説明

ニトロカテコールの投与計画

本発明は、置換基が明細書に定義されるとおりである式Iの化合物の新規投与計画に関する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の投与計画に従う、中枢および末梢神経系障害の治療における新規置換ニトロカテコールおよびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
L−DOPA/芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤(AADCi)治療の補助剤としてのCOMT阻害剤の使用についての理論的根拠は、L−DOPAの、3−O−メチル−L−DOPA(3−OMD)への代謝的O−メチル化を低減するその能力に基づいている。L−DOPAによって誘導される臨床的改善の期間は、L−DOPAの短いin vivo半減期の結果として短く、これは3−OMDの長い半減期とは対照を成す。さらに、3−OMDは、血液脳関門(BBB)を越える輸送についてL−DOPAと競合し、これは、L−DOPAの経口投与された用量のうち極めて限定された量しか、作用部位、すなわち、脳に実際には到達しないことを意味する。一般に、通常の投薬計画を用いる場合、L−DOPA治療の開始のわずか2、3年以内に、L−DOPAによって誘導される臨床的改善が、各用量周期の最後に低下し、運動変動のいわゆる「ウエアリング−オフ」パターンを引き起こす。「ウエアリング−オフ」現象と3−OMDの蓄積の間の密接な関係は記載されている(非特許文献1)。これは、3−OMDとの、BBBを越える輸送系についての競合によるL−DOPAの脳浸透の低下に起因するものであり得ると推測されている(非特許文献2)またはより簡単に、脳に達するために利用可能な、より少ないL−DOPAしかないと推測されている(非特許文献3)。実際には、COMT阻害は、L−DOPAを、末梢におけるO−メチル化代謝的分解から保護し、その結果、L−DOPAの反復用量を用いると、平均血漿L−DOPA濃度が上がる。脳への輸送についての競合の減少に加え、L−DOPAの経口投与された用量のかなり大きなパーセンテージが作用部位に到達できる。したがって、COMT阻害は、L−DOPAのバイオアベイラビリティを増大するよう働き、L−DOPAの単回用量を用いる抗パーキンソン病作用の期間が延長される(非特許文献4)。
【0003】
これまでに報告された最も強力なCOMT阻害剤として、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチル−5−ニトロベンゾフェノン(トルカポン、特許文献1)および(E)−2−シアノ−N,N−ジエチル−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アクリルアミド(エンタカポン、特許文献2)がある。
【0004】
トルカポンは、エンタカポンとは、本質的に同一のファルマコフォアを共有するが、中枢神経系(CNS)に容易に入り、脳のCOMTならびに末梢のCOMTを阻害できる点で異なる。トルカポンは、その発売の直後に、致命的な劇症肝炎からの3人の不運な死亡を含めたいくつかの肝毒性の症例が報告された後に市場から回収された。今日、トルカポンは、その他の治療に対して反応しないパーキンソン病患者においてのみ、また、肝臓機能の定期的なモニタリングを伴う場合にのみ使用でき、これは高価であり、患者にとって不都合である。トルカポンと関連する肝臓毒性の実際の機構的原因は完全には理解されていないが、in vitro研究によって、トルカポンは、反応性中間体に代謝的に還元され得ると示されており、これらが肝臓タンパク質と共有結合付加体を形成し、肝細胞障害につながり得ると推定されている(非特許文献5)。
【0005】
他方、エンタカポンは、トルカポンと同一のニトロカテコールファルマコフォアを共有するが、肝臓毒性とは関連しておらず、通常、安全な薬物と見なされる。しかし、残念ながら、エンタカポンは、トルカポンよりも相当に弱いCOMT阻害剤であり、かなり短いin−vivo半減期を有する。これは、エンタカポンは、極めて限定された作用期間しか有さず、結果として、薬物は、患者によって服用されるL−DOPAのすべての用量とともに極めて高用量で投与されなければならないということを意味する。そのようなものとして、エンタカポンの臨床の有効性は疑問視されており、実際、最近の研究(非特許文献6)は、パーキンソン病患者におけるエンタカポン治療の中止の主な理由は、有効性が十分でないという認識であるとを示した。
【0006】
さらに、既知COMT阻害剤の比較的短いin−vivo半減期は、通常、1日に何回かの用量の投与を含む連続治療計画を必要とし、これは、多数の患者が厄介であると感じる。例えば、トルカポンは、1日に3回投与されなければならない。したがって、この因子は、患者のコンプライアンスおよび生活の質を干渉し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】オーストラリア特許AU−B−69764/87
【特許文献2】ドイツ特許DE3740383 A1
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Tohgi,H.ら,Neurosci.Letters,132:19〜22頁,1992年
【非特許文献2】Reches,A.ら、Neurology,32:887〜888頁,1982年
【非特許文献3】Nutt,J.G.,Fellman,J.H.,Clin.Neuropharmacol.,7:35〜49頁,1984年
【非特許文献4】Nutt,J.G.,Lancet,351:1221〜1222頁,1998年
【非特許文献5】Smith,K.S.ら,Chem.Res.Toxicol.,16:123〜128頁,2003年
【非特許文献6】Parashos,S.A.ら,Clin.Neuropharmacol.,27(3):119〜123頁,2004年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、生物活性、バイオアベイラビリティおよび安全性のバランスの取れた特性を示すCOMT阻害剤は、依然、必要である。特に、長いin−vivo半減期、ひいては、より少ない投与量が所望の治療効果を得ることができるようにするCOMTに対する長期作用を有するCOMT阻害剤が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、ここで、驚くべきことに、一般式Iの化合物が、比較的短い半減期を有するにもかかわらず、先行技術におけるCOMT阻害剤と比較して並外れて長い作用期間に恵まれた極めて強力なCOMT阻害剤であるということを見い出した。
