説明

ネットワーク利用者情報管理装置、ネットワーク利用者情報表示方法、電子会議利用装置および電子会議システム

【課題】 複数セグメント間で行われる電子会議を効率よく行うために必要となる利用者情報・通信デバイス情報を適切に提示する。
【解決手段】 利用者を識別する利用者識別情報を各端末機器ごとに保持する利用者識別情報記憶手段(105、108)と、各端末機器の有する通信デバイス情報を管理する通信デバイス情報記憶手段(104、107)と、少なくとも利用者識別情報および通信デバイス情報を含む、各端末機器ごとの端末情報を送受信し、利用者識別情報を利用者識別情報記憶手段に格納し、通信デバイス情報を通信デバイス情報記憶手段に格納する端末情報通信手段(103、106)と、自身の端末機器が通信可能な各端末機器の利用者識別情報および通信デバイス情報を対応表示する利用者情報表示制御手段109とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワーク利用者情報管理装置、ネットワーク利用者情報表示方法、電子会議利用装置および電子会議システムに関する。特に、複数の通信セグメントを接続するネットワーク環境において、多数の利用者が参加してグループ通信を行う際のネットワークの利用者情報を適切に提示するとともに、ネットワーク環境の最適化を実現するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ネットワークを介して遠隔にある多数の利用者の参加を可能とする電子会議システムが実用化された。この電子会議システムは、多数の利用者が参加して複数の情報端末機器を用いてグループ通信を行い電子情報を共有するシステムの代表的なシステムである。この電子会議システムにおいては、会議開催の際に、ネットワークへの接続、および、通信可能な端末群の中から会議メンバの選定を行う必要がある。
【0003】この会議メンバの選定を行うために、ネットワークに接続している端末の利用者情報を会議参加候補端末として表示することが一般的である。この利用者情報とは、例えば、利用者の名前や電子メールアドレスなどであり、ユーザが端末を識別するために用いられる。
【0004】また、ネットワークに接続するためには、予め接続されている通信デバイスを用いてシステムが自動的にネットワークへ接続したり、あるいは、ユーザが電話をかけるといったネットワークへの接続操作によりネットワークに接続していた。従来の電子会議システムでは、単一のセグメント上で会議が開催されていたため、ネットワークの接続に関して、自端末や他端末がどのようなデバイスを用いて接続しているかを気にする必要がなかった。尚、通信デバイスとは、通信インターフェースと同義である。また、セグメントとは、共通の通信デバイスを用いて通信を行うネットワーク中のグループをいう。
【0005】一方、近年、IrDA(Infrared Data Association)やLAN、高速モデムなど様々な通信デバイスが混在するネットワークが一般的となった。また、特願平8−057964「パケット転送方法およびパケット転送システム」に開示されているように、これら複数の通信デバイスから成る複数セグメントを相互接続してグループ間通信を行うといったことも可能となった。また、特願平10−228986「通信制御装置および通信制御方法」に記載されているように、異なるセグメントに接続する情報を取得することも可能となった。
【0006】しかしながら、従来の電子会議システムには、以下の問題点があった。
【0007】すなわち、複数の様々な通信デバイスが混在した環境において従来の電子会議システムを用いると、物理的な通信デバイスを気にすることなく会議が開けるといった利点がある。他方、速度の速い通信デバイスが速度の遅いものの影響を受け、元々持っている転送速度よりも遅くなる場合がある。しかし、ユーザはこの転送速度の低下を認識することができずに混乱してしまう、という第1の問題点があった。
【0008】また、従来の電子会議では、使用する通信デバイスを毎回ユーザが選択したり、あるいは一度設定した通信デバイスを次回から使用するといったものが多かった。このため、設定された通信デバイスが必ずしも、当該会議で使用されるネットワーク内で最適なものかどうか分からないという第2の問題点があった。
【0009】さらに、電子会議を開催するために様々な通信デバイスが利用できるネットワーク環境の場合、電子会議に参加する人数の多くなる可能性がある。しかし、従来の表示では、人数が多くなると、表示画面に入りきらず、一見してユーザが全体を把握することが難しい、といった第3の問題点があった。これを回避するには、ユーザが手でスクロールする必要があり、操作が煩雑であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来は、複数の通信デバイスが混在した環境では、速度の速い通信デバイスが速度の遅いものの影響を受けていることをユーザが認識することができず、混乱してしまう、といった問題があった。さらに、設定された通信デバイスが必ずしも、会議で使用されるネットワーク内で最適なものかどうか分からなかった。
【0011】また、電子会議に参加する人数が多くなると、画面に入りきらず、一見してユーザが人数などの全体像を把握することが難しい、といった問題があった。
【0012】以上説明したように、本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。
【0013】そして、その目的とするところは、複数の通信セグメントを接続するネットワーク環境において、多数の利用者が参加してグループ通信を行う際に必要となるネットワークの利用者情報を容易に提示することのできるネットワーク利用者情報管理装置、ネットワーク利用者情報表示方法、電子会議利用装置および電子会議システムを提供することにある。
【0014】また、他の目的は、複数の通信セグメントを接続するネットワーク環境における通信デバイスを状況に応じて最適化する点にある。
【0015】また、他の目的は、ネットワークの利用状況に応じて、ネットワーク利用者情報の提示を最適化する点にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するための本発明の特徴は、複数セグメントを接続するネットワーク環境において、ネットワークの利用状況を示す利用者情報を最適かつ容易に提示する点にある。また、このネットワーク利用状況に応じて通信デバイスを最適化する点にある。
【0017】かかる機能を実現するための、本発明の第1の特徴は、複数利用者間相互の通信における利用者情報を管理するネットワーク利用者情報管理装置であって、利用者を識別する利用者識別情報を各端末機器ごとに保持する利用者識別情報記憶手段と、前記各端末機器の有する通信デバイス情報を管理する通信デバイス情報記憶手段と、少なくとも前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を含む、前記各端末機器ごとの端末情報を送受信し、前記利用者識別情報を前記利用者識別情報記憶手段に格納し、前記通信デバイス情報を前記通信デバイス情報記憶手段に格納する端末情報通信手段と、前記自身の端末機器が通信可能な前記各端末機器の前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を対応表示する利用者情報表示制御手段とを具備することを特徴とするネットワーク利用者情報管理装置を提供する点にある。
