説明

ネットワーク装置の設定及びファームウェアの更新方法、ネットワーク装置並びにコンピュータプログラム

【課題】 人手による設定作業を行うことなく、VoIPアダプタ等のネットワーク装置の設定情報の設定・更新を可能とする技術を提供する。
【解決手段】 ネットワークに接続して用いるネットワーク装置を設定する際に、まず、予め第1の認証情報を記憶したネットワーク装置を、ネットワークに接続し、次に、ネットワーク装置が、ネットワークを介して接続された装置Aに、第1の認証情報を送信する。続いて、装置Aが、第1の認証情報に基づいてネットワーク装置を認証し、認証結果に応じて、装置A、または、装置Aと連携する他の装置Bが、ネットワーク装置に設定情報を送信した後、受信した設定情報に基づいて、ネットワーク装置が、自身の設定情報を設定または更新する処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク装置の設定、ネットワーク装置のファームウェアの更新に関する。特に、VoIP(Voive over Internet Protocol)アダプタに代表されるIP電話機器の設定、ファームウェアの更新に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IP電話の高品質化に伴って、従来の加入電話からの置き換えが進みつつある。しかしながら、現状ではIP電話導入にはまだ敷居が高く、広く一般に普及するまでには至っていない。
【0003】
これは、VoIPアダプタのようなネットワーク装置では、使い始める前に設定作業が要求されることが一因である。このようなネットワーク装置の初期設定作業は、従来、パーソナルコンピュータ等をネットワーク装置に接続して行っていた。このため、必然的に、設定作業にはパーソナルコンピュータが必要であった。また、設定作業を行う者に若干の知識が要求された。
【0004】
従来のVoIP電話は、パーソナルコンピュータのユーザがパーソナルコンピュータと共に、或いはその周辺機器の一種として利用する場合が多く、設定作業にコンピュータが必要な点は問題視されなかった。また、加入者が同時にコンピュータユーザでもあり、コンピュータの操作に慣れていることが多いため、加入者自身が設定作業をしてもそれほど問題にならなかった。しかしながら、IP電話の普及を図るためには、パーソナルコンピュータを持たない者や苦手な者であっても、容易に設置可能な装置が求められる。
【0005】
他方、従来のIP電話端末には050から始まる電話番号、いわゆる0A0系番号が付与されているが、公衆交換電話網(PSTN、Public Switched Telephone Networks)を介した一般の加入電話の代替手段としてIP電話を提供するためには、一般加入電話と同様に0AB〜J系番号をIP電話端末に付与することが望まれる。このためには、電話番号と発信場所とを対応させることが要請されている。従って、電話番号と発信場所との対応関係を保証することが可能なVoIP電話システムが求められている。
【0006】
本発明に関連する先行技術文献として次の文献を挙げる。
【0007】
【特許文献1】特開2003−8776号公報(第0008段落)
【特許文献2】特開2003−324486号公報(第0007〜0009段落、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような状況に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、人手による設定作業を行うことなく、VoIPアダプタ等のネットワーク装置の設定情報の設定・更新を可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述のような課題を解決するため、本発明は以下のようなネットワーク装置の設定方法、ファームウェア更新方法、ネットワーク装置、コンピュータプログラム、及びネットワークシステムを提供する。
【0010】
まず、ネットワークに接続して用いるネットワーク装置を設定する方法において、予め第1の認証情報を記憶したネットワーク装置を、ネットワークに接続する段階と、ネットワーク装置が、ネットワークを介して接続された装置Aに、第1の認証情報を送信する段階と、装置Aが、第1の認証情報に基づいてネットワーク装置を認証し、認証結果に応じて、装置A、または、装置Aと連携する他の装置Bが、ネットワーク装置に設定情報を送信する段階と、受信した設定情報に基づいて、ネットワーク装置が、自身の設定情報を設定または更新する処理を実行する段階とを含むことを特徴とするネットワーク装置の設定方法を提供する。この方法によれば、人手による設定作業を行うことなく、ネットワーク装置に設定情報を設定し、或いは設定情報を更新することができる。ここで、第1の認証情報としては、例えばネットワーク装置やその使用者毎に発行された識別子とパスワードの組や、MAC(Media Access Control)アドレスを用いることができる。
【0011】
設定情報は第1の認証情報に応じて定められることとすれば、ネットワーク装置毎に異なる設定情報を設定することができる。
【0012】
この方法は、ネットワーク装置としてVoIP(Voice over Internet Protocol)アダプタを用いたIP電話システムに特に有効である。この場合、設定情報は、ネットワーク装置またはネットワーク装置に接続された電話端末を用いて行うIP電話に係る設定情報であるIP電話設定情報を含むこととすればよい。
【0013】
設定情報は、第1の認証情報とは異なる認証情報である第2の認証情報を含み、ネットワーク装置は、第2の認証情報に基づいて、ネットワークを介して接続された他の装置から認証を受けることとしてもよい。このようにすれば、ネットワーク装置が実際にネットワークに接続された後で、適切な装置から認証を受けることができることとなる。
【0014】
ネットワーク装置、装置A、及び、ネットワーク装置から装置Aの間に接続された中継装置の少なくともひとつが、ネットワーク装置から装置Aに至る接続経路を示す経路情報を、第1の認証情報に付加し、第1の認証情報に応答して送信される設定情報と、当該第1の認証情報に付加された経路情報との対応関係を、装置Cが記憶することとしてもよい。このようにすれば、例えば、装置Cに記憶された対応関係に基づいて、特定のネットワーク装置が、ネットワーク上の所定の経路を介して装置Aにアクセスしていることを常に確認することができる。特に、装置C、または、装置Cと連携する装置Dが、予め記憶した対応関係と、ネットワークから送信された設定情報及び経路情報とを比較し、比較結果に応じて応答することとすれば、例えば、VoIP電話の呼制御サーバに対して電話端末から呼制御の要求がなされたときに、発信元の電話番号と、発信元端末が接続されている回線の対応関係を確認して、記憶されている対応関係と一致する場合に限り、呼制御を行うことにより、発信元電話番号と発信位置との対応関係を保証することができるようになる。
