説明

データ更新システム、データ更新方法、およびデータ更新プログラム、ならびにロボットシステム

所定の機能を実現するプログラムを実行するロボットに含まれるサブシステム(110)は、ロボットの機能を拡張する拡張データを受信するデータ受信部(115)と、受信した拡張データを組み込むデータ組込部(116)と、所定の条件に対応するパスワードを出力するパスワード出力部(113)と、を含み、複数の拡張データを提供するサーバサブシステム(100)は、ユーザによるパスワードの入力を受け付ける端末通信部(101)と、受け付けたパスワードに対応する複数の拡張データを取得し、ユーザに提示する選択肢提示部(125)と、ユーザの選択を受け付けるデータ選択部(104)と、選択された拡張データをロボットサブシステム(110)に送信するデータ送信部(106)と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の機能を実現するデータのデータ更新システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一層の親近感や満足感を利用者に与えてロボットとしてのアミューズメント性を向上させることを目的として、ロボットがその内部状態に従って、機能を変更する、あるいは機能を追加するなどして成長していくシステムの一例が、特許文献1に記載されている。一方、このような機能の変更・追加を実現するための手法としては、遠隔のサーバコンピュータからネットワーク経由でロボットにプログラムを含むデータを転送することで機能を追加する方法が存在しており、従来のシステムの一例が、特許文献2に記載されている。
【0003】
このシステムではデータを販売するサーバコンピュータにおいて利用者がその嗜好に合致する組み込むデータを選択し、ネットワークを介して選択したデータを利用者の個人端末内に転送し、そのデータを利用者がさらにメモリカードなどの外部記憶に転送し、それをロボットに挿入して組み込む手段が用いられている。この従来例では、ロボットに新たに組み込むデータの種別および組み込むタイミングはロボットの利用者により決定されるため、成長のようにロボットが自発的に機能の変更を行う用途に適用することができない。
【0004】
別の従来例としては、新しいデータをサーバコンピュータから利用者の手を介さずにロボットに転送する方式も存在し、その一例が特許文献3で紹介されている。この従来例では、ロボットに新たに組み込むデータの種別および組み込むタイミングはロボットに組み込まれたプログラムによって決定されるので成長のような用途に使用することが可能である。
【0005】
しかしながら、成長が利用者の利用形態などに応じて複数の選択肢に分岐可能な場合には、特許文献3の方法により成長の実行をロボットに組み込まれたプログラムによってのみ行うことには問題がある。特許文献2のように利用者の嗜好を汲み入れることがないため、ロボットのプログラムが選択した成長の選択肢がロボットの利用者の嗜好に合致しない場合が起こりうるからである。この場合、利用者はロボットに対する興味を著しく損なってしまう可能性がある。
【0006】
また、成長するタイミングの決定という観点からも同様の問題がある。特許文献3の方法によれば、成長のタイミングがロボットに内蔵されたプログラムによってのみ決定されるが、利用者が成長前の状態を気に入っており、成長させるのを延期させたい場合にも、この意向を無視した成長が実施されてしまう。このように、従来の技術では、成長の方向付けとタイミングの決定において、ロボットのプログラムと利用者、双方の関与によることができなかった。
【特許文献1】特開2000−350275号公報(要約)
【特許文献2】特開2001−250045号公報(第22頁、図17)
【特許文献3】特開2003−255991号公報(第6頁、図9)
【非特許文献1】NECロボット開発センター、「NECのロボット技術」、[online]、平成15年、日本電気株式会社、[平成16年2月20日検索]、インターネット<URL:http://www.incx.nec.co.jp/robot/sikumi/01.html>
【発明の開示】
【0007】
しかしながら、従来のシステムにおいては、機能がプログラムを含むデータによって実現され、その機能を変更する、あるいは機能を追加するなどして成長していくロボットを含む機器において、その成長が複数の選択肢に分岐可能な場合、機器に組み込まれるプログラムを含むデータの種別の決定を機器に組み込まれたプログラム、および、機器の利用者の双方の関与のもとで決定することはできず、そのような発想もなかった。
【0008】
また、従来のシステムにおいて、機器にプログラムを含むデータを組み込むタイミングを機器に組み込まれたプログラム、および、機器の利用者の双方の関与のもとで決定することもできなかった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザおよび機器の両方の関与のもとに所定の機能を実現するデータを拡張可能なデータ更新システムを提供することにある。
【0010】
本発明によれば、所定の機能を実現するプログラムを実行する機器と、前記機器にネットワークを介して接続され、前記機器の機能を拡張する複数の拡張データを保有し、前記拡張データを前記機器に送信するデータ提供装置と、を備えたデータ更新システムであって、前記機器は、前記プログラムを記憶するデータ記憶部と、前記機能を拡張する拡張データを前記データ提供装置から受信する受信部と、前記受信部で受信した前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新する更新部と、前記拡張データの受け付けが可能となる条件を満たすか否かを判断する判断部と、前記条件毎に取得可能な複数の前記拡張データに関連付けられ、前記拡張データを前記データ提供装置から受信するとき使用するパスワードを記憶するパスワード記憶部と、前記パスワード記憶部にアクセスし、前記判断された前記条件に対応する前記拡張データの前記パスワードを取得し、取得した前記パスワードをユーザに出力するパスワード出力部と、を含み、前記データ提供装置は、前記複数の拡張データと前記パスワードを関連付けたテーブルを記憶するテーブル記憶部と、前記ユーザによる前記パスワードの入力を受け付けるパスワード受付部と、前記テーブル記憶部にアクセスし、前記パスワード受付部で受け付けたパスワードに対応する前記複数の拡張データを取得し、前記ユーザに提示する提示部と、前記提示部に提示された前記複数の拡張データから前記ユーザが選択した拡張データを受け付ける選択受付部と、前記選択受付部により受け付けた前記拡張データを前記拡張データ記憶部から読み出し、前記機器に前記ネットワークを介して送信する送信部と、を含むことを特徴とするデータ更新システムが提供される。
【0011】
ここで、機器とは、たとえば、周囲の環境や状態を検知するセンサや、ユーザからの働きかけを検知するセンサや、ユーザと対話するためのコミュニケーション部を有し、状態や条件に従って、成長、進化、感情やキャラクタなどの状態の変化、機能やサービスの更新などが可能な機器であり、リアルロボットおよびバーチャルロボットを含む。
【0012】
所定の機能を実現するプログラムとは、人とコミュニケーションを行う手段を持つロボットが内蔵するプログラム、あるいは、それに類するユーザインターフェイスを持つ機器が内蔵するプログラム、あるいは、ゲームなどのように人とコミュニケーションを行う手段を含むプログラムを含む。
【0013】
更新を行う条件とは、ロボットの使用時間、ユーザからの応答や扱いの状態、たとえば、大切に扱われたか、邪険に扱われたかなどの状態や、ゲームクリアなどである。
【0014】
また、パスワードとは、データ提供装置から拡張データを入手する際必要となるパスワードであり、拡張データと関連付けられている。ここで、拡張データは、機器の上記条件によって拡張可能な範囲が制限される。また、パスワードによって拡張可能な拡張データの範囲が対応付けられている。
【0015】
また、データ提供装置とは、たとえば、ネットワークに接続されたWebサーバであり、ユーザからの要求を受け付けて、受け付けた要求に応じて、情報を提供する。
【0016】
この発明によれば、機器に組み込まれるプログラムを含む拡張データの種別および組み込みを行うタイミングの決定を機器に組み込まれたプログラム、および、機器の利用者の双方の関与のもとで行えるデータ更新システムを提供することができる。すなわち、機能がプログラムを含むデータによって実現され、その機能を変更する、あるいは機能を追加するなどして成長、進化、感情やキャラクタなどの状態の変化、機能やサービスの更新などが可能な機器であって、その成長などが複数の選択肢に分岐可能な場合において、機器に組み込まれるプログラムを含むデータの種別および組み込みを行うタイミングの決定を機器に組み込まれたプログラム、および、機器の利用者の双方の関与のもとで行えるデータ更新システムが提供される。
【0017】
上記データ更新システムにおいて、前記機器は、前記パスワード出力部で出力した前記パスワードを記憶する既出パスワード記憶部を含むことができ、前記データ提供装置の前記送信部は、前記拡張データとともに前記パスワード受付部で受け付けた前記パスワードを送信し、前記機器の前記受信部は、前記拡張データとともに前記パスワードを前記データ提供装置から受信し、前記機器の前記更新部は、前記既出パスワード記憶部にアクセスし、前記受信部で受信した前記パスワードが前記既出パスワード記憶部に記憶されているとき、前記受信部で受信した前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新することができる。
【0018】
この構成によれば、機器が出力したパスワードを既出パスワードとして記憶し、拡張データとともに送信されたパスワードと既出パスワードが一致するときにのみ拡張データを組み込むことができるので、拡張データが不正に機器に組み込まれることを防ぐことができ、システムの信頼性が向上する。
【0019】
上記データ更新システムにおいて、前記機器の利用時間に対応付けられた少なくとも1つのパスワードを記憶する時間テーブル記憶部と、前記機器の利用時間を計測する時間計測部と、を含み、前記パスワード出力部は、前記時間テーブル記憶部にアクセスし、前記時間計測部で計測された前記機器の利用時間に対応する少なくとも1つのパスワードを取得し、出力することができる。
【0020】
ここで、パスワードの出力のタイミングは、時間テーブル記憶部に格納された利用時間を経過した時点以降となる。
【0021】
この構成によれば、パスワードを出力するタイミングと種類を機器に組み込まれたプログラムの関与のもとで、機器の利用時間に応じて決定できる。すなわち、時間経過による機器の成長などが、機器に組み込まれたプログラムによって自発的に開始され、方向付けられたものであると同時に、機器の利用者の嗜好に合致したタイミングと方向付けを加味した上で実施することが可能となり、一層の親近感や満足感を利用者に与えることができる。
【0022】
上記データ更新システムにおいて、前記機器は、前記パスワードに関連付けられた前記機器の少なくとも1つの内部状態を記憶する状態テーブルと、前記機器内部の状態を監視する状態監視部と、を含み、前記パスワード出力部は、前記状態テーブルにアクセスし、前記状態監視部で監視された前記機器の内部の状態に対応する前記パスワードを取得して出力することができる。
【0023】
ここで、内部状態とは、たとえば、機器が内蔵するプログラムによって模倣する感情値やキャラクタ、または機器に追加可能なデータの容量値などを含む。
【0024】
上記データ更新システムにおいて、前記データ提供装置は、前記パスワード受付部が受け付けた前記パスワードから暗号化鍵を算出する暗号化鍵算出部と、前記暗号化鍵算出部で算出された前記暗号化鍵を用いて、前記選択受付部が受け付けた前記拡張データを前記データ記憶部から読み出して、暗号化する暗号化部と、を含むことができ、前記データ提供装置の前記送信部は、前記暗号化部で暗号化された前記拡張データを前記機器に前記ネットワークを介して送信することができ、前記機器は、前記既出パスワード記憶部に記憶された前記パスワードから復号化鍵を算出する復号化鍵算出部と、前記受信部で受信した前記拡張データを、前記復号化鍵算出部で算出された前記復号化鍵を用いて復号化する復号化部と、を含むことができ、前記機器の前記更新部は、前記復号化部で復号化された前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新することができる。
【0025】
この構成によれば、データ提供装置の送信部と機器の受信部の間で第三者の知ることができないパスワードから生成される鍵によって暗号化された状態でデータを伝送することができる。これにより、他の手段によって第三者にパスワードが漏洩しない限り、ロボットに不正なデータが組み込まれることを防止することができる。たとえば、悪意のある第三者によるシステムがネットワーク上に存在した場合であっても、そのようなシステムが、伝送されているデータとパスワードを取り出してパスワードだけを切り離し、不正なデータと組み合わせて受信部に送信することで結果として不正なデータをロボットに組み込むことなどを防ぐことができる。
【0026】
上記データ更新システムにおいて、前記機器は、ユーザを認識する認識部と、パスワード出力を許可するユーザを登録する登録者テーブルと、前記登録者テーブルにアクセスし、前記認識部で認識されたユーザが前記登録者テーブルに含まれているか否かを判定する判定部と、を含むことができ、前記機器の前記パスワード出力部は、前記判定部が前記登録者テーブルに前記ユーザが含まれていると判定したとき、前記パスワードを出力することができる。
【0027】
この構成によれば、機器のユーザを特定してからパスワードを出力するため、パスワードを出力するユーザをあらかじめ許可されたユーザに限定することができる。これにより、実際に機器のユーザとなりうる人物としてはその機器の所有者以外に、所有者への来客、所有者の家族なども含まれる場合があるが、それら所有者以外の人物にパスワードを出力することを防ぐことができ、機器への拡張データの追加を行う過程を実施することができる特定のユーザにのみパスワードを出力することができる。
