説明

トイレ利用装置

【課題】用便時にトイレ室で使用する局部洗浄装置の変更はもちろん、他のオプションユニットも容易に利用でき、品質の安定と生産性の向上を図れるトイレ利用装置を提供することにある。
【解決手段】用便時にトイレ室で利用する負荷部150を動作させるのに外部からの操作による情報を入力する操作入力部110と、負荷部を動作させるのに必要な電源を供給する電源部140と、操作入力部からの操作情報を基にして負荷部150へ情報を送信する情報通信部110と、情報通信部および電源部に、負荷部を取替え可能に電気的に接続する接続部130を有するトイレ利用本体100を備えたもので、負荷部を種々、変更した場合でも共通してトイレ利用本体を使用でき、品質の安定化と生産性の向上が図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ室で用便をする時に着座する便座、用便後の人体局部を洗浄水で洗う局部洗浄装置等を利用するためのトイレ利用装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から人体の局部洗浄用の衛生洗浄装置を内蔵した機能部ケーシングを便器の後部上面に横長に設け、これに便座と便座蓋を取付け、さらに人体に温風をあてて暖める室内暖房ユニットをオプションとしてコネクタを介して設け、他に脱臭装置や冷房装置等のユニットもオプションとして用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−252122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来のトイレ装置には、機能部ケーシングに他の機能を付加した衛生洗浄装置に変更して機能部ケーシングを取り替えて使用することは開示されていない。また、このトイレ装置ではオプションとしてのユニットに操作部と制御部を設けるか、または衛生洗浄装置の制御部に前記ユニットの制御を兼ねさせ、かつ衛生洗浄装置の操作部に前記ユニットの操作部も設ける構成にしてある。
【0004】
従って、この前者のトイレ装置では、別々に衛生洗浄装置とオプションの操作部が位置するため、前記操作部の位置の分散による使い勝手の悪さ、衛生洗浄装置とオプションの設置場所に苦慮すること等が予想され、また後者のトイレ装置では衛生洗浄装置またはオプションの一方の制御部分が故障等で交換した際、関係のない他方の制御部分も含めて全体の動作確認が必要になることが予想され、品質および生産、アフターサービスで面倒になることが考えられる。
【0005】
上記従来技術の課題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、用便時にトイレ室で使用する負荷部である衛生洗浄装置の機能アップした装置への変更はもちろん、他の負荷部としてのオプションユニットの使用にも共通に利用でき、品質の安定と生産性の向上を図れるトイレ利用装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のトイレ利用装置は、用便時にトイレ室で利用する負荷部を動作させるため外部からの操作による情報を入力する操作入力部と、前記負荷部を動作させるのに必要な電源を供給する電源部と、前記操作入力部からの操作情報に基づき判断し、操作情報に対応した前記負荷部へ情報を送信する情報通信部と、前記情報通信部および前記電源部に、前記負荷部を取替え可能に電気的に接続する接続部を備えたトイレ利用本体を有するもので、負荷部を種々、変更した場合でも共通してトイレ利用本体を使用でき、品質の安定化と生産性の向上を図るものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のトイレ利用装置は、負荷部を種々変更した場合でもトイレ利用本体を共用できるから、品質の安定化と生産性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、用便時にトイレ室で利用する負荷部を動作させるため外部からの操作による情報を入力する操作入力部と、前記負荷部を動作させるのに必要な電源を供給する電
源部と、前記操作入力部からの操作情報に基づき判断し、操作情報に対応した前記負荷部へ情報を送信する情報通信部と、前記情報通信部および前記電源部に、前記負荷部を取替え可能に電気的に接続する接続部を備えたトイレ利用本体を有するトイレ利用装置である。
【0009】
これにより、トイレ利用本体は、情報通信部が操作入力部による操作情報に対応した負荷部への情報であるかどうかの判断をして送信する簡単な構成にすることが可能になり、トイレ利用装置の品質の安定化と負荷部の制御部では、操作入力部からの操作が負荷部に対応するかの判断がなくなり、簡単かつ負荷部固有の制御に特化することも可能になるとともに、接続部に接続する負荷部を種々変更しても共通に使用できる利点と低コスト化に繋げられる。
【0010】
第2の発明は、特に、第1の発明におけるトイレ利用本体の接続部に接続される負荷部に、情報通信部からの情報に基づき前記負荷部の動作を制御する制御部を備えたトイレ利用装置で、これにより負荷部の制御部はトイレ利用本体の情報通信部の機能を除く分だけ、簡単な制御部にでき、また、その負荷部固有の本来の制御に特化することが可能になり、負荷部の品質安定化と機能向上に繋がる制御が可能になる。
【0011】
第3の発明は、特に、第1の発明または第2の発明において、負荷部は便座に暖房ヒータを設けた暖房便座ユニット、人体の局部を洗浄水で洗う局部洗浄ユニット、用便後の洗浄した人体局部を乾燥させる乾燥ユニット、トイレ室の匂いを浄化する脱臭ユニット、負荷部の動作、操作情報等の表示ユニット、前記便座の少なくとも便座蓋を開閉する開閉ユニット、映像等を観賞できるAV機能ユニット等であり、トイレ利用本体は、前記負荷ユニットの中から選んだ少なくとも一つ以上の負荷ユニットを接続してなるトイレ利用装置である。
【0012】
これにより、負荷部はユニット化しているので、AV機能ユニット等を除きトイレ利用本体に組み込んで一体化することが可能になり、コンパクト化による便器の後部上面への設置が容易になるとともに、比較的に狭いトイレ室を広くすることに貢献でき、さらにトイレ利用本体の外装ケースの利用も可能になり安価にできる。
【0013】
また、トイレ利用本体の接続部には種々の負荷ユニットの中から選んで接続できるので、予めトイレ利用本体と種々の負荷ユニットをそれぞれ別工程で造っておき、さらに組み合わせ工程でトイレ利用本体の接続部に選んだ少なくとも一つ以上の負荷ユニットを接続できるので、生産性の向上を図ることが可能になるとともに、生産工程で種々の負荷ユニットをトイレ利用本体に組み合わせられ、市場の販売状況を勘案しての生産にも対応が可能になる。
