説明

トリ置換グリセロール化合物を含む経口投与剤形

本発明は、トリ置換グリセロール化合物またはその医薬上許容される塩を含む、経口投与用の医薬固体投与剤形に関する。本発明はまた、そのような投与剤形を調製するための方法、ならびに癌および免疫疾患の治療のための医薬としてのそれらの使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリ置換グリセロール化合物またはその医薬上許容される塩を含む経口投与用医薬固体投与剤形に関する。また、本発明は、そのような投与剤形を調製するための方法、ならびに癌および免疫疾患の治療のための医薬としてのそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明で用いるトリ置換グリセロール化合物は、合成エーテル−連結アルキル−リソリン脂質のクラスに属する。これらの脂質は、抗発癌性活性を有することが知られているため、纏めて「抗腫瘍エーテル脂質」と命名されている(例えば、Arthur,G.,and Bittman,R.(1998)Biochim.Biophys.Acta 1390,85−102;Jendrossek,V.,and Handrick,R.(2003)Curr.Med.Chem.Anti−Canc.Agents 3,343−353;Mollinedo,F.ら(2004)Curr.Med.Chem.11,3163−3184により検討)。
【0003】
それらの抗腫瘍活性とは別に、これらのエーテル脂質は炎症、免疫反応やアレルギー反応などの種々の他の生理学的プロセスに関与すると考えられている。これらのエーテル脂質を種々の免疫疾患治療に医薬として用いることは、当該分野において確立されている(例えば、各々、国際特許出願WO87/01257号およびWO90/14829号参照)。
【0004】
(ET−18−OCH3、AP−121またはオデルフォシンとも称される)1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンは、抗腫瘍エーテル脂質のプロトタイプであると考えられている。1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンは、血小板活性化因子(PAF;1−O−アルキル−2−アセチル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、優れたリン脂質アクティベータ、および血小板凝集、炎症およびアナフィラキシーを含む多くの白血球機能のメディエータの合成アナログを表している。多くの慣用的な化学療法薬物とは異なり、抗腫瘍エーテル脂質は細胞DNAを直接的に標的とせず、むしろ、原形質膜脂質組成物に影響し、および/または種々のシグナル変換経路と干渉する。1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの2つの主な細胞標的が今までに同定されている。すなわち、CTP:ホスホコリンシチジリル−トランスフェラーゼ(CCT;EC2.7.7.15)および(APO−1またはCD95としても知られる)死滅受容体Fasである。最近の研究によれば、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンは、さらに、細胞型−依存的に2つの異なるサブ−細胞構造、すなわち、白血球細胞における細胞表面脂質ラフト、および固体腫瘍細胞における小胞体を標的とし、各々脂質ラフト−および小胞体−媒介細胞死滅を最終的に誘導する双方の構造にて生じるプロセスに影響することが示されている(Nieto−Miguel,T.ら(2006)J.Biol.Chem.281,14833−14840)。
【0005】
癌化学療法は、一般に、周囲の細胞および組織に対する側副損傷を回避しつつ、癌細胞の成長を遅らせたり、癌細胞を破壊したりすることを目的としている。その結果、ほとんどの効果的な抗癌剤は、正常な細胞に対し比較的影響を及ぼすことなく、癌細胞を選択的に標的とすることができる。合成エーテル脂質は、例えば、腫瘍の進行を減少させたり、停止させたりする、すなわち、疾患の「現状維持」を安定化させたり、さらには、哺乳動物において腫瘍を小さくしたりするため、腫瘍剤として有効であることが示されている。1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンは、脳腫瘍または乳癌腫のような異なるタイプの腫瘍の治療で特に適することが判明している(例えば、各々、ドイツ国特許DE2619686号ならびに国際特許出願WO99/59599号および同WO00/01392号を参照)。
【0006】
アルキル切断酵素の細胞の欠如を含む癌細胞に対するエーテル脂質の毒性について、いくつかの作用メカニズムが提案されてきた。その結果、エーテル脂質を加水分解する無能力により、それらの細胞内蓄積、および細胞膜脂質組織化の損傷がもたらされる。エーテル脂質作用の他の潜在的メカニズムは、細胞内蛋白質リン酸化のレベル、および細胞脂質代謝の破壊に対する影響を含む。正常な細胞は、通常は、癌細胞はそうではないが、エーテル脂質の潜在的な毒性効果を回避したり、克服したりする手段を有している。
【0007】
これらの合成エーテル脂質の抗腫瘍活性は、実験的に、いくつかの動物腫瘍モデルにおいて証明されている。しかしながら、それらの臨床的使用の多くは、(特に、胃腸管、とりわけ、肺、肝臓または腎臓においても観察される)溶血を含む全身細胞傷害性効果によって妨げられている。
【0008】
1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンおよび他の合成エーテル脂質は、静脈内経路を用いることによって患者に投与することができる。この関係で、リポソーム処方の静脈内投与は、生体内で非特異的特性を顕著に低下させつつ、治療効果を向上させるのに有効であることが判明した(例えば、Ahmad,I.ら(1997)Cancer Res.57,1915−1921参照)。
【0009】
国際特許出願WO91/09590号には、有害な副作用を伴わずに高用量の化合物を投与するのに用いられる親油性水中油型エマルジョンを含む静脈内投与のための1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの医薬製剤が記載されている。
【0010】
しかしながら、エーテルリン脂質およびカルバモイル塩は、単一または反復注射によるPAFまたは腫瘍成長の競合的阻害剤として患者に対する利点を呈しつつ、注射の領域にて悪影響を引き起こすことも当該分野では公知である。これらの悪影響は、赤血球細胞の溶解、重度の浮腫、炎症、および注射部位の壊死の証拠である。これらの悪影響は、「洗剤」効果とも称されている。反復注射が求められる場合、投与の部位を不適切とし、かつ新鮮な部位を必要とするように、これらの有害効果はとりわけ不利である。患者において適切な部位の数は限られているため、O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの静脈内投与に関連する悪影響の回避が望まれている。
【0011】
さらに最近では、液体の飲むことのできるビヒクルと共に1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンを経口できることも示されている。国際特許出願WO99/59599号によれば、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンは、スープ(特に、濃厚なスープ)、エッグノッグおよび他の日常的な飲料のような、少なくとも3%(w/w)脂肪および/または蛋白質を含む水ベースのビヒクルと共に投与することができる。乳、乳代替物、ヨーグルト、ケフィア等のような乳ベースのビヒクルも適切である。1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの蛋白質および/または他の脂質への効果的な結合はエーテル脂質を「マスク」し、有害な副作用を抑えることが期待されることは魅力的である。
【0012】
それにもかかわらず、そのような水−および/または乳ベースのビヒクルで処理された患者のうち10〜20%において、(各々、WHO毒性グレードIIIおよびIVに対応する)有意な胃腸不適合性が観察されており、このことは、食欲減退、吐き気および/または嘔吐、下痢、便秘等に関連付けられている(例えば、Drings,P.ら(1992)Onkologie 15,375−382参照)。
【0013】
さらに、(ラクトース不適合性等の)食物アレルギーの更なる問題にかかわらず、1日につき数回、かなりの量の食物や飲料と共に医薬を摂取することは、患者にとっては依然として不都合である。さらに、明らかに、例えば、乳ベースの医薬は、毎回投与直前に調製しなければならない。医薬の調製は正確な秤量及びかなりの混合を必要とするため、時間を消費し、かつ非現実的であるだけでなく、用量に関する不確実性の要素となり得る。最後に、患者は医薬を完全に摂取して、完全な用量を確実に摂取しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際特許出願WO87/01257号
【特許文献2】国際特許出願WO90/14829号
【特許文献3】ドイツ国特許DE2619686号
【特許文献4】国際特許出願WO99/59599号
【特許文献5】国際特許出願WO00/01392号
【特許文献6】国際特許出願WO91/09590号
【特許文献7】国際特許出願WO99/59599号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Arthur,G.,and Bittman,R.(1998)Biochim.Biophys.Acta 1390,85−102
【非特許文献2】Jendrossek,V.,and Handrick,R.(2003)Curr.Med.Chem.Anti−Canc.Agents 3,343−353
【非特許文献4】Mollinedo,F.ら(2004)Curr.Med.Chem.11,3163−3184
【非特許文献5】Nieto−Miguel,T.ら(2006)J.Biol.Chem.281,14833−14840
【非特許文献6】Ahmad,I.ら(1997)Cancer Res.57,1915−1921