【0028】
上記データ更新システムにおいて、前記機器は、前記機器内で発生する特定の機能の利用が完了したことを示す変数と、前記機能の利用が完了した時点に出力するパスワードを対応付けて記憶する機能完了テーブルと、前記機能完了テーブルにアクセスし、前記機器内で発生する特定の機能の利用完了を監視し、前記機能の利用完了が確認されたとき、対応する前記パスワードを取得する機能完了確認部と、を含むことができ、前記機器の前記パスワード出力部は、前記機能完了確認部が取得した前記パスワードを出力することができる。
【0029】
ここで、機器内で利用完了を監視する機能とは、例えば、ユーザとの間で行われるゲーム機能で、ゲームの既定の達成条件をクリアしたことを機能の利用完了として監視するなどである。
【0030】
この構成によれば、機器内で発生する任意の事象を契機として新しいデータを追加する処理を実現することができる。
【0031】
上記データ更新システムにおいて、前記機器は、複数の機能の種別毎に前記機能完了テーブルを設けることができ、前記機能完了確認部は、前記機器内で発生する前記複数の機能の各利用完了を監視し、前記利用完了が確認された前記機能の種別を特定し、特定された前記機能の種別に該当する前記機能完了テーブルにアクセスすることができる。
【0032】
この構成によれば、機器の複数の機能の種別毎に機能の利用完了を監視し、異なるパスワードを出力させることができる。
【0033】
上記データ更新システムにおいて、前記外部機器にネットワークを介して接続され、前記パスワードの入力または前記拡張データの選択を受け付ける受付部と、前記受付部で受け付けた前記パスワードの入力または前記拡張データの選択を前記外部機器に前記ネットワークを介して送信する送信部と、を含む端末装置を含むことができ、前記データ提供装置は、前記端末装置から送信された前記パスワードの入力または前記拡張データの選択を前記ネットワークを介して受信する受信部を含むことができ、前記データ提供装置の前記パスワード受付部は、前記受信部で受信した前記パスワードの入力を受け付け、前記データ提供装置の前記選択受付部は、前記受信部で受信した前記拡張データの選択を受け付けることができる。
【0034】
ここで、端末装置は、たとえば、既存のWebブラウザ機能を有し、データ提供装置は、Webサーバとして機能する。端末装置は、Webサーバにアクセスし、受付部は、Webブラウザ上の画面からユーザにより入力されたパスワードや選択された拡張データを受け付ける。
【0035】
この構成によれば、一般的なWebブラウザを使用して、Webサーバなどのデータ提供装置にネットワークを介して接続してアクセスし、端末装置から入力されたパスワードや選択された拡張データをデータ提供装置に送信することが容易に可能となる。
【0036】
上記データ更新システムにおいて、前記データ提供装置の前記提示部は、前記端末装置に前記複数の拡張データを提示する画面の表示を前記ネットワークを介して指示する指示部を含むことができ、前記端末装置は、前記データ提供装置の前記指示部から前記画面表示の指示を前記ネットワークを介して受け付ける指示受付部と、前記指示受付部で受け付けた前記画面表示の指示にしたがって、前記複数の拡張データを提示する前記画面を表示する表示部と、を含むことができる。
【0037】
ここで、端末装置は、Webブラウザ機能を使用して、ネットワークを介してデータ提供装置から提示された画面を表示することができる。
【0038】
この構成によれば、一般的なWebブラウザを使用して、Webサーバなどのデータ提供装置にネットワークを介して接続してアクセスし、データ提供装置から提示された複数の拡張データを端末装置上に表示させることができる。
【0039】
本発明によれば、所定の機能を実現するプログラムを記憶するデータ記憶部と、前記プログラムを実行する実行部と、すくなくとも音声発生装置および画像表示装置の一方を含むコミュニケーション部と、前記機能を拡張する拡張データをデータ提供装置から受信する受信部と、前記受信部で受信した前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新する更新部と、前記拡張データの受け付けが可能となる条件を満たすか否かを判断する判断部と、前記条件毎に取得可能な複数の前記拡張データに関連付けられ、前記拡張データを前記データ提供装置から受信するとき使用するパスワードを記憶するパスワード記憶部と、前記パスワード記憶部にアクセスし、前記判断された前記条件に対応する前記拡張データの前記パスワードを取得するパスワード取得部と、を備え、前記パスワード取得部で取得された前記パスワードを前記コミュニケーション部を介してユーザに出力することを特徴とするロボット装置が提供される。
【0040】
本発明によれば、所定の機能を実現するプログラムを実行する機器にネットワークを介して接続する接続部と、前記機器の機能を拡張する複数の拡張データを記憶する拡張データ記憶部と、前記複数の拡張データと前記パスワードを関連付けたテーブルを記憶するテーブル記憶部と、ユーザによる前記パスワードの入力を受け付けるパスワード受付部と、前記テーブル記憶部にアクセスし、前記パスワード受付部で受け付けたパスワードに対応する前記複数の拡張データを取得し、前記ユーザに提示する提示部と、前記提示部に提示された前記複数の拡張データから前記ユーザが選択した拡張データを受け付ける選択受付部と、前記選択受付部により受け付けた前記拡張データを前記拡張データ記憶部から読み出し、前記機器に前記ネットワークを介して送信する送信部と、を備えたことを特徴とするデータ提供装置が提供される。
【0041】
本発明によれば、所定の機能を実現するプログラムを記憶するデータ記憶部と、前記プログラムを実行する実行部とを有する機器に、複数の拡張データを記憶する拡張データ記憶部を有するデータ提供装置から前記拡張データをネットワークを介して送信し、前記機器のデータ構成を制御する方法であって、前記拡張データの受け付けが可能となる条件毎に取得可能な複数の前記拡張データに関連付けられ、前記拡張データを前記データ提供装置から受信するとき使用するパスワードを記憶するパスワード記憶部を有する前記機器において、前記条件を満たすか否かを判断するステップと、前記パスワード記憶部にアクセスし、前記判断された前記条件に対応する前記拡張データの前記パスワードを取得するステップと、前記取得するステップで取得した前記パスワードをユーザに出力するステップと、を含み、前記複数の拡張データと前記パスワードを関連付けたテーブルを記憶するテーブル記憶部を有する前記データ提供装置において、前記ユーザによる前記パスワードの入力を受け付けるステップと、前記テーブル記憶部にアクセスし、前記パスワード受付部で受け付けたパスワードに対応する前記複数の拡張データを取得するステップと、前記ユーザに前記複数の拡張データを提示するステップと、提示された前記複数の拡張データから前記ユーザが選択した拡張データを受け付けるステップと、受け付けた前記拡張データを前記拡張データ記憶部から読み出し、前記機器に前記ネットワークを介して送信するステップと、を含み、さらに前記機器において、前記機能を拡張する拡張データを前記データ提供装置から受信するステップと、受信した前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新するステップと、を含むことを特徴とするデータ更新方法が提供される。
【0042】
本発明によれば、所定の機能を実現するプログラムを実行するロボット装置と、前記ロボット装置にネットワークを介して接続され、前記ロボット装置の機能を拡張する複数の拡張データを保有し、前記拡張データを前記ロボット装置に送信するデータ提供装置と、を備えたロボットシステムであって、前記ロボット装置は、前記所定の機能を実現するプログラムを記憶するデータ記憶部と、前記プログラムを実行する実行部と、すくなくとも音声発生装置および画像表示装置の一方を含むコミュニケーション部と、前記機能を拡張する拡張データをデータ提供装置から受信する受信部と、前記受信部で受信した前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新する更新部と、前記拡張データの受け付けが可能となる条件を満たすか否かを判断する判断部と、前記条件毎に取得可能な複数の前記拡張データに関連付けられ、前記拡張データを前記データ提供装置から受信するとき使用するパスワードを記憶するパスワード記憶部と、前記パスワード記憶部にアクセスし、前記判断された前記条件に対応する前記拡張データの前記パスワードを取得するパスワード取得部と、前記パスワード取得部で取得された前記パスワードを、前記コミュニケーション部を介してユーザに出力するパスワード出力部と、を含み、前記データ提供装置は、前記複数の拡張データと前記パスワードを関連付けたテーブルを記憶するテーブル記憶部と、前記ユーザによる前記パスワードの入力を受け付けるパスワード受付部と、前記テーブル記憶部にアクセスし、前記パスワード受付部で受け付けたパスワードに対応する前記複数の拡張データを取得し、前記ユーザに提示する提示部と、前記提示部に提示された前記複数の拡張データから前記ユーザが選択した拡張データを受け付ける選択受付部と、前記選択受付部により受け付けた前記拡張データを前記拡張データ記憶部から読み出し、前記ロボット装置に前記ネットワークを介して送信する送信部と、を含むことを特徴とするロボットシステムが提供される。
【0043】
この発明によれば、ロボットの成長などが、ロボットに組み込まれたプログラムによって自発的に開始され、方向付けられたものであると同時に、ロボットの利用者の嗜好に合致したタイミングと方向付けを加味した上で実施されるようにすることで、一層の親近感や満足感を利用者に与えることができるロボットシステムを提供される。
【0044】
本発明によれば、所定の機能を実現するプログラムを記憶するデータ記憶部と、前記プログラムを実行する実行部とを有する機器に、前記機器の機能を拡張する複数の拡張データを保有するデータ提供装置から前記拡張データをネットワークを介して送信し、前記機器のデータを更新するプログラムであって、前記プログラムは、前記拡張データの受け付けが可能となる条件毎に取得可能な複数の前記拡張データに関連付けられ、前記拡張データを前記データ提供装置から受信するとき使用するパスワードを記憶するパスワード記憶部を有する前記機器に、前記条件を満たすか否かを判断する手段と、前記パスワード記憶部にアクセスし、前記判断された前記条件に対応する前記拡張データの前記パスワードを取得する手段と、前記取得する手段で取得した前記パスワードをユーザに出力する手段と、を実現させるためのプログラムを含み、前記複数の拡張データと前記パスワードを関連付けたテーブルを記憶するテーブル記憶部を有する前記データ提供装置に、前記ユーザによる前記パスワードの入力を受け付ける手段と、前記テーブル記憶部にアクセスし、前記パスワード受付部で受け付けたパスワードに対応する前記複数の拡張データを取得する手段と、前記ユーザに前記複数の拡張データを提示する手段と、提示された前記複数の拡張データから前記ユーザが選択した拡張データを受け付ける手段と、受け付けた前記拡張データを前記拡張データ記憶部から読み出し、前記機器に前記ネットワークを介して送信する手段と、を実現させるためのプログラムを含み、さらに前記機器に、前記機能を拡張する拡張データを前記データ提供装置から受信する手段と、受信した前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新する手段と、を実現させるプログラムを含むことを特徴とするデータ更新プログラムが提供される。
【0045】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0046】
本発明によれば、ユーザおよび機器の両方の関与のもとに所定の機能を実現するデータを拡張可能なデータ更新システムが提供される。
【0047】
本発明によれば、人とコミュニケーションを行うロボットに組み込まれたプログラムといった用途に適用できる。また、人とのインターフェースを持つ一般的な機器に組み込まれたプログラムといった用途にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0049】
[図1]本発明の実施の形態に係るロボットシステムの構成を示す概略ブロック図である。
[図2]図1のロボットシステムのサーバサブシステムの選択肢テーブル記憶部の選択肢テーブルの配列データの一例を示す図である。
[図3]図1のロボットシステムのサーバサブシステムのデータ記録部のファイルテーブルの配列データの一例を示す図である。
[図4]図1のロボットシステムのサーバサブシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
[図5]図1のロボットシステムのロボットサブシステムのテーブル記憶部の状態テーブルの配列データの一例を示す図である。
[図6]図1のロボットシステムのロボットサブシステムのテーブル記憶部のパスワードテーブルの一例を示す図である。
[図7]図1のロボットサブシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
[図8]図7のデータ組込処理の手順の一例を示すフローチャートである。
[図9]図1のロボットシステムの端末装置のパスワード入力画面の一例を示す図である。
[図10]図1のロボットシステムの端末装置のデータ選択画面の一例を示す図である。
[図11]図1のロボットシステムの端末装置の動作の一例を示すフローチャートである。
[図12]図1のロボットシステムの動作を示す時系列図である。
[図13]図12の時系列図の続きのロボットシステムの動作を示す時系列図である。
[図14]本発明の実施の形態に係るロボットシステムの構成を示す概略ブロック図である。
[図15]本発明の実施の形態に係るロボットシステムの構成を示す概略ブロック図である。
[図16]本発明の実施の形態に係るロボットシステムの構成を示す概略ブロック図である。
