説明

データ処理装置、画像形成装置、システムおよびプログラム

【課題】画像データに従い第1面および第2面の各々に画像が形成された記録媒体に関し、第2面に形成された画像が正しく形成されたか否かを、当該記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された画像データを用いて検査する装置において、第1面に形成された画像の裏写りによる誤判定を低減する手段を提供する。
【解決手段】データ処理装置12の制御部120は、画像形成部124により紙の第2面に画像形成を行わせた際に用いた第2面形成用画像データと画像読取部125に第2面を読み取らせて生成した第2面読取画像データとの照合において、紙の属性に応じて決定した濃度差の閾値を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、画像形成装置、システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置によって紙等の記録媒体上に形成された画像が正しく形成されているか否かを判定したい、というニーズがある。
【0003】
上記ニーズを満たす技術の一例として、用紙の第1面および第2面の各々に印刷された画像に関し、印刷時に用いられた画像データと印刷された画像を読み取って得られた画像データとを照合することにより、正しく印刷がなされているかを判定する技術を開示する文献として、例えば特許文献1および2がある。
【特許文献1】特開平09−278025号公報
【特許文献2】特開平09−240120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、画像データに従い第1面および第2面の各々に画像が形成された記録媒体に関し、第2面に形成された画像が正しく形成されたか否かを、当該記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された画像データを用いて検査する装置において、第1面に形成された画像の裏写りによる誤判定を低減する手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明は、第1の態様として、第1の画像データと、画像形成装置により前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成された画像を読み取ることにより生成された第2の画像データと、前記記録媒体の属性を示す属性データとを取得する取得手段と、前記属性データに基づき前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備えるデータ処理装置を提供する。
【0006】
また、本発明は、第2の態様として、記録媒体上に画像を形成する画像形成手段と、第1の画像データと、前記画像形成手段により前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成された画像を読み取ることにより生成された第2の画像データと、当該記録媒体の属性を示す属性データとを取得する取得手段と、前記属性データに基づき前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備える画像形成装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、第3の態様として、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置と、記録媒体上に形成された画像を読み取って画像データを生成する画像データ生成装置と、データ処理装置とを備え、前記データ処理装置は、第1の画像データと、前記画像形成装置が前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成した画像を前記画像データ生成装置が読み取って生成した第2の画像データと、当該記録媒体の属性を示す属性データとを取得する取得手段と、前記属性データに基づき前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備えるシステムを提供する。
【0008】
また、本発明は、第4の態様として、第1の画像データと、画像形成装置により前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成された画像を読み取ることにより生成された第2の画像データと、前記記録媒体の属性を示す属性データとを取得する処理と、前記属性データに基づき前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記閾値以上である領域を誤りの領域として特定する処理とをコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
【0009】
また、本発明は、第5の態様として、第1の画像データと、画像形成装置により前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成された画像を読み取ることにより生成された第2の画像データとを取得する取得手段と、前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されていない場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して第1の閾値を決定し、前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されている場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して前記第1の閾値よりも大きい値を示す第2の閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記決定された第1もしくは第2の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備えるデータ処理装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、第6の態様として、上記第5の態様のデータ処理装置であって、前記取得手段は、前記記録媒体の属性を示す属性データを取得し、前記特定手段は、前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されている場合、前記属性データに基づき前記第2の閾値を決定するデータ処理装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、第7の態様として、記録媒体上に画像を形成する画像形成手段と、第1の画像データと、前記画像形成手段により前記第1の画像データに従い前記記録媒体上に形成された画像を読み取ることにより生成された第2の画像データとを取得する取得手段と、前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されていない場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して第1の閾値を決定し、前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されている場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して前記第1の閾値よりも大きい値を示す第2の閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記決定された第1もしくは第2の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備える画像形成装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、第8の態様として、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置と、記録媒体上に形成された画像を読み取って画像データを生成する画像データ生成装置と、データ処理装置とを備え、前記データ処理装置は、第1の画像データと、前記画像形成装置が前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成した画像を前記画像データ生成装置が読み取って生成した第2の画像データとを取得する取得手段と、記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されていない場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して第1の閾値を決定し、当該記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されている場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して前記第1の閾値よりも大きい値を示す第2の閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記決定された第1もしくは第2の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備えるシステムを提供する。
【0013】
また、本発明は、第9の態様として、第1の画像データと、画像形成装置により前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成された画像を読み取ることにより生成された第2の画像データとを取得する処理と、前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されていない場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して第1の閾値を決定し、前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されている場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して前記第1の閾値よりも大きい値を示す第2の閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記決定された第1もしくは第2の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する処理とをコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
【0014】
また、本発明は、第10の態様として、第1の画像データと第2の画像データとを取得する取得手段と、画像形成装置により前記第1の画像データに従い第1面に画像が形成され前記第2の画像データに従い第2面に画像の形成された記録媒体の第2面を読み取って第3の画像データを生成する画像データ生成手段と、前記第1の画像データに基づき前記第2の画像データを補正し、当該補正した前記第2の画像データが示す画像と前記第3の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備えるデータ処理装置を提供する。
【0015】
また、本発明は、第11の態様として、上記第10の態様のデータ処理装置であって、前記特定手段は、前記第1の画像データが示す画像の鏡像の濃度を所定の規則に従い補正した濃度を前記第2の画像データが示す画像の濃度に加算することにより前記第2の画像データを補正するデータ処理装置を提供する。
【0016】
また、本発明は、第12の態様として、第1の画像データと第2の画像データとを取得する取得手段と、画像形成装置により前記第1の画像データに従い第1面に画像が形成され前記第2の画像データに従い第2面に画像の形成された記録媒体の第2面を読み取って第3の画像データを生成する画像データ生成手段と、前記第1の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備えるデータ処理装置を提供する。
【0017】
また、本発明は、第13の態様として、上記第12の態様のデータ処理装置であって、前記特定手段は、前記第1の画像データが示す画像の鏡像の濃度を所定の規則に従い補正した濃度を前記第3の画像データが示す画像の濃度から減算することにより前記第3の画像データを補正するデータ処理装置を提供する。
【0018】
また、本発明は、第14の態様として、第1の画像データと第2の画像データとを取得する取得手段と、画像形成装置により前記第1の画像データに従い第1面に画像が形成され前記第2の画像データに従い第2面に画像の形成された記録媒体の第2面を読み取って第3の画像データを生成する画像データ生成手段と、前記第2の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第1の画像データが示す画像の鏡像の濃度を所定の規則に従い補正した濃度を有する画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備えるデータ処理装置を提供する。
