説明

データ通信システムおよびデータ通信方法

【課題】同期信号以外に特別な識別信号を割り当てる必要なく、分割して伝送するデータのそれぞれの通信路を識別したり、送信側の異常等の各種の状態を受信側に通知することが可能なデータ通信システムおよびデータ通信方法を得る。
【解決手段】第1の端末装置101から相手先に送出されるデータは第1のデータ分割装置103に入力され、データ分割・多重部114で分割され、第1〜第nの回線終端部1121〜112nでそれぞれ同期信号を第1〜第nの回線1051〜105nごとに固有の連続回数で連続させたデータ構成にして、これらの回線に送出される。受信側では同期信号の連続回数で第1〜第nの回線1051〜105nを識別し、これを基にして同期後のデータを順に組み立てて、データを再生する。同期信号の連続数で送信側の各種の状態を受信側に通知することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の回線ケーブルを使用してデータを分割して通信するデータ通信システムおよびデータ通信方法に係わり、たとえば、回線延長装置や回線終端装置で回線ケーブルの接続の誤りに対処するといったような用途に使用することができるデータ通信システムおよびデータ通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビットシリアルなデータを回線を介して送受信するような場合、1本の回線ケーブルのみを使用して通信するよりも、複数の回線ケーブルを同時に使用できるときには、これらにデータを分割して転送した方が回線の使用効率が高くなる。また所定量のデータを通信するときに通信時間も短縮することができる。そこで、従来から送信位置から受信位置まで複数チャネルの通信路を使用して通信することが第1の提案として提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
この第1の提案では、初期伝送期間に同期信号を各チャネルに送出することで、それぞれのチャネルの信号の組み立て時の伝送時間の遅延を補正するようにしている。また、Nチャネルの通信路の確立の判定のために、符号データの連続するブロックの1つ置きにチャネルをそれぞれ表わすチャネル識別信号を送信するようにしている。たとえば、全部で6チャネルに分けてデータを伝送する場合には、チャネルを表わす「0」から「5」の数値とそれぞれのブロックのタイミング信号を交互に伝送するようにしている。
【0004】
同様に、通信路設定の後に送信側からデータ送信に先立って両チャネルB1およびB2へ初期設定用の同期信号を送信して、ISDN(Integrated Services Digital Network)における2チャネルを伝送する信号を受信側で組み立てることが第2の提案として提案されている(たとえば特許文献2参照)。この第2の提案では、所定のパターンをもつ同期用データにチャネル識別用データを各々付加したチャネルB1およびB2の同期信号b1およびb2を同一タイミングで発生するようにしている。
【特許文献1】特表昭61−501543号公報(第4ページ左上欄第21行目〜同ページ左下欄第9行目、図2)
【特許文献2】特開平06−006416号公報(第0016段落、第0023段落、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来の第1および第2の提案では、複数のチャネルにデータを分割して伝送するときに、それぞれのチャネルに同期信号とチャネル識別信号を個別に伝送するようにしていた。したがって、たとえばnチャネルにデータを分割して伝送する場合には、通常のデータを構成するビットパターンと区別できる特別のパターンの同期信号だけでなく、チャネル識別信号についてもn通りの特別のパターンの信号を用意する必要があった。この結果として、通常のデータと区別できるパターンからなる(n+1)通りの特別のパターンの信号を用意する必要があった。
【0006】
したがって、数値nの値が第2の提案のように2種類である場合のように種類が少ない場合はともかく、数値nの値が多くなると、これら(n+1)通りの特別のパターンを実現するために、通常のデータを構成するこれらと同一のビットパターンの通信を禁止するか、送受信装置間でビットパターンを本来のビットパターンと異なるパターンとして伝送する必要がある。
【0007】
前者の場合には、通常のデータとして通信できないビットパターンが幾種類も発生することになって、データの欠落が発生するという大きな問題となる。後者の場合には、同期信号とチャネル識別信号のいずれかに割り当てられた(n+1)通りのビットパターンと同一の通常のビットシリアルなデータが存在するときには、送信側でこれらをそれら以外の特別のビットパターンにそれぞれ変換して伝送し、受信側ではこれら特別のビットパターンを元の通常のビットシリアルなデータに戻す必要が生じる。このため、このような例外的に扱うビットパターンの種類が多くなると、処理のために送信装置および受信装置の構成が複雑化してしまうという問題が生じる。
【0008】
そこで本発明の目的は、同期信号以外に特別な識別信号を割り当てる必要なく、分割して伝送するデータのそれぞれの通信路を識別することが可能なデータ通信システムおよびデータ通信方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、同期信号以外に特別な識別信号を割り当てる必要なく、送信側の異常等の各種の状態を受信側に通知することが可能なデータ通信システムおよびデータ通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明では、(イ)送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、伝送に使用する複数系統の伝送路の数に応じて分割するデータ分割手段と、このデータ分割手段で分割後のデータであるそれぞれの分割後データに、伝送路を異にして伝送する際の同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入する同期信号挿入手段と、この同期信号挿入手段で分割後データの各々に挿入される同期信号に対して前記した複数系統の伝送路それぞれに固有の回数で同期信号を連続して付加する同期信号連続付加手段とを備えたデータ送信装置と、(ロ)このデータ送信装置から前記した複数系統の伝送路のいずれか1つずつを経て受信される分割後データのそれぞれを同期信号で同期を取る同期手段と、同期信号の連続して付加される回数で前記した複数系統の伝送路のいずれを分割後データが経由したかを判別する伝送路判別手段と、前記した複数系統の伝送路のいずれか1つずつを伝送されてきた分割後データのそれぞれの同期を同期手段で取りながら伝送路判別手段で判別した伝送路ごとに受信された分割後データを順に組み合わせてビットシリアルなデータを再生する再生手段とを備えたデータ受信装置とをデータ通信システムに具備させる。
