説明

トナー離型層を有する定着用部材およびそれを具備する定着装置

【課題】離型性に優れた弾性体からなる離型層を有する定着用部材および該定着用部材を備えた定着装置を提供することである。
【解決手段】電子写真画像形成装置用の定着用部材であって、該定着用部材の表面にトナー離型層が設けられている。該トナー離型層は、主成分として分子内にエーテル結合を有するフッ素ゴムを含み、更にポリエーテル構造を有するポリシロキサン系界面活性剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、LBP等の電子写真画像形成装置における定着装置に利用される定着用部材に関するものであり、特にオイルレス方式の定着装置で好適に用いられる定着用部材に関するものである。また、そのような定着用部材を用いた定着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
定着用部材には、高いトナー離型性が要求される。高いトナー離型性を有する場合、紙などの記録材上に静電的に形成されたトナー画像を熱と圧力により定着させる際に、定着用部材の表面にトナーが付着しにくくなる。トナーが部材表面に付着する、つまりトナーオフセットが生じると、記録材上に形成されたトナー画像に部分的な欠けが生じたり、またオフセットしたトナーが次の記録材の上に再定着されたりすることにより画質が悪化するという問題が生じる。したがって、トナー離型性に優れた材料を定着用部材の表面、つまり離型層に用いることが、検討されている。
【0003】
このような定着用部材としては、円筒軸体の外周に一層以上の層構造が形成されており、離型層にフッ素樹脂を用いたものが一般的に用いられている。
フッ素樹脂は表面エネルギーが低く、トナー離型性に優れているが、樹脂であるがゆえに材料硬度が高いという短所がある。硬度が高いと、静電的に形成されたトナー画像を熱と圧力により定着させる際に、紙繊維の凹凸に対する追従性が低く、高画質な画像が得られにくくなる。また、凹凸のほとんどない記録材に対しては、トナー粒子を必要以上に押しつぶしてしまい、小さな文字が読みづらくなるなど高画質な画像を得にくくなる。
【0004】
これに対して、弾性体からなる離型層を用いたものは、樹脂に比べて柔軟性があり、高画質な画像を得やすいという利点がある。しかしながら、一般的に弾性体、すなわちゴムはフッ素樹脂に比べると表面エネルギーが高く、トナー離型性に劣る傾向にある。特に、カラーオイルレス定着においては、離型層に用いる材料として実用化されているのはフッ素樹脂のみであり、ゴムからなる離型層を有する定着用部材は現在まで実用化されていない。高画質な画像を得るためには、硬質な樹脂からなる離型層ではなく、柔軟なゴムからなる離型層が望まれている。
【0005】
また、定着用部材は200℃程度の高温で使用されるため、離型層に用いるゴムには耐熱性が要求される。このような耐熱性を有するゴム種としては、一般的にフッ素ゴム、シリコーンゴム等がある。フッ素ゴムとは、部分的にフッ素化された炭化水素鎖からなる各種フルオロポリマーに架橋剤、架橋助剤、補強性配合剤などを添加し、ポリアミン架橋、ポリオール架橋、あるいは有機過酸化物架橋などによって、三次元網目構造を形成させ、弾性体であるゴムとしたものである。
【0006】
これまで、フッ素ゴムは、カラー機において変性シリコーンオイルを外部から供給するオイル塗布系の離型層として主に用いられており、フッ素ゴムポリマー(フルオロポリマー)の種類としては、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの二元共重合体、あるいはビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンの三元共重合体からなるフルオロポリマーに金属含有充填剤、補強性充填剤を配合したものをポリアミン架橋あるいはポリオール架橋したものが主に使用されている。
【0007】
また、シリコーンゴムとは、メチルビニルシロキサン、またはメチル基の一部をフェニル基に置換したメチルフェニルビニルシロキサン単位からなるポリマーなどの生ゴムに、必要に応じて各種フィラーを配合したものを、付加反応架橋、有機過酸化物架橋などによって、三次元網目構造を形成させ、弾性体であるゴムとしたものである。
【0008】
一般的に、シリコーンゴムは耐熱性に優れていることから、主に下層の熱伝導性弾性体層として用いられている。また、離型層としては、カラー機においてジメチルシリコーンオイルを外部から供給するオイル塗布系において、主に用いられてきた。
【0009】
しかし、最近では離型性を確保するために、トナー中に離型補助効果を有するワックスを内添させ、前述したように外部からオイル塗布を行わないオイルレス定着方式がフッ素樹脂離型層で実用化されている。
【0010】
