説明

データ変換装置、データ変換方法、データ変換プログラム及びプログラム記録媒体

【課題】2重音声のみ又は2重音声とステレオ音声とからなるリニアPCM音声データを含むVR規格のAVストリームをビデオ規格のAVストリームへ高速に変換する。
【解決手段】音声データ抽出部213と入力音声判定部216とで入力AVストリームから2重音声の音声データを抽出して、2重音声選択部215で予め設定された音声選択方法又は演算方法に従い、抽出した音声データの主音声データと副音声データとのうちいずれかを選択し、又は、主音声データと副音声データとの間で演算し、選択又は演算により得られた同じ音声データを主及び副音声データの両方に音声データ変換部214で設定し、ステレオ音声のリニアPCM音声データに変換した後、RDIヘッダをNVヘッダにRDI→NV変換部212で変換し、管理情報を付加してデータ記録媒体に記録する。2重音声選択部215は予め定めた標準的な方法以外にユーザが設定した任意の方法を選択できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ変換装置、データ変換方法、データ変換プログラム及びプログラム記録媒体の技術分野に属する。より具体的には、音楽、音声や動画などの情報を、DVD、CD、HDDに代表される記録可能なデータ記録媒体に記録したものを、別のデータ記録媒体あるいは同じデータ記録媒体へデータ形式を変換してダビングする、データ変換装置、データ変換方法、データ変換プログラム及びプログラム記録媒体の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、技術進歩により、データ記録媒体の記録容量の増加、低価格化に従い、音楽、音声や動画などのAV(Audio−Video)情報を、デジタル化して高品質に記録・再生することが可能な大容量のデータ記録再生機器、データ記録媒体が、安価に提供されるようになってきた。特に、これらAV情報を、VTRの代わりに、CD、DVDやHDDへデジタル化AVデータ(Audio−Video Data)として記録するデータ記録再生機器が普及しつつあり、最近では、記録容量の更なる増加を狙い、ブルーレイディスク(Blu−ray Disc)やHD−DVD(High Difinition DVD)などが開発されている。
【0003】
このようなAV情報をデジタル化してAVデータとして記録・再生する場合の記録フォーマットについて、データ記録媒体として例えばDVDディスクの場合を例にとって説明する。DVDディスクの場合、当初、再生専用のDVD−ROMとして開発されたため、1枚のDVDディスクに記録すべきAV情報をデジタル化したAVデータを全て準備できた後に、DVDディスクに一括して記録する記録フォーマット(以下、ビデオ規格と略称)が規格化され、利用されている。
【0004】
その後、AV情報をデジタル化したAVデータを一回のみ記録可能なDVDディスク(DVD±R、DVD+R DL等)や、追記又は書き換えが可能で、リアルタイムに逐次記録することが可能なDVDディスク(DVD±RW、DVD−RAM等)やDVD記録再生機器が開発され、リアルタイムにDVDディスクに逐次記録する記録フォーマット(以下、VR(Video Recording)規格と略称)が、前述のビデオ規格の記録フォーマットとは異なるフォーマットとして別個に規格化された。
【0005】
ここで、AV情報をDVDディスクに記録・再生する利用者の利便性を考えた場合、DVD記録再生機器において、ビデオ規格に従った記録フォーマットでDVDディスクに記録し、先行して大量に市場に普及している再生専用のDVD再生機を用いてDVDディスクのAV情報(即ちデジタル化したAVデータ)を再生可能とすることが望ましい。このため、記録媒体に記録されたVR規格のAVデータをビデオ規格に従った記録フォーマットに変換してDVDディスクに記録することが望まれる。VR規格からビデオ規格の記録フォーマットへの変換方法としては、大きく分けて次の2種類の変換方法が提案されている。
【0006】
一つは、等速ダビング法であり、VR規格のAVデータをデコードして、一旦アナログ信号の画像、音声のAV情報を再生した後、再生したAV情報を再びデジタル化して、ビデオ規格に従ったAVデータに変換する方法である。
もう一つは、高速ダビング法であり、VR規格のAVデータをデコードすることなく、デジタル化したAVデータのまま、VR規格からビデオ規格へ高速に変換する方法である。
【0007】
デコード処理を伴わない後者の高速ダビング法は、デコード処理を伴う前者の等速ダビング法に比較して、変換時間が少なくても済む、デコード処理及び再デジタル化処理に伴う品質劣化が無いなどの利点がある一方、次に示すような問題も有している。
【0008】
VR規格からビデオ規格へのAVデータの高速ダビング法においては、まず、VR規格としてのリアルタイム情報を記録しているRDIパック(Real−Time Data Information Pack)を、ビデオ規格としての再生用ナビゲーション情報を記録しているNVパック(Navigation Pack)へ変換する必要がある。ここに、RDIパックには、後続するAVデータの再生開始時刻・再生終了時刻、画像表示用アスペクト比情報、サブタイトル情報の有無、素材モード情報、著作権管理情報などが含まれており、一方、NVパックには、後続するAVデータの再生開始時刻毎の参照アドレス、前後のNVパックの参照アドレス、画像表示用の制御情報などが含まれている。なお、RDIパックをNVパックへ変換する方法については、既に公知であるので、詳細な説明は省略する。
【0009】
以下には、VR規格とビデオ規格との論理的な記録フォーマットについて図面を参照しながら更に説明する。
まず、ビデオ規格におけるAVデータの論理フォーマットについて、非特許文献1に示す「DVD Specifications for Read−Only Disc Part3 VIDEO SPECIFICATIONS Version 1.0,July 1997」、及び、非特許文献2に示す「DVD Specifications for Read−Only Disc Part3 VIDEO SPECIFICATIONS Version 1.1,December 1997」にて規格化されたDVDビデオ規格の論理フォーマットを、図6を用いて説明する。図6は、DVDビデオ規格及びDVD VR規格として規格化されたビデオタイトルの論理フォーマットを示す構成図である。
【0010】
図6の構成図において、1つのビデオタイトルを示すVTS(Video Title Set:ビデオタイトルセット)40には、音声・画像・テキストなどの各種情報が含まれており、1つ以上のVOB(Video Object:ビデオ・オブジェクト)41からなるVOBS構造として構成されている。また、1つのVOB41は、複数のセルから構成されるが、本説明では、説明を簡素化するため、VOB41とセルとが一致するものとして説明する。
【0011】
ここで、VOB41以下の構造が、ビデオ規格のAVストリーム即ちAVデータのフォーマットを示している。1つのVOB41は、1つ以上のVOBU(Video Object Unit:ビデオ・オブジェクト・ユニット)42からなるVOB構造として構成されている。1つのVOBU42は、整数個のGOP(Group Of Picture:グループ・オブ・ピクチャ)から成り立っていると共に、2kByte単位に、ナビゲーション情報が記録されたNVパック(Navigation Pack:ナビゲーションパック)43、ビデオデータ即ち映像データが記録されたVパック(Video Pack:ビデオパック)44、オーディオデータ即ち音声データが記録されたAパック(Audio Pack:オーディオパック)45、サブピクチャデータが記録されたサブピクチャパック(図示していない)からなるVOBU構造として構成されている。
【0012】
次に、VR規格におけるAVデータの論理フォーマットについて、非特許文献3に示す「DVD Specifications for DVD−RAM/DVD−RW/DVD−R for General Discs Part3 VIDEO RECORDING Version 1.1,September 2000」にて規格化されたDVD VR規格の論理フォーマットを、図6を用いて説明する。図6は、前述したように、DVDビデオ規格及びDVD VR規格として規格化されたビデオタイトルの論理フォーマットを示す構成図である。
【0013】
図6の構成図に示すように、VR規格のAVストリーム即ちAVデータのファーマットは、ビデオ規格とほぼ同一であり、1つのビデオタイトルを示すVTS40には、音声・画像・テキストなどの各種情報が含まれており、1つ以上のVOB41からなるVOBS構造として構成され、1つのVOB41は、複数のセルから構成されるが、図6には、VOB41とセルとが一致するものとして説明している。
【0014】
更に、VR規格の場合、ビデオ規格と同様に、1つのVOB41は、1つ以上のVOBU42からなるVOB構造として構成され、1つのVOBU42は、整数個のGOPから成り立っていると共に、2kByte単位に、リアルタイム情報が記録されたRDIパック(Real−time Data Infomation:実時間データパック)46、ビデオデータ即ち映像データが記録されたVパック44、オーディオデータ即ち音声データが記録されたAパック45、サブピクチャデータが記録されたサブピクチャパック(図示していない)からなるVOBU構造として構成されている。
【0015】
次に、図6に示すビデオ規格とVR規格とのAパック(オーディオパック)45の論理フォーマットについて、図7を用いて更に説明する。図7は、DVDビデオ規格及びDVD VR規格として規格化されたオーディオパックの論理フォーマットを示す構成図であり、図6に示すAパック45の一つを取り出して、その論理フォーマットを示している。図7に示すように、ビデオ規格とVR規格とのAパックの基本構成は、全く同一のフォーマットとされており、いずれの規格においても、Aパック45は、パックヘッダ45a、パケットヘッダ45b、オーディオデータ45cの順に構成されている。なお、パケットヘッダ45bは、後続するオーディオデータ45cの種別などの音声識別情報を示すヘッダ情報を設定する領域であり、本説明において必要となる主な構成要素のみを示している。
【0016】
パックヘッダ45aには、先頭にパックの始まりを示す固定値からなるパックスタートコード451aと、次に、SCR(System Clock Reference:システムクロックリファレンス)452aとが記録されている。このSCR452aは、データ記録再生装置内のシステムクロックと比較され、その比較結果は、データ記録再生装置内でAVストリーム内のオーディオデータをパック単位で取り扱う場合のタイミング情報として用いられる。
【0017】
パックヘッダ45aの次に位置するパケットヘッダ45bの先頭には、パケットの始まりを示す固定値からなるパケットスタートコード451bが記録されている。パケットスタートコード451bに続いて、オーディオデータ45c即ち音声ストリームの識別情報であることを示すストリームID452bが記録されている。次に、当該オーディオパケット45bに含まれるPES(Packet Elementary Stream:パケットエレメンタリストリーム)のバイト数を示すパケット長453bが記録されている。
【0018】
更に、PTS(Presentation Time Stamp:プレゼンテーションタイムスタンプ)454bが記録されている。このPTS454bは、再生出力する際に、オーディオデータ、ビデオデータ、サブストリーム間で同期を取って出力するためのタイミング情報として用いられる。また、パック長を所定の長さにするためのスタッフィングバイトを置くスタッフィング領域455bも確保されている。
【0019】
スタッフィング領域455bの次には、当該オーディオパック45がリニアPCM(Linear PCM)符号化したオーディオパックである場合には、リニアPCM符号化のオーディオデータであることを示すと共に、リニアPCM音声ストリームを識別するためのサブストリームID456bが記録されている。更に、オーディオデータ45cのフレーム量子化情報やサンプリング周波数、オーディオフレーム数、オーディオデータ45cの先頭アクセスユニットを示す先頭アドレスなどからなるフレーム情報457bや、オーディオデータ45cにエンファシスをかけているか、全てのデータをゼロでミュートしているか、当該オーディオパック45のオーディオチャンネル数(モノラル、ステレオ、デュアルモノラル即ち2重音声)などの情報を含むデータ情報458bが記録されている。
【0020】
以上のような論理的な記録フォーマットからなるVR規格のAVデータをビデオ規格へ変換してダビングを行なうデータ変換方法としては、以下のような公知技術がある。
特許文献1に示す特開2003−109306号公報「データ記録方法、データ記録装置、プログラム、及び媒体」では、高速ダビングを前提にしたデータ記録を行なう際には、VR規格とビデオ規格とのAVデータには、画像の画素数、音声圧縮方式等に相違点が存在しているため、いずれの規格にも共通に利用できる条件に限定して記録する必要があることが示されている。
【0021】
更に、該特許文献1においては、VR規格では、例えば2ヶ国語放送に対応したデュアルモノラル音声形式(2重音声形式)といわれる音声モードが規格化されているが、ビデオ規格には、デュアルモノラル形式の音声モードが存在していないため、2ヶ国語放送のAVデータを高速ダビングにより変換して記録を行なう際には、デュアルモノラルの2重音声のうち、主音声もしくは副音声のいずれか一方を選択して、モノラル音声等のビデオ規格で適合できる音声方式で記録しなければならないことが示されている。
【0022】
更に、放送番組の場合、放送番組の途中で、例えば、ステレオ音声からデュアルモノラル音声形式の2ヶ国語放送やモノラル音声に変更されるなど、オーディオ属性が変更される場合があるが、VR規格では、番組タイトルの途中でのオーディオ属性の変更にも対応して記録可能であるが、一方、ビデオ規格に準拠して放送番組を受信して記録する場合は、番組タイトルの途中では、オーディオ属性を変更することができないために、ステレオ音声からデュアルモノラル音声へ切り替わった場合には、主音声又は副音声のいずれかをRchとLchとの両方に入力するようにして、ステレオ音声のまま継続して記録することが示されている。
【0023】