【0018】上記構成によれば、各端末の保持する通信デバイスを利用者識別情報と共に表示することができる。従って、複数セグメント間で行われる電子会議などのグループ通信の際、ユーザーに速度能力の異なる複数の通信デバイスが存在することを認識させることができる。
【0019】また、本発明の第2の特徴は、前記端末情報通信手段は、受信されるパケット中に記述される送信元端末機器の端末識別子に対応するエントリーが存在しない場合には、前記送信元端末機器に対して自端末情報の送信要求を行う点にある。
【0020】また、本発明の第3の特徴は、前記通信デバイス情報は、自身の端末機器と接続中であることを示す第1の通信状態値と、前記自端末機器と非接続かつ接続可能であることを示す第2の通信状態値とを含む点にある。
【0021】上記構成によれば、ネットワークに接続される各端末の通信デバイスの状態を容易に把握させることができる。
【0022】また、本発明の第4の特徴は、複数利用者間相互の通信における利用者情報を管理するネットワーク利用者情報管理装置であって、利用者を識別する利用者識別情報を各端末機器ごとに保持する利用者識別情報記憶手段と、前記各端末機器の有する通信デバイス情報を管理する通信デバイス情報記憶手段と、少なくとも前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を含む、前記各端末機器ごとの端末情報を送受信し、前記利用者識別情報を前記利用者識別情報記憶手段に格納し、前記通信デバイス情報を前記通信デバイス情報記憶手段に格納する端末情報通信手段と、自身の端末機器が属するネットワークに接続される接続端末機器の総数を算出する端末台数算出手段と、前記通信デバイス情報に基づき、現在ネットワークに非接続状態であり、かつ接続可能である自身の端末機器中の接続候補通信デバイスの有無を判断する自端末接続候補通信デバイス選択手段と、前記通信デバイス情報に基づき、自身の端末機器中の接続候補通信デバイスに対応する他端末機器の接続候補通信デバイスの有無を判断する他端末接続候補通信デバイス検索手段と、前記総数および前記他端末機器の接続候補通信デバイスの数に基づいて、自身の端末機器の通信デバイスを変更する通信デバイス変更手段とを具備することを特徴とするネットワーク利用者情報管理装置を提供する点にある。
【0023】上記構成によれば、グループ通信を行うユーザー間で最も適した通信デバイスに自動的に再接続することができる。このため、グループ内全体の通信のスループットを向上させることができる。
【0024】また、本発明の第5の特徴は、前記通信デバイス変更手段は、さらに、前記総数および前記他端末機器の接続候補通信デバイスの数とを比較する通信デバイス数比較手段と、現在ネットワークに接続されている通信デバイスの通信速度と前記接続候補通信デバイスの通信速度とを比較する通信速度比較手段とを具備し、前記総数と前記他端末機器の接続候補通信デバイスの数が等しく、かつ前記接続候補通信デバイスの通信速度が現在ネットワークに接続されている通信デバイスの通信速度より速い場合に、現在ネットワークに接続中の通信デバイスから前記接続候補通信デバイスに、通信デバイスを変更する点にある。
【0025】上記構成によれば、通信デバイスの変更の可否を容易に判断することができる。
【0026】また、本発明の第6の特徴は、前記利用者情報表示手段は、前記総数が所定の閾値より大きい場合には、前記利用者識別情報のみを表示する点にある。
【0027】上記構成によれば、ユーザーの数が多くなると自動的に、画面に表示する情報量を減らすことができる。このため、ユーザーが直感的に全体の利用状況を把握することができる。
【0028】また、本発明の第7の特徴は、上記ネットワーク利用者情報管理装置は、さらに、自身の端末機器および他端末機器がそれぞれ属する通信セグメントの数を算出する通信セグメント数算出手段を具備し、前記利用者情報表示制御手段は、前記通信セグメントの数が1である場合には、前記利用者情報のみを表示する点にある。
【0029】上記構成によれば、用いられている通信セグメントの数に応じて利用者情報の表示内容を変更することができる。このため、必要な情報だけを効率的にユーザーに伝えることができる。
【0030】また、本発明の第8の特徴は、前記利用者情報は、複数の通信セグメントにより構成されるネットワークの利用者情報である点にある。
【0031】上記構成によれば、複数の通信セグメントを接続するネットワークにおける利用者情報を、利用者に対して適切かつ効率よく提示することができる。
【0032】また、本発明の第9の特徴は、複数利用者間相互の通信における利用者情報を表示するネットワーク利用者情報表示方法であって、利用者を識別する利用者識別情報を各端末機器ごとに取得する利用者識別情報取得ステップと、前記各端末機器の有する通信デバイス情報を取得する通信デバイス情報取得ステップと、少なくとも前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を含む、前記各端末機器ごとの端末情報を送受信する端末情報送受信ステップと、前記自身の端末機器が通信可能な前記各端末機器の前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を対応表示する利用者情報表示ステップとを含むことを特徴とするネットワーク利用者情報表示方法を提供する点にある。
【0033】上記構成によれば、各端末の保持する通信デバイスを利用者識別情報と共に表示することができる。従って、複数セグメント間で行われる電子会議などのグループ通信の際、ユーザーに速度能力の異なる複数の通信デバイスが存在することを認識させることができる。
【0034】また、本発明の第10の特徴は、複数利用者間相互の電子会議における利用者情報を管理する電子会議利用装置であって、利用者を識別する利用者識別情報を各端末機器ごとに保持する利用者識別情報記憶手段と、前記各端末機器の有する通信デバイス情報を管理する通信デバイス情報記憶手段と、少なくとも前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を含む、前記各端末機器ごとの端末情報を送受信し、前記利用者識別情報を前記利用者識別情報記憶手段に格納し、前記通信デバイス情報を前記通信デバイス情報記憶手段に格納する端末情報通信手段と、前記自身の端末機器が通信可能な前記各端末機器の前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を対応表示する利用者情報表示制御手段とを具備することを特徴とする電子会議利用装置を提供する点にある。
【0035】上記構成によれば、電子会議を行う際に、各端末の保持する通信デバイスを利用者識別情報と共に表示することができる。従って、複数セグメント間で行われる電子会議などのグループ通信の際、ユーザーに速度能力の異なる複数の通信デバイスが存在することを認識させることができる。
