説明

ナビゲーション装置およびナビゲーション装置のコンテンツ情報転送システム

【課題】コンテンツ情報の著作権を保護しながら、外部機器でコンテンツ情報を使用することが可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置10は、地図情報を記憶するフラッシュメモリ15と、表示部22を有する電子書籍端末20と通信可能なBluetooth(登録商標)モジュール18と、ユーザによる操作に基づいて、Bluetoothモジュール18を介して地図情報を電子書籍端末20に送信する制御を行うCPU14とを備え、CPU14は、電子書籍端末20に地図情報を送信した場合に、Bluetoothモジュール18を介して、電子書籍端末20において地図情報を使用可能とするパスワードを電子書籍端末20に対してさらに送信する制御を行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置およびナビゲーション装置のコンテンツ情報転送システムに関し、特に、コンテンツ情報を記憶する記憶部を備えるナビゲーション装置およびナビゲーション装置のコンテンツ情報転送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツ情報を記憶する記憶部を備えるナビゲーション装置およびナビゲーション装置のコンテンツ情報転送システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、地図データ(コンテンツ情報)を記憶するストレージデバイス(記憶部)を備えるカーナビゲーション装置(ナビゲーション装置)が開示されている。上記特許文献1のカーナビゲーション装置は、ストレージデバイスに記憶されている地図データのバックアップ保存のために、地図データを他のストレージデバイスに複製することが可能なように構成されている。その一方で、上記特許文献1のカーナビゲーション装置では、地図データの著作権を保護するために、複製された地図データは複製元のカーナビゲーション装置のみで使用可能に処理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−304822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1によるカーナビゲーション装置(ナビゲーション装置)では、複製された地図データ(コンテンツ情報)の著作権を保護するために、複製された地図データを他の機器などで使用することができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、コンテンツ情報の著作権を保護しながら、外部機器でコンテンツ情報を使用することが可能なナビゲーション装置およびナビゲーション装置のコンテンツ情報転送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面によるナビゲーション装置は、地図情報を含むコンテンツ情報を記憶する記憶部と、表示部を有する外部機器と通信可能な通信部と、ユーザによる操作に基づいて、通信部を介してコンテンツ情報を外部機器に送信する制御を行う制御部とを備え、制御部は、外部機器にコンテンツ情報を送信した場合に、通信部を介して、外部機器においてコンテンツ情報を使用可能とする著作権保護のための情報を外部機器に対してさらに送信する制御を行うように構成されている。
【0008】
この第1の局面によるナビゲーション装置では、上記のように、外部機器にコンテンツ情報を送信した場合に、通信部を介して、外部機器においてコンテンツ情報を使用可能とする著作権保護のための情報を外部機器に対してさらに送信することによって、コンテンツ情報を使用可能とする著作権保護のための情報を使用することにより、著作権が保護されたコンテンツ情報を外部機器において使用することができる。一方、著作権保護のための情報が送信された外部機器以外の著作権保護のための情報を有しない外部機器では、コンテンツ情報を使用することができないので、コンテンツ情報の著作権を保護することができる。これらの結果、コンテンツ情報の著作権を保護しながら、外部機器でコンテンツ情報を使用することができる。
【0009】
上記第1の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、外部機器においてコンテンツ情報を使用可能とする著作権保護のための情報を生成するとともに、生成した著作権保護のための情報を外部機器に対して送信するように構成されている。このように構成すれば、制御部により著作権保護のための情報が生成されることにより、ユーザが著作権保護のための情報を設定する必要がないので、ユーザの利便性を向上させることができる。また、生成した著作権保護のための情報を外部機器に対して送信することによって、ユーザを介さずに生成した著作権保護のための情報を自動的に外部機器に対して送信することができるので、著作権保護のための情報がユーザを介して外部に漏れるのを抑制することができる。その結果、複製されたコンテンツ情報の著作権を効果的に保護することができる。
