説明

ナノ繊維質材料の形成および収穫に関するシステムおよび方法

ナノ材料を受け、そこからナノ繊維質材料を形成し、これらのナノ繊維質材料を次の応用用に収集するシステム。このシステムは、ナノ材料、典型的には化学蒸着によって製造されるカーボンナノチューブ、を発生させるチャンバーに連結されており、ナノチューブをヤーンまたはトウに紡ぐメカニズムを含む。代わりに、このシステムは、ナノチューブからの不織布シートを形成するメカニズムを含む。このシステムは、更に、形成ナノ繊維質材料を収集する部品を含む。更に、ナノ繊維質材料を形成および収集する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ繊維質材料の形成および収穫に関するシステム、特にナノチューブ、ナノワイヤー、または別のナノスケール寸法を有するフィラメント構造物からのヤーンおよび不織布シートの形成に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブは、高い破壊歪および比較的高い引張弾性率を含む並外れた引張強度を有することが知られている。カーボンナノチューブは、更に、疲労、放射線損傷、および熱に対して高い耐性がある。そのために、複合材料へのカーボンナノチューブの添加は、複合材料の引張強度および剛性を増加しうる。
【0003】
過去15年間、カーボンナノチューブの特性がよく理解されるにつれて、研究団体の内外においてカーボンナノチューブへの関心が大いに増加した。これらの特性を活用する一つの鍵は、広く展開されるのに充分な量のナノチューブの合成である。例えば、マクロスケール構造物(すなわち、寸法1cm以上の構造物)中の複合物の高強度成分として使用される場合、多量のカーボンナノチューブが必要とされうる。
【0004】
ナノチューブ合成のある一般経路は、気相熱分解の使用による(例えば化学蒸着に関連して用いられるものである。)。このプロセスにおいて、ナノチューブは触媒ナノ粒子の表面から形成されうる。特に、ナノ粒子の表面からのナノチューブの発生に関して、供給材料として役立つ炭素化合物を含むガス混合物に触媒ナノ粒子を暴露しうる。
【0005】
近年、大量のナノチューブ製造の有望なルートは、反応ガス中に「浮かぶ」触媒粒子からナノチューブを成長させる化学蒸着システムを用いることである。そのようなシステムは、典型的には、反応ガスから沈殿させられたナノ粒子からナノチューブを発生させうる加熱チャンバーに、反応ガス混合物を通す。触媒粒子を予備供給する変形を含む、多数の別の変形が可能である。
【0006】
しかしながら、大量のカーボンナノチューブを発生させる場合、ナノチューブが反応チャンバーの壁に付着し、ナノ材料がチャンバーから流出することを妨害しうる。更に、これらの妨害は、反応チャンバー内の圧力増加を誘発し、このことは全体の反応速度論の変更を生じうる。速度論の変更は、製造される材料の均一性を低下させうる。
【0007】
ナノ材料に対する別の問題は、それらを大量の浮遊微小粒子の発生なく取り扱い、処理する必要があることである。なぜなら、ナノスケールの材料に関連する危険が未だよくわかっていないからである。
【0008】
マクロスケールの適用に関するナノチューブまたはナノスケール材料の処理は、近年着実に増加した。紡織繊維および関連する材料におけるナノスケール材料の使用もまた増加している。紡織術において、一定長かつ大質量において処理された繊維は、ステープルファイバーと呼ばれうる。ステープルファイバー、例えば、亜麻、ウール、およびコットン、を取り扱う技術は以前から確立されていた。織物または別の構造要素においてステープルファイバーを活用するために、ステープルファイバーを最初にバルク構造物、例えば、ヤーン、トウ、またはシート、に形成し、次にこれらを適切な材料に処理してもよい。
【0009】
直径20nm以下、長さ10ミクロン以上の寸法を有する長いナノチューブは、比較的高いアスペクト比を有しうる。これらのナノチューブ繊維は、(例えば、化学蒸着によって)大量に製造される場合、多くの別の紡織ステープルファイバーよりも小さいにもかかわらず新しいステープルファイバー源として使用され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、浮遊粒子の発生を最小化し、次の種々の適用、構造物またはその他への組み込みに関するナノチューブの強度の強い繊維質材料への処理を可能にする方法で、合成ナノチューブを収集し、取り扱うシステムおよびアプローチを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の要旨
本発明は、一態様において、ナノ繊維質材料(例えば、ヤーン)形成システムを提供する。このシステムは、ナノチューブが製造されうる独立合成チャンバーと係合する入口を有するハウジングを含む。このシステムは、更に、取り入れ末端、対向する出口末端、およびそれらの間の経路を有するスピンドルを含む。一態様において、スピンドルは、取り入れ末端を通ってナノチューブを収集し、次にナノチューブをナノ繊維質ヤーンに撚るために、ハウジング内から、入口を横切り、チャンバーまで延びる。このシステムは、更に、スピンドルからのヤーンをその上に巻き取るための、ハウジング内でかつスピンドルの下流に位置するスプールを含む。更に、ヤーンがスプールの回りに巻き取られるときにヤーンの完全性を損なうことを避けるために、センサーシステムを提供して、フィードバックデータを発生させてスピンドルおよびスプールのスピン速度を制御してもよい。一態様において、ガイドアームをスピンドルとスプールとの間に提供して、スピンドルから流出するヤーンを次の巻き取り用のスプールに向けうる。
【0012】
別の態様において、本発明は、ナノ繊維質不織布シート形成システムを提供する。このシステムは、ナノチューブが製造されうる独立合成チャンバーに係合する入口を有するハウジングを含む。このシステムは、更に、合成チャンバーから流れるナノチューブを収集し、輸送する、ハウジング内の入口に近接して位置する移動表面を含む。圧アプリケーターを移動表面に近接して設けて、移動表面上の収集ナノチューブに力を適用して、ナノチューブを圧縮して混合ナノチューブ(intermingled nanotubes)の不織布シートにしてもよい。このシステムは、更に、その上に不織布シートを巻き取るための、ハウジング内でかつ圧アプリケーター下流に位置するスプールを含む。更に、セパレーターを提供し、不織布シートの片側に材料を適用した後にこのシートをスプールの回りに巻き取り、不織布シートのそれ自身への結合を最小化してもよい。このシステムは、更に、センサーシステムを含み、フィードバックデータを発生させ、移動表面とスプールとのスピン速度を制御し、ヤーンをスプールの回りに巻き取るときにヤーンの完全性を損なうことを避けてもよい。
【0013】
別の態様において、本発明は、ナノ繊維質ヤーン形成方法を提供する。この方法は、実質的に一方向に移動する複数の合成ナノチューブを受け取る工程を含む。この環境は気密環境でありうる。一態様において、受け取る前に、ナノチューブに渦流を与えて初期の撚りを提供しうる。次に、これらのナノチューブを共にナノチューブの移動方向に対して実質的に横方向に撚ってヤーンにしうる。その後、このヤーンを収穫エリアの方へ移動し、次にヤーンをヤーンの移動方向に対して実質的に横方向の軸回りに巻き取ることによって収穫しうる。巻き取り速度を制御して、ヤーンの完全性を損なうことを避けうる。
【0014】
