説明

データ送受信システム、および、データ送受信方法

【課題】振幅変調を用いる通信において、データの復調を簡素な構成で高精度に行うことを可能としたデータ送受信システムを提供することである。
【解決手段】本発明のデータ送受信システムでは、ICカード10側で伝送するデータの各ビットを平衡系列を用いて拡散している。そして、ICカードリーダ・ライタ20側で、ICカード10側で使用した平衡系列と受信した信号とを内部の乗算器において乗算している。これにより、振幅変調を用いる通信において、受信する信号中の直流分(振幅値)の寄与をゼロにできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ送受信システム、および、データ送受信方法に関し、特に、振幅変調方式でデータを送信する場合に、その送信するデータに対し平衡系列を用いて拡散処理を行うデータ送受信システム、および、データ送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信の1つの形態として、(非接触)ICカードと、ICカードリーダ・ライタとの間でなされる近距離通信がある。
近距離通信においては、多くの場合、ICカードは、自身の内部に電力源を持たず、ICカードリーダ・ライタが通信相手を検知するのに用いる電波を受信し、その電波を基に、自身の内部の負荷を切り替えることで、伝送するデータに対して振幅変調(ASK(Amplitude Shift Keying)変調ともいう)を行って、その伝送するデータを送信する。
【0003】
近年では、ICカードは携帯電話等に搭載されるようになり、ICカードを経由して大容量のデータをやり取りする必要性が生じている。
近距離通信に関する技術としては、以下のような技術が知られている。
【0004】
特許文献1には、M系列、Gold系列などの擬似ランダム系列をマンチェスタ符号と組み合わせて使用した電磁結合方式の通信システムが開示されている。
また、特許文献2には、2つのM系列の相関値を比較することで、情報を復調する通信システムが開示されている。このシステムでは、M系列の周期自己相関特性を利用することで、相関値の比較におけるM系列間の干渉を低減している。
【0005】
しかし、上記のいずれの特許文献においても、近距離通信において、ASK変調を使用する場合に、効率よくデータを伝送することが可能なデータ送受信システムは開示されていない。
【特許文献1】特開平3−181238号公報 「スペクトラム拡散通信を用いたデータ伝送方式」
【特許文献2】特開平2−228847号公報 「データ伝送方式」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、振幅変調を用いる通信において、データの復調を簡素な構成で高精度に行うことを可能としたデータ送受信システムおよびデータ送受信方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の課題は、振幅変調を用いる通信において、高速にデータを伝送することを可能としたデータ送受信システムおよびデータ送受信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様のデータ送受信システムは、第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、前記第1の送受信ユニットは、各成分の総和がゼロになる平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した信号列を出力する平衡系列出力部と、出力された各成分が変換値である信号列と、前記伝送するデータ信号列の各ビットとを演算する拡散処理部と、演算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、前記第2の送受信ユニットは、前記第1の送受信ユニットの変調処理部によって変調されたデータを受信するとともに、その受信したデータの各ビットに対して、符号化時に使用された平衡系列と同一の平衡系列を乗算するミキサと、前記ミキサの出力を積分する積分器と、積分結果の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを復調結果として出力する判定部、を有することを特徴とするデータ送受信システムである。
【0009】
ここで、第1の送受信ユニット側では、伝送するデータの各ビットを平衡系列を用いて拡散している。そして、第2の送受信ユニット側では、第1の送受信ユニット側で拡散処理時に使用した平衡系列と受信した信号とを乗算器において乗算している。これにより、振幅変調を用いる通信において、例えば、搬送波の振幅値を大きい値に設定しなければならないような場合に、受信する信号中の直流分(振幅値)の寄与をゼロにできるので、データの復調を簡素な構成で高精度に行うことができる。 本発明の第2態様のデータ送受信システムは、第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、前記第1の送受信ユニットは、伝送するデータ中のそれぞれのビットと、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した複数の信号列のうちで、そのビットに対応した信号列とを演算する拡散処理部と、伝送するデータのビットごとに得られる演算結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、加算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を備え、前記第2の送受信ユニットは、前記第1の送受信ユニットの変調処理部によって変調されたデータを受信するとともに、その受信したデータに対して、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列のうちで、受信したデータの符号化時に使用された複数の平衡系列をそれぞれ乗算することで、受信したデータの各ビットに対応する乗算結果を出力する複数のミキサと、前記複数のミキサの出力をそれぞれ積分する複数の積分器と、前記複数の積分器による積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを、対応するビット位置の復調結果として出力する判定部と、復調された各ビットの値と、対応するビット位置を基に、受信したデータを再生するデータ再生部、を備えることを特徴とするデータ送受信システムである。
【0010】
ここで、第1の送受信ユニット側では、伝送するデータの各ビットを平衡系列を用いて拡散する際に、ビットごとに互いに直交する複数の平衡系列を用いている。また、第2の送受信ユニット側では、それぞれの乗算器において、第1の送受信ユニット側で拡散処理時に使用した複数の平衡系列と受信した信号とを乗算している。これにより、伝送するデータの各ビットを並列に拡散処理した後に合成して送信する場合において、受信側(第2の送受信ユニット側)で、その合成した信号から各ビットを抽出することができる。例えば、第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとで、ビット位置と、そのビット位置に使用する平衡系列との対応付けとして共通のものを使用するように定めておけば、受信側(第2の送受信ユニット)でも、抽出された各ビットのデータ中の位置が分かり、データを再生することができる。
【0011】
すなわち、本態様の構成では、振幅変調を用いる通信において、例えば、搬送波の振幅値を大きい値に設定しなければならないような場合に、受信する信号中の直流分(振幅値)の寄与をゼロにできるので、データの復調を簡素な構成で高精度に行うことができる。また、伝送するデータのそれぞれのビットを並列に処理しているので、振幅変調を用いる通信において、高速にデータを伝送することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、振幅変調を用いる通信において、受信する信号中の直流分(振幅値)の寄与をゼロにできるので、データの復調を簡素な構成で高精度に行うことができる。
また、本発明によれば、伝送するデータのそれぞれのビットを並列に処理しているので、振幅変調を用いる通信において、高速にデータを伝送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の各実施形態に共通する非接触型ICカードシステム(Radio Frequency Identification System(RFIDシステム)とも呼ばれる)の構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、非接触ICカードシステムは、ICカード(第1の送受信ユニット)10と、ICカードリーダ・ライタ(第2の送受信ユニット)20から構成される。例えば、ICカードリーダ・ライタ20からICカード10に対して、リード要求やライト要求がなされる。ICカード10は、例えば、リード要求に対しては、要求された情報(カードID等)を送信し、ライト要求に対しては、自身のメモリ(不図示)へのデータ書き込みの終了状態フラグ等を送信する。
【0015】
このシステムは、ICカードリーダ・ライタ20側の第2のコイル21と、ICカード10側の第1のコイル11との電磁結合を利用している。
すなわち、ICカードリーダ・ライタ20は、ICカード10を検知するための磁界を第2のコイル21を介して発生させる。ICカード10は、自身では、電力源を持たず、ICカードリーダ・ライタ20が発する磁界に第1のコイル11を介して反応して反磁界を発生させるとともに、伝送するデータの各ビットの値を、拡散符号(平衡系列の各成分を各ビットがとりうる値に変換した信号列)によって拡散した結果の信号列を基に、変調回路12内部の負荷を切り替える(負荷を変動させる)。
【0016】
ICカード10が発する反磁界中の負荷の変動は、第2のコイル21を介してICカードリーダ・ライタ20に、振幅変調されたデータ(搬送波の電流もしくは電圧の振幅変動)として受信される。ICカードリーダ・ライタ20は、その受信したデータに対して、復調回路22で復調処理を行う。
【0017】
なお、本実施形態では、ICカードリーダ・ライタ20は、タイミングが同期された信号(データ)をICカード10から受信するものとする。ICカードリーダ・ライタ20と、ICカード10とでタイミングが同期していない場合は、同期検波(または、同期捕捉、同期追従、等)を行う。
【0018】
図2Aは、本発明の第1実施形態のICカード(第1の送受信ユニット)内の変調回路の構成(その1)を示すブロック図であり、図3は、本発明の第1実施形態のICカードリーダ・ライタ(第2の送受信ユニット)内の復調回路の構成を示すブロック図である。
【0019】
図2AのICカード内に設けられる変調回路30は、伝送するデータ中のいずれかの1ビットbと、平衡系列cの各成分(「−1」または「1」)を、伝送するデータの各ビットがとりうる値(「0」または「1」)に変換した信号列(系列)rとの排他的論理和(Exclusive OR、XOR)をとる演算器31、演算器31の出力を基に、負荷を切り替える負荷変動部32、を備える。なお、受信側のICカードリーダ・ライタ20には、この負荷変動部32による負荷の切替が、搬送波の振幅の変動として伝送される。
