説明

ナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金の高効率触媒の製造方法。

【課題】高効率、大比表面積のナノネットワーク構造を有する貴金属触媒の形成。
【解決手段】この単層若しくは多層のコンパクトな構造は有機重合体(例えばポリスチレン(PS))のナノ球体、または無機(例えば二酸化珪素SiO2)のナノ球体の自己凝集で形成される。そのようなコンパクトな配列の空間では、触媒は真空スパッタリングで形成され、もしくはイオン化触媒金属水溶液で充填して、化学還元することによって形成される。
ポリスチレン等の有機重合体からなるナノ球体、又は二酸化珪素等の無機物からなるナノ球体を溶液中で高密度に自己凝集して層状堆積構造とし、溶液を揮散後、白金等の触媒貴金属をスパッタリング、又は水溶液として含浸・還元反応により層状堆積構造の空隙に堆積させ、ナノ球体を熱分解気化、又は弗化水素酸で溶解除去して、触媒金属からなるナノネットワーク構造を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンファイバー材、ガラス炭素、グラファイト、セラミック、ガラス、金属などの相対的に滑らかで適当な支持体に載置して、ナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金ベースの触媒及びその形成方法に関する。
特に、これらはナノサイズの有機重合体、例えばポリスチレン(PS)やpoly methyl methacrylate (PMMA)、または無機の、例えば二酸化珪素(SiO2)のナノ球体を利用して自己凝集によって密着した圧縮された層状構造を構成する。これらは単層もしくは多層の明確な面心立方格子状(f.c.c)構造とすることが望ましい。このようにして形成された密着した層状構造体を加熱乾燥などにより、最初にポリスチレンや二酸化珪素の分散媒とされた溶剤を除去すると、堅く、微小な空隙のある三次元のナノネットワーク構造体となる。このようなコンパクトなナノネットワーク配列の空隙の中に触媒金属イオン水溶液を含浸すると、化学還元反応によりこれらの空隙を充填できる。または触媒金属でスパッタリングしても同様の構造にできる。
ポリスチレンのナノ球体を出発材料として使用する場合、上記の構造から高温で重合体粒子を除去するとナノネットワーク構造を有する触媒が得られる。珪素酸化物のナノ球体を出発材料として使用する場合には、珪素酸化物粒子は弗化水素酸溶液で溶かして揮発させることにより同様の構造体が形成できる。このようにして形成された触媒は、強健で立体的なナノネットワーク構造や均一サイズの穴や大きな表面積などの特徴を有する。
【背景技術】
【0002】
多くの重要な化学反応において、触媒は重要な機能を担っている。例えば、有機化合物の合成や、天然ガスやガソリンやメタノールからの水素生産の改良とか、一酸化炭素や酸化窒素や不完全燃焼燃料の触媒による無害化、分解反応などにおいて重要な役割を有する。特にプラチナとプラチナの合金は、酸素の電気分解と燃料の電解酸化に関するメタノール直接反応による陽子交換膜を有する燃料電池には不可欠の触媒である。これまで多くの触媒においてカーボンブラックやセラミックやシリカゲルなどの適当な支持体を使用してきた。このような微小なナノメートルサイズに形成された粒子形状の触媒はナノ触媒と呼ばれている。
【0003】
DMFC及びPEMFCの応用に形成された触媒は、通常Cabot,Vulcan XC-72とChevron Shawiniganのような高い比表面積のカーボン支持体を使っている。最新の典型例として、カーボンブラック支持体によるプラチナ及びプラチナ合金触媒の作り方はCooper氏等が提案する(U.S. Pat. 5,316,990, Brand et al. U.S. Pat. 5,489,563, Gunner et al. U.S. Pat. 5,939,220 and Auer et al. U.S. Pat. 6,007,934.)を参照されたい。一般的にはイオン化の触媒金属、またはコロイド状の触媒はカーボン支持体に吸収され、化学反応によって低減することになる。ちなみに水素ガスを使用する高温削減も頻繁的に行われている。しかしながら、このように形成されたナノ触媒は大きな粒子に形成するときには再結合や再結晶や焼結作用により、本質的にその触媒の表面積が低下した。これによって触媒の効率と寿命ともに低下することになる。故に本願の新たなアプローチは全ての使用状況で安定に使うことができるような触媒を提供することを目指す。
【0004】
現在では進歩したナノテクノロジーによってナノ構造はより容易に作られる。例の一つとして、Billliet 氏等(U.S. Pat. No. 6,709,622)は等方性で分散して相互接続する気孔を含めて、ナノメートルからオングストローム範囲 (Angstrom ranges) の横断面直径を持つナノ構造を製造する方法を明らかにしている。つまり無機ナノ粒子を出発材料として、有機重合体と混合して、均質な熱可塑性物質化合物を形成する。さらに、その有機重合体を高温の焼結(sintering)で除去してナノ構造体を形成した。もう一つの例として、Jin氏(U.S. Pat. No. 6,858,521)が明らかにしたのは、このように区切られた配列のナノ構造を多数形成するには所定間隔で区切られた大きな孔を有するショーマスク(show mask)にナノスケール寸法の孔を設けて、このマスクを通して材料の堆積を行うことにより多数の区切られたナノ構造が形成される。しかしながら、これらのナノ構造は触媒というよりむしろ触媒の支持体として使用されたほうが適当である。特に、大きな表面積と高触媒効率を有して、再結合や再結晶や焼結に耐えるようなナノ構造の触媒を作り上げることができれば、有用である。