【非特許文献7】Drings,P.ら(1992)Onkologie 15,375−382
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン、または前記制限を解消するための関連するトリ置換グリセロール化合物を含む代替経口投与剤形に対する要望が依然として存在する。特に、固体であり、容易かつ便宜な投与を可能にすると共に、癌および他の病気の治療に関する必要な医薬効率を供する投与剤形に対する要望が存在する。1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンまたは関連トリ置換グリセロール化合物の摂取は結腸にて生じるため、崩壊されずに胃を通過する固体腸溶医薬投与剤形を有することが最も望ましい。
【0017】
従って、本発明の目的は、経口投与のためのこのような医薬固体投与剤形を供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的は、独立請求項1の特徴を有する医薬投与剤形によって達成される。本発明の好ましい実施形態のいくつかは、従属請求項の主題によって定義される。
本発明によると、癌または免疫疾患の治療に適し、かつ医薬の正確な投与および便宜な摂取を可能とする、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンのようなトリ置換グリセロール化合物を含有する固体経口投与剤形の処方が可能であることが判明した。本発明の経口投与剤形は、患者に投与された場合に、活性剤の所望の効率または必要とされる生物学的利用性を供する。
【0019】
本発明との関係においては、示されるいずれの数値も、典型的には、当業者が、問題とする特徴の技術的効果を依然として確認するのを理解する精度の間隔に関連する。本明細書中で用いるように、示された数値からの逸脱は±10%の範囲、好ましくは±5%の範囲にある。
【0020】
第一の態様において、本発明は、式(I):
【0021】
【化1】

[式中、Xはホスフェートおよびスルフェートよりなる群から選択され、
はC16−C20アルキルよりなる群から選択され、
はC−CアルキルおよびC−Cヒドロキシアルキルよりなる群から選択され、
は水素およびC−Cアルキルよりなる群から選択され、
はC−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルよりなる群から選択され、
は水素およびメチルよりなる群から選択される]
によるトリ置換グリセロール化合物、またはそのエナンチオマーまたはジアステレオマーまたは医薬上許容される塩、および少なくとも1つの医薬上許容される賦形剤を含む経口投与用の医薬固体投与剤形に関する。
【0022】
トリ置換グリセロール化合物は、アモルファスまたは結晶形態で存在させることができる。本明細書中で用いるように、「アモルファス」とは、原子の位置の長距離秩序がない固体、すなわち、非結晶性物質を指す。本発明の好ましい実施形態において、トリ置換グリセロール化合物は結晶形態で存在する。
【0023】
「Cアルキル」、「Cヒドロキシアルキル」、および「Cシクロアルキル」は、本明細書中で用いるように、各々、nの炭素原子を有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはシクロアルキル基を示す。例えば、「C18アルキル」とは、18の炭素原子を有するアルキル基を指す。本発明によるアルキル基またはヒドロキシアルキル基は、直鎖または分岐鎖であってもよい。
【0024】
式(I)のトリ置換グリセロール化合物は、1以上の非対称中心を有し、従って、それらは、エナンチオマーまたはジアステレオマーとして存在することができる。従って、本発明による医薬固体投与剤形は、(L形態およびD形態のような)1以上の別々の個々の異性体、または異性体の混合物、好ましくはラセミ混合物を含むことができる。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態において、式(I)のトリ置換グリセロール化合物は、医薬上許容される塩としての投与剤形で存在する。そのような塩は、窒素の正の電荷を「中和する」いずれかの医薬上許容される陰イオン(例えば、塩化物、臭化物またはヨウ化物)、あるいはホスフェートまたはスルフェート部位の負の電荷を「中和する」いずれかの医薬上許容されるカチオン(例えば、ナトリウムまたはカリウムカチオン)を含むことができる。
【0026】
本発明の特に好ましい実施形態において、医薬固体投与剤形は、式(I)によるトリ置換グリセロール化合物を含み、ここで、Xはホスフェートであり、Rは−(CH17−CHであり、RはCH、RはH、Rは−(CH−であり、RはCHである。
【0027】
本発明によれば、トリ置換グリセロール化合物は、患者に投与された場合に、腫瘍進行を停止させたり、腫瘍細胞におけるアポトーシス効果を誘導したりするように所望の薬理学的効果を達成するのに十分ないずれかの量で医薬固体形態に存在すると理解すべきである。有効量は、一般に、多数の因子、例えば、患者の年齢、サイズおよび一般的状態および治療中の医学的疾患に応じて選択され、種々の手段、例えば、本発明により示唆され、当業者によく知られ、かつ当業者により容易に実施される用量範囲試験によって決定される。
【0028】
通常は、本発明による医薬投与剤形において、式(I)によるトリ置換グリセロール化合物の量は400mg未満であり、好ましくは、30〜250mgの範囲にあり、最も好ましくは、50〜150mgの範囲にある。本発明の特に好ましい実施形態において、式(I)によるトリ置換グリセロール化合物の量は、各々、75mgおよび100mgである。
【0029】
患者に投与されるトリ置換グリセロール化合物の日用量は1200mg未満であり、通常は、900mg未満であり、好ましくは、30〜600mgの範囲、より好ましくは、40〜400mgの範囲、最も好ましくは、50〜350mgの範囲である。特定の実施形態において、日用量は、75、100、150、200、225、および300mgである。好ましくは、トリ置換グリセロール化合物の日用量は、1〜4までの錠剤またはカプセルの形態のような単一用量として投与される。しかしながら、日の間に、例えば、朝、昼、夜に投与される2又は3個の用量等、複数の用量にて化合物を投与することもできる。
【0030】
通常は、本発明による医薬固体投与剤形は、少なくとも1600mgの合計重量を有する。好ましくは、投与剤形の合計重量は、200〜1200mgの範囲であり、より好ましくは、250〜1000mgの範囲、最も好ましくは、300〜800mgの範囲である。固体投与剤形の直径は、通常は、少なくとも17mmである。好ましくは、投与剤形の直径は、9〜15mmの範囲であり、特に好ましくは、11〜12mmの範囲である。
【0031】
式(I)によるトリ置換グリセロール化合物は、単一有効成分として、あるいは化学治療剤またはモノクローナル抗体のような少なくとも1つの他の有効成分と組合せて、医薬固体投与剤形で存在させることができる。
【0032】
さらに、いずれの特定の治療剤の吸収および生物学的利用性も、経口投与する場合に多数の因子によって影響される。そのような因子は、胃腸(GI)管中における食物の存在を含む。なぜならば、一般に、薬物の胃中滞留時間は、通常、絶食状態における滞留時間よりも食物の存在が有意に長いためである。仮に、薬物の生物学的利用性がGI管中の食物の存在のためある点を超えて影響されるならば、当該薬物が「食物効果」を呈したり、医薬/食物相互作用を示したりすると言われる。この因子は、用量を選択する場合に考慮すべきである。
【0033】
本発明の意味として、「医薬上許容される賦形剤」は、コーティング物質、フィルム形成物質、充填剤、崩壊剤、放出−修飾物質、担体物質、希釈剤、結合剤、および他のアジュバントなどの医薬投与剤形の調製において用いられるいずれの物質であってもよい。
【0034】
本発明による「経口適用のための医薬固体投与剤形」とは、経口適用に適したいずれの医薬処方のことも言う。このような投与剤形の例は、とりわけ、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒、ペレット、粉末、多−粒状処方(例えば、ビーズ、顆粒または結晶)および糖衣錠を含む。
【0035】
全てのこれらの投与剤形は、当該分野でよく確立されている(例えば、Gennaro,A.L.and Gennaro,A.R.(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,Lippincott Williams&Wilkins,Philadelphia,PA;Ritschel,W.A.&Bauer−Brandl,A.(2002)Die Tablette:Handbuch der Entwicklung,Herstellung und Qualitatssicherung.Editio−Cantor Verlag,Aulendorf,Germany;Crowder,T.M.ら(2003)A Guide to Pharmaceutical Particulate Science.Interpharm/CRC,Boca Raton,FL;Niazi,S.K.(2004)Handbook of Pharmaceutical Manufacturing Formulations,CRC Press,Boca Raton,FL参照)。
【0036】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、医薬固体投与剤形は錠剤、丸剤、カプセル剤、および顆粒よりなる群から選択され、錠剤が特に好ましい。
本発明のもう1つの実施形態において、固体投与剤形は腸溶性投与剤形である、すなわち、投与剤形は胃、すなわち、酸性度の高い環境において安定に留まる。これは、フィルムコーティングを含む固体投与剤形を供することによって達成することができる。
【0037】
従って、本発明のさらなる実施形態において、固体投与剤形はフィルムコーティングを含む。例えば、本発明の投与剤形は、いわゆるフィルム錠剤の形態であってもよい。本発明の投与は、2以上のフィルムコーティング層を含んでもよい。対応する投与剤形は、二層または多層錠剤であってよい。フィルムコーティングは、約20ミクロン〜約1200ミクロンの厚さを有することができる。
【0038】