【0011】
すなわち本発明では、送信対象としてのビットシリアルなデータを、伝送に使用する複数系統の伝送路の数に応じて分割して特定の宛先まで送信する。この際に分割後のデータであるそれぞれの分割後データに、伝送路を異にして伝送する際の同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入すると共に、この同期信号に対して前記した複数系統の伝送路それぞれに固有の回数で同期信号を連続して付加するようにしている。付加する同期信号の数は「0」から開始してもよいし、「1」から開始してもよい。あるいは任意の正の整数をそれぞれの伝送路に個別に割り当てるものであってもよい。受信側では、同期信号の連続して付加される回数で前記した複数系統の伝送路のいずれを分割後データが経由したかを判別して、複数系統の伝送路のいずれか1つずつを伝送されてきた分割後データのそれぞれの同期を同期手段で取りながら伝送路判別手段で判別した伝送路ごとに受信された分割後データを順に組み合わせてビットシリアルなデータを再生することになる。したがって、本発明では、同期信号のみを用いて分割して伝送するデータのそれぞれの通信路を識別することが可能になる。
【0012】
請求項2記載の発明では、(イ)送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、伝送に使用する複数系統の伝送路の数に応じて分割するデータ分割手段と、このデータ分割手段で分割後のデータであるそれぞれの分割後データに、伝送路を異にして伝送する際の同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入する同期信号挿入手段と、この同期信号挿入手段で分割後データの各々に挿入される同期信号に対して前記した複数系統の伝送路それぞれに固有の回数で単位時間当たりのエラーを発生させる同期信号エラー発生手段とを備えたデータ送信装置と、(ロ)このデータ送信装置から前記した複数系統の伝送路のいずれか1つずつを経て受信される分割後データのそれぞれを同期信号で同期を取る同期手段と、同期信号の単位時間当たりのエラー発生回数で前記した複数系統の伝送路のいずれを分割後データが経由したかを判別する伝送路判別手段と、同期手段で前記した複数系統の伝送路のいずれか1つずつを経て伝送されてきた分割後データのそれぞれの同期を取りながら伝送路判別手段で判別した伝送路ごとに受信された分割後データを順に組み合わせてビットシリアルなデータを再生する再生手段とを備えたデータ受信装置とをデータ通信システムに具備させる。
【0013】
すなわち本発明では、すなわち本発明では、送信対象としてのビットシリアルなデータを、伝送に使用する複数系統の伝送路の数に応じて分割して特定の宛先まで送信する。この際に分割後のデータの各々に挿入される同期信号に対して前記した複数系統の伝送路それぞれに固有の回数で単位時間当たりのエラーを発生させるようにしている。単位時間当たりのエラーの発生回数は「0」から開始してもよいし、「1」から開始してもよい。あるいは任意の正の整数をそれぞれの伝送路に個別に割り当てるものであってもよい。受信側では、同期信号の単位時間当たりのエラーの発生回数数で前記した複数系統の伝送路のいずれを分割後データが経由したかを判別して、複数系統の伝送路のいずれか1つずつを伝送されてきた分割後データのそれぞれの同期を同期手段で取りながら伝送路判別手段で判別した伝送路ごとに受信された分割後データを順に組み合わせてビットシリアルなデータを再生することになる。したがって、本発明では、同期信号のみを用いて分割して伝送するデータのそれぞれの通信路を識別することが可能になる。
【0014】
請求項3記載の発明では、(イ)送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、そのデータの受信側での同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入する同期信号挿入手段と、この同期信号挿入手段でデータに挿入される同期信号に対して前記した特定の宛先に通知すべき情報に対応する固有の回数で同期信号を連続して付加する同期信号連続付加手段とを備えたデータ送信装置と、(ロ)このデータ送信装置から前記した複数系統の伝送路のいずれか1つずつを経て受信される分割後データのそれぞれを同期信号で同期を取る同期手段と、同期信号の連続して付加される回数を基に前記した特定の宛先に通知すべき情報を判別する通知情報判別手段とを備えたデータ受信装置とをデータ通信システムに具備させる。
【0015】
すなわち本発明では、送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、そのデータの受信側での同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入するようにしている。この際に、でデータに挿入される同期信号に対して前記した特定の宛先に通知すべき情報に対応する固有の回数で同期信号を連続して付加するようにしている。付加する同期信号の数は「0」から開始してもよいし、「1」から開始してもよい。あるいは任意の正の整数をそれぞれの伝送路に個別に割り当てるものであってもよい。受信側では、同期信号の連続して付加される回数で前記した特定の宛先に通知すべき情報を判別することができる。すなわち、送信側の異常等の各種の状態を受信側に通知することが可能になる。
【0016】