【0036】また、本発明の第11の特徴は、複数の通信セグメントにより構成されるネットワークを介した電子会議の利用者情報を送信する電子会議利用者情報送信装置と、前記電子会議の利用者情報を受信する電子会議利用者情報受信装置とをネットワークを介して複数接続して成る電子会議システムであって、前記電子会議利用者情報送信装置は、自身の端末機器の利用者を識別する利用者識別情報を取得する利用者情報取得手段と、自身の端末機器の有する通信デバイス情報を取得する通信デバイス情報取得手段と、少なくとも前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を含む、前記自身の端末の端末情報を送信する端末情報送信手段とを具備し、前記電子会議利用者情報受信装置は、他端末機器からの前記端末情報を受信する端末情報受信手段と、前記端末情報を蓄積保持する端末情報記憶手段と、前記受信される端末情報が前記端末情報記憶手段に存在しない場合に、前記電子会議利用者情報送信装置に対して、前記端末情報の送信要求を行う端末情報送信要求手段とを具備することを特徴とする電子会議システムを提供する点にある。
【0037】上記構成によれば、電子会議を行う際に、各端末の保持する通信デバイスを利用者識別情報と共に表示することができる。従って、複数セグメント間で行われる電子会議などのグループ通信の際、ユーザーに速度能力の異なる複数の通信デバイスが存在することを認識させることができる。
【0038】また、本発明の第12の特徴は、複数利用者間相互の通信における利用者情報を管理するネットワーク利用者情報管理プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、利用者を識別する利用者識別情報を各端末機器ごとに保持する利用者識別情報記憶処理と、前記各端末機器の有する通信デバイス情報を管理する通信デバイス情報記憶処理と、少なくとも前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を含む、前記各端末機器ごとの端末情報を送受信し、前記利用者識別情報を前記利用者識別情報記憶手段に格納し、前記通信デバイス情報を前記通信デバイス情報記憶手段に格納する端末情報通信処理と、前記自身の端末機器が通信可能な前記各端末機器の前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を対応表示する利用者情報表示制御処理とを含む処理をコンピュータに実行せしめるネットワーク利用者情報管理プログラムを記録することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する点にある。
【0039】上記構成によれば、各端末の保持する通信デバイスを利用者識別情報と共に表示することができる。従って、複数セグメント間で行われる電子会議などのグループ通信の際、ユーザーに速度能力の異なる複数の通信デバイスが存在することを認識させることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0041】第1の実施形態以下、本発明の第1の実施形態を、図1乃至図4を用いて詳細に説明する。
【0042】第1の実施形態は、複数のセグメントを接続するネットワークにおいて、ネットワークの利用者情報を容易に提示する機能を提供する。
【0043】図1は、本発明の第1の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置および電子会議利用装置および電子会議システムの機能構成を示すブロック図である。
【0044】図1に示すように、ネットワーク利用者情報管理装置を構成する端末200、端末210、端末220は相互にネットワークを介して接続されて、電子会議システムなどのシステムを構成している。
【0045】端末200は、それぞれ異なる通信デバイスを持つ通信部101,102と、自端末情報送信部103と、自端末通信デバイス管理部104と、自端末利用者情報管理部105と、他端末情報受信部106と、他端末通信デバイス管理部107と、他端末利用者情報管理部108と、利用者情報表示部109とを備えている。
【0046】端末210は、通信部101と、自端末情報送信部103と、自端末通信デバイス管理部104と、自端末利用者情報管理部105と、他端末情報受信部106と、他端末通信デバイス管理部107と、他端末利用者情報管理部108と、利用者情報表示部109とを備えている。
【0047】端末220は、通信部102と、自端末情報送信部103と、自端末通信デバイス管理部104と、自端末利用者情報管理部105と、他端末情報受信部106と、他端末通信デバイス管理部107と、他端末利用者情報管理部108と、利用者情報表示部109とを備えている。
【0048】尚、端末200、210、220は、請求項におけるネットワーク利用者情報管理装置および電子会議利用装置に対応する。また、端末200、210、220の上記の構成は一例であり、各端末は1つ或いは複数の通信デバイスに対応する通信部を備えて構成されてよい。
【0049】通信部101,102は、ネットワークを介して接続された端末間の通信を行う。また、通信部101、102は、それぞれの通信デバイス情報を自端末通信手段管理部104へ供給する。尚、セグメントとは、共通の通信デバイス間で共通の通信プロトコルにより通信が行われるネットワーク中のグループをいう。図1R>1においては、端末200の通信部101と端末220の通信部101とは同一通信デバイスを有し、セグメントaに属する。一方、端末200の通信部102と、端末210の通信部101とは他の同一通信デバイスを有し、セグメントbに属する。
【0050】自端末情報送信部103は、自端末の利用者情報と通信手段情報を通信部101,102を通して他端末へ送信する。
【0051】自端末通信デバイス管理部104は、通信部101,102から自端末の保持する全ての通信デバイス情報を取得する。取得した通信デバイス情報を、利用者情報表示部109へ供給する。同時に、自端末通信デバイス管理部104は、自端末情報送信部103、通信部101、102を介して他端末へ送信する。尚、この通信デバイス情報は、各通信デバイスが、ネットワークに接続中、非接続状態かつ接続可能、および接続不可能等の当該通信デバイスの状態を示す情報を含む。
【0052】自端末利用者情報管理部105は、自端末の利用者情報を管理する。この利用者情報とは、自端末を一意に識別する自端末識別子、および例えば端末を利用するユーザ名などの情報を含む。自端末通信デバイス管理部105は、この利用者情報を利用者情報表示部109へ提供する。同時に、自端末利用者情報管理部105は、この利用者情報を、自端情報送信部103、通信部101、102を介して他端末へ送信する。
【0053】自端末情報受信部106は、通信部101,102を介して他端末の通信デバイス情報および利用者情報を受信する。自端末情報受信部106は、この受信した情報のうち、他端末の通信デバイスに関する情報を他端末通信手段管理部107へ受け渡す。一方、端末の利用者情報に関するものを他端末利用者情報管理部108へ受け渡す。
【0054】他端末通信デバイス管理部107は、他端末情報受信部106から受け取った他端末の通信デバイス情報を保持する。同時に、この他端末の通信デバイス情報を利用者情報表示部109へ供給する。
【0055】他端末利用者情報管理部108は、他端末情報受信部106より受け取った他端末の利用者情報を保持する。同時に、この利用者情報を利用者情報表示部109へ供給する。