【0015】
上述の方法を用いて、ネットワーク装置のファームウェアを更新することができる。即ち、ネットワークに接続して用いるネットワーク装置のファームウェアを更新する方法において、上述の方法にてネットワーク装置を設定する段階と、ネットワーク装置とネットワークを介して接続された装置Eに対して、ネットワーク装置が現在使用中のファームウェアのバージョン情報を送信する段階と、ネットワーク装置から受信したバージョン情報に応じて、現在使用中のファームウェアのバージョンが最新であるか否かを、装置Eが判定する段階とを含むことを特徴とするファームウェア更新方法をも提案する。このようにすれば、例えば、サーバを介してネットワーク装置にファームウェアを提供する場合に、ネットワーク装置をエンドユーザに提供後、エンドユーザ側での人手による設定作業を行うことなく、サーバのアドレスを変更することが可能となる。尚、この方法は、ファームウェアの更新だけではなく、例えば設定情報の更新にも用いることができる。また、ファームウェアのバージョンアップの可否を示すフラグ、即ち、更新許可フラグを個々のVoIPアダプタに対して定めてもよい。こうすれば、バージョンの新旧とは別に、或いは、バージョンの新旧と組み合わせて、バージョンアップを行うか否かをVoIPアダプタのそれぞれに対して定めることができる。
【0016】
このファームウェア更新方法において、判定結果に応じて、装置Eまたは装置Eと連携する装置Fが、ネットワーク装置に対し、最新ファームウェアの全部、または、現在使用中のファームウェアからの差分を送信する段階と、ネットワーク装置が、受信したファームウェアの全部または差分を用いて現在使用中のファームウェアを更新する処理を実行する段階と含むこととしてもよい。これにより、ネットワーク装置のファームウェア更新を自動化することができる。
【0017】
また、本発明は、ネットワークに接続して用いるネットワーク装置において、第1の認証情報を記憶する記憶装置と、ネットワークを介して接続された装置Aに、第1の認証情報を送信する送信部と、装置Aが、第1の認証情報に基づいてネットワーク装置を認証した認証結果に応じて、装置A、または、装置Aと連携する他の装置Bが送信する設定情報を受信する受信部と、受信した設定情報に基づいて設定情報を設定または更新する処理を実行する処理部とを備えることを特徴とするネットワーク装置を提供する。
【0018】
設定情報は第1の認証情報に応じて定められることとしてもよい。
【0019】
ネットワーク装置がVoIPアダプタである場合、設定情報は、ネットワーク装置またはネットワーク装置に接続された電話端末を用いて行うIP電話に係る設定情報であるIP電話設定情報を含むこととなる。
【0020】
設定情報は、第1の認証情報とは異なる認証情報である第2の認証情報を含み、第2の認証情報を、ネットワークを介して他の装置に送信する手段を備え、他の装置または他の装置と連携した他の装置から第2の認証情報に基づく認証を受けることとしてもよい。
【0021】
ネットワーク装置から装置Aに至る接続経路を示す経路情報と、当該ネットワーク装置に送信された設定情報との対応関係を記憶する装置Cと連携し、装置Cに設定情報を送信し、送信した設定情報及び当該設定情報に付加された経路情報と、装置Cに記憶された対応関係との比較結果に基づく応答を、装置Cまたは装置Cと連携する装置Dから受信する手段を備えることとしてもよい。
【0022】
ネットワーク装置は、装置Eに対して、ネットワーク装置が現在使用中のファームウェアのバージョン情報を送信する手段を備え、送信したバージョン情報に応じて、現在使用中のファームウェアのバージョンが最新であるか否かを判定した判定結果を受信する手段を備えることとしてもよい。この場合、判定結果と共に、或いは、判定結果に代えて、最新ファームウェアの全部、または、現在使用中のファームウェアからの差分を受信する手段と、受信したファームウェアの全部または差分を用いて、現在使用中のファームウェアを更新する処理を実行する手段とを更に備えることとしてもよい。
【0023】
上述のネットワーク装置として、例えばVoIPアダプタがある。
【0024】
また、本発明は、ネットワークに接続する手段を備えるコンピュータにて実行されるコンピュータプログラムにおいて、ネットワークを介して接続されたネットワーク装置から、ネットワーク装置に予め記憶された第1の認証情報を受信する第1の認証情報受信処理、第1の認証情報に基づいてネットワーク装置を認証する第1の認証処理、及び、認証結果に応じて、ネットワーク装置に設定情報を送信する、または、当該コンピュータプログラムが実行されているコンピュータ以外の装置に対し、ネットワーク装置への設定情報の送信を要求する設定情報送信処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、ネットワーク装置は、受信した設定情報に基づいて、自身の設定情報を設定または更新する処理を実行することを特徴とするコンピュータプログラムを提供する。
【0025】
第1の認証情報に応じて、予め記憶された複数の設定情報の一つを選択、または、設定情報を生成する設定情報取得処理を更に含み、設定情報送信処理は、設定情報取得処理にて取得した設定情報を送信することとしてもよい。
【0026】
設定情報は、ネットワーク装置またはネットワーク装置に接続された電話端末を用いて行うIP電話に係る設定情報であるIP電話設定情報を含むこととしてもよい。
【0027】
設定情報は、第1の認証情報とは異なる認証情報である第2の認証情報を含み、ネットワーク装置は、第2の認証情報に基づいて、ネットワークを介して接続された他の装置から認証を受けることとしてもよい。第2の認証情報に基づく認証は、例えば、コンピュータプログラムが、更に、ネットワーク装置から第2の認証情報を受信する処理、第2の認証情報に基づいて、ネットワーク装置を認証する処理、及び、認証結果に応じた処理をコンピュータに実行させることにより行うことが考えられる。
【0028】
更に、第1の認証情報と共に、ネットワーク装置からコンピュータXに至る接続経路を示す経路情報を受信する処理、及び、第1の認証情報に応答して送信される設定情報と、当該第1の認証情報に付加された経路情報との対応関係を記憶する処理をコンピュータに実行させることとしてもよい。また、このコンピュータプログラムに従ってコンピュータにより記憶された対応関係と、ネットワーク装置から受信した設定情報及び経路情報とを比較する経路判定処理、及び、経路判定処理に応じた処理を、このコンピュータプログラムと同一のコンピュータ、或いは、このコンピュータプログラムと連携して動作する他のコンピュータにより実行させることとしてもよい。
【0029】