【0020】
なお、ICカード内の変調回路部における、負荷変動部32の前段の構成としては、図2Aに示す以外の構成も考えられる。例えば、図2Bに示すように、ビット情報b(「0」または「1」の値を持つ)を、第1変換部33を介して、平衡系列がとりうる値(「1」または「−1」)に変換した信号列と、平衡系列cとの乗算器34による積の信号列は、「−1」または「1」の値を持つ。この積の信号列を第2変換部35を介して、伝送するデータの各ビットがとりうる値(「0」または「1」の値)を持つ信号列に変換することで、図2Aの場合と、同様の信号列を負荷変動部32は受け取ることができる。
【0021】
ICカードの負荷変動部32による負荷の変動は、ICカードリーダ・ライタ側で、搬送波の振幅変動として検出される。
図3のICカードリーダ・ライタ内に設けられる復調回路40は、複数のダイオード41から構成されるとともに、検出された搬送波の振幅変動を整流する整流回路、整流回路の出力と平衡系列cとを乗算する乗算器42、乗算器42の出力を積分する積分器43、積分器43の出力の符号(積分器43の出力が正か負か)を判定し、積分器43の出力が正である場合に判定(復調)結果として「0」を出力し、積分器43の出力が負である場合に判定(復調)結果として「1」を出力する判定部44、を備える。
【0022】
本実施形態の特徴の1つに、変調(拡散)処理や復調処理をデータに対して行うときに平衡系列を使用する、ということがある。以下では、平衡系列について説明する。
系列(ベクトルともいう)cの各成分をcと表記する。系列cがT個の成分を持つとき、系列cは、
c=(c,c,・・・,cT−1
と表すことができる。系列cが平衡系列である場合は、以下の条件が満たされる。
【0023】
【数1】

【0024】
また、以下では、T個の成分を持つ系列cのノルム(長さ)がTとなるように正規化する。すなわち、次式が成立する。
【0025】
【数2】

【0026】
例えば、T個の成分のそれぞれが、「1」か「−1」の値を持ち、それら成分の総和が「0(ゼロ)」であるような系列が上の2式の条件を満たす。
信号列s=(s,s,・・・,sT−1)と、平衡系列c=(c,c,・・・,cT−1)との相関Rscを次式で定義する。
【0027】
【数3】

【0028】
なお、本実施形態においては、信号列sと平衡系列cとの相関Rscをとることを、信号列sと平衡系列cとの内積をとるともいう。相関Rscの値がゼロになるとき、信号列sと平衡系列cは直交するという。
【0029】
また、長さTを持つ平衡系列の集合であって、その集合に含まれる任意の2つの系列が互いに直交する集合のことを平衡直交符号と呼ぶ。すなわち、平衡直交符号は、平衡系列の正規直交系であるということができる。
【0030】
図2Aおよび図3の回路の動作を、図4および図5を参照しつつ説明する。
ICカード側で、通信相手のICカードリーダ・ライタにデータを送る場合、図2Aにおいて、まず、ICカード側で、伝送するデータ(ICカードを識別する情報、等)中の1ビット(このビットは、当然例えば、「0」か「1」かの値を持つ)が演算器31に入力される。また、送信側(ICカード)と受信側(ICカードリーダ・ライタ)とで予め定められた共通の(1つの)平衡系列c(この例では、c=(1,−1,1,−1))の各成分に対して、「1」→「0」、「−1」→「1」のマッピングを行って得られる系列r=(0,1,0,1)も演算器31に入力される。
【0031】
図4は、平衡系列cを基に、演算器31に入力する系列rを出力するユニット(平衡系列変換部)を示す図である。図において、例えば、cm,T−1、cm,T−2、・・・、cm,1、cm,0は、平衡系列cの各成分を示し、「1」か「−1」のいずれかの値を持つ。なお、cはm番目の平衡系列を示す。
【0032】
図4に示すように、ユニット(平衡系列変換部)38は、平衡系列cの各ビットを並列に入力して、「1」→「0」、「−1」→「1」とするマッピングを行い、各成分が「0」または「1」のいずれかである系列rを出力する。
【0033】
図2Aの演算器31は、ビット情報b(「0」か「1」かのいずれかの値)と、系列rとの排他的論理和をとる演算器である。
図5は、図2Aの変調回路および図3の復調回路の各位置での波形を示す図である。図5の左側1ビット幅の波形は、図2Aの演算器31に入力されたビットの値が「0」である場合の波形を、その波形に対応する各部の波形とともに示し、また、図5の右側1ビット幅の波形は、図2Aの演算器31に入力されたビットの値が「1」である場合の波形を、その波形に対応する各部の波形とともに示している。
【0034】
図5において、波形1は、伝送されるデータの各ビットの値を持つ。図に示すように、伝送されるデータの各ビットのパルス幅は、そのビットと演算器31において演算される系列rの各成分のパルス幅の和に一致する。
【0035】
波形2は、演算器31の出力する波形である。
ICカード10が発する反磁界中の負荷の変動は、第2のコイル21を介してICカードリーダ・ライタ20に、振幅変調されたデータ(搬送波の電流もしくは電圧の変動、図5の波形3)として受信される。波形3では、波形2の値が「0」に対応する部分では、振幅が元の振幅のままであるのに対し、波形2の値が「1」に対応する部分では、その元の振幅から一定の割合で減少した振幅を持っている。
【0036】
波形3が、図3の複数のダイオード41によって整流されて波形4が得られる。
この波形4(整流回路の出力)は、図3の乗算器42において、平衡系列c(変調側で使用したものと同じもの)と乗算されて、波形5が得られる。
【0037】
搬送波の振幅Aに対し、送信(変調)側の拡散処理時の負荷(系列r、図5の例では、r=(0,1,0,1))が受信(復調)側に割合Pで伝達するものとする。
この場合、図5の波形4に示すように、振幅Aに対し、負荷P・(r XOR bがかかった振幅列A−P・(rXOR b)(「XOR」は排他的論理和を示す)を受信側は受信するが、この振幅列と平衡系列c’(c’とcはいずれもT個の成分を持つとともに、その長さもともにTである)との内積をとると以下のようになる。
【0038】
【数4】

【0039】
ICカード10側とICカードリーダ・ライタ20側で、同じ平衡系列を使用する場合、cとc’が一致するので、上式の右辺のRcc’の値がTとなる。よって、ビット情報b=0の場合は、上式の計算結果はPT/2となり、ビット情報b=1の場合は、上式の計算結果は(−PT/2)となる。
【0040】
図3の積分器43は、波形5(乗算器42の出力)を積分する。
図5の左側の波形5、すなわち、伝送するデータ中のビットの値が「0」の場合に対応する波形5を積分すると、図からも明らかなように、正の値が得られる。また、図5の右側の波形5、すなわち、伝送するデータ中のビットの値が「1」の場合に対応する波形5を積分すると、図からも明らかなように、負の値が得られる。すなわち、積分器43の出力が正である場合に、判定部44は、判定(復調)結果として「0」を出力し、積分器43の出力が負である場合に、判定部44は、判定(復調)結果として「1」を出力する。
【0041】
このように、第1実施形態においては、ICカード10側では、伝送するデータの各ビットを平衡系列を用いて拡散している。そして、ICカードリーダ・ライタ20側では、ICカード10側で使用した平衡系列と受信した信号とを乗算器において乗算している。これにより、振幅変調を用いる通信において、例えば、搬送波の振幅Aが、信号分に対して非常に大きい場合や、緩やかに大きく変動する場合であっても、受信する信号中の直流分(平均振幅A)の寄与をゼロにできるので、平均振幅値を計算・追従する必要がなく、データの復調を簡素な構成で高精度に行うことができる。
【0042】
続いて、第2実施形態について説明する。
以上に説明した第1実施形態では、ICカード10と、ICカードリーダ・ライタ20とで共通の平衡系列を用いて変調(拡散)・復調を行った。言い換えると、第1実施形態では、ICカード10側で、伝送するデータのすべてのビットについて同じ平衡系列を用いて拡散処理を行っていた。本第2実施形態では、ICカード10側で、伝送するデータのそれぞれのビットについて互いに異なるとともに、互いに直交する複数の平衡系列を用いて拡散処理を並列に実行する。
【0043】
このように、第2実施形態では、伝送するデータのそれぞれのビットを並列に処理しているので、振幅変調を用いる通信において、高速にデータを伝送することができる。
なお、本実施形態では、ICカードおよびICカードリーダ・ライタは、ビット位置とそのビット位置でのデータの変調(拡散)および復調に使用する平衡系列を対応付けたビット位置・平衡系列記憶部(不図示)として共通のものを保持している。
【0044】
すなわち、添字mを最もMSB(Most Significant Bit)側のビット、添字m−1を最もMSB側のビットより1つだけLSB(Least Significant Bit)側のビット、・・・、添字1を最もLSB側のビットより1つだけMSB側のビット、添字0を最もLSB側のビット、を示すものとしたとき、この記憶部においては、それぞれのビット位置m、m−1、・・・、1、0に、平衡系列c、cm−1、・・・、c、cが対応付けられている。
【0045】
図6Aは、本発明の第2実施形態のICカード(第1の送受信ユニット)内の変調回路の構成(その1)を示すブロック図であり、図7は、本発明の第2実施形態のICカードリーダ・ライタ(第2の送受信ユニット)内の復調回路の構成を示すブロック図である。
【0046】
図6AのICカード内に設けられる変調回路70は、伝送するデータのそれぞれのビットb、bm−1、・・・、b、bと、平衡系列c、cm−1、・・・、c、cを基に得られる系列である系列r、rm−1、・・・、r、rとの排他的論理和をとる演算器72、72m−1、・・・、72、72、各演算器の出力を合成する合成処理部73、合成処理部73の出力に対して負荷を切り替える負荷変動部74、を備える。なお、第1実施形態で述べたように、それぞれの演算器の構成として、排他的論理和をとる以外の構成も可能である。例えば、図6Bに示すように、伝送するデータのそれぞれのビットb、bm−1、・・・、b、bを、第1変換部75、75m−1、・・・、75、75を介して、平衡系列がとりうる値(「1」または「−1」)に変換した値(変換値)と、平衡系列c、cm−1、・・・、c、cとの乗算器76、76m−1、・・・、76、76による積は、「−1」または「1」の値を持つ。この積を第2変換部77、77m−1、・・・、77、77を介して、伝送するデータの各ビットがとりうる値(「0」または「1」)に変換することで、図6Aの場合と、同様の入力を合成処理部73は受け取ることができる。
【0047】
ICカードの負荷変動部74による負荷の変動は、ICカードリーダ・ライタ側で、搬送波の電流もしくは電圧の振幅変動として検出され入力される。