【0019】
また、本発明は、第15の態様として、上記第14の態様のデータ処理装置であって、前記特定手段は、前記第2の画像データが示す画像の濃度を前記第3の画像データが示す画像の濃度から減算することにより前記第3の画像データを補正するデータ処理装置を提供する。
【0020】
また、本発明は、第16の態様として、上記第10乃至15のいずれかの態様のデータ処理装置であって、前記画像データ生成手段は、前記第1面に形成される画像を読み取って前記第1の画像データを生成し、前記取得手段は、前記画像データ生成手段により生成された前記第1の画像データを取得するデータ処理装置を提供する。
【0021】
また、本発明は、第17の態様として、上記第10乃至16のいずれかの態様のデータ処理装置であって、前記特定手段は、前記記録媒体の属性を示す属性データを取得し、前記属性データに基づき前記所定の閾値を決定するデータ処理装置を提供する。
【0022】
また、本発明は、第18の態様として、上記第11、13、14および15のいずれかの態様のデータ処理装置であって、前記特定手段は、前記記録媒体の属性を示す属性データを取得し、前記属性データに基づき前記所定の規則を決定するデータ処理装置を提供する。
【0023】
また、本発明は、第19の態様として、上記第17または18の態様のデータ処理装置であって、前記特定手段は、記録媒体のうち第1面に画像が形成され第2面に画像が形成されていない部分を第2面から読み取って生成された画像データと当該第1面に形成された画像を示す画像データとに基づき、記録媒体の第1面に所定の濃度で形成された画像を第2面から読み取った場合の裏写り濃度を特定し、前記裏写り濃度から得られたデータを前記属性データとして用いるデータ処理装置を提供する。
【0024】
また、本発明は、第20の態様として、上記第17または18の態様のデータ処理装置であって、記録媒体を挟んで対向する位置に配置された発光体から発光された光のうち記録媒体を透過した光の強度を測定する測定手段を備え、前記特定手段は、前記測定手段により測定された透過した光の強度から得られたデータを前記属性データとして用いるデータ処理装置を提供する。
【0025】
また、本発明は、第21の態様として、第1の画像データと第2の画像データとを取得する取得手段と、前記第1の画像データに従い記録媒体の第1面に画像を形成し、前記第2の画像データに従い前記記録媒体の第2面に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により第1面および第2面に各々画像の形成された前記記録媒体の第2面を読み取って第3の画像データを生成する画像データ生成手段と、前記第1の画像データに基づき前記第2の画像データを補正し、当該補正した前記第2の画像データが示す画像と前記第3の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備える画像形成装置を提供する。
【0026】
また、本発明は、第22の態様として、第1の画像データと第2の画像データとを取得する取得手段と、前記第1の画像データに従い記録媒体の第1面に画像を形成し、前記第2の画像データに従い前記記録媒体の第2面に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により第1面および第2面に各々画像の形成された前記記録媒体の第2面を読み取って第3の画像データを生成する画像データ生成手段と、前記第1の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備える画像形成装置を提供する。
【0027】
また、本発明は、第23の態様として、第1の画像データと第2の画像データとを取得する取得手段と、前記第1の画像データに従い記録媒体の第1面に画像を形成し、前記第2の画像データに従い前記記録媒体の第2面に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により第1面および第2面に各々画像の形成された前記記録媒体の第2面を読み取って第3の画像データを生成する画像データ生成手段と、前記第2の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第1の画像データが示す画像の鏡像の濃度を所定の規則に従い補正した濃度を有する画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備える画像形成装置を提供する。
【0028】
また、本発明は、第24の態様として、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置と、記録媒体上に形成された画像を読み取って画像データを生成する画像データ生成装置と、データ処理装置とを備え、前記データ処理装置は、第1の画像データと、第2の画像データと、前記画像形成装置が前記第1の画像データに従い第1面に画像を形成し前記第2の画像データに従い第2面に画像を形成した記録媒体の第2面を前記画像データ生成装置が読み取って生成した第3の画像データとを取得する取得手段と、前記第1の画像データに基づき前記第2の画像データを補正し、当該補正した前記第2の画像データが示す画像と前記第3の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備えるシステムを提供する。
【0029】
また、本発明は、第25の態様として、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置と、記録媒体上に形成された画像を読み取って画像データを生成する画像データ生成装置と、データ処理装置とを備え、前記データ処理装置は、第1の画像データと、第2の画像データと、前記画像形成装置が前記第1の画像データに従い第1面に画像を形成し前記第2の画像データに従い第2面に画像を形成した記録媒体の第2面を前記画像データ生成装置が読み取って生成した第3の画像データとを取得する取得手段と、前記第1の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備えるシステムを提供する。
【0030】
また、本発明は、第26の態様として、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置と、記録媒体上に形成された画像を読み取って画像データを生成する画像データ生成装置と、データ処理装置とを備え、前記データ処理装置は、第1の画像データと、第2の画像データと、前記画像形成装置が前記第1の画像データに従い第1面に画像を形成し前記第2の画像データに従い第2面に画像を形成した記録媒体の第2面を前記画像データ生成装置が読み取って生成した第3の画像データとを取得する取得手段と、前記第1の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段とを備えるシステムを提供する。
【0031】
また、本発明は、第27の態様として、第1の画像データと、第2の画像データと、前記第1の画像データに従い第1面に画像が形成され前記第2の画像データに従い第2面に画像が形成された記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された第3の画像データとを取得する処理と、前記第1の画像データに基づき前記第2の画像データを補正し、当該補正した前記第2の画像データが示す画像と前記第3の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する処理とをコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
【0032】
また、本発明は、第28の態様として、第1の画像データと、第2の画像データと、前記第1の画像データに従い第1面に画像が形成され前記第2の画像データに従い第2面に画像が形成された記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された第3の画像データとを取得する処理と、前記第1の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する処理とをコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
【0033】
また、本発明は、第29の態様として、第1の画像データと、第2の画像データと、前記第1の画像データに従い第1面に画像が形成され前記第2の画像データに従い第2面に画像が形成された記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された第3の画像データとを取得する処理と、前記第1の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する処理とをコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0034】
上記第1乃至4のいずれかの態様によれば、画像データに従い第1面および第2面の各々に画像が形成された記録媒体に関し、第2面に形成された画像が正しく形成されたか否かを、当該記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された画像データを用いて検査する場合において、当該検査に用いる濃度差の閾値が当該記録媒体の属性に基づき決定されるため、当該記録媒体の属性に基づく閾値の決定が行われない場合と比較し、第1面に形成された画像の裏写りによる誤判定を低減することができる。
【0035】
上記第5および7乃至9のいずれかの態様によれば、記録媒体の第2面に形成された画像が正しく形成されたか否かを、当該記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された画像データを用いて検査する場合において、当該記録媒体の第1面に画像が形成されている場合は画像が形成されていない場合より大きな値を示す濃度差の閾値が用いられるため、当該記録媒体の第1面に画像が形成されているか否かに関わらず同じ閾値が用いられる場合と比較し、第1面に形成された画像の裏写りによる誤判定を低減することができる。
【0036】
上記第6の態様によれば、記録媒体の第2面に形成された画像が正しく形成されたか否かを、当該記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された画像データを用いて検査する場合において、当該検査に用いる濃度差の閾値が当該記録媒体の属性に基づき決定されるため、当該記録媒体の属性に基づく閾値の決定が行われない場合と比較し、第1面に形成された画像の裏写りによる誤判定を低減することができる。
【0037】
上記第10乃至16および21乃至29のいずれかの態様によれば、画像データに従い第1面および第2面の各々に画像が形成された記録媒体に関し、第2面に形成された画像が正しく形成されたか否かを、当該記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された画像データを用いて検査する場合において、検査に用いられる画像データが当該記録媒体の第1面に形成された画像を示す画像データにより補正されるため、当該補正を伴わない場合と比較し、第1面に形成された画像の裏写りによる誤判定を低減することができる。
【0038】
上記第17の態様によれば、画像データに従い第1面および第2面の各々に画像が形成された記録媒体に関し、第2面に形成された画像が正しく形成されたか否かを、当該記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された画像データを用いて検査する場合において、当該検査に用いる濃度差の閾値が当該記録媒体の属性に基づき決定されるため、当該記録媒体の属性に基づく閾値の決定が行われない場合と比較し、第1面に形成された画像の裏写りによる誤判定を低減することができる。
【0039】
上記第18の態様によれば、画像データに従い第1面および第2面の各々に画像が形成された記録媒体に関し、第2面に形成された画像が正しく形成されたか否かを、当該記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された画像データを用いて検査する場合において、当該検査に用いる画像データを補正するために用いられる第1面に形成された画像の鏡像を補正する規則が当該記録媒体の属性に基づき決定されるため、当該記録媒体の属性に基づく規則の決定が行われない場合と比較し、第1面に形成された画像の裏写りによる誤判定を低減することができる。
【0040】
上記第19の態様によれば、第1面に画像が形成された記録媒体を第2面から読み取って生成された画像データにより当該記録媒体の属性を示す属性データが生成され、生成された属性データが第2面に形成された画像が正しく形成されたか否かの検査に用いられるため、当該属性データの生成を伴わない場合と比較し、第1面に形成された画像の裏写りによる誤判定を低減することができる。
【0041】