また、特許文献2に示す特開2003−199046号公報「情報記録装置及び情報記録媒体」でも、前記特許文献1と同様に、VR規格からビデオ規格への高速ダイングが可能なフォーマットで記録するか否かをユーザに選択させ、ビデオ規格への高速ダビングが可能なフォーマットで記録することを選択した場合であって、ビデオ規格への変換不能なデュアルモノラル音声のオーディオ属性であった場合には、主音声又は副音声のいずれかをユーザに強制的に選択させ、RchとLchとの両方に入力してステレオ音声に変換して記録することが示されている。
【0024】
更に、該特許文献2では、VR規格からビデオ規格への変換互換性の有無を示す変換互換性情報を有し、デュアルモノラル音声として記録されているVR規格のタイトルについては、該変換互換性情報には互換性無しとして記録することとし、ビデオ規格への高速ダビングができないタイトルであるとして制御する旨も示されている。
【0025】
また、特許文献3に示す特開2003−132628号公報「情報記録再生装置」では、デュアルモノラル音声の場合、より忠実にオリジナルの音声を記録するために、VR規格では、デュアルモノラル音声のまま記録し、一方、ビデオ規格のDVDディスクに記録する際に、リニアPCM方式の非圧縮音声データとして記録する場合は、1つのデュアルモノラル音声ストリームを中間状態として一旦主音声と副音声との2つのモノラル音声ストリームに分離した状態で記録しておき、分離した2つのモノラル音声ストリームを動画ストリームと共に高速ダビングする方法が示されている。また、MPEG方式やドルビーデジタル方式などの音声圧縮データとして記録する場合は、音声圧縮データを伸長して元の非圧縮音声ストリームに戻した後、圧縮符号化し直して、動画ストリームと共に、音声ストリームをダビングする方法が示されている。
【0026】
以下、前述したような特許文献3で記載されている既存技術に係るデータ記録装置の機能構成を、図8を用いて説明する。ここに、図8は、既存技術におけるデータ記録装置の機能構成の一例を示す機能ブロック構成図である。
図8に示すデータ記録装置50において、データ変換部51は、音声データ入替部511、RDI→NV変換部512、音声データ抽出部513及びストリーム分離部514から構成されている。データ変換部51は、VR規格準拠のフォーマットのAVストリーム即ちAVデータを入力とし、NV規格のAVストリームに変換して出力する。
【0027】
データ変換部51に入力されたVR規格のAVストリームは、音声データ入替部511と音声データ抽出部513とに入力される。音声データ抽出部513では、入力されたAVストリームにデュアルモノラル音声即ち2重音声の音声ストリームが含まれているか否かを識別し、2重音声の音声ストリームを抽出して、ストリーム分離部514へ出力する。ストリーム分離部514では、入力された2重音声の音声ストリームを主音声、副音声の2つのモノラルの音声ストリームに分離して、音声データ入替部511に出力する。
【0028】
音声データ入替部511では、入力されたオリジナルのAVストリームに含まれる音声ストリームが2重音声の音声ストリームであった場合には、ストリーム分離部514で分離された2つのモノラルの音声ストリームをオリジナルの音声ストリームと入れ替えて、RDI→NV変換部512に出力する。RDI→NV変換部512では、音声データ入替部511から出力されるAVストリームを入力とし、該AVストリーム中のRDIヘッダをNVヘッダに変換して、ビデオ規格準拠のフォーマットのAVストリームとして、記録媒体記録部52に対して出力する。記録媒体記録部52では、管理情報設定部53から出力される管理情報と共に、ビデオ規格のAVストリームをデータ記録媒体に記録する。
【0029】
管理情報設定部53では、オリジナルのAVストリームに含まれる音声ストリームが2重音声の音声ストリームであった場合には2つのモノラルの音声ストリームが存在することを、DVDやHDDなどのデータ記録媒体の記録フォーマットに従った管理情報として生成し、記録媒体記録部52に出力する。記録媒体記録部52は、管理情報設定部53から出力された管理情報と共に、データ変換部51のRDI→NV変換部512から出力されたAVストリームを、DVDやHDDなどのデータ記録媒体の記録フォーマットに適合したデータ形式として記録する。
【0030】
図9は、図8に示す従来のデータ記録装置50におけるオーディオデータの変換方法を示す模式図であり、VR規格のAVストリームからデュアルモノラル音声即ち2重音声の音声ストリームを抽出し、抽出された2重音声の音声ストリームを2ストリームのモノラル音声に分解し、オリジナルの2重音声の音声ストリームの代わりに、2つのモノラル音声ストリームに入れ替える方法を具体的に示している。
【0031】
図9に示すように、VR規格のAVストリーム60に含まれている音声ストリームのA1パケット62、A2パケット63が、デュアルモノラル即ち2重音声の音声ストリームであると音声データ抽出部513で識別され、かつ、抽出されて、ストリーム分離部514に入力されると、音声ストリームA1パケット62とA2パケット63とのそれぞれに含まれている主音声1 621、副音声1 622、…、主音声n 623、副音声n 624と、主音声(n+1)631、副音声(n+1)632、…、主音声2n 633、副音声2n 634とが、主音声と副音声とに分離されて、A1′パケット62′とA2′パケット63′とに編集される。
【0032】
一方、音声データ入替部511では、音声データ抽出部513にて2重音声の音声ストリームであることが識別された場合、オリジナルのVR規格のAVストリーム60に含まれている音声ストリームのA1パケット62、A2パケット63を、ストリーム分離部514から出力されたA1′パケット62′、A2′パケット63′に置換して、RDI→NV変換部512に出力する。RDI→NV変換部512では、音声データ入替部511からのAVストリームのRDIパック61をNVパック64に変換して、ビデオ規格準拠のAVストリーム60′を生成して、記録媒体記録部52に対して出力する。
【特許文献1】特開2003−109306号公報
【特許文献2】特開2003−199046号公報
【特許文献3】特開2003−132628号公報
【非特許文献1】DVD Specifications for Read−Only Disc Part3 VIDEO SPECIFICATIONS Version 1.0,July 1997
【非特許文献2】DVD Specifications for Read−Only Disc Part3 VIDEO SPECIFICATIONS Version 1.1, December 1997
【非特許文献3】DVD Specifications for DVD−RAM/DVD−RW/DVD−R for General Discs Part3 VIDEO RECORDING Version 1.1,September 2000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術の場合、デュアルモノラル音声が入力された場合でも、ビデオ規格への高速ダビングができるように、中間状態のVR規格への記録の際に、予め選択した主音声か副音声かのいずれか一方のみを記録することとしているため、選択されなかった音声は常に再生することができないという課題があった。
【0034】
また、前記特許文献2に記載の技術においても、ビデオ規格への高速ダビングが可能な中間状態のVR規格のフォーマットとして記録した場合は、前記特許文献1の場合と同様に、選択されなかった音声については常に再生することができないという課題があった。更には、ビデオ規格への高速ダビングが不可能な中間状態のVR規格のフォーマットとして記録することとした場合は、VR規格準拠のAV再生装置であれば、主音声、副音声のいずれでも再生することができるが、ビデオ規格への高速ダビングをすることができないという課題があった。
【0035】
前記特許文献1,2に対して、前記特許文献3に記載の技術では、リニアPCM方式の非圧縮音声として記録する場合は、入力音声がデュアルモノラル音声であっても、主副両方の音声が中間状態としてVR規格に準拠して記録し、かつ、再生することができると共に、ビデオ規格への高速ダビングを行なった場合にも再生することができる可能性が高いという利点がある。
【0036】
しかしながら、入力音声がタイトルの最初から最後までデュアルモノラル音声のまま音声フォーマットが変化しなかった場合にのみ再生が可能であって、タイトルの途中で、ステレオ、デュアルモノラル、モノラルなどと音声フォーマットが変わる場合には、ビデオ規格では1タイトル中に複数の音声フォーマットを用いることができないため、タイトル途中で音声フォーマットが変わるタイトルには高速ダビングに対応することができないという課題があった。
【0037】
更に、1タイトルの途中では音声フォーマットが変わらない場合であっても、デュアルモノラルの音声を2つの音声ストリームに変換する際に、AVストリームからオーディオパケットを取り出し、主副音声の2つの音声ストリームに分離し、分離した2音声ストリームを取り出したAVストリームの元の場所と単純に入れ替えるような処理では、オーディオバッファモデルから逸脱し、音声ストリームがバッファをオーバーフローしたり、アンダーフローしたりする場合があり、ビデオ規格に違反するディスクを作成してしまうという課題があった。
【0038】
このようなオーバーフローやアンダーフローに関する課題について、前述した図9を用いて説明する。図9にて説明したように、デュアルモノラル音声のオーディオパックを含むVOBUからなるAVストリーム60の中から、デュアルモノラル音声の音声ストリームを構成するA1パケット62、A2パケット63、…を抽出し、抽出されたA1パケット62、A2パケット63、…のそれぞれを主音声と副音声との2つのモノラル音声ストリームを構成するA1′パケット62′、A2′パケット63′、…に分解し、デュアルモノラル音声のA1パケット62、A2パケット63、…の代わりに、2つのモノラル音声のA1′パケット62′、A2′パケット63′、…に入れ替えて、2つのモノラル音声のオーディオパックを含むVOBUからなるAVストリーム60′を生成している。
【0039】
この際、A1パケット62とA1′パケット62′、A2パケット63とA2′パケット63′のSCR(System Clock Reference)は等しいので、変換する必要はない。これに対して、PTS(Presentation Time Stamp)は、主音声データ側のA1′パケット62′と副音声データ側のA2′パケット63′とをA1パケット62のPTSと等しくするために、A2パケット63のPTSをA1パケット62と同じPTSに変更する必要がある。このため、オーディオバッファモデルに変更が生じ、オーディオバッファが破綻する場合が生じる。
【0040】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、高速ダビングを前提とした記録を行なう場合において、音声データが変換すべきデュアルモノラル音声即ち2重音声のリニアPCM音声データであった場合、予め任意に設定された選択方法に基づいて、主音声データと副音声データとのいずれかを選択して、選択した同じ音声データを、主音声データと副音声データとの両方に設定したり、あるいは、予め任意に設定された演算方法に基づいて、主音声データと副音声データとの間の演算を施し、演算された音声データを、主音声データと副音声データとの両方に設定したりして、ステレオ音声に変換することにより、PTSに変更が伴わず、オーディオバッファが破綻することもなく、ビデオ規格準拠のステレオ音声データへの高速変換を可能とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0041】
第1の技術手段は、2重音声のリニアPCM音声データを含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換部と、該データ変換部から出力されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録部とを備えたデータ変換装置であって、前記データ変換部に入力された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択部を備え、前記データ変換部が、前記2重音声選択部の選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データ又は副音声データのいずれかを選択し、選択された音声データにより、選択されていない副音声データ又は主音声データを入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とする。
【0042】
第2の技術手段は、2重音声のリニアPCM音声データを含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換部と、該データ変換部から出力されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録部とを備えたデータ変換装置であって、前記データ変換部に入力された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択部を備え、前記データ変換部が、前記2重音声選択部の選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとの間の演算処理を行ない、演算された音声データにより、主音声データと副音声データとの両方を入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とする。
【0043】
第3の技術手段は、2重音声とステレオ音声とのリニアPCM音声データを混在して含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換部と、該データ変換部から出力されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録部とを備えたデータ変換装置であって、前記データ変換部に入力された音声データの中から、2重音声とステレオ音声とを判別する入力音声判別部と、該入力音声判別部により判別された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択部とを備え、前記データ変換部が、前記入力音声判別部においてステレオ音声と判別されたリニアPCM音声データは、データ変換せずにそのまま出力し、前記入力音声判別部において2重音声と判別されたリニアPCM音声データは、前記2重音声選択部の選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データ又は副音声データのいずれかを選択し、選択された音声データにより、選択されていない副音声データ又は主音声データを入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とする。
