもうすぐ受信可能なることが予告される。ここで、図1の管理部42は、狭域放送に対する受信可能地域情報を所定の半径だけ広げることによって、予告のための領域を導出する。車両は、道路130を左から走行して、地点T1に到達する。GPS測位部26が地点T1への到達を検出すると、選択部44は、地域Z10に到達したことを検出する。
【0041】
図7は、グラフィクス部22によって表示される画面を示す。図7において、エリア・ワンセグメント放送AOB1は、Aガソリンスタンドより送信されている。この時点ではエリア・ワンセグメント放送AOB1を受信できないが、もうすぐ受信できるところまで近づいているので、エリア・ワンセグメント放送AOB1を受信可能な領域への接近が音声によって運転者に予告される。また、図7において、Aガソリンスタンドの周りが太い線で囲われており、運転者が視認しやすいように表示される。この時の音声の情報やAガソリンスタンドという名称と、エリア・ワンセグメント放送AOB1との対応づけは、SDTのような放送情報や、通信ネットワークから取得される。ここで、エリア・ワンセグメント放送AOB1が放送されているAガソリンスタンドに関する広告が前述の情報に含まれていてもよい。例えば、「本日は満タンの方もれなくティッシューをプレゼント」のような音声が出力されればよい。図6に戻る。
【0042】
車両は、さらに進行して地点T2に到達する。地点T2は、エリア・ワンセグメント放送AOB1を受信可能な地点である。図8は、グラフィクス部22によって表示される別の画面を示す。図8では、エリア・ワンセグメント放送AOB1の存在がウインドウ140に表示される。運転者がウインドウ140に触れると、図8の画面は、エリア・ワンセグメント放送AOB1の放送画面に切りかわる。なお、図8が表示されている時点であっても、エリア・ワンセグメント放送の音声が出力されていてもよい。図6に戻る。図9は、地点T3まで進んだ時のグラフィクス部22によって表示されるさらに別の画面を示す。図示のごとく、この段階でエリア・ワンセグメント放送AOB1の発信地点を通過するのでエリア・ワンセグメント放送AOB1の情報が消える。また、次に到達すべきエリア・ワンセグメント放送AOB2についても、図6の地点T5に到達していないので、強調した表示がされていない。図6に戻る。以上のような受信領域に進入したときの通知は、広域放送に対してなされず、狭域放送に対してのみなされる。
【0043】
図1のチューナ部12は、選択部44において選択した物理チャンネルのデジタル放送信号を受信する。CPU30は、選択部44における通知および予告の少なくとも一方を実行するか否かを設定するための設定部が備えられてもよい。つまり、通知や予告を出力するか否かが運転者によって設定されてもよい。図10は、グラフィクス部22によって表示される設定画面を示す。図10では、3つの項目が設定可能であり、これは、デジタル放送受信装置100に備えられたボタン、リモートコントローラ、タッチパネルにて操作される。一番上の設定メニューでは、エリア・ワンセグメント放送の領域に近づいた時に案内をするか否かが設定される。「しない」が選択されると、図7の予告はなされない。二番目の設定メニューでは、エリア・ワンセグメント放送の受信領域に入った時の案内をするか否かが設定される。これは、図8の通知に相当する。一番下の設定メニューでは、エリア・ワンセグメント放送の受信領域に入った時の切換をするか否かが設定される。図8においてウインドウ140が表示された時に、ウインドウ140にタッチしなくても自動的にエリア・ワンセグメント放送AOB1の放送に切り替わるか、あるいはウインドウ140をタッチしないと切り換わらないかが設定される。
【0044】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0045】
以上の構成によるデジタル放送受信装置100の動作を説明する。図11は、デジタル放送受信装置100によるチャンネルリストの生成手順を示すフローチャートである。チューナ部12は、チャンネルスキャンを開始する際に、初期チャンネルを13チャンネルに設定し、CPU30は、広域の放送用のチャンネルリストと狭い領域の放送用のチャンネルリスト両方をクリアする(S10)。物理チャンネルの62チャンネルまでスキャンが終わっていなければ(S12のN)、チューナ部12は、当該物理チャンネルにチューニングする(S14)。抽出部40は、TMCC情報を取得する(S16)。取得が成功すれば(S18のY)、抽出部40は、PMT、NITを取得する(S20)。
【0046】
取得が成功し(S22のY)、「network_id」が「0x7e8e」でない場合(S24のN)、管理部42は、広域の放送用のチャンネルリストに情報を登録する(S26)。「network_id」が「0x7e8e」である場合(S24のY)、管理部42は、狭い領域の放送用のチャンネルリストに情報を登録する(S28)。取得が成功しなかった場合(S18のN)、あるいは取得が成功しなかった場合(S22のN)、ステップ24から28は、スキップされる。チューナ部12は、物理チャンネルに1を追加することによって、次の物理チャンネルに移行し(S30)、ステップ12に戻る。物理チャンネルの62チャンネルまでスキャンが終わっていれば(S12のY)、処理は終了される。
【0047】
