説明

ナビゲーション装置

【課題】周辺の施設情報に含まれる方位誤差情報や過去に通過した際の方位誤差情報に基づいて、正確な方位を認識することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【解決手段】現在位置と移動速度と方位を取得しGPS情報検出手段と、前記GPS情報検出手段で検出された現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段の探索結果に基づいて経路案内する経路案内手段と、現在位置における外乱磁界を検出する地磁気センサと、施設情報と共に外乱磁界の情報が地図データと共に保存された記憶手段と、前記GPS情報検出手段で検出された方位に対して前記地磁気センサで検出された外乱磁界と前記記憶手段に保存された前記外乱磁界の情報を用いて正確な方位を算出する方位算出手段と、前記方位算出手段で算出された方位を用いて前記GPS情報検出手段で検出された方位を補正する方位補正手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、現在位置における正しい方位表示及び正しい経路案内を行うことができるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、歩行者用経路探索や車用経路探索を行うことができるナビゲーション装置が普及している。これらにおいて、地磁気センサを搭載し、現在の方位を地図の画面に表示することができるように構成されているものがある。
【0003】
このようなナビゲーション装置は、地磁気センサの検出値が所定の異常状態になってから、該所定の異常状態が所定時間続いた場合、上記方位の情報を補正し、補正情報を表示するナビゲーション装置が開示されている。(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−92666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のナビゲーション装置は、地磁気センサが周囲の鉄道や金属を多く含有する建造物により外乱磁界の影響を受けた際に、ある一定上の大きな外乱磁界が加わらない限り、地磁気センサの検出値の異常状態を検知できず、正しい方位を出力できなかった。よって、使用者は、ナビゲーションを使用する位置や条件によって正確な方位を認識することができず正しく方位表示及び経路案内することができないという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、これらの問題を解決するものであり、周辺の施設情報に含まれる方位誤差情報や過去に通過した際の方位誤差情報に基づいて、正確な方位を認識することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナビゲーション装置は、現在位置と移動速度と方位を取得しGPS情報検出手段と、前記GPS情報検出手段で検出された現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段の探索結果に基づいて経路案内する経路案内手段と、現在位置における外乱磁界を検出する地磁気センサと、 施設情報と共に外乱磁界の情報が地図データと共に保存された記憶手段と、前記GPS情報検出手段で検出された方位に対して前記地磁気センサで検出された外乱磁界と前記記憶手段に保存された前記外乱磁界の情報を用いて正確な方位を算出する方位算出手段と、前記方位算出手段で算出された方位を用いて前記GPS情報検出手段で検出された方位を補正する方位補正手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ナビゲーションのGPSの測位情報、経路情報による地図との整合性情報、地図による周辺の施設情報、過去に通過した際の方位誤差情報記憶手段に記憶された方位誤差により方位を補正して正確な方位を決定することによって、使用者は正しい方位情報表示及び正しい経路案内を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図2】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフロー図
【図3】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の方位誤差取得に関する処理を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明の第1の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように第1の実施の形態における本発明のナビゲーション装置1は、制御部2と、GPS情報検出部3と、地磁気センサ4と、ROM5と、記憶部6と、RAM7と、表示部8と、音声出力制御部9と、音声出力部10と、入力部11と、バスライン12とを備えて構成されている。
【0011】
制御部2は、ナビゲーション装置1を構成する各部の動作を制御することができると共にナビゲーション部2a、GPS情報取得部2b、誤差補正計算部2c、誤差情報制御部2d、誤差補正管理部2eを備えて構成されている。
なおここで、ナビゲーション部2aは、現在位置又は任意の地点から目的地までの経路を探索することができるように構成されている。
また、GPS情報取得部2bは、GPS情報検出部3から現在位置と移動速度と方位を取得し、高速に移動している条件下で誤差の影響が少ない方位情報を取得することができるように構成されている。
