ドア開放発光警告装置
【課題】汎用のドアに対して複雑な加工をする必要が無く、ドア内にワイヤハーネスを引き込んでドアに取り付けられるドア開放発光警告装置の提供を課題とする。
【解決手段】ドア開放発光警告装置1に、光源12と、ドアDR1,DR2内に引き込まれるとともに光源12へ電力を供給するためのワイヤハーネス20と、ドアDR1,DR2の車室SP1側の面DT1aに沿った基盤部40を有するとともに光源12からの光を後方向D1へ出すための光出射部52が設けられて光源12を収容するケース30とを設け、基盤部40がワイヤハーネス20を通すハーネス引出部42を有して光出射部52を後方向D1に向けた状態でドアDR1,DR2の車室SP1側に取り付けられる部位とされている。
【解決手段】ドア開放発光警告装置1に、光源12と、ドアDR1,DR2内に引き込まれるとともに光源12へ電力を供給するためのワイヤハーネス20と、ドアDR1,DR2の車室SP1側の面DT1aに沿った基盤部40を有するとともに光源12からの光を後方向D1へ出すための光出射部52が設けられて光源12を収容するケース30とを設け、基盤部40がワイヤハーネス20を通すハーネス引出部42を有して光出射部52を後方向D1に向けた状態でドアDR1,DR2の車室SP1側に取り付けられる部位とされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア内にワイヤハーネスを引き込んでドアに取り付けられるドア開放発光警告装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の回動ドアが開いていることを後方に知らせるため、回動ドアに警告用の発光装置を設けることが行われている。
特許文献1に記載の技術は、自動車用の回動ドアの後部端面に灯具を埋め込み、この灯具から出射する光を通すレンズ体を回動ドアの後部端面にねじ止めしている。
特許文献2に記載の技術は、自動車の回動ドアのアームレスト下部に対して回動可能に支持されたランプと、該ランプの回動用モータと、ドア開度の検出手段と、前記ランプの姿勢を光軸が車体と平行になるように制御する姿勢制御手段とを具備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−34663号公報
【特許文献2】特開平10−151988号公報
【特許文献3】登録実用新案第2503505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術は、自動車のスライドドアにドア開放発光警告装置を取り付けるものではない。特に、スライドドアは開閉時に車体と略平行に保たれるため、ランプが回動して照射する特許文献2に記載の後方警告灯をスライドドアに適用することができない。
また、特許文献1に記載の技術は、回動ドアの後部端面に灯具を埋め込む必要があるため、回動ドアの加工が複雑である。特許文献2に記載の技術も、回動ドアにランプを埋め込んだうえ、ドア内に回動用モータとドア開度の検出手段と姿勢制御手段と設ける必要があるため、回動ドアの加工が複雑である。
【0005】
なお、特許文献3に記載の技術は、ケース内に電池を内蔵したドア開放警告灯を自動車の回動ドアの後部端面に取り付けるものである。電池が消耗すると、ドア開放警告灯を交換する必要がある。ドア開放警告灯の交換を不要とするためには、車体の電源を用いる必要がある。
【0006】
以上を鑑み、本発明は、汎用のスライドドアに対して複雑な加工をする必要が無く、スライドドア内にワイヤハーネスを引き込んでスライドドアに取り付けられるドア開放発光警告装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、自動車のスライドドアが開いていることを後方に知らせるためのドア開放発光警告装置であって、
光源と、
前記スライドドア内に引き込まれるとともに前記光源へ電力を供給するためのワイヤハーネスと、
前記スライドドアの車室側の面に沿った基盤部を有するとともに、前記光源からの光を後方へ出すための光出射部が設けられ、前記光源を収容するケースとを備え、
前記基盤部は、前記ワイヤハーネスを通すハーネス引出部を有し、前記光出射部を後方に向けた状態で前記スライドドアの車室側に取り付けられる部位とされていることを特徴とする。
【0008】
すなわち、光出射部が後方に向いた状態で基盤部がスライドドアの車室側に取り付けられ、この基盤部のハーネス引出部から引き出されたワイヤハーネスがスライドドア内に引き込まれる。このとき、ワイヤハーネスを通す経路をスライドドアの車室側に形成するだけでワイヤハーネスがスライドドア内に引き込まれるので、スライドドアに対して複雑な加工を行う必要が無い。従って、汎用のスライドドアに対して複雑な加工をする必要が無く、容易に汎用のスライドドアに取り付けられるドア開放発光警告装置を提供することができる。
【0009】
ここで、上記スライドドアの概念には、ドアに設けられる内装材が含まれるものとする。
上記ワイヤハーネスは、スライドドア内の電源経路に接続されてもよいし、スライドドアを経由して車両本体側の電源経路に接続されてもよい。
光出射部は、開口、透明材料、等とすることができる。
上記ケースは、分離可能な複数の部材で形成されてもよいし、分離不能な単一の部材で形成されてもよい。
【0010】
上記ケースが前記基盤部となる基盤部材と前記光源の車室側を覆うカバー部とが固定されて形成される場合、前記ハーネス引出部は、前記基盤部材の縁部に繋がる穴で形成されてもよい。この場合、光源に直接又は間接的に接続したワイヤハーネスをハーネス引出部に通すことが容易である。
ここで、カバー部が光源の車室側を覆うことは、光源を完全に密閉することに限定されず、開口とされた光出射部等が設けられることが含まれる。
上記カバー部は、分離可能な複数の部材で形成されてもよいし、分離不能な単一の部材で形成されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、汎用のスライドドアに対して複雑な加工をする必要が無く、スライドドア内にワイヤハーネスを引き込んでスライドドアに取り付けられるドア開放発光警告装置を提供することができる。
請求項2に係る発明では、光源に直接又は間接的に接続したワイヤハーネスをハーネス引出部に通すことが容易であるので、容易に形成可能なドア開放発光警告装置を提供することができる。
請求項3に係る発明では、光源の保護しながら意匠を向上させたドア開放発光警告装置を提供することができる。
請求項4に係る発明では、左右どちらのスライドドアにも取り付け可能なドア開放発光警告装置を提供することができる。
請求項5に係る発明では、容易に位置決めしながらスライドドアに固定可能なドア開放発光警告装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】スライドドアDR1の車室SP1側にドア開放発光警告装置1を取り付けた自動車AU1の要部を例示する背面図である。
【図2】ドア開放発光警告装置1を取り付けたスライドドアDR1を例示する斜視図である。
【図3】ドア開放発光警告装置1を取り付けたスライドドアDR1の要部を例示する水平断面図である。
【図4】ドア開放発光警告装置1の外観を例示する斜視図である。
【図5】(a)はドア開放発光警告装置1の発光面を例示する背面図、(b)はドア開放発光警告装置1の車室SP1側を例示する側面図、(c)はドア開放発光警告装置1の車外SP2側を例示する側面図、である。
【図6】(a)は外側カバー部60の外観を例示する斜視図、(b)は内側カバー部50の外観を例示する斜視図、(c)はワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10の外観を例示する斜視図、(d)は基盤部材41の外観を例示する斜視図、である。
【図7】ドア開放発光警告装置1の電気回路を例示する回路図である。
【図8】(a)は基盤部材41の車室SP1側を例示する側面図、(b)は基盤部材41の車外SP2側を例示する側面図、である。
【図9】(a)はワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10を内側カバー部50の凹部51に収容した状態を車外SP2側から例示する側面図、(b)はワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10を収容した内側カバー部50を基盤部材41に固定した状態を車室SP1側から例示する側面図、である。
【図10】(a)は基盤部40に外側カバー部60を取り付ける様子を例示する断面図、(b)は別の切断位置において基盤部40に外側カバー部60を取り付ける様子を例示する断面図、(c)は基盤部40に外側カバー部60を取り付けた様子を例示する断面図、である。
【図11】回動ドアDR2の車室SP1側にドア開放発光警告装置1を取り付けた自動車AU2の要部を例示する背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)ドア開放発光警告装置の構成:
図1〜3は、本発明の一実施形態に係るドア開放発光警告装置1を自動車AU1のスライドドアDR1に取り付けた例を示している。図中、UPは上、DOWNは下、FRONTは前、REARは後、を表している。また、図1,2中、D2は上下方向、D3は車幅方向、を表している。
図1に示す自動車AU1は、道路上で使用されるように設計及び装備されたワンボックスタイプの乗用自動車とされている。この自動車AU1は、車両本体BD1に対してスライドドアDR1が略前後方向へスライド可能に設けられている。図1,2に示すように、スライドドアDR1が開いていることを車外SP2の後方に知らせるためのドア開放発光警告装置1がスライドドアDR1の車室SP1側に取り付けられている。ここで、ドア開放発光警告装置1を取り付けるスライドドアは、後側のドアでもよいし、前側のドアでもよいし、右側のドアでもよい。むろん、スライドドアを設ける自動車は、セダンタイプの乗用自動車等でもよい。
【0014】