【0044】
第4の技術手段は、2重音声とステレオ音声とのリニアPCM音声データを混在して含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換部と、該データ変換部から出力されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録部とを備えたデータ変換装置であって、前記データ変換部に入力された音声データの中から、2重音声とステレオ音声とを判別する入力音声判別部と、該入力音声判別部により判別された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択部とを備え、前記データ変換部が、前記入力音声判別部においてステレオ音声と判別されたリニアPCM音声データは、データ変換せずにそのまま出力し、前記入力音声判別部において2重音声と判別されたリニアPCM音声データは、前記2重音声選択部の選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとの間の演算処理を行ない、演算された音声データにより、主音声データと副音声データとの両方を入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とする。
【0045】
第5の技術手段は、前記第1乃至第4の技術手段のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記データ変換部に入力される音声データのデータ形式として、リニアPCM音声データの他に、該リニアPCM音声データの種別を含む音声識別情報を構成するヘッダ情報が含まれるデータストリームの形式で入力されるものであり、前記データ変換部においてリニアPCM音声データを2重音声データからステレオ音声データに変換する際に、前記データストリームに含まれる前記ヘッダ情報の前記音声識別情報を2重音声からステレオ音声を示す情報に変更して設定することを特徴とする。
【0046】
第6の技術手段は、前記第1乃至第4の技術手段のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記データストリームの形式が、ISO/IEC13818−1規格に規定されたMPEG−PS(Program Stream)であることを特徴とする。
【0047】
第7の技術手段は、前記第1乃至第5の技術手段のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記記録媒体記録部が前記データ変換部から出力されたデータをデータ記録媒体に記録する際に、リニアPCM音声データの他に、該リニアPCM音声データを管理するための管理情報を付加して記録するものであり、前記データ変換部においてリニアPCM音声データを2重音声データからステレオ音声データに変換した場合、前記管理情報に該リニアPCM音声データがステレオ音声である旨を設定することを特徴とする。
【0048】
第8の技術手段は、前記第6又は第7の技術手段に記載のデータ変換装置であって、前記データ変換部に入力されるデータ形式が、DVDのVR(Video Recording)規格に規定された形式であり、前記データ変換部から出力されて、前記記録媒体記録部がデータ記録媒体に記録するデータ形式が、DVDのビデオ規格及び/又はDVDのVR規格に規定された形式であることを特徴とする。
【0049】
第9の技術手段は、前記第1乃至第8の技術手段のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記2重音声選択部が、デフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択することを特徴とする。
【0050】
第10の技術手段は、前記第9の技術手段に記載のデータ変換装置であって、前記2重音声選択部がデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、標準的な等速ダビングにおける音声データの選択方法として予め設定されている選択方法を用いることを特徴とする。
【0051】
第11の技術手段は、前記第9又は第10の技術手段に記載のデータ変換装置であって、前記2重音声選択部がデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、標準的な高速ダビングにおける音声データの選択方法として予め設定されている選択方法を用いることを特徴とする。
【0052】
第12の技術手段は、前記第9乃至第11の技術手段のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記2重音声選択部がデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、AV(Audio−Video)ストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合にビデオ規格としてデータ記録媒体に記録する際の標準的なAVストリームの選択方法として主音声データ、副音声データのいずれを記録するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を記録するかに関して予め設定されている選択方法を用いることを特徴とする。
【0053】
第13の技術手段は、前記第9乃至第12の技術手段のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記2重音声選択部がデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、AV(Audio−Video)ストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合に音声データを再生する際の標準的なAVストリームの選択方法として主音声データ、副音声データのいずれを再生するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を再生するかに関して予め設定されている選択方法を用いることを特徴とする。
【0054】
第14の技術手段は、前記第9乃至第13の技術手段のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記2重音声選択部が、デフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法を用いる代わりに、ユーザが任意に設定した音声データの選択方法を用いることができることを特徴とする。
【0055】
第15の技術手段は、2重音声のリニアPCM音声データを含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換ステップと、該データ変換ステップで処理されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録ステップとを有するデータ変換方法であって、前記データ変換ステップに入力された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択ステップを有し、前記データ変換ステップが、前記2重音声選択ステップの選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データ又は副音声データのいずれかを選択し、選択された音声データにより、選択されていない副音声データ又は主音声データを入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とする。
【0056】
第16の技術手段は、2重音声のリニアPCM音声データを含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換ステップと、該データ変換ステップで処理されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録ステップと有するデータ変換方法であって、前記データ変換ステップに入力された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択ステップを有し、前記データ変換ステップが、前記2重音声選択ステップの選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとの間の演算処理を行ない、演算された音声データにより、主音声データと副音声データとの両方を入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とする。
【0057】
第17の技術手段は、2重音声とステレオ音声とのリニアPCM音声データを混在して含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換ステップと、該データ変換ステップで処理されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録ステップとを有するデータ変換方法であって、前記データ変換ステップに入力された音声データの中から、2重音声とステレオ音声とを判別する入力音声判別ステップと、該入力音声判別ステップにより判別された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択ステップとを有し、前記データ変換ステップが、前記入力音声判別ステップにおいてステレオ音声と判別されたリニアPCM音声データは、データ変換せずにそのまま出力し、前記入力音声判別ステップにおいて2重音声と判別されたリニアPCM音声データは、前記2重音声選択ステップの選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データ又は副音声データのいずれかを選択し、選択された音声データにより、選択されていない副音声データ又は主音声データを入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とする。
【0058】
第18の技術手段は、2重音声とステレオ音声とのリニアPCM音声データを混在して含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換ステップと、該データ変換ステップで処理されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録ステップとを有するデータ変換方法であって、前記データ変換ステップに入力された音声データの中から、2重音声とステレオ音声とを判別する入力音声判別ステップと、該入力音声判別ステップにより判別された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択ステップとを有し、前記データ変換ステップが、前記入力音声判別ステップにおいてステレオ音声と判別されたリニアPCM音声データは、データ変換せずにそのまま出力し、前記入力音声判別ステップにおいて2重音声と判別されたリニアPCM音声データは、前記2重音声選択ステップの選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとの間の演算処理を行ない、演算された音声データにより、主音声データと副音声データとの両方を入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とする。
【0059】
第19の技術手段は、前記第15乃至第18の技術手段のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記データ変換ステップに入力される音声データのデータ形式として、リニアPCM音声データの他に、該リニアPCM音声データの種別を含む音声識別情報を構成するヘッダ情報が含まれるデータストリームの形式で入力されるものであり、前記データ変換ステップにおいてリニアPCM音声データを2重音声データからステレオ音声データに変換する際に、前記データストリームに含まれる前記ヘッダ情報の前記音声識別情報を2重音声からステレオ音声を示す情報に変更して設定することを特徴とする。
【0060】
第20の技術手段は、前記第15乃至第18の技術手段のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記データストリームの形式が、ISO/IEC13818−1規格に規定されたMPEG−PS(Program Stream)であることを特徴とする。
【0061】
第21の技術手段は、前記第15乃至第19の技術手段のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記記録媒体記録ステップが前記データ変換ステップで処理されたデータをデータ記録媒体に記録する際に、リニアPCM音声データの他に、該リニアPCM音声データを管理するための管理情報を付加して記録するものであり、前記データ変換ステップにおいてリニアPCM音声データを2重音声データからステレオ音声データに変換した場合、前記管理情報に該リニアPCM音声データがステレオ音声である旨を設定することを特徴とする。
【0062】
第22の技術手段は、前記第20又は第21の技術手段に記載のデータ変換方法であって、前記データ変換方法に入力されるデータ形式が、DVDのVR(Video Recording)規格に規定された形式であり、前記データ変換ステップで処理されて、前記記録媒体記録ステップがデータ記録媒体に記録するデータ形式が、DVDのビデオ規格及び/又はDVDのVR規格に規定された形式であることを特徴とする。
【0063】
第23の技術手段は、前記第15乃至第22の技術手段のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記2重音声選択ステップが、デフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択することを特徴とする。
【0064】