誤差補正計算部2cは、GPS情報取得部2bと地磁気センサ4で取得された方位情報を用いて、方位誤差を計算させることができるように構成されている。GPS情報取得部2bで得られる方位情報は、高速に移動している条件下で真の値とし、地磁気センサ4で得られる方位情報からGPS情報取得部2bで得られる方位情報の差により、方位誤差を計算する。なお、誤差補正計算部2cにおいて地磁気センサ4で検出した地磁気に外乱磁界による影響があったとしても、現在のGPS情報の方位情報又は過去の方位の誤差情報から外乱磁界の影響を考慮して正しい方位に補正することができるように構成されている。
誤差情報制御部2dは、位置情報に対応した方位の誤差情報を記憶部6に記憶することができるように構成されている。
また、誤差補正管理部2eは、誤差補正の判定及び誤差情報の登録と更新を管理できるように構成されている。なお誤差補正の判定に関しては、過去の誤差補正の値と現在の誤差補正の値の差分から誤差補正の判定を行うことができるように構成されている。
【0012】
GPS情報検出部3は、GPS受信部及び自立航法ユニットを備えて構成されており、GPSは、GPS(Global Positioning System)に代表される測位システムに収容される人工衛星からの電波を受信して、移動体の現在位置を示す位置情報と移動速度と方位を出力することができるように構成されている。
【0013】
地磁気センサ4は、現在位置における地磁気を検出して測定することができ、バスライン12を介して制御部2の誤差補正計算部2cに伝達するように構成されている。
【0014】
ROM5は、本発明のナビゲーション装置1の動作を規定するコンピュータプログラムが保存されている。
【0015】
記憶部6は、一般的にはHDD(ハードディスクドライブ)に代表される記録媒体であり、この記憶媒体にはナビゲーションに必要な地図データが記録されており、必要な地図データを読み出してRAM7に転送することができるように構成されている。なお、HD
D以外の他の記憶媒体としては、CD−ROM、DVD−ROM、メモリーカード等が挙げられる。また、誤差情報制御部2dの制御に基づいて誤差補正計算部2cで計算された誤差補正値を位置情報に対応させて記憶させることができるように構成されている。さらに、地図データには、緯度経度に対応した地磁気センサ4に影響を与える施設情報も登録されている。
【0016】
RAM7は、本発明のナビゲーション装置1の構成各部から転送されてくる情報を格納することができると共に必要に応じて情報を消去することができるように構成されている。
【0017】
表示部8は、ナビゲーション装置1における地図や経路や方位を表示することができるように構成されており、具体的には液晶ディスプレイなどで構成されている。なお、表示部8は入力部11と一体とし、表示部8に表示された情報や項目をタッチパネルで選択して入力を行うタッチパネル式表示部として構成することができる。
【0018】
音声出力制御部9は、音声出力部10への音や音声出力を制御することができるように構成されており、経路案内時における案内音声やナビゲーション装置1に搭載されているオーディオ機能からの出力を音声出力部10で出力する際に調整することができるように構成されている。音声出力部10は、スピーカから構成されており音声出力制御部9からの音や音声を出力できるように構成されている。
【0019】
入力部11は、例えばタッチパネルやリモートコントローラのように、ナビゲーション装置1に対して使用者による操作やデータ入力のために使うことができるように構成されている。
【0020】
バスライン12は、本発明のナビゲーション装置1を構成する各部を通信可能に接続することができるように構成されている。
【0021】
次にこのように構成されたナビゲーション装置1の動作について図面を用いて詳細に説明する。図2は、第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフロー図である。図3は、方位誤差取得に関する処理を示すフロー図である。
【0022】
本発明のナビゲーション装置1は、図2に示すように、まず、GPS情報検出部3を用いてGPS情報を取得し(S1)、取得したGPS情報から方位情報を取得する(S2)。取得したGPS情報に対応した地磁気センサ4に影響を与えると思われる周辺施設情報を記憶部6から取得する(S3)。次に、誤差情報制御部2dは、GPS情報検出部3で検出された位置情報に対する過去方位誤差を記憶部6から取得を行い(S4)、記憶部6に現在位置に対応した場所における過去方位誤差が記憶部6に記憶されているか否かを判断する(S5)。S5において過去方位誤差が記憶部6に記憶されていると判断されると(S5、YES)、現在の方位誤差を誤差補正計算部2cで計算された誤差補正を用いて方位誤差を取得する(S6)。なお、方位誤差の取得に関しては、別途詳細に説明する。S6において方位誤差を取得できたか否かを誤差情報制御部2dで判断し(S7)、誤差取得が成功したと判断されると(S7、YES)、記憶部6に記録されている方位誤差を更新する(S16)。S7において方位誤差を取得できなかったと場合には(S7、NO)、補正を適用するか否かを誤差補正管理部2eで判定する(S9)。S9において補正を適用すると判定されると(S8、YES)、過去方位誤差を使用して誤差を補正し、方位判定を完了する。S9において補正を適用しないと判断すると(S8、NO)、方位補正無しとして処理を行う(S9)。
【0023】
また、S5において記憶部6にGPS情報検出部3で検出された現在位置に対応した場