【0011】
一般式Iの化合物はまた、L−DOPAのバイオアベイラビリティを著しく増強し、脳へのL−DOPAの送達を増大させる。これらの化合物は、長期間にわたって、脳中のドーパミンのレベルを大幅に増加させる。
【0012】
さらにより驚くべきことに、L−DOPAのレベルの増大が、長期間にわたって安定して維持される。一般式Iの化合物の投与後の、COMT活性およびL−DOPAバイオアベイラビリティ両方に対するこれらの持続効果は、トルカポン、かなり長期間の作用に恵まれているとこれまでに知られている唯一のCOMT阻害剤を用いて観察されたものよりも著しく大きい。(トルカポンは、約2時間の終末半減期を有し、1日に約3回投与されなければならない。)さらに、一般式Iの化合物は、長期間にわたって脳へのL−DOPA送達の安定した増大をもたらし、これは、L−DOPAの脳送達において著しい周期的変動を誘発する傾向があるトルカポンを用いて観察されるものと対照を成す。したがって、一般式Iの化合物は、L−DOPAレベルの持続した一定の上昇による治療上の利点に恵まれている可能性がより高く、一方で、トルカポンの使用は、L−DOPAレベルの急激な増大および減少によるジスキネジアなどの望ましくない副作用を誘発する可能性が高い。
【0013】
一般式Iの化合物は、以下の式
【0014】
【化1】

[式中、RおよびRは、同一または異なっており、水素、生理的条件下で加水分解性の基または置換されていてもよいアルカノイルもしくはアロイルを示し;Xは、メチレン基を示し;Yは、O、SまたはNHを表し;nは、0、1、2または3を表し;mは、0または1を表し;Rは、印のない結合によって示されるように結合している、式A、BまたはCに従うピリジンN−オキシド基を示し、
【0015】
【化2】

ここで、R、R、RおよびRは、同一または異なっており、水素、アルキル、チオアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、チオアリール、アルカノイル、アロイル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ハロゲン、ハロアルキル、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロまたはヘテロアリールを示し;または、R、R、RおよびRのうち2個以上が一緒になって、脂肪族もしくはヘテロ脂肪族環または芳香族もしくは複素芳香環を示し;用語「アルキル」は、「アルコキシ」、「アルカノイル」などの用語中のその変形「アルカ−、アルキ−、アルコ−、(alk−)」を含めて、1から6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐した炭素残基を意味し;用語「アリール」とは、フェニルまたはナフチル基を意味し;用語「ヘテロシクロアルキル」は、少なくとも1個の酸素、硫黄または窒素の原子を組み込んでいてもよい4員ないし8員の環式環を表し;用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の硫黄、酸素または窒素の原子を組み込んでいる5員ないし6員の環を表し;用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表し;R、R、RおよびRが、アルキルまたはアリールを表す場合には、それらは1個以上のヒドロキシ、アルコキシまたはハロゲン基によって置換されていてもよい]
を有する化合物またはその薬学的に許容される塩またはエステルである。
【0016】
、R、RおよびRは互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−チオアルキル、C−C−アルコキシ、C−C10−アリールオキシ、C−C10−チオアリール、C−C−アルカノイル、C−C11−アロイル、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C12−シクロアルキルアミノ、C−C−ヘテロシクロアルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニル、C−C10−アリールスルホニル、ハロゲン、C−C−ハロアルキル、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロまたはヘテロアリールを表すことが好ましい。
【0017】
、R、Rおよび/またはRが、C−C−アルキル残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルまたはヘキシルを表すことが好ましい。
【0018】
、R、Rおよび/またはRが、C−C−チオアルキル残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、チオメチル、チオエチル、チオ−n−プロピル、チオ−イソプロピル、チオ−n−ブチル、チオ−n−ペンチルまたはチオ−n−ヘキシルを表すことが好ましい。
【0019】
、R、Rおよび/またはRが、C−C−アルコキシ残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシまたはtert−ブトキシを表すことが好ましい。
【0020】
、R、Rおよび/またはRが、C−C10−アリールオキシ残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、フェノキシまたはナフトキシを表すことが好ましい。
【0021】
、R、Rおよび/またはRが、C−C10−チオアリール残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、チオフェニルまたはチオナフチルを表すことが好ましい。
【0022】
、R、Rおよび/またはRが、C−C−アルカノイル残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、メタノイル、エタノイル、プロパノイルまたはブタノイルを表すことが好ましい。
【0023】
、R、Rおよび/またはRが、C−C11−アロイル残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、ベンゾイルまたはナフトイルを表すことが好ましい。
【0024】
、R、Rおよび/またはRが、C−C−アルキルアミノ残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノまたはn−ブチルアミノを表すことが好ましい。
【0025】