[図17]図16のロボットサブシステムの機能完了テーブル記憶部の配列データの一例を示す図である。
[図18]本発明の実施の形態に係るロボットシステムの構成を示す概略ブロック図である。
[図19]図18のロボットサブシステムの状態テーブル記憶部の配列データの一例を示す図である。
[図20]本実施例に係るロボットシステムのハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第一の実施の形態)
図1は、本発明の第一の実施の形態に係るロボットシステムの構成を示す概略ブロック図である。本実施形態のロボットシステムは、ロボット(図1には図示されない)を動作させるロボットサブシステム110と、ロボットサブシステム110にネットワーク107を介して接続される端末装置120と、端末装置120とネットワーク107を介して接続されるサーバサブシステム100と、を備えている。
【0051】
ここで、ロボットとは、周囲の環境や状態を検知するセンサ(温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、風向センサ、風速センサ、光センサ、振動センサ、音センサ、赤外線センサなど)や、ユーザ10を認識するための画像認識や音声認識部、ユーザ10からの働きかけを検知するセンサ(スイッチ、タッチセンサ)や、ユーザ10と対話(会話、ジェスチャーなど)するためのコミュニケーション部を有し、状態や条件に従って、成長、進化、感情やキャラクタなどの状態の変化、機能の更新やサービスの提供などが可能な機器である。機能の更新やサービスの提供は、プログラムデータをサーバサブシステム100からロボットサブシステム110にダウンロードし、組み込み、実行することにより実現する。本実施形態において、ロボットは、所謂、リアルロボットおよびバーチャルロボットの何れでもよい。ロボットの具体的な構成については、後述する。
【0052】
ネットワーク107は、インターネットなどであり、有線または無線のいずれかの通信によって各装置間で接続することができる。図1において、サーバサブシステム100およびロボットサブシステム110の間と、サーバサブシステム100および端末装置120の間とは、同じネットワーク107で接続される構成としているが、これに限定されず、異なるネットワークであってもよい。
【0053】
サーバサブシステム100は、たとえば、Webサーバであり、端末装置120からの要求に応じて、情報を提供する。本実施形態において、サーバサブシステム100は、端末装置120からパスワードを受け付け、受け付けたパスワードに該当する複数のプログラムデータのデータ識別子を選択肢として端末装置120に送信する。端末装置120は、サーバサブシステム100から受信した選択肢をユーザ10に提示し、ユーザ10が選択肢の中から選択したデータ識別子を受け付け、サーバサブシステム100に送信する。サーバサブシステム100は、受信したデータ識別子に該当するプログラムデータをロボットサブシステム110に送信し、ロボットの機能を拡張する。
【0054】
ここで、パスワードとは、ロボットの機能の拡張やサービスの提供を行うためのプログラムデータをサーバサブシステム100からロボットサブシステム110にダウンロードするために、ユーザ10が端末装置120を介してサーバサブシステム100にアクセスするときに入力するものである。本実施の形態において、パスワードは、たとえば、「青い空」、「暗い夜」など、ダウンロードするデータとは関連性のない単語などである。したがって、ユーザ10は、パスワードを取得した時点では、どのような機能の拡張やサービスの提供が受けられるのかは分からない。
【0055】
また、サーバサブシステム100において、後述するようにパスワードはプログラムデータに対応するデータ識別子の少なくとも1つに関連付けられており、ユーザ10が入力したパスワードを受け付けたとき、少なくとも1つのデータ識別子を選択肢として端末装置120を介してユーザ10に提示する。このようにして、ユーザ10は、選択肢の中からデータを選択することが可能となる。
【0056】
ロボットサブシステム110は、ロボットに含まれ、ロボットの機能を拡張するためのプログラムデータやサービス提供を行うデータをサーバサブシステム100から受信し、ロボットに組み込む。また、本実施形態において、ロボットサブシステム110は、ロボットの使用履歴や状態などに応じてユーザ10にパスワードを提示する。詳細については後述する。
【0057】
端末装置120は、たとえば、ネットワーク107上のWebサーバなどのサーバサブシステム100にアクセスするWebブラウザなどのクライアントソフトウェアを含むパーソナルコンピュータなどである。ロボットのユーザは、Webブラウザを使用してサーバサブシステム100にネットワーク107を介してアクセスすることができる。本実施形態において、端末装置120は、ユーザ10が入力したパスワードを受け付け、サーバサブシステム100に送信するとともに、サーバサブシステム100から受信した複数のプログラムデータのデータ識別子を選択肢として提示し、ユーザ10が選択肢の中から選択したデータ識別子をサーバサブシステム100に送信する。なお、以後、「プログラムデータ」は単に「データ」と呼ぶことにする。
【0058】
なお、すべての図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、たとえば、ロボットの構成である状況検知部、状況判断部、画像認識部、音声認識部、音声出力部、移動動作部などは図示されていない。
【0059】
また、ロボットシステムの各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インターフェースを中心にハードウェアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各図は、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
【0060】
以下、サーバサブシステム100、ロボットサブシステム110、および端末装置120の順に説明する。
サーバサブシステム100は、端末通信部101と、選択肢テーブル記憶部102と、データ選択肢出力部103と、データ選択部104と、データ記録部105と、データ送信部106とで構成されている。
【0061】
端末通信部101は、ネットワーク107を介して端末装置120と通信を行う。具体的には、端末通信部101は、端末装置120からネットワーク107を介してパスワードおよびデータ識別子を受信するとともに、少なくとも1つのデータ識別子を含む選択肢をネットワーク107を介して端末装置120に送信する。
【0062】
選択肢テーブル記憶部102は、少なくとも1つのパスワードとそれに対応する少なくとも1つのデータ識別子の対応関係を示す選択肢テーブルを記憶する。図2に、選択肢テーブル31の一例を示す。図2に示すように、たとえば、「青い空」という一つのパスワードに対し、複数のデータ識別子が対応付けられている。
【0063】
図1に戻り、データ選択肢出力部103は、ネットワーク107を介して端末通信部101で受信したパスワードを入力し、選択肢テーブル記憶部102の選択肢テーブル31にアクセスし、入力したパスワードに対応する少なくとも1つのデータ識別子を求め、データ選択肢として端末通信部101に出力する。
【0064】
たとえば、データ選択肢出力部103は、端末通信部101から「暗い夜」というパスワードを入力すると、選択肢テーブル記憶部102の選択肢テーブル31にアクセスし、図2に示すように「暗い夜」というパスワードに対応する3つのデータ識別子、「ステージ1ダンスシナリオ小」、「ステージ1お話シナリオ小」、および「ステージ1ゲームシナリオ小」を取得し、データ選択肢としてこれら3つのデータ識別子を端末通信部101に出力する。
【0065】
データ選択部104は、ネットワーク107を介して端末通信部101で受信したパスワードおよびデータ識別子を入力し、これらをデータ送信部106に出力して、ロボットサブシステム110へのデータの送信を指示する。
【0066】
データ選択肢出力部103およびデータ選択部104は、一例として、既存のWebサーバとWebブラウザを用いて実現することができる。この例では、Webブラウザはロボットのユーザ10によって操作可能で、ネットワーク107によりWebサーバに接続された端末装置120内で動作すること、Webサーバはサーバサブシステム100内で動作することと仮定する。
【0067】
ロボットサブシステム110からパスワードを得たユーザ10は、ユーザ10自信の意志によって決定されたタイミングにおいて、端末装置120からWebブラウザを操作してパスワードを入力する。端末通信部101を介して受信したパスワードによって、データ選択肢出力部103は、ロボットに追加可能なデータ種別、すなわちデータ識別子を、入力されたパスワードによって絞り込み、一覧を得る。この一覧をユーザ10は、端末装置120においてWebブラウザで参照し、追加するデータの種別を選択し、入力する。入力されたデータの種別を端末通信部101を介してデータ選択部104が受け付ける。
【0068】
データ記録部105は、データ識別子と対応付けられた所定の機能を実現する少なくとも一つのデータを記録する。記録されたデータはデータ識別子によって識別することができるものとする。図3は、データ識別子にデータファイル名を対応付けて記憶したファイルテーブル33の一例を示す図である。データ記録部105は、データおよびファイルテーブル33を含む。
【0069】
図1に戻り、データ送信部106は、データ選択部104からパスワードおよびデータ識別子を入力し、データ記録部105のファイルテーブル33にアクセスしてデータ識別子に該当するデータファイル名を取得する。データ送信部106は、取得したデータファイル名のデータをデータ記録部105から読み出し、パスワードとデータを、ネットワーク107を経由してロボットサブシステム110に送信する。
【0070】
このように構成されたサーバサブシステム100の動作について、以下に説明する。図4は、本実施の形態のサーバサブシステム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0071】
なお、ここでは、ロボットサブシステム110からユーザ10にパスワードを出力した後であり、ユーザ10が決定したタイミングで、そのパスワードを端末装置120を介して入力したときの動作を示している。
【0072】
まず、端末通信部101がネットワーク107を介して端末装置120からパスワードを受信する(ステップS11)。ここでは、たとえば、「青い空」というパスワードを入力したとする。つづいて、データ選択肢出力部103が選択肢テーブル記憶部102の選択肢テーブル31にアクセスし、ステップS11で受信したパスワードに対応する少なくともの1つのデータ識別子を取得する(S13)。すなわち、「青い空」というパスワードに対応する3つのデータ識別子を取得する。つづいて、端末通信部101が、ステップS13でデータ選択肢出力部103が取得した少なくとも1つのデータ識別子を端末装置120にネットワーク107を介して送信する(S15)。このとき、端末装置120側では、少なくとも1つのデータ識別子を受信し、ユーザ10に提示し、選択を促している。
【0073】
その後、サーバサブシステム100は、端末装置120からのデータ識別子の受信待ちとなる。ここで、ユーザ10は、少なくとも1つのデータ識別子の中からデータ識別子を決定し、端末装置120を介して入力する。そして、端末通信部101が端末装置120からデータ識別子とパスワードを受信すると(ステップS17)、データ選択部104がデータ記録部105のファイルテーブル33にアクセスし、ファイルテーブル33から受信したデータ識別子に対応するデータファイル名を取得する(ステップS19)。ここでは、端末装置120からデータ識別子として「ステージ1お話シナリオ」を受信したとすると、データファイル名「/data/stage1/talk.zip/」を取得する。
【0074】
つづいて、データ送信部106がデータ記録部105から該当するデータファイルを読み出す(ステップS21)。読み出したデータファイルとパスワードをロボットサブシステム110にネットワーク107を介して送信する(ステップS23)。
【0075】
このようにして、サーバサブシステム100は、ユーザ10によって決定されたタイミングで、パスワードを受け付け、またユーザ10によって決定されたタイミングで、ユーザ10の意志で選択した拡張データをロボットサブシステム110に送信することができる。
【0076】
次にロボットサブシステム110について説明する。図1に戻り、ロボットサブシステム110は、テーブル記憶部111と、ロボット利用時間積算部112と、パスワード出力部113と、パスワード記録部114と、データ受信部115と、データ組込部116と、を備えている。
【0077】
テーブル記憶部111は、図5および図6にそれぞれ示す状態テーブル41およびパスワードテーブル43を記憶する。状態テーブル41は、ロボットの利用時間とその利用時間に到達した時点で出力されるべきパスワード識別子の少なくとも1つの対応関係を記憶する。パスワードテーブル43は、パスワード識別子と少なくとも1つのパスワードの対応関係を記憶する。
【0078】
図1に戻り、ロボット利用時間積算部112は、ユーザ10がロボットを購入してから現在に至るまでのロボットが利用された時間を計測するとともに、テーブル記憶部111の状態テーブル41にアクセスし、ロボットの現在の利用時間に対応するパスワード識別子が存在するならば、このパスワード識別子をパスワード出力部113に出力する。
【0079】
