説明

ドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステムおよび方法

【課題】ドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】ウェブ・サーバが、プロセッサとストレージとを有するドキュメント処理装置のコントローラにおいて起動され、第1の構成ファイルがデータ・ストレージ内に保存される。第1の構成ファイルにしたがって、ドキュメント処理装置の動作に対応する標章の表示を含むユーザ・インターフェイスがドキュメント処理装置のディスプレイ上に表示される。表示された標章に対応するドキュメント処理装置の動作のユーザ選択に対応するユーザ選択データが、ウェブ・サーバを介して受け取られ、選択データが、受け取られたユーザ選択データにしたがって、表示される。第1の構成ファイルが、管理ワークステーションに出力され、代わりの第2の構成ファイルが管理ワークステーションから受信されウェブ・サーバ内に読み込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広く使用されているドキュメント処理装置には、コピー機、プリンタ、ファクシミリ装置、電子メール・サーバおよびスキャナが含まれる。最近では、これらの装置が有する機能の複数の機能を備える装置がドキュメント処理環境において使用されており、これらは、多機能周辺装置(MFP)または多機能装置と呼ばれている。最近のドキュメント処理装置の複雑性および能力を考えると、プログラム可能かつインテリジェントな制御システムを内蔵して装置を動作させるとともに、ユーザ・インターフェイスを生成することが有効である。このような制御システムは、プロセッサ、メモリ、および適切なソフトウェアを含み、通常、コントローラと呼ばれる。
【0003】
しばしば、特にドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスに反映されるような、装置の制御機能を変更または補うことが望まれる。このような変更の実行は、特に、このような装置が多数設置され使用されている環境においては、通常、時間を要するとともに、困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のニーズに鑑みてなされたもので、ドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によるドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステムおよび方法においては、ウェブ・サーバが、プロセッサおよびデータ・ストレージとを有するドキュメント処理装置のコントローラ上において起動され、第1の構成ファイルがデータ・ストレージ内に保存される。第1の構成ファイルにしたがって、ドキュメント処理装置の動作に対応する標章(indicia)を含むウェブ出力が生成され、ドキュメント処理装置の動作に対応する標章の表示を含むユーザ・インターフェイスが、ドキュメント処理装置のシン・クライアント・ディスプレイ上に表示される。表示された標章に対応するドキュメント処理装置の動作のユーザ選択に対応するユーザ選択データが、ウェブ・サーバを介して受け取られ、選択データが、受け取られたユーザ選択データにしたがって、ユーザ・インターフェイスを介して、表示される。第1の構成ファイルが、管理ワークステーションに出力され、代わりの第2の構成ファイル(alternative configuration file)が管理ワークステーションから受信される。代替のユーザ・インターフェイスの生成を開始するように、受信された代わりの第2の構成ファイルがウェブ・サーバ内に読み込まれる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステムおよび方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明による実施形態が適用されるシステム全体の構成例である。
【図2】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるドキュメント処理装置のハードウェアの構成例である。
【図3】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるドキュメント処理装置の機能ブロックの構成例である。
【図4】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるコントローラのハードウェアの構成例を説明するための図である。
【図5】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるコントローラの機能ブロックの構成例を説明するための図である。
【図6】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるワークステーションのハードウェアの構成例を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態によるブロック図の一例である。
【図8】本発明の一実施形態による機能ブロック図の一例である。
【図9】本発明による実施形態における基本的な動作の一例を表すフローチャートである。
【図10】本発明による実施形態における動作の一例を詳細に表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜、図面を参照しながら一例としての実施の形態の説明を行う。図1は本実施の形態におけるシステム全体の構成例である。システム100は、コンピュータ・ネットワーク102として表されている分散コンピューティング環境を利用して具体化することができる。
【0009】
コンピュータ・ネットワーク102は、複数の電子装置間におけるデータの交換を可能とする本技術分野で知られている任意の分散通信システムである。コンピュータ・ネットワーク102は、例えば、仮想ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、パーソナル・エリア・ネットワーク、ローカル・エリア・ネットワーク、インターネット、イントラネット、またはこれらの任意の組合せを含む任意のコンピュータ・ネットワークである。
【0010】
また、コンピュータ・ネットワーク102は、例えば、トークン・リング、IEEE802.11(x)、Ethernet(登録商標)またはその他の無線ベースまたは有線ベースのデータ通信メカニズム等の既存の多数のデータ転送メカニズムによって例示されるような物理レイヤおよびトランスポート・レイヤから構成される。尚、上記のようにコンピュータ・ネットワーク102を示したが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、スタンドアローンの形態でも同様に実施可能である。
【0011】
また、システム100は、さらに、様々なドキュメント・レンダリング動作またはドキュメント処理を実行するために適切な多機能周辺装置(Multi-Function Peripheral;以下、MFP)として図に表されているドキュメント処理装置104を有する。ここで、MFPはドキュメント処理装置の一形態であって、本発明におけるドキュメント処理装置がMFPに限定されるものではない。ドキュメント・レンダリング動作には、例えば、ファクシミリ通信、画像走査、コピー、印刷、電子メール、ドキュメント管理、またはドキュメント保存等がある。また、例えば、ドキュメント処理装置104は、リモート・ドキュメント・レンダリング・サービスまたはドキュメント処理サービスを外部装置あるいはネットワークに接続された装置に対して提供する。ドキュメント処理装置104は、ユーザあるいはネットワークに接続された装置等とやり取りするように構成された、ハードウェア、ソフトウェアおよびこれらの任意の適切な組合せを含む。ドキュメント処理装置104の構成等については、後ほど図2および図3を参照しながら説明を行う。