本発明の実施例によれば、広域な領域を特定するための情報と、狭い領域であることを示した情報とに分類しながら、チャンネルリストを管理するので、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合でも処理を分離できる。また、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合に、受信可能なエリアの広さに応じて処理が分離されるので、それぞれに適した処理を実行できる。また、受信可能なエリアの広さに適した処理が実行されるので、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合であっても、ユーザによる処理の煩雑さを抑制できる。
【0048】
また、受信可能地域情報が、狭い領域であることを示した情報である場合に、取得した位置情報を使用するので、受信可能地域を推定できる。また、取得した位置情報を使用して受信可能地域を推定するので、チャンネルリストに受信可能地域が含まれない状況を回避できる。また、通信ネットワークを介してチャンネルリストを受けつけた場合、これを追加して管理するので、対応関係の正確性を向上できる。また、チャンネルリストを予め管理するので、チャンネルリストをすぐに使用できる。
【0049】
また、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な場合だけその旨を通知した後に、デジタル放送信号を受信するので、受信可能なエリアの広さが異なった複数種類のデジタル放送を受信する場合であっても、ユーザによる処理の煩雑さを抑制できる。また、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な場合だけその旨を通知するので、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号の存在をユーザに知らしめることができる。また、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な場合には、ユーザへの通知を省略してデジタル放送信号を受信するので、ユーザによる処理の煩雑さを抑制できる。
【0050】
また、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域に近づいた場合に、その旨を予告するので、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域に近づいたことをユーザに早期に知らせることができる。また、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域に近づいたことをユーザに早期に知らせるので、ユーザの利便性を向上できる。また、通知および予告の少なくとも一方を実行するか否かを設定するので、ユーザの好みに合わせた処理を実行できる。また、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域を地図情報上に表示するので、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域をユーザに容易に認識させることができる。また、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域をユーザに容易に認識させるので、ユーザの利便性を向上できる。
【0051】
(実施例2)
本発明の実施例2は、実施例1と同様に、デジタル放送受信装置に関する。実施例2では、チャンネルリストが既に存在している場合に、チャンネルスキャン動作が実行される。つまり、チャンネルスキャンによってチャンネルリストが更新される。ここで、実施例2に係るデジタル放送受信装置100は、図2と同様のタイプであるので、説明を省略する。
【0052】
図12は、本発明の実施例2に係るデジタル放送受信装置100によるチャンネルリストの生成手順を示すフローチャートである。チューナ部12は、チャンネルスキャンを開始する際に、初期チャンネルを13チャンネルに設定する(S50)。物理チャンネルの62チャンネルまでスキャンが終わっていない場合(S52のN)、この地域で広域の放送が受信できる物理チャンネルでなければ(S54のN)、チューナ部12は、当該物理チャンネルにチューニングする(S56)。抽出部40は、TMCC情報を取得する(S58)。取得が成功すれば(S60のY)、抽出部40は、PMT、NITを取得する(S62)。
【0053】
取得が成功し(S64のY)、「network_id」が「0x7e8e」でない場合(S66のN)、管理部42は、広域の放送用のチャンネルリストへの登録がなされていなければ、広域の放送用のチャンネルリストに情報を登録する(S68)。「network_id」が「0x7e8e」である場合(S66のY)、管理部42は、狭い領域の放送用のチャンネルリストへの登録がなされていなければ、狭い領域の放送用のチャンネルリストに情報を登録する(S70)。この地域で広域の放送が受信できる物理チャンネルであった場合(S54のY)、あるいは取得が成功しなかった場合(S60のN)、あるいは取得が成功しなかった場合(S64のN)、ステップ66から70は、スキップされる。チューナ部12は、物理チャンネルに1を追加することによって、次の物理チャンネルに移行し(S72)、ステップ52に戻る。物理チャンネルの62チャンネルまでスキャンが終わっていれば(S52のY)、処理は終了される。
【0054】