図7のICカードリーダ・ライタ内に設けられる復調回路80は、複数のダイオード81から構成されるとともに、入力された搬送波を整流する整流回路、整流回路の出力sと平衡系列c、cm−1、・・・、c、cとをそれぞれ乗算する乗算器82、82m−1、・・・、82、82、それぞれの乗算器の出力を積分する積分器83、83m−1、・・・、83、83、それぞれの積分器の出力の符号(それぞれの積分器の出力が正か負か)を判定し、対応する積分器の出力が正である場合に判定(復調)結果として「0」を出力し、対応する積分器の出力が負である場合に判定(復調)結果として「1」を出力する判定部84、84m−1、・・・、84、84、それぞれの判定部の出力を基に、データを再生するデータ再生部85、を備える。
【0048】
図6Aおよび図7の回路の動作を、以下に説明する。
ICカード側で、通信相手のICカードリーダ・ライタにデータを送る場合、図6Aにおいて、まず、ICカード側で、伝送するデータ(ICカードを識別する情報、等)のそれぞれのビット(このビットは、当然例えば、「0」か「1」かの値を持つ)がビット抽出部71を介して並列に出力されて、演算器72、72m−1、・・・、72、72に並列に入力される。また、それぞれのビット位置に対して予め定められた平衡系列c(m≧i≧0)に基づいて得られる系列r(m≧i≧0)も演算器72、72m−1、・・・、72、72に入力される。
【0049】
図8は、ビット位置ごとの平衡系列c、cm−1、・・・、c、cを基に、図6Aのそれぞれの演算器に入力する系列r、rm−1、・・・、r、rを出力するそれぞれのユニット(平衡系列変換部)を示す図である。図において、例えば、cm,T−1、cm,T−2、・・・、cm,1、cm,0は、平衡系列cの各成分を示し、「1」か「−1」のいずれかの値を持つ。
【0050】
図8に示すように、それぞれのユニット(平衡系列変換部)79、79m−1、・・・、79、79は、対応する平衡系列c、cm−1、・・・、c、cの各ビットを並列に入力して、「1」→「0」、「−1」→「1」とするマッピングを行い、各成分が「0」または「1」のいずれかである系列r、rm−1、・・・、r、rを出力する。
【0051】
図6Aのそれぞれの演算器は、ビット情報b(「0」か「1」かのいずれかの値、m≧i≧0)と、系列r(m≧i≧0)との排他的論理和をとる演算器である。合成処理部73では、信号列の対応する成分同士を加算して、合成結果の信号列を得る。負荷変動部74では、合成結果の信号列の大きさに比例した負荷をかける。
【0052】
ICカード10が発する反磁界中の負荷の変動は、第2のコイル21を介してICカードリーダ・ライタ20に、振幅変調されたデータ(搬送波の電流もしくは電圧の振幅変動)として受信される。
【0053】
受信されたデータは、必要に応じて同期検波された後に、図7の複数のダイオード81から構成される整流回路によって整流される。
整流回路の出力は、図7の乗算器82、82m−1、・・・、82、82、において、平衡系列c、cm−1、・・・、c、c(変調側で使用したものと同じもの)と乗算される。
【0054】
搬送波の振幅Aに対し、送信(変調)側の拡散処理時の負荷(系列r)が受信(復調)側に割合Pで伝達するものとする。
この場合、搬送波の振幅Aに対し、負荷P・(r XOR b)(m≧i≧0)がかかった振幅列A−P・(r XOR b)−・・・−P・(r XOR b)(「XOR」は排他的論理和を示す)を受信側は受信するが、この振幅列と平衡系列c(cとc(m≧i、k≧0)はいずれもT個の成分を持つとともに、その長さもいずれもTである)との内積をとると以下のようになる。
【0055】
【数5】

【0056】
ICカード10側とICカードリーダ・ライタ20側では、同じビット位置では、同じ平衡系列を使用するとともに、異なるビット位置の平衡系列同士は互いに直交しているので、平衡系列cがcと一致する位置、すなわち、k=iの位置では、上式のRci,ckの値はTになり、それ以外の位置では、上式のRci,ckの値はゼロになる。これにより、上式の計算結果PT(−1)bk/2が得られる。
【0057】
すなわち、ビット情報b=0の場合は、上式の計算結果はPT/2、ビット情報b=1の場合は、上式の計算結果は(−PT/2)となる。
図7の積分器83、83m−1、・・・、83、83は、対応する乗算器82、82m−1、・・・、82、82の出力を積分する。
【0058】
積分器83、83m−1、・・・、83、83の出力が正である場合に、対応する判定部84、84m−1、・・・、84、84は、判定(復調)結果として「0」を出力し、積分器83、83m−1、・・・、83、83の出力が負である場合に、対応する判定部84、84m−1、・・・、84、84は、判定(復調)結果として「1」を出力する。
【0059】
以上の説明では、第1実施形態においては、ICカードと、ICカードリーダ・ライタとで共通の平衡系列を使用していた。しかし、例えば、ハンディタイプのICカードリーダ・ライタが隣接して複数設置される場合には、すべてのICカードリーダ・ライタで同じ平衡系列を使用した場合、ICカードリーダ・ライタ側で、隣接する他のICカードリーダ・ライタが復調すべき信号、すなわち、本来復調すべきでない信号を復調してしまうという問題が生じる可能性がある。
【0060】
これを避けるには、ICカードリーダ・ライタごとに、互いに異なる、かつ、互いに直交する平衡系列を使用するようにすればよい。
この場合、ICカードは、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を記憶する平衡系列記憶部をさらに備え、そのICカードは、ICカードリーダ・ライタから受信したデータ中の平衡系列を識別する情報を基に、その平衡系列記憶部に格納される複数の平衡系列の中から、その受信したデータの符号化時に使用した平衡系列と同一の平衡系列を出力して変調(拡散)処理時に使用する。
【0061】
また、以上の説明では、第2実施形態等に複数の平衡系列を使用する場合があったが、複数の平衡系列を生成する方法を以下に説明する。
第1の方法(シルベスタ型アダマール符号)は、下記式により再帰的に定義される。
【0062】
【数6】

【0063】
例えば、上記Hの場合、第1行を除く残りの3行の各行から長さが4で、互いに直交する3つの平衡系列の組(平衡符号)が得られる。
第2の方法(M系列型アダマール符号)は、周期2−1のM系列h=(h,h,・・・,h−2)に対して以下のように構成される行列の第1行を除いた各行により得られる。
【0064】
【数7】

【0065】
例えば、Hの場合、第1行を除く残りの7行から長さが8で、互いに直交する7つの平衡系列の組(平衡符号)が得られる。
なお、M系列とは、n段のシフトレジスタから2−1周期で発生される{0,1}の時系列のことであり、その生成方法については例えば下記非特許文献1に示されている。
【非特許文献1】http://shika.aist-nara.ac.jp/member/takesh-n/cdma/mseq-gene.html そして、上記M系列型アダマール符号とは、長さTのM系列h=(h0,h1,・・・,hT−1)に対し、各成分の値を「0」→「1」、「1」→「−1」にマッピングして得たものである。
【0066】
第1の実施形態や第2の実施形態において、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を使用する場合には、上述したように、それら平衡系列を記憶部に格納してもよいし、以下に述べるように、与えるパラメータを変更させることで、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を発生させる平衡系列発生関数を起動して、それら平衡系列を発生させるようにしてもよい。
【0067】
伝送するデータ中の1ビットを、系列長T=2で拡散処理する場合、シルベスタ型アダマール符号は、(−1)f(y,x)で表される。ここで、f(y,x)は、次式で表される。
【0068】
【数8】

【0069】
上式中で、y、y、・・・、x、x、・・・は、整数yおよびxを2進数展開した場合の各桁の値である。すなわち、整数yおよびxは、y、y、・・・、x、x、・・・を用いて、以下のように表される。
【0070】
【数9】

【0071】
なお、シルベスタ型アダマール符号において、整数y=0の場合を除いた符号は、「0」または「1」の値を持つため、「0」→「1」、「1」→「−1」の変換を行うことで、平衡系列にマッピングできる。すなわち、上式において、整数yは、「0」より大きい整数である。
【0072】
図9は、系列長8=2の場合のシルベスタ型アダマール符号発生回路(平衡系列発生回路)を示した図である。
図9に示す平衡系列発生回路90は、8(=2)個の成分を持つ平衡系列を7(=2−1)個発生させることができる。パラメータyを1〜7の範囲で変化させるときに、パラメータyのそれぞれの値に対して、系列長が8の平衡系列にマッピングしうる信号列を発生させる。
【0073】
図9の平衡系列発生回路90の動作を以下に説明する。
まず、パラメータyを2進数表示した場合の各桁の値(y、y、y)がある時刻に遅延器91,91,91にラッチされる。
【0074】
このとき、遅延器92,92,92にラッチされる(x、x、x)の値が、(0、0、0)→(1、0、0)→(0、1、0)→(1、1、0)→(0、0、1)→(1、0、1)→(0、1、1)→(1、1、1)の順に変化する。
【0075】
ANDゲート93、93、93は、2入力ANDゲートであり、それぞれの時刻に遅延器92、92、92にラッチされるx、x、xの値と、遅延器91,91,91にラッチされるy、y、yの値とを入力して、それらのANDをとり、後段の演算器95に出力する。演算器95は、ANDゲート93、93、93からの3つの出力を入力し、それらに対して、排他的論理和をとって出力する。
【0076】
すなわち、y=1(y=1、y=y=0)に対しては、f(y,x)=x=xとなり、信号列r=(0,1,0,1,0,1,0,1)を平衡系列発生回路90は出力する。
【0077】
y=2(y=0、y=1、y=0)に対しては、f(y,x)=x=xとなり、信号列r=(0,0,1,1,0,0,1,1)を平衡系列発生回路90は出力する。
【0078】
y=3(y=1、y=1、y=0)に対しては、f(y,x)=x.XOR.x=x.XOR.xとなり、信号列r=(0,1,1,0,0,1,1,0)を平衡系列発生回路90は出力する。
【0079】
y=4(y=y=0、y=1)に対しては、f(y,x)=x=xとなり、信号列r=(0,0,0,0,1,1,1,1)を平衡系列発生回路90は出力する。
【0080】
y=5(y=1、y=0、y=1)に対しては、f(y,x)=x.XOR.x=x.XOR.xとなり、信号列r=(0,1,0,1,1,0,1,0)を平衡系列発生回路90は出力する。
【0081】
y=6(y=0、y=y=1)に対しては、f(y,x)=x.XOR.x=x.XOR.xとなり、信号列r=(0,0,1,1,1,1,0,0)を平衡系列発生回路90は出力する。
【0082】
y=7(y=y=y=1)に対しては、f(y,x)=x.XOR.x.XOR.x=x.XOR.x.XOR.xとなり、信号列r=(0,1,1,0,1,0,0,1)を平衡系列発生回路90は出力する。