【0012】
また、ドキュメント処理装置104は、例えば、IEEE 1394あるいはUSBインターフェイスを有する各種ドライブ、多様なICメモリ・カード等の、複数のポータブル記憶媒体を受け入れるためのインターフェイスを備える。また、ドキュメント処理装置104は、例えば、タッチスクリーン、LCD、タッチパネルまたは英数字キーパッド等の、ユーザ・インターフェイス106を備える。ユーザは、ユーザ・インターフェイス106を介してドキュメント処理装置104と直接やり取りすることができる。
【0013】
ユーザ・インターフェイス106は、ユーザに対して情報を伝達するとともに、ユーザから選択内容を受け取るために、有効に使用される。ユーザ・インターフェイス106は、ユーザにデータを提供するために適切な種々のコンポーネントからなる。本発明における一実施形態において、ユーザ・インターフェイス106は、1または複数のグラフィック要素、テキスト・データまたは画像等をユーザに表示し、ユーザからの入力を受け取り、その入力を、後ほど説明する、コントローラ108等のバックエンド・コンポーネントに伝達するディスプレイ装置を有する。
【0014】
また、ドキュメント処理装置104は、適切な通信リンク112を介して、コンピュータ・ネットワーク102に通信可能に接続される。通信リンク112としては、例えば、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11(x)、Bluetooth(登録商標)、公衆交換電話網、専用通信ネットワーク、赤外線接続、光接続やその他の適切な有線または無線のデータ通信チャネルを用いることができる。
【0015】
また、ドキュメント処理装置104は、ドキュメント処理装置104による処理動作を容易にする適切なバックエンド・コンポーネントとして、コントローラ108を内蔵する。
【0016】
コントローラ108は、ドキュメント処理装置104の動作を制御し、あるいはユーザ・インターフェイス106を介した画像の表示を制御し、あるいは電子画像データの操作を指示する等の処理を容易にするように構成されたハードウェア、ソフトウェアあるいはこれらの適切な組合せによって実装される。以下の説明において、ドキュメント処理装置104に関連する任意の多数のコンポーネントは、後に述べる動作を実行し、もしくは実行させ、もしくは制御し、または指示するように機能するハードウェアのコントローラ、ソフトウェア、またはこれらの組合せを含むものとする。尚、図および上記の説明において、コントローラ108をドキュメント処理装置104に内蔵された形態としたが、これに限定されるものではなく、コントローラ108は、ドキュメント処理装置104に通信可能に接続された外部装置の形態であってもよい。コントローラ108との関連において説明を行う処理動作は、本技術分野において知られている任意の汎用コンピューティング・システムによって実行可能である。したがって、コントローラ108は、そのような汎用的なコンピューティング装置を表しており、以下の説明において使用する際にも、そのように意図されている。また、以下の説明においてはコントローラ108を使用しているが、これは実施形態の例にすぎず、その他の実施形態においても、本発明によるドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステムおよび方法を利用することができる。コントローラ108の構成等については、後ほど図4と図5を参照しながら説明を行う。
【0017】
また、ドキュメント処理装置104にはデータ記憶装置110が通信可能に接続される。データ記憶装置110は、例えば、ハードディスク・ドライブ、その他の磁気記憶装置、光学式記憶装置、フラッシュ・メモリまたはこれらの任意の組合せを含む記憶装置である。データ記憶装置110は、画像走査された画像データ、変更された画像データ、作成されたデータ、ユーザ情報、携帯電話データ、予め設定された支払データ、ドキュメント・データ、画像データ、または電子データベースのデータ等を適切に保存する。一実施形態において、データ記憶装置110は、ドキュメント処理インストラクション、使用データ、ユーザ・インターフェイスのデータ、ジョブ制御データ、コントローラの状態データ、コンポーネントの実行データ、画像、広告、ユーザ情報、場所情報、出力テンプレート、マッピング・データ、マルチメディア・データ・ファイル、およびフォント等を保存することもできる。データ記憶装置110は、システム100の独立したコンポーネントとして図1に例示されているが、例えば、内蔵ハードディスク・ドライブ等のような、ドキュメント処理装置104の内部記憶装置、あるいはコントローラ108に実装される記憶装置あるいはコンポーネントであってもよい。
【0018】
また、システム100は、ドキュメント処理装置104に接続され、無数の異なるポータブル記憶装置を受け入れアクセスするために適合したポータブル記憶装置の読取り装置114を含む。ポータブル記憶装置としては、例えば、本技術分野で知られているような、RFID(Radio Frequency Identification)カード、スマート・カード、磁気ストレージ・カード、従業員バッジ、フラッシュ・メモリ・ベースの多様なICメモリ・カード、CD−ROM、DVD−ROM、USBインターフェイスを有するフラッシュ・メモリ・ドライブ、または他の磁気記憶装置または光学記憶装置等がある。本発明の例示的な一実施形態において、ポータブル記憶装置は、例えば、多機能周辺装置およびワークステーションとの間においてやり取りされる、構成データを含む。
【0019】
システム100は、さらに、通信リンク118を介してコンピュータ・ネットワーク102とデータ通信可能な管理装置116を有する。管理装置116は、例えば、コンピュータ・ワークステーション、ノート形パーソナル・コンピュータ、デスクトップ形パーソナル・コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant、携帯情報端末)、ウェブ適合(web-enabled)携帯電話、スマート・フォン、専用通信ネットワーク用の電子装置、またはその他のウェブ適合電子装置を含む本技術分野において知られている任意のパーソナル・コンピューティング装置を用いることができる。また、通信リンク118は、例えば、Bluetooth(登録商標)、WiMax、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11(x)、専用通信ネットワーク、赤外線接続、光接続、公衆交換電話網、または、その他の適切な無線または有線のデータ通信チャネルを用いることができる。
【0020】
例えば、管理装置116は、ドキュメント処理装置104の動作を監視し、追跡し、請求処理するように構成された会計システムを含む。本発明のさらなる実施形態によれば、管理装置116は、ドキュメント処理装置104あるいはコンピュータ・ネットワーク102に接続された他の類似装置との関連において、ドキュメント・データ、ユーザ・インターフェイスのデータおよび画像データの少なくとも1つのデータを供給し、ドキュメント処理ジョブ、ユーザ・アカウントおよび請求情報の少なくとも1つを監視し、シン・クライアント・インターフェイスを利用し、表示データまたは出力データを生成し、またはこれらに類似した内容を実行することができる。管理装置116の構成等については、後ほど図6を参照しながら説明を行う。
