説明

トレッド、空気入りタイヤ及びその製造方法

【課題】タイヤトレッド外表面位置と中央位置での損失正接(tanδ)の差が小さいタイヤ、トレッドゴム全域での加硫度が均一化された更生タイヤ用トレッド及び該更生タイヤ用トレッドを備えたタイヤ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 タイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の25℃における2%歪時の損失正接(tanδa)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の25℃における2%歪時の損失正接(tanδ)が、
−0.05≦(tanδa−tanδ)/tanδ≦0.05
の関係を満足することを特徴とするタイヤ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ、更生タイヤ用トレッド及び該更生タイヤ用トレッドを備えたタイヤ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤを使用する自動車などの燃費を考えるとタイヤの転がり抵抗が低いことが望ましく、転がり抵抗を下げる為には、タイヤトレッドゴムのヒステリシスロス(tanδ)が低いことが望ましい。
一般にトレッドゴムのヒステリシスロスは内側で低く、表面に近づくにしたがって高くなる傾向にあり、こうした傾向が新品時(使用初期)の転がり抵抗が増加する要因のひとつとなっている。
既知の技術として、加硫温度を低温とすることでこうした傾向が軽減されることが知られているが、厚さ方向での差は生じてしまうことや生産効率への影響が大きいなどの問題がある。
また、加硫時に表面と内部で加硫昇温速度が大きく異なることに対処するため、専用の製造装置を用いて、昇温速度の早い表面近くでは加硫速度の遅いゴムを、昇温速度の遅い内部にいくにしたがい加硫速度の早いゴムを加硫昇温温度分布に対応して順次分布させた未加硫ゴム構造とすることで、最終加硫度を全体に亘って略均一にする製造装置技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−173211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は、専用の装置を必要とすることや使用するゴムの種類が増えるなど生産面での問題があるなど未だ満足すべきものは得られていなかった。
また、特許文献1に記載された従来技術では、外表面と内部の加硫度の比(本願のA/Bに相当)が6.2〜4.9であり、外表面がオーバー加硫気味であると評価され、特許文献1の改良技術では、該加硫度の比(A/B)を2.4にまで大幅低減でき、加硫度が略均一であって、タイヤ性能(耐発熱性、耐磨耗性)の5〜10%向上に相当する改良技術と評価できた。しかし、近年の省エネルギーや燃費向上の社会的要求からみると更なる向上が望まれるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、タイヤトレッド外表面位置と中央位置での損失正接(tanδ)の差が小さいタイヤ、トレッドゴム全域での加硫度が均一化された更生タイヤ用トレッド及び該更生タイヤ用トレッドを備えたタイヤ及びその製造方法に関し、特に生産性を犠牲にすることなく、使用初期における外表面と中心部とのヒステリシスロスの差が改良され、使用初期の転がり抵抗が低減されたタイヤ、更生タイヤ用トレッド及び該更生タイヤ用トレッドを備えたタイヤ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、加硫条件をコントロールすることで、タイヤトレッド外表面の加硫度を、タイヤトレッド中心部と同等になるようにでき、生産性を犠牲にすることなく、タイヤの転がり抵抗を使用初期から低減することが可能であるとの知見を得、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明のタイヤは、タイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の25℃における2%歪時の損失正接(tanδa)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の25℃における2%歪時の損失正接(tanδ)が、
−0.05≦(tanδa−tanδ)/tanδ≦0.05
の関係を満足することを特徴とする。
【0008】
本発明の更生タイヤ用トレッドにおいて、タイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の加硫度(A)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の加硫度(B)が、
0.8≦A/B≦1.4
の関係を満足することが好適であり、前記加硫度(A)と前記加硫度(B)が、
0.9≦A/B≦1.2
の関係を満足することが一層好適である。
【0009】
本発明のタイヤにおける更生タイヤ用トレッド、又は、本発明の更生タイヤ用トレッドを製造する更生タイヤ用トレッドの製造方法であって、加硫開始から、最高加硫温度の99.5%に達するまでの時間をTとしたとき、T/4分後のタイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の加硫度(AT/4)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の加硫度(BT/4)が、