高画質な画像を得る目的で、フッ素樹脂の替わりにフッ素ゴムを離型層に用いると、トナー中のワックスとフッ素ゴムとの親和性が低く、ワックスによる離型補助効果が十分に発揮されないために、トナーが離型層から剥がれないことにより生じる紙巻きつきや、あるいはトナーオフセットが起こることがあった。
【0011】
また、離型層にジメチルシリコーンゴムを用いると、トナー中のワックスとジメチルシリコーンゴムの親和性は高いが、親和性が高すぎるためにトナー離型性に何らかの悪影響を及ぼし、紙巻きつきや、あるいはトナーオフセットが起こることがあった。
【0012】
カラーオイルレス定着においてゴム離型層を用いることが開示されている。(例えば、特許文献1参照。)この文献では、トナーとしてワックスを含有するトナーを用い、定着装置のうち記録材上の未定着トナー像に接触する側の定着部材表面に、ワックスと親和性の高いフッ素ゴムからなる離型層を具備させたことを特徴とする画像記録装置が開示されている。
【0013】
上記文献には、ワックス親和性の高いフッ素ゴムからなる離型層が提案されているが、この離型層ではトナーの離型性が不十分であり、さらなるトナー離型性の向上が望まれる。
【0014】
また、表面層が、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンの三元共重合体、加硫剤、及び、シリコーンオイルを有する液体塗料の加硫生成物で構成されていることを特徴とする定着ベルトが提案されている。(例えば、特許文献2参照。)そして、シリコーンオイルとしては、一部をフルオロアルキル基で置換したもの、或いは、その化学構造の末端に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる官能基を有するものが好ましいと記載されている。
【0015】
上記文献には、汎用的なフッ素ゴムと、シリコーンオイルとの混合物からなる離型層が提案されているが、互いに親和性の低いフッ素ゴムとシリコーンオイル両者の分散性については全く触れられていない。両者の親和性が低い場合において海島構造をとった場合には、島の大きさが不均一となり、特に大きな島が生じた場合において、トナー離型性の不十分な部分が生じることがある。
【0016】
【特許文献1】特開2000−242115号公報
【特許文献2】特開2004−138956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、トナーオフセットを起こさず、トナー離型性に優れた弾性体からなる離型層を有する定着用部材を提供することである。より具体的には、フッ素ゴムに対するシリコーン化合物の分散性を向上し、フッ素ゴムにシリコーン化合物が微分散された離型層を有する定着用部材を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、このような離型層を有する定着用部材を備えた定着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するための本発明は、表面にトナー離型層を設けた電子写真画像形成装置の定着用部材であって、
該トナー離型層が、主成分として分子内にエーテル結合を有するフッ素ゴムを含み、更にポリエーテル構造を少なくとも有するポリシロキサン系界面活性剤を少なくとも含む層であることを特徴とする定着用部材に関する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、フッ素ゴムにシリコーン化合物が微分散された、トナー離型性に優れた弾性体からなる離型層を有する定着用部材であって、トナーオフセットを起こさない定着用部材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
フッ素ゴムのワックス親和性を適度に高める手段として、フッ素ゴム中にポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン)を微細な島状に分散させることが考えられる。ワックスとの親和性の低いフッ素ゴムに、ワックスとの親和性の高いポリシロキサンを分散させることで、フッ素ゴムのワックス親和性を高めることができる。
【0022】
しかしながら、単にフッ素ゴムにジメチルポリシロキサンを混ぜるだけでは、両者の親和性が低いために、分散状態が粗くなり、分散粒径は数百μmになってしまうことが多かった。そこで本発明では、フッ素ゴムのポリマー種として、分子内にエーテル結合を有するフッ素ゴムを用い、且つ、このフルオロポリマーと親和性のあるポリエーテル構造を有するポリシロキサン系界面活性剤を添加剤として用いることによって、ポリシロキサンの分散性を向上させた。
【0023】