【0010】
上記第1の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、通信部は、無線通信可能な無線通信部を含み、制御部は、無線通信部を介して著作権保護のための情報を入力可能なキーボードのキーを仮想的に入力するとともに、入力した著作権保護のための情報を外部機器に送信することにより、外部機器においてコンテンツ情報を使用可能とするように構成されている。このように構成すれば、無線通信によるキーボード入力可能な外部機器を用いることにより、容易に、著作権保護のための情報を自動的に外部機器に入力することができる。
【0011】
上記第1の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、制御部は、外部機器の表示部において地図情報に対応する地図を閲覧することが可能となるように、ユーザによる操作に基づいて、通信部を介してコンテンツ情報を外部機器に送信するように構成されている。このように構成すれば、複製された地図情報の著作権を保護しながら、複製された地図情報に対応する地図を外部機器の表示部を用いて閲覧することができる。
【0012】
上記第1の局面によるナビゲーション装置において、好ましくは、著作権保護のための情報は、パスワードおよび識別情報のうちの少なくともパスワードを含む。このように構成すれば、複製されたコンテンツ情報の使用が少なくともパスワードによって制限されるので、複製されたコンテンツ情報の著作権を保護しながら、外部機器でコンテンツ情報を使用することができる。
【0013】
この発明の第2の局面によるナビゲーション装置のコンテンツ情報転送システムは、表示部と、第1通信部と、第1制御部とを含む外部機器と、地図情報を含むコンテンツ情報を記憶する記憶部と、外部機器と通信可能な第2通信部と、ユーザによる操作に基づいて、第2通信部を介してコンテンツ情報を外部機器に送信する制御を行う第2制御部とを含むナビゲーション装置とを備え、ナビゲーション装置の第2制御部は、外部機器にコンテンツ情報を送信した場合に、第2通信部を介して、外部機器においてコンテンツ情報を使用可能とする著作権保護のための情報を外部機器に対してさらに送信する制御を行うように構成されており、外部機器の第1制御部は、ナビゲーション装置からコンテンツ情報および著作権保護のための情報を受信した場合に、受信したコンテンツ情報に対応する表示を行うように構成されている。
【0014】
この第2の局面によるナビゲーション装置のコンテンツ情報転送システムでは、上記のように、ナビゲーション装置を、外部機器にコンテンツ情報を送信した場合に、第2通信部を介して、外部機器においてコンテンツ情報を使用可能とする著作権保護のための情報を外部機器に対してさらに送信するように構成することによって、コンテンツ情報を使用可能とする著作権保護のための情報を使用することにより、著作権が保護されたコンテンツ情報を外部機器において使用することができる。一方、著作権保護のための情報が送信された外部機器以外の著作権保護のための情報を有しない外部機器では、コンテンツ情報が使用できないので、コンテンツ情報の著作権を保護することができる。これらの結果、コンテンツ情報の著作権を保護しながら、外部機器でコンテンツ情報を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態によるコンテンツ情報転送システムの全体構成を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるコンテンツ情報転送システムの内部構成を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるコンテンツ情報転送システムの地図情報の転送および地図情報のPDFファイルのオープン処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態によるナビゲーション装置10を備えるコンテンツ情報転送システム1の構成について説明する。
【0018】
図1および図2に示すように、本発明の一実施形態によるコンテンツ情報転送システム1は、自動車のダッシュボード2(図1参照)に収納された外部に持ち出し不可能な据え置き型のナビゲーション装置10と、ユーザにより持ち運び可能な電子書籍端末20とにより構成されている。なお、電子書籍端末20は、本発明の「外部機器」の一例である。
【0019】
ナビゲーション装置10は、ナビゲーション装置本体11(図1参照)と、ナビゲーション装置本体11の正面に設けられた表示部12と、表示部12がタッチされることにより操作可能なタッチパネル操作部13とを備えている。また、図2に示すように、ナビゲーション装置10は、さらに、ナビゲーション装置10の制御を司るCPU14と、地図情報(コンテンツ情報)および地図情報の著作権を保護する著作権保護データを記憶するフラッシュメモリ15と、RAM16と、GPS(Global Positioning System)通信部17と、予めペアリング設定を行っている機器(たとえば、電子書籍端末20)と無線通信を行うことが可能なBluetooth(登録商標)モジュール18とを備えている。なお、CPU14は、本発明の「制御部」および「第2制御部」の一例であり、フラッシュメモリ15は、本発明の「記憶部」の一例である。また、Bluetoothモジュール18は、本発明の「通信部」、「無線通信部」および「第2通信部」の一例である。
