説明

データベースの作成方法と装置、及びそのデータベース

【課題】 ラベル形式で画像検索結果を簡便に利用可能な画像データベースを実現するデータベースの作成方法と装置、及びその画像データベースを提供する
【解決手段】 検索キーと検索キーを特徴付ける特徴データとを有する検索キーデータにより、特徴データが類似するデータの検索を行ない、検索された特徴データが類似するデータに、検索キーをラベルとして付加する。付加されたラベルが検索キーと一致する場合に、該ラベルを付加されたデータを検索結果とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データベースの作成方法と装置、及びそのデータベース、特にカメラなどで撮影された画像を検索可能に蓄積するデータベースの作成方法と装置、及びそのデータベースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやカメラ機能付き携帯電話の普及に伴い、画像データが扱われる機会は増加する一方である。又、画像データはディジタル信号のデータとしてHDDや様々なメモリカードに格納され、それら記録媒体の容量も加速度的に増加している。このような状況下では記録媒体内に膨大な画像が存在し、ユーザが閲覧を望む画像を見つけ出すのは困難である。そこで、膨大な画像の中で所望の画像を見つけ出すための画像検索技術が提案されている。
【0003】
一般的な特徴抽出を行うタイプの画像検索手法においては、画像全体の明暗を表現したヒストグラムを利用したり、画像の周波数成分に着目して輪郭抽出を行う手段が用いられる。その他、色情報の利用や被写体の形状、傾き等の情報も類似検索に利用される。尚、検索効果の向上のためには、人物の識別認識や表情の認識など、より高度な特徴量を利用した検索手法を用いる必要がある。しかしながら、検索精度を向上させるためにはより複雑なアルゴリズムが必要であり、演算の負荷も増加し、検索結果を得るために必要な時間が増加してしまう傾向がある。
【0004】
上記の特徴抽出を行う画像検索手法において検索を高速化するためには、検索の結果をキャッシュファイルやインデックスファイルのような形式で残すことが考えられる。しかしながら、このような手法は全く同様の検索を再度行うときのみ有効であったり、画像ファイルを他の画像格納場所に移動した場合には、その画像ファイルを以前に検索した結果は利用できなかったりする。
【0005】
一方、画像ファイルの個々にラベルを付加して利用すれば、画像データから特徴抽出を行う必要がないため、検索結果が高速に得られ、画像ファイルを他の画像格納場所に移動してもラベルの利用は可能である。しかしながら、一般的にはラベルはユーザが個々の画像に対し、手動で入力しなければならないことが多い。
【0006】
この手動入力を含め、特許文献1ではファイルアクセス履歴がラベルとして利用され、特許文献2では画像の利用履歴(用途、使用会社名、時期、時間、価格等)がラベルとして利用されているが、これらのラベルでは以前行った画像検索の結果を利用することはできない。
【特許文献1】特開2001−075845
【特許文献2】特開2003−256803
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、ラベル形式で画像検索結果を簡便に利用可能な画像データベースを実現するデータベースの作成方法と装置、及びそのデータベースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、本発明の検索キーと該検索キーを特徴付ける特徴データとを有する検索キーデータにより、前記特徴データが類似するデータの検索を行なう検索工程と、前記検索された前記特徴データが類似するデータに、前記検索キーをラベルとして付加するラベル付加工程とを有することを特徴とする。ここで、前記検索工程では、前記ラベル付加工程で付加されたラベルが検索キーと一致する場合に、該ラベルを付加されたデータを検索結果とする。また、前記検索キーと前記検索キーを特徴付ける特徴データとから前記検索キーデータを作成する検索キーデータ作成工程を更に有する。
【0009】
又、本発明の情報処理装置は、検索キーと該検索キーを特徴付ける特徴データとを有する検索キーデータを記憶する検索キーデータ記憶手段と、前記検索キーデータにより、前記特徴データが類似するデータの検索を行なう検索手段と、前記検索された前記特徴データが類似するデータに、前記検索キーをラベルとして付加するラベル付加手段とを有することを特徴とする。ここで、前記検索手段は、前記ラベル付加手段が付加したラベルが検索キーと一致する場合に、該ラベルを付加されたデータを検索結果とする。また、前記検索キーと前記検索キーを特徴付ける特徴データとから前記検索キーデータを作成する検索キーデータ作成手段を更に有する。また、前記情報処理装置はデジタルカメラであり、前記データは撮影データである。
【0010】