スライドドアDR1は、図3に示すように、ドアパネルDP1の車室側に内装材DT1が固定され、ドアパネルDP1と内装材DT1との間に空間SP3が形成されている。ドアパネルDP1は、ドア部の車体パネルであり、鋼板といった金属等で形成される。内装材DT1は、車室SP1の側壁を形成し、樹脂材料等で形成される。ドア開放発光警告装置1は、加工の容易な内装材DT1の車室SP1側の面(車室面DT1a)に取り付けられる。図1,2に示す例ではスライドドアDR1の窓ガラス横のガーニッシュにドア開放発光警告装置1が取り付けられているが、ドアトリムの下部等にドア開放発光警告装置が取り付けられてもよい。ドア内の空間SP3は、ワイヤハーネス20等の電気経路を通すことが可能である。
【0015】
図4は、分かり易く示すため、基盤部40を鉛直面に沿った方向としてドア開放発光警告装置1の外観を例示している。実際には、スライドドアの車室面DT1aに合わせて厳密な鉛直面から傾いた向きに基盤部40が配置されることになる。図示の都合上、図5(a)〜(c)は、図4に示すドア開放発光警告装置1の上側を右側にしてドア開放発光警告装置1の外観を示している。図6(a)〜(d)は、図4に示すドア開放発光警告装置1の上側を右手前側にしてそれぞれ、外側カバー部60、内側カバー部50、ワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10、基盤部材41の外観を示している。図7は、ドア開放発光警告装置1の電気回路の一例を示している。図8(a)は、図4に示すドア開放発光警告装置1の上側を右側にして基盤部材41の車室SP1側を示している。図8(b)は、図4に示すドア開放発光警告装置1の上側を左側にして基盤部材41の車外SP2側を示している。図9(a)は、図4に示すドア開放発光警告装置1の上側を右側にしてワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10を収容した内側カバー部50の車外SP2側を示している。図9(b)は、図4に示すドア開放発光警告装置1の上側を左側にしてワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10を収容した内側カバー部50を固定した基盤部材41の車室SP1側を示している。図10(a)〜(c)は、ドア開放発光警告装置1を略水平に切断した断面図を例示している。
【0016】
ドア開放発光警告装置1は、光源12、ワイヤハーネス20、ケース30、を備えている。ワイヤハーネス20は、スライドドアDR1内に引き込まれ、光源12へ電力を供給する。ケース30は、スライドドアDR1の車室SP1側の面(車室DT1a)に沿った基盤部40を有するとともに、光出射部52が設けられている。光出射部52は、光源12からの光を後方(後方向D1)へ出す。すなわち、光出射部52からの光の出射方向は、スライドドアDR1のスライド方向に並行する方向となる。基盤部40は、ワイヤハーネス20を通すハーネス引出部42を有し、光出射部52を後方(後方向D1)に向けた状態でスライドドアDR1の車室SP1側に取り付けられる部位とされている。
【0017】
光出射部52を後方に向けた状態で基盤部40をスライドドアDR1の車室SP1側に取り付けるとき、ワイヤハーネス20を通す経路をスライドドアDR1の車室SP1側に形成するだけでワイヤハーネス20をスライドドアDR1内に引き込むことができる。従って、スライドドアDR1に対して複雑な加工を行う必要が無く、ドア開放発光警告装置を容易に汎用のスライドドアに取り付けることができる。
【0018】
ドア開放発光警告装置1は、スライドドアDR1の開閉に干渉しないように車幅方向D3に薄くされ、長手方向を上下に向けてスライドドアDR1の車室面DT1aに取り付けられている。ドア開放発光警告装置の取付位置は、ドアが開いていることを光源の発光により後方に知らせることができる位置であればよく、ドアの上部のみならず、ドアの下部、ドアの中間部、等でもよい。むろん、一つのドアに対して複数の箇所にドア開放発光警告装置が取り付けられてもよい。
【0019】
光源12は、ワイヤハーネス20から自動車AU1の電力を供給される。本実施形態の光源12には、高輝度で照射方向に指向性を有し、長寿命である砲弾型のLED(発光ダイオード)を用いている。これにより、低消費電力で遠方から十分に視認可能な明るさの光を光源12から発することができる。また、砲弾型LEDを用いることにより、ドア開放発光警告装置1の車幅方向D3を薄く形成することができる。むろん、十分な明るさが得られる限り、光源12に砲弾型以外のLEDを用いてもよいし、白熱電球、ハロゲン電球、蛍光ランプ、放電ランプ、等、LED以外の光源を用いてもよい。また、光源12の発光色には白、赤、緑、青、等、種々の色を採用することができ、同じドア開放発光警告装置1に異なる発光色の光源を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態のドア開放発光警告装置1は、4つの光源12が上下に均等な間隔で並べられている。むろん、光源の間隔は不均等でもよく、光源の数は4以外でもよく、線状の光源を用いてもよい。光源12の発光はスライドドアDR1の開閉と連動して行われ、これにより自動車AU1の後方にスライドドアDR1の開閉状態が知らされる。スライドドアDR1がどの程度開いた段階で光源12を発光させることにするかは、車種に応じて設定すればよい。
【0020】
光源12は、光源ユニット10に組み込まれている。図6(c)に示すように、光源ユニット10は、基板11に光源12等の回路が組み込まれて形成されている。光源ユニット10は、図7に例示するように、光源12と抵抗器13で形成することができる。むろん、光源ユニット10には、様々な回路を用いることができる。
【0021】
光源ユニット10に接続されたワイヤハーネス20は、基盤部40のハーネス引出部42からスライドドアDR1の方へ引き出され、スライドドアDR1の空間SP3内に引き込まれる。図5(a)に示すように、ワイヤハーネス20は、+線21と−線22とからなり、これらの線21,22の先端にコネクタ23,23が取り付けられている。図7に示す例では、スライドドアDR1内に設けられたパワーウィンドウ等のコネクタCN1の端子CN1aに+線21のコネクタ23が接続され、車両本体BD1内に設けられたカーテシスイッチSW1の端子SW1aに−線22のコネクタ23が接続される。むろん、スライドドアDR1内の電源経路に+線21を接続し、スライドドアDR1を経由して車両本体BD1側の電源経路に−線22を接続するのは、一例にすぎない。例えば、車両本体BD1側の電源経路に+線21が接続されてもよいし、スライドドアDR1内の電源経路に−線22が接続されてもよい。−線22は、光センサの光検出に応じて切り替わるスイッチ等、カーテシスイッチ以外のスイッチに接続されてもよい。また、−線22がグランドに接続され、電源BA1に接続されたスイッチに+線21が接続されてもよい。
【0022】
ケース30は、基盤部40となる基盤部材41と、光源12の車室SP1側を覆うカバー部31と、が固定されて形成されている。カバー部31は、内側カバー部50と外側カバー部60とを備えている。内側カバー部50は、例えば超音波溶着により基盤部材41の車室側の面(車室41e)に固定される。外側カバー部60は、基盤部40と嵌合する。
【0023】
車室面DT1aに取り付けられる部位である基盤部40は、内側カバー部50が固定される基盤部材41で形成される。図8(a),(b)に示すように、基盤部材41は、細長い略板状に形成され、前縁部41aに繋がる穴で形成されたハーネス引出部42を有している。ハーネス引出部42は、ワイヤハーネス20を通すことを主な機能とするハーネス挿通孔42aと、前縁部41aからハーネス挿通孔42aまでワイヤハーネス20を入れることを主な機能とするスリット42bとを有している。スリット42bの幅がハーネス挿通孔42aの直径よりも若干小さくされているので、ワイヤハーネス20がハーネス挿通孔42aの部分で基盤部40に保持される。
【0024】
光源ユニット10を内側カバー部50に収容するとき、例えば半田付けによりワイヤハーネス20を予め電気的に基板11に接続しておく必要がある。光源ユニット10に接続したワイヤハーネス20にコネクタ23が取り付けられていると、ハーネス引出部が基盤部材の縁部に繋がっていなければ、コネクタ23を通すための大きな穴を基盤部材に形成しなければならない。このような大きな穴を基盤部材に形成すると、ドア開放発光警告装置が大きくなってしまう。本ハーネス引出部42は、基盤部材41の縁部41aに繋がる穴で形成されているので、光源12に直接又は間接的に接続したワイヤハーネス20をハーネス引出部42に通すことが容易である。従って、ドア開放発光警告装置1を容易に形成することができる。
【0025】
また、ハーネス引出部42は、基盤部材41に対して車室面DT1aに取り付けられるときの上下方向の中間位置に設けられている。これにより、左側のドアに取り付けられるドア開放発光警告装置1を上下逆にすると、左側のドアに対するのと同様にして右側のドアにドア開放発光警告装置1を取り付けることができる。従って、左右別々にドア開放発光警告装置を用意する必要が無くなり、自動車の部品の種類数を減らすことができる。
【0026】
基盤部材41の車室面41eには、上縁部41c側と下縁部41d側とにそれぞれ位置決め突起43が形成されている。位置決め突起43,43は、内側カバー部50の突起挿入孔55,55に挿入して内側カバー部50を位置決めする。従って、本ドア開放発光警告装置1は、容易に位置決めしながらドアに固定可能である。
また、基盤部材41の車室面41eの前縁部41a側には、上下にそれぞれ係止部44aが形成されている。係止部44a,44aは、外側カバー部60の係止用開口62a,62aに挿入して外側カバー部60の前側を係止する。
一方、基盤部材41の車室面41eの後縁部41b側には、上下にそれぞれ引掛部44bが形成されている。引掛部44b,44bは、外側カバー部60の引掛用開口62b,62bに挿入して外側カバー部60の後側を掛止する。
【0027】
さらに、基盤部材41の外面(車外面41f)には、上下にそれぞれ位置決め部45が設けられている。各位置決め部45は、基盤部材の車外面41fから外方向へ突出し、図6(d)に示すねじSC1を通すためのねじ挿通孔45aが形成されている。
【0028】
