ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、情報処理装置、および、経路探索方法
【課題】燃料消費量についての予測誤差を十分に低減させる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】ナビゲーション装置100と、ナビゲーション装置100から情報を収集する外部装置200と、を備えるナビゲーションシステム50である。外部装置200は、複数のナビゲーション装置100から収集した情報を用いて、各リンクにおける走行状況についての統計情報を生成する統計情報生成部と、ナビゲーション装置100からの要求に応じて、統計情報を出力する出力部と、を備える。ナビゲーション装置100は、外部装置200から出力された統計情報を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、推奨経路を探索し、予測部で予測されたリンクごとの燃料消費量を用いて、当該推奨経路についての燃料消費量を算出する経路探索部と、を備える。
【解決手段】ナビゲーション装置100と、ナビゲーション装置100から情報を収集する外部装置200と、を備えるナビゲーションシステム50である。外部装置200は、複数のナビゲーション装置100から収集した情報を用いて、各リンクにおける走行状況についての統計情報を生成する統計情報生成部と、ナビゲーション装置100からの要求に応じて、統計情報を出力する出力部と、を備える。ナビゲーション装置100は、外部装置200から出力された統計情報を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、推奨経路を探索し、予測部で予測されたリンクごとの燃料消費量を用いて、当該推奨経路についての燃料消費量を算出する経路探索部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、情報処理装置、および、経路探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車(車両)には、車両走行における燃料消費量を予測するものがある(例えば、特許文献1)。この燃料消費量を予測する計算モデルには、車両の加減速回数、加速割合などのデータを用いるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−098174号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、燃料消費量についての従来の予測方法では、上記の加減速回数や、加速割合などは、地図データ(予めナビゲーション装置に格納されているデータ)に含まれているリンクの旅行時間と規制速度から推定しているため、予測誤差が生じやすい。
【0005】
本発明は、燃料消費量についての予測誤差を十分に低減させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本願発明は、ナビゲーション装置と、ナビゲーション装置から情報を収集する外部装置と、を備えるナビゲーションシステムであって、前記外部装置は、複数のナビゲーション装置から収集した情報を用いて、各リンクにおける走行状況についての統計情報を生成する統計情報生成部と、ナビゲーション装置からの要求に応じて、前記統計情報を出力する出力部と、を備える。また、前記ナビゲーション装置は、前記外部装置から出力された前記統計情報を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、推奨経路を探索し、前記予測部で予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、当該推奨経路についての燃料消費量を算出する経路探索部と、を備える。
【0007】
また、本願発明は、ナビゲーション装置と、ナビゲーション装置からの情報を収集する外部装置と、を備えるナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、日時と、移動体の走行速度と、を前記外部装置に定期的に送信する第1の送信部、を備え、前記外部装置は、前記日時と、前記走行速度と、を受信する第1の受信部と、前記日時と、前記走行速度と、を用いて、各リンクにおける停止回数の平均値と、各リンクにおける加速時間の割合を示す加速割合と、各リンクにおける定速時間の割合を示す定速割合と、を算出する算出部と、前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を前記ナビゲーション装置に送信する第2の送信部と、を備え、前記ナビゲーション装置は、前記外部装置から、前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合、を受信する第2の受信部と、前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、推奨経路を探索し、前記予測部で予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、当該推奨経路についての燃料消費量を算出する経路探索部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態が適用されたナビゲーションシステムの概略構成図である。
【図2】ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図3】地図データの概略データ構造を示す図である。
【図4】情報センタの概略構成図である。
【図5】ナビゲーション装置の演算処理部、及び、情報センタの演算処理部の機能ブロック図である。
【図6】車両位置情報の概略データ構造を示す図である。
【図7】ナビゲーション装置における情報収集処理を示すフロー図である。
【図8】情報センタにおける統計処理(前半)を示すフロー図である。
【図9】統計情報テーブルの概略データ構造を示す図である。
【図10】情報センタにおける統計処理(中半)を示すフロー図である。
【図11】情報センタにおける統計処理(後半)を示すフロー図である。
【図12】ナビゲーション装置における燃料消費量予測処理を示すフロー図である。
【図13】(A)経路探索方法の一例について説明するための図である。(B)経路探索方法の別例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態が適用されたナビゲーションシステム50の概略構成図である。図示するようにナビゲーションシステム50は、ナビゲーション装置100と、情報センタ200と、を備える。なお、図には、1台のナビゲーション装置100を示しているが、本発明のナビゲーションシステム50に適用されるナビゲーション装置100は複数台であってもよい。また、同様に、図には、1台の情報センタ200を示しているが、情報センタ200は複数台であってもよい。
【0011】
ナビゲーション装置100は、例えば、通信型の車載用ナビゲーション装置である。もちろん、ナビゲーション装置100は、これに限られず、携帯電話やPDAなどの携帯端末としてもよい。
【0012】
情報センタ200は、リアルタイムの交通情報や、走行車両(ナビゲーション装置100を搭載している各車両)の走行状況についての統計情報などをナビゲーション装置100に提供するサーバ装置として機能する一般的な情報処理装置(コンピューター)である。
【0013】
ナビゲーション装置100と情報センタ200は、ネットワークを介して接続され、無線通信により情報のやりとりを行える。
【0014】
図2は、ナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、ナビゲーション装置100は、演算処理部101と、ディスプレイ102と、記憶装置103と、音声入出力装置104(マイクロフォン141、スピーカ142)と、入力装置105(タッチパネル151、ダイヤルスイッチ152)と、車速センサ106と、ジャイロセンサ107と、GPS受信装置108と、FM多重放送受信装置109と、ビーコン受信装置110と、通信装置112と、を備えている。
【0015】
演算処理部101は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、演算処理部101は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)121と、記憶装置103から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)122と、プログラムやデータを格納するROM123と、各種ハードウェアを演算処理部101に接続するためのI/F(インタフェース)124と、を有する。そして、演算処理部101は、各デバイスをバス125で相互に接続した構成からなる。そして、後述する各機能部(401〜407)は、CPU121がRAM122などのメモリに読み出したプログラムを実行することで実現される。
【0016】
例えば、演算処理部101は、車速センサ106、ジャイロセンサ107、GPS受信装置108から出力される情報を基にして現在地を算出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置103から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィック展開し、そこに現在地マーク(或いは、移動体の位置を示す移動体マーク)を重ねてディスプレイ102に表示する。また、記憶装置3に記憶されている地図データ及び情報センタ200から受信した統計情報を用いて、ユーザーから指示された出発地(又は、現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(以下では「推奨経路」という)を探索する。また、音声入出力装置4のスピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザーを誘導する。
【0017】
ディスプレイ102は、演算処理部101で生成されたグラフィック情報を表示するユニットである。ディスプレイ102は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどで構成される。
【0018】
記憶装置103は、CD−ROMやDVD−ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成される。この記憶媒体には、例えば、地図データ310、音声データ、動画データ、等が記憶されている。また、記憶媒体は、電源供給が停止した場合でも必要なデータを保持可能なフラッシュメモリなどで構成されていてもよい。
【0019】
図3は、地図データの概略データ構造を示す図である。図示するように、地図データ310は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)311ごとに、そのメッシュ領域に含まれている道路を構成する各リンクのリンクデータ320を含んでいる。
【0020】
リンクデータ320は、リンクの識別コード(リンクID)321ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報322、リンクを含む道路の種別情報を示す道路種別323、リンクの長さを示すリンク長情報324、リンク旅行時間325、2つのノードにそれぞれ接続するリンクの識別コード(接続リンクID)326、リンクの全区間を走行する場合に消費する燃料の予測値を示す予測燃料消費量327などを含んでいる。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードを区別することで、道路の上り方向と下り方向を、それぞれ別のリンクとして管理することができる。また、予測燃料消費量327については、予めリンクデータ320に格納されているデータではなく、後述する「燃料消費量予測処理」で燃料消費量が予測される毎に更新されるデータである。また、地図データ310には、地図表示における道路や施設を表示するための描画データが格納されている。
【0021】
図2に戻り、音声入出力装置104は、音声入力装置としてマイクロフォン141と、音声出力装置としてスピーカ142と、を備える。マイクロフォン141は、運転手やその他の搭乗者から発せられた音声などを取得する。スピーカ142は、演算処理部101で生成された音声信号を出力する。これらのマイクロフォン141とスピーカ142は、車両の所定の部位に、別個に配置されている。
【0022】
入力装置105は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置105は、タッチパネル151と、ダイヤルスイッチ152と、その他のハードスイッチ(図示せず)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。また、入力装置5には、ナビゲーション装置100に対して遠隔で操作指示を行うことができるリモートコントローラが含まれる。リモートコントローラは、ダイヤルスイッチやスクロールキー、縮尺変更キーなどを備え、各キーやスイッチが操作された情報をナビゲーション装置100に送出することができる。
【0023】
タッチパネル151は、ディスプレイ102の表示面に貼られた透過性のある操作パネルである。タッチパネル151は、ディスプレイ102に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル151は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0024】
ダイヤルスイッチ152は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部101に出力する。演算処理部101では、パルス信号の数から、ダイヤルスイッチ152の回転角度を求める。
【0025】
車速センサ106、ジャイロセンサ107、及び、GPS受信装置108は、移動体(ナビゲーション装置100)の現在地(自車位置)などを算出するために使用される。車速センサ106は、車速を算出するために用いる車速データを出力するセンサである。ジャイロセンサ107は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置108は、GPS衛星からの信号を受信し、移動体とGPS衛星間の距離とその距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、移動体の現在地や進行速度を測定する。
【0026】
FM多重放送受信装置109は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Infomation Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などのFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0027】
ビーコン受信装置110は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報、天気情報や緊急情報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0028】
通信装置111は、図示しない無線通信網等のネットワークに接続する。このような通信装置111は、例えば、同じネットワーク上に接続された機器と通信を行うことが可能である。本実施形態では、通信装置111は、情報センタ200から提供された交通情報や、後述する統計情報(統計情報テーブル700)などを受信する。
【0029】
また、図4は、情報センタ200の概略構成図である。図示するように、情報センタ200は、演算処理部201と、記憶装置202と、通信装置203と、を備えている。
【0030】