図12の処理は、図11の処理と比較して、次の点が異なる。図12のステップ50において、チャンネルスキャンが開始される際に、広域と狭い領域両方のチャンネルリストはクリアされず、チューナ部12は、物理チャンネルを13チャンネルに設定するだけである。また、図12のステップ54において、現在の位置情報を確認し、広域放送に対するチャンネルリストの中で現在地で受信できる物理チャンネルであった場合には、チャンネルスキャンがなされない。一方、広域放送に対するチャンネルリストの中で現在地で受信できない物理チャンネルであった場合、チャンネルスキャンがなされる。さらに、図12のステップ68、70において、管理部42は、チャンネルスキャンの結果、既に登録されている放送局であった場合は重複して登録せず、いままで存在していなかった放送局の時のみ登録する。
【0055】
本発明の実施例によれば、既にチャンネルリストが存在している場合に、チャンネルスキャンを実行しても、重複した処理は省略されるので、処理を簡易化できる。また、処理が簡易化されるので、チャンネルスキャンの期間を短縮できる。
【0056】
(実施例3)
本発明の実施例3は、これまで同様に、デジタル放送受信装置に関する。実施例1では、狭域放送に対する受信可能地域情報が、GPSによって測位された位置情報をもとに生成されている。実施例3は、このような受信可能地域情報を補正する。ここで、実施例3に係るデジタル放送受信装置100は、図2と同様のタイプであるので、差異を中心に説明する。
【0057】
管理部42がGPS測位部26において取得した位置情報をもとに、狭い領域を特定するための情報を生成した後であっても、補正部46は、GPS測位部26において新たに取得した位置情報をもとに、狭い領域を特定するための情報を補正する。補正した情報は、チャンネルリストに反映される。前述のごとく、チャンネルスキャンを実行しても、狭域放送に対する受信可能地域情報が含まれていない。そのため、管理部42は、GPS測位部26から取得した位置情報をもとに、受信可能地域情報を生成している。つまり、GPS測位部26から取得した位置情報の周辺が、受信可能地域とみなされる。
【0058】
図13は、本発明の実施例3による補正部46の補正前の受信可能地域情報に対応した地域を示す。地点T131においてチャンネルスキャンがなされたときに、狭い領域で受信可能な放送が受信されたとする。図4(b)の受信可能地域情報欄114に対して、地域Z132が設定される。地域Z132は、例えば、チャンネルスキャンを行った地点T131を中心とする半径50mの円である。管理部42は、このように生成した受信可能地域情報が仮であることをフラグによって示す。図14(a)−(b)は、本発明の実施例3によるフラッシュメモリ36に記憶されるチャンネルリストのデータ構造を示す。図15(a)は、広域放送に対するチャンネルリストを示し、図4(a)と同一である。一方、図15(b)は、狭域放送に対するチャンネルリストを示すが、図4(b)とは異なっている。図15(b)の受信可能地域情報欄114には、仮のものであるというフラグの有無も一緒に示される。管理部42によって生成された受信可能地域情報は、「仮のフラグ有り」と示されており、外部メモリや通信ネットワークから取得された受信可能地域情報は、正確であるので、「仮のフラグ無し」と示される。
【0059】
ここでは、「仮のフラグ有り」の場合に、図15をもとに、その付近を通過したときの動作を説明する。図15は、本発明の実施例3による補正部46の補正後の受信可能地域情報に対応した地域を示す。チャンネルスキャンは、前述のごとく、地点T131でなされたので、地点T131が狭域放送の放送地点と仮定されている。しかしながら、実際には、狭域放送が地点T132から放送されている。そのため、本来の受信可能地域情報は、地域Z134とされるべきである。仮のフラグがついている場合、前回のチャンネルスキャンを行った地点T131を中心とした半径200mの円が地域Z133とされ、これが、仮想的に受信の可能性がある地域になる。半径200mは、通常の小電力のエリア・ワンセグメント放送の届く範囲である半径100mよりも大きく設定する。
【0060】
図15のような道路130で、車両が左から右へ走行する場合、地点T135において、地域Z133に進入することが認識される。デジタル放送受信装置100では、地点T135から、地点T131で受信した狭い領域で受信可能なエリア・ワンセグメント放送の物理チャンネルにチューニングする。そのうち本来の受信ができる地域Z134に地点T133でさしかかる。ここで受信ができたことを認識し、そのまま進むと今度は、地点T134で本来の受信ができる地域Z134から外れるので、受信できなくなる。そこで、デジタル放送受信装置100は、補正された受信可能の地域Z135をT133とT134を直径とする円の地域Z135として設定し、補正された地点T136をその中心とする。これを新たに図14(b)のチャンネルリストで受信可能地域情報として新たに記憶する。なお、ここでもあくまでも仮想的な受信地域なので、仮のフラグは有りのままとする。
【0061】