上記第20の態様によれば、記録媒体を透過した光の強度を測定することにより当該記録媒体の属性を示す属性データが生成され、生成された属性データが第2面に形成された画像が正しく形成されたか否かの検査に用いられるため、当該属性データの生成を伴わない場合と比較し、第1面に形成された画像の裏写りによる誤判定を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
(1)第1実施形態
以下に、本発明の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態にかかるシステム1の構成を示した図である。システム1は、ユーザが記録媒体上への画像の形成を指示する端末装置として機能するPC(Personal Computer)11と、PC11から送信される画像データに従い記録媒体上の両面の各々に画像形成を行うとともに、画像が正しく形成されているか否かに応じて記録媒体を異なる排紙トレイに排出するデータ処理装置12を備えている。データ処理装置12が画像を形成する記録媒体は、例えば紙、フィルム等であり、表面に画像形成が可能なものであれば、いずれの記録媒体であってもよい。なお、以下の説明においては、例として、記録媒体は紙であるものとする。
【0043】
図2は、PC11の構成を示した図である。PC11は、プログラムおよび各種データを記憶するHDD(Hard Disk Drive)111と、データを一時的に記憶し作業領域として利用されるRAM(Random Access Memory)112と、HDD111に記憶されているプログラムに従い各種データ処理を行いPC11の他の構成要素を制御することによりPC11を様々な装置として機能させるCPU(Central Processing Unit)113と、他の装置との間でデータの送受信を行う通信I/F(Interface)114と、ユーザの操作に従い信号を生成しCPU113に出力することによりユーザのデータ入力手段として機能するキーボード115と、文字や画像を表示するディスプレイ116と、これらの構成要素を相互に接続するバス117を備えている。PC11は、キーボード115を用いたユーザの操作に応じて、HDD111に記憶されている画像データを通信I/F114を介してデータ処理装置12に送信する。
【0044】
以下の説明において、画像データは、例として、画像を構成する複数の画素の各々の濃度を256階調、すなわち0〜255のいずれかの整数である階調値で示す形式とする。なお、階調値は濃度を示す指標の一例であり、濃度そのものではないが、以下の説明においては説明の便宜上、「階調値が示す濃度」を単に「濃度」というものとする。なお、本願における画像データは画素の濃度を256階調で示す形式に限れられず、画像を示すデータであればいずれの形式のものでもよい。例えば、所定の濃度の領域を示すベクトル値の集まりとして画像を示す形式でもよいし、それらの形式の画像データに圧縮処理や暗号化処理等を施した形式であってもよい。さらに、例えば画像形成を行う装置がフォントデータを記憶しているような場合においては、それらのフォントデータにより示される文字等の配置および大きさを指定することにより、形成されるべき画像を特定するデータも本発明における画像データに含まれる。
【0045】
図3はデータ処理装置12の構成の概要を示した図である。データ処理装置12は、データ処理装置12の動作および処理を制御する制御部120を備えている。図4は、制御部120の構成を示した図である。制御部120は、データ処理装置12が備えるコンピュータであり、PC11と同様の構成を備えている。すなわち、制御部120は、HDD1201、RAM1202、CPU1203、通信I/F1204、キーボード1205、ディスプレイ1206およびそれらを相互に接続するバス1207を備えている。
【0046】
図5は、制御部120のCPU1203がHDD1201に記憶されているアプリケーションを実行することにより、制御部120により実現される機能構成を示した図である。アプリケーション実行時の制御部120は、その機能構成として、記憶部1301と、PC11から送信されてくる画像データを受信して記憶部1301に記憶させる受信部1302と、紙の搬送を制御する搬送制御部1303と、PC11から受信部1302が受信した画像データに従った画像の形成を制御する形成制御部1304と、画像読み取りの制御を行う読取制御部1305と、紙に形成された画像のうち正しく形成されていない領域を特定する特定部1306と、特定部により特定された領域の面積が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定部1307とを備える。
【0047】
なお、制御部120がアプリケーションを実行することにより図5に示す機能構成を備える代わりに、例えば図5に示す機能構成を各々をハードウェアにより実現してもよい。
【0048】
図3に戻り、データ処理装置12の構成の説明を続ける。データ処理装置12は、まだ画像形成の行われていない紙の束を格納する給紙トレイ121および給紙トレイ122と、給紙トレイ121または給紙トレイ122に格納されている紙の束から紙を1枚ずつ分離し搬送ローラを用いて搬送する搬送機構123と、搬送機構123により搬送されてくる紙の表面にPC11から受信した画像データに従って画像を形成する画像形成部124と、紙の表面を形成された画像を読み取って画像を示す信号を生成する画像読取部125(画像データ生成手段)と、搬送機構123によりデータ処理装置12の筐体から排出される紙を保持する排紙トレイ126および排紙トレイ127を備えている。
【0049】
搬送機構123は、搬送制御部1303の制御に従い、給紙トレイ121または給紙トレイ122に格納されている紙の束から最上位置の紙を分離し、分離した紙を搬送経路上のポイントa、ポイントb、ポイントc、ポイントd、ポイントeを経由してポイントfに到達させる。その後、搬送機構123は、搬送制御部1303の制御に従い、紙をポイントfからポイントeの方向に搬送し、ゲート1231、ゲート1232およびゲート1233の位置の切り替えにより、紙を排紙トレイ126および排紙トレイ127のいずれかに排出するか、ポイントd、ポイントg、ポイントb、ポイントc、ポイントd、ポイントeを経由して再びポイントfに到達させる。
【0050】
以下の説明において、給紙トレイ121または給紙トレイ122に格納されている状態の図3における紙の下面を「第1面」、上面を「第2面」と呼ぶ。また、紙がポイントaを通過する際の搬送方向の先頭に位置する側の一辺を「第1辺」、末尾に位置する側の一辺を「第2辺」と呼ぶ。
【0051】
搬送機構123により紙がポイントbとポイントcの間を通過する間、画像形成部124は、形成制御部1304の制御に従い、紙の片面に画像を形成する。画像形成部124は乾式電子写真方式の画像形成機構を備えている。より具体的には、画像形成部124は、円筒状のドラム基体の表面に感光層が形成された像保持体でありその中心軸を中心として回転する感光体1241と、感光体1241の表面に接触し感光体1241の表面を所定の電位に帯電させる帯電ロール1242と、帯電させられた感光体1241の表面に光を照射して感光体1241の表面に静電潜像を形成する露光器1243と、感光体1241の表面に形成された静電潜像に現像剤を供給することにより感光体1241の表面にトナー像を形成させる現像器1244と、感光体1241の表面に形成されたトナー像を静電力等により紙上に転写する転写ロール1245と、紙上に転写されたトナー像を加熱溶融等により紙上に定着させる定着器1246を備えている。
【0052】
なお、データ処理装置12が備える画像形成部は乾式電子写真方式のものに限られず、PC11から送信される画像データに従い記録媒体上に画像形成を行う画像形成機構を備えるものであれば、熱転写方式、感熱方式、ドットインパクト方式、乾式電子写真方式、インクジェット方式等のいずれの方式を用いたものであってもよい。
【0053】
搬送機構123により紙がポイントcとポイントdの間を通過する間、画像読取部125は、読取制御部1305の制御に従い、紙の片面を読み取り、読み取った画像を示す信号を読取制御部1305に対し出力する。画像読取部125は光学式の画像読取機構を備えている。より具体的には、画像読取部125は、棒状の蛍光管を備え発光を行う発光器1251と、発光器1251に隣接するように列状に配置された複数の集光レンズおよび光センサの組の集まりである受光器1252を備えている。発光器1251および受光器1252は長手方向が紙の搬送方向にほぼ垂直となる位置に配置されている。発光器1251から発光された光は紙上で反射し、受光器1252の各レンズで集光され、光センサに受光される。その結果、受光器1252を構成する複数の光センサからは紙の片側から見える画像を示す信号が順次、読取制御部1305に対し出力される。
【0054】
なお、データ処理装置12が備える画像読取部は光学式のものに限られず、記録媒体上に形成された画像を読み取って画像データを生成する機構を備えたものであれば、例えば記録媒体上で画像を形成しているトナーやインク等に含まれる磁性体を磁気的に検出したり、トナーやインク等に含まれる伝導体を電気的に検出したりするなど、他の方式のものであってもよい。また、図3に示されるデータ処理装置12においては、搬送機構123により搬送される記録媒体の表面を位置の固定された画像読取部125が読み取るが、例えば位置の固定された記録媒体の表面を搬送機構により搬送される画像読取部125が読み取る方式や、面状に配置された光センサを備える位置の固定された画像読取部が位置の固定された記録媒体の表面を一度に読み取る構成としてもよい。
【0055】
続いて、データ処理装置12の動作を説明する。ユーザがPC11を操作して記録媒体に形成を行いたい画像を示す画像データを指定すると、PC11は指定された画像データをデータ処理装置12に送信する。データ処理装置12の受信部1302はPC11から画像データを受信し、受信した画像データを記憶部1301に記憶させる。以下、データ処理装置12がPC11から受信した画像データを「受信画像データ」と呼ぶ。
【0056】
なお、画像データは、複数ページにわたる画像を示す場合がある。以下の説明においては、形成制御部1304が画像の形成の際に複数ページにわたる画像を含む画像データから、画像の形成対象のページの画像を示す画像データを分離し、記憶部1301に記憶させるものとする。ただし、複数ページにわたる画像データを1つのデータとして送受信および記憶するか、複数のデータとして送受信および記憶するかは、いずれであってもよい。
【0057】
以下の説明において、データ処理装置12はPC11から図6に示す2ページにわたる画像を示す画像データを受信するものとする。図6(a)は第1ページの画像を示し、図6(b)は第2ページの画像を示している。第1ページに含まれる文字「A」および第2ページに含まれる文字「B」の濃度はともに200である。また、辺Xおよび辺Yは画像が形成される際の紙の第1辺および第2辺をそれぞれ示す。
【0058】
図6の画像を示す受信画像データが記憶部1301に記憶されると、搬送制御部1303は給紙トレイ121または給紙トレイ122から紙を分離し、分離した紙を搬送して、ポイントa、ポイントb、ポイントc、ポイントd、ポイントeを経由の後、ポイントfに到達させる。
【0059】
また、受信画像データが記憶部1301に記憶されると、形成制御部1304は受信画像データから第1ページの画像を示す画像データを第1面形成用画像データとして分離し記憶部1301に記憶させた後、紙がポイントbとポイントcの間を通過する際に、第1面形成用画像データに従った画像を形成する。その結果、紙の第1面に図6(a)に示される画像が形成される。
【0060】
また、画像読取部125は、第1面に画像が形成された紙がポイントcとポイントdの間を通過する際に、第1面を読み取り、読み取った結果を示す信号を読取制御部1305に順次出力する。読取制御部1305は、画像読取部125から受け取った信号に従い、第1面に形成された画像を示す画像データを生成し、第1面読取画像データとして記憶部1301に記憶させる。
【0061】
第1面読取画像データが記憶部1301に記憶されると、特定部1306は以下に説明する処理を行い、第1面形成用画像データが示す画像と第1面読取画像データが示す画像との間で濃度差が閾値以上となる領域を誤りの領域として特定する。
【0062】
まず、特定部1306は第1面形成用画像データが示す画像を構成する複数の画素の各々と第1面読取画像データが示す画像を構成する複数の画素の各々とを対応付ける。その際、第1面読取画像データが示す画像は、画像の形成時および読み取り時の位置ずれや伸び等により、第1面形成用画像データが示す画像からの変形を伴っている。従って、特定部1306は、例えば第1面読取画像データに傾き補正、伸縮補正、位置補正等を施し、当該補正を施した第1面読取画像データの全体と第1面形成用画像データの全体とを比較し、それらの一致の程度が最も高くなる場合の第1面読取画像データを特定する。特定部1306は、そのように特定した補正後の第1面読取画像データ(以下、「補正第1面読取画像データ」と呼ぶ)が示す画像に含まれる画素と、第1面形成用画像データが示す画像に含まれる画素との間で位置が一致するものを対応付ける。