パスワード出力部113は、テーブル記憶部111のパスワードテーブル43にアクセスし、入力されたパスワード識別子に対応するパスワードを取得し、取得したパスワードを出力してロボットのユーザ10に伝達するとともに、取得したパスワードをパスワード記録部114に出力して記録させる。パスワード出力部113がパスワードを出力するタイミング、および出力されるパスワードの選定は、ロボット利用時間積算部112などの、ロボットが拡張データを受け付け可能となる条件を満たすか否かを判断する判断部によって決定される。本実施の形態において、パスワード出力部113がパスワードを出力するタイミングとしては、パスワード識別子を入力した時点の他に、パスワード識別子を入力した時点以降、ロボットのユーザ10からパスワードを要求された時点も含むことができる。
【0080】
ここで、パスワードの出力は、スピーカなどからの音声によって出力することができる。あるいは、プリンタによるパスワードの印刷出力、ロボットが手話やジェスチャーなどの動作による伝達、ロボットが筆記具を使用して用紙にパスワードを書くなどによって行うこともできる。あるいは、ロボットから予め登録されているメールアドレスへのメール送信などであってもよい。
【0081】
パスワード記録部114は、パスワード出力部113が出力したパスワードを入力し、既出のパスワードとして記録する。パスワード記録部114に記録された既出のパスワードは、サーバサブシステム100からパスワードとデータを受信したとき、受信したパスワードとパスワード記録部114に記録された既出のパスワードが一致するか否かを判定するのに使用される。
【0082】
データ受信部115は、ネットワーク107を介してサーバサブシステム100からパスワードとデータを受信し、それらをデータ組込部116に出力する。
【0083】
データ組込部116は、データ受信部115からパスワードとデータを入力し、パスワード記録部114にアクセスし、入力したパスワードがパスワード記録部114に記録されている既出のパスワードと一致するか否かを確認する。一致する場合には、パスワード記録部114から当該パスワードを抹消するとともに、入力したデータをロボットに組み込む処理を行う。入力したパスワードがパスワード記録部114に記録されている既出のパスワードに一致しない場合には、入力したデータの組み込みを行わない。ここで、データの組み込みとは、たとえば、ロボットの機能を拡張するための拡張データをメモリ装置(図1には図示されない)に記憶し、新たなプログラムを追加またはメモリ装置に記憶されているプログラムを更新することである。
【0084】
なお、パスワード記録部114から当該パスワードを抹消する処理は、同一のパスワードを付帯する異なるデータを既定回数分組み込んだ時点で抹消する処理をすることも可能である。この手順を適用した場合には、パスワード出力部113が出力した1つのパスワードに対応して、ロボットには既定回数だけデータを組み込むことができることになる。
【0085】
このように構成されたロボットサブシステム110の動作について、以下に説明する。図7および図8は、本実施の形態のロボットサブシステム110の動作の一例を示すフローチャートである。
【0086】
図7に示すように、まず、ロボット利用時間積算部112は、ユーザ10がロボットを購入してから現在に至るまでのロボットが利用された時間を計測し、積算する(ステップS31)。ロボット利用時間積算部112は、テーブル記憶部111の状態テーブル41にアクセスし、パスワード識別子が指定されている利用時間にロボットの現在の利用時間が到達しているか否かを判定する(ステップS33)。状態テーブル41の利用時間に到達していると判定された場合(S33のYES)、テーブル記憶部111の状態テーブル41の該当するパスワード識別子を取得する(ステップS35)。一方、状態テーブル41の利用時間に到達していないと判定された場合(S33のNO)、ステップS31に戻る。ここでは、利用時間「2」に到達し、パスワード識別子「ステージ1」を取得したとする。
【0087】
パスワード出力部113は、テーブル記憶部111のパスワードテーブル43にアクセスし、ステップS35でロボット利用時間積算部112から入力したパスワード識別子に対応するパスワードを取得する(ステップS37)。つづいて、パスワード出力部113は、取得したパスワードを出力し、(ステップS39)出力したパスワードをパスワード記録部114に既出のパスワードとして記録する(ステップS41)。ここでは、パスワード出力部113は、パスワード識別子「ステージ1」に対応したパスワード「青い空」を出力し、出力したパスワード「青い空」をパスワード記録部114に既出のパスワードとして記録する。
【0088】
このように、ロボットサブシステム110は、パスワードを出力するタイミングをロボット利用時間積算部112によって計測された利用時間によって決定することができる。そして、ロボットサブシステム110は、サーバサブシステム100からの拡張データの受信待ちとなり、データ組込部116が、図8に示すデータ組込処理を行う(ステップS43)。図8は、ロボットサブシステム110のデータ組込処理の手順を示すフローチャートである。
【0089】
まず、データ受信部115がネットワーク107を介してサーバサブシステム100からパスワードとデータの受信を待つ。データ受信部115がネットワーク107を介してサーバサブシステム100からパスワードとデータを受信すると(ステップS51)、データ受信部115からパスワードとデータがデータ組込部116に出力される。そして、データ組込部116は、パスワード記録部114にアクセスし、入力したパスワードが既出のパスワードと一致するか否かを確認する(ステップS53)。一致する場合(S53のYES)、データ組込部116は、パスワード記録部114の既出のパスワードを抹消する(ステップS55)。つづいて、データ組込部116は、受信したデータを組み込む(ステップS57)。
【0090】
ここでは、サーバサブシステム100からパスワード「青い空」とデータ「talk.zip」を受信したとする。したがって、パスワード記録部114の既出のパスワードと一致するので、パスワード記録部114からパスワードを抹消するとともに、データを組み込む。このようにして、ロボットには、ステージ1お話シナリオが新たに組み込まれる。
【0091】
次に端末装置120について説明する。図1に戻り、端末装置120は、通信部121と、パスワード受付部123と、選択肢提示部125と、データ選択受付部127と、を含む。
【0092】
通信部121は、サーバサブシステム100とネットワーク107を介して通信を行う。通信部121は、サーバサブシステム100にパスワードおよびデータ識別子を送信するとともに、サーバサブシステム100から少なくとも1つのデータ識別子を含む選択肢を受信する。
【0093】
パスワード受付部123は、ロボットサブシステム110から出力されたパスワードを、ユーザ10が認識した後、ユーザ10が端末装置120に入力したパスワードを受け付ける。受け付けたパスワードは通信部121に出力される。パスワード受付部123は、たとえば、操作ボタン、スイッチ、レバー、キーボード、タブレット、タッチパネルなどの操作入力部や、集音マイクおよび音声認識部などを含む。図9は、パスワード受付部123でパスワードを受け付けるための入力画面の一例を示す図である。パスワード入力画面51はパスワード入力欄52を有し、パスワード受付部123は、パスワード入力欄52に入力されたパスワードを受け付ける。
【0094】
図1に戻り、選択肢提示部125は、サーバサブシステム100から送信された少なくとも1つのデータ識別子を含む選択肢をユーザ10に提示する。選択肢提示部125は、たとえば、ランプ、LED、CRTモニタ、液晶ディスプレイなどの表示部や、スピーカなどの音声出力部、印刷部などを含む。
【0095】
データ選択受付部127は、選択肢提示部125で提示した選択肢の中からユーザ10が選択したデータ識別子を受け付ける。受け付けたデータ識別子は、パスワード受付部123で受け付けたパスワードとともに通信部121に出力される。データ選択受付部127もパスワード受付部123と同様の構成とすることができる。
【0096】
図10は、データ選択画面53の一例を示す図である。選択肢提示部125は、データ選択画面53により少なくとも1つのデータ識別子を提示する。また、データ選択画面53に提示された複数のデータ識別子をユーザ10がマウスなどでクリックすることによりデータ識別子の選択が行われ、選択されたデータ識別子をデータ選択受付部127が受け付ける。
【0097】
このように構成された本実施の形態の端末装置120の動作について、以下に説明する。図11は、本実施の形態の端末装置120の動作の一例を示すフローチャートである。
【0098】
まず、図9に示すパスワード入力画面51にユーザ10が自分の意志で決定したタイミングでパスワードを入力し、パスワード受付部123が入力されたパスワードを受け付ける(ステップS61)。ここでは、「青い空」というパスワードを受け付ける。
【0099】
つづいて、受け付けたパスワードを通信部121がネットワーク107を介してサーバサブシステム100に送信する(ステップS63)。その後、端末装置120は、サーバサブシステム100からの応答待ちとなる。
【0100】
つづいて、サーバサブシステム100からネットワーク107を介して少なくとも1つのデータ識別子を含む選択肢を受信する(ステップS65)。ここでは、3つのデータ識別子を含む選択肢を受信する。つづいて、選択肢提示部125が受信した選択肢を図10に示すデータ選択画面53に表示し、ユーザ10に提示する(ステップS67)。ユーザ10は、提示された選択肢の中から自分の意志で決定したデータ識別子を選択し、自分の意志で決定したタイミングに選択したデータ識別子を端末装置120に入力する。
【0101】
つづいて、データ選択受付部127が図10のデータ選択画面53にてユーザ10が選択したデータ識別子を受け付ける(ステップS69)。受け付けたデータ識別子を通信部121がネットワーク107を介してサーバサブシステム100に送信する(ステップS71)。ここでは、ユーザ10が「ステージ1お話シナリオ」を選択したものとする。
【0102】
以上のように構成された本実施の形態のロボットシステムの動作について、以下に説明する。図12および図13は、本実施の形態のロボットシステムの動作を示す時系列図である。
【0103】
図12において、まず、ロボットサブシステム110において、パスワード出力部113がパスワードを出力し、ロボットのユーザ10に伝達する(ステップA1)。なお、パスワード出力部113が出力したパスワードは、同時にパスワード記録部114に記録される。ロボットのユーザ10はステップA1以後の任意の時刻に端末装置120を介してパスワードを入力する。(ステップA2)。入力されたパスワードは、端末装置120のパスワード受付部123によって受け付けられ、通信部121により端末装置120からサーバサブシステム100にネットワーク107を介して伝送される(ステップA3)。
【0104】
つづいて、サーバサブシステム100において、端末通信部101が、端末装置120からパスワードを受信し、データ選択肢出力部103に出力する(ステップA4)。データ選択肢出力部103は、選択肢テーブル記憶部102の選択肢テーブル31にアクセスし、入力されたパスワードに対応する1つ以上のデータ識別子を取得し、端末通信部101に出力する(ステップA5)。端末通信部101は、入力された少なくとも1つのデータ識別子を選択肢としてネットワーク107を介して端末装置120に送信する(ステップA6)。
【0105】
端末装置120は通信部121を介して受信した少なくとも1つのデータ識別子を含む選択肢を選択肢提示部125により出力し、ロボットのユーザ10に提示する(ステップA7)。ロボットのユーザ10は、提示されたデータ識別子の選択肢の中からロボットに組み込みたいデータのデータ識別子を選択し、選択されたデータ識別子をデータ選択受付部127が受け付ける(SステップS8)。端末装置120の通信部121は、受け付けたデータ識別子をパスワードとともに、ネットワーク107を介してサーバサブシステム100に送信する(ステップA9)。
【0106】
次に、サーバサブシステム100において、端末通信部101を介してデータ識別子およびパスワードを受信し、パスワードおよびデータ識別子をデータ選択部104に出力する(ステップA10)。
【0107】
図12のステップA10からつづいて、図13において、サーバサブシステム100のデータ選択部104は、データ送信部106にパスワードおよびデータ識別子を出力する(ステップB1)。データ送信部106は、データ記録部105のファイルテーブル33にアクセスしてデータ識別子に該当するデータファイル名を取得する(ステップB2)。つづいて、データ送信部106は、取得したデータファイル名のデータをデータ記録部105から読み出す(ステップB3)。
【0108】
つづいて、データ送信部106は、パスワードとデータをロボットサブシステム110に送信する(ステップB4)。データ受信部115は、ネットワーク107を介してサーバサブシステム100からパスワードとデータを受信し、それらをデータ組込部116に出力する(ステップB5)。
【0109】
一方、図12のステップA1において、ロボットサブシステム110のパスワード出力部113で出力されたパスワードは、パスワード記録部114に既出のパスワードとして記憶される。
【0110】
データ組込部116は、データ受信部115からパスワードとデータを入力し、パスワード記録部114にアクセスし、入力したパスワードがパスワード記録部114に記録されている既出のパスワードと一致するか否かを確認する(ステップB6)。一致した場合、データ組込部116は、入力したデータを組み込む。
【0111】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0112】
本実施の形態では、ロボットによって行われる図7のステップS31〜ステップS39によって出力されるパスワードの出力処理(図12のステップA1)と、その後、ロボットのユーザ10によって行われる図12のステップA2のパスワード入力処理との組合せによりロボットに新しいデータを追加するタイミングが決定される。これによって、ロボットに新しいデータが追加されるタイミングを、ロボットに内蔵された手段とロボットのユーザ10の双方に関与のもとで決定することができる。
【0113】
