説明

データ転送方法、データ処理システム、および制御端末

【課題】画像処理システム1において、効率的な接続インタフェースにする。
【解決手段】アプリケーションサーバ2aと画像出力端末7との間に、画像出力端末7の基本機能を利用した付加機能を実現する際の制御機能をなす外部制御装置5を設ける。外部制御装置5と画像出力端末7および画像出力端末7との間を、ネットワークインタフェースを介して接続する。外部制御装置5は、各ネットワークインタフェースを介しアプリケーションサーバ2aと画像出力端末7との間でデータ転送を行なう際の中継機能を果たすようにする。アプリケーションサーバ2aと画像出力端末7との間の接続インタフェースを1系統にでき、全体の接続インタフェースを簡易にできる。専用インタフェースを使わないので、ハードウェア構成やソフトウェア制御機能に汎用性を持たせることができ、ソフトウェアやハードウェアの開発や更新などの生産性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置やサーバなどの端末機器が接続されてなるデータ処理システムと、このシステムにおいて用いられるデータ転送方法や制御装置(端末)に関する。特に、接続インタフェースの効率向上に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、スキャナ、コピーなどの機能を有する画像処理装置が一般ユーザや企業ユーザなどにおいて広く使用されている。また、近年では、これら装置が持つ各々の単独機能またはそれらの複合機能に加えて、インターネットやイントラネットなどのネットワーク上のサーバと連携して、サーバのホームページやアプリケーションの画面を表示させて、スキャンデータの送信、データベース上のドキュメントの検索や印刷などのネットワーク連携処理サービスを行なうなどの付加機能を搭載する仕組みも提案されている。
【0003】
ネットワーク接続機能を持つことで、ネットワーク上の端末装置(パーソナルコンピュータなど)やサーバと呼ばれるホストコンピュータ上のソフトウェアとの間で、より柔軟な連携が可能になる。また、新たな付加機能の追加や、複数台の画像処理装置、ホストコンピュータからなる情報処理システムの構築も可能となる。
【0004】
一方、こうした画像処理装置の使われ方は、ユーザによって多種多様である。したがって、画像処理装置には、プリント機能、スキャン機能、コピー機能などの基本的な機能のほかに、多様なユーザのニーズに応じて、数多くの拡張機能を用意する必要がある。これらの拡張機能の例としては、ユーザ認証、スキャンデータの確認や情報付加、印刷情報の検索などの機能が挙げられる。
【0005】
このような多様な機能を、使い勝手よく実装するためには、ネットワーク連携機能のパフォーマンスと多機能周辺装置の機能を向上させるべく通信効率を向上させることが望まれる。加えて、ユーザインタフェースはより柔軟にカスタマイズできることが求められる。また、ユーザの使用形態ごとにこれらの機能を実装し、状況に応じて改善していく必要もあり、これらの機能を実現するためのプログラムは、容易に開発、実装できることが望ましい。
【0006】
こうした種々の要求を満たすため、たとえば、画像処理装置に隣接してパーソナルコンピュータ(以下PCともいう)などの外部コントローラを設置し、画像処理装置と外部コントローラとの間をPCI(Peripheral Component Interconnect )などのバスや専用インタフェースで接続し、表示画像や表示コマンドなどを外部コントローラを介して画像表示装置に転送して制御することで、外部コントローラの表示制御機能や画像処理装置本体が持つ機能を利用した各種付加機能を実現する仕組みが考えられている(たとえば特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平11−8635号公報
【0008】
たとえば、特許文献1に記載の仕組みでは、通信インタフェースおよび文書を供給しスキャンするハード出力機能を持つ画像処理装置の一例である多機能周辺装置と、通信インタフェースおよびコンピュータネットワークと通信するためのネットワークアダプタを有する外部コントローラの一例であるホスト装置とを、専用インタフェースの一例である通信チャネルを介して双方の通信インタフェース同士を接続するとともに、ホスト装置のネットワークアダプタを介して外部のコンピュータネットワークと接続する。そして、ホスト装置において転送データに応じたコンテンツとヘッダを用意し、これらを合成してデータパケットを作成しこれを通信チャネルを介して多機能周辺装置へ送信する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、画像処理装置の近くに外部コントローラを設置し、この外部コントローラ側で表示制御やネットワーク連携処理サービスを利用した各種付加機能を実現するための制御を行なう場合は、データ転送処理の構成が効率的でない。
【0010】
たとえば、外部コントローラと画像処理装置がそれぞれ別のネットワークインタフェースを持つか、装置間接続のための特殊なインタフェース(専用インタフェース)で、画像処理装置と外部コントローラとを接続する必要があるので、ハードウェアとソフトウェア制御機能がそれぞれ必要となる。
【0011】
しかしながら、前者の場合には画像処理装置とサーバと接続インタフェースが2系統となり冗長であるし、後者の場合には、ハードウェア構成やソフトウェア制御機能の汎用性に乏しく、外部コントローラの追加設置やソフトウェアやハードウェアの更新に、より多くの保守工数が必要となるなどの問題がある。
【0012】
また、画像処理装置の基本機能を実現するための表示内容を外部コントローラで表示させる場合は、基本機能実行の操作のため、画像処理装置が持つ内部コントローラは、画像処理装置内部の情報を外部コントローラに送るとともに、外部コントローラからの動作指示を解析する必要がある。このため、内部コントローラと外部コントローラとの間を連携するソフトウェアが必要になり、内部コントローラと外部コントローラのそれぞれに、専用の制御プログラムを開発する必要がある。加えて、機種の変更やソフトウェアのバージョンアップの際に、各々のコントローラのソフトウェアを一緒に更新しなくてはならず、相当の開発工数、保守工数が必要となる。
【0013】
また、内部コントローラ側で表示の制御を行なう場合は、外部コントローラの状態や、外部コントローラで実行しているアプリケーションの表示情報などを、外部コントローラから内部コントローラに送り、そこで表示画像を構築して表示させる必要がある。そのため、内部コントローラは、外部コントローラ用の表示を行なうソフトウェアを実装するとともに、当該ソフトウェアを、外部コントローラで実行するアプリケーションに合わせてカスタマイズする必要がある。したがって、内部コントローラのソフトウェア規模か大きくなり、ソフトウェア開発に多くの工数が必要になる。さらに、外部コントローラに実装するアプリケーションの種類に対応したソフトウェアの更新に、より多くの保守工数が必要となる。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、内部と外部のコントローラ間のデータ転送や連携をより効率的に行なうことのできる仕組みを提供することを目的とする。
【0015】
たとえば、画像処理装置とサーバとの間の接続インタフェースを改善することで、ハードウェアやソフトウェアの開発、更新、保守などにかかる工数を低減することを目的とする。
【0016】
また、ユーザの要求に応じて、外部コントローラ自体や外部コントローラに各種の拡張機能を付加する際にも、ハードウェアやソフトウェアの開発、更新、保守などにかかる工数を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係るデータ転送方法は、所定のデータ処理を行なう第1の端末と、第1の端末に処理用のデータを送信するあるいは第1の端末が備える基本機能に関わる第1のデータ処理や基本機能を利用した付加機能に関わる第2のデータ処理の実行を要求する第2の端末とが接続されてなるデータ処理システムにおけるデータの転送方法であって、先ず、第1の端末と第2の端末との間に付加機能に関わる第2のデータ処理を制御する制御部を有している制御端末を配することとする。また、第1の端末と制御端末との間、および第2の端末と制御端末との間の何れをもネットワークインタフェースを介して接続する。
【0018】
そして、2つのネットワークインタフェースを介して、第1の端末が備える基本機能に関わる第1のデータ処理に関するデータを第1の端末と第2の端末データとの間でデータ転送を行なうとともに、付加機能に関わる第2のデータ処理では第1の端末を制御し、第2の端末データとの間で処理されたデータを転送するようにする。
【0019】
また、本発明に係るデータ処理システムは、前記本発明に係るデータ転送方法を適用したシステムであって、第1の端末と第2の端末との間に、付加機能に関わる第2のデータ処理を制御する制御部を有している制御端末を設ける。
【0020】
制御端末は、第1の端末との間、および第2の端末との間の何れもが、ネットワークインタフェースを介して接続されており、2つのネットワークインタフェースを介して、第1の端末が備える基本機能に関わる第1のデータ処理に必要なデータを第1の端末と第2の端末データとの間でデータ転送を行なう際に中継機能を果たすとともに、付加機能に関わる第2のデータ処理では第1の端末を制御し、第2の端末からの要求に応答するようにする。
【0021】
また、本発明に係る制御端末は、前記本発明に係るデータ処理システムに用いて好適な制御端末であって、付加機能に関わる第2のデータ処理を制御する制御部と、第1の端末との間をネットワーク接続可能な第1のネットワークインタフェースと、第2の端末との間をネットワーク接続可能な第2のネットワークインタフェースとを備えるものとした。
【0022】
また従属項に記載された発明は、本発明に係るデータ転送方法、データ処理システム、あるいは制御端末のさらなる有利な具体例を規定する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、第1の端末と第2の端末との間に、それぞれの間をネットワークインタフェースを介して接続する制御端末を配し、制御端末が、第1の端末と第2の端末データとの間でのデータ転送に際し、中継機能を果たすようにした。
【0024】
これにより、基本機能に関わる第1のデータ処理を第1の端末に実行させるのか、付加機能に関わる第2のデータ処理を制御端末に実行させるのかに関わらず、第1の端末と第2の端末との間の接続インタフェースを1系統にすることができ、全体の接続インタフェースを簡易にできる。また、専用インタフェースを使わないので、ハードウェア構成やソフトウェア制御機能に汎用性を持たせることができ、ソフトウェアやハードウェアの開発や更新などの生産性を向上させることができる。