【0021】
システム100は、また、管理装置116に接続され、無数の異なるポータブル記憶装置を受け入れアクセスするために適合したポータブル記憶装置の読取り装置120を含む。ポータブル記憶装置としては、例えば、本技術分野で知られているような、フラッシュ・メモリ・ベースの多様なICメモリ・カード、CD−ROM、DVD−ROM、USBインターフェイスを有するフラッシュ・メモリ・ドライブ、または他の磁気記憶装置または光学記憶装置等がある。
【0022】
次に、図2に、システム100の動作が実行され、図1においてはドキュメント処理装置104として示した、ドキュメント処理装置200のハードウェア・アーキテクチャの構成の一例を示す。ドキュメント処理装置200は、少なくとも1つのCPUから構成されるプロセッサ202を含む。プロセッサ202は、互いに協調して動作する複数のCPUから構成されることもある。また、ドキュメント処理装置200には、BIOS機能、システム機能、システム構成データおよびドキュメント処理装置200の動作に使用するその他のルーチンもしくはデータ等の静的または固定的なデータ、あるいはインストラクションのために有効に使用される、不揮発性または読出し専用メモリ(ROM)204が含まれている。
【0023】
また、ドキュメント処理装置200は、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ、または他の任意の適切なアドレス指定可能かつ書込み可能なメモリ・システムから構成されるRAM206を含む。RAM206は、プロセッサ202によって処理されるアプリケーションおよびデータ処理に関係するデータ・インストラクションのための記憶領域を提供する。
【0024】
ストレージ・インターフェイス208は、ドキュメント処理装置200に関連するデータの不揮発性保存、大容量保存または長期的な保存ためのメカニズムを提供する。ストレージ・インターフェイス208は、参照符号216で示したディスク・ドライブ、あるいは光学式ドライブ、テープ・ドライブ等の適切な任意のアドレス指定可能、またはシリアル記憶装置等の大容量記憶装置の他、当業者に知られている適切な任意の記憶媒体を使用する。
【0025】
ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、ネットワークとの間の入出力を適切にルーティングすることによって、ドキュメント処理装置200が他の装置と通信することを可能にする。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、ドキュメント処理装置200の外部装置との1または複数のコネクションを確立する。図においては、一例として、Ethernet(登録商標)またはトークン・リング等の固定または有線ネットワークとのデータ通信のための少なくとも1つのネットワーク・インターフェイス・カード214と、WiFi(Wireless Fidelity)、WiMax、無線モデム、セルラ・ネットワークまたは適切な任意の無線通信システム等の手段を介した無線通信のために適切な無線インターフェイス218を示している。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、任意の物理的データ転送レイヤあるいは物理的データ転送レイヤではないデータ転送レイヤまたはプロトコル・レイヤを適切に利用する。図においては、ネットワーク・インターフェイス・カード214は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークまたはこれらの組合せから適切に構成される物理的ネットワーク220を介したデータ交換を行うために、相互接続されている。
【0026】
プロセッサ202、読出し専用メモリ(ROM)204、RAM206、ストレージ・インターフェイス208およびネットワーク・インターフェイス・サブシステム210の間のデータ通信は、バス212によって例示したバス・データ転送メカニズムを介して行われる。
【0027】
ドキュメント処理装置200における実行可能なインストラクションは、ワークステーション、他のドキュメント処理装置、その他のサーバ等の複数の外部装置との通信を円滑に実行する。動作の際、代表的な装置は自立的に動作するが、しばしば、ローカル・ユーザによる直接的な制御が望ましい場合もある。ローカル・ユーザによる直接的な制御は、ユーザ入出力(I/O)パネル224へのオプションの入出力(I/O)インターフェイス222を介して実行することができる。
【0028】
また、1または複数のドキュメント処理エンジンへのインターフェイスも、バス212を介してデータ通信を行う。図に示した実施形態においては、印刷インターフェイス226、コピー・インターフェイス228、画像走査インターフェイス230およびファクシミリ・インターフェイス232は、それぞれ、印刷エンジン234、コピー・エンジン236、画像走査エンジン(スキャナ)238、およびファクシミリ・エンジン240との通信を容易にする。ドキュメント処理装置200は、1または複数のドキュメント処理機能を適切に実行する。複数のドキュメント処理動作を実行するシステムは、通常、多機能周辺装置(MFP)または多機能装置と呼ばれる。
【0029】
次に、システム100の動作が実行されるドキュメント処理装置300の機能ブロック構成の一例を示す。図3は、ソフトウェアおよびオペレーティング・システム機能と関連して、図2に示したハードウェアの機能性を例示している。
【0030】
ドキュメント処理装置300は、1または複数のドキュメント処理動作を円滑に実行するドキュメント処理エンジン302を含む。ドキュメント処理エンジン302は、印刷エンジン304、ファクシミリ・エンジン306、画像走査エンジン(スキャナ)308およびコンソール・パネル310を含む。印刷エンジン304は、ドキュメント処理装置300に伝達される電子ドキュメントを、物理的なドキュメント、すなわちハードコピーの出力を可能とする。ファクシミリ・エンジン306は、ファクシミリ・モデム等の装置を介して、外部のファクシミリ装置との間で相互にファクシミリ通信を行う。
【0031】
画像走査エンジン(スキャナ)308は、ハードコピー・ドキュメントを受け取り、このハードコピー・ドキュメントに対応する画像データに変換するように機能する。コンソール・パネル310等のユーザ・インターフェイスは、ユーザからのインストラクションの入力と、ユーザへの情報の表示を可能にする。画像走査エンジン308は、有形のドキュメントの入力を、ビットマップ・フォーマット、ベクター・フォーマットまたはページ記述言語(PDL)フォーマットの電子的な形態へ変換し、さらに、光学文字認識のためにも構成されている。また、有形のドキュメントの画像走査は、ファクシミリ動作においても有効に機能する。
【0032】
図3に示したドキュメント処理エンジン302は、ネットワーク・インターフェイス・ドライバ326を介したネットワークとのインターフェイス316も備え、例えばネットワーク・インターフェイス・カードから構成されている。ネットワークは、有線、無線あるいは光によるデータ通信のような任意の適切な物理的レイヤおよび物理的でないレイヤによって、十分なやり取りを実現する。