演算処理部201は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、演算処理部201は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU221と、記憶装置202から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM222と、プログラムやデータを格納するROM223と、各種ハードウェアを演算処理部201に接続するためのI/F(インタフェース)224と、を有する。そして、演算処理部101は、各デバイスをバス125で相互に接続した構成からなる。そして、後述する各機能部(501〜503)は、CPU221がRAM222などのメモリに読み出したプログラムを実行することで実現される。
【0031】
例えば、演算処理部201は、走行車両(走行中の車両に搭載されたナビゲーション装置100)から走行状況についての情報(車両位置情報600)を収集して、統計情報(統計情報テーブル700)を生成する。また、演算処理部201は、生成した統計情報を、各車両に提供する。
【0032】
記憶装置202は、CD−ROMやDVD−ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成される。この記憶媒体には、後述する車両位置情報600、後述する統計情報テーブル700、等が記憶される。また、記憶媒体は、電源供給が停止した場合でも必要なデータを保持可能なフラッシュメモリなどで構成されていてもよい。
【0033】
通信装置203は、ナビゲーション装置100と通信するための装置であり、演算処理部201で生成された統計情報(統計情報テーブル700)を、走行車両(ナビゲーション装置100)に送信する。
【0034】
図5は、ナビゲーション装置100の演算処理部101、及び、情報センタ200の演算処理部201の機能ブロック図である。図示するように、ナビゲーション装置100の演算処理部101は、基本制御部401と、入力受付部402と、出力処理部403と、現在地算出部404と、経路探索部405と、車両位置情報生成部406と、燃料消費量予測部407と、通信処理部408と、を有する。また、情報センタ200の演算処理部201は、基本制御部501と、統計処理部502と、通信処理部503と、車両位置情報データベース(DB)511と、統計情報データベース(DB)512と、を有する。
【0035】
ナビゲーション装置100の基本制御部401は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の機能部を制御する。例えば、基本制御部401は、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置103に記憶する。また、基本制御部401は、各機能部からの要求に応じて、GPS受信装置08によって受信したGPS情報に含まれる現在時刻を出力する。
【0036】
入力受付部402は、入力装置105またはマイクロフォン41を介してに入力されたユーザ(搭乗者)からの指示を受け付け、他の機能部に出力する。例えば、入力受付部402は、電源の投入、切断を指示する要求、推奨経路の探索(或いは、経路誘導の開始)を指示する要求、等を受け付け、基本制御部401に通知する。
【0037】
出力処理部403は、ディスプレイ102に、地図、推奨経路、ユーザに通知する各種メッセージ、等を表示させる。具体的には、出力処理部403は、他の機能部からの指示に基づき、ディスプレイ102の画面上に表示させるためのグラフィックス情報を生成してディスプレイ102に送信する。また、出力処理部403は、ディスプレイ102に表示させた地図上に、車両の位置を示す車両マークや各種設定画面などを表示するグラフィックス情報を生成してディスプレイ102へ送信する。また、出力処理部403は、経路探索部405から出力された誘導情報に基づく音声信号を、スピーカ142から音声出力させる。
【0038】
現在地算出部404は、ナビゲーション装置100の現在地を算出する。具体的には、現在地算出部404は、車速センサ106で出力された車速データに基づいて算出した移動体(ナビゲーション装置100)の進行速度、および、ジャイロセンサ107で検出した角速度データを各々積分して結果得られる距離データおよび角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期位置(X,Y)から移動後(自車走行後)の位置(X’,Y’)を定期的に演算する。また、演算結果を用いて、マップマッチ処理することにより、形状の相関が最も高い道路(リンク)上に現在地を合わせ込む。また、定期的にGPS受信装置108の出力データを用いて現在地を修正する。なお、移動体(ナビゲーション装置100)が停止しているときには、GPS受信装置108の出力データだけを用いて現在地を求めてもよい。
【0039】
経路探索部405は、ユーザに指定された現在地(又は出発地)と目的地の間の推奨経路を探索する。具体的には、経路探索部405は、ユーザに指定された現在地と目的地の2地点間を結ぶ経路のコスト(例えば、総距離、総旅行時間、燃料消費量)が最小となる経路を探索する。このとき、経路探索部405は、探索した推奨経路を構成する各リンクの識別コード(リンクID)321を、それぞれ対応付けてRAM222等のメモリに記憶しておく。そして、経路探索部405は、探索した推奨経路を、表示処理部403を介して、ディスプレイ102に表示(強調表示)する。このとき、経路探索部405は、例えば、推奨経路の現在置から仮想経路地までの全行程が1画面に収まる縮尺の地図に、推奨経路をディスプレイ102に表示する。
【0040】
車両位置情報生成部406は、車両(ナビゲーション装置100を備える移動体)の走行状況についての情報(以下では「車両位置情報600」とよぶ)を生成する。具体的には、車両位置情報生成部406は、現在地算出部404で算出された現在地と地図データ310を用いて、車両が位置しているメッシュのメッシュID、車両が位置している道路(リンク)の道路種別、車両が位置しているリンクのリンクID、車両が進行している方向(リンク方向)、日時、車両の速度、をそれぞれ特定し、特定した各情報を対応付けて車両位置情報600を生成する。そして、車両位置情報生成部406は、生成した車両位置情報600を、記憶装置103に記憶する。なお、車両位置情報生成部406は、車両位置情報600を所定間隔(例えば、1秒間隔)で生成し、記憶する。
【0041】
図6は、車両位置情報600の概略データ構造を示す図である。図示するように、車両位置情報600は、車両位置情報生成部406で生成された日時650ごとのレコード670からなる。各レコード670には、車両が位置しているメッシュの識別コード(メッシュID)610と、車両が位置している道路の道路種別620と、車両が位置しているリンクの識別コード(リンクID)630と、車両の進行方向(上り方向、下り方向)を示すリンク方向640と、日時650と、車両の走行速度660と、が対応付けられる。
【0042】
図5に戻り、燃料消費量予測部407は、車両(ナビゲーション装置100を備える移動体)の燃料消費量を予測する処理を行う。例えば、燃料消費量予測部407は、所定の燃料予測モデルを用いて、車両の燃料消費量を予測する。ここで、燃料消費量予測部407は、情報センタ200から送信された統計情報(統計情報テーブル700)に含まれているデータを燃料予測モデルに代入することにより、リンクごとの予測燃料消費量Qを算出する。なお、燃料予測モデルの詳細については後述する。
【0043】
ナビゲーション装置100の通信処理部408は、情報センタ200とのデータのやりとりを制御する。例えば、通信処理部408は、車両位置情報生成部406で生成された車両位置情報600を情報センタ200に送信する。また、通信処理部407は、経路探索部405などからの指示に基づいて、統計情報(後述する「統計情報テーブル700」)を要求するためのデータを出力する。また、通信処理部407は、情報センタ200から出力された統計情報(統計情報テーブル700)などを受信する。
【0044】
また、情報センタ200の基本制御部501は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の機能部を制御する。
【0045】
統計処理部502は、各走行車両から得られた走行状況(車両位置情報600)を用いて、日付の種類(平日、土曜、祝日、等)及び時間帯(例えば、1時間単位)ごとに、各リンクにおける交通状況について統計をとる。ここで、統計処理部502が統計をとる交通状況には、車両の停止回数(合計、平均)、車両の加減速時間(加速時間、定速時間、減速時間)、車両の加減速割合(加速割合、定速割合、減速割合)、延べ通過台数などが含まれる。なお、統計処理部502が行う統計処理については後述する。
【0046】
情報センタ200の通信処理部503は、ナビゲーション装置100とのデータのやりとりを制御する。例えば、通信処理部503は、各車両のナビゲーション装置100から送信された車両位置情報600を受信する。また、通信処理部503は、各車両のナビゲーション装置100から統計情報が要求されると、統計処理部502で生成された統計情報テーブル700に含まれる統計情報を、ナビゲーション装置100に送信する。
【0047】
車両位置情報DB511は、各走行車両(ナビゲーション装置100)から定期的に送信される車両位置情報600を格納している。車両位置情報600の概略データ構造は、上述したように、例えば、図6に示す通りである。
【0048】
統計情報DB512は、各走行車両の走行状況についての統計情報(統計情報テーブル700)を格納している。
【0049】
図7は、統計情報テーブル700の概略データ構造を示す図である。図示するように、統計情報テーブル700は、例えば、日付の種類(平日、土曜、祝日、等)及び時間帯(例えば、1時間単位)を示す日種790ごとに集計された統計情報を格納する複数のテーブルからなる。それぞれの統計情報テーブル700は、リンクID730及びリンク方向740ごとのレコード795からなる。各レコード795には、メッシュの識別コード(メッシュID)710と、リンクの道路種別720と、リンクの識別コード(リンクID)730と、リンク上の進行方向(上り方向、下り方向)を示すリンク方向740と、リンク上での停止回数の合計751と、リンク上での停止回数の平均752と、リンク上において加速走行された総時間数を示す加速時間761と、リンク上において定速走行された総時間数を示す定速時間762と、リンク上において減速走行された総時間数を示す減速時間763と、リンク上において加速時間が占める割合を示す加速割合771と、リンク上において定速時間が占める割合を示す定速割合772と、リンク上において減速時間が占める割合を示す減速割合773と、リンクを通過した車両の延べ通過台数780と、が対応付けて格納される。
【0050】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーションシステム50の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーションシステム50の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0051】
また、各機能部(401〜408、501〜503)は、ハードウエア(ASICなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウエアで実行されてもよいし、複数のハードウエアで実行されてもよい。
【0052】
次に、上記構成からなるナビゲーションシステム50の特徴的な動作について説明する。
【0053】
<車両位置提供処理>
図8は、ナビゲーション装置100で行われる車両位置提供処理を示すフローチャートである。
【0054】
ナビゲーション装置100の主制御部401は、例えば、電源が投入されるタイミング、或いは、経路誘導開始の指示のタイミングで、本フローを開始する。
【0055】
本フローを開始すると、図示するように、車両位置情報生成部406は、車両位置情報600を生成し、記憶装置103に記憶する(ステップS101)。具体的には、車両位置情報生成部406は、現在地算出部404に対して車両の現在地の算出を要求する。これに応じて、現在地算出部404は、車両の現在地を算出し、車両位置情報生成部406に通知する。それから、車両位置情報生成部406は、現在地算出部404から現在地が通知された日時と、通知された現在地が存在するメッシュのメッシュID311と、通知された現在地が存在するリンクのリンクID321と、通知された現在地が存在する道路の道路種別323と、を地図データ310から検索して特定する。また、車両位置情報生成部406は、車両の進行速度(以下では「車両速度」とよぶ)を算出する。ここで、車両位置情報生成部406は、特定した各情報と、算出した車両速度を、1つのレコード670に対応付けた車両位置情報600を生成する。すなわち、メッシュID610と、道路種別620と、リンクID630と、リンク方向640と、日時650と、車両速度660と、を1つのレコード670に対応付けた車両位置情報600を生成する。その後、車両位置情報生成部406は、生成した車両位置情報600を、記憶装置103に記憶する。
【0056】
続いて、通信処理部408は、情報センタ200と通信可能か否か判別する(ステップS102)。具体的には、通信処理部408は、通信開始の要求信号を出力し、所定時間内(例えば、30秒)に情報センタ200から応答信号が返信されるか否か判別する。このとき、通信処理部408は、所定時間内に応答信号が返信される場合には、情報センタ200と通信可能と判定する。一方、所定時間内に応答信号が返信されない場合には、情報センタ200とは通信不可能と判定する。
【0057】
そして、通信処理部408は、情報センタ200と通信可能と判定された場合には(ステップS102;Yes)、記憶装置103に記憶されている車両位置情報600を情報センタ200に送信する(ステップS103)。それから、通信処理部408は、処理をステップS104に移行する。
【0058】
また、通信処理部408は、情報センタ200と通信不可能と判定された場合には(ステップS102;No)、ステップS101で生成された車両位置情報600を情報センタ200に送信することはできないため、ステップS103の処理を省略して、処理をステップS104に移行する。
【0059】
処理がステップS104に移行すると、基本制御部401は、ナビゲーション装置100の動作を停止すべきか否か判別する(ステップS104)。例えば、基本制御部401は、ナビゲーション装置100の電源を遮断する指示をユーザから受け付けている場合に、ナビゲーション装置100の動作を停止すべきと判定し(ステップS104;Yes)、ナビゲーション装置100の電源を遮断した後に本フローを終了する。一方、基本制御部401は、ナビゲーション装置100の動作を停止すべきではないと判定した場合には(ステップS104;No)、所定時間(例えば、1秒)経過するまで待機し(ステップS105)、処理をステップS101に戻す。
【0060】
以上のように、本実施形態のナビゲーション装置100は、電源が投入されてから遮断されるまで、所定の間隔(例えば、1秒)でステップS101からステップS105の処理を繰り返し実行することによって、車両位置情報600を情報センタ200に送信し続ける。
【0061】
<統計処理1>
図9は、情報センタ200で行われる統計処理1を示すフローチャートである。
【0062】
情報センタ200の基本制御部501は、例えば、電源が投入されるタイミングで、本フローを開始する。
【0063】
本フローを開始すると、通信処理部503は、ナビゲーション装置100からの通信開始の要求信号を待つ。そして、通信開始の要求信号を受信すると、応答信号をナビゲーション装置100に返信する。それから、通信処理部503は、ナビゲーション装置100から送信される車両位置情報600を受信する(ステップS201)。そして、通信処理部503は、ステップS201で受信した車両位置情報600を基本制御部101に通知し、基本制御部101は、車両位置情報600を車両位置情報DB511に記憶する。
【0064】
なお、通信処理部503は、所定数Nの車両位置情報600を受信するまでステップS201の処理を繰り返し、所定数Nの車両位置情報600を受信すると、処理をステップS202に移行する。
【0065】