【0020】
ナビゲーション装置10の表示部12は、CPU14による制御に基づいて、フラッシュメモリ15に記憶されている地図情報に対応する地図12aおよび操作画面(図示せず)などを表示するように構成されている。また、タッチパネル操作部13は、表示部12に表示された操作画面(図示せず)にしたがってタッチ操作可能に構成されている。また、GPS通信部17は、複数のGPS衛星(図示せず)からの発信電波を受信するとともに、受信した電波に基づいてナビゲーション装置10の位置を演算する機能を有する。
【0021】
ここで、本実施形態では、CPU14は、ユーザがタッチパネル操作部13を操作することに基づいて、Bluetoothモジュール18を介して地図情報の一部を電子書籍端末20に送信する制御を行うように構成されている。具体的には、CPU14は、表示部12に表示されている地図12aに対応する地図情報と略同一の範囲の地図情報をPDFファイル形式として生成するように構成されている。この場合、生成されたPDFファイルは、生成されたPDFファイルの著作権を保護するために、PDFファイルを生成する際にパスワード設定を行う。なお、パスワードは、本発明の「著作権保護のための情報」の一例である。
【0022】
また、本実施形態では、CPU14は、PDFファイルに対して一意的に定まるパスワードを生成することにより、PDFファイルのパスワード設定を行うことが可能なように構成されている。また、CPU14は、生成したパスワードを用いることにより生成したPDFファイルのパスワードを設定して、PDFファイルを一時的に保存するように構成されている。これにより、次回にPDFファイルを開く場合には、PDFファイルに設定されたパスワードを入力しなければ、PDFファイルを開くことができなくなる。また、地図情報のPDFファイルが開かれる際には、パスワード入力要求が行われる。
【0023】
また、CPU14は、Bluetoothモジュール18を介して、生成した地図情報のPDFファイルを電子書籍端末20に送信するように構成されている。また、CPU14は、Bluetoothモジュール18を介して、上記地図情報のPDFファイルを電子書籍端末20に送信した場合に、電子書籍端末20において地図情報のPDFファイルを使用可能とするパスワードを電子書籍端末20に対してさらに送信する制御を行うように構成されている。
【0024】
また、本実施形態では、CPU14は、パスワードに対応するキーボードのキーを仮想的に入力することにより、Bluetoothモジュール18を介して、電子書籍端末20にパスワードを送信するように構成されている。これにより、電子書籍端末20において、地図情報のPDFファイルを開く際のパスワード入力要求に応じて仮想的なキーボードを用いてパスワードを入力することが可能となる。
【0025】
また、電子書籍端末20は、電子書籍端末本体21(図1参照)と、電子書籍端末本体21の正面に設けられた表示部22と、表示部22がタッチされることにより操作可能なタッチパネル操作部23とを備えている。また、図2に示すように、電子書籍端末20は、さらに、電子書籍端末20の制御を司るCPU24と、ナビゲーション装置10から送信された地図情報のPDFファイルを記憶するフラッシュメモリ25と、RAM26と、予めペアリング設定を行っているナビゲーション装置10のBluetoothモジュール18と無線通信を行うことが可能なBluetoothモジュール27とを備えている。なお、CPU24は、本発明の「第1制御部」の一例であり、Bluetoothモジュール27は、本発明の「第1通信部」の一例である。
【0026】
電子書籍端末20の表示部22は、CPU24による制御に基づいて、フラッシュメモリ25に記憶されている地図情報のPDFファイルに対応する地図22aおよび操作画面(図示せず)などを表示するように構成されている。また、タッチパネル操作部23は、表示部22に表示された操作画面(図示せず)にしたがってタッチ操作可能に構成されている。
【0027】
ここで、本実施形態では、電子書籍端末20のCPU24は、ナビゲーション装置10から地図情報(コンテンツ情報)のPDFファイルおよびパスワードを受信した場合に、受信したナビゲーション装置10の地図情報に対応する地図12aを電子書籍端末20でも閲覧可能となるように、地図12aと略同一の範囲の地図22aの表示を表示部22に行うように制御するように構成されている。具体的には、CPU24は、ナビゲーション装置10から地図情報のPDFファイルおよびパスワードを受信した場合に、地図情報のPDFファイルを受信した旨を表示部22に表示することにより、ユーザに対して地図情報のPDFファイルを受信した旨を通知する制御を行うように構成されている。そして、CPU24は、ユーザによる操作に基づいて地図情報のPDFファイルを開く操作がされた場合に、ナビゲーション装置10から受信した地図情報のPDFファイルを開く際のパスワードを入力する制御を行うように構成されている。これにより、ユーザが手動でパスワードを入力することによりパスワード入力要求に応じるのではなく、自動的にパスワード入力要求に応じてパスワードを入力する制御が行われるとともに、地図情報のファイルを開くことが可能となる。
