説明

ドライバ回路

【課題】回路構成素子数の少ないドライバ回路を提供する。
【解決手段】L1とL2は伝送線路、TRはトランス、TR1とTR2は該トランスの一次側端子、TPは上記トランスの一次側中点タップ、S1とS2は送信回路である。また、Roは伝送線路の終端抵抗である。各々の送信回路は、NPNトランジスタQ1またはQ2、第一の抵抗R1またはR4、第二の抵抗R2またはR5、第三の抵抗R3またはR6からなる。また、T1とT2は、それぞれ、第一と第二の制御入力端子である。さらに、VCCは正電圧源である。そして、上記トランスの一次側中点タップTPは、上記正電源VCCに接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドライバ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の平衡伝送路のドライバ回路の典型例を、伝送線路とトランスとともに、図5に示す。図5において、LlとL2は伝送線路、TRはトランス、TR1とTR2はトランスの一次側端子、S1とS2は送信回路である。また、Roは伝送線路の終端抵抗である。
【0003】
各々の送信回路は、オペアンプOP1と抵抗R1とR2、R3、R4、あるいはオペアンプOP2と抵抗R5とR6、R7、R8からなる。また、O1とO2は、それぞれOP1とOP2の出力端であり、IP1とIP2は、それぞれOP1とOP2の正側入力端、IN1とIN2は、それぞれOP1とOP2の負側入力端である。さらに、T1とT2は制御入カ端子であり、VCCは正電圧源、VEEは負電圧源である。なお、本図の元となった出典は、下記の非特許文献1および非特許文献2である。ただし、両例から、回路動作上の必須部分(同時に両者の共通部分でもある)を取り出して表記した。
【0004】
次に、図5の動作を説明する。図5において、最初、端子T1には伝送信号“1”に対応して高レベル電圧VHが与えられると同時に、端子T2には低レベル電圧VLが与えられている。
この時OP1の出力O1には電圧
Vo1={(R2+R3)/R2}×VH
が現れ、一方OP2の出力O2には電圧
Vo2={(R6+R7)/R6}×VL
が現れている。従って、O2での電圧を基準として記述すると、O1とO2の間には、
Vo1−Vo2={(R2+R3)/R2}×(VH−VL)
なる電圧が現れている。ただし、通常はR1=R2=R5=R6とし、またR3=R7とすることが多いので、ここでもそれに従って表記した。
【0005】
さて、次に、伝送信号が“1”から“0”へ転じる場合を説明する。この時、端子T1には伝送信号が“0”に切り替わるのに対応して低レベル電圧VLが与えられると同時に、端子T2には高レベル電圧VHが与えられる。このことにより、OP1の出力O1には電圧
Vo1={(R2+R3)/R2}×VL
が現れ、一方OP2の出力O2には電圧
Vo2={(R6+R7)/R6}×VH
が現れている。従って、O2を基準として記述すると、O1とO2の間には、
Vo1−Vo2={(R2+R3)/R2}×(VL−VH)
が現れる。ここでR1=R2=R5=R6、R3=R7として表記した。
【0006】
以上のようにして、伝送信号が“1”から“0”へ転じる時には、O1とO2の間には電圧の反転が生じ、この電圧変化はトランスを経由して伝送線路側に伝達される。この伝送線路電圧の変化を第一の変化と呼ぶことにする。
【0007】
次に、伝送信号を“0”から“1”へ復帰する場合を説明する。このとき、T1の電圧は低レベルから高レベルに切り替わると共に、T2の電圧は高レベルから低レベルに切り替わる。これによりOP1の出力O1には電圧
Vo1={(R2+R3)/R2}×VH
が現れ、一方OP2の出力O2には電圧
Vo2={(R6+R7)/R6}×VL
が現れる。従って、O2を基準として記述すると、O1とO2の間には、
Vo1−Vo2={(R2+R3)/R2}×(VH−VL)
が現れる。この電圧変化はトランスを経由して伝送線路側に伝達される。この伝送線路電圧の変化を第二の変化と呼ぶことにする。この第二の変化は、上記第一の変化とは逆方向で、かつ同じ量である。
【0008】
以上の動作を繰り返すことにより、伝送路上に伝送信号が伝達されるのである。
さて、次に伝送線路の終端抵抗Roと、送信回路の出力抵抗R4、R8の関係について述べる。抵抗R4とR8の役割は伝送線路の終端抵抗Roとトランス一次側の抵抗を整合させるためのものである。すなわち、トランスの一次側(=ドライバ側):二次側(=伝送線路側)の巻き線比を1:nとした時、トランスの二次側抵抗Roはトランスの一次側の両端にはRo/(nの2乗)となって出現する。