フィルムをコーティングした投与剤形の調製方法は、当該分野でよく確立されている(例えば、Gennaro,A.L.and Gennaro,A.R.(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,Lippincott Williams&Wilkins,Philadelphia,PA;Ritschel,W.A.&Bauer−Brandl,A.(2002)Die Tablette:Handbuch der Entwicklung,Herstellung und Qualitatssicherung.Editio−Cantor Verlag,Aulendorf,Germany;Crowder,T.M.ら(2003)A Guide to Pharmaceutical Particulate Science.Interpharm/CRC,Boca Raton,FL;Niazi,S.K.(2004)Handbook of Pharmaceutical Manufacturing Formulations,CRC Press,Boca Raton,FL参照)。また、腸溶コーティング、体液と接触して溶解するフィルムコーティング、制御放出コーティング、味マスキングコーティングまたは崩壊コーティングのような特定の特性を持つフィルムコーティングの提供方法についても、当該分野ではよく知られている。特に好ましい実施形態において、本発明の固体投与剤形は腸溶コーティングを含む。
【0039】
典型的にはフィルムコーティングは、フィルムコーティングの合計重量に基づき、85%(w/w)までの量の少なくとも1つのフィルム形成材料を含む。好ましい実施形態において、フィルム形成材料はEudragit(商標)ポリマー(Rohm GmbH&Co.KG,Darmstadt,Germany)のようなアクリル樹脂、ポリメタクリレート誘導体、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、およびポリビニルアセテートフタレートまたはその混合物よりなる群から選択され、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレートアクリル樹脂およびEudragit(商標)ポリマーが特に好ましい。好ましいEudragit(商標)ポリマーは、Eudragit(商標)L30 D−55、L100−55、L100、L12.5、S100、およびS12.5よりなる群から選択される。
【0040】
本発明によるフィルムコーティングまたはフィルムコーティング材料は、少なくとも1つの可塑剤を含んでもよい。フィルムコーティング材料中の可塑剤の量は、典型的にはフィルムコーティングの全重量に基づいて、約3%(w/w)〜30%(w/w)の範囲である。本発明による適切な可塑剤は、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、およびトリエチルシトレートよりなる群から選択される。
【0041】
また、フィルムコーティングは、少なくとも1つの安定化剤を含んでもよい。通常、安定化剤はソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンのような湿潤剤、またはラウリル硫酸ナトリウムのような洗剤、例えば、Texapon K12(Cognis Deutschland GmbH&Co.KG,Dusseldorf,Germany)である。安定化剤は、定型的には、フィルムコーティングの全重量に基づき、約1%(w/w)〜5%(w/w)の量でフィルムコーティング材料に含有させる。
【0042】
さらに、フィルムコーティングは、少なくとも1の分離剤または抗接着剤を含んでもよい。通常、分離剤は、ケイ酸マグネシウム/アルミニウムのような不活性化合物、またはタルクおよびステアリン酸マグネシウムのような金属石鹸である。通常、フィルムコーティング材料中の分離剤の量はフィルムコーティングの重量に基づいて、約1%(w/w)〜5%(w/w)の範囲にある。所望により、フィルムコーティングは、酸化チタン、赤色酸化第一鉄または黄色酸化第一鉄のような着色用の顔料を含んでもよい。通常、このような顔料は、コーティングの全重量に基づいて、1%(w/w)までの量でフィルムコーティング材料中に存在させる。
【0043】
本発明のもう1つの好ましい実施形態において、医薬固体投与剤形の腸溶フィルムコーティングは、pH≧6.8であり、好ましくは、pH≧5.5で可溶性である。また、米国薬局方XXIX<701>による医薬固体投与剤形は、(腸液と接触した場合には)最後の30分の接触時間内に、好ましくは、最後の15分の接触時間内に≧6.8の範囲のpHで崩壊することが好ましい。
【0044】
米国薬局方XXIX<701>による医薬固体投与剤形は、(胃液と接触した場合)少なくとも120分の接触時間内に、≦2.5の範囲のpHでは崩壊しないことがさらに好ましい。
【0045】
本発明によると、固体投与剤形は、50%(w/w)までの少なくとも1つの賦形剤を含んでもよく、ここで、該賦形剤は、好ましくは、少なくとも1つの充填剤、少なくとも1つの結合剤、少なくとも1つの崩壊剤、少なくとも1つの流動性制御剤、および少なくとも1つの潤滑剤を含む。
【0046】
本明細書中で用いる「充填剤」とは、投与剤形の全重量に基づいて、本発明の医薬固体投与剤形に70%(w/w)までの量で存在させてもよい不活性化合物を指す。適切な充填剤の例は、とりわけ、ラクトース、グルコース、フルクトース、硫酸水素カルシウム(二水和物)、ペクチン、アルギネート、澱粉(例えば、コーンスターチ)、マイクロクリスタリンセルロース、ならびに、各々、ラクトース、硫酸水素カルシウム、マイクロクリスタリンセルロース、およびコーンスターチの各2つの1:1混合物を含む。
【0047】
本明細書中で用いるように、「結合剤」とは、他の成分を相互に結合させるのに適切な賦形剤を指す。適切な結合剤は、とりわけ、グルコース、デキストリン、マルトデキストリン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、グアーガム、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、アルギン酸ナトリウムおよび水素化植物油を含む。このような結合剤は、投与剤形の全重量に基づいて、1%(w/w)〜15%(w/w)の量で本発明の投与剤形に存在させることができる。
【0048】
加えて、本発明の投与剤形はステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、およびパルミトステアリンサングルセリルのような1以上の潤滑剤(グライダント)を、投与剤形の全重量の1%(w/w)の量で含有することもできる。
【0049】
投与剤形は、さらに、架橋されたナトリウムカルボキシメチルセルロース(クロスカルメロースナトリウム)、架橋されたポリビニルピロリドン、コーンスターチ、およびナトリウムグリコールスターチのような少なくとも1つの崩壊剤を含む。このような崩壊剤は、投与剤形の全重量に基づいて、0.5%(w/w)〜4%(w/w)の範囲の量で投与剤形に存在させることができる。
【0050】
本発明の投与剤形は、1以上の流動性制御剤を含んでもよい。本発明の好ましい実施形態において、流動性制御剤はAerosil(商標)200またはSyloid(商標)244(共に、Degussa AG,Dusseldorf,Germanyのもの)のような分散性またはコロイド二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、カルシウムアラキネート、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、およびその混合物よりなる群から選択され、二酸化ケイ素が特に好ましい。このような流動性制御剤は、投与剤形の全重量に基づいて、1%(w/w)までの量で投与剤形に存在させることができる。
【0051】
本発明の特に好ましい実施形態において、トリ置換グリセロール化合物および少なくとも1つの流動性制御剤の間の比率は、流動性制御剤0.01〜0.1重量部に対してトリ置換グリセロール化合物1重量部である。
【0052】
さらに、所定の時間にわたって一定速度で本発明のトリ置換グリセロール化合物を放出する制御放出投与剤形を供することが望ましい。マトリックス形成天然および合成ポリマーの範囲は、例えば、キサンタンガム、ガラクトマンナンポリマー、アルギネート、セルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースよびヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、アクリルおよびメタクリル共重合体およびその組合せのように薬物放出を延長または修飾するのに利用可能である。この範囲のポリマーは、フォーミュレータが所望の放出プロフィールを得ることを可能にする。
【0053】
別法として、本発明の投与剤形は、本発明のトリ置換グリセロール化合物の放出を調節したり、修飾したりするのに適した1以上の賦形剤を含有することができる。トリ置換グリセロール形態の放出を調節したり、修飾したりするための適切な賦形剤は疎水性放出制御剤および/または親水性ポリマーである。
【0054】
疎水性放出制御剤は、好ましくは、メタクリル酸アンモニウムコポリマー、メタクリル酸コポリマー、ポリアクリレート、ポリ酢酸ビニル、エチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸オクタデシル)、ワックス、脂肪アルコール、脂肪酸エステルおよび水素化ヒマシ油よりなる群から選択されることができる。
【0055】
本発明の投与剤形は、延長された放出ポリマー層を含有することもでき、親水性ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、およびポビドンよりなる群から選択される。別法として、投与剤形は、延長された放出ポリマー層を含有してもよく、疎水性材料は、カルナウバワックス、エチルセルロース、パルミトステアリン酸グリセリル、水素化ヒマシ油、水素化植物油、マイクロクリスタリンワックス、ポリメタクリレートおよびステアリン酸よりなる群から選択される。
【0056】