更に、上述のコンピュータプログラムを実行したコンピュータから、設定情報を受信して、自身の設定情報を設定または更新したネットワーク装置と連携し、設定情報にて定められたアドレスを有するコンピュータにて実行されるコンピュータプログラムであって、ネットワーク装置から当該ネットワーク装置が現在使用中のファームウェアのバージョン情報を受信する処理、及び、受信したバージョン情報に応じて、当該ファームウェアのバージョンが最新であるか否かを判定する判定処理を、コンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムを提供する。このコンピュータプログラムにおいて、判定処理の結果に応じて、ネットワーク装置に対し、最新ファームウェアの全部または現在使用中のファームウェアからの差分を送信する処理を、当該コンピュータプログラムを実行するコンピュータ、または、当該コンピュータと連携する他のコンピュータに実行させることとしてもよい。
【0030】
また、本発明は、上述のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えるコンピュータを提供する。
【0031】
また、本発明は、ネットワークシステムにおいて、第1の認証情報を記憶し、第1のサーバ装置に送信するネットワーク装置と、ネットワーク装置から受信した第1の認証情報を用いて認証処理を実行し、認証結果に応じて、当該第1の認証情報に応じた設定情報を、当該ネットワーク装置に送信する第1のサーバ装置と、ネットワーク装置が設定情報に基づいて接続する第2のサーバ装置とをそれぞれ少なくともひとつ備えることを特徴とするネットワークシステムを提供する。
【0032】
このネットワークシステムにおいて、設定情報は第2の認証情報を含み、第2のサーバ装置は、ネットワーク装置から送信された第2の認証情報に基づいて当該ネットワーク装置を認証することとしてもよい。この場合、例えば、ネットワーク装置は、VoIP(Voice over Internet Protocol)アダプタであり、第2の認証情報は、VoIPアダプタに接続される電話端末に割り当てられる電話番号に係る情報を含むことが考えられる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、例えばサーバがVoIPアダプタを認証し、その結果に応じて認定情報をサーバからVoIPアダプタに送信し、これを受信したVoIPアダプタが設定情報を登録・更新するため、従来のようにVoIPアダプタにパーソナルコンピュータを接続し、VoIPアダプタの設定作業を人手を介して行う必要がない。このため、エンドユーザがVoIPアダプタにケーブルを接続して電源を投入するだけで、必要な設定情報がVoIPアダプタに設定することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1を参照して本発明の実施の形態であるネットワークシステム100について説明する。ネットワークシステム100は、電話端末11、VoIPアダプタ200、ネットワークアクセスサーバ12、オンラインサインアップサーバ400、認証サーバ13、呼制御サーバ14、及び基幹IP網15からなる。
【0035】
電話端末11は公衆交換回線網に接続して使用するのと同じアナログ電話機である。
【0036】
VoIPアダプタ200は、電話端末11から入力されたアナログ音声信号をデジタル化・IPパケット化して、ネットワークアクセスサーバ12を介して呼制御サーバ14に送信する。
【0037】
VoIPアダプタ200とネットワークアクセスサーバ12の間の接続は、スプリッタ、xDSLと総称されるDSL(Digital Subscriber Line)回線を介しても良い。xDSLには、例えばADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line:非対称型デジタル加入者線)、RADSL(Rate Adaptive Digital Subscriber Line:可変速デジタル加入者線)、SDSL(Symmetric Digital Subscriber Line:対称型デジタル加入者線)、HDSL(High Data−Rate Digital Subscriber Line:高速度デジタル加入者線)、VDSL(Very−high Data−Rate Digital Subscriber Line)等がある。
【0038】
或いは、VoIPアダプタ200とネットワークアクセスサーバ12の間の接続は、FFTH(Fiber To The Home)により接続されることとしてもよい。SS(Single Star)型ネットワークであれば、メディアコンバータ(MC)、光ファイバ回線を介して接続される。また、DS(Double Star)型ネットワーク、例えばPON(Passive Optical Network)では、MC、光スプリッタ、光ファイバ回線を介して接続される。
【0039】
ネットワークアクセスサーバ12は、オンラインサインアップサーバ400、認証サーバ13、呼制御サーバ14と連携し、VoIPアダプタ200等の下流に位置する装置を基幹IP網15への接続を提供する。VoIPアダプタ200との間の接続は、FFTH(Fiber To The Home)による接続であれば、不図示のメディアコンバータ、光ケーブル、メディアコンバータ、加入者収容装置等を介してなされる。xDSLであればスプリッタ、銅線、スプリッタ、加入者収容装置等を介してなされる。
【0040】
オンラインサインアップサーバ400は、VoIPアダプタ200が初めて接続されたときに認証を行い、認証が成功すると設定情報をVoIPアダプタ200に送信する。
【0041】
認証サーバ13は、接続情報に基づいてアクセスしたVoIPアダプタ200を認証し、認証が成功した場合、呼制御サーバ14に対する呼制御要求を許可する。
【0042】
呼制御サーバ14は、例えばSIP(Session Initiation Protocol)、H.248/MEGACO(Media Gateway Control)、MGCP(Media Gateway Control Protocol)、或いはH.323といった呼制御プロトコルに従って呼制御を実行する。
【0043】
次にVoIPアダプタ200について図2を参照して説明する。
【0044】
初期認証情報記憶部21は、初期認証情報を記憶する記憶装置である。初期認証情報は、例えば初期認証専用のIDとパスワードの組を用いる。或いは、MAC(Media Access Control)アドレスを初期認証情報として用いてもよい。VoIPアダプタの機種が複数存在するのであれば、機種の別を示す情報を含めることとしてもよい。
【0045】
初期認証要求部22は、PPPoE通信部23、ネットワークインタフェース部24を介してオンラインサインアップサーバ400との間に仮想回線を展開し、初期認証情報を送信する処理を行う。
【0046】
PPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet(登録商標))通信部23はネットワークインタフェース部24を介して他の装置との間に仮想回線を展開する処理を行う。