従って、
R4+R8=Ro/(nの2乗)
とすることで、ドライバ側と伝送線路側の電力整合が取れるのである。
これにより、トランスの一次側端子には、
|Vo1−Vo2|/2
の電圧振幅の変化が出現することになる。つまり、伝送路に生起される平衡信号電圧の振幅は、
n×|Vo1−Vo2|/2
となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Texas Instruments OPA2613 data sheet (SB0S249H-JUNE2003=REVISED AUGUST 2008), Figure 6. (PP.18)
【非特許文献2】Analog Devices AD8019 data sheet (REV.0), Figure6, (pp.14)
【非特許文献3】Fairchild 741 operational amplifier (「アナログ集積回路」中沢、他訳、近代科学社、昭和55年、図5.22、pp.186)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記従来の機構によって信号伝達が実行されるのであるが、ここで、重大な欠点を挙げざるを得ない。このような従来方法によれば、2個のオペアンプと数個の抵抗を必要とするのであるが、オペアンプの一般的な回路構成は図6に示す如くであって、多大な回路構成要素を必要とする。図6の出典は、上記の非特許文献3である。
【0011】
図6において、QP1〜QP9はPNPトランジスタ、QN1〜QN15はNPNトランジスタ、Dはダイオード、Cはコンデンサ、R1〜R10は抵抗である。また、VCCは正電源端子、VEEは負電源端子、IPは正側入力端子、INは負側入力端子、OPは出力端子である。このように、オペアンプ1個あたり、数十個もの回路素子が必要であるので、集積化されたオペアンプを用いる場合であっても、ドライバ回路の製造費が高くなるという欠点があった。
【0012】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、回路構成素子数を少なくしたドライバ回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、上記の目的を達成するため、
ドライバ回路を構成する第1送信回路および第2送信回路の出力端子をトランスの一次側端子の一端及び他端にそれぞれ接続し、平衡信号伝送路を形成する伝送線路の両端をトランスの二次側端子の一端及び他端にそれぞれ接続し、
制御信号を入力する2つの制御信号のうちの一つを前記第1送信回路の第1入力端子に接続し当該2つの制御信号のうちの他の一つを前記第2送信回路の第2入力端子に接続し、前記第1送信回路と前記第2送信回路の出力極性が互いに相異なるように前記第1及び第2入力端子にそれぞれ印加される2つの制御信号に応じて前記平衡信号伝送路に信号を送り出すドライバ回路において、
前記トランスの一次側は、第1定電位点に接続された中点タップを有し、
前記第1送信回路は、
第1端子と、第2端子と、第3端子と、を有する第1トランジスタと、
前記第1端子と前記トランスの一次側の前記一端との間に介在する、1または複数の受動素子を含む第1受動素子部と、
前記第1送信回路の前記第1入力端子と前記第2端子との間に介在する第2受動素子部と、
第2定電位点に接続した前記第3端子と前記第2端子との間に介在する第3受動素子部と、
からなり、
前記第2送信回路は、
第4端子と、第5端子と、第6端子と、を有する第2トランジスタと、
前記第4端子と前記トランスの一次側の前記他端との間に介在する、1または複数の受動素子を含む第4受動素子部と、
前記第2送信回路の前記第2入力端子と前記第5端子との間に介在する第5受動素子部と、
前記第2定電位点に接続した前記第6端子と前記第5端子との間に介在する第6受動素子部と、
からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、回路構成素子数の少ないドライバ回路を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるドライバ回路の回路図である。