【0005】
事実、ポリスチレンナノ球体、二酸化珪素などのナノ材料を構造指向の触媒として使うことからこの目標を達成できる新しいアプローチがなされる。これらのナノ球体を稀釈された状況に応用すると、容易に滑らかな支持体表面で密接的にパックされた単層又は多層の層状構造を形成できる。これらのユニークな特性から、本発明は従来のナノ触媒と完全に異なって適当な支持体に載置したナノネットワーク構造を有する触媒を用意できる。従来のナノ触媒が遭遇した難点を克服することは最大の利点である。さらに、この技術により作られたプラチナ及びプラチナ合金触媒は強健な構造、高い触媒作用の表面、再結合への抵抗力などの特性を有しているためDMFCsとPEMFCsの性能を大幅向上させることができる。
【特許文献1】米国特許第5,316,990号明細書
【特許文献2】米国特許第5,489,563号明細書
【特許文献3】米国特許第5,939,220号明細書
【特許文献4】米国特許第6,007,934号明細書
【特許文献5】米国特許第6,709,622号明細書
【特許文献6】米国特許第6,858,521号明細書
【特許文献7】特開2005−46808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、大きな表面積、高い触媒効率を有するべく、支持体に載置された、ナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金ベースの触媒の形成又は生産を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ポリスチレンまたは二酸化珪素のナノ球体を出発若しくは構造指向(構造を規定する)材料として、自己凝集のプロセスを通して支持体上で完璧な配列の層状構造を形成し、触媒を化学還元や真空スパッタリングによって層状構造の空隙に充填し、熱分解や化学分解によって上記出発材料を除去すると、ナノネットワーク構造を有する触媒が得られる。
自己凝集とは層状構造、特にナノサイズのその構造を形成する最も容易な方法の一つであり、このプロセスにはファンデルワース力(van der Waals forces)を含めて数種の力の相互作用が働く。現在、これらに使用する数種の有機重合体と無機の材料ともにナノ球体が得られており、商業的に入手可能である。
【0008】
これらのナノ材料は、適当な支持体に載置して密着してパックされた単層又は多層の層状構造を形成できる。例えば、ポリスチレンのナノ球体を有機物と水を含む溶剤で稀釈して、滑らかなガラス支持体上おいて最後に溶剤を揮発除去すると、コンパクトで明確な層状構造が得られる。
【0009】
ちなみに、より小さいサイズのTiO2 ナノ球体で層状構造の空隙をさらに充填できる。その溶剤が乾燥して、ポリスチレンのナノ球体も熱分解で完全に除去されると、TiO2 のナノ粒子で形成する新しいナノネットワーク構造が完成した。このようなナノネットワーク構造は大きい空隙と高い比表面積を提供する。これで明らかに触媒が相似のナノネットワーク構造で作られると、高い安定性と作用効率を示すことができる。
【0010】
この驚くべき発見により、ナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金ベースの触媒の新奇な形成方法が開発された。本発明はナノサイズの重合体(例えばポリスチレン)及び無機物(例えば二酸化珪素)の球体を稀釈溶液(例えば0.1 wt%)に溶かして自己凝集によって、密接してパックされた層状構造を形成することに関わる技術である。この球体に対してカーボンファイバー材、ガラス炭素、石墨(グラファイト)、セラミック、金属、ガラスなど比較的に滑らかな表面を有する支持体が適当である。
【0011】
一般的には、このような単層の若しくは多層の明確な面心立方格子(f.c.c)状構造は、支持体の表面に分散したナノ球体の稀釈溶液で形成される。この自己凝集によって形成されたコンパクトな層状構造は加熱乾燥法でナノサイズのポリスチレンと珪素球体粒子が含まれる溶液を除去すると、明確で空隙のある立体的なナノネットワークが完成する。
【0012】
このようなコンパクトな配列の空隙では、水溶液の中の触媒金属イオンは充填と化学還元が行なわれ、もしくは触媒金属で充填される。このための好適な触媒材料はプラチナ、またはルセニウム(Ru)、イリジウム、(Ir)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、及びオスミウム(Os)を含むプラチナ合金である。
【0013】
ポリスチレンのナノ球体を出発材料として使用する場合では、高温(<400 oC)で重合体のナノ粒子を除去すると、触媒金属のナノネットワーク構造が得られる。
【0014】
二酸化珪素のナノ球体を出発材料として使用する場合には、二酸化珪素ナノ粒子を弗化水素酸溶液により溶解して軽く加熱して(<100 oC)揮発させることにより同じ構造を形成することができた。