【0033】
ドキュメント処理エンジン302は、1または複数のデバイス・ドライバ314と適切な通信を行う。デバイス・ドライバ314は、実際のドキュメント処理動作を実行するために、ドキュメント処理エンジン302と、1または複数の物理的装置との間のデータ交換を可能とする。このようなドキュメント処理動作には、ドライバ318による印刷、ドライバ320によるファクシミリ通信、ドライバ322による画像走査、およびドライバ324によるユーザ・インターフェイス機能の中の1または複数のものが含まれる。これらの多様なデバイス・ドライバは、ドキュメント処理エンジン302と関連する1または複数の対応したエンジンと結合されている。本発明においては、ドキュメント処理動作の任意のセットまたはサブセットが想定されている。複数の利用可能なドキュメント処理オプションを含むドキュメント処理装置は、前述したようにMFP等と呼ばれる。
【0034】
次に、一例として、図4は、システム100の動作が実行されるバックエンド・コンポーネント、すなわち、図1においてはコントローラ108として示したコントローラ400のハードウェア・アーキテクチャの構成図の一例である。尚、図4では、コントローラのコンポーネントの意義をより明確にするため、参照符号432で表した、コントローラ以外のドキュメント処理装置のコンポーネントの一部を併せて示す。コントローラ400は、本明細書に記載する動作を円滑に実行する能力を有する、本技術分野において知られている任意の汎用的なコンピューティング装置を表す。コントローラ400には、少なくとも1つのCPUを含むプロセッサ402が含まれる。プロセッサ402は、互いに協調して動作する複数のCPUから構成されることもある。また、コントローラ400には、BIOS機能、システム機能、システム構成データおよびコントローラ400の動作に使用する他のルーチンもしくはデータ等の静的または固定的なデータ、あるいはインストラクションのために有効に使用される、不揮発性または読出し専用メモリ(ROM)404が含まれる。
【0035】
また、コントローラ400には、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ、または他の任意の適切なアドレス指定可能かつ書込み可能なメモリ・システムから構成されるRAM406が含まれている。RAM406は、プロセッサ402によって処理されるアプリケーションおよびデータ処理に関係するデータ・インストラクションのための記憶領域を提供する。
【0036】
ストレージ・インターフェイス408は、コントローラ400に関連するデータの不揮発性保存、大容量保存または長期的な保存のためのメカニズムを提供する。ストレージ・インターフェイス408は、参照符号416で示したディスク・ドライブ、あるいは光学式ドライブ、テープ・ドライブ等の適切な任意のアドレス指定可能、またはシリアル記憶装置等の大容量記憶装置の他、当業者に知られている適切な任意の記憶媒体を使用する。
【0037】
ネットワーク・インターフェイス・サブシステム410は、ネットワークとの間の入出力を適切にルーティングすることによって、コントローラ400が他の装置と通信することを可能にする。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム410は、コントローラ400に対する外部装置との1または複数のコネクションのインターフェイスを適切にとる。例えば、図に示すように、Ethernet(登録商標)またはトークン・リング等の固定または有線ネットワークとのデータ通信のための少なくとも1つのネットワーク・インターフェイス・カード414と、WiFi、WiMax、無線モデム、セルラ・ネットワークまたは適切な任意の無線通信システム等の手段を介した無線通信のために適切な無線インターフェイス418が接続される。また、ネットワーク・インターフェイス・サブシステム410は、任意の物理的データ転送レイヤあるいは物理的データ転送レイヤではないデータ転送レイヤまたはプロトコル・レイヤを適切に利用する。図に示すように、ネットワーク・インターフェイス・カード414は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークまたはこれらの組合せから適切に構成される物理的ネットワーク420を介したデータ交換を行うために、相互接続される。
【0038】
プロセッサ402、読出し専用メモリ(ROM)404、RAM406、ストレージ・インターフェイス408およびネットワーク・インターフェイス・サブシステム410の間のデータ通信は、バス412によって例示したバス・データ転送メカニズムを介して行われる。
【0039】
また、ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス422もバス412を介してデータ通信を行う。ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス422は、様々なドキュメント処理動作を実行するために、ドキュメント処理ハードウェア432との接続を提供する。そのようなドキュメント処理動作には、コピー・ハードウェア424によって実行されるコピー、画像走査ハードウェア426によって実行される画像走査、印刷ハードウェア428によって実行される印刷、およびファクシミリ・ハードウェア430によって実行されるファクシミリ通信がある。コントローラ400は、これらのドキュメント処理動作のいずれかまたは全部を適切に動作させる。複数のドキュメント処理動作を実行可能なシステムは、前述したように、MFPまたは多機能装置と呼ばれる。システム100の機能は、ドキュメント処理装置と関連するインテリジェント・サブシステムとして図4に示したコントローラ400(図1においてはコントローラ108として示されている)を含む、ドキュメント処理装置104等の適切なドキュメント処理装置において実行される。
【0040】
次に、一例として、システム100の動作が実行されるコントローラの機能ブロックと動作の概要を説明する。図5において、ソフトウェアおよびオペレーティング・システム機能と関連して、図4に示したハードウェアの機能性を例示する。尚、図5においても、コントローラの機能要素の意義をより明確にするため、コントローラ以外のドキュメント処理装置の機能要素の一部を併せて示している。
【0041】
図5に示すように、コントローラ機能は、ドキュメント処理エンジン502を有する。ドキュメント処理エンジン502は、印刷動作、コピー動作、ファクシミリ通信動作および画像走査動作を可能にする。これらの機能は、産業界において一般に好まれるドキュメント処理周辺装置であるMFPと関連付けられることが多い。しかし、コントローラが上記のドキュメント処理動作のすべてを可能にする必要は必ずしもない。コントローラは、上記のドキュメント処理動作のサブセットである、専用のドキュメント処理装置、あるいはより限定した目的のドキュメント処理装置においても有効に用いられる。
【0042】
ドキュメント処理エンジン502はユーザ・インターフェイス・パネル510と適切にインターフェイスされており、ユーザまたは管理者は、このユーザ・インターフェイス・パネル510を介して、ドキュメント処理エンジン502によって制御される機能にアクセスすることができる。アクセスは、コントローラにローカル接続されたインターフェイスを介して行われるか、遠隔のシン・クライアント(thin client)またはシック・クライアント(thick client)によって遠隔から行われる。
【0043】
