説明

ドライエッチング方法およびプラズマエッチング装置

【課題】従来技術ではマイクロ波の電力を変えて放電試験を行い、マイクロ波電力に依存した放電不安定領域が存在しており、その為、放電不安定領域は避けてプロセス開発を行いプロセスウインドウを狭くしていたが、今まで以上に広いプロセスウインドウが必要とされている。
【解決手段】マグネトロン106に取り付けられたパルスジェネレータ112により、プラズマ111をパルス状にオンオフ変調してオン時のピーク電力値を連続放電にて放電不安定が生じる値より大きな値にし、オンオフ変調のデューティー比をウエハ毎に変化させることによりマイクロ波の平均電力を制御し、また、プラズマ111のオフ時間が10ms以下になるようにパルスの繰り返し周波数を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子のドライエッチング装置に係わり、安定して放電を維持できるドライエッチング方法およびプラズマエッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連するドライエッチング装置でプラズマをパルス状にオンオフ変調する技術に関しては、例えば、特許文献1には、プラズマ中のラジカル密度を測定しながら、プラズマをオンオフ変調してラジカル密度を制御することにより高精度エッチングを達成する方法が述べられている。
【0003】
また、特許文献2には、プラズマをオンオフ変調すると同時にウエハに印加する高周波バイアスの位相プラズマのオンオフと同期をとることによりプラズマ中の電子温度を制御して、処理ウエハ上の酸化膜の絶縁破壊を防ぐ方法が述べられている。
【0004】
また、特許文献3には、プラズマを10−100μsでオンオフ変調してかつウエハに600KHz以下の高周波バイアスを印加し酸化膜の絶縁破壊を防ぐと同時に高速異方性エッチングを達成する方法が述べられている。
【0005】
また、特許文献4には、プラズマを生成するマイクロ波をオンオフ変調してその周波数とデューティー比を一定値にすることにより反応性ガスの分解を制御して高精度エッチングを行う方法が述べられている。
【0006】
また、特許文献5には、プラズマを発生するためのマイクロ波を10KHz以上の周波数でオンオフ変調してラジカルを制御しかつプラズマの不安定性を抑えてイオン温度を低下させる方法が述べられている。
【0007】
現在半導体素子の量産に用いられているドライエッチング装置の一つにECR(Electro Cyclotron Resonance)型の装置がある。この装置でプラズマに磁場を印加してマイクロ波の周波数と電子のサイクロトロン周波数とが共振するように磁場強度を設定することで高密度のプラズマが発生できる特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−185999号公報
【特許文献2】特開平9−92645号公報
【特許文献3】特開平8−181125号公報
【特許文献4】特開平7−94130号公報
【特許文献5】特開平6−267900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術では、マイクロ波の電力を変えて放電試験を行った際、マイクロ波電力に依存してプラズマの発光が目視あるいはフォトダイオードなどの測定において、ちらついて見える不安定領域が存在した。この領域では、エッチング速度などの特性も再現性がないので、エッチング条件は不安定領域を避けて設定、すなわち、プロセス開発を行う上でプロセスウインドウを狭く設定していた。
【0010】
なお、本発明で対象としている放電のちらつきは、マイクロ波電力に依存してチャンバ内の電界強度分布が変化して、チャンバ形状に関連してたとえば試料台近傍あるいはマイクロ波透過窓近傍で異常放電が発生して、目視にて点滅が観測できる現象である。
【0011】
一方、特許文献5で述べられているプラズマの不安定は、同公報3頁に記載されているようにプラズマ中にドリフト波が発生してイオン温度が上昇し基板に入射するイオンの方向性が劣化する現象であり、本発明の課題とは物理的に異なる現象である。
【0012】
本発明は、マイクロ波電力に依存してチャンバ内の電界強度分布が変化して、チャンバ形状に関連してたとえば試料台近傍あるいはマイクロ波透過窓近傍で異常放電が発生して目視にて点滅が観測できる現象である放電のチラツキを解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のプラズマエッチング装置は、内部にプラズマを生成する処理室と、前記プラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記処理室内に設けられウエハを載置する試料台とを備え、前記ウエハを前記プラズマによりエッチングするプラズマ処理装置において、前記プラズマ生成手段は、前記プラズマを生成するための電力を供給する電源を具備し、前記電源の前記電力をオンオフ変調するとともにオン時のピーク電力を連続放電にてプラズマを発生させた場合にプラズマの不安定が生じない値に設定し、前記オンオフ変調のデューティー比を変えることにより前記電力の時間平均値を制御することを特徴とする。