【0014】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、トイレ利用本体は便座を倒立自在に設け、かつ便器の後部上面に設置し、少なくとも一つ以上の負荷部を一体に設けたトイレ利用装置で、これによりトイレ利用本体は負荷部を一体にしているので、AV機能ユニット等を除き、コンパクト化による便器の後部上面への設置が容易になるとともに、比較的に狭いトイレ室を広くすることに貢献でき、さらにトイレ利用本体の外装ケースの利用で安価にできる。
【0015】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、トイレ利用本体は接続部に生産工程または顧客先で負荷部を接続したトイレ利用装置で、これによりトイレ利用本体は生産工程でも顧客先でも負荷部を接続できるので、市場の販売状況を勘案しての生産に対応が可能であるとともに、顧客が1つの負荷部を接続したトイレ利用本体を使用した後に、他の機能の負荷部も組み合わせて使用したい要望があった場合にアフターサー
ビス者による負荷部の追加接続することが可能になり、いつでも顧客の要望に応じられる。
【0016】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、トイレ利用本体の操作入力部は外部から操作情報を送信する遠隔操作装置としたトイレ利用装置で、これによりトイレ利用本体の操作入力部はトイレ利用本体から離してトイレ室の壁等に設置することも可能になり、例えば便座に着座しての操作が容易になり種々の負荷ユニットの使い勝手がよくなる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、本実施の形態の説明において、同一構成で同一作用効果を奏するところには同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるトイレ利用装置を示すブロック図である。トイレ利用装置を成すトイレ利用本体100は、合成樹脂で形成したケーシングに、次に説明するユニット化した構成要素を内装して図2に示す便器700の後部上面に横長に設置して使用するものである。そして、このトイレ利用本体100には図2に示すように便座400と便座蓋500が便器700の上面の位置より開閉自在に取り付けている。
【0019】
トイレ利用本体100は、用便時にトイレ室1000で利用する複数の負荷部150を動作させるため外部からの操作による情報を入力する操作入力部110と、それぞれの負荷部150を動作させるのに必要な電源を供給する電源部140と、操作入力部110からの負荷部150を使用する操作情報に基づき、その操作情報に対応した負荷部150のどの負荷部かを判断して、その負荷部へ情報を送信する情報通信部120と、情報通信部120および電源部140に、負荷部150を取替え可能に電気的に接続する接続部130を備えたものである。
【0020】
操作入力部110は、トイレ利用本体100に一体に操作部として設けるか、図2のように別に構成してトイレ室1000の室内に設置し、トイレ利用本体100とは有線または無線で操作信号を送る構成にしても良い。
【0021】
情報通信部120は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路からなり、操作入力部110から送信された操作信号が複数の負荷部150のどれを使用するものか判断し、その操作情報に対応した負荷部150へ情報を送信するとともに、複数の負荷部150を利用する際は、負荷部150の利用順番も判断してそれぞれの負荷部150へ情報を送信するプログラムを実行する構成である。つまり、情報通信部120はトイレ利用本体100として組み込んだ全ての負荷部150を利用するプログラムを有しているものの、どの負荷部を利用するか、そして複数の負荷部を利用する際には利用する順番を判断するだけの簡単な構成で、個々の負荷部150の利用に当って、その負荷部の機能を発揮させる特有の動作をさせるプログラム等はそれぞれの負荷部の制御部に集中させるようにするものであり、つまり、操作入力部110から発せられた操作信号が、負荷部150のどれに対応する信号かを判断する。
【0022】
接続部130は、負荷部150を動作させるため電源と操作信号を送る一対のコンセントとプラグを複数備えてで構成され、一方はそれぞれの負荷部150側に設置するものである。
【0023】
電源部140は、図2に示すようにトイレ利用本体100から電源コードを導出してト
イレ室1000の壁に設けてある電源コンセントにプラグを差し込んで交流電源を得るとともに、トイレ利用本体100はもちろん、各負荷部150に必要な電力を供給するものである。
【0024】
負荷部150は、本実施の形態として人体の局部を洗浄水で洗う衛生洗浄ユニットである負荷部A、便座に暖房ヒータを設けた暖房便座ユニットである負荷部B、用便後の洗浄した人体局部を乾燥させる乾燥ユニットである負荷部C、トイレ室の匂いを浄化する脱臭ユニットである負荷部D、各負荷部の動作、操作情報等を表示する表示ユニットである負荷部E、便座400の少なくとも便座蓋500を開閉する開閉ユニットである負荷部F、映像等を観賞できるAV機能ユニットである負荷部Gの6種類を利用できる構成にしてある。
【0025】
それぞれ負荷部150は、ユニット化されてトイレ利用本体100の接続部130へ取替え可能に電気的に接続されてトイレ利用本体100のケーシングに内蔵され、情報通信部120からの情報に基づき負荷部150を、特有の機能が発揮できるように動作を制御する制御部として、負荷部Aは負荷A制御部、負荷部Bは負荷B制御部、負荷部Cは負荷C制御部、負荷部Dは負荷D制御部、負荷Eは負荷E制御部、負荷部Fは負荷F制御部、負荷部Gは負荷G制御部を備えている。
【0026】
これら負荷部150は、トイレ利用本体100に一つ以上、または全てを、生産者または使用者の判断により選び組み込むことが可能なもので、つまり生産者においては販売状況等を勘案して判断でき効率的な生産ができ、また使用者においては1つの負荷部150を利用できるトイレ利用本体100を購入して利用後に、また他の負荷ユニットを、好み等を考慮して追加することを判断することができ便利である。
【0027】
