説明

ハイパーブランチポリマーの合成方法

【課題】反応溶液中の金属成分を容易に除去することができるハイパーブランチポリマーの合成方法を提供すること。
【解決手段】モノマーのリビングラジカル重合を経てハイパーブランチポリマーを合成する際に、リビングラジカル重合をおこなう反応系における溶媒に不溶な担持体に担持された金属触媒の存在下においてリビングラジカル重合をおこない、重合工程後に担持体を抽出するようにした。これによって、反応溶液への金属の溶解を防止するとともに、反応溶液中から担持体を抽出することによって反応溶液中の金属触媒を容易に除去することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コアシェル型ハイパーブランチポリマーの合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイパーブランチポリマーとは、繰り返し単位に枝分かれ構造をもつ多分岐高分子の総称である。ハイパーブランチポリマーは、一般的な従来の高分子が紐状の形状であるのに対して積極的に分岐を導入しているという特異な構造を有する、ナノメートルオーダーのサイズである、表面に多くの官能基を保持することができる、などの点から様々な応用が期待されている。
【0003】
ハイパーブランチポリマーには、たとえば、コア部となるハイパーブランチポリマーと、コア部の外側に設けられたシェル部を構成する酸分解性基と、を備えるコアシェル型のハイパーブランチポリマー(以下、ハイパーブランチポリマーとする)がある。このようなハイパーブランチポリマーは、たとえば、ATRP(原子移動ラジカル重合)法にしたがって合成することができる。
【0004】
ATRP法にしたがった場合、まず、リビングラジカル重合可能なモノマーを金属触媒存在下において重合することによりコア部を生成し、生成されたコア部に酸分解性基を導入することによりシェル部を形成した後に、シェル部を形成する酸分解性基の一部を酸触媒を用いて分解して酸基を形成することによって、ハイパーブランチポリマーを合成する。
【0005】
従来、ATRP法を用いてハイパーブランチポリマーを合成する場合、合成されたハイパーブランチポリマーハイパーブランチポリマーの性能への悪影響を防止するために、リビングラジカル重合に際して用いた金属触媒および当該金属触媒に由来する金属などの金属成分を、リビングラジカル重合によって合成されたハイパーブランチポリマーハイパーブランチポリマーが存在する溶液(以下、「反応溶液」という。)中から除去する処理をおこなっていた。具体的に、従来は、たとえば、反応溶液中の金属触媒を吸着剤やイオン交換樹脂に吸着させることに加えて、キレート能を持つ有機化合物の水溶液、無機酸水溶液、および純水などを反応溶液中に混合して液々抽出をおこなうことで金属成分を除去していた。
【0006】
【特許文献1】国際公開第2005/061566号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の技術では、反応溶液中の金属成分を除去する処理が煩雑であり、煩わしいという問題があった。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、反応溶液中の金属成分を容易に除去することができるハイパーブランチポリマーの合成方法を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、この発明は、従来のATRP法にしたがってハイパーブランチポリマーを合成する場合と比較して、ハイパーブランチポリマーの合成にかかるコスト低減を図ることができるハイパーブランチポリマーの合成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法は、モノマーのリビングラジカル重合を経てハイパーブランチポリマーを合成するハイパーブランチポリマーの合成方法であって、前記リビングラジカル重合をおこなう反応系において、溶媒(反応溶液)に不溶な担持体に担持された金属触媒の存在下において前記リビングラジカル重合をおこなう重合工程を含むことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、反応溶液への金属の溶解を防止するとともに、反応溶液中から担持体を分離することによって反応溶液中の金属触媒を容易に除去することができる。そして、これによって、金属触媒の除去にかかる作業を簡易化することができるので、従来のATRP法にしたがってハイパーブランチポリマーを合成する場合と比較して、ハイパーブランチポリマーの合成にかかるコスト低減を図ることができる。
【0012】
また、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法は、コア部を形成し、当該コア部の外側に導入された酸分解性基を含有するシェル部を形成するか、または、酸分解性基を含有するシェル部を形成し、当該シェル部の内側にコア部を形成する事によりコアシェル型のハイパーブランチポリマーを合成することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、利用目的に応じてハイパーブランチポリマーの構造の最適化が容易で、また、合成にかかるコストの低減を図ることができる。
【0014】
また、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法は、コア部が、分子内に重合性ビニル基を2つ以上有するモノマー、およびまたは、分子内に重合性ビニル基と開始剤部位を有するモノマーの少なくとも一種より形成される事を特徴とする。
【0015】
この発明によれば、コア部が球状の形態をとるハイパーブランチポリマーの合成方法を提供することができる。
【0016】
また、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法は、前記シェル部における酸分解性基の一部を酸触媒を用いて分解して酸基を形成する脱保護工程を含むことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、金属触媒を新たにまたは追加して添加して酸基を有するモノマーを重合することなく、酸分解性基と酸基とを含むシェル部を形成することができるので、ATRP法にしたがってハイパーブランチポリマーを合成する場合と比較して、金属触媒の使用量を低減することができる。これによって、ATRP法にしたがってハイパーブランチポリマーを合成する場合と比較して、合成にかかるコストの低減を図ることができるハイパーブランチポリマーの合成方法を提供することができる。
【0018】
また、この発明にかかるハイパーブランチポリマーは、上記のハイパーブランチポリマーの合成方法にしたがって合成されたことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、ATRP法にしたがってハイパーブランチポリマーを合成する場合と比較して、合成にかかるコストの低減を図ったハイパーブランチポリマーを得ることができる。
【0020】
また、この発明にかかるレジスト組成物は、上記のハイパーブランチポリマーを包含することを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、ATRP法にしたがってハイパーブランチポリマーを合成する場合と比較して、合成にかかるコストの低減を図ったハイパーブランチポリマーを含むレジスト組成物を得ることができる。
【0022】
また、この発明にかかる半導体集積回路は、上記のレジスト組成物を用いて、電子線、遠紫外線(DUV)、または極紫外線(EUV)リソグラフィなどによりパターンを形成されることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、性能が安定した、高集積、高容量な半導体集積回路を得ることができる。
【0024】
また、この発明にかかる半導体集積回路の製造方法は、上記のレジスト組成物を用いて、電子線、遠紫外線(DUV)、または極紫外線(EUV)リソグラフィなどによりパターンを形成する工程を含むことを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、性能が安定した、高集積、高容量な半導体集積回路を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。実施の形態においては、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法として、下記に示す反応方法Aおよび反応方法Bの2種類の反応方法を用いたハイパーブランチポリマーの合成方法について説明する。
【0027】
(反応方法A)
反応方法Aはコア部を形成した後、該コア部の外側にシェル部を導入するハイパーブランチポリマーの合成方法である。
【0028】
(ハイパーブランチポリマーの合成に用いる物質)
はじめに、反応方法Aを用いたハイパーブランチポリマーの合成方法について説明する。実施の形態のハイパーブランチポリマーの合成方法のうち、反応方法Aを用いて合成されるハイパーブランチポリマーの合成に際しては、モノマー、金属触媒、添加物、還元剤、重合開始剤、および溶媒を用いる。
【0029】
(モノマー)
はじめに、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーについて説明する。ハイパーブランチポリマーを合成する場合、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーとしては、大別して、コア部を構成するモノマーとシェル部を構成するモノマーとがある。
【0030】
<コア部を構成するモノマー>
まず、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーのうち、コア部を構成するモノマーについて説明する。ハイパーブランチポリマーのコア部は、当該ハイパーブランチポリマー分子の核を構成する。ハイパーブランチポリマーのコア部は、少なくとも下記式(I)であらわされるモノマーを重合させてなる。
【0031】
【化1】