上記のようにして、フッ素ゴム中にポリシロキサン系界面活性剤を分散させる場合、該フッ素ゴムを海相、該ポリシロキサン系界面活性剤を島相とする海島構造となるように分散させることが好ましい。特に、島相の個数基準の平均粒径が2μm以下であるように分散させることが好ましく、また0.1μm以上であることがより好ましい。フッ素ゴムにポリシロキサン系界面活性剤を微分散することにより、定着用部材表面のトナーに対する離型性を均一に高めることができる。
島相の平均粒径の測定は、電子顕微鏡観察によって行う。無作為に20箇所の島相を選択し、その島相の長径を測定する。測定された値のうち、最も大きい側及び最も小さい側の3つずつの値を除いた14の測定値の平均値をもって、平均粒径とする。
【0024】
ポリシロキサン系界面活性剤は、疎水基として、好ましくはジアルキルポリシロキサン構造、より好ましくはジメチルポリシロキサン構造を有するものであり、また、親水基として、好ましくはポリエーテル構造、より好ましくはポリオキシアルキレン構造を有する非イオン系の界面活性剤である。ジアルキルポリシロキサン系界面活性剤は、シロキサン骨格をもっているため、揮発性が低く、熱安定性が優れているので、高温で使用される定着用部材で用いることに適している。
【0025】
前述したように、フッ素ゴムポリマー(フルオロポリマー)の種類として、従来は、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの二元共重合体、あるいはビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンの三元共重合体が用いられている。しかしながら、ポリシロキサン系界面活性剤のポリエーテル構造との親和性を考慮すると、エーテル結合を有するフッ素ゴムを用いることが好ましい。特に、本発明においては、フッ素ゴムとして、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体を用いることが好ましい。
【0026】
本発明で用いられるポリシロキサン界面活性剤は、ジメチルポリシロキサンを例とすると主に3種類の構造に分類することができる。すなわち、下記式(1)で表されるジメチルポリシロキサン骨格の側鎖にポリオキシアルキレンが結合した構造からなる側鎖変性型、下記式(2)で表されるジメチルポリシロキサン骨格の末端にポリオキシアルキレンが結合した構造からなる末端変性型および下記式(3)で表されるジメチルポリシロキサンとポリオキシアルキレンが交互に繰り返し結合した構造からなる共重合型である。このなかで、式(3)で表される共重合型が、フッ素ゴムに対する分散性が最も優れているので、より好ましい。
【0027】
【化1】

【0028】
【化2】

【0029】
【化3】

【0030】
(式中、a及びbは0または整数、n及びmは整数であり、R及びR’は、飽和炭化水素基或いは不飽和炭化水素基である。)
【0031】
ポリシロキサン系界面活性剤の配合量としては、フッ素ゴム100質量部に対して、20〜60質量部(より好ましくは40〜60質量部である)であることが好ましい。上記の範囲内で使用することにより、トナー離型性の向上効果が十分に得られることに加え、フッ素ゴムの機械的強度を良好な範囲に維持できる。
【0032】
次に、フッ素ゴムの架橋剤については特に限定されるものではないが、公知の高フッ素含有率のポリマーに対しても適用でき、得られるエラストマーの耐性が高くなるので有機過酸化物架橋剤を用いることが好ましい。具体的には、フッ素ゴムのポリマーは、分子鎖末端又は側鎖にヨウ素または臭素を導入したタイプのもので、有機過酸化物による架橋は、ヨウ素または臭素原子の引き抜き反応と架橋助剤のアリル基へのラジカル反応等により行われる。
【0033】
架橋は、溶液コーティングにより表層を形成した後、加熱することにより行われるが、有機過酸化物を用いて架橋を行う場合には、オーブン架橋等の常圧熱気架橋を行うと、空気中に存在する酸素により硬化阻害が生じることがあるので、硬化阻害の原因となる酸素を遮断するために、窒素置換オーブンなどで架橋することが好ましい。
【0034】
離型層ゴム(フッ素ゴム)は、表面エネルギーの観点から各種充填剤、例えば補強性充填剤を全く含まないか、或いは、フッ素ゴムとポリシロキサン系界面活性剤の混合物100質量部に対して5質量部以下配合することが好ましい。離型層が5質量部を超えて充填剤を含有すると、トナー離型性が低下してくることがあり、好ましくない。
【0035】
フッ素ゴムからなる離型層を有する定着用部材は、例えば以下のようにして製造することができる。反応基として分子内にヨウ素または臭素を含有し、かつエーテル結合を有するフルオロポリマー100質量部に対して、ポリエーテル構造を有するポリシロキサン系界面活性剤を50部、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレートを4質量部、架橋剤として有機過酸化物であるベンゾイルパーオキサイド3質量部をケトン系溶剤に溶解し、よく攪拌した後、予めプライマーを均一に塗布、乾燥させたローラあるいはベルトの外周に形成されている弾性体層の少なくとも表層となるように、スプレーコーティングし、その後、窒素置換オーブン中での一次架橋、通常の加熱オーブン中における二次架橋の工程を経ることにより製造することができる。