本発明の特に好ましい実施形態において、医薬固体投与剤形は、溶解および/または崩壊させるのに際し、トリ置換グリセロール化合物の即座の放出を提供する。本発明の医薬投与剤形は、規定された、好ましくは、高速放出プロフィールを提供する。より正確には、本発明の投与剤形では、投与剤形におけるトリ置換グリセロール化合物の合計量の少なくとも80%、好ましくは、少なくとも85%が、pH6.8の緩衝液状態および1分当たり75回転で37℃±0.5℃において米国薬局方XXIX<724>による1型溶解装置(パドル)中で測定した場合に、45分以内に、好ましくは30分以内に投与剤形から放出されるように処方することができる、および/または投与剤形中のトリ置換グリセロール化合物の合計量の10%以下が、pH1.2の酸性状態および1分当たり75回転で37°±0.5℃における米国薬局方XXIX<724>による1型溶解装置(パドル)で測定した場合に、2時間以内に投与剤形から放出されるように処方することができる。
【0057】
本発明のもう1つの態様によれば、活性剤、トリ置換グリセロール化合物は投与剤形の一部であるマトリックスに含有させたり、分散させたりしてもよい。本発明の投与剤形のマトリックスは、好ましくは、即時放出マトリックスであってもよいが、薬物の放出を制御するコーティングを有する正常な放出または制御放出マトリックスを用いてもよい。
【0058】
制御放出マトリックスまたはコーティングに適した材料は以下のものを含む:
(i)ガム、セルロースエーテル、アクリル樹脂および蛋白質由来材料のような親水性ポリマー。これらのポリマーのうち、セルロースエーテル、特に、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシアルキルセルロースが好ましい。薬物形態は1%および80%(重量)の間の少なくとも1つの親水性または疎水性ポリマーを含んでもよい。
【0059】
(ii)脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸のグリセリルエステル、鉱油および植物油およびワックスのような消化可能な長鎖(C−C50、特にC12−C40)、置換または非置換炭化水素。25℃および90℃の間の融点を有する炭化水素が好ましい。脂肪(脂肪族)アルコールが特に好ましい。投与剤形は、60%(重量)までの少なくとも1つの消化可能な長鎖炭化水素を含んでもよい。
【0060】
(iii)ポリアルキレングリコール。投与剤形は、60%(重量)までの少なくとも1つのポリアルキレングリコールを含んでもよい。
別法として、本発明の投与剤形は、トリ置換グリセロール化合物の放出を制御するコートを有する正常な放出マトリックスを含むことができる。本発明のいくつかの実施形態において、投与剤形は、トリ置換グリセロール化合物および非水溶性球状化剤を含むフィルム被覆スフェロイドまたは顆粒を含んでもよい。「スフェロイド」は医薬分野で知られており、0.5mmおよび2.5mmの間、特に、0.5mmおよび2mmの間の直径を有する球状顆粒を示す。
【0061】
本発明のもう1つの態様によれば、投与剤形は、マルチ−粒状含有処方であってもよい。次に、マルチ−粒状の単位用量を、例えば、圧縮または錠剤への形成を介して、あるいはゼラチンカプセル内に必要な量を入れることによって、医薬固体投与処方に取り込むようにしてもよい。マルチ−粒状投与剤形は、結晶、顆粒、プレートまたはビーズのような被覆されたミクロ粒子を含むこともできる。
【0062】
第二の態様において、本発明は、経口投与用の医薬固体投与剤形として用いられる本明細書中に定義されたトリ置換グリセロール化合物に関する。
好ましい実施形態において、トリ置換グリセロール化合物は、癌の治療のため、または免疫疾患の治療のためのものである(以下に示された定義を参照)。
【0063】
第三の態様において、本発明は、本明細書中に定義された医薬固体投与剤形を調製するための方法に関し、該方法は、トリ置換グリセロール化合物を少なくとも1つの賦形剤と混合する工程を含む。
【0064】
本発明の1つの実施形態において、該方法は、さらに、混合物を乾燥する工程を含む。もう1つの実施形態において、該方法は、さらに得られた混合物を造粒する工程を含む。
錠剤の調製に関連する本発明の好ましい実施形態において、該方法は、適切な錠剤プレスを用いることによって所望により造粒された混合物をさらに圧縮する工程を含む。最終的に、200MPaの圧力で造粒物を圧縮することが特に好ましい。
【0065】
好ましくは、充填剤、結合剤、崩壊剤、流動性制御剤、潤滑剤および/または他の添加剤を含む少なくとも1つの賦形剤を予め粒とした形態に存在させる。このような予め粒とした添加剤の調製方法は、当業者により、よく知られている(以下に引用された文献を参照)。
【0066】
医薬固体投与剤形の製造は、通常は、15℃および26℃の間、好ましくは、18℃および22℃の間の温度で行われる。製造室における相対湿度は、55%未満であり、好ましくは、40%未満である。本発明の更に別の好ましい実施形態において、乾燥および/または造粒後の最終混合物の残存水分は、各々、混合物の合計重量に基づいて、1.5%(w/w)未満であり、特に好ましくは、1.0%(w/w)未満、最も好ましくは、0.5%(w/w)未満である。
【0067】
また、本発明による方法は、フィルムコーティング材料と共に、特に好ましくは、腸溶フィルムコーティング材料と共に得られた医薬処方をコーティングすることを含むことが好ましい。
【0068】
本発明による医薬固体投与剤形を調製するための方法は、当該分野でよく知られている(例えば、Gennaro,A.L.and Gennaro,A.R.(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,Lippincott Williams&Wilkins,Philadelphia,PA;Ritschel,W.A.&Bauer−Brandl,A.(2002)Die Tablette:Handbuch der Entwicklung,Herstellung und Qualitatssicherung.Editio−Cantor Verlag,Aulendorf,Germany;Crowder,T.M.ら(2003)A Guide to Pharmaceutical Particulate Science.Interpharm/CRC,Boca Raton,FL;Stricker,H.(2003)Arzneiformenentwicklung,Springer Verlag,Berlin,Germany;Niazi,S.K.(2004)Handbook of Pharmaceutical Manufacturing Formulations,CRC Press,Boca Raton,FL参照)。
【0069】
第四の態様において、本発明は、癌の治療、または免疫疾患の治療用医薬として、本明細書中に定義された医薬固体投与剤形の使用方法に関する。
本明細書中で用いるように、「癌」は、とりわけ、乳癌、結直腸癌、前立腺癌、白血病、リンパ腫、メラノーマ、および肺癌を含めた細胞または組織の悪性成長のいずれの形態も示す。本発明の範囲内において、「癌」とは、細胞が攻撃的(すなわち、それらが通常の制限にもかかわらず成長し、分裂する)、侵入的(すなわち、それらが隣接組織に侵入し、それを破壊する)、および転移性、(すなわち、それらが身体中の他の位置まで拡大する)病気の群を指す。癌のこれらの3つの「悪性特性」は、それらを、それらの成長が自己制限され、侵入または転移しない良性腫瘍から区別される(しかしながら、良性一部の腫瘍タイプは悪性となり得る)。
【0070】
本明細書中で用いるように、「免疫疾患」とは、免疫系のいずれの障害もいう。このような免疫病の例は、とりわけ、免疫不全(すなわち、AIDSまたはSCIDのような、感染病と闘う免疫系の能力が寛容されているか、または完全に存在しない先天性または後天性疾患)、(アレルギーまたは喘息の形態のような)過敏、および自己免疫疾患を含む。「自己免疫疾患」は、内因性物質および組織に対して身体の過剰免疫反応から生じるいずれの障害を示すものと理解すべきであり、ここで、身体は、それ自体の細胞を攻撃する。自己免疫疾患の例は、とりわけ、多発性硬化症、クローン病、紅斑性狼瘡、重症筋無力症、慢性関節リウマチ、および多発性硬化症を含む。
【0071】
本発明は、以下の図面および実施例によってさらに記載され、それは、本発明の特定の実施形態を示すことを目的としたものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0072】
以下のテストで用いる材料は市販されているか、或いは当業者によって入手可能な材料より容易に調製される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1A】Netzsch DSC204装置(Netzsch Geratebau GmbH,Selb,Germany)を用いて5K/分で300℃まで加熱し、1K/分で−30℃まで冷却(室温(約20℃)の温度開始)したときの賦形剤適合性を決定する示差走査熱分析(DSC)の結果を示すグラフであって、以下に述べる試料、即ち、結晶性1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン単独(黒色曲線)と、以下の賦形剤単独(赤色極性):ラクトース(図1A)と、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンおよび賦形剤の二成分混合物(緑色曲線)とを試験した結果を示すグラフ。
【図1B】賦形剤がクロスポビドンである場合の試験結果を示すグラフ。
【図1C】賦形剤が澱粉1500である場合の試験結果を示すグラフ。
【図1D】賦形剤が二酸化ケイ素である場合の試験結果を示すグラフ。
【図1E】賦形剤がステアリン酸マグネシウムである場合の試験結果を示すグラフ。