【0028】
次に、図1〜図3を参照して、本実施形態によるコンテンツ情報転送システム1の地図情報の転送および地図情報のPDFファイルを開く処理について説明する。
【0029】
まず、ナビゲーション装置10と電子書籍端末20とが通信可能な状態にユーザによりセットされた状態で、図3に示すように、ステップS1において、ナビゲーション装置10のCPU14(図2参照)により、タッチパネル操作部13がユーザにより操作されることに基づいて、表示部12に表示されている地図情報に対応する地図12aと略同一の範囲の地図情報を電子書籍端末20に送信する操作が行われたか否かが判断される。そして、ステップS1において、地図情報を電子書籍端末20に送信する操作が行われたと判断された場合には、ステップS2に進む。なお、地図情報を電子書籍端末20に送信する操作が行われたと判断されるまで、ステップS1の動作は繰り返される。
【0030】
その後、ステップS2において、表示部12に表示されている地図12aと略同一の範囲の地図情報のPDFファイルおよびPDFファイルに対して一意的に定まるパスワードが生成される。この場合、PDFファイルは、生成されたパスワードが用いられることにより、パスワード設定された状態で一時的に保存される。これにより、この地図情報のPDFファイルは、生成されたパスワードを入力しなければ開くことができない。
【0031】
その後、ステップS3において、ナビゲーション装置10のCPU14により、パスワード設定された地図情報のPDFファイルが、Bluetoothモジュール27と予めペアリング設定されている電子書籍端末20のBluetoothモジュール18に送信される。なお、地図情報のPDFファイルは、Bluetoothプロファイルのうち、名刺データなどの交換を行うためのOPP(Object Push Profile)によって送信される。そして、ステップS4において、ナビゲーション装置10のCPU14は、電子書籍端末20側でPDFファイルが開かれるのを待つために、約1秒間待機する。
【0032】
そして、電子書籍端末20では、ナビゲーション装置10から地図情報のPDFファイルが送信されることにより、ステップS11において、電子書籍端末20のCPU24により、Bluetoothモジュール27を介して地図情報のPDFファイルが受信される。そして、ステップS12において、電子書籍端末20のCPU24により、受信したPDFファイルを開く操作が完了したか否かが判断される。具体的には、ステップS12において、ユーザによる受信した地図情報のPDFファイルを開くための操作が行われたか否かが判断される。そして、受信したPDFファイルを開く操作が完了したと判断された場合には、ステップS13に進む。なお、受信したPDFファイルを開く操作が完了したと判断されるまで、ステップS12の動作は繰り返される。
【0033】
一方、ナビゲーション装置10では、ステップS5において、ナビゲーション装置10のCPU14により、パスワードの送信操作が行われたか否かが判断される。つまり、ステップS5において、表示部12の図示しない操作画面により、生成されたパスワードを電子書籍端末20に対して送信する操作がユーザにより行われたか否かが判断される。そして、ステップS5において、パスワードの送信操作が行われたと判断された場合には、ステップS6に進む。なお、パスワードの送信操作が行われたと判断されるまで、ステップS5の動作は繰り返される。その後、ステップS6において、ナビゲーション装置10のCPU14により、生成したパスワードが、Bluetoothモジュール27と予めペアリング設定されている電子書籍端末20のBluetoothモジュール18に送信される。なお、パスワードは、Bluetoothプロファイルのうち、マウスやキーボードなどの入力装置を無線化するためのHID(Human Interface Device)プロファイルによって送信され、ナビゲーション装置10のCPU14の処理が終了する。
【0034】
そして、電子書籍端末20では、ステップS13において、電子書籍端末20のCPU24により、Bluetoothモジュール27を介してパスワードが受信される。これにより、電子書籍20において地図情報のPDFファイルを開く際のパスワード入力要求に応じたパスワードが入力される。また、パスワードは、マウスやキーボードなどの入力装置を無線化するためのHID(Human Interface Device)プロファイルによって受信されるため、あたかも、電子書籍端末20に接続されたBluetoothキーボードにより入力されたかのようにパスワードが自動的に入力される。
【0035】
