説明

トレーニング器具兼用自転車

【課題】 本発明は、脚と腕の筋力を同時に鍛えられると共に自転車としても使用することができるトレーニング器具兼用自転車を提供する。
【解決手段】 トレーニング器具兼用自転車10の前輪12の近傍には足掛フレーム22が設けられ、ハンドルシャフト38には前輪12の方向を定めるハンドル40が設けられている。前記前輪12の後方に配設された車体フレーム42には第1後輪52と第2後輪54が設けられている。また、車体フレーム42の中間部には第1レール装置73と第2レール装置74が設けられている。この第1レール装置73と第2レール装置74の第1スライドレール76と第2スライドレール83には椅子95が載置されている。この椅子95の下方には椅子95を前方向に移動させると後輪伝達用シャフト62を介して第1後輪52と第2後輪54を回転させるスライド用チェーン108が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に脚や腕の筋力等を鍛えるトレーニング器具としても使用できると共に自転車としても使用することができるトレーニング器具兼用自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
移動手段として広く知られている自転車は脂肪燃焼効率がよく健康増進や健康維持の面からも優れていることは従来より指摘され、自転車にのって健康増進や健康維持を図っている人も多くいる。
そこで、トレーニングを主目的としたトレーニング用自転車も提案されているが、従来のトレーニング用自転車は通常の自転車と同様に主に脚を用いるため脚の筋力等を鍛えるには最適であるが、腕の筋力を鍛えることはほとんどできないという不具合がある。
また、このトレーニング用自転車はトレーニングを目的として開発されたものであり、室内等に設置された状態でペダルを踏んで脚等を鍛えるものであり、移動手段としては利用することができないという不具合がある。
【特許文献1】特開2002−85584号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり脚の筋力だけでなく腕の筋力等も鍛えることができると共に移動手段である自転車としても使用することができるトレーニング器具兼用自転車を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、前輪と一対の第1後輪及び第2後輪を備えてなる三輪車タイプの自転車において、前記前輪の近傍に配設された足掛フレームと、前記前輪を回転させるペダルと、前記前輪の方向を定めるハンドルと、前記前輪と第1後輪、第2後輪の間に配設された車体フレームと、この車体フレームの一側部に配設された前記第1後輪と、前記車体フレームの他側部に配設された前記第2後輪と、前記車体フレームに配設された後輪伝達用シャフトと、前記車体フレームの中間部に配設されたレール装置と、このレール装置を構成すると共に前後方向に移動可能なスライドレールと、このスライドレールに載置された椅子と、この椅子の下方に前後方向に沿って配設されると共に前記椅子の移動により前記後輪伝達用シャフトを介して前記第1後輪と第2後輪を回転させるスライド用チェーンと、を有してなることを特徴としている。
請求項2の発明は、前輪と一対の第1後輪及び第2後輪を備えてなる三輪車タイプの自転車において、前記前輪の近傍に配設された足掛フレームと、前記前輪を回転させるペダルと、前記前輪の方向を定めるハンドルと、前記前輪と第1後輪、第2後輪の間に配設された車体フレームと、この車体フレームの一側部に配設された前記第1後輪及び第1後輪用フリーギヤと、前記車体フレームの他側部に配設された前記第2後輪及び第2後輪用フリーギヤと、前記車体フレームの中間部に配設された後輪伝達用シャフトと、この後輪伝達用シャフトに支持された後輪伝達用ギヤと、前記後輪伝達用シャフトの一端部に支持された第1後輪用駆動ギヤと、この第1後輪用駆動ギヤと前記第1後輪用フリーギヤに掛け回された第1後輪用チェーンと、前記後輪伝達用シャフトの他端部に支持された第2後輪用駆動ギヤと、この第2後輪用駆動ギヤと前記第2後輪用フリーギヤに掛け回された第2後輪用チェーンと、前記車体フレームに配設された第1レール装置及び第2レール装置と、この第1レール装置を構成すると共に前後方向にスライド可能な第1スライドレールと、前記第2レール装置を構成すると共に前後方向にスライド可能な第2スライドレールと、前記第1スライドレールと第2スライドレールに椅子台座板を介して載置された椅子と、前記椅子台座板の下方に配設されたスライド用ギヤ支持シャフトと、このスライド用ギヤ支持シャフトに支持されたスライド用フリーギヤと、前記椅子台座板の下方に前後方向に沿って配設されると共に中間部が前記スライド用フリーギヤに掛け回されたスライド用チェーンと、前記スライド用ギヤ支持シャフトに支持された後輪伝達駆動ギヤと、この後輪伝達駆動ギヤと前記後輪伝達用ギヤに掛け回された後輪伝達用チェーンと、を有してなることを特徴としている。