【0056】利用者情報表示部109は、自端末の通信デバイス情報、他端末の通信デバイス情報、自端末の利用者情報、他端末の利用者情報を、それぞれ、自端末通信デバイス管理部104、自端末利用者情報管理部105、他端末通信デバイス管理部107および他端末利用者情報管理部108より取得し、これらの情報をネットワークの利用者情報として表示する。
【0057】次に、第1の実施形態におけるハードウエア構成を説明する。本発明に係るネットワーク利用者情報管理装置は、ワークステーション、汎用コンピュータ、PC、各種携帯情報端末などの各種コンピュータ単体又は各コンピュータを相互接続したネットワークシステムに実装される。各ネットワーク利用情報管理装置は、ネットワークを介して接続される。また、各ネットワーク利用情報管理装置は、上記の通信部101、102、自端末情報送信部103、自端末通信デバイス管理部104、自端末利用者情報管理部105、他端末通信デバイス管理部107、他端末利用者情報管理部108および利用者情報表示部109の各部をすべて具備することを要しない。例えば、各ネットワーク利用情報管理装置は、通信部101および利用者情報表示部109のみを具備し、他のネットワーク利用情報管理装置あるいはサーバー上に他の各部を配置してもよく、この他各部の配置は任意である。
【0058】各コンピュータは、CPUと、データメモリと、プログラムメモリと、通信インターフェースと、入力部と、出力部とを具備する。さらに、外部記憶装置に接続されてもよい。CPUは、ネットワーク利用者情報管理装置およびネットワーク利用者情報表示方法を実現するソフトウエアを制御することにより、第1の実施形態を実現する。
【0059】尚、本発明に係るネットワーク利用者情報管理および電子会議利用の各種処理を実現するためのプログラムは、各種記録媒体に保存することができる。かかる記録媒体を、上記ハードウエアを具備するコンピュータのCPUにより読み出し、当該プログラムを実行することにより、本発明が実施される。ここで、記録媒体とは、例えば、半導体メモリ・磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク・ハードディスク)・光ディスク(CD−ROM・DVD等)、プログラムを記録することのできる装置全般を含む。さらに、上記プログラムは、ネットワークなどの各種通信手段を通じて配布されてもよい。
【0060】本発明の第1の実施形態は上記のように構成されており、以下その処理の流れを図2および図3を用いて順に説明する。
【0061】図2は、第1の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置が新たにネットワークに接続する際の処理手順を示すフローチャートである。
【0062】図2に示すように、まず、自端末がネットワークに新たに接続すると、通信部101,102は、自端末利用者情報管理部105および自端末通信デバイス管理部104へネットワークへの接続通知を行う(S201)。自端末利用者情報管理部105は、自端末の利用者情報を取得し、この自端末の利用者情報を自端末情報送信部103へ受け渡す(S202)。
【0063】自端末通信デバイス管理部104は、通信部101,102から、各々「LAN」や「IrDA」などの通信デバイスの種類、また、「TOSHIBA WaveCom」などの各種通信デバイス属性を含む通信デバイス情報を取得する(S203)。この場合、端末220の通信部102のように、実際にネットワークへ接続はしていないが使用可能な通信デバイスがあれば、この情報も含む。自端末通信デバイス管理部104は、全ての通信部101,102から通信デバイス情報を取得した後、自端末情報送信部103へ送信要求を行う。同時に自端末通信デバイス管理部104は、自端末の利用者情報表示の更新要求として、これらの通信デバイス情報を利用者情報表示部109に送信する。自端末情報の送信要求を受けた自端末情報送信部103は、取得した情報に自端末の識別子を付与し送信パケットを生成する。そして、接続している全ての通信部に送信要求を送信する(S204)。
【0064】自端末の利用者情報表示の更新要求を受けた利用者情報表示部109は、自端末利用者情報管理部105,他端末通信デバイス管理部107,他端末利用者情報管理部108がそれぞれ保持する自端末の利用者情報、他端末の通信デバイス情報およびこれに対応する他端末の利用者情報を取得し、これらの情報を利用者情報として表示する(S205)。
【0065】次に、第1の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置が、他の端末からの端末情報を含む送信パケットを受信する際の処理手順を説明する。
【0066】図3は、第1の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置が、このパケットを受信する際の処理手順を示すフローチャートである。
【0067】図3に示すように、ネットワークを介して通信部へ他端末情報パケットが到着すると、通信部101あるいは102は、他端末情報受信部106へパケットの到着を通知する(S211)。
【0068】他端末情報受信部106は、パケットを検査し、他端末利用者情報に関する情報は、他端末利用者情報部へ受け渡す(S212)。一方、他端末通信デバイス情報に関する情報は、他端末通信デバイス管理部107へ受け渡す(S213)。
【0069】他端末利用者情報管理部108は、パケット中に付与された送信元の端末識別子と同じ端末識別子に対応するエントリーが他端末利用者情報管理部108の中にあるか否かを検索する(S214)。送信元の端末識別子のエントリーがあれば(S214N)、受信した端末情報に含まれる利用者情報により当該エントリーを更新する。一方、送信元の端末識別子のエントリーがなければ、新たな端末として、新しくエントリを作成する。この新たなエントリーに受信した利用者情報を格納する。
【0070】同様に、他端末通信デバイス管理部107は、パケット中に付与された端末識別子と同じ端末識別子に対応するエントリーが他端末通信手段管理部107の中にあるか否かを検索する(S214)。送信元の端末識別子のエントリーがあれば(S214N)、受信した端末情報に含まれる通信デバイス情報により当該エントリーを更新する。一方、送信元の端末識別子のエントリーがなければ、新たな端末として、新しくエントリを作成する。この新たなエントリーに受信した通信デバイス情報を格納する。
【0071】新たな端末の場合、通信部は、送信元端末に対して自端末の端末情報を送信するべく自端末情報送信部103へ通知を行う。この自端末情報の他端末に対する送信手順は、図2に示すステップS201〜S205(S200)の手順に従い実行される(S215)。これらの手順の実行により、自端末情報が他端末に対して送信される。
【0072】最後に、利用者情報表示を更新するために、利用者情報表示部109は、自端末通信デバイス管理部104,自端末利用者情報管理部105,他端末利用者情報管理部108,他端末通信デバイス管理部107から必要な情報を取得して表示する(S216)。
