説明

データ記録方法及び記録装置

【課題】 デジタルビデオカメラ等の画像記録装置を用いて撮像して得られた原データを記録データとしてフラッシュメモリ等の記録媒体に記録する場合に、記録媒体が対応している転送速度に応じた最適な品質の記録データを生成し、記録することが可能なデータ記録用法及び記録装置を提供する。
【解決手段】 原データから所定の生成条件で生成した記録用データを一時的に記録する緩衝用記録部13に記録している記録用データの量が所定量以上となった場合に(S302:YES)、原データから記録用データを生成する圧縮率、フレームレート等の生成条件を変更する(S303)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像データ等の原データから記録用データを生成し、生成した記録用データをバッファメモリに逐次書き込み、バッファメモリに書き込まれている記録用データを読み出してフラッシュメモリ等の記録媒体に記録するデータ記録方法、及び該データ記録方法を適用した記録装置に関し、特に撮影及び記録媒体への書き込みを並行して行い、様々な形式の記録媒体に対応することが可能なデジタルビデオカメラ等の撮影装置に適用されるデータ記録方法及び記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CCD(Charge Coupled Device) 等の撮像素子を用いた撮影により動画像データを生成し、生成した動画像データから記録用データを生成し、生成した記録用データをフラッシュメモリ等の記録媒体に記録するデジタルビデオカメラ等の記録装置が普及している。動画像データに基づいて生成される記録用データは、記録装置を使用する使用者の要求及び記録媒体の記録容量に応じて圧縮率、フレームレート等の生成条件が自動的に又は使用者の操作により決定された形式で生成される。またフラッシュメモリは様々な規格が乱立しているが、最近では複数の規格のフラッシュメモリに対応した記録装置も市販されている。なお画像に関するデータを記録する処理に関しては、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開2003−59196号公報
【特許文献2】特開2002−328881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら記録媒体に記録用データを記録する際の適正な転送速度は、記録媒体の規格、製造元、グレード等の種類毎に異なる場合があるため、記録媒体毎に、適正な転送速度で記録することが可能な圧縮率、更新頻度(フレームレート)等の生成条件を決定しなければならない。例えば圧縮率が低すぎる又は更新頻度が高すぎる場合、生成した記録用データのデータ量が大きくなり、記録媒体への記録用データの転送が間に合わず、生成した記録用データを一時的に記録する緩衝記録部(バッファメモリ)の記録容量を超えてしまうという問題が生じる。逆に圧縮率が高すぎる又は更新頻度が低すぎる場合、記録用データとして記録する動画像の品質を落とすことになる。ただし適正な転送速度で記録すべく生成条件を使用者に決定させることは使用者の負担増となるため、記録装置では記録用データの量が緩衝記録部の記録容量を超えることが無い様に動画像の品質を低めに設定し、また動画像の記録時間を制限する設定を行うことで様々な規格の記録媒体に対応させているが、その場合必ずしも適正な生成条件で記録用データを生成している訳ではない。
【0004】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、緩衝用記録部に書き込まれている記録用データの量が所定量以上となった場合に、記録用データの圧縮率、更新頻度等の生成条件を変更することにより、記録媒体毎に適した生成条件を自動的に決定することが可能なデータ記録方法及び記録装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るデータ記録方法は、原データから所定の生成条件で記録用データを生成し、生成した記録用データを緩衝記録部に逐次書き込み、緩衝記録部に書き込まれている記録用データを読み出して逐次記録媒体に記録するデータ記録方法において、前記緩衝記録部に書き込まれている記録用データの量を所定量と比較し、該比較により、前記緩衝記録部に書き込まれている記録用データの量が、所定量以上であると判定した場合に、記録用データの生成条件を変更することを特徴とする。
【0006】