、R、Rおよび/またはRが、ジ−C−C−アルキルアミノ残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジ−n−ブチルアミノ、ジ−イソプロピルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルプロピルアミノまたはエチルプロピルアミノを表すことが好ましい。
【0026】
、R、Rおよび/またはRが、C−C12−シクロアルキルアミノ残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、ピロリジノ、ピペリジノ、シクロヘキシルアミノまたはジシクロヘキシルアミノを表すことが好ましい。
【0027】
、R、Rおよび/またはRが、C−C−ヘテロシクロアルキルアミノ残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、モルホリノ、2,6−ジメチルモルホリノ、3,5−ジメチルモルホリノ、ピペラジノ、N−メチルピペラジノまたはN−エチルピペラジノを表すことが好ましい。
【0028】
、R、Rおよび/またはRが、C−C−アルキルスルホニルまたはC−C10−アリールスルホニル残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニルまたはトリルスルホニルを表すことが好ましい。
【0029】
、R、Rおよび/またはRが、ハロゲン残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、クロロ、ブロモ、ヨードまたはフルオロを表すことが好ましい。
【0030】
、R、Rおよび/またはRが、C−C−ハロアルキル残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、クロロメチル、フルオロメチル、ジクロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチルまたはトリフルオロメチルを表すことが好ましい。
【0031】
、R、Rおよび/またはRが、ヘテロアリール残基を表す場合には、R、R、Rおよび/またはRは、ピリジル、ピリミジル、イソキサゾリル、オキサゾリル、イソオキサジアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリルまたはテトラゾリルを表すことが好ましい。
【0032】
残基R、R、RおよびRのうち2個以上が一緒になって、脂肪族もしくはヘテロ脂肪族環または芳香族もしくは複素芳香環を表す場合には、2個以上の残基は、脂肪族もしくはヘテロ脂肪族環または芳香族もしくは複素芳香環を表すことが好ましい。好ましい合わせた残基として、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、イソキノリルおよびキノリルがある。
【0033】
上記の置換基R、R、RおよびRは、それらがアリールまたはアルキルを表す場合には、ヒドロキシ、アルコキシまたはハロゲン基によって1回以上置換されていてもよい。
【0034】
一般式Iの化合物の調製の詳細は、WO2007/013830A1において見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1A】プラセボ、化合物Aの5mg、10mg、20mgまたは30mg投与量(治療群についてn=6およびプラセボ群についてn=8)を用いる8日間の1日1回の投与計画の、最初の投薬(図1A)後の、平均S−COMT活性−時間プロフィールを示す。
【図1B】プラセボ、化合物Aの5mg、10mg、20mgまたは30mg投与量(治療群についてn=6およびプラセボ群についてn=8)を用いる8日間の1日1回の投与計画の、最後の投薬(図1B)後の平均S−COMT活性−時間プロフィールを示す。
【図1C】プラセボ、化合物Aの5mg、10mg、20mgまたは30mg投与量(治療群についてn=6およびプラセボ群についてn=8)を用いる8日間の1日1回の投与計画の、最後の投薬(図1C)後の平均S−COMT活性−時間プロフィールを示す。
【図1D】プラセボ、化合物Aの5mg、10mg、20mgまたは30mg投与量(治療群についてn=6およびプラセボ群についてn=8)を用いる8日間の1日1回の投与計画の、投薬前(図1D)の平均S−COMT活性−時間プロフィールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
望ましいバランスの特性のミックスを得るよう、上記の一般式Iの置換基R〜Rを変更することによって、本願の教示に基づいて当業者によってバイオアベイラビリティ、生物活性、安全性プロフィールおよび当技術分野で公知のその他の関連特性(例えば、血液脳関門透過性)は、普通に最適化され得る。
【0037】
一般式Iの化合物はまた、その薬理学的に許容される塩またはエステルの形態で存在し得る。適した薬学的に許容される対イオンは、当技術分野で公知である。
【0038】
活性化合物の治療プロフィールを変更するために一般式Iの化合物のプロドラッグを使用することも可能である。
【0039】
以下の、本発明の一般式Iの化合物を含有する医薬組成物の医学的適応、治療および投与計画の説明では、一般式Iの化合物の最も好ましい例は、5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチル−1−オキシ−ピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールであり、これ以降、化合物Aおよびその薬理学的に許容される塩およびエステルと呼ばれる。化合物Aの半減期は、その長い作用期間を考えると比較的短い。
【0040】
後の医学的適応、治療および投与計画において使用するための上記の一般式(I)のその他の好ましい化合物として、3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−1−オキシド、2−クロロ−3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−4,6−ジメチルピリジン−1−オキシド、3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−メチル−6−(トリフルオロメチル)−ピリジン−1−オキシド、5−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−1−オキシド、5−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−1−オキシド、3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−1−オキシド、3,5−ジクロロ−4−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピリジン−1−オキシド、3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−6−メチル−2−フェニル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−1−オキシド、2−ブロモ−3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−4,5,6−トリメチルピリジン−1−オキシド、2−クロロ−3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−4,5,6−トリメチルピリジン−1−オキシド、3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−1−オキシド、2,5−ジクロロ−3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−4,6−ジメチルピリジン−1−オキシド、3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−1−オキシド、3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−フルオロピリジン−1−オキシド、4−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−フルオロピリジン−1−オキシド、2−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−6−フルオロピリジン−1−オキシド、2−クロロ−3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−6−メチルピリジン1−オキシド、2−ブロモ−3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−6−メチルピリジン−1−オキシドおよび2−ブロモ−5−クロロ−3−(3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−4,6−ジメチルピリジン−1−オキシドおよびその薬理学的に許容される塩またはエステルが挙げられる。
【0041】
本発明は、特に、ヒトにおける特定の病的状態(例えば、中枢および末梢神経系障害)の予防または治療のための一般式Iの化合物、その薬学的に許容される塩またはエステルの使用、およびそれらを含有する医薬組成物の調製に関する。
【0042】
一般式Iの化合物の医薬組成物の調製のために、不活性の薬学的に許容される担体が、活性化合物と混合される。薬学的に許容される担体は、固体または液体であり得る。固体形態の製剤として、散剤、錠剤、分散性顆粒剤およびカプセル剤が挙げられる。固体担体は、希釈剤、矯味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、磨砕剤または崩壊剤としても作用し得る1種以上の物質であり得る;また、カプセル化剤でもあり得る。
【0043】
医薬組成物は、単位投与形、例えば、パッケージ製剤、個別の量の製剤を含有するパッケージ、例えば、バイアルまたはアンプル中のパッケージ錠剤、カプセル剤および散剤であることが好ましい。
【0044】
治療される病的状態は、ヒトの中枢および末梢神経系関連障害、特に、COMT阻害剤の投与から恩恵を受けるものであることが好ましい。障害は、パーキンソニズム、パーキンソン病およびむずむず脚症候群を含む障害をはじめとする運動障害であることが好ましい。最も好ましい中枢および末梢神経系関連障害は、パーキンソン病である。
【0045】
本明細書において、用語「治療(treatment)」および「治療する(treat)」または「治療している(treating)」などの変化とは、ヒトまたは非ヒト動物に恩恵をもたらし得る任意の計画を指す。治療は、既存の状態についてであり得、または予防のため(予防的治療)であり得る。治療は、治療効果、軽減効果または予防効果を含み得、このような効果は、中枢および末梢神経系関連障害と関連する1以上の症状と関連する。
【0046】
一般式Iの化合物は、特定の投与計画に従う中枢および末梢神経系関連障害の予防または治療のための医薬の調製のために使用されることが好ましい。
【0047】
適した投与計画は、約1日2回から約7日毎に1回の範囲の投薬周期性を有する計画を含む。
【0048】
投薬周期性は、3日毎に1回から週に1回、すなわち、約3日、4日、5日、6日または7日毎に1回の投与から選択されることが好ましい。
【0049】
投薬間隔の適した限定されない開始時点は、朝、正午前後、正午、午後、晩および真夜中を含む。
【0050】
本明細書において、用語「有効な1日用量」とは、投薬周期性に従って投与される場合の投与される化合物の有効な1日量である。
【0051】
本発明では、一般式Iの化合物の有効な1日用量は、約1〜約900mg/日の範囲、より好ましくは、約5〜約400mg/日、さらにより好ましくは、約25〜約300mg/日、さらにより好ましくは、約70〜約200mg/日および最も好ましくは、約120〜約150mg/日である。
【0052】
本明細書において、用語「投与量単位」とは、各投薬周期性において投与される化合物の量を指す。
【0053】
一般式Iの化合物の個々の投与量単位が、約1〜約2400mgの範囲にあることが好ましく、約10〜約1200mgがより好ましく、約25〜約800mgがさらにより好ましく、約50〜約400mgがさらにより好ましく、約100〜約200mgが最も好ましい。
【0054】
一般式Iの化合物で治療されている被験体がまた、ドーパミン(DOPA)前駆体および/またはAADCiを用いる治療を受けていることが好ましい。
【0055】
通常のDOPA前駆体として、L−DOPAが挙げられる。
【0056】
適した芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤として、ベンセラジドおよびカルビドパが挙げられる。
【0057】
一般式Iの化合物、DOPA前駆体およびAADCiは、別個に、または任意の組合せで投与してもよい。それらは、同一または異なる投薬周期性を用いて、同時に(concomitantly)(例えば、同時に(simultaneously))または逐次投与してもよい。例えば、一般式Iの化合物は、DOPA前駆体と同時にまたは逐次投与してもよい。同時投与の場合には、一単位投与形中に両方またはすべての有効成分を組み合わせることも可能である。
