説明

ドア用隙間閉塞装置

【課題】ドアと床面との隙間が一定でなくとも、ドアを閉じたときにその隙間を確実に閉塞することができるドア用隙間開閉装置を提供することにある。
【解決手段】移動軸16には係合ピン25が設けられ、連動部材22には係合ピンが当接する傾斜面24aを有するとともに係合ピンが傾斜面から離れる方向に移動可能な幅寸法を有する開口部24が形成されている。閉塞部材27は、係合ピンが連動部材の傾斜面の下端から上端に移動する範囲で下降可能であり、係合ピンが傾斜面の中途部に当接した下降位置で閉塞部材がドアの下端と床面との隙間を閉塞した状態では、移動軸は係合ピンが傾斜面から離れる方向にばね21の付勢力に抗して軸方向に移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はドアを閉じたときに、ドアの下端と床面との間の隙間を閉塞するドア用隙間閉塞装置に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅などの部屋と部屋とを隔別する壁面にはドアの取り付け枠が設けられ、この取り付け枠にはドアが開閉可能に取り付けられている。すなわち、ドアの幅方向一側面にはヒンジの一端が連結され、このヒンジの他端を上記取り付け枠に連結することで、上記取り付け枠に上記ドアが開閉可能に設けられている。
【0003】
取り付け枠にドアを開閉可能に設けると、構造上、ドアの下端と床面との間に隙間が生じることが避けられない。そのため、冬季は隙間風が入り込んだり、暖気が外部に逃げるということがある。また、夏季は冷房した空気が外部に逃げたり、外部の暖かな空気が入り込むなどのことがあり、冷暖房効率の低下を招く。そればかりか、ドアと床面との隙間から室内の音や光が外部に漏れるということもあり、その点でも好ましくない。
【0004】
そこで、ドアの下端に、ドアが閉じられたときにはドアの下端と床面との隙間を閉塞し、ドアを開けるときには上昇位置にあってドアの開閉の邪魔にならないよう、下端に閉塞部材を設けたドアが開発されている。このような先行技術は特許文献1に示されている。
【0005】
特許文献1には3つの構造が示されており、その1つはドアのノブに連動するノブ連動片を有し、ドアを開ける際にノブを操作するとノブ連動片が上昇し、ローラ押圧片がばねの復元力で水平方向に移動する。それによって、ドアが閉じられていたときに隙間を閉塞した閉塞部材が他のばねの復元力によって床面から上昇する。
【0006】
ドアを閉じれば、ノブ連動片によってローラ押圧片がばねの復元力に抗して水平方向に移動し、閉塞部材に設けられたローラを押圧してこの閉塞部材を下降させる。それによって、ドアの下端と床面との隙間が閉塞される。上記閉塞部材の上昇位置と下降位置は、上記ローラ押圧片に形成された段部の高さによって決定される。
【0007】
2番目の構造は、ドアの下端部には、ドアの回転中心となる一側面から摺動棒が一端部を突出させて移動可能に設けられている。ドアを閉じると、上記摺動棒が押圧されてばねの復元力に抗して移動する。
【0008】
それによって、摺動棒に一端が枢着された連結具が中途部を支点として回動し、この連結具の他端に枢支された閉塞部材が下降してドアの下端と床面との隙間を閉塞する。ドアをあければ、上記摺動棒がばねの復元力によって移動して上記連結具が逆方向に回動するから、上記閉塞部材が上昇してドアの開操作に支障をきたすことがないようになっている。上記閉塞部材の上昇位置と下降位置は、摺動棒の移動量と、その移動量に応じた上記連結具の回動角度によって決定される。
【0009】
3番目の構造は、ドアの下端部にはドアの開閉に応じて移動する摺動片が設けられている。この摺動片はばねによって一端部がドアの回動中心となる幅方向一端から突出している。摺動片にはピンが設けられ、このピンは閉塞部材に連結された支持片に形成された傾斜溝に係合している。
【0010】
それによって、ドアを閉じて摺動片がばねの復元力に抗してドアの幅方向に移動すると、上記ピンが上記傾斜溝の下端から上端へ移動するから、閉塞部材が下降してドアの下端と床面との隙間を閉塞する。
【0011】
ドアをあけて摺動部材がばねの復元力によって移動すると、上記ピンが上記傾斜溝の上端から下端へ移動するから、上記閉塞部材が上昇してドアの開操作の邪魔にならないようになっている。上記閉塞部材の上昇位置と下降位置は、摺動部材の移動量と、傾斜溝の傾斜角度によって決定される。