又、本発明のデータベースは、各々のデータが、検索キーと該検索キーを特徴付ける特徴データとを有する検索キーデータにより検索された場合に、前記検索キーがラベルとして付加されるラベル記憶部と、前記特徴データが類似するデータが記憶されるデータ記憶部とを有することを特徴とする。ここで、前記ラベル記憶部には、ユーザが設定する検索キーも付加される。また、前記検索キーデータを記憶する検索キーデータ記憶部を更に有する。また、前記検索キー及びラベルは、検索対象を表現する任意の文字列である。また、前記検索キー及びラベルは、検索対象を表現するアイコンである。また、前記ラベルは、画像の検索条件を含む。また、前記特徴データとして、データベース内において代表的なデータを用いる。また、前記データベースは画像データベースである。また、前記データベースはデジタルカメラに着脱可能な記録メモリ媒体に記憶される。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、ラベル形式で画像検索結果を簡便に利用可能な画像データベースを実現するデータベースの作成方法と装置、及びそのデータベースを提供できる。
【0012】
すなわち、ラベルを画像検索の結果として利用可能となる効果を有する。又、複数の画像データに対するラベル付けが容易となる効果を有する。さらに、検索行為がユーザの注目する内容に基づいて行われるため、その結果をラベルとすることでユーザの嗜好が反映される効果を有する。加えて、検索回数が増えるほど個々の画像に対し検索結果が蓄積されるため、よりユーザの嗜好が反映される効果が得られる。さらに画像検索方法自体の手段を限定しない効果を有する。又、個々の画像ファイルにラベルが付加されるため、他の画像データベースに画像ファイルを移動した場合においても検索結果の利用が可能となる効果を有する。
【0013】
又、手動でラベル付けを行うか否かを制御することにより不適切なラベルの付加を防止する効果を有する。又、自動でラベル付けを行うことにより、ユーザが意識することなくラベルを付加することが可能となる。又、ユーザによる画像閲覧等の操作を阻害することなくラベルの付加が可能となる効果を有する。又、全ての画像に最低一つはラベルを確実に付加することが可能となる効果を有する。又、文字列のラベルを他の方法でつけられた画像と混在して扱うことが可能となる効果を有する。又、ラベルの内容が画像で表されるため、表示した場合に表示面積あたりの情報量が多く、又、大きさが一定であるため、画像に重ねてラベルを表示するような用途に効果を有する。又、検索履歴がそのまま個々の画像に残されることになるため、過去にどのような検索を行ったかを容易に理解することが可能となる。
【0014】
又、代表的な画像をラベルとして使用することで、より個々のユーザが理解しやすいラベルとなる。又、アイコン等と比較してより情報量が多く、複雑な概念を示すラベルを付加することが可能となる。又、画像の属性情報の一つとして前記ラベルの内容を利用することが可能となる効果を有する。又、ラベルのみを一覧表示することで狭小な画像表示手段においても複数の画像全体の把握が容易になる効果を有する。又、ユーザが任意の文字列をラベルとして選択可能となる効果を有する。又、既存のラベルから選択するのみでラベルが付加されるため、ユーザの操作が簡便となる効果を有する。又、類似画像のラベルをそのまま付加することによって、類似画像のグループ毎にラベルによる分類が可能となる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明における実施形態の画像データベースの作成を、添付図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態では、特に写真を蓄積する画像データベースを例に説明するが、本発明はこれに限定されない。本発明は検索結果を後の検索のために有効に利用可能なデータベースを提示するものであり、かかる技術が適用可能なデータベースも本発明に含まれる。
【0016】
<本実施形態の画像データベースの構成例>
図1Aは、本実施形態の画像データベースの作成例を概念的に示した図である。尚、本実施形態では、画像ファイル群は一般的なPC内部のHDD内に存在することとする。昨今のHDDは数十ギガバイトの大容量が通常であり、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話の普及により、格納されている画像ファイルの数も膨大になっている。
【0017】
図1Aで、100は、HDD内部に多数格納されている画像ファイルからなる画像ファイル群であり、例えば、100aから100hの画像を蓄積している。101は、画像を検索する際に用いるキー画像による画像群である。ここで、キー画像とは特定のカテゴリを最もよく示すような代表的画像であり、本実施形態における図1のキー画像群101はそれぞれ代表しているカテゴリを示すラベルがあらかじめ付けられている。具体的には「花」,「動物」, 「風景」といった文字列のラベルが付加されたキー画像が格納されている。尚、図1Aでは、HDD内部の画像群100内の画像100a〜100hにはラベルが付加されていない状態であるとする。

