説明

ナノ構造材料に元素、化学種および組成物を注入するための装置および方法

水素、アルゴン、クリプトンなどの元素およびその他の組成物をナノチューブ構造に注入するための実用的な方法および装置が開示される。より具体的には、このような発明は、一実施形態において、ナノ構造材料に向けて水素の加速ビームのエネルギーを正確に制御するために必要な必須の付属機器と共に使用されるイオン・ビーム・ライン装置を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2003年12月17日出願の、「ナノ構造材料の気体注入(GAS IMPLANTATION OF NANOSTRUCTURED MATERIALS)」という名称の米国特許仮出願第60/530,433号に関連し、この出願の内容全体が、この参照により本明細書に組み込まれる。本出願人は、米国特許法(35USC)第119条(e)に基づき、この仮出願の利益を主張する。
【0002】
本発明は、それだけには限らないが、水素、アルゴン、クリプトンなどの化学元素、化学種および組成物を、カーボン・ナノチューブやシリカ・ナノチューブなどのナノ構造材料に注入し貯蔵するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
化石燃料は、自動車エンジンに動力を供給する方法として、また化学エネルギーを電気エネルギーに変換する発電所を含めた多種多様の応用分野においてエネルギー源として使用されている。化石燃料は供給に限りがあり、その燃焼の副産物として様々な環境有害物質を放出するため危害を及ぼすことは周知である。化石燃料がエネルギー源として使用されている多くの応用分野向けの可能な代替燃料として水素が提案されている。水素が化石燃料に取って代わるためには、克服しなければならないいくつかの障害がある。それには、とりわけ、水素の経済的生産、効率的で実用的な水素の分配方法、および安全で費用効果の高い効率的な貯蔵方法が含まれる。加えて、クリプトンやアルゴンを含めた他の気体元素用の安全で費用効果の高い効率的な貯蔵方法があれば利益があるはずである。
【0004】
水素などの元素用の様々な異なる貯蔵システムが提案されており、現在開発中である。これらのシステムには、液化ガスの圧縮による物理的貯蔵、不可逆的な水素キャリア、可逆的な金属および化学的水素化物バッテリー中での化学的貯蔵、固体に吸着させた気体が含まれる。採用される貯蔵媒体にかかわらず、これらのシステムが水素に関して大規模な商品化に成功するためには2つの目標を満たさなければならないと一般的に理解されている。第一は、貯蔵マトリックスの重量のある百分比、たとえば6.5パーセントが水素でなければならないことであり、少なくともある量の水素、たとえば1立方メートル当たり62キログラムが1立方メートルに収まらなければならないことである。
【0005】
いくつかの自動車メーカーが、概念を実証する車として燃料電池自動車の試作品を生産しているが、加圧下で液体水素を貯蔵する手段がこれらの自動車の商品化における主な制限要因になっている。液体水素は1日当たり約1パーセントの割合で蒸発し、燃料補給時にはその水素の30パーセントもが蒸発する。加えて、その水素を20Kに冷却した状態に保つためにかなりの数の絶縁層が必要とされる。この温度は、大気圧での液体水素温度である。圧力が増大するにつれて、水素が液体の状態にとどまる温度が上昇する。これらの高圧貯蔵システムを用いた自動車は、燃料補給時に燃料の加圧を実現するために大量のエネルギー入力を必要とする。また、水素の高圧貯蔵に伴う重大な安全性の問題、主として高圧セル破裂の場合の爆発もある。
【0006】
加圧下で液体水素を貯蔵することの代替案として、金属水素化物貯蔵セルおよび関連するシステムが探求されている。しかしながら、これらのシステムもいくつかの不利な点を有する。たとえば、これらのシステムは、システムから水素を脱着させるために大量のエネルギーを必要とし、それによりエンジンの全体的な効率が低下する。水素化物システムは、低エネルギー消費時には自動車エンジンに動力を供給するために小さい燃料電池を採用し、所要電力が高いときには内燃エンジンを採用する一種のハイブリッド・エンジンで使用される。これらのシステムは複雑で、費用効果が高くない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
