説明

データ及びレーベルを記録可能な光ディスク並びに光ディスク記録再生装置。

【課題】 レーベル面にタイトル等の情報を書き込む場合にいちいち光ディスクを裏返す必要が無く、光ディスクのレーベルの作成の手間を大幅に省くこと。
【解決手段】 ディスク表面の保護層から順番に反射層、レーベル記録層、中間層0、反射層0、データ記録層0、基板0の順番に接着材にて張り合わせもしくは蒸着している光ディスクにおいてディスク裏面からレーザーにてピットを書き込み消去可能なレーベル記録層に書き込んだピットが保護層側から見える様に反射層を半透明にして、さらに保護層を透明にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタルデータ及び文字・絵等のイメージをレーベル面から見える様にレーベル面の裏側のディジタルデータを記録する面から記録可能な光ディスク、光磁気ディスク及びそのディジタルデータ及びイメージの記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像・音声信号を記録する民生用の機器として光又は光磁気を使用したディジタルデータを記録再生可能なディジタルビデオディスク(DVD_RAM、DVD−RW、DVD+RW規格等が有る。以下、“光ディスク”と呼ぶ。)とハードディスクを内蔵したディジタルビデオディスクレコーダー(以下“HDDレコーダー”と呼ぶ)が普及してきている。
【0003】
現在、記録済みの光ディスクの録画内容を表示する為に、データ記録面と逆側のレーベル面に手書きもしくはプリンターにて録画済データのタイトル名等の情報を書き込む事が一般的に行われている。
【0004】
しかし、手書きでは見苦しいのとプリンターを使用する場合は光ディスクのレーベル面に印字可能なプリンターを用意しなければならないし、一旦光ディスクをHDDレコーダーから取り外してプリンターにセットする必要があるので煩わしい。又、プリンターの場合は一旦書いた文字を消せないという問題が有る。
【0005】
上記の様な問題点に対して、レーベル面にタイトル名等のイメージを書き込む従来例としては、特許文献1に記載された光記録媒体及びイメージの形成方法の様に光ディスクの1/2の厚さでデータを記録できる様にして、そのディスクを2枚貼り付けてディジタルデータの記録層と逆側の層に文字や絵等のイメージを書き込むという方法が開示されている。
【特許文献1】特開平11−110816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来例の特許文献1においては、レーベル面からイメージを書き込む場合、ディジタルデータ記録用とは別のイメージ書き込み用レーザーもしくはキセノンランプが必要となり、コストアップにつながる。
又、データ記録用レーザーをイメージ書き込み用としても使用する場合、レーベル面がデータ記録用レーザー側に来る様にいちいちディスクを裏返す必要があり、煩わしい。
今回のデータ及びレーベル記録媒体とその作成装置は上記の従来例を鑑み、レーベル面にタイトル等の情報を書き込む場合にいちいち光ディスクを裏返す必要が無く、レーベル面の情報を書き換える事も可能であり、又、ディジタルデータの記録と同時にレーベル面の情報を書き込み、HDDレコーダーのデータを光ディスクにダビングする時に同時にタイトルも書き込む構成も可能でタイトル作成時間をわざわざ取らない事もでき、さらにEPG等の電子番組表からの番組情報を元に日付やタイトルも書き込む様にすれば、現行の光ディスクのタイトル作成をほぼ全自動で行わせる事もできるようにすること、即ち、本発明は、光ディスクのレーベルの作成の手間を大幅に省くことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクは、ディスク表面の保護層から順番に反射層、レーベル記録層、中間層0、反射層0、データ記録層0、基板0の順番に接着材にて張り合わせもしくは蒸着している光ディスクにおいてディスク裏面からレーザーにてピットを書き込み消去可能なレーベル記録層に書き込んだピットが保護層側から見える様に反射層を半透明にして、さらに保護層を透明にする事を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上述べてきた様に本発明のデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク及びその記録再生装置は、請求項1に述べた様に、本発明のデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクを用い、他のレーベル面印字方式と違いディスクをいちいちひっくり返さなくてもレーベルに印字可能で、かつ、データ(ピット)を書き換え可能な記録層と同じ材質を使用する事によりレーベル面の印字内容を書き換える事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明のデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク及びその記録再生装置の一実施例について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