本発明では、CCD等の撮像素子を用いた撮影により得られた動画像データ等の原データから記録用データを生成して緩衝記録部に書き込んでいく速度が、記録用データを緩衝記録部から読み出し記録媒体へ転送して緩衝記録部から消去する速度を上回ることで、緩衝記録部に書き込まれている記録用データのデータ量が所定量以上となった場合に、記録用データの圧縮率、フレームを更新する頻度等の生成条件を変更することにより、記録用データのデータ量が緩衝記録部の記録容量を超えることを防止することが可能である。しかも段階的に生成条件を変更することが可能となるので、記録用データの画質を必要以上に下げる必要が無く、また生成条件の変更は自動的に行われるので、使用者の操作負担を増加させること無く緩衝記録部の記録容量及び質を加味した最適な生成条件を決定することが可能である。
【0007】
本発明に係る記録装置は、原データから生成した記録用データを書き込む緩衝記録部と、該緩衝記録部に書き込まれている記録用データを読み出して記録媒体に記録する補助記録部とを備える記録装置において、原データから、所定の生成条件で記録用データを生成する生成手段と、生成した記録用データを前記緩衝記録部に逐次書き込む手段と、前記緩衝記録部に書き込まれている記録用データを逐次読み出して前記補助記録部へ転送する手段と、前記補助記録部により、記録用データをファイルとして記録媒体に記録する処理を行う記録処理手段と、前記緩衝記録部に書き込まれている記録用データの量を所定量と比較する手段と、該比較により、前記緩衝記録部に書き込まれている記録用データの量が、所定量以上であると判定した場合に、前記生成手段による生成条件を変更する変更手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明では、記録用データを生成して緩衝記録部に書き込む速度が、記録用データを緩衝記録部から読み出し記録媒体へ転送して緩衝記録部から消去する速度を上回ることで、緩衝記録部に書き込まれている記録用データのデータ量が所定量以上となった場合に、記録用データの生成条件を変更することにより、緩衝記録部に書き込まれる記録用データのデータ量が緩衝記録部の記録容量を超えることを防止することが可能である。しかも段階的に生成条件を変更することが可能となるので、記録用データの質を必要以上に下げる必要が無く、また生成条件の変更は自動的に行われるので、使用者の操作負担を増加させること無く緩衝記録部の記録容量及び質を加味した最適な記録方法を決定することが可能である。
【0009】
本発明に係る記録装置は、前記生成手段は、原データを所定の圧縮率で圧縮して記録用データを生成するようにしてあり、前記変更手段は、生成条件の変更として、圧縮率を高くするようにしてあることを特徴とする。
【0010】
本発明では、圧縮率を高くすることにより、所定時間の間に緩衝記録部に書き込まれる記録用データのデータ量が小さくなるので、生成した記録用データを緩衝記録部に書き込んでいく速度を低下させることとなり、緩衝記録部に書き込まれる記録用データのデータ量が緩衝記録部の記録容量を超えることを防止することが可能である。
【0011】
本発明に係る記録装置は、前記原データは、動画像データであり、前記生成手段は、動画像を形成するフレームを所定の頻度で更新する記録用データを、原データから生成するようにしてあり、前記変更手段は、生成条件の変更として、更新する頻度を低くするようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明では、フレームを更新する頻度を低くすることにより、所定時間の間に緩衝記録部に書き込まれる記録用データのデータ量が小さくなるので、生成した記録用データを緩衝記録部に書き込んでいく速度を低下させることとなり、緩衝記録部に書き込まれる記録用データのデータ量が緩衝記録部の記録容量を超えることを防止することが可能である。
【0013】
本発明に係る記録装置は、前記記録処理手段は、前記変更手段による変更前後の記録用データを、夫々異なる複数のファイルとして記録するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明では、記録用データの生成条件を変更した場合に、変更前後の記録用データを夫々異なるファイルとして記録媒体に記録することにより、生成条件が異なる記録用データを異なるファイルとして取り扱うことができるので、記録媒体に記録後のファイルの管理が容易になる。
【0015】
本発明に係る記録装置は、前記記録処理手段は、異なる複数のファイルとして記録媒体に記録される各記録用データの記録順序及び生成条件を示す記録条件情報を記録するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明では、記録条件情報を記録しておくことにより、異なる複数のファイルとして記録媒体に記録される記録用データの記録順序及び生成条件を示す記録条件情報を記録することにより、記録用データの記録時の履歴を把握することが可能となるので、記録媒体に記録後のファイルの整理が容易になる。
【0017】