【0073】図4に、以上の手順により更新された利用者情報表示の具体例を示す。ここでは、各ユーザA,B,Cは同一の電子会議の参加者であるとする。すなわち、各ユーザA,B,Cはグループ通信を行うメンバであるとする。図4に示すように、利用者情報として、ユーザ名、LAN1,IrDA等の通信デバイスの状態、端末識別子等の属性情報が当該電子会議に参加する各ユーザーごとに表示されている。ユーザA(端末200)は、LANおよびIrDAの通信デバイスでネットワークに接続している。ユーザB(端末220)は、LANとIrDAの通信デバイスを持っているが、LANは非接続中であり現在IrDAでのみ接続している。この非接続状態であることは、表示画面中の該当領域(図4中の破線領域)を強調表示など他の領域と識別可能に表示することによりユーザーに注意喚起される。ユーザC(端末210)は、LANのみでネットワークに接続していることが理解される。ここで、例えばユーザCは、自端末は速度の速いLANで接続されているが、同じグループ通信のメンバであるユーザBはIrDAで接続されていることを知ることができる。尚、第1の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置は、上記の電子会議に限らず、複数のユーザによりグループ通信を行うための各種処理一般に用いることができることは言うまでもない。
【0074】第1の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0075】利用者情報表示部109は、他端末との端末情報の送受信により、他端末の利用者情報・通信デバイス情報、自端末の利用者情報・通信デバイス情報をそれぞれ対応付け、利用者情報として表示する。これらの利用者情報は、自端末通信デバイス管理部104、自端末利用者情報管理部105、他端末通信デバイス管理部107、他端末利用者情報管理部108から取得される。
【0076】このため、多数の利用者が参加してデータの送受信を行う際に必要となるネットワークの利用情報を容易に提示することができる。特に、他端末の保持する通信デバイス情報を表示することができるので、複数セグメント間で例えば電子会議を行う際に、ユーザは速度能力の異なる複数の通信デバイスが存在することを認識することができる。
【0077】第2の実施形態以下、本発明の第2の実施形態を、第1の実施形態と異なる点についてのみ、図5および図6を参照して詳細に説明する。
【0078】第2の実施形態は、第1の実施形態に加えてさらに、グループ間の通信に用いる通信デバイスを速度の速い通信デバイスに最適化する機能を提供する。
【0079】図5は、本発明の第2の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置の機能構成を示すブロック図である。尚、図5において図1と同一部分には同一の符号を用い、異なる部分についてのみ説明する。すなわち図5に示すネットワーク利用者情報管理装置は、接続端末台数計測部111と、通信速度計測部113と、通信デバイス変更部114とを更に具備する。
【0080】接続端末台数計測部111は、現在ネットワークに接続されている端末の台数を計測する。
【0081】以下、この端末の台数の計測手法を説明する。例えば、他端末利用者情報管理部108に新たな端末が現れたことを示す通知が届いた時に、他端末利用者情報管理部108から、接続端末台数計測部111へ端末の増加通知を受け取って接続台数カウンタに1を加える。他方、ネットワークから端末が消えたことを示す通知が届いた時に、他端末利用者情報管理部108から、接続端末台数計測部111へ端末の減少通知を受け取って接続台数カウンタから1を減らす。あるいは、必要に応じて、他端末利用者情報管理部108が保持しているエントリーの数が示す端末の数を監視してもよい。
【0082】通信速度計測部113は、通信デバイス毎に、各通信デバイスを用いて送出されたパケットの送信速度を計測する。通信速度計測部113は、計測されたパケットの送信速度を、自端末通信デバイス管理部104へ通知する。
【0083】通信デバイス変更部114は、自端末および他端末の通信デバイス情報に従い、図5の手順に従って電子会議に使用する通信デバイスを変更する。あるいは、ユーザからの要求に従い当該電子会議に使用する通信デバイスを変更する。
【0084】以下、通信デバイス変更の処理手順を説明する。
【0085】図6は、第2の実施形態の通信デバイス変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0086】自端末あるいは他端末の通信デバイス情報が更新されると、自端末通信デバイス管理部104は、自端末に接続可能であり、かつ実際にはネットワークに非接続状態である通信インターフェースがあるか否かを検索する(S501)。尚、第2の実施形態においてこの通信インターフェースは、通信デバイスと同義である。この使用可能通信インターフェースがなければ(S501N)処理を終了する。一方、この使用可能通信インターフェースがある場合には(S501Y)、自端末通信デバイス情報管理部104は、他端末通信デバイス管理部107中を検索し、まだ接続されていない接続候補となる(即ち使用可能である)通信インターフェースを対象となる端末の端末情報中から検索する(S502)。尚、ここで、対象となる端末とは、例えば、ユーザ自身がすでに電子会議に参加していれば、電子会議への参加端末と設定される。他方ユーザ自身が未だ電子会議に非参加であれば、ネットワークに接続している全端末と設定されてよい。これらの対象となる端末数は、接続端末台数計測部111および必要に応じて他端末津信デバイス管理部107から取得される。
【0087】通信デバイス変更部114は、対象となる端末群の各端末が接続候補通信インターフェースを保持していたら、接続候補通信部保持数を示すカウンタに1を加える。対象となる端末群に属する全端末について接続候補通信インターフェースのカウント処理を繰り返す。
【0088】次に、通信デバイス変更部114は、通信インターフェースの接続の変更が必要か否かをチェックする(S503)。具体的には、接続候補通信インターフェースの検索が終了した際に、通信デバイス変更部114は、接続候補通信部保持数と対象端末数とを比較する。この比較結果が等しければ、さらに、接続候補通信インターフェースの通信速度と現在接続されている通信インターフェースの通信速度とを比較する。これらの通信速度は、各通信部に属する通信速度計測部113から取得される。この通信速度の比較において、接続候補の通信インターフェースの速度の方が現在接続されている通信インターフェースの速度よりも速ければ(S503Y)、通信デバイス変更部114は、通信デバイスを変更する(S504)。同時に、通信部に対してネットワークへの接続要求を送信する。一方、上記以外の場合は(S503N)、通信インターフェースの変更処理は行われない。
【0089】通信デバイス変更部114は、同時に利用者情報表示部109に対して通信デバイスの変更情報を利用情報の変更情報として送信する(S505)。
【0090】利用者情報表示部109は、この変更情報により利用者情報を変更する。
【0091】第2の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0092】通信デバイス変更部114は、グループ通信に用いる通信デバイスを、当該グループ通信を行うユーザー間で最も最適な通信デバイスに自動的に変更する。従来、ネットワークへの接続切断は、ユーザが手動で行う場合が多かったため、複数の通信デバイスを用いる場合、速度の速いデバイスが使用できるにもかかわらず、最初に設定した遅いデバイスを用いる場合があった。