第24の技術手段は、前記第23の技術手段に記載のデータ変換方法であって、前記2重音声選択ステップがデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、標準的な等速ダビングにおける音声データの選択方法として予め設定されている選択方法を用いることを特徴とする。
【0065】
第25の技術手段は、前記第23又は第24の技術手段に記載のデータ変換方法であって、前記2重音声選択ステップがデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、標準的な高速ダビングにおける音声データの選択方法として予め設定されている選択方法を用いることを特徴とする。
【0066】
第26の技術手段は、前記第23乃至第25の技術手段のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記2重音声選択方法がデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、AV(Audio−Video)ストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合にビデオ規格としてデータ記録媒体に記録する際の標準的なAVストリームの選択方法として主音声データ、副音声データのいずれを記録するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を記録するかに関して予め設定されている選択方法を用いることを特徴とする。
【0067】
第27の技術手段は、前記第23乃至第26の技術手段のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記2重音声選択ステップがデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、AV(Audio−Video)ストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合に音声データを再生する際の標準的なAVストリームの選択方法として主音声データ、副音声データのいずれを再生するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を再生するかに関して予め設定されている選択方法を用いることを特徴とする。
【0068】
第28の技術手段は、前記第23乃至第27の技術手段のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記2重音声選択ステップが、デフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法を用いる代わりに、ユーザが任意に設定した音声データの選択方法を用いることができることを特徴とする。
【0069】
第29の技術手段は、前記第15乃至第28の技術手段のいずれかに記載のデータ変換方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施するデータ変換プログラムとすることを特徴とする。
【0070】
第30の技術手段は、前記第29の技術手段に記載のデータ変換プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録したプログラム記録媒体とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0071】
以上のごとき各技術手段のいずれかから構成される本発明によれば、次のような効果が齎される。
従来の技術では、高速ダビングを前提とした記録を行なう場合、2重音声即ちデュアルモノラルの音声ストリームを記録することができないか、あるいは、タイトル途中にデュアルモノラル音声とステレオ音声とが混在した音声ストリームを記録することができず、主音声あるいは副音声のいずれか一方を選択して記録せざるを得なかった。
【0072】
本発明によれば、高速ダビングを前提とした記録を行なう場合に、デュアルモノラル音声即ち2重音声のリニアPCM音声データであった場合でも、そのまま2重音声のリニアPCM音声として記録することができる。このため、高速ダビングを前提として記録した場合においても、主音声、副音声のいずれでも再生することが可能である。
また、2重音声を含むリニアPCM音声データを有するAVストリームを、ビデオ規格に基づいて、データ記録媒体へ高速ダビングする場合は、予め任意に設定された選択方法に基づいて、主音声データと副音声データとのいずれかを選択して、選択した同じ音声データを、主音声データと副音声データとの両方に設定したり、あるいは、予め任意に設定された演算方法に基づいて、主音声データと副音声データとの間の演算を施し、演算された音声データを、主音声データと副音声データとの両方に設定したりして、ステレオ音声に変換することができる。
【0073】
而して、本発明は、デュアルモノラル音声即ち2重音声の音声ストリームのみの音声ストリームであっても、あるいは、タイトル途中にデュアルモノラル音声即ち2重音声とステレオ音声とが混合した音声ストリームであっても、PTSに変更が伴わず、オーディオバッファが破綻することもなく、ビデオ規格準拠のステレオ音声データへの高速変換が可能となり、ユーザの利便性を大幅に向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0074】
以下、本発明に係るデータ変換装置、データ変換方法、データ変換プログラム及びプログラム記録媒体を実施するための最良の形態について図を用いて説明する。なお、以下の説明においては、本発明に係るデータ変換装置及びデータ変換方法に関する実施形態の一例について説明し、本発明に係るデータ変換プログラム及びプログラム記録媒体に関する実施形態の説明は省略するが、データ変換装置及びデータ変換方法に関する詳細な説明から、本データ変換方法をコンピュータによりプログラムとして実行するデータ変換プログラム、及び、該データ変換プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するプログラム記録媒体についても容易に理解することができる。
【0075】
まず、本発明に係るデータ変換装置の第1の実施例について説明する。図1は、本発明に係るデータ変換装置の機能構成の一例を示す機能ブロック構成図である。図1に示す通り、本実施例におけるデータ変換装置10は、図8に示した従来のデータ記録装置50と略同様に、VR規格のAVストリームを入力とし、図示していないデータ記録媒体にビデオ規格のAVストリームに変換して記録する機能構成を備えているが、図8のデータ記録装置50のデータ変換部51とは異なり、ストリーム分離部514の代わりに、データ変換部11には2重音声選択部115を備えていると共に、音声データ変換部114を備えている。なお、本実施例におけるデータ変換装置10へ入力するAVストリームに含まれる音声ストリームとしては、MPEG方式やドルビーデジタル方式などの圧縮音声データではなく、非圧縮方式のリニアPCM符号化の音声データであることを前提としている。
【0076】
図1に示す本発明に係るデータ変換装置10について更に詳細に説明する。
データ変換部11は、音声データ入替部111、RDI→NV変換部112、音声データ抽出部113、音声データ変換部114及び2重音声選択部115から構成されている。データ変換部11は、前述のように、VR規格準拠のフォーマットからなるAVストリーム即ちAVデータを入力とし、NV規格準拠のAVストリームに変換して出力する。
【0077】
即ち、データ変換部11に入力されたAVストリームは、音声データ入替部111と音声データ抽出部113とに入力される。音声データ抽出部113は、入力されたAVストリームにデュアルモノラル音声即ち2重音声のリニアPCM音声データが含まれているか否かを識別し、2重音声の音声ストリームを抽出して、音声データ変換部114へ出力している。
【0078】
音声データ変換部114では、入力された2重音声の音声ストリームの中から、2重音声選択部115で任意に選択されている選択方法に基づいて、主音声データあるいは副音声データのいずれかを選択し、選択された音声データを選択されていない副音声データあるいは主音声データに設定することにより、同一の音声データを主音声データ及び副音声データの両方に設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データに変換する。
【0079】
あるいは、2重音声選択部115で任意に選択されている選択方法(演算方法)に基づいて、例えば主音声データと副音声データとを加算した後「2」で除算するなどの演算処理を行ない、演算処理後の音声データを主音声データ及び副音声データの両方に共通して設定して、ステレオ音声のリニアPCMデータに変換する。音声データ変換部114にてステレオ音声のリニアPCMデータに変換された音声ストリームは、音声データ入替部111に出力される。
【0080】
音声データ入替部111では、入力されたオリジナルのAVストリームに含まれる音声ストリームがデュアルモノラル音声即ち2重音声の音声ストリームであった場合には、音声データ変換部114にて変換されたステレオ音声の音声ストリームをオリジナルのリニアPCM符号化音声ストリームと入れ替えて、RDI→NV変換部112に出力する。
【0081】
RDI→NV変換部112では、音声データ入替部111から出力されるAVストリームを入力とし、該AVストリーム中のRDIヘッダをNVヘッダに変換して、ビデオ規格準拠のフォーマットのAVストリームとして、記録媒体記録部12に対して出力する。
【0082】
管理情報設定部13では、図8に示す従来のデータ記録装置50の管理情報設定部53と略同様に、オリジナルのAVストリームに含まれる音声ストリームが2重音声の音声ストリームであった場合には、2重音声選択部115により選択された選択方法に基づくステレオ音声の音声ストリームに変換していることを、DVDやHDDなどのデータ記録媒体の記録フォーマットに従った管理情報として生成し、記録媒体記録部12に出力する。
【0083】
記録媒体記録部12は、管理情報設定部13から出力された管理情報と共に、データ変換部11のRDI→NV変換部112から出力されたAVストリームを、DVDやHDDなどのデータ記録媒体の記録フォーマットに適合したデータ形式として記録する。
【0084】
なお、入力された2重音声の音声ストリームの選択方法を予め設定する2重音声選択部115は、等速ダビング設定部115a、高速ダビング設定部115b、Video記録設定部115c、再生音声設定部115d、予約設定部115eを備えて構成されている。等速ダビング設定部115aは、AVストリームを再生してから記録する等速ダビングを行なう際に、AVストリームの音声ストリームがデュアルモノラル音声即ち2重音声であった場合に、主音声、副音声のいずれの音声データを記録するかを標準的な等速ダビングにおける音声データの選択方法として、デフォルト状態として予め設定されている設定値をそのまま用いて設定するものである。
【0085】
また、高速ダビング設定部115bは、AVストリーム再生することなくそのまま記録する高速ダビングを行なう際に、AVストリームの音声ストリームがデュアルモノラル音声即ち2重音声であった場合に、主音声、副音声のいずれの音声データを用いてステレオ音声データとして記録するか、あるいは、両者の音声データに対して施すべき適切な演算方法を指定して演算結果の音声データについてステレオ音声データとして記録するかを標準的な高速ダビングにおける音声データの選択方法として、デフォルト状態として予め設定されている設定値をそのまま用いて設定するものである。
【0086】
また、Video記録設定部115cは、入力されてくるAVストリームのうち、AVストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合にDVDディスクなどのデータ記録媒体にビデオ規格で記録する標準的なAVストリームの記録方法として、主音声データ、副音声データのいずれを記録するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を記録するかに関して、デフォルト状態として予め設定されている設定値をそのまま用いて設定するものである。また、再生音声設定部115dは、AVストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合に標準的なAVストリームの再生方法として、主音声データ、副音声データのいずれを再生するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を再生するかに関して、デフォルト状態として予め設定されている設定値をそのまま用いて設定するものである。
【0087】
更には、予約設定部115eは、ユーザがダビングを行なう際に又はダビング予約を行なう際に、デフォルト状態として予め設定された標準的ないずれかの選択方法を用いるのではなく、ユーザの目的や嗜好に合った音声データを予め任意に選択して設定するものである。ここで、以上の等速ダビング設定部115aや高速ダビング設定部115bやVideo記録設定部115cや再生音声設定部115dや予約設定部115eのいずれか1つの選択・設定方法を用いたり、あるいは、複数の選択・設定方法の組み合わせを用いることも可能である。
【0088】
ここで、音声データ変換部114におけるオーディオデータの変換処理の一例について、図3を用いて、より具体的に説明する。図3は、図1に示す本発明に係るデータ変換装置10におけるオーディオデータの変換方法を示す模式図であり、入力されたVR規格のAVストリームがデュアルモノラル即ち2重音声の音声ストリームを含むAVストリームであった場合に、2重音声選択部115により選択された選択方法として、主音声データを用いてステレオ音声に変換する場合を例に取って示している。
【0089】
即ち、入力されたVR規格のAVストリームからリニアPCM形式のデュアルモノラル即ち2重音声の音声ストリームを抽出し、抽出された2重音声の音声ストリームを主音声及び副音声の2つの音声データからなるモノラル音声に分解し、2重音声選択部115により選択された主音声データを用いてステレオ音声に変換し、オリジナルの2重音声の音声ストリームの代わりに、変換されたステレオ音声ストリームに入れ替える方法を具体的に示している。
【0090】