【0014】
また、本発明のドライエッチング方法は、内部にプラズマを生成する処理室と、前記プラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記処理室内に設けられウエハを載置する試料台とを備え、前記ウエハを前記プラズマによりエッチングするプラズマエッチング装置を用いたドライエッチング方法において、前記プラズマ生成手段は、前記プラズマを生成するための電力を供給する電源を具備しており、前記電源の前記電力をオンオフ変調するとともにオン時のピーク電力を連続放電にてプラズマを発生させた場合にプラズマの不安定が生じない値に設定するステップと、前記オンオフ変調のデューティー比を変えることにより前記電力の時間平均値を制御するステップを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、マイクロ波の電力制御にパルス放電を取り入れることにより、放電のチラツキを解消することができる。瞬時の電力で発生するプラズマは安定領域になるよう設定されており、さらにハロゲンガスのように負イオンになりやすいガスのプラズマでパルス放電をするとオフ時に電子は数十μsで消滅しその後数msの間負イオンと正イオンが放電維持に関与するためチャンバ壁とプラズマの界面に生成されるプラズマシースの状態が連続放電とは異なり、ちらつきが解消される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明の実施例1のドライエッチング方法を実施するためのプラズマエッチング装置を示す概略断面図である。
【図2】図2は本発明の実施例2のウエハ毎にパルス放電のduty比を変えるフィードバック制御をするプラズマエッチング装置の概略断面図である。
【図3】図3は、加工対象であるウエハ上の微細パタンの断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施例2のマイクロ波電力(デューティー比)とCDの相関関係のデータを示す図である。
【図5】図5は本発明の実施例3のプラズマエッチング装置を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明のドライエッチング方法を実施するためのプラズマエッチング装置の一例を示す概略断面図であり、プラズマ生成手段にマイクロ波と磁場を利用したマイクロ波プラズマエッチング装置である。この装置は、内部を真空排気できるチャンバ101と被処理物であるウエハ102を配置する試料台103とチャンバ101の上面に設けられた石英などのマイクロ波透過窓104と、その上方に設けられた導波管105、マグネトロン106と、チャンバ101の周りに設けられたソレノイドコイル107と、試料台103に接続された静電吸着電源108、高周波電源109とから成る。
【0019】
ウエハ102は、ウエハ搬入口110からチャンバ101内に搬入された後、静電吸着電源108によって試料台103に静電吸着される。次に、プロセスガスがチャンバ101に導入される。チャンバ101内は、真空ポンプ(図示省略)により減圧排気され、所定の圧力(例えば、0.1Pa〜50Pa)に調整される。次に、マグネトロン106から周波数2.45GHzのマイクロ波が発振され、導波管105を通してチャンバ101内に伝播される。マイクロ波とソレノイドコイル107によって発生された磁場との作用によって処理ガスが励起され、ウエハ102上部の空間にプラズマ111が形成される。
【0020】
一方、試料台103には、高周波電源109によってバイアスが印加され、プラズマ111中のイオンがウエハ102上に垂直に加速され入射する。プラズマ111からのラジカルとイオンの作用によってウエハ102が異方的にエッチングされる。また、マグネトロン106にはパルスジェネレータ112が取り付けられており、これによりマイクロ波をパルス状にオンオフ変調することができる。
【0021】
本実施例で使用したエッチング装置は直径300mmのウエハ102を処理する装置で、チャンバ101の内径は44.2cmでウエハ102とマイクロ波透過窓104との距離は24.3cm(プラズマが発生する空間の体積37267cm)の装置を用いた。
【0022】
