説明

データ記憶装置

【課題】
外部記憶媒体にデータを記憶する機能を有するデータ記憶装置において、外部記憶媒体にデータを記憶した後、外部記憶媒体をデータ記憶装置本体から取り外してしまうと、データ記憶装置は外部記憶媒体上のデータを検索することができない。
【解決手段】
外部記憶媒体へデータを記憶する場合、記憶するデータのメタデータをデータ記憶装置本体に登録しておく。これにより、外部記憶媒体がデータ記憶装置本体から取り外され、外部記憶媒体にアクセスできない場合でも、あたかもデータ記憶装置本体にデータがあるかのようにデータ検索することが可能になるため、使い勝手が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部記憶媒体にデータを記憶する機能を有するデータ記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2006−180101号公報(特許文献1)では、課題として、「光ディスク又はビデオテープ等の記録媒体に記録してある動画の検索を行うために、動画からサムネイルを作成して表示する場合に、サムネイルを高速に表示することができ、また、記録媒体を装置に装着しなくてもサムネイルを表示することができる動画記録装置及び動画記録装置を用いてサムネイルを表示するサムネイル表示方法を提供する。」と記載され、その解決方法として、「記録媒体に識別情報を付加し、識別情報とサムネイルとを関連付けて記憶するためのサムネイルメモリ21を装置本体に備え、動画の記録持にサムネイルを作成してサムネイルメモリ21に記憶しておくことで、記録媒体が装着された場合にサムネイルをサムネイルメモリから読み出して高速に表示することができ、また、記録媒体を装着しなくてもサムネイルの表示を行うことができる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−180101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、データ記憶装置における記憶媒体の大容量化が進んでいる。また、記憶媒体として、光ディスクやメモリーカード、着脱可能な外付けハードディスクなど、外部記憶媒体の利用も拡大している。これに伴い、大量のデータから目的のデータを容易に検索するための方法が求められている。しかし、外部記憶媒体に記憶したデータを検索するためには、データ検索機能を有する装置に外部記憶媒体を接続する必要があり、使い勝手の一層の向上が望まれる。例えば、DVDカメラで複数枚のDVDメディアに動画を記録し、これらのDVDメディアをキャビネットで管理する場合がある。この場合、DVDメディアの枚数が増えるにつれて、目的の動画を記録したメディアを探すのが困難になってしまう。そこで、以下のような手法が提案されている。
【0005】
上記特許文献1では、動画を記録した記録媒体を装置に装着することなく、サムネイル表示を可能にする動画記録装置について開示されている。この文献では、動画記録装置で記録した映像のサムネイルを、動画記録装置内のメモリに格納しておくことで、実際に動画を記録した記憶媒体を動画記録装置本体に装着することなく映像のサムネイル表示を可能にする手法について述べられている。これにより、動画記録装置本体があれば、実際に動画を記録した記憶媒体がない状態であっても、映像のサムネイル閲覧が可能になる。
【0006】
ところが、特許文献1では、この手法を一般的なデータ記憶装置に適用した場合の考慮がされていない。動画検索におけるサムネイル表示は、ユーザが視覚的な検索を行うのに有効な手段である。しかし、文書データの検索においては、これをサムネイル表示したとしても視覚的に分かりにくく、目的のデータを探すのは困難である。文書データに限らず、データ記憶装置におけるデータ検索では、データのファイル名や作成日時、作成者、データの種類(文書、画像、映像など)といったメタデータを管理し、これを利用したデータ検索を行えるようにすることで使い勝手を向上させることができる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、外部記憶媒体にデータを記憶し、データ記憶装置本体にないデータを検索する場合であっても、あたかもデータ記憶装置本体にデータがあるかのようにデータ検索を行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、例えば特許請求の範囲に記載の発明により達成できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外部記憶媒体へデータを記憶する場合、記憶するデータのメタデータをデータ記憶装置本体に登録しておくことができるようになる。