まず、本発明の一実施形態を詳細に述べる前に装置の概略構成及び光ディスクの構成について図面を用いて説明を行う。図1は本発明の一実施形態の全体の機構の概略及びデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクについて示す。
【0011】
図1において本発明の光ディスク記録再生装置の方は光ディスクのデータ記録面の下側にレーザーを支持し、リニアモータを動かしてレーザーを前後に動かすスライダとその上のレーザーとレーザーを左右と上下に3次元的に動かす2軸アクチュエーターを搭載したレーザー1から構成される。なお、レーザー1は少なくともディスクのデータ記録面と反対側のレーベル記録面の2箇所にフォーカスがロックする性能を有するものを使用する。
【0012】
次に、図2は本発明のデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクの一実施例を示す。図2(a)においてレーベル記録面から説明する。
本発明の光ディスクは、保護層、反射層、レーベル記録層、中間層0、反射層0、データ記録層0、基板0から構成される。
【0013】
ここで、保護層は紫外線硬化樹脂等の透明な樹脂で、その下の半透明な反射層を保護する。半透明な反射層はレーベル記録層のピットがレーベル記録面から見える役割とピットを消去する時にレーザーと同じ位置に有る受光素子で記録済みのピットを判断する時に光を反射する役割を有する。反射率は20%前後である。次に、半透明のレーベル記録層はディジタルデータの記録層と同じ材質で、レーザーの熱により物質の“結昌状態”と“アモルファス状態”を変化、即ち反射率を変化させてピットの有無によりディジタルデータの“0”と“1”を記録する。ピットの有無で反射率を変化できる為、ピットを画素と考えると、ピットの大きさは通常1μm以下なので光ディスクのタイトルはもちろん、写真の様な相当細かい濃淡も表現できる。
【0014】
中間層0はポリカーボネート等の透明な樹脂でできていて保護層、反射層、レーベル記録層のベース基板として機能している。反射層0はその下の記録層0の記録済みのピットを判断する時に光を反射する。
反射層0の反射率は40〜50%程度なので、レーベル記録層側にもレーザーの光は届く。
データ記録層0は上記のレーベル記録層と同じ材質で同じ様にディジタルデータをピットにて記録したり、自由に消去できる。この層は光を通す様に非常に薄く基板0上にスパッタリングされている。ポリカーボネート等の透明な樹脂でできている基板0はスパッタリングされている反射層0、記録層0の非常に薄い層のベース基板として機能している。
【実施例2】
【0015】
次に図2(b)は本発明のデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクの一実施をN(Nは2以上)層ディスクに適用した場合を示す。
光ディスクのレーベル記録面から3層とディスクのデータ記録面から3層の間に中間層、反射層、記録層を一組としてN−1層挟みこんでいけばN層ディスクにも本発明のレーベル記録方式を適用できる。
【実施例3】
【0016】
次に、本発明のデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクの記録再生装置についてもう少し具体的に述べる。
図3にデータ及びレーベルを記録再生可能な光ディスク記録再生装置の一実施例を示す。
本発明の光ディスク記録再生装置は前述した構成のデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクにデータを記録したい場合とレーベルを記録したい場合とで大きな違いはフォーカスサーボの制御が違う点なので、以下、フォーカスサーボの手順について簡単に説明を行っていく。
【0017】
なお、図示しないが、本発明には通常の光ディスク記録再生装置と同じく制御用マイコンとフォーカスサーボ以外のサーボ機構であるディスクの回転数・位相制御、スライダ上でレーザー1を動かすスライダ制御、トラッキング制御と信号処理回路が必要不可欠なのは言うまでも無い。
【0018】
図3の2:レーザー1において、20はレーザーダイオード及び受光素子、21はビームスプリッタ、22は対物レンズ、23は4分割フォトダイオード、24はフォーカス誤差検出回路、25はオフセット電圧付加回路、26はフォーカスコイルである。