請求項4記載の発明では、(イ)送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、そのデータの受信側での同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入する同期信号挿入手段と、この同期信号挿入手段でデータに挿入される同期信号に対して前記した特定の宛先に通知すべき情報に対応する固有の単位時間当たりのエラーを発生させる同期信号エラー発生手段とを備えたデータ送信装置と、(ロ)このデータ送信装置から前記した複数系統の伝送路のいずれか1つずつを経て受信される分割後データのそれぞれを同期信号で同期を取る同期手段と、同期信号の単位時間当たりのエラー発生回数を基に前記した特定の宛先に通知すべき情報を判別する通知情報判別手段とを備えたデータ受信装置とをデータ通信システムに具備させる。
【0017】
すなわち本発明では、送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、そのデータの受信側での同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入するようにしている。この際に、データに挿入される同期信号に対して前記した特定の宛先に通知すべき情報に対応する固有の単位時間当たりのエラーを発生させるようにしている。単位時間当たりのエラーの発生回数は「0」から開始してもよいし、「1」から開始してもよい。あるいは任意の正の整数をそれぞれの伝送路に個別に割り当てるものであってもよい。受信側では、単位時間当たりの同期信号のエラーの発生回数前記した特定の宛先に通知すべき情報を判別することができる。すなわち、送信側の異常等の各種の状態を受信側に通知することが可能になる。
【0018】
請求項9記載の発明では、(イ)送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、伝送に使用する複数系統の伝送路の数に応じて分割するデータ分割ステップと、(ロ)このデータ分割ステップで分割後のデータであるそれぞれの分割後データに、伝送路を異にして伝送する際の同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入する同期信号挿入ステップと、(ハ)この同期信号挿入ステップで分割後データの各々に挿入される同期信号に対して前記した複数系統の伝送路それぞれに固有の回数で同期信号を連続して付加してこれら分割後データを前記した複数系統の伝送路のそれぞれ対応するものに送出する分割データ送出ステップと、(ニ)この分割データ送出ステップで送出された分割後データをそれぞれの伝送路から受け取って、同期信号でそれぞれの分割後データの同期を取ると共に、同期信号の連続して付加される回数でこれらの分割後データが経由した伝送路をそれぞれ判別することで受信された分割後データを順に組み合わせてビットシリアルなデータを再生する再生ステップとをデータ通信方法に具備させる。
【0019】
すなわち本発明では、請求項1記載の発明と同様の手順で、同期信号以外に特別な識別信号を割り当てる必要なく、分割して伝送するデータのそれぞれの通信路を識別することのできるデータ通信方法を実現している。
【0020】
請求項10記載の発明では、(イ)送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、伝送に使用する複数系統の伝送路の数に応じて分割するデータ分割ステップと、(ロ)このデータ分割ステップで分割後のデータであるそれぞれの分割後データに、伝送路を異にして伝送する際の同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入する同期信号挿入ステップと、(ハ)この同期信号挿入ステップで分割後データの各々に挿入される同期信号に対して前記した複数系統の伝送路それぞれに固有の回数で単位時間当たりのエラーを発生させ、これら分割後データを前記した複数系統の伝送路のそれぞれ対応するものに送出する分割データ送出ステップと、(ニ)この分割データ送出ステップで送出された分割後データをそれぞれの伝送路から受け取って、同期信号でそれぞれの分割後データの同期を取ると共に、同期信号の単位時間当たりのエラー発生回数で前記した複数系統の伝送路のいずれを分割後データが経由したかを判別することで受信された分割後データを順に組み合わせてビットシリアルなデータを再生する再生ステップとをデータ通信方法に具備させる。
【0021】
すなわち本発明では、請求項2記載の発明と同様の手順で、同期信号以外に特別な識別信号を割り当てる必要なく、分割して伝送するデータのそれぞれの通信路を識別することのできるデータ通信方法を実現している。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によれば、同期信号という送受信間で認知されたビットパターンのみを用いて伝送路の識別情報や異常の際の通知情報を相手先に伝送することにしたので、システムが複雑化しない。また、伝送路の識別情報を伝送することにすれば、回線と接続の関係を受信側で認識できるので、接続作業の確認を行ったり、接続ミスが発生した際の再接続作業を不要にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、本実施例のデータ通信システムの概要を表わしたものである。このデータ通信システム100では、第1の端末装置101と第2の端末装置102の間でデータを分割して送受信することができるようになっている。このため、第1の端末装置101にはこれからデータを受け取って第2の端末装置102側に分割して送信する第1のデータ分割装置103が接続されている。また、第2の端末装置102にはこれからデータを受け取って第1の端末装置101側に分割して送信する第2のデータ分割装置104が接続されている。第1のデータ分割装置103と第2のデータ分割装置104の間には、第1〜第nの回線1051〜105nが存在する。したがって、第1のデータ分割装置103と第2のデータ分割装置104は、第1〜第nの回線1051〜105nを使用してデータを並列に通信することができる。
【0025】
図2は、第1のデータ分割装置とその周辺を表わしたものである。図1に示した第2のデータ分割装置104も第1のデータ分割装置103と同一の回路構成となっている。そこで、第2のデータ分割装置104について説明するときには、図2に示した第1のデータ分割装置103内の回路部品の符号をそのまま用いて説明を行うことにする。
【0026】