【0025】
加えて、制御端末を設置しない場合は、第1の端末と第2の端末とをネットワークインタフェースを介して接続すればよく、ハードウェア構成に柔軟性を持たせることができる。
【0026】
加えて、第1の端末に制御端末を追加設置する場合も、第1の端末に新たなソフトウエアを追加することなく拡張が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0028】
<画像処理システムの構成>
図1は、本発明に係る制御端末と、この制御端末により制御される画像形成装置とを備えたデータ処理システムの一例である画像処理システムを示す概略図である。この画像処理システム1は、処理要求装置の一例であるアプリケーションサーバ2aを備えたデータセンタ2や一般ユーザが使用するパソコン(パーソナルコンピュータ)2bなどの第2の端末としてのクライアント端末と、画像入力端末3と、制御端末の一例である外部制御装置5と、第1の端末としてのデータ処理装置の一例である画像出力端末7とを備えている。これらは、インターネットなどのネットワークとの間での接続機能を持つ外部制御装置5と、プリンタ、スキャナ、コピーなどの機能を有する画像出力端末7と、画像出力端末7にデータ処理を要求するアプリケーションサーバ2aとをネットワーク接続してなる構成となっている。
【0029】
なお、アプリケーションサーバ2aは、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置あるいは光ディスク装置などの記憶媒体を備えたデータ格納装置2zを有し、画像出力端末7に画像情報や文書ファイルなどのデジタルドキュメント(以下単にドキュメントという)DOCを提供する画像入力端末3としても機能し得る。パソコン2bに付いても同様であり、図示を割愛するが、記憶媒体を備えたデータ格納装置を有し、画像出力端末7にドキュメントDOCを提供する画像入力端末3としても機能し得る。
【0030】
外部制御装置5は、画像出力端末7内に設けられる第1の制御装置(内部コントローラ)と連携して機能する第2の制御装置(外部コントローラ)として機能するものである。なお、図示を割愛しているが、この外部制御装置5には、制御装置を操作するためのユーザインタフェース部や、装置使用のためのガイダンス情報や所定の情報処理結果や管理情報などを表示する表示部が設けられる。また、必要に応じて画像入力端末3が接続ケーブル90で接続される。なお、画像入力端末3は、画像出力端末に接続されてもよい。
【0031】
画像入力端末3には、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置あるいは光ディスク装置などの記憶媒体を備えたデータ格納装置3aが用意される。また、ドキュメントDOCを作成し、また編集などの処理をする、たとえばパソコン3b、カラースキャナ3c、デジタルカメラ3d、さらにはFAX通信装置3eなど、任意数の画像入力ソースを含み得る。
【0032】
画像入力端末3のそれぞれには、ドキュメントDOC作成用のアプリケーションプログラムなどが組み込まれる。たとえば、画像入力端末3側にて用意されるドキュメントDOCを表す電子データは、画像出力端末7で処理可能な画像フォーマット(たとえば、JPEG、BMP、PNGなど)で記述される。またたとえば、パソコン3bで作成された文書ファイルは、たとえばプリンタなどで印刷出力するために、図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述言語(PDL:Page Description Language )で記載されたデータとして画像出力端末7に送られる。
【0033】
このPDLデータを受け取った画像出力端末7は、印字前に出力単位ごと(1ページごと)に画像データをレンダリング(描画展開)してから画像出力部(プリンタエンジン部)にラスタデータを出力する。
【0034】
画像出力端末7は、画像処理や画像形成の機能を備えた画像処理装置の一例であって、たとえば複写機能、ページプリンタ機能、およびファクシミリ送受信機能を備えたいわゆる複合機(マルチファンクション機)で、デジタルプリント装置として構成されている。
【0035】
画像出力端末7は、大まかに、原稿を読み取る画像読取部10と、画像出力端末7内に設けられる第1の制御装置として、入力された画像データに対して所望の画像処理を施す画像処理機能と端末全体の動作を制御する制御機能とを備えた内部コントローラ部20と、接続制御部24とを備える。また、画像出力端末7は、画像出力端末7の内部機能を制御する内部コントローラ部20からの画像データに基づいて所定の記録媒体に可視画像を形成して出力する画像出力部30、および内蔵の給紙トレイ82あるいは手差しトレイ83の内の何れかから記録媒体としての印刷用紙を画像出力部30に搬送する給紙部80を備える。
【0036】
画像読取装置10は、プラテンカバーの機能も備え、原稿を図示しない読取台(プラテンガラス)上の読取位置まで搬送し排紙する循環機能のないドキュメントフィーダ(ADF(自動原稿搬送)装置)12と、装置使用のためのガイダンス情報や所定の情報処理結果や管理情報などを表示するとともにタッチパネル式のキー操作部も兼ねた操作パネル部15aや、オペレータからの装置に対する種々の指示入力を受け付けるための操作キー部15bや、本体内蔵もしくは外部設置の圧電体やスピーカなどで構成された音声通知部15cを有するユーザインタフェース部15とを有している。
【0037】
なお、操作パネル部15aや操作キー部15bや音声通知部15cに代えて、あるいはこれらとともに使用されるメンテナンス画面やその他の情報を表示するCRTや液晶などの表示部16a、マウスやキーボードなどの入力部16b、および本体内蔵もしくは外部設置の圧電体やスピーカなどで構成された音声通知部16cを備えたユーザインタフェース装置16を設けてもよい。
【0038】
操作パネル部15aの表示部や表示部16aあるいは音声通知部15c,16cは、所定の情報をユーザに画像や文字情報あるいは音声情報で提示する情報提示手段の一例である。
【0039】
内部コントローラ部20は、画像読取部10と画像出力部30との境界部分に配された処理基板38上に設けられている。なお、各給紙トレイ82は、通常の使用に際して(たとえば、メンテナンス時を除いて)、装置本体に対して着脱不可能な構成のものであってもよいし、着脱可能なものであってもよい。
【0040】
処理基板38には、画像出力部30用の処理部(特に画像処理部や制御部)だけでなく、内部コントローラ部20の画像処理機能部や画像出力端末7全体の種々の処理をするための回路が搭載される。たとえば、画像出力端末7内に構築された資源であるドキュメントフィーダ12、操作パネル部15a、画像読取部10の図示しない画像読取ユニット(スキャナ部)、画像形成ユニット32、両面複写ユニット34、排紙ユニット36、あるいは給紙トレイ82などを制御する回路が搭載される。この処理基板38には、半導体製の記憶媒体が搭載され、たとえば、複写アプリケーション、プリンタアプリケーション、ファクシミリ(FAX)アプリケーション、あるいは他のアプリケーション用の処理プログラムが格納される。
【0041】
内部コントローラ部20は、画像出力端末7単体で実現される基本機能、たとえば、プリント機能、スキャン機能、コピー機能などに基づく画像処理を制御するとともに、この画像処理に関する表示データを生成する。
【0042】
内部コントローラ部20で生成された表示データは、基本機能に基づく画像処理を行なう際に、表示部であるユーザインタフェース部15の操作パネル部15a(あるいはユーザインタフェース装置16の表示部)に表示される。
【0043】
接続制御部24は、所定の切替要求信号に応じて、ユーザインタフェース部15(あるいはユーザインタフェース装置16)と内部コントローラ部20とを接続した第1の接続形態と、ユーザインタフェース部15(あるいはユーザインタフェース装置16)と外部制御装置5とを接続した第2の接続形態とを切替制御する。
【0044】
また、本実施形態の内部コントローラ部20は、外部制御装置5を介して、ネットワークまたは入力デバイスからの指示により画像出力端末7の基本機能を制御、動作させる。加えて、外部制御装置5と連動して、ネットワークまたは入力デバイスからの指示により、インターネットやイントラネットなどのネットワーク上のアプリケーションサーバ2aと連携して、アプリケーションサーバ2aのホームページやアプリケーションの画面を表示させて、スキャンデータの送信、データベース上のドキュメントの検索や印刷などのネットワーク連携処理サービスを行なうなどの付加機能を実現する。
【0045】
ちなみに、画像出力端末7が備える基本機能としては、プリント機能のみまたはスキャン機能のみを有するものであってもよいし、ファクシミリ機能を有するものであってもよい。また、画像出力端末7の内部では、コストダウンや省スペース化を目的として、内部コントローラ部20と接続制御部24を共通の回路基板に実装してもよい。
【0046】
ユーザインタフェース装置16は、画像出力端末7に対して直接に接続するのではなく、外部制御装置5側に接続してもよい。この場合、ユーザインタフェース装置16は、外部制御装置5用の表示部16aや入力部16bとして機能するのみならず、画像出力端末7の使用のためのガイダンス情報や所定の情報処理結果や管理情報などを表示する表示部や、画像出力端末7を操作するための入力部としても機能する。また、この場合、接続制御部24を、外部制御装置5側に設ける、あるいは単独で設けるようにするのがよい(後述する図3や図5を参照)。
【0047】
すなわち、表示部との接続相手を第1の制御手段としての内部コントローラ部20と第2の制御手段としての外部制御装置5との間で切り替える切替手段を備える切替制御装置は、画像出力端末7に組み込んだ構成とすることもできるし、切替制御装置を画像出力端末7と別体の構成とすることもできる。
【0048】
画像読取部10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表す赤、緑、青のアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、内部コントローラ部20の画像処理機能部へ送る。
【0049】