【0032】
上記式(I)中のYは、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキレン基を
あらわしている。Yにおける炭素数は、1〜8であることが好ましい。Yにおけるより好ましい炭素数は、1〜6である。上記の式(I)中のYは、ヒドロキシル基またはカルボ
キシル基を含んでいてもよい。
【0033】
上記式(I)中のYとしては、具体的には、たとえば、メチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、アミレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基などが挙げられる。また、上記式(I)中のYとしては、上記の各
基が結合した基、あるいは、上述した各基に「−O−」、「−CO−」、「−COO−」が介在した基が挙げられる。
【0034】
上述した各基の中で、式(I)中のYとしては、炭素数1〜8のアルキレン基が好まし
い。炭素数1〜8のアルキレン基の中で、上記式(I)中のYとしては、炭素数1〜8の
直鎖アルキレン基がより好ましい。より好ましいアルキレン基としては、たとえば、メチレン基、エチレン基、−OCH2−基、−OCH2CH2−基が挙げられる。上記式(I
)中のZは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子(ハロゲン基)をあらわしている。上記式(I)中のZとして、具体的には、たとえば、上述した
ハロゲン原子の中で、塩素原子、臭素原子が好ましい。
【0035】
ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーの中で、上記式(I)であらわされ
るモノマーとしては、具体的には、たとえば、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン、p−(1−クロロエチル)スチレン、ブロモ(4−ビニルフェニル)フェニルメタン、1−ブロモ−1−(4−ビニルフェニル)プロパン−2−オン、3−ブロモ−3−(4−ビニルフェニル)プロパノール、などが挙げられる。より具体的に、ハイパーブランチポリマーの製造に用いるモノマーの中で、上記式(I)であらわされるモノマーとして
は、たとえば、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン、p−(1−クロロエチル)スチレンなどが好ましい。
【0036】
ハイパーブランチポリマーのコア部を構成するモノマーとしては、上記式(I)であら
わされるモノマーに加え、他のモノマーを含むことができる。他のモノマーとしては、ラジカル重合が可能なモノマーであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0037】
ラジカル重合が可能な他のモノマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸、および(メタ)アクリル酸エステル類、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸エステル類、スチレン類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類などから選ばれるラジカル重合性の不飽和結合を有する化合物が挙げられる。
【0038】
ラジカル重合が可能な他のモノマーとして挙げられた(メタ)アクリル酸エステル類としては、具体的には、たとえば、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸2−メチルペンチル、アクリル酸2−エチルブチル、アクリル酸3−メチルペンチル、アクリル酸2−メチルヘキシル、アクリル酸3−メチルヘキシル、アクリル酸トリエチルカルビル、アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチル、アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル、アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシル、アクリル酸1−メチルノルボニル、アクリル酸1−エチルノルボニル、アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、アクリル酸テトラヒドロフラニル、アクリル酸テトラヒドロピラニル、アクリル酸1−メトキシエチル、アクリル酸1−エトキシエチル、アクリル酸1−n−プロポキシエチル、アクリル酸1−イソプロポキシエチル、アクリル酸n−ブトキシエチル、アクリル酸1−イソブトキシエチル、アクリル酸1−sec−ブトキシエチル、アクリル酸1−tert−ブトキシエチル、アクリル酸1−tert−アミロキシエチル、アクリル酸1−エトキシ−n−プロピル、アクリル酸1−シクロヘキシロキシエチル、アクリル酸メトキシプロピル、アクリル酸エトキシプロピル、アクリル酸1−メトキシ−1−メチル−エチル、アクリル酸1−エトキシ−1−メチル−エチル、アクリル酸トリメチルシリル、アクリル酸トリエチルシリル、アクリル酸ジメチル−tert−ブチルシリル、α−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−メチル−α―(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−メチル−β−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−メチル−γ−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−エチル−α―(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−エチル−β−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−エチル−γ−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−メチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−メチル−β−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−メチル−γ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−メチル−δ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−エチル−α―(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−エチル−β−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−エチル−γ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−エチル−δ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、アクリル酸1−メチルシクロヘキシル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸2−(2−メチル)アダマンチル、アクリル酸クロルエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2,2−ジメチルヒドロキシプロピル、アクリル酸5−ヒドロキシペンチル、アクリル酸トリメチロールプロパン、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ナフチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2−メチルブチル、メタクリル酸2−メチルペンチル、メタクリル酸2−エチルブチル、メタクリル酸3−メチルペンチル、メタクリル酸2−メチルヘキシル、メタクリル酸3−メチルヘキシル、メタクリル酸トリエチルカルビル、メタクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、メタクリル酸1−エチル−1−シクロペンチル、メタクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル、メタクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシル、メタクリル酸1−メチルノルボニル、メタクリル酸1−エチルノルボニル、メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、メタクリル酸テトラヒドロフラニル、メタクリル酸テトラヒドロピラニル、メタクリル酸1−メトキシエチル、メタクリル酸1−エトキシエチル、メタクリル酸1−n−プロポキシエチル、メタクリル酸1−イソプロポキシエチル、メタクリル酸n−ブトキシエチル、メタクリル酸1−イソブトキシエチル、メタクリル酸1−sec−ブトキシエチル、メタクリル酸1−tert−ブトキシエチル、メタクリル酸1−tert−アミロキシエチル、メタクリル酸1−エトキシ−n−プロピル、メタクリル酸1−シクロヘキシロキシエチル、メタクリル酸メトキシプロピル、メタクリル酸エトキシプロピル、メタクリル酸1−メトキシ−1−メチル−エチル、メタクリル酸1−エトキシ−1−メチル−エチル、メタクリル酸トリメチルシリル、メタクリル酸トリエチルシリル、メタクリル酸ジメチル−tert−ブチルシリル、α−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−メチル−α―(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−メチル−β−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−メチル−γ−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−エチル−α―(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−エチル−β−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−エチル−γ−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−メチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−メチル−β−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−メチル−γ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−メチル−δ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−エチル−α―(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−エチル−β−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−エチル−γ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−エチル−δ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、メタクリル酸1−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸2−(2−メチル)アダマンチル、メタクリル酸クロルエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2,2−ジメチルヒドロキシプロピル、メタクリル酸5−ヒドロキシペンチル、メタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ナフチル、などが挙げられる。
【0039】
ラジカル重合が可能な他のモノマーとして挙げられたビニル安息香酸エステル類としては、具体的には、たとえば、ビニル安息香酸tert−ブチル、ビニル安息香酸2−メチルブチル、ビニル安息香酸2−メチルペンチル、ビニル安息香酸2−エチルブチル、ビニル安息香酸3−メチルペンチル、ビニル安息香酸2−メチルヘキシル、ビニル安息香酸3−メチルヘキシル、ビニル安息香酸トリエチルカルビル、ビニル安息香酸1−メチル−1−シクロペンチル、ビニル安息香酸1−エチル−1−シクロペンチル、ビニル安息香酸1−メチル−1−シクロヘキシル、ビニル安息香酸1−エチル−1−シクロヘキシル、ビニル安息香酸1−メチルノルボニル、ビニル安息香酸1−エチルノルボニル、ビニル安息香酸2−メチル−2−アダマンチル、ビニル安息香酸2−エチル−2−アダマンチル、ビニル安息香酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、ビニル安息香酸テトラヒドロフラニル、ビニル安息香酸テトラヒドロピラニル、ビニル安息香酸1−メトキシエチル、ビニル安息香酸1−エトキシエチル、ビニル安息香酸1−n−プロポキシエチル、ビニル安息香酸1−イソプロポキシエチル、ビニル安息香酸n−ブトキシエチル、ビニル安息香酸1−イソブトキシエチル、ビニル安息香酸1−sec−ブトキシエチル、ビニル安息香酸1−tert−ブトキシエチル、ビニル安息香酸1−tert−アミロキシエチル、ビニル安息香酸1−エトキシ−n−プロピル、ビニル安息香酸1−シクロヘキシロキシエチル、ビニル安息香酸メトキシプロピル、ビニル安息香酸エトキシプロピル、ビニル安息香酸1−メトキシ−1−メチル−エチル、ビニル安息香酸1−エトキシ−1−メチル−エチル、ビニル安息香酸トリメチルシリル、ビニル安息香酸トリエチルシリル、ビニル安息香酸ジメチル−tert−ブチルシリル、α−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−メチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−メチル−β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−メチル−γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−エチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−エチル−β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−エチル−γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−メチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−メチル−β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−メチル−γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−メチル−δ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−エチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−エチル−β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−エチル−γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−エチル−δ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、ビニル安息香酸1−メチルシクロヘキシル、ビニル安息香酸アダマンチル、ビニル安息香酸2−(2−メチル)アダマンチル、ビニル安息香酸クロルエチル、ビニル安息香酸2−ヒドロキシエチル、ビニル安息香酸2,2−ジメチルヒドロキシプロピル、ビニル安息香酸5−ヒドロキシペンチル、ビニル安息香酸トリメチロールプロパン、ビニル安息香酸グリシジル、ビニル安息香酸ベンジル、ビニル安息香酸フェニル、ビニル安息香酸ナフチルなどが挙げられる。
【0040】
ラジカル重合が可能な他のモノマーとして挙げられたスチレン類としては、具体的には、たとえば、スチレン、ベンジルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。
【0041】
ラジカル重合が可能な他のモノマーとして挙げられたアリル化合物としては、具体的には、たとえば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル、アリルオキシエタノールなどが挙げられる。
【0042】
ラジカル重合が可能な他のモノマーとして挙げられたビニルエーテル類としては、具体的には、たとえば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテルなどが挙げられる。
【0043】
ラジカル重合が可能な他のモノマーとして挙げられたビニルエステル類としては、具体的には、たとえば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレートなどが挙げられる。
【0044】
ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーとして上述した各種のモノマーの中で、ハイパーブランチポリマーのコア部を構成するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル類、4−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸エステル類、スチレン類が好ましい。前述の各種モノマー中でも、ハイパーブランチポリマーのコア部を構成するモノマーとしては、具体的には、たとえば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、4−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸tert−ブチル、スチレン、ベンジルスチレン、クロルスチレン、ビニルナフタレンが好ましい。
【0045】
ハイパーブランチポリマーにおいて、コア部を構成するモノマーは、ハイパーブランチポリマーの合成に際して用いる全モノマーに対して、10〜90mol%の量で含まれていることが好ましい。ハイパーブランチポリマーにおいて、コア部を構成するモノマーは、ハイパーブランチポリマーの合成に際して用いる全モノマーに対して、10〜80mol%がより好ましい。ハイパーブランチポリマーにおいて、コア部を構成するモノマーは、ハイパーブランチポリマーの合成に際して用いる全モノマーに対して、10〜60mol%の量で含まれていることがより一層好ましい。
【0046】
ハイパーブランチポリマーにおいて、コア部を構成するモノマーの量が上記の範囲内となるように調整することで、たとえば、ハイパーブランチポリマーを当該ハイパーブランチポリマーを含むレジスト組成物として利用する場合に、当該ハイパーブランチポリマーが現像液に対し適度な疎水性を付与することができる。これによって、ハイパーブランチポリマーを含むレジスト組成物を用いて、たとえば、半導体集積回路、フラットパネルディスプレイ、プリント配線板などの微細加工をおこなう際に、未露光部分の溶解を抑制することができるので、好ましい。
【0047】
ハイパーブランチポリマーにおいて、上記式(1)で表わされるモノマーは、ハイパーブランチポリマーの合成に際して用いる全モノマーに対して、5〜100mol%の量で含まれていることが好ましい。ハイパーブランチポリマーにおいて、コア部を構成するモノマーは、ハイパーブランチポリマーの合成に際して用いる全モノマーに対して、20〜100mol%の量で含まれていることがより好ましい。
【0048】
ハイパーブランチポリマーにおいて、コア部を構成するモノマーは、ハイパーブランチポリマーの合成に際して用いる全モノマーに対して、50〜100mol%の量で含まれていることがより一層好ましい。ハイパーブランチポリマーにおいて、上記式(1)で表わされるモノマーの量が上記の範囲内にあると、コア部が球状形態をとるため、分子間の絡まり抑制に有利であり、好ましい。
【0049】
ハイパーブランチポリマーのコア部が、上記式(I)であらわされるモノマーとその他のモノマーとの共重合物であるとき、コア部に相当するする仕込み時における全モノマー中の上記式(I)の量は、仕込み時において、10〜99mol%であるのが好ましい。ハイパーブランチポリマーのコア部が、式(I)であらわされるモノマーとその他のモノマーとの共重合物であるとき、コア部を構成する仕込み時における全モノマー中の上記式(I)の量は、仕込み時において、20〜99mol%であるのがより好ましい。
【0050】
ハイパーブランチポリマーのコア部が、上記式(I)であらわされるモノマーとその他のモノマーとの共重合物であるとき、コア部を構成する仕込み時における全モノマー中の上記式(I)の量が、仕込み時において、30〜99mol%であるのがより一層好ましい。ハイパーブランチポリマーにおいて、上記式(I)で表わされるモノマーの量が上記の範囲内にあると、コア部が球状形態をとるため、分子間の絡まり抑制に有利であり、好ましい。
【0051】
ハイパーブランチポリマーにおいて、上記式(I)で表わされるモノマーの量が上記の範囲内にあると、コア部の球状形態を保ちつつ、基板密着性やガラス転移温度の上昇などの機能が付与されるので好ましい。なお、コア部における上記式(I)であらわされるモノマーとそれ以外のモノマーとの量は、目的に応じて重合時の仕込み量比により調節することができる。
【0052】
<シェル部を構成するモノマー>
つぎに、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーのうち、シェル部を構成するモノマーについて説明する。ハイパーブランチポリマーのシェル部は、当該ハイパーブランチポリマー分子の末端を構成する。ハイパーブランチポリマーのシェル部は、下記式(II)、(III)であらわされる繰り返し単位の少なくとも一方を備えている。
【0053】
下記式(II)、(III)であらわされる繰り返し単位は、酢酸、マレイン酸、安息香酸などの有機酸あるいは塩酸、硫酸または硝酸などの無機酸の作用により、好ましくは光エネルギーによって酸を発生する光酸発生剤の作用により分解する酸分解性基を含む。酸分解性基は分解して親水基となるのが好ましい。
【0054】
【化2】