【図2】本発明による1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンを含む錠剤を示す写真であって、(A)は、実施例6に記載されたように調製された造粒錠剤を示す。錠剤は、KorschエクセントリックプレスEKOまたはXP1(Korsch AG,Berlin,Germany)において、異なる硬度グレード(すなわち、破壊強度)、具体的には、30Nの硬度(左側)と90Nの硬度(右側)とで圧縮したものである。錠剤中の1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの量は、錠剤の全重量に基づいて20%(w/w)である。また、(B)は、実施例4に記載された直接的圧縮によって得られた錠剤を示す。錠剤中の1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの量は、錠剤の全重量に基づいて15%(w/w)である。錠剤は、KorschエクセントリックプレスEKOまたはXP1(Korsch AG,Berlin、Germany)において、90Nの硬度グレードで圧縮したものである。
【図3A】プログラムされた細胞死滅(アポトーシス)およびLNCaPアンドロゲン−感受性ヒト前立腺腺癌細胞の生存率について、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン(最終濃度10μM)、(電離)放射線(5グレイ単位の吸収された線量;「RT」として示される)、およびそれらの組合せの生体内効果を示すグラフ。アポトーシスは、製造業者の指示に従い、Apo−ONE(商標)均一カスパーゼ(Homogeneous Caspase)−3/7アッセイ、Promega,Inc.,Madison,WI,USAを用いて決定した。生きた癌細胞のパーセンテージは、記載されているようにトリパンブルー染色排除によって評価した(Freshney,R.I.(1994)Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique.3rd Ed.Wiley−Liss.New York,USA)。1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの投与から6時間後に、細胞を放射線に曝露した。放射線の曝露から12時間後にカスパーゼアッセイを行った。グラフに示す反復データは、2つの独立した実験の平均値を表わす。
【図3B】1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの投与と同時に、細胞を放射線に曝露したときの結果を示すグラフ。
【図3C】1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの投与の6時間前に、細胞を放射線に曝露したときの結果を示すグラフ。
【図4A】ヌードマウス(7匹のマウス/群)の前立腺において同所性を以て成長したLNCaPについて、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン(15日間腹腔内投与した30mg/kg体重/日;図4A)の生体内効果を示すグラフ。腫瘍の成長は、市販のテストキットを用いる前立腺−特異的抗原(PSA)の血清中レベル、および磁気共鳴イメージングによる腫瘍容量を決定することにより評価した。
【図4B】1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン(15日間腹腔内投与した30mg/kg体重/日)と、(電離)放射線(5グレイ単位の吸収用量を7日目に投与)とを組合せたときの結果を示すグラフ。
【図4C】(電離)放射線(5グレイ単位の吸収用量を7日目に投与)による場合の結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0074】
本発明による医薬固体投与剤形を調製するための方法は、医薬分野においてよく知られた標準的な方法の確立に従う(例えば、以下のテキストブック参照:Gennaro,A.L.and Gennaro,A.R.(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,Lippincott Williams&Wilkins,Philadelphia,PA;Ritschel,W.A.&Bauer−Brandl,A.(2002)Die Tablette:Handbuch der Entwicklung,Herstellung und Qualitatssicherung.Editio−Cantor Verlag,Aulendorf,Germany;Crowder,T.M.ら(2003)A Guide to Pharmaceutical Particulate Science.Interpharm/CRC,Boca Raton,FL;Stricker,H.(2003)Arzneiformenentwicklung,Springer Verlag,Berlin,Germany;Niazi,S.K.(2004)Handbook of Pharmaceutical Manufacturing Formulations,CRC Press,Boca Raton,FL)。
【実施例1】
【0075】
直接的圧縮による本発明の錠剤の調製
直接的圧縮による本発明の錠剤の調製では、以下の成分を混合した(投与剤形当たり):
75.0mg 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン
325.0mg ラクトース
20.0mg Kollidon(商標)VA 64(BASF,Ludwigshafen,Germany)
4.0mg Aerosil(商標)200(Degusta,Dusseldorf,Germany)
2.4mg ステアリン酸マグネシウム
6.0mg ステアリン酸
4.0mg コーンスターチ
続いて、混合物を錠剤プレスにおいて直接的に圧縮した。
【実施例2】
【0076】
直接的圧縮による本発明の錠剤の調製
直接的圧縮による本発明の錠剤の調製のために以下の成分を混合した(投与剤形当たり):
90.7mg 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン
1.4mg ホルムアルデヒドカゼイン
1.4mg ジャガイモ澱粉
1.4mg 赤色海藻からのゲル形成剤
1.4mg セルロースグリコール酸ナトリウム
3.2mg ステアリンタルク
0.5mg Aerosil(商標)200(Degusta,Dusseldorf,Germany)
続いて、混合物を錠剤プレス中で直接的に圧縮した。
【実施例3】
【0077】
直接的圧縮による本発明の錠剤の調製
直接的圧縮による本発明の錠剤の調製のために、以下の成分を混合した(投与剤形当たり):
75.0mg 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン
200.3mg リン酸水素カルシウム
200.3mg マイクロクリスタリンセルロース
15.0mg Kollidon(商標)CL(BASF,Ludwigshafen,Germany)
9.4mg ステアリン酸マグネシウム
続いて、混合物を錠剤プレスにて直接的に圧縮した。
【実施例4】
【0078】
直接的圧縮による本発明の錠剤の調製
直接的圧縮による本発明の錠剤の調製のために、以下の成分を混合した(投与剤形当たり):
75.0mg 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン
196.3mg リン酸二カルシウム
196.3mg Avicel(商標)PH−102(FMC BioPolymer,Philadelphia,USA)
20.0mg Crospovidone(商標)(BASF,Ludwigshafen,Germany)
12.4mg ステアリン酸マグネシウム
1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン、Avicel、およびリン酸二カルシウムを、IVのポアサイズ(約1mm)を有するふるいにかけ、徹底的に混合した。クロスポビドンおよびステアリン酸マグネシウムもふるい、混合した。続いて、錠剤を、90Nの硬度グレード(すなわち、破壊強度)にて、KorschエクセントリックプレスEKOまたはXP1(Korsch AG,Berlin,Germany;用いた圧縮力は5kNおよび20kNの間であった)により圧縮した。
【0079】
錠剤中の1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの量は、錠剤の合計重量(すなわち、500mg)に基づいて15%(w/w)(すなわち、75mg)である。同様に、例えば、300mg、350mg、375mg、400mg、および450mgの合計重量を有する錠剤を調製した(示さず)。錠剤は、約12mmの平均直径、および約3mm〜約5mmの平均厚さを有する。得られた錠剤を図2Bに示す。
【実施例5】
【0080】
本発明の造粒された錠剤の調製
本発明の造粒された錠剤の調製では、以下の成分を混合し、造粒した(投与剤形当たり):
75.0mg 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン
357.7mg ラクトース
40.0mg Polyplasdone(商標)XL(BASF,Ludwigshafen,Germany)
2.4mg ステアリン酸マグネシウム
続いて、混合物を錠剤プレスにより圧縮した。
【実施例6】
【0081】
本発明の造粒された錠剤の調製
本発明の造粒された錠剤の調製では、以下の成分を混合し、造粒した(投与剤形当たり):
75.0mg 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン
249.5mg マイクロクリスタリンセルロース
12.5mg Kollidon(商標)25(BASF,Ludwigshafen,Germany)
30.0mg Crospovidone(商標)(BASF,Ludwigshafen,Germany)
8.0mg ステアリン酸マグネシウム
1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン、およびマイクロクリスタリンセルロースをIVのポアサイズ(約1mm)を有するふるいにかけ、徹底的に混合した。Kollidonをイソプロパノール中の20%(w/v)溶液として加え造粒した。(錠剤の内側相を表わす)造粒された混合物を、(Ohaus Moisture Analyzer(Ohaus Corp.,Pine Brook,NJ,USA)を用いて決定して)混合物の合計重量に基づいて、3%(w/w)未満の残存水分になるまで乾燥させた。
【0082】