例えば、本実施の形態により、ユーザ10がロボットを一定時間利用する毎に新たなデータが追加されて機能が増えていくことで、ロボットが成長しているかのようにユーザ10に感じさせることができる。この場合、ユーザ10がロボットの成長前の状態を気に入っているなどの理由で成長させたくないという意向は、ロボットのユーザ10が図12のステップA2の処理を行わない、もしくは時間的に遅らせることで実施することができる。
【0114】
また、本実施の形態では、さらに、ロボットによって決定されたパスワードに基づいて図12のステップA5の手順により、まずロボットに組み込み可能なデータの候補が決定され、次にロボットのユーザ10によって行われる図12のステップA8によって最終的にロボットに組み込まれるデータが決定されるという過程を用いている。これによって、ロボットに追加されるデータの種別を、ロボットに内蔵された手段とロボットのユーザ10の双方に関与のもとで決定することができる。
【0115】
例えば、本実施の形態により、ユーザ10がロボットを一定時間利用する毎に新たなデータが追加されて機能が増えていくことで、ロボットが成長しているかのようにユーザ10に感じさせることができる。この場合、図12のステップA5により、成長のための1つ以上のバリエーションを含むデータの識別子が出力され、図12のステップA8においてロボットのユーザ10はバリエーションの中から好みのものを選択することができる。
【0116】
以上説明したように、本実施の形態のロボットシステムによれば、ロボットサブシステム110が出力したパスワードによって絞り込まれたデータの選択肢を、さらにユーザ10が選択するという手順によって、ロボットに組み込むデータの選択をロボットとユーザ10の双方の意向によって行うことができる。さらに、ロボットサブシステム110において、パスワード出力部113がパスワードを出力するタイミングとパスワードの種類を決定するという手順と、サーバサブシステム100のデータ選択部104へのデータ種別の選択の入力を端末装置120を介してロボットのユーザ10が行うという手順とを組み合わせることによって、ロボットにデータを組み込むタイミングをロボットとユーザ10の双方の意向によって行うことができる。
(第二の実施の形態)
図14は、本発明の実施の形態に係るロボットシステムの構成を示す概略ブロック図である。本実施の形態のロボットシステムは、図1の上記実施の形態とは、サーバサブシステム200にデータ暗号化部201を設け、さらにロボットサブシステム210にデータ復号化部211を設けた点で相違する。
【0117】
サーバサブシステム200において、データ暗号化部201は、データ選択部104から入力したパスワードから暗号化鍵を算出し、データを暗号化し、データ送信部106に受け渡す。暗号化されたデータは、データ送信部106からロボットサブシステム210に送信され、データ受信部115に受け渡される。
【0118】
ロボットサブシステム210において、データ復号化部211は、パスワード記録部114に記録されている既出のパスワードから復号化鍵を生成し、データ受信部115がサーバサブシステム200から受信したデータを復号化する。データ復号化部211は、復号化に成功した場合には、復号化に使用したパスワードをパスワード記録部114から抹消し、復号化されたデータをロボットに組み込む処理を行う。
【0119】
一方、パスワード記録部114に記録された全てのパスワードを用いても復号化に成功しない場合には復号化に失敗したものとし、受信したデータを破棄する。なお、本実施の形態において、パスワード記録部114は、記録している全てのパスワードを出力する機能を備えるものとする。
【0120】
本実施の形態のロボットシステムの動作について、以下に説明する。
【0121】
サーバサブシステム200において、まず、データ暗号化部201が、データ選択部104から入力したパスワードから算出した暗号化鍵により送信すべきデータを暗号化し、暗号化データをデータ送信部106に受け渡す。データ送信部106が、ネットワーク107を介して暗号化データをロボットサブシステム210に送信する。
【0122】
ロボットサブシステム210において、データ受信部115がサーバサブシステム200から暗号化データを受信する。データ復号化部211がパスワード記録部114に記録されているパスワードから復号化鍵を生成し、受信したデータの復号化を行う。復号に成功した場合、復号化されたデータをロボットに組み込むとともに、パスワード記録部114から復号化に使用したパスワードを抹消する。
【0123】
次に、本発明を実施するための最良の形態の効果について説明する。
【0124】
本実施の形態によれば、サーバサブシステム200のデータ送信部106とロボットサブシステム210のデータ受信部115の間で第三者の知ることができないパスワードから生成される鍵によって暗号化された状態でデータを伝送することができる。これにより、他の手段によって第三者にパスワードが漏洩しない限りにおいてロボットに不正なデータが組み込まれることを防止することができる。たとえば、悪意のある第三者によるシステムがネットワーク上に存在した場合であっても、そのようなシステムが伝送されているデータとパスワードを取り出してパスワードだけを切り離し、不正なデータと組み合わせてデータ受信部115に送信することで結果として不正なデータをロボットに組み込むことなどを防ぐことができる。
(第三の実施の形態)
図15は、本発明の実施の形態に係るロボットシステムの構成を示す概略ブロック図である。本実施の形態のロボットシステムは、図1の上記実施形態とは、ロボットサブシステム310にユーザ確認部311設けた点で相違する。
【0125】
ユーザ確認部311は、パスワードの出力を許可する一人以上のユーザの識別子を保持し、現時点でロボットがパスワードを出力しようとしているユーザ10を認識し、そのユーザ10の識別子が保持しているユーザの識別子の中に含まれていれば、パスワードの出力を許可し、そうでなければ、許可しない。パスワードを出力してよいユーザとは例えば、ロボットの所有者であるユーザ、ロボットの運用管理を行っているユーザなどである。
【0126】
本実施の形態のロボットシステムの動作について、以下に説明する。
【0127】
ロボットサブシステム310において、パスワード出力部113は、パスワードを出力する前に、ユーザ確認部311によって、パスワードをユーザ10に出力するための許可を得る。許可が得られた場合にのみ、パスワード出力部113はパスワードの出力を行う。
【0128】
すなわち、パスワード出力部113は、パスワードの出力前にユーザ確認部311によりユーザの確認を行い、出力の許可を得た後にパスワードを出力する。
【0129】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0130】
本実施の形態によれば、ロボットのユーザ10を特定してからパスワードを出力するため、パスワードを出力するユーザをあらかじめ許可されたユーザに限定することができる。これにより、実際にロボットのユーザ10となりうる人物としてはそのロボットの所有者以外に、所有者への来客、所有者の家族なども含まれる場合があるが、それら所有者以外の人物にパスワードを出力することを防ぐことができ、ロボットへのデータの追加を行う過程を実施することができる特定のユーザにのみパスワードを出力することができる。
(第四の実施の形態)
図16は、本発明の実施の形態に係るロボットシステムの構成を示す概略ブロック図である。本実施の形態のロボットシステムは、図1の上記実施の形態とは、ロボットサブシステム410において、ロボット利用時間積算部112の代わりに機能完了確認部411および機能完了テーブル記憶部413(図中、「機能完了デーブル」と示す)を設けた点で相違する。
【0131】
機能完了確認部411は、ロボット内で発生する特定の機能完了を監視する。機能完了テーブル記憶部413は、機能とその機能が完了した時点で出力されるべきパスワード識別子の少なくとも1つの対応関係を保持する。たとえば、図17に示すように、機能完了テーブル記憶部413は、機能の完了を示す変数と、対応するパスワード識別子を保持する。機能完了確認部411は、この機能完了テーブル記憶部413の対応関係に含まれる機能の完了が確認された時点で、対応するパスワード識別子をパスワード出力部113に出力する。ロボット内で完了を監視する機能とは、例えば、ユーザ10との間で行われるゲーム機能で、ゲームの既定の達成条件をクリアしたことを機能完了確認部411により機能の完了として監視するなどである。
【0132】
なお、機能完了テーブル記憶部413は、上記実施の形態と同様のパスワードテーブル43も記憶する。本実施の形態において、パスワード出力部113がパスワードを出力するタイミング、および出力されるパスワードの選定は、機能完了確認部411などの、ロボットが拡張データを受け付け可能となる条件を満たすか否かを判断する判断部によって決定される。
【0133】
本実施の形態のロボットシステムの動作について、以下に説明する。
【0134】
機能完了確認部411が、ロボット内で発生する特定の機能完了を監視し、機能とその機能が完了した時点で出力されるべきパスワード識別子の少なくとも1つの対応関係を保持し、この対応関係に含まれる機能の完了が確認された時点で、対応するパスワード識別子をパスワード出力部113に出力する。パスワード出力部113は、機能完了テーブル記憶部413にアクセスし、パスワードテーブル43からパスワード識別子に対応するパスワードを取得して出力する。
【0135】
ここでは、たとえば、ロボット内で完了を監視する機能が、ユーザ10との間で行われるゲーム機能であり、ゲームの既定の達成条件をクリアしたことを機能完了確認部411により機能の完了として監視であった場合、結果としてデータ送信部106により新しいゲームコンテンツを含むデータを送信することでクリアの報酬として新しいゲームコンテンツが追加される処理を実現することができる。
【0136】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0137】
本実施の形態によれば、ロボット内で発生する任意の事象を契機として新しいデータを追加する処理を実現することができる。
(第五の実施の形態)
図18は、本発明の実施の形態に係るロボットシステムの構成を示す概略ブロック図である。本実施の形態のロボットシステムは、図1の上記実施の形態とは、ロボットサブシステム510にロボット内部状態監視部511および状態テーブル記憶部513(図中、「状態テーブル」と示す)をさらに設けた点で相違する。
【0138】
ロボット内部状態監視部511は、現在のロボット内部状態を監視する。状態テーブル記憶部513は、パスワード識別子に関連付けられたロボットの少なくとも1つの内部状態と、対応するパスワードを記憶する。図19に示すように、状態テーブル記憶部513は、たとえば、パスワード識別子に関連付けられたロボットのデータ容量毎に対応するパスワードを記憶する。すなわち、ロボットの内部状態とは、たとえば、ロボットが内蔵するプログラムによって模倣する感情値やロボットに追加可能なデータの容量値など適用することができる。
【0139】
本実施の形態のロボットシステムの動作について、以下に説明する。
【0140】
パスワード出力部113は、ロボットの内部状態の識別子とパスワード識別子の2つからパスワードを求める機能を持ち、ロボット内部状態監視部511から現在のロボット内部状態の識別子を入力し、さらにロボット利用時間積算部112からパスワード識別子を入力し、2つの識別子から対応するパスワードを求め、求められたパスワードを出力し、ロボットのユーザ10に伝達するとともに、求められたパスワードをパスワード記録部114に出力して記録する。すなわち、本実施の形態において、パスワード出力部113がパスワードを出力するタイミング、および出力されるパスワードの選定は、ロボット利用時間積算部112およびロボット内部状態記録部511などの、ロボットが拡張データを受け付け可能となる条件を満たすか否かを判断する判断部によって決定される。
【0141】
また、別の動作として、ロボット内部状態監視部511がロボットの1つ以上の内部状態を保持し、パスワード出力部113が、パスワード識別子と1つ以上の内部状態の識別子とからパスワードを求めるように動作することもできる。
【0142】
次に、本発明を実施するための最良の形態の効果について説明する。
【0143】
上記実施の形態では、パスワードは暗にロボットの利用時間の情報を表現しており、これを用いてロボットの利用時間に適合したデータをロボットに組み込むことができる。本実施の形態では、パスワードは暗にロボットの利用時間とロボットの内部状態の2つの情報を表現するため、これを用いて2つの情報に適合したデータをロボットに組み込むことができる。例えば、ロボットの内部状態としてロボットに追加可能なデータの容量値を用いるならば、現在の利用時間に適合した複数のデータのうちで、ロボットに容量の点で収容可能なものを選択してロボットに組み込むことができる。
【実施例】
【0144】
次に、具体的な実施例を用いて本発明を実施するための最良の形態の動作を説明する。
【0145】
以下に、上記実施の形態のロボットシステムを実現するためのハードウェア構成について具体的に説明する。図20は、本実施例に係るロボットシステムのハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【0146】
本実施例において、ロボットシステムは、サーバコンピュータ130と、コンピュータ140と、ロボット150と、を含む。サーバコンピュータ130は、図1のサーバサブシステム100に対応し、コンピュータ140は、図1の端末装置120に対応し、ロボット150は、図1のロボットサブシステム110に対応する。
【0147】
ロボット150は、少なくとも1つのプロセッサ装置151、メモリ装置152、カメラ装置153、音声発生装置154、計時装置155、ネットワーク装置156、およびハードディスク装置157を内蔵する、または、それらのうちの任意のものがロボット150の外部にありロボット150に接続されているものとする。メモリ装置152の代わりにハードディスク装置157を用いることもできる。
