説明

ネットワーク・コンピュータ装置におけるサービス品質

移動電話においては、ネットワーク接続の特性を決定づけるパラメータが変更されたり更新されたりするときに、遅延が生じうる。本発明は、一般的な又は過去の使用を解析することによって将来行われるであろうネットワーク接続の使用を予測することによって、ネットワーク接続の特性を前もって設定する。好適な実施形態においては、特定のアプリケーションや特定のネットワークアドレスに向けられた通信チャネルを開くことによって、あるいは特定のブックマーク又はお気に入りを使用することによって、必要なネットワーク接続の特性は自動的に生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンピュータ装置を用いてネットワークにアクセスするときのサービス品質を改善することに関し、特に、遅延を削減し、無線ネットワーク、特に3G無線ネットワークにアクセスするコンピュータ装置の応答を改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク・コンピュータ装置の分野では、サービス品質(QoS:Quality of Service)という用語は、特定のタイムフレーム内でのデータ配信を保証するネットワークの能力を指すために用いられる。QoSを構成する要素には以下の4つがある。:
・可用性:サービスを継続的に提供するネットワークの能力
・帯域:スループットとしても知られ、一定時間内にネットワークが配信可能なデータ量をいう
・完全性:誤りがなく、破損のないデータを配信するネットワークの能力
・遅延:要求に対してネットワークが応答するための時間
【0003】
これらの要素はほぼ互いに独立している。
【0004】
本発明は主に上記の最後の要素に関するものであり、特に、現在では3Gとして一般的に知られている、国際標準化団体である第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP:Third Generation Partnership Project)に準拠したものなどの、高度な無線電話ネットワークにおいて、ネットワーク接続を開始するときに知覚される遅延を改善することに関する。この国際標準化団体が提唱している関連する仕様は、非特許文献1で見つけることができる。3G無線ネットワークの仕様の他のセットが、第3世代パートナーシップ・プロジェクト2(3GPP2:Third Generation Partnership Project)により提唱されており、非特許文献2で見つけることができる。
【0005】
本明細書では、3GPPネットワークに接続している装置に関して本発明を説明するが、これは説明を明確にすることだけを目的にしているのであって、他の種類のネットワークへの本発明の適用を制限することを意図しているのではないということを理解されたい。特に、3GPP、3GPP2準拠の無線ネットワークと、有線ネットワークの両方を含む、任意の形態のネットワークに接続している、任意の形態のコンピュータ装置に対して、本発明を効果的に適用することができるということを指摘しておく。
【0006】
無線通信ネットワークに接続しているコンピュータ装置は、この分野では、移動局(MS:Mobile Station)として知られている。移動電話や携帯用ノート型コンピュータは、今では、非常に多くの、非常に一般的に用いられているこのような装置を備えているが、このような形態だけが移動局に該当するわけではない。装置のコンバージェンス(融合)は、これらの装置だけでなく、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ゲーム機、音楽プレイヤー(MP3プレイヤー等)、映像プレイヤー(DVDプレイヤー等)が、ますます、無線通信ネットワークへアクセスする機能を備えるようになっていることを意味する。このようなコンバージェンスは予期されていなかったわけではない。なぜなら3G無線ネットワークは特に高速なデータアクセスを提供することを目的としており、高速なデータアクセスによって、音楽や映像を装置へストリーミングすることが容易になり、また、現代のインタラクティブなゲームに必要な予測可能なリアルタイム性能が可能になるためである。
【0007】
興味のあるネットワーク構成では、(インターネット又はWAP等の)ネットワーク上の特定のサービスに接続している移動局は、そのサービスに関係する複数のデータストリームを維持することが認められている。これらのデータストリームは、それぞれ異なるQoSを必要とすると特定することができる。例えば、1つの移動局が、広帯域で高品質なサービスを継続的に必要とする映像ストリームと、せいぜい「ベスト・エフォート」のサービスを必要とするに過ぎない、電子メールをダウンロードするバックグラウンドに割り当てられた優先度の低いデータストリームとを組み合わせて同時に維持してもよい。
【0008】
3GPPの仕様では、アプリケーションが開始するデータストリームは、セカンダリPDPコンテキストと呼ぶ(PDPはPacket Data Protocolの頭字語である)。このセカンダリPDPコンテキストは、標準的なネットワーク接続を示しており、それ自体は、複数のIP(Internet Protocol)データフローを順に伝達してもよい。各IPデータフローは、アプリケーションがリモートホストと通信するために開いたソケットを示している。