本発明は、更に、別のナノ繊維質不織布シート形成方法も提供する。この方法は、複数の合成ナノチューブを表面に堆積し、次にこれらのナノチューブを堆積ポイントから輸送する工程を含む。次に、圧力をこれらの複数のナノチューブに表面に対して適用し、これらのナノチューブを混合ナノチューブの不織布シートに圧縮しうる。次に、この不織布シートを収穫エリアに向けうる。一態様において、この不織布シートの片側に材料を置いて、シートがそれ自身と結合することを防ぎうる。次に、この不織布シートを、このシートの移動方向に対して実質的に横方向の軸回りに巻き取ることによって収穫しうる。一態様において、巻き取り速度を制御して、この不織布シートの完全性を損なうことを避けうる。
【0015】
別の態様において、本発明は、次のナノ繊維質材料の形成に関して、合成ナノチューブを撚った状態で与える器械を提供する。この器械は、合成ナノチューブが流れうる経路を有する本体部分を含む。この器械は、更に、この本体部分の遠位末端に取り付けられ、ナノチューブが流出しうる開口部を有するキャップ部分を含みうる。チャネルをキャップ部分と本体部分との間にこの経路の周囲に設けうる。この器械は、更に、経路中に渦流を与えるために、経路と流体連絡した状態でチャネル内に位置する複数の流出ポートを含みうる。このようにして、経路を流れるナノチューブは、本体部分の遠位末端を流出した後、撚れて存在しうる。
【0016】
本発明は、更に、次のナノ繊維質材料の形成用に合成ナノチューブを与える別の器械も提供する。この器械は、近位末端および遠位末端を有するディスクを含む。一態様において、通路が近位末端と遠位末端との間に延びる。この器械は、更に、通路の遠位末端に狭窄部位を含んでナノチューブの集積を可能にする。そのため、遠位末端の狭窄部位は、次のナノ繊維質材料の形成用にナノチューブを与える源を提供しうる。
【0017】
図面の簡単な説明
図1は、本発明の一態様によるナノ繊維質材料の形成および収穫用システムである。
【0018】
図2は、図1に示されるシステムの変形である。
【0019】
図3A〜Bは、図1に示されるシステムに関連して用いられる渦発生器である。
【0020】
図4は、図1に示されるシステムの別の変形である。
【0021】
図5〜6は、ナノ繊維質材料の形成および収穫用の本発明の別のシステムである。
【0022】
図7は、図1に示されるシステムに関連して用いられる別の渦発生器である。
【0023】
特定の態様の記載
本発明に関連して用いられるナノチューブは、種々のアプローチを使用して加工されうる。現在、ナノチューブ成長に関する多くのプロセスおよびそれらの変形が存在する。これらとしては、(1)周囲圧力近くにおいてまたはそれ以上の圧力において起こりうる一般的なプロセスである化学蒸着(CVD)、(2)完全度の高いチューブを生じさせうる高温プロセスである、アーク放電、および(3)レーザーアブレーションが挙げられる。以下に炭素から合成されるナノチューブに触れるが、本発明での使用にナノチューブ合成に関連して別の化合物を使用してもよいことに注目すべきである。
【0024】
一態様において、本発明は、産業においてよく知られているCVDプロセスまたは類似の気相熱分解手順を用いて適切なナノチューブを発生させる。特に、CVDの成長温度が比較的低い範囲、例えば、約600℃〜約1300℃、でありうるので、一態様において、炭素含有ガス(すなわち、気体炭素源)によって供給されるナノ構造触媒粒子から単層カーボンナノチューブ(SWNT)または多層カーボンナノチューブ(MWNT)両方を成長させうる。
【0025】
更に、本発明に関連して用いるために発生させたSWNTおよびMWNTの強度は、最高約30GPaでありうる。注目すべきことに、強度は欠陥に敏感である。しかしながら、本発明で用いられる加工SWNTおよびMWNTの弾性率は、典型的には欠陥に敏感ではなく、約1〜1.5TPaで変化しうる。更に、一般的に構造感受性パラメータである破壊歪は、本発明において数パーセントから最大約10%までの範囲でありうる。
【0026】
図1に言及すると、合成チャンバー11内でCVDプロセスによって製造される伸長ナノチューブを回収し、次にこれらのナノチューブから繊維質構造物または材料(例えば、ヤーン)を形成するためのシステム10がある。合成チャンバー11は、一般的に、反応ガスが供給されうる流入末端111、伸長ナノチューブ113の合成が起こりうる高温ゾーン112、並びに反応生成物、すなわち伸長ナノチューブ113および排ガス、が流出し、収集されうる流出末端114を含む。一態様において、合成チャンバー11は、炉116を通って延びる石英チューブ115であり、チューブ115をシールする流出末端114および流入末端114に提供されるフランジ117を含みうる。図1それ自体を示したが、当然のことながら、合成チャンバー11のデザインに別の構造を用いてもよい。
【0027】
本発明の一態様において、システム10は、ハウジング12を含む。ハウジング12は、図1に示されるように、合成チャンバー11内から発生される潜在的に危険な浮遊粒子の環境への放出を最小化し、かつ、酸素がシステム10の中に入り合成チャンバー11に到達することを防ぐために実質的に気密でありうる。当然、合成チャンバー11内の酸素の存在は、伸長ナノチューブ113の製造を損ない、完全性に影響を及ぼしうる。
【0028】
システム10は、更に、合成チャンバー11の流出末端114においてフランジ117と実質的に気密に係合する入口13を含む。一態様において、入口13は、ガスおよび熱がハウジング12から出る少なくとも一つのガス排出口131を含みうる。一態様において、排出口131から流出するガスは、液体、例えば水、またはフィルターを通って、排出口10の上流の回転スピンドル14に集められないナノ材料を回収してもよい。加えて、排ガスの種々の成分のエネルギーを絶つために排ガスを炎および空気に暴露してもよい。例えば、反応性水素を酸化して水を形成してもよい。
【0029】
図1に示すように、伸長ナノチューブ113の収集に関して、回転スピンドル14を、ハウジング12内から、入口13を通り、合成チャンバー11まで延びるようにデザインしてもよい。一態様において、回転スピンドル14は、複数のナノチューブが入り、ヤーン15に紡がれる取り入れ末端141を含みうる。一態様において、紡糸方向は、ナノチューブ113の移動方向に対して実質的に横方向でありうる。回転スピンドル14は、更に、ヤーン15をスピンドル14の出口143の方向に誘導しうる経路、例えば中空コア142、も含みうる。回転スピンドル14の取り入れ末端141は、様々なデザインを含みうる。一態様において、取り入れ末端141は、単純にナノチューブ113が通って入りうる孔(図示せず)を含みうる。代わりに、ナノチューブ113を取り入れ末端141に誘導するのに役立つ漏斗様構造物144を含んでもよい。構造物144は、更に、ヤーン15が壊れると、新しく堆積するナノチューブ113との加撚によって再構成されうる時間まで、ヤーン15を支持するのにも役立ちうる。一態様において、(1)ヤーン15が撚られるポイントとして役立て、かつ(2)ヤーン15がスピンドル14のコア142に迅速に引く弾力性を妨げ、このことは、もしヤーン15が破壊されるとしたらそれが再形成されることを妨げうる、ために、ローラー、キャプスタン、または別の制限装置(図示せず)を、スピンドル14の取り入れ末端141に近接して提供してもよい。
【0030】
システム10は、更に、回転スピンドル14の出口末端143に連結されるガイドアーム16を含み、ヤーン15を集めるためのスプール17に誘導し、向ける。本発明の一態様によると、一組のプーリー161、アイレット、またはフックをガイドアーム16の付属品として提供してヤーン15がガイドアーム16に沿って向けるパスを規定しうる。代わりに、ヤーン15が、スピンドル14の出口末端143からヤーン15がスプール17上に巻き取られうるポイントにヤーン15を向けうるチューブ状構造物(図示せず)を通るようにされてもよい。
【0031】
一態様において、ガイドアーム16および回転スピンドル14は、連携してヤーン15の撚りを誘発しうる。スピンドル14およびガイドアーム16の回転は、図1に示されるように、(例えば、ベルト181によってスピンドル14に連結される電気モーターによって)機械的に駆動されうる。