【0036】
ただし、熱伝導性シリコーンゴム上に離型層を形成する場合は、架橋剤と架橋助剤がシリコーンゴム層へ移行し、離型層中の量が少なくなることがあるので、あらかじめ架橋剤と架橋助剤を上記標準量の数倍配合することが好ましい。なお、熱伝導性シリコーンゴム層上にプライマー層を形成する場合、プライマー層は公知のものを使用してもよいが、架橋剤と架橋助剤が移行することを防ぐことができるものを使用することが好ましい。公知のプライマーを使用する場合は、プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常1〜5μm程度である。
【0037】
このようにして得られる単層で構成された定着用部材の断面を図1に示す。図1ではローラの構成を示すが、ベルト状部材であっても良い。図1において、1はローラ基材であり、2は分子内にエーテル結合を有するフッ素ゴムとポリエーテル構造を有するポリシロキサン系界面活性剤とを含むトナー離型層である。
【0038】
トナー離型層の厚さは必要に応じて適宜決めればよいが、通常、十分な耐キズ・耐摩耗性を確保するために10μm以上であることが好ましい。また、熱伝導性等の点から500μm以下であることが望ましい。
【0039】
基材上にトナー離型層を積層した単層定着ベルトとして用いる場合には、トナー離型層の厚みが60〜150μmであることが好ましい。この範囲とすることによって、ベルト表面に弾性を付与しつつ、熱効率の大幅な低下を抑制することができる。
【0040】
また、定着ベルトの基材は、厚み10〜50μmからなるシームレスベルトであって、材質はポリイミド、ポリアミドイミド等の耐熱性樹脂、あるいはSUS、ニッケル、アルミ等の金属から選ばれるが、電気抵抗値の小さい金属製のものが好ましい。
【0041】
次に、図2に2層構造の定着用部材を示す。図2ではローラの構成を示すが、ベルト状部材であっても良い。2層構造の定着用部材は、ローラ基材1の外周に、まず、従来のシリコーンゴム等からなる熱伝導性弾性体層3を形成し、この熱伝導性弾性体層3の外周に、分子内にエーテル結合を有するフッ素ゴムとポリエーテル構造を有するポリシロキサン系界面活性剤とを含む離型層2が形成される。
【0042】
熱伝導性弾性体層に用いるシリコーンゴムのポリマー種としては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等をあげることができ、これに熱伝導性充填剤を配合させたものが好ましい。このような弾性体層は公知の方法、例えばシリコーンゴム材料を成形型内に注入し、加熱硬化する方法、あるいはコーティングによりシリコーンポリマー層を形成し、加熱オーブンなどで硬化させる方法等で作製すればよい。
【0043】
熱伝導性弾性体層の厚さは、紙などの記録材に対する追従性を確保するため等の理由から50μm以上が好ましく、熱伝導性等の点から5mm以下であることが好ましい。
【0044】
なお、この場合も、単層構造の定着用部材の場合と同様、離型層の厚さも適宜決めればよく、好ましい範囲は10〜500μmである。
【0045】
なお、本発明の定着用部材は上記の単層あるいは2層構造の定着用部材に限定されるものではなく、3層以上の多層構造であってもよく、また定着ベルト、定着ローラ、加圧ベルト、あるいは加圧ローラなどいずれの形態のものでもよい。
【0046】
また、トナー離型層は、JIS−Aで規定されるゴム硬度において、10°〜60°であることが好ましく、この場合に、より高画質な画像が得られるようになる。
【0047】
次に、本発明の定着装置について説明する。本発明の定着装置は、電子写真画像形成装置に用いる定着装置であって、定着ローラ、定着ベルト、加圧ローラ及び加圧ベルトからなる群より選択される定着用部材を有するものであり、該定着用部材として、上述した定着用部材を用いるものである。電子写真画像形成装置は、定着装置以外に、感光体、潜像形成手段、形成した潜像をトナーで現像する手段、現像したトナー像を転写材に転写する手段等を有するものである。
【0048】
本発明の定着装置の一例について図3に構成図を示す。定着装置には、上ローラである定着ローラ4および下ローラである加圧ローラ5が配置されている。この定着ローラ4と、加圧ローラ5に本発明の定着用部材が用いられる。そして、定着ローラ4と、加圧ローラ5の中心にはハロゲンランプからなるヒーター6がそれぞれ1本組み込まれている。
【0049】
定着ローラ4は矢印方向に所定の周速度で回転駆動し、加圧ローラ5もそれに合わせて矢印方向に回転駆動する。そして、紙などの記録材上に形成されたトナー画像は、ヒーター6からの熱と、定着ローラ4と加圧ローラ5との間にかかる圧力により定着される。
