説明

トンネル掘削効率を監視するための装置および方法

複数のカッタアセンブリ(10)を回転可能に支持する回転カッタヘッド(93)を有する、トンネル掘削機(90)。複数の計器パッケージ(50)は、回転カッタヘッドに取り付けられ、各計器パッケージは、関連付けられたカッタアセンブリと接触する遠位端を有する。計器パッケージは、関連付けられたカッタアセンブリを監視するために、加速度計(32)と、磁力計(33)と、温度センサ(34)とを含む、複数のセンサを含む。センサは、計器パッケージの遠位端に装着され、カッタアセンブリと接触したままとなるように偏向される。計器パッケージは、無線送信機を含み、メッシュまたはピアツーピアネットワーク内で相互接続される。バッテリパック等の電力供給装置(176)は、各計器パッケージに対して提供される。センサからのデータを使用して、トンネル掘削機の動作の制御および/またはカッタアセンブリの状態の監視を行なってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、概して、機械的掘削の分野に関し、より具体的には、トンネル掘削機の効率を監視および制御するための装置およびプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
トンネル掘削機(「TBM」)は、通常は、種々の土壌および岩石層内に円形トンネルを形成するために使用される、トンネル掘削装置である。従来のTBMは、通常は、最小限の付随的外乱を伴って、平滑円形トンネル壁を生成する。TBMを効率的かつ信頼性のあるものにした飛躍的進歩は、James S.Robbinsによって開発された回転ヘッドの発明による。当初、RobbinsのTBMは、円形運動に回転する強固なスパイクを使用したが、スパイクは、頻繁に破損するものであった。彼は、これらの研削スパイクをより長持ちする回転カッタアセンブリと置換することによって、本問題が大幅に軽減されることを発見した。それ以来、成功を収めている最新のTBMはすべて、回転カッタアセンブリを有する。
【0003】
トンネル掘削機の出現以来、これらの機械の操作者および製造業者は、どのように切削デバイスが掘削される材料と相互作用するかを理解および監視することを所望してきた。リアルタイム性能データによって、操作者は、ある動作パラメータを制御し、タイムリーに整備を行なうことによって、トンネル掘削動作の効率および信頼性を改善可能となるであろう。例えば、問題を迅速に識別し、操作者に適切な補正措置を開始させるために、トンネル掘削機をリアルタイムで監視することによって、構成要素の故障による、コストのかかる遅延は、回避され得る。
【0004】
加えて、機械製造業者は、本データに基づいて、構成要素の設計を調節可能である。トンネル掘削機のための合理的動作および整備スケジュールを開発するための以前の試みは、単純な力測定デバイスの有無にかかわらず、理論的数学モデルの使用と、機械本体の動作状態によって提供される補助的証拠を通じた相互作用の推測を含んでいた。例示的トンネル掘削機は、特許文献1および特許文献2に開示されており、両方とも、その全体が本明細書に参考として援用される。さらなる例示的従来技術のトンネル掘削機は、特許文献3および特許文献4に開示されており、両方とも、その全体が本明細書に参考として援用される。Sugdenらの特許文献5は、1つ以上のローラカッタアセンブリにかかる直接荷重の測定を提供するために、カッタシャフトひずみゲージを具備するカッタを伴う、異なる種類の採掘機を開示する。カッタシャフトのうちの1つ以上は、ローラカッタアセンブリにかかる直接荷重の測定を提供するために、ひずみゲージを具備する。しかしながら、単純なひずみゲージ測定は、カッタアセンブリの動作性能および回転特性に関する所望の情報を提供しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4548443号明細書
【特許文献2】米国再発行特許発明第31511号明細書
【特許文献3】米国特許第5205613号明細書
【特許文献4】米国特許第6431653号明細書
【特許文献5】米国特許第5308151号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
個々のカッタに関する問題の早期検出を提供し、性能を最適化し、不必要な摩耗を回避するために、機械を制御するように使用され得る情報を提供し、および/または岩石または掘削される他の材料の状態を監視するために使用可能である、トンネル掘削機上の個々のカッタの性能のリアルタイム監視を提供可能なシステムの必要性が残る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
本発明の概要は、発明を実施するための形態にさらに後述される、単純化形態における一連の概念を紹介するために提供される。本発明の概要は、請求される主題の鍵となる特徴を識別することを意図するものではなく、請求される主題の範囲を決定する補助として使用されることを意図するものでもない。
【0008】
本発明のある局面では、トンネル掘削機(TBM)上のカッタに関連付けられた複数の計器パッケージを含む、動作の間、TBMを監視するための装置が開示される。各計器パッケージは、関連付けられたカッタと接触したまま維持され、カッタを監視するセンサ、例えば、加速度計、温度センサ、磁力計等を含む。計器パッケージの遠位端は、カッタ、例えば、カッタのリテーナ部分に接触する。直接接触は、関連付けられたカッタの正確なデータ、例えば、振動、温度、および回転速度データを提供する。計器パッケージ内のセンサ制御盤は、センサからのデータを受信し、データを遠隔受信機に無線送信する。データを使用して、例えば、カッタおよび/またはTBMの状態を監視し、摩耗を検出する、あるいはTBMの動作パラメータを好適に調節してもよい。電力供給装置は、電力をセンサおよび制御盤に提供する。装置は、計器パッケージをTMBに取り付けるための手段を含む。
【0009】
装置の実施形態では、計器パッケージは、多軸加速度計、および/または第2の加速度計を含む。
【0010】