【発明の効果】
【0015】
このようなナノネットワーク構造は、大きい空隙と高い比表面積を提供する。これによって明らかに触媒が相似のナノネットワーク構造で作られると、高い安定性と作用効率を示すことができる。
【0016】
このようにして形成された触媒は、強健で立体的なナノネットワーク構造、均一サイズの穴、広い空隙、及び高い触媒作用比表面積などの特徴を備える。
【0017】
また、触媒の重量はカーボンブラック粉を使用する支持体が支持できる重量より軽い(例えば< 0.1 mgPt/cm2)。
【0018】
このナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金の高効率触媒は、化学反応装置や触媒改良機や触媒コンバーターと同様に、直接反応型メタノール燃料電池(DMFCs)と陽子交換膜燃料電池(PEMFCs)の触媒として使用できる。
【実施例】
【0019】
〔実施例1〕二酸化珪素(SiO2)ナノ球体を出発材料として作られたナノネットワークを有するプラチナ及びプラチナ合金触媒は水素ガスによって二酸化珪素を除去する。
まず、二酸化珪素(SiO2)ナノ球体の溶液を支持体の表面に分散し(図1の1-1、以下同様。)、赤外線の照射により乾燥させ(1-2)、次いでPt2+及び貴金属イオンを含む水溶液で空隙を充填(1-3)して後に、二度目の赤外線の照射で乾燥させて(1-4)、続いてオーブンで水素還元(1-5)して、弗化水素酸で二酸化珪素を溶かして揮発させて(1-6)、三度目に赤外線の照射で乾燥させる(1-7)と、ナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒が形成される(1-8)。
【0020】
〔実施例2〕二酸化珪素(SiO2)ナノ球体を出発材料として作られたナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金触媒にhydrazine、formaldehyde、formic acid、sodium sulfite、及びsodium borohydrideなどの化学還元剤を作用させる。得られたナノネットワーク構造を有するプラチナ触媒の形態を図7に示す。
まず、二酸化珪素(SiO2)ナノ球体の溶液を支持体の表面に分散し(図2の2-1、以下同様。)、赤外線の照射で乾燥させ(2-2)、Pt2+及び貴金属イオンを含む水溶液で空隙を充填して(2-3)、二度目の赤外線の照射で乾燥させて(2-4)、続いて化学還元剤で還元して(2-5)、弗化水素酸で二酸化珪素を溶かして蒸発させて(2-6)、三度目の赤外線の照射で乾燥させる(2-7)と、ナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒が形成される(2-8)。
【0021】
〔実施例3〕二酸化珪素(SiO2)ナノ球体を出発材料として作られたナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金触媒を、真空スパッタリングで充填する。
まず、二酸化珪素(SiO2)ナノ球体の溶液を支持体の表面に分散し(図3の3-1、以下同様。)、赤外線の照射で乾燥させ(3-2)、真空スパッタリングで空隙を充填して(3-3)、続いて弗化水素酸で二酸化珪素を溶かして蒸発させて(3-4)、二度目の赤外線の照射で乾燥させると(3-5)、ナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒が形成される(3-6)。
【0022】
〔実施例4〕有機重合体ナノ球体を出発材料として作られたナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金触媒を、水素ガスによって有機重合体を除去する。得られたナノネットワーク構造を有するプラチナ触媒を図8に示す。
まず、有機重合体ナノ球体の溶液を支持体の表面に分散し(図4の4-1、以下同様。)、赤外線の照射で乾燥させ(4-2)、Pt2+及び貴金属イオンを含む水溶液で空隙を充填して(4-3)、二度目の赤外線の照射で乾燥させて(4-4)、オーブンで水素還元(〜100℃)を行って(4-5)、オーブンで熱分解して有機重合体ナノ球体を除去する(<400℃)(4-6)と、ナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒が形成される(4-7)。
【0023】
〔実施例5〕有機重合体ナノ球体を出発材料として作られたナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金触媒にhydrazine、formaldehyde、formic acid、sodium sulfite、及びsodium borohydrideなどの化学還元剤で作用させる。結果としてのナノネットワーク構造を有するPt-Ru (ルテニウム)合金触媒の状態を図9に示す。
まず、有機重合体ナノ球体の溶液を支持体の表面に分散して(図5の5-1、以下同様。)、赤外線の照射で乾燥させて(5-2)、Pt2+及び貴金属イオンを含む水溶液で空隙を充填して(5-3)、二度目の赤外線の照射で乾燥させて(5-4)、化学還元剤で還元して(5-5)、オーブンで熱分解して有機重合体ナノ球体を除去する(<400 ℃)(5-6)と、ナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒が形成される(5-7)。