請求項3の発明は、前輪と一対の第1後輪及び第2後輪を備えてなる三輪車タイプの自転車において、前記前輪の近傍に配設された足掛フレームと、前記前輪を回転させるペダルと、前記前輪の方向を定めるハンドルと、前記前輪と第1後輪、第2後輪の間に配設された車体フレームと、この車体フレームの一側面に延設された第1後輪用支持フレームと、前記車体フレームの他側面に延設された第2後輪用支持フレームと、この第1後輪用支持フレームと第2後輪用支持フレームに支持された後輪支持シャフトと、前記車体フレームと第1後輪用支持フレームとの間に配設された前記第1後輪と、前記車体フレームと第2後輪用支持フレームとの間に配設された前記第2後輪と、前記第1後輪用支持フレームと第1後輪の間に配設された第1後輪用フリーギヤと、前記車体フレームと第2後輪の間に配設された第2後輪用フリーギヤと、前記車体フレームの中間部に配設された後輪伝達用シャフトと、この後輪伝達用シャフトの中間部に支持された後輪伝達用ギヤと、前記後輪伝達用シャフトの一端部に支持された第1後輪用駆動ギヤと、この第1後輪用駆動ギヤと前記第1後輪用フリーギヤに掛け回された第1後輪用チェーンと、前記後輪伝達用シャフトの他端部に支持された第2後輪用駆動ギヤと、この第2後輪用駆動ギヤと前記第2後輪用フリーギヤに掛け回された第2後輪用チェーンと、前記車体フレームの中間部に配設された第1レール装置及び第2レール装置と、この第1レール装置を構成する略コ字状に形成された第1固定レールと、この第1固定レールの外側上方にスライド可能に配設された略コ字状に形成された第1スライドレールと、この第1スライドレールの前部の上片に固定された第1前部ローラー取付片と、この第1前部ローラー取付片の垂下部に回転自在に取り付けられると共に前記第1固定レールの上片を上下方向から挟む第1上ローラー及び第1下ローラーと、前記第1スライドレールの前部の下片に固定された第1前部サイドローラー取付片に回転自在に取り付けられると共に前記第1固定レールの上片の先端面に当接する第1サイドローラーと、前記第2レール装置を構成する略コ字状の第2固定レールと、この第2固定レールの外側上方にスライド可能に配設された略コ字状の第2スライドレールと、この第2固定レールの前部の下片に固定された第2前部ローラー取付片と、第2前部ローラー取付片の立上部に回転自在に取り付けられると共に前記第2スライドレールの下片を上下方向から挟む第2上ローラー及び第2下ローラーと、前記第2固定レールの前部の上片に固定された第2前部サイドローラー取付片に回転自在に支持されると共に前記第2スライドレールの下片の先端面に当接する第2前部サイドローラーと、前記第1固定レールの後部の下片に固定された第1後部ローラー取付片に回転自在に取り付けられると共に前記第1スライドレールの下片を上下方向から挟む第1上ローラー及び第1下ローラーと、前記第1固定レールの後部の上片に固定された第1後部サイドローラー取付片に回転自在に取り付けられると共に前記第1スライドレールの下片の先端面に当接する第1サイドローラーと、前記第2スライドレールの後部の上片に固定された第2後部ローラー取付片に回転自在に取り付けられると共に前記第2固定レールの上片を上下方向から挟む第2上ローラー及び第2下ローラーと、前記第2スライドレールの後部の下片に固定された第2後部サイドローラー取付片に回転自在に支持されて前記第2固定レールの上片の先端面に当接する第2サイドローラーと、前記第1スライドレールと第2スライドレールに固定された椅子台座板を介して載置されると共に前後方向に移動可能な椅子と、前記椅子台座板の下方に固定されたブラケットを介して支持されたスライド用ギヤ支持シャフトと、このスライド用ギヤ支持シャフトに支持されたスライド用フリーギヤと、このスライド用フリーギヤの前方に回転自在に配設された前テンションプーリーと、前記スライド用フリーギヤの後方に回転自在に配設された後テンションプーリーと、前記椅子台座板の下方に前後方向に沿って配設されると共に中間部が前記スライド用フリーギヤに掛け回されて前テンションプーリーと後テンションプーリーによってテンションをかけられたスライド用チェーンと、前記後輪伝達用ギヤと対応するように前記スライド用ギヤ支持シャフトに支持された後輪伝達駆動ギヤと、この後輪伝達駆動ギヤと前記後輪伝達用ギヤに掛け回された後輪伝達用チェーンと、を有してなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