内側カバー部50は、光源12を収容する凹部51を有するとともに、光出射部52が設けられている。内側カバー部の凹部51は、光源12の前側に配置される前壁部51a、光源12の後側に配置される後壁部51b、光源12の上側に配置される上壁部51c、及び、光源12の下側に配置される下壁部51dで囲まれ、光源ユニット10を収容する。後壁部51bには、各光源12の位置に合わせた光出射部52が設けられている。各光出射部52は、後壁部51bを貫通した開口で形成され、上下に均等な間隔で並べられている。むろん、光出射部の間隔は不均等でもよく、光出射部の数は4以外でもよく、一つの光源に対して複数の光出射部が設けられてもよく、複数の光源に対して一つの光出射部が設けられてもよい。光出射部の形状は、円形以外にも、四角形といった多角形、星形、等でもよい。
また、光出射部は、透明材料等で形成されてもよい。透明材料には、アクリル樹脂、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、といった透明性を有する樹脂材料等を用いることができる。透明材料をレンズ状にして光出射部にレンズの機能を付与してもよい。
【0029】
光源ユニット10の基板11は、長手方向を上下に向け、厚み方向を前後方向に向けて、図9(a)に示すように凹部51内の基板保持部51e,51fに挟まれて保持され、凹部51内に収容される。基板11における光源12の実装面は、後側とされる。各光出射部52の位置に各光源12が配置されるので、光源12から発せられた光は光出射部52から後方へ出される。
内側カバー部50は、ワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10を収容した凹部51を基盤部材41に対向させて、超音波溶着等により基盤部材41に固定される。むろん、内側カバー部50と基盤部材41との固定は、嵌合等でもよい。光源12の車室SP1側を覆う内側カバー部50は、光源12等を衝撃から保護する機能を有する。
【0030】
内側カバー部の前壁部51aには、ワイヤハーネス20を凹部51内から引き出すための切欠53が形成されている。また、前壁部51aの中央部分は、基盤部のハーネス引出部42を確保するため後方へ凹んだ退避部54が形成されている。
内側カバー部50には、上壁部51c及び下壁部51dの外側から上下方向に延出した部位にそれぞれ突起挿入孔55が形成されている。突起挿入孔55,55は、基盤部の位置決め突起43,43を挿入させることが可能である。
【0031】
外側カバー部60は、光出射部52の後側を空けて内側カバー部50の車室SP1側を覆う。外側カバー部60の前部は、前側となるにつれ徐々に車外SP2側となってスライドドアの車室面DT1aに接触するなだらかな前傾斜部61aとされている。外側カバー部60の上部は、上側となるにつれ徐々に車外SP2側となってスライドドアの車室面DT1aに接触するなだらかな上傾斜部61cとされている。外側カバー部60の下部は、下側となるにつれ徐々に車外SP2側となってスライドドアの車室面DT1aに接触するなだらかな下傾斜部61dとされている。一方、外側カバー部60の後縁部60bは、内側カバー部50の車室SP1側とされている。
また、外側カバー部60の前縁部60aは、基盤部40の前縁部41aよりも前側とされる。外側カバー部60の上縁部60cは、基盤部40の上縁部41cよりも上側とされる。外側カバー部60の下縁部60dは、基盤部40の下縁部41dよりも下側とされる。
【0032】
以上より、基盤部40の縁部41a,41c,41dが外側カバー部60で隠され、外側カバー部60の車室SP1側の面(車室面60e)がスライドドアの車室面DT1aと一体となった良好な意匠が創出される。また、内側カバー部50を超音波溶着により基盤部材41に固定すると超音波溶着をした跡が内側カバー部50に残るが、外側カバー部60は、内側カバー部50の超音波溶着の跡を隠す機能も有する。さらに、外側カバー部60に内装材DT1と同様の材料を用いることにより、ドア開放発光警告装置1の周辺の内装材DT1との協調性が高められる。外側カバー部の車室面60eに模様を付けることにより、新規な意匠を創出することも可能である。むろん、外側カバー部60は、ドア開放発光警告装置1に対して衝撃が加わった際に光源12等を保護する役割も担う。
【0033】
また、図10(b)に示すように、外側カバー部60の車外SP2側の面(車外面60f)の前縁部60a側には、上下にそれぞれ係止用開口62aが形成されている。一方、外側カバー部60の車外面60fの後縁部60b側には、上下にそれぞれ引掛用開口62bが形成されている。外側カバー部60は、基盤部40の引掛部44b,44bに掛止され、基盤部40の係止部44a,44aに係止されることにより、基盤部40と嵌合する。このとき、外側カバー部60は、内側カバー部50の車室SP1側から基盤部40の前縁部41a、上縁部41c、及び、下縁部41dを覆う。従って、本ドア開放発光警告装置1は、光源12の保護しながら意匠を向上させた装置となっている。
【0034】
なお、基盤部材41、内側カバー部50、外側カバー部60には、熱可塑性樹脂等の樹脂成形材料を射出成形や押出成形やプレス成形等により成形した成形品、等を用いることができる。樹脂成形材料を構成する樹脂には、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ポリプロピレン、これらの合成樹脂にエラストマーを添加した改質樹脂、これらの樹脂に着色剤といった添加剤を添加した材料、等を用いることができる。また、これらの材料からなる基材の車室側の面に不織布等の表皮材が積層されて外側カバー部60が形成されてもよい。
【0035】
(2)ドア開放発光警告装置の製造方法:
次に、ドア開放発光警告装置1の製造方法の例を説明する。
まず、基板11に光源12、抵抗器13、コネクタ23付きワイヤハーネス20を半田付けし、ワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10を形成する。次に、図9(a)に示すように、光源12を後側に向けて基板11を内側カバー部の基板保持部51e,51fに差し込み、光源ユニット10を内側カバー部の凹部51内に収容する。また、ワイヤハーネス20を前壁部51aの切欠53に入れて凹部51外へ引き出す。
【0036】
さらに、図9(b)に示すように、凹部51を基盤部材41の車室面41eに対向させ、基盤部材の位置決め突起43,43を内側カバー部50の突起挿入孔55,55に挿入して、内側カバー部50を位置決めする。このとき、内側カバー部の壁部51a,51b,51c,51dが基盤部材の車室面41eに接触した状態となる。この状態で、突起挿入孔55,55の部分の内側カバー部50と基盤部材の突起挿入孔55,55とを超音波溶着する等して基盤部材41と内側カバー部50とを固定する。これにより、光出射部52を除いて光源12がケース30で覆われて衝撃等から保護される。内側カバー部50から引き出されたワイヤハーネス20については、基盤部40のスリット42bから入れてハーネス引出部42に通しておく。むろん、ワイヤハーネス20にコネクタ23が取り付けられていても、容易にワイヤハーネス20をハーネス引出部42に通すことができる。
【0037】
最後に、図10(a),(b)に示すように、基盤部40の引掛部44b,44bを外側カバー部60の引掛用開口62b,62bに挿入し、基盤部40の係止部44a,44aを外側カバー部60の係止用開口62a,62aに挿入して、外側カバー部60を基盤部40に嵌合する。これにより、図10(c)に示すように、基盤部40の前縁部41a、上縁部41c、及び、下縁部41dが外側カバー部60で覆われ、ドア開放発光警告装置1が形成される。
なお、ドア開放発光警告装置1の製造手順は、上述した例に限定されない。例えば、ワイヤハーネス20を接続していない光源ユニット10を内側カバー部の凹部51に収容した後、ワイヤハーネス20を基板11に半田付けしてもよい。ドアに取り付ける前のドア開放発光警告装置1の製品としては、基盤部40から外側カバー部60が外されていてもよい。
【0038】
(3)ドア開放発光警告装置の取付方法、動作、作用、効果:
以下、本ドア開放発光警告装置1の取付方法、動作、作用、効果を説明する。
ドア開放発光警告装置1をスライドドアDR1に取り付ける際には、まず、基盤部車外面41fの位置決め部45,45の位置に合わせて内装材DT1の車室面DT1aに2箇所の凹部を形成し、これらの凹部の間の車室面DT1aにワイヤハーネス20をスライドドアDR1内に引き込むための穴を形成する。次に、基盤部40から外側カバー部60を外し、基盤部車外面41fに両面テープを貼り、基盤部車外面41fから出たワイヤハーネス20を車室面DT1aの穴からスライドドアDR1内の空間SP3に入れる。図7に示した例では、ワイヤハーネスの+線21のコネクタ23をスライドドアDR1内のコネクタCN1の端子CN1aに接続し、ワイヤハーネスの−線22についてはスライドドアDR1内を通してコネクタ23を車両本体BD1のカーテシスイッチSW1の端子SW1aに接続すればよい。
【0039】
さらに、車室面DT1aの凹部に基盤部の位置決め部45,45を挿入して両面テープにより基盤部車外面41fを内装材車室面DT1aに貼り付け、ねじSC1,SC1を位置決め部45,45のねじ挿通孔45a,45aに通して基盤部40をスライドドアDR1の車室SP1側にねじ止めする。最後に、外側カバー部60を基盤部40に嵌合させると、ドア開放発光警告装置1がスライドドアDR1の車室SP1側に取り付けられる。
すなわち、光出射部52が後方に向いた状態で基盤部40がスライドドアDR1の車室SP1側に取り付けられ、この基盤部40のハーネス引出部42から引き出されたワイヤハーネス20がスライドドアDR1内に引き込まれる。このとき、ワイヤハーネス20を通す経路をスライドドアDR1の車室SP1側に形成するだけでワイヤハーネス20がスライドドアDR1内に引き込まれるので、スライドドアDR1に対して複雑な加工を行う必要が無い。
【0040】
次に、図7に示す例の場合のドア開放発光警告装置1の動作を説明する。
スライドドアDR1が閉まっているとき、カーテシスイッチSW1はオフとされている。この場合、ワイヤハーネスの−線22がグランドから遮断されているので、光源ユニット10に電流が流れず、光源12は発光しない。
【0041】
