説明

ドーパミンD3受容体の調節因子としてのアザビシクロ[3.1.0]ヘキシルフェニル誘導体

本発明は、式(IA):


[式中:
Aは、シクロプロピル基に対してメタ位またはパラ位でフェニル基に結合され、−SONR−、−SOCR−、−CRSO−および−NRSO−からなる群より選択され;
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキルまたはC2−6アルキレンであり;
およびRは、独立して、水素またはC1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシであり;
は、水素、C1−6アルキル、またはRで所望により置換されていてもよいフェニルであり;ならびに
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシである]
で示される新規化合物またはその塩、その調製法、該方法に用いられる中間体、それらを含有する医薬組成物ならびにドーパミンD受容体の調製因子として、例えば、抗精神病薬として物質関連障害を、早漏または認識障害を治療するための治療におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、その調製法、該方法に用いられる中間体、それらを含有する医薬組成物ならびにドーパミンD受容体の調節因子として、治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
WO2002/40471(SmithKline Beecham)は、ドーパミンD受容体にて活性を有する特定のベンゾアゼピン化合物を開示する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ドーパミン受容体、特に、ドーパミンD受容体に対してアフィニティーを有する一連の新規化合物が見出された。これらの化合物は、ドーパミンD受容体の調節、特に、拮抗作用/阻害作用が有益な病態の治療において、例えば、薬物依存における治療または抗精神病薬として可能性を有する。
【0004】
本発明は、式(I):
【化1】

[式中:
Aは、シクロプロピル基に対してメタ位またはパラ位でフェニル基に結合され、−S−、−SO−、−SO−、−SCR−、−SONR−、SOCR−、−SOCR−および−NRSO−からなる群より選択され;
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキルまたはC2−6アルキレンであり;
およびRは、独立して、水素またはC1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシであり;
は、水素、C1−6アルキル、またはRで所望により置換されていてもよいフェニルであり;ならびに
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシである]
で示される化合物またはその塩を提供する。
【0005】
別の実施態様において、本発明は、式(IA):
【化2】

[式中:
Aは、シクロプロピル基に対してメタ位またはパラ位でフェニル基に結合され、−SONR−、−SOCR−、−CRSO−および−NRSO−からなる群より選択され;
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキルまたはC2−6アルキレンであり;
およびRは、独立して、水素またはC1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシであり;
は、水素、C1−6アルキル、またはRで所望により置換されていてもよいフェニル;ならびに
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシである]
で示される化合物またはその塩を提供する。
【0006】
さらなる実施態様において、本発明は、式(IB):
【化3】

[式中:
Aは、−SONR−、−SOCR−および−NRSO−からなる群より選択され;
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキルまたはC2−6アルキレンであり;
およびRは、独立して、水素またはC1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシであり;
は、水素、C1−6アルキル、またはRで所望により置換されていてもよいフェニルであり;ならびに
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシである]
で示される化合物またはその塩を提供する。
【0007】
さらなる実施態様において、本発明は、式(IC):
【化4】

[式中:
Aは、−SONR−、−SOCR−および−NRSO−からなる群より選択され;
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキルまたはC2−6アルキレンであり;
およびRは、独立して、水素またはC1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシであり;
は、水素であり;ならびに
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシである]
で示される化合物またはその塩を提供する。
【0008】
さらなる実施態様において、本発明は、式(ID):
【化5】

[式中:
Aは、−CRSO−であり;
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキルまたはC2−6アルキレンであり;
およびRは、独立して、水素またはC1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、ハロゲンまたはC1−6アルコキシであり;
は、水素、C1−6アルキル、またはRで所望により置換されていてもよいフェニル;ならびに
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシである]
で示される化合物またはその塩を提供する。
【0009】
別の実施態様において、本発明は、式(IE):
【化6】

[式中:
Aは、−SCR−、−SONR−、SOCR−、CRSO−、および−NRSO−からなる群より選択され;
は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキルまたはC2−6アルキレンであり;
およびRは、独立して、水素またはC1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシであり;
は、水素、C1−6アルキル、またはRで所望により置換されていてもよいフェニルであり;ならびに
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシである]
で示される化合物またはその塩を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
基または基の一部として本明細書に用いられる「C1−6アルキル」なる語は、直鎖または分岐鎖の1〜6個の炭素原子を含有する飽和炭化水素基をいう。かかる基の例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルまたはヘキシルなどが挙げられる。
【0011】
本明細書に用いられる「C2−6アルキレン」なる語は、直鎖または分岐鎖の1個または複数の炭素−炭素二重結合を含有し、2〜6個の炭素原子を有する炭化水素基をいう。かかる基の例として、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニルまたはヘキセニルなどが挙げられる。
【0012】
本明細書に用いられる「C1−6アルコキシ」なる語は、−O−C1−6アルキル基をいい、ここで、C1−6アルキルは、本明細書に記載のとおりである。かかる基の例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシまたはヘキソキシなどが挙げられる。
【0013】
「ハロゲン」およびその略称「ハロ」なる語は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)をいう。別の置換基の前に「ハロ」なる語を用いる場合、置換基が1,2または3個のハロゲン原子で置換されていることを示す。例えば、「ハロC1−6アルキル」は、トリフルオロメチル、ブロモエチル、トリフルオロプロピルおよび上記のC1−4アルキル基から得られる他の置換基などの置換基をいい;ならびに、「ハロC1−6アルコキシ」なる語は、トリフルオロメトキシ、ブロモエトキシ、トリフルオロプロポキシ、および上記のC1−6アルコキシ基から得られる他の置換基などの置換基をいう。
【0014】
本明細書中で用いられる場合、「塩」なる語は、無機もしくは有機酸または塩基から調製される本発明の化合物のいずれかの塩、第4級アミン塩および内部形成塩をいう。生理学上許容される塩は、親化合物に比して高い水溶性のために、特に、医学的用途に適当である。かかる塩は、明らかに、生理学上許容されるアニオンまたはカチオンを有さなければならない。本発明の化合物の適当な生理学上許容される塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸など、あるいは有機酸、例えば、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、マレイン酸、コハク酸、カンファー硫酸、イソチオン酸、粘液酸、ゲンチシン酸、イソニコチン酸、糖酸、グルクロン酸、フロ酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン(embonic)酸(パモン(pamoic)酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ステアリン酸、スルフィン酸、アルギン酸、ガラクツロン酸、およびアリールスルホン酸、例えば、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸と形成される酸付加塩;アルカリ金属およびアルカリ土類金属および有機塩基、例えば、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、リジンおよびプロカインと形成される塩基付加塩;および内部形成塩を包含する。生理学上許容されないアニオンまたはカチオンを有する塩は、本発明の範囲内で、生理学上許容される塩の製法に有用な中間体として、および/または非治療的、例えば、インビトロでの使用目的で本発明の範囲内にある。
【0015】
本発明に含まれる特定の基/置換基は、異性体として存在しうる。本発明は、ラセミ化合物、エナンチオマー、互変異性体およびその混合物を含む、全てのかかる異性体をその範囲内に含む。式(I)で示される化合物に含まれる特定の置換された芳香族複素環基は、1個または複数の互変異性型で存在しうる。本発明は、混合物を含む、全てのかかる互変異性型をその範囲内に含む。
【0016】
一の実施態様において、Rは、イソプロピルなどのC1−6アルキルである。
【0017】
別の実施態様において、Rは、ハロC1−6アルキル(−CFなど)である。
【0018】
さらなる実施態様において、Rは、ハロゲン(ヨウ素など)である。
【0019】
一の実施態様において、Aは、Rが水素またはメチルである−SONR−であるか、またはAは、RおよびRが水素である−SOCR−である。
【0020】
さらなる実施態様において、Aは、Rが水素.であるSONR−である。
【0021】
別の実施態様において、Aは、RおよびRが水素である−CRSO−である。
【0022】
一の実施態様において、Rは、水素、C1−2アルキルまたはC2−4アルキレンである。
【0023】
別の実施態様において、Rは、ハロC1−6アルキルである。
【0024】
一の実施態様において、Rは、水素またはC1−2アルコキシである。
【0025】
式(I)で示される化合物が、少なくとも2個のキラル中心を有する、すなわち、分子の3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン部分における1位および5位にあることが分かるであろう。縮合シクロプロパンの存在のため、式(I)で示される化合物は、「シス」配置の置換基を有すると考えられている(二環系に結合する両方の基は、該二環系の同一面上にある)。したがって、化合物は、シクロプロパン中のキラル中心に対するエナンチオマーである2個の立体異性体で存在しうる。ほとんどの生物活性分子と同様に、生物活性の濃度が、特定の分子の個々の立体異性体間で異なりうることも分かるであろう。本発明の範囲が、全ての個々の立体異性体(ジアステレオマーおよびエナンチオマー)および限定しないがラセミ混合物を含む、その全ての混合物を含み、本明細書に記載の方法に関連して適当な生物活性を証明することを意図とする。
【0026】
本発明の別の実施態様において、シクロプロピル部分の近接に太字表示の2個の結合によって表される、「シス」配置を有する式(I)で示される化合物に相当する式(I)’:
【化7】

[式中:R、RおよびAは、上記の式(I)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物が提供される。
【0027】
式(I)’で示される化合物において、以下に示されるように、シクロプロパン部分に位置する少なくとも2個のキラル中心がある(太字表示の結合は「シス」配置を意味する):
【化8】

【0028】
本発明のさらなる実施態様において、(1S,5R)配置が豊富な、式(I)で示される化合物の立体化学異性体に相当する式(Ia):
【化9】

[式中:R、R、RおよびAは、上記の式(I)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0029】
本発明のさらなる実施態様において、(1R,5S)配置が豊富な、式(I)で示される化合物の立体化学異性体に相当する式(Ib):
【化10】

[式中:R、R、RおよびAは、上記の式(I)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0030】
本発明の別の実施態様において、シクロプロピル部分の近接に太字表示の2個の結合によって表される、「シス」配置を有する式(IA)で示される化合物に相当する式(IA)’:
【化11】

[式中:R、RおよびAは、上記の式(IA)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物が提供される。
【0031】
式(IA)’で示される化合物において、以下に示されるように、シクロプロパン部分に位置する少なくとも2個のキラル中心がある(太字表示の結合は「シス」配置を意味する):
【化12】

【0032】
本発明のさらなる実施態様において、(1S,5R)配置が豊富な、式(IA)で示される化合物の立体化学異性体に相当する式(IAa):
【化13】

[式中:R、R、RおよびAは、上記の式(IA)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0033】
本発明のさらなる実施態様において、(1R,5S)配置が豊富な、式(IA)で示される化合物の立体化学異性体に相当する式(IAb):
【化14】

[式中:R、R、RおよびAは、上記の式(IA)についての記載と同義である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0034】
本発明の別の実施態様において、シクロプロピル部分の近接に太字表示の2個の結合によって表される、「シス」配置を有する式(IB)で示される化合物に相当する式(IB)’:
【化15】

[式中:R、RおよびAは、上記の式(IB)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物が提供される。
【0035】
式(IB)’で示される化合物において、以下に示されるように、シクロプロパン部分に位置する少なくとも2個のキラル中心がある(太字表示の結合は「シス」配置を意味する):
【化16】

【0036】
本発明のさらなる実施態様において、(1S,5R)配置が豊富な、式(IB)で示される化合物の立体化学異性体に相当する式(IBa):
【化17】

[式中:R、R、RおよびAは、上記の式(IB)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0037】
本発明のさらなる実施態様において、(1R,5S)配置が豊富な、式(IB)で示される化合物の立体化学異性体に相当する式(IBb):
【化18】

[式中:R、R、RおよびAは、上記の式(IB)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0038】
本発明の別の実施態様において、シクロプロピル部分の近接に太字表示の2個の結合によって表される、「シス」配置を有する式(IC)で示される化合物に相当する式(IC)’:
【化19】

[式中:R、RおよびAは、上記の式(IC)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物が提供される。
【0039】
式(IC)’で示される化合物において、以下に示されるように、シクロプロパン部分に位置する少なくとも2個のキラル中心がある(太字表示の結合は「シス」配置を意味する):
【化20】

【0040】
本発明のさらなる実施態様において、(1S,5R)配置が豊富な、式(IC)で示される化合物の立体化学異性体に相当する式(ICa):
【化21】

[式中:R、R、RおよびAは、上記の式(IC)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0041】
本発明のさらなる実施態様において、(1R,5S)配置が豊富な、式(IC)で示される化合物の立体化学異性体に相当する式(ICb):
【化22】

[式中:R、R、RおよびAは、上記の式(IC)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0042】
本発明の別の実施態様において、シクロプロピル部分の近接に太字表示の2個の結合によって表される、「シス」配置を有する式(ID)で示される化合物に相当する式(ID)’:
【化23】

