説明

トランスペアレントクロックの同期障害を検出するための方法および関連する保護方式

本発明は、パケットネットワーク100の通過される要素104内のタイムスタンプ付きのパケットの滞留時間を特定および補正するために上記のネットワーク100で使用されるトランスペアレントクロック102の同期障害300を検出および管理するための方法に関し、通過されるクロック102は、複数のネットワーク要素104、104、104と、その関連するトランスペアレントクロック102、102、102とを含むマスタ106/スレーブ108同期経路112の一部であり、スレーブ108が異なる経路110、112を介して送信された複数の時間信号を受信するように、マスタ106からスレーブ108へ異なる同期経路110、112を介してタイムスタンプ付きのパケットを送信するステップと、障害が発生した/発生中の経路112によって提供された時間信号が、(1つまたは複数の)他の送信経路110によって提供された時間信号と異なる場合、上記の障害が発生した/発生中の同期経路112のトランスペアレントクロック102内の障害300を特定するステップと、障害が発生した/発生中の同期経路112のトランスペアレントクロック102内の障害300を特定するために、スレーブ108がマスタ106および/または同期管理サーバ114に、上記の異なる既存の同期経路110、112に加えて、新しい同期経路の設定を要求するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関連する保護方式とともに、トランスペアレントクロックの同期障害を検出するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パケット通信ネットワークにおいて、ネットワーク要素の滞留時間(residence time)、すなわちパケットがこのようなネットワーク要素を通って送信されるための遅延を考慮に入れることを目的として、特定の装置−以降トランスペアレントクロックと呼ぶ−を実装することが知られている。
【0003】
このために、マスタサーバとクライアントとの間の通信経路に沿ったそれぞれのネットワーク要素、例えばルータまたはスイッチなどに、トランスペアレントクロックが関連付けられる。マスタサーバとクライアントは、以降それぞれ「マスタ」および「スレーブ」と呼ばれ、上記の通信経路に沿ってマスタがスレーブにタイムスタンプ付きのパケットを送信する。この文書では、このようなタイムスタンプ付きのパケットは、「時間制御パケット」または「制御パケット」とも呼ばれる。
【0004】
時間制御パケットに基づいて、トランスペアレントクロックは、通過するネットワーク要素の滞留時間(エンドツーエンドのトランスペアレントクロック)、あるいはリンクの遅延とネットワーク要素の滞留時間の両方(ピアツーピアのトランスペアレントクロック)を、測定および補正することができる。
【0005】
トランスペアレントクロックおよび時間制御パケットを実施する方法の一例としては、電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers、IEEE)の高精度時間プロトコル(Precision Time Protocol)リリース第2バージョン、すなわちPTPV2とも呼ばれるIEEE 1588V2規格を考えることができる。
【0006】
トランスペアレントクロックが完全に配備されている、すなわちこれによって、マスタからサーバへの1つのパケットを処理するすべての要素がトランスペアレントクロックと関連する範囲では、トランスペアレントクロックの動作がマスタとスレーブとの間で正確に同期された周波数および/または時間を維持できないとき、トランスペアレントクロックの動作は影響を受ける。したがって、トランスペアレントクロックの障害に対処するには、補正動作および事前対応動作が必要とされる。
【0007】
障害が発生した/発生中のトランスペアレントクロック自体によって、障害が内部で検出される場合、トランスペアレントクロックの障害が発生した/発生中の部分を内部バックアップ部と自動的に取り替えることによって、および/または、障害が発生した/発生中のトランスペアレントクロックが、バックアップ同期経路を設定することができるリモート同期マネージャに「FAULT」メッセージを送信することによって、補正/事前対応動作を行うことができる。
【0008】
残念ながら、こうした手法は、内部トランスペアレントクロックの冗長性および切替え手順を用意することを必要とし、これがトランスペアレントクロックのコストを増大させ、および/または、同期マネージャは一般にネットワークコアレベルで通常は中央局に位置するリモート要素であるので、かなりの再構成時間を必要とする。
【0009】
このようなかなりの再構成時間は、さらなるスレーブ要件(例えば、周波数の安定、位相の一時的(transients)フィルタリング)ひいてはそのさらなるコストを暗に示している。
【0010】
障害が発生した/発生中のトランスペアレントクロック自体によって障害が内部で検出されない場合、基準クロックを使用してトランスペアレントクロックの周波数偏差を制御することができる。この基準クロックはローカルに、すなわちトランスペアレントクロック内もしくは関連するネットワーク要素内に組み込む、または、時間変更されたビットストリームのような外部同期信号に組み込むことができる。
【0011】