【0083】
このようにして、図10に示すように、平衡系列にマッピングし得る7個の信号列が図9の平衡系列発生回路を介して得られる。
第1実施形態において、ICカードおよびICカードリーダ・ライタの双方で、1つの平衡系列しか使用しない場合は、図9の平衡系列発生回路にパラメータyの値として固定値を与えるようにすればよい。
【0084】
また、第1実施形態の変形例として、ハンディタイプのICカードリーダ・ライタが隣接して複数設置される場合は、ICカードリーダ・ライタごとの許容するパラメータyの値(またはその値の範囲)を互いに重複することがないように設定する。このようにすれば、自身が担当する以外のICカードからのデータは、ICカードリーダ・ライタ側では無影響となるので、干渉が発生することがなくなる。
【0085】
図9の平衡系列発生回路がICカードおよびICカードリーダ・ライタに内蔵されているものとして、第2実施形態のICカードシステムの動作を、以下の2つの場合について説明する。
1.ICカードからICカードリーダ・ライタに4ビットのデータ、例えば、「1011」が送信される場合。
2.ICカードからICカードリーダ・ライタに24ビットのデータが送信される場合。
【0086】
まず、上記1.の場合、ICカード側と、ICカードリーダ・ライタ側とで、それぞれのビット位置に、平衡系列にマッピングしうる信号列のうちのどれを使うのかを予め決めておく必要がある。ここでは、上述の信号列rを1ビット目、信号列rを2ビット目、信号列rを3ビット目、信号列rを4ビット目に使用するものとする。
【0087】
「1011」を伝送するデータと仮定する。この場合、1ビット目は「1」、2ビット目は「0」、3ビット目は「1」、4ビット目は「1」である。
図6Aのそれぞれの演算器が行う演算は、以下のようになる。
【0088】
すなわち、1ビット目に対しては、「1」とr=(0,1,0,1,0,1,0,1)との排他的論理和がとられて、その結果として信号列r’=(1,0,1,0,1,0,1,0)が得られる。
【0089】
2ビット目に対しては、「0」とr=(0,0,1,1,0,0,1,1)との排他的論理和がとられて、その結果として信号列r’=(0,0,1,1,0,0,1,1)が得られる。
【0090】
3ビット目に対しては、「1」とr=(0,1,1,0,0,1,1,0)との排他的論理和がとられて、その結果として信号列r’=(1,0,0,1,1,0,0,1)が得られる。
【0091】
4ビット目に対しては、「1」とr=(0,0,0,0,1,1,1,1)との排他的論理和がとられて、その結果として信号列r’=(1,1,1,1,0,0,0,0)が得られる。
【0092】
続いて、図6Aの合成処理部73で、信号列r’〜r’の対応する成分同士が加算されることで、合成結果の信号列r=(3,1,3,3,2,0,2,2)が得られる。
図6Aの負荷変動部74による負荷の切替の結果として、ICカードリーダ・ライタ側には、合成結果の信号列のそれぞれの成分の大きさに比例して振幅が元の振幅より減少されたデータ(振幅変調されたデータ)が受信される。
【0093】
元の振幅を「100」とし、合成結果の信号列中の「1」の大きさの成分に対して、振幅「100」を「1」だけ減算するような割合でデータが受信される場合を考える。この場合、上述の合成結果の信号列は、信号列r’=(97、99、97、97、98、100、98、98)としてICカードリーダ・ライタ側に受信されることになる。
【0094】
この信号列r’と、それぞれのビット位置に対応する平衡系列とが、図7のそれぞれの乗算器において乗算される(それらの内積がとられる)。
すなわち、信号列r=(0,1,0,1,0,1,0,1)に対して、「0」→「1」、「1」→「−1」のマッピングを行うことで、信号列r=に対応する平衡系列c=(1,−1,1,−1,1,−1,1,−1)が得られ、その平衡系列cと、信号列r’=(97、99、97、97、98、100、98、98)との内積をとると、
97−99+97−97+98−100+98−98=−4
となり、「−4<0」であることから、図7の対応する判定部において、「1」を復号結果として得る。
【0095】
残りのビットに対しても同様にして復号される。例えば、2番目のビットについては、信号列r=(0,0,1,1,0,0,1,1)に対して、「0」→「1」、「1」→「−1」のマッピングを行うことで、信号列r=に対応する平衡系列c=(1,1,−1,−1,1,1,−1,−1)が得られ、その平衡系列cと、信号列r’=(97、99、97、97、98、100、98、98)との内積をとると、
97+99−97−97+98+100−98−98=4
となり、「4>0」であることから、図7の対応する判定部において、「0」を復号結果として得る。
【0096】
以上は、第2実施形態において、図6Aの変調回路を用いて変調を実施する場合の説明であった。第2実施形態において、図6Bの変調回路を用いる場合の変更部分を以下に説明する。
【0097】
この場合、伝送するデータ「1011」の1ビット目に対しては、そのビットの値「1」が第1変換部を介して「−1」に変換され、その「−1」と、c=(1,−1,1,−1,1,−1,1,−1)とが乗算器において乗算される。乗算結果の信号列c’=(−1,1,−1,1,−1,1,−1,1)は、第2変換部を介して、信号列r’=(1,0,1,0,1,0,1,0)に変換され、図6Aの構成の場合と同じ信号列を合成処理部73は受け取ることになる。伝送するデータの2ビット目以降も同様である。
【0098】
以上で、4ビットのデータを転送する場合の説明を終わる。
第2実施形態において、ICカードからICカードリーダ・ライタに24ビットのデータを送信する場合について説明する。例えば、データの転送を複数回に分けて行うようにすれば、図9の回路を用いて、7ビットより長いデータをICカードからICカードリーダ・ライタに送ることもできる。
【0099】
例えば、24ビットのデータをICカードからICカードリーダ・ライタに送る場合、図9の回路によって生成される7個の信号列をすべて使用するようにし、そのうちの6個の信号列を伝送するデータのそれぞれのビットを拡散するために使用し、残りの1個の信号列を制御用のビットを拡散するために使用するようにし、4回に分けてデータを送るようにすればよい。
【0100】
本発明は下記構成でもよい。
(付記1) 第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、
前記第1の送受信ユニットは、
各成分の総和がゼロになる平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した信号列を出力する平衡系列出力部と、
出力された各成分が変換値である信号列と、前記伝送するデータ信号列の各ビットとを演算する拡散処理部と、
演算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記第2の送受信ユニットは、
前記第1の送受信ユニットから受信したデータの各ビットに対して、符号化時に使用された平衡系列と同一の平衡系列を乗算するミキサと、
前記ミキサの出力を積分する積分器と、
積分結果の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを復調結果として出力する判定部、を有することを特徴とするデータ送受信システム。
(付記2) 第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、
前記第1の送受信ユニットは、
各成分の総和がゼロになる平衡系列を出力する平衡系列出力部と、
出力された平衡系列と、伝送するデータの各ビットを、平衡系列の各成分がとりうる値に変換した各変換値とを演算する拡散処理部と、
前記演算結果の信号列の各成分を、前記伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換する変換部と、
変換結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記第2の送受信ユニットは、
前記第1の送受信ユニットから受信したデータの各ビットに対して、符号化時に使用された平衡系列と同一の平衡系列を乗算するミキサと、
前記ミキサの出力を積分する積分器と、
積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを復調結果として出力する判定部、を有する、ことを特徴とするデータ送受信システム。
(付記3) 前記第1の送受信ユニットは、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、ビットがとりうる値に変換した複数の信号列を記憶する平衡系列記憶部をさらに備え、
前記第1の送受信ユニットの平衡系列出力部は、前記平衡系列記憶部に格納されている複数の信号列の中から、前記第2の送受信ユニットで使用する平衡系列に対応する信号列を出力することを特徴とする付記1または2記載のデータ送受信システム。
(付記4) 前記第1の送受信ユニットは、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、ビットがとりうる値に変換した複数の信号列を発生させる平衡系列発生部をさらに備え、
前記第1の送受信ユニットの平衡系列出力部は、前記平衡系列発生部を起動して、前記第2の送受信ユニットで使用する平衡系列に対応する信号列を出力することを特徴とする付記1または2記載のデータ送受信システム。
(付記5) 前記第2の送受信ユニットは、搬送波を発生させる搬送波発生回路と、発生した搬送波を基に、磁界を発生させるアンテナ部をさらに備え、
前記第1の送受信ユニットは、前記磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部をさらに備え、
前記変調処理部は、前記拡散処理部から出力された演算結果の信号列の各成分の値に応じて、自身の内部の負荷を変動させ、
前記第2の送受信ユニットは、前記負荷の変動を前記反磁界を介して搬送波の変動として検出することを特徴とする付記1または2記載のデータ送受信システム。
(付記6) 前記第2の送受信ユニットは、搬送波を発生させる搬送波発生回路と、発生した搬送波を基に、磁界を発生させるアンテナ部をさらに備え、
前記第1の送受信ユニットは、前記磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部をさらに備え、
前記変調処理部は、前記拡散処理部から出力された演算結果の信号列の各成分の値に応じて、自身の内部の負荷を変動させ、
前記第2の送受信ユニットは、前記負荷の変動を前記反磁界を介して搬送波の変動として検出することを特徴とする付記5記載のデータ送受信システム。
(付記7) 第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、
前記第1の送受信ユニットは、
伝送するデータ中のそれぞれのビットと、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した複数の信号列のうちで、そのビットに対応した信号列とを演算する拡散処理部と、