【0055】
【化3】

【0056】
上記式(II)中のR1および上記式(III)中のR4は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示している。このうち、上記式(II)中のR1および上記式(III)中のR4としては、水素原子およびメチル基が好ましい。上記式(II)中のR1および上記式(III)中のR4としては、水素原子がさらに好ましい。
【0057】
上記式(II)中のR2は、水素原子、アルキル基、またはアリール基を示している。上記式(II)中のR2におけるアルキル基としては、たとえば、炭素数が1〜30であることが好ましい。上記式(II)中のR2におけるアルキル基のより好ましい炭素数は、1〜20である。上記式(II)中のR2におけるアルキル基のより一層好ましい炭素数は、1〜10である。アルキル基は、直鎖状、分岐状もしくは環状構造を有している。具体的に、上記式(II)中のR2におけるアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、などが挙げられる。
【0058】
上記式(II)中のR2におけるアリール基としては、たとえば、炭素数6〜30であることが好ましい。上記式(II)中のR2におけるアリール基のより好ましい炭素数は、6〜20である。上記式(II)中のR2におけるアリール基のより一層好ましい炭素数は、6〜10である。具体的に、上記式(II)中のR2におけるアリール基としては、たとえば、フェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。このうち、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基などが挙げられる。上記式(II)中のR2として、もっとも好ましい基の1つとして水素原子が挙げられる。
【0059】
上記式(II)中のR3および上記式(III)中のR5は、水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基、オキソアルキル基、または下記式(i)であらわされる基を示している。上記式(II)中のR3および上記式(III)中のR5におけるアルキル基としては、炭素数1〜40であることが好ましい。上記式(II)中のR3および上記式(III)中のR5におけるアルキル基のより好ましい炭素数は、1〜30である。
【0060】
上記式(II)中のR3および上記式(III)中のR5におけるアルキル基のより一層好ましい炭素数は、1〜20である。上記式(II)中のR3および上記式(III)中のR5におけるアルキル基は、直鎖状、分岐状もしくは環状構造を有している。上記式(II)中のR3および上記式(III)中のR5としては、炭素数1〜20の分岐状アルキル基がより好ましい。
【0061】
上記式(II)中のR3および上記式(III)中のR5における各アルキル基の好ましい炭素数は1〜6であり、より好ましい炭素数は1〜4である。上記式(II)中のR3および上記式(III)中のR5におけるオキソアルキル基のアルキル基の炭素数は4〜20であり、より好ましい炭素数は4〜10である。
【0062】
【化4】

【0063】
上記式(i)中のR6は、水素原子またはアルキル基を示している。下記式(i)であらわされる基のR6におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状構造を有している。下記式(i)であらわされる基のR6におけるアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましい。下記式(i)であらわされる基のR6におけるアルキル基のより好ましい炭素数は、1〜8であり、より好ましい炭素数は1〜6である。
【0064】
上記式(i)中のR7およびR8は、水素原子またはアルキル基である。上記式(i)中のR7およびR8における水素原子またはアルキル基は、互いに独立していてもよいし、一緒になって環を形成しても良い。上記式(i)中のR7およびR8におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状構造を有している。上記式(i)中のR7およびR8におけるアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましい。上記式(i)中のR7およびR8におけるアルキル基のより好ましい炭素数は、1〜8である。上記式(i)中のR7およびR8におけるアルキル基のより一層好ましい炭素数は、1〜6である。上記式(i)中のR7およびR8としては、炭素数1〜20の分岐状アルキル基が好ましい。
【0065】
上記式(i)で示される基としては、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−イソプロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−sec−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−tert−アミロキシエチル基、1−エトキシ−n−プロピル基、1−シクロヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル基、1−エトキシ−1−メチル−エチル基などの直鎖状または分岐状アセタール基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基などの環状アセタール基、などが挙げられる。上記式(i)で示される基としては、前述した各基の中でも、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシプロピル基、テトラヒドロピラニル基が特に好適である。
【0066】
上記式(II)中のR3および上記式(III)中のR5において、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基としては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、トリエチルカルビル基、1−エチルノルボニル基、1−メチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、2−(2−メチル)アダマンチル基、tert−アミル基などが挙げられる。このうち、tert−ブチル基が特に好ましい。
【0067】
上記式(II)中のR3および上記式(III)中のR5において、トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基などの、各アルキル基の炭素数が1〜6のものが挙げられる。オキソアルキル基としては、3−オキソシクロヘキシル基などが挙げられる。
【0068】
上記式(II)であらわされる繰り返し単位を与えるモノマーとしては、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸tert−ブチル、ビニル安息香酸2−メチルブチル、ビニル安息香酸2−メチルペンチル、ビニル安息香酸2−エチルブチル、ビニル安息香酸3−メチルペンチル、ビニル安息香酸2−メチルヘキシル、ビニル安息香酸3−メチルヘキシル、ビニル安息香酸トリエチルカルビル、ビニル安息香酸1−メチル−1−シクロペンチル、ビニル安息香酸1−エチル−1−シクロペンチル、ビニル安息香酸1−メチル−1−シクロヘキシル、ビニル安息香酸1−エチル−1−シクロヘキシル、ビニル安息香酸1−メチルノルボニル、ビニル安息香酸1−エチルノルボニル、ビニル安息香酸2−メチル−2−アダマンチル、ビニル安息香酸2−エチル−2−アダマンチル、ビニル安息香酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、ビニル安息香酸テトラヒドロフラニル、ビニル安息香酸テトラヒドロピラニル、ビニル安息香酸1−メトキシエチル、ビニル安息香酸1−エトキシエチル、ビニル安息香酸1−n−プロポキシエチル、ビニル安息香酸1−イソプロポキシエチル、ビニル安息香酸n−ブトキシエチル、ビニル安息香酸1−イソブトキシエチル、ビニル安息香酸1−sec−ブトキシエチル、ビニル安息香酸1−tert−ブトキシエチル、ビニル安息香酸1−tert−アミロキシエチル、ビニル安息香酸1−エトキシ−n−プロピル、ビニル安息香酸1−シクロヘキシロキシエチル、ビニル安息香酸メトキシプロピル、ビニル安息香酸エトキシプロピル、ビニル安息香酸1−メトキシ−1−メチル−エチル、ビニル安息香酸1−エトキシ−1−メチル−エチル、ビニル安息香酸トリメチルシリル、ビニル安息香酸トリエチルシリル、ビニル安息香酸ジメチル−tert−ブチルシリル、α−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−メチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−メチル−β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−メチル−γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−エチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−エチル−β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−エチル−γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−メチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−メチル−β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−メチル−γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−メチル−δ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−エチル−α−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−エチル−β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−エチル−γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−エチル−δ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、ビニル安息香酸1−メチルシクロヘキシル、ビニル安息香酸アダマンチル、ビニル安息香酸2−(2−メチル)アダマンチル、ビニル安息香酸クロルエチル、ビニル安息香酸2−ヒドロキシエチル、ビニル安息香酸2,2−ジメチルヒドロキシプロピル、ビニル安息香酸5−ヒドロキシペンチル、ビニル安息香酸トリメチロールプロパン、ビニル安息香酸グリシジル、ビニル安息香酸ベンジル、ビニル安息香酸フェニル、ビニル安息香酸ナフチルなどが挙げられる。このうち、4−ビニル安息香酸と4−ビニル安息香酸tert−ブチルの共重合体が好ましい。
【0069】
上記式(III)であらわされる繰り返し単位を与えるモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸2−メチルペンチル、アクリル酸2−エチルブチル、アクリル酸3−メチルペンチル、アクリル酸2−メチルヘキシル、アクリル酸3−メチルヘキシル、アクリル酸トリエチルカルビル、アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチル、アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル、アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシル、アクリル酸1−メチルノルボニル、アクリル酸1−エチルノルボニル、アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、アクリル酸テトラヒドロフラニル、アクリル酸テトラヒドロピラニル、アクリル酸1−メトキシエチル、アクリル酸1−エトキシエチル、アクリル酸1−n−プロポキシエチル、アクリル酸1−イソプロポキシエチル、アクリル酸n−ブトキシエチル、アクリル酸1−イソブトキシエチル、アクリル酸1−sec−ブトキシエチル、アクリル酸1−tert−ブトキシエチル、アクリル酸1−tert−アミロキシエチル、アクリル酸1−エトキシ−n−プロピル、アクリル酸1−シクロヘキシロキシエチル、アクリル酸メトキシプロピル、アクリル酸エトキシプロピル、アクリル酸1−メトキシ−1−メチル−エチル、アクリル酸1−エトキシ−1−メチル−エチル、アクリル酸トリメチルシリル、アクリル酸トリエチルシリル、アクリル酸ジメチル−tert−ブチルシリル、α−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−メチル−α―(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−メチル−β−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−メチル−γ−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−エチル−α―(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−エチル−β−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−エチル−γ−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−メチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−メチル−β−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−メチル−γ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−メチル−δ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−エチル−α―(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−エチル−β−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−エチル−γ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−エチル−δ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、アクリル酸1−メチルシクロヘキシル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸2−(2−メチル)アダマンチル、アクリル酸クロルエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2,2−ジメチルヒドロキシプロピル、アクリル酸5−ヒドロキシペンチル、アクリル酸トリメチロールプロパン、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ナフチル、メタクリル酸、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2−メチルブチル、メタクリル酸2−メチルペンチル、メタクリル酸2−エチルブチル、メタクリル酸3−メチルペンチル、メタクリル酸2−メチルヘキシル、メタクリル酸3−メチルヘキシル、メタクリル酸トリエチルカルビル、メタクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、メタクリル酸1−エチル−1−シクロペンチル、メタクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル、メタクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシル、メタクリル酸1−メチルノルボニル、メタクリル酸1−エチルノルボニル、メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、メタクリル酸テトラヒドロフラニル、メタクリル酸テトラヒドロピラニル、メタクリル酸1−メトキシエチル、メタクリル酸1−エトキシエチル、メタクリル酸1−n−プロポキシエチル、メタクリル酸1−イソプロポキシエチル、メタクリル酸n−ブトキシエチル、メタクリル酸1−イソブトキシエチル、メタクリル酸1−sec−ブトキシエチル、メタクリル酸1−tert−ブトキシエチル、メタクリル酸1−tert−アミロキシエチル、メタクリル酸1−エトキシ−n−プロピル、メタクリル酸1−シクロヘキシロキシエチル、メタクリル酸メトキシプロピル、メタクリル酸エトキシプロピル、メタクリル酸1−メトキシ−1−メチル−エチル、メタクリル酸1−エトキシ−1−メチル−エチル、メタクリル酸トリメチルシリル、メタクリル酸トリエチルシリル、メタクリル酸ジメチル−tert−ブチルシリル、α−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−メチル−α―(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−メチル−β−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−メチル−γ−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−エチル−α―(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−エチル−β−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−エチル−γ−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−メチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−メチル−β−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−メチル−γ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−メチル−δ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−エチル−α―(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−エチル−β−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−エチル−γ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−エチル−δ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、メタクリル酸1−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸2−(2−メチル)アダマンチル、メタクリル酸クロルエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2,2−ジメチルヒドロキシプロピル、メタクリル酸5−ヒドロキシペンチル、メタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ナフチル、などが挙げられる。このうち、アクリル酸とアクリル酸tert−ブチルの共重合体が好ましい。
【0070】
なお、シェル部を構成するモノマーとしては、4−ビニル安息香酸またはアクリル酸の少なくとも一方と、4−ビニル安息香酸tert−ブチルまたはアクリル酸tert−ブチルの少なくとも一方と、の共重合体も好ましい。シェル部を構成する共重合モノマーとしては、ラジカル重合性の不飽和結合を有する構造であれば、上記式(II)および上記式(III)であらわされる繰り返し単位を与えるモノマー以外のモノマーであってもよい。
【0071】
上記共重合モノマーとしては、たとえば、スチレン類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、クロトン酸エステル類などから選ばれるラジカル重合性の不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
【0072】
シェル部を構成するモノマーとして使用することができる共重合モノマーとして挙げられたスチレン類としては、具体例には、たとえば、スチレン、tert−ブトキシスチレン、α−メチル−tert−ブトキシスチレン、4−(1−メトキシエトキ)シスチレン、4−(1−エトキシエトキ)シスチレン、テトラヒドロピラニルオキシスチレン、アダマンチルオキシスチレン、4−(2−メチル−2−アダマンチルオキシ)スチレン、4−(1−メチルシクロヘキシルオキシ)スチレン、トリメチルシリルオキシスチレン、ジメチル−tert−ブチルシリルオキシスチレン、テトラヒドロピラニルオキシスチレン、ベンジルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。
【0073】
シェル部を構成するモノマーとして使用することができる共重合モノマーとして挙げられたアリルエステル類としては、具体例には、たとえば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル、アリルオキシエタノール、などが挙げられる。
【0074】
シェル部を構成するモノマーとして使用することができる共重合モノマーとして挙げられたビニルエーテル類としては、具体例には、たとえば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル、などが挙げられる。
【0075】
シェル部を構成するモノマーとして使用することができる共重合モノマーとして挙げられたビニルエステル類としては、具体例には、たとえば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、などが挙げられる。
【0076】
シェル部を構成するモノマーとして使用することができる共重合モノマーとして挙げられたクロトン酸エステル類としては、具体例には、たとえば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、グリセリンモノクロトネート、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、ジメチルマレレート、ジブチルフマレート、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリルなどが挙げられる。
【0077】
また、シェル部を構成するモノマーとして使用することができる共重合モノマーとしては、具体的には、たとえば、下記式(IV)〜式(XIII)なども挙げられる。
【0078】
【化5】