この場合、固定システムが、時間変更された信号によって担持される周波数と、トランスペアレントクロックの局部発振器によって生成される周波数との間の偏差を検出することができる。
【0012】
残念ながら、こうした方法もまた、例えば位相ロックループ(Phase Locked Loop)などのハードウェア要素にさらなるコストを必要とした。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
従来技術の前述の欠点を解決するために、本発明は、内部で検出される障害(例えばポートの障害)の枠組みで、および/または外部で検出される障害の枠組みで、許容できるコスト計画の範囲内のトランスペアレントクロックの障害を検出するための少なくとも1つの方法および関連する保護メカニズムを提供する。
【0014】
そのために本発明は、上記のネットワークの通過される要素内のタイムスタンプ付きのパケットの滞留時間を特定および補正するために、パケットネットワークで使用されるトランスペアレントクロックの同期障害を検出および管理するための方法に関するものであり、このトランスペアレントクロックは、複数のネットワーク要素と、その関連するトランスペアレントクロックとを含むマスタ/スレーブ同期経路の一部であり、この方法は、次のステップを含む:
− スレーブが異なる経路を介して送信された複数の時間信号を受信するように、マスタからスレーブに異なる同期経路を介してタイムスタンプ付きのパケットを送信するステップ。
− 障害が発生した/発生中の経路によって提供された時間信号が、(1つまたは複数の)他の送信経路によって提供された時間信号とは異なる場合、障害が発生した/発生中の同期経路のトランスペアレントクロック内の障害を特定するステップ。
【0015】
本発明を通信パケットネットワークに実装するとき、周波数安定性に関して比較的劣るトランスペアレントクロックおよび/またはスレーブの要件を考慮に入れながら、同期トポロジの効率的な自動保護メカニズムを実現する。言い換えれば本発明は、コスト効率が高い。
【0016】
例示として、本発明は、スレーブレベルでの非常に短い再構成時間を提供し、スレーブクロックの安定性要件ひいてはそのコストを著しく緩和することができる。
【0017】
最後に、本発明によるスレーブによって監視されるバックアップ経路の手法が、複数のトランスペアレントクロックを含意する冗長方式を回避する。
【0018】
したがって、本発明は、コスト効率の高い方法で同期トポロジを利用して、トランスペアレントクロックの必要とされる保護要件を達成する。
【0019】
一実施形態では、この方法はさらに、障害が発生中の同期経路のトランスペアレントクロック内の障害を特定するために、スレーブがマスタにおよび/または同期管理サーバに、上記の異なる同期経路に加えて新しい同期経路を設定することを要求するステップを含む。
【0020】
一実施形態では、本発明はさらに、スレーブが検出された障害を同期管理サーバに送信するステップを含む。
【0021】
一実施形態では、本発明はさらに、障害が発生したトランスペアレントクロックが検出された障害を同期管理サーバに送信するステップを含む。
【0022】
一実施形態では、本発明はさらに、同期管理サーバが、障害が発生した同期経路を事前に準備された、または新しく確立された同期経路と取り替えるステップを含む。
【0023】
一実施形態では、トランスペアレントクロックのステータス記述子(descriptor)が、タイムスタンプ付きのパケットに埋め込まれて、トランスペアレントクロックが上記のタイムスタンプ付きのパケット内で内部障害をスレーブに示すようにする。
【0024】
一実施形態では、トランスペアレントクロックのステータスは、PTPv2メッセージ内で伝送される新しいType Length Value(タイプ 長さ 値、TLV)状の記述子で示される。
【0025】
一実施形態では、新しいType Length Value状の記述子は、それぞれの通過される障害のないトランスペアレントクロックで補正されるカウンタを含む。
【0026】
一実施形態では、新しいType Length Value状の記述子により、同期経路内で障害が発生したトランスペアレントクロックを特定することができる。
【0027】
本発明はまた、上記のネットワークの要素を通る時間を記録されたパケットの滞留時間を特定および補正するためにパケットネットワークで使用されるトランスペアレントクロックの同期障害を検出し、管理することを目的とするスレーブに関し、このトランスペアレントクロックは、複数のネットワーク要素と、その関連するトランスペアレントクロックとを含むマスタ/スレーブ同期経路の一部であり、次の手段を含むことを特徴とする:
− 複数の時間信号を異なる経路を介して送信するために異なる同期経路を介してマスタから送信されたタイムスタンプ付きのパケットを受信するための手段。
− 障害が発生中の経路によって提供される時間信号が、他の(1つまたは複数の)送信経路によって提供される時間信号とは異なる場合、上記の障害が発生中の同期経路のトランスペアレントクロック内の障害を特定するための手段。
【0028】
ここで本発明の好ましい実施形態を詳細に参照し、その一例を添付の図面に示す。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による方法を実施するパケットネットワークを表す図である。