【0032】
一態様において、ヤーン15の収穫に関して、ハウジング12内に設けられたスプール17をガイドアーム16の下流に位置させてもよい。特に、その後ヤーン15がスプール17の周囲に巻き取られるように、ガイドアーム16から出てくるヤーン15をスピンスプール17に向けてもよい。回転スピンドル14と同一軸上に示されるが、スプール17は、当然のことながら、スプール17がその軸回りにスピンしてガイドアーム16からヤーン15を収集しうる限り、ハウジング12内の別のいずれの位置に置かれてもよい。一態様において、スプール17のスピン軸は、スプール17上のヤーン15の移動方向に対して実質的に横方向である。
【0033】
スプール17に回転を与えるために、別の機械駆動19をスプール17に連結してもよい。一態様において、スプール17を同調させてスピンドル14の回転速度に近いかまたは実質的にスピンドル14の回転速度に類似の回転速度においてスピンまたは回転させてスプール17へのヤーン15の均一収穫を可能にしうる。そうでなければ、例えば、スプール17の回転速度がスピンドル14の回転速度よりも速い場合、ガイドアーム16からスプール17までにおいてヤーン15の破損が生じ、スプール17の回転速度がスピンドル14のそれよりも遅い場合、ヤーン15のゆるんだ部分が最終的にもつれうる。
【0034】
回転速度の実質的な同調を維持するために、機械駆動18および19の動きを制御システム(図示せず)によって調節しうる。一態様において、制御システムは、各機械駆動17および18に取り付けられた位置センサー(例えば光学エンコーダー)からのデータを受け取るようにデザインされうる。次にこのデータに基づいて、制御システムは制御アルゴリズムを使用して各駆動装置に供給されるパワーを変性し、各駆動装置の速度を制御し、ナノチューブ合成の速度に実質的に合うようにしうる。結果として、制御システムは、(1)規定の張力限界によって制御される一定のヤーン速度、または(2)速度限界によって制御される一定の張力を与えうる。一態様において、ヤーン速度は、張力があらかじめ設定された限界内に維持されうるように、張力値に依存する実時間においてリセットされうる。加えて、張力を設定値以内に維持するために、ヤーン張力を速度値に依存する実時間においてリセットしてもよい。
【0035】
更に、制御システムは、スプール17とスピンドル14との間の速度を変えてもよく、必要であれば、スプール17によるヤーンの取り込みを制御する。加えて、制御システムは、ヤーン15がその回りに均一に巻き取られることを可能にするために、スプール17を軸に沿って前後に動かしうる。
【0036】
本発明のCVDプロセスを使用する定常状態製造における操作において、伸長ナノチューブを合成チャンバー11内から収集し、その後、ヤーン15を形成しうる。特に、ナノチューブ113が合成チャンバー11から出てくると、それらを収集して束にし、スピンドル14の取り入れ末端141に供給し、次に紡ぐかまたは撚ってヤーン15にする。ヤーン15への連続撚りが充分な角歪をビルドアップ(build up)して、スピンドル14に新たなナノチューブ113が達するポイント付近の回転を生じて、ヤーン形成プロセスを促進しうることに注目すべきである。更に、連続張力をヤーン15に適用するかまたはその前進を制御速度において可能にして、スプール17周囲の取り込みを可能にする。
【0037】
典型的には、ヤーン15の形成は、次に加撚ヤーンにきつく紡糸されうるナノチューブ113の集束に起因する。代わりに、ヤーン15の主な撚りを、システム10内のいくつかのポイントにおいて固定し、収集ナノチューブ113を加撚ヤーン15上に巻き取ってもよい。これら両方の成長モードを本発明に関連して実行しうる。
【0038】
図2を見ると、渦発生器(例えば、ガススピナー(gas−spinner)20)を合成チャンバー11の流出末端114に向かって提供し、実質的な渦流を発生させ、スピンドル14に向けられる前にナノチューブ113の加撚動作を与え、紡いでヤーン15にしうる。加撚動作を与えるための渦の発生は、更に、ヤーン15の形成において使用されるナノチューブ材料の量を一様にするのに役立ちうる。図3A〜Bに示されるガススピナー20は、キャップ部分31、本体部分32、およびガススピナー20の周囲のキャップ部分31と本体部分32との間に位置するチャネル33を含むようにデザインされうる。
【0039】
一態様において、キャップ部分31は、次の渦流発生に関して供給ライン312からの不活性ガスが通ってガススピナー30のチャネル33に入る、ダクト311を含む。ガススピナー20に関連して用いられる不活性ガスの例としては、He、Arまたは別の好適な不活性ガスが挙げられる。
【0040】
一方、本体部分32は、ガス(すなわち、流体)および合成チャンバー11の高温ゾーン112から発生される繊維質ナノ材料(すなわち、ナノチューブ113)が流れる(図3A中の矢印35)軸対称経路321を含む。一態様において、経路321は、本体部分32の近位末端325に近接するテーパー部分322および本体部分32の遠位末端326に近接する実質的に一定の部分323を含む。そのようなデザインで、テーパー部分322および一定の部分323は、共に作用してスピンドル14の上流のナノチューブ113の過剰集積またはビルドアップ(build−up)を最小化しうる。特に、経路321は、作用してナノチューブ113をテーパー部分322に導き、一定の部分323を横切り、合成チャンバー11から発生されるナノチューブ113が合成チャンバー11内の鋭いエッジまたは別の突起物に引っかかることを避けうる。ナノチューブが経路321から流出することを可能にするため、キャップ部分31は、経路321の一定部分323と実質的に同一軸上にある開口部313を含む。
【0041】
本体部分32は、更に、本体部分32とキャップ部分31との間の係合によってチャネル33になる凹部324を含みうる。本体部分32は、更に、凹部内に位置する流出ポート325を含みうる。一態様において、流出ポート325を、一定の部分323の回りに対称に分配し、次にあらかじめチャネル33に導入した不活性ガスからの渦流を経路321の一定の部分323内に発生させてもよい。当然のことながら、この接線速度成分を提供するために、渦流が与えられる軸(例えば、ガススピナー30の対称軸)回りに接線速度ベクトル成分を必要とするので、図3Bに示される流出ポート325は、対称軸に垂直な面に、各流出ポート325が実質的に非垂直角で経路321の一定の部分323に入るように位置する必要がありうる。言い換えれば、各出口ポート325は、各流出ポート325を横切って移動することを可能にするとチャネル33内の流体(例えば、不活性ガス)が接線状態で経路321の一定の部分323に流れるように、経路321と接線で連絡する必要がある。
【0042】
当然のことながら、充実狭窄(solid constriction)をガス流および生じるナノ材料に提供することによって、ガススピナー20は、更に、本発明のシステム10に関するヤーンおよびトウ形成モードの実質的な画定自由を可能にしうる。更に、必要な範囲内で、ガススピナー20は、特に、ガススピナー20を通って供給されるガスが、例えば、次に撚ってヤーン15にするためのリーダー(以下の記載参照)によって、ナノチューブ113が引かれうる源を作るのに低い流速である場合、ナノチューブ113が集積しうるエリアを提供しうる。
【0043】