ここで、レーザーダイオード及び受光素子:20は電圧を加えるとレーザー光を発するレーザーダイオードと反射光の光量でピットの有無(=データの“1”と“0”)を判定する受光素子から構成される。ビームスプリッタ:21は光ディスク:0に当たったレーザーが反射してきた光を受光素子用とフォーカスサーボ用の制御信号に分離する。対物レンズ:22はレーザーダイオード:20からの光とその反射光を集光する。4分割フォトダイオード:23はフォトダイオードA〜Dにてレーザー光(=フォーカスの誤差信号)を検出してVA〜VDの電圧を出力する。フォーカス誤差検出回路:24は(VA+VB)−(VC+VD)の値を計算する回路である。オフセット電圧付加回路:25はフォーカスコイルへ行く電圧量をレーベル記録面とデータ記録面で変化させる為の回路である。フォーカスコイル:26は対物レンズ:22に固定していて、コイル(=電磁石)に行く電圧量を調整する事により、コイルの近くにある永久磁石(図示せず)との反発力を利用して対物レンズを動かす。
【0019】
図3の機構を使用してフォーカスを合わせる手順を説明する。
○データ記録層にフォーカスを合わせる手順
レーザーダイオード及び受光素子:20から出たレーザーはビームスプリッタ:21を透過し、対物レンズ:22にて集光された光は、通常はオフセット付加回路からの印加電圧が0なので、ディスクのデータ用の反射層0で反射されてくる。反射光はビームスプリッタ:21にてレーザーダイオード及び受光素子:20の受光素子にてピットの有無を判断すると共に4分割フォトダイオード:23へ反射光の一部を送る。23はフォトダイオードA〜Dへ行く光の量に応じてVA〜VDの電圧を発生する。発生した電圧はフォーカス誤差信号検出回路:24にて
(VA+VB)−(VC+VD)の演算を行う。なお、
(VA+VB)−(VC+VD)= 0 ならフォーカスはO.K
(VA+VB)−(VC+VD)> 0 ならフォーカスポイントが記録層より遠い
(VA+VB)−(VC+VD)< 0 ならフォーカスポイントが記録層より近い
という事が言える。
【0020】
上記の電圧がフォーカスコイル:26へ送られて、0なら動かさない、0より大きい場合はレンズを下に動かす、0より小さい場合はレンズを上に動かす様な制御を行う。
○レーベル記録層にフォーカスを合わせる手順
レーザーダイオード及び受光素子:20から出たレーザーはビームスプリッタ:21を透過し、対物レンズ:22にて集光された光は、マイコン(図示せず)の指令によりオフセット付加回路:25からの印加電圧がVLになっているので、ディスクのレーベル記録用の反射層で反射されてくる。反射光はビームスプリッタ:21にてレーザーダイオード及び受光素子:20の受光素子にてピットの有無を判断すると共に4分割フォトダイオード:23へ反射光の一部を送る。23はフォトダイオードA〜Dへ行く光の量に応じてVA〜VDの電圧を発生する。発生した電圧はフォーカス誤差信号検出回路:24にて
(VA+VB)−(VC+VD)の演算を行う。なお、
(VA+VB)−(VC+VD)+VL = 0 ならフォーカスはO.K
(VA+VB)−(VC+VD)+VL> 0 ならフォーカスポイントが記録層より遠い
(VA+VB)−(VC+VD)+VL< 0 ならフォーカスポイントが記録層より近いという事が言える。上記の電圧がフォーカスコイル:26へ送られて、0なら動かさない、0より大きい場合はレンズを下に動かす、0より小さい場合はレンズを上に動かす様な制御を行う。
【0021】
以上述べてきた制御を行う事によりレーベル記録層に1μm以下の大きさのピット単位で任意の文字や図や写真等のイメージを書き込む事ができる。
なお、レーベル記録層に書き込むデータは本発明の光ディスク記録再生装置がパソコンに内蔵された場合はユーザーがパソコンから入力できるし、電子番組表が受信可能なパソコンやHDDレコーダーならEPG等の電子番組表からのタイトルや日付や番組の情報を制御用マイコン(図示せず)に取り込んでそのデータをレーベル記録層に自動で書き込む様にすれば、ユーザーがレーベルにタイトル等の情報を書き込む手間は大幅に軽減されると言える。
【0022】
なお、本発明は光ディスクをいちいちひっくり返さずにデータ記録用レーザーによりディスクのデータ記録面方向から書いた文字や図や写真の情報をレーベル面から見る様にした発明で、そのままだと文字等が左右逆になるので、制御用マイコンにて、レーベルに書き込む前に書き込むデータをレーベル面から見て正しく見える様に変換する必要が有る事は言うまでもない。
【実施例4】
【0023】
次に図4を用いて本発明の他の実施例を説明していく。
図4にデータ及びレーベルを記録再生可能な光ディスク記録再生装置の他の実施例を示す。