次に、図1の装置でpolySi302をエッチングする条件の例を表1に示す。本条件によりpolySi302を下地の酸化膜303に対して高選択比でエッチングできる。
【表1】

【0023】
表1に示す条件でプラズマを発生させるためのマイクロ波を変えて、プラズマ111からの発光をフォトダイオードにて検出してそのチラツキを測定した結果を表2に示す。マイクロ波の電力は連続放電させた場合とピーク電力を1500Wにして繰り返し周波数1KHzでオンオフ変調しduty比を変えることで電力制御した場合を比較している。表2で“○”は放電チラツキ無し、“X”は放電チラツキありを示す。放電がちらつく状態ではエッチングを行うことができない。
【表2】

【0024】
連続放電では、900Wから1100Wでチラツキが生じるが、マイクロ波のオンオフ制御により、放電のチラツキを解消することができる。原因は瞬時の電力で発生するプラズマ111は安定領域になるよう設定されており、さらに、ハロゲンガスのように負イオンになりやすいガスのプラズマ111でパルス放電をすると、オフ時に電子は数十μsで消滅しその後数msの間負イオンと正イオンが放電維持に関与するため、チャンバ壁とプラズマ111の界面に生成されるプラズマ111のシースの状態が連続放電とは異なり、ちらつきが解消されると推定される。
【0025】
プラズマ111が消失するまでの時間は、数10msなので、オフ時間を10ms以下にすればプラズマ111が消失する前にオンが始まり、プラズマが維持される。
【0026】
プラズマ111のちらつく電力領域は、条件に依存する。従って、別条件のエッチングでは、まず連続放電にてマイクロ波電力を変えて、表2と同様に、放電がちらつく領域を確認して、ピーク電力をチラツキが生じる電力よりも十分大きく設定して、かつ、オフ時間が10ms以下になる周波数でマイクロ波をオンオフ変調すれば、チラツキを解消できる。
【0027】
なお、表2に示すマイクロ波の電力はチャンバ101の大きさが変わると、その体積に応じて変わり、1500Wは単位体積当たりのマイクロ波電力に換算すると約0.04W/cmに相当する。
【0028】
なお、放電に不安定領域が存在することは、マイクロ波プラズマエッチング装置に限らず、誘導結合型あるいは容量結合型のプラズマエッチング装置でも同様の課題があり、これらの装置でも本発明にて放電不安定を回避できる。
【実施例2】
【0029】
次に、プラズマ111のオンオフ変調により可能になるエッチング加工寸法(以後、「CD」と呼ぶ。)の制御方法に関する実施例を述べる。図2は、図1に示すプラズマエッチング装置にプラズマ111の発光強度あるいは発光強度の変化から求まるエッチング処理終了時間などを測定して、このモニタ値をもとに処理中のウエハ102あるいは次に処理するウエハ102のエッチング条件を変える仕組みが付加されたプラズマエッチング装置の概略図を示す。
【0030】
図2に示す受光部202、CD演算部203、レシピ演算部205、データベース204,206、エッチング制御用PC207は、通信手段を介して通信可能に連結されている。図3は、加工対象であるウエハ102上の微細パタンの断面図で、Si基板304と下地の酸化膜303上にあるpolySi302を微細パタン状に加工された窒化シリコンなどのマスク301と同じパタン状にエッチングする様子を表している。
【0031】
ドライエッチングでは、通常、図3に示すような加工を1ロット(25枚)連続処理する。加工された線幅(以後「CD」と呼ぶ。)は連続処理中、ある許容値内に収まる必要がある。しかし、エッチングの反応生成物などがチャンバ101内に付着するなどして時間とともにプラズマ状態が変化してCDの変動が許容値内に収まらない場合がある。
【0032】
この実施例では、プラズマ111をオンオフ変調して、そのデューティー比をウエハ毎に変えることでCDの変動を許容値内に抑える。通常、CDはウエハ102に印加するバイアス電力やプラズマ密度すなわちマイクロ波電力に依存して変化するので、マイクロ波電力を変化させることでCDを変えることができる。
【0033】
次に、具体的な方法を述べる。図3に示すpolySi302のエッチングの終点は、プラズマ111中の反応生成物の発光、例えば、Siの426nmの光を光ファイバー201と受光部202で検出される。エッチングの終了時間とCDには相関があり、エッチング終了時間とCDの関係がデータベース204に格納されている。CD演算部203はエッチング終了時間からこのウエハ102のCDの推定値を算出する。算出されたCDとCD目標値の差分を計算して、この差分の値はレシピ演算部205に送られる。
【0034】
