説明

ドア板

【課題】表面が曲面を成しながら、製造が容易なドア板を提供する。
【解決手段】芯板11が、正面矩形状で、両側の側縁部から内側にかけて厚くなる横断面形状を有し、各側縁部11c,11dに縦方向に伸びる芯板側保持溝11eを有する。1対の表層板12が、芯板11の両面を覆い、芯板11の各側縁部11c,11dより外側に延びる側端部12b,12cを有する。1対の縁材14が細長い板状であって芯板11の各側縁部11c,11dに沿って伸び、一方の側縁部14aに縦方向に伸びる挿入溝14bを有する。各縁材14は、挿入溝14bの底部に縁材側保持溝14cを有し、挿入溝14bに各表層板12の側端部12b,12cを挿入させている。1対の結合部材13が、芯板側保持溝11eおよび縁板側保持溝14cに嵌合され、芯板11と各縁材14とを結合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のドア板として、表面が曲面から成る1対の表層板を、両面が平坦の内層板の両面に貼り付け、1対の縁材により各板の縦縁部を結合した木製のドア板がある(例えば、特許文献1参照)。このドア板は、縦縁の2辺のみの補強で、反りを生じにくくなっている。
【0003】
【特許文献1】特許第4044456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のドア板は、表面が曲面を成しているため、美観に優れ、見た目が良い。しかしながら、木製の各表層材の表面を曲面形状に加工するのが困難であるという課題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、表面が曲面を成しながら、製造が容易なドア板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るドア板は、芯板と1対の表層板と1対の縁材と1対の結合部材とを有し、前記芯板は正面が矩形状で、両側の側縁部から内側にかけて厚くなる横断面形状を有し、各側縁部に縦方向に伸びる芯板側保持溝を有し、各表層板は前記芯板の両面を覆い、前記芯板の各側縁部より外側に延びる側端部を有し、各縁材は細長い板状であって前記芯板の各側縁部に沿って伸び、一方の側縁部に縦方向に伸びる挿入溝を有し、前記挿入溝の底部に縁材側保持溝を有し、前記挿入溝に各表層板の側端部を挿入させており、各結合部材は前記芯板側保持溝および前記縁板側保持溝に嵌合され、前記芯板と各縁材とを結合していることを、特徴とする。
【0007】
本発明に係るドア板は、1対の表層板で芯板の両面を覆って構成されるため、両面が曲面を成すドア板でありながら、容易に製造することができる。各縁材が芯板の各側縁部に沿って伸び、一方の側縁部の挿入溝に各表層板の側端部を挿入させているので、外観上、1枚の板材から成るように製造することができる。
本発明に係るドア板は、縁材に蝶番等を取り付けて開戸としてあるいは引戸として使用することができる。
【0008】
本発明に係るドア板は、各表層板の側端部を各縁材の挿入溝に挿入した状態で結合部材が芯板と各縁材とを結合しているため、各表層板の側端部が各縁材の挿入溝から外れるのを防止するとともに、各縁材が芯板から外れるのを防止することができる。
【0009】
各挿入溝は前記芯板の各側縁部の位置の各表層板を含む厚さより幅が狭く、各表層板は矩形の平板状で可撓性を有し、各側端部を撓ませて各縁材の前記挿入溝と弾力的に係合していることが好ましい。
この場合、各表層板は各側端部で各縁材の挿入溝と弾力的に係合しているので、表層板と縁材とが密着し、各表層板と各縁材との一体性を高めることができ、また、各縁材が芯板から外れるのをより防止することができる。
【0010】
前記芯板は柔軟性を有し、各挿入溝と係合する各表層板により圧縮されて各芯板側保持溝を狭め、各結合部材を保持していることが好ましい。
この場合、各表層板により圧縮されて各芯板側保持溝が狭められているので、各結合部材と芯板とが強く結合され、結合部材が芯材から外れにくくなっている。
前記芯板は遮音性および断熱性を有する発泡樹脂から成ることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表面が曲面を成しながら、製造が容易なドア板を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1および図2は、本発明の実施の形態のドア板を示している。
図1および図2に示すように、ドア板10は、芯板11と1対の表層板12と1対の結合部材13と1対の縁材14とを有している。
【0013】
図1に示すように、芯板11は、正面が矩形状で、柔軟性、遮音性および断熱性を有する発泡樹脂から成っており、加工が容易である。芯板11は、両側の側縁部11c,11dから内側にかけて徐々に厚くなる横断面形状を有している。芯板11は、両面11a,11bの縦方向中心線上に峰部を形成し、その中心線を対称軸として対称の滑らかな曲面を有している。芯板11は、側縁部11c,11dに、芯板11の縦方向に沿って一端から他端まで伸びる芯板側保持溝11eを有している。
【0014】
図1および図2に示すように、各表層板12は、矩形の平板状で可撓性を有する木製の薄い板から成る。各表層板12は、芯板11と縦の長さが同じで、横の長さが大きくなっている。各表層板12は、それぞれ一方の面12aで芯板11の両面11a,11bに貼り合わされている。各表層板12は、芯板11の両面11a,11bを覆っており、縦方向に伸びる側端部12b,12cが、それぞれ芯板11の側縁部11c,11dより外側に延び、突出している。
【0015】
図1に示すように、各結合部材13は、細長い矩形状の木製の薄い板から成っている。各結合部材13は、芯板11および各表層板12と同じ縦の長さを有している。各結合部材13は、芯板側保持溝11eの幅とほぼ同じ厚さかやや厚く、一方の側部13aが各芯板側保持溝11eに嵌合され、接着剤で固定されている。各結合部材13の他方の側部13bは、各表層板12の側端部12b,12cの間で、各表層板12の側端部12b,12cより外側に突出している。