【0093】他方、第2の実施形態によれば、電子会議を行うメンバ間で最も適した通信デバイスに自動的に接続することができる。このため、結果としてグループ内全体のスループットを上げることが可能になる。
【0094】第3の実施形態以下、本発明の第3の実施形態を、第1及び第2の実施形態と異なる点についてのみ、図7乃至図9を参照して詳細に説明する。
【0095】第3の実施形態は、上記の実施形態に加えてさらに、ネットワーク上のグループ通信の参加端末台数に応じて利用情報の表示を最適化する機能を提供する。
【0096】図7は、本発明の第3の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置の機能構成を示すブロック図である。尚、図7において図1乃至図5と同一部分には同一の符号を用い、異なる部分についてのみ説明する。すなわち図5に示すネットワーク利用者情報管理装置は、利用者情報表示選択部121を更に具備する。
【0097】利用情報表示選択部121は、自端末通信デバイス管理部104,自端末利用者情報管理部105,他端末通信デバイス管理部107,他端末利用者情報管理部108で保持されている情報の中から、利用情報として表示すべき情報を選択する。
【0098】接続端末台数計測部111は、第2の実施形態と同様の手法により、現在ネットワークに接続されている端末の台数を計測する。
【0099】以下、端末台数に応じた利用者情報表示最適化処理の処理手順を説明する。
【0100】図8は、第3の実施形態の利用者情報表示最適化処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0101】利用者情報表示部109は、端末情報変更通知を受信する(S601)。利用者情報表示部109は、接続端末台数計測部111に、ネットワークに接続されている端末の台数を問い合わせる。問い合わせを受けた接続端末台数計測部111は、前述の方法などで計測した端末の台数を送信する(S602)。この端末台数と閾値とが比較される(S603)。この端末の台数が、所定の閾値よりも大きければ(S603Y)、利用者情報表示選択部121に簡略情報取得要求を出す(S604)。一方、この端末の台数が、閾値よりも小さければ(S603N)、利用者情報表示選択部121に詳細情報取得要求を出す(S605)。この閾値は、例えば、利用者情報表示部109のウィンドウに一覧表示できる最大数とされる。
【0102】簡略情報取得要求を受信した利用者情報表示選択部121は、自端末利用者情報管理部105,他端末利用者情報管理部108から、例えば、ユーザの名前といった簡略な情報のみを取得し(S604)、利用者情報表示部109に表示要求を行う。一方、詳細情報取得要求が届いた利用者情報表示選択部121は、自端末利用者情報管理部105,自端末通信手段管理部104,他端末利用者情報管理部108,他端末通信手段管理部107から、各端末に関する詳細情報を取得し(S605)、利用者情報表示部109に表示要求を行う。
【0103】利用者情報表示部109は、利用者情報表示選択部121が取得した情報を取得し、表示する(S606)。
【0104】図4及び図9に、以上の手順により選択された利用者情報の表示の具体例を示す。
【0105】図4では、ネットワークに接続している端末数が3台なので、ユーザ名、そのユーザが接続している通信デバイスの種類、ユーザが登録した情報、メールアドレスが表示されている。一方、ネットワークに接続されている端末数が多くなると、図9のように、ユーザ名のみを一覧表示するように切り替えられる。
【0106】第3の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0107】利用者情報表示部109は、接続端末台数計測部111から得られる端末台数に応じて、利用者情報の詳細を表示するか、一部を一覧的に表示するかを決定する。利用者情報表示選択部121は、利用者情報表示部109からの通知により、利用者情報の項目を選択して表示する。通常、電子会議システムでは、会議の開催前にはネットワークへ接続可能な端末のユーザ情報をウィンドウに一覧表示されるが、各端末に関する情報量は台数によって変化しない。従って、台数が増えると、当然のことながら、一覧表示できず、各ユーザの存在を確認するには、ユーザがスクロールしなければならない上に、全体を把握することが難しかった。
【0108】第3の実施形態によれば、ユーザの数が多くなると自動的に、画面に表示する情報量を減らすことにより、直観的にユーザが全体を把握することが可能とする。
【0109】第4の実施形態以下、本発明の第4の実施形態を、上記の実施形態と異なる点についてのみ、図10乃至図12を参照して詳細に説明する。
【0110】第4の実施形態は、上記の実施形態に加えてさらに、ネットワーク上の各端末の属するセグメントの数に応じて利用情報の表示を最適化する機能を提供する。
【0111】図10は、本発明の第4の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置の機能構成を示すブロック図である。尚、図10において図1、図5、図7と同一部分には同一の符号を用い、異なる部分についてのみ説明する。すなわち図10に示すネットワーク利用者情報管理装置は、セグメント数計測部112を更に具備する。
【0112】セグメント数計測部112は、現在ネットワークに接続されている各端末が属するセグメントの数を計測する。
【0113】利用情報表示選択部121は、第3の実施形態と同様、自端末通信デバイス管理部104,自端末利用者情報管理部105,他端末通信デバイス管理部107,他端末利用者情報管理部108で保持されている情報の中から、利用情報として表示すべき情報を選択する。
【0114】図11は、第4の実施形態の利用者情報表示最適化処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0115】利用者情報表示部109は、端末情報の変更通知を受信する(S701)。利用者情報表示部109は、セグメント数計測部112に、各端末が所属するセグメントの数を問い合わせる。問い合わせを受けたセグメント数計測部112は、自端末および他端末利用者管理部に保持されている、現在接続されている各端末の通信デバイスの種類を計測する。この通信デバイスの種類の数がセグメント数として、利用者情報表示部109に送信される(S702)。このセグメント数が1つだけならば(S703Y)、利用者情報表示部109は、利用者情報表示選択部121に通信デバイス情報抜き端末情報取得要求を通知する(S704)。一方、各端末の属するセグメントの数が複数ならば(S703N)、利用者情報表示選択部121に通信デバイス情報付き情報取得要求を通知する(S705)。
【0116】通信デバイス情報抜き端末情報取得要求が届いた利用者情報表示選択部121は、自端末利用者情報管理部105,他端末利用者情報管理部108から、利用者情報を取得し、利用者情報表示部109に表示要求を行う。一方、通信デバイス情報付き端末情報取得要求が届いた利用者情報表示選択部121は、自端末利用者情報管理部105,自端末通信デバイス管理部104,他端末利用者情報管理部108,他端末通信デバイス管理部107から、各端末に関する詳細情報を取得し、利用者情報表示部109に表示要求を行う。