【特許文献1】実開昭63−76194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1に記載された3つの構造によると、いずれの構造であっても、閉塞部材の上昇位置と下降位置の高さは一定に設定されている。たとえば、第1の構造では、ノブの操作に水平方向に移動するローラ押圧片に形成された段部の高さによって決定される。
【0013】
第2の構造では、連動棒の水平方向の移動量と、その移動量に応じて回動する連結具の回動角度によって閉塞部材の上昇位置と下降位置とが決定される。
第3の構造では、摺動片の水平方向の移動量と、その移動量に応じて摺動片に設けられたピンが摺動する支持片に形成された傾斜溝の傾斜角度によって決定される。
【0014】
したがって、特許文献1に示された3つの構造は、いずれの場合であっても、ドアの下端と床面との隙間に応じて閉塞部材の上下方向の移動量が設定されることになるから、実際の隙間が設定された隙間よりも大きな場合にはドアを閉じても隙間が閉塞されないということがあったり、小さな場合にはドアを全閉する前に閉塞部材が床面に強く当たり、その状態で閉塞部材が上昇不能な状態となるから、ドアを確実に閉めることができないなどのことが生じる。
【0015】
そのため、ドアの下端と床面の隙間が異なる場合には、ドアの開閉にともなって閉塞部材がその隙間に応じた距離で移動するよう設計し直さなければならないということになるから、汎用性に乏しく、使い勝手が悪いということがある。
【0016】
この発明は、ドアの下端と床面との隙間が異なったり、ばらつきがあったりしても、ドアの開閉に応じてその隙間を閉塞部材によって確実に閉塞することができるようにしたドア用隙間閉塞装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明は、ドアの幅方向一側が取り付け枠に蝶番によって回動可能に連結され、このドアを閉じたときにドアの下端と床面との隙間を閉塞するドア用隙間閉塞装置であって、
上記ドアの下端部に幅方向に沿って移動可能に設けられた移動軸と、
この移動軸を一端部が上記ドアの上記蝶番によって上記取り付け枠に連結された幅方向一側面から突出する方向に弾性的に付勢したばねと、
上記移動軸に上下方向に移動可能に設けられた連動部材と、
この連動部材の下端に取り付けられ上記ドアを閉じて上記移動軸が一端部を上記取り付け枠の内面に押圧されて上記ばねの付勢力に抗して軸方向に移動すると、上記連動部材とともに下降して上記ドアの下端と床面との隙間を閉塞する閉塞部材とを具備し、
上記移動軸には係合ピンが設けられ、上記連動部材には上記係合ピンが当接する傾斜面を有するとともに上記係合ピンが傾斜面から離れる方向に移動可能な幅方寸法を有する開口部が形成されていて、
上記閉塞部材は、上記係合ピンが上記連動部材の傾斜面の下端から上端に移動する範囲で下降可能であり、上記係合ピンが上記傾斜面の中途部に当接した下降位置で上記閉塞部材が上記ドアの下端と床面との隙間を閉塞した状態では、上記係合ピンが上記傾斜面から離れる方向に上記移動軸が上記ばねの付勢力に抗して軸方向に移動可能であることを特徴とするドア用隙間閉塞装置にある。
【0018】
上記ドアの下端部には収納溝が形成され、この収納溝には下面が開放したケースが幅方向全長にわたって設けられ、
上記ケース内には、上記移動軸の少なくとも軸方向の一端部と他端部とをそれぞれ移動可能に支持した軸受体が設けられ、軸方向一端に位置する軸受体には上記移動軸の一端部が上記ドアの幅方向一側面から突出する方向に付勢する上記ばねを収容する収容部が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、ドアが全閉になる前に閉塞部材が床面に当たっても、さらにドアを閉じることで移動軸が軸方向に移動できる構造であるから、ドアの下端と床面との隙間が異なる場合であっても、その隙間を閉塞部材によって確実に閉塞することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1はドア1の取り付け構造を示しており、このドア1は家屋の壁面2に形成された開口部3に嵌め込まれた取り付け枠4に幅方向一端が上下一対の蝶番5によって取り付けられている。上記ドア1にはノブ6が設けられ、このノブ6によって上記ドア1を開閉できるようになっている。
【0021】