【0148】
プロセッサ装置151は、プログラムを実行することにより、ロボット150の各構成要素とともにロボット150全体を制御し、図1のロボットサブシステム110に含まれる各構成要素を実現する。このプログラムはメモリ装置152に記憶されている。カメラ装置153は、ユーザ10の顔画像を撮像する。
【0149】
音声発生装置154は、パスワードをロボットのユーザ10に音声によって出力するための装置であるが、この装置の代わりに画像表示装置を含み、画像によってユーザ10にパスワードを伝達する方法を用いることもできる。その他、印刷出力装置を含むこともでき、パスワードを印刷出力することによりユーザ10に伝達することもできる。あるいは、筆記具を用いて文字を書く動作を行う装置を含むこともでき、この場合、パスワードを筆記具を用いて用紙などに書くことにより、ユーザ10に伝達することもできる。あるいは、手話やジェスチャーなどの動作を行う装置を含むこともでき、この場合、パスワードを動作によってユーザ10に伝達することもできる。あるいは、メール送信部を含み、予め登録されているメールアドレスにパスワードを通知するメッセージを含むメールを送信することもできる。この場合、端末装置120は、メール受信部を含む。
【0150】
サーバコンピュータ130は、少なくとも1つのプロセッサ装置131、メモリ装置132、ネットワーク装置133、およびハードディスク装置134を内蔵する、または、それらのうちの任意のものがサーバコンピュータ130の外にありサーバコンピュータ130に接続されているものとする。メモリ装置132の代わりにハードディスク装置134を用いることもできる。
【0151】
プロセッサ装置131は、プログラムを実行することにより、サーバコンピュータ130の各構成要素とともにサーバコンピュータ130全体を制御する。図1のサーバサブシステム100に含まれる各構成要素はプログラムを実行することにより実現され、このプログラムはメモリ装置132に記憶されるとともにプロセッサ装置131によって実行されるものとする。
【0152】
ネットワーク装置133は、有線ネットワーク160へ接続し、有線ネットワーク160を介してロボット150およびコンピュータ140と通信を行う。
【0153】
コンピュータ140は、プロセッサ装置145を内蔵し、ネットワーク装置141、ディスプレイ装置142、キーボード装置143、マウス装置144、あるいはそれに類する入出力装置が内蔵または接続され、ロボットのユーザ10はそれらの入出力装置を用いてWebブラウザプログラムを実行および操作し、サーバコンピュータ130と通信を行う。図1の端末装置120は、既存のWebブラウザプログラムを実行するコンピュータ140によって実現する。
【0154】
有線ネットワーク160は、図1のネットワーク107に対応する。有線ネットワークの代わりに無線ネットワークを使用することもできる。
【0155】
このように構成されたロボットシステムの動作について、図20のハードウェア構成がどのように図1乃至図19に示される上記の各実施の形態のロボットシステムを実現させているのか図20と各図を対比させて以下に説明する。
【0156】
はじめに、図1に示される上記実施の形態のロボットシステムについて説明する。ロボット利用時間積算部112は、ロボットの起動時に計時装置155を使用してロボットの起動時刻を求め、ロボットの終了時に計時装置155を使用してロボットの終了時刻を求め、終了時刻と起動時刻の差分を求めて当該利用時間とし、メモリ装置152上に配置されたロボット利用時間積算値に加算する。さらに、ロボット利用時間積算部112は、メモリ装置152上に図5に示すような利用時間とパスワードの識別子の対で構成されるデータの配列としての状態テーブル41を保持する。図5に示された利用時間の単位は時間である。例えば、図5に示された最初のデータの対は、メモリ装置152上に配置されたロボット利用時間積算値が2時間を超過した時点で、パスワード識別子″ステージ1″をパスワード出力部113に出力することを意味している。
【0157】
パスワード出力部113は、図6のようなパスワード識別子とパスワードの対の配列としてパスワードテーブル43をメモリ装置152上に保持し、入力されたパスワード識別子と対になるパスワードをこの配列から求め、パスワードの文字列を音声発生装置154を用いて発声することで出力し、ロボットのユーザ10に伝達を行う。例えば、″ステージ1″というパスワード識別子を入力した場合には、利用者に「パスワードは青い空だよ」などと発声する。さらに、パスワード出力部113は、パスワードの文字列をパスワード記録部114に出力し、これを記録する。パスワード記録部114は入力した少なくとも1つのパスワードをメモリ装置152あるいはハードディスク装置157上に格納する。
【0158】
次に、図18に示される上記実施の形態のロボットシステムについて説明する。
【0159】
パスワード出力部113においては、他の形態とは異なり、図19のような配列の状態テーブル記憶部513を用いる。ロボット内部状態監視部511は、内部状態が例えば、データを収容するメモリ装置あるいはハードディスク装置157の残り容量であると仮定すると、それらを制御するオペレーティングシステムからそれぞれの残り容量を取得し、あらかじめ決められた容量値よりも少ない場合には″少ない″、そうでない場合には、″十分″とパスワード出力部113に出力するプログラムとして構成することができる。ここでは、ロボットの内部状態としてはデータの容量を例として用いている。また、容量の状態を″十分″と″少ない″の2値で表現している。例えば、入力したパスワード識別子が″ステージ1″で、内部状態の識別子が″少ない″である場合には、パスワードとして″暗い夜″が選択され、利用者に対して「パスワードは暗い夜だよ」などと発声する。
【0160】
端末通信部101は、既存のWebサーバプログラムと、html言語で表示の構成を記述した表示データとで実現される。Webサーバプログラムは端末装置120に向けて、第一の表示データを送信する。第一の表示データは図9に示すようなパスワード入力画面51の画像をディスプレイ装置142の画面に表示する。ロボットのユーザ10は、キーボード装置143とマウス装置144を使って、「パスワードを入力してください」とかかれた下のパスワード入力欄52の空欄にパスワード出力部113から得たパスワードを入力し、「OK」とかかれたボタンを押す。これにより、入力したパスワードが送信され、端末通信部101を経由して、データ選択肢出力部103に出力される。
【0161】
選択肢テーブル記憶部102は、パスワードとデータ識別子の対の配列データとして選択肢テーブル31を保持する。データ選択肢出力部103は、入力したパスワードを使って選択肢テーブル記憶部102の選択肢テーブル31からこのデータを検索し、対応する1つ以上のデータ識別子を求める。例えば、パスワード″白い雲″に対応するデータ識別子は、″ステージ2ダンスシナリオ″、″ステージ2お話シナリオ″、″ステージ2ゲームシナリオ″の3つであるとする。データ選択肢出力部103は、求めた1つ以上のデータ識別子から、図10に示すような第二の表示データとしてデータ選択画面53を作成する。第二の表示データは端末通信部101に出力され、さらに、ネットワーク107を経由して、ディスプレイ装置142に画面に表示される。ロボットのユーザ10は、キーボード装置143、あるいは、マウス装置144を使って、表示されているデータ識別子の1つを選択する。選択されたデータ識別子は、ネットワーク107を経由して、端末通信部101に出力される。端末通信部101は選択されたデータ識別子、および、パスワードをデータ選択部104に出力する。
【0162】
データ記録部105は、図3に示すようなデータ識別子と、ファイル名のような、データを実際に格納する場所を指定するデータの対の配列データとしてファイルテーブル33を保持する。データを格納する場所はデータ記録部105に対応する。データ記録部105はハードディスク装置134のようなファイルを格納することのできる装置で構成する。データ選択部104は、データ記録部105のファイルテーブル33にアクセスし、入力したデータ識別子と対になるデータの格納場所を求め、そのデータの拡張場所、および、パスワードをデータ送信部106に出力する。
【0163】
データ送信部106は、入力したデータの格納場所に基づいて、データ記録部105からデータを入力し、入力したパスワードとともに、ネットワーク107を経由してデータ受信部115にデータを送信する。
【0164】
データ受信部115は、受信したデータとパスワードをデータ組込部116に出力する。データ組込部116は、入力したパスワードがパスワード記録部114が保持する1つ以上のパスワードの中に存在するかどうかを検査する。もし、存在するならば、入力したデータをロボットに組み込む作業を行う。存在しなければ何も行わない。データをロボットに組み込む作業は、メモリ装置152に格納され、ロボットの動作を決定しているデータに、入力されたデータを追加することで実現する。
【0165】
次に、図14に示される上記実施の形態のロボットシステムについて説明する。ここで、データ暗号化部201とデータ復号化部211は、暗号化の手法として一般的に用いられている秘密鍵暗号(secret key cryptosystem)の手法に基づく。データ暗号化部201では、本発明で使用されるパスワードをキーとして暗号化鍵を生成し、その暗号化鍵でデータを暗号化する。データ復号化部211では、本発明で使用されるパスワードをキーとして復号化鍵を生成し、その復号化鍵でデータを復号化する。
【0166】
次に、図15に示す上記実施の形態のロボットシステムについて説明する。ユーザ確認部311は、ロボットに内蔵されたカメラ装置153を用いて利用者の顔画像を認識し、あらかじめ登録してある利用者の顔画像と照合することによって特定の利用者がカメラ装置153の前に居ることを確認できた場合にはパスワードを出力する許可を発行するという手法で実現することができる。顔画像認識によって利用者を識別する手法については上述の非特許文献1に記載がある。ユーザ確認部311の別の実現方法としては、特定の利用者が携帯している機器から発せられている電波を感知すること、利用者が発する声紋を判定すること、および、利用者に直接「あなたは誰か?」のように質問を行って回答を得ること、などがある。
【0167】
あるいは、他の実施の形態において、パスワード出力部113は、ユーザ確認部311によって認識されたユーザに応じて、異なるパスワードを出力することもできる。テーブル記憶部111は、複数の状態テーブル41を記憶し、ユーザと状態テーブル41を対応付けたユーザテーブルを有する。ユーザ確認部311によって認識されたユーザに対応する状態テーブル41をユーザテーブルから取得し、該当する状態テーブル41を使用してパスワードを取得する。これにより、ユーザ毎に異なる機能の追加を行うことが可能となる。すなわち、パスワード出力部113がパスワードを出力するタイミング、および出力されるパスワードの選定は、ロボット利用時間積算部112およびユーザ確認部311などの、ロボットが拡張データを受け付け可能となる条件を満たすか否かを判断する判断部によって決定される。
【0168】
次に、図16に示す上記実施の形態のロボットシステムについて説明する。機能完了確認部411は、変数名のような形式で指定された、ロボットに内蔵されたメモリ装置152内の特定の箇所を一定時間おきに監視するプログラムとして実現することができる。ロボット内で特定の機能が完了した際にその機能によってメモリ装置152内の特定の箇所の値が変更されるものと仮定する。機能完了確認部411は、図17のような特定の箇所を示す変数名とパスワード識別子の対の配列を保持し、特定の箇所の値が変更されると、対応するパスワード識別子をパスワード出力部113に出力するように構成することができる。
【0169】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0170】
たとえば、上記実施の形態では、機能完了確認部411は、特定の機能の利用の完了を監視する構成としたが、これに限定されない。他の実施の形態において、複数の異なる機能の利用の完了を並行して監視することができる。ロボットサブシステム410は、複数の機能の種別毎に機能完了テーブルを設けることができ、機能完了確認部411は、ロボットサブシステム410内で発生する複数の機能の各利用完了を監視し、利用完了が確認された機能の種別を特定し、特定された機能の種別に該当する機能完了テーブルにアクセスすることができる。この構成によれば、ロボットサブシステム410の複数の機能の種別毎に機能の利用完了を監視し、異なるパスワードを出力させることができる。
【0171】
また、本発明の実施の形態として、以下の態様も採用することができる。
(1)内蔵するデータを変更することで機能を変更できる機器のデータ構成制御方法であって、
機器の利用者に対して、機器に組み込まれる拡張データを制限して利用者に提示し選択させるために使用するパスワードを出力するパスワード出力手段を備えたことを特徴とするデータ構成制御方法。
(2)上記(1)記載のパスワード出力手段が、機器の利用時間に基づき1以上のパスワードから1つを選定して出力することを特徴とするデータ構成制御方法。
(3)上記(1)記載のパスワード出力手段が、機器の利用時間、および1以上の機器の内部状態に基づき、1以上のパスワードから1つを選定して出力することを特徴とするデータ構成制御方法。
(4)機器の利用時間があらかじめ決められた時間を経過した時点以降に前記パスワード出力手段がパスワードを出力することを特徴とする上記(2)及び(3)記載のデータ構成制御方法。
(5)機器に装備された1以上の機能の利用が完了したことを契機として、上記(1)記載のパスワード出力手段が、パスワードを出力することを特徴とするデータ構成制御方法。
(6)前記パスワード出力手段が、利用が完了した1以上の機能の種別に基づいて、1以上のパスワードから1つを選定して出力することを特徴とする上記(5)記載のデータ構成制御方法。