装置の実施形態では、TBM上の各カッタアセンブリは、それに関連付けられた1つ以上の計器パッケージを有する。計器パッケージは、メッシュまたはピアツーピアプロトコル内において、無線で相互接続されてもよい。
【0011】
装置のある実施形態では、計器パッケージは、センサを支持する遠位アーム部分を有するベースプレートを含み、ベースプレートの遠位アーム部分は、関連付けられたカッタと直接接触する。バネは、ベースプレートの遠位アーム部分を関連付けられたカッタアセンブリに向かって偏向するように提供されてもよい。
【0012】
ある実施形態では、装着ブラケットは、トンネル掘削機に固定装着される、例えば、カッタ筐体アセンブリに固く取り付けられ、計器パッケージは、装着ブラケットに摺動可能に係合する取り外し可能部分を含む。
【0013】
また、関連付けられたカッタアセンブリ、センサからのデータを受信するセンサ制御盤、および電力供給装置を監視するためのセンサを含有する複数の計器パッケージを提供するステップであって、計器パッケージは、関連付けられたカッタアセンブリと直接接触するステップと、センサから導出されたデータを遠隔受信機に無線送信するステップと、遠隔受信機に送信されるデータを使用して、トンネル掘削機の動作を制御するステップとを含む、トンネル掘削機を動作させるための方法も開示される。
【0014】
また、複数のカッタアセンブリを回転可能に支持する回転カッタヘッドであって、各カッタアセンブリは、カッタリングを回転可能に支持するシャフトを備える、ヘッドと、カッタアセンブリに関連付けられた計器パッケージと、計器パッケージをトンネル掘削機に取り付けるための手段とを含む、トンネル掘削機も開示される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の上述の局面および付帯的利点の多くは、関連付けられた図面と併せて、以下の詳細な説明を参照することによって、さらに知識が深まるのに伴って、より容易に理解されるであろう。
【図1】図1は、本発明による、いくつかの従来の構成要素を示し、トンネル掘削機カッタアセンブリを監視するためのセンサを含む、トンネル掘削機を概略的に例示する。
【図2】図2は、図1に示される、トンネル掘削機のローラ式カッタアセンブリの部分的斜視分解図である。
【図3】図3は、明確にするために、筐体装着部の一部が除去されている、図2に示される、カッタアセンブリの組み立てられた斜視図である。
【図4】図4は、図2に示される、カッタアセンブリのための計器パッケージの分解図である。
【図5】図5は、図1に示される、トンネル掘削機のためのカッタアセンブリ監視システムの動作を概略する、ブロック図である。
【図6】図6は、本発明による、計器パッケージの第2の実施形態を示す。
【図7】図7は、図6に示される、計器パッケージの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(詳細な説明)
次に、図面を参照して、本発明による、カッタアセンブリと、カッタアセンブリを監視するための関連付けられた計器パッケージとを有する、トンネル掘削機の関連する部分の説明が提示される(同一数字は、同一部分を示す)。本発明は、種々の形態で具現化されてもよく、本明細書に開示される具体的詳細は、限定としてではなく、むしろ、本発明を製造および使用する当業者に教示するための基礎として解釈されるべきであることは、当業者によって理解されるであろう。
【0017】
本発明による、カッタアセンブリ10を有する、例示的トンネル掘削機90の環境側面図が、図1に示される。例示的トンネル掘削機90は、複数のローラ式カッタアセンブリ10を回転可能に支持する、全断面回転カッタヘッド93を有する。図中では、3つのカッタアセンブリが視認されるが、通常のトンネル掘削機が、カッタヘッド93上に回転可能に配置される、20、50、100以上のカッタアセンブリ10を組み込んでもいことは、当業者によって理解されるであろう。
【0018】
動作時、カッタヘッド93は、カッタアセンブリ10のうちの少なくともいくつかが、表面91に強制的に係合するように、表面91(例示される想像線)に対して推進される。本例示的実施形態では、1式以上の対向するアンカ輪止め94が、油圧シリンダ95によって、外向きに推進され、トンネル壁に係合し、それによって、トンネル掘削機90をアンカリングする。次いで、カッタヘッド93が、突き押しシリンダ96によって、表面91に対して前方に推進される。カッタヘッド93は、カッタアセンブリ10が表面91に対して強制的に圧接され、表面91に沿って転動するのに伴って、カッタアセンブリ10が、表面91から材料を破砕、弛緩、研削、除去、および/または破壊するように、長手方向軸を中心として回転する。
【0019】
次に図2を参照すると、本発明による、カッタアセンブリ10のうちの1つと、関連する装着および監視構成要素の部分的分解図を示す。組み立てられた斜視図は、図3に示されるが、いくつかの構成要素は、明確にするために省略される。カッタアセンブリ10は、シャフト13を中心とした回転のために装着される、ハブ12上に配置される、カッタリング15を含む。軸受アセンブリ(図示せず)は、概して、シャフト13上に装着され、シャフト13を中心としたハブ12およびカッタリング15の回転を提供する。本実施形態では、1つ以上の磁石16(図3)が、回転ハブ12上または内に設置されるが、その目的は、明白となるであろう。
【0020】
シャフト13の対向端は、離間された筐体装着部20L、20Rを備える、カッタ筐体内に固着され、各装着部分は、L型チャネル21を画定する。カッタアセンブリ10は、シャフト13が、筐体装着部20L、20R内のチャネル21に沿って摺動し、次いで、チャネル21のL型脚部によって形成される陥凹内に側方に偏移されるように、カッタアセンブリ10を摺動させることによって設置される。したがって、筐体装着部20L、20R間にカッタアセンブリ10を位置付け後、カッタアセンブリ10は、シャフト13の成形端に係合するように適合される、楔係止システムによって固着される。カッタアセンブリを回転ヘッド掘削機に装着する種々の他の方法が存在することは、当業者によって理解されるであろう。上述の説明は、「後方装填カッタ」を装着する現在の方法について記載する。また、本発明は、「前方装填カッタ」等の他の装着システムとともに適用されてもよい。