レシピ演算部205は、図4に示すマイクロ波電力(デューティー比)とCDの相関関係のデータが格納されたデータベース206を有しており、CDの目標値からの差分をゼロにするのに必要なマイクロ波電力の変量を算出する。例えば、図4のように目標CDが30nmでn枚目のCDが30+a(nm)であったとすると、n+1枚目は目標CDにするために、すなわちa(nm)細くするために、平均マイクロ波の電力をすなわちデューティー比をd(%)だけ増加させる。
【0035】
データベース206から求まったデューティー比は、エッチング制御用PC207に送られて、次のウエハ102を処理する際に、この値に設定してエッチング行う。この際、プラズマ111を連続放電していると、CD差分がゼロになるように修正されたマイクロ波電力値が、表2に示すプラズマ111の不安定領域に入ってしまうことがあり、エッチングに支障をきたす。実施例1で述べたように、プラズマ111をオンオフ変調して、そのデューティー比を変えることによりマイクロ波電力を制御するとプラズマ111の不安定の課題を解消できる。
【実施例3】
【0036】
次に、放電不安定を防止するために、本発明と併用するとより安定のマージンが広がる方法を述べる。まず、プラズマ111の電位を安定させるために、直流電流が流れるアース面401をプラズマ111と接する部分に設けることが望ましい。
【0037】
通常、チャンバ101の内壁は、アルマイトやイットリウム酸化物などの安定化処理がされているが、これらの材料は絶縁物なので、直流電流が流れない。プラズマ111と接する部分を一部これらの絶縁膜をはがすあるいは導体を挿入するなどして、さらに導体部分をアース電位にすることでプラズマ111の電位が安定するので放電がより安定する。直流的アース面401の面積は10cm以上が望ましい。
【0038】
つぎに、プロセスガスの圧力は0.1−10Paの間に設定することが望ましい。圧力が低すぎると、電子の平均自由行程が長くなり、電離を生じる前に壁で消失する機会が増えてプラズマ111の不安定の原因となる。また、圧力が高すぎると、着火性が悪くなり不安定を生じやすい。
【0039】
さらに、チャンバ101の形状は、局所的に電界が強くなる部分を極力減らすことが望ましい。すなわち、鋭利な凹凸を設けず、角部分402は半径5mm以上の曲線にするとよい。
【符号の説明】
【0040】
101 チャンバ
102 ウエハ
103 試料台
104 マイクロ波透過窓
105 導波管
106 マグネトロン
107 ソレノイドコイル
108 静電吸着電源
109 高周波電源
110 ウエハ搬入口
111 プラズマ
112 パルスジェネレータ
201 光ファイバー
202 受光部
203 CD演算部
204,206 データベース
205 レシピ演算部
207 エッチング制御用PC
301 マスク
302 polySi
303 酸化膜
304 Si基板
401 アース面
402 角部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にプラズマを生成する処理室と、前記プラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記処理室内に設けられウエハを載置する試料台とを備え、前記ウエハを前記プラズマによりエッチングするプラズマエッチング装置において、前記プラズマ生成手段は、前記プラズマを生成するための電力を供給する電源を具備し、前記電源の前記電力をオンオフ変調するとともにオン時のピーク電力を連続放電にてプラズマを発生させた場合にプラズマの不安定が生じない値に設定し、前記オンオフ変調のデューティー比を変えることにより前記電力の時間平均値を制御することを特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項2】
請求項1記載のプラズマエッチング装置において、前記オンオフ変調は、オフ時間が10ms以下となる周波数でオンオフ変調されることを特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項3】
請求項2記載のプラズマエッチング装置において、前記プラズマ生成手段は、前記処理室内に磁場を生成する磁場生成手段を具備し、前記電源は、マイクロ波を発振するマグネトロンであることを特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項4】
内部にプラズマを生成する処理室と、前記プラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記処理室内に設けられウエハを載置する試料台とを備え、前記ウエハを前記プラズマによりエッチングするプラズマエッチング装置において、前記ウエハをエッチングする前記プラズマエッチング装置の装置状態をモニタするセンサを備え、前記プラズマ生成手段は、前記プラズマを生成するための電力をオンオフ変調しながら供給し、前記センサにより取得されたモニタ値と予め設定された目標値との差分を前記オンオフ変調のデューティー比をウエハ毎に制御しながら補正することを特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項5】