図3に示すように、VR規格のAVストリーム30に含まれている音声ストリームのA1パケット32、A2パケット33が、デュアルモノラル即ち2重音声の音声ストリームであると音声データ抽出部113で識別され、かつ、抽出されて、音声データ変換部114に入力される。音声データ変換部114では、音声ストリームのA1パケット32とA2パケット33とのそれぞれに含まれている主音声1 321、副音声1 322、…、主音声n 323、副音声n 324と、主音声(n+1)331、副音声(n+1)332、…、主音声2n 333、副音声2n 334とが、主音声と副音声とに分離されて、2重音声選択部115により選択された選択方法に基づいて、主音声1 321、…、主音声n 323と主音声(n+1)331、…、主音声2n 333との主音声データがそれぞれ抽出される。
【0091】
しかる後、それぞれの主音声データはコピーされて、主音声1 321、主音声1 321′、…、主音声n 323、主音声n 323′のステレオ音声データと主音声(n+1)331、主音声(n+1)331′、…、主音声2n 333、主音声2n 333′のステレオ音声データとに変換されて、A1′パケット32′とA2′パケット33′として編集される。
【0092】
一方、音声データ入替部111では、音声データ抽出部113にて2重音声の音声ストリームであることが識別された場合、オリジナルのVR規格のAVストリーム30に含まれている音声ストリームのA1パケット32、A2パケット33を、音声データ変換部114から出力されたA1′パケット32′、A2′パケット33′に置換して、RDI→NV変換部112に出力する。RDI→NV変換部112では、音声データ入替部111からのAVストリームのRDIパック31をNVパック34に変換して、ビデオ規格準拠のAVストリーム30′を生成して、記録媒体記録部12に対して出力する。
【0093】
図3に示した変換例では、2重音声のオーディオパックを含むVOBUのパック列から2重音声の音声ストリームを抽出して、抽出された音声ストリームのうち、主音声のみを取り出し、副音声の部分にも同じ主音声データを設定することにより、ステレオ音声に変換している例を説明した。しかし、本発明に係るデータ変換装置においては、逆に、主音声データを副音声データに置き換えても良く、また、主音声データと副音声データとに適切な演算を施して、例えば、主音声データと副音声データを加算した後に「2」で除算する算術平均処理などを行なって、両方の音声ストリームに設定するような構成としても良い。
【0094】
図3に示す音声データの変換例においては、A1パケット32とA1′パケット32′とA2パケット33とA2′パケット33′とのSCR(System Clock Reference)は等しいので、変換する必要はない。更に、PTS(Presentation Time Stamp)についても、A1パケット32とA1′パケット32′とA2パケット33とA2′パケット33′とが等しいので、前述した従来例のごとくA2パケット63のPTSをA1パケット62と同じPTSに変更する必要がなくなる。このため、オーディオバッファモデルに変更が生じることはなく、従来例のようなオーディオバッファが破綻するという課題を解決することができる。
【0095】
また、図1、図3に示した本発明に係るデータ変換装置10においては、DVDディスクなどのデータ記録媒体に記録するためのフォーマットからなるVR規格のAVストリームから、ビデオ規格への変換を行なう場合について説明をしたが、入出力するAVストリームのフォーマットに関しては、如何なるフォーマットであっても良い。例えば、入出力フォーマットをMPEG−TS(Transport Stream)フォーマットで、2重音声をステレオ音声にデータ変換しても、バッファモデルの破綻を起こさず、全く問題なく変換することが可能である。
【0096】
次に、図1に示すデータ変換装置10におけるデータ変換方法の動作について、図4に示すフローチャートを用いて更に説明する。図4は、本発明に係るデータ変換方法の一例を示す動作フローチャートである。
まず、VR規格準拠のAVストリームをデータ変換装置10に読み込む(ステップS01)。読み込まれたAVストリームの中から、デュアルモノラル音声即ち2重音声の音声ストリームを抽出する(ステップS02)。次のステップS03からS07までは、ステップS02にて抽出されたVR規格準拠のデュアルモノラル音声即ち2重音声のリニアPCM音声データをビデオ規格に準拠可能なステレオ音声データに変換するステップである。ここでは、ステップS01で入力されるAVストリームに含まれている音声ストリームは、2重音声の音声データのみに限定している。
【0097】
ここで、まず、ステップS02にて抽出された2重音声のリニアPCM音声データのうち、主音声データを主副の両方の音声データに設定するか否かの判定を行なう(ステップS03)。主音声データを主副の両方の音声データに設定すると判定された場合(ステップS03のYES)、主音声データにより副音声データを入れ替えて設定して、リニアPCMのステレオ音声データに変換する(ステップS04)。
【0098】
一方、主音声データを主副の両方の音声データには設定しないと判定された場合には(ステップS03のNO)、副音声データを主副の両方の音声データに設定するか否かの判定を行なう(ステップS05)。副データを主副の両方の音声データに設定すると判定された場合(ステップS05のYES)、副音声データにより主音声データを入れ替えて設定して、リニアPCMのステレオ音声データに変換する(ステップS06)。
【0099】
一方、副音声データも主副の両方の音声データには設定しないと判定された場合には(ステップS05のNO)、主音声データと副音声データとを予め任意に設定されている演算方法(例えば、主音声データと副音声データとを加算した後「2」で除算する算術平均演算など)に基づいて演算し、得られた演算結果により主音声データと副音声データとの両方を入れ替えて設定して、リニアPCMのステレオ音声データに変換する(ステップS07)。
【0100】
次に、入力された2重音声のリニアPCM音声データのオリジナル音声データからなるAVストリームを、変換された音声データからなるAVストリームに入れ替える(ステップS08)。
ステップS08で、変換された音声データからなるAVストリームに入れ替えたAVストリームを入力として、該AVストリーム中のRDIヘッダをNVヘッダに変換して、ビデオ規格準拠のAVストリームに変換する(ステップS09)。
【0101】
更に、2重音声をステレオ音声の音声ストリームに変換した旨を示すように、画像や音声の属性情報などのタイトル情報を含む管理情報を生成して(ステップS10)、最後に、ステップS09で作成されたビデオ規格準拠のAVストリームとステップS10で生成された管理情報とをデータ記録媒体に記録する(ステップS11)。
【0102】
本発明に係るデータ変換方法においては、前述のデータ変換装置10において説明したように、入出力AVストリームのフォーマットに関しては、如何なるフォーマットであっても良い。例えば、入出力フォーマットをMPEG−TSフォーマットとして、2重音声からステレオ音声にデータ変換しても、バッファモデルの破綻を起こさず、全く問題なく変換することが可能である。
但し、図1に示すデータ変換装置10において適用される本データ変換方法は、AVストリーム中にステレオ音声と2重音声とが混在した音声ストリームが存在しているような場合には、データ変換処理を施すことはできなく、入力AVストリーム中の音声ストリームが2重音声のみの場合に適用可能なデータ変換方法となっている。
【0103】
次に、本発明に係るデータ変換装置の第2の実施例について、図2を用いて説明する。図2は、本発明に係るデータ変換装置の機能構成の異なる例を示す機能ブロック構成図である。
実施例1における構成の場合においては、前述したように、或るタイトルのAVストリーム中に、例えばステレオ音声と2重音声とが混合した音声ストリームが含まれているような場合には処理することはできず、或るタイトルのAVストリーム中の音声ストリームが最初から最後まで同一の音声ストリーム例えばデュアルモノラル音声即ち2重音声の音声ストリームのみから構成されている場合にしか、ビデオ規格にデータ変換することができない。
【0104】
図2に示すデータ変換装置20においては、ステレオ音声のみ、もしくは、ステレオ音声と2重音声とが混在した音声ストリームを含むAVストリームについても、VR規格からビデオ規格のAVストリームに変換可能とするものである。ここに、図2に示すデータ変換装置20は、図1に示すデータ変換装置10と略同様の機能構成を備えているが、データ変換装置20のデータ変換部21は、図1のデータ変換装置10のデータ変換部11に対して、更に、入力音声の種別を判定する入力音声判定部216を備えて構成されている。
【0105】
図2に示す本発明に係るデータ変換装置20について更に詳細に説明する。
データ変換部21は、音声データ入替部211、RDI→NV変換部212、音声データ抽出部213、音声データ変換部214、2重音声選択部215及び入力音声判定部208から構成されている。
データ変換部21は、図1のデータ変換部11と同様に、VR規格準拠のフォーマットからなるAVストリーム即ちAVデータを入力とし、NV規格準拠のAVストリームに変換して出力する。
【0106】
即ち、データ変換部21に入力されたAVストリームは、音声データ入替部211と音声データ抽出部213とに入力される。ここで、データ変換部21に入力されたAVストリームは、図1のデータ変換装置10の場合と異なり、AVストリームに含まれる音声ストリームとしては、デュアルモノラル即ち2重音声のみに限るものではなく、ステレオ音声と2重音声とが混在していても良い。音声データ抽出部213は、入力されたAVストリームにデュアルモノラル音声即ち2重音声あるいはステレオ音声のリニアPCM音声データが含まれているか否かを識別し、2重音声あるいはステレオ音声のリニアPCM音声ストリームを抽出し、音声データ変換部214と入力音声判定部216とに出力している。
【0107】
入力音声判定部216では、入力されたリニアPCM音声ストリームが2重音声とステレオ音声とのいずれかを判定し、その判定結果を音声データ変換部214に対して出力する。
【0108】
音声データ変換部214では、入力音声判定部216から出力されたリニアPCM音声ストリームの判定結果に基づいて、入力されたリニアPCM音声ストリームの中から2重音声の音声ストリームのみを抽出し、更に、2重音声選択部215で任意に選択されている選択方法に基づいて、抽出した2重音声の音声ストリームの中から、主音声データあるいは副音声データのいずれかを選択し、選択された音声データを選択されていない副音声データあるいは主音声データに設定することにより、同一の音声データを主音声データ及び副音声データの両方に設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データに変換する。
【0109】
あるいは、2重音声選択部215で任意に選択されている選択方法(演算方法)に基づいて、例えば抽出した2重音声の音声ストリーム中の主音声データと副音声データとを加算した後「2」で除算するなどの演算処理を行ない、演算処理後の音声データを主音声データ及び副音声データの両方に共通して設定して、ステレオ音声のリニアPCMデータに変換する。音声データ変換部214にてステレオ音声のリニアPCMデータに変換された音声ストリームは、音声データ入替部211に出力される。
但し、音声データ変換部214から音声データ入替部211に対して出力される音声ストリームは、2重音声の音声ストリームを変換したステレオ音声リニアPCMデータのみでなく、変換対象としていないステレオ音声の部分をも含めて出力するようにしている。
【0110】
以降の処理は、図1のデータ変換装置10の場合と全く同様である。即ち、音声データ入替部211では、入力されたオリジナルのAVストリームに含まれる音声ストリームがデュアルモノラル音声即ち2重音声の音声ストリームであった場合には、音声データ変換部214にて変換されたステレオ音声の音声ストリームをオリジナルのリニアPCM符号化音声ストリームと入れ替えて、RDI→NV変換部212に出力する。
【0111】
RDI→NV変換部212では、音声データ入替部211から出力されるAVストリームを入力とし、該AVストリーム中のRDIヘッダをNVヘッダに変換して、ビデオ規格準拠のフォーマットのAVストリームとして、記録媒体記録部22に対して出力する。
【0112】
管理情報設定部23では、オリジナルのAVストリームに含まれる音声ストリームが2重音声の音声ストリームであった場合には、2重音声選択部215により選択された選択方法に基づくステレオ音声の音声ストリームに変換していることを、DVDやHDDなどのデータ記録媒体の記録フォーマットに従った管理情報として生成し、記録媒体記録部22に出力する。
【0113】
記録媒体記録部22は、管理情報設定部23から出力された管理情報と共に、データ変換部11のRDI→NV変換部212から出力されたAVストリームを、DVDやHDDなどのデータ記録媒体の記録フォーマットに適合したデータ形式として記録する。
【0114】
なお、入力された2重音声の音声ストリームの選択方法を予め設定する2重音声選択部215は、図1に示すデータ変換装置10の2重音声選択部115と同様に、等速ダビング設定部215a、高速ダビング設定部215b、Video記録設定部215c、再生音声設定部215d、予約設定部215eを備えて構成されている。等速ダビング設定部215aは、AVストリームを再生してから記録する等速ダビングを行なう際に、AVストリームの音声ストリームがデュアルモノラル音声即ち2重音声であった場合に、主音声、副音声のいずれの音声データを記録するかを標準的な等速ダビングにおける音声データの選択方法として、デフォルト状態として予め設定されている設定値をそのまま用いて設定するものである。
【0115】
また、高速ダビング設定部215bは、AVストリーム再生することなくそのまま記録する高速ダビングを行なう際に、AVストリームの音声ストリームがデュアルモノラル音声即ち2重音声であった場合に、主音声、副音声のいずれの音声データを用いてステレオ音声データとして記録するか、あるいは、両者の音声データに対して施すべき適切な演算方法を指定して演算結果の音声データについてステレオ音声データとして記録するかを標準的な高速ダビングにおける音声データの選択方法として、デフォルト状態として予め設定されている設定値をそのまま用いて設定するものである。
【0116】