【非特許文献1】インターネット<http://www.3gpp.org>
【非特許文献2】インターネット<http://www.3gpp2.org>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、このネットワーク通信の性質によって、ネットワーク接続の特性を決定づけるパラメータの再交渉が必要となる場合に、遅延の増大が発生しうることである。これのよい例は、ある3Gデータネットワーク構成上でセカンダリPDPコンテキストを管理するときに発生しうる遅延の増大である。
【0010】
一般に、これらの遅延は既存のアプリケーションが新たなソケットを開いたときに増大する。これが発生した場合、アプリケーションが既に開いた既存のセカンダリPDPコンテキストに新しいソケットを割り当てる必要があるが、この割り当てを行うには、特定のセカンダリPDPコンテキストに関連付けられたIPフローを記述している、ネットワークが維持している仕様を修正することが必要である。この仕様はトラフィック・フロー・テンプレート(TFT:Traffic Flow Template)と呼ばれており、そのフォーマットは3GPPドキュメントTS23.060のセクション15.3に記載されており、上述の3GPPのウェブサイト(非特許文献1)で取得することができる。
【0011】
3GPP標準には、開いている新しいソケットのそれぞれについて、移動局は、選択されたセカンダリPDPコンテキストと関連付ける必要のある新しいIPフローを含む、ネットワークと更新されたTFTを通信すべきであると記載されている。この仕様は、アドレス、ポート、プロトコルの種類(例えば、UDP又はTCP)等の、IPパケットフィールドに関するものである。これらの要件は当業者に広く知られている。
【0012】
移動局とネットワークとの間のこのような信号交換にかかる時間は確定することができないが、数秒で測定することができ、装置のユーザに大変目立つ遅延となる。このような遅延は、ユーザ・エクスペリエンスを非常に低下し、不満足なものであると広く認識されている。最悪の場合、新たなアプリケーション・ソケットが接続される度に、TFTプロフィールの更新が発生しうるため、このような遅延は珍しくない。
【0013】
従って、本発明の目的は、ネットワーク通信リンクの特性を決定づけるパラメータを再交渉したり、修正したりするときに招いてしまう遅延の大部分を、実質的に軽減したり、できる限り削減したりすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の側面によれば、コンピュータ装置をネットワークへ接続させる方法であって、前記接続に必要な特性を特定するために、前記コンピュータ装置により前記ネットワークへ属性が引き渡され、前記属性は、前記接続において前記コンピュータ装置に対する将来の要件に基づいて選択される方法が提供される。
【0015】
本発明の第2の側面によれば、第1の側面に基づいて動作するように構成されたコンピュータ装置が提供される。本発明の第3の側面によれば、コンピュータ装置を第1の側面に基づいて動作させることのできるオペレーティングシステムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照し、さらなる例示を行って、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
本発明の第1の実装は、3GPPネットワークに接続された移動電話(移動局)を備え、セカンダリPDPコンテキストを最初に作動させたときに移動局が特定する方法に対して改良を実装している。
【0018】
(上述の)3GPP TS23.060ドキュメントのセクション15.3は、TFTのフォーマットを以下のように概説している。
「TFTは、それぞれ固有のパケットフィルタ識別子で識別される、1から8個のパケットフィルタからなり、TFTは、セカンダリPDPコンテキスト起動手順の間、MSで開始されたPDPコンテキスト修正手順の手段によって、常に、PDPコンテキストに関連付けられ、任意のTFTはTFTの修正の間に修正することができ、1以上の既存のパケットフィルタは修正又は削除することができ、新たなパケットフィルタは生成することができる。
正当なパケットフィルタの各々には、所与のTFT内で固有の識別子と、1つのPDPアドレスに係る全てのTFT内で固有の評価先行インデックスと、以下の属性の少なくとも1つとが含まれる。:
・ソース(送信元)アドレス及びサブネットマスク
・プロトコル番号(IPv4)/ネクストヘッダ(IPv6)
・デスティネーション(宛先)ポートレンジ(範囲)
・ソースポートレンジ
・IPSecセキュリティ・パラメータ・インデックス(SPI:Security Parameter Index)
・サービスの種類(TOS:Type of Service)(IPv4)/トラフィッククラス(IPv6)及びマスク
・フローラベル(IPv6)」
【0019】
各セカンダリPDPコンテキストのTFTを備えたパケットフィルタが特定される場合、それらは、セカンダリPDPコンテキストに割り当てることが必要な直近のIPフロー又はソケットをカバーするだけでなく、その時点には存在しないが、そのセカンダリPDPコンテキストのためにアプリケーションが開きそうな、将来のIPフロー又はソケットと予測されるものをもカバーするように特定されるということに、本発明は基づいている。
【0020】