【0047】
ネットワークインタフェース部24はネットワークアクセスサーバ12に至る通信回線に接続するためのインタフェースである。
【0048】
VoIP接続設定部25は、初期認証情報に応じてオンラインサインアップサーバ400から受信した設定情報を、設定情報記憶部26に記憶させる。
【0049】
認証要求部27は、設定情報記憶部26に記憶された設定情報に基づいて、PPPoP通信部23、ネットワークインタフェース部24を介して認証サーバ13と通信を行い、認証サーバ13に対して認証を要求する。
【0050】
設定情報には、認証サーバ13に対して認証を要求する際に送信する正規認証情報(正規ID及びパスワードのペア等)、認証サーバ13のネットワークアドレスやドメイン名等、認証サーバ13のネットワーク上における位置を示す情報、電話端末11に付与される電話番号等が含まれる。
【0051】
ファームウェア管理部28は、ファームウェアバージョン番号記憶部29に格納されているファームウェアバージョン番号を、PPPoE通信部23、ネットワークインタフェース部24を介してオンラインサインアップサーバ400に通知し、VoIPアダプタ200にて現在使用中のファームウェアが最新バージョンであるか否かの判定を要求する。
【0052】
ファームウェアバージョン番号記憶部29には、ファームウェア記憶部30に格納されているファームウェアのバージョン番号が記憶されている。
【0053】
ファームウェア記憶部30は、VoIPアダプタ200のファームウェアが記憶されており、このファームウェアに従って、主制御部31はVoIPアダプタ200の動作を制御する。
【0054】
呼制御処理部32は電話端末11からのダイヤル信号を入力とし、電話端末11の状態監視と制御を行うと共に、呼制御サーバ14と連携して電話端末11の発信/着信の制御を行う。
【0055】
音声処理部33は電話端末11から入力されるアナログ音声信号をデジタル信号に変換する音声コーデック処理や、デジタル音声信号をIPパケット化する処理を実行する。
【0056】
接続設定制御部34は、WAN(Wide Area Network)やオンラインサインアップサーバ400との間に確立した接続の状態を監視し、接続が切れると再確立するための制御を行う。
【0057】
次に、図3を参照してオンラインサインアップサーバ400について説明する。オンラインサインアップサーバ400は、認証部41、VA情報管理部42、VA情報管理DB43、設定情報送信部44、ファームウェアバージョン管理部45、ファームウェアバージョン管理DB46、最新ファームウェア格納部47、ファームウェア送信部48からなる。
【0058】
認証部41は、初期認証要求部22から送信された初期認証情報、または、認証要求部27から送信された認証情報に基づいて、VoIPアダプタ200を認証する。
【0059】
VA情報管理部42は、初期認証要求部22から初期認証情報を受信して、この初期認証情報をキーとしてVA情報管理DB43を検索し、該当する設定情報を取得する。また、設定情報送信部44に対して、取得した設定情報を、初期認証情報の送信元のVoIPアダプタ200に送信させる。
【0060】
VA情報管理DB43は、設定情報として、認証サーバ13等で認証処理を受けるための正規認証情報、電話端末11に対して割り当てられる電話番号、呼制御サーバ14のネットワークアドレスが関連付けて格納されている。
【0061】
設定情報送信部44は、VA情報管理部42がVA情報管理DBを検索して取得した認定情報を、初期認証情報の送信元を宛先として送信する。
【0062】
ファームウェアバージョン管理部45は、ファームウェア管理部28からファームウェアバージョン番号を受信し、この番号をキーとしてファームウェアバージョン管理DB46を検索して、受信したファームウェアバージョン番号が最新のものであるか否かを判定する。また、認証部41からVoIPアダプタ200の認証情報を取得し、認証情報をキーとしてファームウェアバージョン管理DB46を検索して、そのVoIPアダプタ200に対して予め定められた更新許可フラグの値を取得し、更新の可否を判定する。更新許可フラグは、その認証情報が示すVoIPアダプタ200において、ファームウェアのバージョンアップを行ってよいか否かを示すフラグであり、予めファームウェアバージョン管理DB46に登録されている。ファームウェアが最新のものではなく、かつ、更新許可フラグが更新の許可を示している場合、最新ファームウェア格納部47に格納されている最新ファームウェアを、ファームウェア送信部48を使ってVoIPアダプタ200に送信する。
【0063】
ファームウェアバージョン管理DB46は、配下のVoIPアダプタ200のファームウェアのバージョン情報、最新ファームウェアのバージョン情報、更新許可フラグ等を管理するデータベースが稼動するコンピュータである。
【0064】
最新ファームウェア格納部47は、VoIPアダプタのファームウェアの最新バージョンを予め格納しておく装置である。
【0065】
ファームウェア送信部48は、ファームウェアバージョン管理部45の指示に応じて最新バージョンのファームウェアを送信する装置である。
【0066】
次に、図4を参照してVoIPアダプタ200を設置する際の初期設定動作について説明する。
【0067】
VoIPアダプタ200を設置し、ネットワークインタフェース部24にケーブルを接続して電源を投入する(ステップS1)と、初期認証要求部22は初期認証情報記憶部21から初期認証情報を読み出し、PPPoE通信部23及びネットワークインタフェース部24を介してオンラインサインアップサーバ400に送信する(ステップS2)。
【0068】
ネットワークアクセスサーバ12を介して送信された初期認証情報を、オンラインサインアップサーバ400が受信する(ステップS3)と、認証部41は認証を行う(ステップS4)。認証が成功すると、VA情報管理部42は初期認証情報に関連付けられた設定情報をVA情報管理DB43から取得し、設定情報送信部44から送信元のVoIPアダプタ200に送信する(ステップS5)。
【0069】
VoIPアダプタ200が設定情報を受信する(ステップS6)と、接続設定部25は、受信した設定情報に基づいてVoIPアダプタ200の設定処理を行い、設定内容を設定情報記憶部26に設定する(ステップS7)。
【0070】
このようにして、VoIPアダプタ200には、電話端末11の電話番号、認証サーバ13のネットワークアドレス(或いはドメイン名等)、認証サーバ13に認証を受けるための正規認証情報を含む、IP電話を発着信するために必要な各種の設定情報が設定される。
【0071】
図4の初期設定動作により設定されたVoIPアダプタ200を介し、電話端末11からIP電話の発信を行うときの動作について図5を参照して説明する。
【0072】