【0063】
続いて、特定部1306は、補正第1面読取画像データが示す画像に含まれる画素のうち、当該画素に対応付けた第1面形成用画像データが示す画像に含まれる画素との間に、所定の閾値以上、例えば32以上の濃度差があるものを、誤り画素として特定する。特定部1306は、補正第1面読取画像データが示す画像のうち誤り画素により形成される領域を誤りの領域として特定する。以上が、特定部1306による誤りの領域の特定処理である。特定部1306は、誤りの領域を特定すると、誤りの領域を示す誤領域指定データを生成し、記憶部1301に記憶させる。誤領域指定データは、例えば、誤り画素を「1」(黒)、誤り画素でない画素を「0」(白)で示す2値の画像データである。なお、特定部1306が誤領域指定データを生成する方法は上述したものに限られず、2つの画像データが各々示す画像を対応付け、それらのうち所定値以上の差異を有する領域を特定する方法であれば、既知のいずれの方法を採用してもよい。
【0064】
誤領域指定データが記憶部1301に記憶されると、判定部1307は誤領域指定データが示す誤りの領域の面積が所定の閾値以上、例えば、補正第1面読取画像データが示す画像の全面積の0.1%にあたる面積以上であるか否かを判定する。判定部1307は、誤りの領域の面積が閾値以上であると判定した場合はその判定結果を示すデータ「NG」を、誤りの領域の面積が閾値より小さいと判定した場合はその判定結果を示すデータ「OK」を、記憶部1301に記憶させる。
【0065】
搬送制御部1303は、データ「NG」が記憶部1301に記憶された場合、搬送機構123を制御して、紙をポイントfからポイントeに向かう方向に搬送させ、排紙トレイ127に排出させるとともに、給紙トレイ121または給紙トレイ122から新たな紙を画像形成部124に供給させる。
【0066】
一方、搬送制御部1303は、データ「OK」が記憶部1301に記憶された場合、搬送機構123を制御して紙をポイントfからポイントeに向かう方向に搬送させ、ポイントd、ポイントg、ポイントbを経由して再び画像形成部124に供給した後、ポイントc、ポイントd、ポイントeを経由し再びポイントfに到達させる。なお、第1面に画像が形成された後、画像形成部124に再び供給される紙は、第2辺が搬送方向の先端となり、第2面が感光体1241に対向することになる。
【0067】
形成制御部1304は、データ「NG」が記憶部1301に記憶された場合、画像形成部124を制御し、新たに供給される紙に第1面形成用画像データに従った画像の形成をやり直させる。一方、形成制御部1304は、データ「OK」が記憶部1301に記憶された場合、受信画像データから第2ページの画像を示す画像データを第2面形成用画像データとして分離し記憶部1301に記憶させた後、画像形成部124を制御し、供給される紙、すなわち第1面に画像の形成された紙の第2面に第2面形成用画像データに従った画像を形成させる。その結果、紙の第2面に図6(b)に示される画像が形成されることになる。
【0068】
読取制御部1305は、データ「NG」が記憶部1301に記憶された場合、その後に搬送されてきた紙を画像読取部125が読み取って生成した信号に従い生成した画像データを再び第1面読取画像データとして記憶部1301に記憶させる。一方、読取制御部1305は、データ「OK」が記憶部1301に記憶された場合、その後に搬送されてきた紙を画像読取部125が読み取って生成した信号に従い生成した画像データを第2面読取画像データとして記憶部1301に記憶させる。
【0069】
特定部1306は、再び第1面読取画像データが記憶部1301に記憶されると、上述した第1面に関する誤領域指定データの生成処理を繰り返す。一方、第2面読取画像データが記憶部1301に記憶されると、特定部1306は第2面形成用画像データおよび第2面読取画像データを用いて第2面に関する誤領域指定データを生成し、記憶部1301に記憶させる。
【0070】
第2面に関する誤領域指定データの生成処理は、第1面形成用画像データと第1面読取画像データを用いて特定部1306が行う第1面に関する誤領域指定データの生成処理と、用いる閾値が異なる点を除き、同様である。第1面に関する誤領域指定データの生成処理においては、上述したように、特定部1306は第1面形成用画像データが示す画像と補正第1面読取画像データが示す画像との濃度差が32以上である領域を誤りの領域として特定する。一方、第2面に関する誤領域指定データの生成処理において、特定部1306は、例えば第2面形成用画像データが示す画像と第2面読取画像データに傾き補正等を施して得られる補正第2面読取画像データが示す画像との濃度差が64以上である領域を誤りの領域として特定する。
【0071】
なお、特定部1306が用いるこれらの閾値は例示であって、第1面に関する誤領域指定データの生成処理に用いられる閾値よりも第2面に関する誤領域指定データの生成処理に用いられる閾値の方が大きい値であれば、それらの閾値は任意に変更可能である。
【0072】
判定部1307は、誤領域指定データが記憶部1301に記憶されると、新たに記憶された誤領域指定データに関し、誤りの領域の面積が所定の閾値以上あるか否かを判定する。判定部1307は、第1面に関する誤領域指定データに関し判定を行った場合、既に述べたように、その判定結果を示すデータ「NG」または「OK」を記憶部1301に記憶させる。一方、判定部1307は、第2面に関する誤領域指定データに関し判定を行った場合、誤りの領域の面積が所定の閾値以上であればデータ「NG」を、誤りの領域の面積が所定の閾値より小さければデータ「CLR」を、それぞれ記憶部1301に記憶させる。
【0073】
データ「NG」が記憶部1301に記憶された後のデータ処理装置12の動作は、上述したとおりである。すなわち、データ処理装置12は紙を排紙トレイ127に排出した後、新たな紙の第1面への画像形成およびその後の処理をやり直す。
【0074】
データ「CLR」が記憶部1301に記憶された場合、搬送制御部1303は、搬送機構123を制御して、紙をポイントfからポイントeに向かう方向に搬送させ、排紙トレイ126に排出させる。これにより、データ処理装置12は一連の処理を完了する。
【0075】
図7は、データ処理装置12により生成された第2面読取画像データが示す画像の例を示した図である。第2面読取画像データは、第1面への画像形成が正しく行われた後、第2面への画像形成がされた紙を、第2面から読み取って生成された画像データである。図7(a)は、第2面の画像形成に失敗があり、黒丸形状の汚れ画像が第2面に付いている場合の第2面読取画像データが示す画像である。汚れ画像の濃度は80であるものとする。一方、図7(b)は第2面の画像形成が正しく行われた場合の第2面読取画像データが示す画像である。
【0076】
図7が示すように、第2面読取画像データが示す画像には、第2面に形成されている画像に加え、第1面読取画像データが示す画像の鏡像が元の画像の濃度よりも低い濃度で、180度回転された状態で現れている。これは、第1面に形成された画像が紙を透過して第2面の方向から見えるためである。以下、このように紙を透過して見える画像を「裏写り画像」と呼び、裏写り画像の濃度を「裏写り濃度」と呼ぶ。
【0077】
裏写り濃度は、第1面に形成された画像の濃度、裏写り画像と重なる部分の第2面に形成された画像の濃度、第1面から紙に照射される光の強さ、そして紙の属性、すなわち紙の種類や厚さ等により左右される。以下の説明においては便宜的に、裏写り濃度は第1面に形成された画像の濃度の20%であり、裏写り画像と第2面の画像とが重なった領域の濃度は、裏写り濃度と第2面の濃度を加算した濃度とする。例えば、第1面に濃度200の画像が形成されており、第2面の同じ位置に何も画像が形成されていない場合、その位置における第2面から見た画像の濃度は、200×20%=40となる。また、第1面に濃度200の画像が形成されており、第2面の同じ位置に濃度200の画像が形成されている場合、その位置における第2面から見た画像の濃度は、裏写り濃度の40と第2面の濃度200を加えた240となる。
【0078】
従って、図7に示される画像に含まれる裏写り画像のうち文字「B」と重なっていない部分の濃度は40であり、文字「B」と重なっている部分の濃度は240である。
【0079】
図8は、上記の条件下で、仮に特定部1306が第2面に関する誤りの領域の特定に用いる閾値として、第1面に関する誤りの領域の特定に用いる閾値と同じ32を用いた場合に特定される誤りの領域を示す図である。図8(a)および(b)は、それぞれ図7(a)および(b)に対応している。図8に示されるように、第2面に関する誤りの領域の特定に閾値32を用いた場合、裏写り画像の領域は誤りの領域として特定される。従って、この場合、判定部1307は、第2面に汚れ等がない図7(b)の画像を、正しく形成されていない画像と判定してしまう。
【0080】
しかしながら、特定部1306は、第2面に関する誤りの領域の特定に用いる閾値を第1面に関する32から64へと変更する。そのため、特定部1306が実際に特定する第2面に関する誤り領域は図9のようになる。図9(a)および(b)は、それぞれ図7(a)および(b)に対応している。図9に示されるように、裏写り画像の領域は誤りの領域として特定されない。従って、判定部1307は、第2面に汚れ画像を含む図7(a)の画像を正しく形成されていない画像と判定し、第2面に汚れ画像を含まない図7(b)の画像を正しく形成されている画像と判定する。
【0081】
なお、上述した説明において、給紙トレイ121および給紙トレイ122のいずれから供給される紙に関しても、第2面に関する誤りの領域の特定に用いる閾値は同じであるものとしたが、給紙トレイ121および給紙トレイ122のいずれから供給された紙であるかに応じて、異なる閾値を用いるようにデータ処理装置12を構成してもよい。
【0082】
(2)第2実施形態
続いて、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、第1実施形態とその構成、動作において多くの点で共通しているので、以下には、第2実施形態が第1実施形態と異なる点のみ説明し、他は省略する。
【0083】
第2実施形態にかかるシステム2がシステム1と異なる点は、記憶部1301に記憶されているデータと、特定部1306の処理である。
【0084】
システム2の記憶部1301には、予め、紙の種類および平米当たり重量の組合せの各々に関し、特定部1306が誤りの領域を特定するために用いる閾値を示す閾値データが記憶されている。図10は、閾値データの内容を例示した図である。閾値データは複数のレコードを含み、各レコードは、紙の種類、紙の平米当たり重量、およびそれらの組合せに対応する閾値を示すデータを含んでいる。なお、紙の種類および平米当たり重量は紙の属性の一例であって、例えば紙の厚さ、色、濃度等を紙の属性として用いてもよい。
【0085】
ユーザは、例えばキーボード1205を操作して、画像の形成に用いる紙の種類および平米当たり重量を指定する。その後、ユーザの操作に応じてPC11からデータ処理装置12に画像データが送信されると、システム2のデータ処理装置12は以下に説明する点を除きシステム1のデータ処理装置12と同様の処理を行う。
【0086】
システム2のデータ処理装置12の処理がシステム1のデータ処理装置12の処理と異なるのは、特定部1306が第2面に関する誤りの領域の特定を行う場合、所定の閾値ではなく、ユーザにより指定された紙の種類および平米当たり重量の組合せに対応する閾値を用いる点である。例えば、ユーザにより「ケント紙」「120g/平米」が指定されたとする。この場合、特定部1306は閾値データから「ケント紙」「平米当たり重量」を検索キーとして該当するレコードの検索を行い、検索結果として得られたレコードから閾値56を得る。特定部1306は第2面に関する誤りの領域の特定において、検索により得た閾値56を用いる。
【0087】
例えば、120g/平米のケント紙に画像形成を行った場合の第2面読取画像データが示す画像が図7(a)の画像であり、汚れ画像の濃度が第1実施形態の場合より低く60であるとする。なお、図7(a)の画像の他の画像の濃度は、第1実施形態におけるものと同様とする。このように、汚れの濃度が閾値64より小さい場合、システム1のデータ処理装置12は汚れ画像の領域を誤りの領域として特定しない。従って、システム1のデータ処理装置12は汚れ画像を含む図7(a)の画像を正しく形成された画像と判定してしまう。これに対し、システム2のデータ処理装置12は、誤りの領域を特定するための閾値として紙の属性に応じて決定された閾値56を用いるため、汚れ画像の領域を誤りの領域として特定し、汚れ画像を含む図7(a)の画像を正しく形成されていない画像と判定する。
【0088】
(2−1)変形例
上述した第2実施形態を以下のように変形してもよい。変形例においては、ユーザが紙の種類および平米当たり重量を指定する必要はなく、データ処理装置12が自動的に紙の属性を特定し、誤りの領域の特定に用いる閾値を決定する。
【0089】