ドキュメント処理エンジン502は、印刷機能部504、ファクシミリ通信機能部506および画像走査機能部508とデータ通信を行う。これらの機能部504、506、508は、印刷、ファクシミリの送受信、およびドキュメント画像をコピーのために取得するか、またはドキュメント画像の電子バージョンを生成するための、ドキュメント画像走査の実際の処理動作を容易にする。
【0044】
ジョブ・キュー(job queue)512は、印刷機能部504、ファクシミリ通信機能部506および画像走査機能部508とデータ通信を行う。ビットマップ・フォーマット、ページ記述言語(PDL)フォーマットまたはベクター・フォーマット等の種々の画像形式は、画像走査機能部508からジョブ・キュー512を介して以降の処理のために中継される。
【0045】
ジョブ・キュー512は、また、ネットワーク・サービス機能部514ともデータ通信を行う。一実施形態において、ジョブ制御信号、状態データまたは電子ドキュメント・データが、ジョブ・キュー512とネットワーク・サービス機能部514との間で交換される。このように、クライアント側ネットワーク・サービス機能520を介したコントローラ機能へのネットワーク・ベースのアクセスに適切なインターフェイスが提供され、このインターフェイスは任意の適切なシン・クライアントまたはシック・クライアントである。また、ウェブ・サービス・アクセスが、例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)、ユニフォーム・データ・ダイアグラム・プロトコルまたは他の任意の適切な交換メカニズムによって実行される。ネットワーク・サービス機能部514は、また、FTP、電子メール、またはテルネット(TELNET)等を介した通信のために、クライアント側ネットワーク・サービス機能520とのデータ交換も有効に提供する。このように、コントローラ機能は、種々のネットワーク・アクセス・メカニズムによって、電子ドキュメントおよびユーザ情報のやり取りを容易にする。
【0046】
ジョブ・キュー512は、また、画像プロセッサ516ともデータ通信を行う。画像プロセッサ516は、印刷機能部504、ファクシミリ通信機能部506または画像走査機能部508等の装置機能部と、電子ドキュメントを交換するために適したフォーマットに変換するラスタ画像処理(RIP)、ページ記述言語インタープリタまたは任意の適切な画像処理を行うメカニズムである。
【0047】
さらに、ジョブ・キュー512はジョブ解析部(job parser)518とデータ通信を行い、このジョブ解析部518はクライアント装置サービス部522等の外部装置からの印刷ジョブ言語ファイルを受け取る働きをする。クライアント装置サービス部522は、電子ドキュメントの印刷、ファクシミリ通信、またはコントローラ機能による処理が有効である他の適切な電子ドキュメントの入力を含む。ジョブ解析部518は、受け取った電子ドキュメント・ファイルを解析し、前述した機能およびコンポーネントと関連する処理のために、解析した電子ドキュメント・ファイル情報をジョブ・キュー512に中継する働きをする。
【0048】
次に、図1においては管理装置116として示した、ワークステーションのハードウェア構成を説明する。図6は、ユーザ装置の一例としてのワークステーション600のハードウェア・アーキテクチャの概略構成図である。
【0049】
ワークステーション600は、不揮発性または読出し専用メモリ(ROM)604、RAM606、表示インターフェイス608、ストレージ・インターフェイス610、およびネットワーク・インターフェイス・サブシステム612とデータ通信可能に配置された、少なくとも1つのCPUから構成されるプロセッサ602を有する。プロセッサ602は、互いに協調して動作する複数のCPUから構成されることもある。また、読出し専用メモリ(ROM)604等の上述したモジュールへのインターフェイスは、バス614を介して、実行される。
【0050】
読み出し専用メモリ(ROM)604は、静的なデータやBIOSのような固定的なデータ等のファームウェア、システム機能、システム構成データ、およびプロセッサ602によってワークステーション600の動作に使用される他のルーチンを保存する。
【0051】
RAM606は、プロセッサ602により処理されるアプリケーションおよびデータ処理に関係するデータとインストラクションのための記憶領域を提供する。
【0052】
表示インターフェイス608は、バス614に接続された他のコンポーネントからデータまたはインストラクションを受け取る。表示インターフェイス608が受け取るデータは、ユーザ・インターフェイスの有効な表示の生成に固有なデータである。表示インターフェイス608は、例えば、モニタ、LCD、プラズマ・ディスプレイまたは他の適切な視覚出力装置等のビデオ表示装置である表示モニタ628に出力を供給する。
【0053】
ストレージ・インターフェイス610は、例えば、ワークステーション600に関連するデータまたはインストラクションの不揮発性保存、大容量保存または長期的な保存のためのメカニズムを提供する。ストレージ・インターフェイス610は、参照符号618で示したディスク・ドライブ、テープ・ドライブ、あるいは光学式ドライブ等の適切な任意のアドレス指定可能、またはシリアル記憶装置等の記憶メカニズムを使用する。
【0054】
ネットワーク・インターフェイス・サブシステム612は、例えば、ネットワーク・インターフェイス・カード620として図示した少なくとも1つのネットワーク・インターフェイスと、WiFi無線ネットワーク・カード等の無線インターフェイス630と通信を行う。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム612は、物理レイヤとプロトコル・レイヤの両方から構成され、また、Ethernet(登録商標)、トークン・リング、他のワイド・エリア・ネットワークまたはローカル・エリア・ネットワーク通信システム等の任意の有線システム、あるいはWiFi、WiMax、もしくは他の適切な無線ネットワーク通信システム等の無線システムを介して、ワークステーション600が他の装置と通信することを可能にする。図においては、ネットワーク・インターフェイス・カード620は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークまたはこれらの組合せから適切に構成される物理的ネットワーク632を介したデータ交換を行うために、相互接続されている。
【0055】
バス614とデータ通信を行う入出力インターフェイス616は、例えばキーボード等の入力装置622と接続される。また、入出力インターフェイス616は、USBインターフェイス、SCSIインターフェイス、IEEE1394インターフェイス等の周辺装置インターフェイス624、あるいは特定の用途に適した任意の他のインターフェイスに、データ出力を提供する。さらに、入出力インターフェイス616は、マウス、ライト・ペンまたはタッチスクリーン等の装置と接続するために、ポインティング・デバイス・インターフェイス626とデータ通信を行う。
【0056】