水素などの燃料を安全にかつ高い費用効果でナノチューブなどの材料マトリックスに注入し貯蔵するための方法および装置が求められている。このような貯蔵機構は、クリプトンやアルゴンなど他の元素ならびに他の組成物を貯蔵する場合にも利点があるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、それだけには限らないが、水素ガスなどの元素を、カーボン・ナノチューブおよび/またはシリカ・ナノチューブなどのナノ構造材料またはマトリックスに注入し貯蔵する装置および方法を対象とする。上記では、このようなナノ構造材料を2つだけしか示していないが、同じプロセスがすべてのナノチューブ型構造でうまく働く。本発明の装置を用いて、アルゴンおよびクリプトンを含めた他の元素、化学種および組成物をナノ構造マトリックスに貯蔵することができる。本発明の一実施形態においては、水素ガスをナノ構造材料、特にカーボン・ナノチューブに注入し貯蔵する装置および方法が開示されている。カーボン・ナノチューブは、その寸法に対してかなりの貯蔵用外部表面積を提供し、またかなりの量の水素を安全に貯蔵することができる内部容積も有する。従来のほとんどの貯蔵技術が、燃料電池などで用いるためのガスの長期貯蔵用マトリックスとして働く様々な材料の表面への物理吸着を使用している。大部分の実験的証拠が、ナノチューブが高圧水素の環境に置かれていたとしても、その貯蔵容量は、吸着プロセスにおいて見られる予測外部貯蔵レベルに対応することを明らかにしている。ナノチューブ(必ずしも炭素から作られているわけではなく、いかなるナノチューブ構造も)のこの貯蔵容量を改善するためには、水素をこの構造の内部空間に強制的に追い込む方法および装置が必要である。
【0009】
ナノチューブ、特にカーボン・ナノチューブ内での水素の内部貯蔵が、安全でかつ効率的な貯蔵方法を提供することが提唱され、また多くの理論的研究で示されている。このような貯蔵機構は、クリプトンやアルゴンなど他の元素ならびに他の組成物を貯蔵する場合にも利点があるはずである。しかしながら、本発明より前には、水素ガスなどの元素をナノ構造の内部細孔領域に貯蔵する方法もそのための装置も見出されておらず、実験的に実証されてもいない。本発明の装置および方法は、水素ガスなどこれらの元素をカーボン・ナノチューブおよび/またはシリカ・ナノチューブなどのナノ構造材料の内部細孔領域に貯蔵する方法およびそのための装置を開示する。
【0010】
以下の説明を添付図面と共に考慮すれば、本発明の特徴がより明確に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
水素ガスなどの元素をナノ構造材料またはマトリックスの内部空間に注入する方法および装置を開示する。本発明は、このようなナノ構造材料またはマトリックスの貯蔵容量を改善するための方法および装置を含む。本発明の一実施形態においては、イオン・ビーム銃を使用して、このナノ構造材料またはマトリックスに向かう粒子にエネルギーを付与する。このような一実施形態において、このナノ構造材料またはマトリックスは、単層または多層のカーボン・ナノチューブまたはシリカ・ナノチューブを含む。したがって、本発明の装置は、このようなナノチューブの内部細孔に粒子を導くようになされている。水素がこれらのナノチューブの内部空間に入るためには、水素がナノチューブ壁面に力ずくで空隙を開けることが必要であり、それによって水素がナノチューブに入ることができる。理論モデルによれば、チューブの構成および直径に応じておよそ2eV〜20eVのエネルギーでナノチューブの表面に水素を衝突させることによりこれを実現することができる。このような穴はガスをナノ構造から逃がすように思えるので、ナノチューブに穴を開けることは問題があるように思えるが、実際にはそうではない。ナノチューブは、この種の損傷を約1ピコ秒以内に自己修復することがよく知られている。この自己修復は十分に迅速なので、損傷を受けたナノチューブが自己修復する前に逃げる水素はほとんどない。水素がナノチューブに詰め込まれるエネルギーには幅があるので、ナノチューブ・サンプルの表面およびサンプル内の様々な深さへの注入が可能になり、したがってより効率的な貯蔵性能が可能になる。
【0012】
本発明は、水素、アルゴン、クリプトンなどの元素および他の組成物をナノチューブ構造に注入するための実用的な方法および装置を含む。より具体的には、このような発明は、一実施形態において、水素の加速ビームのエネルギーを正確に制御するのに必要な必須の付属機器と共に使用されるイオン・ビーム・ライン装置を含む。
【0013】
本発明の実験は、カーボン・ナノチューブに衝突する水素の入射エネルギーが約50keVであるイオン・ビーム・ライン中に置かれたカーボン・ナノチューブの4mgサンプルを含んでいた。この予備実験においては、イオン・ビーム銃からカーボン・ナノチューブ・サンプルまでの距離が約50フィート(15.24m)であった。しかしながら、相互作用の性質および粒子の大きさの故に、500フィート(152.4m)未満のどんな距離でも、注入プロセスの結果の違いは無視できる程度である。水素粒子がナノチューブに衝突し、次々に通り抜けていく間に、その運動エネルギーは減少する。水素粒子の速度があるレベルにまで低下すると、ナノチューブ内に捕獲される。一般に、単一ナノチューブへの注入のための減少後のレベルは10eV〜30eVである。