【0079】
【化6】

【0080】
【化7】

【0081】
【化8】

【0082】
【化9】

【0083】
【化10】

【0084】
【化11】

【0085】
【化12】

【0086】
【化13】

【0087】
【化14】

【0088】
シェル部を構成するモノマーとして使用することができる共重合モノマーの中で、スチレン類、クロトン酸エステル類が好ましい。シェル部を構成するモノマーとして使用することができる共重合モノマーの中でもスチレン、ベンジルスチレン、クロルスチレン、ビニルナフタレン、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、無水マレイン酸が好ましい。
【0089】
ハイパーブランチポリマーにおいて、上記式(II)または上記式(III)の少なくとも一方であらわされる繰り返し単位を与えるモノマーは、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマー全体の仕込み量に対して、仕込み時において、10〜90mol%の範囲で含まれていることが好ましい。前述した繰り返し単位を与えるモノマーは、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマー全体の仕込み量に対して、仕込み時において、20〜90mol%の範囲で含まれていることがより好ましい。
【0090】
前述した繰り返し単位を与えるモノマーは、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマー全体の仕込み量に対して、仕込み時において、30〜90mol%の範囲でポリマーに含まれるのがより一層好ましい。特に、シェル部において上記式(II)または上記式(III)であらわされる繰り返し単位が、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマー全体の仕込み量に対して、仕込み時において、50〜100mol%、好ましくは80〜100mol%の範囲で含まれるのが好適である。前述した繰り返し単位を与えるモノマーが、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマー全体での仕込み量に対して、仕込み時において、前述の範囲内にあると、当該ハイパーブランチポリマーを含んだレジスト組成物を用いたリソグラフィの現像工程において、露光部が効率よくアルカリ溶液に溶解し除去されるので好ましい。
【0091】
この発明のハイパーブランチポリマーのシェル部が、上記式(II)または上記式(III)であらわされる繰り返し単位を与えるモノマーとその他のモノマーとの共重合物であるとき、シェル部を構成する全モノマー中における上記式(II)または上記式(III)の少なくとも一方の量は、30〜90mol%であるのが好ましく、50〜70mol%であるのがより好ましい。シェル部を構成する全モノマー中における上記式(II)または上記式(III)の少なくとも一方の量が前述の範囲内にあると、露光部の効率的アルカリ溶解性を阻害せずに、エッチング耐性、ぬれ性、ガラス転移温度の上昇などの機能が付与されるので好ましい。
【0092】
なお、シェル部における上記式(II)または上記式(III)の少なくとも一方であらわされる繰り返し単位とそれ以外の繰り返し単位との量は、目的に応じてシェル部導入時のモル比の仕込み量比により調節することができる。
【0093】
(金属触媒)
つぎに、ハイパーブランチポリマーの合成に用いる金属触媒について説明する。ハイパーブランチポリマーの合成に際しては、以下に示した金属触媒を使用することが可能である。ハイパーブランチポリマーの合成に用いる金属触媒は、銅、鉄、ルテニウム、クロムなどの遷移金属化合物と配位子との組み合わせからなる。
【0094】
金属触媒における遷移金属化合物としては、たちえば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅、塩化第一鉄、臭化第一鉄、ヨウ化第一鉄、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅、シアン化第二銅、酸化第二銅、過塩素酸第二銅、塩化第二鉄、臭化第二鉄、ヨウ化第二鉄などが挙げられる。
【0095】
金属触媒における配位子としては、未置換あるいはアルキル基、アリール基、アミノ基、ハロゲン基、エステル基などにより置換されたピリジン類、ビピリジン類、ポリアミン類、ホスフィン類などが挙げられる。好ましい金属触媒としては、たとえば、塩化銅と配位子により構成される銅(I)ビピリジル錯体、銅(I)ペンタメチルジエチレントリアミン錯体、塩化鉄と配位子より構成される鉄(II)トリフェニルホスフィン錯体、鉄(II)トリブチルアミン錯体などを挙げることができる。
【0096】
金属触媒である遷移金属錯体は、担持体に担持されている。担持体は、ハイパーブランチポリマーの合成に用いる有機溶媒に不溶な化合物によって構成された固体であり、金属触媒を担持することによって担持された金属触媒とともに固体担持触媒を構成する。担持体はハイパーブランチポリマーの合成に用いる有機溶媒に不溶であれば特に限定されないが、担持体としては、たとえば、有機溶媒に不溶な有機高分子化合物や無機化合物などが挙げられる。
【0097】
具体的に、担持体を実現する有機高分子化合物としては、たとえば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリスチレンスルホン酸塩、フェノール系樹脂、イオン交換樹脂、または、ポリスチレンビーズ、シクロデキストリン、デュポン社製Nafion、GE社製Sephadex、などが挙げられる。
【0098】
また、具体的に、担持体を実現する無機担体としては、合成および天然ゼオライト、シリケート、粘土、エアロゲル、キセロゲル、アルミノシリケート;ミクロ−、メソ−およびマクロ多孔性の物質、金属酸化物、金属塩化物、アルミナ、シリカゲル、アルミナーシリカ、軽石、活性炭およびシリカカーバイド、などが挙げられる。前記担持体の中では、イオン交換樹脂が好ましい。
【0099】
イオン交換樹脂としては、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、キレート樹脂などが挙げられ、このうち陽イオン交換樹脂が好ましい。好ましい陽イオン交換樹脂としては、ポリスチレンスルホン酸系強酸性陽イオン交換樹脂、ポリアクリル酸系弱酸性陽イオン交換樹脂、ポリメタクリル酸系弱酸性陽イオン交換樹脂、住友化学社製スミキレートMC700、住友化学社製スミキレートMC800、住友化学社製スミキレートMC900、などが挙げられる。
【0100】
ポリスチレンスルホン酸系強酸性陽イオン交換樹脂の具体例としては、ダウ・ケミカル社製DowexHCRS、ダウ・ケミカル社製DowexHCR−W2、ダウ・ケミカル社製Dowexモノスフィアー650C、ダウ・ケミカル社製DowexマラソンC、ダウ・ケミカル社製Dowex88、ダウ・ケミカル社製Dowexモスフィアー88、ダウ・ケミカル社製DowexマラソンMSC、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製Amberlite IR120B Na、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製Amberlite IR124 Na、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製Amberlite 200CT Na、Rohm&Hass社製Amberlite 252Na、Rohm&Hass社製Amberlite 252Na、Rohm&Hass社製デュオライトC205、Rohm&Hass社製デュオライトC20、Rohm&Hass社製デュオライトC20LF、Rohm&Hass社製デュオライトC20A、三菱化学社製ダイヤイオンSK1B、三菱化学社製ダイヤイオンSK104、三菱化学社製ダイヤイオンSK110、三菱化学社製ダイヤイオンSK112、三菱化学社製ダイヤイオンSK116、三菱化学社製ダイヤイオンPK208、三菱化学社製ダイヤイオンPK212、三菱化学社製ダイヤイオンPK216、三菱化学社製ダイヤイオンPK220、三菱化学社製ダイヤイオンPK228、三菱化学社製ダイヤイオンUBK530、三菱化学社製ダイヤイオンUBK550、三菱化学社製ダイヤイオンUBK535、三菱化学社製ダイヤイオンUBK555、などが挙げられる。
【0101】
ポリアクリル酸系弱酸性陽イオン交換樹脂の具体例としては、ダウ・ケミカル社製DowexMAC−3、ダウ・ケミカル社製Dowex UPCORE MAC−3、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製Amberlite FPC3500、Rohm&Hass社製Amberlite IRC76、Rohm&Hass社製デュオライトC433LF、Rohm&Hass社製デュオライトC476、三菱化学社製ダイヤイオンWK40、などが挙げられる。
【0102】
ポリメタクリル酸系弱酸性陽イオン交換樹脂の具体例としては、三菱化学社製ダイヤイオンWK10、三菱化学社製ダイヤイオンWK11、三菱化学社製ダイヤイオンWK100、三菱化学社製ダイヤイオンWT01S、などが挙げられる。
【0103】
このうち、より好ましい陽イオン交換樹脂としては、ポリアクリル酸系弱酸性陽イオン交換樹脂、ポリメタクリル酸系弱酸性陽イオン交換樹脂が挙げられ、具体的には、ダウ・ケミカル社製DowexMAC−3、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製Amberlite FPC3500、Rohm&Hass社製Amberlite IRC76、Rohm&Hass社製デュオライトC433LF、Rohm&Hass社製デュオライトC476、三菱化学社製ダイヤイオンWK40、三菱化学社製ダイヤイオンWK10、三菱化学社製ダイヤイオンWK11、三菱化学社製ダイヤイオンWK100、三菱化学社製ダイヤイオンWT01S、などが好適である。
【0104】
また、具体的に、担持体を実現する無機担体としては、合成および天然ゼオライト、シリケート、粘土、エアロゲル、キセロゲル、アルミノシリケート;ミクロ−、メソ−およびマクロ多孔性の物質、金属酸化物、金属塩化物、アルミナ、シリカゲル、アルミナーシリカ、軽石、活性炭およびシリカカーバイド、などが挙げられる。
【0105】
担持体としては、イオン交換樹脂が好ましい。イオン交換樹脂は、ビーズ、粒子、発泡体、膜、紙または繊維のいずれの形態であってもよい。
【0106】
担持体と遷移金属錯体との割合は、担持体1gに対して、遷移金属錯体が0.001g〜0.5gであることが好ましい。担持体による金属触媒の担持方法は、特に限定されないが、たとえば、不活性ガス気流下において、脱水不活性溶媒中に担持体を添加して懸濁させ、そこへ、遷移金属錯体を添加して、所定時間、攪拌、反応させることによって担持体に金属触媒を担持させる方法を挙げることができる。
【0107】
担持体が担持する金属触媒の使用方法および再生方法は、特に制限がない。たとえば、固体触媒支持体の再生法としては、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology 4thed.,(1993)、および、第5巻の321−460頁および第14巻の737−783頁に記載されている方法を使用することができる。
【0108】
担持体に担持された金属触媒は、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーの全量に対して0.001〜10mol%となるように使用するのが好ましく、0.01〜10mol%となるように使用するのがより好ましい。このような量で金属触媒を使用することにより、好適な分岐度を有するハイパーブランチポリマーを得ることができる。
【0109】
なお、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーの全量に対する金属触媒の使用量が前述した範囲を下回る場合、反応性が著しく低下し、重合が進行しない。一方、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーの全量に対する金属触媒の使用量が前述した範囲を上回る場合、重合が活発になり、生長末端のラジカル同士がカップリング反応しやすくなり、重合の制御が困難になる傾向がある。また、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーの全量に対する金属触媒の使用量が前述した範囲を上回る場合、ラジカル同士のカップリング反応により、反応系のゲル化が誘発される。
【0110】
(還元剤)
つぎに、ハイパーブランチポリマーの合成に用いる還元剤について説明する。上述したハイパーブランチポリマーの合成に際しては、触媒の再生を促進するため、上述した遷移金属錯体と還元剤とを組み合わせて使用してもよい。たとえば、ハイパーブランチポリマーの合成に際して、AGET ATRPにしたがった反応をおこなう場合に使用できる還元剤としては、上記の原子価遷移金属化合物の0価金属、スズ−(II)2−エチルヘキサノエイトに代表されるスズ(II)化合物、アスコルビン酸などを挙げることができる。なお、ハイパーブランチポリマーの合成に際して使用できる還元剤としては、上記の化合物に特に限定はされるものではない。
【0111】
ハイパーブランチポリマーの合成に用いる還元剤は、特に限定はされないが、使用する遷移金属錯体の中心金属よりも酸化数が小さな金属化合物であることが好ましい。具体的に、ハイパーブランチポリマーの合成に用いる還元剤は、たとえば、0価の銅や鉄、あるいは、スズ(II)2−エチルヘキサノエイト、グルコースであることが好ましい。