【図2】本発明の実施の形態2にかかるドライバ回路の回路図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかるドライバ回路に実際に信号を入力した場合の出力の測定例について説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかるドライバ回路に実際に信号を入力した場合の出力の測定例について説明するための図である。
【図5】従来技術の説明図である。
【図6】従来技術で用いるオペアンプの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1にかかるドライバ回路を、図1に示す。図1において、L1とL2は伝送線路、TRはトランス、TR1とTR2は該トランスの一次側端子、TPは上記トランスの一次側中点タップ、S1とS2は送信回路である。また、Roは伝送線路の終端抵抗である。各々の送信回路は、NPNトランジスタQ1またはQ2、第一の抵抗R1またはR4、第二の抵抗R2またはR5、第三の抵抗R3またはR6からなる。また、T1とT2は、それぞれ、第一と第二の制御入力端子である。さらに、VCCは正電圧源である。そして、上記トランスの一次側中点タップTPは、上記正電源VCCに接続される。
【0017】
次に、図1の動作を説明する。図1において、最初、伝送信号“1”に対応して端子T1には高レベル電圧信号が与えられ、端子T2には低レベル電圧信号が与えられている。この時、Q1はオン状態で、Q2はオフ状態である。従って、Q1のコレクタには接地電圧付近の電圧が現れ、一方、TR2とTPとの間には電流が流れていないためにQ2のコレクタはTPと同電位となりVCC電圧が現れる。つまり、TPの電圧(=VCC)を基準として定義すると、Q1のコレクタとTPの間には、ほぼ、
V1=−VCC
の電圧が印加されており、一方、Q2のコレクタとTPの間の電圧は
V2=0
である。
【0018】
次に、伝送信号が“0”へ切り替わるのに対応して、T1の電圧を高レベルから低レベルに切り替えると共に、T2の電圧を低レベルから高レベルに切り替える。これにより、Q1はオンからオフに転じ、一方、Q2はオフからオンに転ずる。このことで、Q1のコレクタ電圧は接地電圧付近からVCCに転じ、Q2のコレクタ電圧はVCCから接地電圧付近の電圧へと転じる。従って、TPの電圧(=VCC)を基準として定義すると、Q1のコレクタとTPの間の電圧は、
V1=0
となり、一方、Q2のコレクタとTPの間の電圧は、
V2=−VCC
となるように、切り替わる。このトランス一次側の電圧切り替わりに伴い、トランスの二次側である伝送線路には電圧の変化が発生する。この変化を第一の変化とする。
【0019】
次に、伝送信号が“0”へ切り替わるのに対応して、T1の電圧を低レベルから高レベルに切り替えると共に、T2の電圧を高レベルから低レベルに切り替える。このことにより、Q1のコレクタには接地電圧が現れ、一方Q2のコレクタにはVCC電圧が現れ、TPの電圧(=VCC)を基準として定義すると、Q1のコレクタとTPの間の電圧は、
V1=−VCC
となり、一方、Q2のコレクタとTPの間の電圧は
V2=0
となるように、切り替わる。このトランス一次側の電圧切り替わりに伴い、トランスの二次側である伝送線路には電圧の変化が発生するが、この電圧変化は、上記第一の変化とは、逆方向で同量の変化となって伝送線路側に誘起される。
【0020】
以上を繰り返すことにより、T1とT2における制御信号電圧の変化を伝送線路上の信号として生起させることができるのである。
【0021】
また、伝送路に生起される平衡信号電圧の振幅は、既知の式を用いると
n×|Vo1−Vo2|/2 = n×VCC/2
となる。ただし、Vo1はQ1のコレクタ電圧、Vo2はQ2のコレクタ電圧である。
【0022】
次に、抵抗R1とR4の役割を説明する。抵抗R1とR4の役割は伝送線路側(=トランス二次側)の終端抵抗Roに対してトランス一次側の出力抵抗を整合させるためのものである。すなわち、トランス一次側の出力抵抗は、R1とトランジスタQ1のコレクタ抵抗RC1の和、あるいはR4とQ2のコレクタ抵抗RC2の和であるので、トランスの一次側:二次側の巻き線比を1:2nとした時には、R1+RC1=R4+RC2=Ro/(nの2乗)となるようにR1とR4を設定すれば、伝送上の整合が取れる。ここで、トランスの巻き数比を1:nと書かずに1:2nと書いたのは、上記の説明で自明なように、トランス一次側の電圧変化は、TPとQ1のコレクタとの間か、あるいは、TPとQ2のコレクタとの間に生じ、その変化が二次側に伝達されるからである。