それから、統計処理部502は、同一車両の速度変化をみるために、異なる2地点(第1地点、第2地点)において同一のナビゲーション装置100から送信された車両位置情報600を比較する。そのために、まず、統計処理部502は、車両位置情報600の送信元のナビゲーション装置100を特定する。次に、統計処理部502は、ステップS201で受信した所定数Nの車両位置情報600のうち、特定したナビゲーション装置100からi番目(ただし「i」は1以上の整数とし、初期設定では「i=1」とする)に受信した車両位置情報600と、i+1番目に受信した車両位置情報600と、を車両位置情報DB511から読み出す。続いて、統計処理部502は、読み出した車両位置情報600のうち、i番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660を、比較対象の2地点のうちの第1地点を通過した時の車両速度として設定する。これとともに、統計処理部502は、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660を、第2地点を通過した時の車両速度として設定する(ステップS202)。
【0066】
そして、統計処理部502は、更新すべき統計情報テーブル700を選択する(ステップS203)。具体的には、統計処理部502は、まず、ステップS201で受信された所定数Nの車両位置情報600のうち、同一のナビゲーション装置100からi+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる日時650に対応する日種(例えば、平日、休日、時間帯、等)を決定する。例えば、図6に示すように、日時650に「2009/10/10 15:35:23」というデータが格納されている場合には、統計処理部502は、日種を「平日 15:00〜16:00」に決定する。それから、統計処理部502は、決定した日種に該当する日種790を有する統計情報テーブル700を、統計情報DB512から検索して選択する。
【0067】
また、統計処理部502は、上記の第2地点が第1地点とは異なるリンク上にあるか否か判別する。例えば、統計処理部502は、i番目に受信した車両位置情報600に含まれるリンクID630と、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれるリンクID630と、が異なる場合に、第2地点が第1地点とは異なるリンク上にあると判定する。そして、統計処理部502は、第2地点が第1地点とは異なるリンク上にあると判定された場合には、第1地点から第2地点への移動で異なるリンクに移動したことになるため、移動してきたリンクについての延べ通過台数780をインクリメントする。具体的には、統計処理部502は、選択した統計情報テーブル700を用いて、同一のナビゲーション装置100からi+1番目に受信した車両位置情報600に含まれるデータ(メッシュID610、道路種別620、リンクID630、リンク方向640)に対応するメッシュID710、道路種別720、リンクID730、リンク方向740を有するレコード795を特定する。そして、統計処理部502は、特定したレコード795に含まれる延べ通過台数780をインクリメントする。
【0068】
その後、統計処理部502は、上記の第1地点において車両が移動中であったか否か判別する。具体的には、統計処理部502は、ステップS201で受信した所定数Nの車両位置情報600のうち、同一のナビゲーション装置100からi番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660が「0」より大きいか否か判別する(ステップS204)。
【0069】
ここで、統計処理部502は、i番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660が「0」より大きい場合には(ステップS204;Yes)、続いて、第2地点において車両が停止していたか否か判別する。具体的には、統計処理部502は、ステップS201で受信した所定数Nの車両位置情報600のうち、同一のナビゲーション装置100からi+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660が「0」であるか否か判別する(ステップS205)。
【0070】
そして、統計処理部502は、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660が「0」である場合には(ステップS205;Yes)、第2地点において車両が停止したとみなし、統計情報テーブル700の停止回数をインクリメントする(ステップS206)。具体的には、統計処理部502は、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれるデータ(メッシュID610、道路種別620、リンクID630、リンク方向640)に対応するメッシュID710、道路種別720、リンクID730、リンク方向740を有するレコード795を、ステップS203で選択した統計情報テーブル700から特定する。そして、統計処理部502は、特定したレコード795に含まれる停止回数の合計751をインクリメントする。
【0071】
その後、統計処理部502は、処理をステップS207に移し、統計処理2の処理に移行する。
【0072】
ところで、上記のステップS204において、第1地点で車両が既に停止している場合、すなわち、i番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660が「0」以下である場合には、(ステップS204;No)、統計処理部502は、ステップS205、S206の処理を省略して処理をステップS207に移行する。
【0073】
また、上記のステップS205において、第2地点において車両が停止していない場合、すなわち、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660が「0」ではない場合には(ステップS205;No)、統計処理部502は、ステップS206の処理を省略して処理をステップS207に移行する。
【0074】
<統計処理2>
図10は、情報センタ200で行われる統計処理2を示すフローチャートである。ここで、統計処理2は、上記の統計処理1に続いて実行される処理である。
【0075】
情報センタ200の統計処理部502は、処理がステップS207に移行すると、第1地点における車両速度と、第2地点における車両速度と、の少なくともいずれかが「0」であるか否か判定する(ステップS207)。具体的には、統計処理部502は、i番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660と、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660と、を乗じたときの値が「0」であれば、第1地点における車両速度と、第2地点における車両速度と、の少なくともいずれかが「0」であると判定する。一方、統計処理部502は、i番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660と、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660と、を乗じたときの値が「0」ではない場合には、第1地点における車両速度と第2地点における車両速度のいずれも「0」ではないと判定する。
【0076】
ここで、統計処理部502は、第1地点における車両速度と第2地点における車両速度の少なくともいずれかが「0」であると判定した場合には(ステップS207;Yes)、処理をステップS208に移行する。
【0077】
そして、統計処理部502は、第1地点における車両速度と、第2地点における車両速度と、の速度差を算出する(ステップS208)。具体的には、統計処理部502は、i番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660から、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660を減じて、速度差を算出する。
【0078】
次に、統計処理部502は、ステップS208で算出した速度差が所定の範囲内(例えば、±5km/時)であるか否か判別する(ステップS209)。
【0079】
ここで、統計処理部502は、ステップS208で算出した速度差が所定の範囲内である場合には(ステップS209;Yes)、車両は加速も減速もせずに定速で走行しているとみなし、定速時間762をインクリメントする(ステップS211)。具体的には、統計処理部502は、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれるデータ(メッシュID610、道路種別620、リンクID630、リンク方向640)に対応するメッシュID710、道路種別720、リンクID730、リンク方向740を有するレコード795を、ステップS203で選択した統計情報テーブル700から特定する。そして、統計処理部502は、特定したレコード795に含まれる定速時間762をインクリメントする。
【0080】
また、統計処理部502は、ステップS208で算出した速度差が所定の範囲内ではない場合には(ステップS209;No)、車両が加速しているのか減速しているのか識別する(ステップS210)。ここで、統計処理部502は、ステップS208で算出した速度差が正値ではない場合には(ステップS210;No)、車両が加速しているとみなし、加速時間761をインクリメントする(ステップS212)。具体的には、定速時間762をインクリメントする場合と同様に、更新対象のレコード795に含まれる加速時間761をインクリメントする。
【0081】
また、統計処理部502は、ステップS208で算出した速度差が正値である場合には(ステップS210;Yes)、車両が減速しているとみなし、減速時間763をインクリメントする。具体的には、定速時間762や加速時間761をインクリメントする場合と同様に、更新対象のレコード795に含まれる減速時間763をインクリメントする。
【0082】
そして、ステップS211、ステップS212、ステップS213で、定速時間762、加速時間761、減速時間763のいずれかがインクリメントされると統計処理部502は、処理をステップS214に移行する。
【0083】
そして、統計処理部502は、上記処理で比較対象としていた2地点(第1地点、第2地点)について再設定する(ステップS214)。具体的には、統計処理部502は、「i」の値をインクリメントする。
【0084】
次に、統計処理部502は、ステップS201で受信した全て(所定数N)の車両位置情報600について、処理済みであるか否か判別する(ステップS215)。ここで、統計処理部502は、全ての車両位置情報600について処理済みではないと判定した場合には(ステップS215;No)、処理をステップS202に戻す。一方、統計処理部502は、全ての車両位置情報600について処理済みであると判定した場合には(ステップS215;Yes)、処理をステップS216へ移行する。
【0085】
こうして、統計処理部502は、処理対象の全ての車両位置情報600について処理がなされるまで、ステップS202〜S215の処理を繰り返し実行できる。
【0086】
なお、ステップS201で受信した車両位置情報600には、異なる車両(ナビゲーション装置100)から受信した車両位置情報600が混在している場合もある。この場合には、統計処理部502は、上記のステップS202〜ステップS214までの処理を、車両(ナビゲーション装置100)ごとに別個に行う。
【0087】
<統計処理3>
図11は、情報センタ200で行われる統計処理3を示すフローチャートである。ここで、統計処理3は、上記の統計処理2に続いて実行される処理である。
【0088】
情報センタ200の統計処理部502は、処理がステップS216に移行すると、更新対象の統計情報テーブル700を、統計情報DB512から読み出す(ステップS216)。なお、更新対象の統計情報テーブル700とは、上記の統計処理1と統計処理2でデータが更新された統計情報テーブル700を指す。
【0089】
そして、統計処理部502は、読み出した統計情報テーブル700に含まれる更新対象のレコード795ごとに、各リンクで車両1台が停止する回数の平均値を算出する(ステップS217)。具体的には、統計処理部502は、更新対象のレコード795ごとに、停止回数の合計751を延べ通過台数780で除した値を、停止回数の平均752として格納する。なお、更新対象のレコード795とは、上記の統計処理1と統計処理2でデータが更新されたレコード795を指す。
【0090】
次に、統計処理部502は、各リンク内において、車両が加速している時間の割合を算出する(ステップS218)。具体的には、統計処理部502は、更新対象のレコード795ごとに、(加速時間761)/(加速時間761+定速時間762+減速時間763)を算出し、算出した値を同レコード795の加速割合771として格納する。
【0091】
また、統計処理部502は、各リンク内において、車両が定速で走行している時間の割合を算出する(ステップS219)。具体的には、統計処理部502は、更新対象のレコード795ごとに、(定速時間762)/(加速時間761+定速時間762+減速時間763)を算出し、算出した値を同レコード795の定速割合772として格納する。
【0092】
また、統計処理部502は、各リンク内において、車両が減速している時間の割合を算出する(ステップS220)。具体的には、統計処理部502は、更新対象のレコード795ごとに、(減速時間763)/(加速時間761+定速時間762+減速時間763)を算出し、算出した値を同レコード795の減速割合773として格納する。
【0093】
その後、統計処理部502は、ステップS216で読み出した統計情報テーブル700に含まれる更新対象の全レコード795について、処理済みであるか否か判別する(ステップS221)。ここで、統計処理部502は、全レコード795について処理済みではないと判定した場合には(ステップS221;No)、処理をステップS217に戻す。一方、統計処理部502は、全レコード795について処理済みであると判定した場合には(ステップS221;Yes)、処理をステップS222へ移行する。
【0094】
また、処理がステップS222へ移行すると、統計処理部502は、更新対象の全ての統計情報テーブル700について、処理済みであるか否か判別する(ステップS222)。ここで、統計処理部502は、全ての統計情報テーブル700について処理済みではないと判定した場合には(ステップS222;No)、処理をステップS216に戻す。一方、統計処理部502は、全ての統計情報テーブル700について処理済みであると判定した場合には(ステップS222;Yes)、本処理(統計処理3)を終了する。
【0095】
こうして、統計処理部502は、処理対象の全てのレコード795について処理がなされるまで、ステップS216〜S222の処理を繰り返し実行できる。
【0096】
以上のように、本実施形態の情報センタ200では、ナビゲーション装置100から送信された車両位置情報600に基づいて、全国各地の道路交通状況についての統計情報(統計情報テーブル700)を生成することができる。また、情報センタ200は、上記の統計処理1〜3を定期的に実施することによって、最新の統計情報を保持できる。
【0097】
<燃料消費量予測処理>
図12は、ナビゲーション装置100で行われる燃料消費量予測処理を示すフローチャートである。
【0098】
ナビゲーション装置100の経路探索部405は、例えば、ユーザから経路探索の指示がされるタイミングで、本フローを開始する。
【0099】
本フローを開始すると、経路探索部405は、出発地(又は現在地)と、目的地と、の設定を行う(ステップS301)。ここで、出発地には、入力受付部402を介してユーザから入力された地点が設定されてもよいし、現在地算出部404によって算出された現在地が設定されてもよい。また、目的地には、入力受付部402を介してユーザから入力された地点が設定される。
【0100】
次に、通信処理部408は、情報センタ200と通信可能か否か判別する(ステップS302)。具体的には、通信処理部408は、通信開始の要求信号を出力し、所定時間内(例えば、30秒)に情報センタ200から応答信号が返信されるか否か判別する。このとき、通信処理部408は、所定時間内に応答信号が返信される場合には、情報センタ200と通信可能と判定する。一方、所定時間内に応答信号が返信されない場合には、情報センタ200とは通信不可能と判定する。