図2ないし図4に示すように、上記ドア1の下端部には、その下端面及び幅方向両側面に開放した収納溝7が幅方向全長にわたって形成されている。この収納溝7にはドア用隙間閉塞装置8が設けられている。
【0022】
上記ドア用隙間閉塞装置8はケース11を有する。このケース11は下端面が開放した箱型状に形成されているとともに、下端の幅方向両側には外方に向かってフランジ13が折曲形成されている。そして、ケース11は上記ドア1の収納溝7に装着され、上記フランジ13が上記ドア1の下端面にねじ止め固定されている。
【0023】
図2に示すように、上記ケース11の長手方向両端部及び中途部にはそれぞれ合成樹脂などによって矩形板状に形成された軸受体14が上記ケース11にねじなどによって一体的に固定されている。これら軸受体14には軸受孔15(図4に1つの軸受体14だけを示す)が形成され、これらの軸受孔15には移動軸16が移動可能に支持されている。つまり、移動軸16はドア1の幅方向に沿って移動可能となっている。
【0024】
図4に示すように、3つの軸受体14のうち、上記ドア1の取り付け枠4に蝶番5によって回動可能に連結された、ドア1の回転中心となる幅方向一端側に位置する軸受体14には上記軸受孔15に連通する収容部17が形成されている。上記移動軸16の一端部は上記収容部17を通って上記ケース11の長手方向一端面に形成された通孔18から外部に突出している。
【0025】
なお、移動軸16を3つの軸受体14によって移動可能に支持したが、一対の軸受体14によって軸方向の両端部だけを移動可能に支持するようにしてもよい。
【0026】
上記移動軸16の上記収容部17内に位置する一端部には、この移動軸16と一体的に鍔19が設けられている。この鍔19と収容部17の一端面との間にばね21が圧縮状態で装着されている。それによって、上記移動軸16は上記ばね21の復元力によって軸方向の一端部が上記ケース11の通孔18から外部へ突出する方向に弾性的に付勢されている。
【0027】
上記ケース11内の、上記移動軸16の軸方向両端部に対応する位置には、それぞれ合成樹脂によって矩形板状に形成された連動部材22が上下方向に移動可能に収容されている。この連動部材22には、図3に示すように上記移動軸16が挿入される挿入溝23がその上面及び両側面に開放して形成されている。
【0028】
なお、一対の連動部材22は、その一端面を移動軸16の両端部を支持した一対の軸受体14の一端面に接近して設けられている。それによって、移動軸16が軸方向にずれ動くのが制限されている。
【0029】
上記連動部材22には上記挿入溝23によって分けられた2つの側壁にそれぞれ厚さ方向に貫通した開口部24が形成されている。この開口部24は四角形状、この実施の形態では台形状に形成されていて、その4つの内面のうちの1つが傾斜面24aに形成されている。上記移動軸16の上記一対の連動部材22の挿入溝23に挿入された両端部にはそれぞれ周方向に180度ずれた位置に一対の係合ピン25が突設されている。一対の係合ピン25は上記連動部材22の左右一対の開口部24内に位置している。
【0030】
一対の連動部材22は図2に示すようにそれらの傾斜面24aを同方向に向けて上記移動軸16に装着されている。図3と図4に示すように、これら一対の連動部材22の下端には帯板状の取り付け金具26の長手方向両端部がねじ止め固定されていて、この取り付け金具26の下端部にはゴムなどの弾性材料によって帯状に形成された閉塞部材27が装着されている。
【0031】
上記移動軸16がばね21の復元力によって一端部がケース11の一端面に形成された通孔18から突出する方向に付勢された状態では、上記係合ピン25は図5(a)と図6(a)に示すように上記開口部24の傾斜面24aの下端に当接している。
【0032】
そして、上記ドア1を閉じて上記移動軸16の上記通孔18から突出した一端部が上記取り付け枠4の内面によって押圧され、ばね21の付勢力に抗して上記ケース11内へ押し込まれる方向に移動すると、上記係合ピン25の上記傾斜面24aに対する当接位置は、その傾斜面24aの下端から上方に向かって移動する。それに応じて上記連動部材22は閉塞部材27とともにドア1の下端面から突出する方向、つまり下方へ変位する。
【0033】
つぎに、上記構成のドア用隙間閉塞装置8の動作について図5(a)〜(c)と図6(a)〜(c)を参照しながら説明する。この実施の形態では、閉塞部材27の上下方向の移動距離、つまり係合ピン25が傾斜面24aの下端から上端まで移動したときの垂直方向の移動距離を図5(a)に示すようにYとする。また、移動軸11の一端部をドア1が全閉になるまで取り付け枠4の内面によって押圧されたときの上記閉塞部材27の垂直方向の移動距離が上記寸法Yと同じになるよう設定されている。