請求項の発明は、脚の筋力と腕の筋力を同時に鍛えることができるという優れた効果を有する。
また、請求項の発明は、脚の筋力と腕の筋力等を鍛えながら前進させることができるので、トレーニングを行いながら移動手段の自転車としても使用できるという優れた効果を有する。
さらに、請求項の発明は、トレーニング器具としてではなく移動手段としての自転車だけの利用が可能であるためトレーニング器具として使用しなくても自転車として使用できるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
発明を実施するために最良の形態の例として以下のような実施例を示す。
【実施例1】
【0007】
図1〜図8には本発明に係わるトレーニング器具兼用自転車の一実施例が示されている。
図1〜図3に示されるように、このトレーニング器具兼用自転車10は安定して倒れ難い前輪と一対の後輪とからなる三輪車タイプである。なお、前輪と後輪のスポークは図面上省略する。
図1に示されるように、トレーニング器具兼用自転車10の前輪12は前輪用支持シャフト14によって回転自在に支持されている。また、前輪用支持シャフト14には前輪用フリーギヤ16が支持されている。図2に示されるように、前記前輪12の両側には前輪12及び前輪用フリーギヤ16を挟むように前ホーク18が設けられている。この前ホーク18の下端部18A,18Aは前記前輪用支持シャフト14に固定されている。
図1に示されるように、前記前ホーク18には足掛フレームブラケット20がそれぞれ突設され、足掛フレームブラケット20には図3に示すように前記前輪12の前方と両側を囲む平面視略U字状の足掛フレーム22が固定されている。
図1に示されるように、前ホーク18の上部にはヘッドパイプ部24が傾斜して立設されている。このヘッドパイプ部24には前方に向って前輪用ギヤシャフトブラケット26が突設されている。この前輪用ギヤシャフトブラケット26には前輪用ギヤ支持シャフト28が支持されている。
図2に示されるように、この前輪用ギヤ支持シャフト28には前記前輪用フリーギヤ16と対応するように前輪用駆動ギヤ30が支持されている。この前輪用駆動ギヤ30と前記前輪用フリーギヤ16には前輪用チェーン32が掛け回されている。また、前輪用ギヤ支持シャフト28の両端部にはペダルクランク34を介してペダル36が取り付けられている。従って、前記ペダル36を図1矢印X方向に回すと前輪用駆動ギヤ30、前輪用チェーン32、前輪用フリーギヤ16を介して前輪12が回転するようになっている。なお、前記ペダル36を図1矢印Aと反対方向に回しても前輪用フリーギヤ16によって前輪12は回転しないようになっている。
また、前輪用ギヤ支持シャフト28の両端部にはペダルクランク34を介してペダル36が取り付けられている。
前記ヘッドパイプ部24にはハンドルシャフト38が挿入され、ハンドルシャフト38に前記前輪12の方向を定めるハンドル40が設けられている。
図3に示されるように、前記ヘッドパイプ部24には略方形枠状の車体フレーム42が後方向に向って配設されている。この車体フレーム42の後部一側面には第1後輪用支持フレーム46が、他側面には第2後輪用支持フレーム48がそれぞれ延設されている。この第1後輪用支持フレーム46の先端部と第2後輪用支持フレーム48の先端部は後輪支持シャフト50を支持している。
前記車体フレーム42と第1後輪用支持フレーム46との間には第1後輪52が配設され、車体フレーム42と第2後輪用支持フレーム48との間には第2後輪54が配設されている。これら第1後輪52と第2後輪54は前記後輪支持シャフト50によってそれぞれ支持されている。
また、前記第1後輪用支持フレーム46と第1後輪52の間には第1後輪用フリーギヤ56が配設され、車体フレーム42と第2後輪54の間には第2後輪用フリーギヤ58が配設されている。これら第1後輪用フリーギヤ56と第2後輪用フリーギヤ58も前記後輪支持シャフト50によってそれぞれ支持されている。
前記車体フレーム42の中間部にはブラケット60,60が固定され、ブラケット60,60は後輪伝達用シャフト62を支持している。この後輪伝達用シャフト62の中間部には後輪伝達用ギヤ64が支持されている。