【0021】
楔係止システムは、楔22と、クランプブロック24と、その間に配置される管状外筒28とを含む。楔22は、カッタアセンブリ10のシャフト13の一端近傍の周縁刻面に当接するように位置付けられ、クランプブロック24は、筐体装着部20Lまたは20R上の表面25に係合および当接する。ボルト23は、楔22、外筒28、およびクランプブロック24を通って延び、2つのナット26およびワッシャ27によって固着される。したがって、ボルト23が引張されるのに伴って(ナット26を設計仕様にトルクを与えることによって)、楔22は、カッタアセンブリ10を定位置に係止する。
【0022】
計器パッケージ50は、カッタアセンブリ10(以下に詳述される)に取り付け、トンネル掘削機90の動作の間、関連付けられたカッタアセンブリ10を監視する。好ましい実施形態では、計器パッケージ50は、後述のように、モジュール動作するトポロジ要素、またはさらに、例えば、半自動計算、通信、および感知デバイスを備える。本実施形態では、計器パッケージ50は、装着ブラケット39によって、楔係止アセンブリのうちの1つに取り付ける。
【0023】
本実施形態では、計器パッケージ50は、近位端52と、遠位先端53とを有する、楔型外側筐体51を備える。計器パッケージ50は、遠位先端53が、カッタアセンブリ10のリテーナ14に対して接触し、圧力を受けながら保持されるように、定寸および位置付けられる。スペーサ等(図示せず)が、アセンブリ上に設置され、計器パッケージ50が正確に位置付けられることを確実にしてもよい。本実施形態では、少なくとも1つのベルビルワッシャまたは同等の圧縮機構を、例えば、外筒28と楔22との間に使用して、所望の圧縮嵌合を確実にする。計器パッケージ50を設置後、クランプブロック24が、ボルト23上に定置され、ワッシャ27が設置され、2つのナット26が、ボルト23に締着され、設計仕様にトルクが与えられる。
【0024】
外側筐体51は、実質的に、計器パッケージ50の電子機器および機械的構成要素を封入する。また、図4を参照すると、計器パッケージ50の分解図が示される。本実施形態では、計器パッケージ50は、処理要素35を有し、1つ以上の加速度計32、少なくとも1つの磁力計33(または、磁気検出器)、および少なくとも1つの温度センサ、例えば、熱電対34に動作可能に接続される、センサ制御盤アセンブリ31を含む。計器パッケージ50は、付加的センサ、例えば、ひずみゲージ、音響または光学センサ、化学物質検出器等を含んでもよいことが企図される。センサ制御盤アセンブリ31は、アンテナ37を通して、遠隔受信機(図示せず)へと無線周波数帯域信号を送信する、無線送受信機36をさらに含む。電子機器センサ32、33、34、および無線送受信機36は、センサ制御盤アセンブリ31に装着される、バッテリパック38によって電力供給される。
【0025】
センサ筐体51は、設置されると、遠位先端53が、リテーナ14に対して推進される、または圧力を受けながら保持されるように、カッタアセンブリリテーナ14に接触する。したがって、本接触点を通して、加速度計32は、カッタアセンブリ10の加速にさらされる。加速度計32は、動作の間、カッタリング15が表面91に沿って回転するのに伴って、カッタアセンブリ10の振動を測定する。一実施形態では、カッタアセンブリ10と直接接触せず、システムに、トンネル掘削機90の動作に関連付けられた非カッタ振動を除外させる、任意の参照加速度計(図示せず)が提供される。カッタアセンブリ10と接触しない参照加速度計によって検出される振動は、参照振動と、特定のカッタアセンブリ10に関連付けられた加速度計32によって測定される振動との間の差異が、特に、関連付けられたカッタアセンブリ10に伴う振動の測定を提供するように、参照振動を提供するであろう。
【0026】
また、掘削動作によって、カッタアセンブリ10上に定置される荷重の局面は、加速度計32によって監視され得る。カッタアセンブリ10内の軸受アセンブリは、掘削表面91から、リング15およびハブ12を通して、伝達される荷重の大部分を担うことを理解されるであろう。これらの軸受は、消耗部品である。軸受の有用寿命を最大限にする一方、良好な性能を達成するために、軸受は、製造業者によって、荷重制限が指定されている。加速度計32を使用して、荷重制限を超えないことを確実にすることが可能である。
【0027】
図2では、カッタアセンブリ10とともに、1つの計器パッケージ50のみ示されるが、2つ以上の計器パッケージ50が、カッタアセンブリ10の一部または全部と併用されてもよいことは、本発明によって企図される。例えば、計器パッケージ50が、カッタアセンブリシャフト13の両端上に定置される場合、シャフト13の両側の荷重の不均衡は、加速度計32の出力を比較することによって識別され得る。カッタアセンブリ10上の不均衡荷重は、疲労状況を生成し、カッタアセンブリ10構成要素は、周期的荷重に曝露され、機械的構成要素の有用寿命を大幅に短縮し得る。
【0028】
カッタアセンブリ10の動作の間に生じる他の動的現象は、加速度計32からの出力信号の出力、例えば、ボルト23を定位置に保持するナット26の緊張を分析することによって識別されてもよい。ゆるい取り付けのカッタアセンブリ10の振動は、筐体装着部20L、20R内に堅固に固定されたカッタアセンブリ10と大幅に異なる特性を呈するであろう。さらに、振動の性質は、計器パッケージ50と同一側のボルト23が弛緩される場合、計器パッケージ50と反対側のボルト23が弛緩される場合と異なるであろう。
【0029】
