説明

ドアロック開錠警告装置

【課題】
走行中に、ドアがアンロック状態になったとき、運転者にドアがアンロック状態であることを明示することができるドアロック開錠警告装置を提供する。
【解決手段】
ドアロック開錠警告装置はドアロック装置16、ドアロックアクチュエータ18、車速センサ22、ドアロック装置16等がロック状態かアンロック状態かを検出するドアロックスイッチ20、運転者に対して視認可能な部位に設けられた表示装置30を備える。ドアロック開錠警告装置の制御装置40は、車速センサ22により走行中であることが検出され、かつ、ドアロックスイッチ20がドアのアンロック状態を検出したとき、表示装置30により、ドアのアンロック状態を画像表示して警告させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるドアロック開錠警告装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車速感応型のドアロック装置でない場合、車両が走行中において、ドアロック装置がアンロック状態になると、警告を発するドアロック開錠警告装置が提案されている(特許文献1)。この装置によれば、車両に運転者と子供が搭乗している場合、例えば、子供のいたずらによりドアロック装置がアンロック状態になったとき、警告装置により、運転者にドアロック装置が開錠されたことを警告することができる。特許文献1では、この警告を、警報ブザーと警報ランプにより行うようにしている。
【0003】
一般的な警報装置としては、特許文献2では、車両用盗難警報装置が開示されている。この警報装置でも警報は、ホーン、或いはライトを点灯することにより行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−336936号公報
【特許文献2】特開平8−305984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1では、走行中にドアがアンロック状態になると、ブザーが鳴動するとともに、警告ランプが点灯するようになっている。しかしながら、近年は、車両に種々の警告装置が搭載されていることが多く、走行中に、単にブザーを鳴らしたり、警告ランプを点灯しても、その警告が、何に関する警告であるのかが、運転者に伝わりにくい問題がある。又、特許文献2においても何らかの警報を行う際には、ホーン或いはライト等を点灯するが、この警報方法を、前記ドアロック開錠警告装置に採用しても、その警告が、何に関する警告であるのかが、運転者に伝わりにくい問題がある。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決して、走行中に、ドアがアンロック状態になったとき、運転者にドアがアンロック状態であることを明示することができるドアロック開錠警告装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1の発明は、車両のドアをロックするドアロック手段と、前記車両が走行中であるか否かを検出する走行検出手段と、前記ドアロック手段がロック状態かアンロック状態かを検出するロック状態検出手段と、車両において、運転者に対して視認可能な部位に設けられた画像表示手段と、前記走行検出手段により走行中であることが検出され、かつ、前記ロック状態検出手段がドアのアンロック状態を検出したとき、前記画像表示手段により、前記ドアのアンロック状態を画像表示して警告させる制御手段を備えることを特徴とするドアロック開錠警告装置を要旨としている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1において、音声入力手段と、前記音声入力手段により入力された音声認識を行う音声認識手段を備え、前記制御手段は、前記音声認識手段により認識した音声がドアロック指令のとき、ドアロック指令に基づいて前記ドアロック手段を制御して前記アンロック状態のドアを再ロックすることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、
音声出力手段を備え、請求項1又は請求項2において、前記制御手段は、前記走行検出手段により走行中であることが検出され、かつ、前記ロック状態検出手段がドアのアンロック状態を検出したとき、前記画像表示手段により、前記ドアのアンロック状態を画像表示して警告させるとともに、前記音声出力手段により、ドアのアンロック状態を報知することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項において、前記制御手段は、前記画像表示手段により、前記ドアのアンロック状態を画像表示して警告させた後、ドアロック操作を促す旨の画像に変更して表示させることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項において、前記車両が走行中に前記運転者が触れている部位に設けられた振動付与手段を備え、前記制御手段は、前記走行検出手段により走行中であることが検出され、かつ、前記ロック状態検出手段がドアのアンロック状態を検出したとき、前記画像表示手段による、前記ドアのアンロック状態の画像表示ととともに、前記振動付与手段による振動を発生させることにより、前記ドアのアンロック状態を画像表示