【0101】
そして、通信処理部408は、情報センタ200と通信可能と判定された場合には(ステップS302;Yes)、経路探索対象のエリアに存在するリンクについての統計情報を要求する。具体的には、通信処理部408は、情報センタ200に対して、ステップS301で設定された出発地(又は現在地)と、目的地と、を送信すればよい。
【0102】
このとき、情報センタ200側では、ナビゲーション装置100から送信された出発地(又は現在地)と、目的地と、を受信し、その出発地(又は現在地)から目的地までを含むエリアを、経路探索対象のエリアとして特定する。それから、情報センタ200側では、経路探索対象のエリアとして特定されたエリアに含まれる各リンクについて、リンクを特定するデータ(例えば、メッシュID710、道路種別720、リンクID730、リンク方向740)と、停止回数の平均752と、加速割合771と、定速割合772と、を統計情報テーブル700から読み出し、出力する。
【0103】
これに応じて、ナビゲーション装置100の通信処理部408は、情報センタ200から出力されたデータ(リンクを特定するデータ、停止回数の平均752、加速割合771、定速割合772)を受信する(ステップS303)。その後、通信処理部408は、処理をステップS304に移行する。
【0104】
一方、ステップS302において、通信処理部408は、情報センタ200とは通信不可能と判定された場合には(ステップS302;No)、ステップS303の処理を省略して処理をステップS304に移行する。
【0105】
処理がステップS304に移行すると、燃料消費量予測部407は、経路探索対象のエリアに含まれる各リンクについて、走行時の燃料消費量Qを予測する(ステップS304)。具体的には、燃料消費量予測部407は、まず、ステップS303で受信したデータ(具体的には、リンクを特定するデータ)に基づいて、燃料消費量Qを予測する対象のリンクを特定する。それから、燃料消費量予測部407は、ここで特定されたリンクごとに、ステップS303で受信したデータ(具体的には、停止回数の平均752、加速割合771、定速割合772)を、以下の数式1〜数式5に代入して燃料消費量Qを予測する。
【0106】
<数式1>
(燃料消費量Q)=(基礎消費量A)+(摩擦・位置エネルギー成分B)+(空気抵抗成分C)+(運動エネルギー成分D)
【0107】
<数式2>
(基礎消費量A)=(基礎消費係数f)×(旅行時間T)×(燃料カット係数Fcut)
ただし、(基礎消費係数f)×(旅行時間T)は、リンクを走行した場合に必ず消費する燃料消費量[cc]を表す。(燃料カット係数Fcut)は、f×Tについて補正するための係数を表す。
【0108】
<数式3>
(摩擦・位置エネルギー成分B)={1/(熱効率ε×伝達効率η×燃料熱当量H)}×(リンク長L)×(車重M)×[(第1の地形特徴量EA)×(加速割合PACC)+(第2の地形特徴量EB)×{1−(加速割合PACC)}+(第3の地形特徴量EC)]
ただし、第1の地形特徴量EAは、加速走行に伴うエネルギー損失量(具体的には、摩擦によって損失するエネルギー量と位置エネルギーの損失量)[J/kg]を表す。第2の地形特徴量EBは、定速走行に伴うエネルギー損失量(具体的には、摩擦によって損失するエネルギー量と位置エネルギーの損失量)[J/k]を表す。第3の地形特徴量ECは、減速走行に伴うエネルギー損失量(具体的には、摩擦によって損失するエネルギー量と位置エネルギーの損失量)[J/kg]を表す。
【0109】
<数式4>
(空気抵抗成分C)={1/(ε×η×H)}×{(摩擦係数k)×L×(L/T)2}×(PACC+PCON)
【0110】
<数式5>
(運動エネルギー成分E)={1/(ε×η×H)}×(1.2×M/2)×(リンク内での最大速度Vmax)2×(停止回数の平均)
【0111】
以上のように、燃料消費量予測部407は、ステップS303で受信した停止回数の平均752を数式5に代入し、ステップS303で受信した加速割合771と定速割合772を、数式3、数式4に代入することによって、燃料消費量Qを求めることができる。なお、基礎消費係数f、燃料カット係数Fcut、熱効率ε、伝達効率η、燃料熱当量H、車重M、摩擦係数kは、それぞれ、車種等に応じて異なる値が予め記憶装置103に格納されているものとする。また、旅行時間Tには、リンクデータ320のリンク旅行時間325に格納されている値が用いられる。同様に、リンク長Lには、リンクデータ320のリンク長324に格納されている値が用いられる。また、第1の地形特徴量EA、第2の地形特徴量EB、第3の地形特徴量ECについては、予めリンクデータ320に格納されているものとし(図3には不図示)、リンク毎に異なる値が数式3に代入される。また、リンク内での最大速度Vmaxについては、予めリンクデータ320に格納されていてもよいし(図3には不図示)、情報センタ200から受信して数式5に代入するようにしてもよい。
【0112】
それから、燃料消費量予測部407は、ステップS304で算出した燃料消費量Qを記憶する。具体的には、燃料消費量予測部407は、ステップS304で算出した各リンクに対応するリンクデータ320を地図データ310から抽出し、算出した燃料消費量Qを予測燃料消費量327に上書き(或いは、新規に格納)する。
【0113】
そして、経路探索部405は、ステップS304で算出された燃料消費量Qを用いて、目的地までの推奨経路を探索する(ステップS305)。具体的には、経路探索部405は、まず、燃料消費量Qを用いずに、ステップS301で設定された出発地(又は現在地)から目的地までの2地点間を結ぶ経路のコスト(例えば、総距離や総旅行時間)が小さい複数の経路を探索する。続いて、経路探索部405は、探索したそれぞれの経路ごとに、燃料消費量Q(すなわち、予測燃料消費量327に格納されている値)の合計値(ΣQ)を算出する。そして、経路探索部405は、算出した合計値(ΣQ)が最小となる経路を推奨経路として選択する。それから、経路探索部405は、選択した推奨経路を、表示処理部403を介してディスプレイ102に表示(強調表示)する。これにより、燃料消費量を抑えた推奨経路に従った経路誘導を行うことができる。
【0114】
図13(A)は、ステップS305で探索された推奨経路の一例を示す図である。図示するように、ステップS305では、燃料消費量Qの合計(ΣQ)が最小となる経路が探索される。
【0115】
そして、経路誘導を開始後、経路探索部405は、本フローを終了する。
【0116】
以上の処理を行うことにより、本実施形態のナビゲーション装置100は、情報センタ200で定期的に更新されている統計情報を用いて燃料消費量Qを予測できる。そのため、ナビゲーション装置100に予め格納されている統計情報を用いる場合と比較して、燃料消費量Qについての予測誤差が低減される。
【0117】
なお、上記した各フローの各処理単位は、ナビゲーション装置100の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0118】
また、上記の実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。多くの代替物、修正、変形例は当業者にとって明らかである。
【0119】
以下に、上記実施形態の変形例を挙げる。
【0120】
例えば、上記実施形態では、燃料消費量予測部407は、出発地(又は現在地)から目的地までの経路探索対象のエリアに含まれるリンクについて、走行時の燃料消費量Qを予測している。それから、経路探索部405は、燃料消費量Qの合計が最小となる経路を探索する。しかし、本発明は、この方法に限定されず、他の方法によって燃料消費量Qの合計が最小となる経路を探索してもよい。
【0121】
例えば、燃料消費量予測部407は、出発地(又は現在地)から目的地まで連続するメッシュで構成されるメッシュ経路(メッシュごとに与えられた不図示の平均旅行時間の合計が最小となる経路)を探索し、探索したメッシュ経路に含まれるリンクのみについて、走行時の燃料消費量Qを予測してもよい。この場合には、経路探索部405は、探索されたメッシュ経路に含まれるリンクのみを用いて経路探索を行い、燃料消費量Qの合計が最小となる経路を推奨経路として選択することになる。
【0122】
こうして、上記実施形態よりも、高速に燃料消費量Qの合計が最小となる経路を探索することができる。
【0123】
図13(B)は、上記変形例の方法によって探索された推奨経路の一例を示す図である。図示するように、まず、燃料消費量予測部407によってメッシュ経路(斜線部分)が探索され、それから、経路探索部405によってメッシュ経路内において燃料消費量Qの合計が最小となる経路が推奨経路として探索される。
【0124】
また、上記実施形態や上記変形例では、探索経路部405は、燃料消費量Qの合計が最小となる1本の経路を推奨経路として選択している。しかし、本発明は、これに限定されず、燃料消費量Qの合計が小さい複数の経路を推奨経路として選択してもよい。この場合には、経路探索部405は、選択した複数の経路を、表示処理部403を介してディスプレイ102に表示し、ユーザから1つの経路を選択させればよい。
【0125】
また、上記実施形態や上記変形例では、探索経路部405は、まず、通常の経路探索方法(コストを総距離や総旅行時間とする)で経路を探索し、それから、探索した経路について燃料消費量Qの合計を求めている。しかし、本発明は、これに限定されず、探索経路部405は、通常の経路探索を行わずに、燃料消費量Qの合計が最小となる経路を探索するようにしてもよい。
【0126】
また、上記実施形態では、数式1〜数式5を用いて、リンクごとの燃料消費量Qを予測している。しかし、本発明は、これに限定されず、情報センタ200から受信した統計情報を用いて燃料消費量Qを予測するものであれば、どのような予測方法であってもよい。
【符号の説明】
【0127】
100・・・ナビゲーション装置、101・・・演算処理部(ナビ)、102・・・ディスプレイ、103・・・記憶装置(ナビ)、104・・・音声入出力装置、105・・・入力装置、106・・・車速センサ、107・・・ジャイロセンサ、108・・・GPS受信装置、109・・・FM多重放送受信装置、110・・・ビーコン受信装置、111・・・通信装置(ナビ)、121・・・CPU(ナビ)、122・・・RAM(ナビ)、123・・・ROM(ナビ)、124・・・インターフェイス(ナビ)、141・・・マイクロフォン、142・・・スピーカ、151・・・タッチパネル、152・・・ダイヤルスイッチ、200・・・情報センタ、201・・・演算処理部(センタ)、202・・・記憶装置(センタ)、203・・・通信装置(センタ)、221・・・CPU(センタ)、222・・・RAM(センタ)、223・・・ROM(センタ)、224・・・インターフェイス(センタ)、310・・・地図データ、311・・・メッシュID、320・・・リンクデータ、321・・・リンクID、322・・・開始ノード・終了ノード、323・・・道路種別、324・・・リンク長、325・・・リンク旅行時間、326・・・開始接続リンク・終了接続リンク、327・・・予測燃料消費量、401・・・基本制御部(ナビ)、402・・・入力受付部、403・・・表示処理部、404・・・現在地算出部、405・・・経路探索部、406・・・車両位置情報生成部、407・・・燃料消費量予測部、408・・・通信処理部(ナビ)、501・・・基本制御部(センタ)、502・・・統計処理部、503・・・通信処理部(センタ)、511・・・車両位置情報DB、512・・・統計情報DB、600・・・車両位置情報、700・・・統計情報テーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、情報処理装置、および、経路探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車(車両)には、車両走行における燃料消費量を予測するものがある(例えば、特許文献1)。この燃料消費量を予測する計算モデルには、車両の加減速回数、加速割合などのデータを用いるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−098174号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、燃料消費量についての従来の予測方法では、上記の加減速回数や、加速割合などは、地図データ(予めナビゲーション装置に格納されているデータ)に含まれているリンクの旅行時間と規制速度から推定しているため、予測誤差が生じやすい。
【0005】
本発明は、燃料消費量についての予測誤差を十分に低減させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本願発明は、ナビゲーション装置と、ナビゲーション装置から情報を収集する外部装置と、を備えるナビゲーションシステムであって、前記外部装置は、複数のナビゲーション装置から収集した情報を用いて、各リンクにおける走行状況についての統計情報を生成する統計情報生成部と、ナビゲーション装置からの要求に応じて、前記統計情報を出力する出力部と、を備える。また、前記ナビゲーション装置は、前記外部装置から出力された前記統計情報を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、推奨経路を探索し、前記予測部で予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、当該推奨経路についての燃料消費量を算出する経路探索部と、を備える。
【0007】
また、本願発明は、ナビゲーション装置と、ナビゲーション装置からの情報を収集する外部装置と、を備えるナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、日時と、移動体の走行速度と、を前記外部装置に定期的に送信する第1の送信部、を備え、前記外部装置は、前記日時と、前記走行速度と、を受信する第1の受信部と、前記日時と、前記走行速度と、を用いて、各リンクにおける停止回数の平均値と、各リンクにおける加速時間の割合を示す加速割合と、各リンクにおける定速時間の割合を示す定速割合と、を算出する算出部と、前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を前記ナビゲーション装置に送信する第2の送信部と、を備え、前記ナビゲーション装置は、前記外部装置から、前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合、を受信する第2の受信部と、前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、推奨経路を探索し、前記予測部で予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、当該推奨経路についての燃料消費量を算出する経路探索部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態が適用されたナビゲーションシステムの概略構成図である。
【図2】ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図3】地図データの概略データ構造を示す図である。
【図4】情報センタの概略構成図である。
【図5】ナビゲーション装置の演算処理部、及び、情報センタの演算処理部の機能ブロック図である。
【図6】車両位置情報の概略データ構造を示す図である。
【図7】ナビゲーション装置における情報収集処理を示すフロー図である。
【図8】情報センタにおける統計処理(前半)を示すフロー図である。
【図9】統計情報テーブルの概略データ構造を示す図である。
【図10】情報センタにおける統計処理(中半)を示すフロー図である。
【図11】情報センタにおける統計処理(後半)を示すフロー図である。
【図12】ナビゲーション装置における燃料消費量予測処理を示すフロー図である。