これにより、外部記憶媒体にデータを記憶し、データ記憶装置本体にデータがない場合であっても、あたかもデータ記憶装置本体にデータがあるかのようなデータ検索が可能になる。また、外部記憶媒体に記憶するデータをメタデータ生成の対象とすることで、管理するメタデータ量を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1〜3実施例に係るデータ記憶装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る管理情報の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るデータ検索について一例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る管理情報を登録する処理の流れについて、一例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る管理情報の一例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例に係るデータ検索結果からデータへアクセスする処理の流れについて、一例を示す図である。
【図7】本発明の第3実施例に係るデータ検索について一例を示す図である。
【図8】本発明の第3実施例に係るデータ検索効率を向上させる処理の流れについて、一例を示す図である。
【図9】本発明の第4実施例に係る管理情報の一例を示す図である。
【図10】本発明の第4実施例に係る内部記憶媒体のデータ管理の流れについて、一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用い、本発明の一実施の形態について説明する。但し、本方式により本発明が限定されるわけではない。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の第1実施例に係るデータ記憶装置を示すブロック図である。
【0013】
本実施例では、記憶媒体4aを半導体、記憶媒体4bを磁気ディスクとし、これら2つの記憶媒体を内部記憶媒体とする。また、記憶媒体4cは光ディスクとし、データ記憶装置から取り外して別の装置で再生することが可能な外部記憶媒体とする。これらの記憶媒体4a〜4cを自動的に階層制御し、データを記憶するデータ記憶装置について示す。
【0014】
操作インタフェース1は、キーボード、あるいは、マウスといった入力機器である。文書データの作成や変更、削除のほか、データ記憶装置内のデータを検索する場合のキーワード入力などに使用する。データ入力インタフェース7は、外部からのデータ入力用インタフェースである。USBメモリのような情報記憶媒体を接続するポートであっても、カメラやレコーダなどの機器を接続するポートであっても、ネットワークへ接続するためのポートであっても良く、ポートの数や形状、規格などは何でも良い。データ出力インタフェース8は、操作インタフェース1で作成するデータ、記憶媒体4a〜4cに記憶しているデータ、データ入力インタフェース7から取り込んだデータなどをモニタ出力するためのインタフェースである。データ制御部2は、操作インタフェース1で作成したデータやデータ入力インタフェース7から取り込んだデータを記憶媒体4a〜4cに記憶する。なお、記憶先の媒体は、ユーザが決定してもよいが、自動的に階層制御を行う装置では、各記憶媒体の空き容量や、データのアクセス頻度を考慮し、記憶媒体選択部3が自動的に選択する。また、データ制御部2は、データを外部記憶媒体4cに記憶する場合、そのデータのメタデータをメタデータ記憶部6に登録する。図2は、登録するメタデータの一例を示したものである。ファイル名、作成日、データサイズ、属性、作成者、記憶する記憶媒体など、記憶するデータに関するメタデータをテーブルとして管理する。データ検索部5は、データ管理装置内の検索を行い、記憶媒体4a〜4cおよび、メタデータ記憶部6を検索対象とする。
【0015】
自動的に階層制御を行うデータ記憶装置の場合、ユーザに対しては、複数の記憶媒体の存在を意識させず、記憶媒体が1つであるように見せかけることがある。そして、データ記憶装置内部において、各記憶媒体の空き容量や、データのアクセス頻度に基づき、実際にデータを記憶する媒体を選択している。この場合、ユーザの意思とは関係なく、外部記憶媒体にもデータが記憶されていく。もし、ユーザが外部記憶媒体をデータ記憶装置本体から取り外してしまうと、外部記憶媒体に記憶していたデータにアクセスすることができなくなってしまう。これは、ユーザがデータ検索を行う場合、取り外してしまった外部記憶媒体上のデータについては、検索できなくなることを意味する。そこで、外部記憶媒体にデータを記憶する場合には、そのメタデータをデータ記憶装置に登録しておく。このようにすることで、外部記憶媒体をデータ記憶装置本体から取り外してしまった場合においても、外部記憶媒体上のデータについて検索を行うことが可能になる。また、外部記憶媒体へデータを記憶する際、記憶先の記憶媒体についても管理を行う。外部記憶媒体上のデータへアクセスを行う必要がある場合、この管理情報を参照することで、データの記憶先が何れの記憶媒体であるかを知ることが可能になる。