別の態様において、異なる渦発生器(例えば、図7A〜Bに示される静電スピナー70)を使用して、ナノチューブ113を紡糸してヤーン15にするスピンドル14に向ける前に、実質的な渦流をナノチューブ113に与えてもよい。一態様において、静電スピナー70は、エントリー末端72、流出末端73、およびそれらの間に延びる経路74を有する実質的にチューブ状の本体71を含む。静電スピナー70は、更に、経路74の周囲に設けられる複数の電気接点75を含んでもよい。各接点75は、正の末端+Vおよび負の末端−Vを含み、金属材料(例えば銅)からつくられうる。この関連で、電圧を各接点75に印加して電場を発生させてもよい。更に、電圧を各接点75に連続して印加すると、回転静電場が発生しうる。ナノチューブ113が実質的に高いアスペクト比を有し、導体でありうるので、ナノチューブ113はこの静電場に引きつけられ、場が経路74の回りを動くと渦状にまたは巻いた状態で動く。ナノチューブ113に与えられた巻き動作は、ナノチューブ113が本体部分71のエントリー末端72から流出末端73に移動する方向に対して実質的に横方向でありうることに注目すべきである。各連続接点75への電圧印加を制御するために、市販の制御チップまたはプロセッサを使用してもよい。
【0044】
本発明の一態様によると、ヤーン15の形成のはじめに、ヤーンを「リーダー」で開始することが有益でありうる。このリーダーは、例えば、ナノチューブヤーンの別の部分、いくつかの別のタイプのヤーンまたはフィラメント、または細いワイヤーでありうる。一態様において、ワイヤーが使用されうる。なぜなら、ワイヤーが成長ヤーンの末端をつなぎ留めうるように、充分なビルドアップが存在するまで、ワイヤーが集積しているナノチューブ113のウェビングまたは束にスピンドル14の加撚動作を伝えるのに必要な必須剛性を提供しうるからである。一態様において、使用されるワイヤーは、例えば、鉄ワイヤーまたはニクロムでありうる。なぜならば、これらの合金が合成チャンバー11の高温ゾーン内の温度(600℃〜1300℃)に耐えうるからである。更に、CVDプロセスによって製造されるナノチューブは、これらの合金に比較的よく付着することが観測されている。特に、ナノチューブ113の末端における触媒ナノ粒子は強磁性材料、例えばFe、Co、Ni等、を含みうるので、これらのナノ粒子は鉄合金材料上の磁区に磁気的に引きつけられうる。
【0045】
リーダーが提供される範囲で、反応開始前にリーダーを予備装着する必要がありうる。特に、一態様において、穴をスプール17に提供してリーダーの一端のアンカーポイントとして役立てうる。加えて、ノッチまたはスロットをガイドプーリー161に提供して、リーダーがガイドアーム16に容易に挿入されるようにしてもよい。リーダーが用いられる場合、次に、リーダーをスピンドル14に挿入し、その後、ガススピナー20の上流の合成チャンバー11に進める。
【0046】
リーダーを使用する場合、図4を見ると、アンカー40をガススピナー20の場所に提供して、リーダーがナノチューブをスピンドル14に引いてヤーン製造プロセスを開始する源を提供しうる。一態様において、アンカー40を、合成チャンバー11の流出末端114の方に位置させて、ナノチューブ113の集積をアンカー40内に生じるようにガスおよびナノチューブ113の流れを狭窄してもよい。そうするために、アンカー40を、遠位末端41、近位末端42、およびそれらの間に延びる通路44を有するディスクとしてデザインしうる。図4に示すように、通路44は、近位末端42から遠位末端41に向かってテーパーをもちうる。このように、ナノチューブ113が狭窄部位45に向かって通路44に入ると、狭窄部位45が作用して集積ナノチューブ113がそこにリーダー源を提供しうる。テーパーまたはトロイダル形状として提供されるが、当然のことながら、アンカー40の通路44が作用してチャンバー11中のガスおよびナノチューブ113の流れを狭窄する限り、様々な形態を含むようにデザインされうる。
【0047】
そこでのナノチューブの集積を増大させるために、突出物(図示せず)または別の類似デザインを狭窄部位45に提供して、ナノチューブ113のウェビングまたはバンドルが付着しうる表面を提供してもよい。一態様において、アンカー40は、ナノチューブ113が固体表面に付着する比較的強い傾向を有しうる炉116付近に位置しうる。炉16の付近にあるので、アンカー40は、一態様において、炉16からの熱に耐えうる黒鉛材料または別の材料からつくられうる。
【0048】
ナノチューブ113が一定速度で製造されうるとすると、炉116付近のアンカー40のデザインおよび位置は、ナノチューブ113がそこに一定速度で集積することを可能にしうる。そのため、制御ナノチューブ113源を、次の実質的に一定の特性を有するヤーン15の収集および形成のために発生させうる。更に、アンカー40は、作用して、ナノチューブ113が引かれて実質的にヤーン15と共軸方向におけるナノチューブ113の実質的な整列を可能にするポイントを提供しうる。ヤーン15の軸に沿ってナノチューブ113が整列する能力は、ナノチューブ113の間の負荷伝達を増大させて強度の強いヤーン15の形成を可能にしうる。それにもかかわらず、当然のことながら、ヤーン15は、アンカー40が存在するかどうかにかかわらず形成されうる。
【0049】
次に、スプール17、スピンドル14、ガイドアーム16、およびリーダーを回転させることによって、ヤーン15の合成および収穫を開始しうる。一態様において、ナノチューブ113の合成の開始後、ナノチューブ113をリーダーに向けてその上にナノチューブ113がビルドアップするかまたは束になることを可能にしうる。その後、一旦、ナノチューブ113のウェビングまたは束がリーダーにビルドアップし始めると、リーダーはスプール17をスピンドル14およびガイドアーム16とわずかに異なる速度において回転させることによって回収されうる。上記のように、ナノチューブヤーン15の形成は、自動的に行われ、その後、一旦、リーダーを合成チャンバー11の高温ゾーン112から充分に回収する。特に、ナノチューブ113のウェビングは、スピンドル14の取り入れ末端141付近のポイントにおいてヤーン15に撚られうる。次に、ヤーン15の撚られた部分は、コア142に沿ってスピンドル14の出口末端143に向けて移動されうる。出口末端143を流出すると、ヤーン15はガイドアーム16に沿って導かれ、スプール17に向けられうる。その後、ヤーン15を制御速度においてスプール17回りに巻き取りうる。
【0050】
別の態様によると、システム10は、更に合成チャンバー11内で合成されるナノチューブ113からのトウ(図示せず)の連続形成に使用されうる。このトウを、次に、きつく巻き取られたヤーンに処理しうる(糸およびヤーン形成の技術における一般的な技術に類似している。)。一態様において、トウは、上記中空スピンドル14、ガイドアーム16およびスプール17を使用して収集されうる。形成トウは、スプール17からガイドアーム16およびスピンドル14を通り、流出末端114付近の合成チャンバー11まで延びうる。一態様において、ナノチューブ113は、トウの回りに巻き取ることによってトウ上に集積しうる。なぜなら、トウが迅速にスピンし、ゆっくりと回収されるからである。アンカーは、この操作モードには必要とされえない。しかしながら、スピンしているトウの成長末端が付着するポイントを提供することが必要である場合、アンカーが使用されうる。
【0051】
本発明の一態様によるヤーンまたはトウの形成は、長さを必要とする用途において用いられることが可能な比較的長い繊維質構造物を製造するアプローチを提供する。特に、ヤーン形成中の加撚操作は、ステープルファイバー(すなわち、ナノチューブ)が結合して大きな繊維質構造物(すなわち、ヤーン)になることを可能にする。加えて、軸配向繊維(すなわち、ナノチューブ)の加撚は、繊維間の負荷伝達を増大して強度の強いヤーンの形成を可能にしうる。
【0052】