次に図7に、一実施形態によるシステムのブロック図の一例を示す。図に示すように、システム700は、インテリジェント・コントローラ704を有するドキュメント処理装置702を含む。コントローラ704は、プロセッサ706およびデータ・ストレージ708を備える。また、システム700は、例えば、コントローラ704に配置されたウェブ・サーバ710を含む。ウェブ・サーバ710は、ドキュメント処理装置702の動作に対応する標章を含むウェブ出力を生成するために、第1のウェブ・サーバ構成ファイルによって構成されている。第1の構成ファイルは、例えば、XMLコードから構成される。さらに、ウェブ・サーバ710は、生成された標章にしたがってドキュメント処理装置の動作のユーザ選択に対応するユーザ選択データを受け取るように構成されている。システム700は、ウェブ・サーバとインターフェイスし、かつ、ドキュメント処理装置の動作に対応する標章の表示を含むユーザ・インターフェイスを表示するシン・クライアントを有するユーザ・インターフェイス712をさらに含む。また、ユーザ・インターフェイス712は、受け取られたユーザ選択データにしたがって選択データを表示する。また、システム700は管理ワークステーション718を含む。システム700は、第1の構成ファイルを管理ワークステーション718に出力するデータ・ポート714をさらに含む。データ・ポート714は、例えば、ネットワーク・インターフェイスまたはストレージ・インターフェイスから構成される。一実施形態において、システム700は、データ・ポート714が第1の構成ファイルを管理ワークステーション718に出力する前に、第1の構成ファイルからユーザ・インターフェイス要素のサブセットを選択するフィルタ(図示せず)を、さらに、含む。フィルタによって選択されるユーザ・インターフェイス要素のサブセットは、例えば、グラフィカル・ユーザ要素または装置制御要素(device control elements)である。データ・ポート714は、また、管理ワークステーション718から代わりの第2の構成ファイルを受信する。さらに、システム700は、受信された代わりの第2の構成ファイルにしたがって代替のユーザ・インターフェイスの生成を開始するように、受信された代わりの第2の構成ファイルをウェブ・サーバ内に読み込むデータ・エディタ716を備える。
【0057】
本発明の一実施形態において、データ・ポート714は、さらに、補足的な構成ファイルを受信し、 データ・エディタ716は、受信された補足的な構成ファイルにしたがって増補されたユーザ・インターフェイスの生成を開始するために、補足的な構成ファイルを第1の構成ファイルに追加する。
【0058】
次に図8に、本発明の一実施形態によるシステムの機能ブロック図の一例を示す。ウェブ・サーバ起動部802は、プロセッサおよびデータ・ストレージを有するドキュメント処理装置のコントローラ108上において、ウェブ・サーバを起動する。構成ファイル保存部804は、第1の構成ファイルをデータ・ストレージに保存する。ウェブ出力生成部806は、第1の構成ファイルにしたがって、ドキュメント処理装置の動作に対応する標章(indicia)を含むウェブ出力を生成する。ユーザ・インターフェイス表示部808は、ドキュメント処理装置のシン・クライアント・ディスプレイ上にユーザ・インターフェイスを表示する。ユーザ・インターフェイスは、例えば、ドキュメント処理装置の動作に対応する標章の表示を含む。選択データ受取り部810は、ウェブ・サーバを介して、ユーザ選択データを受け取る。ユーザ選択データは、表示された標章に対応するドキュメント処理装置のユーザ選択に対応する。選択データ表示部812は、受け取られたユーザ選択データにしたがって、ユーザ選択データを、ユーザ・インターフェイスを介して表示する。構成ファイル出力部814は、第1の構成ファイルを関連する管理ワークステーションに対して出力する。代替構成ファイル受信部816は、管理ワークステーションから、代わりの第2の構成ファイルを受信する。代替構成ファイル読込み部818は、受信された代わりの第2の構成ファイルにしたがって代替のユーザ・インターフェイスの生成を開始するように、受信された代わりの第2の構成ファイルをウェブ・サーバ内に読み込む。
【0059】
次に、本発明における動作の概要の一例を、フローチャートを参照しながら説明する。図9は、本実施の形態における基本的な動作の一例を示すフローチャートである。先ず、S902において、ウェブ・サーバが、プロセッサ402およびディスク・ドライブ416等のデータ・ストレージを有するドキュメント処理装置のコントローラ108上において起動される。
【0060】
S904において、第1の構成ファイルがデータ記憶装置110内に保存される。次いでS906において、第1の構成ファイルにしたがって、ドキュメント処理装置104の動作に対応する標章を含むウェブ出力が生成される。S908において、ドキュメント処理装置104の動作に対応する標章の表示を含むユーザ・インターフェイスが、例えば、ドキュメント処理装置104のユーザ・インターフェイス106等のシン・クライアント・ディスプレイ上に表示される。S910において、表示された標章に対応するドキュメント処理装置104の動作のユーザ選択に対応するユーザ選択データが、ウェブ・サーバを介して受け取られる。次いでS912において、受け取られたユーザ選択データにしたがって、選択データがユーザ・インターフェイスを介して表示される。S914において、第1の構成ファイルが、例えば、管理装置116等の適切な管理ワークステーションに対して出力される。次いでS916において、代わりの第2の構成ファイルが、管理装置116から受信される。S918において、受信された代わりの第2の構成ファイルにしたがって代替のユーザ・インターフェイスの生成を開始するように、受信された代わりの第2の構成ファイルがウェブ・サーバ内に読み込まれる。
【0061】
さらに、本発明における動作の一例について図10のフローチャートを用いて詳述する。先ず、S1002で、プロセッサ402およびディスク・ドライブ416等のデータ・ストレージを有するドキュメント処理装置104のコントローラ108が、ウェブ・サーバを起動する。次いでS1004において、第1の構成ファイルがディスク・ドライブ416等のデータ・ストレージに保存される。一実施形態において、構成ファイルは、記述子およびアイコン・ファイルを含むXMLコードから構成される。これらのファイルは、アーカイブに圧縮して単一ファイルにすることも可能であり、あるいは個別にエクスポートすることもできる。以下に、記述子ファイルの例を示す。
【0062】
<LocalizationPack name=locale creationTime=time user=username>
<SupportedFeatures>textual description</SupportedFeatures>
<Messages>
<Message id=identifier descriptor=textual description of string>
<Locale=lang>string</Locale>
….
</Message>
….
</Messages>
<Screens>
<Screen id=identifier descriptor=textual description of UI>
<Locale=country>path of xml</Locale>
….
</Screen>
….
</Screens>
<Frames>
<Frame id=identifier descriptor=textual description of UI>
<Locale=country>path of xml</Locale>
….
</Frame>
….
</Frames>
<Icons>
<Icon id=identifier descriptor=textual description of icon>
<Locale=language_country>path of icon</Locale>
….
</Icon>
….