従って、この負荷部150はトイレ利用本体100に、生産工程または顧客先で接続部130に接続して設けるものである。また、負荷部150は、追加した負荷部150が使用者の環境変化等でいらなくなれば、接続部130から取り外して削除することも可能である。
【0028】
このように本実施の形態におけるトイレ利用本体100は、情報通信部120が、操作入力部110からの発せられる全ての操作情報に基づき、それぞれの負荷部150のどの負荷部と複数の負荷部150の利用順への情報であるかを判断して送信する簡単な構成にすることができるとともに、トイレ利用本体は複数の負荷部を利用するのに共用でき、品質の安定化と低コスト化が図れる。
【0029】
また、トイレ利用本体100の情報通信部120に、操作入力部110からの操作情報に基づき、それぞれの負荷部150のどの負荷部と複数の負荷部150の利用順への情報であるかを判断する制御部を集中化させているので、逆にそれぞれの負荷部の制御部は、情報通信部の機能を除く分だけ簡単なものにできるとともに、それぞれの負荷部、固有の制御に特化することも可能になる。
【0030】
さらに、トイレ利用本体100は生産工程でも、顧客先でもそれぞれの負荷部150を接続できるので、市場の販売状況等を勘案しての生産に対応が可能であるとともに、顧客が1つの負荷部を接続したトイレ利用本体を使用した後に、他の機能の負荷部も組み合わせて使用したい要望があった場合にアフターサービス者による負荷部の追加接続することも可能になり、いつでも顧客の要望に応じられる。
【0031】
さらにまた、トイレ利用本体100に追加した負荷部150は、使用者の環境変化等で不要になった際、アフターサービス者による接続部からの負荷部150の取り外しもでき
、便利であるとともに、その際にトイレ利用本体100には関係ないので機能を損ねさすようなこともなく品質の安定化にも繋がるものである。
【0032】
<1> 衛生洗浄ユニットおよびそれを備えるトイレ利用装置の外観
図2は、本発明の実施の形態1におけるトイレ利用装置を便器700の後部上面に横長に設けて、これに便座400、便座蓋500を開閉自在に取り付けた外観斜視図である。このトイレ利用本体100は、人体の局部を洗浄水で洗う衛生洗浄ユニットである負荷部Aを利用する形態であり、トイレ室1000内に設置され、便座400および便座蓋500が開閉可能に取り付けられている。また、トイレ利用本体100には、図4に示す衛生洗浄ユニットである負荷部AのバージョンがA1の負荷部(以下、負荷部A1という)を設けられるとともに、後述の洗浄制御部90が内蔵される。
【0033】
図2では、トイレ利用本体100の正面上部に設けられる着座センサ610が示されている。この着座センサ610は、例えば反射型の赤外線センサである。この場合、着座センサ610は、人体から反射された赤外線を検出することにより便座400上に使用者が存在することを検知する。
【0034】
さらに、図2では、トイレ利用本体100の正面下部に設けられる便器ノズル40が便器700の内側に突出している状態が示されている。この便器ノズル40は、上述の衛生洗浄ユニット(負荷部A1)に接続されている。
【0035】
衛生洗浄ユニット(負荷部A1)は、図示しない水道配管に接続されている。これにより、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)は、水道配管から供給される洗浄水を便器ノズル40に供給する。それにより、便器ノズル40から便器700の内面の広い範囲に洗浄水が噴出される(便器プレ洗浄)。または、便器ノズル40から便器700の内面の背面側に洗浄水が噴出される(便器後部洗浄)。
【0036】
また、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)は、後述のノズル部20(図4)に接続されている。これにより、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)は、水道配管から供給される洗浄水をノズル部20に供給する。それにより、ノズル部20から使用者の局部に洗浄水が噴出される。
【0037】
遠隔操作装置300は、操作入力部110として本実施の形態ではトイレ利用本体100から分離され、複数のスイッチが設けられている。遠隔操作装置300は、例えば便座400上に着座する使用者が操作可能な場所、例えばトイレ室1000の壁に取り付けられる。
【0038】
入室検知センサ600は、トイレ質1000の入口等に取り付けられる。入室検知センサ600は、例えば反射型の赤外線センサである。この場合、入室検知センサ600は、人体から反射された赤外線を検出した場合にトイレ室1000内に使用者が入室したことを検知する。
【0039】
洗浄制御部90(図4)は、遠隔操作装置300、入室検知センサ600および着座センサ610から送信される信号を入力したトイレ利用本体100からの情報に基づいて、衛生洗浄ユニット(負荷部A)の各部の動作を制御する。
【0040】
本実施の形態においては、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)をトイレ装置100に接続した場合、遠隔操作装置300や入室検知センサ600などの情報により、便器700の内面の広い範囲、又は、背面側に洗浄水が噴出される。さらに使用者の局部にも洗浄水噴出されることができる。このように、トイレ利用本体100に衛生洗浄ユニット(負荷部
A1)のような負荷部Aを接続する場合、トイレ利用本体100や他の負荷部の品質を保ちつつ、安価で容易に負荷部を付加することができる。また、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)をトイレ利用本体100から削除する場合でも、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、容易に負荷部を削除することができる。
【0041】
<2> 遠隔操作装置の構成
図3は、図2に示す遠隔操作装置300の正面図である。遠隔操作装置300は、コントローラ本体部301の下部にコントローラ蓋部302が開閉自在に設けられた構造を有する。図3(a)に示すように、コントローラ蓋部302が閉じられた状態で、コントローラ本体部301の上部には負荷部部Cの乾燥スイッチ320、洗浄強さ調整スイッチ322、323および位置調整スイッチ325、326が設けられ、コントローラ蓋部302には負荷部の停止スイッチ311、衛生洗浄ユニットのおしりスイッチ312およびビデスイッチ313が設けられている。
【0042】