特に、ステープルファイバー(例えば、本発明の方法によって合成されたナノチューブ)は、高いアスペクト比で提供されうる(例えば、100:1以上の 長さ:直径)。結果として、それらは小さいアスペクト比を有する繊維よりも良好に、ヤーン内の各繊維間に構造負荷を伝達する要求を満たしうる。本質的に無限のアスペクト比を有する繊維が理想的であるが、ヤーンが混合されうる構造物の長さスケールがより良好に構成繊維の必要とされる長さおよびアスペクト比を画定する。例えば、1〜2センチメートルの距離をブリッジすることが必要な場合、この距離よりもはるかに長い繊維は必要でない。更に、ヤーンにおいて、負荷伝達は、各近接繊維の接触ポイント間で相互作用として典型的に起こる。各接触ポイントにおいて、各繊維は、例えば、ファンデルワールス結合、水素結合、またはイオン相互作用によって相互作用しうる。それとして、本発明のヤーン中の大量の繊維の存在は、接触ポイントの数を増加し、従って、近接繊維間の結合相互作用を増加して繊維間の負荷伝達を増加させる。更に、加撚が、各繊維を互いに接近させることによってヤーン中の構成繊維間の接触ポイントの数を更に増加させるので、ヤーン全体の強度に撚りを与えることが有利でありうる。この関連で、独立して加撚と取り込み速度とを制御する能力が強度を最適化するのに重要でありうる。
【0053】
ヤーンの強度は、近接繊維間の結合強度を増加させることによって更に高められうる。一態様において、ヤーンをマトリックス材料(例えば、ポリマー)または界面活性分子で含浸させて近接繊維を架橋しうる。共有結合またはイオン化学結合を使用する繊維の架橋は、ヤーンの全体強度を改良する別の方法を提供しうる。
【0054】
接触ポイントの数がフォノンまたは電子が近接ナノチューブ間を移動する機会を増加させるので、ヤーンに撚りを与えることは更に本発明のヤーンの電気および熱伝導性を増加させうることに注目すべきである。
【0055】
図5〜6を参照すると、本発明の別の態様によると、合成チャンバー51内でCVDプロセスでつくられる合成ナノチューブを収集し、次にバルク繊維質構造物または材料をこのナノチューブから形成するシステム50が示されている。特に、システム50は、圧縮混合ナノチューブから生じ、シートとして取り扱われるのに充分な構造完全性を有する実質的に連続の不織布シートの形成に使用されうる。
【0056】
システム50は、システム10と同様、合成チャンバー51に連結されうる。合成チャンバー51は、一般的に、反応ガスが供給される流入末端、伸長ナノチューブの合成が起こりうる高温ゾーン、およびそこから反応生成物(すなわち伸長ナノチューブおよび排ガス)が流出し、収集されうる流出末端514を含む。一態様において、合成チャンバー51は、炉の中を通って延び、流出末端514および流入末端に提供されるチューブ515をシールするためのフランジ517を含みうる石英チューブ515を含みうる。図5に大まかに示したが、当然のことながら、合成チャンバー51のデザインに別の配置を用いてもよい。
【0057】
本発明の一態様において、システム50は、ハウジング52を含む。ハウジング52は、図5に示されるように、実質的に気密であり、潜在的に危険な浮遊微小粒子の合成チャンバー51内から環境への放出を最小化し、酸素がシステム50へ流入し、合成チャンバー51に達することを防ぎうる。特に、合成チャンバー51内の酸素の存在は、完全性に影響を与え、ナノチューブの製造を損ないうる。
【0058】
システム50は、更に、合成チャンバー51の流出末端514におけるフランジ517を実質的に気密に係合させる入口53を含みうる。一態様において、入口53は、それを通ってガスおよび熱がハウジング52を離れうる少なくとも一つのガス排出口531を含みうる。一態様において、排出口531から流出するガスは、排出口531の上流で集められないナノ材料を収集するために液体(例えば、水)またはフィルターを通りうる。加えて、排ガスを上記方法と同様の方法で処理しうる。特に、排ガスの種々の成分のエネルギーを絶つために排ガスを炎で処理してもよい(例えば、反応性水素を酸化して水を形成してもよい。)。
【0059】
システム50は、更に、合成チャンバー51の流出末端514からのナノ材料(すなわち、ナノチューブ)の収集および輸送用に入口53に近接して設けられる移動表面(例えば、ベルト54)を含みうる。ナノ材料を収集するために、ベルト54を流出末端514からのナノ材料を運ぶガス流に対して実質的に横方向の角度において位置させてナノ材料がベルト54に堆積することを可能にしうる。一態様において、ベルト54は、ガス流に対して実質的に垂直に位置し、ナノ材料を運ぶガス流が通り抜け、合成チャンバーから流出することを可能にするために実際は多孔質であってもよい。加えて、合成チャンバー51からのガス流は、排出口531を通り入口53に流出しうる。
【0060】
システム50の入口53からナノ材料を運び出すために、ベルト54は、常套のコンベヤベルトに類似の連続ループとしてデザインされうる。これを受けて、一態様において、ベルト54は、対向する回転要素541回りにループにされていてもよく、機械装置(例えば、電気モーター542)によって、矢印543によって示されるように右回りに操作されていてもよい。代わりに、ドラム(図示せず)を使用してナノ材料輸送用移動表面を提供してもよい。そのようなドラムを、更に、機械装置(例えば、電気モーター542)によって操作してもよい。一態様において、張力および速度が最適化されるように、モーター542を、機械駆動18および19に関連して使用される制御システムに類似の制御システムの使用によって制御しうる。
【0061】
更に図5を見ると、システム50は、圧縮力(すなわち、圧力)を収集ナノ材料上に適用するためにベルト54に近接して設けられる圧アプリケーター(例えば、ローラー55)を含みうる。特に、ナノ材料がローラー55に向かって輸送されると、ベルト54上のナノ材料がローラー55の下および反対に移動させられる結果、圧力が混合ナノ材料に適用され、一方、ナノ材料がベルト54とローラー55との間で圧縮されて凝集性の実質的に結合した不織布シート56になりうる(図6参照)。ベルト54上のナノ材料に対する圧力を増大するために、プレート544をベルト54の後ろに位置させて、ローラー55からの圧力が適用されうる硬質表面を提供してもよい。収集ナノ材料が充分な量であり充分混合されている場合、充分な数の接触部位が存在して不織布シート56を発生するのに必要な結合強度を提供するので、ローラー55の使用が必要でないことに注目するべきである。
【0062】
次のハウジング52からの除去のために混合ナノ材料の不織布シート56をベルト54からはずすために、エッジをベルト54の表面545に接触させながらメスまたはブレード57をローラー55の下流に提供しうる。このようにして、不織布シート56がパストローラー(past roller)の下流を動くとブレード57は不織布シート56をベルト54の表面545から持ち上げうる。
【0063】
加えて、収穫用に外された不織布シート56が次にローラー58の上に向けられ、その回りに巻き取られるように、スプールまたはローラー58をブレード57の下流に提供しうる。もちろん、不織布シート56がその後のハウジング52からの除去に関して収集されうる範囲で別のメカニズムを使用してもよい。一態様において、回転軸が不織布シート56の移動方向に対して実質的に横方向であるように、ローラー58をベルト54と同様に、機械駆動(例えば、電気モーター581)によって作動してもよい。
【0064】
ローラー58の回りに巻き取られるときの不織布シート56のそれ自身への結合を最小化するために、分離材59(図6参照)を不織布シート56の片側に適用した後にシート56をローラー58の回りに巻き取ってもよい。本発明に関連して活用する分離材59は、連続ロール591に供給されうる様々な市販の金属シートまたはポリマーの一種であってもよい。そのため、シート56がローラー58の回りに巻き取られるように分離材59を不織布シート56と共にローラー58に引いてもよい。分離材59を含有するポリマーが不織布シート56の片側に適用される範囲において、分離材59を含有するポリマーが、シート、液体、または別の形態において提供されうることに注目すべきである。更に、不織布シート56内の混合ナノチューブが強磁性材料(例えば、Fe、Co、Ni等)の触媒ナノ粒子を含みうるので、分離材59は、一態様において、不織布シート56が分離材59に強く付着することを防ぐために非磁性材料(例えば、伝導性またはそうでないもの)でありうる。