たとえば、画像読取装置10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表すアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、内部コントローラ部20の画像処理機能部へ送る。
【0050】
このようにして、読取りが完了すると、内部コントローラ部20の画像処理機能部は、画像読取部10からの赤、緑、青の画像データR,G,Bに基づいて、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のオンオフ2値化トナー信号を得、各トナー信号を画像出力部30に出力する。
【0051】
画像出力部30は、画像形成ユニット32と、両面複写ユニット34と、排紙ユニット36と、1枚もしくは複数枚(図は複数枚で例示)の処理基板38とを含む。画像形成ユニット32は、画像読取装置10にて得られた画像信号により表される画像を、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する(印刷する)すなわち複写する。このため、画像形成ユニット32は、たとえば画像出力端末7をデジタル印刷システムとして稼働させるためのラスタ出力スキャン(ROS)ベースのプリントエンジンを備える。
【0052】
画像読取装置10の読み取りに同期して、用紙が複数(たとえばA4,B4,A3)の給紙トレイ82の内の何れかから画像出力部30へ給紙されると、画像出力部30の画像形成ユニット32は、その用紙の一方の面に、内部コントローラ部20の画像処理機能部から送られたK,Y,M,Cのトナー信号に基づいて可視画像を形成する。
【0053】
両面複写ユニット34は、一方の面に画像が形成された用紙を裏返し、再び画像形成ユニット32にその用紙を給紙する。これにより、画像読取装置10が読み取った画像が用紙の他方の面に形成され、両面複写が完了される。
【0054】
画像形成ユニット32から排出される用紙あるいは両面複写済み用紙は、排紙ユニット36により、ページ順に連続的にあるいは1ページごとにソートされる。
【0055】
また、画像出力端末7は、専用の接続ケーブルや汎用の接続インタフェースを介して外部機器に接続可能になっている。ここで汎用の接続インタフェースとは、ある一定の規格を満足する標準インタフェースである。標準インタフェースは、IEEEやJIS(日本工業規格)などの非商業的組織または政府組織(公的な規格団体)によって認められた正当な(法律上の)技術的ガイドライン(de jure technical guideline )に従った、ハードウェア開発またはソフトウェア開発の領域において均一性を確立するために使用される公的なインタフェースであるのがよい。
【0056】
また、このような公的なインタフェースに限らず、民間団体や単一の会社にて取り纏められた私的な標準インタフェース、いわゆる業界標準インタフェース(工業標準インタフェース)であってもかまわない。何れにしても、標準インタフェースは、ある一定の規格を満足する接続インタフェースであればよい。
【0057】
たとえば、ある会社によって製品または理念が開発され、成功と模倣を通じて標準からの逸脱が互換性の問題を引き起こすか、または市場性を制限する程広く使用されるようになる場合に生じるハードウェア開発またはソフトウェア開発に関する事実上の(de facto)技術的ガイドライン(非公式な規格)が、本実施形態の標準インタフェースとして採用されてもよい。
【0058】
たとえば、画像出力端末7は、ネットワーク接続として、標準インタフェースの一例であるCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)型LAN(Local Area Network;たとえばIEEE802.3)や転送レートがギガビット(Giga Bit)ベースのLAN(以下纏めて有線LANという)8,9により、外部制御装置5を介して、画像入力端末3の一例であるアプリケーションサーバ2aと接続される。なお、有線LANは、たとえばWEP(Wired Equivalent Privacy;IEEE 802.11bで採用)やWPA(Wi-Fi Protected Access)などのプロトコルを適用した無線LANにしてもよい。
【0059】
たとえば、画像出力端末7は有線LAN8により外部制御装置5に接続され、外部制御装置5は有線LAN9により、一旦、情報通信ネットワーク(インターネットやイントラネットなど)9zに接続され、さらにこの情報通信ネットワーク9zには、データセンタ2に設置されたアプリケーションサーバ2aが接続される。
【0060】
また、画像出力端末7または外部制御装置5は、FAX通信装置3eを使い、一般加入電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network )を介して他のFAX通信装置と接続することもできる。なお、一般加入電話網PSTNに代えて、ISDN(Integrated Switched Digital Network )またはインターネットを含む他の通信媒体を利用してファクシミリをやり取りするようにしてもよい。
【0061】
また、外部制御装置5は、たとえばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. ;米国電気電子学会)1394規格のデバイス3fやUSB(Universal Serial Bus)2.0規格のデバイス3gなどとも接続可能となっており、これらのデバイス3f,3gからデジタル画像データを受け付けることもできる。あるいは、これらデバイス3f,3gは、外部制御装置5を介してリモートで画像出力端末7を制御することもできるようになっている。
【0062】
このような構成により、画像出力端末7は、前述のように、読み取った画像の印刷機能すなわち複写機能に限らず、有線LAN8や接続ケーブル90を介してアプリケーションサーバ2aや外部制御装置5の画像入力端末3から取得した文書データや画像ファイル(纏めてデジタルドキュメントDOCともいう)などに基づいて画像を印刷するいわゆるプリント機能や、電話回線やその他の通信インタフェースを介して取得したFAXデータやその他の画像データ(デジタルドキュメントDOCの一例)に基づいて印刷出力する機能も備えるようになる。
【0063】
ここで、画像入力端末3の一例である外部サーバなどのアプリケーションサーバ2aと画像出力端末7とを接続してネットワーク連携処理サービスを行なう仕組みを実現するに当たっては、1つの考え方として、図中点線の有線LAN8aで示すように、画像出力端末7が持つ本来的な機能をアプリケーションサーバ2aとの間で実行するべく、アプリケーションサーバ2aと画像出力端末7とをネットワーク接続しつつ、画像出力端末7を利用した付加機能をアプリケーションサーバ2aとの間で実行するべく、アプリケーションサーバ2aと画像出力端末7との間を外部コントローラを図中点線で示す専用線90aで接続し、外部コントローラとアプリケーションサーバ2aを有線LAN9でネットワーク接続することが考えられる。
【0064】
しかしながらこの場合、画像出力端末7としては、アプリケーションサーバ2aとの接続に当たって、有線LAN8aと専用線90aおよび有線LAN9といった2系統のネットワークインタフェースが必要となり、接続インタフェースが冗長になる問題がある。加えて、専用インタフェースである専用線90aを使うので、ハードウェア構成やソフトウェア制御機能の汎用性に乏しく、ソフトウェアやハードウェアの更新に、より多くの保守工数が必要となるなどの問題もある。
【0065】
これに対して、本実施形態では、画像出力端末7が持つ本来的な機能を実行するのか、画像出力端末7を利用した付加機能を実行するのかに拘らず、常に、外部コントローラの一例である外部制御装置5を介してアプリケーションサーバ2aと画像出力端末7とを接続する点に特徴を有する。しかも、外部制御装置5と画像出力端末7との間だけでなく、アプリケーションサーバ2aと外部制御装置5の間も、標準インタフェースの一例であるネットワーク接続にしている点に特徴を有する(詳細は後述する)。
【0066】
<内部コントローラ部の詳細>
図2および図3は、内部コントローラ部20の内部構成の詳細を説明する図である。ここでは、内部コントローラ部20の他に、内部コントローラ部20との接続に関わる周辺の機能部も合わせて示している。なお、ユーザインタフェース装置16は、図2に示すように画像出力端末7に対して直接に接続する形態とすることもできるし、図3に示すように外部制御装置5側に直接に接続する形態とすることもできる。また、冗長ではあるが、ユーザインタフェース装置15との併設も可能である。
【0067】
図2および図3に示すように、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16と内部コントローラ部20や外部制御装置5との間には、接続制御部24が配されている。外部制御装置5に内蔵の外部コントローラ部510から画像出力端末7には、画像出力端末7の電源供給を制御する電源制御信号PWRが入力されるようになっている。
【0068】
ここで、画像出力端末7の電源供給を制御するとは、画像出力端末7内の内部コントローラ部20や画像読取部10や画像出力部30などの所定の機能部への電源供給をオン/オフすることを意味する。ただし、必ずしも画像出力端末7内の全機能部を制御対象とする必要はなく、省エネモードの考え方に依存する。
【0069】
またここでは、外部制御装置5に内蔵の外部コントローラ部510が電源制御信号PWRを画像出力端末7に供給するようにしているが、これに限らず、外部制御装置5とは別に電源制御信号PWRを発する専用の電源制御装置を追加した構成とすることもできる。
【0070】
内部コントローラ部20は、入力インタフェース(入力I/F)215、表示制御部216、CPU(Central Processing Unit)217、RAM(Random Access Memory)218、ROM(Read-Only Memory)219、スキャナ制御部220、画像処理部221、プリンタ制御部222、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)223などを備えて構成されている。
【0071】
入力インタフェース215は、キー入力またはポインティングデバイスなどの入力デバイスを有するユーザインタフェース部15の操作キー部15bから入力される入力情報を取り込むためのインタフェースである。
【0072】
表示制御部216は、内部コントローラ部20が上記基本機能に係る第1のデータ処理(印刷処理、画像読取処理、コピー処理など)を制御するときに、ユーザインタフェース部15の操作パネル部15aに表示すべき表示データ(ビットマップデータ)を生成し、この表示データをビットマップディスプレイの一例である操作パネル部15aに対して出力することにより、操作パネル部15aでの画面表面を制御する。