また、前記後輪伝達用シャフト62の一端部には第1後輪用駆動ギヤ66が支持されている。この第1後輪用駆動ギヤ66と前記第1後輪用フリーギヤ56には第1後輪用チェーン68が掛け回されている。
前記後輪伝達用シャフト62の他端部には第2後輪用駆動ギヤ70が支持されている。この第2後輪用駆動ギヤ70と前記第2後輪用フリーギヤ58には第2後輪用チェーン72が掛け回されている。
また、図3及び図4に示されるように、前記車体フレーム42の中間部の一側部には第1レール装置73が設けられ、他側部には第2レール装置74が互いに対向した状態で前後方向に沿って設けられている。
図5に示されるように、この第1レール装置73の第1固定レール75は略コ字状に形成されて前後方向に沿って設けられている。また、この第1固定レール75の外側上方には略コ字状に形成された第1スライドレール76が前後方向に沿ってスライド可能に設けられている。
図4に示されるように、この第1スライドレール76の前部の上片76Aには第1前部ローラー取付片77が固定されている。図5に示されるように、この第1前部ローラー取付片77の垂下部77Aには第1上ローラー78と第1下ローラー79が回転自在に取り付けられている。これら第1上ローラー78と第1下ローラー79は前記第1固定レール75の上片75Aを上下方向から挟んでいる。
図4及び図6に示されるように、前記第1スライドレール76の前部の下片76Bには第1前部サイドローラー取付片80が固定され、第1前部サイドローラー取付片80には第1サイドローラー81が回転自在に取り付けられている。この第1サイドローラー81は前記第1固定レール75の上片75Aの先端面に当接している。
図5に示されるように、前記第2レール装置74の第2固定レール82は略コ字状に形成されて前後方向に沿って設けられている。また、この第2固定レール82の外側上方には略コ字状に形成された第2スライドレール83が前後方向に沿ってスライド可能に設けられている。
図4及び図5に示されるように、この第2固定レール82の前部の下片82Aには第2前部ローラー取付片84が固定されている。図5に示されるように、第2前部ローラー取付片84の立上部84Aには第2上ローラー85と第2下ローラー86が回転自在に取り付けられている。これら第2上ローラー85と第2下ローラー86は前記第2スライドレール83の下片83Aを上下方向から挟んでいる。
図4及び図6に示されるように、前記第2固定レール82の前部の上片82Bには第2前部サイドローラー取付片87が固定され、第2前部サイドローラー取付片87には第2サイドローラー88が回転自在に支持されている。この第2サイドローラー88は前記第2スライドレール83の下片83Aの先端面に当接している。
図4及び図7に示されるように、前記第1固定レール75の後部の下片75Aには第1後部ローラー取付片90が固定されている。図7に示されるように、第1後部ローラー取付片90の立上部90Aには第1上ローラー78と第1下ローラー79が回転自在に取り付けられている。これら第1上ローラー78と第1下ローラー79は前記第1スライドレール76の下片76Bを上下方向から挟んでいる。
図4及び図7に示されるように、前記第1固定レール75の後部の上片75Aには第1後部サイドローラー取付片91が固定され、第1後部サイドローラー取付片91には第1サイドローラー81が回転自在に取り付けられている。この第1サイドローラー81は前記第1スライドレール76の下片76Bの先端面に当接している。
前記第2スライドレール83の後部の上片83Bには第2後部ローラー取付片92が固定されている。
図7に示されるように、この第2後部ローラー取付片92の垂下部92Aには第2上ローラー85と第2下ローラー86が回転自在に取り付けられている。これら第2上ローラー85と第2下ローラー86は前記第2固定レール82の上片82Bを上下方向から挟んでいる。
図4及び図7に示されるように、前記第2スライドレール83の後部の下片83Aには第2後部サイドローラー取付片93が固定され、第2後部サイドローラー取付片93には第2サイドローラー88が回転自在に支持されている。この第2サイドローラー88は前記第2固定レール82の上片82Bの先端面に当接している。