第1の端末装置101は、第1のデータ分割装置103内の端末インタフェース終端部111と接続されている。端末インタフェース終端部111では、インピーダンス整合を行うと共に、送信するデータの分割態様に応じて、データを分割して通信する際のそれぞれの回線を識別するための所定の回線識別信号を付加したり削除するようになっている。第1〜第nの回線1051〜105nは、第1のデータ分割装置103内の第1〜第nの回線終端部1121〜112nの対応するものと接続されている。第1〜第nの回線終端部1121〜112nも同様にインピーダンス整合を行うと共に所定の回線識別信号を付加したり削除するようになっている。
【0027】
端末インタフェース終端部111は、データ変換部113、データ分割・多重部114および回線切替部115を介して第1〜第nの回線終端部1121〜112nと接続されている。また、データ変換部113は警報表示部116と接続されている。
【0028】
このうち、回線切替部115は、第1〜第nの回線終端部1121〜112nから得られる回線識別信号1171〜117nを入力することで、図1に示した第2の端末装置102から送られてきた第1〜第nのデータ1181〜118nが正しい回線接続関係で送られてきたかどうかを判別するようになっている。そして、第1〜第nの回線1051〜105nの接続関係が第1の端末装置101と第2の端末装置102の間で狂っているような場合には、正しい関係となるように回線同士の入出力関係を切り替えるようになっている。
【0029】
データ分割・多重部114は、第1〜第nの回線1051〜105n側から送られてくるデータをデータ1191〜119nとして回線切替部115から受け取り、このうちの所定のものを1組のデータとして多重する。また、第1の端末装置101から受信し第1〜第nの回線1051〜105n側へ送り出すデータ121をデータ1221〜122nに分割するようになっている。
【0030】
データ変換部113は、データ分割・多重部114から多重されたデータ123を受け取ってそのエラーの有無を判別し、エラーが検出されたときにはアラーム信号124を警報表示部116に出力するようになっている。警報表示部116はアラーム信号124を受け取ると、図示しないディスプレイにアラームを表示したり、あるいは図示しないブザー等の警報音出力デバイスから警報音を出力するようになっている。
【0031】
図3は、第1および第2のデータ分割装置の各回線終端部がそれぞれの回線と正常に接続されている場合を示したものである。また、図4は、第1および第2のデータ分割装置の一部の回線終端部が回線と間違って接続されている場合を示したものである。すなわち、これらのデータ通信システム100で図3の場合には、第1の回線1051が第1および第2のデータ分割装置103、104の第1の回線終端部1121に接続されている。また、第2の回線1052が第1および第2のデータ分割装置103、104の第2の回線終端部1122に接続されている。以下同様である。
【0032】
これに対して、図4の場合には、第1の回線1051が第1のデータ分割装置103の第1の回線終端部1121に正常に接続されているが、第2のデータ分割装置104の第2の回線終端部1122に間違って接続されている。また、第2の回線1052が第1のデータ分割装置103の第2の回線終端部1122に正常に接続されているが、第2のデータ分割装置104の第1の回線終端部1121に間違って接続されている。この例では、第3の回線1053以降については、図3と同様に正常な接続が行われているものとする。
【0033】
このような場合、図3に示す例で第1の端末装置101から構成データD1〜Dnからなる送信データ125が送り出されたとする。これらの構成データD1〜Dnはn分割されて、第1のデータ分割装置103の第1〜第nの回線終端部1121〜112nから第1〜第nの分割後データ1261〜126nとして出力される。第1〜第nの分割後データ1261〜126nは、第1〜第nの回線1051〜105nに順に割り振られて送信される。
【0034】
この場合、第2のデータ分割装置104の第1〜第nの回線終端部1121〜112nが構成データD1〜Dnを順に対応する形で受信する。したがって、第2のデータ分割装置104の第1〜第nの回線終端部1121〜112nがこれらの並列に受信した構成データD1〜Dnを第2のデータ分割装置104の第1〜第nの回線終端部1121〜112nの順に組み立てると、第2の端末装置102の受信する受信データ127も送信データ125と同様の順の構成データD1〜Dnからなることになる。すなわち、送信データ125が受信データ127として正常に受信されることになる。
【0035】
次に、図4に示すように回線の接続が一部で間違っていたとする。順番を気にせず回線の接続を行った場合も同様である。このような場合に第1の端末装置101から構成データD1〜Dnからなる送信データ125が図3の場合と同様に送り出される。図2に示した回線切替部115が本発明と異なり動作していないものとする。
【0036】
この場合、第1のデータ分割装置103の第1〜第nの回線終端部1121〜112nから出力された第1〜第nの分割後データ1261〜126nは、第2のデータ分割装置104側の第1および第2の回線終端部1121、1122が逆に接続されている結果として、受信データ127としての正しい配列にならない。すなわち、第2の端末装置102の受信データ127は構成データD2、D1、D3〜Dnとなり、受信側でエラーが発生することになる。
【0037】
本実施例のデータ通信システム100では、第1および第2のデータ分割装置103、104の第1〜第nの回線終端部1121〜112nと第1〜第nの回線1051〜105nとが図3に示したように正しい対応関係を保っている必要はない。図4に示すように、回線接続作業のミス等によってこれらの接続関係が正しくないような場合でも、第1の端末装置101から送り出されたデータが第2の端末装置102で常に正しく受信されるようになっている。逆に第2の端末装置102から第1の端末装置101に送り出されるデータについても同様である。
【0038】
図5は、本実施例のデータ通信システムにおけるデータの分割送信の様子を説明するためのものである。本明細書では、送信側の回路装置と受信側の装置を区別する必要があるときに、送信側の回路装置に符号Sを、また受信側の回路装置に符号Rを付すことにする。以下の説明では図1あるいは図2に示す第1の端末装置101からデータを送信するものとして説明するが、第2の端末装置102からデータを送信する場合にも、データ通信システム100の動作は全く同一である。