【図13】(A)経路探索方法の一例について説明するための図である。(B)経路探索方法の別例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態が適用されたナビゲーションシステム50の概略構成図である。図示するようにナビゲーションシステム50は、ナビゲーション装置100と、情報センタ200と、を備える。なお、図には、1台のナビゲーション装置100を示しているが、本発明のナビゲーションシステム50に適用されるナビゲーション装置100は複数台であってもよい。また、同様に、図には、1台の情報センタ200を示しているが、情報センタ200は複数台であってもよい。
【0011】
ナビゲーション装置100は、例えば、通信型の車載用ナビゲーション装置である。もちろん、ナビゲーション装置100は、これに限られず、携帯電話やPDAなどの携帯端末としてもよい。
【0012】
情報センタ200は、リアルタイムの交通情報や、走行車両(ナビゲーション装置100を搭載している各車両)の走行状況についての統計情報などをナビゲーション装置100に提供するサーバ装置として機能する一般的な情報処理装置(コンピューター)である。
【0013】
ナビゲーション装置100と情報センタ200は、ネットワークを介して接続され、無線通信により情報のやりとりを行える。
【0014】
図2は、ナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、ナビゲーション装置100は、演算処理部101と、ディスプレイ102と、記憶装置103と、音声入出力装置104(マイクロフォン141、スピーカ142)と、入力装置105(タッチパネル151、ダイヤルスイッチ152)と、車速センサ106と、ジャイロセンサ107と、GPS受信装置108と、FM多重放送受信装置109と、ビーコン受信装置110と、通信装置112と、を備えている。
【0015】
演算処理部101は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、演算処理部101は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)121と、記憶装置103から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)122と、プログラムやデータを格納するROM123と、各種ハードウェアを演算処理部101に接続するためのI/F(インタフェース)124と、を有する。そして、演算処理部101は、各デバイスをバス125で相互に接続した構成からなる。そして、後述する各機能部(401〜407)は、CPU121がRAM122などのメモリに読み出したプログラムを実行することで実現される。
【0016】
例えば、演算処理部101は、車速センサ106、ジャイロセンサ107、GPS受信装置108から出力される情報を基にして現在地を算出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置103から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィック展開し、そこに現在地マーク(或いは、移動体の位置を示す移動体マーク)を重ねてディスプレイ102に表示する。また、記憶装置3に記憶されている地図データ及び情報センタ200から受信した統計情報を用いて、ユーザーから指示された出発地(又は、現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(以下では「推奨経路」という)を探索する。また、音声入出力装置4のスピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザーを誘導する。
【0017】
ディスプレイ102は、演算処理部101で生成されたグラフィック情報を表示するユニットである。ディスプレイ102は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどで構成される。
【0018】
記憶装置103は、CD−ROMやDVD−ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成される。この記憶媒体には、例えば、地図データ310、音声データ、動画データ、等が記憶されている。また、記憶媒体は、電源供給が停止した場合でも必要なデータを保持可能なフラッシュメモリなどで構成されていてもよい。
【0019】
図3は、地図データの概略データ構造を示す図である。図示するように、地図データ310は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)311ごとに、そのメッシュ領域に含まれている道路を構成する各リンクのリンクデータ320を含んでいる。
【0020】
リンクデータ320は、リンクの識別コード(リンクID)321ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報322、リンクを含む道路の種別情報を示す道路種別323、リンクの長さを示すリンク長情報324、リンク旅行時間325、2つのノードにそれぞれ接続するリンクの識別コード(接続リンクID)326、リンクの全区間を走行する場合に消費する燃料の予測値を示す予測燃料消費量327などを含んでいる。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードを区別することで、道路の上り方向と下り方向を、それぞれ別のリンクとして管理することができる。また、予測燃料消費量327については、予めリンクデータ320に格納されているデータではなく、後述する「燃料消費量予測処理」で燃料消費量が予測される毎に更新されるデータである。また、地図データ310には、地図表示における道路や施設を表示するための描画データが格納されている。
【0021】
図2に戻り、音声入出力装置104は、音声入力装置としてマイクロフォン141と、音声出力装置としてスピーカ142と、を備える。マイクロフォン141は、運転手やその他の搭乗者から発せられた音声などを取得する。スピーカ142は、演算処理部101で生成された音声信号を出力する。これらのマイクロフォン141とスピーカ142は、車両の所定の部位に、別個に配置されている。
【0022】
入力装置105は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置105は、タッチパネル151と、ダイヤルスイッチ152と、その他のハードスイッチ(図示せず)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。また、入力装置5には、ナビゲーション装置100に対して遠隔で操作指示を行うことができるリモートコントローラが含まれる。リモートコントローラは、ダイヤルスイッチやスクロールキー、縮尺変更キーなどを備え、各キーやスイッチが操作された情報をナビゲーション装置100に送出することができる。
【0023】
タッチパネル151は、ディスプレイ102の表示面に貼られた透過性のある操作パネルである。タッチパネル151は、ディスプレイ102に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル151は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0024】
ダイヤルスイッチ152は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部101に出力する。演算処理部101では、パルス信号の数から、ダイヤルスイッチ152の回転角度を求める。
【0025】
車速センサ106、ジャイロセンサ107、及び、GPS受信装置108は、移動体(ナビゲーション装置100)の現在地(自車位置)などを算出するために使用される。車速センサ106は、車速を算出するために用いる車速データを出力するセンサである。ジャイロセンサ107は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置108は、GPS衛星からの信号を受信し、移動体とGPS衛星間の距離とその距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、移動体の現在地や進行速度を測定する。
【0026】
FM多重放送受信装置109は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Infomation Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などのFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0027】
ビーコン受信装置110は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報、天気情報や緊急情報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0028】
通信装置111は、図示しない無線通信網等のネットワークに接続する。このような通信装置111は、例えば、同じネットワーク上に接続された機器と通信を行うことが可能である。本実施形態では、通信装置111は、情報センタ200から提供された交通情報や、後述する統計情報(統計情報テーブル700)などを受信する。
【0029】
また、図4は、情報センタ200の概略構成図である。図示するように、情報センタ200は、演算処理部201と、記憶装置202と、通信装置203と、を備えている。
【0030】
演算処理部201は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、演算処理部201は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU221と、記憶装置202から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM222と、プログラムやデータを格納するROM223と、各種ハードウェアを演算処理部201に接続するためのI/F(インタフェース)224と、を有する。そして、演算処理部101は、各デバイスをバス125で相互に接続した構成からなる。そして、後述する各機能部(501〜503)は、CPU221がRAM222などのメモリに読み出したプログラムを実行することで実現される。
【0031】
例えば、演算処理部201は、走行車両(走行中の車両に搭載されたナビゲーション装置100)から走行状況についての情報(車両位置情報600)を収集して、統計情報(統計情報テーブル700)を生成する。また、演算処理部201は、生成した統計情報を、各車両に提供する。
【0032】
記憶装置202は、CD−ROMやDVD−ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成される。この記憶媒体には、後述する車両位置情報600、後述する統計情報テーブル700、等が記憶される。また、記憶媒体は、電源供給が停止した場合でも必要なデータを保持可能なフラッシュメモリなどで構成されていてもよい。
【0033】
通信装置203は、ナビゲーション装置100と通信するための装置であり、演算処理部201で生成された統計情報(統計情報テーブル700)を、走行車両(ナビゲーション装置100)に送信する。
【0034】
図5は、ナビゲーション装置100の演算処理部101、及び、情報センタ200の演算処理部201の機能ブロック図である。図示するように、ナビゲーション装置100の演算処理部101は、基本制御部401と、入力受付部402と、出力処理部403と、現在地算出部404と、経路探索部405と、車両位置情報生成部406と、燃料消費量予測部407と、通信処理部408と、を有する。また、情報センタ200の演算処理部201は、基本制御部501と、統計処理部502と、通信処理部503と、車両位置情報データベース(DB)511と、統計情報データベース(DB)512と、を有する。
【0035】
ナビゲーション装置100の基本制御部401は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の機能部を制御する。例えば、基本制御部401は、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置103に記憶する。また、基本制御部401は、各機能部からの要求に応じて、GPS受信装置08によって受信したGPS情報に含まれる現在時刻を出力する。
【0036】
入力受付部402は、入力装置105またはマイクロフォン41を介してに入力されたユーザ(搭乗者)からの指示を受け付け、他の機能部に出力する。例えば、入力受付部402は、電源の投入、切断を指示する要求、推奨経路の探索(或いは、経路誘導の開始)を指示する要求、等を受け付け、基本制御部401に通知する。
【0037】
出力処理部403は、ディスプレイ102に、地図、推奨経路、ユーザに通知する各種メッセージ、等を表示させる。具体的には、出力処理部403は、他の機能部からの指示に基づき、ディスプレイ102の画面上に表示させるためのグラフィックス情報を生成してディスプレイ102に送信する。また、出力処理部403は、ディスプレイ102に表示させた地図上に、車両の位置を示す車両マークや各種設定画面などを表示するグラフィックス情報を生成してディスプレイ102へ送信する。また、出力処理部403は、経路探索部405から出力された誘導情報に基づく音声信号を、スピーカ142から音声出力させる。
【0038】
現在地算出部404は、ナビゲーション装置100の現在地を算出する。具体的には、現在地算出部404は、車速センサ106で出力された車速データに基づいて算出した移動体(ナビゲーション装置100)の進行速度、および、ジャイロセンサ107で検出した角速度データを各々積分して結果得られる距離データおよび角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期位置(X,Y)から移動後(自車走行後)の位置(X’,Y’)を定期的に演算する。また、演算結果を用いて、マップマッチ処理することにより、形状の相関が最も高い道路(リンク)上に現在地を合わせ込む。また、定期的にGPS受信装置108の出力データを用いて現在地を修正する。なお、移動体(ナビゲーション装置100)が停止しているときには、GPS受信装置108の出力データだけを用いて現在地を求めてもよい。
【0039】
経路探索部405は、ユーザに指定された現在地(又は出発地)と目的地の間の推奨経路を探索する。具体的には、経路探索部405は、ユーザに指定された現在地と目的地の2地点間を結ぶ経路のコスト(例えば、総距離、総旅行時間、燃料消費量)が最小となる経路を探索する。このとき、経路探索部405は、探索した推奨経路を構成する各リンクの識別コード(リンクID)321を、それぞれ対応付けてRAM222等のメモリに記憶しておく。そして、経路探索部405は、探索した推奨経路を、表示処理部403を介して、ディスプレイ102に表示(強調表示)する。このとき、経路探索部405は、例えば、推奨経路の現在置から仮想経路地までの全行程が1画面に収まる縮尺の地図に、推奨経路をディスプレイ102に表示する。
【0040】
車両位置情報生成部406は、車両(ナビゲーション装置100を備える移動体)の走行状況についての情報(以下では「車両位置情報600」とよぶ)を生成する。具体的には、車両位置情報生成部406は、現在地算出部404で算出された現在地と地図データ310を用いて、車両が位置しているメッシュのメッシュID、車両が位置している道路(リンク)の道路種別、車両が位置しているリンクのリンクID、車両が進行している方向(リンク方向)、日時、車両の速度、をそれぞれ特定し、特定した各情報を対応付けて車両位置情報600を生成する。そして、車両位置情報生成部406は、生成した車両位置情報600を、記憶装置103に記憶する。なお、車両位置情報生成部406は、車両位置情報600を所定間隔(例えば、1秒間隔)で生成し、記憶する。
【0041】
図6は、車両位置情報600の概略データ構造を示す図である。図示するように、車両位置情報600は、車両位置情報生成部406で生成された日時650ごとのレコード670からなる。各レコード670には、車両が位置しているメッシュの識別コード(メッシュID)610と、車両が位置している道路の道路種別620と、車両が位置しているリンクの識別コード(リンクID)630と、車両の進行方向(上り方向、下り方向)を示すリンク方向640と、日時650と、車両の走行速度660と、が対応付けられる。