使用者により、上記各スイッチが操作される。これにより、遠隔操作装置300から図2のトイレ利用本体100に各スイッチに応じた所定の信号が無線送信される。トイレ利用本体100は、受信した信号を判断して衛生洗浄ユニット(負荷部A1)の洗浄制御部90(図4)に送信する。受信した信号に基づいて洗浄制御部90(図4)は各構成部の動作を制御する。
【0043】
例えば、使用者がおしりスイッチ312またはビデスイッチ313を操作することにより、ノズル部20(図4)から使用者の局部に洗浄水が噴出される。また、使用者が停止スイッチ311を操作することにより、ノズル部20から使用者の局部への洗浄水の噴出が停止される。
【0044】
使用者が強さ調整スイッチ322、323を操作することにより、使用者の局部に噴出される洗浄水の流量および圧力等が調整される。
【0045】
さらに、使用者が位置調整スイッチ325、326を操作することにより、おしりノズル21(図4)またはビデノズル22(図4)の位置が調整される。それにより、使用者の局部への洗浄水の噴出位置が調整される。
【0046】
図2(b)に、コントローラ蓋部302が開かれた状態の遠隔操作装置300の正面図が示されている。図2(b)に示すように、コントローラ蓋部302により覆われるコントローラ本体部301の下部には、上述の停止スイッチ311、おしりスイッチ312およびビデスイッチ313に加えて、便座蓋または便座の自動開閉スイッチ331、洗浄水の水温調整スイッチ332、便座温度調整スイッチ333、除菌スイッチ335および便器洗浄スイッチ336が設けられている。
【0047】
これらのスイッチが操作される場合にも、遠隔操作装置300からトイレ利用本体100に各スイッチに応じた所定の信号が無線送信される。これにより、トイレ利用本体100に無線送信された信号に対応した負荷部150がトイレ利用本体100に接続されている場合、トイレ利用本体100から各負荷部の制御部に情報が送られ、各負荷部の制御部は、受信した信号に基づいて各構成部の動作を制御する。
【0048】
自動開閉スイッチ331はつまみにより構成されている。使用者が自動開閉スイッチ331のつまみを操作することにより、便座蓋500(図2)の開閉動作が設定される。すなわち、自動開閉スイッチ331のつまみがオンの位置にある場合、使用者のトイレットルームへの入室、退室に応じて便座蓋500が開閉される。
【0049】
また、使用者が除菌スイッチ335を操作することにより、トイレ利用本体100の洗浄水供給機構に銀イオンを含む洗浄水が流れ、除菌動作が行われる。
【0050】
自動開閉スイッチ331と同様に、便器洗浄スイッチ336はつまみにより構成されている。使用者が便器洗浄スイッチ336のつまみを操作することにより、便器ノズル40による便器プレ洗浄および便器後部洗浄の動作が設定される。
【0051】
すなわち、便器洗浄スイッチ336のつまみがオンの位置にある場合、使用者のトイレ室への入室に応じて便器ノズル40から便器700内部の広い範囲に洗浄水が噴出される。また、使用者の便座400への着座中に便器ノズル40から便器700の内面の背面側に洗浄水が噴出される。
【0052】
このように本実施の形態において、トイレ利用本体100に複数の負荷部150が接続されている場合、各負荷部に対応した所定の無線信号を遠隔操作装置300などから入力したトイレ利用本体100は、各負荷部の制御部に情報を送ることができ、各負荷部の制御部はその情報を基に負荷部を制御する。
【0053】
<3> 衛生洗浄ユニット(負荷部A1)における給水系および制御系の構成
図4は、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)とトイレ利用本体100の構成を示す模式図である。図4に示すように、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)は、分岐水栓2、ストレーナ4、逆止弁5、定流量弁6、止水電磁弁7、流量センサ8、熱交換器9、ポンプ11、バッファタンク12、人体用切替弁13、ノズル部20、バキュームブレーカ31、61、便器ノズル40、便器ノズルモータ40m、ランプ50および洗浄制御部90を含む。
【0054】
ノズル部20は、おしりノズル21、ビデノズル22およびノズル洗浄ノズル23を含み、人体用切替弁13は切替弁モータ13mを含む。
【0055】
図4に示すように、水道配管1には分岐水栓2が介挿される。分岐水栓2と熱交換器9との間に接続される配管3には、ストレーナ4、逆止弁5、定流量弁6、止水電磁弁7および流量センサ8が順に介挿される。熱交換器9と人体用切替弁13との間に接続される配管10には、ポンプ11およびバッファタンク12が介挿される。
【0056】
人体用切替弁13の複数のポートにノズル部20のおしりノズル21、ビデノズル22およびノズル洗浄ノズル23がそれぞれ接続される。
【0057】
バキュームブレーカ31は、止水電磁弁7と流量センサ8との間の配管3から延びる分岐配管30に接続され、熱交換器9および便器ノズル40の洗浄水噴出口よりも上方の位置に配置される。バキュームブレーカ31には、分岐配管32の一端が接続される。分岐配管30と分岐配管32とはバキュームブレーカ31を介して連結される。便器ノズル40は、分岐配管32の他端に接続される。
【0058】
便器ノズルモータ40mおよびランプ50は、便器ノズル40の近傍に取り付けられる。バキュームブレーカ61はバッファタンク12に設けられ、熱交換器9よりも上方の位置に配置される。なお、バキュームブレーカ61およびバッファタンク12は一体的に形成されている。したがって、バッファタンク12も熱交換器9よりも上方の位置に配置される。
【0059】
次に、衛生洗浄ユニットを接続しているトイレ利用100からの情報を基に、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)での洗浄水の流れおよび洗浄制御部90による衛生洗浄ユニット(負荷部A1)の各構成部の制御について説明する。
【0060】
水道配管1を流れる浄水が、洗浄水として分岐水栓2によりストレーナ4に供給される。これにより、洗浄水に含まれるゴミおよび不純物等はストレーナ4により除去される。次に、逆止弁5により配管3内における洗浄水の逆流が防止され、定流量弁6により配管3内を流れる洗浄水の流量が一定に維持される。そして、止水電磁弁7により熱交換器9への洗浄水の供給状態が切替えられる。止水電磁弁7の動作は、洗浄制御部90により制御される。
【0061】