【0065】
更に、機械駆動542および581の回転速度がそれによって調節されうるように、システム50をシステム10の制御システムと同様の制御システム(図示せず)と共に提供してもよい。一態様において、制御システムは、機械駆動542と581とそれぞれに取り付けられた位置センサー(例えば、光学エンコーダ)からのデータを受けるようにデザインされうる。次に、このデータに基づいて、制御システムは、スプールの回りに巻き取られるときに不織布シートの完全性を損なうことを避けるために、各駆動の速度が実質的にベルト54におけるナノチューブ収集速度に適合するように、各駆動の速度を制御するために各駆動に供給されるパワーを変性するために制御アルゴリズムを使用しうる。更に、制御システムは、ローラー58のスピン速度をベルト54のスピン速度に同調しうる。一態様において、ベルト54とローラー58との間の張力を設定値に保持しうるように、不織布シート56の張力を、速度値に依存する実時間においてリセットしてもよい。
【0066】
制御システムは、要すれば、更にローラー58とベルト54との間の速度を変えてローラー58による不織布シート56の取り込みを制御してもよい。更に、制御システムは、不織布シート56がローラー58上に均一に残るようにローラー58を軸に沿ってわずかに前後に調節してもよい。
【0067】
所望の範囲で静電場(図示せず)を用いて合成チャンバー51から生じるナノチューブをほぼベルト移動の方向に整列させてもよい。一態様において、静電場は、例えば二以上の電極を合成チャンバー51の流出末端514の周囲に置き、これらの電極に高電圧を印加することによって発生されうる。一態様において、電圧は約10V〜約100kV、好ましくは約4kV〜約6kVを変動する。要すれば、電極を絶縁体(例えば、小さい石英または別の好適な絶縁体)で遮蔽してもよい。電場の存在は、移動ベルト54上のナノチューブの整列を与えるように、その間を移動するナノチューブを実質的にその場に整列させうる。
【0068】
上記のとおり、システム50は強度の強いバルクナノ材料を不織布シートにおいて提供しうる。不織布シート中にナノ材料を提供することによって、バルクナノ材料は容易に取り扱われ、次に(i)構造システム、例えばファブリック、装甲、複合強化材、アンテナ、電気または熱伝導体、および電極、(ii)機械構造要素、例えばプレートおよびアイビーム、並びに(iii)ケーブルまたはロープ、を含む最終使用用途に処理されうる。別の用途としては、水素貯蔵物質、バッテリー、またはコンデンサー部品が挙げられうる。
【0069】
更に、不織布シートを別の最終使用用途用複合構造物(例えば、スポーツ用品、ヘルメット等)に組み込んでもよい。一態様において、不織布シートをマトリックス前駆体(例えば、クレイトン(Krayton)、ビニルエステル、PEEK、ビスポリアミド、BMI(ビスマレイミド)、エポキシド、またはポリアミド)で含浸させ、次にこのマトリックスを重合するかまたは熱硬化することによって複合材料を形成してもよい。
【0070】
別の態様において、材料の層状複合物が不織布シートをマトリックス材料と共に焼結することによって形成されうる。例えば、不織布シートの近接層をマトリックス前駆体のシートと分離し、次に平衡圧下におけるホットプレスにおいて焼結しうる。
【0071】
本明細書において構造物用途が論じられるが、ナノ材料ベースのヤーンおよび不織布シートを、ナノ材料から形成される構造物を必要とする別の多くの用途において使用してもよいことに注目すべきである。そのような構造物は、例えば、電気的応用(例えば、導電材料、またはコンデンサー、バッテリーもしくは燃料電池の電極)において使用されうる。そのような例において、電極構造物において提供されるナノ材料が実質的に広い表面積を有するので、ナノ材料は、電荷を蓄えるかまたは電極にもしくは電極から電荷を伝えるために電子またはイオンが局在するのに実質的に大きな面積を有するコンデンサーまたはバッテリーを提供しうる。バルクマクロスケール構造物におけるナノ材料の広い表面積または界面化学が、更に、機械的濾過用途における特性に有用である。
【0072】
更に、ナノ材料(例えば、カーボンナノチューブ)が非常に高い熱輸送効率を有することが知られているので、本発明のシステムで製造されるバルク構造物は、更にフォノンまたは熱エネルギーの導体として有用でありうる。
【0073】
同様に当然のことながら、本発明の合成ナノ材料からつくられるヤーンおよびトウ、特に選択的にヤーン軸に沿って整列させられたナノチューブでつくられるもの、を組み込んで実質的に互いに平行に配向される繊維を有するバルクアッセンブリ、例えば、織布にしてもよい。加えて、マクロスケール構造物を、整列繊維を有する本発明の不織布シートからつくってもよい。これらの平行導体繊維構造物が、例えば、ナノ材料の量、織物(weave)中のヤーンの間隔、または各ヤーンの厚さに基づく制御された間隔を有するので、これらのアッセンブリまたはマクロスケール構造物中の整列繊維の存在がアッセンブリおよびマクロスケール構造物に興味深い特性を与えうる。
【0074】
例えば、電気的応用において、平行導体は、偏光フィルター、回折格子、および時折大きな後方散乱断面を有する物体として使用されうる。これらの応用全てが入射電磁波の波長、並びに入射電磁波と相互作用する平行導体の間隔、直径および長さに依存しうる。平行導体繊維間の間隔を制御することによって、これらの繊維のアッセンブリと特定周波数の電磁放射との相互作用が制御されうる。例えば、テラヘルツ周波数電磁照射用の偏光フィルターは、ナノチューブヤーンの織物の糸のサイズおよび緊張によって画定されうる。例えば、300ミクロンピッチにおいて織られる直径100ミクロンのヤーンの使用は300ミクロン付近の波長(これは1THz電磁波に相当する。)を有する放射を偏光するのに充分である。
【0075】
第二の例として、不織布シートまたはヤーン内の整列ナノチューブは、数ナノメートルのオーダーの間隔およびナノチューブ径を有するが、ナノチューブ軸に沿う伝導路ははるかに長い。不織布シート中または連続ヤーン内に整列ナノチューブを提供することによって、x線と強く相互作用しうる回折格子が提供されうる。従って、これらのバルク構造物が容易に形成されてx線に対する回折格子および偏光子を提供しうる。更に、垂直偏光子がこれらの偏光子に入射する電磁波の透過をブロックし、各偏光子が相互作用しうるので、整列ナノチューブの二つの不織布シートを使用してx線をブロックすることが可能でありうる(但し、第一のシートにおけるナノチューブは第二のシートにおけるナノチューブに対して実質的に垂直に配向されうる。)。しっかりと織られた整列ナノチューブのヤーンのファブリックは、更に同様の効果を有しうる。そのようなものとして、x線、紫外線、可視光、赤外線、テラヘルツ、マイクロ波照射、並びにレーダーおよびラジオ周波数に関する広周波数帯域の電磁吸収遮蔽における整列ナノチューブを有するバルク構造物を使用することが可能でありうる。
【0076】
別の態様において、整列ナノチューブを有する本発明のナノ繊維質材料は、異方性複合物および熱導体、特に電磁照射または別の波(例えば、波長0.1nm以上の電子または中性子)の回折格子(grating)、フィルター、および遮蔽物、における活用に組み込まれうる。
【0077】