【0042】
図5に戻り、燃料消費量予測部407は、車両(ナビゲーション装置100を備える移動体)の燃料消費量を予測する処理を行う。例えば、燃料消費量予測部407は、所定の燃料予測モデルを用いて、車両の燃料消費量を予測する。ここで、燃料消費量予測部407は、情報センタ200から送信された統計情報(統計情報テーブル700)に含まれているデータを燃料予測モデルに代入することにより、リンクごとの予測燃料消費量Qを算出する。なお、燃料予測モデルの詳細については後述する。
【0043】
ナビゲーション装置100の通信処理部408は、情報センタ200とのデータのやりとりを制御する。例えば、通信処理部408は、車両位置情報生成部406で生成された車両位置情報600を情報センタ200に送信する。また、通信処理部407は、経路探索部405などからの指示に基づいて、統計情報(後述する「統計情報テーブル700」)を要求するためのデータを出力する。また、通信処理部407は、情報センタ200から出力された統計情報(統計情報テーブル700)などを受信する。
【0044】
また、情報センタ200の基本制御部501は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の機能部を制御する。
【0045】
統計処理部502は、各走行車両から得られた走行状況(車両位置情報600)を用いて、日付の種類(平日、土曜、祝日、等)及び時間帯(例えば、1時間単位)ごとに、各リンクにおける交通状況について統計をとる。ここで、統計処理部502が統計をとる交通状況には、車両の停止回数(合計、平均)、車両の加減速時間(加速時間、定速時間、減速時間)、車両の加減速割合(加速割合、定速割合、減速割合)、延べ通過台数などが含まれる。なお、統計処理部502が行う統計処理については後述する。
【0046】
情報センタ200の通信処理部503は、ナビゲーション装置100とのデータのやりとりを制御する。例えば、通信処理部503は、各車両のナビゲーション装置100から送信された車両位置情報600を受信する。また、通信処理部503は、各車両のナビゲーション装置100から統計情報が要求されると、統計処理部502で生成された統計情報テーブル700に含まれる統計情報を、ナビゲーション装置100に送信する。
【0047】
車両位置情報DB511は、各走行車両(ナビゲーション装置100)から定期的に送信される車両位置情報600を格納している。車両位置情報600の概略データ構造は、上述したように、例えば、図6に示す通りである。
【0048】
統計情報DB512は、各走行車両の走行状況についての統計情報(統計情報テーブル700)を格納している。
【0049】
図7は、統計情報テーブル700の概略データ構造を示す図である。図示するように、統計情報テーブル700は、例えば、日付の種類(平日、土曜、祝日、等)及び時間帯(例えば、1時間単位)を示す日種790ごとに集計された統計情報を格納する複数のテーブルからなる。それぞれの統計情報テーブル700は、リンクID730及びリンク方向740ごとのレコード795からなる。各レコード795には、メッシュの識別コード(メッシュID)710と、リンクの道路種別720と、リンクの識別コード(リンクID)730と、リンク上の進行方向(上り方向、下り方向)を示すリンク方向740と、リンク上での停止回数の合計751と、リンク上での停止回数の平均752と、リンク上において加速走行された総時間数を示す加速時間761と、リンク上において定速走行された総時間数を示す定速時間762と、リンク上において減速走行された総時間数を示す減速時間763と、リンク上において加速時間が占める割合を示す加速割合771と、リンク上において定速時間が占める割合を示す定速割合772と、リンク上において減速時間が占める割合を示す減速割合773と、リンクを通過した車両の延べ通過台数780と、が対応付けて格納される。
【0050】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーションシステム50の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーションシステム50の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0051】
また、各機能部(401〜408、501〜503)は、ハードウエア(ASICなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウエアで実行されてもよいし、複数のハードウエアで実行されてもよい。
【0052】
次に、上記構成からなるナビゲーションシステム50の特徴的な動作について説明する。
【0053】
<車両位置提供処理>
図8は、ナビゲーション装置100で行われる車両位置提供処理を示すフローチャートである。
【0054】
ナビゲーション装置100の主制御部401は、例えば、電源が投入されるタイミング、或いは、経路誘導開始の指示のタイミングで、本フローを開始する。
【0055】
本フローを開始すると、図示するように、車両位置情報生成部406は、車両位置情報600を生成し、記憶装置103に記憶する(ステップS101)。具体的には、車両位置情報生成部406は、現在地算出部404に対して車両の現在地の算出を要求する。これに応じて、現在地算出部404は、車両の現在地を算出し、車両位置情報生成部406に通知する。それから、車両位置情報生成部406は、現在地算出部404から現在地が通知された日時と、通知された現在地が存在するメッシュのメッシュID311と、通知された現在地が存在するリンクのリンクID321と、通知された現在地が存在する道路の道路種別323と、を地図データ310から検索して特定する。また、車両位置情報生成部406は、車両の進行速度(以下では「車両速度」とよぶ)を算出する。ここで、車両位置情報生成部406は、特定した各情報と、算出した車両速度を、1つのレコード670に対応付けた車両位置情報600を生成する。すなわち、メッシュID610と、道路種別620と、リンクID630と、リンク方向640と、日時650と、車両速度660と、を1つのレコード670に対応付けた車両位置情報600を生成する。その後、車両位置情報生成部406は、生成した車両位置情報600を、記憶装置103に記憶する。
【0056】
続いて、通信処理部408は、情報センタ200と通信可能か否か判別する(ステップS102)。具体的には、通信処理部408は、通信開始の要求信号を出力し、所定時間内(例えば、30秒)に情報センタ200から応答信号が返信されるか否か判別する。このとき、通信処理部408は、所定時間内に応答信号が返信される場合には、情報センタ200と通信可能と判定する。一方、所定時間内に応答信号が返信されない場合には、情報センタ200とは通信不可能と判定する。
【0057】
そして、通信処理部408は、情報センタ200と通信可能と判定された場合には(ステップS102;Yes)、記憶装置103に記憶されている車両位置情報600を情報センタ200に送信する(ステップS103)。それから、通信処理部408は、処理をステップS104に移行する。
【0058】
また、通信処理部408は、情報センタ200と通信不可能と判定された場合には(ステップS102;No)、ステップS101で生成された車両位置情報600を情報センタ200に送信することはできないため、ステップS103の処理を省略して、処理をステップS104に移行する。
【0059】
処理がステップS104に移行すると、基本制御部401は、ナビゲーション装置100の動作を停止すべきか否か判別する(ステップS104)。例えば、基本制御部401は、ナビゲーション装置100の電源を遮断する指示をユーザから受け付けている場合に、ナビゲーション装置100の動作を停止すべきと判定し(ステップS104;Yes)、ナビゲーション装置100の電源を遮断した後に本フローを終了する。一方、基本制御部401は、ナビゲーション装置100の動作を停止すべきではないと判定した場合には(ステップS104;No)、所定時間(例えば、1秒)経過するまで待機し(ステップS105)、処理をステップS101に戻す。
【0060】
以上のように、本実施形態のナビゲーション装置100は、電源が投入されてから遮断されるまで、所定の間隔(例えば、1秒)でステップS101からステップS105の処理を繰り返し実行することによって、車両位置情報600を情報センタ200に送信し続ける。
【0061】
<統計処理1>
図9は、情報センタ200で行われる統計処理1を示すフローチャートである。
【0062】
情報センタ200の基本制御部501は、例えば、電源が投入されるタイミングで、本フローを開始する。
【0063】
本フローを開始すると、通信処理部503は、ナビゲーション装置100からの通信開始の要求信号を待つ。そして、通信開始の要求信号を受信すると、応答信号をナビゲーション装置100に返信する。それから、通信処理部503は、ナビゲーション装置100から送信される車両位置情報600を受信する(ステップS201)。そして、通信処理部503は、ステップS201で受信した車両位置情報600を基本制御部101に通知し、基本制御部101は、車両位置情報600を車両位置情報DB511に記憶する。
【0064】
なお、通信処理部503は、所定数Nの車両位置情報600を受信するまでステップS201の処理を繰り返し、所定数Nの車両位置情報600を受信すると、処理をステップS202に移行する。
【0065】
それから、統計処理部502は、同一車両の速度変化をみるために、異なる2地点(第1地点、第2地点)において同一のナビゲーション装置100から送信された車両位置情報600を比較する。そのために、まず、統計処理部502は、車両位置情報600の送信元のナビゲーション装置100を特定する。次に、統計処理部502は、ステップS201で受信した所定数Nの車両位置情報600のうち、特定したナビゲーション装置100からi番目(ただし「i」は1以上の整数とし、初期設定では「i=1」とする)に受信した車両位置情報600と、i+1番目に受信した車両位置情報600と、を車両位置情報DB511から読み出す。続いて、統計処理部502は、読み出した車両位置情報600のうち、i番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660を、比較対象の2地点のうちの第1地点を通過した時の車両速度として設定する。これとともに、統計処理部502は、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660を、第2地点を通過した時の車両速度として設定する(ステップS202)。
【0066】
そして、統計処理部502は、更新すべき統計情報テーブル700を選択する(ステップS203)。具体的には、統計処理部502は、まず、ステップS201で受信された所定数Nの車両位置情報600のうち、同一のナビゲーション装置100からi+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる日時650に対応する日種(例えば、平日、休日、時間帯、等)を決定する。例えば、図6に示すように、日時650に「2009/10/10 15:35:23」というデータが格納されている場合には、統計処理部502は、日種を「平日 15:00〜16:00」に決定する。それから、統計処理部502は、決定した日種に該当する日種790を有する統計情報テーブル700を、統計情報DB512から検索して選択する。
【0067】
また、統計処理部502は、上記の第2地点が第1地点とは異なるリンク上にあるか否か判別する。例えば、統計処理部502は、i番目に受信した車両位置情報600に含まれるリンクID630と、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれるリンクID630と、が異なる場合に、第2地点が第1地点とは異なるリンク上にあると判定する。そして、統計処理部502は、第2地点が第1地点とは異なるリンク上にあると判定された場合には、第1地点から第2地点への移動で異なるリンクに移動したことになるため、移動してきたリンクについての延べ通過台数780をインクリメントする。具体的には、統計処理部502は、選択した統計情報テーブル700を用いて、同一のナビゲーション装置100からi+1番目に受信した車両位置情報600に含まれるデータ(メッシュID610、道路種別620、リンクID630、リンク方向640)に対応するメッシュID710、道路種別720、リンクID730、リンク方向740を有するレコード795を特定する。そして、統計処理部502は、特定したレコード795に含まれる延べ通過台数780をインクリメントする。
【0068】
その後、統計処理部502は、上記の第1地点において車両が移動中であったか否か判別する。具体的には、統計処理部502は、ステップS201で受信した所定数Nの車両位置情報600のうち、同一のナビゲーション装置100からi番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660が「0」より大きいか否か判別する(ステップS204)。
【0069】
ここで、統計処理部502は、i番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660が「0」より大きい場合には(ステップS204;Yes)、続いて、第2地点において車両が停止していたか否か判別する。具体的には、統計処理部502は、ステップS201で受信した所定数Nの車両位置情報600のうち、同一のナビゲーション装置100からi+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660が「0」であるか否か判別する(ステップS205)。
【0070】
そして、統計処理部502は、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660が「0」である場合には(ステップS205;Yes)、第2地点において車両が停止したとみなし、統計情報テーブル700の停止回数をインクリメントする(ステップS206)。具体的には、統計処理部502は、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれるデータ(メッシュID610、道路種別620、リンクID630、リンク方向640)に対応するメッシュID710、道路種別720、リンクID730、リンク方向740を有するレコード795を、ステップS203で選択した統計情報テーブル700から特定する。そして、統計処理部502は、特定したレコード795に含まれる停止回数の合計751をインクリメントする。
【0071】
その後、統計処理部502は、処理をステップS207に移し、統計処理2の処理に移行する。
【0072】
ところで、上記のステップS204において、第1地点で車両が既に停止している場合、すなわち、i番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660が「0」以下である場合には、(ステップS204;No)、統計処理部502は、ステップS205、S206の処理を省略して処理をステップS207に移行する。
【0073】
また、上記のステップS205において、第2地点において車両が停止していない場合、すなわち、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660が「0」ではない場合には(ステップS205;No)、統計処理部502は、ステップS206の処理を省略して処理をステップS207に移行する。
【0074】
<統計処理2>
図10は、情報センタ200で行われる統計処理2を示すフローチャートである。ここで、統計処理2は、上記の統計処理1に続いて実行される処理である。
【0075】