【0073】
CPU217は、内部コントローラ部20全体の処理動作を制御するもので、そのための制御プログラムがROM219に格納されている。RAM218は、ROM219に格納された制御プログラムにしたがってCPU217が処理が実行する際のワークエリアとして使用される。
【0074】
スキャナ制御部220は、画像読取部10の動作(スキャン動作)を制御するものである。画像処理部221は、画像読取部10で読み取った画像データやネットワークインタフェース223で受信した画像データに対して、所定の画像処理(たとえば、色変換処理、拡大縮小処理、階調補正処理、画像回転処理など)を施す。
【0075】
プリンタ制御部222は、画像出力部30の動作(プリント動作)を制御する。
【0076】
ネットワークインタフェース223は、コンピュータネットワークと通信が可能なネットワークアダプタを有しており、有線LAN8を介して種々のデータ(画像データ、ファクシミリデータ、および制御データを含む)を外部制御装置5側に送受信するためのインタフェースである。
【0077】
なお、内部コントローラ部20の内部構成は、一般的なPC(パーソナルコンピュータ)本体の構成と同様であるため、ここでは詳しい説明を省略する。PC本体とは、PCの基本的な構成要素から、CRT、LCDなどの表示機能とキーボード、マウスなどの入力機能を除いたものをいう。
【0078】
ユーザインタフェース部15あるいはユーザインタフェース装置16と内部コントローラ部20や外部制御装置5との間に介在する接続制御部24内には、所定数の切替スイッチを有する切替スイッチ部242と、切替パルス信号P1を生成する切替パルス生成部244と、切替パルス生成部244から出力された切替パルス信号P1や外部制御装置5からの切替要求信号P2に基づき予め設定された手順に従って切替制御処理を行なうための切替信号P3を出力する切替シーケンサ部246とを備える。
【0079】
切替パルス生成部244は、ユーザインタフェース部15の操作キー部15bやユーザインタフェース装置16の入力部16bに設けられた表示切替ボタン(図示せず)が押下されたときに、表示や入力の切替を要求する切替パルス信号P1を生成して切替シーケンサ部246に入力する。
【0080】
切替スイッチ部242内には、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16に設けられるスイッチや表示部や音声通知部などに応じて個々の切替スイッチが設けられる。各切替スイッチの一方の切替入力端aが内部コントローラ部20側に接続され、他方の切替入力端bが外部制御装置5側に接続され、切替出力端oがユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16側に接続され、切替制御端cに切替シーケンサ部246からの切替信号P3が入力される。
【0081】
たとえば、図示を割愛するが、操作パネル部15aのスイッチ部分や操作キー部15bや入力部16bと第1の切替スイッチSW1との間には、スイッッチやキーの入力を検知する入力検知部や操作パネル部15aのタッチパネルからの入力(座標)を検知するタッチパネル検知部が設けられ、第1の切替スイッチSW1との間がRS232CやUSB(Universal Serial Bus)などのシリアル信号線によって接続される。
【0082】
また、操作パネル部15aの表示部や表示部16aと第2の切替スイッチとの間には、表示ディスプレイ(たとえば液晶ディスプレイ)を駆動する表示駆動部が設けられ、第2の切替スイッチとの間が、RGBアナログビデオ信号やデジタルインタフェースによる表示信号や表示制御コマンドデータ用の信号線によって接続される。
【0083】
切替スイッチは、表示、キー入力、あるいは音声など、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16の機能を内部コントローラ部20や外部制御装置5が切替使用でき、内部コントローラ部20および外部制御装置5のどちらで画像処理を制御する場合でも、キー操作入力を受け付け、表示デバイスに画像や動画を表示し、あるいはユーザへの音声信号による情報提示ができればよく、機械的なスイッチに限定されるものではなく、電子回路を用いた演算による切り替えとすることもできる。
【0084】
切替スイッチ部242は、個々の切替スイッチを介して、スイッチや表示部や音声通知部と内部コントローラ部20や外部制御装置5との接続を、切替シーケンサ部246からの切替信号P3に基づいて、全ての切替スイッチが連動して切り替えるように構成されている。
【0085】
たとえば、内部コントローラ部20がユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16を使用する“第1のスイッチング動作状態”では、全ての切替スイッチが切替入力端a側に切り替わり、内部コントローラ部20がユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16と接続された状態となる。また、外部制御装置5がユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16を使用する“第2のスイッチング動作状態”では、全ての切替スイッチが切替入力端b側に切り替わり、外部制御装置5がユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16と接続された状態となる。
【0086】
なお、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16に設けられるスイッチや表示部を内部コントローラ部20と外部制御装置5とで切り替えて使用するすなわち兼用する構成を採ればよく、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16に設けられるスイッチや表示部などの全てを切替スイッチを介した接続にする必要はなく、機能によっては内部コントローラ部20や外部制御装置5に固定的に接続してもよい。たとえば、図3に示すように、ユーザインタフェース部15とユーザインタフェース装置16の双方を設置しつつ、ユーザインタフェース部15は画像出力端末7が専用で使うものとし、ユーザインタフェース装置16のみを内部コントローラ部20と外部制御装置5とで兼用する構成とすることもできる。
【0087】
<外部制御装置の詳細>
図4および図5は、外部制御装置5の内部構成の詳細を説明する図である。ここでは、外部制御装置5の他に、外部制御装置5との接続に関わる周辺の機能部も合わせて示している。なお、図4は、ユーザインタフェース装置16を、画像出力端末7に対して直接に接続する形態の場合、図5は、ユーザインタフェース装置16を外部制御装置5側に接続する形態の場合である。
【0088】
基本的な内部構成は、内部コントローラ部20と同様に、一般的なPC(パーソナルコンピュータ)本体の構成と同様であり、画像出力端末7を利用して外部制御装置5が提供する拡張機能は、この外部制御装置5に組み込まれたアプリケーションプログラムをCPUが実行することによって実現される。
【0089】
たとえば、図4および図5に示すように、外部制御装置5は、外部コントローラ部510を備えている。外部コントローラ部510は、電源制御部512、転送処理部514、入力インタフェース(入力I/F)515、表示制御部516、CPU517、RAM518、ROM519、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)523,524、ハードウェアで構成された通信規格変換部530、およびハードウェアで構成された秘匿化処理部540などを備えて構成されている。外部コントローラ部510は、基本的には、画像出力端末7と共通のユーザインタフェース機能を備えていて、画像出力端末7に対するジョブ制御を行なう。
【0090】
電源制御部512は、画像出力端末7の電源供給を制御する電源制御信号PWRを画像出力端末7の内部コントローラ部20に供給する。なお、電源制御部512は、ハードウェア構成に限らず、CPU517によるソフトウェアで電源制御部の機能を実現してもよい。
【0091】
転送処理部514は、第1のデータ処理や第2のデータ処理を第1の端末である画像出力端末7において実行するための情報(パケット)を第2の端末であるアプリケーションサーバ2aから受け取った際には、その情報(パケット)を画像出力端末7に転送する。なお、転送処理部514は、ハードウェア構成に限らず、CPU517によるソフトウェアで転送処理部の機能を実現してもよい。
【0092】
ユーザインタフェース装置16と外部コントローラ部510や画像出力端末7との間には、接続制御部24が配されている。また、図2および図3にても説明したように、外部コントローラ部510から画像出力端末7には、画像出力端末7の電源供給を制御する電源制御信号PWRが入力されるようになっている。
【0093】
入力インタフェース515は、ユーザインタフェース部15の操作キー部15b(あるいはユーザインタフェース装置16の入力部16b)から入力される入力情報を取り込む。表示制御部516は、ユーザが外部制御装置5を操作するときに、ユーザインタフェース部15の操作パネル部15a(あるいはユーザインタフェース装置16の表示部16a)に表示すべき表示データを生成し、この表示データを操作パネル部15aや表示部16aに対して出力する。
【0094】
CPU517は、外部制御装置5全体の処理動作を制御するもので、そのための制御プログラムがROM519に格納されている。RAM518は、ROM519に格納された制御プログラムにしたがってCPU517が処理が実行する際のワークエリアとして使用される。
【0095】
また、本実施形態の外部制御装置5は、ネットワーク接続可能なネットワークインタフェースを2つ以上持つ点に特徴を有している。特に、一方は画像出力端末7と、他方はアプリケーションサーバ2aとの接続に供し、これらの何れか一方もしくは双方が、それぞれ複数の同種機能を持つ装置とネットワーク接続可能になっている。
【0096】
アプリケーションサーバ2aと画像出力端末7とを接続してネットワーク連携処理サービスを行なう仕組みを実現するに当たって、アプリケーションサーバ2aとの接続を1系統のネットワーク接続にすることができる利点がある。画像出力端末7にとっても、接続インタフェースが1つのネットワークインタフェースで済む利点が得られる。加えて、両者ともに標準インタフェースで接続を取ることで、画像出力端末7や外部制御装置5のハードウェア構成やソフトウェア制御機能の汎用性を向上させることができる。