実際に検索を行う際には、キー画像から1つの画像を選択する。図1Aでは「花」とラベルの付いた画像102が選択されたものとする。選択された画像102と類似した画像が画像群100から類似画像検索手法を用いて検索され、画像102と類似の検索結果が画像群103a,103h,103gとして得られる。
【0018】
尚、本発明は類似画像検索の手法について限定するものではない。検索の結果得られた画像群103a,103h,103gは、選択された画像102に対応する検索の手法により、キー画像102と同様の特徴を共通点として持つ画像群である。
【0019】
例えば、ラベル付与のための類似画像検索の一例としては、画像の色と輪郭とに着目して、それらがキー画像の「花」に近い値であれば「花」のキーを付与するようにする。具体的には、色に着目するなら色ヒストグラムの利用、輪郭(周波数成分)に着目するならFFTを利用することが出来る。
【0020】
図1Bは、本実施形態の画像データベースを生成・管理・検索する情報処理装置(例えば、PC)のハードウエア構成例を示す図である。尚、図1Bには本実施形態に特に関連する要素を図示しており、情報処理装置に一般的な要素は図示を省いている。
【0021】
図1Bで、110は本情報処理装置を制御する演算制御用のCPUである。111はCPU110のプログラム及び固定パラメータを記憶するROMである。ROM111は、検索キーに従って類似画像を検索する類似検索プログラム111a、マニュアルで画像に検索キーを設定するキー設定プログラム111b、検索結果を出力する検索画像出力プログラム111cを有している。
【0022】
112はCPU110がデータを一時記憶するRAMである。RAM112は、図1Aの検索キー画像(例えば「花」102)に対応する情報として、検索キー名(例えば「花」「動物」「風景」など)とその対象物の属性(例えば「生物種」「色」「建物」「催し物」など)112aを記憶する。又、検索キーと属性に応じて画像から特徴値を抽出する算出方法112b、検索キー画像の特徴値112c、算出した特徴値の類似と判定する範囲112d、検索キー画像のデータ112eを記憶する。
【0023】
一方、検索する画像データベース内の1つの画像データ112f、画像データ112fから算出方法112bで算出された特徴値112g、特徴値112gが検索キー画像との類似範囲内か否かを示す類似フラグ112hを記憶する。
【0024】
尚、実際の検索は、全てのデータベースに対して行われるよりも、対象を予め絞っておく方がより正確で迅速な検索が可能である。例えば画像が写真であれば、撮影日時や撮影場所、あるいは催し名などが付加されているので、これらを予め選択あるいは範囲指定しておくのが好ましい。本例では、これらの処理については説明を割愛している。
【0025】
113は本例の画像データベースを蓄積する、ハードディスク、CD、メモリカードなどの外部記憶部であり、写真であれば着脱可能な媒体が望ましい。外部記憶部113には、RAM112で説明された情報を含む複数の検索キー1(113a)〜検索キーn(113b)が記憶されている。これらは、図1Aの画像群101(「花」「動物」「風景」など)に相当する。かかる検索キーはオペレータによる追加/削除も可能としてよい。又、RAM112で説明された属性、特徴値算出方法、類似範囲などもオペレータにより設定可能としてよい。
【0026】
画像データベースとしては、各画像ID113cに対して本例の検索結果から設定された、あるいはオペレータにより操作手段から入力された検索キー/その画像の特徴値113dや113eが記憶される。かかる検索キーのオペレータによる削除も可能としてよい。各画像ID113cに対して画像データ113fが記憶される。かかる画像データ113fは画像ID113cとつながる領域に記憶されても、ポインタにより別途画像データ113fを記憶してもよい。又、かかる画像データにも、写真であれば上記の撮影日時などが付加されているのが一般的である。
【0027】
尚、図1Bには、表示部や操作部、印刷部などは図示していない。
【0028】
<本実施形態の画像データベースの処理例>
図1Cに、上記構成による本実施形態の画像データベースへの処理例のフローチャートを示す。尚、図1Cには本実施形態の検索及び検索結果のラベル付加のみが図示されている。
【0029】
まず、ステップS100で検索キーを設定する。予め用意されている検索キー画像を選択する操作でも、新たな検索キー画像にキー名称、特徴値算出方法、類似範囲などを入力する操作でもよい。又、オペレータの希望で類似範囲を変更してもよい。
【0030】
ステップS101に進んで、データベースから1つの画像情報を取得する。ステップS102でこの画像が既に検索キーを有し、その検索キーが検索操作した検索キーと一致するか否かが判定される。一致すればステップS106に進んで、その画像を検索結果に追加する。
【0031】
一方、ステップS102で検索キーが無いあるいは一致する検索キーが無い場合は、ステップS103に進んで検索キーの特徴値算出方法で特徴値を算出する。ステップS104で算出された特徴値が類似範囲内か否かが判定され、類似範囲内でなければステップS107に進む。類似範囲内であれば、ステップS105で検索キーを画像データに追加し、ステップS106で検索結果に追加する。