[式中:R、RおよびAは、上記の式(ID)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物が提供される。
【0043】
式(ID)’で示される化合物において、以下に示されるように、シクロプロパン部分に位置する少なくとも2個のキラル中心がある(太字表示の結合は「シス」配置を意味する):
【化24】

【0044】
本発明のさらなる実施態様において、(1S,5R)配置が豊富な、式(ID)で示される化合物の立体化学異性体に相当する式(IDa):
【化25】

[式中:R、R、RおよびAは、上記の式(ID)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0045】
本発明のさらなる実施態様において、(1R,5S)配置が豊富な、式(ID)で示される化合物の立体化学異性体に相当する式(IDb):
【化26】

[式中:R、R、RおよびAは、上記の式(ID)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0046】
本発明の別の実施態様において、シクロプロピル部分の近接に太字表示の2個の結合によって表される、「シス」配置を有する式(IE)で示される化合物に相当する式(IE)’:
【化27】

[式中:R、RおよびAは、上記の式(IE)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物が提供される。
【0047】
式(IE)’で示される化合物において、以下に示されるように、シクロプロパン部分に位置する少なくとも2個のキラル中心がある(太字表示の結合は「シス」配置を意味する):
【化28】

【0048】
本発明のさらなる実施態様において、(1S,5R)配置が豊富な、式(IE)で示される化合物の立体化学異性体に相当する式(IEa):
【化29】

[式中:R、R、RおよびAは、上記の式(IE)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0049】
本発明のさらなる実施態様において、(1R,5S)配置が豊富な、式(IE)で示される化合物の立体化学異性体に相当する式(IEb):
【化30】

[式中:R、R、RおよびAは、式(IE)で示される化合物についての記載と同義である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0050】
本発明の化合物の例として、
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1R,5Sまたは1S,5R)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド);
4−(1−メチルエチル)−N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−(2−プロペン−1−イル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−エチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{3−[(1S,5R/1R,5S))−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−N−メチル−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−[4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]−2−(メチルオキシ)フェニル]−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
(1S,5R/1R,5S)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル}メチル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−ヨードベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−ブチルベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1,1−ジメチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−[(トリフルオロメチル)オキシ]ベンゼンスルホンアミド;
N−{4(1S,5R/1R,5S)−)−3−(3−フルオロプロピル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
(1R,5S/1S,5R)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチル}スルホニル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン;
(1R,5S/1S,5R)−3−(3−フルオロプロピル)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチル}スルホニル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン;
およびその塩が挙げられる。
【0051】
医薬において用いるために、本発明の化合物の塩が医薬上(すなわち、生理学上)許容されるべきであることは明らかであろう。適当な医薬上許容される塩は、当業者に明らかであり、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸などの無機酸;および、コハク酸、マレイン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸などの有機酸と形成される酸付加塩が含まれる。シュウ酸塩などの他の医薬上許容されない塩は、例えば、本発明の化合物の単離に用いられてもよく、本発明の範囲内に含まれる。本発明の化合物の溶媒和物、水和物、複合体およびプロドラッグがまた、本発明の範囲内に含まれる。医薬上許容される塩はまた、常法を用いて式(I)で示される化合物の他の塩を含む、他の塩から調製されてもよい。
【0052】
本発明のある種の化合物は、1以上の等価の酸と酸付加塩を形成していてもよい。本発明は、その範囲内に、全ての可能な化学量論的および非化学量論的形態を含む。本発明のある種の化合物は、1未満の等価の酸、または1以上の等価の酸と酸付加塩を形成していてもよい。本発明は、その範囲内に、全ての可能な化学量論的および非化学量論的形態を含む。
【0053】
有機化学の分野における当業者には、多くの有機化合物が、それらが反応している、またはそれらが沈殿または結晶化する溶媒と複合体を形成できることは明らかであろう。これらの複合体は、「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は、「水和物」として知られている。本発明の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内である。式(I)の化合物は、結晶化または適当な溶媒の蒸発によって、溶媒分子と共に容易に単離されて、対応する溶媒和物を生じうる。
【0054】
さらに、プロドラッグもまた、本発明の文脈に包含される。本明細書中で使用される場合、「プロドラッグ」なる語は、例えば血中での加水分解により、体内で医学的効果を有するその活性形態に変換する化合物を意味する。医薬上許容されるプロドラッグは、T.HiguchiおよびV.Stella,Prodrugs as Novel Delivery Systems,A.C.S. Symposium SeriesのVol.14、Edward B. Roche編, Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987、およびD.Fleisher、S.RamonおよびH.Barbra,「Improved oral drug delivery: solubility limitations overcome by the use of prodrugs」,Advanced Drug Delivery Reviews(1996)19(2)115−130(各々、出典明示により本明細書の一部とする)において記載されている。プロドラッグは、かかるプロドラッグを患者に投与したときに、構造式(I)の化合物をインビボで放出するいずれかの共有結合した担体である。プロドラッグは、一般に、官能基を修飾することによって調製され、かかる修飾は、ルーチンな操作またはインビボによって開裂して親化合物を生じるようなものである。プロドラッグは、例えば、ヒドロキシ、アミンまたはスルフヒドリル基が、患者への投与時に開裂して該ヒドロキシ、アミンまたはスルフヒドリル基を形成するいずれかの基に結合している本発明の化合物を包含する。かくして、プロドラッグの代表例は(限定するものではないが)、式(I)の化合物のアルコール、スルフヒドリルおよびアミン官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体を包含する。さらに、カルボン酸(−COOH)の場合、メチルエステル、エチルエステルなどのエステルを用いてもよい。エステルは、それ自体で活性であってもよく、および/または人体内のインビボ条件下で加水分解可能であってもよい。適当な医薬上許容されるインビボで加水分解可能なエステル基は、人体内で容易に分解して、親酸またはその塩を残すものを含む。
【0055】
さらに、構造式(I)の化合物の結晶形態のいくつかは、多形として存在することもあり、それらは本発明に含まれる。
【0056】
当業者には、本発明の化合物またはその溶媒和物の調製において、分子中の1個または複数の感受性基を保護して望ましくない副反応を防ぐことが必要、および/または望ましいことは明らかであろう。本発明にしたがって使用するのに適当な保護基は、当業者によく知られており、常法において使用されうる。例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wutsによる「Protective groups in organic synthesis」(John Wiley & sons 1991)またはP.J.Kocienskiによる「Protecting Groups」(Georg Thieme Verlag 1994)を参照のこと。適当なアミノ保護基の例は、アシル型保護基(例えば、ホルミル、トリフルオロアセチル、アセチル)、芳香族ウレタン型保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換されたCbz)、脂肪族ウレタン保護基(例えば、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、イソプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)およびアルキル型保護基(例えば、ベンジル、トリチル、クロロトリチル)を包含する。適当な酸素保護基の例は、例えば、トリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリルなどのアルキルシリル基;テトラヒドロピラニルまたはtert−ブチルなどのアルキルエーテル;またはアセテートなどのエステルを包含しうる。
【0057】
一般式(I)の化合物の特定のエナンチオマーが必要な場合、これは、例えば、常法を用いる式(I)の化合物の対応するエナンチオマー混合物の分割によって得てもよい。かくして、必要とされるエナンチオマーは、キラルHPLC法を用いることによって、式(I)のラセミ化合物から得てもよい。
【0058】
本発明の化合物は、同位体標識した化合物を包含し、それは、1以上の原子が、天然において通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換わっているという事実を除き、式(I)以下において挙げたものと同一である。本発明の化合物およびその医薬上許容される塩中に組み込むことのできる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、燐、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体、例えば、H、H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iを包含する。上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物および該化合物の医薬上許容される塩は、本発明の範囲内である。本発明の同位体標識した化合物、例えば、H、14Cなどの放射性同位体が組み込まれた化合物は、薬物および/または物質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち、Hおよび炭素−14、すなわち、14C同位体は、調製が容易で、検出が可能なので、特に好ましい。11Cおよび18F同位体は、PET(陽電子放出断層撮影法)において特に有用であり、125I同位体は、SPECT(シングルフォトン断層撮影法)において特に有用であり、全て、脳撮像法において有用である。さらに、ジュウテリウム、すなわち、Hなどのより重い同位体での置換により、より大きな代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加または必要投与量の減少に由来するある種の治療上の利益を得ることができ、したがって、ある状況下では好ましいこともある。本発明の同位体標識した式(I)以下の化合物は、一般に、下記のスキームおよび/または実施例において開示される手法を実施することによって、容易に入手可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに用いることによって調製することができる。
【0059】
本発明の一の実施態様において、化合物は、分子量800以下で提供される。別の実施態様において、600以下の分子量を有する化合物が提供される。一般に、限定するものではないが、かかる化合物は、より大きな経口バイオアベイラビリティーを有していてもよく、時折、より高い溶解性および/または脳浸透性を有していてもよい。分子量は、溶媒和物を形成していない遊離塩基化合物のものをいい、付加塩、溶媒(例えば、水)分子、インビボで開裂されるプロドラッグ分子部分などによって寄与されるいずれの分子量も除外される。
【0060】
一般に、本発明の化合物または塩は、それ自体または水中で化学的にあまりに不安定な化合物(もし、存在するならば)を除外するものと解釈されるべきである。それらは、全ての投与経路、経口、非経口またはその他の経路による医学的使用に明らかに不適当である。かかる化合物は、科学者に既知である。しかしながら、エクスビボで安定であり、哺乳動物(例えば、ヒト)の体内で本発明の化合物に変換可能なプロドラッグまたは化合物は、包含される。
【0061】
本発明はまた、上記の式(I)で示される化合物またはその塩の調製方法であって、
(a)式(II):
【化31】

[式中:Pは、適当な保護基または式(I)に記載の置換基Rであってもよく、Lは、脱離基である]
で示される化合物を式(III):
【化32】

[式中:RおよびAは、式(I)と同義である]
で示される化合物と反応させるか;または
(b)式(Ia)で示される化合物、すなわち、Aが−SONH−である式(I)で示される化合物の場合、式(IV):
【化33】

[式中:Pは、適当な保護基または式(I)に記載の置換基Rであってもよく、Rは式(I)と同義である]
で示される化合物を式(V):
【化34】

[式中:Rは式(I)と同義であり、Lは脱離基である]
で示される化合物と反応させるか;または
(c)式(Ib)で示される化合物、すなわち、Aが−SOCR−である式(I)で示される化合物の場合、式(VI):
【化35】

[式中:Pは、適当な保護基または式(I)に記載の置換基Rであってもよく、R、R、およびRは、式(I)と同義であり、Lは脱離基である]
で示される化合物を式(VII):
【化36】

[式中:Rは式(I)と同義である]
で示される化合物と反応させ(工程I)、次いで、硫黄原子についての酸化工程(工程II)であるか;
(d)式(Ic)で示される化合物、すなわち、Aが−NRSO−である式(I)で示される化合物の場合、式(VIII):
【化37】

[式中:Pは、適当な保護基または式(I)に記載の置換基Rであってもよく、Rは、式(I)と同義であり、Lは脱離基である]
で示される化合物を式(IX):
【化38】

[式中:Rは式(I)と同義である]
で示される化合物と反応させるか;
(e)式(Id):
【化39】

で示される化合物、すなわち、Rが水素でない式(I)で示される化合物の場合、式(Ie)で示される化合物、すなわち、Rが水素である式(I)で示される化合物をR[式中:R1は式(I)と同義であり、Lは脱離基である]で示される化合物と反応させるか;
(f)式(Ie)で示される化合物、すなわち、Aが−CRSO−である式(I)で示される化合物の場合、上記の式(II):
【化40】