スライドドアDR1が開くと、カーテシスイッチSW1がオンとなる。この場合、ワイヤハーネスの−線22がグランドに接続されるので、電源BA1からコネクタCN1を経由して光源ユニット10に電流が流れ、光源12が発光する。すると、光源12からの光が光出射部52から後方向D1へ出され、スライドドアDR1が開いていることが後方に知らされる。
むろん、スライドドアDR1が閉じると、カーテシスイッチSW1がオフとされ、光源12が消灯する。
【0042】
以上説明したように、本ドア開放発光警告装置1は、汎用のスライドドアに対して複雑な加工をする必要が無い。従って、本ドア開放発光警告装置1は、容易に汎用のスライドドアDR1に取り付けられる。
また、本ドア開放発光警告装置1は、スライドドアDR1への取り付け部となる基盤部40から出たワイヤハーネス20がそのままスライドドアDR1内に引き込まれるので、ワイヤハーネス20が外部に露出せず、防水性に優れている。
【0043】
さらに、本ドア開放発光警告装置1は、消耗の早い内蔵電池を使用していないので、長期間、交換する必要がない。
さらに、本ドア開放発光警告装置1は、意匠加工を施すことが可能な外側カバー部60で覆われているため、自動車の内装部品と協調性のある意匠とすることが容易である。
さらに、本ドア開放発光警告装置1は、光の出射面となる前壁部51aがスライドドアDR1のスライド方向と直交しているので、光出射部52から後方への光の出射が効果的に行われる。
【0044】
(4)ドア開放発光警告装置を回動ドアに取り付ける例:
図11は、ドア開放発光警告装置1を自動車AU2の回動ドアDR2に取り付けた例を示している。この自動車AU2は、車両本体BD2に対して回動ドアDR2が前側を中心軸として回動可能に設けられている。本自動車AU2も、回動ドアDR2が開いていることを車外SP2の後方に知らせるためのドア開放発光警告装置1が回動ドアDR2の車室SP1側に取り付けられている。ここで、ドア開放発光警告装置1を取り付ける回動ドアは、後側のドアでもよいし、前側のドアでもよいし、右側のドアでもよい。
【0045】
本回動ドアDR2も、図3で示したスライドドアDR1のように、ドアパネルの車室側に内装材が固定され、ドアパネルと内装材との間に空間が形成されている。ドア開放発光警告装置1は、加工の容易な内装材の車室SP1側の面(車室面DT2a)に取り付けられる。回動ドアDR2に取り付け可能なドア開放発光警告装置1は、図4〜10で示した構成とすることができる。ただし、回動ドアDR2が回動することによりドア開放発光警告装置1から出る光束の中心が回動ドアDR2の開き角度に応じて変わるので、ドア開放発光警告装置1からの光の指向性が広い方が好ましい。そこで、光の指向性の広い光源を用いたり、光出射部52に光源12からの光束を拡げる凹レンズ等の透明材料を用いたりするのが好ましい。
図8(a),(b)に示すように、基盤部材41は、ワイヤハーネス20を通すために縁部41aに繋がる穴とされたハーネス引出部42を有している。従って、光源12に直接又は間接的に接続したワイヤハーネス20をハーネス引出部42に通すことが容易である。
【0046】
以上のことから、本発明は、自動車AU1,AU2のドアDR1,DR2が開いていることを後方に知らせるためのドア開放発光警告装置1であって、
光源12と、
前記ドアDR1,DR2内に引き込まれるとともに前記光源12へ電力を供給するためのワイヤハーネス20と、
前記ドアDR1,DR2の車室SP1側の面DT1a,DT2aに沿った基盤部40となる基盤部材41と、前記光源12の車室SP1側を覆うカバー部31と、が固定され、前記光源12からの光を後方(後方向D1)へ出すための光出射部52が設けられたケース30とを備え、
前記基盤部材41は、前記ワイヤハーネス20を通すために縁部41aに繋がる穴とされたハーネス引出部42を有し、
前記基盤部40は、前記光出射部52を後方(後方向D1)に向けた状態で前記ドアDR1,DR2の車室SP1側に取り付けられる部位とされている側面を有する。
【0047】
すなわち、ワイヤハーネス20を通す経路をドアDR1,DR2の車室SP1側に形成するだけでワイヤハーネス20がドアDR1,DR2内に引き込まれるので、ドアDR1,DR2に対して複雑な加工を行う必要が無い。また、ハーネス引出部42が基盤部材41の縁部41aに繋がる穴で形成されているので、ワイヤハーネス20をハーネス引出部42に通すことが容易である。従って、本ドア開放発光警告装置1は、容易に形成可能であり、汎用のドアDR1,DR2に対して複雑な加工をする必要が無く、ドアDR1,DR2内にワイヤハーネス20を引き込んでドアDR1,DR2に取り付けられる。
【0048】
(5)変形例:
なお、本発明は、種々の変形例が考えられる。
基盤部40に位置決め部45があると容易に位置決めしながらドア開放発光警告装置1をドアに固定することができるものの、位置決め部45が無くてもドア開放発光警告装置1をドアに固定することができる。
ドア開放発光警告装置1のドアへの取付方法は、両面テープのみによる方法でもよいし、ねじ止めのみによる方法でもよいし、接着剤を用いる方法等でもよい。
外側カバー部60と基盤部材41の少なくとも一方に光出射部を設け、内側カバー部50の無いドア開放発光警告装置を形成しても、汎用のドアに対して複雑な加工をする必要が無くてドア内にワイヤハーネスを引き込んでドアに取り付けられる効果が得られる。
外側カバー部60の無いドア開放発光警告装置を形成しても、汎用のドアに対して複雑な加工をする必要が無くてドア内にワイヤハーネスを引き込んでドアに取り付けられる効果が得られる。
【0049】
基盤部材41の縁部に繋がる穴で形成されるハーネス引出部は、基盤部材41の上縁部41cや下縁部41d等に繋がる穴でもよく、上縁部41cや下縁部41dに設けられる切欠等スリットでない穴でもよい。
ドア開放発光警告装置が大きくなるものの、ハーネス引出部が基盤部材の縁部に繋がっていなくても、基盤部のハーネス引出部にワイヤハーネスを通すことができれば、汎用のドアに対して複雑な加工をする必要が無くてドア内にワイヤハーネスを引き込んでドアに取り付けられる効果が得られる。
また、基盤部とカバー部とが折り曲げ可能に連結されたケース等、基盤部やカバー部がケースから分離されないドア開放発光警告装置であっても、汎用のドアに対して複雑な加工をする必要が無くてドア内にワイヤハーネスを引き込んでドアに取り付けられる効果が得られる。
すなわち、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなるドア開放発光警告装置でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
【0050】
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、汎用のドアに対して複雑な加工をする必要が無く、ドア内にワイヤハーネスを引き込んでドアに取り付けられる新規なドア開放発光警告装置を提供することができる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりして本発明を実施することも可能であり、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりして本発明を実施することも可能である。従って、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成等も含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1…ドア開放発光警告装置、
10…光源ユニット、12…光源、
20…ワイヤハーネス、
30…ケース、31…カバー部、
40…基盤部、41…基盤部材、
41a…前縁部、41b…後縁部、41c…上縁部、41d…下縁部、
41e…車室面、41f…車外面(基盤部の外面)、
42…ハーネス引出部、42a…ハーネス挿通孔、42b…スリット、
45…位置決め部、45a…ねじ挿通孔、
50…内側カバー部、51…凹部、
52…光出射部、
60…外側カバー部、
60a…前縁部、60b…後縁部、60c…上縁部、60d…下縁部、
60e…車室面、60f…車外面、
AU1,AU2…自動車、BA1…電源、
BD1,BD2…車両本体、
D1…後方向、D2…上下方向、D3…車幅方向、
DT1…内装材、DT1a,DT2a…車室面(ドアの車室側の面)、
DP1…ドアパネル、
DR1…スライドドア、DR2…回動ドア、
SP1…車室、SP2…車外、SP3…ドア内の空間。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア内にワイヤハーネスを引き込んでドアに取り付けられるドア開放発光警告装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の回動ドアが開いていることを後方に知らせるため、回動ドアに警告用の発光装置を設けることが行われている。
特許文献1に記載の技術は、自動車用の回動ドアの後部端面に灯具を埋め込み、この灯具から出射する光を通すレンズ体を回動ドアの後部端面にねじ止めしている。
特許文献2に記載の技術は、自動車の回動ドアのアームレスト下部に対して回動可能に支持されたランプと、該ランプの回動用モータと、ドア開度の検出手段と、前記ランプの姿勢を光軸が車体と平行になるように制御する姿勢制御手段とを具備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−34663号公報
【特許文献2】特開平10−151988号公報
【特許文献3】登録実用新案第2503505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術は、自動車のスライドドアにドア開放発光警告装置を取り付けるものではない。特に、スライドドアは開閉時に車体と略平行に保たれるため、ランプが回動して照射する特許文献2に記載の後方警告灯をスライドドアに適用することができない。
また、特許文献1に記載の技術は、回動ドアの後部端面に灯具を埋め込む必要があるため、回動ドアの加工が複雑である。特許文献2に記載の技術も、回動ドアにランプを埋め込んだうえ、ドア内に回動用モータとドア開度の検出手段と姿勢制御手段と設ける必要があるため、回動ドアの加工が複雑である。