【0112】
ハイパーブランチポリマーの合成に用いる還元剤の使用量は、金属触媒に対して、0.01〜10mol当量であることが好ましい。還元剤のより好ましい使用量は、金属触媒に対して、0.05〜3mol当量であることがより好ましい。上述した還元剤を前述の量比で使用するとことにより、重合の反応性を低下させることなく、かつ好適な分岐度を有するハイパーブランチポリマーを得ることができる。
【0113】
還元剤の使用量が前述の範囲を下回る場合、触媒の再活性化の発現が不十分となる。還元剤の使用量が範囲を上回る場合、触媒再活性化の効果に変化はないが、過剰に添加した分の還元剤が無駄となる。
【0114】
(溶媒)
つぎに、ハイパーブランチポリマーの合成用いる溶媒について説明する。ハイパーブランチポリマーの重合反応は、無溶媒でも可能であるが、各種の溶媒中でおこなうことが望ましい。溶媒の種類としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼンなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒があげられる。これらは、単独で使用されても、2種以上を併用しても良い。
【0115】
(金属触媒の調整方法)
つぎに、ハイパーブランチポリマーの合成における金属触媒の調整方法について説明する。金属触媒は、遷移金属化合物と配位子からなり、ハイパーブランチポリマーの合成における重合反応において、遷移金属化合物と配位子とを装置内で混合し、錯体化されてもよい。遷移金属化合物と配位子からなる金属触媒は、活性を持つ錯体の状態で装置に加えられてもよい。遷移金属化合物と配位子とを装置内で混合し、錯体化される方が、製造作業の簡便化を図ることができる。
【0116】
また、金属触媒が酸化されて活性を失う可能性があるため、触媒が酸化されて失活することを防ぐため、重合前には、重合に使用する全ての物質、すなわち、金属触媒、溶媒、モノマーなどは、減圧、あるいは、窒素やアルゴンのような不活性ガスをバブリングすることによって、十分に脱酸素化されることが好ましい。
【0117】
(坦持された金属触媒の添加方法)
つぎに、ハイパーブランチポリマーの合成における坦持金属触媒の添加方法について説明する。坦持された金属触媒の添加方法は、特に限定されるものではなく、たとえば、重合前に一括して添加することができる。また、重合開始後、触媒の失活具合に応じて追加して添加してもよい。
【0118】
(ハイパーブランチポリマーの合成工程)
つぎに、ハイパーブランチポリマーの合成工程について説明する。図1は、ハイパーブランチポリマーの合成工程を示すフローチャートである。図1には、ハイパーブランチポリマーの合成工程が、各工程をおこなう順序で示されている。図1に示したように、ハイパーブランチポリマーの合成に際しては、まず、上述した各種のモノマーの中の所定のモノマーを用いてコア重合をおこない(ステップS101)、ハイパーブランチポリマーにおけるコア部を生成する。
【0119】
つづいて、ステップS101において生成されたコア部を用いてシェル重合をおこない(ステップS102)、当該コア部をシェル部で被覆したコアシェル型ハイパーブランチポリマーを生成する。そして、生成されたコアシェル型ハイパーブランチポリマーを精製して(ステップS103)、ステップS101,ステップS102における各重合に際して用いた触媒およびモノマーを除去する。その後、ステップS103における精製後のコアシェル型ハイパーブランチポリマーに対して金属除去をおこない(ステップS104)、金属除去後に脱保護をおこなって(ステップS105)、一連の処理を終了する。
【0120】
つぎに、上述した図1に示した工程順にしたがって生成されるハイパーブランチポリマーの合成における各工程について詳細に説明する。
【0121】
(コア重合)
はじめに、上述したステップS101におけるコア重合について説明する。ステップS101におけるコア重合は、ラジカルが酸素の影響を受けることを防ぐために、窒素や不活性ガス存在あるいはフロー下、酸素不存在条件の下でおこなわれることが好ましい。また、ステップS101におけるコア重合は、バッチ方式、連続式のいずれの方法にも適用することができる。
【0122】
コア重合は、たとえば、反応容器内にモノマーを滴下しながら重合をおこなうことができる。触媒が低量である場合、滴下スピードをコントロールすることで、生成されるコア部における高い分岐度を保つことができる。生成されるコア部における高い分岐度を保つために、滴下するモノマーの濃度は、反応全量に対して、1〜50質量%であることが好ましい。滴下するモノマーのより好ましい濃度は、反応全量に対して、2〜20質量%である。
【0123】
重合時間は、重合物の分子量に応じて、0.1〜30時間の間でおこなうのが好ましい。コア重合に際して、反応温度は、0〜200℃の範囲であることが好ましい。コア重合に際してのより好ましい反応温度は、50〜150℃の範囲である。使用溶媒の沸点よりも高い温度で重合させる場合は、たとえば、オートクレープ中で加圧することができる。
【0124】
コア重合に際しては、反応系における各物質の混合状態が均一であることが好ましい。たとえば、反応系を撹拌することで、反応系における各物質の混合状態を均一にする。コア重合に際しては、具体的な撹拌条件として、たとえば、単位容積当たりの攪拌所要動力が、0.01kW/m3以上であることが好ましい。コア重合に際しては、さらに、重合の進行や触媒の失活の程度に応じて、触媒を追加したり、触媒を再生させる還元剤を添加したりしてもよい。
【0125】
ステップS101においては、コア重合が所定レベル進行した時点で重合反応を停止させる。コア重合の停止方法は、特に限定されるものではないが、たとえば、冷却する、酸化剤やキレート剤などの添加によって触媒を失活させる、などの方法用いることができる。
【0126】
(シェル重合)
つぎに、上述したステップS102におけるシェル重合について説明する。ステップS102におけるシェル重合は、ラジカルが酸素の影響を受けることを防ぐために、窒素や不活性ガス存在下あるいはフロー下、酸素不存在条件の下でおこなわれることが好ましい。ステップS102におけるシェル重合は、バッチ方式、連続式のいずれの方法にも適用することができる。
【0127】
ステップS102におけるシェル重合は、上述したステップS101におけるコア重合と連続しておこなってもよいし、上述したステップS101におけるコア重合後に触媒とモノマーを除去してから、再度、触媒を添加することでおこなっても良い。
【0128】
シェル重合に際しては、テップS101において生成されたマクロ重合開始剤(コアマクロマー)を用いて、たとえば、反応開始前にあらかじめ反応系内に金属触媒を設けておき、この反応系にマクロ重合開始剤およびモノマーを滴下する。具体的には、たとえば、反応用の釜の内面にあらかじめ金属触媒を設けておき、この反応用の釜にマクロ重合開始剤およびモノマーを滴下する。また、具体的には、たとえば、あらかじめマクロ重合開始剤が存在する反応用の釜に、モノマーを滴下するようにしてもよい。
【0129】
上述したようにシェル重合をおこなうことによって、コアマクロマーの濃度が高い場合におけるゲル化を効率的に防ぐことができる。シェル重合に際してのコアマクロマーの濃度は、仕込み時におけるコアマクロマーおよびモノマーを含む反応全量に対して、0.1〜30質量%であることが好ましい。シェル重合に際してのコアマクロマーのより好ましい濃度は、仕込み時におけるコアマクロマーおよびモノマーを含む反応全量に対して1〜20質量%である。
【0130】
シェル重合に際してのモノマーの濃度は、仕込み時におけるコアマクロマーの反応活性点に対して、0.5〜20mol当量であることが好ましい。シェル重合に際してのモノマーのより好ましい濃度は、コアマクロマーの反応活性点に対して1〜15mol当量である。仕込み時におけるコアマクロマーの反応活性点に対するモノマーの濃度をコントロールすることで、コア/シェル比を適切にコントロールすることができる。
【0131】
シェル重合に際しての重合時間は、重合物の分子量に応じて0.1〜30時間の間でおこなうことが好ましい。シェル重合に際しての反応温度は、0〜200℃の範囲であることが好ましい。シェル重合に際してのより好ましい反応温度は、50〜150℃の範囲である。また、使用溶媒の沸点よりも高い温度で重合させる場合は、たとえば、オートクレープ中で加圧することができる。
【0132】
シェル重合に際しては、反応系における各物質の混合状態を均一にする。たとえば、反応系を撹拌することで、反応系における各物質の混合状態を均一にする。シェル重合に際しては、具体的な撹拌条件として、たとえば、単位容積当たりの攪拌所要動力が、0.01kW/m3以上とすることが好ましい。
【0133】
シェル重合に際しては、さらに、重合の進行や上述した金属触媒の失活に応じて、上述した金属触媒の追加や金属触媒を再生させる還元剤を添加してもよい。ステップS102においては、シェル重合が所定レベル進行した時点で重合反応を停止させる。シェル重合の停止方法は、特に限定されるものではないが、たとえば、冷却する、酸化剤やキレート剤などの添加によって金属触媒を失活させる、などの方法用いることができる。
【0134】
ステップS101およびS102における重合に際しては、SR&NI(Simultaneous nomal and reverse initiation) ATRP法またはAGET(Activator generated by electron transfer) ATRP法を用いることが可能である。SR&NI ATRP法を用いる場合、重合開始剤としては、フリーラジカル開始剤を用いる。
【0135】
AGET ATRP法を用いる場合、金属触媒の再生を促進するため、還元剤を使用する。この場合、還元剤として使用できるものとしては、特に限定はされないが、たとえば、上記の原子価遷移金属化合物の0価金属、スズ−(II)2−エチルヘキサノエイトに代表されるスズ(II)化合物、アスコルビン酸などを用いることができる。
【0136】
(精製)
つぎに、上述したステップS103における精製について説明する。ステップS103における精製に際しては、担持体の除去と、必要に応じて担持体より脱離した金属触媒の除去と、モノマーの除去と、をおこなう。
【0137】
<金属触媒の除去>
金属触媒の除去は、上述したステップS102におけるシェル重合終了後におこなう。金属触媒の除去は、たとえば、以下に示す(S103−1)〜(S103−3)の方法を、単独あるいは複数組み合わせておこなうことができる。
【0138】
(S103−1)協和化学工業製キョーワードのような各種吸着剤を使用する。
(S103−2)濾過や遠心分離によって不溶物を除去する。
(S103−3)キレート効果のある物質を含む水溶液を用いて抽出する。
【0139】
上記の(S103−3)の方法にしたがった場合に用いるキレート効果のある物質としては、たとえば、蟻酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、マロン酸などの有機カルボン酸や、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミノ五酢酸などのアミノカーボネート、ヒドロキシアミノカーボネートなどが挙げられる。
【0140】
上記の(S103−3)の方法にしたがった場合に用いるキレート効果のある物質としては、たとえば、無機酸である塩酸、硫酸などがあげられる。キレート能を持つ物質の水溶液中の濃度は、化合物のキレート能に応じて異なるが、たとえば、0.05質量%〜10質量%であることが好ましい。
【0141】
<モノマーの除去>
モノマーの除去は、上述した金属触媒の除去後におこなっても、金属触媒の除去に引き続く微量金属の除去(本明細書では金属洗浄とする)まで行った後におこなっても、どちらでも良い。モノマーの除去に際しては、上述したステップS101におけるコア重合およびステップS102におけるシェル重合に際して滴下したモノマーのうち、未反応のモノマーを除去する。未反応のモノマーを除去する方法としては、たとえば、以下に示す(S103−4)〜(S103−5)の方法を、単独あるいは複数組み合わせておこなうことができる。
【0142】
(S103−4)良溶媒に溶解した反応物に貧溶媒を添加することにより、ポリマーを沈殿させる。
(S103−5)良溶媒と貧溶媒の混合溶媒でポリマーを洗浄する。
【0143】
上記の(S103−4)〜(S103−5)において、良溶媒としては、たとえば、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、ニトリル、エーテル、ケトン、エステル、カーボ―トまたはこれらの溶媒を含む混合溶媒が挙げられる。具体的には、たとえば、テトラヒドロフランやクロロベンゼン、クロロホルムなどが挙げられる。貧溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、水、またはこれらの溶媒を組み合わせた溶媒が挙げられる。
【0144】
(金属洗浄)
つぎに、上述したステップS104における微量金属の除去について説明する。上述したステップS104においては、上述したステップS103における精製後に、ポリマー中に残存する微量の金属を低減させる処理をおこなう。ポリマー中に残存する微量の金属を低減させる方法としては、たとえば、以下に示す(S104−1)〜(S104−2)の方法を単独、あるいは複数組み合わせておこなうことができる。
【0145】
(S104−1)キレート能を持つ有機化合物の水溶液、無機酸水溶液、および純水による液々抽出。
(S104−2)吸着剤、イオン交換樹脂の使用。
【0146】