情報センタ200の統計処理部502は、処理がステップS207に移行すると、第1地点における車両速度と、第2地点における車両速度と、の少なくともいずれかが「0」であるか否か判定する(ステップS207)。具体的には、統計処理部502は、i番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660と、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660と、を乗じたときの値が「0」であれば、第1地点における車両速度と、第2地点における車両速度と、の少なくともいずれかが「0」であると判定する。一方、統計処理部502は、i番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660と、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660と、を乗じたときの値が「0」ではない場合には、第1地点における車両速度と第2地点における車両速度のいずれも「0」ではないと判定する。
【0076】
ここで、統計処理部502は、第1地点における車両速度と第2地点における車両速度の少なくともいずれかが「0」であると判定した場合には(ステップS207;Yes)、処理をステップS208に移行する。
【0077】
そして、統計処理部502は、第1地点における車両速度と、第2地点における車両速度と、の速度差を算出する(ステップS208)。具体的には、統計処理部502は、i番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660から、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれる車両速度660を減じて、速度差を算出する。
【0078】
次に、統計処理部502は、ステップS208で算出した速度差が所定の範囲内(例えば、±5km/時)であるか否か判別する(ステップS209)。
【0079】
ここで、統計処理部502は、ステップS208で算出した速度差が所定の範囲内である場合には(ステップS209;Yes)、車両は加速も減速もせずに定速で走行しているとみなし、定速時間762をインクリメントする(ステップS211)。具体的には、統計処理部502は、i+1番目に受信した車両位置情報600に含まれるデータ(メッシュID610、道路種別620、リンクID630、リンク方向640)に対応するメッシュID710、道路種別720、リンクID730、リンク方向740を有するレコード795を、ステップS203で選択した統計情報テーブル700から特定する。そして、統計処理部502は、特定したレコード795に含まれる定速時間762をインクリメントする。
【0080】
また、統計処理部502は、ステップS208で算出した速度差が所定の範囲内ではない場合には(ステップS209;No)、車両が加速しているのか減速しているのか識別する(ステップS210)。ここで、統計処理部502は、ステップS208で算出した速度差が正値ではない場合には(ステップS210;No)、車両が加速しているとみなし、加速時間761をインクリメントする(ステップS212)。具体的には、定速時間762をインクリメントする場合と同様に、更新対象のレコード795に含まれる加速時間761をインクリメントする。
【0081】
また、統計処理部502は、ステップS208で算出した速度差が正値である場合には(ステップS210;Yes)、車両が減速しているとみなし、減速時間763をインクリメントする。具体的には、定速時間762や加速時間761をインクリメントする場合と同様に、更新対象のレコード795に含まれる減速時間763をインクリメントする。
【0082】
そして、ステップS211、ステップS212、ステップS213で、定速時間762、加速時間761、減速時間763のいずれかがインクリメントされると統計処理部502は、処理をステップS214に移行する。
【0083】
そして、統計処理部502は、上記処理で比較対象としていた2地点(第1地点、第2地点)について再設定する(ステップS214)。具体的には、統計処理部502は、「i」の値をインクリメントする。
【0084】
次に、統計処理部502は、ステップS201で受信した全て(所定数N)の車両位置情報600について、処理済みであるか否か判別する(ステップS215)。ここで、統計処理部502は、全ての車両位置情報600について処理済みではないと判定した場合には(ステップS215;No)、処理をステップS202に戻す。一方、統計処理部502は、全ての車両位置情報600について処理済みであると判定した場合には(ステップS215;Yes)、処理をステップS216へ移行する。
【0085】
こうして、統計処理部502は、処理対象の全ての車両位置情報600について処理がなされるまで、ステップS202〜S215の処理を繰り返し実行できる。
【0086】
なお、ステップS201で受信した車両位置情報600には、異なる車両(ナビゲーション装置100)から受信した車両位置情報600が混在している場合もある。この場合には、統計処理部502は、上記のステップS202〜ステップS214までの処理を、車両(ナビゲーション装置100)ごとに別個に行う。
【0087】
<統計処理3>
図11は、情報センタ200で行われる統計処理3を示すフローチャートである。ここで、統計処理3は、上記の統計処理2に続いて実行される処理である。
【0088】
情報センタ200の統計処理部502は、処理がステップS216に移行すると、更新対象の統計情報テーブル700を、統計情報DB512から読み出す(ステップS216)。なお、更新対象の統計情報テーブル700とは、上記の統計処理1と統計処理2でデータが更新された統計情報テーブル700を指す。
【0089】
そして、統計処理部502は、読み出した統計情報テーブル700に含まれる更新対象のレコード795ごとに、各リンクで車両1台が停止する回数の平均値を算出する(ステップS217)。具体的には、統計処理部502は、更新対象のレコード795ごとに、停止回数の合計751を延べ通過台数780で除した値を、停止回数の平均752として格納する。なお、更新対象のレコード795とは、上記の統計処理1と統計処理2でデータが更新されたレコード795を指す。
【0090】
次に、統計処理部502は、各リンク内において、車両が加速している時間の割合を算出する(ステップS218)。具体的には、統計処理部502は、更新対象のレコード795ごとに、(加速時間761)/(加速時間761+定速時間762+減速時間763)を算出し、算出した値を同レコード795の加速割合771として格納する。
【0091】
また、統計処理部502は、各リンク内において、車両が定速で走行している時間の割合を算出する(ステップS219)。具体的には、統計処理部502は、更新対象のレコード795ごとに、(定速時間762)/(加速時間761+定速時間762+減速時間763)を算出し、算出した値を同レコード795の定速割合772として格納する。
【0092】
また、統計処理部502は、各リンク内において、車両が減速している時間の割合を算出する(ステップS220)。具体的には、統計処理部502は、更新対象のレコード795ごとに、(減速時間763)/(加速時間761+定速時間762+減速時間763)を算出し、算出した値を同レコード795の減速割合773として格納する。
【0093】
その後、統計処理部502は、ステップS216で読み出した統計情報テーブル700に含まれる更新対象の全レコード795について、処理済みであるか否か判別する(ステップS221)。ここで、統計処理部502は、全レコード795について処理済みではないと判定した場合には(ステップS221;No)、処理をステップS217に戻す。一方、統計処理部502は、全レコード795について処理済みであると判定した場合には(ステップS221;Yes)、処理をステップS222へ移行する。
【0094】
また、処理がステップS222へ移行すると、統計処理部502は、更新対象の全ての統計情報テーブル700について、処理済みであるか否か判別する(ステップS222)。ここで、統計処理部502は、全ての統計情報テーブル700について処理済みではないと判定した場合には(ステップS222;No)、処理をステップS216に戻す。一方、統計処理部502は、全ての統計情報テーブル700について処理済みであると判定した場合には(ステップS222;Yes)、本処理(統計処理3)を終了する。
【0095】
こうして、統計処理部502は、処理対象の全てのレコード795について処理がなされるまで、ステップS216〜S222の処理を繰り返し実行できる。
【0096】
以上のように、本実施形態の情報センタ200では、ナビゲーション装置100から送信された車両位置情報600に基づいて、全国各地の道路交通状況についての統計情報(統計情報テーブル700)を生成することができる。また、情報センタ200は、上記の統計処理1〜3を定期的に実施することによって、最新の統計情報を保持できる。
【0097】
<燃料消費量予測処理>
図12は、ナビゲーション装置100で行われる燃料消費量予測処理を示すフローチャートである。
【0098】
ナビゲーション装置100の経路探索部405は、例えば、ユーザから経路探索の指示がされるタイミングで、本フローを開始する。
【0099】
本フローを開始すると、経路探索部405は、出発地(又は現在地)と、目的地と、の設定を行う(ステップS301)。ここで、出発地には、入力受付部402を介してユーザから入力された地点が設定されてもよいし、現在地算出部404によって算出された現在地が設定されてもよい。また、目的地には、入力受付部402を介してユーザから入力された地点が設定される。
【0100】
次に、通信処理部408は、情報センタ200と通信可能か否か判別する(ステップS302)。具体的には、通信処理部408は、通信開始の要求信号を出力し、所定時間内(例えば、30秒)に情報センタ200から応答信号が返信されるか否か判別する。このとき、通信処理部408は、所定時間内に応答信号が返信される場合には、情報センタ200と通信可能と判定する。一方、所定時間内に応答信号が返信されない場合には、情報センタ200とは通信不可能と判定する。
【0101】
そして、通信処理部408は、情報センタ200と通信可能と判定された場合には(ステップS302;Yes)、経路探索対象のエリアに存在するリンクについての統計情報を要求する。具体的には、通信処理部408は、情報センタ200に対して、ステップS301で設定された出発地(又は現在地)と、目的地と、を送信すればよい。
【0102】
このとき、情報センタ200側では、ナビゲーション装置100から送信された出発地(又は現在地)と、目的地と、を受信し、その出発地(又は現在地)から目的地までを含むエリアを、経路探索対象のエリアとして特定する。それから、情報センタ200側では、経路探索対象のエリアとして特定されたエリアに含まれる各リンクについて、リンクを特定するデータ(例えば、メッシュID710、道路種別720、リンクID730、リンク方向740)と、停止回数の平均752と、加速割合771と、定速割合772と、を統計情報テーブル700から読み出し、出力する。
【0103】
これに応じて、ナビゲーション装置100の通信処理部408は、情報センタ200から出力されたデータ(リンクを特定するデータ、停止回数の平均752、加速割合771、定速割合772)を受信する(ステップS303)。その後、通信処理部408は、処理をステップS304に移行する。
【0104】
一方、ステップS302において、通信処理部408は、情報センタ200とは通信不可能と判定された場合には(ステップS302;No)、ステップS303の処理を省略して処理をステップS304に移行する。
【0105】
処理がステップS304に移行すると、燃料消費量予測部407は、経路探索対象のエリアに含まれる各リンクについて、走行時の燃料消費量Qを予測する(ステップS304)。具体的には、燃料消費量予測部407は、まず、ステップS303で受信したデータ(具体的には、リンクを特定するデータ)に基づいて、燃料消費量Qを予測する対象のリンクを特定する。それから、燃料消費量予測部407は、ここで特定されたリンクごとに、ステップS303で受信したデータ(具体的には、停止回数の平均752、加速割合771、定速割合772)を、以下の数式1〜数式5に代入して燃料消費量Qを予測する。
【0106】
<数式1>
(燃料消費量Q)=(基礎消費量A)+(摩擦・位置エネルギー成分B)+(空気抵抗成分C)+(運動エネルギー成分D)
【0107】
<数式2>
(基礎消費量A)=(基礎消費係数f)×(旅行時間T)×(燃料カット係数Fcut)
ただし、(基礎消費係数f)×(旅行時間T)は、リンクを走行した場合に必ず消費する燃料消費量[cc]を表す。(燃料カット係数Fcut)は、f×Tについて補正するための係数を表す。
【0108】
<数式3>
(摩擦・位置エネルギー成分B)={1/(熱効率ε×伝達効率η×燃料熱当量H)}×(リンク長L)×(車重M)×[(第1の地形特徴量EA)×(加速割合PACC)+(第2の地形特徴量EB)×{1−(加速割合PACC)}+(第3の地形特徴量EC)]
ただし、第1の地形特徴量EAは、加速走行に伴うエネルギー損失量(具体的には、摩擦によって損失するエネルギー量と位置エネルギーの損失量)[J/kg]を表す。第2の地形特徴量EBは、定速走行に伴うエネルギー損失量(具体的には、摩擦によって損失するエネルギー量と位置エネルギーの損失量)[J/k]を表す。第3の地形特徴量ECは、減速走行に伴うエネルギー損失量(具体的には、摩擦によって損失するエネルギー量と位置エネルギーの損失量)[J/kg]を表す。
【0109】
<数式4>
(空気抵抗成分C)={1/(ε×η×H)}×{(摩擦係数k)×L×(L/T)2}×(PACC+PCON)
【0110】
<数式5>
(運動エネルギー成分E)={1/(ε×η×H)}×(1.2×M/2)×(リンク内での最大速度Vmax)2×(停止回数の平均)
【0111】
以上のように、燃料消費量予測部407は、ステップS303で受信した停止回数の平均752を数式5に代入し、ステップS303で受信した加速割合771と定速割合772を、数式3、数式4に代入することによって、燃料消費量Qを求めることができる。なお、基礎消費係数f、燃料カット係数Fcut、熱効率ε、伝達効率η、燃料熱当量H、車重M、摩擦係数kは、それぞれ、車種等に応じて異なる値が予め記憶装置103に格納されているものとする。また、旅行時間Tには、リンクデータ320のリンク旅行時間325に格納されている値が用いられる。同様に、リンク長Lには、リンクデータ320のリンク長324に格納されている値が用いられる。また、第1の地形特徴量EA、第2の地形特徴量EB、第3の地形特徴量ECについては、予めリンクデータ320に格納されているものとし(図3には不図示)、リンク毎に異なる値が数式3に代入される。また、リンク内での最大速度Vmaxについては、予めリンクデータ320に格納されていてもよいし(図3には不図示)、情報センタ200から受信して数式5に代入するようにしてもよい。
【0112】
それから、燃料消費量予測部407は、ステップS304で算出した燃料消費量Qを記憶する。具体的には、燃料消費量予測部407は、ステップS304で算出した各リンクに対応するリンクデータ320を地図データ310から抽出し、算出した燃料消費量Qを予測燃料消費量327に上書き(或いは、新規に格納)する。
【0113】
そして、経路探索部405は、ステップS304で算出された燃料消費量Qを用いて、目的地までの推奨経路を探索する(ステップS305)。具体的には、経路探索部405は、まず、燃料消費量Qを用いずに、ステップS301で設定された出発地(又は現在地)から目的地までの2地点間を結ぶ経路のコスト(例えば、総距離や総旅行時間)が小さい複数の経路を探索する。続いて、経路探索部405は、探索したそれぞれの経路ごとに、燃料消費量Q(すなわち、予測燃料消費量327に格納されている値)の合計値(ΣQ)を算出する。そして、経路探索部405は、算出した合計値(ΣQ)が最小となる経路を推奨経路として選択する。それから、経路探索部405は、選択した推奨経路を、表示処理部403を介してディスプレイ102に表示(強調表示)する。これにより、燃料消費量を抑えた推奨経路に従った経路誘導を行うことができる。
【0114】
図13(A)は、ステップS305で探索された推奨経路の一例を示す図である。図示するように、ステップS305では、燃料消費量Qの合計(ΣQ)が最小となる経路が探索される。
【0115】
そして、経路誘導を開始後、経路探索部405は、本フローを終了する。