【図2】トランスペアレントクロックが正確に動作する図1のパケットネットワークを表す図である。
【図3】トランスペアレントクロックが障害を引き起こしている図1のパケットネットワークを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照すると、パケットネットワーク100が、上記のネットワーク100の要素104、104、……104を通るデータパケットの伝送遅延を測定および補正するために、トランスペアレントクロック102、102、……102を含む。
【0031】
より正確には、各ネットワーク要素104が、トランスペアレントクロック102iと関連付けられ、このトランスペアレントクロック102の機能は主に、少なくとも1つの経路110または112を通ってマスタ106とスレーブ108との間で伝送されるタイムスタンプ付きのパケットのネットワーク要素滞留時間を測定することにある。
【0032】
この実施形態では、上記の制御パケットおよびマスタ106/スレーブ108のペアは、すでに述べたIEEE 1588V2プロトコルに従って動作する。
【0033】
上記のプロトコルIEEE 1588V2に従ったトランスペアレントクロック102、102、……102の動作は、ネットワーク100内のパケットジッタ、すなわちパケット遅延変動(Packet Delay Variations、PDV)、ならびにしばしば「ネットワークノイズ」として言及される、一方向(例えばマスタ106からスレーブ108へ)の1つのPTPV2メッセージの通信遅延が、PSN(「双方向」アプローチ)に固有の、反対方向(例えばスレーブ108からマスタ106へ)の関連するPTPV2メッセージ(例えば同じシーケンス番号を有する)の遅延とは著しく異なる、PDVにより引き起こされる通信経路の遅延非対称を解決する(fight out)ことに専念する。
【0034】
完全に配備されたトランスペアレントクロック方式を考えると、マスタからスレーブへの、一方向の時間シグナリングで十分にスレーブレベルの厳しい同期要件を達成する。
【0035】
したがって、トランスペアレントクロックなしでは、PTPV2の性能は、ネットワーク100の、本来予測不可能なトラフィック負荷に非常に左右される。効率的な方法でトランスペアレントクロックの障害を克服するために、各トランスペアレントクロックは、本明細書で以下に記載する本発明の第1および/または第2の態様を実行する。各態様を互いと独立して使用することができるからである。
【0036】
障害が発生した/発生中のトランスペアレントクロック自体により検出されない障害に対処する本発明の第1の態様によれば、スレーブ108が異なる同期経路110および112を介して送信される複数の時間信号を取得することができるように、上記の異なる経路110および112を介してマスタ106からスレーブ108へ制御パケットが送信される。
【0037】
したがって、スレーブは、上記の経路によって提供された時間信号がその後に説明する他の時間信号と著しく異なる場合、1つの同期経路のトランスペアレントクロック内の障害イベントと結論を出すことができる。
【0038】
スレーブ108がこのような障害検出を行う場合、スレーブ108は検出した障害をネットワークの同期マネージャ114に送信し、例えば、障害が発生した/発生中の同期経路を特定する、または隔離するために、上記の同期マネージャが新しい同期経路を確立するようにする。
【0039】
本発明のこの第1の態様によれば、スレーブ108は、(1つまたは複数の)それぞれの経路によって提供される情報から計算される時間信号を比較する能力を有し、1つの経路によって提供される時間が、時間オフセット閾値に基づいて、他の経路によって提供される同じ/同様の時間と激しく異なり始めた場合、スレーブサーバ108は上記の異なりつつある経路が障害が発生している/発生中であると結論付けることができる。
【0040】
図1のように2つの冗長経路しかない特定の場合には、スレーブ108は、障害のある経路を隔離することができない可能性がある。しかしながら、スレーブ108は、同期マネージャ114に「警告(Alarm)」メッセージを送信することができ、次いで、障害のある経路を検出し、最終的に取り替えるために必要である第3の同期経路を設定するための適切なアクションを取ることができる。
【0041】
上記の第3の経路に基づいて、スレーブ108は、障害が発生した/発生中の経路を隔離することができ、したがって、これを(例えばネットワーク管理システムによって)取り除く(torn down)ことができる。
【0042】
本発明のこの態様は特に、トランスペアレントクロック自体によって検出されない、例えば、局部発振器の早期の経年変化(early aging)など、トランスペアレントクロックが徐々に劣化する場合に適用されるべきである。
【0043】
トランスペアレントクロックまたはその他により徐々に進む同期経路の障害を検出するメカニズムはさらに、スレーブに「軽い(light)」(すなわち低コストの)クロックを使用することを可能にする。これらのクロックは、ローカルの安定した(local stable)(および高価な)周波数基準を埋め込む必要がないからである。
【0044】
さらにローカルなトランスペアレントクロックの冗長手法は、その後バックアップ同期経路手法のおかげで回避することができる。これにより、このような要素の保護制約、ひいてはコストを著しく緩和する。