ナノチューブ中を水素粒子が進む距離は、マトリックスに入る水素粒子のエネルギー・レベルに依存している。ナノチューブの貫通厚さ1.0nmは一般に、ナノチューブの厚さ1,000,000nmを約20eVで割ることによって求めることができる。この計算結果は一般に、粒子がどれほど深く貫通するかに対応することになる。本明細書に開示されているエネルギー・レベルを用いると、約60eVの運動エネルギーを有する水素粒子は、約15本のナノチューブを貫通することになる。このようにして、可能であると以前考えられていたエネルギー・レベルよりも高いエネルギー・レベルを用いて注入を実現することができる。ナノチューブの自己修復が可能となるのに十分なだけ遅い、10−9秒ごとに約1つの粒子という粒子衝突速度をこの方法および装置では使用した。ナノチューブが経る自己修復プロセスが、この注入を安全なプロセスにすることを可能にする基本現象である。この自己修復特性がなければ、水素がサンプルから漏れて、ランダム発火の確率が増大する恐れがある。
【0014】
カーボン・サンプルは、サンプルに入射する全電荷だけでなく通り抜けてしまう電荷も測定されるように装置内に設置された。このようにして、捕捉粒子の総数を決定することができる。この総数は、ナノチューブ・マトリックスに向けられた約1017個の水素原子のうち約1017個の水素原子であると計算された。
【0015】
カーボン・ナノチューブ・サンプルを用意した後、ほとんど同一である2本のナノチューブ・サンプルの脱着を行った。4mgの単層ナノチューブ(SWNT)からなるサンプルAは、上述のイオン・ビーム・ライン注入方法によって水素を予め注入せず、約100Torrの水素環境に1時間置いた。サンプルBもまた、約100Torrの水素環境に1時間置き、次いで上述の方法および装置を用いて約1017個の水素原子を注入した。
【0016】
図1に見られるように、その後の脱着実験の結果は、貯蔵される水素の量が大幅に増加することを示した。サンプルAでは、真空システム内の水素のレベルが約10−9Torrから約10−5Torrまで上昇したことがわかった。サンプルBでは、同じ真空システムを用い、残留ガス分析器(RGA)による分析で、約10−9Torrのレベルの水素を示した後に、脱着させ、脱着後に水素チャネル上で計器が完全に飽和した。RGAは10−3Torrまで飽和しないので、これらの結果は、大幅に増加した量の貯蔵された水素がサンプルから取り除かれたことを示す。
【0017】
開示の方法および装置を用いると、イオン・ビーム技術を用いてナノチューブの内側の領域に水素粒子を注入することが可能である。この方法およびその関連する装置では、水素をこの構造の内部空間に強制的に追い込む。水素がこのナノチューブに入るためには、水素がナノチューブの側面に空隙または穴を力ずくで開けてその内部空間に入ることが必要である。これは、水素粒子がおよそ2keV〜50keVの入射エネルギーでナノチューブの表面に衝突する場合に起こる。壁面に大きな空隙を有する従来の貯蔵マトリックスは、その中に気体元素を長期間貯蔵しない傾向にある。多層および単層のカーボン・ナノチューブは約1ピコ秒以内にこの損傷を自己修復することが知られているので、これらの材料にはこのようなことは当てはまらない。この自己修復特性は十分に迅速なので、貯蔵された気体元素は貯蔵容器からほとんど逃げることができない。本発明の方法および装置は、ナノチューブの水素貯蔵能力を、貯蔵材料および燃料の重量に対して10パーセント未満から貯蔵材料および燃料の重量に対して20パーセントを超える量、潜在的には貯蔵材料および燃料の重量に対して50パーセント以上の量にまで増大させることを可能にする。
【0018】
本発明を実施するために使用される装置は、貯蔵すべき水素などの元素をナノ構造に向けて加速させるためのデバイスを含み、このようなデバイスは、たとえば真空システム内に設置できる小さいイオン銃である。この加速は、水素などの純粋な環境において実現することもできる。このイオン銃は、水素などの粒子をナノチューブ貯蔵マトリックスに向けるように動作可能なはずである。50keVを超えるエネルギーを使用してこれらの粒子を加速する場合、ナノチューブ・マトリックスの表面より下にあるいくつかのナノチューブによって内部または外部で捕獲されるのに十分なほど減速するまで水素はチューブを次々に通過するので、一斉にナノチューブ貯蔵マトリックスに燃料補給することができる。
【0019】
図2は、水素を貯蔵する従来の手段の結果を示す複合発光プロットである。これに対して、図3は、本発明の方法および装置を用いた結果を示す複合発光プロットである。この特定の実験で問題となるピーク301は、図3で印を付けた水素のピークである。これらのピークは図2にも見られるが、それらの特定のサンプルにおける水素のレベルは非常に低いのでそれほど目立たない。図2のプロットを図3のプロットと比較することによってわかるように、この注入プロセスによって生じる増加は、これらのサンプルに存在する水素のレベルの10〜12倍もの増加をもたらした。これは、ナノ構造材料中により大量の水素が存在することを示す。