配管3において、流量センサ8は、配管3内を流れる洗浄水の流量を測定し、洗浄制御部90に測定流量値を与える。熱交換器9は、配管3を通して供給される洗浄水を所定の温度に加熱する。熱交換器9の動作は、流量センサ8により測定された測定流量値に基づいて洗浄制御部90により制御される。続いて、熱交換器9により加熱された洗浄水が、ポンプ11によりバッファタンク12を通して人体用切替弁13に圧送される。ポンプ11の動作は、洗浄制御部90により制御される。
【0062】
バッファタンク12は、加熱された洗浄水の温度緩衝部として作用する。これにより、人体用切替弁13に圧送される洗浄水の温度むらの発生が抑制される。なお、熱交換器9とバッファタンク12との合計の容量は、15cc〜30ccであることが好ましく、20cc〜25ccであることがより好ましい。
【0063】
人体用切替弁13においては、切替弁モータ13mが動作することにより、ポンプ11から圧送された洗浄水が、おしりノズル21、ビデノズル22およびノズル洗浄ノズル23のいずれかに供給される。これにより、おしりノズル21、ビデノズル22およびノズル洗浄ノズル23のいずれかから洗浄水が噴出する。切替弁モータ13mの動作は、洗浄制御部90により制御される。おしりノズル21およびビデノズル22は、使用者の局部の洗浄を行うために用いられる。ノズル洗浄ノズル23は、おしりノズル21およびビデノズル22の便器700内に突出する部分を洗浄するために用いられる。
【0064】
止水電磁弁7から熱交換器9に供給される洗浄水のうちノズル部20において使用されない余剰な洗浄水は、分岐配管30、分岐配管32および便器ノズル40を介して捨て水として便器700(図1)内に流される。すなわち、分岐配管30および分岐配管32は捨て水回路として機能する。
【0065】
なお、本例においては、熱交換器9と便器ノズル40との間にバキュームブレーカ31が設けられ、熱交換器9とノズル部20との間にバキュームブレーカ61が設けられている。それにより、熱交換器9内の洗浄水が分岐配管30、分岐配管32および便器ノズル40を介して外部に流出することならびに配管10およびノズル部20を介して外部に流出することが防止される。その結果、熱交換器9の空焚きが防止される。
【0066】
また、バキュームブレーカ31により、便器ノズル40側からの汚水等の逆流が防止されるとともに、バキュームブレーカ61によりノズル部20側からの汚水等の逆流が防止される。
【0067】
また、バッファタンク12とバキュームブレーカ61とが一体的に設けられているので、本体部200を小型化することができる。また、バキュームブレーカ61によりバッファタンク12内の冷水が排出されるので、おしり洗浄時に、おしりノズル21から冷水が噴出されることを防止することができる。
【0068】
本実施の形態においては、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)をトイレ利用本体100に接続した場合、遠隔操作装置300や入室検知センサ600などの情報により、衛生洗浄
ユニット(負荷部A1)の洗浄制御部90が各構成部を制御することで、使用者の局部にも洗浄水噴出されることができる。このように、トイレ利用本体100に衛生洗浄ユニット(負荷部A1)のような負荷部を接続する場合、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、安価で容易に負荷部を付加することができる。また、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)をトイレ利用本体100から削除する場合でも、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、容易に負荷部を削除することができる。
【0069】
<4> 衛生洗浄ユニット(負荷部A)の他のバージョンの構成例
図5は、衛生洗浄ユニット(バージョンが負荷部A1)の他のバージョンの構成例(以下、負荷部A2という)を示す模式図である。図5の衛生洗浄ユニット(負荷部A2)が図4の衛生洗浄ユニット(負荷部A1)と異なるのは以下の点で、それ以外の構成並びに作用効果は同じである。
【0070】
図5の衛生洗浄ユニット(負荷部A2)においては、配管3における止水電磁弁7と流量センサ8との間にイオン溶出装置70が介挿されている。イオン溶出装置70は、洗浄制御部90により制御され、配管3を流れる洗浄水に銀イオンを溶出させる(除菌動作)。それにより、銀イオンを含む洗浄水がおしりノズル21、ビデノズル22、ノズル洗浄ノズル23および便器ノズル40から噴出される。なお、イオン溶出装置70の詳細は後述する。
【0071】
銀イオンは殺菌性を有するので、おしりノズル21、ビデノズル22および便器ノズル40の洗浄水の噴出口に付着する細菌が殺菌される。また、おしりノズル21およびビデノズル22の便器700内に突出する部分がノズル洗浄ノズル23により洗浄される。これにより、おしりノズル21およびビデノズル22の殺菌が確実に行われる。
【0072】
さらに、便器プレ洗浄時に便器ノズル40から洗浄水が便器700の内面の広い範囲に噴出されるので、便器700の殺菌が確実に行われる。それにより、悪臭の発生を防止することができるとともに、便器700を清潔に保つことができる。
【0073】
また、上述したように、本例においては、洗浄水を用いて便器ノズル40を洗浄することが可能であり、便器ノズル40の殺菌も確実に行われる。なお、イオン溶出装置70において溶出されるイオンは、上記の銀イオンの他、殺菌性を有する金属イオンであればよく、例えば、銅イオンまたは亜鉛イオンが用いられてもよい。この場合、イオン溶出装置70に設けられる銀電極に代えて、銅電極または亜鉛電極が用いられる。
【0074】
本実施の形態においては、衛生洗浄ユニット(負荷部A2)をトイレ利用本体100に接続した場合、遠隔操作装置300や入室検知センサ600などの情報により、衛生洗浄ユニット(負荷部A2)の洗浄制御部90が各構成部を制御することで、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)とは異なる除菌動作などができる。このように、トイレ利用本体100に衛生洗浄ユニット(負荷部A2)のような負荷部を接続する場合、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、安価で容易に負荷部を付加することができる。また、衛生洗浄ユニット(負荷部A2)をトイレ利用本体100から削除する場合でも、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、容易に負荷部を削除することができる。