【0117】利用者情報表示部109は、利用者情報表示選択部121が取得した情報を取得し、表示する(S706)。
【0118】図4および図12に、上記の手順により選択された利用者情報の表示の具体例を示す。
【0119】セグメントの数が1つ、すなわち、ネットワークに接続している全ての端末が同じ通信デバイスを用いている時は、図12のように、ユーザ情報として、通信デバイス情報を含めない。逆に、セグメントの数が複数の時は、図4のように、ユーザが接続している通信デバイスの種類が表示されている。
【0120】第4の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0121】利用者情報表示部109は、セグメント数計測部112から得られるセグメント数に応じて、グループ通信の参加端末全てが同一のセグメントに属する場合には、通信デバイスに関する情報を省略する通信デバイス抜き端末情報取得要求を生成する。利用者情報表示選択部121は、利用者情報表示部109からの通知により、利用者情報の項目を選択して表示する。
【0122】このため、不要な利用者情報の項目を表示することなく、必要な情報のみを表示することで、直感的にユーザが全体を把握することが可能となる。
【0123】尚、上記の実施形態は、それぞれ単独で実施されてもよく、他の実施形態と適宜組み合わされて実施されてもよいことは言うまでもない。
【0124】また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の本旨を逸脱することなく、種々の変更・変形を成し得ることが可能であることは言うまでもない。また、これらの変更・変形はすべて本発明の範囲内に含まれるものである。
【0125】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、以下に記載されるような効果を奏する。
【0126】即ち、複数の通信セグメントを接続するネットワーク環境において、多数の利用者が参加してデータの送受信を行う際に必要となるネットワークの利用情報を容易かつ効率よく提示する機能を提供する。また、速度能力の異なる複数の通信デバイスが存在する場合に、グループ通信を行う各通信デバイスの速度能力の差を均一にしすることで、ネットワークの利用状況に応じて通信デバイスを最適化する機能を提供する。また、ネットワーク環境の変化に応じて、適切なユーザ情報表示を行う機能を提供する。
【0127】これにより、直感的に分かりやすく、ユーザにおかれた環境を把握させることが可能となる。
【0128】このように、本発明を用いれば、複数デバイスを用いて行われる電子会議などの多数ユーザー参加型のグループ通信におけるデータ送受信を効率よく行うことが可能となり、ひいてはネットワークのユーザビリティが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置および電子会議システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置ならびに電子会議利用装置が新たにネットワークに接続する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置ならびに電子会議利用装置が他の端末から端末情報パケットを受信した際の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の利用者情報表示部109が表示する利用者情報の一例を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置ならびに電子会議利用装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る通信デバイス変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置ならびに電子会議利用装置の機能構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る利用者情報表示切り替え処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施形態の利用者情報表示部109が表示する簡略利用者情報の一例を説明する図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係るネットワーク利用者情報管理装置ならびに電子会議利用装置の機能構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4の実施形態の通信セグメントの数に応じた端末情報の取得処理および利用者情報の表示処理の処理手順を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第4の実施形態の利用者情報表示部109が、通信セグメントの数が1つの場合に表示する利用者情報の一例を説明する図である。
【符号の説明】
101,102 通信部
103 自端末情報送信部
104 自端末通信デバイス管理部
105 自端末利用者情報管理部
106 他端末情報受信部
107 他端末通信デバイス管理部
108 他端末利用者情報管理部
109 利用者情報表示部
111 接続端末台数計測部
112 セグメント数計測部
113 通信速度計測部
114 通信デバイス変更部
121 利用者情報表示選択部
200,210,220 情報端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数利用者間相互の通信における利用者情報を管理するネットワーク利用者情報管理装置であって、利用者を識別する利用者識別情報を各端末機器ごとに保持する利用者識別情報記憶手段と、前記各端末機器の有する通信デバイス情報を管理する通信デバイス情報記憶手段と、少なくとも前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を含む、前記各端末機器ごとの端末情報を送受信し、前記利用者識別情報を前記利用者識別情報記憶手段に格納し、前記通信デバイス情報を前記通信デバイス情報記憶手段に格納する端末情報通信手段と、前記自身の端末機器が通信可能な前記各端末機器の前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を対応表示する利用者情報表示制御手段とを具備することを特徴とするネットワーク利用者情報管理装置。
【請求項2】 前記端末情報通信手段は、受信されるパケット中に記述される送信元端末機器の端末識別子に対応するエントリーが存在しない場合には、前記送信元端末機器に対して自端末情報の送信要求を行うことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク利用者情報管理装置。
【請求項3】 前記通信デバイス情報は、自身の端末機器と接続中であることを示す第1の通信状態値と、前記自端末機器と非接続かつ接続可能であることを示す第2の通信状態値とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク利用者情報管理装置。