【0020】
他の方法および装置によるナノチューブへの水素貯蔵も試みたが、長期貯蔵用に容量が増加したことの確たる証拠をもたらさなかった。本発明の方法および装置は、水素、アルゴン、クリプトンなどの元素をカーボン・ナノチューブおよび/またはシリカ・ナノチューブなどのナノ構造材料に注入する、安全でかつ複雑でない方法を提供する。
【0021】
本明細書に開示されている方法および装置により、周期表の様々な元素をナノチューブに注入するために必要なエネルギー・レベルについての理解をさらに進めることができる。たとえば、プラズマ堆積技術を改善するように本発明の方法および装置を拡張することができる。さらに、本発明は、何種類ものガスの長期貯蔵および取出しを可能にすることができる。本発明は、材料付加的製造(MAM)において新たな注入方法を可能にするはずである。
【0022】
本発明をいくつかの例示的実施形態に関して説明してきたが、この説明は限定的に解釈すべきものではない。これらの例示的実施形態の他の様々な方法、変形および組合せ、ならびに注入される材料としての他の元素または組成物の使用、ならびに本発明の他の実施形態が、この説明を参照することで当業者には明らかになるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲はこのようないかなる変形形態または実施形態をも包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】水素が注入されたサンプルおよび水素が注入されていないサンプルの脱着実験の結果を示す図である。
【図2】未注入バッキー・パール(商標)の光学発光を示すプロットである。
【図3】注入済バッキー・パールの光学発光を示すプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を注入し貯蔵する装置であって、
ナノ構造材料と、
化学元素、化学種または組成物にエネルギーを付与するためのデバイスとを備え、
前記エネルギーを付与するデバイスが、噴射された化学元素、化学種または組成物を前記構造材料の方へ向かわせるようになされる装置。
【請求項2】
前記ナノ構造材料が、単層カーボン・ナノチューブ、多層カーボン・ナノチューブおよびシリカ・ナノチューブからなる群の1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
化学元素、化学種または組成物と組み合わせた、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記化学元素が、水素、アルゴンおよびクリプトンからなる群の1つを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
化学元素、化学種または組成物にエネルギーを付与するための前記デバイスが、イオン・ビーム銃をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
化学元素、化学種または組成物にエネルギーを付与するための前記デバイスが、前記化学元素、化学種または組成物に2eV〜10keVを付与するようになされる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
化学元素、化学種または組成物にエネルギーを付与するための前記デバイスが、前記ナノ構造材料をより効率的に充填するように前記化学元素、化学種または組成物に付与される前記エネルギーを変える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ナノ構造材料および化学元素、化学種または組成物にエネルギーを付与するための前記デバイスが、真空装置内に設置される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記真空装置が、10−4〜10−9Torrの真空圧を提供するようになされる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
化学元素、化学種または組成物にエネルギーを付与するための前記デバイスと前記ナノ構造材料との間の距離が、1メートル〜153メートルである、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
カーボン・ナノチューブを含む前記ナノ構造材料と、
そこから噴射される化学元素、化学種または組成物の粒子に様々な量のエネルギーを付与するようになされたイオン・ビーム銃を備える、化学元素、化学種または組成物にエネルギーを付与するための前記デバイスとをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