内部にプラズマを生成する処理室と、前記プラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記処理室内に設けられウエハを載置する試料台とを備え、前記ウエハを前記プラズマによりエッチングするプラズマエッチング装置において、前記ウエハをエッチングする前記プラズマエッチング装置の装置状態をモニタするセンサと、前記センサにより取得されたモニタ値と予め設定された目標値との差分を演算する演算部と、前記演算部により算出された差分を補正するようにエッチングパラメータを制御する制御部とを備え、前記プラズマ生成手段は、前記プラズマを生成するための電力をオンオフ変調しながら供給し、前記制御部は、前記オンオフ変調のデューティー比をウエハ毎に制御しながら前記差分を補正することを特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5記載のプラズマエッチング装置において、前記処理室の内壁の前記プラズマと接する部分に、直流電流が流れるアース面を形成し、前記処理室の内壁の前記プラズマと接する部分の角部分は、鋭利な凹凸を設けず曲面に形成されていることを特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項7】
内部にプラズマを生成する処理室と、前記プラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記処理室内に設けられウエハを載置する試料台とを備え、前記ウエハを前記プラズマによりエッチングするプラズマエッチング装置を用いたドライエッチング方法において、前記プラズマ生成手段は、前記プラズマを生成するための電力を供給する電源を具備しており、前記電源の前記電力をオンオフ変調するとともにオン時のピーク電力を連続放電にてプラズマを発生させた場合にプラズマの不安定が生じない値に設定するステップと、前記オンオフ変調のデューティー比を変えることにより前記電力の時間平均値を制御するステップを備えていることを特徴とするドライエッチング方法。
【請求項8】
請求項7記載のドライエッチング方法において、前記オンオフ変調は、オフ時間が10ms以下となる周波数でオンオフ変調されることを特徴とするドライエッチング方法。
【請求項9】
内部にプラズマを生成する処理室と、前記プラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記処理室内に設けられウエハを載置する試料台とを備え、前記ウエハを前記プラズマによりエッチングするプラズマエッチング装置を用いたドライエッチング方法において、前記ウエハを処理する前記プラズマエッチング装置の装置状態をモニタするセンサを備えており、前記プラズマ生成手段により、前記プラズマを生成するための電力をオンオフ変調しながら供給するステップと、前記センサにより取得されたモニタ値と予め設定された目標値との差分を前記オンオフ変調のデューティー比をウエハ毎に制御しながら補正するステップを備えていることを特徴とするドライエッチング方法。
【請求項10】
内部にプラズマを生成する処理室と、前記プラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記処理室内に設けられウエハを載置する試料台とを備え、前記ウエハを前記プラズによりエッチングするプラズマエッチング装置を用いたドライエッチング方法において、前記ウエハを処理する前記プラズマ処理装置の装置状態をモニタするセンサと、前記センサにより取得されたモニタ値と予め設定された目標値との差分を演算する演算部と、前記演算部により算出された差分を補正するようにエッチングパラメータを制御する制御部とを備えており、前記プラズマ生成手段により、前記プラズマを生成するための電力をオンオフ変調しながら供給するステップと、前記制御部により、前記オンオフ変調のデューティー比をウエハ毎に制御しながら前記差分を補正するステップを備えていることを特徴とするドライエッチング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−30521(P2013−30521A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163831(P2011−163831)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】