電話端末11がオフフックになったことを呼制御処理部32が検出すると、接続設定部27は設定情報記憶部26に格納されている設定内容に基づいて、認証サーバ13にアクセスし、正規認証情報を送信する(ステップS10)。
【0073】
これを受信(ステップS11)した認証サーバ13は、正規認証情報に基づく認証処理を実行(ステップS12)し、認証が成功した場合に限り、呼制御サーバ14及びVoIPアダプタ200に対し、認証成功を通知する(ステップS13〜15)。
【0074】
これを受けて、VoIPアダプタ200は呼制御サーバ14に対して呼制御処理の実行を要求する(ステップS16)。受信した呼制御要求と、ステップS14にて受信した利用許可とに応じて、呼制御サーバ14は呼制御を開始する(ステップS17)。
【0075】
次に、VoIPアダプタ200のファームウェアを更新する動作について、図6を参照して説明する。
【0076】
ファームウェア管理部28は、定期的に、或いは、VoIPアダプタ200の所定動作をトリガーとして、設定情報記憶部26から正規認証情報を取得すると共に、ファームウェアバージョン管理記憶部29からファームウェアバージョン番号を取得し、オンラインサインアップサーバ400に送信する(ステップS20)。所定動作のトリガーとしては、例えば発着信毎や、オンラインサインアップサーバ400から確認を要求された場合等がある。
【0077】
ファームウェアバージョン番号をオンラインサインアップサーバ400が受信する(ステップ21)と、認証部41は正規認証情報に基づいて認証処理を行う(ステップS22)。認証が成功した場合に限り、ファームウェアバージョン管理部45は、受信したファームウェアバージョン番号と、ファームウェアバージョン管理DB46に格納されている最新ファームウェアのバージョン番号とを比較する(ステップS23)。そのVoIPアダプタ200のファームウェアのバージョン番号としてファームウェアバージョン管理DB46に登録されている番号と、VoIPアダプタ200から受信したバージョン番号とが一致しない場合、ファームウェアバージョン管理DB46に登録されているそのVoIPアダプタ200のファームウェアバージョン番号を更新する(ステップS24)。更に、ファームウェアバージョン管理部45は、そのVoIPアダプタ200に対して定められている更新許可フラグの値を、ファームウェアバージョン管理DB46から取得して、更新の可否を判定する(ステップS25)。ステップS23にてそのVoIPアダプタ200のファームウェアが最新バージョンではないと判定され、かつ、ステップS25にてそのVoIPアダプタ200のファームウェアの更新が許可されていると判定された場合、最新ファームウェア格納部47に格納された最新のファームウェアの全体または差分が、ファームウェア送信部48から送信される(ステップS26)。
【0078】
VoIPアダプタ200がファームウェアを受信する(ステップS27)と、ファームウェア管理部28は、そのファームウェア(或いは差分)を用いてファームウェア記憶部30に現に格納されているファームウェアを更新すると共に、ファームウェアバージョン番号記憶部29に記憶されているファームウェアバージョン番号を更新する(ステップS28)。
【0079】
尚、図1においてVoIPアダプタ200の下流には電話端末11のみが接続されているが、これとは別にパーソナルコンピュータ等のネットワーク接続可能な装置を接続しても良い。この場合、VoIPアダプタ200は、これら装置をPPPoE通信部23に接続するための装置が更に設けられる。
【実施例1】
【0080】
本発明の一実施例であるネットワークシステム700について図7を参照して説明する。上述のネットワークシステム100と同等の構成要素には同一の参照符号を付してある。ネットワークシステム700では、VoIPアダプタ600とネットワークアクセスサーバ12の間はFTTHにより接続されている。このため、両者の間には、電気信号を光信号に変換するメディアコンバータ16、メディアコンバータ16と光ケーブルで接続され、メディアコンバータを内蔵する加入者収容装置17が図示されている。尚、電話端末、コンピュータ、VoIPアダプタ、メディアコンバータ及び加入者収容装置の参照符号には、それぞれ末尾にa、b、cが付されているが、これは以下の説明においてそれぞれを区別する必要がある場合に適宜参照され、区別の必要がない場合は省略される。尚、VoIPアダプタ600は電話端末11だけではなく、従来装置と同様にパーソナルコンピュータ18を接続可能な構成としてもよい。
【0081】
また、本実施例では、VoIPアダプタ600−ネットワークアクセスサーバ12間の接続経路の夫々に対し、経路識別子が付与される。加入者収容装置17a、17b、17cには、それぞれの加入者収容装置を識別するための上位識別子が定義される。また、加入者収容装置17a、17b、17cの下流ポート、例えば加入者収容装置17bではメディアコンバータ16a、16b及び16cを接続するポートのそれぞれに対し、下位識別子が定義される。上位識別子と下位識別子とを合わせて一の経路識別子とする。例えば、加入者収容装置17a、17b及び17cのそれぞれに対し、順にUa、Ub及びUcの上位識別子が付与され、VoIPアダプタ600a、600b及び600cに至る下流ポートのそれぞれに対し、順にLa、Lb及びLcの下位識別子が付与されたとき、VoIPアダプタ600aからネットワークアクセスサーバ12への経路は、経路識別子Pa、即ち(Ub、La)で表される。
【0082】
加入者収容装置17は、メディアコンバータ16から受信したパケットに対し、対応する下流ポートに付与された下位識別子情報と、自身に付与された上位識別子情報とを追加して、オンラインサインアップサーバ400に送信する。このため、加入者収容装置17は、自身に割り当てられた上位識別子情報を格納する記憶装置と、上位識別子記憶装置を参照し、通過パケットに上位識別子情報を追加する処理を実行する上位識別子追加処理装置と、下流ポートのそれぞれに割り当てられた下位識別子情報を格納する下位識別子記憶装置と、下位識別子記憶装置を参照し、通過パケットに下位識別子情報を追加する処理を実行する下位識別子追加処理装置とを備える。
【0083】
他方、VoIPアダプタ600またはメディアコンバータ16は、自身に接続された加入者収容装置17の下流ポートを示す下位識別子を、オンラインサインアップサーバ400から受信して、初期認証後はその下位識別子を添付して認証サーバ13に認証を受ける。このため、VoIPアダプタ600またはメディアコンバータ16は、オンラインサインアップサーバ400から受信した下位識別子を記憶装置に書き込む処理と、VoIPアダプタ600から送出するパケットに下位識別子を追加する処理を行う識別子処理部61と、下位識別子を格納する記憶装置である識別子記憶部62を備える。図8に識別子処理部61と識別子記憶部62を備えるVoIPアダプタ600を示す。
【0084】
図9を参照してVoIPアダプタ600を設置する際の初期設定動作について説明する。ここでは、VoIPアダプタ600が識別子処理部61及び識別子記憶部62を備えるものとする。
【0085】
VoIPアダプタ600を設置し、ネットワークインタフェース部24にケーブルを接続して電源を投入する(ステップS31)と、初期認証要求部22は初期認証情報記憶部21から初期認証情報を読み出し、PPPoE通信部23及びネットワークインタフェース部24を介してオンラインサインアップサーバ400に送信する(ステップS32)。このとき識別子記憶部61には何も記憶されていない。
【0086】
初期認証情報を格納したパケットをVoIPアダプタ600から受信した加入者収容装置17は、自身に割り当てられた上位識別子情報をそのパケットに追加し、オンラインサインアップサーバ400に向けて送信する(ステップS33)。
【0087】
初期認証情報及び上位識別子をオンラインサインアップサーバ400が受信する(ステップS34)と、認証部41は初期認証情報に基づいて認証を行う(ステップS35)。認証が成功すると、VA情報管理部42は、初期認証情報に関連付けられた設定情報をVA情報管理DB43から取得する(ステップS36)と共に、初期認証情報、設定情報、経路識別子の対応関係をVA情報管理DB43に記録(ステップS37)した上で、その設定情報とその下位識別子を、初期認証情報の送信元であるVoIPアダプタ600に送信する(ステップS38)。
【0088】
VoIPアダプタ600が設定情報及び下位識別子を受信する(ステップS39)と、識別子処理部61で受信した下位識別子を識別子記憶部62に記憶すると共に、接続設定部25で受信した設定情報に基づいてVoIPアダプタ600の設定処理を行い、設定内容を設定情報記憶部26に設定する(ステップS40)。
【0089】
このようにして、VoIPアダプタ600には、電話端末11の電話番号、認証サーバ13のネットワークアドレス、認証サーバ13に認証を受けるための正規認証情報を含む、IP電話を発着信するために必要な各種の設定情報が設定され、更に、接続された加入者収容装置のポートを示す下位識別子が記憶される。
【0090】
次に、図9のようにして初期認証を行ったVoIPアダプタ600に接続された電話端末11からIP電話の発信を行うときの動作について図10を参照して説明する。
【0091】
電話端末11がオフフックになったことを呼制御処理部32が検出すると、接続設定部27は設定情報記憶部26に格納されている設定内容に基づいて、認証サーバ13を宛先とし、正規認証情報及び下位識別子を含むパケットを送信する(ステップS41)。
【0092】
加入者収容装置17は、中継する際に上位識別子及び下位識別子を追加して認証サーバ13に送信する(ステップS42)。
【0093】
これを受信(ステップS43)した認証サーバ13において、VA情報管理部42は、正規認証情報と、VA情報管理DB43に格納された正規認証情報とを比較して、正規認証情報に基づく認証処理を実行(ステップS44)する。認証が成功した場合に限り、VA情報管理部42は、ステップS41にてVoIPアダプタ600が送信した正規認証情報及び下位識別子と、初期認証動作のステップS37にて予め記録した対応関係とを比較する(ステップS45)。これにより、初期認証により特定の電話番号を付与されたVoIPアダプタ600から、初期認証時と同じ経路を経て発信が要求されているか否かを判定する。正規認証情報による認証と、発信経路と発信VoIPアダプタとの対応関係の確認が共に成功した場合、呼制御サーバ14のアドレスをVoIPアダプタ600に送信する(ステップS46)ことにより、呼制御サーバ14の利用許可に代える。尚、別途呼制御サーバ14の利用許可をVoIPアダプタ600及び/または呼制御サーバ14に送信することとしてもよい。
【0094】
呼制御サーバ14のアドレスを受信(ステップS47)したVoIPアダプタ600は、そのアドレスの呼制御サーバ14に呼制御を要求(ステップS48)し、これに応じて呼制御サーバ14は呼制御を開始する(ステップS49)。
【0095】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当業者の通常の知識の範囲内でその変更や改良が可能であることは勿論である。
【0096】
例えば、オンラインサインアップサーバは、初期認証を行うサーバと、最新ファームウェアを提供するサーバとに分けてもよい。
【0097】
また、上述の説明では特定の初期認証情報に特定の設定情報を予め関連付けていたが、初期認証以前には関連付けを行わないこととしてもよい。即ち、初期認証が行われた際に、未だ特定の初期認証情報との関連付けがなされていない設定情報の中から、所定の順番に従って一の設定情報を選択して関連付けることとしてもよい。
【0098】
また、実施例1において、加入者収容装置17は、下流ポートに付与された下位識別子と、その下流ポートに接続されたVoIPアダプタ600の初期認証情報または正規認証情報との対応関係を記憶する記憶装置と、その対応関係に基づいて発信の可否を判定する処理装置を備えることとしてもよい。こうすれば、加入者収容装置17の上流に不要なパケットが流れるのを防ぐことができる。
【0099】
また、オンラインサインアップサーバ400をネットワークを介して不図示の管理端末と接続してもよい。管理端末はネットワークシステム100または700の運用者等が使用する端末であり、VA情報管理部42を介してVA情報管理DB43に格納された内容を、運用者の操作に応じて直接に変更することができる端末である。このような管理端末を備えることとすれば、VA情報管理DB43を遠隔地からメンテナンスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の一実施の形態であるネットワークシステム100を説明するためのブロック図である。
【図2】VoIPアダプタ200の機能ブロック図である。
【図3】オンラインサインアップサーバ400の機能ブロック図である。
【図4】ネットワークシステム100における初期認証動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】ネットワークシステム100における認証動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】ネットワークシステム100におけるファームウェアの更新動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の一実施例であるネットワークシステム700を説明するためのブロック図である。
【図8】VoIPアダプタ600の機能ブロック図である。
【図9】ネットワークシステム700における初期認証動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】ネットワークシステム700における認証動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