して警告させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、車両走行中にドアがアンロック状態になると、画像表示手段により、ドアのアンロック状態を画像表示するため、車両走行中に運転者に対してドアがアンロック状態であることを明示することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、アンロック状態であることを認識した運転者が音声入力手段により、ドアロック指令の音声入力を行うと、音声認識手段がそのドアロック指令を音声認識し、その結果、制御手段は、ドアロック手段を制御してドアロックするため、車両走行中の運転の操作に支障なく、並びに運転姿勢を変えることなくドアロック指令を付与することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、画像表示手段によってドアのアンロック状態を画像表示するとともに、音声出力手段によってドアのアンロック状態を知らせるため、より効果的に、車両走行中に運転者に対してドアがアンロック状態であることを明示することができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、ドアのアンロック状態を画像表示して警告させた後、ドアロック操作を促す旨の画像に変更して表示するため、運転者によるドアロック操作を促進させることができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、画像表示手段によってドアのアンロック状態を画像表示するとともに、振動付与手段による振動によってドアのアンロック状態を運転者に知らせるため、より効果的に、車両走行中に運転者に対してドアがアンロック状態であることを明示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)は一実施形態のドアロック開錠警告装置の電気ブロック図、(b)は、車両の外観図。
【図2】ドアロック開錠警告装置の表示装置を車両のインストルメントクラスタに設けた説明図。
【図3】(a)は、ドアがアンロック状態になったことを表示した表示装置の表示画面の説明図、(b)は、ドアロック操作を促す旨の表示状態を示す表示装置の表示画面の説明図。
【図4】ドアロック開錠警告装置の制御装置が実行するドアアンロック警告制御プログラムのフローチャート。
【図5】(a)は他の実施形態のドアロック開錠警告装置の電気ブロック図、(b)は、車両の外観図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態のドアロック開錠警告装置を図1〜図4を参照して説明する。
【0019】
図1(b)に示すように、車両10の左右には一対の前ドア12及び一対の後ドア14がそれぞれ設けられている。前記各前ドア12及び各後ドア14には、各前ドア12及び各後ドア14をロック(施錠)又はアンロック(開錠)するためのドアロック装置16がそれぞれ設けられている。前記ドアロック装置16は、ドアロックアクチュエータ18により、自動でロック駆動又はアンロック駆動される。ドアロックアクチュエータ18は、例えば、図示しないモータ又はソレノイド等からなる。前記ドアロック装置16及びドアロックアクチュエータ18により、ドアロック手段が構成されている。なお、本実施形態のドアロック装置16は、車速感応型で動作するものではなく、走行するときに、乗員が予め手動でドアをロックすることを前提としている。
【0020】
前記ドアロック装置16には、ロック状態検出手段としてのドアロックスイッチ20が設けられている。ドアロックスイッチ20は、前記ドアロック装置16がロック状態、或いはアンロック状態を検出する。ドアロックスイッチ20は、例えば、ドアロック装置16がロック状態になったとき、検出作動するリミットスイッチ、光電スイッチ、或いは磁気スイッチ等で構成されている。
【0021】
なお、各ドア12,14の内側には、図示しないロックノブが操作可能に設けられており、ロックノブが手で操作されることにより、ドアロック装置16のロック又はアンロックを個別に行うことが可能である。又、前記ロックノブがアンロック状態のとき、ドアの図示しないインサイドハンドルが操作されると、ドアは開放可能である。
【0022】
車両10には、走行検出手段としての車速センサ22が設けられている。車速センサ22は、車両10のエンジン等の車両の走行を実現するための駆動源に連結された図示しないプロペラシャフト近傍や、変速機等に設けられ、前記プロペラシャフトや、変速機の回転速度に基づいて車速を検出する。走行検出手段としては、車輪の回転速度をセンサにより検出するようにしてもよく、車両10の速度、すなわち、車両10が走行しているか否かが検出できるものであれば限定されるものではない。
【0023】
ドアロックアクチュエータ18、ドアロックスイッチ20、車速センサ22は、図1(a)に示す車載の制御装置40に電気的に接続されている。前記制御装置40は制御手段に相当する。
【0024】