伝送するデータのビットごとに得られる演算結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を備え、
前記第2の送受信ユニットは、
前記第1の送受信ユニットから受信したデータに対して、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列のうちで、受信したデータの符号化時に使用された複数の平衡系列をそれぞれ乗算することで、受信したデータの各ビットに対応する乗算結果を出力する複数のミキサと、
前記複数のミキサの出力をそれぞれ積分する複数の積分器と、
前記複数の積分器による積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを、対応するビット位置の復調結果として出力する判定部と、
復調された各ビットの値と、対応するビット位置を基に、受信したデータを再生するデータ再生部、を備えることを特徴とするデータ送受信システム。
(付記8) 前記第2の送受信ユニットは、搬送波を発生させる搬送波発生回路と、発生した搬送波を基に、磁界を発生させるアンテナ部をさらに備え、
前記第1の送受信ユニットは、前記磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部をさらに備え、
前記変調処理部は、前記合成処理部から出力された加算結果の信号列の各成分の値に応じて、自身の内部の負荷を変動させ、
前記第2の送受信ユニットは、前記負荷の変動を前記反磁界を介して搬送波の変動として検出することを特徴とする付記7記載のデータ送受信システム。
(付記9) 第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、
前記第1の送受信ユニットは、
伝送するデータのビット位置と、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した複数の信号列とを対応付けて記憶する第1ビット位置平衡系列記憶部と、
前記伝送するデータ中のそれぞれのビットと、前記第1ビット位置平衡系列記憶部に格納される複数の信号列のうちで、そのビットに対応した信号列とを演算する拡散処理部と、
伝送するデータのビットごとに得られる演算結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記第2の送受信ユニットは、
受信するデータのビット位置と、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列とを対応付けて記憶する第2ビット位置平衡系列記憶部と、
前記第1の送受信ユニットから受信したデータに対して、前記第2ビット位置平衡系列記憶部に格納される複数の平衡系列のうちで、受信したデータの符号化時に使用された複数の平衡系列をそれぞれ乗算することで、受信したデータの各ビットに対応する乗算結果を出力する複数のミキサと、
前記複数のミキサの出力をそれぞれ積分する複数の積分器と、
前記複数の積分器による積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを、対応するビット位置の復調結果として出力する判定部と、
復調された各ビットの値と、対応するビット位置を基に、受信したデータを再生するデータ再生部、を有することを特徴とするデータ送受信システム。
(付記10) 第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、
前記第1の送受信ユニットは、
与えるパラメータを変化させることで、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した複数の信号列を発生させる第1平衡系列発生部と、
前記伝送するデータ中のそれぞれのビットと、そのビットの位置に対応するパラメータを基に前記平衡系列発生部が発生した信号列とを演算する拡散処理部と、
伝送するデータのビットごとに得られる演算結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記第2の送受信ユニットは、
前記第1の送受信ユニットと同一のパラメータを与えることで、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を発生させる第2平衡系列発生部と、
前記第1の送受信ユニットから受信したデータに対して、前記第2平衡系列発生部によって発生された、その受信したデータの符号化時に使用された複数の平衡系列をそれぞれ乗算することで、受信したデータの各ビットに対応する乗算結果を出力する複数のミキサと、
前記複数のミキサの出力をそれぞれ積分する複数の積分器と、
前記複数の積分器による積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを、対応するビット位置の復調結果として出力する判定部と、
復調された各ビットの値と、対応するビット位置を基に、受信したデータを再生するデータ再生部、を有することを特徴とするデータ送受信システム。
(付記11) 第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、
前記第1の送受信ユニットは、
伝送するデータ中の各ビットを、平衡系列の各成分がとりうる値にそれぞれ変換する第1変換部と、
前記各変換値と、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列のうちで、その変換値のビット位置に対応する平衡系列とを演算する拡散処理部と、
演算結果の信号列の各成分を、前記伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換する第2変換部と、
伝送するデータのビットごとに得られる第2変換部による変換結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を備え、
前記第2の送受信ユニットは、
前記第1の送受信ユニットから受信したデータに対して、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列のうちで、その受信したデータの符号化時に使用された複数の平衡系列をそれぞれ乗算することで、受信したデータの各ビットに対応する乗算結果を出力する複数のミキサと、
前記複数のミキサの出力をそれぞれ積分する複数の積分器と、
前記複数の積分器による積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを、対応するビット位置の復調結果として出力する判定部と、
復調された各ビットの値と、対応するビット位置を基に、受信したデータを再生するデータ再生部、を備えることを特徴とするデータ送受信システム。
(付記12) 前記第2の送受信ユニットは、搬送波を発生させる搬送波発生回路と、発生した搬送波を基に、磁界を発生させるアンテナ部をさらに備え、
前記第1の送受信ユニットは、前記磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部をさらに備え、
前記変調処理部は、前記合成処理部から出力された加算結果の信号列の各成分の値に応じて、自身の内部の負荷を変動させ、
前記第2の送受信ユニットは、前記負荷の変動を前記反磁界を介して搬送波の変動として検出することを特徴とする付記11記載のデータ送受信システム。
(付記13) 第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、
前記第1の送受信ユニットは、
伝送するデータのビット位置と、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列とを対応付けて記憶する第1ビット位置平衡系列記憶部と、
伝送するデータ中の各ビットを、平衡系列の各成分がとりうる値にそれぞれ変換する第1変換部と、
前記各変換値と、前記第1ビット位置平衡系列記憶部に格納される複数の平衡系列のうちで、その変換値のビット位置に対応する平衡系列とを演算する拡散処理部と、
演算結果の信号列の各成分を、前記伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換する第2変換部と、
伝送するデータのビットごとに得られる第2変換部による変換結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記第2の送受信ユニットは、
伝送するデータのビット位置と、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列とを対応付けて記憶する第2ビット位置平衡系列記憶部と、
前記第1の送受信ユニットから受信したデータに対して、前記第2ビット位置平衡系列記憶部に格納される複数の平衡系列のうちで、その受信したデータの符号化時に使用された複数の平衡系列をそれぞれ乗算することで、受信したデータの各ビットに対応する乗算結果を出力する複数のミキサと、
前記複数のミキサの出力をそれぞれ積分する複数の積分器と、
前記複数の積分器による積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを、対応するビット位置の復調結果として出力する判定部と、
復調された各ビットの値と、対応するビット位置を基に、受信したデータを再生するデータ再生部、を有することを特徴とするデータ送受信システム。
(付記14) 第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、
前記第1の送受信ユニットは、
与えるパラメータを変化させることで、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を発生させる第1平衡系列発生部と、
伝送するデータ中の各ビットを、平衡系列の各成分がとりうる値にそれぞれ変換する第1変換部と、
前記各変換値と、その変換値のビット位置に対応するパラメータを用いて前記第1平衡系列発生部により得られた平衡系列とを演算する拡散処理部と、
前記演算結果の信号列の各成分を、前記伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換する第2変換部と、
伝送するデータのビットごとに得られる第2変換部による変換結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記第2の送受信ユニットは、
与えるパラメータを変化させることで、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を発生させる第2平衡系列発生部と、
前記第1の送受信ユニットから受信したデータに対して、前記第2平衡系列発生部によって発生された、その受信したデータの符号化時に使用された複数の平衡系列をそれぞれ乗算することで、受信したデータの各ビットに対応する乗算結果を出力する複数のミキサと、
前記複数のミキサの出力をそれぞれ積分する複数の積分器と、