また、Video記録設定部215cは、入力されてくるAVストリームのうち、AVストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合にDVDディスクなどのデータ記録媒体にビデオ規格で記録する標準的なAVストリームの記録方法として、主音声データ、副音声データのいずれを記録するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を記録するかに関して、デフォルト状態として予め設定されている設定値をそのまま用いて設定するものである。また、再生音声設定部215dは、AVストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合に標準的なAVストリームの再生方法として、主音声データ、副音声データのいずれを再生するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を再生するかに関して、デフォルト状態として予め設定されている設定値をそのまま用いて設定するものである。
【0117】
更には、予約設定部215eは、ユーザがダビングを行なう際に又はダビング予約を行なう際に、デフォルト状態として予め設定された標準的ないずれかの選択方法を用いるのではなく、ユーザの目的や嗜好に合った音声データを予め任意に選択して設定するものである。ここで、以上の等速ダビング設定部215aや高速ダビング設定部215bやVideo記録設定部215cや再生音声設定部215dや予約設定部215eのいずれか1つの選択・設定方法を用いたり、あるいは、複数の選択・設定方法の組み合わせを用いることも可能である。
【0118】
以上のような図2に示すデータ変換装置20の構成の場合においても、SCR(System Clock Reference)とPTS(Presentation Time Stamp)とを変更する必要はないので、オーディオバッファモデルに変更が生じることはなく、従来例のようなオーディオバッファが破綻するという課題を解決することができる。
【0119】
また、図2に示した本発明に係るデータ変換装置20においては、DVDディスクなどのデータ記録媒体に記録するためのフォーマットからなるVR規格のAVストリームから、ビデオ規格への変換を行なう場合について説明をしたが、図1に示すデータ変換装置10の場合と同様に、入出力するAVストリームのフォーマットに関しては、如何なるフォーマットであっても良い。例えば、入出力フォーマットをMPEG−TS(Transport Stream)フォーマットとして、2重音声からステレオ音声にデータ変換しても、バッファモデルの破綻を起こさず、全く問題なく変換することが可能である。
【0120】
次に、図2に示すデータ変換装置20におけるデータ変換方法の動作について、図5に示すフローチャートを用いて更に説明する。図5は、本発明に係るデータ変換方法の異なる例を示す動作フローチャートである。
図5に示すフローチャートは、図4に示したフローチャートと略同一であり、ステップS03aに示す判定ステップが追加されていることのみが異なっている。図5のフローチャートに従って、データ変換方法の動作を説明すると、次の通りである。
【0121】
まず、VR規格準拠のAVストリームをデータ変換装置20に読み込む(ステップS01)。読み込まれたAVストリームの中から、音声ストリームを抽出する(ステップS02)。ここで、ステップS01において読み込まれるAVストリームに含まれている音声データは、2重音声のみでなく、ステレオ音声のみの場合や、ステレオ音声と2重音声とが混在した音声データであっても良く、図4に示す入力AVストリームと比較して、適用範囲が広く、ユーザへの利便性が広がっている。
【0122】
従って、次のステップS03aでは、入力された音声データを2重音声か否かを判定し、2重音声の音声データであれば(ステップS03aのYES)、ステップS03へ移行し、2重音声の音声データをステレオ音声データに変換する処理に入る。一方、2重音声の音声データではないと判定された場合は(ステップS03aのNO)、データ変換の対象の音声データではないものとして、ステップS08へ移行する。あるいは、ステップS09へ移行しても良い。
【0123】
ステップS03aにおいて2重音声の音声データと判定された場合に(ステップS03aのYES)、次のステップS03からS07までは、ステップS02にて抽出されたVR規格準拠のデュアルモノラル音声即ち2重音声のリニアPCM音声データをビデオ規格に準拠可能なステレオ音声データに変換するステップである。ここでは、ステップS01で入力されるAVストリームに含まれている音声ストリームのうち、2重音声のリニアPCM音声データのみを抽出して、データ変換を行なうようにしている。
【0124】
ここで、まず、ステップS02にて抽出された2重音声のリニアPCM音声データのうち、主音声データを主副の両方の音声データに設定するか否かの判定を行なう(ステップS03)。主音声データを主副の両方の音声データに設定すると判定された場合(ステップS03のYES)、主音声データにより副音声データを入れ替えて設定して、リニアPCMのステレオ音声データに変換する(ステップS04)。
【0125】
一方、主音声データを主副の両方の音声データには設定しないと判定された場合には(ステップS03のNO)、副音声データを主副の両方の音声データに設定するか否かの判定を行なう(ステップS05)。副データを主副の両方の音声データに設定すると判定された場合(ステップS05のYES)、副音声データにより主音声データを入れ替えて設定して、リニアPCMのステレオ音声データに変換する(ステップS06)。
【0126】
一方、副音声データも主副の両方の音声データには設定しないと判定された場合には(ステップS05のNO)、主音声データと副音声データとを予め任意に設定されている演算方法(例えば、主音声データと副音声データとを加算した後「2」で除算する算術平均演算など)に基づいて演算し、得られた演算結果により主音声データと副音声データとの両方を入れ替えて設定して、リニアPCMのステレオ音声データに変換する(ステップS07)。
但し、このステップS07では、何も演算処理をしないと判定された場合には、入力データのまま、何らの処理も加えずリニアPCMのステレオ音声データとして出力しても良い。
【0127】
次に、入力された2重音声のリニアPCM音声データのオリジナル音声データからなるAVストリームを、変換された音声データからなるAVストリームに入れ替える(ステップS08)。
ステップS08で、変換された音声データからなるAVストリームに入れ替えたAVストリームを入力として、該AVストリーム中のRDIヘッダをNVヘッダに変換して、ビデオ規格準拠のAVストリームに変換する(ステップS09)。
【0128】
更に、2重音声をステレオ音声の音声ストリームに変換した旨を示すように、画像や音声の属性情報などのタイトル情報を含む管理情報を生成して(ステップS10)、最後に、ステップS09で作成されたビデオ規格準拠のAVストリームとステップS10で生成された管理情報とをデータ記録媒体に記録する(ステップS11)。
【0129】
本発明に係るデータ変換方法においては、前述のデータ変換装置20において説明したように、入出力AVストリームのフォーマットに関しては、如何なるフォーマットであっても良い。例えば、入出力フォーマットをMPEG−TSフォーマットとして、2重音声をステレオ音声にデータ変換しても、バッファモデルの破綻を起こさず、全く問題なく変換することが可能である。
なお、図2に示すデータ変換装置20において適用される図5の本データ変換方法は、図4に示したデータ変換方法と異なり、AVストリーム中にステレオ音声と2重音声とが混在した音声ストリームが存在しているような場合であっても適用可能なデータ変換方法である。
【0130】
次に、本発明に係るデータ変換装置、データ変換方法の実施例について更に説明する。
図1又は図2に示したデータ変換装置10及び20の構成においては、前述したように、入出力フォーマットがDVDフォーマットのVR規格やビデオ規格に従う場合、ISO/IEC13818−1規格に規定されたMPEG規格のMPEG−PS(Program Stream)フォーマット規格に準じたフォーマットとして入力され記録される。
【0131】
更に、音声データ変換部114又は214では、音声データがリニアPCMデータであり、かつ、DVDフォーマットのVR規格に従う音声ストリームについて、ビデオ規格に従う音声ストリームに変換する場合、図7にて前述したように、オーディオパック(Aパック)45に存在するパケットヘッダ45b内のデータ情報458bに含まれているチャンネル情報(音声識別情報)を、デュアルモノラル音声即ち2重音声からステレオ音声の情報に書き換える必要がある。
【0132】
また、図4又は図5に示す本発明に係るデータ変換方法の動作フローチャートにおいても、前述したデータ変換装置10,20の場合と同様に、入出力フォーマットがDVDフォーマットのVR規格又はビデオ規格に従う場合は、ISO/IEC13818−1規格に規定されたMPEG規格のMPEG−PS(Program Stream)フォーマット規格に準じたフォーマットとして入力され記録される。
【0133】
更に、音声データがリニアPCMデータであり、かつ、DVDフォーマットのVR規格に従う音声ストリームについて、ビデオ規格に従う音声ストリームに変換する場合、図7にて前述したように、オーディオパック(Aパック)45に存在するパケットヘッダ45b内のデータ情報458bに含まれているチャンネル情報(音声識別情報)を、デュアルモノラル音声即ち2重音声からステレオ音声の情報に書き換える必要がある。
【0134】
また、図1又は図2に示したデータ変換装置10及び20の構成においては、ビデオ規格に変換したAVストリームの出力単位を示すタイトルの情報として、当該タイトルの入力AVストリームに音声ストリームが含まれていた場合、該音声ストリームがステレオ音声であることを示す管理情報を管理情報設定部13又は23で設定し、記録媒体記録部12又は22で該管理情報を記録している。
【0135】
ここで、出力フォーマットがDVDフォーマットのビデオ規格に従う場合は、当該タイトルの入力AVストリームにデュアルモノラル音声の音声ストリームが含まれていた場合、該音声ストリームが音声データ変換部114又は214で変換されたリニアPCMのステレオ音声であることを管理情報に管理情報設定部13又は23で設定し、変換されたリニアPCMのステレオ音声としてDVDディスクなどのデータ記録媒体に記録する。
【0136】
DVDフォーマットのVR規格としてDVDディスクなどのデータ記録媒体に記録する場合も同様に、AVストリームの出力単位を示すタイトルの情報として、当該タイトルの入力AVストリームに音声ストリームが含まれていた場合、該音声ストリームがデュアルモノラル音声やステレオ音声であることを管理情報設定部13又は23で設定し、記録媒体記録部12又は22で管理情報として記録する。なお、オーディオデータのアプリケーションフラグとして備えられているフラグに当該オーディオデータのチャンネルモードが固定である旨を示すように設定しても良い。また、DVDフォーマットのビデオ規格とVR規格とがタイトル毎に混在してDVDディスクなどのデータ記録媒体に記録することも可能である。
【0137】
また、図4又は図5に示す本発明に係るデータ変換方法の動作フローチャートにおいても、前述したデータ変換装置10,20の場合と同様に、ビデオ規格に変換したAVストリームの出力単位を示すタイトルの情報として、当該タイトルの入力AVストリームに音声ストリームが含まれていた場合、該音声ストリームがステレオ音声であることを図4又は図5のステップS10で管理情報として設定し、ステップS11でDVDディスクなどのデータ記録媒体に記録する。
【0138】
ここで、出力フォーマットがDVDフォーマットのビデオ規格に従う場合は、当該タイトルの入力AVストリームにデュアルモノラル音声の音声ストリームが含まれていた場合、該音声ストリームが図4又は図5のステップS03乃至S07においてステレオ音声に変換されたリニアPCMのステレオ音声であることを管理情報としてステップS10で設定し、変換されたリニアPCMのステレオ音声としてステップS11でDVDディスクなどのデータ記録媒体に記録する。
【0139】
DVDフォーマットのVR規格としてDVDディスクなどのデータ記録媒体に記録する場合も同様に、AVストリームの出力単位を示すタイトルの情報として、当該タイトルの入力AVストリームに音声ストリームが含まれていた場合、該音声ストリームがデュアルモノラル音声やステレオ音声であることを管理情報としてステップS10で設定し、ステップS11でDVDディスクに記録する。なお、オーディオデータのアプリケーションフラグとして備えられているフラグに当該オーディオデータのチャンネルモードが固定である旨を示すように設定しても良い。また、DVDフォーマットのビデオ規格とVR規格とがタイトル毎に混在してDVDディスクなどのデータ記録媒体に記録することも可能である。
【0140】
また、図1又は図2に示したデータ変換装置10又は20の構成においては、デフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択・設定方法でなく、ユーザの目的や嗜好に合った音声データを任意に選択・設定するようにしても良い。
【0141】
即ち、ユーザの目的や嗜好に合った音声データの選択・設定を可能にするために、図1又は図2に示したデータ変換装置10又は20の構成の場合、高速ダビング法によるデータ変換時に、2重音声選択部115又は215でデフォルト状態として予め設定されている音声データの標準的な選択方法を用いる代わりに、ユーザの目的や嗜好に合った音声データを2重音声選択部115又は215において任意に選択して設定することも可能である。
【0142】
また、図4又は図5に示す本発明に係るデータ変換方法の動作フローチャートにおいても、前述したデータ変換装置10,20の場合と同様に、デフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択・設定方法でなく、ユーザの目的や嗜好に合った音声データを任意に選択・設定するようにしても良い。
【0143】
即ち、ユーザの目的や嗜好に合った音声データの選択・設定を可能にするために、図4又は図5の動作フローチャートに加え、データ変換に先立って実行するステップとして、2重音声の音声ストリームが入力された場合に、どのように音声データを選択するかを予め任意に設定する2重音声設定ステップを有し、デフォルト状態として予め設定されている音声データの標準的な選択方法を用いる代わりに、前記2重音声設定ステップにて予め任意に選択・設定された選択方法に従って、図4又は図5の動作フローチャートのステップS03乃至S07において、入力された2重音声の音声ストリームをステレオ音声の音声ストリームに高速変換して出力することも可能である。