【請求項4】 複数利用者間相互の通信における利用者情報を管理するネットワーク利用者情報管理装置であって、利用者を識別する利用者識別情報を各端末機器ごとに保持する利用者識別情報記憶手段と、前記各端末機器の有する通信デバイス情報を管理する通信デバイス情報記憶手段と、少なくとも前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を含む、前記各端末機器ごとの端末情報を送受信し、前記利用者識別情報を前記利用者識別情報記憶手段に格納し、前記通信デバイス情報を前記通信デバイス情報記憶手段に格納する端末情報通信手段と、自身の端末機器が属するネットワークに接続される接続端末機器の総数を算出する端末台数算出手段と、前記通信デバイス情報に基づき、現在ネットワークに非接続状態であり、かつ接続可能である自身の端末機器中の接続候補通信デバイスの有無を判断する自端末接続候補通信デバイス選択手段と、前記通信デバイス情報に基づき、自身の端末機器中の接続候補通信デバイスに対応する他端末機器の接続候補通信デバイスの有無を判断する他端末接続候補通信デバイス検索手段と、前記総数および前記他端末機器の接続候補通信デバイスの数に基づいて、自身の端末機器の通信デバイスを変更する通信デバイス変更手段とを具備することを特徴とするネットワーク利用者情報管理装置。
【請求項5】 前記通信デバイス変更手段は、さらに、前記総数および前記他端末機器の接続候補通信デバイスの数とを比較する通信デバイス数比較手段と、現在ネットワークに接続されている通信デバイスの通信速度と前記接続候補通信デバイスの通信速度とを比較する通信速度比較手段とを具備し、前記総数と前記他端末機器の接続候補通信デバイスの数が等しく、かつ前記接続候補通信デバイスの通信速度が現在ネットワークに接続されている通信デバイスの通信速度より速い場合に、現在ネットワークに接続中の通信デバイスから前記接続候補通信デバイスに、通信デバイスを変更することを特徴とする請求項4に記載のネットワーク利用者情報管理装置。
【請求項6】 前記利用者情報表示手段は、前記総数が所定の閾値より大きい場合には、前記利用者識別情報のみを表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のネットワーク利用者情報管理装置。
【請求項7】 上記ネットワーク利用者情報管理装置は、さらに、自身の端末機器および他端末機器がそれぞれ属する通信セグメントの数を算出する通信セグメント数算出手段を具備し、前記利用者情報表示制御手段は、前記通信セグメントの数が1である場合には、前記利用者情報のみを表示することを特徴とする請求項1乃至3、5のいずれか記載のネットワーク利用者情報管理装置。
【請求項8】 前記利用者情報は、複数の通信セグメントにより構成されるネットワークの利用者情報であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載のネットワーク利用者情報管理装置。
【請求項9】 複数利用者間相互の通信における利用者情報を表示するネットワーク利用者情報表示方法であって、利用者を識別する利用者識別情報を各端末機器ごとに取得する利用者識別情報取得ステップと、前記各端末機器の有する通信デバイス情報を取得する通信デバイス情報取得ステップと、少なくとも前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を含む、前記各端末機器ごとの端末情報を送受信する端末情報送受信ステップと、前記自身の端末機器が通信可能な前記各端末機器の前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を対応表示する利用者情報表示ステップとを含むことを特徴とするネットワーク利用者情報表示方法。
【請求項10】 複数利用者間相互の電子会議における利用者情報を管理する電子会議利用装置であって、利用者を識別する利用者識別情報を各端末機器ごとに保持する利用者識別情報記憶手段と、前記各端末機器の有する通信デバイス情報を管理する通信デバイス情報記憶手段と、少なくとも前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を含む、前記各端末機器ごとの端末情報を送受信し、前記利用者識別情報を前記利用者識別情報記憶手段に格納し、前記通信デバイス情報を前記通信デバイス情報記憶手段に格納する端末情報通信手段と、前記自身の端末機器が通信可能な前記各端末機器の前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を対応表示する利用者情報表示制御手段とを具備することを特徴とする電子会議利用装置。
【請求項11】 複数の通信セグメントにより構成されるネットワークを介した電子会議の利用者情報を送信する電子会議利用者情報送信装置と、前記電子会議の利用者情報を受信する電子会議利用者情報受信装置とをネットワークを介して複数接続して成る電子会議システムであって、前記電子会議利用者情報送信装置は、自身の端末機器の利用者を識別する利用者識別情報を取得する利用者情報取得手段と、自身の端末機器の有する通信デバイス情報を取得する通信デバイス情報取得手段と、少なくとも前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を含む、前記自身の端末の端末情報を送信する端末情報送信手段とを具備し、前記電子会議利用者情報受信装置は、他端末機器からの前記端末情報を受信する端末情報受信手段と、前記端末情報を蓄積保持する端末情報記憶手段と、前記受信される端末情報が前記端末情報記憶手段に存在しない場合に、前記電子会議利用者情報送信装置に対して、前記端末情報の送信要求を行う端末情報送信要求手段とを具備することを特徴とする電子会議システム。
【請求項12】 複数利用者間相互の通信における利用者情報を管理するネットワーク利用者情報管理プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、利用者を識別する利用者識別情報を各端末機器ごとに保持する利用者識別情報記憶処理と、前記各端末機器の有する通信デバイス情報を管理する通信デバイス情報記憶処理と、少なくとも前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を含む、前記各端末機器ごとの端末情報を送受信し、前記利用者識別情報を前記利用者識別情報記憶手段に格納し、前記通信デバイス情報を前記通信デバイス情報記憶手段に格納する端末情報通信処理と、前記自身の端末機器が通信可能な前記各端末機器の前記利用者識別情報および前記通信デバイス情報を対応表示する利用者情報表示制御処理とを含む処理をコンピュータに実行せしめるネットワーク利用者情報管理プログラムを記録することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図12】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2000−286843(P2000−286843A)
【公開日】平成12年10月13日(2000.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−89930
【出願日】平成11年3月30日(1999.3.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】