0≦AT/4≦0.13、0≦BT/4≦0.05、かつ
T/2分後のタイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の加硫度(AT/2)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の加硫度(BT/2)が、
0.1≦AT/2≦0.29、0.05≦BT/2≦0.2
の関係を満足するように加硫を行なうことが好適である。また、本発明の更生タイヤ用トレッドにおいて、該方法で製造されることが好適である。
【0010】
本発明の更正タイヤは、前記更生タイヤ用トレッドのいずれかを具えることが好ましく、また、本発明のタイヤの製造方法において、前記更生タイヤ用トレッドのいずれかと台タイヤを80℃以上の温度で加硫接着する工程を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、タイヤトレッド外表面部分と、外表面と底面との中央部分での損失正接(tanδ)の差が小さいタイヤ、トレッドゴム全域での加硫度が均一化された更生タイヤ用トレッド及び該更生タイヤ用トレッドを備えた更正タイヤ及びその製造方法に関し、特に生産性を犠牲にすることなく、使用初期における外表面と中心部とのヒステリシスロスの差が改良され、使用初期の転がり抵抗が低減されたタイヤ、更生タイヤ用トレッド及び該更生タイヤ用トレッドを備えたタイヤ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のタイヤに用いるトレッドの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(タイヤ)
本発明のタイヤは、タイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の25℃における2%歪時の損失正接(tanδa)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の25℃における2%歪時の損失正接(tanδ)が、
−0.05≦(tanδa−tanδ)/tanδ≦0.05
の関係を満足することを要する。
(tanδa−tanδ)/tanδが±0.05の範囲内であることによって、走行時のタイヤトレッドゴムの外表面と内部における発熱の差を充分に抑制し、走行温度の内外差を低減することができ、使用初期からタイヤの転がり性を低減できる。(tanδa−tanδ)/tanδが±0.05の範囲を外れる場合、タイヤトレッドゴムの地面と直接接する外表面と内部における発熱の差の抑制効果が充分ではなく、走行中の発熱温度による内外差が大きくなることから、特に使用初期におけるタイヤの転がり性が悪化するおそれがある。
【0014】
(タイヤトレッド)
以下に、図1に示した断面図を参照して本発明のタイヤに用いるタイヤトレッド1を説明する。タイヤのカーカス部分(タイヤ骨格部分)の上にある、パターンと呼ばれる溝模様のあるタイヤ部分をトレッド部と言う。タイヤトレッド1を外表面2a、中央2b、底面2cに分けてみると、タイヤトレッド外表面2aは、地面に直接接触する面(踏面)であり、そのヒステリシスロス(tanδ)が転がり抵抗や自動車の燃費に一番大きく効いている部分であるだけでなく、外表面2aと中央2bのヒステリシスロス(tanδ)の差が大きいと、特に、タイヤの使用初期(新品時)に転がり抵抗や自動車の燃費を悪化させるおそれがある、タイヤトレッド1における大事な部分である。外表面2a、中央2b、底面2cと一体化して、タイヤのカーカス部分(タイヤ骨格部分)の上に位置している。
ヒステリシスロス(tanδ)のタイヤトレッド1厚み方向でも深さごとの均一性を評価する位置は、外表面2aから踏面垂直方向3に深さ1mm以内の部分(a)4とトレッド部中央2bから踏面垂直方向3に2mm以内の部分(b)5を用いるのが好ましい。計測位置を決めやすく、また全体の均一性(ばらつき)を代表する位置であるため、的確に評価できる位置だからである。
【0015】
(タイヤの製造方法)
タイヤの製造方法は、新規タイヤの製造方法と更生タイヤの製造方法に大別される。新規タイヤの製造方法は、トレッドパターンを有しない未加硫のトレッドゴムを台タイヤのトレッド部に貼り付け、金型内で一体に加硫成形する方法であり、更生タイヤの製造方法は、更に、トレッドパターンを有しない未加硫の貼り替え用のトレッドゴムを台タイヤのトレッド部に貼り付け、金型内で加硫成形するリモールド方式による方法と、台タイヤのトレッド部に未加硫ゴムからなる接着用のクッションゴムを配置し、次にトレッドパターンを有する加硫済みの貼り替え用のトレッド(プレキュアトレッド)を台タイヤに貼り付け、加硫缶を用いて加硫接着するプレキュア方式による方法がある。
本発明のタイヤの製造方法は、加硫条件のコントロールに特徴があり、ゴム組成物に関する技術(ゴム成分や充填材などの原材料やその配合など)には、特に限定されない。
【0016】
例えば、タイヤトレッドに用いるゴム組成物における硫黄の配合量を増量することや、充填剤の配合量を減量するとヒステリシスロス(tanδ)を低減できる技術として挙げられるが、特に限定されない。
また、特許文献1に示されるように、タイヤトレッド外表面に加硫速度が遅いゴムを、内部に加硫速度が速いゴムを用いる等の多層構造がヒステリシスロス(tanδ)を内外にわたり均質化する技術として挙げられるが、特に限定されない。
【0017】