本発明を、特定の態様に関連して記述したが、別の変更も可能であると解釈されるべきである。更に、本出願は、本発明が当業者に既知または慣行にさせるような本発明の開示から外れる部分を含む、本発明の全ての変更、使用、または適応をカバーすることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、本発明の一態様によるナノ繊維質材料の形成および収穫用システムである。
【図2】図2は、図1に示されるシステムの変形である。
【図3】図3A〜Bは、図1に示されるシステムに関連して用いられる渦発生器である。
【図4】図4は、図1に示されるシステムの別の変形である。
【図5】図5は、ナノ繊維質材料の形成および収穫用の本発明の別のシステムである。
【図6】図6は、ナノ繊維質材料の形成および収穫用の本発明の別のシステムである。
【図7】図7は、図1に示されるシステムに関連して用いられる別の渦発生器である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノチューブが製造される独立合成チャンバーと係合する入口を有するハウジング;
取り入れ末端、対向する出口末端、およびそれらの間の経路を有すスピンドルであって、前記ハウジング内から入口を横切ってチャンバー内に延びる、取り入れ末端を通ってナノチューブを回収するための、かつナノチューブを撚ってナノ繊維質ヤーンにするスピンドル;
ハウジング内でかつスピンドルの下流に位置する、ヤーンをスピンドルから巻き取るためのスプール;
スピンドルおよびスプールのスピン速度を制御するためにフィードバックデータを提供して、スプールの回りに巻き取られるときにヤーンの完全性を損なうことを防ぐようにデザインされているセンサーシステム;
を備える、ナノ繊維質ヤーン形成システム。
【請求項2】
該ハウジングが、チャンバー内から発生されるナノチューブおよび関連粒子の浮遊物質放出を最小化するために実質的に気密である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
該スピンドルが取り入れ末端を通してスピンドルの中にナノチューブを誘導するために取り入れ末端に漏斗状のものを含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
該スプールが、その軸に沿って前後に移動してスプール回りに実質的に均一のヤーン取り込みを提供するようにデザインされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
該センサーシステムが、データを提供してヤーンの張力を制御するようにデザインされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
該センサーシステムが、スプールのスピン速度をスピンドルのスピン速度に同調させるのに使用され得るデータを提供するようにデザインされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
該センサーシステムが、スピンドルおよびスプールのスピン速度をナノチューブ合成速度と実質的に同様の速度に同調させるのに使用され得るデータを提供するようにデザインされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
スプール回りの巻き取りのためにスピンドルから流出するヤーンをスプールに向けるためのガイドアームをスピンドルとスプールとの間に設ける、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
該ガイドアームが、ヤーンがガイドアームに沿ってスプールに向かうパスを規定するために、一組のプーリー、フック、アイレットまたはそれらの組み合わせの一つを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
実質的に一方向に移動する複数の合成ナノチューブを受け取る工程;
ナノチューブの移動方向に対して実質的に横方向に該複数のナノチューブを共に撚ってヤーンにする工程;
該ヤーンを収穫エリアに向ける工程;
該ヤーンの移動方向に対して実質的に横方向の軸回りに該ヤーンを巻き取ることによって該ヤーンを収集する工程;および
該ヤーンの完全性を損なうことを避ける速度に巻き取りを制御する工程;
を包含する、ナノ繊維質ヤーンの形成方法。
【請求項11】
該受け取る工程が、ナノチューブを狭窄エリアに向けて、気密環境に集める工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
該受け取る工程が、複数のナノチューブを狭窄エリアに集束する工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
該受け取る工程の前に、合成ナノチューブが付着するアンカーを提供して、ナノチューブが実質的に一方向に移動することを可能にする工程を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
該受け取る工程の前に、合成ナノチューブに渦流を与えて初期の撚りを提供する工程を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
該撚る工程が、近接ナノチューブ間の接触ポイントを増加させて形成ヤーンの強度を高める工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
該撚る工程が、該ヤーンを該ナノチューブ間に架橋を与えうる材料で含浸させて形成ヤーンの強度を高める工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
該向ける工程が、該ヤーンを規定の経路に沿って移動させる工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
該収集する工程が、該軸に沿って進めて均一巻き取りを可能にする工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
該制御する工程が、撚る工程および巻き取る工程からのフィードバックデータを利用して撚る速度および巻き取る速度を制御する工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
該利用する工程が、巻き取る速度を撚る速度に同調させる工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
該制御する工程が、ヤーンの張力を制御する工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項22】
該制御する工程が、巻き取る速度および撚る速度をナノチューブを受け取る速度と実質的に同様の速度に同調させる工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項23】
ナノチューブが製造される独立合成チャンバーと係合する入口を有するハウジング;
合成チャンバーから流れるナノチューブを収集および輸送するための、該ハウジング内の入口に近接して位置決めされる移動表面;
該移動表面に近接して配置されて、該移動表面上の収集ナノチューブに力を適用して、該ナノチューブを圧縮して混合ナノチューブの不織布シートにする圧アプリケーター;
該ハウジング内でかつ該圧アプリケーターの下流に位置決めされた、該不織布シートを巻き取るためのスプール;および
シートがスプールの回りに巻き取られる前に該不織布シートの片側に材料を適用して不織布シートのスプール上のそれ自身への結合を最小化するセパレーター;
を備える、ナノ繊維質不織布シート形成システム。
【請求項24】
該ハウジングが実質的に気密であり、ナノチューブおよび該チャンバー内から発生される関連粒子の浮遊物質放出を最小化する、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