</Icons>
</LocalizationPack>
S1006において、第1の構成ファイルにしたがってウェブ出力が生成される。例えば、ウェブ出力は、ドキュメント処理装置104の動作に対応する標章を含む。S1008において、ユーザ・インターフェイスが、ドキュメント処理装置104のシン・クライアント・ディスプレイ上に表示される。例えば、ユーザ・インターフェイスは、ドキュメント処理装置104の動作に対応する標章の表示を含む。次いでS1010において、表示された標章に対応するドキュメント処理装置104の動作のユーザ選択に対応するユーザ選択データが、ウェブ・サーバを介して受け取られる。次いでS1012において、受け取られたユーザ選択データにしたがって、選択データがユーザ・インターフェイスを介して表示される。S1014において、ユーザ・インターフェイス要素のサブセットが、第1の構成ファイルからフィルタリングされる。本発明の一実施形態において、フィルタリングされるユーザ・インターフェイス要素は、グラフィカル・ユーザ要素(graphical user elements)である。本発明の別の実施形態においては、フィルタリングされるユーザ・インターフェイス要素は、装置制御要素である。
【0063】
次いでS1016において、コントローラ108もしくはドキュメント処理装置104に関連する他の適切なコンポーネントは、第1の構成ファイルを管理装置116に出力する。一実施形態において、構成ファイルは、ネットワーク・インターフェイスを介して出力される。別の実施形態においては、構成ファイルは、ストレージ・インターフェイスを介して、USBインターフェイスの記憶媒体等のポータブル記憶装置に出力される。管理装置116は、構成ファイルをカスタム化するための視覚的ツール等のカスタム化ツールを含む。次いでS1018において、代わりの第2の構成ファイルが、管理装置116から受信される。受信した代わりの第2の構成ファイルにしたがって代替のユーザ・インターフェイスの生成を開始するように、S1020において、代わりの第2の構成ファイルがウェブ・サーバ内に読み込まれる。S1022において、補足的な構成ファイルが受信され、S1024において、第1の構成ファイルに追加される。S1026において、追加された構成ファイルにしたがって、増補されたユーザ・インターフェイスが生成される。
【0064】
本発明の好ましい実施形態の以上の説明は、例示と説明のために行った。説明は網羅的ではなく、本発明を開示した形態に限定しようとするものでもない。以上の開示を鑑みて明らかな修正または変形が可能である。実施形態は、本発明の原理とその実際的な応用例を最もよく示し、それにより当業者が、本発明を、意図された特定の使用に適した様々な実施形態において様々な修正で使用できるように選択され説明された。そのようなすべての修正と変形は、特許請求の範囲の記載に明示されるとおりの本発明の原理および範囲内において、当業者によって行われ得ることは明らかであり、特許請求の範囲の記載によって定められる本発明の範囲内にある。
【符号の説明】
【0065】
100、700・・・システム、 102・・・コンピュータ・ネットワーク、分散通信システム、 104、200、300、702・・・ドキュメント処理装置、MFP、 106・・・ユーザ・インターフェイス、 108、400、704・・・コントローラ、 110・・・データ記憶装置、 112、118・・・通信リンク、114、120・・・ポータブル記憶装置の読取り装置、 116・・・管理装置、 202、402、602、706・・・プロセッサ、 204、404、604・・・読出し専用メモリ、ROM、 206、406、606・・・RAM、 208、408、610・・・ストレージ・インターフェイス、 210、410、612・・・ネットワーク・インターフェイス・サブシステム、 212、412、614・・・バス、 214、316、414、620・・・ネットワーク・インターフェイス・カード、 216、416、618・・・ディスク・ドライブ、 218、418、630・・・無線インターフェイス、 220、420、632・・・物理的ネットワーク、 222・・・オプションの入出力インターフェイス、 224・・・ユーザ入出力パネル、 226・・・印刷インターフェイス、 228・・・コピー・インターフェイス、 230・・・画像走査インターフェイス、 232・・・ファクシミリ・インターフェイス、 234、304・・・印刷エンジン、 236・・・コピー・エンジン、 238、308・・・画像走査エンジン、 240、306・・・ファクシミリ・エンジン、 302、502・・・ドキュメント処理エンジン、 310・・・コンソール・パネル、 314・・・デバイス・ドライバ、 318、320、322、324、326・・・ドライバ、 422・・・ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス、 424・・・コピー・ハードウェア、 426・・・画像走査ハードウェア、
428・・・印刷ハードウェア、 430・・・ファクシミリ・ハードウェア、 432・・・ドキュメント処理ハードウェア、 504・・・印刷機能部、 506・・・ファクシミリ通信機能部、 508・・・画像走査機能部、 510・・・ユーザ・インターフェイス・パネル、 512・・・ジョブ・キュー、 514・・・ネットワーク・サービス機能部、 516・・・画像プロセッサ、 518・・・ジョブ解析部、 520・・・クライアント側ネットワーク・サービス機能、 522・・・クライアント装置サービス部、 600・・・ワークステーション、 608・・・表示インターフェイス、 616・・・入出力インターフェイス、 622・・・入力装置、キーボード、 624・・・周辺装置インターフェイス、 626・・・ポインティング・デバイス・インターフェイス、 628・・・表示モニタ、 708・・・データ・ストレージ、 710・・・ウェブ・サーバ、 712・・・ユーザ・インターフェイス、 714・・・データ・ポート、 716・・・データ・エディタ、 718・・・管理ワークステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサおよびデータ・ストレージとを備えるインテリジェント・コントローラを有するドキュメント処理装置と、
前記ドキュメント処理装置の動作に対応する標章を含むウェブ出力を生成するための第1のウェブ・サーバ構成ファイルによって構成され、かつ、生成された標章にしたがって前記ドキュメント処理装置の動作のユーザ選択に対応するユーザ選択データを受け取るように構成され、前記コントローラに配置されたウェブ・サーバと、
このウェブ・サーバとインターフェイスし、前記ドキュメント処理装置の動作に対応する前記標章の表示を含むユーザ・インターフェイスを表示し、かつ、受け取られた前記ユーザ選択データにしたがって前記選択データを表示するシン・クライアントを備えるユーザ・インターフェイスと、
管理ワークステーションと、
前記第1の構成ファイルを前記管理ワークステーションに出力し、前記管理ワークステーションから代わりの第2の構成ファイルを受信するデータ・ポートと、
前記受信された代わりの第2の構成ファイルにしたがって代替ユーザ・インターフェイスの生成を開始するように、前記受信された代わりの第2の構成ファイルを前記ウェブ・サーバ内に読み込むデータ・エディタと
を備えることを特徴とするドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステム。
【請求項2】
前記第1の構成ファイルは、XMLコードから構成されることを特徴とする請求項1に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステム。
【請求項3】
前記データ・ポートは、ネットワーク・インターフェイスまたはストレージ・インターフェイスから構成されることを特徴とする請求項2に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステム。
【請求項4】