上記の(S104−1)にしたがった場合の液々抽出に用いる有機溶媒としては、たとえば、クロロベンゼンやクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミルのような酢酸エステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタン、2−ペンタノンのようなケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルアセテート類、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類などが好ましいものとして挙げられる。
【0147】
より好ましくは、上記の(S104−1)にしたがった場合の液々抽出に使用する有機溶媒としては、たとえば、クロロホルム、メチルイソブチルケトン、酢酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。上記の(S104−1)にしたがった場合の液々抽出に際して、上述したステップS104における精製後のハイパーブランチポリマーの有機溶媒に対する質量%は、1〜30質量%程度であるのが好ましい。さらに好ましい有機溶媒に対するレジストポリマー中間体の質量%は、5〜20質量%程度である。
【0148】
上記の(S104−1)にしたがった場合の液々抽出に用いるキレート能を持つ有機化合物としては、たとえば、蟻酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、マロン酸などの有機カルボン酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミノ五酢酸などのアミノカーボネート、ヒドロキシアミノカーボネートなどがあげられる。上記の(1)における液々抽出に用いるキレート能を持つ無機酸としては、塩酸、硫酸があげられる。
【0149】
上記の(S104−1)にしたがった場合の液々抽出に際して、キレート能を持つ有機化合物および無機酸の水溶液中の濃度は、たとえば、0.05質量%〜10質量%であることが好ましい。なお、上記の(S104−1)における液々抽出に際しての、キレート能を持つ有機化合物および無機酸の水溶液中の濃度は、化合物のキレート能に応じて異なる。
【0150】
金属除去に際して、キレート能を持つ有機化合物の水溶液、無機酸水溶液を用いる場合、キレート能を持つ有機化合物の水溶液と無機酸水溶液とを混合して用いてもよいし、キレート能を持つ有機化合物の水溶液と無機酸水溶液とを別々に用いてもよい。キレート能を持つ有機化合物の水溶液と無機酸水溶液とを別々に用いる場合、キレート能を持つ有機化合物の水溶液または無機酸水溶液のどちらを先に用いてもよい。
【0151】
金属除去に際して、キレート能を持つ有機化合物の水溶液と無機酸水溶液とを別々に用いる場合には、無機酸水溶液を後半におこなう方がより好ましい。これは、キレート能を持つ有機化合物の水溶液が、銅触媒や多価金属の除去に有効であり、無機酸水溶液が、実験器具などに由来する1価金属の除去に有効であるためである。
【0152】
このため、キレート能を持つ有機化合物の水溶液と無機酸水溶液とを混合して用いる場合においても、後半に単独の無機酸水溶液を用いてステップS103において精製されたハイパーブランチポリマーの洗浄をおこなうことが望ましい。抽出回数は特に制限されるものではないが、たとえば、2〜5回おこなうのが望ましい。実験器具などに由来する金属の混入を防止するため、特に、銅イオンが減少した状態で用いる実験器具は、予備洗浄を行ったものを用いることが好ましい。予備洗浄の方法は特に限定されないが、たとえば、硝酸水溶液による洗浄などがあげられる。
【0153】
無機酸水溶液単独による洗浄の回数は、1〜5回が好ましい。無機酸水溶液単独による洗浄を1〜5回おこなうことにより、1価金属を十分に除去することができる。また、残留する酸成分を除去するため、最後に純水による抽出処理をおこない、酸を完全に除去することが好ましい。純水による洗浄の回数は、1〜5回が好ましい。純水による洗浄を1〜5回おこなうことにより、残留する酸を十分に除去することができる。
【0154】
金属除去に際して、ステップS103において精製されたハイパーブランチポリマーを含む反応溶媒(以下、単に「反応溶媒」という。)とキレート能を持つ有機化合物の水溶液、無機酸水溶液、および純水との比率は、いずれも体積比にして1:0.1〜1:10が好ましい。より好ましい上記の比率は、いずれも、体積比にして、1:0.5〜1:5である。このような比率の溶媒を用いて洗浄することにより、適度な回数で、金属を容易に除去することができる。これによって、操作の容易化、操作の簡易化を図ることができ、ハイパーブランチポリマーを効率よく製造する上で好適である。ステップS103において精製されたハイパーブランチポリマーの、反応溶媒に溶解している質量濃度は、溶媒に対して、通常、1〜30質量%程度であることが好ましい。
【0155】
上記の(S104−1)における液々抽出処理は、たとえば、反応溶媒とキレート能を持つ有機化合物の水溶液、無機酸水溶液、および純水を混合した混合溶媒(以下、単に「混合溶媒」という。)を、2層に分離させ、金属イオンが移行した水層をデカンテーションなどによって、除去することによりおこなう。
【0156】
混合溶媒を2層に分離させる方法としては、たとえば、反応溶媒に、キレート能を持つ有機化合物の水溶液、無機酸水溶液、および純水を添加し、攪拌などにより十分に混合した後、静置することによっておこなう。また、混合溶媒を2層に分離させる方法としては、たとえば、遠心分離法を用いてもよい。
【0157】
上記の(S104−1)における液々抽出処理は、たとえば、10〜50℃の温度においておこなうことが好ましい。上記の(S104−1)における液々抽出処理は、20〜40℃の温度においておこなうことがより好ましい。
【0158】
(脱保護)
つぎに、上述したステップS105における脱保護について説明する。脱保護に際しては、上述したステップS104における金属除去後に、酸分解性基の部分的分解をおこなう。酸分解性基の部分的分解に際しては、たとえば、酸分解性基の一部を上述した酸触媒用いて酸基に分解(酸分解性基を誘導)する。
【0159】
酸分解性基の一部を上述した酸触媒用いて酸基に分解する(酸分解性基を部分的に分解する)際には、ステップS104において金属除去されたハイパーブランチポリマー中の酸分解性基に対して、通常、0.001〜100当量の酸触媒を使用する。酸触媒としては、特に限定はされないが、たとえば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、などが挙げられる。
【0160】
上述した酸触媒用いて酸分解性基を部分的に分解する反応に使用される有機溶媒は、ステップS104において金属除去されたハイパーブランチポリマーを溶解しうるものであり、かつ、水に対して相溶性のある溶媒であることが望ましく、たとえば、入手のし易さや、扱いの容易さから、上述した酸触媒用いて酸分解性基を部分的に分解する反応に使用される有機溶媒としては、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる溶媒が好ましい。
【0161】
上述した酸触媒用いて酸分解性基を部分的に分解する反応に使用される有機溶媒の量は、ステップS104において金属除去されたハイパーブランチポリマーと酸触媒とが溶解していれば、特に限定はされないが、ステップS104において金属除去されたハイパーブランチポリマーに対して5〜500質量倍であることが好ましい。上述した酸触媒を用いて酸分解性基を部分的に分解する反応に使用される有機溶媒のより好ましい量は、8〜200質量倍である。上述した酸触媒用いて酸分解性基を部分的に分解する反応は、50〜150℃で10分〜20時間加熱攪拌することによりおこなうことができる。
【0162】
酸分解性基を部分的に分解した後のハイパーブランチポリマーにおける酸分解性基と酸基との比率は、導入した酸分解性基を含有するモノマー中の5〜80mol%が脱保護されて酸基に変換されているのが好ましい。たとえば、酸分解性基を部分的に分解した後のハイパーブランチポリマーをフォトレジストなどのレジスト組成物に利用する場合、当該ハイパーブランチポリマーにおける酸分解性基と酸基との比率は、当該ハイパーブランチポリマーを用いたレジスト組成物の組成により最適値が異なる。
【0163】
酸分解性基を部分的に分解した後のハイパーブランチポリマーにおける酸分解性基と酸基との比率が上記のような範囲にあると、光に対する感度の向上と露光後の効率的なアルカリ溶解性が達成されるため好ましい。酸分解性基を部分的に分解した後のハイパーブランチポリマーにおける酸分解性基と酸基との比率は、酸触媒の量、温度、反応時間を適宜選択することで、調節することができる。
【0164】
酸分解性基を部分的分解する反応後は、反応液を超純水と混合し、酸分解性基を部分的に分解した後のハイパーブランチポリマーを析出させた後、遠心分離、濾過、デカンテーションなどの手段に供することで、酸分解性基を部分的に分解した後のハイパーブランチポリマーを分離する。その後、残存する酸触媒を除去するため、有機溶媒や必要に応じて水と接触させ、酸分解性基を部分的に分解した後のハイパーブランチポリマーを洗浄することが好ましい。
【0165】
上述したように、実施の形態のハイパーブランチポリマーの合成方法によれば、リビングラジカル重合をおこなう反応系における溶媒に不溶な担持体に担持された金属触媒の存在下においてリビングラジカル重合をおこなうことで、反応溶液への金属の溶解を防止することができ、リビングラジカル重合後に反応溶液中から担持体を分離することによって反応溶液中の金属触媒を容易に除去することができる。
【0166】
そして、これによって、金属触媒の除去にかかる作業を簡易化することができるので、従来のATRP法にしたがってハイパーブランチポリマーを合成する場合と比較して、ハイパーブランチポリマーの合成にかかるコスト低減を図ることができる。
【0167】
また、実施の形態のハイパーブランチポリマーの合成方法によれば、金属触媒を繰り返して使用することができるので、従来のATRP法にしたがってハイパーブランチポリマーを合成する場合と比較して、ハイパーブランチポリマーの合成にかかるコスト低減を図ることができる。
【0168】
また、実施の形態のハイパーブランチポリマーの合成方法によれば、リビングラジカル重合によって重合された共重合体をコア部とし、当該コア部の外側にシェル部を備えるコアシェル型のハイパーブランチポリマーの合成にかかるコストの低減を図ることができる。
【0169】
また、実施の形態のハイパーブランチポリマーの合成方法によれば、シェル部における酸分解性基の一部を酸触媒を用いて分解して酸基を形成することで、金属触媒を新たにまたは追加して添加することなく、酸分解性基と酸基とを含む第2の層を形成することができるので、ATRP法にしたがってハイパーブランチポリマーを合成する場合と比較して、金属触媒の使用量を低減することができる。これによって、ATRP法にしたがってハイパーブランチポリマーを合成する場合と比較して、合成にかかるコストの低減を図ることができるハイパーブランチポリマーの合成方法を提供することができる。
【0170】
(反応方法B)
反応方法Bはシェル部を形成した後、該シェル部の内側にコア部を導入するハイパーブランチポリマーの合成方法である。
【0171】
(ハイパーブランチポリマーの合成に用いる物質)
つぎに、反応方法Bを用いたハイパーブランチポリマーの合成方法について説明する。実施の形態のハイパーブランチポリマーの合成方法のうち、反応方法Bを用いて合成されるハイパーブランチポリマーの合成に際しては、上記の坦持された金属触媒、モノマー、重合開始剤、重合禁止剤、および溶媒を用いる。
【0172】
(モノマー)
まず、反応方法Bを用いたハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーについて説明する。反応方法Bを用いてコアシェル型のハイパーブランチポリマーを合成する場合、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーとしては、大別して、コア部を構成するモノマーとシェル部を構成するモノマーとがある。
【0173】
(コア部を構成するモノマー)
ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーのうち、コア部を構成するモノマーについて説明する。ハイパーブランチポリマーのコア部は、当該ハイパーブランチポリマー分子の核を構成する。ハイパーブランチポリマーのコア部は、下記(1)〜(12)に該当するモノマーを用いて形成することができる。なお、該モノマーは、その分子構造内に重合反応に携る官能基を2個以上有する。
【0174】
(1)芳香族ビニル系炭化水素
(2)ビニル系炭化水素
(3)エステル基含有ビニル系単量体
(4)スルホン基含有ビニル系単量体、ビニル系硫酸モノエステル化物およびこれらの 塩
(5)燐酸基含有ビニル系単量体
(6)ヒドロキシル基含有ビニル系単量体
(7)含窒素ビニル系単量体
(8)ハロゲン元素含有ビニル系単量体
(9)カルボキシル基含有ビニル系単量体およびその塩
(10)珪素含有ビニル系単量体
(11)既出特許に含まれるモノマー
(12)ビニル系単量体構造に開始剤部位を導入したビニル系単量体
【0175】