該移動表面を合成チャンバーからのナノチューブの流れに対して実質的に横方向の角度に位置決めしてナノチューブがその上に堆積することを可能にする、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
該移動表面が対向する回転要素の回りに配置されたベルトである、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
該ベルトが、合成チャンバーからのガス流がそれを通ることを可能にする多孔質である、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
該圧アプリケーターが、該移動表面の後ろに位置決めされて該アプリケーターからの圧力が適用されうる硬質表面を提供するプレートを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項29】
該スプールが、不織布シートの移動方向に対して実質的に横方向である回転軸を有する、請求項23に記載のシステム。
【請求項30】
更に、該圧アプリケーターの下流に、該移動表面に対してエッジを有するブレードを含み、次のスプール回りの巻き取りのために該移動表面から不織布シートを持ち上げて外す、請求項23に記載のシステム。
【請求項31】
更に、該不織布シートがスプールの回りに巻き取られるときに完全性を損なうことを防ぐために移動表面およびスプールのスピン速度を制御するためのフィードバックデータを提供するようにデザインされているセンサーシステムを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項32】
該センサーシステムがデータを提供して移動表面とスプールとの間の不織布シートの張力を制御するようにデザインされている、請求項23に記載のシステム。
【請求項33】
該センサーシステムが、該スプールのスピン速度を移動表面の速度に同調させるために使用され得るデータを提供するようにデザインされている、請求項23に記載のシステム。
【請求項34】
該センサーシステムが、移動表面とスプールとのスピン速度を移動表面上のナノチューブの堆積速度と実質的に同様に同調するのに使用されうるデータを提供するようにデザインされる、請求項23に記載のシステム。
【請求項35】
複数の合成ナノチューブを表面に堆積させる工程;
該ナノチューブを堆積ポイントから輸送する工程;
該ナノチューブを圧縮して混合ナノチューブの不織布シートにするために該複数のナノチューブ上に圧力を表面に対して適用する工程;
該不織布シートを収穫エリアに向ける工程;
不織布シートの片側に材料を置いて不織布シートがそれ自体に結合することを防ぐ工程;および
該シートの移動方向に対して実質的に横方向の軸の回りに該シートを巻き取ることによって該不織布シートを収集する工程;
を包含する、ナノ繊維質不織布シート形成方法。
【請求項36】
該堆積させる工程が、該ナノチューブを気密環境内で該表面上に連続堆積させる工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
該輸送する工程が、堆積方向に対して実質的に横方向の方向にナノチューブを移動する工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
該適用する工程が、該ナノチューブを該表面と回転メカニズムとの間に移動させる工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
該向ける工程が、該不織布シートが実質的に次の収穫のために外されるように該不織布シートを該表面から持ち上げる工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
該置く工程において、該不織布シートが該材料に強く他着することを防ぐように該材料が非磁性材料である、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
該収集する工程が、該不織布シートの完全性を損なうことを避けるように巻き取り速度を制御する工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
該堆積させる工程の前に、該ナノチューブを向けて該ナノチューブの実質的な整列を可能にしうる静電場を発生させる工程を更に含む、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
合成ナノチューブが流れうる経路を有する本体部分;
該本体部分の遠位末端に取り付けられ、該ナノチューブが流出しうる開口部を有するキャップ部分;
該キャップ部分と該本体部分との間かつ該経路の周囲に位置決めされるチャネル;
該経路を流れるナノチューブが本体の遠位末端を流出した後撚れて存在しうるように該経路内に渦流を与えるように該チャネル内に配置される、該経路と流体連絡する複数の流出ポート;
を備える、合成ナノチューブを次のナノ繊維質材料の形成用に撚って与える器械。
【請求項44】
該本体部分中の該経路が、該本体部分の近位末端に近接するテーパー部分および該本体部分の遠位末端に近接する実質的に均一の部分を含む、請求項43に記載の器械。
【請求項45】
該本体部分中の該経路が、ナノチューブ合成を損ないうるナノチューブのビルドアップを最小化する、請求項43に記載の器械。
【請求項46】
該本体部分中の該経路が線対称である、請求項43に記載の器械。
【請求項47】
該キャップ部分における該開口部が実質的に該経路と同一軸上にあり、該経路からのナノチューブの流出を可能にする、請求項43に記載の器械。
【請求項48】
該経路からの渦流発生のために該流出ポートを該経路に対して接線方向に配置して、該経路に流れ込む流体に充分な接線速度を与える、請求項43に記載の機器。
【請求項49】
合成ナノチューブが流れうる経路を有する本体部分;
各接点に連続して電流を適用して該経路内に回転静電場を発生させて、ナノチューブが該本体部分から流出するときに該経路を流れるナノチューブが撚れて提供されうるように、該経路内に該本体部分の円周方向に配置される複数の電気接点;
を備える、次のナノ繊維質材料の形成用に撚れた合成ナノチューブを与える器械。
【請求項50】
近位末端および遠位末端を有するディスク;
該近位末端と該遠位末端との間に延在する通路;および
次のナノ繊維質材料の形成用にナノチューブを与えうる源として用いるための、ナノチューブの集積を可能にする該通路の遠位末端の狭窄部位;
を備える、次のナノ繊維質材料の形成用に合成ナノチューブを与える器械。
【請求項51】
該ディスクが黒鉛材料または比較的高い温度に耐える別の材料からつくられる、請求項50に記載の器械。
【請求項52】
該通路が該ディスクの近位末端から遠位末端に向かってテーパーをもつ、請求項50に記載の器械。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2009−509066(P2009−509066A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535518(P2008−535518)
【出願日】平成18年7月17日(2006.7.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/027918
【国際公開番号】WO2008/036068
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(506243220)ナノコンプ テクノロジーズ インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】