【0045】
さらに、複数の障害が発生中のトランスペアレントクロックの保守は、正確に識別された障害が発生中のトランスペアレントクロックに対してこのような保守を調整することができるので、改善されることが可能である。
【0046】
同じ方法で、この保護シーケンスは、スレーブクロックの要件(ホールドオーバ(holdover)/フィルタリング段階など)、ひいてはスレーブのコストを著しく緩和する。
【0047】
障害が発生した/発生中のトランスペアレントクロックがそれ自体で障害を検出する本発明のこの第1の態様の別の実施形態では、上記の障害が発生した/発生中のトランスペアレントクロックは、スレーブ108と並行して、またはスレーブ108に代わって、障害イベントアラームをネットワークの同期マネージャ114に送信することができる。
【0048】
本発明の第2の態様によれば、トランスペアレントクロックのステータス記述子が、制御パケット(タイムスタンプ付きのパケット)に埋め込まれ、したがってトランスペアレントクロックが(アクションがないことにより)上記の制御パケットを通して内部の障害をスレーブに知らせることができる。
【0049】
PTPv2メッセージの文脈の中では、トランスペアレントクロックのステータスが、制御メッセージ内で運ばれるType Length Valueフィールドであることが可能である。
【0050】
図2を参照すると、このような記述子200は、通過する障害の発生していない/発生中ではないトランスペアレントクロックによって、1ずつデクリメントされる値「Id」である。したがって、記述子の値は、マスタ106レベルでは、検討されるマスタ/スレーブ通信経路に沿って配備されたトランスペアレントクロックの総数を表す。
【0051】
通常動作中は、記述子の値は、スレーブレベルでゼロに等しいはずである。
【0052】
逆に、非ゼロの値は、関連する同期経路で発生している障害イベント300(図3)をスレーブ108に示す。
【0053】
拡張として、記述子は、この実施形態のように、「Transparent Clock failed indicator(トランスペアレントクロック障害インジケータ)、FID」、例えば、同期メッセージの1ビットを含むことができ、これにより同期経路内の障害が発生中のトランスペアレントクロック102を指示することが可能になる。
【0054】
障害が発生すると、n番目のトランスペアレントクロックは、他のその後のトランスペアレントノードがIdステータスをデクリメントしないようにするために、FIDステータス(典型的にはブール値)を変更する。その結果、スレーブレベルで受信されるId値は、マスタ/スレーブ通信経路内の障害が発生したスレーブクロックの位置を提供する。
【0055】
本発明の様々な態様は、特に、スレーブレベルで厳しい周波数および時間要件(マイクロ秒の精度)を示す移動体ネットワークの適用を対象として含む。完全なトランスペアレントクロックの配備は、このような問題に対処するための1つの実行可能な手法である。
【0056】
各ノードについて最悪のPDV、約10ms(輻輳状態で発生する可能性がある)の場合の10個のノードの同期ネットワーク経路を考え、スレーブレベルでマイクロ秒の時間精度要件を目標とすると、トランスペアレントクロックに要求される精度は、少なくとも1ppm(part per million)範囲であるべきであると思われる。
【0057】
このような値について、100ns範囲では、最大累積時間補正誤差は、μsの目標をはるかに下回る。したがって、トランスペアレントクロックの測定要求は、低コストの発振器を用いて実現することができる。
【0058】
周波数精度要件(無線技術の大規模なセットに必須)は、時間情報を単に1回導出することにより対処されることが可能であると理解すべきである。実際には、例えば、所与の数NのIEEE 15588V2パケットにわたって時間情報をまとめることによって、時間測定誤差を削減することができ、したがって誤差/ノイズは(N)−1/2の割合で補正される(より一般的には、フィルタリング技術も同様に使用することができる)。
【0059】
1秒に16パケットの標準的な1588V2パケット/メッセージレートを考えると、時間測定誤差は、1秒後に4分の1に減少する。累積された100nsの累積誤差は、したがって1sでは25nsの誤差になり、25ppb(part per billion)の周波数精度値となる。したがって、厳しい時間および周波数要件は、(周波数)安定性/精度に乏しい特徴を示す1588V2のスレーブクロックを用いて達成することができる。
【0060】
上述のように、この提案は、PSN内のすべてのNEにTCが実装されると仮定するが、実施形態によっては、この「完全な配備」の実施は必要とされない可能性がある。
【0061】
本発明は、様々な実施形態により導き出されることが可能である。図のように、本発明の第1の態様の複数の経路の監視により、マスタからスレーブへの送信同期メッセージ(例えば、経路1を通じて送信される奇数列のSyncメッセージおよび経路2を通じて送信される偶数列のSyncメッセージ)の負荷平衡を可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットネットワーク(100)の通過される要素(104)内のタイムスタンプ付きのパケットの滞留時間を特定および補正するために、前記ネットワーク(100)で使用されるトランスペアレントクロック(102)の同期障害(300)を検出および管理する方法であって、トランスペアレントクロック(102)が複数のネットワーク要素(104、104、104)およびその関連するトランスペアレントクロック(102、102、102)を含むマスタ(106)/スレーブ(108)の同期経路(112)の一部であり、