本実施形態では、1つ以上の磁石16が、カッタ筐体装着部20L、20R内におけるカッタアセンブリ10の設置に先立って、カッタハブ12内に設置される。カッタリング15およびハブ12が、シャフト13を中心として回転するのに伴って、磁石16は、関連付けられた計器パッケージ50内の磁力計33によって検出される。磁石16の連続的通過間の時間間隔を使用して、カッタリング15の回転速度を計算可能である。次いで、カッタヘッド93上の特定のカッタアセンブリ10の位置と、カッタヘッド93の回転速度とを知ることによって、時間間隔データまたは回転速度を使用して、カッタリング15のすべりあるいはロッキングを検出する、もしくはカッタリング15と表面91との間にすべりがないと想定して、カッタリング15の現在の直径を計算可能である。カッタリング15の現在の直径は、リング15が、トンネル掘削動作によって摩耗または浸食されて程度の測定値を提供する。当業者によって理解されるように、カッタリング15上の摩耗量を決定することは、非常に重要である。例えば、トンネル掘削機90のための整備手順は、多くの場合、カッタリング15の摩耗の割合に基づいて、カッタアセンブリ10が交換されるべき時を指定する。
【0030】
また、カッタリング15の回転速度と、特に、回転速度の時間変動は、回転の平滑性の指標を提供するため、知ることが望ましい。カッタリング15の一定の回転速度(カッタヘッド93が、一定速度で回転している間)は、カッタアセンブリ軸受が、適切に機能していることを示す。不規則な回転速度は、カッタリング15がすべっていることを示し、したがって、軸受が故障しており、構成要素を交換する必要があることを示し得る。あるいは、多数のカッタリング15の不規則な回転速度は、最適性能を達成するために、トンネル掘削機90の動作パラメータの修正を示唆し得る。例えば、いくつかのカッタリング15の回転速度が不規則である場合、これは、カッタヘッド93が表面91に対して堅固に圧接され過ぎていることを示し得る。
【0031】
カッタリング15の温度は、カッタアセンブリ10の機能状態の別の指標である。カッタリング15と表面91との間の摩擦は、熱を発生させるであろう。カッタリング15が、回転比較的自由に回転する場合、測定される温度は、一定レベルを達成するであろう。しかしながら、カッタリング15が、回転自由に回転せず、代わりに、表面91上を引きずったりまたはすべる場合、カッタアセンブリ10の温度は、実質的かつ急速に上昇する。同様に、カッタリング軸受が、過度の摩擦を被る場合、軸受の温度は、上昇し、カッタアセンブリ10の温度を上昇させるであろう。いずれの場合も、より深刻な損傷が生じる前に、補正措置(機械の停止または整備の予定等)が取られ得るように(自動的に、またはユーザによって)、カッタアセンブリ10の温度を監視することによって、操作者に、問題が存在することの早期指標を提供する。
【0032】
本発明のある実施形態では、計器パッケージ50のうちの1つ以上(以下、参照計器パッケージと称する)は、上述の他のセンサに加え、2軸加速度計(図示せず)を含む。2軸加速度計は、2方向、通常は、直交配向される方向における重力を含む、加速度を測定可能である。機能的に、2軸加速度計は、ほぼ水平面において、第2の加速度計に対して垂直に配向される、第1の加速度計を含み、例えば、一方の軸は、カッタヘッド93に対して半径方向に配向され、他方は、カッタヘッド93に対して接線方向に配向される。2軸加速度計は、カッタヘッド93回転時に測定し、個々のカッタアセンブリ10の位置を特定するための参照点を提供するために使用可能である。
【0033】
参照計器パッケージ上の2軸加速度計は、以下のように、検出された加速度計値を分析することによって位置付け可能であることが、当業者によって理解されるであろう。カッタヘッド93上の2軸加速度計の相対的位置は既知である。例えば、カッタアセンブリ位置の参照マップが生成されてもよい。2軸加速度計は、加速度計の特定の配向に基づいて、重力加速度の正または負の値を表示する。したがって、2軸加速度計の回転配向は、重力を参照して決定可能である。2軸加速度計の回転配向およびカッタヘッド93上のその相対的位置は、他のカッタアセンブリ計器パッケージ50に対するその位置を決定する。参照カッタの位置を知ることによって、他のカッタもまた、カッタアセンブリ位置の参照マップを参照することによって、位置を特定可能となる。このことは、カッタアセンブリ10が変則動作状態を被り、カッタヘッド93内で位置が特定され、検査されることが必要な時に望ましい。
【0034】
本実施形態では、各計器パッケージ50に対して、加速度計32、磁力計33、および温度センサ34によって測定されるデータが、センサ制御盤アセンブリ31上のプロセッサ35によって、デジタル信号に変換される。次いで、本デジタルデータは、アンテナ37を通して、トンネル掘削機90上のいずれかの場所に配置され得る遠隔受信機に送信される。好ましい実施形態では、トンネル掘削機90上の全カッタアセンブリ10が、1つまたは2つの計器パッケージ50を具備し、掘削状態の可能な限り明確な指標を提供する。このような多くの計器パッケージ50集合は、センサネットワークとして知られている。
【0035】
センサネットワークからのデータは、トンネル掘削機90の操作者のためのディスプレイに中継されてもよい。カッタヘッド93上の相互の計器パッケージ50の位置に関する計器パッケージ50それぞれからデータを表示することによって、操作者は、岩石の構造を推測し、動作パラメータを適宜調節し、最大限の効率を達成可能となる。例えば、センサのマッピング機能と併用される各計器パッケージ50からの振動測定値は、岩石の硬度、破砕の程度、および何らかの局所的地質構造を含むが、それらに限定されない、岩石の状態の指標とともに、岩石面のマップの表示を可能にするであろう。本ディスプレイを効果的に使用して、個々のカッタアセンブリ10をその設計限界により近づけて動作させることによって、トンネル掘削機90の生産性を向上させることが可能である。本システムを伴わない場合、各カッタアセンブリ10の動作包絡線は、機械の総荷重の平均として想定され、全体的動作パラメータを低下させる。全体的平均荷重が、唯一の利用可能データであるため、個々のカッタアセンブリ10によって認められる岩石状態の局所的変動は、本システムを伴わない場合、考慮不可能である。個々の感知システムを使用することによって、異常現象を検出可能となり、動作パラメータを調節し、各個々のカッタアセンブリ10の最大荷重を達成可能である。