本発明に基づいて動作する装置においては、移動局内のTCP/IPスタックは、全てのIPフローのローカルポート番号がローカルポート番号の特定のグループから割り当てられるように手配する。これらのポート番号のいくつかがまだ使用されていなくても、任意のセカンダリPDPコンテキストに係るTFTパケットフィルタに含まれるポートレンジが、ローカルポート番号の独自のグループをカバーするように特定されることも保証される。結果として、本発明によれば、関連するTFTパケットフィルタのために事前に予約されたポートレンジを使い果たすまで、セカンダリPDPコンテキストのTFTを修正する必要がない。従って、本発明は、各TFTパケットフィルタのためにポートを追加的に開くことに伴う処理のオーバーヘッドをかなり軽減するということがわかる。
【0021】
これは、アプリケーションがソケットを開く度にTFTを変更し、対応するセカンダリPDPコンテキストに追加的なIPフローを追加するために、時間のかかるシグナリングの更新を必要する手法と対照的である。本発明は特定のレンジの各ローカルポート番号に対するこのオーバーヘッドを削減しており、結果として、移動局の応答性、ひいてはユーザ・エクスペリエンスを改善している。
【0022】
アプリケーションがソケットを開く度にTFTを変更する技術に対して、本発明によりもたらされる改善点は、図1を参照することではっきり理解することができる。図1では、追加的なポートを使用する必要がある場合、本発明に基づかない装置が余分なネットワーク遅延を招いてしまうことが分かる。
【0023】
他の実施形態では、TFTパケットフィルタ内で利用可能なポートレンジ以外についても予測を行う、本発明のより複雑なアプリケーションが予想される。これはさらなる機能性を提供することができ、従って、コンピュータ装置上での3Gデータ接続の遅延に関してさらなる改善がもたらされる。
【0024】
接続中のコンピュータ装置の使用パターンは、一般にはランダムではなく、一般に開始されたタスクを複製することが広く認識されている。そのようなタスクの詳細を備える能力は、自動的であれ手動であれ、ユーザから見て潜在的に複雑で誤りを引き起こしやすい動作を招きうる。例えば、一般に使用されている、あるいは、最近使用したWebサイトを、対応するURLを自動的に書き込んで「お気に入り」として保存すると、Webブラウザが使いやすくなるが、電子メールアプリケーションに対しては、アドレス帳の使用が同様の機能を果たしている。
【0025】
直近のIP使用データを用いることによって、コンピュータ装置は、特定のネットワークアドレスや「お気に入り」データ等の、特定のアプリケーションやデータの将来の使用に合わせて調整された、TFTパケットフィルタの詳細を格納することができる。従って、本発明のこの実施形態においては、TFTパケットフィルタ情報は、単に必要なポートアドレスの範囲ではなく、上で一覧にした3GPP仕様の全ての適切な属性を含むように構成される。例えば、iTune(商標)やNapster(商標)等の、メディア・ストリーミングのサービスにおいて使用するのに適したTFTパケットフィルタのプロフィールは、本発明によれば、BBCニュース等の情報サービスに関連付けられたものとは非常に異なったものになる。(お気に入りのリスト又は特定のIPアドレスの範囲に関連付けられた)個々のサイトのアドレスとともにTFTパケットフィルタのプロフィールを格納することによって、サイトの個々のパケットフィルタのプロフィールを更新する必要なく、特定のIPアドレスへのアクセスに続いて、あるいはお気に入りデータの使用に続いて、データを(適切に)取得することが可能になる。IPアドレスが前もって知られており、あるいは十分信頼できる形で予測できるような理想的な状況では、引き続いて修正することは全く不要になるだろう。
【0026】
TFTのプロフィールは、特定のアプリケーションと関連付けるように構成することもできる。一例として、電子メール・プログラムに特定のTFTパケットフィルタの要件は、アプリケーションがロードされたときに容易に取得してもよい。
【0027】
任意の特定のコンピュータ装置における適切なAPI(Application Programming Interface)のアクセシビリティに応じて、このパケットフィルタ情報は、コンピュータ装置のオペレーティングシステムが格納しても、個々のアプリケーションが格納しても、あるいは、通信スタックが内部的に格納してもよい。
【0028】
このため、本発明を使用することによって、過去に実行したタスクの要件に関連する属性情報を節約することによって、高機能のネットワーク・コンピュータ装置に、改善された動作性能が提供されることがわかる。
【0029】
従って、本発明は、従来技術に対して以下を含む大きな利点を有していると考えられる。
・3Gネットワークの使用を伴う、アプリケーションの起動時、または、アプリケーションの実行中の遅延を削減し、ユーザ・エクスペリエンスを改善すること。
・ネットワークサービスにアクセスする際の時間と転送のオーバヘッドを削減し、装置とネットワークの両方における電力消費を削減すること。これは、比較的小さい内部バッテリソースから取得可能な動作時間が何よりも重要な、移動電話等のリソースが制約されている移動局において特に有益であると考えられる。