なお、前記第1スライドレール76及び第2スライドレール83の後部には図示しないストッパーが固定されている。また、前記第1固定レール75及び第2固定レール82の中間部には図示しないストッパー受体が固定されている。従って、前記第1スライドレール76及び第2スライドレール83を前方にスライドさせても第1スライドレール76及び第2スライドレール83のストッパーが第1固定レール75及び第2固定レール82のストッパー受体に当たり、前方停止位置(図1に想像線で示す位置)より前に第1スライドレール76及び第2スライドレール83はスライドできないようになっている。
また、前記第1固定レール75及び第2固定レール82に前記第1スライドレール76及び第2スライドレール83を固定させる図示しない固定手段が設けられている。従って、この固定手段を使用することにより第1固定レール75及び第2固定レール82に第1スライドレール76及び第2スライドレール83を固定できるようになっている。
図1に示されるように、前記第1スライドレール76と第2スライドレール83には椅子台座板94を介して椅子95が載置固定され、これにより椅子95は前記第1スライドレール76と第2スライドレール83と共に前後方向に移動可能になっている。
図5及び図7に示されるように、前記第1固定レール75と第2固定レール82は前記車体フレーム42を上下方向から挟持して固定される固定ブロック96の上端面に固定されている。また、これら固定ブロック96の下端面には平板矩形状の車体プレート97が固定されている。
図5に示されるように、前記車体プレート97の幅方向中間部には一対のブラケット98を介してスライド用ギヤ支持シャフト100が支持され、スライド用ギヤ支持シャフト100にはスライド用フリーギヤ102が支持されている。
図8に示されるように、スライド用フリーギヤ102の前後方向の前には前テンションプーリー104が、後には後テンションプーリー106がそれぞれ回転自在に配設されている。また、前記椅子台座板94の下方には前後方向に沿ってスライド用チェーン108が配設されている。このスライド用チェーン108の先端部108Aは前記椅子台座板94の先端部に設けられた先端調節係止体109によって着脱可能に取り付けられ、スライド用チェーン108の後端部108Bは椅子台座板94の後端部に設けられた後端調節係止体109によって着脱可能に取り付けられている。また、前記スライド用チェーン108の中間部108Cはスライド用フリーギヤ102に掛け回されると共に前テンションプーリー104と後テンションプーリー106によってテンションをかけられている。
従って、前記椅子95を前方向(図8矢印A方向)に移動させると前方向に移動する椅子台座板94に伴ってスライド用チェーン108も前方向に移動することにより、スライド用チェーン108が掛け回されているスライド用フリーギヤ102は図8矢印A1方向(時計周り方向)に回転し、前記椅子95を後方向(図8矢印B方向)に移動させると後方向に移動する椅子台座板94に伴ってスライド用チェーン108も後方向に移動することにより、スライド用チェーン108が掛け回されているスライド用フリーギヤ102は図8矢印B1方向(反時計周り方向)に回転するようになっている。なお、この実施例では前記スライド用フリーギヤ102は図8矢印A1方向(時計周り方向)に回転する場合は空回りし、図8矢印B1方向(反時計周り方向)に回転する場合は回転力を伝達するようになっている。
図5に示されるように、前記スライド用ギヤ支持シャフト100には後輪伝達駆動ギヤ110が前記スライド用フリーギヤ102と同軸上に回転可能に支持されている。図3に示されるように、この後輪伝達駆動ギヤ110は前記後輪伝達用ギヤ64と対応するようになっている。この後輪伝達駆動ギヤ110と前記後輪伝達用ギヤ64には後輪伝達用チェーン112が掛け回されている。
従って、前記椅子95を後方向に移動させることによりスライド用チェーン108を介してスライド用フリーギヤ102は図8矢印B1方向(反時計周り方向)に回転するとスライド用ギヤ支持シャフト100が回転し後輪伝達駆動ギヤ110も回転するようになっている。
【0008】
次に、実施例のトレーニング器具兼用自転車10の使用方法について説明する。
このトレーニング器具兼用自転車10をトレーニング器具として使用する場合は、使用者は前記椅子95に座った状態で、足を足掛フレーム22に掛けると共にハンドル40をしっかり握る。
そして、握ったハンドル40を手前に引き寄せるようにして腕に力を入れると使用者の身体がハンドル40方向に引っ張られる状態になるので、椅子95が載置されている第1レール装置73と第2レール装置74の第1スライドレール76、第2スライドレール83が前方向(図1左方向)にスライドするため椅子95が前方向に移動する。この椅子95が前方向に移動すると椅子台座板94に伴ってスライド用チェーン108も前方向に移動するので、スライド用チェーン108が掛け回されているスライド用フリーギヤ102は図8矢印A1方向(時計周り方向)に回転するが、スライド用フリーギヤ102は空回りするためスライド用ギヤ支持シャフト100は回転しない。
