ノイズフィルタ及びノイズフィルタ内蔵のインバータユニット
【課題】小形なノイズフィルタ及び小形なノイズフィルタ内蔵のインバータユニットを得る。
【解決手段】鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスをＬ１〜Ｌ３の３つに分割し、電源側のコモンモードインダクタンスＬ１と中央のコモンモードインダクタンスＬ２との間に電源側のコンデンサＣXiを接続するとともに、中央のコモンモードインダクタンスＬ２と負荷側のコモンモードインダクタンスＬ３との間に負荷側のコンデンサＣXOを接続し、負荷側のコンデンサＣXOの中性点とアース間にアース側コンデンサＣyを接続する。
【解決手段】鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスをＬ１〜Ｌ３の３つに分割し、電源側のコモンモードインダクタンスＬ１と中央のコモンモードインダクタンスＬ２との間に電源側のコンデンサＣXiを接続するとともに、中央のコモンモードインダクタンスＬ２と負荷側のコモンモードインダクタンスＬ３との間に負荷側のコンデンサＣXOを接続し、負荷側のコンデンサＣXOの中性点とアース間にアース側コンデンサＣyを接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、伝導ノイズ対策のためのノイズフィルタ及びノイズフィルタを内蔵したインバータユニットに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
一般に、汎用インバータは、主回路素子のスイッチングによりノイズが発生する。このため、このノイズが電源に流れ出ないように、電源ラインにノイズフィルタを挿入する必要があり、小容量の小型インバータでは、このノイズフィルタを内蔵させることが多い。このノイズフィルタの回路構成例を図４に示す。図において、Ｌは電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスであり、鉄心とコイルにより構成されている。ＣXiは電源側のコンデンサであり、コモンモードインダクタンスＬと電源側の端子Ｒ１，Ｓ１，Ｔ１との間に接続される。ＣXOは負荷側のコンデンサであり、コモンモードインダクタンスＬと負荷側の端子Ｒ２，Ｓ２，Ｔ２との間に接続される。又、負荷側のコンデンサＣXOの中性点とアース端子Ｇとの間にはアース側コンデンサＣyが接続される。これらの部品及び端子はプリント板１を介して接続されるとともに、プリント板１に構造的に支持、固定される。
【０００３】
又、図５はノイズフィルタを含むインバータユニットの構造例、即ち分解斜視図を示し、プリント板１にはノイズフィルタを構成する各部品及び端子が接続、固定され、端子と外部の機器とはリード線２を介して接続される。また、プリント板１の補強のためにプリント板取付板金３を設け、このプリント板取付板金３にプリント板１を固定するために、プリント板１に絶縁ブッシュ４や絶縁カラー５を設けるとともに、プリント板取付板金３に絶縁カラー５の取付孔６を設ける。又、プリント板１に爪７を設けるとともに、プリント板取付板金３に爪取付孔８を設け、爪７を爪取付孔８に係合する。又、プリント板板金３に爪９を設けるとともに、インバータユニットの筐体１０に爪取付孔１１を設け、プリント板板金３を筐体１０に係合させる。
【０００４】
しかしながら、上記したような回路及び構造を有するノイズフィルタ及びノイズフィルタを内蔵するインバータユニットにおいては、大容量化に伴い、ノイズフィルタのコモンモードインダクタンスＬは寸法や重量が増加し、ハンダ付けのみではプリント板１に固定することができなくなった。又、ノイズフィルタの鉄心の重量は強度が弱いコイルにより支える必要があり、これについても強度に限界があった。
【０００５】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
【特許文献１】特開平７−２７２９４１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
そこで、従来では、図６に示すように、ノイズフィルタの構成部品をケース１２内に収納して樹脂モールドにより固定することが行われていたが、比較的容量が大きいインバータユニットに適用する電源側ノイズフィルタについては、ノイズフィルタのコモンモードインダクタンスＬの大きさがノイズフィルタの全体の寸法や形状を支配している。そのため、ノイズフィルタをインバータユニットに内蔵する場合に有利な薄型のケース１２内に収納する構造にするのが難しい。又、インバータユニットに外付けするノイズフィルタも、ケース１２内に収納しているが、入出力の、即ち電源側及び負荷側の端子台１３，１４がケース１２の両側に突出して配置されている。そこで、このままの状態でインバータユニットの筐体１０内に組み込んだ場合には、ノイズフィルタの端子台１３，１４とインバータユニットの筐体１０に設けられた電源側及び負荷側の端子台１５，１６とを接続するリード線１７，１８及び絶縁確保のためのスペースが必要になり、インバータユニット全体が大きくなってしまった。
【０００７】
この発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、小形なノイズフィルタ及び小形なノイズフィルタ内蔵のインバータユニットを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