【0034】
まず、図5(a)〜(c)の場合について説明する。このケースは、図5(a)に示すようにドア1を開いた状態において、閉塞部材27の下端(ドア1の下端面)と床面Fとの隙間が上記Yよりも小さな寸法Xの場合であって、ドア1を開いた状態では係合ピン25が傾斜面24aの下端に位置している。
【0035】
図5(a)の状態からドア1を閉じる方向に回転させると、移動軸16の端部が取り付け枠4の内面によって押圧される。それによって、移動軸16がばね21の付勢力に抗してケース11内へ入り込む方向へ移動する。
【0036】
図5(b)に示すように、ドア1が全閉となる前に、係合ピン25が傾斜面24aの下端から中途部まで移動したとき、連動部材22とともに下降する閉塞部材27が床面Fに当たってドア1の下端面と床面Fとの隙間を閉塞する。
【0037】
図5(b)の状態からドア1をさらに全閉となるまで閉じると、移動軸16が取り付け枠4の内面によってさらに押圧される。そのとき、移動軸16は軸方向に移動するとともに、その移動によって係合ピン25は傾斜面24aから離れる方向に開口部24内を移動することになる。係合ピン25が傾斜面24aから離れても、閉塞部材27はすでに床面Fに当たっているから、それ以上下方へ変位することはない。
【0038】
つまり、閉塞部材27が下方へ変位しなくても、開口部24の幅寸法に応じて移動軸16に設けられた係合ピン25が上記開口部24内で移動可能である。そのため、ドア1が全閉となる前に、上記閉塞部材27が床面Fに当たっても、さらにドア1を閉じて移動軸16が取り付け枠4の内面に押圧されれば、この移動軸16は移動するから、ドア1を全閉となるまで確実に閉じることができる。
【0039】
すなわち、閉塞部材27と床面Fとの隙間が閉塞部材27が上下方向に変位可能な寸法Yよりも小さな寸法Xであるため、ドア1が全閉となる前に閉塞部材27が床面Fに当たっても、ドア1を確実に全閉にすることができる。
【0040】
図6(a)〜(c)は、閉塞部材27(ドア1の下端面)と床面Fとの隙間が閉塞部材27の上下方向に変位可能な寸法Y、つまり傾斜面24aの高さ寸法とほぼ同じ場合であって、図6(a)はドア1が開いた状態を示している。このとき、閉塞部材27と床面Fとの隙間はYである。
【0041】
図6(a)に示す状態からドア1を閉じる方向に回動させると、移動軸16の端部が取り付け枠4の内面に当たって押圧されるから、この移動軸16がばね21の付勢力に抗して移動する。
【0042】
図6(b)はドア1が全閉になる前の状態で、その状態では移動軸16に設けられた係合ピン25は開口部24の傾斜面24aの高さ方向の中途部に当接している。したがって、連動部材22の下降寸法は閉塞部材27と床面Fとの隙間の寸法Yよりも小さいから、この状態では閉塞部材27と床面Fとの隙間はまだ閉塞されていない。
【0043】
図6(c)に示すようにドア1を全閉となるまで閉じると、上記移動軸16が取り付け枠4の内面によってさらに押圧されて移動するから、係合ピン25は傾斜面24aの中途部から上端へと移動する。
【0044】
それによって、連動部材22は上記傾斜面24aの高さ寸法(垂直方向の寸法)に応じた寸法で下方へ変位することになる。傾斜面24aの垂直方向の寸法は、ドア1を閉じる前の閉塞部材27と床面Fとの隙間の寸法Yとほぼ同じであるから、ドア1を全閉にすることで、上記閉塞部材27によってドア1の下端面側に生じた隙間を確実に閉塞することができる。
【0045】
このように、上記実施の形態のドア用隙間調整装置8によれば、閉塞部材27によって閉塞することができる、ドア1の下面側の隙間の寸法は、閉塞部材27が上昇位置から下降位置まで変位可能な移動寸法Yに応じた隙間だけに制限されず、それよりも小さな寸法の隙間であっても、確実に閉塞することができる。
【0046】
つまり、閉塞部材27の上下動に連動する連動部材22に形成された台形状の開口部24の傾斜面24aに係合ピン25を当接させている。そのため、ドア1が全閉になる前に、上記係合ピン25が上記傾斜面24aの高さ方向の中途部に係合している状態で閉塞部材27が床面Fに当たっても、さらにドア1を閉じる方向に回動させることで、移動軸16が押圧されれば、係合ピン25が開口部24内で傾斜面24aから離れる方向に移動するから、ドア1が全閉となるまで移動軸16を移動させることができる。