【0050】
定着温度は、定着ローラ4の表面温度をサーミスタ7により測定された温度をもとに、ヒーター6の出力が制御され、設定温度に保たれている。定着ローラ4の表面温度(定着温度)は特に限定されないが、通常、130℃〜220℃程度である。
【0051】
なお、ここでは、上下ローラを用いる定着装置を例としてあげたが、本発明の定着装置は本発明の定着用部材を定着ベルト、定着ローラ、加圧ベルトあるいは加圧ローラとして有していればよく、図3に示したものに限られない。
【0052】
次に、ゴム単層定着ベルトを用いるベルト加熱方式の定着装置について、図4に沿って説明する。
図4において、8はエンドレスベルト状のゴム単層定着ベルトであり、11はベルトガイド部材であり、12はステーである。9は加熱体であり、アルミナ、セラミックなどからなる加熱体基板上に電流が流れることにより発熱する銀パラジウム(Ag/Pd)などの電気抵抗材料をスクリーン印刷等により線状あるいは帯状に塗工した層がある。さらにこの上に電気抵抗材料の保護と絶縁性を確保するために、厚み10μm程度のガラスコーティング層を順次形成している。また、加熱体基板の裏面にはサーミスタが当接されており、このサーミスタの検知温度に従って、電気抵抗材料への電力制御を行うことで、ゴム単層定着ベルトの表面温度を定着可能な温度に保つことができる。
10は加圧部材の一形態である加圧ローラである。アルミ等からなる芯金上に、厚み1〜5mm程度のシリコーンゴムなどからなる弾性体層が形成されており、この弾性体層上に、厚み10〜50μm程度のPFA、FEP、PTFEなどのフッ素樹脂からなる離型層を形成してもよい。この加圧ローラはゴム単層定着ベルトを介して加熱体に圧接されており、加圧ローラ駆動手段により回転駆動される。加圧ローラ5が回転駆動され、これに従動してゴム単層定着ベルト8が回転する。ゴム単層定着ベルト8と加圧ローラ10の間に、未定着画像の形成された紙などの記録材が狭持搬送されることで、未定着画像は記録材に加熱定着される。
【0053】
以下に、実施例により本発明の詳細を説明するが、本発明がこれらによってなんら限定されるものではない。
【実施例】
【0054】
<実施例1>
反応基として分子内にヨウ素を含有するビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体からなるフルオロポリマー(商品名:ダイエルLT302,ダイキン工業(株)製)100gと、ジメチルポリシロキサンとポリオキシアルキレンが交互に繰り返し結合した構造からなる共重合型のポリシロキサン系界面活性剤(商品名:FZ−2207,東レ・ダウコーニング(株)製)40gと、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレート(商品名:TAIC,日本化成(株)製)を4g、架橋剤として有機過酸化物であるベンゾイルパーオキサイド(キシダ化学製 25%含水品)4gを、ケトン系溶剤であるメチルイソブチルケトン900gに溶解して塗布溶液を調製した。
【0055】
外径35mmのローラの表面に、厚み1.5mmのシリコーンゴムからなる熱伝導性弾性体層を設け、その表面をプライマー(商品名:MEGUM3290,Chemetall社(株)製)を厚み2μmとなるように、均一に塗布し、乾燥した。このローラの外周に、前記の調製した溶液をよく攪拌したものを、乾燥後の厚みが30μmとなるように、スプレーコートした。次いで、ローラを200℃の窒素置換オーブンで加熱することによって一次架橋し、通常のオーブン中で二次架橋(180℃、24時間)した。こうして、熱伝導性弾性体層の上に離型層を積層した定着用部材を作製した。
【0056】
また、上記離型層の分析用サンプルを作製し、このサンプル断面におけるポリシロキサン系界面活性剤の分散形態を調べた。その結果、フッ素ゴムが海相、ポリシロキサン系界面活性剤が島相である海島構造を有しており、島相の個数基準の平均粒径は0.8μmであった。
また、離型層と同処方のフッ素ゴム層を平板上に厚さ10mmで形成し、このサンプルを用いて離型層のゴム硬度を測定したところ32°であった。
【0057】
上記方法により作製した定着用部材を定着ローラ4として図3に示す構成を有する定着装置に装着した。この定着装置に、ワックス含有トナーを用いて形成した未定着画像を担持する転写紙を通紙した。ワックス含有トナーの未定着画像は、定着装置を取り外したキヤノン(株)製のカラープリンターLBP−5900を用いて形成した。この未定着画像を担持する転写紙を、定着側表面温度180℃になるように設定し、プロセススピード90mm/secの条件で通紙して後述する評価を行った。
【0058】
<実施例2>