この発明の請求項１に係るノイズフィルタは、インバータの電源に接続するノイズフィルタにおいて、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割し、電源側のコモンモードインダクタンスと中央のコモンモードインダクタンスとの間に電源側のコンデンサを接続するとノイズともに、中央のコモンモードインダクタンスと負荷側のコモンモードインダクタンスとの間に負荷側のコンデンサを接続し、負荷側のコンデンサの中性点とアース間にアース側コンデンサを接続したものである。
請求項２に係るノイズフィルタは、各コモンモードインダクタンス及び各コンデンサを薄型のケース内に収納し、電源側のコモンモードインダクタンスをケースに設けられた電源側の端子台と接続するとともに、負荷側のコモンモードインダクタンスをケースに設けられた負荷側の端子台と接続したものである。
【０００９】
請求項３に係るノイズフィルタ内蔵のインバータユニットは、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割し、電源側のコモンモードインダクタンスと中央のコモンモードインダクタンスとの間に電源側のコンデンサを接続するとともに、中央のコモンモードインダクタンスと負荷側のコモンモードインダクタンスとの間に負荷側のコンデンサを接続し、負荷側のコンデンサの中性点とアース間にアース側コンデンサを接続し、中央のコモンモードインダクタンス及び各コンデンサをケース内に収納するとともに、電源側のコモンモードインダクタンス及び負荷側のコモンモードインダクタンスをケースの上部に配置し、かつケース、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスをインバータユニットの筐体内に収納するとともに、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスをリード線を介してインバータユニットの筐体に設けられた各端子台にそれぞれ接続したものである。
【発明の効果】
【００１０】
以上のようにこの発明の請求項１によれば、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割するとともに、これに伴って回路も変更したので、分割した各コモンモードインダクタンスの重量や寸法を従来のものの１／３以下にすることができ、コモンモードインダクタンスの全体の重量や寸法も従来より小さくすることができる。このため、ノイズフィルタの重量や寸法も従来より小さくすることができる。
【００１１】
請求項２によれば、各コモンモードインダクタンス及び各コンデンサを薄型のケース内に収納し、電源側のコモンモードインダクタンスをケースに設けられた電源側の端子台と接続するとともに、負荷側のコモンモードインダクタンスをケースに設けられた負荷側の端子台と接続したので、インバータユニット内への内蔵性を高めることができる。
【００１２】
請求項３によれば、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割するとともに、これに伴って回路も変更したので、ノイズフィルタの重量や寸法も従来より小さくすることができ、またレイアウトの自由度を生かして、ケースに端子台を設けずに、リード線による接続とするとともに、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスをケースの上部に配置しており、厚みは少し増すが、取付面積を小さくして、コンパクトで小形なノイズフィルタ内蔵のインバータユニットを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
実施最良形態１
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面とともに説明する。図１（ａ），（ｂ）はこの発明の実施最良形態１によるノイズフィルタの縦断正面図及び横断平面図、図２はノイズフィルタの回路構成図を示す。このノイズフィルタは、比較的容量が大きなインバータに適用する電源側ノイズフィルタである。図において、Ｌ１〜Ｌ３は鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割したものである。そして、電源側のコモンモードインダクタンスＬ１と中央のコモンモードインダクタンスＬ２との間に電源側のコンデンサＣXiを接続するとともに、中央のコモンモードインダクタンスＬ２と負荷側のコモンモードインダクタンスＬ３との間に負荷側のコンデンサＣXOを接続し、負荷側のコンデンサＣXOの中性点とアース端子Ｇ間にアース側コンデンサＣyを接続する。
そして、各コモンモードインダクタンスＬ１〜Ｌ３及び各コンデンサＣXi，ＣXO，Ｃyを薄型のケース１９内に収納し、電源側のコモンモードインダクタンスＬ１をケース１９に設けられた電源側の端子台２０と接続するとともに、負荷側のコモンモードインダクタンスＬ３をケース１９に設けられた負荷側の端子台２１と接続する。
【００１４】
上記構成の実施最良形態１においては、４００Ｖ定格−３０ＫＶＡのインバータに適用した場合、各コモンモードインダクタンスＬ１〜Ｌ３の重量や寸法をそれぞれ従来のものの約１／３以下にすることができ、コモンモードインダクタンスの総重量や全体の寸法も従来のものより小さくすることができ、レイアウトの自由度も増す。このため、ノイズフィルタ全体を薄型のケース１９に収納することができるとともに、重量、寸法を小さくすることができる。又、このように、薄型のケース内に収納したので、インバータユニット内への内蔵性を高めることができる。