(錠剤の外側相を表わす)クロスポビドンおよびステアリン酸マグネシウムを加えた。続いて、錠剤を、30N(左側)および90N(右側)の異なる硬度グレード(すなわち、破壊強度)にて、KorschエクセントリックプレスEKOまたはXP1(Korsch AG,Berlin,Germany;用いた圧縮力は5kNおよび20kNの間であった)により圧縮した。
【0083】
錠剤中の1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの量は、錠剤の合計重量(すなわち、300〜350mg)に基づいて20%(w/w)である。同様に、例えば、400mg、450mg、500mg、600mg、700mg、および750mgの合計重量を有する錠剤を調製した(示さず)。錠剤は、硬度グレードに依存して、約12mmの平均直径および約3mm〜約5mmの平均厚さを有する。得られた錠剤を図2Aに示す。
【実施例7】
【0084】
本発明の造粒された錠剤の調製
本発明の造粒された錠剤の調製のために、以下の成分を混合し、造粒した(投与剤形当たり):
150.0mg 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン
(30.0%w/w)
158.8mg FlowLac(商標)100(Meggle Pharma,Wasserburg,Germany)
(31.5%w/w) (ラクトース一水和物)
158.8mg Avicel(商標)PH−102(FMC BioPolymer,Philadelphia,USA)
(31.5%w/w) (マイクロクリスタリンセルロース)
20.0mg Crospovidone(商標)(BASF,Ludwigshafen,Germany)
(4.0%w/w)
12.4mg ステアリン酸マグネシウム
(3.0%w/w)
錠剤を実施例6と同様にして調製した。錠剤中の1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの量は、錠剤の合計重量(すなわち、500mg)に基づいて30%(w/w)である。錠剤は約85 Nの平均硬度(すなわち、破壊強度、約12mmの平均直径および約5.6mmの平均厚さを有する。
【0085】
別の本発明の造粒された錠剤の調製では、以下の成分を混合し、造粒した(投与剤形当たり):
150.0mg 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン
(25.0%w/w)
205.5mg FlowLac(商標)100(Meggle Pharma,Wasserburg,Germany)
(34.0%w/w) (ラクトース一水和物)
205.5mg Avicel(商標)PH−102(FMC BioPolymer,Philadelphia,USA)
(34.0%w/w) (マイクロクリスタリンセルロース)
24.0mg Crospovidone(商標)(BASF,Ludwigshafen,Germany)
(4.0%w/w)
15.0mg ステアリン酸マグネシウム
(3.0%w/w)
錠剤は実施例6と同様にして調製した。錠剤中の1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの量は、錠剤の合計重量(すなわち、600mg)に基づいて25%(w/w)である。錠剤は約86 Nの平均硬度(すなわち、破壊強度)、約13mmの平均直径および約6.1mmの平均厚さを有する。
【実施例8】
【0086】
本発明の造粒された錠剤の調製
本発明の造粒された錠剤の調製のために以下の成分を混合し造粒した(投与剤形当たり):
20.0%(w/w) 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン
ラクトースを加えて100.0%(w/w)とする
9.2%(w/w) Avicel(商標)PH−101(FMC BioPolymer,Philadelphia,USA)
15.0%(w/w) サッカロース
適量 15%(w/v)ゼラチン
0.5%(w/w) ステアリン酸マグネシウム
2.0%(w/w) グリコール澱粉ナトリウム
続いて、混合物を錠剤プレスにて圧縮した。
【実施例9】
【0087】
本発明の造粒された錠剤の調製
本発明の造粒された錠剤の調製のために、以下の成分を混合し、造粒した(投与剤形当たり):
20.0%(w/w) 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン
ラクトースを加えて100.0%(w/w)とする
30.0%(w/w) Avicel(商標)PH−101(FMC BioPolymer,Philadelphia,USA)
10.0%(w/w) コーンスターチ
適量 10%(w/v)Kollidon(商標)25(BASF,Ludwigshafen,Germany)
1.0%(w/w) Kollidon(商標)CL(BASF,Ludwigshafen,Germany)
2.0%(w/w) ステアリン酸マグネシウム
続いて、混合物を錠剤プレスにて圧縮した。
【実施例10】
【0088】
本発明の造粒された錠剤の調製
本発明の造粒された錠剤の調製のために以下の成分を混合し、造粒した(投与剤形当たり):
75.0mg 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン
275.0mg ラクトース
25.0mg コーンスターチ
適量 10%(w/v)Kollidon(商標)25(BASF,Ludwigshafen,Germany)
1.5mg Aerosil(商標)200(Degusta,Dusseldorf,Germany)
3.0mg ステアリン酸マグネシウム
続いて、混合物を錠剤プレスにより圧縮した。
【実施例11】
【0089】
本発明の造粒された錠剤の調製
本発明の造粒された錠剤の調製のために以下の成分を混合した(投与剤形当たり):
75.0mg 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン
250.0mg ラクトース
25.0mg グリコール澱粉ナトリウム
適量 10%(w/v)Kollidon(商標)25(BASF,Ludwigshafen,Germany)
0.5mg Aerosil(商標)200(Degusta,Dusseldorf,Germany)
0.5mg ステアリン酸マグネシウム
続いて、混合物を錠剤プレスにより圧縮した。
【実施例12】
【0090】
本発明による腸溶ペレットの調製
腸溶錠剤の調製のために、以下の成分を混合し、造粒した(投与剤形当たり):
75.0mg 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン
187.0mg Avicel(商標)PH−101(FMC BioPolymer,Philadelphia,USA)
13.0mg GranuLac(商標)140(Meggle Pharma,Wasserburg,Germany)
35.0mg Eugradit(商標)L30 D−55(Rohm GmbH&Co.KG,Darmstadt,Germany)
3.4mg トリエチルシトレート
17.0mg ステアリン酸マグネシウム
【実施例13】
【0091】
本発明による腸溶錠剤の調製
実施例1〜9に従って調製された錠剤を、当該分野でよく知られた確立された標準的方法を用いて、腸溶フィルムコーティングによりコーティングした(前記引用文献参照)。以下のフィルムコーティングを用いた(各成分の量は、各々、300、400、500、600、700、および800mgの合計重量を有する錠剤についてmgで与える):
【0092】
【表1】

【0093】
【表2】

【0094】
【表3】

【0095】
【表4】

【0096】
【表5】

【0097】
【表6】

【0098】
【表7】

【0099】
【表8】

【実施例14】
【0100】
本発明により錠剤を処方するための異なる賦形剤の適合性を決定するために、示差走査熱(DCS)分析を行った。
DSCは、試料および参照の温度を上昇させるのに必要な熱の量の差が温度の関数として測定される熱分析技術である。試料および参照の双方は、実験を通じてほとんど同一の温度に維持される。一般には、DSC分析のための温度プログラムは、温度が時間の関数として直線状に上昇したり、下降したりするように設計されている。
【0101】
分析は、Netzsch DSC 204装置(Netzsch Geratebau GmbH,Selb,Germany)を使用して行った。5K/分で300℃まで加熱し、1K/分で−30℃まで冷却した。温度開始は、室温(ほぼ20℃)で行った。
【0102】
以下に述べる試料をテストした:結晶性1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン単独(黒色曲線)、以下の賦形剤単独(赤色曲線):ラクトース(図1A)、クロスポビドン(図1B)、澱粉1500(図1C)、二酸化ケイ素(図1D)、ならびにステアリン酸マグネシウム(図1E)、および1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンと各賦形剤の二元混合物(緑色曲線)。
【0103】
二酸化ケイ素は、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンのいずれの相互作用も示さず、(すなわち、不活性な無機材料を表わす)、他方、ラクトース、クロスポビドン、および澱粉は全て、そのような相互作用を示す。相互作用は、マイクロクリスタリンセルロース、リン酸カルシウム、およびクロスカルメロースを賦形剤として用いる場合にも検出された(データは示さず)。他方、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリルフマル酸ナトリウムはサーモグラムで優位を占める。
【実施例15】
【0104】
前立腺癌の治療における1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの効果