【0005】
なお、特許文献3に記載の技術は、ケース内に電池を内蔵したドア開放警告灯を自動車の回動ドアの後部端面に取り付けるものである。電池が消耗すると、ドア開放警告灯を交換する必要がある。ドア開放警告灯の交換を不要とするためには、車体の電源を用いる必要がある。
【0006】
以上を鑑み、本発明は、汎用のスライドドアに対して複雑な加工をする必要が無く、スライドドア内にワイヤハーネスを引き込んでスライドドアに取り付けられるドア開放発光警告装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、自動車のスライドドアが開いていることを後方に知らせるためのドア開放発光警告装置であって、
光源と、
前記スライドドア内に引き込まれるとともに前記光源へ電力を供給するためのワイヤハーネスと、
前記スライドドアの車室側の面に沿った基盤部を有するとともに、前記光源からの光を後方へ出すための光出射部が設けられ、前記光源を収容するケースとを備え、
前記基盤部は、前記ワイヤハーネスを通すハーネス引出部を有し、前記光出射部を後方に向けた状態で前記スライドドアの車室側に取り付けられる部位とされていることを特徴とする。
【0008】
すなわち、光出射部が後方に向いた状態で基盤部がスライドドアの車室側に取り付けられ、この基盤部のハーネス引出部から引き出されたワイヤハーネスがスライドドア内に引き込まれる。このとき、ワイヤハーネスを通す経路をスライドドアの車室側に形成するだけでワイヤハーネスがスライドドア内に引き込まれるので、スライドドアに対して複雑な加工を行う必要が無い。従って、汎用のスライドドアに対して複雑な加工をする必要が無く、容易に汎用のスライドドアに取り付けられるドア開放発光警告装置を提供することができる。
【0009】
ここで、上記スライドドアの概念には、ドアに設けられる内装材が含まれるものとする。
上記ワイヤハーネスは、スライドドア内の電源経路に接続されてもよいし、スライドドアを経由して車両本体側の電源経路に接続されてもよい。
光出射部は、開口、透明材料、等とすることができる。
上記ケースは、分離可能な複数の部材で形成されてもよいし、分離不能な単一の部材で形成されてもよい。
【0010】
上記ケースが前記基盤部となる基盤部材と前記光源の車室側を覆うカバー部とが固定されて形成される場合、前記ハーネス引出部は、前記基盤部材の縁部に繋がる穴で形成されてもよい。この場合、光源に直接又は間接的に接続したワイヤハーネスをハーネス引出部に通すことが容易である。
ここで、カバー部が光源の車室側を覆うことは、光源を完全に密閉することに限定されず、開口とされた光出射部等が設けられることが含まれる。
上記カバー部は、分離可能な複数の部材で形成されてもよいし、分離不能な単一の部材で形成されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、汎用のスライドドアに対して複雑な加工をする必要が無く、スライドドア内にワイヤハーネスを引き込んでスライドドアに取り付けられるドア開放発光警告装置を提供することができる。
請求項2に係る発明では、光源に直接又は間接的に接続したワイヤハーネスをハーネス引出部に通すことが容易であるので、容易に形成可能なドア開放発光警告装置を提供することができる。
請求項3に係る発明では、光源の保護しながら意匠を向上させたドア開放発光警告装置を提供することができる。
請求項4に係る発明では、左右どちらのスライドドアにも取り付け可能なドア開放発光警告装置を提供することができる。
請求項5に係る発明では、容易に位置決めしながらスライドドアに固定可能なドア開放発光警告装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】スライドドアDR1の車室SP1側にドア開放発光警告装置1を取り付けた自動車AU1の要部を例示する背面図である。
【図2】ドア開放発光警告装置1を取り付けたスライドドアDR1を例示する斜視図である。
【図3】ドア開放発光警告装置1を取り付けたスライドドアDR1の要部を例示する水平断面図である。
【図4】ドア開放発光警告装置1の外観を例示する斜視図である。
【図5】(a)はドア開放発光警告装置1の発光面を例示する背面図、(b)はドア開放発光警告装置1の車室SP1側を例示する側面図、(c)はドア開放発光警告装置1の車外SP2側を例示する側面図、である。
【図6】(a)は外側カバー部60の外観を例示する斜視図、(b)は内側カバー部50の外観を例示する斜視図、(c)はワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10の外観を例示する斜視図、(d)は基盤部材41の外観を例示する斜視図、である。
【図7】ドア開放発光警告装置1の電気回路を例示する回路図である。
【図8】(a)は基盤部材41の車室SP1側を例示する側面図、(b)は基盤部材41の車外SP2側を例示する側面図、である。
【図9】(a)はワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10を内側カバー部50の凹部51に収容した状態を車外SP2側から例示する側面図、(b)はワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10を収容した内側カバー部50を基盤部材41に固定した状態を車室SP1側から例示する側面図、である。
【図10】(a)は基盤部40に外側カバー部60を取り付ける様子を例示する断面図、(b)は別の切断位置において基盤部40に外側カバー部60を取り付ける様子を例示する断面図、(c)は基盤部40に外側カバー部60を取り付けた様子を例示する断面図、である。
【図11】回動ドアDR2の車室SP1側にドア開放発光警告装置1を取り付けた自動車AU2の要部を例示する背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)ドア開放発光警告装置の構成:
図1〜3は、本発明の一実施形態に係るドア開放発光警告装置1を自動車AU1のスライドドアDR1に取り付けた例を示している。図中、UPは上、DOWNは下、FRONTは前、REARは後、を表している。また、図1,2中、D2は上下方向、D3は車幅方向、を表している。
図1に示す自動車AU1は、道路上で使用されるように設計及び装備されたワンボックスタイプの乗用自動車とされている。この自動車AU1は、車両本体BD1に対してスライドドアDR1が略前後方向へスライド可能に設けられている。図1,2に示すように、スライドドアDR1が開いていることを車外SP2の後方に知らせるためのドア開放発光警告装置1がスライドドアDR1の車室SP1側に取り付けられている。ここで、ドア開放発光警告装置1を取り付けるスライドドアは、後側のドアでもよいし、前側のドアでもよいし、右側のドアでもよい。むろん、スライドドアを設ける自動車は、セダンタイプの乗用自動車等でもよい。
【0014】
スライドドアDR1は、図3に示すように、ドアパネルDP1の車室側に内装材DT1が固定され、ドアパネルDP1と内装材DT1との間に空間SP3が形成されている。ドアパネルDP1は、ドア部の車体パネルであり、鋼板といった金属等で形成される。内装材DT1は、車室SP1の側壁を形成し、樹脂材料等で形成される。ドア開放発光警告装置1は、加工の容易な内装材DT1の車室SP1側の面(車室面DT1a)に取り付けられる。図1,2に示す例ではスライドドアDR1の窓ガラス横のガーニッシュにドア開放発光警告装置1が取り付けられているが、ドアトリムの下部等にドア開放発光警告装置が取り付けられてもよい。ドア内の空間SP3は、ワイヤハーネス20等の電気経路を通すことが可能である。
【0015】
図4は、分かり易く示すため、基盤部40を鉛直面に沿った方向としてドア開放発光警告装置1の外観を例示している。実際には、スライドドアの車室面DT1aに合わせて厳密な鉛直面から傾いた向きに基盤部40が配置されることになる。図示の都合上、図5(a)〜(c)は、図4に示すドア開放発光警告装置1の上側を右側にしてドア開放発光警告装置1の外観を示している。図6(a)〜(d)は、図4に示すドア開放発光警告装置1の上側を右手前側にしてそれぞれ、外側カバー部60、内側カバー部50、ワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10、基盤部材41の外観を示している。図7は、ドア開放発光警告装置1の電気回路の一例を示している。図8(a)は、図4に示すドア開放発光警告装置1の上側を右側にして基盤部材41の車室SP1側を示している。図8(b)は、図4に示すドア開放発光警告装置1の上側を左側にして基盤部材41の車外SP2側を示している。図9(a)は、図4に示すドア開放発光警告装置1の上側を右側にしてワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10を収容した内側カバー部50の車外SP2側を示している。図9(b)は、図4に示すドア開放発光警告装置1の上側を左側にしてワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10を収容した内側カバー部50を固定した基盤部材41の車室SP1側を示している。図10(a)〜(c)は、ドア開放発光警告装置1を略水平に切断した断面図を例示している。
【0016】
ドア開放発光警告装置1は、光源12、ワイヤハーネス20、ケース30、を備えている。ワイヤハーネス20は、スライドドアDR1内に引き込まれ、光源12へ電力を供給する。ケース30は、スライドドアDR1の車室SP1側の面(車室DT1a)に沿った基盤部40を有するとともに、光出射部52が設けられている。光出射部52は、光源12からの光を後方(後方向D1)へ出す。すなわち、光出射部52からの光の出射方向は、スライドドアDR1のスライド方向に並行する方向となる。基盤部40は、ワイヤハーネス20を通すハーネス引出部42を有し、光出射部52を後方(後方向D1)に向けた状態でスライドドアDR1の車室SP1側に取り付けられる部位とされている。
【0017】