【0116】
以上の処理を行うことにより、本実施形態のナビゲーション装置100は、情報センタ200で定期的に更新されている統計情報を用いて燃料消費量Qを予測できる。そのため、ナビゲーション装置100に予め格納されている統計情報を用いる場合と比較して、燃料消費量Qについての予測誤差が低減される。
【0117】
なお、上記した各フローの各処理単位は、ナビゲーション装置100の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0118】
また、上記の実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。多くの代替物、修正、変形例は当業者にとって明らかである。
【0119】
以下に、上記実施形態の変形例を挙げる。
【0120】
例えば、上記実施形態では、燃料消費量予測部407は、出発地(又は現在地)から目的地までの経路探索対象のエリアに含まれるリンクについて、走行時の燃料消費量Qを予測している。それから、経路探索部405は、燃料消費量Qの合計が最小となる経路を探索する。しかし、本発明は、この方法に限定されず、他の方法によって燃料消費量Qの合計が最小となる経路を探索してもよい。
【0121】
例えば、燃料消費量予測部407は、出発地(又は現在地)から目的地まで連続するメッシュで構成されるメッシュ経路(メッシュごとに与えられた不図示の平均旅行時間の合計が最小となる経路)を探索し、探索したメッシュ経路に含まれるリンクのみについて、走行時の燃料消費量Qを予測してもよい。この場合には、経路探索部405は、探索されたメッシュ経路に含まれるリンクのみを用いて経路探索を行い、燃料消費量Qの合計が最小となる経路を推奨経路として選択することになる。
【0122】
こうして、上記実施形態よりも、高速に燃料消費量Qの合計が最小となる経路を探索することができる。
【0123】
図13(B)は、上記変形例の方法によって探索された推奨経路の一例を示す図である。図示するように、まず、燃料消費量予測部407によってメッシュ経路(斜線部分)が探索され、それから、経路探索部405によってメッシュ経路内において燃料消費量Qの合計が最小となる経路が推奨経路として探索される。
【0124】
また、上記実施形態や上記変形例では、探索経路部405は、燃料消費量Qの合計が最小となる1本の経路を推奨経路として選択している。しかし、本発明は、これに限定されず、燃料消費量Qの合計が小さい複数の経路を推奨経路として選択してもよい。この場合には、経路探索部405は、選択した複数の経路を、表示処理部403を介してディスプレイ102に表示し、ユーザから1つの経路を選択させればよい。
【0125】
また、上記実施形態や上記変形例では、探索経路部405は、まず、通常の経路探索方法(コストを総距離や総旅行時間とする)で経路を探索し、それから、探索した経路について燃料消費量Qの合計を求めている。しかし、本発明は、これに限定されず、探索経路部405は、通常の経路探索を行わずに、燃料消費量Qの合計が最小となる経路を探索するようにしてもよい。
【0126】
また、上記実施形態では、数式1〜数式5を用いて、リンクごとの燃料消費量Qを予測している。しかし、本発明は、これに限定されず、情報センタ200から受信した統計情報を用いて燃料消費量Qを予測するものであれば、どのような予測方法であってもよい。
【符号の説明】
【0127】
100・・・ナビゲーション装置、101・・・演算処理部(ナビ)、102・・・ディスプレイ、103・・・記憶装置(ナビ)、104・・・音声入出力装置、105・・・入力装置、106・・・車速センサ、107・・・ジャイロセンサ、108・・・GPS受信装置、109・・・FM多重放送受信装置、110・・・ビーコン受信装置、111・・・通信装置(ナビ)、121・・・CPU(ナビ)、122・・・RAM(ナビ)、123・・・ROM(ナビ)、124・・・インターフェイス(ナビ)、141・・・マイクロフォン、142・・・スピーカ、151・・・タッチパネル、152・・・ダイヤルスイッチ、200・・・情報センタ、201・・・演算処理部(センタ)、202・・・記憶装置(センタ)、203・・・通信装置(センタ)、221・・・CPU(センタ)、222・・・RAM(センタ)、223・・・ROM(センタ)、224・・・インターフェイス(センタ)、310・・・地図データ、311・・・メッシュID、320・・・リンクデータ、321・・・リンクID、322・・・開始ノード・終了ノード、323・・・道路種別、324・・・リンク長、325・・・リンク旅行時間、326・・・開始接続リンク・終了接続リンク、327・・・予測燃料消費量、401・・・基本制御部(ナビ)、402・・・入力受付部、403・・・表示処理部、404・・・現在地算出部、405・・・経路探索部、406・・・車両位置情報生成部、407・・・燃料消費量予測部、408・・・通信処理部(ナビ)、501・・・基本制御部(センタ)、502・・・統計処理部、503・・・通信処理部(センタ)、511・・・車両位置情報DB、512・・・統計情報DB、600・・・車両位置情報、700・・・統計情報テーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置と、ナビゲーション装置から情報を収集する外部装置と、を備えるナビゲーションシステムであって、
前記外部装置は、
複数のナビゲーション装置から収集した情報を用いて、各リンクにおける走行状況についての統計情報を生成する統計情報生成部と、
ナビゲーション装置からの要求に応じて、前記統計情報を出力する出力部と、を備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記外部装置から出力された前記統計情報を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、
推奨経路を探索し、前記予測部で予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、当該推奨経路についての燃料消費量を算出する経路探索部と、を備える、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
ナビゲーション装置と、ナビゲーション装置からの情報を収集する外部装置と、を備えるナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、
日時と、移動体の走行速度と、を前記外部装置に定期的に送信する第1の送信部、を備え、
前記外部装置は、
前記日時と、前記走行速度と、を受信する第1の受信部と、
前記日時と、前記走行速度と、を用いて、各リンクにおける停止回数の平均値と、各リンクにおける加速時間の割合を示す加速割合と、各リンクにおける定速時間の割合を示す定速割合と、を算出する算出部と、
前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を前記ナビゲーション装置に送信する第2の送信部と、を備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記外部装置から、前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合、を受信する第2の受信部と、
前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、
推奨経路を探索し、前記予測部で予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、当該推奨経路についての燃料消費量を算出する経路探索部と、を備える、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
ナビゲーション装置であって、
前記外部装置から、各リンクにおける停止回数の平均値と、各リンクにおける加速時間の割合を示す加速割合と、各リンクにおける定速時間の割合を示す定速割合、を受信する受信部と、
前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、
推奨経路を探索し、前記予測部で予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、当該推奨経路についての燃料消費量を算出する経路探索部と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
ナビゲーション装置であって、
前記外部装置から、各リンクにおける停止回数の平均値と、各リンクにおける加速時間の割合を示す加速割合と、各リンクにおける定速時間の割合を示す定速割合と、を受信する受信部と、
前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、
前記予測部で予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、燃料消費量の総和が最小となる推奨経路を探索する経路探索部と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
ナビゲーション装置からの情報を収集する情報処理装置であって、
前記ナビゲーション装置から、日時と、移動体の走行速度と、を定期的に受信する受信部と、
前記日時と、前記走行速度と、を用いて、各リンクにおける停止回数の平均値と、各リンクにおける加速時間の割合を示す加速割合と、各リンクにおける定速時間の割合を示す定速割合と、を算出する算出部と、
各リンクにおける燃料消費量の予測のために、前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を前記ナビゲーション装置に送信する送信部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
ナビゲーション装置における経路探索方法であって、
外部装置から、各リンクにおける停止回数の平均値と、各リンクにおける加速時間の割合を示す加速割合と、各リンクにおける定速時間の割合を示す定速割合と、を受信する受信ステップと、
前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測ステップと、
前記予測ステップで予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、燃料消費量の総和が最小となる推奨経路を探索する経路探索ステップと、を行う、
ことを特徴とする経路探索方法。
【請求項1】
ナビゲーション装置と、ナビゲーション装置から情報を収集する外部装置と、を備えるナビゲーションシステムであって、
前記外部装置は、
複数のナビゲーション装置から収集した情報を用いて、各リンクにおける走行状況についての統計情報を生成する統計情報生成部と、
ナビゲーション装置からの要求に応じて、前記統計情報を出力する出力部と、を備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記外部装置から出力された前記統計情報を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、
推奨経路を探索し、前記予測部で予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、当該推奨経路についての燃料消費量を算出する経路探索部と、を備える、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
ナビゲーション装置と、ナビゲーション装置からの情報を収集する外部装置と、を備えるナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、
日時と、移動体の走行速度と、を前記外部装置に定期的に送信する第1の送信部、を備え、
前記外部装置は、
前記日時と、前記走行速度と、を受信する第1の受信部と、
前記日時と、前記走行速度と、を用いて、各リンクにおける停止回数の平均値と、各リンクにおける加速時間の割合を示す加速割合と、各リンクにおける定速時間の割合を示す定速割合と、を算出する算出部と、
前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を前記ナビゲーション装置に送信する第2の送信部と、を備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記外部装置から、前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合、を受信する第2の受信部と、
前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、
推奨経路を探索し、前記予測部で予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、当該推奨経路についての燃料消費量を算出する経路探索部と、を備える、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
ナビゲーション装置であって、
前記外部装置から、各リンクにおける停止回数の平均値と、各リンクにおける加速時間の割合を示す加速割合と、各リンクにおける定速時間の割合を示す定速割合、を受信する受信部と、
前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、
推奨経路を探索し、前記予測部で予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、当該推奨経路についての燃料消費量を算出する経路探索部と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
ナビゲーション装置であって、
前記外部装置から、各リンクにおける停止回数の平均値と、各リンクにおける加速時間の割合を示す加速割合と、各リンクにおける定速時間の割合を示す定速割合と、を受信する受信部と、
前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測部と、
前記予測部で予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、燃料消費量の総和が最小となる推奨経路を探索する経路探索部と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
ナビゲーション装置からの情報を収集する情報処理装置であって、
前記ナビゲーション装置から、日時と、移動体の走行速度と、を定期的に受信する受信部と、
前記日時と、前記走行速度と、を用いて、各リンクにおける停止回数の平均値と、各リンクにおける加速時間の割合を示す加速割合と、各リンクにおける定速時間の割合を示す定速割合と、を算出する算出部と、
各リンクにおける燃料消費量の予測のために、前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を前記ナビゲーション装置に送信する送信部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
ナビゲーション装置における経路探索方法であって、
外部装置から、各リンクにおける停止回数の平均値と、各リンクにおける加速時間の割合を示す加速割合と、各リンクにおける定速時間の割合を示す定速割合と、を受信する受信ステップと、
前記停止回数の平均値と、前記加速割合と、前記定速割合と、を用いて、各リンクにおける燃料消費量を予測する予測ステップと、
前記予測ステップで予測されたリンクごとの前記燃料消費量を用いて、燃料消費量の総和が最小となる推奨経路を探索する経路探索ステップと、を行う、
ことを特徴とする経路探索方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−53999(P2013−53999A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194041(P2011−194041)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
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