【0097】
たとえば、図示した例では、ネットワークインタフェース523は、コンピュータネットワークと通信が可能なネットワークアダプタを有し、有線LAN8を介して種々のデータ(画像データ、ファクシミリデータを含む)を画像出力端末7側に送受信するためのインタフェースである。画像出力端末7に内蔵の内部コントローラ部20と、外部制御装置5とが、ネットワークインタフェースで1対1に接続される構成を採っている。
【0098】
なお、ネットワークインタフェース523と複数(M台)の画像出力端末7とが接続される1:Mの接続構成を採ることができる。この場合でも、それぞれの画像出力端末7に内蔵の内部コントローラ部20と、外部制御装置5とが、ネットワークインタフェースで1対1に接続される構成となる。
【0099】
1:Mの接続構成とするには、複数の接続ポートを持ったネットワークカードを利用してネットワークインタフェース523を構成してもよいし、ネットワークインタフェース523を外部制御装置5内に複数備える構成としてもよいし、ネットワークインタフェース523を外部制御装置5内に複数備える構成としてもよいし、スター型ネットワークの中心に位置するノード(中継点)を持ったハブ(Hub)を利用することもできる。もちろん、ポート数が足りない場合は、カスケード(多段)接続やスタック接続によって複数のハブを接続することもできる。
【0100】
1:Mの接続構成を採る場合、たとえば、それぞれ同等の処理速度を持ったM台の画像出力端末7を1つの外部制御装置5に並列接続すると、外部コントローラ部510は、M台の画像出力端末7に処理データを分散させて並行運転させることで処理効率(処理速度)を高めることができる。あるいは、それぞれ異なる処理速度を持ったN台の画像出力端末7を1つの外部制御装置5に並列接続すると、ユーザの要求に応じて、あるいはデータ量に応じて、外部コントローラ部510は、実際に処理する画像出力端末7を選択することで、何れかを切替運転させることができる。
【0101】
なお、このような1:Mの接続構成は、たとえばプリントサーバを介して複数のプリンタを接続し、ネットワーク接続されたクライント端末からの要求を受けて印刷処理を実行する既存システムの構成と似通ったものとなる。しかしながら、従来のシステムは、複数のプリンタとプリントサーバとの間はネットワーク接続不可能な専用のインタフェースで接続されており、本実施形態のようなある一定の規格を満足する標準インタフェースを用いたネットワーク接続にはなっていない。
【0102】
“ネットワーク接続”とすることで、規格準拠の制限範囲内ではあるが、接続対象機器の適用範囲を無限に広げることができ、専用線接続では接続可能な台数にある程度の制限があるのとは大きな違いである。しかも、プリントサーバは、プリンタが持つ基本機能を実現するに当たっての中継機能しか持たず、本実施形態の外部制御装置5のように、ネットワーク上のサーバと連携したネットワーク連携処理サービスを行なうなどの付加機能を実現するには、別の装置が必要になるなど簡易・容易ではない。
【0103】
加えて、“ネットワーク接続”とすることで、ユーザの要求により接続対象機器の台数を柔軟に変更できる。特定の画像出力端末は、本発明の1:Mの接続構成のネットワークに接続することにより外部制御装置5で制御されるシステムの一部として構成できるし、有線LAN9に接続すれば、単独の画像出力端末として稼動させることができる。これらの使い方において、画像出力端末の構成やソフトウエアを変更する必要はなく、接続と設定変更のみで容易に切り替えることができる。専用線接続ではこの様な拡張性を確保することは困難である。
【0104】
またネットワークインタフェース524は、コンピュータネットワークと通信が可能なネットワークアダプタを有しており、有線LAN9を介して種々のデータ(画像データ、ファクシミリデータ、および制御データを含む)を、アプリケーションサーバ2a側に送受信するためのインタフェースである。外部制御装置5とアプリケーションサーバ2aとが、ネットワークインタフェースで1対1に接続される構成を採っている。加えて、画像出力端末7に内蔵の内部コントローラ部20と、アプリケーションサーバ2aとが、外部制御装置5を介して、ネットワークインタフェースで1対1に接続される構成を採っている。
【0105】
ネットワークインタフェース524と複数(N台)のアプリケーションサーバ2aとが接続される1:Nの接続構成を採ることができる。すなわち、画像出力端末7と接続されるアプリケーションサーバ2aは、1台に限らず複数台であってもよい。この場合でも、画像出力端末7に内蔵の内部コントローラ部20と、それぞれのアプリケーションサーバ2aとが、外部制御装置5を介して、ネットワークインタフェースで1対1に接続される構成となる。
【0106】
1:Nの接続構成とするには、1:Mの接続構成の場合と同様に、複数の接続ポートを持ったネットワークカードを利用してネットワークインタフェース524を構成してもよいし、ネットワークインタフェース524を外部制御装置5内に複数備える構成としてもよいし、ハブを利用することもできるし、ポート数が足りない場合は、カスケード(多段)接続やスタック接続によって複数のハブを接続することもできる。
【0107】
1:Nの接続構成を採る場合、ネットワーク連携処理サービスを行なう際に、1台のアプリケーションサーバ2aが全ての機能を実現する必要はなく、種々のアプリケーションサーバ2aを組み替えて使用することができる。
【0108】
なお、画像出力端末7と外部制御装置5、外部制御装置5とアプリケーションサーバ2aのそれぞれを、1:Mおよび1:Nとする接続構成を採ることもできる。
【0109】
画像出力端末7と外部制御装置5、外部制御装置5とアプリケーションサーバ2aのそれぞれのネットワーク接続は、同一の規格のインタフェースであってもよいし、規格の異なるインタフェースであってもよい。後者の場合、外部制御装置5の通信規格変換部530が、規格の相違を解消するバッファ機能を持つようになる。
【0110】
なお、通信規格変換部530は、ハードウェア構成に限らず、CPU517によるソフトウェアで通信規格変換部の機能を実現してもよい。
【0111】
秘匿化処理部540は、アプリケーションサーバ2aから受け取ったパケットが暗号化されていたとき、暗号を解読した後、画像出力端末7に復号済みのパケットを送信する。外部制御装置5の秘匿化処理部540が、パケットの暗号化の問題を解消するバッファ機能を持つようになる。
【0112】
なお、暗号化処理部530は、ハードウェア構成に限らず、CPU517によるソフトウェアで秘匿化処理部の機能を実現してもよい。暗号化処理や復号化処理といった秘匿処理や、認証コードの作成や削除といった認証処理を、ソフトウェア構成で行なう仕組みでは、並列処理や連続処理に柔軟に対処し得るものの、その処理が複雑になるに連れ、処理時間が長くなるため、処理速度の低下が問題となる。
【0113】
これに対して、通信規格変換部530と同様に、ハードウェア構成の秘匿化処理部540で処理することで、高速化を図ったアクセラレータシステムにすることができる。すなわち、アクセラレータシステムは、処理が複雑であっても、処理速度の低下を防ぐことができ、高いスループットを得ることができる。
【0114】
<データ処理の詳細>
図7および図6は、接続制御部24や外部制御装置5を介したデータ処理の仕組みを説明する図である。ここで図6に示すフローチャートでは、外部制御装置5からアプリケーションサーバ2aにアクセスしてドキュメントDOCを取得し、このドキュメントDOCに基づくサービスを画像出力端末7に要求するネットワーク連携機能を実現する場合における処理手順を示す。また図7に示す全体概要図では、ユーザインタフェース装置16を画像出力端末7に接続するとともに接続制御部24を画像出力端末7に組み込んだ形態の図2および図4に示した構成例で示す。
【0115】
本実施形態の外部制御装置5は、ディスプレイを制御するUIコントローラ(表示制御装置)に、汎用OSとブラウザを搭載し、インターネット/イントラネットに接続するとともに、画像出力端末7に内蔵の内部コントローラ部20ともネットワーク接続でインタフェースし、画像出力端末7へ送られるパケットを最適なものに制御する点に特徴を有する。以下、具体的に説明する。
【0116】
先ず、画像出力端末7の主電源がオン(投入)されると、接続制御部24の切替シーケンサ部246は、切替信号P3を、内部コントローラ部20がユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16を使用する“第1のスイッチング動作状態”となる状態(たとえばHレベル)にセットする(S10)。この状態では、画像出力端末7は、印刷処理、画像読取処理、コピー処理など、画像出力端末7が持つ基本機能を実行する第1のデータ処理モードとなる(S14)。
【0117】
次に、接続制御部24は、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16の切替ボタンが押下されたか否かを判定する(S16)。この判定は、切替パルス生成部244から切替パルス信号P1が入力されたか否かに応じて行なう。すなわち、切替パルス生成部244から切替パルス信号P1が入力された場合は“YES(押下あり)”と判定し、切替パルス信号P1が入力されない場合は“NO(押下なし)”と判定する。
【0118】
そして、切替ボタンが押下されていないと判定した場合(S16−NO)は、外部制御装置5から切替要求信号P2が入力されたか否かを判定する(S18)。この切替要求信号P2は、たとえば、外部制御装置5に対してLANなどのネットワーク経由でアプリケーションサーバ2aやユーザPCなどその他のクライアント端末からジョブの実行命令が入力されたときに、外部制御装置5から切替シーケンサ部246に入力される信号である。外部制御装置5から切替要求信号P2が入力されない場合(S18−NO)はステップS14に戻る。
【0119】
一方、切替ボタンが押下されたと判定した場合(S16−YES)および外部制御装置5から切替要求信号P2が入力された場合(S18−YES)は、切替シーケンサ部246は、切替信号P3を、外部制御装置5がユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16を使用する“第2のスイッチング動作状態”となる状態(たとえばLレベル)にセットする(S20)。この後、切替シーケンサ部246は、再びユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16の切替ボタンが押下されたか否かを判定する(S26)。そして、切替ボタンが押下されたと判定した場合は、ステップS10に戻る。