【0036】
本実施形態は、データを受信機に送信するための2つの伝送経路が可能なセンサ制御盤アセンブリ31を使用する。伝送は、2地点間プロトコルを通して行なうことが可能であって、各計器パッケージ50からのデータは、受信機に直接送信される、またはマルチホップメッシュネットワークプロトコルを通して行なうことが可能であって、計器パッケージ50は、協働し、データの中継として作用可能である。本計器パッケージ50は、アンテナ37を通して、無線信号の送受信の両方が可能である。本二重機能によって、各計器パッケージ50は、他の計器パッケージ50からデータを受信し、本データを受信機に送信可能である。メッシュネットワークプロトコルの主要な利点は、受信機から最も遠隔の計器パッケージ50が、克服できないような無線妨害の場合、受信機により近接する他の計器パッケージ50を使用して、その測定データを中継可能なことである。メッシュネットワークプロトコルの不利点は、バッテリ消費率がより高く、潜在的に、信号通信量がより多くなることである。バッテリ消費制限を緩和するために、動的運動を使用して、電力を生成する、発電システムが実装されてもよい。これは、バッテリパック38の必要性を排除または軽減するであろう。
【0037】
図5は、本発明による、計器パッケージ50を具備するトンネル掘削機90の動作を概括する、ブロック図である。計器パッケージ50は、関連付けられたカッタアセンブリ10上に設置され70、各計器パッケージ50の一端は、関連付けられたカッタアセンブリ10に直接接触する。
【0038】
使用される場合、参照カッタ2軸加速度計(上述)は、設置(70)に応じて、すなわち、カッタヘッド93の回転の開始に先立って、初期化または監視される。2軸加速度計が、引力変化の信号を送ると、カッタヘッド93が回転する。次いで、参照カッタ2軸加速度計を含有する計器パッケージ50は、カッタヘッド93が旋回していることを示す信号を受信機に送信する。次いで、送受信機としても作用可能な受信機は、初期化信号を他の計器パッケージ50に発し、データのサンプリングを開始する。これは、ブロック図内の初期化段階(71)である。当業者には明白となるように、参照2軸加速度計が使用されない場合、任意の他の好適な信号を使用して、カッタヘッドが旋回していることを検出または決定し、データのサンプリングを初期化(71)してもよいことを理解されるであろう。
【0039】
計器パッケージのセンサ制御盤アセンブリ31は、受信機から送信される信号の監視のために十分な継続的電力を利用する。初期化信号が、計器パッケージ50によって受信されると、計器パッケージ50は、そのそれぞれのデータのサンプリングを開始する(72)。
【0040】
センサ32、33、34それぞれのサンプリング(72)論理は、異なる。例えば、計器パッケージ50加速度計32に加え、参照加速度計(上述のように)を使用するシステムでは、信号は、センサ制御盤アセンブリ31に中継され、参照加速度計信号は、検出された中継カッタ加速度計信号から差し引かれる。温度センサ34は、事前に設定された頻度において、定期的に温度の読み取りを行なう。磁力計33は、ハブ12内の磁石16が磁力計33の近傍を通過すると、磁場が検出されるように、継続的に磁場をサンプリングする。検出された磁場が、事前に確立された限度を超えると、センサ制御盤アセンブリ31は、磁石16の通過の以前の検出から経過時間に基づいて、カウント数を記録し、カッタアセンブリ10の瞬時回転速度を計算する。例えば、回転速度は、以下の式:RPM=(n/T)*60を使用して計算されてもよい(式中、Tは、磁気カウント間の経過時間(秒)であって、nは、ハブ12内に埋入される磁石16の数である)。カッタアセンブリ10の回転速度が分かると、カッタリング15の直径は、D=(2*r*d)/Rとして計算可能である(式中、rは、カッタヘッド93(rpm)の回転速度であって、dは、カッタヘッド93の中心からカッタリング15中心面までの距離であって、Rは、上述の計算のように、カッタアセンブリ10の測定された回転速度である。
【0041】
センサによって測定されるデータは、センサ制御盤アセンブリ31に中継され、そこで送受信機盤36によって、無線信号にエンコードされ、アンテナ37を通して送信される(73)。バッテリ寿命を節約するために、送受信機は、継続的に動作しない。データは、指定された時間間隔で測定および記録され、送信間隔もまた、カッタの動的特性を測定するために適切な頻度で確立される。サンプリングおよび送信間隔は、静的値ではなく、センサデバイスをプログラミングすることによって調節可能である。トンネル掘削動作は、岩石特性、カッタリング15材料、カッタ荷重定格、およびトンネル掘削機電力を含む、パラメータに基づいて、広範囲に可変であるため、単一の理想的サンプリング期間は存在しない。可能な限り最善のデータ分解能および最長センサ寿命を達成するように掘削する一方で、本無線システムに特有の柔軟性によって、サンプリング条件の変更が可能である。
【0042】
計器パッケージ50の本実施形態では、選択される加速度計は、感知要素と、スイス国ジュネーブに拠点を置くSTMicroelectronics Companyから市販されるLIS302DL等のICインターフェースとを含む、超小型低電力3軸線形加速度計である。選択される加速度計は、I2C/SPI直列インターフェースを介して、測定された加速度データを外部アプリケーションに提供可能である。選択される温度センサ34は、例えば、米国ニュージャージー州モリスタウンに拠点を置くHoneywell International, Inc.から市販されるHEL−700シリーズThin Film Platinum RTD等の薄膜白金抵抗温度検出器である。選択される温度センサは、優れた線形性、安定性、互換性を提供する。選択される磁力計33は、例えば、同様に、Honeywell International,Inc.から市販される位置センサ2SS52M等の磁気抵抗センサである。
【0043】