11、11a、11b、11c 電話端末
12 ネットワークアクセスサーバ
13 認証サーバ
14 呼制御サーバ
15 基幹IP網
16a、16b、16c メディアコンバータ
17a、17b、17c 加入者収容装置
18 コンピュータ
21 初期認証情報記憶部
22 初期認証要求部
23 PPPoE通信部
24 ネットワークインタフェース部
25 接続設定部
26 設定情報記憶部
27 認証要求部
28 ファームウェア管理部
29 ファームウェアバージョン番号記憶部
30 ファームウェア記憶部
31 主制御部
32 呼制御処理部
33 音声処理部
41 認証部
42 VA情報管理部
43 VA情報管理DB
44 設定情報送信部
45 ファームウェアバージョン管理部
46 ファームウェアバージョン管理DB
47 最新ファームウェア格納部
48 ファームウェア送信部
61 識別子処理部
62 識別子記憶部
100、700 ネットワークシステム
200、600、600a、600b、600c VoIPアダプタ
400 オンラインサインアップサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続して用いるネットワーク装置を設定する方法において、
予め第1の認証情報を記憶したネットワーク装置を、ネットワークに接続する段階と、
前記ネットワーク装置が、前記ネットワークを介して接続された装置Aに、前記第1の認証情報を送信する段階と、
前記装置Aが、前記第1の認証情報に基づいて前記ネットワーク装置を認証し、認証結果に応じて、前記装置A、または、前記装置Aと連携する他の装置Bが、前記ネットワーク装置に設定情報を送信する段階と、
受信した設定情報に基づいて、前記ネットワーク装置が、自身の設定情報を設定または更新する処理を実行する段階と
を含むことを特徴とするネットワーク装置の設定方法。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク装置の設定方法において、前記設定情報は前記第1の認証情報に応じて定められることを特徴とするネットワーク装置の設定方法。
【請求項3】
請求項1に記載のネットワーク装置の設定方法において、前記設定情報は、前記ネットワーク装置または前記ネットワーク装置に接続された電話端末を用いて行うIP電話に係る設定情報であるIP電話設定情報を含むことを特徴とするネットワーク装置の設定方法。
【請求項4】
請求項1に記載のネットワーク装置の設定方法において、
前記設定情報は、前記第1の認証情報とは異なる認証情報である第2の認証情報を含み、
前記ネットワーク装置は、前記第2の認証情報に基づいて、前記ネットワークを介して接続された他の装置から認証を受ける
ことを特徴とするネットワーク装置の設定方法。
【請求項5】
請求項1に記載のネットワーク装置の設定方法において、
前記ネットワーク装置、前記装置A、及び、前記ネットワーク装置から前記装置Aの間に接続された中継装置の少なくともひとつが、前記ネットワーク装置から前記装置Aに至る接続経路を示す経路情報を、前記第1の認証情報に付加し、
前記第1の認証情報に応答して送信される前記設定情報と、当該第1の認証情報に付加された前記経路情報との対応関係を、装置Cが記憶する
ことを特徴とするネットワーク装置の設定方法。
【請求項6】
請求項5に記載のネットワーク装置の設定方法において、前記装置C、または、前記装置Cと連携する装置Dが、予め記憶した前記対応関係と、ネットワークから送信された前記設定情報及び経路情報とを比較し、比較結果に応じて応答することを特徴とするネットワーク装置の設定方法。
【請求項7】
ネットワークに接続して用いるネットワーク装置のファームウェアを更新する方法において、
請求項1に記載の方法にてネットワーク装置を設定する段階と、
前記ネットワーク装置と前記ネットワークを介して接続された装置Eに対して、前記ネットワーク装置が現在使用中のファームウェアのバージョン情報を送信する段階と、
前記ネットワーク装置から受信した前記バージョン情報に応じて、前記現在使用中のファームウェアのバージョンが最新であるか否かを、前記装置Eが判定する段階と
を含むことを特徴とするファームウェア更新方法。
【請求項8】
請求項7に記載のファームウェア更新方法において、
前記判定結果に応じて、前記装置Eまたは前記装置Eと連携する装置Fが、前記ネットワーク装置に対し、最新ファームウェアの全部、または、現在使用中のファームウェアからの差分を送信する段階と、
前記ネットワーク装置が、受信したファームウェアの全部または差分を用いて現在使用中のファームウェアを更新する処理を実行する段階と
を含むことを特徴とするファームウェア更新方法。
【請求項9】
ネットワークに接続して用いるネットワーク装置において、
第1の認証情報を記憶する手段と、
前記ネットワークを介して接続された装置Aに、前記第1の認証情報を送信する手段と、
前記装置Aが、前記第1の認証情報に基づいて前記ネットワーク装置を認証した認証結果に応じて、前記装置A、または、前記装置Aと連携する他の装置Bが送信する設定情報を受信する手段と、
受信した設定情報に基づいて設定情報を設定または更新する処理を実行する手段と
を備えることを特徴とするネットワーク装置。
【請求項10】
請求項9に記載のネットワーク装置において、前記設定情報は前記第1の認証情報に応じて定められることを特徴とするネットワーク装置。
【請求項11】
請求項9に記載のネットワーク装置において、前記設定情報は、前記ネットワーク装置または前記ネットワーク装置に接続された電話端末を用いて行うIP電話に係る設定情報であるIP電話設定情報を含むことを特徴とするネットワーク装置。
【請求項12】
請求項9に記載のネットワーク装置において、
前記設定情報は、前記第1の認証情報とは異なる認証情報である第2の認証情報を含み、
前記第2の認証情報を、前記ネットワークを介して他の装置に送信する手段を備え、
前記他の装置または前記他の装置と連携した他の装置から前記第2の認証情報に基づく認証を受ける
ことを特徴とするネットワーク装置。
【請求項13】
請求項9に記載のネットワーク装置において、
前記ネットワーク装置から前記装置Aに至る接続経路を示す経路情報と、当該ネットワーク装置に送信された前記設定情報との対応関係を記憶する装置Cと連携し、
前記装置Cに前記設定情報を送信し、送信した前記設定情報及び当該設定情報に付加された経路情報と、前記装置Cに記憶された前記対応関係との比較結果に基づく応答を、前記装置Cまたは前記装置Cと連携する装置Dから受信する手段を備える
ことを特徴とするネットワーク装置。
【請求項14】
請求項9に記載のネットワーク装置において、
前記ネットワーク装置は、前記装置Eに対して、前記ネットワーク装置が現在使用中のファームウェアのバージョン情報を送信する手段を備え、