【0075】
<5> 衛生洗浄ユニット(負荷部A1)のさらに他のバージョンの構成例
図6は、衛生洗浄ユニット(バージョンが負荷部A1)のさらに他のバージョンの構成例(以下、負荷部A3という)を示す模式図である。図6の衛生洗浄ユニット(負荷部A3)が図4の衛生洗浄ユニット(負荷部A1)と異なるのは以下の点で、それ以外の構成並びに作用効果は同じである。
【0076】
図6の衛生洗浄装置(負荷部A3)においては、配管3における定流量弁6と止水電磁弁7との間から延びる分岐配管33が設けられている。分岐配管33には、止水電磁弁34および便器ノズル40が設けられている。この場合、洗浄制御部90により止水電磁弁34を制御することにより、便器ノズル40からの洗浄水の噴出の開始および停止を容易に切り替えることができる。また、止水電磁弁34により便器ノズル40からの汚水の逆流を確実に防止することができる。
【0077】
また、分岐配管33が止水電磁弁7の上流部に設けられているので、便器ノズル40に十分な圧力で洗浄水を供給することができる。また、止水電磁弁7および止水電磁弁34を開くことにより、ノズル部20および便器ノズル40から同時に洗浄水を噴出させることが可能となる。
【0078】
本実施の形態においては、衛生洗浄ユニット(負荷部A3)をトイレ利用本体100に接続した場合、遠隔操作装置300や入室検知センサ600などの情報により、衛生洗浄ユニット(負荷部A3)の洗浄制御部90が各構成部を制御することで、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)とは異なる汚水の逆流を確実に防止ことができる。このように、トイレ利用本体100に衛生洗浄ユニット(負荷部A3)のような負荷部を接続する場合、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、安価で容易に負荷部を付加することができる。また、衛生洗浄ユニット(負荷部A3)をトイレ利用本体100から削除する場合でも、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、容易に負荷部を削除することができる。
【0079】
<6> 衛生洗浄ユニット(負荷部A1)のさらに他のバージョンの構成例
図7は、衛生洗浄ユニット(バージョンが負荷部A1)のさらに他のバージョンの構成例(以下、負荷部A4)を示す模式図である。図7の衛生洗浄ユニット(負荷部A4)が図4の衛生洗浄ユニット(負荷部A1)と異なるのは以下の点で、それ以外の構成並びに作用効果は同じである。
【0080】
図7の衛生洗浄ユニット(負荷部A4)においては、配管3に便器用切替弁14が設けられている。便器用切替弁14は便器切替弁モータ14mを含む。便器用切替弁14は、配管3において、分岐配管30との連結部より上流側でかつ止水電磁弁7より下流側に設けられている。便器用切替弁14の複数のポートのうちの一つに配管35が接続されている。便器ノズル40は、配管35の先端に設けられている。
【0081】
この場合、洗浄制御部90により便器切替弁モータ14mを制御することにより、便器ノズル40からの洗浄水の噴出の開始および停止を容易に切り替えることができる。また、便器用切替弁14により便器ノズル40からの汚水の逆流を確実に防止することができる。
【0082】
また、分岐配管35が本体部200の上流部に設けられているので、便器ノズル40に十分な圧力で洗浄水を供給することができる。
【0083】
本実施の形態においては、衛生洗浄ユニット(負荷部A4)をトイレ利用本体100に接続した場合、遠隔操作装置300や入室検知センサ600などの情報により、衛生洗浄ユニット(負荷部A4)の洗浄制御部90が各構成部を制御することで、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)とは異なる汚水の逆流を確実に防止ことができる。このように、トイレ利用本体100に衛生洗浄ユニット(負荷部A4)のような負荷部を接続する場合、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、容易に負荷部を付加することができる。また、衛生洗浄ユニット(負荷部A4)をトイレ利用本体100から削除する場合でも、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、容易に負荷部を削除することができる。
【0084】
<7> 衛生洗浄ユニット(負荷部A1)のさらに他のバージョンの構成例
図8は、衛生洗浄ユニット(バージョンが負荷部A1)のさらに他の他のバージョンの構成例(以下、負荷部A5)を示す模式図である。図8の衛生洗浄ユニット(負荷部A5)が図4の衛生洗浄ユニット(負荷部A1)と異なるのは以下の点で、それ以外の構成並びに作用効果は同じである。
【0085】
図8の衛生洗浄ユニット(負荷部A5)においては、配管10におけるバッファタンク12と人体用切替弁13との間に便器用切替弁14が設けられている。便器用切替弁14の複数のポートのうちの一つに配管35が接続されている。便器ノズル40は、配管35の先端に設けられている。
【0086】
この場合、洗浄制御部90により便器切替弁モータ14mを制御することにより、便器ノズル40からの洗浄水の噴出の開始および停止を容易に切り替えることができる。また、便器用切替弁14により便器ノズル40からの汚水の逆流を確実に防止することができる。また、配管35がポンプ11の下流側に配置されるので、便器ノズル40に供給される洗浄水の圧力を一定に保つことができる。
【0087】
また、配管35が熱交換器9の下流側に配置されるので、便器ノズル40から温水を噴出させることができる。それにより、便器700に汚物が付着することをさらに確実に防止することができる。また、温水で便器700を洗浄することにより、除菌効果が得られる。
【0088】
本実施の形態においては、衛生洗浄ユニット(負荷部A5)をトイレ利用本体100に接続した場合、遠隔操作装置300や入室検知センサ600などの情報により、衛生洗浄ユニット(負荷部A5)の洗浄制御部90が各構成部を制御することで、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)とは異なり、供給される洗浄水の圧力を一定に保つことができる。
【0089】