従って、前記第1後輪52、第2後輪54は回転しないので、前記トレーニング器具兼用自転車10は前進しない。
前記椅子95が前方に移動して前方停止位置(図1に想像線で示す位置)で停止したらたら、今度は足掛フレーム22に掛けている脚とハンドル40を握っている手の腕をそれぞれ突っ張るようにして脚と腕に力を入れると使用者の身体が後方に押される状態になるので、椅子95が載置されている椅子台座板94が固定されている前記第1スライドレール76、第2スライドレール83が後方向に移動する。この時スライド用チェーン108も後方向に移動するためスライド用フリーギヤ102が図8矢印B1方向(反時計周り方向)に回転してスライド用ギヤ支持シャフト100が回転し後輪伝達駆動ギヤ110も回転するため、後輪伝達用チェーン112も回転する。従って、後輪伝達用チェーン112を介して前記後輪伝達用ギヤ64が回転することにより、後輪伝達用シャフト62が回転して第1後輪用駆動ギヤ66と第2後輪用駆動ギヤ70がそれぞれ回転する。
これにより、第1後輪用チェーン68を介して第1後輪用フリーギヤ56、第1後輪52が回転し、第2後輪用チェーン72を介して第2後輪用フリーギヤ58、第2後輪54がそれぞれ回転する。この結果、第1後輪52及び第2後輪54が共に回転することによりトレーニング器具兼用自転車10は前進する。
そして、前記椅子95が後方に移動して後方停止位置(図1に実線で示す位置)まで後退したら前述したと同様に握ったハンドル40を手前に引き寄せるようにして腕に力を入れてハンドル40を引き寄せるようにして椅子95を前方に移動させる。
従って、使用者が前記椅子95に座って椅子95を前方向に移動させる場合は主に腕の筋力を鍛え、椅子95を後方向に移動させる場合は主に脚と腕の筋力を鍛えることができるので、椅子95の前後方向の移動を繰り返すことにより脚の筋力と腕の筋力が同時に鍛えられると共に椅子95を後方向に移動させることによりトレーニング器具兼用自転車10が前進するので移動手段としても利用することができる。
また、前記車体プレート97に図示しないウエイトを載置することによりトレーニング器具兼用自転車10の重量を重くしてトレーニング負荷を調節してトレーニング目的を自分に合わせて調節することもできる。
【0009】
なお、前記トレーニング器具兼用自転車10を自転車の用途としてのみ使用する場合は最初に固定手段を使用して第1固定レール75及び第2固定レール82に第1スライドレール76及び第2スライドレール83を固定して椅子95が前後方向に移動しないように固定する。
そして、固定された椅子95に座った状態で足をペダル36に乗せてペダル36をこぐと前輪用駆動ギヤ30、前輪用チェーン32を介して前輪用フリーギヤ16が回転して前輪12を回転させるのでトレーニング器具兼用自転車10を前進させることができる。
従って、このトレーニング器具兼用自転車10はトレーニング目的とは関係なく、移動手段である通常の3輪タイプの自転車として使用することができるので、トレーニング器具として使用しない場合であっても邪魔になるようなことはない。
【0010】
なお、実施例では平面視略U字状の足掛フレーム22を示したが、足掛フレーム22の形状は平面視略U字状に限定されるものでないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例のトレーニング器具兼用自転車の側面図である。
【図2】実施例のトレーニング器具兼用自転車の正面図である。
【図3】実施例のトレーニング器具兼用自転車の平面図である。
【図4】実施例のトレーニング器具兼用自転車のレール装置の概略平面図である。
【図5】図4のA−A線一部概略縦断面図である。
【図6】図4のB−B線一部概略縦断面図である。
【図7】図4のC−C線一部概略縦断面図である。
【図8】実施例のトレーニング器具兼用自転車のスライド用フリーギヤとスライド用チェーンの概略作用説明図である。
【符号の説明】
【0012】
10 トレーニング器具兼用自転車
12 前輪
14 前輪用支持シャフト
16 前輪用フリーギヤ
22 足掛フレーム
24 ヘッドパイプ部
28 前輪用ギヤ支持シャフト
30 前輪用駆動ギヤ
32 前輪用チェーン
38 ハンドルシャフト