前記複数の積分器による積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを、対応するビット位置の復調結果として出力する判定部と、
復調された各ビットの値と、対応するビット位置を基に、受信したデータを再生するデータ再生部、を有することを特徴とするデータ送受信システム。
(付記15) 磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部を備えたデータ送受信ユニットにおいて、
各成分の総和がゼロになる平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した信号列を出力する平衡系列出力部と、
出力された各成分が変換値である信号列と、前記伝送するデータの各ビットとを演算する拡散処理部と、
演算結果の信号列が示す割合を基に、自身の内部の負荷を変動させて、搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記変調処理されたデータは、前記アンテナ部を介して送信されることを特徴とするデータ送受信ユニット。
(付記16) 磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部を備えたデータ送受信ユニットにおいて、
各成分の総和がゼロになる平衡系列を出力する平衡系列出力部と、
出力された平衡系列と、伝送するデータの各ビットを、平衡系列の各成分がとりうる値に変換した各変換値とを演算する拡散処理部と、
前記演算結果の信号列の各成分を、前記伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換する変換部と、
変換結果の信号列が示す割合を基に、自身の内部の負荷を変動させて、搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記変調処理されたデータは、前記アンテナ部を介して送信されることを特徴とするデータ送受信ユニット。
(付記17) 磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部を備えたデータ送受信ユニットにおいて、
伝送するデータ中のそれぞれのビットと、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した複数の信号列のうちで、そのビットに対応した信号列とを演算する拡散処理部と、
伝送するデータのビットごとに得られる演算結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算合成結果の信号列が示す割合を基に、自身の内部の負荷を変動させて、搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記変調処理されたデータは、前記アンテナ部を介して送信されることを特徴とするデータ送受信ユニット。
(付記18) 磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部を備えたデータ送受信ユニットにおいて、
伝送するデータのビット位置と、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した複数の信号列とを対応付けて記憶する第1ビット位置平衡系列記憶部と、
前記伝送するデータ中のそれぞれのビットと、前記第1ビット位置平衡系列記憶部に格納される複数の信号列のうちで、そのビットに対応する信号列とを演算する拡散処理部と、
伝送するデータのビットごとに得られる演算結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算合成結果の信号列が示す割合を基に、自身の内部の負荷を変動させて、搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記変調処理されたデータは、前記アンテナ部を介して送信されることを特徴とするデータ送受信ユニット。
(付記19) 磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部を備えたデータ送受信ユニットにおいて、
与えるパラメータを変化させることで、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した複数の信号列を発生させる第1平衡系列発生部と、
前記伝送するデータ中のそれぞれのビットと、そのビットの位置に対応するパラメータを基に前記平衡系列発生部が発生した信号列とを演算する拡散処理部と、
伝送するデータのビットごとに得られる演算結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算結果の信号列が示す割合を基に、自身の内部の負荷を変動させて、搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記変調処理されたデータは、前記アンテナ部を介して送信されることを特徴とするデータ送受信ユニット。
(付記20) 磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部を備えたデータ送受信ユニットにおいて、
伝送するデータ中の各ビットを、平衡系列の各成分がとりうる値にそれぞれ変換する第1変換部と、
前記各変換値と、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列のうちで、その変換値のビット位置に対応する平衡系列とを演算する拡散処理部と、
演算結果の信号列の各成分を、前記伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換する第2変換部と、
伝送するデータのビットごとに得られる第2変換部による変換結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算結果の信号列が示す割合を基に、自身の内部の負荷を変動させて、搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記変調処理されたデータは、前記アンテナ部を介して送信されることを特徴とするデータ送受信ユニット。
(付記21) 磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部を備えたデータ送受信ユニットにおいて、
伝送するデータのビット位置と、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列とを対応付けて記憶する第1ビット位置平衡系列記憶部と、
伝送するデータ中の各ビットを、平衡系列の各成分がとりうる値にそれぞれ変換する第1変換部と、
前記各変換値と、前記第1ビット位置平衡系列記憶部に格納される複数の平衡系列のうちで、その変換値のビット位置に対応する平衡系列とを演算する拡散処理部と、
演算結果の信号列の各成分を、前記伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換する第2変換部と、
伝送するデータのビットごとに得られる第2変換部による変換結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算結果の信号列が示す割合を基に、自身の内部の負荷を変動させて、搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記変調処理されたデータは、前記アンテナ部を介して送信されることを特徴とするデータ送受信ユニット。
(付記22) 磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部を備えたデータ送受信ユニットにおいて、
与えるパラメータを変化させることで、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を発生させる第1平衡系列発生部と、
伝送するデータ中の各ビットを、平衡系列の各成分がとりうる値にそれぞれ変換する第1変換部と、
前記各変換値と、その変換値のビット位置に対応するパラメータを用いて前記第1平衡系列発生部により得られた平衡系列とを演算する拡散処理部と、
前記演算結果の信号列の各成分を、前記伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換する第2変換部と、
伝送するデータのビットごとに得られる第2変換部による変換結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算結果の信号列が示す割合を基に、自身の内部の負荷を変動させて、搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記変調処理されたデータは、前記アンテナ部を介して送信されることを特徴とするデータ送受信ユニット。
(付記23) 第1および第2の送受信ユニットがデータの送受信を行う方法において、
前記第1の送受信ユニットは、
各成分の総和がゼロになる平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した信号列を出力する平衡系列出力ステップと、
出力された各成分が変換値である信号列と、前記伝送するデータ信号列の各ビットとを演算する拡散処理ステップと、
演算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理ステップ、を備え、
前記第2の送受信ユニットは、
ミキサを用いて、前記第1の送受信ユニットから受信したデータの各ビットに対して、符号化時に使用された平衡系列と同一の平衡系列を乗算するステップと、
前記ミキサの出力を積分器により積分するステップと、
積分結果の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを復調結果として出力するステップ、を備えることを特徴とするデータ送受信方法。
(付記24) 前記第1の送受信ユニットは、前記平衡系列出力ステップにおいて、平衡系列記憶部に格納されている、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、ビットがとりうる値に変換した複数の信号列の中から、前記第2の送受信ユニットで使用する平衡系列に対応する信号列を出力することを特徴とする付記23記載のデータ送受信システム。
(付記25) 前記第1の送受信ユニットは、前記平衡系列出力ステップにおいて、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、ビットがとりうる値に変換した複数の信号列を発生させる平衡系列発生部を起動して、前記第2の送受信ユニットで使用する平衡系列に対応する信号列を出力することを特徴とする付記23記載のデータ送受信システム。
(付記26) 前記第2の送受信ユニットは、
搬送波を発生させる搬送波発生ステップと、
第2のアンテナ部を用いて、発生した搬送波を基に、磁界を発生させるステップ、をさらに備え、
前記第1の送受信ユニットは、
第1のアンテナ部を用いて、前記磁界に反応して、反磁界を発生させるステップをさらに備え、