光出射部52を後方に向けた状態で基盤部40をスライドドアDR1の車室SP1側に取り付けるとき、ワイヤハーネス20を通す経路をスライドドアDR1の車室SP1側に形成するだけでワイヤハーネス20をスライドドアDR1内に引き込むことができる。従って、スライドドアDR1に対して複雑な加工を行う必要が無く、ドア開放発光警告装置を容易に汎用のスライドドアに取り付けることができる。
【0018】
ドア開放発光警告装置1は、スライドドアDR1の開閉に干渉しないように車幅方向D3に薄くされ、長手方向を上下に向けてスライドドアDR1の車室面DT1aに取り付けられている。ドア開放発光警告装置の取付位置は、ドアが開いていることを光源の発光により後方に知らせることができる位置であればよく、ドアの上部のみならず、ドアの下部、ドアの中間部、等でもよい。むろん、一つのドアに対して複数の箇所にドア開放発光警告装置が取り付けられてもよい。
【0019】
光源12は、ワイヤハーネス20から自動車AU1の電力を供給される。本実施形態の光源12には、高輝度で照射方向に指向性を有し、長寿命である砲弾型のLED(発光ダイオード)を用いている。これにより、低消費電力で遠方から十分に視認可能な明るさの光を光源12から発することができる。また、砲弾型LEDを用いることにより、ドア開放発光警告装置1の車幅方向D3を薄く形成することができる。むろん、十分な明るさが得られる限り、光源12に砲弾型以外のLEDを用いてもよいし、白熱電球、ハロゲン電球、蛍光ランプ、放電ランプ、等、LED以外の光源を用いてもよい。また、光源12の発光色には白、赤、緑、青、等、種々の色を採用することができ、同じドア開放発光警告装置1に異なる発光色の光源を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態のドア開放発光警告装置1は、4つの光源12が上下に均等な間隔で並べられている。むろん、光源の間隔は不均等でもよく、光源の数は4以外でもよく、線状の光源を用いてもよい。光源12の発光はスライドドアDR1の開閉と連動して行われ、これにより自動車AU1の後方にスライドドアDR1の開閉状態が知らされる。スライドドアDR1がどの程度開いた段階で光源12を発光させることにするかは、車種に応じて設定すればよい。
【0020】
光源12は、光源ユニット10に組み込まれている。図6(c)に示すように、光源ユニット10は、基板11に光源12等の回路が組み込まれて形成されている。光源ユニット10は、図7に例示するように、光源12と抵抗器13で形成することができる。むろん、光源ユニット10には、様々な回路を用いることができる。
【0021】
光源ユニット10に接続されたワイヤハーネス20は、基盤部40のハーネス引出部42からスライドドアDR1の方へ引き出され、スライドドアDR1の空間SP3内に引き込まれる。図5(a)に示すように、ワイヤハーネス20は、+線21と−線22とからなり、これらの線21,22の先端にコネクタ23,23が取り付けられている。図7に示す例では、スライドドアDR1内に設けられたパワーウィンドウ等のコネクタCN1の端子CN1aに+線21のコネクタ23が接続され、車両本体BD1内に設けられたカーテシスイッチSW1の端子SW1aに−線22のコネクタ23が接続される。むろん、スライドドアDR1内の電源経路に+線21を接続し、スライドドアDR1を経由して車両本体BD1側の電源経路に−線22を接続するのは、一例にすぎない。例えば、車両本体BD1側の電源経路に+線21が接続されてもよいし、スライドドアDR1内の電源経路に−線22が接続されてもよい。−線22は、光センサの光検出に応じて切り替わるスイッチ等、カーテシスイッチ以外のスイッチに接続されてもよい。また、−線22がグランドに接続され、電源BA1に接続されたスイッチに+線21が接続されてもよい。
【0022】
ケース30は、基盤部40となる基盤部材41と、光源12の車室SP1側を覆うカバー部31と、が固定されて形成されている。カバー部31は、内側カバー部50と外側カバー部60とを備えている。内側カバー部50は、例えば超音波溶着により基盤部材41の車室側の面(車室41e)に固定される。外側カバー部60は、基盤部40と嵌合する。
【0023】
車室面DT1aに取り付けられる部位である基盤部40は、内側カバー部50が固定される基盤部材41で形成される。図8(a),(b)に示すように、基盤部材41は、細長い略板状に形成され、前縁部41aに繋がる穴で形成されたハーネス引出部42を有している。ハーネス引出部42は、ワイヤハーネス20を通すことを主な機能とするハーネス挿通孔42aと、前縁部41aからハーネス挿通孔42aまでワイヤハーネス20を入れることを主な機能とするスリット42bとを有している。スリット42bの幅がハーネス挿通孔42aの直径よりも若干小さくされているので、ワイヤハーネス20がハーネス挿通孔42aの部分で基盤部40に保持される。
【0024】
光源ユニット10を内側カバー部50に収容するとき、例えば半田付けによりワイヤハーネス20を予め電気的に基板11に接続しておく必要がある。光源ユニット10に接続したワイヤハーネス20にコネクタ23が取り付けられていると、ハーネス引出部が基盤部材の縁部に繋がっていなければ、コネクタ23を通すための大きな穴を基盤部材に形成しなければならない。このような大きな穴を基盤部材に形成すると、ドア開放発光警告装置が大きくなってしまう。本ハーネス引出部42は、基盤部材41の縁部41aに繋がる穴で形成されているので、光源12に直接又は間接的に接続したワイヤハーネス20をハーネス引出部42に通すことが容易である。従って、ドア開放発光警告装置1を容易に形成することができる。
【0025】
また、ハーネス引出部42は、基盤部材41に対して車室面DT1aに取り付けられるときの上下方向の中間位置に設けられている。これにより、左側のドアに取り付けられるドア開放発光警告装置1を上下逆にすると、左側のドアに対するのと同様にして右側のドアにドア開放発光警告装置1を取り付けることができる。従って、左右別々にドア開放発光警告装置を用意する必要が無くなり、自動車の部品の種類数を減らすことができる。
【0026】
基盤部材41の車室面41eには、上縁部41c側と下縁部41d側とにそれぞれ位置決め突起43が形成されている。位置決め突起43,43は、内側カバー部50の突起挿入孔55,55に挿入して内側カバー部50を位置決めする。従って、本ドア開放発光警告装置1は、容易に位置決めしながらドアに固定可能である。
また、基盤部材41の車室面41eの前縁部41a側には、上下にそれぞれ係止部44aが形成されている。係止部44a,44aは、外側カバー部60の係止用開口62a,62aに挿入して外側カバー部60の前側を係止する。
一方、基盤部材41の車室面41eの後縁部41b側には、上下にそれぞれ引掛部44bが形成されている。引掛部44b,44bは、外側カバー部60の引掛用開口62b,62bに挿入して外側カバー部60の後側を掛止する。
【0027】
さらに、基盤部材41の外面(車外面41f)には、上下にそれぞれ位置決め部45が設けられている。各位置決め部45は、基盤部材の車外面41fから外方向へ突出し、図6(d)に示すねじSC1を通すためのねじ挿通孔45aが形成されている。
【0028】
内側カバー部50は、光源12を収容する凹部51を有するとともに、光出射部52が設けられている。内側カバー部の凹部51は、光源12の前側に配置される前壁部51a、光源12の後側に配置される後壁部51b、光源12の上側に配置される上壁部51c、及び、光源12の下側に配置される下壁部51dで囲まれ、光源ユニット10を収容する。後壁部51bには、各光源12の位置に合わせた光出射部52が設けられている。各光出射部52は、後壁部51bを貫通した開口で形成され、上下に均等な間隔で並べられている。むろん、光出射部の間隔は不均等でもよく、光出射部の数は4以外でもよく、一つの光源に対して複数の光出射部が設けられてもよく、複数の光源に対して一つの光出射部が設けられてもよい。光出射部の形状は、円形以外にも、四角形といった多角形、星形、等でもよい。
また、光出射部は、透明材料等で形成されてもよい。透明材料には、アクリル樹脂、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、といった透明性を有する樹脂材料等を用いることができる。透明材料をレンズ状にして光出射部にレンズの機能を付与してもよい。
【0029】
光源ユニット10の基板11は、長手方向を上下に向け、厚み方向を前後方向に向けて、図9(a)に示すように凹部51内の基板保持部51e,51fに挟まれて保持され、凹部51内に収容される。基板11における光源12の実装面は、後側とされる。各光出射部52の位置に各光源12が配置されるので、光源12から発せられた光は光出射部52から後方へ出される。
内側カバー部50は、ワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10を収容した凹部51を基盤部材41に対向させて、超音波溶着等により基盤部材41に固定される。むろん、内側カバー部50と基盤部材41との固定は、嵌合等でもよい。光源12の車室SP1側を覆う内側カバー部50は、光源12等を衝撃から保護する機能を有する。
【0030】
内側カバー部の前壁部51aには、ワイヤハーネス20を凹部51内から引き出すための切欠53が形成されている。また、前壁部51aの中央部分は、基盤部のハーネス引出部42を確保するため後方へ凹んだ退避部54が形成されている。
内側カバー部50には、上壁部51c及び下壁部51dの外側から上下方向に延出した部位にそれぞれ突起挿入孔55が形成されている。突起挿入孔55,55は、基盤部の位置決め突起43,43を挿入させることが可能である。
【0031】
外側カバー部60は、光出射部52の後側を空けて内側カバー部50の車室SP1側を覆う。外側カバー部60の前部は、前側となるにつれ徐々に車外SP2側となってスライドドアの車室面DT1aに接触するなだらかな前傾斜部61aとされている。外側カバー部60の上部は、上側となるにつれ徐々に車外SP2側となってスライドドアの車室面DT1aに接触するなだらかな上傾斜部61cとされている。外側カバー部60の下部は、下側となるにつれ徐々に車外SP2側となってスライドドアの車室面DT1aに接触するなだらかな下傾斜部61dとされている。一方、外側カバー部60の後縁部60bは、内側カバー部50の車室SP1側とされている。