そして、ステップS14において、電子書籍端末20のCPU24により、入力されたパスワードが地図情報のPDFファイルを開く際の設定されたパスワードと一致するか否かが判断される。そして、ステップS14において、入力されたパスワードが地図情報のPDFファイルを開く際の設定されたパスワードと一致したと判断された場合には、ステップS15に進む。そして、ステップS15において、地図情報のPDFファイルが開かれ、地図22a(図1参照)が表示部22に表示される。
【0036】
また、ステップS14において、Blootoothの通信エラーなどにより、入力されたパスワードが地図情報のPDFファイルを開く際の設定されたパスワードと一致しなかったと判断された場合には、ステップS16に進む。そして、ステップS16において、地図情報のPDFファイルが開かれずに、処理が終了する。
【0037】
本実施形態では、上記のように、電子書籍端末20に地図情報(コンテンツ情報)を送信した場合に、通信部を介して、電子書籍端末20において地図情報を使用可能とするパスワード(著作権保護のための情報)を電子書籍端末20に対してさらに送信することによって、地図情報を使用可能とするパスワードを使用することにより、著作権が保護された地図情報を電子書籍端末20において使用することができる。一方、パスワードが送信された電子書籍端末20以外のパスワードを有しない電子書籍端末では、地図情報が使用できないので、地図情報の著作権を保護することができる。これらの結果、地図情報の著作権を保護しながら、電子書籍端末20で地図情報を使用することができる。
【0038】
また、本実施形態では、上記のように、電子書籍端末20において地図情報を使用可能とするパスワード(著作権保護のための情報)を生成することによって、ユーザがパスワードを設定する必要がないので、ユーザの利便性を向上させることができる。また、生成したパスワードを電子書籍端末20に対して送信することによって、ユーザを介さずに生成したパスワードを自動的に電子書籍端末20に対して送信することができるので、パスワードがユーザを介して外部に漏れるのを抑制することができる。その結果、複製された地図情報の著作権を効果的に保護することができる。
【0039】
また、本実施形態では、上記のように、Bluetoothモジュール18を介してパスワードを入力可能なキーボードのキーを仮想的に入力するとともに、入力したパスワードを電子書籍端末20に送信することにより、電子書籍端末20において地図情報を使用可能とすることによって、Bluetooth通信(HIDプロファイルによる通信)によるキーボード入力可能な電子書籍端末20を用いることにより、容易に、パスワード自動的にを電子書籍端末20に入力することができる。
【0040】
また、本実施形態では、上記のように、電子書籍端末20の表示部22において地図情報に対応する地図22aを閲覧することが可能となるように、ユーザによる操作に基づいて、Bluetoothモジュール18を介して地図情報を電子書籍端末20に送信することによって、複製された地図情報の著作権を保護しながら、複製された地図情報に対応する地図22aを電子書籍端末20の表示部22を用いて閲覧することができる。
【0041】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0042】
たとえば、上記実施形態では、本発明の著作権保護のための情報としてパスワードのみを用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明の著作権保護のための情報として生成したPDFファイルに対して一意的に定まるパスワードに加えて、生成したPDFファイルに対して一意的に定まるユーザID(識別情報)を用いるようにしてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、本発明の外部機器の一例として電子書籍端末を適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ユーザにより持ち運び可能な表示部を有する外部機器であればよい。たとえば、携帯性を有する表示部を有する情報処理端末などの、電子書籍端末以外の外部機器に本発明を適用してもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、本発明の著作権を保護するコンテンツ情報の一例として地図情報を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、目的地の電話番号など、地図情報以外の情報を本発明のコンテンツ情報として適用してもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、本発明の通信部および第2通信部の一例としてBluetoothモジュールを用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。