本加速度計は、安価かつ非常に低電力であって、デジタルインターフェースを有し、信号処理が内蔵されているため、選択された。より一般向けかつより高電力デバイスが代替として使用されることが、または機械的緩衝器がセンサの制約内において加速度値をもたらすために考案されてもよいことが企図される。本温度センサは、その温度範囲および低電力要件のために選択された。しかしながら、これらの種類のデバイスは、容易に互換可能であって、あるいは、他の温度センサが使用されてもよい。
【0044】
本システムのために企図される種々の遠隔センサ通信トポロジは、本発明に従って実装されてもよい。
【0045】
例えば、計器パッケージ50は、無線送受信機36が、受信機と直接通信不可能である場合、信号が、他の計器パッケージ50を通して、受信機に中継可能であるように、メッシュネットワーク内で相互接続されてもよい。例えば、メッシュネットワーキングプロトコルは、20、50、および99ノード(各ノードは、計器パッケージ50を具備または代表する)と、単一基地局または受信機とを有する、ネットワークサイズ内で試験された。試験では、ノードは、他のノードから約1.5フィートと、受信機から約30フィート離間された。サービスの質またはネットワークの信頼性の制御の能力を向上させるために、ネットワークは、メッセージ確認応答(ACK)有効で動作されてもよく、ノードは、ACKメッセージが返されるまで、その信号を継続して送信する。ネットワークトポロジは、より小数のノードに対して合理的に順調に動作したが、ノードの数が99まで増加したのに伴って、通信問題は、深刻となり、当然ながら、ACKが有効化されると、より顕著となる。
【0046】
別のトポロジ実装では、無線データネットワークは、ピアツーピア(P2P)トポロジを備え、無線送受信機36は、受信機とのみ直接通信する、すなわち、各センサノードは、基地局に直接レポートする。試験された実装では、各センサノードは、レポーティングウィンドウ内のレポーティングタイムスロットが割り当てられる。これによって、各ノードは、他のレポーティングノードとの最小限の衝突機会を伴って、受信機または基地局にメッセージを送信可能となる。送受信機36は、継続的に送/受信する必要はないため、P2Pトポロジによって、遥かに長いバッテリ寿命が可能となることが、当業者によって理解されるであろう。また、P2Pトポロジは、非ACKモードまたはACK有効モードで実行されてもよい。P2Pトポロジは、特に、より多数のノードでは、メッシュネットワークトポロジより遥かに信頼性があることが証明された。しかしながら、ノードまたは計器パッケージ50がRF難受信地帯にある場合、そのような個々のノードの機能は不良となり得ることを理解されるであろう。
【0047】
非常に低い平均パケット損失率は、受信機(例えば)による受信が確認されない場合、最大6回まで、各ノードがメッセージを再送信可能であるように、ACK有効でのP2Pトポロジに対して達成された。ある試験では、99ノードACK有効P2Pトポロジは、わずか3.5%の平均パケット損失率をもたらした。
【0048】
試験は、メッシュネットワークが、最大50ノードまでの展開に対して、時間同期P2Pネットワークに優る明確な信頼性の利点を示すが、エネルギーは、約26倍かかることを示唆した。50ノードを上回る場合、P2Pネットワーク信頼性は、非常に良好なままであるが、メッシュネットワークは、大幅に悪化する。さらに、P2Pネットワークの信頼性を妨害する「難受信地帯」は、トンネル掘削機の運動によって緩和されることが予想される。
【0049】
本発明による、カッタアセンブリ10を監視するための計器パッケージまたはセンサパッケージ150の別の代替実施形態は、図6に示され、外側筐体151は、想像線で示される。計器パッケージ150の部分的分解図は、図7に示される。
【0050】
本実施形態では、カッタアセンブリ10上に設置される計器パッケージ150は、上述のセンサパッケージ150と同一または類似センサパッケージを含むことが企図される。例えば、いくつかの実施形態では、参照2軸加速度計を使用せず、カッタヘッド93が回転すると測定し、センサの位置を特定するための参照点を提供する。代わりに、回転測定および参照点は、例えば、2つの付加的センサをシステム内に定置することによって決定されてもよい。センサは、TBM駆動モータ(図示せず)のうちの1つ上に定置され、モータのシャフト回転速度を測定してもよい。回転速度測定は、駆動シャフト上に磁石を設置し、磁力計を使用して、光学センサの使用によって、または当技術分野において周知の任意の他の手段によって、達成されてもよい。機械のギア比情報を使用し、モータシャフト回転速度を測定することによって、カッタヘッド93の回転速度を決定可能である。
【0051】
第2のセンサが提供され、保護筐体内に封入される磁力計の使用によって、カッタヘッド93上に設置された磁石の通過を検出してもよい。これらの2つの付加的センサの両方とも、基地局にデータを返信することが企図される。
【0052】
センサパッケージ150は、関連付けられたカッタアセンブリ10のためのカッタ筐体アセンブリに直接装着されるように適合される。直接装着の利点は、センサパッケージ150が、カッタを設置および除去するための標準的手順に干渉しないことである。装着ブラケット139は、カッタアセンブリ10上の計器パッケージ150を支持し、固定的または解放可能に、筐体装着部20L、20R(図2)のうちの1つに直接取り付けられてもよい。例えば、装着ブラケット139は、筐体装着部20L、20Rのうちの1つに溶接される、または従来のハードウェアによって取り付けられてもよい。
【0053】
装着ブラケット139は、裏面表面140と、対向して配置される側壁141と、係止開口143を有する保定タブ142とを含む。保護離間要素110は、装着ブラケット139の裏面表面140上に配置される。保定ブラケット132は、装着ブラケット139の近位端近傍に取り付け、バネ要素134は、装着ブラケット139の遠位端近傍に取り付ける。
【0054】