【0039】
図1に示す送信側の第1の端末装置101から送り出されたデータは図2に示す第1のデータ分割装置103に入力され、そのデータ分割・多重部114Sで2つに分割される。これら分割されたデータは、2系統に分かれたデータとして回線切替部115Sをそのまま切替処理を行うことなく通過して、第1の回線終端部112S1と第2の回線終端部112S2に到達するものとして説明する。
【0040】
図5に示す例では、第1の回線終端部112S1が第2の回線1052に間違って接続されており、第2の回線終端部112S2が第1の回線1051に間違って接続されている。ここで、受信側の第1の回線終端部112R1は図5に示すように第1の回線1051に正しく接続されており、第2の回線終端部112S2も第2の回線1052に正しく接続されているものとする。
【0041】
送信側の第1の回線終端部112S1は、このような回線の接続状態の成否にかかわらず、送信データとしてアイドル(IDEL)パターン131が2つ連続した第1の回線識別信号1171を同期信号の代わりに送信する。また、送信側の第2の回線終端部112S2は、送信データとしてアイドルパターン131が3つ連続した第2の回線識別信号1172を同期信号の代わりに送信する。すなわち、mを正の整数とすると、第1のデータ分割装置103側では、分割された第m番目の送信データとして、アイドルパターン131が(m+1)個連続した第mの回線識別信号117mを同期信号の代わりに送信することにしている。
【0042】
なお、アイドルパターン131が(m+1)個連続したものを第mの回線識別信号117mとしているのは、アイドルパターン131が1個だけ存在する本来のアイドルパターンと区別するためである。アイドルパターンは、本来は空白のタイムスロットに同期のために挿入されるものである。
【0043】
受信側の第2の回線終端部112R2では、同期信号として送られてきた第1の回線識別信号1171を受信すると、アイドルパターン131が2つ連続しているので、分割後の第1のデータ1181として判別する。そして、この判別結果としての第1の回線識別信号1171を第1の回線終端部112R1に対応する信号として回線切替部115Rに供給する。
【0044】
同様に、受信側の第1の回線終端部112R1では、同期信号として送られてきた第2の回線識別信号1172を受信すると、アイドルパターン131が3つ連続しているので、分割後の第2のデータ1182として判別する。そして、この判別結果としての第2の回線識別信号1172を第1の回線終端部112R1に対応する信号として回線切替部115Rに供給する。
【0045】
回線切替部115Rでは、2つの回線1051、1052の接続が正しければ、第1の回線識別信号1171を受信すべき入力端で第2の回線識別信号1172を受信し、反対に第2の回線識別信号1172を受信すべき入力端で第1の回線識別信号1171を受信する。そこで図5に破線で示したように分割後の第1のデータ1181と第2のデータ1182の出力先を交互に入れ替える。
【0046】
図6は、受信データに対する回線切替部の切替処理の様子をソフトウェアで実現した場合を表わしたものである。図2に示した回線切替部115Rを備える第1のデータ分割装置103あるいは第2のデータ分割装置104(図1)は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、このCPUが実行する制御プログラムを格納した記憶媒体を備えている。そして、この制御プログラムを実行することで、第1〜第nの回線1051〜105nのうちの複数から同時に受信する受信データの切替処理を行うようになっている。
【0047】
すなわち回線切替部115Rでは、そのそれぞれの回線識別信号入力端に入力される回線識別信号117を構成するアイドル(IDEL)パターン131の連続個数からそれぞれ「1」を減算した値を判別する(ステップS201)。そして、回線切替部115Rの回線ごとのそれぞれの出力端が、アイドルパターン131の連続個数「2」以上のものの間で、若い方から「2」、「3」、……と昇順になるように各回線の受信データの出力先を切り替える(ステップS202)。
【0048】
このようにして回線切替部115Rが一度切替処理を行ったら、再度、アイドルパターン131を含めたデータの新たな受信が開始されるまでの間、それらの切替先が固定される。たとえば図5に示した例では、回線切替部115Rに第1および第2の回線1051、1052の接続関係が逆となった受信データが得られる。したがって、回線切替部115Rは、これらに対応する切替処理を行ったら、第1および第2の回線終端部1121、1122と第1および第2の回線1051、1052の接続関係が固定されている受信データの継続中は回線切替部115Rの切替先をその状態で保持することになる。
【0049】
これにより、データ分割・多重部114Rは、正しい配置関係で第1のデータ1181と第2のデータ1182を入力することになる。この結果、データ分割・多重部114Rからは第1のデータ1181の次に第2のデータ1182が出力されてデータ変換部113Rに送られる。ここでは、第1のデータ1181と第2のデータ1182の2つに分割して送られる場合を示しているが、n分割して送られてきた場合には第1〜第nのデータ1181〜118nが正しい順序で組み立てられてデータ変換部113Rに送られることになる。
【0050】
データ変換部113Rでは、このようにして多重されたデータに対して、周知の技術によってエラーチェックを行う。そして、何らかのエラーが発生している場合にはアラーム信号124を警報表示部116に送って警報を表示すると共に、所定のエラー処理が行われる。多重されたデータにエラーが生じていない場合、そのデータは端末インタフェース終端部111Rに送られる。そして、第1〜第nの回線識別信号1171〜117nがデータ中に存在すればこれが削除されて、受信側の第2のデータ分割装置104あるいは第1のデータ分割装置103に送られることになる。
【0051】