外部機器と通信可能であれば、たとえば、Zigbeeなど、Bluetooth以外の無線通信部を用いてもよいし、たとえば、USBインターフェースおよびIEEE1394インターフェースなどの有線通信部を用いてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、PDFファイルを電子書籍端末に送信する処理とパスワードを電子書籍端末に送信する処理とを別々のステップで処理する例について示したが、本発明はこれに限られない。PDFファイルを電子書籍端末に送信する際に、PDFファイルにパスワードを埋め込むことにより、双方を同時に送信するようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、ナビゲーション装置の表示部に表示した地図の一部と略同一の範囲の地図情報を電子書籍端末に送信する例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ナビゲーション装置の表示部に表示した地図の一部ではなく、ナビゲーション装置の表示部に表示していない地図の一部を電子書籍端末に送信してもよいし、ナビゲーション装置のフラッシュメモリに記憶されている地図情報全体を電子書籍端末に送信してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 コンテンツ情報転送システム(ナビゲーション装置のコンテンツ情報転送システム)
10 ナビゲーション装置
14 CPU(制御部、第2制御部)
15 フラッシュメモリ(記憶部)
18 Bluetoothモジュール(通信部、無線通信部、第2通信部)
20 電子書籍端末(外部機器)
22 表示部
24 CPU(第1制御部)
27 Bluetoothモジュール(第1通信部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を含むコンテンツ情報を記憶する記憶部と、
表示部を有する外部機器と通信可能な通信部と、
ユーザによる操作に基づいて、前記通信部を介して前記コンテンツ情報を前記外部機器に送信する制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記外部機器に前記コンテンツ情報を送信した場合に、前記通信部を介して、前記外部機器において前記コンテンツ情報を使用可能とする著作権保護のための情報を前記外部機器に対してさらに送信する制御を行うように構成されている、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記外部機器において前記コンテンツ情報を使用可能とする前記著作権保護のための情報を生成するとともに、生成した前記著作権保護のための情報を前記外部機器に対して送信するように構成されている、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記通信部は、無線通信可能な無線通信部を含み、
前記制御部は、前記無線通信部を介して前記著作権保護のための情報を入力可能なキーボードのキーを仮想的に入力するとともに、入力した前記著作権保護のための情報を前記外部機器に送信することにより、前記外部機器において前記コンテンツ情報を使用可能とするように構成されている、請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記外部機器の表示部において前記地図情報に対応する地図を閲覧することが可能となるように、ユーザによる操作に基づいて、前記通信部を介して前記コンテンツ情報を前記外部機器に送信するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記著作権保護のための情報は、パスワードおよび識別情報のうちの少なくともパスワードを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
表示部と、第1通信部と、第1制御部とを含む外部機器と、
地図情報を含むコンテンツ情報を記憶する記憶部と、前記外部機器と通信可能な第2通信部と、ユーザによる操作に基づいて、前記第2通信部を介して前記コンテンツ情報を前記外部機器に送信する制御を行う第2制御部とを含むナビゲーション装置とを備え、
前記ナビゲーション装置の第2制御部は、前記外部機器に前記コンテンツ情報を送信した場合に、前記第2通信部を介して、前記外部機器において前記コンテンツ情報を使用可能とする著作権保護のための情報を前記外部機器に対してさらに送信する制御を行うように構成されており、
前記外部機器の第1制御部は、前記ナビゲーション装置から前記コンテンツ情報および前記著作権保護のための情報を受信した場合に、受信した前記コンテンツ情報に対応する表示を行うように構成されている、ナビゲーション装置のコンテンツ情報転送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−93136(P2012−93136A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238978(P2010−238978)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】