変形例においては、記憶部1301に図10に示す閾値データの代わりに、図11に示す閾値データが予め記憶されている。図11に示す閾値データは、濃度255の画像が裏写りした場合の裏写り濃度に対応する閾値を示すデータである。
【0090】
特定部1306は、通常の画像形成に伴い生成される第1面読取画像データ、第2面形成用画像データおよび第2面読取画像データに基づき、第1面に濃度255の画像が形成されており第2面に画像が形成されていない部分を読み取った画像の濃度を裏写り濃度として特定する。
【0091】
特定部1306は、閾値データから、上記のように特定した裏写り濃度を検索キーとして該当するレコードの検索を行い、検索結果として得られたレコードから閾値を得る。特定部1306は第2面に関する誤りの領域の特定において、検索により得た閾値を用いる。
【0092】
また、第1面に濃度255の画像が含まれていない場合、特定部1306は他の濃度の画像に関する裏写り濃度に基づき、例えば所定の算出式や変換データを用いて、濃度255の画像に関する裏写り濃度を決定する。または、特定部1306は、他の濃度の画像に関する裏写り濃度に基づき、例えば所定の算出式や変換データを用いて、直接、対応する閾値を決定する。
【0093】
また、上記のように、第1面読取画像データ、第2面形成用画像データおよび第2面読取画像データに基づき特定した裏写り濃度を検索キーとして閾値データから閾値を検索する代わりに、特定した裏写り濃度に基づき、所定の算出式を用いて閾値を決定するように特定部1306を構成してもよい。
【0094】
また、上記のように、通常の画像形成に伴い生成される第1面読取画像データ、第2面形成用画像データおよび第2面読取画像データに基づき裏写り濃度を特定する代わりに、裏写り濃度の特定のための画像形成および画像読み取りを行わせるようにデータ処理装置12を構成してもよい。その場合、記憶部1301には予め濃度255の画像を含む裏写り濃度決定用の画像データを記憶させておく。ユーザの所定の操作に応じて、データ処理装置12は第1面に裏写り濃度決定用の画像データに従った画像を形成し、第2面に画像形成を行わず、第2面を読み取って第2面読取画像データを生成する。特定部1306は、上記のように生成した第2面読取画像データと裏写り濃度決定用の画像データとに基づき、裏写り濃度を特定する。
【0095】
また、上記のように、第1面読取画像データ、第2面形成用画像データおよび第2面読取画像データに基づき特定した裏写り濃度を用いる代わりに、例えばポイントa付近に紙の搬送経路を挟んで対向する位置に発光器および受光器を設け、受光器が生成する信号が示す光の強度を用いて、誤りの領域の特定に用いる閾値を決定するようにデータ処理装置12を構成してもよい。その場合、発光器は紙の通過時に所定の強さの光を発光し、受光器は発光器から発光された光のうち紙を透過した光を受光して受光した光の強度を示す信号を特定部1306に出力する。記憶部1301には予め、裏写り濃度に代えて光の強度に対応する閾値を示す閾値データを記憶させておき、特定部1306はその閾値データから、受光器から受け取った信号が示す光の強度を検索キーとして該当するレコードを検索し、検索結果として得られたレコードから閾値を得る。もしくは、特定部1306は受光器から受け取った信号が示す光の強度に基づき、所定の算出式を用いて閾値を決定する。
【0096】
(3)第3実施形態
続いて、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態は、第2実施形態(およびその変形例)とその構成、動作において多くの点で共通しているので、以下には、第3実施形態が第2実施形態と異なる点のみ説明し、他は省略する。
【0097】
第3実施形態にかかるシステム3がシステム2と異なる点は、特定部1306および判定部1307の処理である。
【0098】
なお、以下の説明において、第1面形成用画像データが示す画像が図6(a)、第2面形成用画像データが示す画像が図6(b)、第2面読取画像データが示す画像が図7(a)または(b)であるものとする。また、図6および図7に示される文字および汚れ画像の濃度は第1実施形態におけるものと同様であるものとする。すなわち、文字「A」および「B」の濃度は200、裏写り画像の濃度は40、文字「B」と裏写り画像との重なり部分の濃度は240、汚れ画像の濃度は80である。
【0099】
また、第1面形成用画像データと第1面読取画像データの差異は無視できる程度のものであるとする。すなわち、第1面読取画像データが示す画像も図6(a)であるものとする。従って、以下の説明において、第1面形成用画像データを第1面読取画像データと読み替えてよく、また第1面読取画像データを第1面形成用画像データと読み替えてよい。なお、紙の位置ずれや伸び等に伴い、第1面形成用画像データと第1面読取画像データとの差異が無視できない程度のものである場合、特定部1306は以下に説明する処理において、第1面読取画像データに代えて、位置ずれや伸び等の影響を解消するように補正された補正第1面読取画像データを用いる。
【0100】
システム3の特定部1306は、第2面に関する誤りの領域の特定に先立ち、第1面読取画像データが示す画像を構成する画素の位置を各々対角位置に移動するとともに各画素の濃度に所定の乗率、例えば0.15(15%)を乗じて、裏写り近似画像データを生成する。図12は、裏写り近似画像データが示す画像を示す図である。裏写り近似画像データが示す画像の濃度は30(200×0.15=30)である。
【0101】
なお、第1面の濃度と裏写り画像の濃度との変換用のデータを予め記憶部1301に記憶させておき、乗率を用いる代わりに変換用のデータに従い裏写り近似画像データを生成するように特定部1306を構成してもよい。
【0102】
続いて、特定部1306は、第2面形成用画像データが示す画像の各画素の濃度に裏写り近似画像データが示す画像の各画素の濃度をそれぞれ加算して、照合用画像データを生成する。図13は、照合用画像データが示す画像を示す図である。照合用画像データが示す画像のうち、文字「B」の濃度は200、裏写り画像の濃度は30、それらの重なり部分の濃度は230である。
【0103】
続いて、特定部1306は、照合用画像データと第2面読取画像データとを用いて誤りの領域の特定を行う。システム3における照合用画像データと第2面読取画像データを用いた誤りの領域の特定の処理は、用いる閾値が32である点を除き、システム1における第2面形成用画像データおよび第2面読取画像データを用いた誤りの領域の特定の処理と同様である。
【0104】
すなわち、特定部1306は、照合用画像データおよび第2面読取画像データの各々が示す画像に含まれる画素の濃度差が閾値32以上である領域を誤りの領域として特定する。その結果、誤領域指定データが示す画像は図9に示したものと同様のものとなる。従って、判定部1307は、汚れ画像を含む図7(a)の画像を正しく形成されていない画像と判定し、汚れ画像を含まない図7(b)の画像を正しく形成されている画像と判定する。
【0105】
(3−1)第1変形例
上述した第3実施形態を以下のように変形してもよい。以下に示す第3実施形態の変形例を「第1変形例」と呼ぶ。
【0106】
第1変形例において、特定部1306は、上述した第3実施形態における照合用画像データとは異なる照合用画像データを生成し用いる。特定部1306は裏写り近似画像データを生成した後、紙の位置ずれや伸び等に伴い生じる第2面読取画像データが示す裏写り画像と裏写り近似画像データが示す裏写り画像との差異を解消するように、第2面読取画像データに傾き補正、伸縮補正、位置補正等を施し、補正第2面読取画像データを生成する。特定部1306が裏写り近似画像データと第2面読取画像データに基づき補正第2面読取画像データを生成する処理は、第1面形成用画像データと第1面読取画像データに基づき補正第1面読取画像データを生成する処理と同様である。
【0107】
続いて、特定部1306は、補正第2面読取画像データが示す画像の各画素の濃度から裏写り近似画像データが示す画像の各画素の濃度をそれぞれ差し引いて、照合用画像データを生成する。第1変形例において特定部1306が生成する照合用画像データが示す画像は、図13に示したものと同様の形状であるが、文字「B」の濃度は200、裏写り画像の濃度は10(40−30=10)、それらの重なり部分の濃度は210(240−30=210)である。
【0108】
続いて、特定部1306は、第2面形成用画像データと照合用画像データとを用いて、誤りの領域の特定を行う。すなわち、特定部1306は、第2面形成用画像データおよび照合用画像データの各々が示す画像に含まれる画素の濃度差が閾値32以上である領域を誤りの領域として特定する。その結果、誤領域指定データが示す画像は図9に示したものと同様のものとなる。従って、判定部1307は、汚れ画像を含む図7(a)の画像を正しく形成されていない画像と判定し、汚れ画像を含まない図7(b)の画像を正しく形成されている画像と判定する。
【0109】
(3−2)第2変形例
上述した第3実施形態を以下のように変形してもよい。以下に示す第3実施形態の変形例を「第2変形例」と呼ぶ。
【0110】
第2変形例においても、特定部1306は、上述した第3実施形態における照合用画像データとは異なる照合用画像データを生成し用いる。特定部1306は裏写り近似画像データの生成の前もしくは後に、紙の位置ずれや伸び等に伴い生じる第2面読取画像データが示す第2面に形成された画像と第2面形成用画像データが示す画像との差異を解消するように、第2面読取画像データに傾き補正、伸縮補正、位置補正等を施し、補正第2面読取画像データを生成する。特定部1306が第2面形成用画像データと第2面読取画像データに基づき補正第2面読取画像データを生成する処理は、第1面形成用画像データと第1面読取画像データに基づき補正第1面読取画像データを生成する処理と同様である。
【0111】
続いて、特定部1306は、第2面読取画像データが示す画像の各画素の濃度から第2面形成用画像データが示す画像の各画素の濃度をそれぞれ差し引いて、照合用画像データを生成する。図14は、第2変形例において特定部1306が生成する照合用画像データが示す画像を示した図である。図14(a)および(b)は、それぞれ図7(a)および(b)に対応する。図14に示される裏写り画像の濃度は40、汚れ画像の濃度は80である。
【0112】
続いて、特定部1306は、裏写り近似画像データと照合用画像データとを用いて、誤りの領域の特定を行う。すなわち、特定部1306は、裏写り近似画像データおよび照合用画像データの各々が示す画像に含まれる画素の濃度差が閾値32以上である領域を誤りの領域として特定する。その結果、誤領域指定データが示す画像は図9に示したものと同様のものとなる。従って、判定部1307は、汚れ画像を含む図7(a)の画像を正しく形成されていない画像と判定し、汚れ画像を含まない図7(b)の画像を正しく形成されている画像と判定する。
【0113】
(3−3)第3変形例
上述した第3実施形態を以下のように変形してもよい。以下に示す第3実施形態の変形例を「第3変形例」と呼ぶ。
【0114】
上述した第3実施形態のシステム3は、紙の第1面に形成された画像の裏写り画像と第2面に形成された画像との相対的な位置関係が、第1面形成用画像データが示す画像の鏡像を180度回転したものと第2面形成用画像データが示す画像との相対的な位置関係とほぼ一致する場合においては問題なく機能する。
【0115】
しかしながら、紙の位置ずれや伸び等に伴い、紙の第1面に形成された画像の裏写り画像と第2面に形成された画像との相対的な位置関係と、第1面形成用画像データが示す画像の鏡像を180度回転したものと第2面形成用画像データが示す画像との相対的な位置関係との間に無視できない程度の差異が生じる場合がある。そのような場合、上述した第3実施形態(およびその第1〜第2変形例)のシステム3は第2面に関する判定において、期待する精度で正しく形成された画像と正しく形成されていない画像とを判別できない可能性がある。
【0116】
上記の問題を解消するため、第3変形例において、特定部1306は照合用画像データの生成において紙の位置ずれや伸び等の影響を解消するように補正された補正裏写り近似画像データを裏写り近似画像データの代わりに用いる。
【0117】
特定部1306が補正裏写り近似画像データを生成するためには、第1面に形成される画像と第2面に形成される画像との相対的な位置関係が、理想的なものからどのようにずれているかを特定する必要がある。そのため、第3変形例において、記憶部1301には予め図15に示すような画像を示す相対位置特定用の画像データが記憶されている。図15(a)および(b)は、それぞれ第1面および第2面に形成されるべき画像を示している。図15(a)の画像と図15(b)の画像とは、互いに鏡像を180度回転した関係となっている。
【0118】
ユーザの所定の操作に応じて、データ処理装置12は相対位置特定用の画像データに従い、第1面および第2面に画像の形成を行い、第2面を読み取って第2面読取画像データを生成する。図16は、そのように生成された第2面読取画像データが示す画像を示した図である。図16において、線分ABおよび線分BCは裏写り画像を示し、線分DEおよび線分EFは第2面に形成されている画像を示す。
【0119】