【0016】
図3は、内部記憶媒体のデータを外部記憶媒体へ転送した場合におけるデータ検索について、一例を示す図である。なお、外部記憶媒体へのデータ転送後、外部記憶媒体をデータ記憶装置から取り外し、データ記憶装置が外部記憶媒体上のデータを直接検索することができない状態であるとする。ここでは、内部記憶媒体に記憶している“Data−1”というデータを外部記憶媒体に転送した場合を示す。元々、内部記憶媒体には、“Data−1”、“Data−5”、“Data−7”の3つのデータを記憶していたとする。このうち、“Data−1”を外部記憶媒体に転送(移動)した場合、内部記憶媒体から“Data−1”は無くなる。その代わり、メタデータ記憶部には、“Data−1”のメタデータを登録しておく。この状態でデータ検索を行う場合、“Data−5”および“Data−7”については、内部記憶媒体にデータが存在しているため、検索が可能である。また、“Data−1”については、外部記憶媒体をデータ記憶装置から取り外しているが、そのメタデータはメタデータ記憶部に残っているため、メタデータ記憶部を検索対象とすることで検索することが可能である。
【0017】
図4は、内部記憶媒体のデータを外部記憶媒体へ転送(移動)する場合に、転送データのメタデータをデータ記憶装置に登録する処理の流れについて、一例を示す図である。処理の流れを順に示す。
【0018】
データ転送処理が発生する(SP11)。データ制御部2は、データ転送先が外部記憶媒体であるかを確認する(SP12)。SP12において、データ転送先が内部記憶媒体である場合、データ制御部2は、内部記憶媒体へのデータ転送を開始する(SP14)。SP12において、データ転送先が外部記憶媒体である場合、データ制御部2は、転送データのメタデータをメタデータ記憶部6に登録する(SP13)。メタデータ登録後、データ制御部2は、外部記憶媒体へのデータ転送を開始する(SP14)。
【0019】
本実施例では、外部記憶媒体へのデータ転送時、データ転送を行う前にメタデータ記憶部6へメタデータを登録する方法について述べたが、データ転送後にメタデータを登録するようにしてもよい。また、データ記憶装置の記憶媒体の数を3つとした場合の構成を示したが、実施の形態に応じて任意の個数を接続してもよく、入力インタフェース7を通して、外部に接続された記憶媒体との階層制御を行う構成にしてもよい。なお、適用先は階層制御を行う装置に限定しない。外部記憶媒体にデータを記憶する機能を有する記憶装置全般への適用が可能である。また、データ検索の結果、該当データが見つからなかった場合には、ユーザに対して外部記憶媒体を接続するように指示を促してもよい。このようにすることで、メタデータにない情報で検索が行われた場合にも、外部記憶媒体へ直接アクセスすることが可能になるため、検索機能を向上させることができる。
【0020】
このように本実施例によれば、外部記憶媒体にデータを記憶する機能を有するデータ記憶装置において、外部記憶媒体へデータを記憶する場合、記憶するデータのメタデータをデータ記憶装置本体に登録しておくことができるようになる。これにより、外部記憶媒体にデータを記憶し、その外部記憶媒体がデータ記憶装置から取り外されてしまっている場合であっても、あたかもデータ記憶装置本体にデータがあるかのように、データの検索が可能になるため、使い勝手が向上する。また、外部記憶媒体に記憶するデータをメタデータ生成の対象とすることで、管理するメタデータ量を抑えることが可能になる。
【実施例2】
【0021】
実施例1では、図4において、内部記憶媒体のデータを外部記憶媒体へ転送(移動)する場合について示したが、このときに内部記憶媒体のデータを削除しなくても良い。本実施例では、内部記憶媒体のデータを外部記憶媒体へ転送(移動)する場合に、見かけ上は内部記憶媒体からデータを無くすが、実際にはデータを削除せずに保管しておき、データ検索結果の表示において利用する方法を示す。
【0022】
図5は、メタデータ記憶部6のメタデータ管理テーブルに、新たに「参照アドレス」というパラメータを設けた場合の一例を示したものである。外部記憶媒体へデータ転送する際、内部記憶媒体のデータを削除せずに残しておく場合、その記憶アドレスを「参照アドレス」として登録しておく。このようにすることで、ユーザの必要とするデータが外部記憶媒体にあり、且つ、外部記憶媒体がデータ記憶装置から取り外されてしまっている場合であっても、メタデータ記憶部6に登録した「参照アドレス」にアクセスすることで、内部記憶媒体から目的のデータを読み出すことが可能になる。