又、車両10の室内において、図示しないインストルメントパネルに設けられたインストルメントクラスタ23は、運転席に座る運転者からよく見える位置に配置されている。インストルメントクラスタ23には、図2に示すように、車速センサ22が検出した車速を示すスピードメータ24、エンジン回転数を示すタコメータ26、エンジンの冷却水温を示す水温メータ28等のコンビネーションメータ等が配置されている。図2では、説明の便宜上、スピードメータ24,タコメータ26,水温メータ28が代表的に図示されている。これらの各メータは、前記制御装置40に電気的に接続されているが、本発明とは直接関係しないため、図1(a)では省略されている。
【0025】
又、図2に示すように、インストルメントクラスタ23には、画像表示手段としての表示装置30が設けられている。表示装置30は、例えば、カラー画像が表示可能に液晶表示装置からなるが、限定されるものではなく、白黒の液晶表示装置や、或いは、有機ELディスプレイ、ブラウン管等であってもよい。表示装置30は、前記制御装置40に電気的に接続されている。又、車室内において、前記インストルメントパネルには、音声出力手段としてのスピーカ34及び音声入力手段としてのマイク36が装着されている。スピーカ34は、前記制御装置40に電気的に接続されている。又、マイク36は、音声認識手段としての音声認識装置38を介して前記制御装置40に電気的に接続されている。
【0026】
前記制御装置40は、コンピュータからなり、図示しないROM、RAMを有する。前記図示しないROMにはドアアンロック警告制御プログラムが格納されている。
本実施形態では、前記制御装置40、ドアロック装置16、ドアロックアクチュエータ18、ドアロックスイッチ20、車速センサ22、表示装置30、スピーカ34、マイク36、及び音声認識装置38によりドアロック開錠警告装置が構成されている。
【0027】
(実施形態の作用)
次に、上記のように構成されたドアロック開錠警告装置の作用を図2〜図4を参照して説明する。
【0028】
なお、説明の便宜上、各前ドア12及び各後ドア14は、予めドアロック装置16を手動で操作することによりロック状態になっているものとする。又、以下では、説明の便宜上、単にドアというときは、前ドア12及び後ドア14を含むものとする。
【0029】
図2に示すように、制御装置40は、図示しないイグニッシヨンキーが、アクセサリ(ACC)位置から、スタート位置へ、さらにオン位置に位置したときに、ドアアンロック警告制御プログラムを実行する。
【0030】
S10では、前記制御装置40は、車速センサ22の車速検出に基づいて車両10が走行中であるか否かを判定する。
S10で制御装置40は、走行中であると判定すると、S20において、ドアロックスイッチ20の検出に基づいてドアがロック状態かアンロック状態かを判定する。
【0031】
S20において、制御装置40は、ドアがロック状態であると判定したときは、S10に戻る。
S20において、制御装置40は、ドアがアンロック状態であると判定したときは、制御装置40は、S30に移行して、図3(a)に示すように表示装置30の表示画面32に、「INFORMATION」等の情報報知語句又は情報報知文、「ドアロックが解除されました。」等の開錠報知文言表示、並びにインサイドハンドル42、ロックノブ44の画像を表示させる。合わせて、制御装置40は、図示しない音声合成部で生成した音声で、「ドアロックが解除されました。」等の開錠報知の文言をスピーカ34により出力する。
【0032】
この制御装置40による表示装置30での前記表示を所定時間、例えば、数秒〜数十秒間継続するとともに、前記スピーカで音声出力を同じ時間行う。
この処理を行った後、制御装置40は、S40に移行し、図3(b)に示すように表示装置30の表示画面32に、ドアのロック操作を促す文言、例えば、「ドアをロックしますか?」の文言を表示する。合わせて、制御装置40は、表示装置30の表示画面32に「はい」、「いいえ」を表示する。この「はい」及び「いいえ」は、後の音声入力の文言である。「はい」は、ドアロックの操作を許容指令、すなわちドアロック指令となる。又、「いいえ」は、ドアロックの操作を許容しない指令となる。このように、「はい」及び「いいえ」の表示は、運転者に発声させることを促す表示となっている。このS40での表示を以下では、警告表示という。
【0033】
又、合わせて、制御装置40は、図示しない音声合成部で生成した音声で、「音声入力で、画面上の『はい』、又は『いいえ』でお答え下さい。」の旨をスピーカ34により出力する。
【0034】
この後、制御装置40は、S50で、前記警告表示してからの待ち時間(数秒から数十秒間)中に音声入力があったか否かを判定する。前記待ち時間中に、音声入力がない場合は、制御装置40は、S30に戻る。
【0035】
待ち時間中に音声入力があった場合、制御装置40は、S60に移行し、その音声入力によって、再ドアロックがあったか否かを判定する。
運転者から音声入力がマイク36を介してあった場合、音声認識装置38は、入力された音声が「はい」、又は「いいえ」のいずれかを認識した場合、その認識結果を制御装置40に入力する。
【0036】
制御装置40は、その認識結果が「はい」の場合は、ドアロック指令と解釈して、ドアロックアクチュエータ18を駆動してドアロック装置16をロック状態にする。このロック状態となったことをドアロックスイッチ20が検出したことに基づいて、制御装置40は、S60において、再ドアロックしたかの判定を「YES」とする。この場合は、制御装置40は、S70に移行する。
【0037】