40 ハンドル
42 車体フレーム
46 第1後輪用支持フレーム
48 第2後輪用支持フレーム
50 後輪支持シャフト
52 第1後輪
54 第2後輪
56 第1後輪用フリーギヤ
58 第2後輪用フリーギヤ
62 後輪伝達用シャフト
64 後輪伝達用ギヤ
66 第1後輪用駆動ギヤ
68 第1後輪用チェーン
70 第2後輪用駆動ギヤ
72 第2後輪用チェーン
73 第1レール装置
74 第2レール装置
75 第1固定レール
76 第1スライドレール
77 第1前部ローラー取付片
78 第1上ローラー
79 第1下ローラー
80 第1前部サイドローラー取付片
81 第1サイドローラー
82 第2固定レール
83 第2スライドレール
84 第2前部ローラー取付片
85 第2上ローラー
86 第2下ローラー
87 第2前部サイドローラー取付片
88 第2サイドローラー
90 第1後部ローラー取付片
91 第1後部サイドローラー取付片
92 第2後部ローラー取付片
93 第2後部サイドローラー取付片
94 椅子台座板
95 椅子
96 固定ブロック
97 車体プレート
100 スライド用ギヤ支持シャフト
102 スライド用フリーギヤ
104 前テンションプーリー
106 後テンションプーリー
108 スライド用チェーン
110 後輪伝達駆動ギヤ
112 後輪伝達用チェーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪と一対の第1後輪及び第2後輪を備えてなる三輪車タイプの自転車において、前記前輪の近傍に配設された足掛フレームと、前記前輪を回転させるペダルと、前記前輪の方向を定めるハンドルと、前記前輪と第1後輪、第2後輪の間に配設された車体フレームと、この車体フレームの一側部に配設された前記第1後輪と、前記車体フレームの他側部に配設された前記第2後輪と、前記車体フレームに配設された後輪伝達用シャフトと、前記車体フレームの中間部に配設されたレール装置と、このレール装置を構成すると共に前後方向に移動可能なスライドレールと、このスライドレールに載置された椅子と、この椅子の下方に前後方向に沿って配設されると共に前記椅子の移動により前記後輪伝達用シャフトを介して前記第1後輪と第2後輪を回転させるスライド用チェーンと、を有してなることを特徴とするトレーニング器具兼用自転車。
【請求項2】
前輪と一対の第1後輪及び第2後輪を備えてなる三輪車タイプの自転車において、前記前輪の近傍に配設された足掛フレームと、前記前輪を回転させるペダルと、前記前輪の方向を定めるハンドルと、前記前輪と第1後輪、第2後輪の間に配設された車体フレームと、この車体フレームの一側部に配設された前記第1後輪及び第1後輪用フリーギヤと、前記車体フレームの他側部に配設された前記第2後輪及び第2後輪用フリーギヤと、前記車体フレームの中間部に配設された後輪伝達用シャフトと、この後輪伝達用シャフトに支持された後輪伝達用ギヤと、前記後輪伝達用シャフトの一端部に支持された第1後輪用駆動ギヤと、この第1後輪用駆動ギヤと前記第1後輪用フリーギヤに掛け回された第1後輪用チェーンと、前記後輪伝達用シャフトの他端部に支持された第2後輪用駆動ギヤと、この第2後輪用駆動ギヤと前記第2後輪用フリーギヤに掛け回された第2後輪用チェーンと、前記車体フレームに配設された第1レール装置及び第2レール装置と、この第1レール装置を構成すると共に前後方向にスライド可能な第1スライドレールと、前記第2レール装置を構成すると共に前後方向にスライド可能な第2スライドレールと、前記第1スライドレールと第2スライドレールに椅子台座板を介して載置された椅子と、前記椅子台座板の下方に配設されたスライド用ギヤ支持シャフトと、このスライド用ギヤ支持シャフトに支持されたスライド用フリーギヤと、前記椅子台座板の下方に前後方向に沿って配設されると共に中間部が前記スライド用フリーギヤに掛け回されたスライド用チェーンと、前記スライド用ギヤ支持シャフトに支持された後輪伝達駆動ギヤと、この後輪伝達駆動ギヤと前記後輪伝達用ギヤに掛け回された後輪伝達用チェーンと、を有してなることを特徴とするトレーニング器具兼用自転車。
【請求項3】