特定部1306は、例えば線分DEの長さに対する線分ABの長さの比率を示す縦伸縮率データと、線分EFの長さに対する線分BCの長さの比率を示す横伸縮率データを生成し、記憶部1301に記憶させる。また、特定部1306は、線分DEを基準とした線分ABの傾き角度を示す傾き角度データを生成し、記憶部1301に記憶させる。また、特定部1306は、点Eを始点とし点Bを終点とするベクトルを示す移動ベクトルデータを生成し、記憶部1301に記憶させる。
【0120】
その後、画像形成に伴い照合用画像データの生成を行う際、特定部1306は裏写り近似画像データが示す画像に対し、記憶部1301に記憶されている縦伸縮率データおよび横伸縮率データが示す縦伸縮率および横伸縮率に従った伸縮処理、傾き角度データが示す傾き角度に従った回転処理、移動ベクトルデータが示すベクトル方向への移動処理を行い、それらの処理の施された画像を示す画像データを補正裏写り近似画像データとして生成する。
【0121】
特定部1306は裏写り近似画像データに代えて補正裏写り近似画像データを用いることにより、照合用画像データを生成する。すなわち、特定部1306は第2面形成用画像データが示す画像の各画素の濃度に補正裏写り近似画像データが示す画像の各画素の濃度をそれぞれ加算して、照合用画像データを生成する。
【0122】
なお、第1面の画像と第2面の画像との相対的な位置関係を特定する方法は上述したものに限られない。例えば、第1面形成用画像データが示す画像と第1面読取画像データが示す画像との照合時には補正第1面読取画像データが生成され、第2面形成用画像データが示す画像と第2面読取画像データが示す画像との照合時には補正第2面読取画像データが生成されるが、それらの補正を行う際には、第1面および第2面の各々に関し、位置ずれ、傾き、伸び等の程度が特定部1306により特定される。そのように特定した第1面および第2面の各々に関する位置ずれ、傾き、伸び等の程度に基づき、第1面の画像と第2面の画像との相対的な位置関係を特定するように特定部1306を構成してもよい。
【0123】
また、照合用画像データを生成するに際して、裏写り近似画像データに代えて補正裏写り近似画像データを用いる代わりに、第2面形成用画像データに逆方向の補正を施した補正第2面形成用画像データを生成し、第2面形成用画像データに代えて補正第2面形成用画像データを用いるように特定部1306を構成してもよい。すなわち、照合においていずれの画像データに対し位置ずれ、伸び等を解消するように補正を施すかは任意に決定可能である。
【0124】
また、第3実施形態およびその第1変形例または第2変形例において、第1面読取画像データを用いて生成した裏写り近似画像データが示す画像と、第2面読取画像データが示す画像との間で濃度の加算もしくは減算を行う際に、それらの画像データの各々が示す紙の角が一致するように、裏写り近似画像データもしくは第2面読取画像データを補正して用いるように特定部1306を構成してもよい。そのような補正によっても、第1面と第2面の画像の相対位置のずれが解消する。
【0125】
(3−4)第4変形例
上述した第3実施形態を以下のように変形してもよい。以下に示す第3実施形態の変形例を「第4変形例」と呼ぶ。
【0126】
第4変形例において、特定部1306は誤領域指定データを生成した後、誤領域指定データと裏写り近似画像データが示す画像の領域との間の相関の程度を示す指標、例えば相関係数を算出し、算出した相関係数が所定値よりも高い場合、裏写り近似画像データの生成に用いる乗率に例えば所定値0.01を加算し補正した後、裏写り近似画像データの再生成を行う。その後、特定部1306は再生成した裏写り近似画像データを用いて、誤りの領域の特定をやり直す。
【0127】
また、特定部1306が乗率を用いる代わりに、第1面の画像の濃度と裏写り画像の濃度との変換用データに従い裏写り近似画像データを生成するように構成されている場合、特定部1306は誤領域指定データを生成した後、誤領域指定データと裏写り近似画像データが示す画像の領域との間の相関の程度を示す指標が所定値よりも高い場合、変換用データが示す裏写り濃度に例えば1.05を乗じて補正した後、裏写り近似画像データの再生成を行う。その後、特定部1306は再生成した裏写り近似画像データを用いて、誤りの領域の特定をやり直す。
【0128】
特定部1306が上記のように乗率もしくは変換用データの裏写り濃度の補正を行う理由は、乗率もしくは変換用データが適正でないために裏写り近似画像データが示す画像の濃度が実際の裏写り画像よりも低くなっている場合、裏写り画像の領域が誤って誤りの領域として特定されるため、裏写り近似画像データが示す画像の濃度を上げて乗率もしくは変換用データの適正化を図るためである。
【0129】
なお、特定部1306はそれ以降の誤りの領域の特定において、補正前の乗率もしくは変換用データを用いてもよいし、補正後のそれらを使い続けるようにしてもよい。
【0130】
(4)第4実施形態
続いて、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態は、第3実施形態とその構成、動作において多くの点で共通しているので、以下には、第4実施形態が第3実施形態と異なる点のみ説明し、他は省略する。
【0131】
システム4がシステム3と異なる点は、記憶部1301に記憶されているデータと、特定部1306の処理である。
【0132】
システム4の記憶部1301には、予め、紙の種類および平米当たり重量の組合せの各々に関し、特定部1306が裏写り近似画像データの生成に用いる乗率を示す乗率データが記憶されている。図17は、乗率データの内容を例示した図である。乗率データは複数のレコードを含み、各レコードは、紙の種類、紙の平米当たり重量、およびそれらの組合せに対応する乗率を示すデータを含んでいる。
【0133】
システム4のユーザは、例えばデータ処理装置12のキーボード1205を操作して、画像の形成に用いる紙の種類および平米当たり重量を指定する。その後、ユーザの操作に応じてPC11からデータ処理装置12に画像データが送信されると、システム4のデータ処理装置12は以下に説明する点を除き上述した第3実施形態(またはその変形例)のシステム3のデータ処理装置12と同様の処理を行う。
【0134】
システム4のデータ処理装置12の処理がシステム3のデータ処理装置12の処理と異なるのは、特定部1306が第2面に関する誤りの領域の特定を行う場合、ユーザにより指定された紙の種類および平米当たり重量の組合せに対応する乗率を用いる点である。例えば、ユーザにより「ケント紙」「120g/平米」が指定されたとする。この場合、特定部1306は乗率データから「ケント紙」「120g/平米」を検索キーとして該当するレコードを検索し、検索結果として得られたレコードから乗率0.18を得る。特定部1306は第2面に関する誤りの領域の特定において、第1面読取画像データが示す画像を構成する画素の位置を対角位置に各々移動するとともに各画素の濃度に検索により得た乗率0.18を乗じることにより裏写り近似画像データを生成する。
【0135】
例えば、120g/平米のケント紙に画像形成を行った場合の第2面読取画像データが示す画像が図7に示されるものであり、汚れ画像の濃度が8であるとする。また、このように濃度の低い汚れ画像の領域であっても誤りの領域として特定されるように、特定部1306が第2面に関する誤り領域の特定に用いる閾値として5が設定されているとする。
【0136】
この場合、第3実施形態のシステム3の特定部1306であれば乗率0.15を用いる結果、照合用画像データの画像に含まれる文字「B」の濃度は200、裏写り画像の濃度は30となる。なお、照合用画像データの画像と照合される第2面読取画像データの画像に含まれる文字「B」の濃度は200、裏写り画像の濃度は40、汚れ画像の濃度は8である。
【0137】
上記のような第2面読取画像データの画像と照合用画像データの画像との照合が行われる結果、特定部1306により特定される誤りの領域は図8に示したものと同様のものとなる。従って、判定部1307は汚れ画像を含む図7(a)の画像のみでなく、汚れ画像を含まない図7(b)の画像も、正しく形成されていない画像と判定してしまう。
【0138】
しかしながら、システム4の特定部1306は紙の属性に応じて決定された乗率を用いる。特定部1306がユーザの指定した紙の属性に応じた乗率0.18を用いた場合、照合用画像データの画像に含まれる文字「B」の濃度は200、裏写り画像の濃度は36となる。
【0139】
上記のような第2面読取画像データの画像と照合用画像データの画像との照合が行われる結果、特定部1306により特定される誤りの領域は図9に示すものとなる。従って、システム4によれば、汚れ画像を含む図7(a)の画像は正しく形成されていない画像と判定され、汚れ画像を含まない図7(b)の画像は正しく形成されている画像と判定される。
【0140】
(4−1)第1変形例
上述した第4実施形態を以下のように変形してもよい。以下に示す第4実施形態の変形例を「第1変形例」と呼ぶ。第1変形例においては、ユーザが紙の種類および平米当たり重量を指定する必要はなく、データ処理装置12が自動的に紙の属性を特定し、裏写り近似画像データの生成に用いる乗率データを決定する。
【0141】
第1変形例においては、記憶部1301に図17に示す乗率データの代わりに、図18に示す乗率データが予め記憶されている。図18に示す乗率データは、濃度255の画像が裏写りした場合の裏写り濃度である代表裏写り濃度に対応する乗率を示すデータである。なお、代表裏写り濃度は濃度255の画像の裏写り濃度に限られず、濃度255以外の所定の濃度の画像の裏写り濃度を代表裏写り濃度としてもよい。
【0142】
特定部1306は、通常の画像形成に伴い生成される第1面読取画像データ、第2面形成用画像データおよび第2面読取画像データに基づき、第1面に濃度255の画像が形成されており第2面に画像が形成されていない部分を読み取った画像の濃度を代表裏写り濃度として特定する。
【0143】
特定部1306は、乗率データから、上記のように特定した代表裏写り濃度を検索キーとして該当するレコードの検索を行い、検索結果として得られたレコードから乗率を得る。特定部1306は裏写り近似画像データの生成において、検索により得た乗率を用いる。
【0144】
また、第1面に濃度255の画像が含まれていない場合、特定部1306は他の濃度の画像に関する裏写り濃度に基づき、例えば所定の算出式や変換データを用いて、濃度255の画像に関する代表裏写り濃度を決定する。または、特定部1306は、他の濃度の画像に関する裏写り濃度に基づき、例えば所定の算出式や変換データを用いて、直接、対応する乗率を決定する。
【0145】
また、上記のように、第1面読取画像データ、第2面形成用画像データおよび第2面読取画像データに基づき特定した代表裏写り濃度を検索キーとして乗率データから乗率を検索する代わりに、特定した代表裏写り濃度に基づき、所定の算出式を用いて乗率を決定するように特定部1306を構成してもよい。
【0146】
また、上記のように、通常の画像形成に伴い生成される第1面読取画像データ、第2面形成用画像データおよび第2面読取画像データに基づき代表裏写り濃度を特定する代わりに、代表裏写り濃度の決定のための画像形成および画像読み取りを行わせるようにデータ処理装置12を構成したり、紙の搬送経路を挟んで発光器と対向する位置に配置された受光器が生成する信号が示す光の強度を代表裏写り濃度の代わりに乗率データの特定のために用いるように構成してもよい点は、第2実施形態の変形例において述べたとおりである。また、特定部1306が受光器から受け取った信号が示す光の強度に基づき、所定の算出式を用いて乗率を決定するようにしてもよい。
【0147】
(4−2)第2変形例
上述した第4実施形態を以下のように変形してもよい。以下に示す第4実施形態の変形例を「第2変形例」と呼ぶ。第2変形例において、記憶部1301には予め、乗率データの代わりに、第1面の濃度に対応する裏写り濃度を示す濃度変換データが記憶されている。図19は、濃度変換データの内容を例示した図である。濃度変換データには、紙の種類および平米当たり重量の組合せの各々に関し、第1面の画像の濃度(第1面濃度)と、第1面濃度の画像の裏写り濃度の対応関係を示す複数のレコードからなるデータセットが含まれている。
【0148】
濃度変換データは、例えばデータ処理装置12の製造業者が、様々な種類および平米当たり重量の紙の第1面に濃度0〜255の画像を形成させた後、その紙を第2面から読み取って生成させた画像データが示す濃度を、それぞれ紙の種類、平米当たり重量、第1面濃度に対応付けることにより作成したものである。
【0149】
特定部1306は、濃度変換データの中からユーザにより指定された紙の種類および平米当たり重量の組合せに対応するデータを抽出し、第1面読取画像データが示す画像の鏡像の濃度(第1面濃度)を、抽出した濃度変換データに従い裏写り濃度に変換することにより、裏写り近似画像データを生成する。このように生成される裏写り近似画像データは、紙の属性に応じた濃度の画像を示すものとなる。
【0150】