【0058】
本発明の別の態様によれば、上記で定義される薬理学的に有効な用量の一般式Iの化合物を、約3日毎に1回〜約週に1回患者に投与することを含む、それを必要とする患者において少なくとも1つの病的状態を治療する方法が提供される。
【0059】
本発明の別の態様によれば、上記で定義される有効な用量の一般式Iの化合物を、約3日毎に1回〜約週に1回被験体に投与することを含む、3〜7日にわたって被験体においてCOMT阻害を低減する方法が提供される。
【0060】
本発明の別の態様によれば、上記で定義される有効な用量の一般式Iの化合物を、約3日毎に1回〜約週に1回被験体に投与することを含む、3〜7日にわたって被験体の脳においてL−DOPAのレベルを増大する方法が提供される。
【0061】
本発明の別の態様によれば、上記で定義される有効な用量の一般式Iの化合物を、約3日毎に1回〜約週に1回被験体に投与することを含む、3〜7日にわたって被験体の血漿においてL−DOPAのレベルを増大する方法が提供される。
【0062】
本発明の別の態様によれば、上記で定義される有効な用量の一般式Iの化合物を、約3日毎に1回〜約週に1回被験体に投与することを含む、3〜7日にわたって被験体の脳において3−O−メチル−L−DOPA(3−OMD)のレベルを低減させる方法が提供される。
【0063】
本発明の別の態様によれば、上記で定義される有効な用量の一般式Iの化合物を、約3日毎に1回〜約週に1回被験体に投与することを含む、3〜7日にわたって被験体の血漿において3−OMDのレベルを低減させる方法が提供される。
【0064】
本発明の別の態様によれば、上記で定義される有効な用量の一般式Iの化合物を、約3日毎に1回〜約週に1回被験体に投与することを含む、3〜7日にわたって被験体の脳においてL−DOPAのバイオアベイラビリティを増大する方法が提供される。
【0065】
本発明の別の態様によれば、上記で定義される有効な用量の一般式Iの化合物を、約3日毎に1回〜約週に1回被験体に投与することを含む、3〜7日にわたって被験体の血漿においてL−DOPAのバイオアベイラビリティを増大する方法が提供される。
【0066】
一般式Iの化合物で治療されている被験体はまた、DOPA前駆体および/または芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤を用いる治療を受けてもよい。このようなDOPA前駆体および/またはAADCiを用いる治療は、一般式Iの化合物を用いる治療に先行する、それに続くまたはそれと同時(simultaneous)または同時(concomitant)であり得る。
【0067】
本発明はまた、一般式Iの化合物の医薬組成物を、約3日毎に1回〜約週に1回の範囲の投薬周期性を有する投与計画を用いて前記製剤を投与するための使用説明書と組み合わせて含むパッケージに関する。
【0068】
材料および方法
一般式Iの化合物の耐容性、薬物動態および薬動力学を調べることを目的とする二重盲検無作為化プラセボ対照試験では、8人の若い健常な男性の群に、プラセボ、5mg、10mg、20mgまたは30mgの化合物Aを、絶食条件下の朝に8日間投与した。各群(5mg、10mg、20mgまたは30mg)内で、2個体をプラセボに、6個体を治療に無作為化した。
【0069】
可溶性カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(S−COMT)活性は、1時間あたりのサンプル中のタンパク質1ミリグラムあたりの、エピネフリン基質に対する、洗浄された赤血球のS−COMTの作用によって形成されるメタネフリン(pmolで)の量として表した。
【0070】
血液サンプルは、以下の時間で採取し、洗浄された赤血球を調製するために使用した:
1日目:投薬前ならびに投薬後0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、3、4、6、8、10、12および16時間
2〜7日目:投薬前のみ
8日目:投薬前ならびに投薬後0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、3、4、6、8、10、12、16、24、36、48、72、96、120および144時間。
【0071】
遠心分離し、血漿を回収した後、上清(最上の赤血球層)を回収し、試験管を氷上においた。次いで、赤血球のものの2倍に匹敵する冷0.9%塩化ナトリウム溶液の容量を加えた。この手順を3回使用して、赤血球を遠心分離し、洗浄した。遠心分離は4℃および約1500gで10分間行った。2つの正確に500μLのピペッティングした洗浄した赤血球のアリコートを調製し、各アリコートを、分析に必要とされるまで、2mL試験管中、−70℃で保存した。
【0072】
S−COMT活性の測定は、電気化学的検出を用いるHPLCによって医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準(Good Laboratory Practices(GLP))に従って実施した。
【0073】
図1は、プラセボ、5mg、10mg、20mgまたは30mgの化合物Aの最初の投薬(1日目)および最後の投薬(8日目)後の、ならびに8日間の投与の投薬前での、平均S−COMT活性[ベースライン(1日目の投薬前)との関連で形成されるメタネフリンの変化の%として表される]対時間プロフィールを示す図である(各治療群についてn=6および各プラセボ群についてn=8)。
【0074】
結果
図1は、プラセボ、化合物Aの5mg、10mg、20mgまたは30mg投与量(治療群についてn=6およびプラセボ群についてn=8)を用いる8日間の1日1回の投与計画の、最初の投薬(図1A)および最後の投薬(図1Bおよび1C)後の、ならびに投薬前(図1D)での平均S−COMT活性−時間プロフィールを示す。
【0075】
最初の投与から著しい、持続されたS−COMT阻害が観察され、最後の投薬の5日(144時間)後に関連のあるCOMT阻害が依然として見られ、これは、週に1回の投与計画の可能性を支持する。
【0076】
以下、本発明を、以下の調製例を参照して記載するが、これは決して本発明を制限しようとするものではない。
【実施例1】
【0077】
化合物Aの調製
(5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチル−1−オキシ−ピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール)