【0023】
図6は、データ検索の結果、検索データが外部記憶媒体にある場合に、外部記憶媒体にアクセスすることなく、該当データを内部記憶媒体から読み出す処理の流れについて、一例を示す図である。処理の流れを順に示す。
【0024】
ユーザによるデータ検索処理が発生する(SP21)。ここでの検索方法は如何なるものであってもよい。例えば、操作インタフェース1がキーボードであるとする。ユーザは、検索したいデータに関し、ファイル名や作成日時などのキーワードをキーボードから入力する。データ検索部5は、記憶媒体およびメタデータ記憶部6を対象に、ユーザの入力したキーワードに該当するデータの検索を行い、該当データの有無を確認する(SP22)。SP22において、該当データが無かった場合には、処理を終了する。SP22において、該当データがあった場合には、該当データの表示を行う(SP23)。表示方法は如何なるものであってもよい。例えば、データ出力インタフェース8を通して接続されたモニタに対して、結果一覧を表示する。これに対し、ユーザは、検索結果から実データにアクセスするか否かを決定する(SP24)。SP24において、データ検索のみで実データへのアクセスを必要としないならば、処理を終了する。SP24において、ユーザが実データへのアクセスを選択した場合、データ制御部2は、該当データが外部記憶媒体にあるかを確認する(SP25)。ここでは、SP21でのデータ検索の結果、該当データの情報がメタデータ記憶部6に登録されている場合、該当データは外部記憶媒体にあると判断する。もし、SP25において、該当データが内部記憶媒体にある場合には、そのまま該当データの読み出しを行う(SP27)。SP25において、該当データが外部記憶媒体にある場合、データ制御部2は、メタデータ記憶部6のメタデータ管理テーブルを参照し、該当データの参照アドレスへアクセスを行い(SP26)、該当データの読み出しを行う(SP27)。
【0025】
本実施例では、内部記憶媒体から外部記憶媒体へのデータ転送時、内部記憶媒体からデータを削除せずに残しておく方法について述べたが、データを残しておく領域は何処であってもよい。元々データが記憶されていた領域に残してもよいし、内部記憶媒体の別の領域に残しておいてもよい。
【0026】
このように本実施例によれば、外部記憶媒体にデータを記憶する機能を有するデータ記憶装置において、外部記憶媒体へデータを記憶する場合、記憶するデータをデータ記憶装置本体にも記憶しておくことで、記憶先の外部記憶媒体を接続することなくデータを読み出すことができるようになる。これにより、外部記憶媒体にデータを記憶し、その外部記憶媒体がデータ記憶装置から取り外されてしまっている場合であっても、あたかもデータ記憶装置本体にデータがあるかのように、データの読み出しが可能になるため、使い勝手が向上する。
【実施例3】
【0027】
実施例2では、内部記憶媒体のデータを外部記憶媒体へ転送(移動)する場合に、内部記憶媒体のデータを削除せずに残しておくことで、外部記憶媒体がデータ記憶装置から取り外されている場合であっても、該当データを内部記憶媒体から読み出すことを可能にする方法について示した。この方法を適用した場合、外部記憶媒体に転送したデータに関しては、削除せずに残したデータと、そのメタデータの両方がデータ記憶装置内に存在することになる。ここで、データ記憶装置内のデータ検索効率を向上させるためには、外部記憶媒体に転送したデータに関してはメタデータのみを検索対象とし、内部記憶媒体から削除せずに残したデータは検索対象から外すことが好ましい。これは、内部記憶媒体の容量が大きく、記憶している情報が多い場合など、内部記憶媒体の全領域を検索対象にしてしまうと多大な時間を要するためである。以下、検索効率を向上させるデータ検索方法について示す。
【0028】
図7は、本実施例におけるデータ検索の効率を向上させるデータ検索について、一例を示す図である。ここでは、内部記憶媒体に記憶している“Data−1”というデータを外部記憶媒体に転送した場合を示す。なお、外部記憶媒体へのデータ転送後、外部記憶媒体をデータ記憶装置から取り外し、データ記憶装置が外部記憶媒体上のデータを直接検索することができない状態であるとする。元々、内部記憶媒体には、“Data−1”、“Data−5”、“Data−7”の3つのデータを記憶していたとする。このうち、“Data−1”を外部記憶媒体に転送(移動)した場合、メタデータ記憶部には、“Data−1”のメタデータを登録する。本実施例では、外部記憶媒体に転送したデータについて、内部記憶媒体から削除せずに残しておくことを考える。従って、図5に示したように、メタデータ記憶部には、内部記憶媒体に残したデータへの参照アドレスを登録している。データ記憶装置内でデータ検索を行う場合には、メタデータ記憶部と、メタデータ記憶部に情報を登録していない“Data−5”、“Data−7”の2つの実データを検索対象とする。これにより、メタデータ記憶部内の検索と、実データの検索において、重複したデータ検索を行うことがなくなり、検索効率を向上させることができる。