スレーブ(108)が、異なる経路(110、112)を介して送信された複数の時間信号を受信するように、異なる同期経路(110、112)を介してマスタ(106)からスレーブ(108)へタイムスタンプ付きのパケットを送信するステップと、
障害が発生した/発生中の経路(112)によって提供される時間信号が、1つまたは複数の他の送信経路(110)によって提供される時間信号とは異なる場合、前記障害が発生した/発生中の同期経路(112)のトランスペアレントクロック(102)内の障害(300)を特定するステップと、
障害が発生した/発生中の同期経路(112)のトランスペアレントクロック(102)内の障害(300)を特定するために、スレーブ(108)がマスタ(106)および/または同期管理サーバ(114)に、前記異なる既存の同期経路(110、112)に加えて、新しい同期経路の設定を要求するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
スレーブ(108)が検出された障害(300)を同期管理サーバ(114)に送信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
障害が発生した/発生中のトランスペアレントクロック(102)が検出された障害(300)を同期管理サーバ(114)に送信するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
同期管理サーバ(114)が、障害が発生した/発生中の同期経路(112)を事前に準備された、または新しく確立された同期経路と取り替える、請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項5】
トランスペアレントクロックがタイムスタンプ付きのパケット内の内部障害をスレーブに示すように、トランスペアレントクロックのステータス(200110、200112)記述子が、前記タイムスタンプ付きのパケットに埋め込まれる、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記トランスペアレントクロックのステータスが、PTPv2メッセージ内で運ばれる新しいType Length Value(TLV)状の記述子で示される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
新しいType Length Value状の記述子が、通過される障害が発生していない各トランスペアレントクロックで補正されるカウンタを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
新しいType Length Value状の記述子により、同期経路内の障害が発生したトランスペアレントクロックを特定することが可能になる、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
パケットネットワーク(100)の要素(104)によってタイムスタンプ付きのパケットの滞留時間を特定および補正するために前記ネットワーク(100)で使用されるトランスペアレントクロック(102)の同期障害(300)を検出および管理するためのスレーブであって、トランスペアレントクロック(102)が、複数のネットワーク要素(104、104、104)およびその関連するトランスペアレントクロック(102、102、102)を含むマスタ(106)/スレーブ(108)同期経路(112)の一部であり、
複数の時間信号が異なる経路(110、112)を介して送信されるように異なる同期経路(110、112)を介してマスタ(106)から送信されたタイムスタンプ付きのパケットを受信するための手段と、
前記障害が発生中の経路(112)によって提供される時間信号が、1つまたは複数の他の送信経路(110)によって提供される時間信号とは異なる場合、障害が発生中の同期経路(112)のトランスペアレントクロック(102)内の障害(300)を特定するための手段と、
障害が発生した/発生中の同期経路(112)のトランスペアレントクロック(102)内の障害(300)を特定するために、前記異なる既存の同期経路(110、112)に加えて新しい同期経路を設定することをマスタ(106)および/または同期管理サーバ(114)に要求するための手段と
を含む、スレーブ(108)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−520057(P2013−520057A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552375(P2012−552375)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051864
【国際公開番号】WO2011/098466
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】