水素粒子、アルゴン粒子およびクリプトン粒子からなる群からの前記化学元素をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記粒子がおよそ25keV〜75keVの運動エネルギー・レベルで前記カーボン・ナノチューブに衝突するように、前記イオン・ビーム銃が前記粒子に様々な量のエネルギーを付与するようになされる、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記粒子がおよそ30keV〜60keVの運動エネルギー・レベルで前記カーボン・ナノチューブに衝突するように、前記イオン・ビーム銃が前記粒子に様々な量のエネルギーを付与するようになされる、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記イオン・ビーム銃の端部と前記カーボン・ナノチューブとの間の距離が、3メートル〜23メートルである、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記イオン・ビーム銃の端部と前記カーボン・ナノチューブとの間の距離が、8メートル〜18メートルである、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
材料付加的製造(MAM)で使用される、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
自動車で使用するようになされる、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
水素を注入し貯蔵する装置であって、
カーボン・ナノチューブ・マトリックスと、
水素粒子を様々な量の運動エネルギーで前記カーボン・ナノチューブ・マトリックスに向けて加速するために、様々なエネルギー・レベルを生成するようになされたデバイスとを備える装置。
【請求項20】
前記デバイスが、真空システム内に設置されたイオン・ビーム銃を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
化学元素、化学種または組成物の粒子をナノ構造材料に注入する方法であって、
化学元素、化学種または組成物の粒子を、一定のまたは様々なレベルのエネルギーでナノチューブ・マトリックスに向けること、
前記粒子を前記ナノチューブ・マトリックスに衝突させること、および
前記ナノチューブ・マトリックスの表面上および表面より下で、前記粒子を内部または外部で捕獲することを含む方法。
【請求項22】
前記粒子が、前記ナノチューブ・マトリックスに衝突したとき約50keVのエネルギー・レベルを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記粒子が、水素、アルゴンおよびクリプトンからなる群の1つを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記ナノチューブ・マトリックスが、カーボン・ナノチューブ・マトリックスおよびシリカ・ナノチューブ・マトリックスからなる群の1つを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
水素をカーボン・ナノチューブ貯蔵マトリックスに貯蔵する方法であって、
水素粒子を、所定レベルのエネルギーでカーボン・ナノチューブ貯蔵マトリックスに向けること、
前記水素粒子を前記カーボン・ナノチューブ貯蔵マトリックスに衝突させること、
前記水素粒子を、前記カーボン・ナノチューブ貯蔵マトリックスを通るときに減速させること、および
前記カーボン・ナノチューブ貯蔵マトリックスの表面より下にあるナノチューブによって前記水素粒子を内部または外部で捕獲し貯蔵することを含む方法。
【請求項26】
前記カーボン・ナノチューブ貯蔵マトリックスとの衝突の際の、前記水素粒子の運動エネルギー・レベルが、およそ25keV〜75keVである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記カーボン・ナノチューブ貯蔵マトリックスとの衝突の際の、前記水素粒子のエネルギー・レベルが約50keVである、請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−523759(P2007−523759A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545424(P2006−545424)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/042239
【国際公開番号】WO2005/079214
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(506102167)
【Fターム(参考)】