計器パッケージ150の取り外し可能部分は、関連付けられたカッタアセンブリ10に係合するように適合される上方に延びる鼻部164を伴う、遠位アーム162を有する、ベースプレート160を含む。遠位アーム162は、加速度計32、磁力計33、および温度センサ34等のカッタアセンブリセンサを支持する。センサは、上述のように、センサデータを受信し、遠隔受信機にそれを送信する、センサ制御盤アセンブリ31に協働しうるように接続される。
【0055】
ベースプレート160は、保定タブ142内の係止開口143に係合するように定寸および位置付けられる、位置決めタブ163をさらに含む。座部172は、ベースプレート160を装着ブラケット139内の所望の位置に向かって推進し、摺動クランプ170は、保定ブラケット132に解放可能に係合する。ベースプレート160は、複数のネジ174によって、外側筐体151に固着される。筐体151は、バッテリ開口156を画定する主要本体部分154と、ベースプレート160の遠位アーム162上にある遠位アーム部分152とを含む。遠位アーム部分152は、ベースプレート160から上方に延びる鼻部164を摺動可能に受容する、端部チャネル158を含む。
【0056】
ここでは、装着ブラケット139に取り付けられる上述のバネ要素134は、ベースプレートアーム162の遠位端に当接または係合する、角度付けられたアーム部分133を含むことが分かる。バネ要素134は、ベースプレート160の鼻部164が、関連付けられたカッタリテーナ14(図3)に向かって弾性的に推進されるように、遠位アーム162上に弾性力を提供するように定寸および設計される。したがって、遠位アーム162の弾性変形によって、鼻部164は、カッタが、摩耗パターンの範囲にわたって、摩耗を受ける場合でも、関連付けられたカッタリテーナとの接触を維持可能となるであろう。
【0057】
バッテリホルダ175は、端子178を通して、センサ32、33、34、センサ制御盤アセンブリ31、および関連電子機器に電力を提供するための1つ以上のバッテリ176(2つが示される)を保持するように適合される。
【0058】
本実施形態では、外側筐体151は、プラスチック材料から成り、装着ブラケット139およびベースプレートは、金属であるが、例えば、合成材料等を含む、他の材料が使用されてもよい。計器パッケージ150は、カッタアセンブリ10近傍の非常に厳しい環境にも耐えるような頑丈な材料から構築されなければならないことを理解されるであろう。全センサ電子機器は、センサ封入体内に振動緩衝材料を使用して、定位置に装入される。金属ベースプレート160は、外側筐体151上に組み立てられ、外側カバーの先端は、ベースプレート160上の金属鼻部164によって保護される。封入体は、取り外し可能バッテリコンパートメント175を含み、現場でのバッテリ176の交換を可能にする。本バッテリコンパートメント175は、バッテリを並列または直列に構成するためのスイッチを含んでもよく、それによって、アルカリまたはリチウム金属バッテリのいずれかの使用が可能となる。
【0059】
本実施形態では、ベースプレート160(および、そこに装着される種々の構成要素)を含む、センサパッケージ150の取り外し可能部分および外側筐体151は、摺動可能に摺動クランプ170を解放し、取り外し可能部分を装着ブラケット139から摺動させることによって除去されてもよい。
【0060】
例示的実施形態が、例示および記載されたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更が成され得ることを理解されるであろう。
【0061】
排他的特性または特権が請求される本発明の実施形態は、以下に規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作の間、トンネル掘削機を監視するための装置であって、該トンネル掘削機は、カッタヘッド上に装着される回転可能部分を有する、複数のカッタアセンブリを備え、該装置は、
複数の計器パッケージであって、各計器パッケージは、該複数のカッタアセンブリのうちの1つに関連付けられ、i)該関連付けられたカッタアセンブリと接触する遠位端であって、該関連付けられたカッタアセンブリを監視するための複数のセンサを含有する、計器パッケージの遠位端と、ii)該複数のセンサに動作可能に接続されるセンサ制御盤であって、該複数のセンサによって検出されたデータを遠隔受信機に無線送信するように適合される送受信機をさらに備える、センサ制御盤と、iii)該センサ制御盤に電力を提供するように接続される、電力供給装置とを備える、複数の計器パッケージと、
該複数の計器パッケージの各々を該関連付けられたカッタアセンブリに取り付けるための手段と
を備える、装置。
【請求項2】
前記複数のセンサは、加速度計と、温度センサと、前記関連付けられたカッタアセンブリの回転可能部分の回転速度を測定するためのセンサとを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記回転可能部分の回転速度を測定するための前記センサは、磁力計を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記加速度計は、多軸加速度計を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のセンサは、第2の加速度計をさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の計器パッケージは、前記複数のカッタアセンブリの各々に対して、少なくとも1つの計器パッケージを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の計器パッケージは、前記複数のカッタアセンブリの各々に対して、2つの計器パッケージを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の計器パッケージは、メッシュネットワークプロトコル内において無線で相互接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の計器パッケージは、ピアツーピアネットワーク内において、無線で相互接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