また、タイヤトレッドに適用するゴム組成物のゴム成分としては、特に限定されないが、天然ゴム(NR)の他、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)等の合成ゴムが挙げられる。これらゴム成分は一種単独でも、ブレンドでもよい。なお、ブレンドの場合、天然ゴム(NR)とポリブタジエンゴム(BR)とをブレンドして配合するのが好ましく、そのブレンドの比率NR/BRが80/20〜60/
40の範囲が好ましい。
ゴム組成物の充填剤としては、特に限定されないが、カーボンブラック及びシリカが挙げられ、ここでカーボンブラックとしてはSAF級、ISAF級のカーボンブラックが好ましい。また、充填剤としてシリカを用いる場合、その補強性を更に向上させる観点から、シランカップリング剤を配合時に添加することが好ましい。
なお、ゴム組成物には、上記ゴム成分、充填剤の他に、通常のタイヤトレッドに用いられる配合剤、すなわち、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、プロセスオイルなどの軟化剤を、通常のトレッドに用いられる配合量の範囲において配合してもよい。
【0018】
(加硫条件)
加硫条件は、対象を100℃以上の温度に加熱乃至保温することができ、且つ0.1MPa以上の圧力でサンプルを保持できる装置であればよい。
【0019】
(張り合わせ工程・加硫接着工程)
トレッドを張り合わせる工程は、特に限定されないが、トレッドと台タイヤを80℃以上の温度で加硫接着する工程を含むことが好ましい。
80℃以下では、一般的な加硫接着ゴムを用いたときに、加硫時間が長くなり、好ましくない。
【0020】
(更生タイヤ用トレッド)
本発明の更生タイヤ用トレッドにおいて、タイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の加硫度(A)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の加硫度(B)が、
0.8≦A/B≦1.4
の関係を満足することが好適であり、上記加硫度(A)と上記加硫度(B)が、
0.9≦A/B≦1.2
の関係を満足することが一層好適である。加硫度比(A/B)が、0.8を下回ると、使用後期の転がり抵抗が高くなり、1.4を超えると、使用初期の転がり抵抗が高くなるためである。
【0021】
(更生タイヤ用トレッドの製造)
本発明の更生タイヤ用トレッドの製造方法において、加硫開始から、最高加硫温度の99.5%に達するまでの時間をTとしたとき、
T/4分後のタイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の加硫度(AT/4)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の加硫度(BT/4)が、
0≦AT/4≦0.13、0≦BT/4≦0.05、かつ
T/2分後のタイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の加硫度(AT/2)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の加硫度(BT/2)が、
0.1≦AT/2≦0.29、0.05≦BT/2≦0.2
の関係を満足するように加硫を行なうことが好適である。
【0022】
(更生タイヤの製造)
未加硫の更生タイヤ用トレッドを、トレッドパターンを成形する突部を有する適切な金型を用いて加硫成形して、トレッドパターンを有する加硫済みのゴムからなる更生タイヤ用トレッド(プレキュアトレッド)を作製し、これを用いて従来のプレキュア方式による更生タイヤの製造方法に従って、新品タイヤまたは更生タイヤからトレッドゴムを除去した後、バフ処理されることによって形成された台タイヤ上に図1に示す更生タイヤ用トレッドを貼り付け更生タイヤを製造してもよく、また、上記更生タイヤ用トレッドを未加硫のまま用いて、従来のリモールド方式による更生タイヤの製造方法に従って、新品タイヤまたは更生タイヤからトレッドゴムを除去した後、バフ処理されることによって形成された台タイヤ上に未加硫の更生タイヤ用トレッドを貼り付け、金型内で加硫接着することによって加硫済みの更生タイヤ用トレッドを台タイヤ上に備える更生タイヤを製造してもよい。
特に、本発明の更正タイヤは、前記更生タイヤ用トレッド又は前記製造方法で製造されたトレッドを張り合わせたものであることが好ましく、本発明の更正タイヤの製造方法において、該タイヤを製造する工程において、上記トレッドと台タイヤを80℃以上の温度で加硫接着する工程を含むことが好ましい。
【0023】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0024】
表1に示す配合処方と加硫条件で作成したプレキュアトレッドを用いてタイヤとした後、その表面から厚さ方向の加硫度(A及びB)及びヒステリシスロス(tanδ)の変化を確認した。加硫度(A及びB)及び損失正接(tanδ)を下記のようにして測定した。測定結果を表1に示す。
【0025】
(加硫度)
ジェイエスアール社製キュラストメーターを用いて、90%加硫時間(T0.9)145℃±1℃で加硫トルクカーブを測定し、最大値の90%に達するまでに要する時間を90%加硫時間(T0.9)とした。
加硫度Cは、下記式で求められる。
【数1】


ここで、t:加硫初めからの加硫時間、T(t):時刻tでの温度、t:加硫初めから終わりまでの全加硫時間である。
(損失正接(tanδ))