で示される化合物を式(X):
【化41】

[式中:Rは式(I)と同義である]
で示される化合物と反応させ(工程I)、次いで、硫黄原子についての酸化工程(工程II)であって、工程(a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)の後に、
(i)いずれかの保護基(複数でも可)を除去してもよく;および/または
(ii)塩を形成してもよく;および/または
(iii)式(I)で示される化合物またはその塩を別の式(I)で示される化合物またはその塩に変換してもよいことを含む方法を提供する。
【0062】
方法(a)において、Lは、ハロゲン、例えば、臭素またはヨウ素などの脱離基である。
方法(b)において、Lは、ハロゲン、例えば、塩素などの脱離基である。
方法(c)において、Lは、ハロゲン、例えば、臭素などの脱離基である。
方法(c)において、Lは、ハロゲン、例えば、塩素などの脱離基である。
方法(e)において、Lは、ハロゲン、例えば、臭素またはヨウ素などの脱離基である。
方法(f)において、Lは、ハロゲン、例えば、臭素またはヨウ素などの脱離基である。
【0063】
方法(a)についての典型的反応条件は、130および200℃の間に含まれる温度で、カップリング試薬(ヨウ化銅など)、塩基(炭酸カリウムまたは水酸化カリウムまたはリン酸カリウムなど)、およびキレート剤(N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミンなど)の存在下において、適当な溶媒(例えば、1−メチル−2−ピロリジノンまたはトルエン)中でマイクロ波装置にて反応混合物を加熱することを含む。
【0064】
方法(b)についての典型的反応条件は、塩基(触媒DMAPと一緒のTEAまたはピリジンなど)の存在下において、適当な溶媒(DCMなど)中で室温にて攪拌することを含む。方法(b)についての別の反応条件は、マイクロ波装置(例えば、溶媒なく常に100℃)にて加熱することを含む。
【0065】
方法(c)−(工程I)についての典型的反応条件は、塩基(例えば、炭酸カリウム)の存在下において、双極性溶媒(DMFなど)中にて室温で混合物を攪拌することを含む。酸化(工程II)についての典型的条件は、KHCOの存在下において、適当な溶媒(DCMなど)中にて室温でのMCPBAとの反応を含む。
【0066】
方法(d)についての典型的反応条件は、塩基(TEAなど)の存在下において、適当な溶媒(DCMなど)中にて室温で混合物を攪拌することを含む。
【0067】
方法(e)についての典型的反応条件は、室温〜60℃の範囲の温度で、塩基(例えば、2,6−ルチジンまたは炭酸カリウム)の存在下において、適当な溶媒(DCMまたはDMFなど)中での反応を含む。
【0068】
方法(f)−(工程I)についての典型的条件は、塩基(DIPEAなど)および適当な触媒(例えば、ジベンジリデンアセトンパラジウム)の存在下において、適当な溶媒(ジオキサンなど)中での還流反応を含む。酸化(工程II)についての典型的条件は、適当な溶媒(DCMなど)中にて室温でのMCPBAとの反応を含む。
【0069】
本発明の一の態様において、式(IIa)で示される化合物、すなわち、Pが水素である式(II)で示される化合物の調製の合成法が提供される。該方法は、以下の工程を含む:
【化42】

[式中:
Lは、脱離基であり;
工程(a’)は、アニリン(XI)のジアゾ化、次いで、マレイミドとの反応であって、3−アリールマレイミド(XII)を得ることであり;
工程(b’)は、(XII)のシクロプロパン化であって、二環式イミド(XIII)を得ることであり;および
工程(c’)は、イミド(XIII)の還元であって、式(II)で示される化合物を得ることを意味する]
【0070】
工程(a’)は、Meerwein反応のための常法を用いて行ってもよい(例えば、J.Am.Chem.Soc.1955,77,2313は、該アプローチを用いるアリールマレイミドの形成を記載する)。別法では、多くの場合、該工程は、適当には、マレイミド、適当な銅(II)塩、例えば、無水CuClおよび適当な有機亜硝酸塩、例えば、亜硝酸tert−ブチルのアセトニトリルなどの相溶性溶媒中混合物に式(XI)で示される化合物の溶液をゆっくりと加える手法を適用することによって行われる。次いで、適宜、十分に反応させ、適当な後処理を行う。
【0071】
工程(b’)は、ジメチルスルホキシドなどの適当な溶媒で溶解された、式(XII)の精製化合物の溶液または式(XII)で示される化合物を含む混合物を、ヨウ化トリメチルスルホキソニウムのジメチルスルホキシドなどの適当な溶媒および水素化ナトリウムなどの適当な塩基中溶液にゆっくりと加えることからなる。次いで、適宜、十分に反応させ、適当な後処理を行う。
【0072】
工程(c’)は、例えば、還元剤としてボランの場合において、65℃などの適当な温度でテトラヒドロフラン中ボランまたはトルエン中Red−Al(登録商標)などの相溶性溶媒中で適当な還元剤を用いて行われうる。次いで、適当な処理を行う。
【0073】
本発明の別の実施態様において、式(IIb)で示される化合物、すなわち、Pが水素でない式(II)で示される化合物を、当該分野にて既知な製法を用いて式(IIa)で示される化合物から出発して得てもよい。
【0074】
式(I)で示される化合物は、ドーパミン受容体、特にD受容体に対しアフィニティーを示すことを見出し、精神病疾患などのかかる受容体の調節を必要とする病状の治療に有用であることが期待される。かかるアフィニティーは、典型的には、受容体から50%の放射標識リガンドを置換するのに必要な化合物の濃度としてIC50から計算され、以下の方程式:
【数1】