【0144】
また、図1又は図2に示すデータ変換装置10又は20の構成においては、2重音声選択部115又は215におけるデフォルト状態の標準的な音声データの選択・設定方法として、図1や図2の2重音声選択部115又は215において前述したように、例えば、等速ダビング設定部115a又は215aにおいて標準的な等速ダビングにおける音声データの選択方法として予め設定されている設定値(選択方法)をそのまま用いて設定したり、あるいは、高速ダビング設定部115b又は215bにおいて標準的な高速ダビングにおける音声データの選択方法として予め設定されている設定値(選択方法)をそのまま用いて設定したりしても良い。
【0145】
あるいは、Video記録設定部115c又は215cにおいてAV(Audio−Video)ストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合にビデオ規格に変換する標準的なAVストリームの記録方法として主音声データ、副音声データのいずれを記録するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を記録するかに関して予め設定されている設定値(選択方法)をそのまま用いて設定したり、あるいは、再生音声設定部115d又は215dにおいてAV(Audio−Video)ストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合にビデオ規格に変換する標準的なAVストリームの再生方法として主音声データ、副音声データのいずれを再生するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を再生するかに関して予め設定されている設定値(選択方法)をそのまま用いて設定したりしても良い。
【0146】
一方、ユーザがダビングを行なう際に又はダビング予約を行なう際に、予約設定部115e又は215eにおいて、ユーザの目的や嗜好に合った音声データを任意に選択して、ユーザが任意の選択方法を設定することができるようにしても良いし、以上の等速ダビング設定部115a又は215aや高速ダビング設定部115b又は215bやVideo記録設定部115c又は215cや再生音声設定部115d又は215dや予約設定部115e又は215eのいずれか1つの選択・設定方法を用いたり、あるいは、場合に応じて、複数の選択・設定方法の組み合わせを用いることとしても良い。
【0147】
また、図4又は図5に示す本発明に係るデータ変換方法の動作フローチャートにおいても、前述したデータ変換装置10,20の場合と同様に、前記2重音声設定ステップにおけるデフォルト状態の標準的な音声データの選択・設定方法として、図1や図2の2重音声選択部115又は215として前述した実現手段と全く同様の選択・設定方法を用いることが可能であり、例えば、標準的な等速ダビングにおける音声データの選択方法として予め設定されている設定値(選択方法)をそのまま用いて設定したり、あるいは、標準的な高速ダビングにおける音声データの選択方法として予め設定されている設定値(選択方法)をそのまま用いて設定したりしても良い。
【0148】
あるいは、AV(Audio−Video)ストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合にビデオ規格に変換する標準的なAVストリームの記録方法として主音声データ、副音声データのいずれを記録するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を記録するかに関して予め設定されている設定値(選択方法)をそのまま用いて設定したり、あるいは、AV(Audio−Video)ストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合にビデオ規格に変換する標準的なAVストリームの再生方法として主音声データ、副音声データのいずれを再生するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を再生するかに関して予め設定されている設定値(選択方法)をそのまま用いて設定したりしても良い。
【0149】
一方、ユーザがダビングを行なう際に又はダビング予約を行なう際に、ユーザの目的や嗜好に合った音声データを任意に選択して、ユーザが任意の選択方法を設定することができるようにしても良いし、以上の等速ダビングや高速ダビングやVideo記録や再生音声などにおける予め設定された設定値やユーザによる音声データの選択のいずれか1つの選択・設定方法を用いたり、あるいは、場合に応じて、複数の選択・設定方法の組み合わせを用いることとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明に係るデータ変換装置の機能構成の一例を示す機能ブロック構成図である。
【図2】本発明に係るデータ変換装置の機能構成の異なる例を示す機能ブロック構成図である。
【図3】本発明に係るデータ変換装置におけるオーディオデータの変換方法を示す模式図である。
【図4】本発明に係るデータ変換方法の一例を示す動作フローチャートである。
【図5】本発明に係るデータ変換方法の異なる例を示す動作フローチャートである。
【図6】DVDビデオ規格及びDVD VR規格として規格化されたビデオタイトルの論理フォーマットを示す構成図である。
【図7】DVDビデオ規格及びDVD VR規格として規格化されたオーディオパックの論理フォーマットを示す構成図である。
【図8】既存技術におけるデータ記録装置の機能構成の一例を示す機能ブロック構成図である。
【図9】従来のデータ記録装置におけるオーディオデータの変換方法を示す模式図である。
【符号の説明】
【0151】
10,20…データ変換装置、11,21…データ変換部、12,22…記録媒体記録部、13,23…管理情報設定部、30,30′…AVストリーム、31…RDIパック、32…A1パケット、32′…A1′パケット、33…A2パケット、33′…A2′パケット、34…NVパック、40…VTS(Video Title Set)、41…VOB(Video Object)、42…VOBU(Video Object Unit)、43…NVパック(Navigation Pack)、44…Vパック(Video Pack)、45…Aパック(Audio Pack)、45a…パックヘッダ、45b…パケットヘッダ、45c…オーディオデータ、46…RDIパック(Real−Time Data Information Pack)、50…データ記録装置、51…データ変換部、52…記録媒体記録部、53…管理情報設定部、60,60′…AVストリーム、61…RDIパック、62…A1パケット、62′…A1′パケット、63…A2パケット、63′…A2′パケット、64…NVパック、111,211…音声データ入替部、112,212…RDI→NV変換部、113,213…音声データ抽出部、114,214…音声データ変換部、115,215…2重音声選択部、115a,215a…等速ダビング設定部、115b,215b…高速ダビング設定部、115c,215c…Video記録設定部、115d,215d…再生音声設定部、115e,215e…予約設定部、216…入力音声判定部、320,320′…パケットヘッダ、321,321′…主音声1、322…副音声1、323,323′…主音声n、324…副音声n、330,330′…パケットヘッダ、331,331′…主音声(n+1)、332…副音声(n+1)、333,333′…主音声2n、334…副音声2n、451a…パックスタートコード、451b…パケットスタートコード、452a…SCR(System Clock Reference)、452b…ストリームID、453b…パケット長、454b…PTS(Presentation Time Stamp)、455b…スタッフィング領域、456b…サブストリームID、457b…フレーム情報、458b…データ情報、511…音声データ入替部、512…RDI→NV変換部、513…音声データ抽出部、514…ストリーム分離部、621…主音声1、622…副音声1、623…主音声n、624…副音声n、631…主音声(n+1)、632…副音声(n+1)、633…主音声2n、634…副音声2n。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2重音声のリニアPCM音声データを含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換部と、該データ変換部から出力されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録部とを備えたデータ変換装置であって、前記データ変換部に入力された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択部を備え、前記データ変換部が、前記2重音声選択部の選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データ又は副音声データのいずれかを選択し、選択された音声データにより、選択されていない副音声データ又は主音声データを入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とするデータ変換装置。
【請求項2】
2重音声のリニアPCM音声データを含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換部と、該データ変換部から出力されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録部とを備えたデータ変換装置であって、前記データ変換部に入力された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択部を備え、前記データ変換部が、前記2重音声選択部の選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとの間の演算処理を行ない、演算された音声データにより、主音声データと副音声データとの両方を入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とするデータ変換装置。
【請求項3】
2重音声とステレオ音声とのリニアPCM音声データを混在して含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換部と、該データ変換部から出力されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録部とを備えたデータ変換装置であって、前記データ変換部に入力された音声データの中から、2重音声とステレオ音声とを判別する入力音声判別部と、該入力音声判別部により判別された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択部とを備え、前記データ変換部が、前記入力音声判別部においてステレオ音声と判別されたリニアPCM音声データは、データ変換せずにそのまま出力し、前記入力音声判別部において2重音声と判別されたリニアPCM音声データは、前記2重音声選択部の選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データ又は副音声データのいずれかを選択し、選択された音声データにより、選択されていない副音声データ又は主音声データを入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とするデータ変換装置。
【請求項4】
2重音声とステレオ音声とのリニアPCM音声データを混在して含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換部と、該データ変換部から出力されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録部とを備えたデータ変換装置であって、前記データ変換部に入力された音声データの中から、2重音声とステレオ音声とを判別する入力音声判別部と、該入力音声判別部により判別された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択部とを備え、前記データ変換部が、前記入力音声判別部においてステレオ音声と判別されたリニアPCM音声データは、データ変換せずにそのまま出力し、前記入力音声判別部において2重音声と判別されたリニアPCM音声データは、前記2重音声選択部の選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとの間の演算処理を行ない、演算された音声データにより、主音声データと副音声データとの両方を入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とするデータ変換装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記データ変換部に入力される音声データのデータ形式として、リニアPCM音声データの他に、該リニアPCM音声データの種別を含む音声識別情報を構成するヘッダ情報が含まれるデータストリームの形式で入力されるものであり、前記データ変換部においてリニアPCM音声データを2重音声データからステレオ音声データに変換する際に、前記データストリームに含まれる前記ヘッダ情報の前記音声識別情報を2重音声からステレオ音声を示す情報に変更して設定することを特徴とするデータ変換装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記データストリームの形式が、ISO/IEC13818−1規格に規定されたMPEG−PS(Program Stream)であることを特徴とするデータ変換装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記記録媒体記録部が前記データ変換部から出力されたデータをデータ記録媒体に記録する際に、リニアPCM音声データの他に、該リニアPCM音声データを管理するための管理情報を付加して記録するものであり、前記データ変換部においてリニアPCM音声データを2重音声データからステレオ音声データに変換した場合、前記管理情報に該リニアPCM音声データがステレオ音声である旨を設定することを特徴とするデータ変換装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のデータ変換装置であって、前記データ変換部に入力されるデータ形式が、DVDのVR(Video Recording)規格に規定された形式であり、前記データ変換部から出力されて、前記記録媒体記録部がデータ記録媒体に記録するデータ形式が、DVDのビデオ規格及び/又はDVDのVR規格に規定された形式であることを特徴とするデータ変換装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記2重音声選択部が、デフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択することを特徴とするデータ変換装置。