【0023】
以上の説明で、NPNトランジスタQ1とQ2の役割は、トランスの一次側に印加する電圧の極性を切り替えることにある。従って、NPNトランジスタをPNPトランジスタで置換し、上記説明文中で入力端子T1、T2の電圧を、低レベルを高レベルに、また、高レベルを低レベルに書き換え、さらに、正電源VCCを負電源VEEに書き換えれば、上記と同様に動作し、伝送線路に信号を生起させ得る。さらに、バイポーラトランジスタであるNPNトランジスタをNMOSトランジスタで置き換えても良く、同様に、PNPトランジスタをPMOSトランジスタで置き換えても良い。
【0024】
さて、抵抗R2とR5の役割は、バイポーラトランジスタであるQ1あるいはQ2がオン状態からオフ状態へと遷移するに際して、いわゆるベース蓄積電荷の放電経路となるものであって、ターンオフ遷移時間を早めるためのものである。従って、トランジスタがMOSである場合には、ベース蓄積現象が存在しないので、R2とR5を省くことも可能である。
【0025】
さらに、抵抗R3とR6の役割は、端子T1とT2を介してトランジスタQ1とQ2に電圧を印加するに当たり、過大な電流がバイポーラトランジスタのベースに直接加わることを防止するためのものであり、過大電流が印加される恐れの無いMOSトランジスタの場合には、R3とR6を省くことも可能である。
【0026】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2にかかるドライバ回路を、図2に示す。図2において、L1、L2は伝送線路、TRはトランス、TR1とTR2は該トランスの一次側端子、TPは上記トランスの一次側中点タップ、S1とS2は送信回路である。さらに、各々の送信回路は、NPNトランジスタQ1またはQ2、第一の抵抗R1またはR4、インダクタL1またはL2、キャパシタC1またはC2、第二の抵抗R2またはR5、第三の抵抗R3またはR6からなる。また、T1とT2は、それぞれ、第一と第二の制御入力端子である。さらに、VCCは正電圧源である。そして、上記トランスの一次側中点タップTPは、上記正電源VCCに接続される。また、キャパシタC1とC2の一端はVCCに接続されているが、該接続点は、図2に示した範囲内から波及する固定電位点であればどこでもよく、たとえば、接地点であっても良い。
【0027】
次に、図2の動作を説明する。図2が図1から異なる点は、トランジスタQ1またはQ2のコレクタとトランスを接続する素子が単一の抵抗素子ではなく、LCRからなる2次フィルタである点である。2次のフィルタである意図は、トランス一次側に印加する電圧変化の急峻性を緩和することによって、伝送線路を介して外部の電子機器に及ぼす放射性ノイズの量を低減することにある。放射性ノイズの発生量は、元となる電圧の変化周波数に対して単調増加するので、フィルタの次数を2次にすることで、図1の抵抗R1またはR4と、周囲部品との間で生ずる寄生的キャパシタとに由来する1次フィルタの場合に比べて、放射性ノイズを一層低減できるのである。
【0028】
図2で、トランジスタQ1またはQ2のコレクタ電圧の変化をvcとし、伝送線路の平衡電圧の変化をvoと書くと、vcからvoへの伝達関数は次式となり、確かに2次のフィルタとなる。
vo/vc = 2n/{2+(r×Ci+Li/r)×s+Ci×Li×(sの2乗)}
ただし、i=1または2、
r=Ro/(nの2乗)=Ri+RCi 、
1:2nはトランスの一次側:二次側の巻き線比、
RCiはQiのコレクタ抵抗、
s=j2πf、
fは伝送信号の基本周波数
である。
【0029】
抵抗R2、R3、およびR5、R6の役割は図1のものと同じであるので、説明を省略する。また、NPNトランジスタをPNPトランジスタで置き換ええることと、バイポーラトランジスタをMOSトランジスタで置き換え得ること、さらに、抵抗R2、R3、およびR5、R6を省略可能な場合があることは、図1の場合と同様である。
【0030】
次に、図2の回路に実際に信号を入力した場合の出力の測定例について説明する。図3は図2の入力端子T1、T2に入力した信号波形を示す。この場合VCCには+3.3Vを与えている。また、入力信号の振幅は3Vppである。図4は図2のLine1、Line2端子を差動電圧で観測時の出力波形を示す。出力振幅は3.6Vppの増幅された信号が得られている。
【0031】