以上説明した例を更に具体的に説明する。たとえばアイドルパターン131としては「01111110」(16進数で7Eパターン)のビットパターンが使用される。一方で、アイドルパターン131以外の通常のデータについては、「1」が6ビット連続しないようにする。通常のデータで「1」が6ビット以上連続することになるようなビットパターンが送出の対象となる場合、たとえばそのデータが「01111110」となる場合には、「1」の7ビット目を追加して「011111110」とし、「1」が6ビット連続するアイドルパターン131と区別する。なお、データとして「011111110」が受信された場合には、7ビット目の「1」を受信側で削除して「01111110」に直し、元の通常のデータを再現することになる。
【0052】
本実施例の場合、アイドルパターン131が2つ連続した第1の回線識別信号1171は、「01111110」「01111110」となり、これ以後に「01111110」以外のパターンが続くことになる。また、アイドルパターン131が3つ連続した第2の回線識別信号1172は「01111110」「01111110」「01111110」となり、これ以後に「01111110」以外のパターンが続くことになる。したがって、受信側の回線切替部115Rでは、そのそれぞれの回線識別信号入力端に入力される回線識別信号117を構成するアイドル(IDEL)パターン131の連続個数を判別することができる。
【0053】
<本発明の第1の変形例>
【0054】
図7は、本発明の第1の変形例における第1の回線終端部の構成を表わしたものである。この第1の変形例では受信側の第1の回線終端部112R1がハードウェアとしての回線同期検出回路301とアイドルパターン検出回路302を備えている。回線側から送られてきた第1の分割後データ1261は、回線同期検出回路301に入力され、ここでアイドルパターンを検出することで同期タイミングが検出される。アイドルパターンが複数連続するときには、先頭のアイドルパターンが同期信号として用いられる。
【0055】
回線同期検出回路301から出力される分割後の第1のデータ1181は、図5に示した回線切替部115Rに供給される他、アイドルパターン検出回路302に入力される。アイドルパターン検出回路302では、アイドルパターンが2以上連続する場合のその個数を解読して第1の回線識別信号1171を回線切替部115Rに供給することになる。
【0056】
図7では受信側の第1の回線終端部112R1の構成を示したが、受信側の第2〜第nの回線終端部112R2〜112Rnについても同様にハードウェアで回路構成することができる。
【0057】
<本発明の第2の変形例>
【0058】
図8は、本発明の第2の変形例における第1の回線終端部の構成を表わしたものである。この第2の変形例では受信側の第1の回線終端部112RA1がハードウェアとしての回線同期検出回路301とアイドルパターンエラー検出回路302Aを備えている。回線側から送られてきた第1の分割後データ126A1は、回線同期検出回路301に入力され、ここでアイドルパターンを検出することで同期タイミングが検出される。アイドルパターンエラー検出回路302Aは、図示しないタイマによって単位時間当たりのアイドルパターンのエラー発生回数を検出する。
【0059】
この第2の変形例では、データの送信側で図1に示す第1〜第nの回線1051〜105nのそれぞれに対応させて、単位時間当たりのアイドルパターンエラー回数を設定している。たとえば第1の回線1051に送り出される分割後のデータ(分割後データ)の同期信号を構成するアイドルパターンの単位時間当たりのエラー発生回数は「0」であり、第nの回線105n(ただし値nは2以上の整数)の同期信号を構成するアイドルパターンの単位時間当たりのエラー発生回数は「n−1」となっている。
【0060】
したがって、第2の変形例では、単位時間当たりのアイドルパターンエラー回数を測定することで第1〜第nの回線1051〜105nのいずれを使用して分割後データが受信されたかを判別することができ、これにより各分割後データを順序良く組み立てることができる。もちろん、エラーの発生したアイドルパターンも同期信号としての判別は可能なので、第1〜第nの回線1051〜105nの間でそれぞれの分割後データの同期を取ることは可能である。
【0061】
<本発明の第3の変形例>
【0062】
図9は、本発明の第3の変形例におけるデータ通信システムを表わしたものである。この第3の変形例のデータ通信システム100Cでは、第1のデータ分割装置103Cと第2のデータ分割装置104Cが、接続先の第1の端末装置101Cあるいは第2の端末装置102Cの障害発生等の異常状態の発生を検出する状態検出部401と、同期信号の連続数を状態検出部401の検出結果と対応付けた同期信号連続数状態対応テーブル402をそれぞれ備えている。また、第1の端末装置101Cと第2の端末装置102Cは、通信の相手先の障害発生等の異常状態の発生を表示する表示部403を備えている。
【0063】
図10は、第3の変形例における同期信号連続数状態対応テーブルの内容を表わしたものである。同期信号連続数状態対応テーブル402には、図5に示したアイドル(IDEL)パターン131からなる同期信号の連続する数を表わした同期信号連続数と受信側に通知すべき状態との関係が記述されている。
【0064】
たとえば、同期信号連続数が「1」のときには、同期信号が1つだけなので、本来の同期信号の存在タイミングを受信側に通知するだけのものとなっている。同期信号連続数が「2」のときには、同期信号が2つ連続する。したがって、最初の同期信号は同期のタイミングを受信側に通知するものとなっているが、同期信号が2つ連続することで、図9に示す第1の回線終端部1121から第1の回線1051に送出されるはずの第1の回線識別信号を表わすものとなっている。「第1の回線1051に送出されるはず」と表現したのは、たとえば第1の回線終端部1121が第2の回線1052に誤って接続されていれば、第2の回線1052に送出されるからである。同様に、同期信号が3つ連続する場合には、図9に示す第2の回線終端部1122から第2の回線1052に送出されるはずの第2の回線識別信号を表わすものとなっている。以下同様にして、同期信号が(n+1)個連続する場合には、第nの回線識別信号を表わすものとなっている。
【0065】