図4でレーザー1は前述している為省略する。レーザー2:3において30はレーザーダイオード及び受光素子、31はビームスプリッタ、32は対物レンズ、33は4分割フォトダイオード、34はフォーカス誤差検出回路、36はフォーカスコイルである。
【0024】
図4は、図3のレーザー:1をレーベル記録層専用にして、新たにデータ記録専用のレーザー2:3を追加して、レーザー1とレーザー2を固定して、レーザー1とレーザー2をいっしょに動かす様にした装置である。レーザー2にてディジタルデータの記録再生の為ディスクの任意の位置にアクセスした場合、レーザー1とレーザー2の相対的な位置が予め分かっている為、レーザー1も希望の位置に動かす事ができるので、レーザー1の制御回路が大幅に簡略化できる。
【0025】
レーザー2は、レーザー1からオフセット付加回路:25を省いただけなのでそのフォーカスを合わせる手順はレーザー1は前述した“○レーベル記録層にフォーカスを合わせる手順”、レーザー2は“○データ記録層にフォーカスを合わせる手順”とほぼ同じなのでそちらを参照して欲しい。
【0026】
図4の様な構成にすれば、パソコンやHDDレコーダーのハードディスクからのデータを光ディスクにダビングする時にダビングが完了すると同時に文字や図や写真の情報を書き終えるので、特にEPGからのタイトルや番組の情報をレーベル記録層に自動で書き込む場合の待ち時間がゼロ(データと同時に書き込みができる為)となり、ユーザーの利便性が大幅に向上する。
【0027】
又、レーベル面記録用レーザー1のピットは1μm以下なら多少大きくても十分実使用に足りる。従って、レーザー1はCD−RやDVD−R用の安価なレーザーでも使用できる為、レーザー1を追加するコストUPは最小限で済む。
なお、本発明はレーザー2にてディジタルデータ記録再生時、光ディスク上の任意の位置(アドレスとも呼ぶ)にアクセスできる為、レーザー1がレーベル記録層にアクセスするのが簡単になる様、レーザー1とレーザー2を固定して、一体化してスライダ上を動かす構成とした。しかし、データ及びレーベルを記録可能な光ディスクのレーベル記録層内にアドレスが判別できる様にランド・グルーブやアドレス用ピットを設ける方法によりレーザー1とレーザー2を別々に制御しても、制御がより複雑になるが、レーベル記録層にアクセスする事はできる。
【0028】
以上、本発明の光ディスク記録再生装置の実施例について述べてきたが、次に本発明のデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクの実施例についてもう少し述べていく。
【0029】
図2(a),(b)のデータの記録層とレーベル記録層はレーザーの熱を利用した層変化を利用して書き換え可能としたが、実際にレーベル面に書き込むと多少見ずらいという点があるので、レーベル記録層にDVD−Rで使用しているアゾ系やアニン系の色素を使用すれば、書き換えが難しいがより見易くなると言える。
又、レーベル記録層のレーザー反射用の半透明反射層を透過率が約30%、反射率が約30%の薄い水銀の膜を使用した、いわゆる“マジックミラー”にした場合、データ記録面側から照射したレーザーの反射率向上(フォーカスがロックし易くなる)やユーザーが光ディスクを取り出してレーベル面から見た場合の文字等の表示が鮮明に見える可能性が有る事が期待できるので、データ及びレーベルを記録可能な光ディスクをこの様な構成にしても良い。
【0030】
なお、本発明の各実施の形態について付記する。本発明の付記1に係るデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクはディスク表面の保護層から順番に反射層、レーベル記録層、中間層0、反射層0、データ記録層0、基板0の順番に接着材にて張り合わせもしくは蒸着している光ディスクにおいてディスク裏面からレーザーにてピットを書き込み消去可能なレーベル記録層に書き込んだピットが保護層側から見える様に反射層を半透明にして、さらに保護層を透明にする事を特徴とする。
本発明の付記2に係るデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクはディスク表面の保護層から順番に反射層、レーベル記録層があって、中間層、反射層、データ記録層、の3つの層を1組にしてN組(Nは1以上の整数)の層を構成した後、最後に基板0の順番に接着材にて張り合わせもしくは蒸着している光ディスクにおいてディスク裏面からレーザーにてピットを書き込み消去可能なレーベル記録層に書き込んだピットが保護層側から見える様に反射層を半透明にして、さらに保護層を透明にする事を特徴とする。