共重合型ポリシロキサン系界面活性剤(商品名:FZ−2207,東レ・ダウコーニング(株)製)の配合量を20gにすること以外は実施例1と同様にして定着用部材を作製した。この定着用部材を定着ローラ4として使用する以外は実施例1と同様にして、ワックス含有トナーの未定着画像を担持する転写紙を通紙して評価を行った。
【0059】
また、上記離型層の分析用サンプルを作製し、このサンプル断面におけるポリシロキサン系界面活性剤の分散形態を調べた。その結果、フッ素ゴムが海相、ポリシロキサン系界面活性剤が島相である海島構造を有しており、島相の個数基準の平均粒径は0.7μmであった。
また、実施例1と同様にして離型層のゴム硬度を測定したところ40°であった。
【0060】
<実施例3>
共重合型ポリシロキサン系界面活性剤(商品名:FZ−2207,東レ・ダウコーニング(株)製)の配合量を60gにすること以外は実施例1と同様にして定着用部材を作製した。この定着用部材を定着ローラ4として使用する以外は実施例1と同様にして、ワックス含有トナーの未定着画像を担持する転写紙を通紙して評価を行った。
【0061】
また、上記離型層の分析用サンプルを作製し、このサンプル断面におけるポリシロキサン系界面活性剤の分散形態を調べた。その結果、フッ素ゴムが海相、ポリシロキサン系界面活性剤が島相である海島構造を有しており、島相の個数基準の平均粒径は0.9μmであった。
また、実施例1と同様にして離型層のゴム硬度を測定したところ29°であった。
【0062】
<実施例4>
ポリシロキサン系界面活性剤を、ジメチルポリシロキサン骨格の側鎖にポリオキシアルキレンが結合した構造からなる側鎖変性型(商品名:FZ−5609,東レ・ダウコーニング(株)製)のものに変更すること以外は実施例1と同様にして、定着用部材を作製した。
【0063】
この定着用部材を定着ローラ4として用いる以外は実施例1と同様にして、ワックス含有トナーの未定着画像を担持する転写紙を通紙して評価を行った。
【0064】
また、上記離型層の分析用サンプルを作製し、このサンプル断面の分散形態を調べた。その結果、フッ素ゴムが海相、ポリシロキサン系界面活性剤が島相である海島構造を有しており、島相の個数基準の平均粒径は2μmであった。
また、実施例1と同様にして離型層のゴム硬度を測定したところ33°であった。
【0065】
<実施例5>
ポリシロキサン系界面活性剤を、ジメチルポリシロキサン骨格の末端にポリオキシアルキレンが結合した構造からなる末端変性型(商品名:L−720,東レ・ダウコーニング(株)製)のものに変更すること以外は実施例1と同様にして、定着用部材を作製した。
【0066】
この定着用部材を定着ローラ4として使用する以外は実施例1と同様にして、ワックス含有トナーの未定着画像を担持する転写紙を通紙して、評価を行った。
【0067】
また、上記離型層の分析用サンプルを作製し、このサンプル断面におけるポリシロキサン系界面活性剤の分散形態を調べた。その結果、フッ素ゴムが海相、ポリシロキサン系界面活性剤が島相である海島構造を有しており、島相の個数基準の平均粒径は2μmであった。
また、実施例1と同様にして離型層のゴム硬度を測定したところ33°であった。
【0068】
<比較例1>
反応基として分子内にヨウ素を含有するビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの三元共重合体からなるフルオロポリマー(商品名:ダイエルG902,ダイキン工業(株)製)にすること以外は実施例1と同様にして、定着用部材を作製した。
【0069】
上記方法により作製した定着用部材を定着ローラ4として使用する以外は実施例1と同様にして、ワックス含有トナーの未定着画像を担持する転写紙を通紙し、評価を行った。
【0070】
また、上記離型層の分析用サンプルを作製し、このサンプルの表面と断面におけるポリシロキサン系界面活性剤の分散形態を調べた。その結果、断面はフッ素ゴムが海相、ポリシロキサン系界面活性剤が島相である海島構造を有しているが、表面はフッ素ゴムのみ存在し、断面における島相の個数基準の平均粒径は30μmであった。
また、実施例1と同様にして離型層のゴム硬度を測定したところ34°であった。
【0071】
<比較例2>
ポリシロキサン系界面活性剤のかわりにジメチルポリシロキサンを配合し、架橋剤であるベンゾイルパーオキサイドの配合量を5.6gにすること以外は実施例1と同様にして、定着用部材を作製した。
【0072】
上記方法により作製した定着用部材を定着ローラ4として使用する以外は実施例1と同様にして、ワックス含有トナーの未定着画像を担持する転写紙を通紙し、評価を行った。
【0073】
また、上記離型層の分析用サンプルを作製し、このサンプルの表面と断面におけるポリシロキサン系界面活性剤の分散形態を調べた。その結果、断面はフッ素ゴムが海相、ジメチルポリシロキサンが島相である海島構造を有しているが、表面はフッ素ゴムのみ存在し、断面における島相の個数基準の平均粒径は50μmであった。
また、実施例1と同様にして離型層のゴム硬度を測定したところ34°であった。