同期信号が(n+2)から(n+m)個連続する場合には、図9に示した状態検出部401の検出結果としての各異常状態が対応付けられている。たとえば同期信号が(n+2)個連続する場合、第1のデータ分割装置103Cあるいは第2のデータ分割装置104Cに第1の端末装置101Cと第2の端末装置102Cのうちの対応するものが未接続であることを示している。また、たとえば同期信号が(n+m)個連続する場合には、第1の端末装置101Cと第2の端末装置102Cのうちの対応するものの電源が断となっていることを表わしている。
【0066】
したがって、第3の変形例のデータ通信システム100Cでは、第1の端末装置101Cから第2の端末装置102Cにデータを分割して送信するものとすると、送信側が正常な場合、同期信号連続数を「2」〜「n+1」のうちの所定のものを使用することで、第2のデータ分割装置104C側にどの経路で分割後信号が送られてきたかを示す回線識別信号が送られることになる。また、送信側に異常が発生している場合には、これらの回線識別信号の代わりに障害の原因を示す状態信号が送られて、受信側の表示部403Rにその内容が表示されることになる。
【0067】
なお、以上説明した本発明の実施例および変形例では送信側の分割後のデータの種類をアイドルパターンの個数の増加に対応させたが、これに限るものではない。減少させる方向に両者の関係を持たせてもよいし、暗号化の見地から独自の順序で対応付けるようにしてもよい。
【0068】
また、本発明の第3の変形例では、同期信号連続数状態対応テーブルに同期信号連続数と対応付けて回線識別信号と障害についての状態信号を記述したが、障害についての状態信号のみを対応付けて記述するようにしてもよい。この場合には、通信システムがデータを分割して通信するシステムに限定される必要はない。すなわち、データを分割しないで送受信するシステムについても、同期信号連続数と対応付けて障害等の情報を受信側に通知することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施例のデータ通信システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図2】本実施例の第1のデータ分割装置とその周辺を表わしたブロック図である。
【図3】本実施例で第1および第2のデータ分割装置の各回線終端部がそれぞれの回線と正常に接続されている場合の動作を示した説明図である。
【図4】本実施例で第1および第2のデータ分割装置の一部の回線終端部が回線と間違って接続されている場合の動作を示した説明図である。
【図5】本実施例のデータ通信システムにおけるデータの分割送信の様子を示した説明図である。
【図6】本実施例で受信データに対する回線切替部の切替処理の様子を表わした流れ図である。
【図7】本発明の第1の変形例における第1の回線終端部の構成を表わしたブロック図である。
【図8】本発明の第2の変形例における第1の回線終端部の構成を表わしたブロック図である。
【図9】本発明の第3の変形例のデータ通信システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図10】第3の変形例における同期信号連続数状態対応テーブルの内容を表わした説明図である。
【符号の説明】
【0070】
100、100C データ通信システム
101、101C、 第1の端末装置
102、102C 第2の端末装置
103、103C 第1のデータ分割装置
104、104C 第2のデータ分割装置
105 回線
111 端末インタフェース終端部
112 回線終端部
114 データ分割・多重部
115 回線切替部
117 回線識別信号
301 回線同期検出回路
302、302A アイドルパターン検出回路
401 状態検出部
402 同期信号連続数状態対応テーブル
403 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、伝送に使用する複数系統の伝送路の数に応じて分割するデータ分割手段と、このデータ分割手段で分割後のデータであるそれぞれの分割後データに、伝送路を異にして伝送する際の同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入する同期信号挿入手段と、この同期信号挿入手段で前記分割後データの各々に挿入される同期信号に対して前記複数系統の伝送路それぞれに固有の回数で前記同期信号を連続して付加する同期信号連続付加手段とを備えたデータ送信装置と、
このデータ送信装置から前記複数系統の伝送路のいずれか1つずつを経て受信される前記分割後データのそれぞれを前記同期信号で同期を取る同期手段と、前記同期信号の連続して付加される回数で前記複数系統の伝送路のいずれを前記分割後データが経由したかを判別する伝送路判別手段と、前記複数系統の伝送路のいずれか1つずつを伝送されてきた分割後データのそれぞれの同期を前記同期手段で取りながら前記伝送路判別手段で判別した伝送路ごとに受信された前記分割後データを順に組み合わせて前記ビットシリアルなデータを再生する再生手段とを備えたデータ受信装置
とを具備することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項2】
送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、伝送に使用する複数系統の伝送路の数に応じて分割するデータ分割手段と、このデータ分割手段で分割後のデータであるそれぞれの分割後データに、伝送路を異にして伝送する際の同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入する同期信号挿入手段と、この同期信号挿入手段で前記分割後データの各々に挿入される同期信号に対して前記複数系統の伝送路それぞれに固有の回数で単位時間当たりのエラーを発生させる同期信号エラー発生手段とを備えたデータ送信装置と、
このデータ送信装置から前記複数系統の伝送路のいずれか1つずつを経て受信される前記分割後データのそれぞれを前記同期信号で同期を取る同期手段と、前記同期信号の単位時間当たりのエラー発生回数で前記複数系統の伝送路のいずれを前記分割後データが経由したかを判別する伝送路判別手段と、前記同期手段で前記複数系統の伝送路のいずれか1つずつを経て伝送されてきた分割後データのそれぞれの同期を取りながら前記伝送路判別手段で判別した伝送路ごとに受信された前記分割後データを順に組み合わせて前記ビットシリアルなデータを再生する再生手段とを備えたデータ受信装置