【0120】
以上のような切替制御処理を行なうことにより、画像出力端末7の主電源をオンしたときは、切替スイッチ部242内の各切替スイッチ(SW1,SW2など)が切替シーケンサ部246からの切替信号P3(Hレベル)に従って“第1のスイッチング動作状態”となる。“第1のスイッチング動作状態”では、各々の切替スイッチにおいて、切替入力端子aと切替出力端子oが接続された状態、つまりユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16と内部コントローラ部20とが接続された状態となる。
【0121】
この状態では、画像出力端末7は、印刷処理、画像読取処理、コピー処理など、画像出力端末7が持つ基本機能を実行する第1のデータ処理モードとなる(S14)。すなわち、“第1のスイッチング動作状態”では、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16の表示ディスプレイには、内部コントローラ部20で生成された画像データが表示される。また、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16でキー入力された情報やタッチパネルで入力された情報は、内部コントローラ部20に取り込まれる。
【0122】
よって、ユーザは、内部コントローラ部20が制御する第1のデータ処理(印刷処理、画像読取処理、コピー処理など)を、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16を使って操作することが可能となる。
【0123】
また、“第1のスイッチング動作状態”のもとで、切替シーケンサ部246に、切替ボタンの押下により切替パルス生成部244から切替パルス信号P1が入力されるか、外部制御装置5から切替要求信号P2が入力されると、各々の切替スイッチが切替シーケンサ部246からの切替信号P3(Lレベル)に従って“第2のスイッチング動作状態”となる。“第2のスイッチング動作状態”では、各々の切替スイッチにおいて、切替入力端子bと切替出力端子oが接続された状態、つまりユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16と外部制御装置5とが接続された状態となる。
【0124】
この状態では、ユーザは、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16を使用しつつ、外部制御装置5からネットワーク接続されたアプリケーションサーバ2aにアクセスして、ユーザ認証処理、ファイル管理処理、OCR処理、ウェブブラウザ処理、チケット発行処理など、画像出力端末7が持つ基本機能を利用したネットワーク連携処理を行なうことができる。
【0125】
このとき、外部制御装置5は、ユーザ認証処理、ファイル管理処理、OCR処理、ウェブブラウザ処理、チケット発行処理など、画像出力端末7が持つ基本機能を利用したネットワーク連携処理などの付加機能を実行する第2のデータ処理モードとなる(S24)。また、画像出力端末7の内部コントローラ部20は、外部制御装置5の制御の下、ネットワーク連携処理などの付加機能を実行する第2のデータ処理に必要な基本機能を提供する(S30,S31)。
【0126】
たとえば、チケット発行処理などでは、外部制御装置5は、アプリケーションサーバ2aにアクセスすることでユーザ認証処理、ウェブブラウザ処理を行ない(S21,S24)、チケット提供用のドキュメントDOCを含むパケットがデータセンタ2内のアプリケーションサーバ2aからネットワークを介して外部制御装置5に送られる(S22)。外部制御装置5はそのパケットを画像出力端末7の内部コントローラ部20にネットワークを介して転送する。画像出力端末7はこのチケット情報を印字し、発券する(S31)。
【0127】
すなわち、“第2のスイッチング動作状態”では、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16の表示ディスプレイには、外部制御装置5で生成された画像データが表示される。また、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16でキー入力された情報やタッチパネルで入力された情報は、外部制御装置5に取り込まれる。よって、ユーザは、外部制御装置5が制御する画像出力端末7が持つ基本機能を実行させる第1のデータ処理だけでなく、第2のデータ処理、すなわちユーザ認証処理、ファイル管理処理、OCR処理、ウェブブラウザ処理、チケット発行処理など画像出力端末7が持つ基本機能を利用したネットワーク連携処理を、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16を使って操作することが可能となる。
【0128】
加えて、接続ケーブル90を介して接続された画像入力端末3からドキュメントDOCを取得し、このドキュメントDOCに基づく画像を出力することも容易に実現できる。
【0129】
また、“第2のスイッチング動作状態”のもとで、切替ボタンの押下により切替パルス生成部244から切替要求信号P2が切替シーケンサ部246に入力されると、各々の切替スイッチが切替シーケンサ部246からの切替信号P3(Hレベル)に従って“第1のスイッチング動作状態”に戻る。
【0130】
このように、本実施形態の切替制御機能では、切替ボタンの押下によって切替パルス生成部244から出力される切替パルス信号P1(切替要求信号)、または外部制御装置5から入力される切替要求信号P2に応じて、接続制御部24が、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16との接続相手を内部コントローラ部20と外部制御装置5との間で切り替える。
【0131】
これにより、内部コントローラ部20によって実現される第1のデータ処理機能(基本機能)と、外部制御装置5によって実現される第2のデータ処理機能(拡張機能)の何れを使用する場合でも、それぞれの処理機能専用にユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16で画面の表示と入力の受け付けを行なうことができる。そのため、第1のデータ処理(基本機能)に係るソフトウェアの開発と、第2のデータ処理(拡張機能)に係るソフトウェアの開発を、それぞれ独立して行なうことができる。
【0132】
したがって、ソフトウェア開発の生産性を向上させることができる。たとえば、図7に示すように、接続制御部24によるユーザインタフェース切替えにより外部制御装置5側で画面を直接表示可能であるし、メンテナンスや障害除去時は、自動的に画像出力端末7側に切り替えることができる。
【0133】
従来の構成では、画像出力端末7に、マルチメディア入力やスキャンサービス機能、ネットワーク連携サービスなどの付加機能を追加するためには、PCを利用した外部コントローラを追加するのが一般的である。この場合、ユーザインタフェースの表示ディスプレイやキー入力手法をカスタマイズする必要があり、外部コントローラの表示ディスプレイや入力デバイスを使用せざるを得なかった。このため、装置のコスト増、内部/外部コントローラ間の連携のためのソフトウェア開発が必要であった。
【0134】
これに対して、本実施形態の構成は、上述のように、内部コントローラと拡張性のある外部コントローラを用途に応じて使い分け、その使い分けに応じた表示やキー入力などのユーザインタフェースの切替えを実現するので、上述の従来の問題を解消することができる。
【0135】
たとえば、外部コントローラ機能を持つ外部制御装置5は、クライント端末と(さらに画像出力端末7とも)ネットワーク接続されており、外部制御装置5にて実行されるアプリケーションは、色々な選択やカクタマイズの容易性が確保され、マルチメディア入力やスキャンサービス機能、ネットワーク連携サービスなどの付加機能を容易に追加することができる。
【0136】
一方、画像出力端末7側(必ずしも画像出力端末7と一体的である必要はないが)には、表示や音声通知などによる情報提示機能部や指示入力機能部を持つユーザインタフェースの切替機構を用意するだけで、本来の動作(画像出力端末7が持つ基本機能)以外のソフトウェアを殆ど必要としないし、ユーザごとのカスタマイズも不必要であるため、コスト低減、開発納期短縮を図ることができる。
【0137】
<通信インタフェースの詳細>
図8および図9は、外部制御装置5を介した通信インタフェース(データ転送方法)の仕組みを説明する図である。ここで図8に示すフローチャートでは、アプリケーションサーバ2a側からマルチメディア入力やスキャンサービス機能、その他のネットワーク連携サービスなどの付加機能を画像出力端末7に要求する場合における処理手順を示す。また、図9に示す全体概要図では、ユーザインタフェース装置16を外部制御装置5側に接続するとともに接続制御部24を外部制御装置5に組み込んだ形態の図3および図5に示した構成例で示す。
【0138】
先ず、データセンタ2内のアプリケーションサーバ2aからの処理要求パケットがネットワーク(LAN)を介して外部制御装置5に送られる(S50)。このとき、外部制御装置5の外部コントローラ部510は、ネットワークインタフェース524を介して受け取った処理要求パケットが第1のデータ処理用のものであるどうか、すなわち画像出力端末7の基本機能を実現するための内部コントローラ部20宛のパケットであるかどうかを判定する(S52)。
【0139】
外部制御装置5の外部コントローラ部510は、受け取った処理要求パケットが第1のデータ処理用のものである場合(S52−YES)、すなわち内部コントローラ部20宛のパケットをアプリケーションサーバ2aから受け取ったときには、次に、そのパケットを直ちに画像出力端末7に送るべきパケットであるか否か(すなわちパケットの属性)を判断する(S70)。
【0140】
たとえば、内部コントローラ部20とアプリケーションサーバ2aとの間のネゴシエーション処理など、画像読取部10や画像出力部30の機能を実行しなくても済むようなパケットの場合には、内部コントローラ部20を含めて画像出力端末7の電源をオフしたままでも、外部制御装置5が内部コントローラ部20に代わってアプリケーションサーバ2aとの間で動作することで済む場合もあるからである。
【0141】
具体的には、外部制御装置5は、画像出力端末7の基本機能(画像読取部10や画像出力部30)を使っていないときには、内部コントローラ部20や内部コントローラ部20から制御される機能(画像読取部10や画像出力部30)の電源をオフすることとする。