[式中:L=放射性リガンドおよびK=受容体に対する放射性リガンドのアフィニティー]
で計算される「K」として報告される(ChengおよびPrusoff,Biochem.Pharmacol.22:3099,1973)。
【0075】
本発明との関連において、(Kiの対数に相当する)pKiはKiの代わりに用いられ、本発明の化合物は、典型的には、7より大きいpKiを示す。一の態様において、本発明は、7および8の間からなるpKiを有する式(I)で示される化合物を提供する。別の態様において、本発明は、6および9の間からなるpKiを有する式(I)で示される化合物を提供する。さらなる態様において、本発明は、9より大きいpKiを有する式(I)で示される化合物を提供する。
【0076】
多数の式(I)で示される化合物はまた、ドーパミンDよりD受容体に対しより大きなアフィニティーを有する。現在、利用可能な抗精神病薬(神経弛緩薬)の治療効果は、一般に、D受容体の遮断を介して及ぼされると考えられている;しかしながら、該メカニズムはまた、多数の神経弛緩薬に付随する好ましくない錐体外路系副作用(eps)に関与すると考えられている。近年同定されたドーパミンD受容体の遮断が重大なepsなしに有用な抗精神病活性を生じさせうることが示唆されている(例えば、Sokoloffら,Nature,1990;347:146151;およびSchwartzら,Clinical Neuropharmacology,Vol16,No.4,295−314,1993を参照のこと)。一の実施態様において、ドーパミンDよりドーパミンD受容体に対しより高い(例えば、10xまたは100x高い)アフィニティーを有する本発明の化合物が提供される(かかるアフィニティーは、標準的方法を用いて、例えば、クローン化ドーパミン受容体を用いて測定されうる−本明細書を参照のこと)。前記化合物は、適当には、D受容体の選択的調節因子として用いられうる。
【0077】
受容体の局在性から、該化合物が、D受容体の関与が示唆された物質乱用の治療に対する有用性も有することが考えられる(例えば、Levant,1997,Pharmacol.Rev.,49,231−252参照)。かかる物質乱用の例として、アルコール、コカイン、ヘロインおよびニコチン乱用が含まれる。式(I)で示される化合物は、薬物摂取、アルコール、コカイン、アヘン、ニコチン、ベンゾジアゼピンなどの薬物乱用から禁欲および禁断症状後の薬物探索行動の再発ならびにオピオイドにより誘導される耐性の抑制を含む薬物依存の全態様の治療のために用いられていてもよい。さらに、式(I)で示される化合物ならびにその塩および溶媒和物は、渇望を減少させるために使用してもよく、したがって、薬物渇望の治療において有用であろう。薬物渇望は、以前に消費した向精神物質を自己投与したいという欲求として定義付けることができる。薬物渇望の発現および保持には、3つの主要な要因が関与する。(1)薬物離脱の間の不快な状態が負の強化作因として機能して、渇望に導く。(2)薬物要求または渇望の制御中、薬物の影響に付随する環境刺激がより強力になる(増感)。(3)薬物が有する気持ちのいい効果を促進し、使用中止の間の不快な状態を緩和する能力の認識(記憶)。渇望は、個体が薬物濫用を止められないことの原因であり、したがって、薬物依存の発現および保持に有意に寄与する。
【0078】
式(I)の化合物は、抗精神病剤として、例えば、統合失調症、統合失調性感情障害、精神病的鬱病、躁病、偏執症および妄想障害の治療において有用である。さらに、それらは、パーキンソン病の補助療法として、特に、L−DOPAおよび可能性のあるドーパミン作動性アゴニスト等の化合物を用いる治療において、長期にわたりこれらを使用して治療した場合に経験される副作用を減らすための補助療法としての有用性を有することができる(例えば、Schwartzら、Brain Res.Reviews,1998,26,236−242参照)。他の病態は、パーキンソン病、神経弛緩薬誘導性パーキンソン症候群および遅発性ジスキネジアなどの異常運動障害(dyskinetic disorder);鬱病;不安症;記憶障害を包含する認識障害、例えば、アルツハイマー病;摂食障害;性的機能不全;睡眠障害;嘔吐;運動障害;強迫性障害;健忘症;攻撃;自閉症;眩暈;認知症;概日リズム障害および胃運動性障害、例えば、IBSを包含する。
【0079】
広範囲の精神障害および精神神経障害は、強迫性障害に関し、強迫性(OC)スペクトル障害と称される関連障害の一群を形成するように思われる。式(I)で示される化合物は、身体醜形障害および心気症などの身体表現性障害、神経性過食症、神経性無食欲症、過食症、性的倒錯および非倒錯(nonparaphilic)性的依存症、シデナム舞踏病、斜頸、自閉症、強迫的ためこみを含む、強迫性スペクトル障害ならびにトゥレット・シンドロームを含む、運動障害の治療のために用いられてもよい。本明細書に用いられる、「強迫性スペクトル障害」なる語は、強迫性障害を含むことを意図とする。
【0080】
式(I)で示される化合物はまた、早漏の治療に用いるのに有用である。
【0081】
本発明の脈絡内で、本明細書中で使用される用語は、アメリカ精神病医学会(the American Psychiatric Association)によって出版された精神障害の診断および統計学的マニュアル(the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)第4版(DSM−IV)および/または国際疾患分類(the International Classification of Diseases)第10版(ICD−10)において分類される。本明細書中に挙げられた障害の種々のサブタイプは、本発明の一部として意図される。下記に列挙した疾患の後ろの括弧内の数字は、DSM−IVにおける分類コードを示す。
【0082】
本発明の文脈中において、「物質関連障害」なる語には:
物質依存、物質渇望および物質関連障害などの物質使用障害;物質中毒、物質離脱、物質誘導性せん妄、物質誘導性持続性認知症、物質誘導性持続性健忘障害、物質誘導性精神障害、物質誘導性気分障害、物質誘導性不安障害、物質誘導性性的機能不全、物質誘導性睡眠障害および幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)などの物質誘発性障害; アルコール依存(303.90)、アルコール濫用(305.00)、アルコール中毒(303.00)、アルコール離脱(291.81)、アルコール中毒せん妄、アルコール離脱せん妄、アルコール誘導性持続性認知症、アルコール誘導性持続性健忘障害、アルコール誘導性精神障害、アルコール誘導性気分障害、アルコール誘導性不安障害、アルコール誘導性性的機能不全、アルコール誘導性睡眠障害および特定不能のアルコール関連障害(291.9)などのアルコール関連障害;アンフェタミン依存(304.40)、アンフェタミン濫用(305.70)、アンフェタミン中毒(292.89)、アンフェタミン離脱(292.0)、アンフェタミン中毒せん妄、アンフェタミン誘導性精神障害、アンフェタミン誘導性気分障害、アンフェタミン誘導性不安障害、アンフェタミン誘導性性的機能不全、アンフェタミン誘導性睡眠障害および特定不能のアンフェタミン関連障害(292.9)などのアンフェタミン(またはアンフェタミン様)関連障害;カフェイン中毒(305.90)、カフェイン誘導性不安障害、カフェイン誘導性睡眠障害および特定不能のカフェイン関連障害(292.9)などのカフェイン関連障害;大麻依存(304.30)、大麻濫用(305.20)、大麻中毒(292.89)、大麻中毒せん妄、大麻誘導性精神障害、大麻誘導性不安障害および特定不能の大麻関連障害(292.9)などの大麻関連障害;コカイン依存(304.20)、コカイン濫用(305.60)、コカイン中毒(292.89)、コカイン離脱(292.0)、コカイン中毒せん妄、コカイン誘導性精神障害、コカイン誘導性気分障害、コカイン誘導性不安障害、コカイン誘導性性的機能不全、コカイン誘導性睡眠障害および特定不能のコカイン関連障害(292.9)などのコカイン関連障害;幻覚剤依存(304.50)、幻覚剤濫用(305.30)、幻覚剤中毒(292.89)、幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)(292.89)、幻覚剤中毒せん妄、幻覚剤誘導性精神障害、幻覚剤誘導性気分障害、幻覚剤誘導性不安障害および特定不能の幻覚剤関連障害(292.9)などの幻覚剤関連障害;吸入剤依存(304.60)、吸入剤濫用(305.90)、吸入剤中毒(292.89)、吸入剤中毒せん妄、吸入剤誘導性持続性認知症、吸入剤誘導性精神障害、吸入剤誘導性気分障害、吸入剤誘導性不安障害および特定不能の吸入剤関連障害(292.9)などの吸入剤関連障害;ニコチン依存(305.1)、ニコチン離脱(292.0)および特定不能のニコチン関連障害(292.9)などのニコチン関連障害;オピオイド依存(304.00)、オピオイド濫用(305.50)、オピオイド中毒(292.89)、オピオイド離脱(292.0)、オピオイド中毒せん妄、オピオイド誘導性精神障害、オピオイド誘導性気分障害、オピオイド誘導性性的機能不全、オピオイド誘導性睡眠障害および特定不能のオピオイド関連障害(292.9)などのオピオイド関連障害;フェンシクリジン依存(304.60)、フェンシクリジン濫用(305.90)、フェンシクリジン中毒(292.89)、フェンシクリジン中毒せん妄、フェンシクリジン誘導性精神障害、フェンシクリジン誘導性気分障害、フェンシクリジン誘導性不安障害および特定不能のフェンシクリジン関連障害(292.9)などのフェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害;鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤依存(304.10)、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤濫用(305.40)、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤中毒(292.89)、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤離脱(292.0)、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤中毒せん妄、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤離脱せん妄、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤持続性認知症、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤持続性健忘障害、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性精神障害、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性気分障害、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性不安障害、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性性的機能不全、鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤誘導性睡眠障害および特定不能の鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤関連障害(292.9)などの鎮静剤、催眠剤または不安緩解剤関連障害;多物質依存(304.80)などの多物質関連障害;およびアナボリックステロイド、硝酸塩吸入剤および亜酸化窒素などの他の(または未知の)物質関連障害を含む物質関連障害が含まれる。
【0083】
本発明の文脈中において、「精神病性障害」なる語には:
妄想型(295.30)、解体型(295.10)、緊張型(295.20)、未分化型(undifferentiated)(295.90)および残遺型(295.60)サブタイプを含む統合失調症;統合失調症様障害(295.40);双極型および抑うつ型サブタイプを含む統合失調性感情障害(295.70);恋愛(Erotomanic)型、誇大(Gradiose)型、嫉妬(Jealous)型、迫害(Persecutory)型、身体(Somatic)型、混合(Mixed)型および不特定(Unspecified)型サブタイプを含む妄想障害(297.1);短期精神病性障害(298.8);共通の精神病性障害(297.3);妄想および幻覚を伴うサブタイプを含む一般的健康状態に起因する精神病性障害;妄想(293.81)および幻覚(293.82)を伴うサブタイプを含む物質誘導性精神病性障害;ならびに特定不能の精神病性障害(298.9)が含まれる。
【0084】
したがって、さらなる態様において、本発明は、ドーパミン受容体(特に、ドーパミンD受容体)の調節[特に、(構造上活性な受容体系において逆作動性にも変わりうる)阻害作用/拮抗作用]が有用である病態を治療する方法であって、それを必要とする哺乳類(例えば、ヒト)に式(I)で示される化合物またはその医薬上(すなわち、生理学上)許容される塩の有効量を投与することを含む方法を提供する。一の実施態様において、病態は、物質関連障害、精神病性障害、強迫性スペクトル障害または早漏である。
【0085】
本発明はまた、ドーパミン受容体(特に、ドーパミンD受容体)の調節[特に、(構造上活性な受容体系において逆作動性にも変わりうる)阻害作用/拮抗作用]が有用である哺乳類の病態の治療のための医薬の製造における式(I)で示される化合物またはその塩の使用を提供する。
【0086】
本発明はまた、ドーパミン受容体(特に、ドーパミンD受容体)の調節[特に、(構造上活性な受容体系において逆作動性にも変わりうる)阻害作用/拮抗作用]が有用である哺乳類の病態の治療に用いるための式(I)で示される化合物またはその塩を提供する。
【0087】
一の実施態様において、本発明の化合物は、物質関連障害、精神病性障害、強迫性スペクトル障害または早漏の治療に用いられる。
【0088】
したがって、さらなる態様では、本発明は、精神病性障害(例えば、統合失調症)、物質関連障害または強迫性スペクトル障害を治療する方法であって、それを必要とする哺乳類(例えば、ヒト)に本明細書記載の式(I)で示される化合物またはその塩の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0089】
精神病性障害(例えば、統合失調症)、物質関連障害、強迫性スペクトル障害または早漏の治療のための医薬の製造における式(I)で示される化合物またはその塩の使用もまた提供される。
【0090】
精神病性障害(例えば、統合失調症)、物質関連障害、強迫性スペクトル障害または早漏の治療に用いるための式(I)で示される化合物またはその塩もまた提供される。
【0091】
哺乳類に治療剤として用いるための、本明細書に記載の病態のいずれかに用いるための式(I)で示される化合物またはその塩もまた提供される。
【0092】
「治療」には、関連のある病態(複数でも可)に適当である予防法が含まれる。
【0093】
医薬の使用について、本発明の化合物は大抵、標準的医薬組成物として投与される。したがって、さらなる態様において、本発明は、式(I)で示される化合物またはその医薬上(すなわち、生理学上)許容される塩および医薬上(すなわち、生理学上)許容される担体を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、本明細書に記載の病態のいずれかの治療に用いられうる。
【0094】
式(I)で示される化合物は、便利な方法、例えば、経口、非経口(例えば、静脈内)、口腔、舌下、鼻腔、直腸または経皮投与および適宜適合される医薬組成物により投与されうる。
【0095】
経口投与された場合に活性である式(I)で示される化合物およびその塩は、液体または固体、例えば、シロップ、懸濁液または乳剤、錠剤、カプセルおよびトローチ剤として処方されうる。
【0096】
液体処方は、一般に、該化合物またはその塩の適当な液体担体(複数でも可)、例えば、水、エタノールまたはグリセリンなどの水性溶媒、あるいはポリエチレングリコールまたは油などの非水性溶媒中懸濁液または溶液からなるであろう。処方はまた、懸濁化剤、保存剤、香味剤または着色剤を含んでいてもよい。
【0097】
錠剤の形態の組成物は、固体処方を調製するために通常用いられる適当な医薬担体(複数でも可)を用いて調製されうる。かかる担体の例として、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、ラクトース、スクロースおよびセルロースが挙げられる。
【0098】
カプセルの形態の組成物は、ルーチンなカプセル化手法を用いて調製できる。例えば、活性成分を含有するペレットを標準的な担体を用いて調製することができ、次いで、ハードゼラチンカプセル中に充填することができる。別法では、いずれか適当な医薬担体、例えば、水性ゴム、セルロース、珪酸塩または油を用いて分散液または懸濁液を調製することができ、該分散液または懸濁液を次いで、ソフトゼラチンカプセル中に充填することができる。
【0099】
典型的な非経口組成物は、滅菌水性担体または非経口的に許容される油、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、落花生油、またはゴマ油中における該化合物またはその塩の溶液または懸濁液からなる。別法では、該溶液を凍結乾燥し、次いで、投与直前に適当な溶媒で復元することができる。
【0100】
経鼻投与のための組成物は、好都合には、エアロゾル、滴剤、ゲルおよび粉剤として処方してもよい。エアロゾル処方は、典型的には、医薬上許容される水性または非水性溶媒中の活性物質の溶液または懸濁液を含み、通常、噴霧装置で使用するためのカートリッジまたはリフィルの形態をとりうる密封容器中の滅菌形態で単回投与量または複数回投与量で提供される。別法では、密閉容器は、容器の内容物が空になるとすぐに処分することが意図される単回投与鼻吸入器または計量バルブを備え付けたエアロゾルディスペンサーのような単一の投薬装置であってもよい。剤形がエアロゾルディスペンサーを含む場合、それは、圧縮空気のような圧縮ガスまたはフルオロクロロ炭化水素のような有機プロペラントであり得るプロペラントを含有するであろう。エアロゾル剤形はまた、ポンプ噴霧器の形態をとりうる。
【0101】
バッカルまたは舌下投与に適当な組成物は、活性成分が砂糖およびアラビアゴム、トラガカントゴム、またはゼラチンおよびグリセリンのような担体と共に処方される錠剤、ロゼンジおよびトローチ(pastille)を包含する。
【0102】
経直腸投与用組成物は、好都合には、ココア脂のような通常の坐剤基剤を含有する坐剤の形態である。
【0103】
経皮投与に適当な組成物は、軟膏、ゲルおよびパッチを包含する。
【0104】
一の実施態様において、組成物は、単位剤形、例えば、錠剤、カプセルまたはアンプルである。
【0105】
経口投与のための各剤形は、例えば、1〜250mg(非経口投与の場合、例えば0.1〜25mgを含有する)の式(I)の化合物または遊離塩基として計算されたその塩を含有する。
【0106】
本発明の医薬上許容される化合物は、通常、例えば、式(I)の化合物または遊離の塩基として計算されたその医薬上許容される塩の1mg〜500mg、例えば10mg〜400mg、例えば、10〜250mgの経口投与量、または0.1mg〜100mg、例えば0.1mg〜50mg、例えば、1〜25mgの静脈内、皮下または筋内投与量で、該化合物を一日に1〜4回投与する一日の投与計画(成人患者用)において投与されるであろう。適当には、化合物は、連続的治療の期間、例えば、1週間以上投与されるであろう。
【0107】
生物学的試験方法
本発明の化合物の機能的強度および固有の活性は、下記のGTPγSシンチレーション近接アッセイ(GTPγS−SPA)によって測定されうる。該研究に使用される細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。
【0108】
細胞系統
CHO D2
CHO D3
【0109】
化合物は、2つの代替プロトコルにしたがって試験されてもよい:
【0110】
a)細胞膜を次のように調製する。細胞ペレットを10容量の50mM HEPES,1mM EDTA pH7.4(KOHを用いる)中に再懸濁する。同日に、ホモジナイゼーションバッファーを加える直前に、下記のプロテアーゼを該バッファーに加える。
【0111】
2.12×10−6Mロイペプチン(Sigma L2884)−5000xストック=バッファー中5mg/ml
25μg/mlバシトラシン(Sigma B0125)−1000xストック=バッファー中25mg/ml
1mM PMSF−1000xストック=100%エタノール中17mg/ml
2x10−6MペプスタチンA−1000xストック=100%DMSO中2mM
【0112】
クラスIIバイオハザード・キャビネット中において、細胞を1リットルのガラスワーリングブレンダー中、2x15秒バーストによってホモジナイズする。得られた懸濁液を500gで20分間回転する(Beckman T21遠心分離機:1550rpm)。上清を25mlピペットで回収し、予め冷やした遠心管にアリコートし、48,000gで回転してペレット膜フラグメントを得る(Beckman T1270:23,000rpm、30分)。最終48,000gのペレットをホモジナイゼーションバッファー中に再懸濁する(最初の細胞ペレットの4倍容量)。48,000gペレットを5秒間ボルテックスすることによって再懸濁し、dounceホモジナイザー中、10−15ストロークでホモジナイズする。該調製物をポリプロピレンチューブ中、適当なサイズのアリコート(200−1000μl)に分配し、−80℃で保管する。膜調製物中のタンパク質含量は、Bradfordタンパク質アッセイで評価する。
【0113】
試験薬物の最終的な最大濃度は、該アッセイにおいて3μMであり、100%DMSO中における11点連続希釈曲線1:4をBiomek FXを用いて行う。全アッセイ容量(TAV)中1%の試験薬物を固形白色384ウェルアッセイプレートに加える。50%TAVの予め結合させた(4℃で90分間)膜5μg/ウェル、および20mM HEPES pH7.4,100mM NaCl,10mM MgCl,60μg/mlサポニンおよび30μM GDP中におけるコムギ胚芽凝集素ポリスチレンシンチレーション近接アッセイビーズ(RPNQ0260,Amersham)0.25mg/ウェルを加える。第3の添加は、バッファー(アゴニスト様式)またはアッセイバッファー中で調製されたEC80最終アッセイ濃度のアゴニスト、キネロラン(Quinelorane)(アンタゴニスト様式)のいずれかの20%TAV添加であった。該アッセイは、最終濃度0.38nMのGTPγ[35S](37MBq/ml,1160Ci/mmol,Amersham)の29%TAVの添加によって開始された。全ての添加後、アッセイプレートを1,000rpmで1分間回転する。アッセイプレートは、Viewlux,613/55フィルター上で5分間、最終添加後2〜6時間の間にカウントする。
【0114】
基底値を超える試験薬物の効果は、逐次最小二乗曲線フィッティングプログラムによってEC50値で得られ、表中、pEC50(すなわち、−logEC50)として表される。試験薬物の最大効果と完全アゴニスト、キネロランの最大効果との間の比率は、固有活性(IA)値(すなわち、IA=1完全アゴニスト、IA<1部分アゴニスト)をもたらす。試験薬物のfpKi値は、Cheng&Prusoff式:
fKi=IC50/1+([A]/EC50
[式中:[A]は、アッセイ中におけるアゴニスト5−HTの濃度であり、EC50は、同じ実験において得られた5−HT EC50値である]
を用いて、「アンタゴニスト様式」実験によって得られたIC50から計算される。fpKiは、−logfKiとして定義される。
【0115】
b)細胞膜を次のように調製する。細胞ペレットを10容量の50mM HEPES,1mM EDTA pH7.4(KOHを用いる)中に再懸濁する。同日に、ホモジナイゼーションバッファーを加える直前に、下記のプロテアーゼを該バッファーに加える。
【0116】
10−4Mロイペプチン(Sigma L2884)
25μg/mlバシトラシン(Sigma B0125)
1mM PMSF−100xストック=100%エタノール中17mg/ml
2x10−6MペプスタチンA−500xストック=100%エタノール中1mM
【0117】
200mlの50mM HEPES+10−4Mロイペプチン+25μg/mlバシトラシン+1mM EDTA+1mM PMSF+2uMペプスタチンA中において(後者2種の試薬を、エタノール中に各々、新たな×100および×500ストックとして添加した)、細胞を2x15秒間ガラスワーリングブレンダーないでホモジナイズした。ブレンダーを最初のバースト後5分間ならびに最後のバースト後10−40分間氷に突っ込み、泡が消えた。次いで、物質を500gで20分間回転し、上清を48,000gで36分間回転した。ペレットを、PMSFおよびペプスタチンAを含まない上記と同一のバッファー中に再懸濁した。次いで、物質を、0.6mmニードルを通して押し出し、必要容量を取り入れ(通常、最初の細胞ペレットの4倍容量)、アリコートし、−80℃で冷凍保存した。
【0118】
試験薬物の最終的な最大濃度は、該アッセイにおいて3μMであり、100%DMSO中における11点連続希釈曲線1:4をBiomek FXを用いて行う。全アッセイ容量(TAV)中1%の試験薬物を固形白色384ウェルアッセイプレートに加える。50%TAVの予め結合させた(室温で60分間)膜5μg/ウェル、および20mM HEPES pH7.4,100mM NaCl,10mM MgCl,60μg/mlサポニンおよび30μM GDP中におけるコムギ胚芽凝集素ポリスチレンシンチレーション近接アッセイビーズ(RPNQ0260,Amersham)0.25mg/ウェルを加える。第3の添加は、バッファー(アゴニスト様式)またはアッセイバッファー中で調製されたEC80最終アッセイ濃度のアゴニスト、キネロラン(アンタゴニスト様式)のいずれかの20%TAV添加であった。該アッセイは、最終濃度0.38nMのGTPγ[35S](37MBq/ml,1160Ci/mmol,Amersham)の29%TAVの添加によって開始された。全ての添加後、アッセイプレートを1,000rpmで1分間回転する。アッセイプレートは、Viewlux,613/55フィルター上で5分間、最終添加後3〜6時間の間にカウントする。
【0119】
基底値を超える試験薬物の効果は、逐次最小二乗曲線フィッティングプログラムによってEC50値で得られ、表中、pEC50(すなわち、−logEC50)として表される。試験薬物の最大効果と完全アゴニスト、キネロランの最大効果との間の比率は、固有活性(IA)値(すなわち、IA=1完全アゴニスト、IA<1部分アゴニスト)をもたらす。試験薬物のfpKi値は、Cheng&Prusoff式:
fKi=IC50/1+([A]/EC50
[式中:[A]は、アッセイ中におけるアゴニストキネロランの濃度であり、EC50は、同じ実験において得られたキネロランEC50値である]
を用いて、「アンタゴニスト様式」実験によって得られたIC50から計算される。fpKiは、−logfKiとして定義される。
【0120】
本明細書に開示された本発明の化合物は、ドーパミンD受容体にて6.5−10.5のpKi値を有する。別の実施態様において、本明細書に開示された本発明の化合物は、ドーパミンD受容体にて7.5−10.5の範囲のpKi値を有する。別の実施態様において、本明細書に開示された本発明の化合物は、ドーパミンD受容体にて8.0−10.5のpKi値を有する。pKiの結果は、正確に言うと、たった約±0.3−0.5と判断される。
【0121】
本明細書の上記に列挙された本発明の化合物は、10より大きいD2を超える選択性を有する。別の実施態様において、本明細書の上記に列挙された本発明の化合物は、20より大きいD2を超える選択性を有する。さらなる実施態様において、本明細書の上記に列挙された本発明の化合物は、30より大きいD2を超える選択性を有する。
【実施例】
【0122】
本発明は、以下の非限定的な実施例によりさらに示される。
【0123】
全ての温度は、℃をいう。赤外線スペクトルは、FT−IR機器で測定された。化合物を、正のエレクトロスプレー(ES+)イオン化モードで作動される質量スペクトルにアセトニトリルで溶解された試料の直接注入で分析した。プロトン磁気共鳴(H−NMR)スペクトルは400MHzで記録され、化学シフトは、内部標準として用いられるMeSiからppm低磁場(d)において記録され、一重線(s)、広幅一重線(bs)、二重線(d)、二重線の二重線(dd)、三重線(t)、四重線(q)または多重線(m)として帰属される。
【0124】
カラムクロマトグラフィーを、シリカゲル上で行った(Merck AG Darmstaadt、Germany)。以下の略称は、文中で用いられる:Vitride=「Red−Al(登録商標)」、EtOAc=酢酸エチル、EtO=ジエチルエーテル、DMF=N,N’−ジメチルホルムアミド、MeOH=メタノール、TFA=トリフルオロ酢酸、THF=テトラヒドロフラン、TEA=トリエチルアミン、EA=酢酸エチル;MCPBA=メタクロロ過安息香酸;DCM=ジクロロメタン;EtOH=エタノール;cy=シクロヘキサン;SCX=強陽イオン交換樹脂、Tlcはシリカプレート上の薄層クロマトグラフィーを表す、driedは無水硫酸ナトリウムで乾燥させた溶液を表す、r.t.(RT)は室温を表す、Rt=保持時間、DMSO=ジメチルスルホキシド;DIAD=アゾジカルボン酸ジイソプロピル。
【0125】
調製例1:3−(4−ブロモフェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(P1)
【化43】