【0024】
〔実施例6〕有機重合体ナノ球体を出発材料として作られたナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金触媒を、真空スパッタリングで充填する。
まず、有機重合体ナノ球体の溶液を支持体の表面に分散して(図6の6-1、以下同様。)、赤外線の照射で乾燥させて(6-2)、真空イオンスパッタリングで空隙を充填して(6-3)、オーブンで熱分解することによって有機重合体ナノ球体を除去する(<400 ℃)(6-4)と、ナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒を形成する(6-5)。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施例1:二酸化珪素(SiO2)ナノ球体を出発材料として作られたナノネットワークを有するプラチナ及びプラチナ合金触媒を水素ガスによって二酸化珪素を除去して形成する工程。
【図2】実施例2:二酸化珪素(SiO2)ナノ球体を出発材料として作られたナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金触媒にhydrazine、formaldehyde、formic acid、sodium sulfite、及びsodium borohydrideなどの化学還元剤で作用させてナノネットワーク構造を有するプラチナ触媒を形成する工程。
【図3】二酸化珪素(SiO2)ナノ球体を出発材料として作られたナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金触媒を、真空スパッタリングで充填して形成する工程。
【図4】実施例4:有機重合体ナノ球体を出発材料として作られたナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金触媒を、水素ガスによって有機重合体を除去し、ナノネットワーク構造を有するプラチナ触媒を形成する工程。
【図5】実施例5:有機重合体ナノ球体を出発材料として作られたナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金触媒にhydrazine、formaldehyde、formic acid、sodium sulfite、及びsodium borohydrideなどの化学還元剤で作用させて、ナノネットワーク構造を有するPt-Ru (ルテニウム)合金触媒を形成する工程。
【図6】実施例6:有機重合体ナノ球体を出発材料として作られたナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金触媒を、真空スパッタリングで充填して形成する工程。
【図7】実施例2によって、カーボンファイバー材を支持体に、二酸化珪素(SiO2)を出発材料として作られたナノネットワーク構造を有するプラチナ触媒の構造。
【図8】実施例4によって、ガラスを支持体に、ポリスチレンのナノ球体を出発材料として作られたナノネットワーク構造を有するプラチナ触媒の構造。
【図9】実施例4によって、ガラスを支持体に、ポリスチレンのナノ球体を出発材料として作られたナノネットワーク構造を有するPt-Ru (プラチナ-ルテニウム)合金触媒の構造。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の手順で支持体上に載置されたナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金触媒を製造する方法:
まず出発又は構造指向材料としての有機重合体若しくは無機酸化のナノ球体を支持体の表面に分散させて、自己凝集プロセスを通して単層又は多層のコンパクトな層状構造を形成する;
続いてプラチナ又はその合金金属イオンを含む水溶液の化学還元、若しくは真空スパッタリングでこれらのナノ球体の空隙にプラチナ又はその合金を侵入堆積させる;
最後に上記出発材料又は構造指向材料を熱分解又は化学溶解により除去して形成する;
ことを特徴とするナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項2】
上記ナノネットワーク構造のプラチナ及びプラチナ合金触媒の製造方法は、メタノール直接反応型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)に用いられる触媒の製造方法であることを特徴とする請求項1記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項3】
上記ナノネットワーク構造のプラチナ及びプラチナ合金触媒の製造方法は、陽子交換膜燃料電池(PEMFCs: proton exchange membrane fuels cells)に用いられる触媒の製造方法であることを特徴とする請求項1記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項4】
上記ナノネットワーク構造のプラチナ及びプラチナ合金触媒の製造方法は、自動車などの乗り物の触媒コンバーターに用いられる触媒の製造方法であることを特徴とする請求項1記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項5】