なお、第2変形例において、図19に示す濃度変換データの代わりに図20に示す濃度変換データを用いる構成としてもよい。図20に示す濃度変換データは、濃度255の画像が裏写りした場合の裏写り濃度である代表裏写り濃度の各々に対応する第1面濃度と裏写り濃度との関係を示すデータである。
【0151】
図20に示す濃度変換データを用いる場合、特定部1306は、通常の画像形成に伴い生成される第1面読取画像データ、第2面形成用画像データおよび第2面読取画像データに基づき、第1面に濃度255の画像が形成されており第2面に画像が形成されていない部分を読み取った画像の濃度を代表裏写り濃度として特定する。
【0152】
特定部1306は、濃度変換データから、上記のように特定した代表裏写り濃度を検索キーとして該当するデータセットの検索を行い、検索結果として得られたデータセットに従い、裏写り近似画像データを生成する。
【0153】
また、第1面に濃度255の画像が含まれていない場合、特定部1306は他の濃度の画像に関する裏写り濃度に基づき、例えば所定の算出式や変換データを用いて、濃度255の画像に関する裏写り濃度、すなわち代表裏写り濃度を決定する。または、特定部1306は、濃度変換データに含まれる複数のデータセットのうち、第1面の画像の濃度とその画像の裏写り画像を読み取って得られた画像の濃度との組合せを含むデータセットを検索し、検索結果として得られたデータセットに従い、裏写り近似画像データを生成する。
【0154】
また、上記のように、通常の画像形成に伴い生成される第1面読取画像データ、第2面形成用画像データおよび第2面読取画像データに基づき代表裏写り濃度を特定する代わりに、代表裏写り濃度の特定のための画像形成および画像読み取りを行わせるようにデータ処理装置12を構成したり、紙の搬送経路を挟んで発光器と対向する位置に配置された受光器が生成する信号が示す光の強度を代表裏写り濃度の代わりに濃度変換データに含まれるデータセットの特定のために用いるように構成してもよい点は、第2実施形態の変形例において述べたとおりである。
【0155】
(4−3)第3変形例
上述した第4実施形態を以下のように変形してもよい。以下に示す第4実施形態の変形例を「第3変形例」と呼ぶ。第3変形例において、記憶部1301には乗率データは記憶されていない。また、第3変形例において、特定部1306はユーザに指定された紙の種類および平米当たり重量による乗率の検索を行わない。それらに代えて、第3変形例のデータ処理装置12は濃度変換データの生成を行う。
【0156】
ユーザがデータ処理装置12のキーボード1205を操作し、データ処理装置12に対し濃度変換データの生成を指示すると、データ処理装置12は給紙トレイ121または給紙トレイ122からいずれの面にも画像の形成されていない紙を搬送し、画像形成部124により第1面に濃度が0から255まで1ずつ増加しながら変化するパターン画像を形成した後、その紙を画像読取部125により第2面から読み取って第2面読取画像データを生成する。データ処理装置12は、そのように生成した第2面読取画像データが示す濃度を用いて濃度変換データを生成し、記憶部1301に記憶する。
【0157】
図21は、第3変形例においてデータ処理装置12が生成する濃度変換データの内容を例示した図である。第3変形例においてデータ処理装置12が生成する濃度変換データは、紙の種類および平米当たり重量に応じた複数のデータセットではなく1つのデータセットを含むのみである点を除き、図19に示した第2変形例の濃度変換データと同様である。
【0158】
特定部1306は、裏写り近似画像データを生成する際、第1面読取画像データが示す画像の鏡像の濃度(第1面濃度)を濃度変換データに従い裏写り濃度に変換する。
【0159】
なお、第3変形例において、パターン画像により濃度変換データを生成することに加えて、もしくはそれに代えて、通常の画像形成および画像読み取りに伴い、濃度変換データを生成および更新するように特定部1306を構成してもよい。その場合、特定部1306は通常の画像形成および画像読み取りに伴い生成される第1面読取画像データと第2面読取画像データとに基づき、第1面に画像が形成され、第2面に画像が形成されていない紙の部分を第2面から読み取った場合の裏写り画像の濃度を特定する。特定部1306は、そのように特定した裏写り画像の濃度を示すデータで、第1面の画像の濃度に対応する濃度変換データを更新する。
【0160】
(5)変形例
上述した第1〜第4実施形態は、さらに以下のように変形してもよい。
上述した実施形態においてPC11およびデータ処理装置12が備える各構成部の配置は自由に変更可能である。例えば、制御部120の役割をPC11に担わせ、画像形成部124の役割を果たす画像形成装置と、画像読取部125の役割を果たす画像読取装置(画像データ生成装置)とを表裏反転機能を備えた搬送装置を介して連結し、それらの装置をPC11に接続することにより本発明の実施形態にかかるシステムを実現してもよい。
【0161】
また、上述した実施形態において制御部120が実行するアプリケーションをCD−ROM等の記録媒体に格納して提供したり、通信手段を介して信号として送信することにより提供したりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】実施形態にかかるシステムの構成を示した図である。
【図2】実施形態にかかるPCの構成を示した図である。
【図3】実施形態にかかるデータ処理装置の構成を示した図である。
【図4】実施形態にかかる制御部の構成を示した図である。
【図5】実施形態にかかる制御部の機能構成を示した図である。
【図6】実施形態にかかる受信画像データが示す画像を示した図である。
【図7】実施形態にかかる第2面読取画像データが示す画像を示した図である。
【図8】第1実施形態の説明のための誤りの領域を示す図である。
【図9】第1実施形態にかかる誤り領域を示す図である。
【図10】第2実施形態にかかる閾値データを示した図である。
【図11】第2実施形態の変形例にかかる閾値データを示した図である。
【図12】第3実施形態にかかる裏写り近似画像データが示す画像を示した図である。
【図13】第3実施形態にかかる照合用画像データが示す画像を示した図である。
【図14】第3実施形態の第2変形例にかかる照合用画像データが示す画像を示した図である。
【図15】第3実施形態の第3変形例にかかる相対位置特定用の画像データが示す画像を示した図である。
【図16】第3実施形態の第3変形例にかかる第2面読取画像データが示す画像を示した図である。
【図17】第4実施形態にかかる乗率データを示した図である。
【図18】第4実施形態の第1変形例にかかる乗率データを示した図である。
【図19】第4実施形態の第2変形例にかかる濃度変換データを示した図である。
【図20】第4実施形態の第2変形例にかかる濃度変換データを示した図である。
【図21】第4実施形態の第3変形例にかかる濃度変換データを示した図である。
【符号の説明】
【0163】
1…システム、11…PC、12…データ処理装置、111…HDD、112…RAM、113…CPU、114…通信I/F、115…キーボード、116…ディスプレイ、117…バス、120…制御部、121…給紙トレイ、122…給紙トレイ、123…搬送機構、124…画像形成部、125…画像読取部、126…排紙トレイ、127…排紙トレイ、1201…HDD、1202…RAM、1203…CPU、1204…通信I/F、1205…キーボード、1206…ディスプレイ、1207…バス、1231…ゲート、1232…ゲート、1233…ゲート、1241…感光体、1242…帯電ロール、1243…露光器、1244…現像器、1245…転写ロール、1246…定着器、1251…発光器、1252…受光器、1301…記憶部、1302…受信部、1303…搬送制御部、1304…形成制御部、1305…読取制御部、1306…特定部、1307…判定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像データと、画像形成装置により前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成された画像を読み取ることにより生成された第2の画像データと、前記記録媒体の属性を示す属性データとを取得する取得手段と、
前記属性データに基づき前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備えるデータ処理装置。
【請求項2】
記録媒体上に画像を形成する画像形成手段と、
第1の画像データと、前記画像形成手段により前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成された画像を読み取ることにより生成された第2の画像データと、当該記録媒体の属性を示す属性データとを取得する取得手段と、
前記属性データに基づき前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備える画像形成装置。
【請求項3】
記録媒体上に画像を形成する画像形成装置と、
記録媒体上に形成された画像を読み取って画像データを生成する画像データ生成装置と、
データ処理装置と
を備え、
前記データ処理装置は、
第1の画像データと、前記画像形成装置が前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成した画像を前記画像データ生成装置が読み取って生成した第2の画像データと、当該記録媒体の属性を示す属性データとを取得する取得手段と、
前記属性データに基づき前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備えるシステム。
【請求項4】
第1の画像データと、画像形成装置により前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成された画像を読み取ることにより生成された第2の画像データと、前記記録媒体の属性を示す属性データとを取得する処理と、
前記属性データに基づき前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記閾値以上である領域を誤りの領域として特定する処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項5】
第1の画像データと、画像形成装置により前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成された画像を読み取ることにより生成された第2の画像データとを取得する取得手段と、
前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されていない場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して第1の閾値を決定し、前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されている場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して前記第1の閾値よりも大きい値を示す第2の閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記決定された第1もしくは第2の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備えるデータ処理装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記記録媒体の属性を示す属性データを取得し、
前記特定手段は、前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されている場合、前記属性データに基づき前記第2の閾値を決定する
請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
記録媒体上に画像を形成する画像形成手段と、
第1の画像データと、前記画像形成手段により前記第1の画像データに従い前記記録媒体上に形成された画像を読み取ることにより生成された第2の画像データとを取得する取得手段と、
前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されていない場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して第1の閾値を決定し、前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されている場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して前記第1の閾値よりも大きい値を示す第2の閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記決定された第1もしくは第2の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備える画像形成装置。
【請求項8】
記録媒体上に画像を形成する画像形成装置と、
記録媒体上に形成された画像を読み取って画像データを生成する画像データ生成装置と、
データ処理装置と
を備え、