図16は、本発明の実施例3に係るデジタル放送受信装置100による受信可能地域情報の補正手順を示すフローチャートである。GPS測位部26は、現在走っている位置情報を取得する(S100)。現在の位置情報がチャンネルリストのうちの仮のフラグが有りとなっている地域に入っていなければ(S102のN)、ステップ100に戻る。現在の位置情報がチャンネルリストのうちの仮のフラグが有りとなっている地域に入っている場合(S102のY)、チューナ部12は、その物理チャンネルにチューニングして受信できる準備をしておく(S104)。これは、図15において地点T135において、チャンネルリストに登録されている受信可能地域情報で仮のフラグが有りとなっている地域Z133に入るときに、地域Z133で使用されている40チャンネルにチューニングすることに相当する。
【0062】
受信できるまで待機し、受信できた地点をt1とする(S106)。これは、図15における地点T133に相当する。受信できなくなるまで待機し、受信できなくなった地点をt2とする(S108)。これは、図15における地点T134に相当する。補正部46は、t1とt2を直径とする円を補正された受信可能地域とする(S110)。これは、図15における地点T133と地点T134を直径とする円の地域Z135に相当する。管理部42は、補正された受信可能地域を新たにチャンネルリストの受信可能地域情報として記憶する(S112)。
【0063】
本発明の実施例によれば、新たに取得した位置情報をもとに、狭い領域を特定するための情報を補正するので、受信可能地域の正確性を向上できる。また、デジタル放送信号の受信状況をもとに、受信可能地域を補正するので、受信可能地域の正確性を向上できる。
【0064】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0065】
実施例1から3の任意の組合せも有効である。本変形例によれば、実施例1から3の任意の組合せによる効果が得られる。
【0066】
実施例1から3において、狭い領域で受信可能な放送として、エリア・ワンセグメント放送を例示している。しかしながらこれに限らず例えば、狭い領域で受信可能な放送が、フルセグメント放送であってもよく、あるいは別方式の放送であってもよい。本変形例によれば、さまざまな放送信号に本発明を適用できる。
【0067】
実施例1から3において、ひとつのCPU30が含まれている。しかしながらこれに限らず例えば、2つ以上のCPU30が備えられ、それらが連携して動作してもよい。本変形例によれば、処理能力を向上できる。
【符号の説明】
【0068】
10 UHFアンテナ、 12 チューナ部、 14 デスクランブラ部、 16 デマルチプレクサ部、 18 ビデオデコーダ部、 20 オーディオデコーダ部、 22 グラフィクス部、 24 デマルチプレクサ用RAM、 26 GPS測位部、 28 スイッチ検出部、 30 CPU、 32 ROM、 34 RAM、 36 フラッシュメモリ、 38 RTC、 40 抽出部、 42 管理部、 44 選択部、 46 補正部、 48 通知部、 100 デジタル放送受信装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送受信装置において、
複数の物理チャンネルと、これら複数の物理チャンネルで放送されるデジタル放送信号を受信可能な地域に関する受信可能地域情報とをそれぞれ対応付けた情報の一覧であるチャンネル一覧情報を管理する管理部と、
前記デジタル放送受信装置の位置情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した位置情報をもとに、前記管理部が管理する物理チャンネル一覧情報から、所定の物理チャンネルを選択する選択部と、
前記選択部において選択された物理チャンネルのデジタル放送信号を受信する受信部とを備え、
前記受信部において受信可能なデジタル放送信号は、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号、あるいは狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であり、
前記管理部は、前記複数の物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類しながら、前記チャンネル一覧情報の管理を実行し、
前記選択部は、前記チャンネル一覧情報に基づいて、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号が狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であると判断した場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能であることをユーザに通知した後に、前記受信部に対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示することを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記選択部は、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能状態となる前に、当該デジタル放送信号をまもなく受信可能になることを予告し、当該デジタル放送信号の受信を指示された場合に、前記受信部に対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示することを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記選択部における通知および予告の少なくとも一方を実行するか否かを設定する設定部とをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