前輪と一対の第1後輪及び第2後輪を備えてなる三輪車タイプの自転車において、前記前輪の近傍に配設された足掛フレームと、前記前輪を回転させるペダルと、前記前輪の方向を定めるハンドルと、前記前輪と第1後輪、第2後輪の間に配設された車体フレームと、この車体フレームの一側面に延設された第1後輪用支持フレームと、前記車体フレームの他側面に延設された第2後輪用支持フレームと、この第1後輪用支持フレームと第2後輪用支持フレームに支持された後輪支持シャフトと、前記車体フレームと第1後輪用支持フレームとの間に配設された前記第1後輪と、前記車体フレームと第2後輪用支持フレームとの間に配設された前記第2後輪と、前記第1後輪用支持フレームと第1後輪の間に配設された第1後輪用フリーギヤと、前記車体フレームと第2後輪の間に配設された第2後輪用フリーギヤと、前記車体フレームの中間部に配設された後輪伝達用シャフトと、この後輪伝達用シャフトの中間部に支持された後輪伝達用ギヤと、前記後輪伝達用シャフトの一端部に支持された第1後輪用駆動ギヤと、この第1後輪用駆動ギヤと前記第1後輪用フリーギヤに掛け回された第1後輪用チェーンと、前記後輪伝達用シャフトの他端部に支持された第2後輪用駆動ギヤと、この第2後輪用駆動ギヤと前記第2後輪用フリーギヤに掛け回された第2後輪用チェーンと、前記車体フレームの中間部に配設された第1レール装置及び第2レール装置と、この第1レール装置を構成する略コ字状に形成された第1固定レールと、この第1固定レールの外側上方にスライド可能に配設された略コ字状に形成された第1スライドレールと、この第1スライドレールの前部の上片に固定された第1前部ローラー取付片と、この第1前部ローラー取付片の垂下部に回転自在に取り付けられると共に前記第1固定レールの上片を上下方向から挟む第1上ローラー及び第1下ローラーと、前記第1スライドレールの前部の下片に固定された第1前部サイドローラー取付片に回転自在に取り付けられると共に前記第1固定レールの上片の先端面に当接する第1サイドローラーと、前記第2レール装置を構成する略コ字状の第2固定レールと、この第2固定レールの外側上方にスライド可能に配設された略コ字状の第2スライドレールと、この第2固定レールの前部の下片に固定された第2前部ローラー取付片と、第2前部ローラー取付片の立上部に回転自在に取り付けられると共に前記第2スライドレールの下片を上下方向から挟む第2上ローラー及び第2下ローラーと、前記第2固定レールの前部の上片に固定された第2前部サイドローラー取付片に回転自在に支持されると共に前記第2スライドレールの下片の先端面に当接する第2前部サイドローラーと、前記第1固定レールの後部の下片に固定された第1後部ローラー取付片に回転自在に取り付けられると共に前記第1スライドレールの下片を上下方向から挟む第1上ローラー及び第1下ローラーと、前記第1固定レールの後部の上片に固定された第1後部サイドローラー取付片に回転自在に取り付けられると共に前記第1スライドレールの下片の先端面に当接する第1サイドローラーと、前記第2スライドレールの後部の上片に固定された第2後部ローラー取付片に回転自在に取り付けられると共に前記第2固定レールの上片を上下方向から挟む第2上ローラー及び第2下ローラーと、前記第2スライドレールの後部の下片に固定された第2後部サイドローラー取付片に回転自在に支持されて前記第2固定レールの上片の先端面に当接する第2サイドローラーと、前記第1スライドレールと第2スライドレールに固定された椅子台座板を介して載置されると共に前後方向に移動可能な椅子と、前記椅子台座板の下方に固定されたブラケットを介して支持されたスライド用ギヤ支持シャフトと、このスライド用ギヤ支持シャフトに支持されたスライド用フリーギヤと、このスライド用フリーギヤの前方に回転自在に配設された前テンションプーリーと、前記スライド用フリーギヤの後方に回転自在に配設された後テンションプーリーと、前記椅子台座板の下方に前後方向に沿って配設されると共に中間部が前記スライド用フリーギヤに掛け回されて前テンションプーリーと後テンションプーリーによってテンションをかけられたスライド用チェーンと、前記後輪伝達用ギヤと対応するように前記スライド用ギヤ支持シャフトに支持された後輪伝達駆動ギヤと、この後輪伝達駆動ギヤと前記後輪伝達用ギヤに掛け回された後輪伝達用チェーンと、を有してなることを特徴とするトレーニング器具兼用自転車。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−151009(P2006−151009A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−340280(P2004−340280)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(504435209)
【出願人】(504435232)有限会社 香取ベンダーテクニカル (1)
【Fターム(参考)】