【0032】
ステップS107では全データベースの画像(上述のように、例えば撮影日時のようなある範囲内を検索する場合には、その範囲内の全画像)を検索したかを判定し、残っている場合はステップS101に戻って次の画像をチェックする。全てを検索済みであれば、検索を終了する。
【0033】
<本実施形態の画像データベースの処理の具体例>
(検索結果へのラベル付加処理)
図2を用いて、検索結果へのラベル付加を示す。
【0034】
図2の200は、画像検索結果をユーザに表示する表示領域であり、本実施形態ではPCの表示部である液晶ディスプレイやCRTである。尚、画像検索結果の画像201、202、203、204、205は、前述した図1における画像検索の結果画像群103であるとする。
【0035】
207はラベルの入力や選択を行う領域であり、206は図1のキー画像102に付加されているラベルである。ラベル206は「花」という文字列であり、この文字列が画像検索の結果得られた画像201、202、203、204、205に対する検索の結果を示すラベルとして付加される。又、ラベルはそれぞれの画像ファイル内に格納されるが、ここでは汎用性を考慮し、一般的な画像フォーマット規格であるExif(Exchangeable image file format)に規定されているUser Commentエリアに格納することとする。
【0036】
(画像閲覧処理)
次に、図3を用いてラベルを利用した画像閲覧の例を示す。図2と同様200は画像の表示領域を示している。
【0037】
300は画像に付加されたラベルを示しており、ラベル選択及び表示領域である207に一覧表示されている。ユーザが207からラベルを選択すると、ユーザが選択したラベルが付加された画像群が表示される。図3では「花」のラベルを選択したため、「花」のラベルが付加された画像が表示される。このとき、画像ファイル内でラベルが格納されている特定の領域に対して文字列検索をするのみでよいため、非常に高速に対象の画像は検知され、表示される。
【0038】
画像が膨大にある場合は、このようなラベルごとの表示は所望の画像を探すのに有効である。又、ラベルそのものが検索結果から付加されるため、ユーザが注目するラベルが付加されており、任意のラベルと比較すると、より有効なラベルであると言える。又、ラベルの組み合わせによって論理的なAND検索やOR検索を行えば高速な検索手法として有効である。
【0039】
(画像データベースの画像群の例)
上述のように検索結果をラベルとして付加した画像群を図4に示す。図4は図2で示したラベル付加が複数回実行され、ある程度のラベルが付加された状態である。図4に示す画像データベース400は本実施形態の中心であり、画像検索結果をラベルとして個々の画像ファイルの内部に持つことを最大の特徴とする。
【0040】
画像401、402、403、404、405、406、407、408が画像データベース内の画像であるが、それぞれ付加されているラベルの数や種類が異なる。例えば、画像405は「動物」と「鳥」の2つのラベルが付加されている。ラベルは複数回の画像検索の結果として複数付けることも可能であり、本提案においては数を限定しない。検索手法によっては画像401に付加されている「青」といった色や画像403に付加されている「2個」といった数量のラベルが付加されることもある。前述したように本提案は検索手法を限定するものではない。又、画像407、408はラベルがまだ付加されていないが、画像検索の結果として検知されたことがないことを示す。
【0041】
又、これらのラベルの数は画像検索の結果であり、画像検索はユーザが何らかの意図をもって行う行為であるため、ラベルの数は各画像ファイルに対するユーザの嗜好を反映していると言える。又、画像データベース全体における合計のラベルの数量は画像検索行為そのものの回数をある程度反映しているとも言える。よって、検索を何度も行うことで、各画像ファイルにラベルが蓄積され画像データベースとして充実してゆく。
【0042】
(画像データベースの移動処理)
次にラベルが付加された画像データベース400から他の画像データベース500へ画像を移動させた場合について、図5に示す。
【0043】
他の画像データベース500内の画像にもラベルが画像ファイル内のExif領域にラベルが付加されている。画像501、502、503のラベルは画像検索の結果ではなく、ユーザが手動で文字入力を行うことにより入力されたものとする。画像404をデータベース400からデータベース500へ移動した場合、画像404のラベル「花」は画像データベース500でも他のラベルと共に利用可能である。又、言い換えると、画像404のラベル「花」は画像404に対する画像検索の結果であるため、画像検索の結果を維持しつつ他のデータベースで汎用的に使用することが可能となる。
【0044】
(記録メモリ媒体のデータベースの例))
本実施形態はPCに限定するものではなく、画像データベースの格納場所もHDDに限定するものではない。図6及び図7に、デジタルカメラ内の交換可能な記録メモリ媒体の例を示す。
【0045】