【請求項10】
請求項9に記載のデータ変換装置であって、前記2重音声選択部がデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、標準的な等速ダビングにおける音声データの選択方法として予め設定されている選択方法を用いることを特徴とするデータ変換装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のデータ変換装置であって、前記2重音声選択部がデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、標準的な高速ダビングにおける音声データの選択方法として予め設定されている選択方法を用いることを特徴とするデータ変換装置。
【請求項12】
請求項9乃至11のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記2重音声選択部がデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、AV(Audio−Video)ストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合にビデオ規格としてデータ記録媒体に記録する際の標準的なAVストリームの選択方法として主音声データ、副音声データのいずれを記録するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を記録するかに関して予め設定されている選択方法を用いることを特徴とするデータ変換装置。
【請求項13】
請求項9乃至12のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記2重音声選択部がデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、AV(Audio−Video)ストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合に音声データを再生する際の標準的なAVストリームの選択方法として主音声データ、副音声データのいずれを再生するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を再生するかに関して予め設定されている選択方法を用いることを特徴とするデータ変換装置。
【請求項14】
請求項9乃至13のいずれかに記載のデータ変換装置であって、前記2重音声選択部が、デフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法を用いる代わりに、ユーザが任意に設定した音声データの選択方法を用いることができることを特徴とするデータ変換装置。
【請求項15】
2重音声のリニアPCM音声データを含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換ステップと、該データ変換ステップで処理されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録ステップとを有するデータ変換方法であって、前記データ変換ステップに入力された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択ステップを有し、前記データ変換ステップが、前記2重音声選択ステップの選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データ又は副音声データのいずれかを選択し、選択された音声データにより、選択されていない副音声データ又は主音声データを入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とするデータ変換方法。
【請求項16】
2重音声のリニアPCM音声データを含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換ステップと、該データ変換ステップで処理されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録ステップと有するデータ変換方法であって、前記データ変換ステップに入力された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択ステップを有し、前記データ変換ステップが、前記2重音声選択ステップの選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとの間の演算処理を行ない、演算された音声データにより、主音声データと副音声データとの両方を入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とするデータ変換方法。
【請求項17】
2重音声とステレオ音声とのリニアPCM音声データを混在して含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換ステップと、該データ変換ステップで処理されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録ステップとを有するデータ変換方法であって、前記データ変換ステップに入力された音声データの中から、2重音声とステレオ音声とを判別する入力音声判別ステップと、該入力音声判別ステップにより判別された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択ステップとを有し、前記データ変換ステップが、前記入力音声判別ステップにおいてステレオ音声と判別されたリニアPCM音声データは、データ変換せずにそのまま出力し、前記入力音声判別ステップにおいて2重音声と判別されたリニアPCM音声データは、前記2重音声選択ステップの選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データ又は副音声データのいずれかを選択し、選択された音声データにより、選択されていない副音声データ又は主音声データを入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とするデータ変換方法。
【請求項18】
2重音声とステレオ音声とのリニアPCM音声データを混在して含むデータを入力して2重音声のリニアPCM音声データを変換するデータ変換ステップと、該データ変換ステップで処理されたデータをデータ記録媒体に記録する記録媒体記録ステップとを有するデータ変換方法であって、前記データ変換ステップに入力された音声データの中から、2重音声とステレオ音声とを判別する入力音声判別ステップと、該入力音声判別ステップにより判別された2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択する2重音声選択ステップとを有し、前記データ変換ステップが、前記入力音声判別ステップにおいてステレオ音声と判別されたリニアPCM音声データは、データ変換せずにそのまま出力し、前記入力音声判別ステップにおいて2重音声と判別されたリニアPCM音声データは、前記2重音声選択ステップの選択結果に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとの間の演算処理を行ない、演算された音声データにより、主音声データと副音声データとの両方を入れ替えて設定して、ステレオ音声のリニアPCM音声データとして変換することを特徴とするデータ変換方法。
【請求項19】
請求項15乃至18のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記データ変換ステップに入力される音声データのデータ形式として、リニアPCM音声データの他に、該リニアPCM音声データの種別を含む音声識別情報を構成するヘッダ情報が含まれるデータストリームの形式で入力されるものであり、前記データ変換ステップにおいてリニアPCM音声データを2重音声データからステレオ音声データに変換する際に、前記データストリームに含まれる前記ヘッダ情報の前記音声識別情報を2重音声からステレオ音声を示す情報に変更して設定することを特徴とするデータ変換方法。
【請求項20】
請求項15乃至18のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記データストリームの形式が、ISO/IEC13818−1規格に規定されたMPEG−PS(Program Stream)であることを特徴とするデータ変換方法。
【請求項21】
請求項15乃至19のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記記録媒体記録ステップが前記データ変換ステップで処理されたデータをデータ記録媒体に記録する際に、リニアPCM音声データの他に、該リニアPCM音声データを管理するための管理情報を付加して記録するものであり、前記データ変換ステップにおいてリニアPCM音声データを2重音声データからステレオ音声データに変換した場合、前記管理情報に該リニアPCM音声データがステレオ音声である旨を設定することを特徴とするデータ変換方法。
【請求項22】
請求項20又は21に記載のデータ変換方法であって、前記データ変換方法に入力されるデータ形式が、DVDのVR(Video Recording)規格に規定された形式であり、前記データ変換ステップで処理されて、前記記録媒体記録ステップがデータ記録媒体に記録するデータ形式が、DVDのビデオ規格及び/又はDVDのVR規格に規定された形式であることを特徴とするデータ変換方法。
【請求項23】
請求項15乃至22のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記2重音声選択ステップが、デフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法に基づいて、2重音声のリニアPCM音声データを構成する主音声データと副音声データとのうちいずれかのリニアPCM音声データを選択する、又は、該主音声データと該副音声データとの間の演算方法を選択することを特徴とするデータ変換方法。
【請求項24】
請求項23に記載のデータ変換方法であって、前記2重音声選択ステップがデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、標準的な等速ダビングにおける音声データの選択方法として予め設定されている選択方法を用いることを特徴とするデータ変換方法。
【請求項25】
請求項23又は24に記載のデータ変換方法であって、前記2重音声選択ステップがデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、標準的な高速ダビングにおける音声データの選択方法として予め設定されている選択方法を用いることを特徴とするデータ変換方法。
【請求項26】
請求項23乃至25のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記2重音声選択方法がデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、AV(Audio−Video)ストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合にビデオ規格としてデータ記録媒体に記録する際の標準的なAVストリームの選択方法として主音声データ、副音声データのいずれを記録するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を記録するかに関して予め設定されている選択方法を用いることを特徴とするデータ変換方法。
【請求項27】
請求項23乃至26のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記2重音声選択ステップがデフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法として、AV(Audio−Video)ストリームに含まれている音声ストリームが2重音声の場合に音声データを再生する際の標準的なAVストリームの選択方法として主音声データ、副音声データのいずれを再生するか、又は、該主音声データと該副音声データとの間でどのような演算を行なった演算結果を再生するかに関して予め設定されている選択方法を用いることを特徴とするデータ変換方法。
【請求項28】
請求項23乃至27のいずれかに記載のデータ変換方法であって、前記2重音声選択ステップが、デフォルト状態として予め設定された標準的な音声データの選択方法を用いる代わりに、ユーザが任意に設定した音声データの選択方法を用いることができることを特徴とするデータ変換方法。
【請求項29】
請求項15乃至28のいずれかに記載のデータ変換方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施することを特徴とするデータ変換プログラム。
【請求項30】
請求項29に記載のデータ変換プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録したことを特徴とするプログラム記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−115247(P2006−115247A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300899(P2004−300899)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】