所における過去方位誤差が記憶されていないと判断されると(S5、NO)、現在の方位誤差を取得する(S10)。S10において方位誤差が取得できたか否かを誤差補正管理部2eで判断する(S11)。S11で方位誤差を取得できたと判断すると(S11、YES)、方位誤差を位置情報に関連つけて記憶部6に登録する(S12)。また、S11で方位誤差を取得できなかったと誤差補正管理部2eで判断すると(S11、NO)、方位補正無しとして処理を行う(S13)。
【0024】
ここで、方位誤差を取得する処理について図3のフロー図を用いて詳細に説明する。図3は、第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の方位誤差取得に関する処理を示すフロー図である。
図3に示すように、本発明のナビゲーション装置1における方位誤差を取得する処理は、GPS情報検出部3で検出された現在位置に対応した場所における過去方位誤差が記憶部6に記憶されているか否かを判断したあと(S5)、GPS受信中であるか否かを誤差情報制御部2dで判断し(S6a(S10a))、S6a(S10a)でGPS受信中であると判断されると(S6a(S10a)、YES)、車速50km以上であるか否かをGPS情報の移動速度で判断する(S6b(S10b))。S6b(S10b)で車速が50km以上であると判断されると(S6b(S10b)、YES)、誤差補正管理部2eは、ナビゲーション部2aを介して、ナビゲーション装置周辺に外乱施設があるか否かをGPSで取得した現在位置情報を用いて地図データから検索する(S6c(S10c))。S6c(S10c)で外乱施設があると判断されると(S6c(S11c)、YES)、方位誤差を算出して(S6d(S11d))方位誤差を取得する。なお、このとき、方位誤差は、GPS情報取得部2bにより得られる方位情報が、ナビゲーション装置が高速に移動している条件下で誤差の影響が少ない方位情報を取得することができるように構成されており、誤差補正計算部2cは、GPS情報取得部2bと地磁気センサ4で取得された方位情報を用いて、方位誤差を計算させることができるように構成されている。GPS情報取得部2bで得られる方位情報は、高速に移動している条件下で真の値とし、地磁気センサ4で得られる方位情報からGPS情報取得部2bで得られる方位情報の差により、方位誤差を計算する。
【0025】
次に、S6d(S11d)で算出された方位誤差は適正誤差範囲なのか否かを誤差補正管理部2eで判断する(S6e(S10e))。S6e(S10e)で適正誤差範囲であると誤差補正管理部2eで判断されると方位誤差取得成功として処理を行い(S6f(S10f))、また、S6e(S10e)で適正誤差範囲ではないと誤差補正管理部2eで判断されると方位誤差取得失敗として処理を行う(S6g(S10g))。この処理後S7又はS11に進み処理を進めていく。なお、ことのとき、地磁センサより得られた方位の誤差範囲より大きいとき適正誤差範囲と判断し、地磁センサより得られた方位の誤差範囲より小さいとき適正誤差範囲でないと判断する。
【0026】
このように構成された本発明のナビゲーション装置によればナビゲーション装置のGPSの測位情報、経路情報による地図との整合性情報、地図による周辺の施設情報、過去に通過した際の方位誤差情報記憶手段に記憶された方位誤差により、方位を補正して正確な方位を決定することによって、使用者は正しい方位情報表示及び正しい経路案内を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明に係るナビゲーション装置は、ナビゲーションのGPSの測位情報、経路情報による地図との整合性情報、地図による周辺の施設情報、過去に通過した際の方位誤差情報記憶手段に記憶された方位誤差により、方位を補正して正確な方位を決定することによって、正しい方位表示及び正しい経路案内を行う事ができるナビゲーション装置に有用である。
【符号の説明】
【0028】
1 ナビゲーション装置
2 制御部
2a ナビゲーション部
2b GPS情報取得部
2c 誤差補正計算部
2d 誤差情報制御部
2e 誤差補正管理部
3 GPS情報検出部
4 地磁気センサ
5 ROM
6 記憶部
7 RAM
8 表示部
9 音声出力制御部
10 音声出力部
11 入力部
12 バスライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置と移動速度と方位を取得しGPS情報検出手段と、
前記GPS情報検出手段で検出された現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段の探索結果に基づいて経路案内する経路案内手段と、
現在位置における外乱磁界を検出する地磁気センサと、
施設情報と共に外乱磁界の情報が地図データと共に保存された記憶手段と、
前記GPS情報検出手段で検出された方位に対して前記地磁気センサで検出された外乱磁界と前記記憶手段に保存された前記外乱磁界の情報を用いて正確な方位を算出する方位算出手段と、前記方位算出手段で算出された方位を用いて前記GPS情報検出手段で検出された方位を補正する方位補正手段を備えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−202889(P2012−202889A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69211(P2011−69211)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】