本発明に係る記録装置は、前記補助記録部により、記録条件情報に示された記録順序に従って、記録媒体に記録されている各記録用データを読み取る手段と、読み取った記録用データを、記録条件情報に示された夫々の生成条件に応じて出力する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0018】
本発明では、例えば原データが動画像データの場合には、再生すべき動画像の順序及び再生時の条件を容易に判別することができるので、判別した条件に基づいて、記録用データの生成条件に則した撮像時の動画像を正確に再生することが可能である。
【0019】
本発明に係る記録装置は、前記複数のファイルとして記録媒体に記録された複数の記録用データの夫々の生成条件に基づいて、複数の記録用データを一の編集データに纏める編集条件を決定する手段と、前記補助記録部により、記録媒体に記録されている複数の記録用データを読み取る手段と、読み取った各記録用データから前記編集条件に基づいて、一の編集データを生成する手段と、前記補助記録部により、生成した編集データを、一のファイルとして記録媒体に記録する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0020】
本発明では、複数のファイルとして夫々記録された複数の記録用データを一のファイルに纏めることにより、例えば原データが動画像データの場合には、一のファイルとして記録されている記録用データを再生させる操作を行うだけで、記録時には、複数のファイルに分割されていた記録用データを一度の操作で連続して再生させることが可能となり、しかも複数のファイルを取り扱う必要がないので、ファイルの管理が容易になる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のデータ記録方法及び記録装置は、例えばCCD等の撮像素子を用いた撮影により得られた動画像データ等の原データから記録用データを生成し、生成した記録用データを緩衝記録部に逐次書き込み、緩衝記録部に書き込まれている記録用データを読み出して、補助記録部によりフラッシュメモリ等の記録媒体に記録するデジタルビデオカメラ等の記録装置において、緩衝記録部に書き込まれているデータの量が、所定量以上となった場合に、記録用データを生成する圧縮率、フレームレート等の生成条件を変更する。
【0022】
この構成により、原データから記録用データを生成して緩衝記録部に書き込んでいく速度が、記録用データを緩衝記録部から読み出して記録媒体へ転送することにより緩衝記録部から消去する速度を上回ることで、緩衝記録部に書き込まれている記録用データのデータ量が所定量以上となった場合に、生成条件が変更されるので、記録用データのデータ量が緩衝記録部の記録容量を超えることを防止することが可能である。しかも段階的に生成条件を変更することが可能となるので、記録用データに基づく動画像の画質を必要以上に下げる必要が無く、また生成条件の変更は自動的に行われるので、使用者の操作負担を増加させることがない。従って緩衝記録部から補助記録部へ所定時間の間に転送する記録用データのデータ量、即ち記録用データの転送速度を適正な値とし、また高画質な動画像を再現する記録用データとして記録媒体に記録することが可能である等、優れた効果を奏する。そして撮影毎に生成条件を決定することも可能となるので、様々な規格の記録媒体に記録用データを記録することが可能な記録装置に適用した場合でも、記録媒体に適した生成条件を容易に決定することが可能である等、優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0024】
図1は本発明の記録装置の構成を示すブロック図である。図1中1は、デジタルビデオカメラ等の本発明の記録装置であり、記録装置1は、装置全体を制御する演算処理部10を備え、演算処理部10は、後述する様々な処理を実現するためのコンピュータプログラム及びデータを記録するROM10aと、ROM10aに記録されたコンピュータプログラムの実行時に一時的に発生するデータを記録するRAM10bとに接続している。
【0025】
さらに記録装置1は、外部から入射される光を捉える一又は複数のレンズを用いた対物レンズ11と、対物レンズ11が捉えた光を光電変換により変換した電荷に基づきアナログ画像データを生成するCCD(Charge Coupled Device) 等の撮像素子12とを備えている。撮像素子11にて生成されたアナログ画像データは、所定の周期で演算処理部10へ送られ、演算処理部10では、受け付けたアナログ画像データをデジタル画像データに変換するA/D変換処理を行い、変換により得られたデジタル画像データを1フレーム分のビットマップ形式の画像データに変換し、更に複数フレーム分の画像データから所定の生成条件で記録用データを生成する。このように演算処理部10では、所定の周期で得られた複数フレーム分の画像データに基づく動画像データを原データとして記録用データを生成する。
【0026】