【0142】
そして、画像出力端末7をオフしていて使っていないときに、画像読取部10や画像出力部30を動作させることなく、画像出力端末7の基本機能を実行しないで済む内部コントローラ部20宛のパケットをアプリケーションサーバ2aから受け取ったときは、内部コントローラ部20に代わって、そのパケットに応答するパケットをネットワークインタフェース524を介してアプリケーションサーバ2aに送る(S70−NO,S72)。
【0143】
第1のデータ処理や第2のデータ処理に関わるとはいっても、画像出力端末7の基本機能(たとえば画像読取部10や画像出力部30)を使う必要のないパケットを受信したときには、外部制御装置5が内部コントローラ部20の代行応答処理をすることで、迅速な応答処理が実現でき、しかも、内部コントローラ部20を含めて画像出力端末7の電源をオフしておくことができ、外部制御装置5以外の電源をオフしている時間を長くでき、省エネ効果を高めることができる。
【0144】
たとえば、ユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16との接続相手が外部制御装置5に切り替えられると、電源制御部512は、画像読取部10および画像出力部30が未使用状態であるか否かを確認(以下未使用状態確認処理ともいう)し、未使用状態であれば、タイマによる時間計測をスタートさせる。タイマは電源制御機能部自身が備えるものでもよいし、電源制御機能部とは別個に設けたものでもよい。未使用状態とは、画像出力端末7の内部で画像読取部10と画像出力部30が動作していない状態をいう。
【0145】
次いで、電源制御部512は、タイマの計測値をモニタすることにより、画像読取部10および画像出力部30が未使用状態になってから所定時間が経過したか否かを判断し、未使用状態のままで所定時間が経過したら電源制御信号PWRを電源オフ状態(たとえばLレベル)とする。これにより、内部コントローラ部20の電源が、電源制御部512から出力された電源制御信号PWRに従ってオフされる。
【0146】
その後、画像読取(スキャン)処理または印刷(プリント)処理のジョブ要求があるか否かを確認し、ジョブ要求があれば電源制御信号PWRを電源オン状態(たとえばHレベル)とする。ジョブ要求は、拡張機能を利用した第2のデータ処理中に画像読取処理または印刷処理を行なう必要が生じた場合に出される。ジョブ要求を受けて電源制御信号PWRとして電源オン状態が出力されると、内部コントローラ部20の電源がオンされる。
【0147】
以下、未使用状態確認処理に戻り、このような動作を繰り返す。また、所定時間が経過したと判断する前に、画像読取部10または画像出力部30が使用状態になった場合も、未使用状態確認処理に戻り、このような動作を繰り返す。また、電源制御処理中にユーザインタフェース部15やユーザインタフェース装置16との接続相手が内部コントローラ部20に切り替えられた場合は、その時点で直ちに内部コントローラ部20の電源をオンして、電源制御処理を終了する。
【0148】
また、アプリケーションサーバ2aから受け取った処理要求パケットが、第1のデータ処理用のもので、画像出力端末7の基本機能を使用する必要がある場合は(S70−YES)、このパケットをネットワークインタフェース523を介して内部コントローラ部20に向けて転送する(S66)。すなわち図9に示すように、外部コントローラ部510は、画像出力端末7用のパケットをルーティングする(中継機能を果たす)。
【0149】
なお、画像出力端末7全体の電源がオフ(電源供給の停止期間)のときに、第1のデータ処理用のパケットを転送処理部514がアプリケーションサーバ2aから受け取ったときには、電源起動後にパケット転送を行なう。たとえば、電源制御部512により画像出力端末7の電源すなわち内部コントローラ部20や画像読取部10や画像出力部30の電源を立ち上げて、すなわち電源供給の停止を解除して(S54,S64)、内部コントローラ部20の通信処理が機能するようになってから、転送処理部514によるパケットの画像出力端末7の内部コントローラ部20への転送を許可する(S66)。
【0150】
また、アプリケーションサーバ2aから受け取ったパケットが暗号化されていたときには、秘匿化処理部540は、アプリケーションサーバ2aから受け取ったパケットを解読(復号化)した後(S56−YES,S58)、ネットワークインタフェース523を介して内部コントローラ部20に復号済みのパケットを転送する(S66)。
【0151】
また、アプリケーションサーバ2aから受け取ったパケットが画像出力端末7が対応可能な通信規格に準拠していないときには、通信規格変換部530は、プロトコル変換した後に(S60−YES,S62)、ネットワークインタフェース523を介して内部コントローラ部20にプロトコル変換済みのパケットを転送する(S66)。
【0152】
内部コントローラ部20は、外部制御装置5を介して受け取ったパケットを処理して、第1のデータ処理として、画像出力端末7の基本機能を制御、動作させる(S68)。つまり、外部制御装置5は、画像出力端末7の基本機能を実現する際に、パケットの転送機能をなす。
【0153】
また、外部制御装置5の外部コントローラ部510は、ネットワークインタフェース524を介して受け取った処理要求パケットが第2のデータ処理用のものである場合(S52−NO)、すなわち画像出力端末7を利用したネットワーク連携処理サービスを行なうなどの付加機能を実現するためのパケットをアプリケーションサーバ2aから受け取ったときには、外部制御装置5は受け取った処理要求に応じたデータ処理(S88)を開始するとともに、その処理が画像出力端末7の機能を使用するかどうかを判断し、使用すると判定された場合、画像出力端末の電源を起動する(S74)。
【0154】
外部制御装置5は、パケットを処理して、第2のデータ処理を行なうに際して、画像出力端末7の基本機能を制御、動作させる(S89)。この場合、外部制御装置5は、画像出力端末7が持つ基本機能を利用したネットワーク連携処理サービスを行なうなどの付加機能を実現する際に、アプリケーションサーバ2aからのパケットを転送するだけでなく、受け取ったパケット内の情報を加工して転送することや、自らパケットを生成することも可能で、より複雑で、柔軟なサービスを提供可能である。
【0155】
たとえば、画像出力端末7の内部コントローラ部20は、外部制御装置5を介して、アプリケーションサーバ2aにてユーザ認証されたパケットのみを受け付けることも可能であるし、チケット発行処理など特定の処理のみユーザ認証や課金処理を行なうなど、画像出力端末7が持つ基本機能に加えてネットワーク連携処理などの付加機能を実現できる。
【0156】
以上説明したように、本実施形態の通信インタフェース処理によれば、アプリケーションサーバ2aと画像出力端末7との間で、第1のデータ処理や第2のデータ処理を実行する際に、画像出力端末7が持つ本来的な機能を実行するのか、画像出力端末7を利用した付加機能(ネットワーク連携機能)を実行するのかに拘らず、常に、外部コントローラの一例である外部制御装置5を介して、外部制御装置5と画像出力端末7との間だけでなく、アプリケーションサーバ2aと外部制御装置5の間も、標準インタフェースの一例であるネットワーク接続とし、外部制御装置5がパケットの転送機能を実行する。
【0157】
両者ともに標準インタフェースで接続を取ることで、画像出力端末7が持つ基本機能を利用したネットワーク連携処理などの付加機能を実行するに際しても、画像出力端末7のネットワークインタフェース系統が1系統で済むようになる。加えて、画像出力端末7や外部制御装置5のハードウェア構成やソフトウェア制御機能の汎用性を向上させることができ、ソフトウェアやハードウェアの開発や更新の生産性を向上させることができる。
【0158】
たとえば、図10に示すように、ユーザアプリケーションはアプリケーションサーバ2a側で実行することとし、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)サーバや、ネット配信でユーザインタフェース装置16に情報を表示し、必要に応じて、画像出力端末7を利用したプリントサービスやスキャンサービスを起動することができる。
【0159】
もちろん、表示切替に関しては、図7や図6に示したのと同様に、接続制御部24によるユーザインタフェース切替えにより外部制御装置5側で画面を直接表示可能であるし、メンテナンスや障害除去時は、自動的に画像出力端末7側に切り替えることができる。
【0160】
また、画像出力端末7が暗号化された通信パケットに未対応な場合に、データセンタ2と外部制御装置5との間の通信パケットが暗号化されていたとしても、秘匿化処理部540が復号化処理を行なうことで、画像処理システム1全体としては、秘匿化処理部540での復号化処理が対応可能な範囲で、何れの暗号化パケットにも拡張対応できるようになる。
【0161】
これにより、画像出力端末7とアプリケーションサーバ2aとの間を、画像出力端末7が暗号化に対応していないため直接にネットワーク接続できない場合でも、秘匿化処理部540が暗号化されたパケットを復号化することで、画像出力端末7の内部コントローラ部20側でソフトウェアやハードウェアの構成を更新しなくても、アプリケーションサーバ2aと画像出力端末7とを実質的にネットワーク接続できるようになり、汎用性が広がる。
【0162】
また、データセンタ2と外部制御装置5との間の通信規格と外部制御装置5と内部コントローラ部20(画像出力端末7)との間の通信規格が異なっていても、通信規格変換部530がプロトコル変換などの規格変換処理を行なうことで、画像処理システム1全体としては、ネットワークインタフェース524の通信規格や通信規格変換部530での規格変換処理が対応可能な範囲で、何れの通信規格にも拡張対応できるようになる。
【0163】
すなわち、画像出力端末7とアプリケーションサーバ2aとの間を通信規格の相違のため直接にネットワーク接続できない場合でも、通信規格変換部530がたとえばプロトコル変換処理を行なうことで、画像出力端末7の内部コントローラ部20側でソフトウェアやハードウェアの構成を更新しなくても、アプリケーションサーバ2aと画像出力端末7とを実質的にネットワーク接続できるようになり、汎用性が広がる。
【0164】
たとえば、画像出力端末7と外部制御装置5との間は既存のネットワークインタフェース回路でIPV6(Internet Protocol Version 6 )や10ギガビットのネットワーク接続に未対応であっても、ネットワークインタフェース524がこれらに対応するようにし、通信規格変換部530がIPV6や10ギガビットで受けて既存のネットワークインタフェース規格に変換することで、画像処理システム1全体としてはIPV6や10ギガビットのネットワーク接続に拡張対応できるようになる。