図8は、本実施例におけるデータ検索の効率を向上させるデータ検索処理の流れについて、一例を示す図である。処理の流れを順に示す。
【0029】
ユーザによるデータ検索処理が発生する(SP31)。ここでの検索方法は如何なるものであってもよい。ここでは、操作インタフェース1をキーボードとし、ユーザが検索したいデータのファイル名や作成日時などのキーワードをキーボードから入力することを考える。まず、データ検索部5は、メタデータ記憶部6を対象に、ユーザの入力したキーワードに該当するデータの検索を行い(SP32)、該当データの有無を確認する(SP33)。SP33において、該当データが無かった場合には、内部記憶媒体の全領域を対象に、ユーザの入力したキーワードに該当するデータの検索を行い(SP34)、該当データの有無を確認する(SP35)。SP35において、該当データが無かった場合には、メタデータ記憶部6にも内部記憶媒体にも該当データが無いということになるので、処理を終了する。SP35において、該当データがあった場合には、該当データの表示を行う(SP36)。表示方法は如何なるものであってもよく、例えば、データ出力インタフェース8を通して接続されたモニタに対して、結果一覧を表示すればよい。一方、SP33において、該当データがあった場合には、内部記憶媒体の領域のうち、メタデータ記憶部6に登録された参照アドレス以外の領域を対象に、ユーザの入力したキーワードに該当するデータの検索を行う(SP37)。SP37において、該当データがあれば、SP32で得られた該当データと併せて表示を行う(SP36)。また、SP37において、該当データが無かった場合には、SP32で得られた該当データのみ表示を行う(SP36)。
【0030】
本実施例では、内部記憶媒体から外部記憶媒体へのデータ転送時、内部記憶媒体からデータを削除せずに残しておく方法について述べたが、データを残しておく領域は何処であってもよい。元々データが記憶されていた領域に残してもよいし、内部記憶媒体の別の領域に残しておいてもよい。
【0031】
このように本実施例によれば、外部記憶媒体にデータを記憶する機能を有するデータ記憶装置における検索処理において、外部記憶媒体に転送したデータに関してはメタデータ情報のみ検索対象とし、内部記憶媒体から削除せずに残したデータは検索対象から外すことができるようになる。これにより、メタデータ記憶部の情報と重複する内部記憶媒体のデータ検索を省略することが可能になるため、検索効率を向上させることができる。
【実施例4】
【0032】
実施例2、3では、内部記憶媒体のデータを外部記憶媒体へ転送(移動)する場合に、内部記憶媒体のデータを削除せずに残しておくことで、外部記憶媒体がデータ記憶装置から取り外されている場合であっても、該当データを内部記憶媒体から読み出すことを可能にする方法について示した。この方法を適用した場合、外部記憶媒体へ転送したデータを常に内部記憶媒体にも残しているため、内部記憶媒体の容量を圧迫してしまう。そこで、本実施例では、内部記憶媒体に残しておくデータの管理方法について示す。
【0033】
図9は、メタデータ記憶部6のメタデータ管理テーブルに、新たに「メタデータ登録日」というパラメータを設けた場合の一例を示したものである。このパラメータは、メタデータ記憶部6にメタデータを登録した日、つまり、外部記憶媒体へデータ転送を行った日を管理するものであり、メタデータ記憶部6にメタデータを追加する際に登録を行う。データ制御部2は、定期的にメタデータ登録日を確認し、登録から一定の期間が経過した場合、例えば、1年が経過した場合など、内部記憶媒体に残しているデータを自動的に削除する。図9では、“Data−1”、“Data−2”が削除対象データである場合を示している。削除するデータについては、メタデータ管理テーブルの参照アドレス情報も併せて削除する。このように内部記憶媒体に残しておくデータの管理を行うことで、内部記憶媒体容量の圧迫を防ぐことが可能になる。
【0034】
図10は、本実施例における内部記憶媒体のデータ管理の流れについて、一例を示す図である。処理の流れを順に示す。
【0035】