記複数のセンサは、ベースプレートの遠位アーム部分に装着され、該ベースプレートの遠位アーム部分を前記関連付けられたカッタアセンブリに向かって偏向するバネをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記電力供給装置は、取り外し可能バッテリを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記複数の計器パッケージの各々を前記関連付けられたカッタアセンブリに取り付けるための手段は、前記トンネル掘削機に堅固に取り付けられる装着ブラケットを備え、該計器パッケージは、前記複数のセンサと、前記センサ制御盤とを含む、取り外し可能部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記取り外し可能部分は、前記複数のセンサを支持する遠位アーム部分を有するベースプレートを備え、該ベースプレート遠位アーム部分を前記関連付けられたカッタアセンブリと接触するように偏向するバネ要素をさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
複数のカッタアセンブリを有するトンネル掘削機を動作させるための方法であって、各カッタアセンブリは、回転部分を備え、該方法は、
複数の計器パッケージを提供するステップであって、各計器パッケージは、該複数のカッタアセンブリのうちの1つに関連付けられ、該関連付けられたカッタアセンブリを監視する複数のセンサと、該複数のセンサからデータを受信するセンサ制御盤と、電力供給装置とを備え、該計器パッケージは、該関連付けられたカッタアセンブリと直接接触する、ステップと、
該複数のセンサから導出されたデータを遠隔受信機に無線送信するステップと、
該トンネル掘削機の動作を制御するために、該遠隔受信機に送信されるデータを使用するステップと
を含む、方法。
【請求項15】
前記複数のセンサは、加速度計と、温度センサと、前記関連付けられたカッタアセンブリの回転可能部分の回転速度を測定するためのセンサとを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記回転可能部分の回転速度を測定するためのセンサは、磁力計を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記加速度計は、多軸加速度計を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の計器パッケージは、前記複数のカッタアセンブリの各々に対して、少なくとも1つの計器パッケージを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の計器パッケージは、メッシュネットワークプロトコル内において無線で相互接続される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記計器パッケージの遠位アーム部分を前記関連付けられたカッタアセンブリに向かって弾性的に偏向し、該計器パッケージを該関連付けられたカッタアセンブリと接触したまま維持するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
トンネル掘削機であって、
複数のカッタアセンブリを回転可能に支持する回転カッタヘッドであって、各カッタアセンブリは、カッタリングを回転可能に支持するシャフトを備える、カッタヘッドと、
複数の計器パッケージであって、各計器パッケージは、該複数のカッタアセンブリのうちの1つに関連付けられ、i)該関連付けられたカッタアセンブリと接触する遠位端であって、該関連付けられたカッタアセンブリを監視するための複数のセンサを含有する、計器パッケージの遠位端と、ii)該複数のセンサに動作可能に接続されるセンサ制御盤であって、該複数のセンサによって検出されたデータを遠隔受信機に無線送信するように適合される送受信機をさらに備える、センサ制御盤と、iii)該センサ制御盤に電力を提供するように接続される、電力供給装置とを備える、複数の計器パッケージと、
該複数の計器パッケージの各々を該関連付けられたカッタアセンブリに取り付けるための手段と
を備える、トンネル掘削機。
【請求項22】
前記複数のセンサは、加速度計と、温度センサと、前記関連付けられたカッタアセンブリの回転可能部分の回転速度を測定するためのセンサとを備える、請求項21に記載のトンネル掘削機。
【請求項23】
前記回転可能部分の回転速度を測定するためのセンサは、磁力計を備える、請求項22に記載のトンネル掘削機。
【請求項24】
前記加速度計は、多軸加速度計を備える、請求項22に記載のトンネル掘削機。
【請求項25】
前記複数の計器パッケージは、前記複数のカッタアセンブリの各々に対して、少なくとも1つの計器パッケージを備える、請求項21に記載のトンネル掘削機。
【請求項26】
前記複数の計器パッケージは、メッシュネットワークプロトコルおよびピアツーピアプロトコルのうちの1つ内において無線で相互接続される、請求項21に記載のトンネル掘削機。
【請求項27】
前記複数のセンサは、ベースプレートの遠位アーム部分に装着され、該記ベースプレートの遠位アーム部分を前記関連付けられたカッタアセンブリに向かって偏向するバネをさらに備える、請求項21に記載のトンネル掘削機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−522140(P2011−522140A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511856(P2011−511856)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/045674
【国際公開番号】WO2009/155110
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(510312064)ザ ロビンス カンパニー (1)
【Fターム(参考)】