さらに記録装置1は、演算処理部10にて生成された記録用データを一時的に記録する緩衝記録部(バッファメモリ)13と、フラッシュメモリ等の記録媒体2にアクセスして緩衝記録部13から転送される記録用データを記録する補助記録部14と、液晶モニタ等の表示部15と、各種押釦等の操作部16とを備えている。補助記録部14は、SDメモリカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、メモリースティック(登録商標)等の様々な規格の記録媒体2にアクセスすることが可能なマルチメディアドライブである。なお同じ規格の記録媒体2であっても製造元、グレード等の違いにより様々な種類が存在する。表示部15は、例えばビットマップ形式の画像データから演算処理部10の処理により変換されたビデオ信号を所定の周期で受け付け、受け付けたビデオ信号を所定の周期で更新される画像として表示する。操作部16は、記録装置1を使用する使用者の操作を受け付け、受け付けた操作は、操作信号として演算処理部10へ送られ、演算処理部10では、操作信号に基づき各種処理を行う。
【0027】
次に本発明の記録装置1の各種処理をフローチャートを用いて説明する。
【0028】
図2は本発明の記録装置1の記録用データ生成記録処理を示すフローチャートである。記録装置1は、演算処理部10の制御により、動画像データである原データから、所定の生成条件として予め設定されている所定の圧縮率及び所定のフレームレートで記録用データを生成し(S101)、生成した記録用データを緩衝記録部13に逐次書き込む(S102)。圧縮率とは、原データを不可逆圧縮して記録用データを生成する場合における記録用データのデータ量と原データのデータ量との比の値を示し、圧縮率が低い程、記録用データに基づき再生される動画像の画質は向上するが、記録用データのデータ量が大きくなる。フレームレートとは、fps(frame per second)等の単位で示される様に、動画像を形成するフレームを更新する頻度であり、フレームレートが高い程、記録用データに基づき再生される動画像は滑らかに動く様になるが、記録用データのデータ量が大きくなる。
【0029】
図3は本発明の記録装置1の記録用データ転送記録処理を示すフローチャートである。記録装置1は、演算処理部10の制御により、緩衝記録部13に書き込まれている記録用データを記録時期が古いものから順に逐次読み出し(S201)、読み出した記録用データを補助記録部14へ逐次転送し(S202)、補助記録部14にて受け付けた記録用データをファイルとして記録媒体2に記録する(S203)。なお緩衝記録部13から読み出されて補助記録部14へ転送された記録用データは、緩衝記録部13から消去される。また緩衝記録部13から補助記録部14へ逐次転送される記録用データは、同様の生成条件で生成されている場合、一のファイルとして記録される。
【0030】
図4は本発明の記録装置1の生成条件変更処理を示すフローチャートである。記録装置1は、演算処理部10の制御により、緩衝記録部13に書き込まれている記録用データのデータ量と、記録容量の80%以上等の所定量とを比較する(S301)。記録装置1は、ステップS301の比較を行った結果、緩衝記録部13に書き込まれている記録用データのデータ量が、所定量以上であると判定した場合(S302:YES)、原データから記録用データを生成する生成条件を変更し(S303)、所定時間待機後、ステップS301へ戻り、以降の処理を繰り返す。ステップS301の比較を行った結果、緩衝記録部13に書き込まれている記録用データのデータ量が、所定量未満であると判定した場合(S302:NO)、ステップ301に戻り、同様の処理を繰り返す。ステップS302において、データ量が所定量を超える状況とは、原データから記録用データを生成して緩衝記録部13に書き込む記録用データ生成記録処理の速度が、記録用データを緩衝記録部13から読み出して補助記録部14へ転送し緩衝記録部13から消去する記録用データ転送記録処理の速度を上回る場合に発生する状況であり、所定時間の間に生成される記録用データのデータ量を小さくすべく生成条件を変更する必要がある。ステップS303における生成条件の変更とは、圧縮率を高くする変更及び/又はフレームレートを低くする変更である。例えば圧縮率は複数段階の階級を設定しておき、一度の生成条件の変更で、一段階圧縮率を上げるという形態がある。また生成条件を変更する都度、予め設定されている割合で圧縮率を上げる様にしても良い。同様にフレームレートについても複数段階の階級を設定しておき、一度の生成条件の変更で、一段階フレームレートを低くするという形態がある。また圧縮率の変更とフレームレートの変更との優先順位については適宜設定することが可能である。なおステップS302にて生成条件を変更した後の待機時間は、生成条件を変更した効果を検出することができる程度の時間を確保する必要がある。
【0031】