【００１５】
実施最良形態２
図３はこの発明の実施最良形態２によるノイズフィルタ内蔵のインバータユニットの縦断正面図を示し、実施最良形態２においても、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスをＬ１〜Ｌ３の３つに分割し、図２に示すように、電源側のコモンモードインダクタンスＬ１と中央のコモンモードインダクタンスＬ２との間に電源側のコンデンサＣXiを接続するとともに、中央のコモンモードインダクタンスＬ２と負荷側のコモンモードインダクタンスＬ３との間に負荷側のコンデンサＣXOを接続し、負荷側のコンデンサＣXOの中性点とアース端子Ｇ間にアース側コンデンサＣyを接続する。これらの回路はプリント板１に設けられ、Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３は電源側端子、Ｒ２，Ｓ２，Ｔ２は負荷側の端子である。中央のコモンモードインダクタンスＬ２及び各コンデンサＣXi，ＣXO，Ｃyをケース２２内に収納するとともに、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスＬ１，Ｌ３をケース２２の上部に配置し、かつケース２２電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスＬ１，Ｌ３をインバータユニットの筐体１０内に収納するとともに、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスＬ１，Ｌ３をリード線１７，１８を介してインバータユニットの筐体１０に設けられた電源側及び負荷側の端子台１５，１６にそれぞれ接続する。
【００１６】
実施最良形態２においては、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスをＬ１〜Ｌ３の３つに分割するとともに、これに伴って回路も変更したので、ノイズフィルタの重量や寸法も従来より小さくすることができ、またレイアウトの自由度を生かして、ケース２２に端子台を設けずに、リード線１７，１８による接続とするとともに、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスＬ１，Ｌ３をケース２２の上部に配置しており、厚みは少し増すが、取付面積を小さくして、コンパクトで小形なノイズフィルタ内蔵のインバータユニットを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】この発明の実施最良形態１によるノイズフィルタの縦断正面図及び横断平面図である。
【図２】実施最良形態１によるノイズフィルタの回路構成図である。
【図３】実施最良形態２によるノイズフィルタ内蔵のインバータユニットの縦断正面図である。
【図４】従来のノイズフィルタの回路構成図である。
【図５】従来のノイズフィルタ内蔵のインバータユニットの分解斜視図である。
【図６】従来のノイズフィルタ内蔵のインバータユニットの縦断正面図である。
【符号の説明】
【００１８】
１…プリント板
１０…インバータユニットの筐体
１５，１６…筐体の端子台
１７，１８…リード線
１９，２２…ケース
２０，２１…ケースの端子台
Ｌ１〜Ｌ３…コモンモードインダクタンス
ＣXi…電源側のコンデンサ
ＣXO…負荷側のコンデンサ
Ｃy…アース側のコンデンサ
【技術分野】
【０００１】
この発明は、伝導ノイズ対策のためのノイズフィルタ及びノイズフィルタを内蔵したインバータユニットに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
一般に、汎用インバータは、主回路素子のスイッチングによりノイズが発生する。このため、このノイズが電源に流れ出ないように、電源ラインにノイズフィルタを挿入する必要があり、小容量の小型インバータでは、このノイズフィルタを内蔵させることが多い。このノイズフィルタの回路構成例を図４に示す。図において、Ｌは電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスであり、鉄心とコイルにより構成されている。ＣXiは電源側のコンデンサであり、コモンモードインダクタンスＬと電源側の端子Ｒ１，Ｓ１，Ｔ１との間に接続される。ＣXOは負荷側のコンデンサであり、コモンモードインダクタンスＬと負荷側の端子Ｒ２，Ｓ２，Ｔ２との間に接続される。又、負荷側のコンデンサＣXOの中性点とアース端子Ｇとの間にはアース側コンデンサＣyが接続される。これらの部品及び端子はプリント板１を介して接続されるとともに、プリント板１に構造的に支持、固定される。
【０００３】
又、図５はノイズフィルタを含むインバータユニットの構造例、即ち分解斜視図を示し、プリント板１にはノイズフィルタを構成する各部品及び端子が接続、固定され、端子と外部の機器とはリード線２を介して接続される。また、プリント板１の補強のためにプリント板取付板金３を設け、このプリント板取付板金３にプリント板１を固定するために、プリント板１に絶縁ブッシュ４や絶縁カラー５を設けるとともに、プリント板取付板金３に絶縁カラー５の取付孔６を設ける。又、プリント板１に爪７を設けるとともに、プリント板取付板金３に爪取付孔８を設け、爪７を爪取付孔８に係合する。又、プリント板板金３に爪９を設けるとともに、インバータユニットの筐体１０に爪取付孔１１を設け、プリント板板金３を筐体１０に係合させる。