地図情報を記憶する記憶部と、
前記取得部において取得した位置情報をもとに、前記記憶部において記憶した地図情報上において、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域を表示する表示部とをさらに備えること特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
デジタル放送受信装置にて使用される受信方法において、
複数の物理チャンネルと、これら複数の物理チャンネルで放送されるデジタル放送信号を受信可能な地域に関する受信可能地域情報とをそれぞれ対応付けた情報の一覧であるチャンネル一覧情報を管理するステップと、
前記デジタル放送受信装置の位置情報を取得するステップと、
取得した位置情報をもとに、管理する物理チャンネル一覧情報から、所定の物理チャンネルを選択するステップと、
選択された物理チャンネルのデジタル放送信号を受信するステップとを備え、
前記受信するステップにおいて受信可能なデジタル放送信号は、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号、あるいは狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であり、
前記管理するステップは、前記複数の物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類しながら、前記チャンネル一覧情報の管理を実行し、
前記選択するステップは、前記チャンネル一覧情報に基づいて、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号が狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であると判断した場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能であることをユーザに通知した後に、前記受信するステップに対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示することを特徴とする受信方法。
【請求項6】
複数の物理チャンネルと、これら複数の物理チャンネルで放送されるデジタル放送信号を受信可能な地域に関する受信可能地域情報とをそれぞれ対応付けた情報の一覧であるチャンネル一覧情報を管理するステップと、
デジタル放送受信装置の位置情報を取得するステップと、
取得した位置情報をもとに、管理する物理チャンネル一覧情報から、所定の物理チャンネルを選択するステップと、
選択された物理チャンネルのデジタル放送信号を受信するステップとを備え、
前記受信するステップにおいて受信可能なデジタル放送信号は、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号、あるいは狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であり、
前記管理するステップは、前記複数の物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類しながら、前記チャンネル一覧情報の管理を実行し、
前記選択するステップは、前記チャンネル一覧情報に基づいて、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号が狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であると判断した場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能であることをユーザに通知した後に、前記受信するステップに対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
デジタル放送受信装置において、
複数の物理チャンネルと、これら複数の物理チャンネルで放送されるデジタル放送信号を受信可能な地域に関する受信可能地域情報とをそれぞれ対応付けた情報の一覧であるチャンネル一覧情報を管理する管理部と、
前記デジタル放送受信装置の位置情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した位置情報をもとに、前記管理部が管理する物理チャンネル一覧情報から、所定の物理チャンネルを選択する選択部と、
前記選択部において選択された物理チャンネルのデジタル放送信号を受信する受信部とを備え、
前記受信部において受信可能なデジタル放送信号は、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号、あるいは狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であり、
前記管理部は、前記複数の物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類しながら、前記チャンネル一覧情報の管理を実行し、