(7)前記パスワード出力手段が、利用が完了した1以上の機能の種別、および、機器の1以上の内部状態に基づいて、1以上のパスワードから1つを選定して出力することを特徴とする上記(5)記載のデータ構成制御方法。
(8)前記パスワード出力手段が利用者に出力したパスワードを記録する手順と、データを入力する手順と、入力したデータが同パスワードを含む場合にのみデータを機器の拡張データとして組み込む手順からなるデータ組込手段を備えたことを特徴とする上記(1)乃至(7)いずれかに記載のデータ構成制御方法。
(9)前記パスワード出力手段が利用者に出力したパスワードを記録する手順と、データを入力する手順と、入力したデータが同パスワードから構成される復号化鍵によって復号化可能な場合にのみデータを機器の拡張データとして組み込む手順からなるデータ組込手段を備えたことを特徴とする上記(1)乃至(7)いずれかに記載のデータ構成制御方法。
(10)機器の現時点での利用者を特定するユーザ確認手段を備え、ユーザ確認手段によってあらかじめ決められた利用者が機器を利用していると確認できた場合にのみ、前記パスワード出力手段がその利用者にパスワードを出力することを特徴とする上記(1)記載のデータ構成制御方法。
(11)内蔵するデータを変更することで動作を変更できる機器とネットワークで接続された情報処理装置のデータ構成制御方法であって、利用者からパスワードを入力する手順と、利用者から入力されたパスワードに基づいて機器に組み込まれる1以上の拡張データを選択する手順と、選択された拡張データのうちの1つの指定を利用者から入力する手順を実行するデータ選択手段と、選択された拡張データをネットワーク経由で機器に送信するデータ送信手段と、を備えることを特徴とするデータ構成制御方法。
(12)上記(11)記載のデータ送信手段が、前記データ選択手段によって入力されたパスワードを拡張データに含めて機器に送信することを特徴とするデータ構成制御方法。
(13)上記(11)記載のデータ送信手段が、前記データ選択手段によって入力されたパスワードから構成される暗号化鍵を用いて暗号化された拡張データを機器に送信することを特徴とするデータ構成制御方法。
(14)上記(11)記載のデータ選択手段が、上記(1)乃至(7)いずれかに記載のパスワード出力手段が出力したパスワードを入力することを特徴とするデータ構成制御方法。
(15)上記(12)記載のデータ送信手段が送信したデータが、上記(8)に記載されたデータ組込手段によって入力されることを特徴とするデータ構成制御方法。
(16)上記(13)記載のデータ送信手段が送信したデータが、上記(9)に記載されたデータ組込手段によって入力されることを特徴とするデータ構成制御方法。
(17)上記(1)乃至(7)いずれかに記載のパスワード出力手段が出力したパスワードを上記(11)記載のデータ選択手段が入力する手順と、上記(12)記載のデータ送信手段が送信したデータを上記(8)記載のデータ組込手段が入力する手順と、を実行することを特徴とするデータ構成制御方法。
(18)上記(1)乃至(7)いずれかに記載のパスワード出力手段が出力したパスワードを上記(11)記載のデータ選択手段が間接的に入力する手順と、上記(13)記載のデータ送信手段が送信したデータを上記(9)記載のデータ組込手段が入力する手順と、を実行することを特徴とするデータ構成制御方法。
(19)書き換え可能な記憶装置を備え、さらに音声発生装置あるいは画像表示装置のうちの1つ以上を備え、記憶装置内の特定の場所にデータを追加することで異なる動作を行うことができるロボット装置であって、ロボット装置の利用者に対して、記憶装置に追加されるデータを選択するために使用するパスワードを音声発生装置あるいは画像表示装置のうちの1つ以上を使って伝達することを特徴とするロボット装置。
(20)利用者に伝達されるパスワードが、ロボット装置の利用時間に基づき1以上のパスワードから1つを選定されることを特徴とする上記(19)記載のロボット装置。
(21)利用者に伝達されるパスワードが、ロボット装置の利用時間、およびロボット装置内の1以上の内部状態に基づき、1以上のパスワードから1つを選定されることを特徴とする上記(19)記載のロボット装置。
(22)ロボット装置の利用時間があらかじめ決められた時間を経過した時点以降に利用者にパスワードを伝達することを特徴とする上記(20)または(21)記載のロボット装置。
(23)ロボット装置に組み込まれた1以上の機能の利用が完了したことを契機として、パスワードを伝達することを特徴とする上記(19)記載のロボット装置。
(24)ロボット装置に組み込まれ、利用が完了した1以上の機能の種別に基づいて、1以上のパスワードから1つを選定して伝達することを特徴とする上記(23)記載のロボット装置。
(25)ロボット装置に組み込まれ、利用が完了した1以上の機能の種別、および、ロボット装置の1以上の内部状態に基づいて、1以上のパスワードから1つを選定して伝達することを特徴とする上記(23)記載のロボット装置。
(26)利用者に伝達したパスワードを記憶装置に記録する手順と、データを記憶装置に入力する手順と、入力したデータが同パスワードを含む場合にのみデータを記憶装置内の特定の場所に追加する手順からなるデータ組込手段を実行することを特徴とする上記(19)乃至(25)いずれかに記載のロボット装置。
(27)利用者に伝達したパスワードを記憶装置に記録する手順と、データを記憶装置に入力する手順と、入力したデータが同パスワードから構成される復号化鍵によって復号化可能な場合にのみデータを記憶装置内の特定の場所に追加する手順からなるデータ組込手段を実行することを特徴とする上記(19)乃至(25)いずれかに記載のロボット装置。
(28)画像入力装置を備えた上記(19)記載のロボット装置であって、記憶装置内にパスワードを伝達することができる利用者の画像情報を記録し、画像入力装置を用いて、ロボット装置の近傍にいる利用者の画像を入力し、記憶装置内の画像情報と照合して一致する場合に、その利用者にパスワードを伝達することを特徴とする上記(19)乃至(25)いずれかに記載のロボット装置。
(29)上記(19)のロボット装置、およびロボット装置の利用者が操作する端末装置とネットワークで接続され、利用者が端末装置から入力したパスワードを入力する手段と、入力したパスワードに基づいてロボット装置に組み込まれる1以上の拡張データを選択する手段と、選択された拡張データのうちの1つの指定を利用者が操作する端末装置から入力する手順を実行するデータ選択手段と、選択された拡張データをネットワーク経由でロボット装置に送信するデータ送信手段と、を備えることを特徴とするサーバ。
(30)上記(29)において、データ送信手段が、データ選択手段によって入力されたパスワードを拡張データに含めてロボット装置に送信することを特徴とするサーバ。
(31)上記(29)において、データ送信手段が、データ選択手段によって入力されたパスワードから構成される暗号化鍵を用いて暗号化された拡張データをロボット装置に送信することを特徴とするサーバ。
(32)上記(29)記載のデータ選択手段が入力するパスワードが、上記(19)乃至(25)いずれかに記載のロボット装置が利用者に伝達したパスワードであることを特徴とするサーバ。
(33)上記(30)記載のサーバが送信したデータを、上記(26)に記載されたロボット装置が入力することを特徴とするロボットシステム。
(34)上記(31)記載のサーバが送信したデータを、上記(27)に記載されたロボット装置が入力することを特徴とするロボットシステム。
(35)上記(26)記載のロボット装置が利用者に伝達したパスワードを上記(30)記載のサーバが入力する手順と、上記(30)記載のサーバが送信したデータを上記(26)記載のロボット装置が入力する手順と、備えることを特徴とするロボットシステム。
(36)上記(27)記載のロボット装置が利用者に伝達したパスワードを上記(31)記載のサーバが入力する手順と、上記(31)記載のサーバが送信したデータを上記(27)記載のロボット装置が入力する手順と、備えることを特徴とするロボットシステム。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機能を実現するプログラムを実行する機器と、
前記機器にネットワークを介して接続され、前記機器の機能を拡張する複数の拡張データを保有し、前記拡張データを前記機器に送信するデータ提供装置と、を備えたデータ更新システムであって、
前記機器は、
前記プログラムを記憶するデータ記憶部と、
前記機能を拡張する拡張データを前記データ提供装置から受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新する更新部と、
前記拡張データの受け付けが可能となる条件を満たすか否かを判断する判断部と、
前記条件毎に取得可能な複数の前記拡張データに関連付けられ、前記拡張データを前記データ提供装置から受信するとき使用するパスワードを記憶するパスワード記憶部と、
前記パスワード記憶部にアクセスし、前記判断された前記条件に対応する前記拡張データの前記パスワードを取得し、取得した前記パスワードをユーザに出力するパスワード出力部と、を含み、
前記データ提供装置は、
前記複数の拡張データと前記パスワードを関連付けたテーブルを記憶するテーブル記憶部と、
前記ユーザによる前記パスワードの入力を受け付けるパスワード受付部と、
前記テーブル記憶部にアクセスし、前記パスワード受付部で受け付けたパスワードに対応する前記複数の拡張データを取得し、前記ユーザに提示する提示部と、
前記提示部に提示された前記複数の拡張データから前記ユーザが選択した拡張データを受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部により受け付けた前記拡張データを前記拡張データ記憶部から読み出し、前記機器に前記ネットワークを介して送信する送信部と、を含むことを特徴とするデータ更新システム。
【請求項2】
請求の範囲第1項記載のデータ更新システムにおいて、
前記機器は、前記パスワード出力部で出力した前記パスワードを記憶する既出パスワード記憶部を含み、
前記データ提供装置の前記送信部は、前記拡張データとともに前記パスワード受付部で受け付けた前記パスワードを送信し、
前記機器の前記受信部は、前記拡張データとともに前記パスワードを前記データ提供装置から受信し、
前記機器の前記更新部は、前記既出パスワード記憶部にアクセスし、前記受信部で受信した前記パスワードが前記既出パスワード記憶部に記憶されているとき、前記受信部で受信した前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新することを特徴とするデータ更新システム。
【請求項3】
請求の範囲第1項または第2項記載のデータ更新システムにおいて、
前記機器の利用時間に対応付けられた少なくとも1つのパスワードを記憶する時間テーブル記憶部と、
前記機器の利用時間を計測する時間計測部と、
を含み、
前記パスワード出力部は、前記時間テーブル記憶部にアクセスし、前記時間計測部で計測された前記機器の利用時間に対応する少なくとも1つのパスワードを取得し、出力することを特徴とするデータ更新システム。
【請求項4】
請求の範囲第1項乃至第3項いずれかに記載のデータ更新システムにおいて、
前記機器は、
前記パスワードに関連付けられた前記機器の少なくとも1つの内部状態を記憶する状態テーブルと、
前記機器内部の状態を監視する状態監視部と、
を含み、
前記パスワード出力部は、前記状態テーブルにアクセスし、前記状態監視部で監視された前記機器の内部の状態に対応する前記パスワードを取得して出力することを特徴とするデータ更新システム。
【請求項5】
請求の範囲第1項乃至第4項いずれかに記載のデータ更新システムにおいて、
前記データ提供装置は、
前記パスワード受付部が受け付けた前記パスワードから暗号化鍵を算出する暗号化鍵算出部と、
前記暗号化鍵算出部で算出された前記暗号化鍵を用いて、前記選択受付部が受け付けた前記拡張データを前記データ記憶部から読み出して、暗号化する暗号化部と、
を含み、
前記データ提供装置の前記送信部は、前記暗号化部で暗号化された前記拡張データを前記機器に前記ネットワークを介して送信し、
前記機器は、
前記既出パスワード記憶部に記憶された前記パスワードから復号化鍵を算出する復号化鍵算出部と、
前記受信部で受信した前記拡張データを、前記復号化鍵算出部で算出された前記復号化鍵を用いて復号化する復号化部と、
を含み、
前記機器の前記更新部は、前記復号化部で復号化された前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新することを特徴とするデータ更新システム。
【請求項6】
請求の範囲第1項乃至第5項いずれかに記載のデータ更新システムにおいて、
前記機器は、
ユーザを認識する認識部と、
パスワード出力を許可するユーザを登録する登録者テーブルと、
前記登録者テーブルにアクセスし、前記認識部で認識されたユーザが前記登録者テーブルに含まれているか否かを判定する判定部と、
を含み、
前記機器の前記パスワード出力部は、前記判定部が前記登録者テーブルに前記ユーザが含まれていると判定したとき、前記パスワードを出力することを特徴とするデータ更新システム。
【請求項7】
請求の範囲第1項乃至第6項いずれかに記載のデータ更新システムにおいて、
前記機器は、
前記機器内で発生する特定の機能の利用が完了したことを示す変数と、前記機能の利用が完了した時点に出力するパスワードを対応付けて記憶する機能完了テーブルと、
前記機能完了テーブルにアクセスし、前記機器内で発生する特定の機能の利用完了を監視し、前記機能の利用完了が確認されたとき、対応する前記パスワードを取得する機能完了確認部と、
を含み、
前記機器の前記パスワード出力部は、前記機能完了確認部が取得した前記パスワードを出力することを特徴とするデータ更新システム。
【請求項8】
請求の範囲第7項記載のデータ更新システムにおいて、
前記機器は、複数の機能の種別毎に前記機能完了テーブルを設け、