【０００４】
しかしながら、上記したような回路及び構造を有するノイズフィルタ及びノイズフィルタを内蔵するインバータユニットにおいては、大容量化に伴い、ノイズフィルタのコモンモードインダクタンスＬは寸法や重量が増加し、ハンダ付けのみではプリント板１に固定することができなくなった。又、ノイズフィルタの鉄心の重量は強度が弱いコイルにより支える必要があり、これについても強度に限界があった。
【０００５】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
【特許文献１】特開平７−２７２９４１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
そこで、従来では、図６に示すように、ノイズフィルタの構成部品をケース１２内に収納して樹脂モールドにより固定することが行われていたが、比較的容量が大きいインバータユニットに適用する電源側ノイズフィルタについては、ノイズフィルタのコモンモードインダクタンスＬの大きさがノイズフィルタの全体の寸法や形状を支配している。そのため、ノイズフィルタをインバータユニットに内蔵する場合に有利な薄型のケース１２内に収納する構造にするのが難しい。又、インバータユニットに外付けするノイズフィルタも、ケース１２内に収納しているが、入出力の、即ち電源側及び負荷側の端子台１３，１４がケース１２の両側に突出して配置されている。そこで、このままの状態でインバータユニットの筐体１０内に組み込んだ場合には、ノイズフィルタの端子台１３，１４とインバータユニットの筐体１０に設けられた電源側及び負荷側の端子台１５，１６とを接続するリード線１７，１８及び絶縁確保のためのスペースが必要になり、インバータユニット全体が大きくなってしまった。
【０００７】
この発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、小形なノイズフィルタ及び小形なノイズフィルタ内蔵のインバータユニットを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
この発明の請求項１に係るノイズフィルタは、インバータの電源に接続するノイズフィルタにおいて、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割し、電源側のコモンモードインダクタンスと中央のコモンモードインダクタンスとの間に電源側のコンデンサを接続するとノイズともに、中央のコモンモードインダクタンスと負荷側のコモンモードインダクタンスとの間に負荷側のコンデンサを接続し、負荷側のコンデンサの中性点とアース間にアース側コンデンサを接続したものである。
請求項２に係るノイズフィルタは、各コモンモードインダクタンス及び各コンデンサを薄型のケース内に収納し、電源側のコモンモードインダクタンスをケースに設けられた電源側の端子台と接続するとともに、負荷側のコモンモードインダクタンスをケースに設けられた負荷側の端子台と接続したものである。
【０００９】
請求項３に係るノイズフィルタ内蔵のインバータユニットは、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割し、電源側のコモンモードインダクタンスと中央のコモンモードインダクタンスとの間に電源側のコンデンサを接続するとともに、中央のコモンモードインダクタンスと負荷側のコモンモードインダクタンスとの間に負荷側のコンデンサを接続し、負荷側のコンデンサの中性点とアース間にアース側コンデンサを接続し、中央のコモンモードインダクタンス及び各コンデンサをケース内に収納するとともに、電源側のコモンモードインダクタンス及び負荷側のコモンモードインダクタンスをケースの上部に配置し、かつケース、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスをインバータユニットの筐体内に収納するとともに、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスをリード線を介してインバータユニットの筐体に設けられた各端子台にそれぞれ接続したものである。
【発明の効果】
【００１０】
以上のようにこの発明の請求項１によれば、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割するとともに、これに伴って回路も変更したので、分割した各コモンモードインダクタンスの重量や寸法を従来のものの１／３以下にすることができ、コモンモードインダクタンスの全体の重量や寸法も従来より小さくすることができる。このため、ノイズフィルタの重量や寸法も従来より小さくすることができる。
【００１１】
請求項２によれば、各コモンモードインダクタンス及び各コンデンサを薄型のケース内に収納し、電源側のコモンモードインダクタンスをケースに設けられた電源側の端子台と接続するとともに、負荷側のコモンモードインダクタンスをケースに設けられた負荷側の端子台と接続したので、インバータユニット内への内蔵性を高めることができる。
【００１２】