このように、トイレ利用本体100に衛生洗浄ユニット(負荷部A5)のような負荷部を接続する場合、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、容易に負荷部を付加することができる。また、衛生洗浄ユニット(負荷部A5)をトイレ利用本体100から削除する場合でも、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、容易に負荷部を削除することができる。
【0090】
<8> 衛生洗浄ユニット(負荷部A1)のさらに他のバージョンの構成例
図9は、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)のさらに他のバージョンの構成例(以下、負荷部A6)を示す模式図である。図9の衛生洗浄ユニット(負荷部A6)が図4の衛生洗浄ユニット(負荷部A1)と異なるのは以下の点で、それ以外の構成並びに作用効果は同じである。
【0091】
図9の衛生洗浄ユニット(負荷部A6)においては、図4の人体用切替弁13の代わりに切替弁15が設けられている。切替弁15は切替弁モータ15mを含む。切替弁15の複数のポートにおしりノズル21、ビデノズル22、ノズル洗浄ノズル23および配管36がそれぞれ接続される。配管36の先端に便器ノズル40が設けられる。
【0092】
切替弁15においては、切替弁モータ15mが動作することによりポンプ11から圧送された洗浄水が、おしりノズル21、ビデノズル22、ノズル洗浄ノズル23および便器ノズル40(配管36)のいずれかに供給される。
【0093】
本例においては、おしりノズル21、ビデノズル22、ノズル洗浄ノズル23および便
器ノズル40を共通の切替弁15に接続することができるので、本体部の構成を簡略化することができる。それにより、トイレ装置の製造コストを低減できる。
【0094】
本実施の形態においては、衛生洗浄ユニット(負荷部A6)をトイレ利用本体100に接続した場合、遠隔操作装置300や入室検知センサ600などの情報により、衛生洗浄ユニット(負荷部A6)の洗浄制御部90が各構成部を制御することで、衛生洗浄ユニット(負荷部A1)とは異なる共通の切替弁15に接続することができる。このように、トイレ利用本体100に衛生洗浄ユニット(負荷部A6)のような負荷部を接続する場合、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、安価で容易に負荷部を付加することができる。また、衛生洗浄ユニット(負荷部A6)をトイレ利用本体100から削除する場合でも、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、容易に負荷部を削除することができる。
【0095】
<9> 暖房便座ユニットの構成
図10は、暖房便座ユニット(負荷部B)とトイレ利用本体100の構成を示す模式図である。図10に示すように、暖房便座ユニット(負荷部B)は、便座制御部91、温度測定部401、ヒータ駆動部402、便座温調ランプRA1および着座センサ610を含む。また、暖房便座ユニット(負荷部B)の便座400は便座ヒータ450およびサーミスタ401aを備える。
【0096】
便座制御部91は、例えばマイクロコンピュータおよびその周辺回路などからなり、使用者の入室および便座400の温度等を判定する判定部、タイマ機能を有する計時部、種々の情報を記憶する記憶部、ならびに、ヒータ駆動部402の動作を制御するための通電率切替回路等を含む。
【0097】
暖房便座ユニット(負荷部B)の温度測定部401は、便座400のサーミスタ401aに接続されている。これにより、温度測定部401は、サーミスタ401aから出力される信号に基づいて便座400の温度を測定する。以下、サーミスタ401aを通じて温度測定部401により測定される便座400の温度を測定温度値と称する。
【0098】
また、暖房便座ユニット(負荷部B)のヒータ駆動部402は、便座400の便座ヒータ450に接続されている。これにより、ヒータ駆動部402は便座ヒータ450を駆動する。なお、この暖房便座ユニット(負荷部B)は、便座400に設けたサーミスタ401aと便座ヒータ450を設けた便座400と、それ以外の便座制御部91、温度測定部401、ヒータ駆動部402、便座温調ランプRA1および着座センサ610の構成のユニットに分離して構成され、後者のユニットのみがトイレ利用本体100に内蔵されている。
【0099】
本実施の形態において、暖房便座ユニット(負荷部B)は次のように動作する。初期設定時では、便座制御部91がヒータ駆動部402を制御することにより、便座400が例えば約18℃となるように温度調整される。このときの温度を待機温度と称する。
【0100】
ここで、使用者が遠隔操作装置300の便座温度調整スイッチ333を操作することにより、便座設定温度がトイレ利用本体100に無線送信される。トイレ利用本体100は、受信した信号を暖房便座ユニット(負荷部B)の便座制御部91に送信する。受信した信号に基づいて便座制御部91は便座設定温度を記憶する。
【0101】
使用者がトイレ室に入室すると、入室検知センサ600が使用者の入室を検知する。それにより、使用者の入室検知信号がトイレ利用本体100に無線送信される。トイレ利用本体100は、受信した信号を暖房便座ユニット(負荷部B)の便座制御部91に送信す
る。
【0102】
次に、通常の使用時の動作について説明する。便座制御部91の判定部は、入室検知センサ600からの入室検知信号により使用者のトイレ室への入室を検知する。そこで、判定部は、便座400の測定温度値、および記憶部に記憶された便座設定温度に基づいて便座ヒータ450の駆動に関する特定のヒータ制御パターンを選択する。
【0103】
通電率切替回路は、選択されたヒータ制御パターンおよび計時部により得られる時間情報に基づいてヒータ駆動部402の動作を制御する。それにより、ヒータ駆動部402により便座ヒータ450が駆動され、便座400の温度が便座設定温度へと瞬時に上昇される。
【0104】
本実施の形態においては、暖房便座ユニット(負荷部B)をトイレ利用本体100に接続した場合、遠隔操作装置300や入室検知センサ600などの情報により、便座設定温度の記憶や、便座設定温度に基づいて便座ヒータ450の駆動に関する特定のヒータ制御をすることができる。
【0105】
このように、トイレ利用本体100に暖房便座ユニット(負荷部B)のような負荷部を接続することで、トイレ利用本体や他の負荷部の品質を保ちつつ、安価で容易に負荷部を付加することができる。また、暖房便座ユニット(負荷部B)をトイレ利用本体100から削除する場合でも、トイレ装置や他の負荷部の品質を保ちつつ、容易に負荷部を削除することができる。