送信した前記バージョン情報に応じて、前記現在使用中のファームウェアのバージョンが最新であるか否かを判定した判定結果を受信する手段を備える
ことを特徴とするネットワーク装置。
【請求項15】
請求項14に記載のネットワーク装置において、
前記判定結果と共に、或いは、前記判定結果に代えて、最新ファームウェアの全部、または、現在使用中のファームウェアからの差分を受信する手段と、
受信したファームウェアの全部または差分を用いて、現在使用中のファームウェアを更新する処理を実行する手段と
を備えることを特徴とするネットワーク装置。
【請求項16】
請求項9乃至15のいずれかに記載のネットワーク装置であるVoIP(Voice over Internet Protocol)アダプタ。
【請求項17】
ネットワークに接続する手段を備えるコンピュータにて実行されるコンピュータプログラムにおいて、
ネットワークを介して接続されたネットワーク装置から、前記ネットワーク装置に予め記憶された第1の認証情報を受信する第1の認証情報受信処理、
前記第1の認証情報に基づいて前記ネットワーク装置を認証する第1の認証処理、及び、
前記認証結果に応じて、前記ネットワーク装置に設定情報を送信する、または、当該コンピュータプログラムが実行されているコンピュータ以外の装置に対し、前記ネットワーク装置への設定情報の送信を要求する設定情報送信処理
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記ネットワーク装置は、受信した設定情報に基づいて、自身の設定情報を設定または更新する処理を実行する
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第1の認証情報に応じて、予め記憶された複数の前記設定情報の一つを選択、または、前記設定情報を生成する設定情報取得処理を更に含み、
前記設定情報送信処理は、前記設定情報取得処理にて取得した前記設定情報を送信する
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項19】
請求項17に記載のコンピュータプログラムにおいて、前記設定情報は、前記ネットワーク装置または前記ネットワーク装置に接続された電話端末を用いて行うIP電話に係る設定情報であるIP電話設定情報を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項20】
請求項17に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記設定情報は、前記第1の認証情報とは異なる認証情報である第2の認証情報を含み、
前記ネットワーク装置は、前記第2の認証情報に基づいて、前記ネットワークを介して接続された他の装置から認証を受ける
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項21】
請求項17に記載のコンピュータプログラムにおいて、更に、
前記第1の認証情報と共に、前記ネットワーク装置から前記コンピュータXに至る接続経路を示す経路情報を受信する処理、及び、
前記第1の認証情報に応答して送信される前記設定情報と、当該第1の認証情報に付加された前記経路情報との対応関係を記憶する処理
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項22】
コンピュータプログラムにおいて、
請求項21に記載のコンピュータプログラムに従ってコンピュータにより記憶された前記対応関係と、前記ネットワーク装置から受信した前記設定情報及び経路情報とを比較する経路判定処理、及び、
前記経路判定処理に応じた処理
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項23】
請求項17に記載のコンピュータプログラムを実行したコンピュータから、前記設定情報を受信して、自身の設定情報を設定または更新した前記ネットワーク装置と連携し、
前記設定情報にて定められたアドレスを有するコンピュータにて実行されるコンピュータプログラムであって、
前記ネットワーク装置から当該ネットワーク装置が現在使用中のファームウェアのバージョン情報を受信する処理、及び、
受信したバージョン情報に応じて、当該ファームウェアのバージョンが最新であるか否かを判定する判定処理を、コンピュータに実行させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項24】
請求項23に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記判定処理の結果に応じて、前記ネットワーク装置に対し、最新ファームウェアの全部または現在使用中のファームウェアからの差分を送信する処理を、当該コンピュータプログラムを実行するコンピュータ、または、当該コンピュータと連携する他のコンピュータに実行させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項25】
請求項17乃至24のいずれかに記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えるコンピュータ。
【請求項26】
ネットワークシステムにおいて、
第1の認証情報を記憶し、第1のサーバ装置に送信するネットワーク装置と、
ネットワーク装置から受信した第1の認証情報を用いて認証処理を実行し、認証結果に応じて、当該第1の認証情報に応じた設定情報を、当該ネットワーク装置に送信する前記第1のサーバ装置と、
前記ネットワーク装置が前記設定情報に基づいて接続する第2のサーバ装置と
をそれぞれ少なくともひとつ備えることを特徴とするネットワークシステム。
【請求項27】
請求項26に記載のネットワークシステムにおいて、前記設定情報は第2の認証情報を含み、前記第2のサーバ装置は、前記ネットワーク装置から送信された前記第2の認証情報に基づいて当該ネットワーク装置を認証することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項28】
請求項27に記載のネットワークシステムにおいて、
前記ネットワーク装置は、VoIP(Voice over Internet Protocol)アダプタであり、
前記第2の認証情報は、前記VoIPアダプタに接続される電話端末に割り当てられる電話番号に係る情報を含む
ことを特徴とするネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−311177(P2006−311177A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−130921(P2005−130921)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(598069423)株式会社ケイ・オプティコム (9)
【Fターム(参考)】