室温で激しく攪拌しながら、塩酸(37%、27mL)の水(11mL)中溶液を、4−ブロモアニリン(15g)に添加し、形成した沈殿をさらに30分間攪拌した。温度を0℃に下げ、亜硝酸ナトリウム(6.60g)の水(17mL)中溶液を攪拌溶液に添加した。ジアゾ化の終わりに、透明な黄色溶液を得た。アセトン(70mL)中マレイミド(16.90g)を0℃で滴下し、次いで、溶液のpHを、酢酸ナトリウムを加えることにより3−3.5に調整した。塩化銅(II)(1.76g)を、激しく攪拌した混合物に添加し、反応混合物を0℃で1時間および室温で一晩攪拌した。アセトンを真空中で除去し、残渣を濾過し、真空中で一晩乾燥し、粗標記化合物を得(14.12g)、さらに精製することなく用いた。
MS(m/z):251[M−H]
【0126】
調製例2:(1R,5S/1S,5R)−1−(4−ブロモフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン(P2)
【化44】

粉砕した水酸化カリウム(6.29g)を、ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(24.66g)の無水DMSO(224mL)中攪拌溶液に少量ずつ添加した。得られた混合物を、室温で1.5時間攪拌し、次いで、DMSO(90mL)で溶解した3−(4−ブロモフェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(P1、14.12g)を滴下し、得られた混合物を室温で20分間攪拌した。反応温度を0℃にし、水性飽和NHCl(150mL)を、次いで、EtO(200mL)をゆっくりと加えた。二相に分離した後、水層をEtO(3x100mL)で繰り返し抽出した。合した有機層をブラインで洗浄し、次いで、NaSOで乾燥した。溶媒を除去し、粗標記化合物を得(9.61g)、さらに精製することなく用いた。
MS(m/z):265.1[M−H]
【0127】
調製例3:(1R,5S/1S,5R)−1−(4−ブロモフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(P3)
【化45】

下0℃で、THF中で攪拌したBH−THF複合体(1M、145mL)に、(1R,5S/1S,5R)−1−(4−ブロモフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン(P2、9.61g)の180mLの乾テトラヒドロフラン中溶液をゆっくりと加えた。反応混合物を、室温で15分間攪拌し、次いで、4時間加温し、次いで、0℃に冷却し、水性HCl(6N、7.5mL)を慎重に添加し、反応混合物を2時間攪拌した。固形NaOHをpH約9になるまで加え、反応混合物をエーテルで2回抽出し、有機相を水で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で蒸発し、粗標記化合物を得(8.5g)、さらに精製することなく用いた。
NMR(H,CDCl):δ 7.35(d,2H)、7.02(d,2H)、3.25−2.96(m,4H)、1.63(dd,1H)、1.55(dd,1H)、1.30(dd,1H)、NHは観察されなかった。MS(m/z):238.1[MH]
【0128】
調製例4:(1R,5S/1S,5R)−1−(4−ブロモフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P4)
【化46】

室温で、(1R,5S/1S,5R)−1−(4−ブロモフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(P3、8.5g)のジクロロメタン(130mL)中攪拌溶液に、トリエチルアミン(6.5mL)および二炭酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(8.6g)を加えた。6時間攪拌し続け、次いで、反応混合物を真空下で濃縮し、粗生成物をジエチルエーテルおよび水で処理した。有機相を飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を真空下で蒸発し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(シクロヘキサン/ETOAC 9/1)に付して精製した粗生成物を得、収量11.50gで標記化合物を得た。
MS(m/z):282.1[MH−C
【0129】
調製例5:(1R,5S/1S,5R)−1−(3−ブロモフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P5)
【化47】

標記化合物を、3−ブロモアニリンから出発して調製例1−4に記載の方法と同様に調製した。
MS(m/z):282.1[MH−C
【0130】
調製例6:(1R,5S/1S,5R)−1−[3−(メチルオキシ)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P6)
【化48】

標記化合物を、3−メトキシアニリンから出発して調製例1−4に記載の方法と同様に調製した。
MS(m/z):233.1[MH−C
【0131】
調製例7:(1R,5S/1S,5R)−1−(3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P7)
【化49】

(1R,5S/1S,5R)−1−[3−(メチルオキシ)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P6、1.81g)のジクロロメタン中溶液に、−78℃でジクロロメタン中BBr(1M、19.1mL)を滴下した。25℃で3時間後、混合物を0℃で冷却し、攪拌しながら水性NaCO(2M、38.3mL)を滴下した。10分後、ジクロロメタンを真空中で蒸発し、テトラヒドロフラン(72mL)および二炭酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(4.18g)を加え、混合物を14時間激しく攪拌した。ほとんどのテトラヒドロフランを、真空中で蒸発することにより除去し、残渣を、水性HCl(2M)を添加することによりpH=6とし、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、(Na2SO4)で乾燥し、濾過し、揮発物を真空中で除去した。該物質から、カラムクロマトグラフィー後1.33gの黄色凝固ゴムを得た。
0℃の氷浴で冷却しながら、シリカゲル60(5g)を含有する、ジクロロメタン(15mL)中こうして得られた物質(1.55g)に、激しく攪拌しながら硝酸(70%、0.36mL)を10分かけて滴下した。10分後、付加的な硝酸(70%、0.036mL)を添加した。さらに5分後、混合物を濾過し、固体をEtOAcで洗浄した。得られた溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(Cy/EtOAc 1:1)に付し、薄黄色固体として標記化合物を得た(0.47g)。
NMR(H,CDCl):δ 10.65(br s,1H)、8.01(d,1H)、6.88(d,1H)、6.68(d,1H)、4.02(m,1H)、3.77(m,1H)、3.65(m,1H)、3.53(m,1H)、1.99(m,1H)、1.50(s,9H)、1.20(m,1H)、1.05(m,1H)。MS(m/z):319[M−H]
【0132】
調製例8:(1S,5R/1R,5S)−1−[4−アミノ−3−(メチルオキシ)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P8)
【化50】