【0047】
したがって、ドア1の下端と床面Fとの隙間が閉塞部材27の最大下降寸法Yよりも小さな場合であっても、その隙間をドア1を全閉にして閉塞部材27により確実に閉塞することができる。
【0048】
上記構成のドア用隙間閉塞装置8は、軸受体14、ばね21、移動軸16及び閉塞部材27が取り付けられた連動部材22をケース11内に収容してユニット化している。そのため、ケース11をドア1の下端部に形成された収納溝7に装着するだけで、ドア1に組み込むことが可能である。つまり、上記ドア用隙間閉塞装置8をユニット化しているため、上記ドア1に対する組み込み作業を容易かつ迅速に行なうことができる。
【0049】
上記一実施の形態では連動部材に形成される開口部の形状を台形状としたが、傾斜面を有する形状、たとえば三角形状などであってもよく、要は係合ピンが傾斜面の中途部にあって、ドアが全閉でない状態で閉塞部材が床面に当たってから、さらにドアを閉じる方向に回転させたときに、移動軸とともに係合ピンが上記傾斜面から離れる方向に移動できる形状であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明の一実施の形態を示すドアの取り付け構造の斜視図。
【図2】ドア下端部の断面図。
【図3】ドア下端部の縦方向に沿う拡大断面図。
【図4】ケースの一端部を示す拡大断面図。
【図5】ドアの下端側の隙間が連動部材の上下方向の移動距離よりも小さいときにその隙間を閉塞部材によって閉塞するときの動作説明図。
【図6】ドアの下端側の隙間が連動部材の上下方向の移動距離とほぼ同じ寸法のときにその隙間を閉塞部材によって閉塞するときの動作説明図。
【符号の説明】
【0051】
1…ドア、4…取り付け枠、5…蝶番、11…ケース、14…軸受体、16…移動軸、21…ばね、22…連動部材、24a…傾斜面、25…係合ピン、27…閉塞部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの幅方向一側が取り付け枠に蝶番によって回動可能に連結され、このドアを閉じたときにドアの下端と床面との隙間を閉塞するドア用隙間閉塞装置であって、
上記ドアの下端部に幅方向に沿って移動可能に設けられた移動軸と、
この移動軸を一端部が上記ドアの上記蝶番によって上記取り付け枠に連結された幅方向一側面から突出する方向に弾性的に付勢したばねと、
上記移動軸に上下方向に移動可能に設けられた連動部材と、
この連動部材の下端に取り付けられ上記ドアを閉じて上記移動軸が一端部を上記取り付け枠の内面に押圧されて上記ばねの付勢力に抗して軸方向に移動すると、上記連動部材とともに下降して上記ドアの下端と床面との隙間を閉塞する閉塞部材とを具備し、
上記移動軸には係合ピンが設けられ、上記連動部材には上記係合ピンが当接する傾斜面を有するとともに上記係合ピンが傾斜面から離れる方向に移動可能な幅方寸法を有する開口部が形成されていて、
上記閉塞部材は、上記係合ピンが上記連動部材の傾斜面の下端から上端に移動する範囲で下降可能であり、上記係合ピンが上記傾斜面の中途部に当接した下降位置で上記閉塞部材が上記ドアの下端と床面との隙間を閉塞した状態では、上記係合ピンが上記傾斜面から離れる方向に上記移動軸が上記ばねの付勢力に抗して軸方向に移動可能であることを特徴とするドア用隙間閉塞装置。
【請求項2】
上記ドアの下端部には収納溝が形成され、この収納溝には下面が開放したケースが幅方向全長にわたって設けられ、
上記ケース内には、上記移動軸の少なくとも軸方向の一端部と他端部とをそれぞれ移動可能に支持した軸受体が設けられ、軸方向一端に位置する軸受体には上記移動軸の一端部が上記ドアの幅方向一側面から突出する方向に付勢する上記ばねを収容する収容部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のドア用隙間閉塞装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−16552(P2007−16552A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−201752(P2005−201752)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)
【Fターム(参考)】