a)室温で、ジメチルホルムアミド(5mL)中、3,4−ジベンジルオキシ−5−ニトロ安息香酸(0.50g、1.319mmol)の撹拌溶液に、1,1−カルボニルジイミダゾール(0.24g、1.45mmol)を一度に加えた。90分撹拌した後、2,5−ジクロロ−N’−ヒドロキシ−4,6−ジメチルニコチンアミド(0.40g、1.45mmol)を一度に加えた。得られた混合物を135℃で5時間、次いで、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、氷−2N HCl(100mL)上に注ぎ入れ、得られた沈殿を濾去し、水で洗浄し、風乾した。イソプロパノールから再結晶化すると、淡黄色の固体が得られた(0.55g、72%)。
【0078】
b)ジクロロメタン(20mL)中の上記で得られた固体(0.50g、0.866mmol)の撹拌溶液に、尿素−過酸化水素付加複合体(0.41g、4.33mmol)を一度に加えた。混合物を氷−水浴で冷却し、トリフルオロ無水酢酸(0.73g、3.46mmol)を滴加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌させ、すぐに、不溶性物質を濾去した。濾液を、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を、イソプロパノールから結晶化させると、淡黄色の固体(0.35g、68%)が得られた。
【0079】
(c)アルゴン下、−78℃で、ジクロロメタン(10mL)中、上記で得られた固体(0.30g、0.5mmol)の撹拌溶液に、三臭化ホウ素(0.38g、1.5mmol)を滴加した。得られた紫色懸濁液を室温で1時間攪拌させ、次いで、再度−78℃に冷却し、水の添加によって注意深くクエンチした。室温で1時間撹拌した後、沈殿を濾別し、水で洗浄し、真空下50℃で乾燥させると、所望の化合物が、融点237〜240℃の黄色の結晶として得られた(0.18g、87%)。
【実施例2】
【0080】
医薬製剤
医薬製剤は、以下のとおり調製する。
カプセル剤:
化合物A 15.0%
ラクトース一水和物 43.0%
微晶質セルロース 30.0%
ポビドン 4.0%
クロスカルメロースナトリウム 5.0%
タルク 2.0%
ステアリン酸マグネシウム 1.0%
【0081】
カプセル剤:
化合物A 15.0%
微晶質セルロース 72.5%
エチルセルロース 5.0%
グリコール酸ナトリウムデンプン 6.0%
コロイド状二酸化ケイ素 0.5%
ステアリン酸マグネシウム 1.0%
【0082】
錠剤:
化合物A 20.0%
微晶質セルロース 25.0%
リン酸カルシウム、二塩基性二水和物 40.0%
ポビドン 6.0%
クロスカルメロースナトリウム 6.0%
タルク 2.0%
ステアリン酸マグネシウム 1.0%
【実施例3】
【0083】
投与計画
患者は、パーキンソン病を患っており、L−DOPA治療を受けている患者に、一般式Iの化合物100mgを含有する錠剤を用いて週に1回治療する。長期間持続するCOMT−阻害および臨床像の大幅な改善が観察される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中枢および末梢神経系関連障害の予防または治療のための医薬の製造のための、式I
【化1】

[式中、RおよびRは、同一または異なっており、水素、生理的条件下で加水分解性の基、または置換されていてもよいアルカノイルもしくはアロイルを示し;Xは、メチレン基を示し;Yは、O、SまたはNHを表し;nは、0、1、2または3を表し;mは、0または1を表し;Rは、印のない結合によって示されるように結合している、式A、BまたはCに従うピリジンN−オキシド基を示し、
【化2】

ここで、R、R、RおよびRは、同一または異なっており、水素、アルキル、チオアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、チオアリール、アルカノイル、アロイル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ハロゲン、ハロアルキル、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロまたはヘテロアリールを示し;または、R、R、RおよびRのうち2個以上が一緒になって、脂肪族もしくはヘテロ脂肪族環または芳香族もしくは複素芳香環を示し;用語「アルキル」は、「アルコキシ」、「アルカノイル」などの用語中のその変形「アルカ−、アルキ−、アルコ−、(alk−)」を含めて、1から6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐した炭素残基を意味し;用語「アリール」とは、フェニルまたはナフチル基を意味し;用語「ヘテロシクロアルキル」は、少なくとも1個の酸素、硫黄または窒素の原子を組み込んでいてもよい4員ないし8員の環式環を表し;用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の硫黄、酸素または窒素の原子を組み込んでいる5員ないし6員の環を表し;用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表し;R、R、RおよびRが、アルキルまたはアリールを表す場合には、それらは1個以上のヒドロキシ、アルコキシまたはハロゲン基によって置換されていてもよい]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩またはエステルの使用であって、前記医薬が、約3日毎に1回〜約週に1回の範囲の投薬周期性を有する投与計画に従って投与される、使用。
【請求項2】
中枢および末梢神経系関連障害の予防または治療のための、式I
【化3】

[式中、RおよびRは、同一または異なっており、水素、生理的条件下で加水分解性の基、または置換されていてもよいアルカノイルもしくはアロイルを示し;Xは、メチレン基を示し;Yは、O、SまたはNHを表し;nは、0、1、2または3を表し;mは、0または1を表し;Rは、印のない結合によって示されるように結合している、式A、BまたはCに従うピリジンN−オキシド基を示し、
【化4】