データ制御部2によるメタデータ登録日の確認が発生する(SP41)。データ制御部2は、メタデータ登録から一定の期間が経過したデータの有無を確認する(SP42)。SP42において、該当データが無かった場合には処理を終了する。SP42において、該当データがあった場合、データ制御部2は、メタデータ記憶部6のメタデータ管理テーブルに登録している該当データの参照アドレスを削除する(SP43)。その後、データ制御部2は、内部記憶媒体に残している該当データの削除を行う(SP44)。
【0036】
本実施例では、内部記憶媒体に残しておくデータの管理方法として、一定の期間が経過したものを自動的に削除する方法について述べたが、削除するデータの選択方法は異なる方法であっても良い。例えば、ユーザが頻繁にアクセスするデータは内部記憶媒体に残しておいたほうがいいため、ユーザアクセス頻度の低いものを優先的に削除する方法にしても良い。
【0037】
このように本実施例によれば、外部記憶媒体に転送したデータを内部記憶媒体に残しておくことで、外部記憶媒体が接続されていない場合にもデータアクセスすることを可能にしつつ、内部記憶媒体に残しているデータの管理も行うことで、内部記憶媒体容量の圧迫を防ぐことが可能になる。
【0038】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0039】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0040】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 操作インタフェース
2 データ制御部
3 記憶媒体選択部
4a〜4b 内部記憶媒体
4c 外部記憶媒体
5 データ検索部
6 メタデータ記憶部
7 データ入力インタフェース
8 データ出力インタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部記憶媒体を含む1つ以上の記憶媒体へのデータ転送が可能なデータ記憶装置において、
前記外部記憶媒体へデータを転送する際、前記データのメタデータを記憶するメタデータ記憶部と、
前記記憶媒体へのデータ転送、および、前記メタデータ記憶部へのメタデータ記憶を制御するデータ制御部と、
前記記憶媒体のデータを検索するデータ検索部と、
を備え、
前記データ検索部は、前記メタデータ記憶部に記憶したメタデータを対象としたデータ検索が可能なこと、
を特徴とするデータ記憶装置。
【請求項2】
請求項1に記載したデータ記憶装置であって、
前記外部記憶媒体へデータを転送する際、内部記憶媒体にデータを残すことで、前記内部記憶媒体からも前記外部記憶媒体と同じデータの読み出しを可能にすること、
を特徴とするデータ記憶装置。
【請求項3】
請求項2に記載したデータ記憶装置であって、
前記外部記憶媒体への転送データを前記内部記憶媒体に残す場合、データを残しておくアドレスを前記メタデータ記憶部に登録すること、
を特徴とするデータ記憶装置。
【請求項4】
請求項3に記載したデータ記憶装置であって、
前記データ検索部は、前記メタデータ記憶部に登録している前記アドレスに格納しているデータを検索対象としないこと、
を特徴とするデータ記憶装置。
【請求項5】
請求項1に記載したデータ記憶装置であって、
前記データ検索部は、前記メタデータ記憶部、前記記憶媒体の順に検索を行い、
前記メタデータ記憶部にメタデータが登録されているデータについては、前記記憶媒体上で重複して検索を行わないこと、
を特徴とするデータ記憶装置。
【請求項6】
請求項3に記載したデータ記憶装置であって、
前記内部記憶媒体に残したデータについて、一定期間経過したデータは前記内部記憶媒体から削除すること、
を特徴とするデータ記憶装置。
【請求項7】
請求項4に記載したデータ記憶装置であって、
前記内部記憶媒体に残したデータの削除を行う場合、前記メタデータ記憶部に記憶している削除データの記憶アドレスを削除すること、
を特徴とするデータ記憶装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載したデータ記憶装置であって、
データ記憶装置と前記外部記憶媒体が未接続のときに、前記メタデータ記憶部に記憶しているメタデータ以外の情報でデータ検索が行われた場合、検索者に対して前記外部記憶媒体を接続するように指示を促す機能を有すること、
を特徴とするデータ記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−258268(P2011−258268A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131598(P2010−131598)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】