上述した(1)における芳香族ビニル系炭化水素としては、具体的には、たとえば、1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,2−ジイソプロペニルベンゼン、1,3ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ジビニルナフタレン、1,8−ジビニルナフタレン、2,4−ジビニルジフェニル、1,2−ジビニル−3,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジビニル−4,5,8−トリブチルナフタレン、2,2−ジビニル−4−エチル−4−プロピルビフェニル、ジビニルトルエン、トリビニルベンゼン、などが挙げられる。上述した(2)におけるビニル系炭化水素としては、イソプレン、ブタジエン、3−メチル−1,2−ブタジエン、2,3−ジメチル1,3−ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン、1,3,5−ヘキサトリエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、トリビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。
【0176】
上述した(3)におけるエステル基含有ビニル系単量体としては、具体的には、たとえば、マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、アジピン酸ジビニル、アジピン酸ジアリル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、イタコン酸ジビニル、ビニルシンナメート、クロトン酸ビニル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,2−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(分子量300)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)ジアクリレートなどが挙げられる。
【0177】
上述した(4)におけるスルホン基含有ビニル系単量体、ビニル系硫酸モノエステル化物およびこれらの塩としては、具体的には、たとえば、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン、ジビニルスルフォキサイド、ジアリルジサルファイド、などが挙げられる。上述した(5)における燐酸基含有ビニル系単量体としては、具体的には、たとえば、トリアリル燐酸エステル、トリ(4−ビニルフェニル)燐酸エステル、トリ(4−ビニルベンジル)燐酸エステル、ジアリルメチル燐酸エステル、ジ(4−ビニルフェニル)メチル燐酸エステル、ジ(4−ビニルベンジル)メチル燐酸エステル、ジアリルフェニルホスフェイトなどが挙げられる。
【0178】
上述した(6)におけるヒドロキシル基含有ビニル系単量体。ジビニルグリコール(1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール)、1,2−ジビニルオキシ−3−プロパノール、1,3−ジビニルオキシ−2−プロパノール等。(7)含窒素ビニル系単量体としては、具体的には、たとえば、ジアリルアミン、トリアリルアミン、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルシアヌレート、1−シアノブタジエン、メチレンビスアクリルアミド、ビスマレイミド、などが挙げられる。
【0179】
上述した(8)におけるハロゲン元素含有ビニル系単量体としては、具体的には、たとえば、1,4−ジビニルパーフルオロブタン、クロロプレン、ジアリルアミンハイドロクロライド、などが挙げられる。上述した(9)カルボキシル基含有ビニル系単量体およびその塩としては、具体的には、たとえば、マレイン酸モノアリル、フタル酸モノアリル、フマル酸モノビニル、マレイン酸モノビニル、イタコン酸モノビニル、等のカルボキシル基含有ビニル系単量体、並びにこれらのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩などが挙げられる。アルカリ金属塩としては、たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、たとえば、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。
【0180】
上述した(10)における珪素含有ビニル系単量体としては、具体的には、たとえば、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン、などが挙げられる。
【0181】
上述した(11)における既出特許に含まれるモノマーとしては、具体的には、たとえば、いずれも出願番号で、2005−327710、2006−026581、2006−029687、2006−055047、2006−066513、PCT/JP2006/308634、WO 2005/061566 A1などに記載されたモノマーが挙げられる。
【0182】
上述した(12)におけるビニル系単量体構造に開始剤部位を導入したビニル系単量体としては、具体的には、たとえば、2−(2−ブロモプロピオニルオキシ)エチルアクリレート、2−(2−ブロモプロピオニルオキシ)エチルアクリレート、2−(2−ブロモプロピオニルオキシ)ブチルアクリレート、2−(2−ブロモプロピオニルオキシ)エチルメタアクリレート、2−(2−ブロモプロピオニルオキシ)エチルメタアクリレート、m−(1−クロロエチル)スチレン、上記式(I)であらわされるモノマーなどが挙げら
れる。
【0183】
前述した(1)〜(11)に該当するモノマーの中で、ハイパーブランチポリマーのコア部を構成するモノマーとしては、芳香族ビニル系炭化水素、ビニル系炭化水素、エステル基含有ビニル系単量体、ヒドロキシル基含有ビニル系単量体、カルボキシル基含有ビニル系単量体およびその塩、ビニル系単量体構造に開始剤部位を導入したビニル系単量体などが好ましい。
【0184】
さらに、ハイパーブランチポリマーのコア部に相当モノマーとしては、上記(1)〜(12)に該当するモノマーに加え、他のモノマーを含むことができる。他のモノマーとしては、ラジカル重合が可能なモノマーであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ラジカル重合が可能な他のモノマーとしては、たとえば、上述した反応方法Aにおいて説明したように、(メタ)アクリル酸、および(メタ)アクリル酸エステル類、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸エステル類、スチレン類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類などから選ばれるラジカル重合性の不飽和結合を有する化合物が挙げられる。前述したラジカル重合が可能な他のモノマーの中で、ハイパーブランチポリマーのコア部を構成するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、および(メタ)アクリル酸エステル類、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸エステル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類などが好ましい。
【0185】
ハイパーブランチポリマーの合成に際して、上記式(I−a)で表されるモノマーを前述した量使用すると、コア部の球状形態を保ちつつ、基板密着性やガラス転移温度の上昇等の機能が付与されるので好ましい。なお、コア部における上記式(I−a)であらわされるモノマーとそれ以外のモノマーとの量は、目的に応じて重合時の仕込み量比により調節することができる。
【0186】
ハイパーブランチポリマーにおいて上記(1)〜(12)に該当するモノマーの量は、ハイパーブランチポリマーのコア部を形成する全モノマーに対して、5〜100mol%であることが好ましく、20〜100mol%であることがより好ましく、50〜100mol%であることがより一層好ましい。上記(1)〜(12)に該当するモノマーの量が前述した範囲にあると、ハイパーブランチポリマーのコア部は、ハイパーブランチポリマーのコア部を構成する分子間における絡まり抑制に有利な球状形態をとるため好ましい。
【0187】
ハイパーブランチポリマーのコア部が、上記(1)〜(12)に該当するモノマーとその他のモノマーとの共重合物である場合、コア部を構成する全モノマー中における上記(1)〜(12)に該当するモノマーの量は、10〜99mol%であることが好ましく、20〜99mol%であることがより好ましく、30〜99mol%であることがより一層好ましい。ハイパーブランチポリマーのコア部が、上記(1)〜(12)に該当するモノマーとその他のモノマーとの共重合物である場合、上記(1)〜(12)に該当するモノマーの量が前述した範囲にあると、ハイパーブランチポリマーのコア部は、ハイパーブランチポリマーのコア部を構成する分子間における絡まり抑制に有利な球状形態をとるため好ましい。
【0188】
<シェル部を構成するモノマー>
つぎに、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるモノマーのうち、シェル部を構成するモノマーについて説明する。ハイパーブランチポリマーのシェル部は、当該ハイパーブランチポリマー分子の末端を構成する。ハイパーブランチポリマーのシェル部は、上記式(II)、(III)であらわされる繰り返し単位の少なくとも一方を備えている。式(II)、(III)であらわされる化合物については、上述と同様であるため説明を省略する。
【0189】
(重合開始剤)
つぎに、ハイパーブランチポリマーの合成に用いる重合開始剤について説明する。ハイパーブランチポリマーの合成に用いる重合開始剤としては、公知のものを使用する事ができ、目的に応じて適宜選択することができる。たとえば、ハロゲン化アルキル開始剤、アゾ重合開始剤、パーオキサイド重合開始剤、レドックス重合開始剤、などを挙げることができる。
【0190】
<ハロゲン化アルキル開始剤>
つぎに、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるハロゲン化アルキル開始剤について説明する。ハロゲン化アルキル開始剤としては、ATRP法で使用される公知な開始剤を使用する事ができる。このようなハロゲン化アルキル開始剤としては、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1−フェニルエチルクロライド、1−フェニルエチルブリマイド、メチルスルホニルクロライド、フェニルスルホニルクロライド、p−トルエンスルホニルクロライド、2−クロロプロピオニトリル、2−ブロモプロピオニトリル、などが挙げられる。このうち、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、1−フェニルエチルクロライド、1−フェニルエチルブリマイド、p−トルエンスルホニルクロライド、2−クロロプロピオニトリル、2−ブロモプロピオニトリル、が好ましい。
【0191】
<アゾ重合開始剤>
つぎに、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるアゾ重合開始剤について説明する。ハイパーブランチポリマーの合成に用いるアゾ重合開始剤としては、公知のものを使用する事ができ、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。該アゾ重合開始剤としては、たとえば、油溶性アゾ重合開始剤、水溶性アゾ重合開始剤、高分子アゾ重合開始剤などが挙げられる。
【0192】
前記油溶性アゾ重合開始剤としては、たとえば、2,2'−アゾビスイソブチロニリトル、2,2′−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4′−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、ジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2′−アゾビス〔N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド〕、2,2′−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
【0193】
前記水溶性アゾ重合開始剤としては、たとえば、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4'−アゾビス−4−シアノパレリン酸、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)1,〔(シアノ−1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2,2'−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジヒドロクロライド、2,2'−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジサルフェートジハイドレート、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、2,2'−アゾビス〔N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン〕ハイドレート、2,2'−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}ジヒドロクロライド、2,2'−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2'−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)ジヒドロクロライド、2,2'−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド、2,2'−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチルプロピオンアミド)〕、2,2'−アゾビス(N,N−ジメチレンイソ−ブチロアミジン)ハイドロクロライドなどが挙げられる。