ここで、R、R、RおよびRは、同一または異なっており、水素、アルキル、チオアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、チオアリール、アルカノイル、アロイル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ハロゲン、ハロアルキル、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロまたはヘテロアリールを示し;または、R、R、RおよびRのうち2個以上が一緒になって、脂肪族もしくはヘテロ脂肪族環または芳香族もしくは複素芳香環を示し;用語「アルキル」は、「アルコキシ」、「アルカノイル」などの用語中のその変形「アルカ−、アルキ−、アルコ−、(alk−)」を含めて、1から6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐した炭素残基を意味し;用語「アリール」とは、フェニルまたはナフチル基を意味し;用語「ヘテロシクロアルキル」は、少なくとも1個の酸素、硫黄または窒素の原子を組み込んでいてもよい4員ないし8員の環式環を表し;用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の硫黄、酸素または窒素の原子を組み込んでいる5員ないし6員の環を表し;用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表し;R、R、RおよびRが、アルキルまたはアリールを表す場合には、それらは1個以上のヒドロキシ、アルコキシまたはハロゲン基によって置換されていてもよい]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩またはエステルの使用であって、前記化合物が、約3日毎に1回〜約週に1回の範囲の投薬周期性を有する投与計画に従って投与される、使用。
【請求項3】
投与計画が、3日毎に1回である、請求項1または請求項2に記載の使用。
【請求項4】
投与計画が、4日毎に1回である、請求項1または請求項2に記載の使用。
【請求項5】
投与計画が、5日毎に1回である、請求項1または請求項2に記載の使用。
【請求項6】
投与計画が、6日毎に1回である、請求項1または請求項2に記載の使用。
【請求項7】
投与計画が、7日毎に1回である、請求項1または請求項2に記載の使用。
【請求項8】
中枢および末梢神経系関連障害が、L−DOPA/AADCi治療を用いて治療可能である、請求項1〜7のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
中枢および末梢神経系関連障害が、運動障害である、請求項1〜8のいずれかに記載の使用。
【請求項10】
運動障害が、パーキンソン病である、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
式Iの化合物が、5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチル−1−オキシ−ピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールである、請求項1〜10のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
式Iの化合物が、L−DOPAと逐次または同時に投与される、請求項1〜11のいずれかに記載の使用。
【請求項13】
式Iの化合物が、AADCiと逐次または同時に投与される、請求項1〜12のいずれかに記載の使用。
【請求項14】
AADCiが、カルビドパまたはベンセラジドである、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
式I
【化5】

[式中、RおよびRは、同一または異なっており、水素、生理的条件下で加水分解性の基、または置換されていてもよいアルカノイルもしくはアロイルを示し;Xは、メチレン基を示し;Yは、O、SまたはNHを表し;nは、0、1、2または3を表し;mは、0または1を表し;Rは、印のない結合によって示されるように結合している、式A、BまたはCに従うピリジンN−オキシド基を示し、
【化6】

ここで、R、R、RおよびRは、同一または異なっており、水素、アルキル、チオアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、チオアリール、アルカノイル、アロイル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ハロゲン、ハロアルキル、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロまたはヘテロアリールを示し;または、R、R、RおよびRのうち2個以上が一緒になって、脂肪族もしくはヘテロ脂肪族環または芳香族もしくは複素芳香環を示し;用語「アルキル」は、「アルコキシ」、「アルカノイル」などの用語中のその変形「アルカ−、アルキ−、アルコ−、(alk−)」を含めて、1から6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐した炭素残基を意味し;用語「アリール」とは、フェニルまたはナフチル基を意味し;用語「ヘテロシクロアルキル」は、少なくとも1個の酸素、硫黄または窒素の原子を組み込んでいてもよい4員ないし8員の環式環を表し;用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の硫黄、酸素または窒素の原子を組み込んでいる5員ないし6員の環を表し;用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表し;R、R、RおよびRが、アルキルまたはアリールを表す場合には、それらは1個以上のヒドロキシ、アルコキシまたはハロゲン基によって置換されていてもよい]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩またはエステルを含む医薬組成物を、中枢および末梢神経系関連障害の治療のために、約3日毎に1回〜約7日毎に1回の範囲の投薬周期性を有する投与計画に従って前記組成物を投与するための使用説明書と組み合わせて含むパッケージ。
【請求項16】
投与計画が3日毎に1回である、請求項15に記載のパッケージ。
【請求項17】
投与計画が4日毎に1回である、請求項15に記載のパッケージ。
【請求項18】
投与計画が5日毎に1回である、請求項15に記載のパッケージ。
【請求項19】
投与計画が6日毎に1回である、請求項15に記載のパッケージ。
【請求項20】
投与計画が7日毎に1回である、請求項15に記載のパッケージ。
【請求項21】
中枢および末梢神経系関連障害が、L−DOPA/AADCi治療を用いて治療可能な中枢および末梢神経系関連障害である、請求項15から20のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項22】
中枢および末梢神経系関連障害が、運動障害である、請求項15から21のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項23】
運動障害が、パーキンソン病である、請求項22に記載のパッケージ。