前記選択部は、前記チャンネル一覧情報に基づいて、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号が狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であると判断した場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能であることをユーザに通知した後に、前記受信部に対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示することを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記選択部は、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能状態となる前に、当該デジタル放送信号をまもなく受信可能になることを予告し、当該デジタル放送信号の受信を指示された場合に、前記受信部に対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示することを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記選択部における通知および予告の少なくとも一方を実行するか否かを設定する設定部とをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
地図情報を記憶する記憶部と、
前記取得部において取得した位置情報をもとに、前記記憶部において記憶した地図情報上において、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能な領域を表示する表示部とをさらに備えること特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
デジタル放送受信装置にて使用される受信方法において、
複数の物理チャンネルと、これら複数の物理チャンネルで放送されるデジタル放送信号を受信可能な地域に関する受信可能地域情報とをそれぞれ対応付けた情報の一覧であるチャンネル一覧情報を管理するステップと、
前記デジタル放送受信装置の位置情報を取得するステップと、
取得した位置情報をもとに、管理する物理チャンネル一覧情報から、所定の物理チャンネルを選択するステップと、
選択された物理チャンネルのデジタル放送信号を受信するステップとを備え、
前記受信するステップにおいて受信可能なデジタル放送信号は、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号、あるいは狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であり、
前記管理するステップは、前記複数の物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類しながら、前記チャンネル一覧情報の管理を実行し、
前記選択するステップは、前記チャンネル一覧情報に基づいて、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号が狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であると判断した場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能であることをユーザに通知した後に、前記受信するステップに対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示することを特徴とする受信方法。
【請求項6】
複数の物理チャンネルと、これら複数の物理チャンネルで放送されるデジタル放送信号を受信可能な地域に関する受信可能地域情報とをそれぞれ対応付けた情報の一覧であるチャンネル一覧情報を管理するステップと、
デジタル放送受信装置の位置情報を取得するステップと、
取得した位置情報をもとに、管理する物理チャンネル一覧情報から、所定の物理チャンネルを選択するステップと、
選択された物理チャンネルのデジタル放送信号を受信するステップとを備え、
前記受信するステップにおいて受信可能なデジタル放送信号は、広域な領域にて放送されるデジタル放送信号、あるいは狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であり、
前記管理するステップは、前記複数の物理チャンネルを広域な領域と狭い領域とに分類しながら、前記チャンネル一覧情報の管理を実行し、
前記選択するステップは、前記チャンネル一覧情報に基づいて、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号が狭い領域にて放送されるデジタル放送信号であると判断した場合、狭い領域にて放送されるデジタル放送信号を受信可能であることをユーザに通知した後に、前記受信するステップに対して、選択した物理チャンネルのデジタル放送信号の受信を指示することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−19332(P2012−19332A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154822(P2010−154822)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
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