【0030】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、添付の特許請求の範囲により規定された発明の技術的範囲内であるならば、修正可能であることが理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】公知のトラフィック・フロー・テンプレートのプロフィールを示す図である。
【図2】本発明に係るトラフィック・フロー・テンプレートのプロフィールを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置をネットワークへ接続させる方法であって、
a.前記接続に必要な特性を特定するために、前記コンピュータ装置により前記ネットワークへ属性が引き渡され、
b.前記属性は、前記接続において前記コンピュータ装置に対する将来の要件に基づいて選択される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ネットワークは無線ネットワークを備え、前記コンピュータ装置は移動局を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線ネットワークは3GPPの仕様に適合していることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記無線ネットワークは3GPP2の仕様に適合していることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記コンピュータ装置と前記ネットワークとはインターネットプロトコルを用いて通信し、
前記属性は、前記コンピュータ装置により前記ネットワークへパケットフィルタの形態で引き渡される
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記属性は、
a.IPアドレスへの接続と、
b.アプリケーションが使用するポートレンジと、
c.インターネットプロトコル又は他の通信スタックが使用するために過去に予約した、ポートのより大きなグループの中から割り当てられるポートレンジと、
d.ネットワーク又は装置によりもたらされる安全性の制約と、
e.サービスの種類と、
f.サービス品質と、
の少なくともいずれかを含むネットワーク・リソース・パラメータに基づいて選択される
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記属性は、
a.アプリケーションによるネットワーク接続の開始と、
b.アドレスへのネットワーク接続の開始と、
c.アプリケーション内に格納されているリンク又はお気に入りの項目の呼び出しと、
の少なくともいずれかに基づいて選択される
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
アプリケーションによるネットワーク使用のパターンと、プロトコルスタックと、他の装置の構成要素と、の少なくともいずれかは、これらの構成要素に対するネットワーク要件を決定するために用いられる
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記パターンはユーザ入力に応じて決定され、動作中に前記装置内に格納される
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザ入力には、
a.ロケーションのブックマークと、
b.ショートカットの生成と、
c.お気に入りサイトの格納と、
が含まれることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記パターンを決定する契機となる前記ユーザ入力は、ユーザにより選択される
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記パターンは自動的に決定され、実行時に前記コンピュータ装置内に格納される
ことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記パターンは、前記装置のビルド時に該装置内に組み込まれる
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載の方法に基づいて動作するように構成されたことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか1項に記載の方法に基づいてコンピュータ装置を動作させることのできることを特徴とするオペレーティングシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−537394(P2008−537394A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504849(P2008−504849)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【国際出願番号】PCT/GB2006/001284
【国際公開番号】WO2006/106351
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(505458762)シンビアン ソフトウェア リミテッド (45)
【氏名又は名称原語表記】SYMBIAN SOFTWARE LIMITED
【住所又は居所原語表記】2−6 Boundary Row,Southwark, London,SE1 8HP, United Kingdom
【Fターム(参考)】