【0016】
図1および図2に示すように、各縁材14は、細長い木製の板材から成っている。各縁材14は、芯板11、各表層板12および各結合部材13と同じ長さを有し、芯板11の縦中心線の位置の各表層板12を含む厚さとほぼ同じ厚さを有している。各縁材14は、一方の側縁部14aに、縦方向に伸びて上端および下端が開いた挿入溝14bを有している。挿入溝14bは、芯板11の各側縁部14aの位置の各表層板12を含む厚さより幅が狭くなっている。各縁材14は、挿入溝14bの底部の縦中心線上に、縦方向に伸びて上端および下端が開いた縁板側保持溝14cを有している。縁板側保持溝14cは、芯板側保持溝11eと同じ幅を有し、各結合部材13を嵌合可能となっている。各縁材14は、縦方向に沿った4つの隅部が面取りされて、滑らかな曲面状に加工されている。
【0017】
各縁材14は、それぞれ挿入溝14bを向かい合わせた状態で配置され、芯板11の各側縁部11c,11dに沿って伸びている。各縁材14は、各表層板12の側端部12b,12cを各挿入溝14bに挿入させている。このとき、各表層板12は、各側端部12b,12cを撓ませて各縁材14の挿入溝14bと弾力的に係合している。芯板11は、各挿入溝14bと係合する各表層板12により圧縮されて各芯板側保持溝11eを狭め、各結合部材13の一方の側部13aを保持している。結合部材13は、他方の側部13bが縁板側保持溝14cに嵌合され、接着剤で固定されている。こうして、各結合部材13により、芯板11と各縁材14とが結合されている。
【0018】
次に、作用について説明する。
ドア板10は、両面が平坦で可撓性を有する1対の表層板12を、曲面から成る芯板11の両面11a,11bにそれぞれ貼り付けることにより、表面が曲面を成している。ドア板10は、1対の表層板12で芯板11の両面を覆って構成されるため、両面が曲面を成すドア板でありながら、容易に製造することができる。また、芯板11が木材より加工が容易な発泡樹脂から成っているため、製造が容易である。
【0019】
ドア板10は、各縁材14が芯板11の各側縁部11c,11dに沿って伸び、一方の側縁部14aの挿入溝14bに各表層板12の側端部12b,12cを挿入させているので、外観上、1枚の板材から成るように製造することができる。ドア板10は、各表層板12の側端部12b,12cを各縁材14の挿入溝14bに挿入した状態で結合部材13が芯板11と各縁材14とを結合しているため、各表層板12の側端部12b,12cが各縁材14の挿入溝14bから外れて元の形状に戻るのを防止するとともに、各縁材14が芯板11から外れるのを防止することができる。
また、各表層板12は各側端部12b,12cで各縁材12の挿入溝14bと弾力的に係合しているので、表層板12と縁材14とが密着し、各表層板12と各縁材14との一体性を高めることができ、また、各縁材14が芯板11から外れるのをより防止することができる。
【0020】
結合部材13は板から成り、芯板側保持溝11eおよび縁板側保持溝14cとの接触面積が大きく、摩擦力も大きいため、芯板11と各縁材14とを強固に結合することができる。特に、各表層板12により圧縮されて各芯板側保持溝11eは狭められているので、各結合部材13と芯板11とが強く結合され、結合部材13は芯材11から外れにくくなっている。
【0021】
ドア板10は、縁材14に蝶番等を取り付けて開戸としてあるいは引戸として使用することができる。ドア板10は、芯板11により、優れた遮音性と断熱性を有している。
ドア板10は、芯材11および各縁材14から結合部材13を外せば、容易に各部材に分解して、再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態のドア板を示す(a)分解平面図、(b)平面図である。
【図2】図1に示すドア板の正面図である。
【符号の説明】
【0023】
10 ドア板
11 芯板
12 表層板
13 結合部材
14 縁材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯板と1対の表層板と1対の縁材と1対の結合部材とを有し、
前記芯板は正面が矩形状で、両側の側縁部から内側にかけて厚くなる横断面形状を有し、各側縁部に縦方向に伸びる芯板側保持溝を有し、
各表層板は前記芯板の両面を覆い、前記芯板の各側縁部より外側に延びる側端部を有し、
各縁材は細長い板状であって前記芯板の各側縁部に沿って伸び、一方の側縁部に縦方向に伸びる挿入溝を有し、前記挿入溝の底部に縁材側保持溝を有し、前記挿入溝に各表層板の側端部を挿入させており、
各結合部材は前記芯板側保持溝および前記縁板側保持溝に嵌合され、前記芯板と各縁材とを結合していることを、
特徴とするドア板。
【請求項2】
各挿入溝は前記芯板の各側縁部の位置の各表層板を含む厚さより幅が狭く、各表層板は矩形の平板状で可撓性を有し、各側端部を撓ませて各縁材の前記挿入溝と弾力的に係合していることを、特徴とする請求項1記載のドア板。
【請求項3】
前記芯板は柔軟性を有し、各挿入溝と係合する各表層板により圧縮されて各芯板側保持溝を狭め、各結合部材を保持していることを、特徴とする請求項2記載のドア板。
【請求項4】
前記芯板は遮音性および断熱性を有する発泡樹脂から成ることを、特徴とする請求項3記載のドア板。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−196287(P2010−196287A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40031(P2009−40031)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(308031887)フォースワンホールディングス株式会社 (8)
【Fターム(参考)】