【0165】
また、新規な通信規格やインターフェイス規格が提案された場合も、外部制御装置5のソフトウエアまたはネットワークインタフェースの更新のみでシステムを維持できる。この保守容易性は、画像出力端末7と外部制御装置5、外部制御装置5とアプリケーションサーバ2aをそれぞれネットワーク接続する構成によるものであり、外部コントローラと画像処理装置がそれぞれのネットワークインタフェースで同一のネットワークへ接続する構成では得ることができない利点である。
【0166】
また、外部制御装置5は、汎用のソフトウェアを用いて容易に構成することが可能であり、また、画像出力端末7が持つ基本機能を利用した機能拡張を実現する際には、外部制御装置5側で対処することで、画像出力端末7に内蔵の内部コントローラ部20に新たなソフトウェアやハードウェアの変更・追加を必要としない。
【0167】
また、本実施形態の電源制御処理によれば、外部制御装置5で第2のデータ処理を制御している状況で、内部コントローラ部20により制御される画像読取部10や画像出力部30の処理が所定時間以上行なわれないときは、電源制御機能部(電源制御部512)によって内部コントローラ部20の電源がオフされるため、無用な電力消費を抑えることができる。さらに、内部コントローラ部20の電源と合わせて、画像出力端末7の基本機能を使う必要がないときに、画像読取部10および画像出力部30の電源をオフすることにより、外部制御装置5やその使用の関わるユーザインタフェース装置16以外の電源をオフしいている時間を長くすることで、より一層の省電力化を図ることができる。
【0168】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0169】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0170】
たとえば、外部制御装置5は、画像出力端末7における付加機能に関わる第2のデータ処理を制御する外部コントローラ部510と、画像出力端末7やアプリケーションサーバ2aとの間をそれぞれネットワーク接続可能なネットワークインタフェースを備えていればよく、通信規格変換部530や秘匿化処理部540など、その他の機能を備えていることは必須ではない。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】画像処理システムを示す概略図である。
【図2】内部コントローラ部の内部構成の詳細を説明する図(その1)である。
【図3】内部コントローラ部の内部構成の詳細を説明する図(その2)である。
【図4】外部制御装置の内部構成の詳細を説明する図(その1)である。
【図5】外部制御装置の内部構成の詳細を説明する図(その2)である。
【図6】データ処理の仕組みを説明するフローチャートである。
【図7】データ処理の仕組みを説明する全体概要図である。
【図8】通信インタフェースの仕組みを説明するフローチャートである。
【図9】通信インタフェースの仕組みを説明する全体概要図である。
【符号の説明】
【0172】
1…画像処理システム、2a…アプリケーションサーバ、3…画像入力端末、5…外部制御装置、7…画像出力端末、8,9…有線LAN、10…画像読取部、15…ユーザインタフェース部、16…ユーザインタフェース装置、20…内部コントローラ部、24…接続制御部、30…画像出力部、215…入力インタフェース、216…表示制御部、217…CPU、220…スキャナ制御部、221…画像処理部、222…プリンタ制御部、223,523,524…ネットワークインタフェース、242…切替スイッチ部、510…外部コントローラ部、512…電源制御部、514…転送処理部、530…通信規格変換部、540…秘匿化処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデータ処理を行なう第1の端末と、前記第1の端末に処理用のデータを送信するあるいは前記第1の端末が備える基本機能に関わる第1のデータ処理や当該基本機能を利用した付加機能に関わる第2のデータ処理の実行を要求する第2の端末とが接続されてなるデータ処理システムにおけるデータの転送方法であって、
前記第1の端末と前記第2の端末との間に前記付加機能に関わる第2のデータ処理を制御する制御部を有している制御端末を配し、
前記第1の端末と前記制御端末との間、および前記第2の端末と前記制御端末との間の何れをもネットワークインタフェースで接続し、
前記制御端末は、2つの前記ネットワークインタフェースを介して、前記第1の端末が備える基本機能に関わる第1のデータ処理に関するデータを前記第1の端末と前記第2の端末データとの間でデータ転送を行なうとともに、前記付加機能に関わる第2のデータ処理では前記第1の端末を制御し、前記第2の端末データとの間で処理されたデータを転送する
ことを特徴とするデータ転送方法。
【請求項2】
前記第1の端末として、画像形成に関わるデータ処理を行なう装置を使用する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ転送方法。
【請求項3】
所定のデータ処理を行なう第1の端末と、前記第1の端末に処理用のデータを送信するあるいは前記第1の端末が備える基本機能に関わる第1のデータ処理や当該基本機能を利用した付加機能に関わる第2のデータ処理の実行を要求する第2の端末とが接続されてなるデータ処理システムであって、
前記第1の端末と前記第2の端末との間に配された、前記付加機能に関わる第2のデータ処理を制御する制御部を有している制御端末を備え、
前記制御端末は、
前記第1の端末との間、および前記第2の端末との間の何れもが、ネットワークインタフェースを介して接続されており、
2つの前記ネットワークインタフェースを介して、前記第1の端末が備える基本機能に関わる第1のデータ処理に必要なデータを前記第1の端末と前記第2の端末データとの間でデータ転送を行なう際に中継機能を果たすとともに、前記付加機能に関わる第2のデータ処理では前記第1の端末を制御し、前記第2の端末からの要求に応答する
ことを特徴とするデータ処理システム。
【請求項4】
前記第1の端末は、画像形成に関わるデータ処理を行なう機能部と、当該機能部を用いた前記基本機能に関わる第1のデータ処理を制御する制御部とを有している
ことを特徴とする請求項3に記載のデータ処理システム。
【請求項5】
前記第1の端末または前記制御端末の操作に関わるユーザインタフェース装置と、
前記ユーザインタフェース装置の接続相手を、前記第1の端末および前記制御端末との間で切り替える接続制御装置と
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載のデータ処理システム。
【請求項6】
前記接続制御装置は、前記第1の端末内に設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ処理システム。
【請求項7】
前記接続制御装置は、前記制御端末内に設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ処理システム。
【請求項8】
所定のデータ処理を行なう第1の端末と、前記第1の端末に処理用のデータを送信するあるいは前記第1の端末が備える基本機能に関わる第1のデータ処理や当該基本機能を利用した付加機能に関わる第2のデータ処理の実行を要求する第2の端末との間に配される制御端末であって、
前記付加機能に関わる第2のデータ処理を制御する制御部と、
前記第1の端末との間をネットワーク接続可能な第1のネットワークインタフェースと、
前記第2の端末との間をネットワーク接続可能な第2のネットワークインタフェースと、
2つの前記ネットワークインタフェースを介して、前記第1の端末が備える基本機能に関わる第1のデータ処理に必要なデータを前記第1の端末と前記第2の端末データとの間でデータ転送を行なう転送処理部と
を備えたことを特徴とする制御端末。
【請求項9】
前記転送処理部は、前記第1のデータ処理や前記第2のデータ処理に関わる前記第1の端末を動作させる必要のない情報を前記第2の端末から受け取った際には、前記第1の端末に代行して前記第2の端末に応答する
ことを特徴とする請求項8に記載の制御端末。
【請求項10】
前記第2の端末との間の通信規格を、前記第1の端末との間の通信規格に適合するように変換する通信規格変換部をさらに備え、
前記転送処理部は、前記通信規格変換部により変換された情報を前記情報を前記第1の端末に転送する
ことを特徴とする請求項8に記載の制御端末。
【請求項11】
前記第2の端末との間の暗号化された情報を復号化する秘匿化処理部をさらに備え、
前記転送処理部は、前記秘匿化処理部により復号化された情報を前記情報を前記第1の端末に転送する
ことを特徴とする請求項8に記載の制御端末。
【請求項12】
前記第1のネットワークインタフェースには、複数の前記第1の端末が接続されており、
前記制御部は、前記複数の第1の端末を並行運転させる、または、何れかを切替運転させる
ことを特徴とする請求項8に記載の制御端末。
【請求項13】
前記第1の端末の電源供給を制御する電源制御部
をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の制御端末。
【請求項14】
前記電源制御部は、前記第1の端末を動作させる必要のないときには前記第1の端末への電源供給を停止させ、この停止期間内に、前記転送処理部が前記第1のデータ処理や前記第2のデータ処理に関わる前記第1の端末を動作させる必要のある情報を前記第2の端末から受け取った際には、前記第1の端末への電源供給の停止を解除した後に、前記転送処理部による前記情報の前記第1の端末への転送を許可する
ことを特徴とする請求項13に記載の制御端末。
【請求項15】
前記第1の端末または前記制御端末の操作に関わるユーザインタフェース装置の接続相手を、前記第1の端末および前記制御端末との間で切り替える接続制御部
をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の制御端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−268077(P2006−268077A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−81037(P2005−81037)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】