【0106】
なお、上記実施の形態におけるトイレ利用本体は、負荷部A1〜A6の6種類の衛生洗浄ユニット、負荷部Bの暖房便座ユニットを単独に使用する詳細な実施形態を説明したが、6種類の衛生洗浄ユニットのそれぞれに、接続部を介してトイレ利用本体に接続して暖房便座ユニットを組み合わせて使用することも可能で、さらに図1に示す前記以外の負荷部CからGも、負荷部A1〜A6の負荷部Aまたは負荷部Bと、そして負荷部Aと負荷部Bの組み合わせたものに、組み合わせて使用することも可能である。ただ、負荷部D、F、Gは単独で使用することも可能である。
【0107】
例えば、負荷部Cである用便後の洗浄した人体局部を乾燥させる乾燥ユニット、負荷部Dであるトイレ室の匂いを浄化する脱臭ユニット、負荷部Eである各負荷部の動作、操作情報等の表示ユニット、負荷部Bである便座の便座蓋を開閉する負荷部Fである開閉ユニット、負荷部Gである映像と音楽を観賞できるAV機能ユニット等を接続部を介してトイレ利用本体に接続し、使用することができるもので、本発明と同等の作用効果を期待することができる。
【0108】
また、乾燥ユニットはユニット化し、かつ局部へ温風を噴出するファンと電気ヒータ等で構成し、トイレ利用本体に局部洗浄ユニットともに内蔵する。脱臭ユニットはユニット化し、かつ匂いを吸引するファンと吸引された匂いを脱臭する脱臭部等で構成し、トイレ利用本体に衛生洗浄ユニットとともに内蔵する。表示ユニットは、ユニット化したLED,液晶基板等で構成し、トイレ利用本体の外面に液晶部、LEDを露出させてトイレ利用本体に設置する。
【0109】
開閉ユニットは、トイレ室への使用者の入室、退室を検知する赤外線センサ等の検知部と前記検知部の信号に基づき便座蓋を開閉するモータ等の駆動部等で構成してユニット化し、トイレ利用本体の外面に検知部を露出し、トイレ利用本体に内蔵する。なお、開閉ユニットは、便座蓋の開閉だけでなく、検知部からの信号で便座蓋が自動開成した後に便座の前に立った使用者が操作入力部から便座開閉の操作をすることで開閉できるようにして
便器を男子小便用に利用し、その後トイレ室から退室で便座、便座蓋とも自動閉成する構成にしても良い。
【0110】
AV機能ユニットは、ユニット化した液晶テレビ受像機で、トイレ利用本体を介して操作信号および電源供給を受けるようにトイレ室の壁に設置する。これ以外に、ラジオ受信機も負荷部として利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
以上のように、本発明にかかるトイレ利用装置は、トイレ利用本体に接続しトイレ室で使用できる負荷部を種々と容易に変えられるとともに、トイレ利用本体を共用できるもので、他のトイレ室以外に設置できる器具等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施の形態1におけるトイレ利用装置を示すブロック図
【図2】同実施の形態1におけるトイレ利用装置で、衛生洗浄ユニットを接続し、便器に設けた斜視図
【図3】同実施の形態1におけるトイレ利用装置の遠隔操作装置の正面図
【図4】同実施の形態1におけるトイレ利用装置で、他の衛生洗浄ユニットを接続した構成図
【図5】同実施の形態1におけるトイレ利用装置で、他の衛生洗浄ユニットを接続した構成図
【図6】同実施の形態1におけるトイレ利用装置で、他の衛生洗浄ユニットを接続した構成図
【図7】同実施の形態1におけるトイレ利用装置で、他の衛生洗浄ユニットを接続した構成図
【図8】同実施の形態1におけるトイレ利用装置で、他の衛生洗浄ユニットを接続した構成図
【図9】同実施の形態1におけるトイレ利用装置で、他の衛生洗浄ユニットを接続した構成図
【図10】同実施の形態1におけるトイレ利用装置で、暖房便座ユニットを接続した構成図
【符号の説明】
【0113】
90 洗浄制御部(制御部)
91 便座制御部(制御部)
100 トイレ利用本体
110 操作入力部
120 情報通信部
130 接続部
140 電源部
150 負荷部(負荷部A〜G)
400 便座
500 便座蓋
700 便器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用便時にトイレ室で利用する負荷部を動作させるため外部からの操作による情報を入力する操作入力部と、前記負荷部を動作させるのに必要な電源を供給する電源部と、前記操作入力部からの操作情報に基づき判断し、操作情報に対応した前記負荷部へ情報を送信する情報通信部と、前記情報通信部および前記電源部に、前記負荷部を取替え可能に電気的に接続する接続部を備えたトイレ利用本体を有するトイレ利用装置。
【請求項2】
トイレ利用本体の接続部に接続される負荷部は、情報通信部からの情報に基づき前記負荷部の動作を制御する制御部を備えてなる請求項1記載のトイレ利用装置。
【請求項3】
負荷部は、便座に暖房ヒータを設けた暖房便座ユニット、人体の局部を洗浄水で洗う衛生洗浄ユニット、用便後の洗浄した人体局部を乾燥させる乾燥ユニット、トイレ室の匂いを浄化する脱臭ユニット、負荷部の動作、操作情報等を表示する表示ユニット、前記便座の少なくとも便座蓋を開閉する開閉ユニット、映像等を観賞できるAV機能ユニット等であり、トイレ利用本体は、前記負荷ユニットの中から選んだ少なくとも一つ以上の負荷ユニットを接続してなる請求項1または請求項2に記載のトイレ利用装置。
【請求項4】
トイレ利用本体は、便座を倒立自在に設け、かつ便器の後部上面に設置し、少なくとも一つ以上の負荷部を一体に設けてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のトイレ利用装置。
【請求項5】
トイレ利用本体は、接続部に生産工程または顧客先で負荷ユニットを接続してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のトイレ利用装置。
【請求項6】
トイレ利用本体の操作入力部は、外部から操作情報を送信する遠隔操作装置としてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載のトイレ利用装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−2033(P2009−2033A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−163498(P2007−163498)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】