前立腺癌は、前立腺、雄生殖系における腺で発現する癌のタイプである。前立腺癌は、物理的調査によって、あるいはPSA(前立腺特異的抗)テストのようなスクリーニング血液テストによって発見されることが多い。PSAテストは、前立腺−特異的抗原、カリクレインと同様なセリンプロテアーゼの血中レベルを測定する。その正常な機能は、射精後のゼラチン状精液を液化し、精子を、子宮頸部を通ってより容易に通り抜けるようにすることである。約4ng/mlを超えるPSAレベルは、一般には、前立腺癌が発現する危険性を示すと考えられている。しかしながら、PSAは完全なテストではなく、従って、尿中細胞関連PCA−3mRNAの検出のような更なる検出によって確証すべきである。
【0105】
局所的に進行した、または高リスク前立腺癌のための2つの最も一般的な治療は放射線療法(RT)、およびホルモン療法であるアンドロゲン剥奪(AD)である。プログラムされた細胞死滅(アポトーシス)の程度、および前立腺癌細胞の生存に対する、単独での、およびRT、ADまたはRT+ADと組合せた1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの効果を各々調べた。
【0106】
まず、プログラムされた細胞死滅(アポトーシス)、およびLNCaPアンドロゲン−感受性−ヒト−前立腺腺癌細胞の生存率に対する1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン、(電離)放射線、およびその組合せのイン・ビトロの効果を測定した。LNCaP細胞株は、腺癌の転移性病巣から樹立された。細胞は、最終濃度10μMの1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン、および5グレイ単位の吸収された線量に対応する(電離)放射線で処理した。
【0107】
アポトーシスは、製造業者の指示に従ってApo−ONE(商標)Homogenous Caspase−3/7 Assay,Promega,Inc.,Madison,WI,USAを用いて決定した。生きた腫瘍細胞のパーセンテージは、記載されているようなトリパンブルー染料排除によって評価した(Freshney,R.I.(1994)Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique.3rd Ed.Wiley−Liss.New York,USA)。
【0108】
細胞を1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの投与から6時間後(図3A)、それと同時に(図3B)、またはその6時間前に(図3C)放射線に曝露した。カスパーゼアッセイは、放射線への曝露から12時間後に行った。示された各データは、2つの独立した実験の平均値を表わす。
【0109】
細胞を放射線に曝露する6時間前に1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンを投与した場合、組み合わせた治療の結果、未処理対照における約85%と比較して、約45%の腫瘍細胞の生存したにすぎなかった。従って、処理した細胞において、(カスパーゼ−7/アッセイによって決定して)アポトーシス応答の有意な増加(>2.5倍)が観察された。放射線または1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンでの個々の処理の結果、各々、約75%および約60%の中間的な生存率が得られた(図3A)。
【0110】
放射線、および1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの細胞への同時投与の場合、生存率は約55%であると決定され、これは、個々の化学的処理観察されたのと同一の範囲にある(約50%)。放射線のみへの細胞の曝露の結果、約80%の生存率がもたらされ、これは未処理対照(約86%)に匹敵する。驚くべきことに、カスパーゼ−3/7アッセイの結果は、個々のおよび組み合わせた処理で同様であった(図3B)。
【0111】
細胞を放射線に暴露してから6時間後に1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンを投与した場合、組合せ処理の結果、約40%細胞の生存がもたらされ、これは、個々の化学的処理で観察された(約45%)のと同一範囲にある。放射線のみへの細胞の曝露の結果約70%の生存率がもたらされた。観察されたアポトーシスの程度は、組み合わされた処理に曝露された細胞と比較して、化学物質のみに曝露された細胞の約25%の増加であった。
【0112】
前記結果に基づくと、細胞を放射線に暴露するに先立っての1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンの投与は、あたかも、細胞生存率およびアポトーシス応答に対する最も有意な効果をもたらすように見える。
【0113】
更なるアプローチにおいて、10μM 1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン(最終濃度;「CHEM」)および(電離)放射線(5グレイ単位;「RT」)をLNCaP細胞へ同時に投与したが、続いてのインキュベーション時間は24時間まで延長した。アポトーシスは、前記したApo−ONE(商標)Homogenous Caspase−3/7 Assayを用いて測定し、相対的蛍光単位(RFLU)として表した。アポトーシス細胞のパーセンテージは、確立された標準的プロトコルに従い、アネキシンV−PE陽性−染色および7−AAD(7−アミノアクチノマイシンD)陰性−染色細胞(共に、BD Biosciences,San Jose,CA,USAから購入)のフローサイトメトリ分析によって決定した。その結果を以下の表に示す。データは、3つの独立した実験からの平均±SEMを表わす。
【0114】
【表9】

結果の統計学的有意性は、片側LNOVA、LSD検定を用いて計算した。各々、個々の処理CHEMおよびRTの各々と比較して、p<0.0001。
【0115】
また、「CHEM+RT」処理細胞におけるアポトーシスの増強も、アンドロゲン−非感受性LNCaP C4−2およびLNCaP−Res細胞において観察された(データは示さず)。
【0116】
次に、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン投与(「CHEM」)およびアンドロゲン剥奪(「AD」)の相互作用を調査した。当該分野でよく知られた確立された手順に従い、血清のチャコール吸収によって、LNCaP細胞からアンドロゲンを2日間で剥奪した。CHEMを、各々、5μMおよび10μMの最終濃度で加えた。加えて、CHEM投与に2日先立っての合成アンドロゲンR1881(「R1881」)の添加の結果、効果の逆転をもたらすか否かをテストした。
【0117】
アポトーシスは、前記したApo−ONE(商標)Hоmоjenоus Caspase−3/7 Assayを用いて測定し、相対的蛍光単位(RFLU)として表した。アポトーシス細胞のパーセンテージは、前記したアネキシンV−PE/7−AAD染色を介して決定した。カスパーゼ3/7アッセイおよびアネキシン染色は、CHEM処理から22時間後に行った。その結果を以下の表に示す。
【0118】
【表10】

従って、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンのアンドロゲン−剥奪LNCaP細胞への投与の結果、アポトーシス応答の用量依存性の有意な増加がもたらされた。さらに、この効果は、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン処理に先立って合成アンドロゲンを培地に加えることによって逆転しなかった。
【0119】
加えて、予備的な実験において、ヌードマウス(7匹マウス/群)の前立腺において正常位に成長させたLNCaP細胞に対する1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリン、(電離)放射線、およびその組合せの生体内効果を調べた。
【0120】
15日間腹腔内投与する30mg/kg体重/日の用量にて、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−グリセロ−3−ホスホコリンを腹腔内投与した(図4A;経口、または胃管栄養法によるなどの異なる投与経路を用いる実験は現在進行中である)。(電離)放射線は、7日目に投与された5グレイ単位の吸収線量に対応する(図4B)。組合せ処理は図4Cに示される。腫瘍成長は、商業的に入手可能なテストキットを用いる前立腺特異的抗原(PSA)の血清レベル、ならびに磁気共鳴イメージングによる腫瘍容量の決定を介して評価した。
【0121】
理解できるように、組合せ処理の結果、個々の処理のいずれかと比較してPSA血清中レベルの有意な増加がもたらされ(「PBS」はリン酸−緩衝化生理食塩水を表わす)、これは、生体内結果が生体内設定に書き換えられることを示す。
【0122】
本明細書中に説明的に記載された、本発明は、本明細書中に具体的に開示されていないいずれのエレメント、または複数のエレメントまたは限定または複数の限定の存在下においても適正に実施することができる。従って、例えば、用語「含む」、「含めた」、「含有する」などは広くかつ限定なくして読まれるべきである。加えて、本明細書中に使用される用語および表現は、限定ではなく記載の項目として用いられており、示されたおよび記載された特徴またはその部分のいずれの同等物も排除するそのような用語および表現の使用に限定はないが、種々の修飾が特許請求された発明の範囲内で可能であると認識される。従って、本発明は好ましい実施形態および任意の特徴によって開示されてきたが、開示された本明細書中のそこで具体化された本発明の変更および変形は当業者がよりどころとすることができ、そのような変更および変形は、本発明の範囲内にあると考えられると理解されるべきである。
【0123】
本明細書中において言及したまたは本明細書中で参照したいずれの文書で述べたいずれの生成物についてのいずれの製造業者の指示記載、製品の仕様、および製品シートも含めた本明細書中で引用された、または参照された全ての書類はここに引用して、援用され、本発明の実施で使用することができる。本出願におけるいずれの書類の引用または同定も、かかる文書が本発明に対する先行技術として利用可能であるということを認めるものではない。
【0124】