【0074】
実施例1〜5、並びに比較例1及び2の配合と評価結果を表1に示す。
【0075】
【表1】

【0076】
トナーの離型性の評価は、以下の基準に基づいて行った。
A: 3万枚通紙でオフセット未発生。
B: 2万枚通紙でオフセット未発生。
C: 100枚目でオフセット発生。
D: 1枚目からオフセット発生。
【0077】
実施例1及び3は、フッ素ゴムのポリマー種として分子内にエーテル結合を有するビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体を用い、かつポリエーテル構造を有する共重合型のポリシロキサン系界面活性剤を配合した定着ローラを用いた例であり、ワックス含有トナーの未定着画像を通紙したところ、トナー離型性が良好であり、3万枚通紙した時点でも定着後画像にオフセットによる画像抜けは認められなかった。また、3万枚通紙した時点でも高画質なトナー画像が得られた。
【0078】
次に、ポリシロキサン系界面活性剤の配合量が20部の実施例2については、ワックス含有トナーの未定着画像を通紙したところ、トナー離型性が良好であり、2万枚通紙した時点で定着後画像にオフセットによる画像抜けは認められなかった。また、2万枚通紙した時点では高画質なトナー画像が得られた。
【0079】
また、実施例1で用いたポリシロキサン系界面活性剤を、実施例4では、ポリエーテル構造を有する側鎖変性型のポリシロキサン系界面活性剤に変更し、実施例5では、ポリエーテル構造を有する末端変性型のポリシロキサン系界面活性剤に変更した。得られた定着ローラを用いた評価では、トナー離型性が良好であり、2万枚通紙した時点で定着後画像にオフセットによる画像抜けは認められなかった。また、2万枚通紙した時点で高画質なトナー画像が得られた。
【0080】
比較例1は、ポリエーテル構造を有する共重合型のポリシロキサン系界面活性剤を配合しているが、フッ素ゴムのポリマー種として分子内にエーテル結合を有していないビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの三元共重合体を用いた例である。この場合、ポリシロキサン系界面活性剤の分散形態は粗く、ワックス含有トナーの未定着画像を通紙したところ、トナー離型性が不十分であり、1枚目通紙した時点で定着後画像にオフセットによる画像抜けが発生し、定着性能を満足するものではなかった。
【0081】
また、比較例2は、分子内にエーテル結合を有するフッ素ゴムを用いているが、アルキレンオキサイドを有していないジメチルポリシロキサンを配合した例である。この場合、ポリシロキサン系界面活性剤の分散形態は粗く、ワックス含有トナーの未定着画像を通紙したところ、トナー離型性が不十分であり、100枚目通紙した時点でオフセットが発生し、定着性能を満足するものではなかった。
【0082】
<実施例6>
反応基として分子内にヨウ素を含有するビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体からなるフルオロポリマー(商品名:ダイエルLT302,ダイキン工業(株)製)100gと、ジメチルポリシロキサンとポリオキシアルキレンが交互に繰り返し結合した構造からなる共重合型のポリシロキサン系界面活性剤(商品名:FZ−2207,東レ・ダウコーニング(株)製)50gと、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレート(商品名:TAIC,日本化成(株)製)を4g、架橋剤として有機過酸化物であるベンゾイルパーオキサイド(キシダ化学製 25%含水品)4gを、ケトン系溶剤であるメチルイソブチルケトン900gに溶解して塗布溶液を調製した。
【0083】
ベルト基材(SUS製、外径30mm、厚み30μm)の表面にプライマー(商品名:MEGUM3290,Chemetall社(株)製)を均一に塗布し、乾燥した。このベルトの外周に、前記の調製した溶液をよく攪拌したものを、乾燥後の厚みが100μmとなるように、スプレーコートした。次いで、コートされたローラを130℃の窒素置換オーブンで1時間加熱して、一次架橋し、通常のオーブン中で二次架橋(180℃、24時間)した。こうして基材上に離型層を有する単層定着ベルトを作製した。
【0084】
上記方法により作製した単層定着ベルトを定着ベルト8として図4に示す構造を有するベルト加熱方式の定着装置に装着した。この定着装置に、ワックス含有トナーを用いて形成した未定着画像を担持する転写紙を通紙した。ワックス含有トナーのフルカラー未定着画像は、定着装置を取り外したキヤノン(株)製のカラープリンターLBP−5900を用いて形成した。この未定着画像を担持する転写紙を、単層定着ベルト表面が180℃になるように設定し、プロセススピード90mm/secの条件で通紙し、定着後の画像を目視で評価した。
【0085】