上記ナノネットワーク構造のプラチナ及びプラチナ合金触媒の製造方法は、水素化や脱水素の気体反応に、またはメタノールや天然ガスやガソリンや他の含水素燃料の改良による水素生産に用いられる触媒の製造方法であることを特徴とする請求項1記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項6】
上記有機重合体のナノ球体は、ポリスチレン(polystyrene)及びポリメタクリル酸メチル(PMMA)を含む有機重合体のナノ球体であって、50ナノメ―トルから数マイクロメートルまでの直径を持つことを特徴とする請求項1記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項7】
上記無機酸化物のナノ球体は、二酸化珪素(SiO2) を含む無機酸化物のナノ球体であって、50ナノメ―トルから数マイクロメートルまでの直径を持つことを特徴とする請求項1記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項8】
上記支持体上のナノネットワーク構造のプラチナ又はプラチナ合金触媒の製造方法は支持体の表面に形成されたナノ球体が単層若しくは多層に形成されてなることによるものであることを特徴とする請求項1記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項9】
上記ナノ球体の空隙に侵入堆積した金属は、プラチナ及びルセニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)などの金属を混合したプラチナ合金であることを特徴とする請求項1記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項10】
上記ナノ球体の空隙に侵入堆積した金属は、プラチナイオン及びルセニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os) の中の一種又は一種以上のイオンを含んで混合したプラチナイオン混合物であることを特徴とする請求項9記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項11】
上記ナノ球体の空隙に侵入堆積した金属イオンは、赤外線の照射で、又は他の加熱方法で乾燥させて後、高温(<300℃)の水素還元を行うことを特徴とする請求項10記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項12】
上記ナノ球体の空隙に侵入堆積した金属イオンは、赤外線の照射で、または他の方法で加熱した後、hydrazine (N2H4)、 formaldehyde、formic acid、sodium sulfite、sodium borohydride (NaBH4)のいずれの成分を含む還元剤で還元させることを特徴とする請求項10記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項13】
上記ナノ球体の空隙への金属の侵入堆積することは真空スプレー(vacuum spray)もしくはイオン・ スパタリング(ion-sputtering)で成し遂げることを特徴とする請求項9記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項14】
上記ナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金の高効率触媒の製造方法に用いられる有機重合体ナノ球体は、高温オーブン(<400 oC)とエアーブローイング酸化オーブン(air-blowing oxidation ovens)の加熱で除去してなることを特徴とする請求項1記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項15】
上記ナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金の高効率触媒の製造方法に用いられる二酸化珪素のナノ球体は、弗化水素酸水溶液に溶かした後、加熱(<100 oC)除去させることを特徴とする請求項1記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。
【請求項16】
上記ナノネットワーク構造を有するプラチナ及びプラチナ合金の高効率触媒の製造方法に用いられる支持体は、平面状のカーボンファイバー材、グラファイト、セラミック、ガラス、又は金属であることを特徴とする請求項1記載のナノネットワーク構造を有するプラチナ系高効率触媒の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−314977(P2006−314977A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−143259(P2005−143259)
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(599171866)行政院原子能委員會核能研究所 (37)
【Fターム(参考)】