上述した生成条件変更処理におけるステップS301〜S303の処理を繰り返すことにより、生成条件が段階的に変更され、最終的に記録用データ生成記録処理の速度と、記録用データ転送記録処理の速度とが釣り合う生成条件により記録用データの生成が行われる様になる。この条件が当該記録媒体2に対して最適な生成条件であり、記録用データ転送記録処理が完了した後、最適な生成条件を、記録媒体2の種別を示す情報に対応付けて記録しておくことにより、今後同様の記録媒体2を用いる場合、記録している生成条件から始めることで、安定した生成条件で記録用データを生成することが可能となる。
【0032】
図2を用いて説明した記録用データ生成記録処理、図3を用いて説明した記録用データ転送記録処理及び図4を用いて説明した生成条件変更処理は、夫々並行して実行されるが、互いに密接に関係している。例えば生成条件変更処理により、記録用データの生成記録処理における生成条件が変更される。また生成条件が変更された場合、変更前後の記録用データは、夫々異なる複数のファイルとして記録媒体2に記録され、またファイルと共に記録用データの記録順序及び生成条件を示す記録条件情報が生成され、記録媒体2に記録される。そして生成条件が変更されて記録用データに基づくファイルの数が増える都度、記録媒体2に記録された記録条件情報は更新される。
【0033】
図5は本発明の記録装置1の動画再生処理を示すフローチャートである。動画再生処理とは、記録装置1を操作する使用者が記録媒体2に複数のファイルとして記録されている複数の記録用データに基づく動画の再生を所望し、所定の操作を行った場合に行われる処理である。記録装置1は、演算処理部10の制御により、記録媒体2に記録されている記録条件情報に示された記録順序及び生成条件を読み取り(S401)、読み取った記録順序に従って記録媒体2にファイルとして記録されている各記録用データを読み取り(S402)、読み取った記録用データを、記録条件情報に示されている夫々の生成条件に応じて出力する(S403)。ステップS403の出力とは、例えば記録用データに基づきビデオ信号を生成し、生成したビデオ信号に基づく動画を表示部15に表示することを示す。
【0034】
図6は本発明の記録装置1の編集処理を示すフローチャートである。編集処理とは、使用者が記録媒体2に複数のファイルとして記録されている複数の記録用データを一の記録データに編集することを所望し、所定の操作を行った場合に行われる処理である。記録装置1は、演算処理部10の制御により、複数のファイルとして記録媒体2に記録された複数の記録用データの記録順序及び生成条件を示す記録条件情報を記録媒体2から読み取り(S501)、記録条件情報に示されている夫々の記録用データの夫々の生成条件に基づいて、複数の記録用データを一の編集データに纏める編集条件を決定する(S502)。例えば複数の記録用データの圧縮率が異なる場合、圧縮率が最も高い記録用データの圧縮率に編集条件が決定され、また複数の記録用データのフレームレートが異なる場合、フレームレートが最も低い記録用データのフレームレートに編集条件が決定される。
【0035】
さらに記録装置1は、演算処理部10の制御により、記録媒体2から複数の記録用データを読み取り(S503)、読み取った記録用データから、決定した編集条件及び記録条件情報に示されている記録順序に基づいて、一の編集データを生成し(S504)、補助記録部14により、生成した編集データをファイルとして記録媒体2に記録する(S505)。このようにして生成し記録された編集データは、記録装置1において、編集条件に応じて出力される。即ち編集データに基づきビデオ信号が生成され、生成されたビデオ信号に基づく動画が表示部15に表示される。なお記録媒体2からファイルを読み取ることが可能な他の装置にて動画再生処理を行う様にしても良い。
【0036】
前記実施の形態では、動画像データを原データとする形態を示したが、本発明はこれに限らず、音声データ等の様々なデータを原データとする形態に適用することが可能である。
【0037】
また前記実施の形態では、緩衝記録部と補助記録部とが同一の装置に内蔵されている形態を示したが、本発明はこれに限らず、例えばパーソナルコンピュータに緩衝記録部を備えさせ、パーソナルコンピュータに接続されるDVDレコーダ、ハードディスクレコーダ等の周辺機器に補助記録部を備えさせ、パーソナルコンピュータにて生成される記録データを、周辺機器に挿入された記録媒体に記録させる形態等、様々な形態に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の記録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の記録装置の記録用データ生成記録処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の記録装置の記録用データ転送記録処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の記録装置の生成条件変更処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の記録装置の動画再生処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の記録装置の編集処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