前記データ・ポートによる前記第1の構成ファイルの出力に先立って、前記第1の構成ファイルからユーザ・インターフェイス要素のサブセットを選択するフィルタを、さらに、備えることを特徴とする請求項1に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステム。
【請求項5】
前記フィルタは、前記第1の構成ファイルからグラフィカル・ユーザ要素または装置制御要素を選択することを特徴とする請求項4に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステム。
【請求項6】
前記データ・ポートは、さらに、補足的な構成ファイルを受信し、
前記データ・エディタは、さらに、前記補足的な構成ファイルにしたがって増補されたユーザ・インターフェイスの生成を開始するために、前記補足的な構成ファイルを前記第1の構成ファイルに追加することを特徴とする請求項1に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステム。
【請求項7】
プロセッサおよびデータ・ストレージとを有するドキュメント処理装置のコントローラ上においてウェブ・サーバを起動するステップと、
第1の構成ファイルを前記データ・ストレージ内に保存する保存ステップと、
前記第1の構成ファイルにしたがって、前記ドキュメント処理装置の動作に対応する標章を含むウェブ出力を生成するステップと、
前記ドキュメント処理装置のシン・クライアント・ディスプレイ上に、前記ドキュメント処理装置の動作に対応する前記標章の表示を含むユーザ・インターフェイスを表示するステップと、
前記表示された標章に対応する前記ドキュメント処理装置の動作のユーザ選択に対応するユーザ選択データを、前記ウェブ・サーバを介して受け取るステップと、
受け取られた前記ユーザ選択データにしたがって、前記選択データを、前記ユーザ・インターフェイスを介して、表示するステップと、
前記第1の構成ファイルを管理ワークステーションに出力する出力ステップと、
前記管理ワークステーションから代わりの第2の構成ファイルを受信するステップと、
前記受信された代わりの第2の構成ファイルにしたがって代替のユーザ・インターフェイスの生成を開始するように、前記受信された代わりの第2の構成ファイルを前記ウェブ・サーバ内に読み込むステップと
を含むことを特徴とするドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するための方法。
【請求項8】
前記保存ステップは、XMLコードから構成された前記第1の構成ファイルを保存するステップを含むことを特徴とする請求項7に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するための方法。
【請求項9】
前記出力ステップは、ネットワーク・インターフェイスまたはストレージ・インターフェイスを介して前記第1の構成ファイルを出力するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するための方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記第1の構成ファイルの出力に先立って、前記第1の構成ファイルからユーザ・インターフェイス要素のサブセットをフィルタリングするステップを、さらに、含むことを特徴とする請求項7に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するための方法。
【請求項11】
前記フィルタリングするステップは、グラフィカル・ユーザ要素または装置制御要素を前記第1の構成ファイルからフィルタリングするステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するための方法。
【請求項12】
前記方法は、
補足的な構成ファイルを受信するステップと、
前記補足的な構成ファイルを前記第1の構成ファイルに追加するステップと、
このステップにおいて追加された構成ファイルにしたがって増補されたユーザ・インターフェイスを生成するステップと
を、さらに、含むことを特徴とする請求項7に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するための方法。
【請求項13】
プロセッサおよびデータ・ストレージとを有するドキュメント処理装置のコントローラ上においてウェブ・サーバを起動するウェブ・サーバ起動手段と、
第1の構成ファイルを前記データ・ストレージ内に保存する構成ファイル保存手段と、
前記第1の構成ファイルにしたがって、前記ドキュメント処理装置の動作に対応する標章を含むウェブ出力を生成するウェブ出力生成手段と、
前記ドキュメント処理装置のシン・クライアント・ディスプレイ上に、前記ドキュメント処理装置の動作に対応する前記標章の表示を含むユーザ・インターフェイスを表示するユーザ・インターフェイス表示手段と、
前記表示された標章に対応する前記ドキュメント処理装置の動作のユーザ選択に対応するユーザ選択データを、前記ウェブ・サーバを介して受け取るユーザ選択データ受取り手段と、
受け取られた前記ユーザ選択データにしたがって、前記選択データを、前記ユーザ・インターフェイスを介して、表示する選択データ表示手段と、
前記第1の構成ファイルを管理ワークステーションに出力する構成ファイル出力手段と、
前記管理ワークステーションから代わりの第2の構成ファイルを受信する代替構成ファイル受信手段と、
前記受信された代わりの第2の構成ファイルにしたがって代替のユーザ・インターフェイスの生成を開始するように、前記受信された代わりの第2の構成ファイルを前記ウェブ・サーバ内に読み込む代替構成ファイル読込み手段と
を備えることを特徴とするドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステム。
【請求項14】
前記構成ファイル保存手段は、XMLコードから構成された前記第1の構成ファイルを保存する手段を含むことを特徴とする請求項13に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステム。
【請求項15】
前記構成ファイル出力手段は、ネットワーク・インターフェイスまたはストレージ・インターフェイスを介して前記第1の構成ファイルを出力する手段を含むことを特徴とする請求項14に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステム。
【請求項16】
前記システムは、
前記第1の構成ファイルの出力に先立って、前記第1の構成ファイルからユーザ・インターフェイス要素のサブセットをフィルタリングするフィルタリング手段を、さらに、備えることを特徴とする請求項13に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステム。
【請求項17】
前記フィルタリング手段は、グラフィカル・ユーザ要素または装置制御要素を前記第1の構成ファイルからフィルタリングする手段を含むことを特徴とする請求項16に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステム。
【請求項18】
前記システムは、
補足的な構成ファイルを受信する補足ファイル受信手段と、
前記補足的な構成ファイルを前記第1の構成ファイルに追加するファイル追加手段と、
このファイル追加手段によって追加された構成ファイルにしたがって、増補されたユーザ・インターフェイスを生成する手段と
を、さらに、備えることを特徴とする請求項13に記載のドキュメント処理装置のユーザ・インターフェイスを変更するためのシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−165353(P2010−165353A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298146(P2009−298146)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】