前記変調処理ステップでは、前記拡散処理ステップにおいて出力された演算結果の信号列の各成分の値に応じて、自身の内部の負荷を変動させ、
前記第2の送受信ユニットは、前記負荷の変動を前記反磁界を介して搬送波の変動として検出することを特徴とする付記23記載のデータ送受信方法。
(付記27) 第1および第2の送受信ユニットがデータの送受信を行う方法において、
前記第1の送受信ユニットは、
各成分の総和がゼロになる平衡系列を出力する平衡系列出力ステップと、
出力された平衡系列と、伝送するデータの各ビットを、平衡系列の各成分がとりうる値に変換した各変換値とを演算する拡散処理ステップと、
前記演算結果の信号列の各成分を、前記伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換する変換ステップと、
変換結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理ステップ、を備え、
前記第2の送受信ユニットは、
ミキサを用いて、前記第1の送受信ユニットから受信したデータの各ビットに対して、符号化時に使用された平衡系列と同一の平衡系列を乗算するステップと、
前記ミキサの出力を積分器を用いて積分するステップと、
積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを復調結果として出力するステップ、を備えることを特徴とするデータ送受信方法。
(付記28) 第1および第2の送受信ユニットがデータの送受信を行う方法において、
前記第1の送受信ユニットは、
伝送するデータ中のそれぞれのビットと、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した複数の信号列のうちで、そのビットに対応した信号列とを演算する拡散処理ステップと、
伝送するデータのビットごとに得られる演算結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理ステップと、
加算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理ステップ、を備え、
前記第2の送受信ユニットは、
複数のミキサを用いて、前記第1の送受信ユニットから受信したデータに対して、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列前記のうちで、受信したデータの符号化時に使用された複数の平衡系列をそれぞれ乗算することで、受信したデータの各ビットに対応する乗算結果を出力するステップと、
複数の積分器を用いて、前記複数のミキサの出力をそれぞれ積分するステップと、
前記複数の積分器による積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを、対応するビット位置の復調結果として出力するステップと、
復調された各ビットの値と、対応するビット位置を基に、受信したデータを再生するデータ再生ステップ、を備えることを特徴とするデータ送受信方法。
(付記29) 第1および第2の送受信ユニットがデータの送受信を行う方法において、
前記第1の送受信ユニットは、
伝送するデータ中の各ビットを、平衡系列の各成分がとりうる値にそれぞれ変換する第1変換ステップと、
前記各変換値と、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列のうちで、その変換値のビット位置に対応する平衡系列とを演算する拡散処理ステップと、
前記演算結果の信号列の各成分を、前記伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換する第2変換ステップと、
伝送するデータのビットごとに得られる第2変換ステップによる変換結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理ステップと、
加算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理ステップ、を備え、
前記第2の送受信ユニットは、
複数のミキサを用いて、前記第1の送受信ユニットから受信したデータに対して、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列のうちで、その受信したデータの符号化時に使用された複数の平衡系列をそれぞれ乗算することで、受信したデータの各ビットに対応する乗算結果を出力するステップと、
複数の積分器を用いて、前記複数のミキサの出力をそれぞれ積分するステップと、
前記複数の積分器による積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを、対応するビット位置の復調結果として出力するステップと、
復調された各ビットの値と、対応するビット位置を基に、受信したデータを再生するデータ再生ステップ、を備えることを特徴とするデータ送受信方法。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の各実施形態に共通する非接触型ICカードシステムの構成を示すブロック図である。
【図2A】本発明の第1実施形態のICカード内の変調回路の構成(その1)を示すブロック図である。
【図2B】本発明の第1実施形態のICカード内の変調回路の構成(その2)を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態のICカードリーダ・ライタ内の復調回路の構成を示すブロック図である。
【図4】平衡系列を基に、図2の演算器に入力する系列を出力するユニットを示す図である。
【図5】図2の変調回路および図3の復調回路の回路内部の各位置での波形を示す図である。
【図6A】本発明の第2実施形態のICカード内の変調回路の構成(その1)を示すブロック図である。
【図6B】本発明の第2実施形態のICカード内の変調回路の構成(その2)を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態のICカードリーダ・ライタ内の復調回路の構成を示すブロック図である。
【図8】ビット位置ごとの平衡系列を基に、図6のそれぞれの演算器に入力する系列を出力するユニットを示す図である。
【図9】系列長8=2の場合のシルベスタ型アダマール符号発生回路(平衡系列発生回路)を示した図である。
【図10】図9の平衡系列発生回路によって発生された複数の平衡系列(にマッピングし得る系列)を示した図である。
【符号の説明】
【0102】
10 ICカード
11 第1のコイル
12、30、70 変調回路
20 ICカードリーダ・ライタ
21 第2のコイル
22、40、80 復調回路
31、72、95 演算器
32、74 負荷変動部
33、75 第1変換部
34、42、76、82 乗算器
35、77 第2変換部
41、81 ダイオード
43、83 積分器
44、84 判定部
71 ビット抽出部
73 合成処理部
85 データ再生部
90 平衡系列発生回路
91、92 遅延器
93 ANDゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、
前記第1の送受信ユニットは、
各成分の総和がゼロになる平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した信号列を出力する平衡系列出力部と、
出力された各成分が変換値である信号列と、前記伝送するデータ信号列の各ビットとを演算する拡散処理部と、
演算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記第2の送受信ユニットは、
前記第1の送受信ユニットから受信したデータの各ビットに対して、符号化時に使用された平衡系列と同一の平衡系列を乗算するミキサと、
前記ミキサの出力を積分する積分器と、
積分結果の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを復調結果として出力する判定部、を有することを特徴とするデータ送受信システム。
【請求項2】
第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、
前記第1の送受信ユニットは、
各成分の総和がゼロになる平衡系列を出力する平衡系列出力部と、
出力された平衡系列と、伝送するデータの各ビットを、平衡系列の各成分がとりうる値に変換した各変換値とを演算する拡散処理部と、
前記演算結果の信号列の各成分を、前記伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換する変換部と、
変換結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記第2の送受信ユニットは、
前記第1の送受信ユニットから受信したデータの各ビットに対して、符号化時に使用された平衡系列と同一の平衡系列を乗算するミキサと、
前記ミキサの出力を積分する積分器と、
積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを復調結果として出力する判定部、を有する、ことを特徴とするデータ送受信システム。
【請求項3】
前記第1の送受信ユニットは、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、ビットがとりうる値に変換した複数の信号列を記憶する平衡系列記憶部をさらに備え、
前記第1の送受信ユニットの平衡系列出力部は、前記平衡系列記憶部に格納されている複数の信号列の中から、前記第2の送受信ユニットで使用する平衡系列に対応する信号列を出力することを特徴とする請求項1または2記載のデータ送受信システム。
【請求項4】
前記第1の送受信ユニットは、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、ビットがとりうる値に変換した複数の信号列を発生させる平衡系列発生部をさらに備え、
前記第1の送受信ユニットの平衡系列出力部は、前記平衡系列発生部を起動して、前記第2の送受信ユニットで使用する平衡系列に対応する信号列を出力することを特徴とする請求項1または2記載のデータ送受信システム。
【請求項5】
前記第2の送受信ユニットは、搬送波を発生させる搬送波発生回路と、発生した搬送波を基に、磁界を発生させるアンテナ部をさらに備え、
前記第1の送受信ユニットは、前記磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部をさらに備え、
前記変調処理部は、前記拡散処理部から出力された演算結果の信号列の各成分の値に応じて、自身の内部の負荷を変動させ、
前記第2の送受信ユニットは、前記負荷の変動を前記反磁界を介して搬送波の変動として検出することを特徴とする請求項1または2記載のデータ送受信システム。
【請求項6】
第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、
前記第1の送受信ユニットは、