1 記録装置
10 演算処理部
10a ROM
10b RAM
11 対物レンズ
12 撮像素子
13 緩衝記録部
14 補助記録部
15 表示部
16 操作部
2 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原データから所定の生成条件で記録用データを生成し、生成した記録用データを緩衝記録部に逐次書き込み、緩衝記録部に書き込まれている記録用データを読み出して逐次記録媒体に記録するデータ記録方法において、
前記緩衝記録部に書き込まれている記録用データの量を所定量と比較し、
該比較により、前記緩衝記録部に書き込まれている記録用データの量が、所定量以上であると判定した場合に、記録用データの生成条件を変更する
ことを特徴とするデータ記録方法。
【請求項2】
原データから生成した記録用データを書き込む緩衝記録部と、該緩衝記録部に書き込まれている記録用データを読み出して記録媒体に記録する補助記録部とを備える記録装置において、
原データから、所定の生成条件で記録用データを生成する生成手段と、
生成した記録用データを前記緩衝記録部に逐次書き込む手段と、
前記緩衝記録部に書き込まれている記録用データを逐次読み出して前記補助記録部へ転送する手段と、
前記補助記録部により、記録用データをファイルとして記録媒体に記録する処理を行う記録処理手段と、
前記緩衝記録部に書き込まれている記録用データの量を所定量と比較する手段と、
該比較により、前記緩衝記録部に書き込まれている記録用データの量が、所定量以上であると判定した場合に、前記生成手段による生成条件を変更する変更手段と
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項3】
前記生成手段は、原データを所定の圧縮率で圧縮して記録用データを生成するようにしてあり、
前記変更手段は、生成条件の変更として、圧縮率を高くするようにしてある
ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記原データは、動画像データであり、
前記生成手段は、動画像を形成するフレームを所定の頻度で更新する記録用データを、原データから生成するようにしてあり、
前記変更手段は、生成条件の変更として、更新する頻度を低くするようにしてある
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記記録処理手段は、前記変更手段による変更前後の記録用データを、夫々異なる複数のファイルとして記録するようにしてあることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の記録装置。
【請求項6】
前記記録処理手段は、異なる複数のファイルとして記録媒体に記録される各記録用データの記録順序及び生成条件を示す記録条件情報を記録するようにしてあることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記補助記録部により、記録条件情報に示された記録順序に従って、記録媒体に記録されている各記録用データを読み取る手段と、
読み取った記録用データを、記録条件情報に示された夫々の生成条件に応じて出力する手段と
を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
【請求項8】
前記複数のファイルとして記録媒体に記録された複数の記録用データの夫々の生成条件に基づいて、複数の記録用データを一の編集データに纏める編集条件を決定する手段と、
前記補助記録部により、記録媒体に記録されている複数の記録用データを読み取る手段と、
読み取った各記録用データから前記編集条件に基づいて、一の編集データを生成する手段と、
前記補助記録部により、生成した編集データを、一のファイルとして記録媒体に記録する手段と
を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−33286(P2006−33286A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207665(P2004−207665)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】