前記機能完了確認部は、前記機器内で発生する前記複数の機能の各利用完了を監視し、前記利用完了が確認された前記機能の種別を特定し、特定された前記機能の種別に該当する前記機能完了テーブルにアクセスすることを特徴とするデータ更新システム。
【請求項9】
請求の範囲第1項乃至第8項いずれかに記載のデータ更新システムにおいて、
前記外部機器にネットワークを介して接続され、
前記パスワードの入力または前記拡張データの選択を受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けた前記パスワードの入力または前記拡張データの選択を前記外部機器に前記ネットワークを介して送信する送信部と、
を含む端末装置を含み、
前記データ提供装置は、
前記端末装置から送信された前記パスワードの入力または前記拡張データの選択を、前記ネットワークを介して受信する受信部を含み、
前記データ提供装置の前記パスワード受付部は、前記受信部で受信した前記パスワードの入力を受け付け、
前記データ提供装置の前記選択受付部は、前記受信部で受信した前記拡張データの選択を受け付けることを特徴とするデータ更新システム。
【請求項10】
請求の範囲第9項記載のデータ更新システムにおいて、
前記データ提供装置の前記提示部は、前記端末装置に前記複数の拡張データを提示する画面の表示を、前記ネットワークを介して指示する指示部を含み、
前記端末装置は、
前記データ提供装置の前記指示部から前記画面表示の指示を、前記ネットワークを介して受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部で受け付けた前記画面表示の指示にしたがって、前記複数の拡張データを提示する前記画面を表示する表示部と、を含むことを特徴とするデータ更新システム。
【請求項11】
所定の機能を実現するプログラムを記憶するデータ記憶部と、
前記プログラムを実行する実行部と、
すくなくとも音声発生装置および画像表示装置の一方を含むコミュニケーション部と、
前記機能を拡張する拡張データをデータ提供装置から受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新する更新部と、
前記拡張データの受け付けが可能となる条件を満たすか否かを判断する判断部と、
前記条件毎に取得可能な複数の前記拡張データに関連付けられ、前記拡張データを前記データ提供装置から受信するとき使用するパスワードを記憶するパスワード記憶部と、
前記パスワード記憶部にアクセスし、前記判断された前記条件に対応する前記拡張データの前記パスワードを取得するパスワード取得部と、を備え、
前記パスワード取得部で取得された前記パスワードを、前記コミュニケーション部を介してユーザに出力することを特徴とするロボット装置。
【請求項12】
請求の範囲第11項記載のロボット装置において、
前記パスワード取得部で取得した前記パスワードを記憶する既出パスワード記憶部を含み、
前記データ提供装置の前記送信部は、前記拡張データとともに前記パスワード受付部で受け付けた前記パスワードを送信し、
前記受信部は、前記拡張データとともに前記パスワードを前記データ提供装置から受信し、
前記更新部は、前記既出パスワード記憶部にアクセスし、前記受信部で受信した前記パスワードが前記既出パスワード記憶部に記憶されているとき、前記受信部で受信した前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新することを特徴とするロボット装置。
【請求項13】
請求の範囲第11項または第12項記載のロボット装置において、
前記ロボット装置の利用時間に対応付けられた少なくとも1つのパスワードを記憶する時間テーブル記憶部と、
前記ロボット装置の利用時間を計測する時間計測部と、
を含み、
前記パスワード取得部は、前記時間テーブル記憶部にアクセスし、前記時間計測部で計測された前記機器の利用時間に対応する少なくとも1つのパスワードを取得することを特徴とするロボット装置。
【請求項14】
請求の範囲第11項乃至第13項いずれかに記載のロボット装置において、
前記パスワードに関連付けられた前記ロボット装置の少なくとも1つの内部状態を記憶する状態テーブルと、
前記ロボット装置内部の状態を監視する状態監視部と、
を含み、
前記パスワード取得部は、前記状態テーブルにアクセスし、前記状態監視部で監視された前記ロボット装置の内部の状態に対応する前記パスワードを取得することを特徴とするロボット装置。
【請求項15】
請求の範囲第11項乃至第14項いずれかに記載のロボット装置において、
前記既出パスワード記憶部に記憶された前記パスワードから復号化鍵を算出する復号化鍵算出部と、
前記受信部で受信した前記拡張データを、前記復号化鍵算出部で算出された前記復号化鍵を用いて復号化する復号化部と、
を含み、
前記更新部は、前記復号化部で復号化された前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新することを特徴とするロボット装置。
【請求項16】
請求の範囲第11項乃至第15項いずれかに記載のロボット装置において、
ユーザを認識する認識部と、
パスワード出力を許可するユーザを登録する登録者テーブルと、
前記登録者テーブルにアクセスし、前記認識部で認識されたユーザが前記登録者テーブルに含まれているか否かを判定する判定部と、
を含み、
前記パスワード取得部は、前記判定部が前記登録者テーブルに前記ユーザが含まれていると判定したとき、前記パスワードを取得することを特徴とするロボット装置。
【請求項17】
請求の範囲第16項記載のロボット装置において、
前記登録者テーブルに登録された前記ユーザの画像情報を記録するユーザ画像記録部を含み、
前記認識部は、前記ユーザを撮像する撮像部を有し、
前記判定部は、前記撮像部で撮像された前記ユーザの画像情報と、前記ユーザ画像記録部の前記画像情報を照合し、一致するか否か判定し、
前記パスワード取得部は、前記照合部が前記画像情報が一致すると判定したとき、前記パスワードを取得することを特徴とするロボット装置。
【請求項18】
請求の範囲第11項乃至第17項いずれかに記載のロボット装置において、
前記ロボット装置内で発生する特定の機能の利用が完了したことを示す変数と、前記機能の利用が完了した時点に出力するパスワードを対応付けて記憶する機能完了テーブルと、
前記機能完了テーブルにアクセスし、前記ロボット装置内で発生する特定の機能の利用完了を監視し、前記機能の利用完了が確認されたとき、対応する前記パスワードを取得する機能完了確認部と、
を含み、
前記パスワード取得部は、前記機能完了確認部が取得した前記パスワードを出力することを特徴とするロボット装置。
【請求項19】
請求の範囲第18項記載のロボット装置において、
複数の機能の種別毎に前記機能完了テーブルを設け、
前記機能完了確認部は、前記ロボット装置内で発生する前記複数の機能の各利用完了を監視し、前記利用完了が確認された前記機能の種別を特定し、特定された前記機能の種別に該当する前記機能完了テーブルにアクセスすることを特徴とするロボット装置。
【請求項20】
所定の機能を実現するプログラムを実行する機器にネットワークを介して接続する接続部と、
前記機器の機能を拡張する複数の拡張データを記憶する拡張データ記憶部と、
前記複数の拡張データと前記パスワードを関連付けたテーブルを記憶するテーブル記憶部と、
ユーザによる前記パスワードの入力を受け付けるパスワード受付部と、
前記テーブル記憶部にアクセスし、前記パスワード受付部で受け付けたパスワードに対応する前記複数の拡張データを取得し、前記ユーザに提示する提示部と、
前記提示部に提示された前記複数の拡張データから前記ユーザが選択した拡張データを受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部により受け付けた前記拡張データを前記拡張データ記憶部から読み出し、前記機器に前記ネットワークを介して送信する送信部と、
を備えたことを特徴とするデータ提供装置。
【請求項21】
所定の機能を実現するプログラムを記憶するデータ記憶部と、前記プログラムを実行する実行部とを有する機器に、複数の拡張データを記憶する拡張データ記憶部を有するデータ提供装置から前記拡張データをネットワークを介して送信し、前記機器のデータ構成を制御する方法であって、
前記拡張データの受け付けが可能となる条件毎に取得可能な複数の前記拡張データに関連付けられ、前記拡張データを前記データ提供装置から受信するとき使用するパスワードを記憶するパスワード記憶部を有する前記機器において、
前記条件を満たすか否かを判断するステップと、
前記パスワード記憶部にアクセスし、前記判断された前記条件に対応する前記拡張データの前記パスワードを取得するステップと、
前記取得するステップで取得した前記パスワードをユーザに出力するステップと、
を含み、
前記複数の拡張データと前記パスワードを関連付けたテーブルを記憶するテーブル記憶部を有する前記データ提供装置において、
前記ユーザによる前記パスワードの入力を受け付けるステップと、
前記テーブル記憶部にアクセスし、前記パスワード受付部で受け付けたパスワードに対応する前記複数の拡張データを取得するステップと、
前記ユーザに前記複数の拡張データを提示するステップと、
提示された前記複数の拡張データから前記ユーザが選択した拡張データを受け付けるステップと、
受け付けた前記拡張データを前記拡張データ記憶部から読み出し、前記機器に前記ネットワークを介して送信するステップと、を含み、
さらに前記機器において、
前記機能を拡張する拡張データを前記データ提供装置から受信するステップと、
受信した前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新するステップと、を含むことを特徴とするデータ更新方法。
【請求項22】
所定の機能を実現するプログラムを実行するロボット装置と、
前記ロボット装置にネットワークを介して接続され、前記ロボット装置の機能を拡張する複数の拡張データを保有し、前記拡張データを前記ロボット装置に送信するデータ提供装置と、を備えたロボットシステムであって、
前記ロボット装置は、
前記所定の機能を実現するプログラムを記憶するデータ記憶部と、
前記プログラムを実行する実行部と、
すくなくとも音声発生装置および画像表示装置の一方を含むコミュニケーション部と、
前記機能を拡張する拡張データをデータ提供装置から受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新する更新部と、
前記拡張データの受け付けが可能となる条件を満たすか否かを判断する判断部と、
前記条件毎に取得可能な複数の前記拡張データに関連付けられ、前記拡張データを前記データ提供装置から受信するとき使用するパスワードを記憶するパスワード記憶部と、
前記パスワード記憶部にアクセスし、前記判断された前記条件に対応する前記拡張データの前記パスワードを取得するパスワード取得部と、
前記パスワード取得部で取得された前記パスワードを、前記コミュニケーション部を介してユーザに出力するパスワード出力部と、
を含み、
前記データ提供装置は、
前記複数の拡張データと前記パスワードを関連付けたテーブルを記憶するテーブル記憶部と、
前記ユーザによる前記パスワードの入力を受け付けるパスワード受付部と、
前記テーブル記憶部にアクセスし、前記パスワード受付部で受け付けたパスワードに対応する前記複数の拡張データを取得し、前記ユーザに提示する提示部と、
前記提示部に提示された前記複数の拡張データから前記ユーザが選択した拡張データを受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部により受け付けた前記拡張データを前記拡張データ記憶部から読み出し、前記ロボット装置に前記ネットワークを介して送信する送信部と、を含むことを特徴とするロボットシステム。
【請求項23】
所定の機能を実現するプログラムを記憶するデータ記憶部と、前記プログラムを実行する実行部とを有する機器に、前記機器の機能を拡張する複数の拡張データを保有するデータ提供装置から前記拡張データをネットワークを介して送信し、前記機器のデータを更新するプログラムであって、
前記プログラムは、
前記拡張データの受け付けが可能となる条件毎に取得可能な複数の前記拡張データに関連付けられ、前記拡張データを前記データ提供装置から受信するとき使用するパスワードを記憶するパスワード記憶部を有する前記機器に、
前記条件を満たすか否かを判断する手段と、
前記パスワード記憶部にアクセスし、前記判断された前記条件に対応する前記拡張データの前記パスワードを取得する手段と、
前記取得する手段で取得した前記パスワードをユーザに出力する手段と、
を実現させるためのプログラムを含み、
前記複数の拡張データと前記パスワードを関連付けたテーブルを記憶するテーブル記憶部を有する前記データ提供装置に、
前記ユーザによる前記パスワードの入力を受け付ける手段と、
前記テーブル記憶部にアクセスし、前記パスワード受付部で受け付けたパスワードに対応する前記複数の拡張データを取得する手段と、
前記ユーザに前記複数の拡張データを提示する手段と、
提示された前記複数の拡張データから前記ユーザが選択した拡張データを受け付ける手段と、
受け付けた前記拡張データを前記拡張データ記憶部から読み出し、前記機器に前記ネットワークを介して送信する手段と、を実現させるためのプログラムを含み、
さらに前記機器に、
前記機能を拡張する拡張データを前記データ提供装置から受信する手段と、
受信した前記拡張データを前記データ記憶部に記憶し、新たなプログラムを追加または前記プログラムを更新する手段と、を実現させるプログラムを含むことを特徴とするデータ更新プログラム。

【国際公開番号】WO2005/085973
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【発行日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516869(P2006−516869)
【国際出願番号】PCT/JP2004/019332
【国際出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】