タイヤトレッドの所定位置から、所定の方法で試験体をスライスして取り出し、試験片を作製して、東洋精機社製の粘弾性スペクトロメーターを使用して、初期荷重80g、動的歪2%、周波数50Hzおよび温度25℃の条件でtanδ(E”/E’)を測定した。
(転がり抵抗性能)
タイヤをドラムに押し付けて走行させるドラム試験にてタイヤ転動時の転がり抵抗(RR)を測定した。測定条件は速度80km/時、荷重2725kg、雰囲気温度25℃とした。コントロール(比較例2)のタイヤを100として指数表示した。数値が小さい程転がり抵抗が小さく良好であることを示す。
【0026】
【表1】

【0027】
*1 天然ゴム RSS#3
*2 ポリブタジエンゴムJSR社製BR01
*3 東海カーボン社製シースト7HM
*4 大内新興化学 ノクラック6C
*5 大内新興化学 ノクセラーCZ−G
【0028】
表1に示すように、実施例1及び2は、比較例1〜4に比べて外表面部分と中心部分のヒステリシスロス変化が小さく、該ロスの値を小さくすることができた。
また、実施例1及び2は、比較例1〜4に比べて表面部と中心部の加硫度比(A/B)の変化が小さく、該加硫度比の値を小さくすることができ、表面部と中心部のヒステリシスロス変化が小さく、該ロスの値を小さくすることができた。
これは、実施例1及び2が、加硫開始から、最高加硫温度の99.5%に達するまでの時間をTとしたとき、T/4分後のタイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の加硫度(AT/4)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の加硫度(BT/4)が、
0≦AT/4≦0.13、0≦BT/4≦0.05、かつ
T/2分後のタイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の加硫度(AT/2)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の加硫度(BT/2)が、
0.1≦AT/2≦0.29、0.05≦BT/2≦0.2
の関係を満足するように加硫を行なう製造方法を採用できたため、比較例1〜2(比較例1〜4)に比べて表面部と中心部の加硫度比(A/B)の変化が小さく、該加硫度比の値を小さくすることができ、表面部と中心部のヒステリシスロス変化が小さく、該ロスの値を小さくすることができた。
【符号の説明】
【0029】
1 タイヤトレッド
2a タイヤトレッド外表面
2b タイヤトレッド中央
2c タイヤトレッド底面
3 踏面垂直方向
4 部分(a)
5 部分(b)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の25℃における2%歪時の損失正接(tanδa)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の25℃における2%歪時の損失正接(tanδ)が、
−0.05≦(tanδa−tanδ)/tanδ≦0.05
の関係を満足することを特徴とするタイヤ。
【請求項2】
タイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の加硫度(A)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の加硫度(B)が、
0.8≦A/B≦1.4
の関係を満足することを特徴とする更正タイヤ用トレッド。
【請求項3】
前記加硫度(A)と前記加硫度(B)が、
0.9≦A/B≦1.2
の関係を満足することを特徴とする請求項2に記載の更正タイヤ用トレッド。
【請求項4】
請求項1に記載のタイヤにおける更正タイヤ用トレッド、又は、請求項2又は3に記載の更正タイヤ用トレッドを製造する製造方法であって、
加硫開始から、最高加硫温度の99.5%に達するまでの時間をTとしたとき、
T/4分後のタイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の加硫度(AT/4)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の加硫度(BT/4)が、
0≦AT/4≦0.13、0≦BT/4≦0.05、かつ
T/2分後のタイヤトレッド外表面から踏面垂直方向深さ1mm以内の部分(a)の加硫度(AT/2)とトレッド部外表面と底面との中央から踏面垂直方向2mm以内の部分(b)の加硫度(BT/2)が、
0.1≦AT/2≦0.29、0.05≦BT/2≦0.2
の関係を満足するように加硫を行なうことを特徴とする更正タイヤ用トレッドの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法で製造された更正タイヤ用トレッド。
【請求項6】
請求項2、3及び5のいずれかに記載の更生タイヤ用トレッドを具える更正タイヤ。
【請求項7】
請求項2、3及び5のいずれかに記載の更生タイヤ用トレッドと台タイヤとを80℃以上の温度で加硫接着させる工程を含むことを特徴とする更正タイヤの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−176692(P2012−176692A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40740(P2011−40740)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】