本発明の付記3に係るデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク記録再生装置は上記付記1又は付記2の光ディスクのレーベル記録層とデータ記録層のいずれにもフォーカスを合わせる事ができる様なレーザーとフォーカスサーボ機構を備えた。
本発明の付記4に係るデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク記録再生装置は上記付記1又は付記2の光ディスクのレーベル記録層用とデータ記録層用それぞれ専用のレーザー1及びレーザー2を持ち、レーザー1とレーザー2は一体となって同時に動く事を特徴とした。
本発明の付記5に係るデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク記録再生装置は上記付記1又は付記2の光ディスクのレーベル記録層用とデータ記録層用それぞれ専用のレーザー1及びレーザー2を持ち、レーザー1とレーザー2は別々に動く事を特徴とした。
本発明の付記6に係るデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク記録再生装置は上記付記3又は付記4の光ディスク記録再生装置のレーベルに記録する情報として、パソコン又はハードディスク付きディジタルビデオディスクレコーダーのEPG等の電子番組情報からの情報を用いる事を特徴とする。
本発明の付記7に係るデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクは上記付記1又は付記2の光ディスクのレーベル記録層にレーザーの熱により反射率が変化する色素を用いる事を特徴とする。
本発明の付記8に係るデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクは上記付記1又は付記2の光ディスクの反射層に透過率と反射率が同じで共に50%以下の薄い水銀の膜を使用する事を特徴とする。
【0031】
以上述べてきた、本発明のデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク及びその記録再生装置は、付記1に述べた本発明のデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクを用い、他のレーベル面印字方式と違いディスクをいちいちひっくり返さなくてもレーベルに印字可能で、かつ、データ(ピット)を書き換え可能な記録層と同じ材質を使用する事によりレーベル面の印字内容を書き換える事ができる。
付記2に述べた本発明の光ディスク記録再生装置はデータ記録面2層以上の多層記録のディスクであっても、問題無くレーベル記録層に印字できる。
付記3に述べた本発明の光ディスク記録再生装置はフォーカスサーボを工夫して、レーベル記録層とデータ記録層の2焦点にそれぞれフォーカスをロックさせる事ができる。
付記4に述べた本発明の光ディスク記録再生装置は付記1又は請求項2で述べたデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクにおいてレーベル記録層用とデータ記録層用にレーザーを分けて、かつ2つのレーザーを固定する事によりレーザーの制御が簡略化でき、データ記録と同時にレーベルも印字ができ、レーベルの印字の為に特別に時間を割かなくても良くなる。
付記5に述べた本発明の光ディスク記録再生装置はレーベル記録層用とデータ記録層用にレーザーを分けて、かつ2つのレーザーを自由に動かせるようにしてもデータ記録と同時にレーベルの印字ができる。
付記6に述べた本発明の光ディスク記録再生装置は付記3又は請求項4で述べた光ディスク記録再生装置においてパソコンやHDDレコーダーのEPG等の電子番組情報からのタイトルや日付や収録時間等の番組情報を受け取りその情報を自動的にレーベル記録層に書き込むようにすればユーザーの利便性がさらに向上する。
付記7に述べた本発明の光ディスク記録再生装置は付記1又は請求項2で述べたデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクにおいてレーベル記録層にDVD−R等で使用しているアゾ系やアニン系の色素を使用する事により鮮明に印字できる。レーベルの書き換えが難しくなるが、特に、本発明の光ディスクをDVD−R等の書き換えができない光ディスクに適用する場合に有効だと言える。
付記8に述べた本発明のデータ及びレーベルを記録可能な光ディスクは付記1又は付記2で述べた光ディスクにおいてフォーカスを合わせる時のレーベル記録層のレーザー反射層である反射層1に透過率と反射率が同じで共に50%以下である薄い水銀の膜、いわゆる、マジックミラーと呼ばれる膜を使用する事によりフォーカスがロックし易くなるレーザーの反射率向上やユーザーがディスクを取り出してレーベル面から見た場合の文字等の表示が鮮明に見える事を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、データとレーベルを記録可能な光ディスクとレーザー1の関係を示す図である。