また、外側カバー部60の前縁部60aは、基盤部40の前縁部41aよりも前側とされる。外側カバー部60の上縁部60cは、基盤部40の上縁部41cよりも上側とされる。外側カバー部60の下縁部60dは、基盤部40の下縁部41dよりも下側とされる。
【0032】
以上より、基盤部40の縁部41a,41c,41dが外側カバー部60で隠され、外側カバー部60の車室SP1側の面(車室面60e)がスライドドアの車室面DT1aと一体となった良好な意匠が創出される。また、内側カバー部50を超音波溶着により基盤部材41に固定すると超音波溶着をした跡が内側カバー部50に残るが、外側カバー部60は、内側カバー部50の超音波溶着の跡を隠す機能も有する。さらに、外側カバー部60に内装材DT1と同様の材料を用いることにより、ドア開放発光警告装置1の周辺の内装材DT1との協調性が高められる。外側カバー部の車室面60eに模様を付けることにより、新規な意匠を創出することも可能である。むろん、外側カバー部60は、ドア開放発光警告装置1に対して衝撃が加わった際に光源12等を保護する役割も担う。
【0033】
また、図10(b)に示すように、外側カバー部60の車外SP2側の面(車外面60f)の前縁部60a側には、上下にそれぞれ係止用開口62aが形成されている。一方、外側カバー部60の車外面60fの後縁部60b側には、上下にそれぞれ引掛用開口62bが形成されている。外側カバー部60は、基盤部40の引掛部44b,44bに掛止され、基盤部40の係止部44a,44aに係止されることにより、基盤部40と嵌合する。このとき、外側カバー部60は、内側カバー部50の車室SP1側から基盤部40の前縁部41a、上縁部41c、及び、下縁部41dを覆う。従って、本ドア開放発光警告装置1は、光源12の保護しながら意匠を向上させた装置となっている。
【0034】
なお、基盤部材41、内側カバー部50、外側カバー部60には、熱可塑性樹脂等の樹脂成形材料を射出成形や押出成形やプレス成形等により成形した成形品、等を用いることができる。樹脂成形材料を構成する樹脂には、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ポリプロピレン、これらの合成樹脂にエラストマーを添加した改質樹脂、これらの樹脂に着色剤といった添加剤を添加した材料、等を用いることができる。また、これらの材料からなる基材の車室側の面に不織布等の表皮材が積層されて外側カバー部60が形成されてもよい。
【0035】
(2)ドア開放発光警告装置の製造方法:
次に、ドア開放発光警告装置1の製造方法の例を説明する。
まず、基板11に光源12、抵抗器13、コネクタ23付きワイヤハーネス20を半田付けし、ワイヤハーネス20を接続した光源ユニット10を形成する。次に、図9(a)に示すように、光源12を後側に向けて基板11を内側カバー部の基板保持部51e,51fに差し込み、光源ユニット10を内側カバー部の凹部51内に収容する。また、ワイヤハーネス20を前壁部51aの切欠53に入れて凹部51外へ引き出す。
【0036】
さらに、図9(b)に示すように、凹部51を基盤部材41の車室面41eに対向させ、基盤部材の位置決め突起43,43を内側カバー部50の突起挿入孔55,55に挿入して、内側カバー部50を位置決めする。このとき、内側カバー部の壁部51a,51b,51c,51dが基盤部材の車室面41eに接触した状態となる。この状態で、突起挿入孔55,55の部分の内側カバー部50と基盤部材の突起挿入孔55,55とを超音波溶着する等して基盤部材41と内側カバー部50とを固定する。これにより、光出射部52を除いて光源12がケース30で覆われて衝撃等から保護される。内側カバー部50から引き出されたワイヤハーネス20については、基盤部40のスリット42bから入れてハーネス引出部42に通しておく。むろん、ワイヤハーネス20にコネクタ23が取り付けられていても、容易にワイヤハーネス20をハーネス引出部42に通すことができる。
【0037】
最後に、図10(a),(b)に示すように、基盤部40の引掛部44b,44bを外側カバー部60の引掛用開口62b,62bに挿入し、基盤部40の係止部44a,44aを外側カバー部60の係止用開口62a,62aに挿入して、外側カバー部60を基盤部40に嵌合する。これにより、図10(c)に示すように、基盤部40の前縁部41a、上縁部41c、及び、下縁部41dが外側カバー部60で覆われ、ドア開放発光警告装置1が形成される。
なお、ドア開放発光警告装置1の製造手順は、上述した例に限定されない。例えば、ワイヤハーネス20を接続していない光源ユニット10を内側カバー部の凹部51に収容した後、ワイヤハーネス20を基板11に半田付けしてもよい。ドアに取り付ける前のドア開放発光警告装置1の製品としては、基盤部40から外側カバー部60が外されていてもよい。
【0038】
(3)ドア開放発光警告装置の取付方法、動作、作用、効果:
以下、本ドア開放発光警告装置1の取付方法、動作、作用、効果を説明する。
ドア開放発光警告装置1をスライドドアDR1に取り付ける際には、まず、基盤部車外面41fの位置決め部45,45の位置に合わせて内装材DT1の車室面DT1aに2箇所の凹部を形成し、これらの凹部の間の車室面DT1aにワイヤハーネス20をスライドドアDR1内に引き込むための穴を形成する。次に、基盤部40から外側カバー部60を外し、基盤部車外面41fに両面テープを貼り、基盤部車外面41fから出たワイヤハーネス20を車室面DT1aの穴からスライドドアDR1内の空間SP3に入れる。図7に示した例では、ワイヤハーネスの+線21のコネクタ23をスライドドアDR1内のコネクタCN1の端子CN1aに接続し、ワイヤハーネスの−線22についてはスライドドアDR1内を通してコネクタ23を車両本体BD1のカーテシスイッチSW1の端子SW1aに接続すればよい。
【0039】
さらに、車室面DT1aの凹部に基盤部の位置決め部45,45を挿入して両面テープにより基盤部車外面41fを内装材車室面DT1aに貼り付け、ねじSC1,SC1を位置決め部45,45のねじ挿通孔45a,45aに通して基盤部40をスライドドアDR1の車室SP1側にねじ止めする。最後に、外側カバー部60を基盤部40に嵌合させると、ドア開放発光警告装置1がスライドドアDR1の車室SP1側に取り付けられる。
すなわち、光出射部52が後方に向いた状態で基盤部40がスライドドアDR1の車室SP1側に取り付けられ、この基盤部40のハーネス引出部42から引き出されたワイヤハーネス20がスライドドアDR1内に引き込まれる。このとき、ワイヤハーネス20を通す経路をスライドドアDR1の車室SP1側に形成するだけでワイヤハーネス20がスライドドアDR1内に引き込まれるので、スライドドアDR1に対して複雑な加工を行う必要が無い。
【0040】
次に、図7に示す例の場合のドア開放発光警告装置1の動作を説明する。
スライドドアDR1が閉まっているとき、カーテシスイッチSW1はオフとされている。この場合、ワイヤハーネスの−線22がグランドから遮断されているので、光源ユニット10に電流が流れず、光源12は発光しない。
【0041】
スライドドアDR1が開くと、カーテシスイッチSW1がオンとなる。この場合、ワイヤハーネスの−線22がグランドに接続されるので、電源BA1からコネクタCN1を経由して光源ユニット10に電流が流れ、光源12が発光する。すると、光源12からの光が光出射部52から後方向D1へ出され、スライドドアDR1が開いていることが後方に知らされる。
むろん、スライドドアDR1が閉じると、カーテシスイッチSW1がオフとされ、光源12が消灯する。
【0042】
以上説明したように、本ドア開放発光警告装置1は、汎用のスライドドアに対して複雑な加工をする必要が無い。従って、本ドア開放発光警告装置1は、容易に汎用のスライドドアDR1に取り付けられる。
また、本ドア開放発光警告装置1は、スライドドアDR1への取り付け部となる基盤部40から出たワイヤハーネス20がそのままスライドドアDR1内に引き込まれるので、ワイヤハーネス20が外部に露出せず、防水性に優れている。
【0043】
さらに、本ドア開放発光警告装置1は、消耗の早い内蔵電池を使用していないので、長期間、交換する必要がない。
さらに、本ドア開放発光警告装置1は、意匠加工を施すことが可能な外側カバー部60で覆われているため、自動車の内装部品と協調性のある意匠とすることが容易である。
さらに、本ドア開放発光警告装置1は、光の出射面となる前壁部51aがスライドドアDR1のスライド方向と直交しているので、光出射部52から後方への光の出射が効果的に行われる。
【0044】
(4)ドア開放発光警告装置を回動ドアに取り付ける例:
図11は、ドア開放発光警告装置1を自動車AU2の回動ドアDR2に取り付けた例を示している。この自動車AU2は、車両本体BD2に対して回動ドアDR2が前側を中心軸として回動可能に設けられている。本自動車AU2も、回動ドアDR2が開いていることを車外SP2の後方に知らせるためのドア開放発光警告装置1が回動ドアDR2の車室SP1側に取り付けられている。ここで、ドア開放発光警告装置1を取り付ける回動ドアは、後側のドアでもよいし、前側のドアでもよいし、右側のドアでもよい。
【0045】
本回動ドアDR2も、図3で示したスライドドアDR1のように、ドアパネルの車室側に内装材が固定され、ドアパネルと内装材との間に空間が形成されている。ドア開放発光警告装置1は、加工の容易な内装材の車室SP1側の面(車室面DT2a)に取り付けられる。回動ドアDR2に取り付け可能なドア開放発光警告装置1は、図4〜10で示した構成とすることができる。ただし、回動ドアDR2が回動することによりドア開放発光警告装置1から出る光束の中心が回動ドアDR2の開き角度に応じて変わるので、ドア開放発光警告装置1からの光の指向性が広い方が好ましい。そこで、光の指向性の広い光源を用いたり、光出射部52に光源12からの光束を拡げる凹レンズ等の透明材料を用いたりするのが好ましい。
図8(a),(b)に示すように、基盤部材41は、ワイヤハーネス20を通すために縁部41aに繋がる穴とされたハーネス引出部42を有している。従って、光源12に直接又は間接的に接続したワイヤハーネス20をハーネス引出部42に通すことが容易である。
【0046】