【請求項24】
L−DOPAを、その投与に適した使用説明書とともにさらに含む、請求項15から23のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項25】
AADCiを、その投与に適した使用説明書とともにさらに含む、請求項15から24のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項26】
AADCiが、カルビドパまたはベンセラジドである、請求項25に記載のパッケージ。
【請求項27】
式Iの化合物が、5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチル−1−オキシ−ピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールである、請求項15から26のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項28】
少なくとも1つの病的状態の治療を必要とする患者において、前記病的状態を治療する方法であって、患者に、薬理学的に有効な用量の式I
【化7】

[式中、RおよびRは、同一または異なっており、水素、生理的条件下で加水分解性の基、または置換されていてもよいアルカノイルもしくはアロイルを示し;Xは、メチレン基を示し;Yは、O、SまたはNHを表し;nは、0、1、2または3を表し;mは、0または1を表し;Rは、印のない結合によって示されるように結合している、式A、BまたはCに従うピリジンN−オキシド基を示し、
【化8】

ここで、R、R、RおよびRは、同一または異なっており、水素、アルキル、チオアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、チオアリール、アルカノイル、アロイル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ハロゲン、ハロアルキル、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロまたはヘテロアリールを示し;または、R、R、RおよびRのうち2個以上が一緒になって、脂肪族もしくはヘテロ脂肪族環または芳香族もしくは複素芳香環を示し;用語「アルキル」は、「アルコキシ」、「アルカノイル」などの用語中のその変形「アルカ−、アルキ−、アルコ−、(alk−)」を含めて、1から6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐した炭素残基を意味し;用語「アリール」とは、フェニルまたはナフチル基を意味し;用語「ヘテロシクロアルキル」は、少なくとも1個の酸素、硫黄または窒素の原子を組み込んでいてもよい4員ないし8員の環式環を表し;用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の硫黄、酸素または窒素の原子を組み込んでいる5員ないし6員の環を表し;用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表し;R、R、RおよびRが、アルキルまたはアリールを表す場合には、それらは1個以上のヒドロキシ、アルコキシまたはハロゲン基によって置換されていてもよい]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩またはエステルを、約3日毎に1回〜約7日毎に1回投与するステップを含む、方法。
【請求項29】
投与が3日毎に1回である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
投与が4日毎に1回である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
投与が5日毎に1回である、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
投与が6日毎に1回である、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
投与が7日毎に1回である、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
病的状態が、中枢および末梢神経系関連障害である、請求項28から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
状態または疾患が、L−DOPA/AADCi治療で治療可能である、請求項28から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
状態または疾患が、運動障害である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
運動障害が、パーキンソン病である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
式Iの化合物が、5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチル−1−オキシ−ピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールである、請求項28から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
L−DOPAの逐次または同時投与をさらに含む、請求項28から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
AADCiの逐次または同時投与をさらに含む、請求項28から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
AADCiが、カルビドパまたはベンセラジドである、請求項40に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【公表番号】特表2011−529489(P2011−529489A)
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521064(P2011−521064)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【国際出願番号】PCT/PT2009/000044
【国際公開番号】WO2010/014025
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(596095518)バイアル−ポルテラ アンド シーエー,エス.エー. (25)
【Fターム(参考)】