【図2】図2(a)は、データとレーベルを記録可能な光ディスクの一実施例(通常時)を示し、図2(b)は、データとレーベルを記録可能な光ディスクの一実施例(N層記録時)を示す図である。
【図3】図3は、データとレーベルを記録可能な光ディスク記録再生装置の一実施例。
【図4】図4は、データとレーベルを記録可能な光ディスク記録再生装置の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
0 光ディスク
1 スライダ
2 レーザー1
3 レーザー2
20 レーザーダイオード及び受光素子
21 ビームスプリッタ
22 対物レンズ
23 4分割フォトダイオード
24 フォーカス誤差検出回路
25 オフセット付加回路
26 フォーカスコイル
30 レーザーダイオード及び受光素子
31 ビームスプリッタ
32 対物レンズ
33 4分割フォトダイオード
34 フォーカス誤差検出回路
36 フォーカスコイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク表面の保護層から順番に反射層、レーベル記録層、中間層、反射層、データ記録層、基板の順番に接着材にて張り合わせもしくは蒸着している光ディスクにおいて、
前記反射層が、ディスク裏面からレーザーにてピットを書き込み消去可能なレーベル記録層に書き込んだピットが保護層側から見える様に半透明であり、さらに、前記保護層が透明であることを特徴とするデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク。
【請求項2】
ディスク表面の保護層から順番に反射層、レーベル記録層があって、中間層、反射層、データ記録層、の3つの層を1組にしてN組(Nは1以上の整数)の層を構成した後、最後に基板の順番に接着材にて張り合わせもしくは蒸着している光ディスクにおいて、
前記反射層が、ディスク裏面からレーザーにてピットを書き込み消去可能なレーベル記録層に書き込んだピットが保護層側から見える様に半透明であり、さらに、前記保護層が透明であることを特徴とするデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク。
【請求項3】
上記請求項1又は請求項2の光ディスクのレーベル記録層とデータ記録層のいずれにもフォーカスを合わせることができる様なレーザーとフォーカスサーボ機構を備えたデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク記録再生装置。
【請求項4】
上記請求項1又は請求項2の光ディスクのレーベル記録層用とデータ記録層用それぞれ専用のレーザー1及びレーザー2を持ち、レーザー1とレーザー2は一体となって同時に動くことを特徴とした光ディスク記録再生装置。
【請求項5】
上記請求項1又は請求項2の光ディスクのレーベル記録層用とデータ記録層用それぞれ専用のレーザー1及びレーザー2を持ち、レーザー1とレーザー2は別々に動くことを特徴としたデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク記録再生装置。
【請求項6】
上記請求項3又は請求項4の光ディスク記録再生装置のレーベルに記録する情報として、パソコン又はハードディスク付きディジタルビデオディスクレコーダーのEPG等の電子番組情報からの情報を用いることを特徴とするデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク記録再生装置。
【請求項7】
上記請求項1又は請求項2の光ディスクにおいて、前記レーベル記録層にレーザーの熱により反射率が変化する色素を用いることを特徴とするデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク。
【請求項8】
上記請求項1又は請求項2の光ディスクにおいて、前記光ディスクの前記反射層に透過率と反射率が同じで共に50%以下の薄い水銀の膜を使用することを特徴とするデータ及びレーベルを記録可能な光ディスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−115297(P2007−115297A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−302453(P2005−302453)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】