伝送するデータのビット位置と、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した複数の信号列とを対応付けて記憶する第1ビット位置平衡系列記憶部と、
前記伝送するデータ中のそれぞれのビットと、前記第1ビット位置平衡系列記憶部に格納される複数の信号列のうちで、そのビットに対応した信号列とを演算する拡散処理部と、
伝送するデータのビットごとに得られる演算結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記第2の送受信ユニットは、
受信するデータのビット位置と、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列とを対応付けて記憶する第2ビット位置平衡系列記憶部と、
前記第1の送受信ユニットから受信したデータに対して、前記第2ビット位置平衡系列記憶部に格納される複数の平衡系列のうちで、受信したデータの符号化時に使用された複数の平衡系列をそれぞれ乗算することで、受信したデータの各ビットに対応する乗算結果を出力する複数のミキサと、
前記複数のミキサの出力をそれぞれ積分する複数の積分器と、
前記複数の積分器による積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを、対応するビット位置の復調結果として出力する判定部と、
復調された各ビットの値と、対応するビット位置を基に、受信したデータを再生するデータ再生部、を有することを特徴とするデータ送受信システム。
【請求項7】
第1の送受信ユニットと第2の送受信ユニットとの間でデータを送受信するデータ送受信システムにおいて、
前記第1の送受信ユニットは、
与えるパラメータを変化させることで、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した複数の信号列を発生させる第1平衡系列発生部と、
前記伝送するデータ中のそれぞれのビットと、そのビットの位置に対応するパラメータを基に前記平衡系列発生部が発生した信号列とを演算する拡散処理部と、
伝送するデータのビットごとに得られる演算結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記第2の送受信ユニットは、
前記第1の送受信ユニットと同一のパラメータを与えることで、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を発生させる第2平衡系列発生部と、
前記第1の送受信ユニットから受信したデータに対して、前記第2平衡系列発生部によって発生された、その受信したデータの符号化時に使用された複数の平衡系列をそれぞれ乗算することで、受信したデータの各ビットに対応する乗算結果を出力する複数のミキサと、
前記複数のミキサの出力をそれぞれ積分する複数の積分器と、
前記複数の積分器による積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを、対応するビット位置の復調結果として出力する判定部と、
復調された各ビットの値と、対応するビット位置を基に、受信したデータを再生するデータ再生部、を有することを特徴とするデータ送受信システム。
【請求項8】
磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部を備えたデータ送受信ユニットにおいて、
各成分の総和がゼロになる平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した信号列を出力する平衡系列出力部と、
出力された各成分が変換値である信号列と、前記伝送するデータの各ビットとを演算する拡散処理部と、
演算結果の信号列が示す割合を基に、自身の内部の負荷を変動させて、搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記変調処理されたデータは、前記アンテナ部を介して送信されることを特徴とするデータ送受信ユニット。
【請求項9】
磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部を備えたデータ送受信ユニットにおいて、
各成分の総和がゼロになる平衡系列を出力する平衡系列出力部と、
出力された平衡系列と、伝送するデータの各ビットを、平衡系列の各成分がとりうる値に変換した各変換値とを演算する拡散処理部と、
前記演算結果の信号列の各成分を、前記伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換する変換部と、
変換結果の信号列が示す割合を基に、自身の内部の負荷を変動させて、搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記変調処理されたデータは、前記アンテナ部を介して送信されることを特徴とするデータ送受信ユニット。
【請求項10】
磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部を備えたデータ送受信ユニットにおいて、
伝送するデータのビット位置と、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した複数の信号列とを対応付けて記憶するビット位置平衡系列記憶部と、
前記伝送するデータ中のそれぞれのビットと、前記ビット位置平衡系列記憶部に格納される複数の信号列のうちで、そのビットに対応する信号列とを演算する拡散処理部と、
伝送するデータのビットごとに得られる演算結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算合成結果の信号列が示す割合を基に、自身の内部の負荷を変動させて、搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記変調処理されたデータは、前記アンテナ部を介して送信されることを特徴とするデータ送受信ユニット。
【請求項11】
磁界に反応して、反磁界を発生させるアンテナ部を備えたデータ送受信ユニットにおいて、
与えるパラメータを変化させることで、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した複数の信号列を発生させる平衡系列発生部と、
前記伝送するデータ中のそれぞれのビットと、そのビットの位置に対応するパラメータを基に前記平衡系列発生部が発生した信号列とを演算する拡散処理部と、
伝送するデータのビットごとに得られる演算結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理部と、
加算結果の信号列が示す割合を基に、自身の内部の負荷を変動させて、搬送波の振幅を減少させる変調処理部、を有し、
前記変調処理されたデータは、前記アンテナ部を介して送信されることを特徴とするデータ送受信ユニット。
【請求項12】
第1および第2の送受信ユニットがデータの送受信を行う方法において、
前記第1の送受信ユニットは、
各成分の総和がゼロになる平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した信号列を出力する平衡系列出力ステップと、
出力された各成分が変換値である信号列と、前記伝送するデータ信号列の各ビットとを演算する拡散処理ステップと、
演算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理ステップ、を備え、
前記第2の送受信ユニットは、
ミキサを用いて、前記第1の送受信ユニットから受信したデータの各ビットに対して、符号化時に使用された平衡系列と同一の平衡系列を乗算するステップと、
前記ミキサの出力を積分器により積分するステップと、
積分結果の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを復調結果として出力するステップ、を備えることを特徴とするデータ送受信方法。
【請求項13】
第1および第2の送受信ユニットがデータの送受信を行う方法において、
前記第1の送受信ユニットは、
各成分の総和がゼロになる平衡系列を出力する平衡系列出力ステップと、
出力された平衡系列と、伝送するデータの各ビットを、平衡系列の各成分がとりうる値に変換した各変換値とを演算する拡散処理ステップと、
前記演算結果の信号列の各成分を、前記伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換する変換ステップと、
変換結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理ステップ、を備え、
前記第2の送受信ユニットは、
ミキサを用いて、前記第1の送受信ユニットから受信したデータの各ビットに対して、符号化時に使用された平衡系列と同一の平衡系列を乗算するステップと、
前記ミキサの出力を積分器を用いて積分するステップと、
積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを復調結果として出力するステップ、を備えることを特徴とするデータ送受信方法。
【請求項14】
第1および第2の送受信ユニットがデータの送受信を行う方法において、
前記第1の送受信ユニットは、
伝送するデータ中のそれぞれのビットと、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列を、伝送するデータの各ビットがとりうる値に変換した複数の信号列のうちで、そのビットに対応した信号列とを演算する拡散処理ステップと、
伝送するデータのビットごとに得られる演算結果の信号列の対応する成分同士を加算する合成処理ステップと、
加算結果の信号列が示す割合に搬送波の振幅を減少させる変調処理ステップ、を備え、
前記第2の送受信ユニットは、
複数のミキサを用いて、前記第1の送受信ユニットから受信したデータに対して、各成分の総和がゼロになる平衡系列であって、それぞれが互いに直交する複数の平衡系列前記のうちで、受信したデータの符号化時に使用された複数の平衡系列をそれぞれ乗算することで、受信したデータの各ビットに対応する乗算結果を出力するステップと、
複数の積分器を用いて、前記複数のミキサの出力をそれぞれ積分するステップと、
前記複数の積分器による積分結果の値の正負に応じて「0」および「1」のいずれかを、対応するビット位置の復調結果として出力するステップと、
復調された各ビットの値と、対応するビット位置を基に、受信したデータを再生するデータ再生ステップ、を備えることを特徴とするデータ送受信方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−22118(P2008−22118A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−190153(P2006−190153)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【出願人】(000005234)富士電機ホールディングス株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】