請求項３によれば、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割するとともに、これに伴って回路も変更したので、ノイズフィルタの重量や寸法も従来より小さくすることができ、またレイアウトの自由度を生かして、ケースに端子台を設けずに、リード線による接続とするとともに、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスをケースの上部に配置しており、厚みは少し増すが、取付面積を小さくして、コンパクトで小形なノイズフィルタ内蔵のインバータユニットを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
実施最良形態１
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面とともに説明する。図１（ａ），（ｂ）はこの発明の実施最良形態１によるノイズフィルタの縦断正面図及び横断平面図、図２はノイズフィルタの回路構成図を示す。このノイズフィルタは、比較的容量が大きなインバータに適用する電源側ノイズフィルタである。図において、Ｌ１〜Ｌ３は鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割したものである。そして、電源側のコモンモードインダクタンスＬ１と中央のコモンモードインダクタンスＬ２との間に電源側のコンデンサＣXiを接続するとともに、中央のコモンモードインダクタンスＬ２と負荷側のコモンモードインダクタンスＬ３との間に負荷側のコンデンサＣXOを接続し、負荷側のコンデンサＣXOの中性点とアース端子Ｇ間にアース側コンデンサＣyを接続する。
そして、各コモンモードインダクタンスＬ１〜Ｌ３及び各コンデンサＣXi，ＣXO，Ｃyを薄型のケース１９内に収納し、電源側のコモンモードインダクタンスＬ１をケース１９に設けられた電源側の端子台２０と接続するとともに、負荷側のコモンモードインダクタンスＬ３をケース１９に設けられた負荷側の端子台２１と接続する。
【００１４】
上記構成の実施最良形態１においては、４００Ｖ定格−３０ＫＶＡのインバータに適用した場合、各コモンモードインダクタンスＬ１〜Ｌ３の重量や寸法をそれぞれ従来のものの約１／３以下にすることができ、コモンモードインダクタンスの総重量や全体の寸法も従来のものより小さくすることができ、レイアウトの自由度も増す。このため、ノイズフィルタ全体を薄型のケース１９に収納することができるとともに、重量、寸法を小さくすることができる。又、このように、薄型のケース内に収納したので、インバータユニット内への内蔵性を高めることができる。
【００１５】
実施最良形態２
図３はこの発明の実施最良形態２によるノイズフィルタ内蔵のインバータユニットの縦断正面図を示し、実施最良形態２においても、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスをＬ１〜Ｌ３の３つに分割し、図２に示すように、電源側のコモンモードインダクタンスＬ１と中央のコモンモードインダクタンスＬ２との間に電源側のコンデンサＣXiを接続するとともに、中央のコモンモードインダクタンスＬ２と負荷側のコモンモードインダクタンスＬ３との間に負荷側のコンデンサＣXOを接続し、負荷側のコンデンサＣXOの中性点とアース端子Ｇ間にアース側コンデンサＣyを接続する。これらの回路はプリント板１に設けられ、Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３は電源側端子、Ｒ２，Ｓ２，Ｔ２は負荷側の端子である。中央のコモンモードインダクタンスＬ２及び各コンデンサＣXi，ＣXO，Ｃyをケース２２内に収納するとともに、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスＬ１，Ｌ３をケース２２の上部に配置し、かつケース２２電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスＬ１，Ｌ３をインバータユニットの筐体１０内に収納するとともに、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスＬ１，Ｌ３をリード線１７，１８を介してインバータユニットの筐体１０に設けられた電源側及び負荷側の端子台１５，１６にそれぞれ接続する。
【００１６】
実施最良形態２においては、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスをＬ１〜Ｌ３の３つに分割するとともに、これに伴って回路も変更したので、ノイズフィルタの重量や寸法も従来より小さくすることができ、またレイアウトの自由度を生かして、ケース２２に端子台を設けずに、リード線１７，１８による接続とするとともに、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスＬ１，Ｌ３をケース２２の上部に配置しており、厚みは少し増すが、取付面積を小さくして、コンパクトで小形なノイズフィルタ内蔵のインバータユニットを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】この発明の実施最良形態１によるノイズフィルタの縦断正面図及び横断平面図である。
【図２】実施最良形態１によるノイズフィルタの回路構成図である。
【図３】実施最良形態２によるノイズフィルタ内蔵のインバータユニットの縦断正面図である。
【図４】従来のノイズフィルタの回路構成図である。
【図５】従来のノイズフィルタ内蔵のインバータユニットの分解斜視図である。
【図６】従来のノイズフィルタ内蔵のインバータユニットの縦断正面図である。