とを具備することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項3】
送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、そのデータの受信側での同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入する同期信号挿入手段と、この同期信号挿入手段で前記データに挿入される同期信号に対して前記特定の宛先に通知すべき情報に対応する固有の回数で前記同期信号を連続して付加する同期信号連続付加手段とを備えたデータ送信装置と、
このデータ送信装置から前記複数系統の伝送路のいずれか1つずつを経て受信される前記分割後データのそれぞれを前記同期信号で同期を取る同期手段と、前記同期信号の連続して付加される回数を基に前記特定の宛先に通知すべき情報を判別する通知情報判別手段とを備えたデータ受信装置
とを具備することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項4】
送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、そのデータの受信側での同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入する同期信号挿入手段と、この同期信号挿入手段で前記データに挿入される同期信号に対して前記特定の宛先に通知すべき情報に対応する固有の単位時間当たりのエラーを発生させる同期信号エラー発生手段とを備えたデータ送信装置と、
このデータ送信装置から前記複数系統の伝送路のいずれか1つずつを経て受信される前記分割後データのそれぞれを前記同期信号で同期を取る同期手段と、前記同期信号の単位時間当たりのエラー発生回数を基に前記特定の宛先に通知すべき情報を判別する通知情報判別手段とを備えたデータ受信装置
とを具備することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項5】
前記同期信号連続付加手段は、前記複数系統の伝送路の種類に対応する数以外の数からなる装置状況に対応する数の同期信号を前記同期信号に付加することを特徴とする請求項1記載のデータ通信システム。
【請求項6】
前記同期信号連続付加手段は、前記複数系統の伝送路の種類に対応する数以外の数からなる装置状況に対応する数の単位時間当たりの同期信号のエラーを発生させることを特徴とする請求項1記載のデータ通信システム。
【請求項7】
前記データ送信装置は、送信対象としてのビットシリアルなデータを、前記特定の宛先まで送信する際に、伝送に使用する複数系統の伝送路の数に応じて分割するデータ分割手段を備え、前記特定の宛先に通知すべき情報は前記データ分割手段によって分割されたデータの伝送される伝送路のいずれか1つあるいは特定の異常状態であることを特徴とする請求項3記載のデータ通信システム。
【請求項8】
前記データ送信装置は、送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、伝送に使用する複数系統の伝送路の数に応じて分割するデータ分割手段を備え、前記同期信号エラー発生手段は前記データ分割手段によって分割されたデータの伝送される伝送路のいずれか1つあるいは特定の異常状態に対応した数のエラーを単位時間当たり発生させる手段であることを特徴とする請求項4記載のデータ通信システム。
【請求項9】
送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、伝送に使用する複数系統の伝送路の数に応じて分割するデータ分割ステップと、
このデータ分割ステップで分割後のデータであるそれぞれの分割後データに、伝送路を異にして伝送する際の同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入する同期信号挿入ステップと、
この同期信号挿入ステップで前記分割後データの各々に挿入される同期信号に対して前記複数系統の伝送路それぞれに固有の回数で前記同期信号を連続して付加してこれら分割後データを前記複数系統の伝送路のそれぞれ対応するものに送出する分割データ送出ステップと、
この分割データ送出ステップで送出された前記分割後データをそれぞれの伝送路から受け取って、前記同期信号でそれぞれの分割後データの同期を取ると共に、前記同期信号の連続して付加される回数でこれらの分割後データが経由した伝送路をそれぞれ判別することで受信された前記分割後データを順に組み合わせて前記ビットシリアルなデータを再生する再生ステップ
とを具備することを特徴とするデータ通信方法。
【請求項10】
送信対象としてのビットシリアルなデータを、特定の宛先まで送信する際に、伝送に使用する複数系統の伝送路の数に応じて分割するデータ分割ステップと、
このデータ分割ステップで分割後のデータであるそれぞれの分割後データに、伝送路を異にして伝送する際の同期をとるための同期信号をそれぞれ挿入する同期信号挿入ステップと、
この同期信号挿入ステップで前記分割後データの各々に挿入される同期信号に対して前記複数系統の伝送路それぞれに固有の回数で単位時間当たりのエラーを発生させ、これら分割後データを前記複数系統の伝送路のそれぞれ対応するものに送出する分割データ送出ステップと、
この分割データ送出ステップで送出された前記分割後データをそれぞれの伝送路から受け取って、前記同期信号でそれぞれの分割後データの同期を取ると共に、前記同期信号の単位時間当たりのエラー発生回数で前記複数系統の伝送路のいずれを前記分割後データが経由したかを判別することで受信された前記分割後データを順に組み合わせて前記ビットシリアルなデータを再生する再生ステップ
とを具備することを特徴とするデータ通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−172719(P2008−172719A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6202(P2007−6202)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】