以上のことから、本発明は、自動車AU1,AU2のドアDR1,DR2が開いていることを後方に知らせるためのドア開放発光警告装置1であって、
光源12と、
前記ドアDR1,DR2内に引き込まれるとともに前記光源12へ電力を供給するためのワイヤハーネス20と、
前記ドアDR1,DR2の車室SP1側の面DT1a,DT2aに沿った基盤部40となる基盤部材41と、前記光源12の車室SP1側を覆うカバー部31と、が固定され、前記光源12からの光を後方(後方向D1)へ出すための光出射部52が設けられたケース30とを備え、
前記基盤部材41は、前記ワイヤハーネス20を通すために縁部41aに繋がる穴とされたハーネス引出部42を有し、
前記基盤部40は、前記光出射部52を後方(後方向D1)に向けた状態で前記ドアDR1,DR2の車室SP1側に取り付けられる部位とされている側面を有する。
【0047】
すなわち、ワイヤハーネス20を通す経路をドアDR1,DR2の車室SP1側に形成するだけでワイヤハーネス20がドアDR1,DR2内に引き込まれるので、ドアDR1,DR2に対して複雑な加工を行う必要が無い。また、ハーネス引出部42が基盤部材41の縁部41aに繋がる穴で形成されているので、ワイヤハーネス20をハーネス引出部42に通すことが容易である。従って、本ドア開放発光警告装置1は、容易に形成可能であり、汎用のドアDR1,DR2に対して複雑な加工をする必要が無く、ドアDR1,DR2内にワイヤハーネス20を引き込んでドアDR1,DR2に取り付けられる。
【0048】
(5)変形例:
なお、本発明は、種々の変形例が考えられる。
基盤部40に位置決め部45があると容易に位置決めしながらドア開放発光警告装置1をドアに固定することができるものの、位置決め部45が無くてもドア開放発光警告装置1をドアに固定することができる。
ドア開放発光警告装置1のドアへの取付方法は、両面テープのみによる方法でもよいし、ねじ止めのみによる方法でもよいし、接着剤を用いる方法等でもよい。
外側カバー部60と基盤部材41の少なくとも一方に光出射部を設け、内側カバー部50の無いドア開放発光警告装置を形成しても、汎用のドアに対して複雑な加工をする必要が無くてドア内にワイヤハーネスを引き込んでドアに取り付けられる効果が得られる。
外側カバー部60の無いドア開放発光警告装置を形成しても、汎用のドアに対して複雑な加工をする必要が無くてドア内にワイヤハーネスを引き込んでドアに取り付けられる効果が得られる。
【0049】
基盤部材41の縁部に繋がる穴で形成されるハーネス引出部は、基盤部材41の上縁部41cや下縁部41d等に繋がる穴でもよく、上縁部41cや下縁部41dに設けられる切欠等スリットでない穴でもよい。
ドア開放発光警告装置が大きくなるものの、ハーネス引出部が基盤部材の縁部に繋がっていなくても、基盤部のハーネス引出部にワイヤハーネスを通すことができれば、汎用のドアに対して複雑な加工をする必要が無くてドア内にワイヤハーネスを引き込んでドアに取り付けられる効果が得られる。
また、基盤部とカバー部とが折り曲げ可能に連結されたケース等、基盤部やカバー部がケースから分離されないドア開放発光警告装置であっても、汎用のドアに対して複雑な加工をする必要が無くてドア内にワイヤハーネスを引き込んでドアに取り付けられる効果が得られる。
すなわち、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなるドア開放発光警告装置でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
【0050】
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、汎用のドアに対して複雑な加工をする必要が無く、ドア内にワイヤハーネスを引き込んでドアに取り付けられる新規なドア開放発光警告装置を提供することができる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりして本発明を実施することも可能であり、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりして本発明を実施することも可能である。従って、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成等も含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1…ドア開放発光警告装置、
10…光源ユニット、12…光源、
20…ワイヤハーネス、
30…ケース、31…カバー部、
40…基盤部、41…基盤部材、
41a…前縁部、41b…後縁部、41c…上縁部、41d…下縁部、
41e…車室面、41f…車外面(基盤部の外面)、
42…ハーネス引出部、42a…ハーネス挿通孔、42b…スリット、
45…位置決め部、45a…ねじ挿通孔、
50…内側カバー部、51…凹部、
52…光出射部、
60…外側カバー部、
60a…前縁部、60b…後縁部、60c…上縁部、60d…下縁部、
60e…車室面、60f…車外面、
AU1,AU2…自動車、BA1…電源、
BD1,BD2…車両本体、
D1…後方向、D2…上下方向、D3…車幅方向、
DT1…内装材、DT1a,DT2a…車室面(ドアの車室側の面)、
DP1…ドアパネル、
DR1…スライドドア、DR2…回動ドア、
SP1…車室、SP2…車外、SP3…ドア内の空間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のスライドドアが開いていることを後方に知らせるためのドア開放発光警告装置であって、
光源と、
前記スライドドア内に引き込まれるとともに前記光源へ電力を供給するためのワイヤハーネスと、
前記スライドドアの車室側の面に沿った基盤部を有するとともに、前記光源からの光を後方へ出すための光出射部が設けられ、前記光源を収容するケースとを備え、
前記基盤部は、前記ワイヤハーネスを通すハーネス引出部を有し、前記光出射部を後方に向けた状態で前記スライドドアの車室側に取り付けられる部位とされていることを特徴とするドア開放発光警告装置。
【請求項2】
前記ケースは、前記基盤部となる基盤部材と、前記光源の車室側を覆うカバー部と、が固定されて形成され、
前記ハーネス引出部は、前記基盤部材の縁部に繋がる穴で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドア開放発光警告装置。
【請求項3】
前記カバー部は、前記光源を収容する凹部を有するとともに前記光出射部が設けられた内側カバー部と、前記光出射部の後側を空けて前記内側カバー部の車室側を覆う外側カバー部とを備え、
前記内側カバー部は、前記凹部を前記基盤部材に対向させて該基盤部材に固定され、
前記外側カバー部は、前記内側カバー部の車室側から前記基盤部の前縁部、上縁部、及び、下縁部を覆って該基盤部と嵌合していることを特徴とする請求項2に記載のドア開放発光警告装置。
【請求項4】
前記ハーネス引出部は、前記基盤部に対して前記スライドドアの車室側に取り付けられるときの上下方向の中間位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のドア開放発光警告装置。
【請求項5】
前記基盤部の外面には、外方向へ突出するとともにねじを通すための孔が形成された位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のドア開放発光警告装置。
【請求項1】
自動車のスライドドアが開いていることを後方に知らせるためのドア開放発光警告装置であって、
光源と、
前記スライドドア内に引き込まれるとともに前記光源へ電力を供給するためのワイヤハーネスと、
前記スライドドアの車室側の面に沿った基盤部を有するとともに、前記光源からの光を後方へ出すための光出射部が設けられ、前記光源を収容するケースとを備え、
前記基盤部は、前記ワイヤハーネスを通すハーネス引出部を有し、前記光出射部を後方に向けた状態で前記スライドドアの車室側に取り付けられる部位とされていることを特徴とするドア開放発光警告装置。
【請求項2】
前記ケースは、前記基盤部となる基盤部材と、前記光源の車室側を覆うカバー部と、が固定されて形成され、
前記ハーネス引出部は、前記基盤部材の縁部に繋がる穴で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドア開放発光警告装置。
【請求項3】
前記カバー部は、前記光源を収容する凹部を有するとともに前記光出射部が設けられた内側カバー部と、前記光出射部の後側を空けて前記内側カバー部の車室側を覆う外側カバー部とを備え、
前記内側カバー部は、前記凹部を前記基盤部材に対向させて該基盤部材に固定され、
前記外側カバー部は、前記内側カバー部の車室側から前記基盤部の前縁部、上縁部、及び、下縁部を覆って該基盤部と嵌合していることを特徴とする請求項2に記載のドア開放発光警告装置。
【請求項4】
前記ハーネス引出部は、前記基盤部に対して前記スライドドアの車室側に取り付けられるときの上下方向の中間位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のドア開放発光警告装置。
【請求項5】
前記基盤部の外面には、外方向へ突出するとともにねじを通すための孔が形成された位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のドア開放発光警告装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−218937(P2011−218937A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89320(P2010−89320)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000251060)林テレンプ株式会社 (134)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000251060)林テレンプ株式会社 (134)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]