【符号の説明】
【００１８】
１…プリント板
１０…インバータユニットの筐体
１５，１６…筐体の端子台
１７，１８…リード線
１９，２２…ケース
２０，２１…ケースの端子台
Ｌ１〜Ｌ３…コモンモードインダクタンス
ＣXi…電源側のコンデンサ
ＣXO…負荷側のコンデンサ
Ｃy…アース側のコンデンサ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
インバータの電源に接続するノイズフィルタにおいて、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割し、電源側のコモンモードインダクタンスと中央のコモンモードインダクタンスとの間に電源側のコンデンサを接続するとともに、中央のコモンモードインダクタンスと負荷側のコモンモードインダクタンスとの間に負荷側のコンデンサを接続し、負荷側のコンデンサの中性点とアース間にアース側コンデンサを接続したことを特徴とするノイズフィルタ。
【請求項２】
各コモンモードインダクタンス及び各コンデンサを薄型のケース内に収納し、電源側のコモンモードインダクタンスをケースに設けられた電源側の端子台と接続するとともに、負荷側のコモンモードインダクタンスをケースに設けられた負荷側の端子台と接続したことを特徴とする請求項１記載のノイズフィルタ。
【請求項３】
鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割し、電源側のコモンモードインダクタンスと中央のコモンモードインダクタンスとの間に電源側のコンデンサを接続するとともに、中央のコモンモードインダクタンスと負荷側のコモンモードインダクタンスとの間に負荷側のコンデンサを接続し、負荷側のコンデンサの中性点とアース間にアース側コンデンサを接続し、中央のコモンモードインダクタンス及び各コンデンサをケース内に収納するとともに、電源側のコモンモードインダクタンス及び負荷側のコモンモードインダクタンスをケースの上部に配置し、かつケース、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスをインバータユニットの筐体内に収納するとともに、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスをリード線を介してインバータユニットの筐体に設けられた各端子台にそれぞれ接続したことを特徴とするノイズフィルタ内蔵のインバータユニット。
【請求項１】
インバータの電源に接続するノイズフィルタにおいて、鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割し、電源側のコモンモードインダクタンスと中央のコモンモードインダクタンスとの間に電源側のコンデンサを接続するとともに、中央のコモンモードインダクタンスと負荷側のコモンモードインダクタンスとの間に負荷側のコンデンサを接続し、負荷側のコンデンサの中性点とアース間にアース側コンデンサを接続したことを特徴とするノイズフィルタ。
【請求項２】
各コモンモードインダクタンス及び各コンデンサを薄型のケース内に収納し、電源側のコモンモードインダクタンスをケースに設けられた電源側の端子台と接続するとともに、負荷側のコモンモードインダクタンスをケースに設けられた負荷側の端子台と接続したことを特徴とする請求項１記載のノイズフィルタ。
【請求項３】
鉄心とコイルからなる電流変化抑制用のコモンモードインダクタンスを３つに分割し、電源側のコモンモードインダクタンスと中央のコモンモードインダクタンスとの間に電源側のコンデンサを接続するとともに、中央のコモンモードインダクタンスと負荷側のコモンモードインダクタンスとの間に負荷側のコンデンサを接続し、負荷側のコンデンサの中性点とアース間にアース側コンデンサを接続し、中央のコモンモードインダクタンス及び各コンデンサをケース内に収納するとともに、電源側のコモンモードインダクタンス及び負荷側のコモンモードインダクタンスをケースの上部に配置し、かつケース、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスをインバータユニットの筐体内に収納するとともに、電源側及び負荷側のコモンモードインダクタンスをリード線を介してインバータユニットの筐体に設けられた各端子台にそれぞれ接続したことを特徴とするノイズフィルタ内蔵のインバータユニット。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００８−１９３８１４（Ｐ２００８−１９３８１４Ａ）
【公開日】平成２０年８月２１日（２００８．８．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−２６２１９（Ｐ２００７−２６２１９）
【出願日】平成１９年２月６日（２００７．２．６）
【出願人】（０００００６１０５）株式会社明電舎 (1,739)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年８月２１日（２００８．８．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年２月６日（２００７．２．６）
【出願人】（０００００６１０５）株式会社明電舎 (1,739)
【Ｆターム（参考）】
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