上記ゴム単層定着ベルト断面方向の電気抵抗値を測定した。電気抵抗値は、ベルト断面方向に面積11.9cmで電圧400Vを印加した時の値を測定した。その結果、1×10Ωであった。
ゴム単層定着ベルトの伝熱特性は、ゴム単層定着ベルト表面180℃の定常状態において、紙に熱電対を貼り付けて定着装置に通紙したときの紙表面到達温度で評価した。測定した結果、142℃であった。
実施例1と同様にして離型層のゴム硬度を測定したところ30°であった。
【0086】
<実施例7>
離型層(ゴム層)厚みを60μmにすること以外は実施例6と同様にして単層定着ベルトを作製した。上記方法により作製した単層定着ベルトを定着ベルト8として用いる以外は実施例6と同様にして、ワックス含有トナーのフルカラー未定着画像を担持する転写紙を通紙し、定着後の画像を目視で評価した。
上記ゴム単層定着ベルト断面方向の電気抵抗値を実施例6と同様にして測定した。その結果、5×10Ωであった。
実施例6と同様にして紙表面到達温度を評価した結果、148℃であった。
実施例1と同様にして離型層のゴム硬度を測定したところ30°であった。
【0087】
<実施例8>
離型層(ゴム層)厚みを150μmにすること以外は実施例6と同様にして単層定着ベルトを作製した。上記方法により作製した単層定着ベルトを定着ベルト8として用いる以外は実施例6と同様にして、ワックス含有トナーのフルカラー未定着画像を担持する転写紙を通紙し、定着後の画像を目視で評価した。
上記ゴム単層定着ベルト断面方向の電気抵抗値を実施例6と同様にして測定した。その結果、2×10Ωであった。
実施例6と同様にして紙表面到達温度を評価した結果、135℃であった。
実施例1と同様にして離型層のゴム硬度を測定したところ30°であった。
実施例6〜8の配合と評価結果を表2に示す。尚、トナー離型性の評価基準は、実施例1の評価における基準と同じである。
【0088】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】単層構造の定着用部材の断面図である。
【図2】2層構造の定着用部材の断面図である。
【図3】定着装置の一形態の概略構成図である。
【図4】ベルト加熱方式の定着装置の概略構成図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にトナー離型層を設けた電子写真画像形成装置の定着用部材であって、
該トナー離型層が、主成分として分子内にエーテル結合を有するフッ素ゴムを含み、更にポリエーテル構造を少なくとも有するポリシロキサン系界面活性剤を少なくとも含む層であることを特徴とする定着用部材。
【請求項2】
前記トナー離型層が、前記フッ素ゴムを海相、前記ポリシロキサン系界面活性剤を島相とする海島構造を有しており、かつ島相の個数基準の平均粒径が2μm以下である請求項1記載の定着用部材。
【請求項3】
前記フッ素ゴムが、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとパーフルオロメチルビニルエーテルとの三元共重合体である請求項1または2に記載の定着用部材。
【請求項4】
前記ポリシロキサン系界面活性剤が、ジメチルポリシロキサン構造とポリオキシアルキレン構造とを有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着用部材。
【請求項5】
前記ポリシロキサン系界面活性剤の配合量が、フッ素ゴム100質量部に対して、20〜60質量部である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着用部材。
【請求項6】
定着ローラ、定着ベルト、加圧ローラ、或いは、加圧ベルトとして用いられる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の定着用部材。
【請求項7】
基材の外周面に前記トナー離型層が形成された単層定着ベルトであり、該トナー離型層の厚みが60〜150μmである請求項6に記載の定着用部材。
【請求項8】
電子写真画像形成装置に用いられるオイルレス方式の定着装置であって、
該定着装置は、定着ローラ、定着ベルト、加圧ローラ及び加圧ベルトからなる群より選択される定着用部材を有しており、該定着用部材が請求項6または7に記載の定着用部材であることを特徴とする定着装置。
【請求項9】
ワックス含有トナーによって形成された未定着画像を定着するのに用いられることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−58197(P2007−58197A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202896(P2006−202896)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】