前記データ処理装置は、
第1の画像データと、前記画像形成装置が前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成した画像を前記画像データ生成装置が読み取って生成した第2の画像データとを取得する取得手段と、
記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されていない場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して第1の閾値を決定し、当該記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されている場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して前記第1の閾値よりも大きい値を示す第2の閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記決定された第1もしくは第2の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備えるシステム。
【請求項9】
第1の画像データと、画像形成装置により前記第1の画像データに従い記録媒体上に形成された画像を読み取ることにより生成された第2の画像データとを取得する処理と、
前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されていない場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して第1の閾値を決定し、前記記録媒体が有する面のうち前記第1の画像データに従い画像が形成された面とは異なる面に画像が形成されている場合には前記第1の画像データと前記第2の画像データとの濃度差に対して前記第1の閾値よりも大きい値を示す第2の閾値を決定し、前記第1の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が前記決定された第1もしくは第2の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
第1の画像データと第2の画像データとを取得する取得手段と、
画像形成装置により前記第1の画像データに従い第1面に画像が形成され前記第2の画像データに従い第2面に画像の形成された記録媒体の第2面を読み取って第3の画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記第1の画像データに基づき前記第2の画像データを補正し、当該補正した前記第2の画像データが示す画像と前記第3の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備えるデータ処理装置。
【請求項11】
前記特定手段は、前記第1の画像データが示す画像の鏡像の濃度を所定の規則に従い補正した濃度を前記第2の画像データが示す画像の濃度に加算することにより前記第2の画像データを補正する
請求項10に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
第1の画像データと第2の画像データとを取得する取得手段と、
画像形成装置により前記第1の画像データに従い第1面に画像が形成され前記第2の画像データに従い第2面に画像の形成された記録媒体の第2面を読み取って第3の画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記第1の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備えるデータ処理装置。
【請求項13】
前記特定手段は、前記第1の画像データが示す画像の鏡像の濃度を所定の規則に従い補正した濃度を前記第3の画像データが示す画像の濃度から減算することにより前記第3の画像データを補正する
請求項12に記載のデータ処理装置。
【請求項14】
第1の画像データと第2の画像データとを取得する取得手段と、
画像形成装置により前記第1の画像データに従い第1面に画像が形成され前記第2の画像データに従い第2面に画像の形成された記録媒体の第2面を読み取って第3の画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記第2の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第1の画像データが示す画像の鏡像の濃度を所定の規則に従い補正した濃度を有する画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備えるデータ処理装置。
【請求項15】
前記特定手段は、前記第2の画像データが示す画像の濃度を前記第3の画像データが示す画像の濃度から減算することにより前記第3の画像データを補正する
請求項14に記載のデータ処理装置。
【請求項16】
前記画像データ生成手段は、前記第1面に形成される画像を読み取って前記第1の画像データを生成し、
前記取得手段は、前記画像データ生成手段により生成された前記第1の画像データを取得する
請求項10乃至15のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項17】
前記特定手段は、前記記録媒体の属性を示す属性データを取得し、前記属性データに基づき前記所定の閾値を決定する
請求項10乃至16のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項18】
前記特定手段は、前記記録媒体の属性を示す属性データを取得し、前記属性データに基づき前記所定の規則を決定する
請求項11、13、14および15のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項19】
前記特定手段は、記録媒体のうち第1面に画像が形成され第2面に画像が形成されていない部分を第2面から読み取って生成された画像データと当該第1面に形成された画像を示す画像データとに基づき、記録媒体の第1面に所定の濃度で形成された画像を第2面から読み取った場合の裏写り濃度を特定し、前記裏写り濃度から得られたデータを前記属性データとして用いる
請求項17または18に記載のデータ処理装置。
【請求項20】
記録媒体を挟んで対向する位置に配置された発光体から発光された光のうち記録媒体を透過した光の強度を測定する測定手段を備え、
前記特定手段は、前記測定手段により測定された透過した光の強度から得られたデータを前記属性データとして用いる
請求項17または18に記載のデータ処理装置。
【請求項21】
第1の画像データと第2の画像データとを取得する取得手段と、
前記第1の画像データに従い記録媒体の第1面に画像を形成し、前記第2の画像データに従い前記記録媒体の第2面に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により第1面および第2面に各々画像の形成された前記記録媒体の第2面を読み取って第3の画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記第1の画像データに基づき前記第2の画像データを補正し、当該補正した前記第2の画像データが示す画像と前記第3の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備える画像形成装置。
【請求項22】
第1の画像データと第2の画像データとを取得する取得手段と、
前記第1の画像データに従い記録媒体の第1面に画像を形成し、前記第2の画像データに従い前記記録媒体の第2面に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により第1面および第2面に各々画像の形成された前記記録媒体の第2面を読み取って第3の画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記第1の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備える画像形成装置。
【請求項23】
第1の画像データと第2の画像データとを取得する取得手段と、
前記第1の画像データに従い記録媒体の第1面に画像を形成し、前記第2の画像データに従い前記記録媒体の第2面に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により第1面および第2面に各々画像の形成された前記記録媒体の第2面を読み取って第3の画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記第2の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第1の画像データが示す画像の鏡像の濃度を所定の規則に従い補正した濃度を有する画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備える画像形成装置。
【請求項24】
記録媒体上に画像を形成する画像形成装置と、
記録媒体上に形成された画像を読み取って画像データを生成する画像データ生成装置と、
データ処理装置と
を備え、
前記データ処理装置は、
第1の画像データと、第2の画像データと、前記画像形成装置が前記第1の画像データに従い第1面に画像を形成し前記第2の画像データに従い第2面に画像を形成した記録媒体の第2面を前記画像データ生成装置が読み取って生成した第3の画像データとを取得する取得手段と、
前記第1の画像データに基づき前記第2の画像データを補正し、当該補正した前記第2の画像データが示す画像と前記第3の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備えるシステム。
【請求項25】
記録媒体上に画像を形成する画像形成装置と、
記録媒体上に形成された画像を読み取って画像データを生成する画像データ生成装置と、
データ処理装置と
を備え、
前記データ処理装置は、
第1の画像データと、第2の画像データと、前記画像形成装置が前記第1の画像データに従い第1面に画像を形成し前記第2の画像データに従い第2面に画像を形成した記録媒体の第2面を前記画像データ生成装置が読み取って生成した第3の画像データとを取得する取得手段と、
前記第1の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備えるシステム。
【請求項26】
記録媒体上に画像を形成する画像形成装置と、
記録媒体上に形成された画像を読み取って画像データを生成する画像データ生成装置と、
データ処理装置と
を備え、
前記データ処理装置は、
第1の画像データと、第2の画像データと、前記画像形成装置が前記第1の画像データに従い第1面に画像を形成し前記第2の画像データに従い第2面に画像を形成した記録媒体の第2面を前記画像データ生成装置が読み取って生成した第3の画像データとを取得する取得手段と、
前記第1の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する特定手段と
を備えるシステム。
【請求項27】
第1の画像データと、第2の画像データと、前記第1の画像データに従い第1面に画像が形成され前記第2の画像データに従い第2面に画像が形成された記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された第3の画像データとを取得する処理と、
前記第1の画像データに基づき前記第2の画像データを補正し、当該補正した前記第2の画像データが示す画像と前記第3の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項28】
第1の画像データと、第2の画像データと、前記第1の画像データに従い第1面に画像が形成され前記第2の画像データに従い第2面に画像が形成された記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された第3の画像データとを取得する処理と、
前記第1の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項29】
第1の画像データと、第2の画像データと、前記第1の画像データに従い第1面に画像が形成され前記第2の画像データに従い第2面に画像が形成された記録媒体の第2面を読み取ることにより生成された第3の画像データとを取得する処理と、
前記第1の画像データに基づき前記第3の画像データを補正し、当該補正した前記第3の画像データが示す画像と前記第2の画像データが示す画像との間で濃度差が所定の閾値以上である領域を誤りの領域として特定する処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−78457(P2009−78457A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249475(P2007−249475)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】