(1R,5S/1S,5R)−1−(3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P7、0.47g)を、攪拌しながら炭酸カリウム(0.41g)の存在下において、N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中ヨードメタン(0.14mL)で反応した。7時間後、水を加え、混合物を水とEtOAc:シクロヘキサン 2:1の間に分配する前に14時間維持した。有機相を(ブライン)で洗浄し、真空中で濃縮し、褐色油を得た(0.52g)。こうして得られた物質(0.52g)を、大気圧で激しく攪拌しながら、EtOH(10mL)およびEtOAc(10mL)中活性炭素(0.1g)担体パラジウム(10%)の存在下において、25℃で4時間水素化した。EtOAcで固体を洗浄しながら濾過し、次いで、得られた溶液から揮発物を真空中で蒸発し、灰色固体として標記化合物を得た(0.46g)。
NMR(H,CDCl):δ 6.6−6.7(m,3H)、3.35−3.97(多重 m,7H)、約1.5−4(vbr,2H)、1.70(bs,1H)、1.46(s,9H)、1.07(bm,1H)、0.77(bm,1H)。
【0133】
調製例9:(1S,5R/1R,5S)−1−(4−ヨードフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P9)
【化51】

標記化合物を、4−ヨードアニリンから出発して調製例1−4に記載の方法と同様に調製した。
MS(m/z):329[MH−C
【0134】
調製例10:(1S,5R/1R,5S)−1−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P10)
【化52】

(1S,5R/1R,5S)−1−(4−ヨードフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P9、1.2g)のテトラヒドロフラン(10mL)中攪拌溶液に、−13℃で塩化イソプロピルマグネシウム(テトラヒドロフラン中2M、3.1mL)をシリンジによってゆっくりと加えた。淡褐色溶液を、−10℃に達した時に1時間維持し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.6mL)を添加し、混合物を3時間かけて25℃に加温した。水(10mL)および水性HCl(2M、4.6mL)を慎重に添加し、高揮発性成分を短時間で真空中にて蒸発した。水素化ホウ素ナトリウム(0.12g)およびメタノール(30mL)を攪拌しながら添加した。90分後、HOAc(3.6mL)を慎重に添加し、混合物を水とEtO間に分配し、有機層を連続して水性NaHCOおよびブラインで洗浄し、揮発物を蒸発し、残渣をカラムクロマトグラフィー(Cy/EtOAc 20:80)に付して、ゆっくりと凝固した無色油として標記化合物を得た(0.51g)。
NMR(H,CDCl):δ 7.32(d,2H)、7.20(br d,2H)、4.70(s,2H)、3.90−4.02(m,1H)、3.50−3.78(m,3H)、1.81(m,1H)、1.68(br s,1H)、1.49(s,9H)、1.10(m,1H)、0.88(m,1H)。MS(m/z):233[MH−C
【0135】
調製例11:(1S,5R/1R,5S)−1−[4−(ブロモメチル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P11)
【化53】

(1S,5R/1R,5S)−1−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P10、181mg)およびトリフェニルホスフィン(166mg)の6mLの乾ジクロロメタン中攪拌溶液に、四臭化炭素(210mg)を添加した。
室温で1時間後、水(6mL)を添加し、有機層をDCMで抽出し、飽和水性NaClで洗浄し、NaSOで乾燥した。溶液を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:EtAc=100〜5)に付して精製し、油として標記化合物を得た(130mg)。
MS(m/z):296[MH−C
【0136】
調製例12:4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド(P12)
【化54】

0℃で攪拌しながら、テトラヒドロフラン(50mL)中水性濃アンモニア(1.75mL)に、塩化4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホニル(3.3g)をシリンジによって2分かけて加えた。白色沈殿が観察された。5分後、付加的な水性濃アンモニア(1.75mL)を加えた。4時間後、揮発物を蒸発し、残渣をEtOAcと水性NaHCO間に分配した。有機層をブラインで洗浄し、(NaSO)で乾燥し、揮発物を蒸発し、無色粉末として粗標記化合物を得、さらに精製することなく用いた。
NMR(H,CDCl):δ 7.83(d,2H)、7.35(d,2H)、4.8(bs,2H)、2.95(sept,1H)、1.25(d,6H)。
【0137】
調製例13:4−(1,1−ジメチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド(P13)
【化55】

標記化合物を、塩化4−(1,1−ジメチルプロピル)ベンゼンスルホニル(70mg)から調製例12に記載のように収率80%で調製した。
MS(m/z):228[MH]
【0138】
調製例14:(1S,5R/1R,5S)−1−(4−アミノフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P14)
【化56】

(1R,5S/1S,5R)−1−(4−ブロモフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P4、570mg)の乾トルエン(20mL)中攪拌溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.276mLのTHF中1M溶液)を添加した。次いで、15mgのトリブチルホスフィンおよび44mgのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を添加し、反応混合物を室温で5時間攪拌した。20mLの塩酸の2M溶液を加え、得られた混合物をさらに30分間攪拌し、次いで、水で処理し、DCMで抽出した。有機相を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発した。粗生成物を、(シクロヘキサン/酢酸エチル 90:10で溶出しながら)フラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物を得た(220mg)。
MS(m/z):275[MH]
【0139】
調製例15:(1S,5R/1R,5S)−1−(4−ブロモフェニル)−3−(3−フルオロプロピル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(P15)
【化57】

(1R,5S/1S,5R)−1−(4−ブロモフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(P3、570mg)の乾DMF(2.5mL)中攪拌溶液に、1−ブロモ−3−フルオロプロパン(70mg)、炭酸カリウム(100mg)および触媒量のKIを加え、反応混合物を60℃で1.5時間攪拌した。粗生成物を、MeOH/NHで溶出しながらSCXカラム上に充填し、標記化合物を得た(120mg)。
MS(m/z):297[MH]
【0140】
調製例16:(1R,5S/1S,5R)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチル}チオ)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P16)
【化58】

(1S,5R/1R,5S)−1−(4−ブロモフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P4、200mg)および[4−(1−メチルエチル)フェニル]メタンチオール(148mg)の乾ジオキサン(7mL)中溶液に、ジベンジリデンアセトンパラジウム(14mg)および乾ジイソプロピルエチルアミン(153mg)を加えた。混合物を2日間還流し、溶媒を除去し、粗生成物を、シクロヘキサンで溶出しながらクロマトグラフィーに付して精製し、黄色油として200mgの標記化合物を得た。
MS(m/z):423[MH]
【0141】
調製例17:(1R,5S/1S,5R)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチル}スルホニル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P17)
【化59】

50mgの(1R,5S/1S,5R)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチル}チオ)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P16)中乾ジクロロメタン(2mL)中溶液に、2mLの乾ジクロロメタンで溶解した2.5当量のMCPBAを加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、次いで、2mLの乾で溶解した2.5当量のMCPBAを加えた。1時間後、溶媒を蒸発し、粗生成物を、シリカクロマトグラフィー(Cy/EA 100/0−50:50)に付して精製し、38mgの標記化合物を得た。
MS(m/z):454[MH]
【0142】
実施例1:N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E1)
【化60】

バイアル中にて、(1S,5R/1R,5S)−1−(4−ブロモフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P4、50mg)および4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド(65mg)のN−メチルピロリジノン(0.5mL)中溶液に、炭酸カリウム(41mg)およびヨウ化銅(3mg)を加えた。バイアルを密封し、195℃のマイクロ波で2.5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、(メタノール、次いで、2Nメタノール中NHOHで溶出しながら)SCXカートリッジを用いて濾過した。濾液を真空中で濃縮し、粗生成物を、(ジクロロメタン/メタノール 96:4で溶出しながら)フラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、35mgのN−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド.を得た。該物質のジクロロメタン(1mL)中溶液に、HCl(98μL、EtO中1M)を加え、溶媒を真空下で蒸発し、こうして得られた物質をEtOで磨砕し、白色のわずかに吸湿性の固体として36mgの標記化合物を得た。
NMR(H,CDOD):δ 7.68(d,2H)、7.35(d,2H)、7.18(d,2H)、7.10(d,2H)、3.94(d,1H)、3.76(d,1H)、3.54(m,2H)、2.97(s,3H)、2.94(m,1H)、2.11(m,1H)、1.21(m,8H)。MS(m/z):371[MH]
【0143】
実施例1を、キラルカラム キラルパックAD−H 5um、250x21mm、溶出液A:n−ヘキサン;B:エタノール+0.1%イソプロピルアミン、勾配 アイソクラチック 40%B、流速 6mL/分、254nmの検出UVを用いることにより、セミ分取HPLCに付し、分離されたエナンチオマーを得た。所定の保持時間を、キラルカラム キラルパックAD−H 5um、250x4.6mm、溶出液A:n−ヘキサン;B:エタノール+0.1%イソプロピルアミン、勾配 アイソクラチック40%B、流速 0.8mL/分、200−400nmの検出UVを用いて、分析的HPLCにより得た。
実施例1A(E1A−エナンチオマー1、N−{4−[(1S,5Rまたは1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩)を、白色固体として回収した。保持時間=15.99分。
実施例1B(E1B−エナンチオマー2、N−{4−[(1R,5Sまたは1S,5R)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩)を、白色固体として回収した。保持時間=18.73分。
エナンチオマー1および2の塩酸塩を、実施例1に記載の製法にしたがって調製した。
エナンチオマー2は、エナンチオマー1より高いfpKi(D3)>1log単位を示した。
【0144】
実施例2:4−(1−メチルエチル)−N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−(2−プロペン−1−イル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E2)
【化61】

室温で、N−{4−[(1R,5S/1S,5R)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド(31mg)のDCM(0.5mL)中攪拌溶液に、ルチジン(13μL)および臭化アリール(8μL)を加え、4時間攪拌し続けた。反応混合物を、水で処理し、DCMで抽出し、有機相を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発した。粗生成物を、(DCM/メタノール 96:4で溶出しながら)フラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、遊離塩基の標記化合物を得た(8mg)。
該生成物をジクロロメタン(2ml)で溶解し、塩酸塩(0.072ml、1M/エーテル)を室温で滴下した。溶媒を蒸発した後、黄色固体として標記化合物を得た(3mg)。
NMR(H,CDOD):δ 7.68(d,2H)、7.29(d,2H)、7.02(d,2H)、6.98(d,2H)、6.53(b,1H)、5.89(m,1H)、5.2(d,1H)、5.11(bd,1H)、3.31(b,1H)、3.16(bs,2H)、3.12(b,1H)、2.94(m,1H)、2.54(b,2H)、1.66(s,1H)、1.46(b,1H)、1.24(d,6H)、0.76(bs,1H)。
MS(m/z):397[MH]
【0145】
実施例3:N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−エチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E3)
【化62】

N−[4−(3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル)フェニル]−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド(21mg)を、2,6−ルチジン(0.008mL)の存在下において、乾ジクロロメタン(1mL)中ヨードエタン(0.006mL)と攪拌しながら反応させた。18時間後、得られた褐色混合物を、ジクロロメタンと水性(約0.5M)NaCO間に分配した。ジクロロメタン層を収集し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーに付した。こうして得られた遊離塩基の標記化合物を、ジクロロメタンで溶解し、過剰のHCl(EtO中1M)を加え、真空中で揮発物を蒸発し、残渣をEtO:EtOAc 1:1(約0.1mL/mg)で磨砕することにより塩酸塩に変換した。標記化合物を、褐色固体として得た(7mg)。
NMR(H,CDOD):δ 7.68(d,2H)、7.34(d,2H)、7.18(d,2H)、7.10(d,2H)、3.97(d,1H)、3.77(d,1H)、3.54(dd,1H)、3.50(d,1H)、3.28(m,2H)、2.92(m,1H)、2.10(m,1H)、1.35(t,3H)、1.21(m,8H)。MS(m/z):385[MH]
【0146】
実施例4:N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E4)
【化63】

N−[4−(3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル)フェニル]−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド(118mg)を、2,6−ルチジン(0.046mL)の存在下において、乾ジクロロメタン(3mL)中ヨードメタン(0.025mL)と攪拌しながら反応させた。1時間後沈殿が形成した。18時間後、得られた褐色混合物を、ジクロロメタンと水性NaCO(約0.5M)間に分配した。クロロメタン層を収集し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーに付した。こうして得られた遊離塩基の標記化合物を、ジクロロメタンで溶解し、過剰のHCl(EtO中1M)を加え、真空中で揮発物を蒸発し、残渣をEtO:EtOAc 1:1(約0.1mL/mg)で磨砕することにより、塩酸塩に変換した。標記化合物を、灰白色固体として得た(49mg)。
NMR(H,CDOD):δ 7.68(d,2H)、7.35(d,2H)、7.18(d,2H)、7.10(d,2H)、3.94(d,1H)、3.76(d,1H)、3.54(m,2H)、2.97(s,3H)、2.94(m,1H)、2.11(m,1H)、1.21(m,8H)。MS(m/z):371[MH]
【0147】
実施例5:N−{3−[(1S,5R/1R,5S))−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E5)
【化64】