以上説明したように、本構成によれば、トランジスタ2個と数個の受動部品でドライバ回路を構成できる。従って、本発明にかかるドライバ回路を用いれば従来技術によるものに比べて、必要な回路要素の数を少なくすることができるので、安価に実現できるという利点がある。また、トランジスタの縦積み段数が減ったことで、低電圧動作(実験では+3.3V単電源で回路を構成)が可能である。
【符号の説明】
【0032】
TR トランス
TR1、TR2 トランスの一次側端子
C、C1、C2 キャパシタ
L1、L2 インダクタ
Q1、Q2 トランジスタ
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、 抵抗
RC1、RC2 コレクタ抵抗
T1、T2 制御入力端子
TP トランスの中点タップ
OP1、OP2 オペアンプ
IP1、IP2、IP オペアンプの正側入力端子
IN1、IN2、IN オペアンプの負側入力端子
QP1、QP2、QP3、QP4、QP5、QP6、QP7、QP8、QP9 PNPトランジスタ
QN1、QN2、QN3、Q4N、QN5、QN6、QN7、QN8、QN9、
QN10、QN11、QN12、QN13 NPNトランジスタ
D ダイオード
Line1、Line2 平衡伝送線路
Ro 平衡伝送線路の終端抵抗
S1、S2 送信回路
VCC 正電源
VEE 負電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバ回路を構成する第1送信回路および第2送信回路の出力端子をトランスの一次側端子の一端及び他端にそれぞれ接続し、平衡信号伝送路を形成する伝送線路の両端をトランスの二次側端子の一端及び他端にそれぞれ接続し、
制御信号を入力する2つの制御信号のうちの一つを前記第1送信回路の第1入力端子に接続し当該2つの制御信号のうちの他の一つを前記第2送信回路の第2入力端子に接続し、前記第1送信回路と前記第2送信回路の出力極性が互いに相異なるように前記第1及び第2入力端子にそれぞれ印加される2つの制御信号に応じて前記平衡信号伝送路に信号を送り出すドライバ回路において、
前記トランスの一次側は、第1定電位点に接続された中点タップを有し、
前記第1送信回路は、
第1端子と、第2端子と、第3端子と、を有する第1トランジスタと、
前記第1端子と前記トランスの一次側の前記一端との間に介在する、1または複数の受動素子を含む第1受動素子部と、
前記第1送信回路の前記第1入力端子と前記第2端子との間に介在する第2受動素子部と、
第2定電位点に接続した前記第3端子と前記第2端子との間に介在する第3受動素子部と、
からなり、
前記第2送信回路は、
第4端子と、第5端子と、第6端子と、を有する第2トランジスタと、
前記第4端子と前記トランスの一次側の前記他端との間に介在する、1または複数の受動素子を含む第4受動素子部と、
前記第2送信回路の前記第2入力端子と前記第5端子との間に介在する第5受動素子部と、
前記第2定電位点に接続した前記第6端子と前記第5端子との間に介在する第6受動素子部と、
からなることを特徴とするドライバ回路。
【請求項2】
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタは、バイポーラトランジスタであり、
前記第1送信回路の前記第1乃至第3受動素子部および前記第2送信回路の前記第4乃至第6受動素子部は抵抗素子であることを特徴とする請求項1記載のドライバ回路。
【請求項3】
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタは、バイポーラトランジスタであり、
前記第1送信回路の前記第1受動素子部および前記第2送信回路の前記第4受動素子部は、それぞれ、抵抗素子と容量素子とインダクタンス素子とから構成された2次のフィルタであり、
前記第1送信回路の前記第2および第3受動素子部並びに前記第2送信回路の前記第5および第6受動素子部は、抵抗素子であることを特徴とする請求項1記載のドライバ回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−151678(P2012−151678A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9106(P2011−9106)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【Fターム(参考)】