図6の600はデジタルカメラであり、デジタルカメラ内の交換可能な記録メモリ媒体であるCFやSDカードも近年大容量化を遂げ、膨大な量の画像を格納することが可能になっている。又、デジタルカメラにはPCにおけるキーボードのような入力手段を通常具備していないため、ラベルの付加が画像検索の結果によってなされる本実施形態は有効である。又、画像の閲覧、検索時にもラベルの選択のみで画像を絞り込むことが可能となる本実施形態はユーザの操作が簡便であり、デジタルカメラのような入力手段が十分でない機器においては特に有利である。
【0046】
又、デジタルカメラは一般的に画像表示領域が狭小であるため、複数の画像の内容を同時に把握することが困難である。しかしながら、本実施形態のラベルのみを表示部に一覧表示することで、記録メモリ媒体内部の画像全体の概要をある程度把握することが可能となる。
【0047】
又、図7に画像印刷時のラベルの利用について示す。
【0048】
デジタルカメラ600とプリンター700を、接続ケーブル701によってPCを介さずに直接接続して印刷を行うダイレクトプリントの構成とする。尚、接続方式はUSBの規格に従い、ケーブル701はUSBの規格接続用のケーブルであるとする。印刷する画像はデジタルカメラ600上で選択されるが、この場合もキーボードのような入力手段が存在しない状態で、印刷する画像をラベルの選択のみで簡便に行うことが可能となる。印刷された印刷結果の用紙702には画像と共にラベルも印刷される。又、ラベルのみを印刷する事も可能とする。ラベルのみを印刷することでデジタルカメラ内における記録メモリ媒体内部の画像の概要を把握することが容易に可能となる。又、ラベルに文字列ではなく、代表的な画像であるキー画像を用いた場合にはより理解が容易となる。
【0049】
又、上記実施形態ではラベルを付加する説明において、ラベルとして主に文字列を挙げたが、その他アイコン、キー画像、検索条件等をラベルとして適用する場合についても考えられる。アイコンをラベルとした場合は直感的にラベルの意味を捉えることが可能になり、画像と重ねて表示した場合にも画像の表示領域を比較的妨げない。
【0050】
次に、キー画像をラベルとした場合を述べる。キー画像をラベルとした場合にも、アイコンと同様直感的にわかりやすい効果がある。加えて、アイコンで表すことが困難なグループや、あらかじめアイコンが用意されていないグループに対してもユーザが容易に認識可能な画像をキー画像としてラベルに利用することが可能となる。検索条件そのものもラベルとして利用可能である。検索条件が「A and B」を満たす(条件Aを満たし、かつ条件Bを満たす)画像であった場合、この「A and B」をラベルとする。ここで、AやBは文字列でも画像でもその他の条件でも良い。このように検索条件をそのままラベルとして残すと、個々の画像に検索の履歴を残す効果がより向上する。
【0051】
又、上記実施形態において検索結果の画像にラベルを付加する場合に、全ての検索結果画像にラベルを付加する方法以外について述べる。ラベルを付加する画像の選択方法としては、一枚ずつ選んでも良いし、検索結果を類似度順に並べて、指定した画像以上の類似度を持つ画像を選んでも良い。又、類似度の閾値を数値で指定し、その値以上の類似度を持つ画像のみを選択するようにすれば選択の自動化も可能である。
【0052】
尚、上記実施形態においては、ラベルによる画像の絞り込み後に、絞り込まれた画像に対してさらに特徴抽出による絞り込み検索を行うことも可能であり、その逆も可能である。
【0053】
又、実施形態のデジタルカメラにおいては、記録メモリ媒体であるCFを交換した後の最初の起動時に、交換直後のCFのラベルのみを表示させることで、CF内部の画像の概要を把握することが可能となる効果を得られる。
【0054】
尚、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、プリンタなど)から構成されるシステムあるいは統合装置に適用しても、ひとつの機器からなる装置に適用してもよい。
【0055】
又、本発明の目的は、次のような構成でも達成されることは言うまでもない。すなわち、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。又、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、実施形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0056】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0057】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1A】本実施形態における検索実行例を示す概念図である。
【図1B】本実施形態の情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図1C】本実施形態の情報処理装置の動作手順例を示すフローチャートである。
【図2】本実施形態におけるラベル付加の例を示す図である。