本発明は本明細書中において広範にかつ上位概念的に記載されてきた。上位概念的開示に入るより狭い種および上位概念下のグループの各々も本発明の一部をなす。これは、切り出された材料は具体的に本明細書中で引用されているか否かにかかわらず、いずれの主題も上位概念から除去する但し書きまたは否定的制限を付して、本発明の上位概念記載を含む。
【0125】
他の実施形態は、以下の請求の範囲内に含まれる。加えて、本発明の特徴または態様がマーカシュグループにより記載されている場合、当業者であれば、本発明は、それによりマーカシュグループのいずれかの個々のメンバーまたはメンバーのサブグループによっても記載できることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、Xはホスフェートおよびスルフェートよりなる群から選択され、
はC16−C20アルキルよりなる群から選択され、
はC−CアルキルおよびC−Cヒドロキシアルキルよりなる群から選択され、
は水素およびC−Cアルキルよりなる群から選択され、
はC−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルよりなる群から選択され、
は水素およびメチルよりなる群から選択される]
のトリ置換グリセロール化合物、またはそのエナンチオマーまたはジアステレオマーまたはその医薬上許容される塩、および少なくとも1つの医薬上許容される賦形剤を含む経口投与用の医薬固体投与剤形。
【請求項2】
請求項1記載の医薬固体投与剤形において、
Xがホスフェートであり、Rが−(CH17−CHであり、RがCHであり、RがHであり、Rが−(CH−であり、RがCHである医薬固体投与剤形。
【請求項3】
請求項1又は2記載の医薬固体投与剤形において、
前記トリ置換グリセロール化合物が結晶形態で存在する医薬固体投与剤形。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形において、
前記トリ置換グリセロール化合物の量が30〜250mgの範囲にある医薬固体投与剤形。
【請求項5】
請求項4記載の医薬固体投与剤形において、
前記トリ置換グリセロール化合物の量が50〜150mgの範囲にある医薬固体投与剤形。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形において、
前記トリ置換グリセロール化合物の日用量が50〜350mgの範囲にある医薬固体投与剤形。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形において、
前記投与剤形が錠剤、丸剤、カプセル剤および顆粒よりなる群から選択される医薬固体投与剤形。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形において、
前記投与剤形が腸溶投与剤形である医薬固体投与剤形。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形において、
前記投与剤形がpH≧5.5で溶解する医薬固体投与剤形。
【請求項10】
請求項9記載の医薬固体投与剤形において、
前記投与剤形がpH≧6.8で溶解する医薬固体投与剤形。
【請求項11】
請求項9又は10記載の医薬固体投与剤形において、
米国薬局方XXIX<701>による前記投与剤形が最後の30分の接触時間内に≧6.8の範囲内にあるpHで崩壊する医薬固体投与剤形。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形において、
米国薬局方XXIX<701>による前記投与剤形が少なくとも120分の接触時間内に≦2.5の範囲内にあるpHで崩壊しない医薬固体投与剤形。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形において、
前記投与剤形がフィルムコーティングを含む医薬固体投与剤形。
【請求項14】
請求項13記載の医薬固体投与剤形において、
前記フィルムコーティングが腸溶フィルムコーティングである医薬固体投与剤形。
【請求項15】
請求項14記載の医薬固体投与剤形において、
前記腸溶フィルムコーティングがアクリル樹脂、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネ―ト、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、およびポリ酢酸ビニルフタレートアクリル樹脂、またはその混合物よりなる群から選択される少なくとも1つのフィルム形成材料を含む医薬固体投与剤形。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形において、
前記フィルムコーティングが少なくとも1つの可塑剤を含む医薬固体投与剤形。
【請求項17】
請求項16記載の医薬固体投与剤形において、
前記少なくとも1つの可塑剤がポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、およびトリエチルシトレートよりなる群から選択される医薬固体投与剤形。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形において、
前記少なくとも1つの賦形剤が充填剤、結合剤、崩壊剤、流動性制御剤、および潤滑剤よりなる群の少なくとも1つずつを含む医薬固体投与剤形。
【請求項19】
請求項18記載の医薬固体投与剤形において、
前記流動性制御剤が、分散性またはコロイド二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、カルシウムアラキネート、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、およびその混合物よりなる群から選択される医薬固体投与剤形。
【請求項20】
請求項18又は19記載の医薬固体投与剤形において、
前記トリ置換グリセロール化合物および前記少なくとも1つの流動性制御剤の間の比率が、前記流動性制御剤0.01〜0.1重量部に対して前記トリ置換グリセロール化合物1重量部である医薬固体投与剤形。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形において、
前記投与剤形が少なくとも1つの放出制御剤を含む医薬固体投与剤形。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形において、
前記投与剤形が前記トリ置換グリセロール化合物の即時の放出を供する医薬固体投与剤形。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形において、
前記投与剤形に含まれる少なくとも75%の合計量のトリ置換グリセロール化合物が、pH6.8の緩衝剤状態および分当たり75回転での37℃±0.5℃における米国薬局方XXIX<724>に従って1型溶解装置(パドル)で測定した場合に、45分以内に前記投与剤形から放出される医薬固体投与剤形。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形において、
前記投与剤形に含まれる10%以下の合計量のトリ置換グリセロール化合物が、pH1.2の酸性状態および分当たり75回転で37℃±0.5℃における米国薬局方XXIX<724>に従って1型溶解装置(パドル)測定した場合に、2時間以内に投与剤形から放出される医薬固体投与剤形。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか一項に規定のトリ置換グリセロール化合物において、
経口投与用の医薬固体投与剤形として用いられるトリ置換グリセロール化合物。
【請求項26】
請求項25記載のトリ置換グリセロール化合物であって、
癌の治療用であるトリ置換グリセロール化合物。
【請求項27】
請求項25記載のトリ置換グリセロール化合物であって、
免疫疾患の治療用であるトリ置換グリセロール化合物。
【請求項28】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形の調製方法において、
(a)前記トリ−グリセロール化合物を少なくとも1つの賦形剤と混合するステップを含む方法。
【請求項29】
請求項28記載の方法は、更に、
(b) (a)で得られた混合物を乾燥する工程を含む方法。
【請求項30】
請求項28記載の方法は、更に、
(c) (a)または(b)で得られた混合物を造粒する工程を含む方法。
【請求項31】
請求項28〜30のいずれか一項に記載の方法において、
工程(a)および/または(b)および/または(c)を行った後の混合物の残存水分率が、前記混合物の合計重量に基づいて1.5%(w/w)未満である方法。
【請求項32】
請求項28〜31のいずれか一項に記載の方法は、更に、
(d)適切な錠剤プレスを用いて、前記混合物を圧縮する工程を含む方法。
【請求項33】
請求項32記載の方法において、
最終的には200MPaの圧力で圧縮する方法。
【請求項34】
請求項28〜33のいずれか一項に記載の方法は、更に、
(e)フィルムコーティング材料で得られた医薬処方をコーティングする工程を含む方法。
【請求項35】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形の使用方法において、
癌の治療用医薬としての使用方法。
【請求項36】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の医薬固体投与剤形の使用方法において、
免疫疾患の治療用医薬としての使用方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公表番号】特表2010−509293(P2010−509293A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535750(P2009−535750)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062180
【国際公開番号】WO2008/055996
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(509124087)アルファプトーゼ ゲーエムベーハー (3)
【氏名又は名称原語表記】ALPHAPTOSE GMBH
【Fターム(参考)】