又、制御装置40は、その認識結果が、「いいえ」の場合は、再ドアロックがされないため、S10に戻る。なお、「はい」、「いいえ」以外の音声認識がされた場合、音声認識装置38は、制御装置40に、その旨の信号を出力する。制御装置40は、この場合は、「いいえ」の場合と同様にS10に戻る。
【0038】
S70に移行した場合、制御装置40は、表示装置30のS40のドアロック喚起の表示を解除して、S10に戻る。
又、S10において、走行中でない場合と制御装置40が判定した場合には、S80において、制御装置40は、表示装置30によりS40の警告表示を行っているか否かを判定する。このS80の判定は、例えば、S30,S40での表示が走行中に行われた場合であっても、後に、車両10が停止した場合は、S40での警告表示が継続して行われている場合があるからである。S80において、警告表示がされている場合には、制御装置40は、S70に移行して、警告表示を解除する。
【0039】
S80において、警告中でない場合は、制御装置40は、S10に戻る。
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1) 本実施形態のドアロック開錠警告装置は、車両10のドアをロックするドアロック装置16及びドアロックアクチュエータ18(ドアロック手段)と、車両10が走行中であるか否かを検出する車速センサ22(走行検出手段)を備えている。
【0040】
又、ドアロック開錠警告装置はドアロック装置16及びドアロックアクチュエータ18(ドアロック手段)がロック状態かアンロック状態かを検出するドアロックスイッチ20(ロック状態検出手段)と、運転者に対して視認可能な部位に設けられた表示装置30(画像表示手段)を備える。さらに、ドアロック開錠警告装置は、車速センサ22により走行中であることが検出され、かつ、ドアロックスイッチ20がドアのアンロック状態を検出したとき、表示装置30により、ドアのアンロック状態を画像表示して警告させる制御装置40(制御手段)を備える。この結果、本実施形態のドアロック開錠警告装置によれば、車両走行中にドアがアンロック状態になると、表示装置30により、ドアのアンロック状態を画像表示するため、車両走行中に運転者に対してドアがアンロック状態であることを明示することができる。
【0041】
(2) 本実施形態のドアロック開錠警告装置は、マイク36(音声入力手段)と、マイク36により入力された音声認識を行う音声認識装置38(音声認識手段)を備える。そして、制御装置40は、音声認識装置38により認識した音声がドアロック指令のとき、ドアロック指令に基づいてドアロック装置16及びドアロックアクチュエータ18(ドアロック手段)を制御してアンロック状態のドアを再ロックする。この結果、本実施形態のドアロック開錠警告装置によれば、アンロック状態であることを認識した運転者がマイク36により、ドアロック指令の音声入力を行うと、音声認識装置38がそのドアロック指令を音声認識し、制御装置40は、ドアロック装置16及びドアロックアクチュエータ18を制御してドアロックする。このため、車両走行中の運転の操作に支障なく、並びに運転姿勢を変えることなくドアロック指令を付与することができる。
【0042】
(3) 本実施形態のドアロック開錠警告装置は、スピーカ34(音声出力手段)を備え、制御装置40は、車速センサ22により走行中であることが検出され、かつ、ドアロックスイッチ20がドアのアンロック状態を検出したとき、表示装置30により、ドアのアンロック状態を画像表示して警告させるとともに、スピーカ34により、ドアのアンロック状態を報知する。この結果、本実施形態のドアロック開錠警告装置は、表示装置30によってドアのアンロック状態を画像表示するとともに、スピーカ34によってドアのアンロック状態を知らせるため、より効果的に、車両走行中に運転者に対してドアがアンロック状態であることを明示することができる。
【0043】
(4) 本実施形態のドアロック開錠警告装置は、制御装置40は、表示装置30により、図3(a)に示すようにドアのアンロック状態を画像表示して警告させた後、図3(b)に示すようにドアロック操作を促す旨の画像に変更して表示させるため、運転者によるドアロック操作を促進させることができる。
【0044】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図5(a)、(b)を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付して、異なる構成を中心にして説明する。
【0045】
本実施形態では、第1実施形態の構成に、さらに、振動付与手段としてのバイブレータ50が、車両10のハンドルHに設けられている。ハンドルHは、運転者が走行中に触れる部位である。
【0046】
制御装置40は、第1実施形態で説明した図4に示すドアアンロック警告制御プログラムが実行されるS30での処理が一部異なっている。すなわち、本実施形態では、S30において、制御装置40が図示しない音声合成部で生成した音声で「ドアロックが解除されました。」等の開錠報知の文言をスピーカ34により出力する際、さらに、制御装置40はバイブレータ50に振動を発生させる。この振動発生により、運転者にドアロックが開錠されたことを、スピーカ34による音声出力、表示装置30による画像表示、並びに、運転者への振動付与によって報知することができる。