バイアル中にて、(1R,5S/1S,5R)−1−(3−ブロモフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P5、0.20g)および4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド(0.26g)のN−メチルピロリジノン(2mL)中溶液に、炭酸カリウム(0.16g)およびヨウ化銅(12mg)を加えた。バイアルを密封し、195℃のマイクロ波で2.5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、(メタノール、次いで、2Nメタノール中NHOHで溶出しながら)SCXカートリッジを用いて濾過した。濾液を真空中で濃縮し、粗生成物を、(ジクロロメタン/メタノール 96:4で溶出しながら)フラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、85mgのN−{3−[(1R,5S/1S,5R)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミドを得た。室温で、該物質(37mg)のDCM(1mL)中攪拌溶液に、ホルムアルデヒド(0.016mL、37%水溶液)を、15分後トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(50mg)を加えた。水性飽和炭酸カリウムを加え、混合物を酢酸エチルで抽出した後、反応混合物を3時間攪拌した。有機相を真空中で濃縮し、粗生成物を、(ジクロロメタン/メタノール 96:4で溶出しながら)フラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、11mgの遊離塩基の標記化合物を得た。該物質のジクロロメタン(0.5mL)中溶液に、HCl(30μL、EtO中1M)を加え、溶媒を真空下で蒸発し、こうして得られた物質をEtOで磨砕し、白色のわずかに吸湿性の固体として11mgの標記化合物を得た。
NMR(H,CDOD):δ 10.27(bs,2H)、7.68(d,2H)、7.42(d,2H)、7.18(t,1H)、6.92(m,3H)、3.84(m,1H)、3.61(m,1H)、3.44(m,2H)、2.93(m,1H)、2.82(s,3H)、2.02(m,1H)、1.49(t,1H)、1.17(d,6H)、0.92(t,1H)。MS(m/z):371[MH]
【0148】
実施例6:N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−N−メチル−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E6)
【化65】

(1S,5R/1R,5S)−1−(4−ヨードフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P9、50mg)、4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド(33mg)、ヨウ化銅(12mg)、(1R,2R)−ジアミノメチルシクロヘキサンジアミン(4mg)および水酸化カリウム(15mg)のトルエン(0.5mL)中混合物を、130℃のマイクロ波で加温した。1時間後、付加的なヨウ化銅(50mg)および(1R,2R)−ジアミノメチルシクロヘキサンジアミン(100mg)を添加し、混合物を1時間加温した。溶媒を真空下で蒸発し、粗生成物を、DCMで溶解し、溶媒を飽和水性NHClで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。粗生成物を、(DCM/MeOH 99:1で溶出しながら)フラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、45mgの(1S,5R/1R,5S)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル}アミノ)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチルを得た。
0℃で、該中間体(45mg)、トリフェニルホスフィン(52mg)、MeOH(0.15mL)のトルエン(0.5mL)中攪拌溶液に、DIAD(35mg、トルエン中40%)を20分かけて加えた。冷媒浴を除去し、さらに1時間攪拌し続けた。揮発物を真空中で蒸発し、粗生成物をDCMで溶解し、有機相を水性飽和NaHCOで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、(シクロヘキサン/酢酸エチル 95:5で溶出しながら)フラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、24mgの(1R,5S)−1−[4−(メチル{[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル}アミノ)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチルを得た。該生成物をDCM(1mL)で溶解し、TFA(1mL)を加えた。1時間後、反応混合物を氷/NaHCOに注ぎ込み、DCMで抽出し、有機相を真空中で蒸発し、粗生成物を、(メタノール、次いで、2Nメタノール中NHOHで溶出しながら)SCXカートリッジを用いて濾過した。濾液を真空中で濃縮し、9mgの遊離塩基の標記化合物を得た。該物質のDCM(0.2mL)中溶液に、HCl(0.024mL、EtO中1M)を加え、溶媒を真空下で蒸発し、こうして得られた物質をEtOで磨砕し、白色のわずかに吸湿性の固体として9mgの標記化合物を得た。
NMR(H,CDCl):δ 7.49(d,2H)、7.42(d,2H)、7.26(d,2H)、7.1(d,2H)、3.7(d,1H)、3.58(m,2H)、3.46(d,1H)、3.17(s,3H)、3.1(m,1H)、2.15(m,1H)、1.32(d,6H)、1.1(m,1H)。MS(m/z):371[MH]
【0149】
実施例7:N−[4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]−2−(メチルオキシ)フェニル]−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E7)
【化66】

(1S,5R/1R,5S)−1−[4−アミノ−3−(メチルオキシ)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P8、0.071g)を、ピリジン(0.057mL)およびN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(6mg)の存在下において、ジクロロメタン中塩化4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホニル(77mg)と4時間反応させた。水(1mL)を加え、混合物を30分間攪拌し、次いで、水とジクロロメタン間に分配した。有機層を収集し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーに付した。生成物を、ジクロロメタン(2mL)中トリフルオロ酢酸(1mL)で3時間処理し、揮発物を蒸発し、残渣を実施例1に記載のように塩酸塩に変換し[EtO:EtOAc 2:1を用いて標記化合物を磨砕すること]、灰白色固体として標記化合物を得た(30mg)。
NMR(H,CDOD):δ 7.63(d,2H)、7.40(d,1H)、7.32(d,2H)、6.85(dd,1H)、6.76(d,1H)、3.72(dd,1H)、3.64(dd,1H)、3.56(m,4H)、3.48(dd,1H)、2.94(m,1H)、2.13(m,1H)、1.33(m,1H)、1.24(d,6H)、1.06(m,1H)。MS(m/z):387[MH]
【0150】
実施例8:(1S,5R/1R,5S)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル}メチル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(E8)
【化67】

N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)中(1S,5R/1R,5S)−1−[4−(ブロモメチル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P11、26mg)を、16時間攪拌しながら、4−(1−メチルエチル)ベンゼンチオール(0.018uL)および炭酸カリウム(10mg)で処理した。揮発物を真空中で蒸発し、残渣をカラムクロマトグラフィーに付した。こうして得られたチオエーテル中間体(23mg無色フィルム)を、KHCO(11mg)の存在下において、ジクロロメタン(2mL)中メタクロロ過安息香酸(37mg、<77%タイター)と反応させた。1時間後、過剰のNa、NaHCO(水中5%)およびジクロロメタンを、激しく攪拌しながら加えた。ジクロロメタン層を収集し、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーに付した。こうして得られた物質を、ジクロロメタン(2mL)中トリフルオロ酢酸(1mL)で3時間処理し、揮発物を蒸発し残渣を実施例1に記載のように塩酸塩に変換し、無色固体として標記化合物を得た(19mg)。
NMR(H,CDOD):δ 7.62(d,2H)、7.43(d,2H)、7.23(d,2H)、7.17(d,2H)、4.46(s,2H)、3.76(d,1H)、3.67(dd,1H)、3.61(d,1H)、3.52(d,1H)、3.00(m,1H)、2.17(m,1H)、1.28(d,6H)、1.26(m,1H)、1.12(dd,1H)。MS(m/z):356[MH]
【0151】
実施例9:N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E9)
【化68】

(1S,5R/1R,5S)−1−(4−ブロモフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(P3、0.10g)および4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド(0.10g)のN−メチルピロリジノン(1mL)中溶液に、炭酸カリウム(0.123g)およびCuI(15mg)を加えた。混合物を、200℃で1時間、次いで、50分間隔にて2回各々195℃でマイクロ波反応器を用いて密封容器中で加熱した。水を加え、混合物を、ジクロロメタンで3回抽出し、メタノール、次いで、2Nメタノール中NHOHで溶出しながら、SCXカートリッジに適用した。フラクションを含有する生成物を真空中で濃縮し、連続的シリカゲルおよびNH2シリカ(Biotage、EtOAc:アセトン勾配で溶出した生成物)クロマトグラフィーに付して精製した。こうして得られた遊離塩基の標記化合物は、ジクロロメタンで溶解し、過剰のHCl(EtO中1M)を加え、揮発物を真空中で蒸発し、残渣をEtO:EtOAc 1:1(約0.1mL/mg)で磨砕することにより塩酸塩に変換した。標記化合物を、オレンジ色固体として得た(19mg)。
NMR(H,CDOD):δ 7.93(d,2H)、7.82(d,2H)、7.20(d,2H)、7.11(d,2H)、3.68(d,1H)、3.62(d,1H)、3.55(d,1H)、3.47(m,1H)、2.10(m,1H)、1.21(m,1H)、1.05(m,1H)。MS(m/z):383[MH]
【0152】
実施例10:N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−ヨードベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E10)
【化69】

(1R,5S)−1−(4−アミノフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P14、150mg)および塩化4−ヨード−ベンゼンスルホニル(100mg)の混合物を、100℃でマイクロ波反応器を用いて30分間密封容器中で加熱した。水を加え、混合物をDCMで抽出し、次いで、シリカフラッシュクロマトグラフィーに付して精製した。こうして得られた遊離塩基の標記化合物を、ジクロロメタンで溶解し、過剰のHCl(EtO中1M)を加え、揮発物を真空中で蒸発し、残渣をEtO:EtOAc 1:1(約0.1mL/mg)で磨砕することにより、塩酸塩に変換した。標記化合物を、固体として得た(13mg)。
NMR(H,CDOD):δ ppm 0.9(t,1H) 1.10(t,1H) 1.91−2.07(m,1H) 3.38(d,1H) 3.44(d,1H) 3.52(dd,1H) 3.59(d,1H) 6.99(d,2H) 7.09(d,2H) 7.38(d,2H) 7.75(d,2H)。MS(m/z):439[MH]
【0153】
実施例11:N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−ブチルベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E11)
【化70】

(1R,5S)−1−(4−アミノフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P14、20mg)および塩化4−ブチルベンゼンスルホニル(11mg)、乾TEA(0.02mL)のDCM中混合物を、室温で1時間攪拌した。溶媒を蒸発し、粗生成物を、シクロヘキサン/酢酸エチル 95/5で溶出しながら、シリカフラッシュクロマトグラフィーに付して精製した。こうして得られた標記化合物のN−tert−ブトキシカルボニル誘導体を、室温で1時間、トリフルオロ酢酸(0.5ml)で処理した。溶媒を蒸発し、粗生成物をSCXカラムに付して精製し、遊離塩基として標記化合物を得た。次いで、化合物を、ジクロロメタンで溶解し、過剰のHCl(EtO中1M)を加え、揮発物を真空中で蒸発し、残渣をEtO:EtOAc1:1 (約0.1mL/mg)で磨砕することにより、塩酸塩に変換した。標記化合物を、固体として得た(5mg)。
NMR(H,CDOD):δ ppm 0.83(t,3H) 0.92−0.98(m,1H) 1.06−1.14(m,1H) 1.18−1.28(m,2H) 1.43−1.55(m,2H) 1.94−2.02(m,1H) 2.56(t,2H) 3.35−3.62(m,4H) 7.00(d,2H) 7.07(d,2H) 7.20(d,2H) 7.57(d,2H)。MS(m/z):369[MH]
【0154】
実施例12:N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1,1−ジメチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E12)
【化71】

(1S,5R/1R,5S)−1−(4−ヨードフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P9、0.53g)および4−(1,1−ジメチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド(P13、0.4g)の乾トルエン中溶液に、ヨウ化銅(11mg)、(1R,2R)−ジアミノメチルシクロヘキサンジアミン(5mg)および水酸化カリウム(16mg)を加え、混合物を150℃のマイクロ波で2時間加温した。溶媒を真空下で蒸発し、粗生成物をDCMで溶解し、溶液を飽和水性NHClで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。粗生成物を、(シクロヘキサン/酢酸エチル 8/2で溶出しながら)フラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、11mgの(1R,5S)−1−[4−({[4−(1,1−ジメチルプロピル)フェニル]スルホニル}アミノ)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチルを得た。該中間体(11mg)のDCM(1mL)中攪拌溶液にトリフルオロ酢酸(0.5ml)を添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。揮発物を真空中で蒸発し、粗生成物を、(メタノール、次いで、2Nメタノール中NHOHで溶出しながら)SCXカートリッジに付して精製した。濾液を真空中で濃縮し、10.5mgの遊離塩基の標記化合物を得た。次いで、化合物を、ジクロロメタンで溶解し、過剰のHCl(EtO中1M)を加え、揮発物を真空中で蒸発し、残渣をEtO:EtOAc 1:1(約0.1mL/mg)で磨砕することにより、塩酸塩に変換した。標記化合物を、白色固体として得た(11mg)。
NMR(H,CDOD):δ ppm 0.59(t,3H) 0.98−1.07(m,1H) 1.14−1.22(m,1H) 1.65(q,2H) 2.02−2.11(m,1H) 3.42−3.48(m,1H) 3.51(d,1H) 3.59(dd,1H) 3.65(d,1H) 7.06−7.11(m,1H) 7.14−7.19(m,1H) 7.42−7.49(m,1H) 7.65−7.72(m,1H)
MS(m/z):435[MH]
【0155】
実施例13:N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−[(トリフルオロメチル)オキシ]ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E13)
【化72】