【図3】本実施形態におけるラベルを利用した画像表示例を示す図である。
【図4】本実施形態におけるデータベースの例を示す図である。
【図5】本実施形態におけるデータベース間の画像移動例を示す図である。
【図6】本実施形態であるデジタルカメラの概要図である。
【図7】本実施形態であるデジタルカメラとプリンターの概要図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索キーと該検索キーを特徴付ける特徴データとを有する検索キーデータにより、前記特徴データが類似するデータの検索を行なう検索工程と、
前記検索された前記特徴データが類似するデータに、前記検索キーをラベルとして付加するラベル付加工程とを有することを特徴とするデータベースの作成方法。
【請求項2】
前記検索工程では、前記ラベル付加工程で付加されたラベルが検索キーと一致する場合に、該ラベルを付加されたデータを検索結果とすることを特徴とする請求項1に記載のデータベースの作成方法。
【請求項3】
前記検索キーと前記検索キーを特徴付ける特徴データとから前記検索キーデータを作成する検索キーデータ作成工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載のデータベースの作成方法。
【請求項4】
前記特徴データとして、データベース内において代表的なデータを用いることを特徴とする請求項1又は3に記載のデータベースの作成方法。
【請求項5】
前記データベースは画像データベースであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のデータベースの作成方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載のデータベースの作成方法を実現するコンピュータ実行可能なプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムをコンピュータ読取り可能な形態で記憶する記憶媒体。
【請求項8】
検索キーと該検索キーを特徴付ける特徴データとを有する検索キーデータを記憶する検索キーデータ記憶手段と、
前記検索キーデータにより、前記特徴データが類似するデータの検索を行なう検索手段と、
前記検索された前記特徴データが類似するデータに、前記検索キーをラベルとして付加するラベル付加手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
前記検索手段は、前記ラベル付加手段が付加したラベルが検索キーと一致する場合に、該ラベルを付加されたデータを検索結果とすることを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記検索キーと前記検索キーを特徴付ける特徴データとから前記検索キーデータを作成する検索キーデータ作成手段を更に有することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記情報処理装置はデジタルカメラであり、前記データは撮影データであることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項12】
各々のデータが、
検索キーと該検索キーを特徴付ける特徴データとを有する検索キーデータにより検索された場合に、前記検索キーがラベルとして付加されるラベル記憶部と、
前記特徴データが類似するデータが記憶されるデータ記憶部とを有することを特徴とするデータベース。
【請求項13】
前記ラベル記憶部には、ユーザが設定する検索キーも付加されることを特徴とする請求項12に記載のデータベース。
【請求項14】
前記検索キーデータを記憶する検索キーデータ記憶部を更に有することを特徴とする請求項12に記載のデータベース。
【請求項15】
前記検索キー及びラベルは、検索対象を表現する任意の文字列であることを特徴とする請求項12又は14に記載のデータベース。
【請求項16】
前記検索キー及びラベルは、検索対象を表現するアイコンであることを特徴とする請求項12又は14に記載のデータベース。
【請求項17】
前記ラベルは、画像の検索条件を含むことを特徴とする請求項12又は14に記載のデータベース。
【請求項18】
前記特徴データとして、データベース内において代表的なデータを用いることを特徴とする請求項12又は14に記載のデータベース。
【請求項19】
前記データベースは画像データベースであることを特徴とする請求項12乃至18のいずれか1つに記載のデータベース。
【請求項20】
前記データベースはデジタルカメラに着脱可能な記録メモリ媒体に記憶されることを特徴とする請求項19に記載のデータベース。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−188440(P2007−188440A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−7919(P2006−7919)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】