【0047】
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(5) 本実施形態のドアロック開錠警告装置は、本実施形態のドアロック開錠警告装置によれば、表示装置30によってドアのアンロック状態を画像表示し、スピーカ34によってドアのアンロック状態を知らせるとともに、バイブレータ50(振動付与手段)による振動によってドアのアンロック状態を運転者に知らせるため、より効果的に、車両走行中に運転者に対してドアがアンロック状態であることを明示することができる。
【0048】
なお、本発明の実施形態は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更しても良い。
・ 前記実施形態では、ドアアンロック警告制御プログラムは、車両が内燃機関を駆動源としていることを前提としている。車両が、ハイブリッドカー、或いは電気自動車の場合は、イグニッションキーの代わりに、走行可能な状態にするスタートボタンが押されたときに、前記プログラムを実行するようにすればよい。
【0049】
・ 前記ドアロックの操作を許容指令、或いは許容しない指令として「はい」、「いいえ」としたが、「はい」、「いいえ」に限定されるものではなく、他の用語であってもよい。例えば、「イエス」の肯定語句、「ノー」の否定語句であってもよい。
【0050】
・ 第2実施形態では、振動付与手段をハンドルに設けたが、運転者が座る座席(図示しない)に設けてもよい。
・ 第2実施形態のS30の処理において、音声出力を省略し、表示装置30の表示による報知とバイブレータ50の振動付与による報知の組み合わせで行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10…車両、12…前ドア、14…後ドア、16…ドアロック装置、
18…ドアロックアクチュエータ(ドアロック装置16とともにドアロック手段を構成する)、20…ドアロックスイッチ(ロック状態検出手段)、
22…車速センサ(走行検出手段)、30…表示装置(画像表示手段)、
34…スピーカ(音声出力手段)、36…マイク(音声入力手段)、
38…音声認識装置(音声認識手段)、40…前記制御装置(制御手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドアをロックするドアロック手段と、
前記車両が走行中であるか否かを検出する走行検出手段と、
前記ドアロック手段がロック状態かアンロック状態かを検出するロック状態検出手段と、
車両において、運転者に対して視認可能な部位に設けられた画像表示手段と、
前記走行検出手段により走行中であることが検出され、かつ、前記ロック状態検出手段がドアのアンロック状態を検出したとき、前記画像表示手段により、前記ドアのアンロック状態を画像表示して警告させる制御手段を備えることを特徴とするドアロック開錠警告装置。
【請求項2】
音声入力手段と、
前記音声入力手段により入力された音声認識を行う音声認識手段を備え、
前記制御手段は、前記音声認識手段により認識した音声がドアロック指令のとき、ドアロック指令に基づいて前記ドアロック手段を制御して前記アンロック状態のドアを再ロックすることを特徴とする請求項1に記載のドアロック開錠警告装置。
【請求項3】
音声出力手段を備え、
前記制御手段は、前記走行検出手段により走行中であることが検出され、かつ、前記ロック状態検出手段がドアのアンロック状態を検出したとき、前記画像表示手段により、前記ドアのアンロック状態を画像表示して警告させるとともに、前記音声出力手段により、ドアのアンロック状態を報知することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のドアロック開錠警告装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記画像表示手段により、前記ドアのアンロック状態を画像表示して警告させた後、ドアロック操作を促す旨の画像に変更して表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載のドアロック開錠警告装置。
【請求項5】
前記車両が走行中に前記運転者が触れている部位に設けられた振動付与手段を備え、
前記制御手段は、前記走行検出手段により走行中であることが検出され、かつ、前記ロック状態検出手段がドアのアンロック状態を検出したとき、前記画像表示手段による、前記ドアのアンロック状態の画像表示ととともに、前記振動付与手段による振動を発生させることにより、前記ドアのアンロック状態を画像表示して警告させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のドアロック開錠警告装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−132285(P2012−132285A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287466(P2010−287466)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【Fターム(参考)】