(1S,5R/1R,5S)−1,1−ジメチルエチル−1−(4−ヨードフェニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸塩(P9、0.53g)および4−[(トリフルオロメチル)オキシ]ベンゼンスルホンアミド(0.47g)の乾トルエン中溶液に、ヨウ化銅(48mg)、(1R,2R)−ジアミノメチルシクロヘキサンジアミン(70mg)およびリン酸カリウム(55mg)を添加し、混合物を、1時間150℃のマイクロ波で加温した。溶媒を真空下で蒸発し、粗生成物をDCMで溶解し、溶液を飽和水性NHClで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。粗生成物を、(DCM/MeOH 9/1で溶出しながら)フラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、20mgの(1R,5S)−1−{4−[({4−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}スルホニル)アミノ]フェニル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチルを得た。該中間体(18mg)のDCM(1mL)中攪拌溶液に、トリフルオロ酢酸(0.5ml)を添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。揮発物を真空中で蒸発し、粗生成物を(メタノール、次いで、2Nメタノール中NHOHで溶出しながら)SCXカートリッジに付して精製した。濾液を真空中で濃縮し、10mgの遊離塩基の標記化合物を得た。次いで、化合物を、ジクロロメタンで溶解し、過剰のHCl(EtO中1M)を添加し、揮発物を真空中で蒸発し、残渣をEtO:EtOAc 1:1(約0.1mL/mg)で磨砕することにより、塩酸塩に変換した。標記化合物を、白色固体として得た(10mg)。
MS(m/z):397[MH]
【0156】
実施例14:N−{4(1S,5R/1R,5S)−)−3−(3−フルオロプロピル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E14)
【化73】

バイアル中にて、(1S,5R/1R,5S)−1−(4−ブロモフェニル)−3−(3−フルオロプロピル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(P15、50mg)および4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド(67mg)のトルエン(1mL)中溶液に、N,N’−ジメチルシクロヘキシルアミン(95mg)、ヨウ化銅(64mg)、およびKOH(19mg)を添加した。バイアルを密封し、2.5時間195℃のマイクロ波で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、(メタノール、次いで、2Nメタノール中NHOHで溶出しながら)SCXカートリッジを通して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、粗生成物を、(ジクロロメタン/メタノール 96:4で溶出しながら)フラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、遊離塩基として35mgの標記化合物を得た。該物質のジクロロメタン(1mL)中溶液に、HCl(98μL、EtO中1M)を添加し、溶媒を真空下で蒸発し、こうして得られた物質をEtOで磨砕し、白色のわずかに吸湿性の固体として36mgの標記化合物を得た。
NMR(H,CDOD):δ ppm 1.07−1.19(m,1H) 1.21−1.28(m,1H) 1.24(d,6H) 2.01−2.10(m,2H) 2.08−2.15(m,1H) 2.90−3.01(m,1H) 3.24(t,2H) 3.33−3.49(m,1H) 3.56−3.72(m,1H) 3.76−3.96(m,1H) 4.50(t,1H) 4.53−4.62(m,1H) 4.59(t,1H) 7.10(d,2H) 7.16(d,2H) 7.37(d,2H) 7.69(d,2H) 8.27(br.s.,1H)
MS(m/z):417[MH]
【0157】
実施例15:(1R,5S/1S,5R)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチル}スルホニル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(E15)
【化74】

20mgの(1R,5S/1S,5R)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチル}スルホニル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P17)の乾ジクロロメタン(2mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。次いで、混合物を、室温で、SCXカートリッジ上に充填し、(メタノール、次いで、2Nメタノール中NHOHで溶出しながら)濾過した。濾液を真空中で濃縮し、10mgの標記化合物を得た。
MS(m/z):354[MH]
【0158】
実施例16:(1R,5S/1S,5R)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチル}スルホニル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(E16)
【化75】

17.5mgの(1R,5S/1S,5R)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチル}スルホニル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(P17)の乾ジクロロメタン(1mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。室温で1時間後、粗生成物を、室温でSCXカートリッジ上に充填し、(メタノール、次いで、2Nメタノール中NHOHで溶出しながら)濾過した。濾液を真空中で濃縮し、得られた生成物を、乾ジクロロメタン(1mL)で溶解し、HClを添加した(50μL、EtO中1M)。溶媒を真空下で蒸発し、こうして得られた物質をEtOで磨砕し、10mgの標記化合物を得た。
NMR(DMSO−d) δ ppm 1.18(d,6H) 1.16−1.23(m,1H) 1.39(t,1H) 2.24−2.34(m,1H) 2.79−2.91(m,1H) 3.34−3.45(m,1H) 3.42−3.63(m,2H) 3.69−3.80(m,1H) 4.60(s,2H) 6.99−7.30(m,4H) 7.45(d,2H) 7.69(d,2H) 9.14(br.s.,1H) 9.54(br.s.,1H)
【0159】
実施例17:(1R,5S/1S,5R)−3−(3−フルオロプロピル)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチル}スルホニル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(E17)
【化76】

15.5mgの(1R,5S/1S,5R)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチル}スルホニル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの乾DMF(2mL)中溶液に、臭化3−フルオロプロピル(6mg)、KCO(14mg)および触媒量のKIを添加した。混合物を60℃で2時間攪拌し、次いで、室温に冷却し、(メタノール、次いで、2Nメタノール中NHOHで溶出しながら)SCXカートリッジに通して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、粗生成物を、(ジクロロメタン/メタノール 96:4で溶出しながら)フラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、遊離塩基として8mgの標記化合物を得た。該物質の乾ジクロロメタン(1mL)中溶液に、HClを添加した(50μL、EtO中1M)。溶媒を真空下で蒸発し、こうして得られた物質をEtOで磨砕し、8mgの標記化合物を得た。
NMR(H,CDOD): δ ppm 1.12(d,6H) 1.20−1.37(m,2H) 1.96−2.16(m,2H) 2.22−2.33(m,1H) 2.70−2.83(m,1H) 3.26−3.45(m,2H) 3.47−3.60(m,1H) 3.56−3.71(m,1H) 3.77(d,1H) 4.05(d,1H) 4.36(s,2H) 4.43(t,1H) 4.52(t,1H) 6.95(d,2H) 7.04(d,2H) 7.34(d,2H) 7.56(d,2H)
【0160】
本明細書で引用される特許および特許出願を含むがこれらに限定されないすべての刊行物は、個々の刊行物が十分に開示されているかの如く具体的かつ個別的に出典明示により本明細書の一部とすることが明示されているかのように出典明示により本明細書の一部とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IA):
【化1】

[式中:
Aは、シクロプロピル基に対してメタ位またはパラ位でフェニル基に結合され、−SONR−、−SOCR−、−CRSO−および−NRSO−からなる群より選択され;
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキルまたはC2−6アルキレンであり;
およびRは、独立して、水素またはC1−6アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシであり;
は、水素、C1−6アルキル、またはRで置換されていてもよいフェニルであり;ならびに
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはハロC1−6アルコキシである]
で示される化合物またはその塩。
【請求項2】
が、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキルまたはハロゲンである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Aが、Rが水素である−SONR−であるか、またはAが、RおよびRが水素である−SOCR−である、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
Aが、RおよびRが水素である−CRSO−である、請求項1または2記載の化合物。
【請求項5】
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1R,5Sまたは1S,5R)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド);
4−(1−メチルエチル)−N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−(2−プロペン−1−イル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−エチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{3−[(1S,5R/1R,5S))−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−N−メチル−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−[4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]−2−(メチルオキシ)フェニル]−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
(1S,5R/1R,5S)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]スルホニル}メチル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−ヨードベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−ブチルベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1,1−ジメチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1S,5R/1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−[(トリフルオロメチル)オキシ]ベンゼンスルホンアミド;
N−{4(1S,5R/1R,5S)−)−3−(3−フルオロプロピル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシ−1−イル]フェニル}−4−(1−メチルエチル)ベンゼンスルホンアミド;
(1R,5S/1S,5R)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチル}スルホニル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン;
(1R,5S/1S,5R)−3−(3−フルオロプロピル)−1−[4−({[4−(1−メチルエチル)フェニル]メチル}スルホニル)フェニル]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン;
またはその塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
請求項1記載の化合物の調製方法であって、
(a)式(II):
【化2】

[式中:Pは、適当な保護基または式(I)に記載の置換基Rであってもよく、Lは、脱離基である]
で示される化合物を式(III):
【化3】

[式中:RおよびAは、式(I)と同義である]
で示される化合物と反応させるか;または
(b)式(Ia)で示される化合物、すなわち、Aが−SONH−である式(I)で示される化合物の場合、式(IV):
【化4】

[式中:Pは、適当な保護基または式(I)に記載の置換基Rであってもよく、Rは式(I)と同義である]
で示される化合物を式(V):
【化5】

[式中:Rは式(I)と同義であり、Lは脱離基である]
で示される化合物と反応させるか;または
(c)式(Ib)で示される化合物、すなわち、Aが−SOCR−である式(I)の化合物の場合、式(VI):
【化6】

[式中:Pは、適当な保護基または式(I)に記載の置換基Rであってもよく、R、R、およびRは、式(I)と同義であり、Lは脱離基である]
で示される化合物を式(VII):
【化7】

[式中:Rは式(I)と同義である]
で示される化合物と反応させ(工程I)、次いで、硫黄原子についての酸化工程(工程II)であるか;
(d)式(Ic)で示される化合物、すなわち、Aが−NRSO−である式(I)で示される化合物の場合、式(VIII):
【化8】

[式中:Pは、適当な保護基または式(I)に記載の置換基Rであってもよく、Rは、式(I)と同義であり、Lは脱離基である]
で示される化合物を式(IX):
【化9】

[式中:Rは式(I)と同義である]
で示される化合物と反応させるか;
(e)式(Id):
【化10】

で示される化合物、すなわち、Rが水素でない式(I)で示される化合物の場合、式(Ie)で示される化合物、すなわち、Rが水素である式(I)で示される化合物をR[式中:R1は式(I)と同義であり、Lは脱離基である]で示される化合物と反応させること;
(f)式(Ie)で示される化合物、すなわち、Aが−CRSO−である式(I)で示される化合物の場合、上記の式(II):
【化11】

で示される化合物を式(X):
【化12】

[式中:Rは式(I)と同義である]
で示される化合物と反応させ(工程I)、次いで、硫黄原子についての酸化工程(工程II)であって、工程(a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)の後に、
(i)いずれかの保護基(複数でも可)を除去してもよく;および/または
(ii)塩を形成してもよく;および/または
(iii)式(I)で示される化合物またはその塩を別の式(I)で示される化合物またはその塩に変換してもよいことを含む方法。
【請求項7】
治療に用いるための請求項1−5のいずれか記載の化合物。
【請求項8】
ドーパミンD受容体の調節が有用である哺乳類の病態の治療に用いるための請求項1−5のいずれか記載の化合物。
【請求項9】
物質関連障害、精神病性障害(例えば、統合失調症)または早漏の治療に用いるための請求項1−5のいずれか記載の化合物。
【請求項10】
請求項1−5のいずれか記載の化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項11】
ドーパミンD受容体の調節が有用である病態の治療方法であって、有効量の請求項1−5のいずれかの化合物をそれを必要とする哺乳類(例えば、ヒト)に投与することを含む方法。
【請求項12】
病態が、物質関連障害、精神病性障害(例えば、統合失調症)または早漏である、請求項5記載の方法。
【請求項13】
ドーパミンD受容体の調節が有用である哺乳類の病態の治療のための医薬の製造における請求項1−5のいずれか記載の化合物の使用。
【請求項14】
病態が、物質関連障害、精神病性障害(例えば、統合失調症)または早漏である、請求項5記載の使用。

【公表番号】特表2009−504793(P2009−504793A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527372(P2008−527372)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008202
【国際公開番号】WO2007/022935
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】