【0194】
前記高分子アゾ重合開始剤としては、たとえば、ポリジメチルシロキサンユニット含有高分子アゾ重合開始剤、ポリエチレングリコールユニット含有高分子アゾ重合開始剤などが挙げられる。該ポリジメチルシロキサンユニット含有高分子アゾ重合開始剤の具体例としては、たとえば、和光純薬工業製のVPS−0501、VPS−1001などが挙げられる。また、該ポリエチレングリコールユニット含有高分子アゾ重合開始剤の具体例としては、たとえば、和光純薬工業製のVPE−0201、VPE−0401、VPE−0601などが挙げられる。
【0195】
上述した各種のアゾ重合開始剤の中でも、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるアゾ重合開始剤としては、油溶性アゾ重合開始剤、水溶性アゾ重合開始剤が好ましい。このうち、2,2'−アゾビスイソブチロニリトル、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2'−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジヒドロクロライド、2,2'−アゾビス〔N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン〕ハイドレート、2,2'−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}ジヒドロクロライドが特に好ましい。
【0196】
<パーオキサイド重合開始剤>
ハイパーブランチポリマーの合成に用いる重合開始剤の中のパーオキサイド重合開始剤としては、具体的には、たとえば、メチルエチルパーオキサイド、メチルイソブチルパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミイパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシヘキサン)、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキセン、トリス(t−ブチルペルオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ペルオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−)ブチルペルオキシ)ブタン、4,4−ジ−t−ブチルペルオキ吉草酸−n−ブチルエステル、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、α−クミルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオペンタノエート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテトラフタレート、t−アミルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−ブチルペルオキシトリメチルアジペート、ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−イソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボニロイル)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルペルオキシカーボネート、などが挙げられる。
【0197】
上述した各種のパーオキサイド重合開始剤の中でも、ハイパーブランチポリマーの合成に用いる重合開始剤としてのパーオキサイド重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイドおよびt−ブチルパーオキシベンゾエートが好ましい。
【0198】
上述したパーオキサイド重合開始剤としては、油溶性パーオキサイド重合開始剤および水溶性パーオキサイド重合開始剤などが用いられる。油溶性パーオキサイド重合開始剤としては、以下に示した(1)〜(7)に該当する化合物が挙げられる。
【0199】
(1)ケトンパーオキサイド:たとえば、メチルエチルパーオキサイド、メチルイソブチルパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、など。
【0200】
(2)ハイドロパーオキサイド:たとえば、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、など。
【0201】
(3)ジアシルパーオキサイド:たとえば、イソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、など。
【0202】
(4)ジアルキルパーオキサイド:たとえば、ジクミイパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシヘキサン、など)、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキセン、トリス(t−ブチルペルオキシ)トリアジン、など。
【0203】
(5)パーオキシケタール:たとえば、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ペルオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−)ブチルペルオキシ)ブタン、4,4−ジ−t−ブチルペルオキ吉草酸−n−ブチルエステル、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、など・
【0204】
(6)アルキルパーエステル:たとえば、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、α−クミルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオペンタノエート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテトラフタレート、t−アミルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−ブチルペルオキシトリメチルアジペート、など。
【0205】
(7)パーカーボネート:たとえば、ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−イソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボニロイル)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルペルオキシカーボネート、など。
【0206】
上述した各種の化合物の中で、(1)ケトンパーオキサイド、(2)ハイドロパーオキサイド、(4)ジアルキルパーオキサイドおよび(6)アルキルパーエステルが、パーオキサイド重合開始剤として好ましい。パーオキサイド重合開始剤としてとして好ましい化合物の中でも、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイドおよびt−ブチルパーオキシベンゾエートが、パーオキサイド重合開始剤として特に好ましい化合物として挙げられる。
【0207】
水溶性パーオキサイド重合開始剤としては、たとえば、過酸化水素、過酢酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムおよび過硫酸ナトリウム、などが挙げられる。水溶性パーオキサイド重合開始剤としては、過酸化水素水、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、が好ましい。
【0208】
<レドックス重合開始剤>
ハイパーブランチポリマーの合成に用いる重合開始剤の中のレドックス重合開始剤としては、過酸化物と還元剤を組み合わせて用いる。具体的な過酸化物としては、たとえば、油溶性過酸化物および水溶性過酸化物、などが用いられる。油溶性過酸化物としては、具体的には、たとえば、ヒドロペルオキサイド(tret−ブチルヒドロキシペルオキサイド、クメンヒドロキシペルオキサイド、など)、過酸化ジアルキル(過酸化ラウロイル、など)および過酸化ジアシル(過酸化ベンゾイル、など)の油溶性過酸化物が挙げられる。
【0209】
水溶性過酸化物としては、たとえば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素およびtret−ブチルヒドロキシペルオキサイド、クメンヒドロキシペルオキサイド、などが挙げられる。
【0210】
還元剤としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ナフテン酸塩、メルカプトエタノール、ラウリルメルカプタン、トリエチルアルミニウム、トリエチルホウ素およびジエチル亜鉛、などの油溶性還元剤、などが挙げられる。
【0211】
水溶性還元剤としては、たとえば、2価鉄塩、亜硫酸水素ナトリウム、アルコール、ジメチルアニリン、などが挙げられる。上述した各種の化合物の中で、パーオキサイド重合開始剤と還元剤の好ましい具体的な組み合わせとしては、過酸化水素−2価鉄塩、過硫酸塩−亜硫酸ナトリウム、などが挙げられる。
【0212】
上述した各種の化合物の中で、過酸化物と還元剤との好ましい組み合わせとしては、具体的には、たとえば、クメンヒドロペルオキシド−トリエチルアルミニウム、過酸化ベンゾイル−トリエチルアミン、などの組み合わせなどが挙げられる。
【0213】
(重合禁止剤)
つぎに、実施の形態の重合禁止剤について説明する。実施の形態の重合禁止剤としては、たとえば、ニトロキシド系重合禁止剤、キノン系重合禁止剤、アルキルフェノール系重合禁止剤、アミン系重合禁止剤、ジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤などが挙げられる。
【0214】
(ニトロキシド系重合禁止剤)
ニトロキシドとしては、たとえば、2,2,6,6−テトラメチルー1−ピペリジニルオキシ、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルー1−ピペリジニルオキシ、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルー1−ピペリジニルオキシ、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルー1−ピペリジニルオキシ、4,4−ジメチル3−オキサゾリニルオキシ、フェニル−t−ブチルニトロキシド、2,2,5,5−テトラメチルー1−ピロリジニルオキシ、2,2,2−ジ(4−t−オクチルフェニル)−1−ピクリルヒドラジル、などが挙げられる。
【0215】
(キノン系重合禁止剤)
キノン系重合禁止剤としては、たとえば、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、デュロキノン、ベンゾキノン、ジフェニルベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノン、2,6−ジ−t−ブチルベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、などが挙げられる。
【0216】
(アルキルフェノール系重合禁止剤)
アルキルフェノール系重合禁止剤としては、たとえば、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、などが挙げられる。
【0217】
(アミン系重合禁止剤)
アミン系重合禁止剤としては、たとえば、アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、などが挙げられる。
【0218】
(ジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤)
ジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤としては、たとえば、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等)、N−オキシル系重合禁止剤(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルのエステル、などが挙げられる。
【0219】
上述した各種の化合物の中で、ヒドロキノン、デュロキノン、ベンゾキノン、ジフェニルベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノン、2,6−ジ−t−ブチルベンゾキノン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、アルキル化ジフェニルアミン、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、などが、特に好ましい重合禁止剤として挙げられる。重合禁止剤の使用量は、反応性の観点から、ハイパーブランチポリマーの合成に用いるすべてのモノマーの合計モルに対して、仕込み時において、通常1mol%〜2,000mol%であることが好ましく、3mol%〜500mol%であることがより好ましい。
【0220】
(溶媒)
つぎに、ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒について説明する。ハイパーブランチポリマーの重合反応は、無溶媒でも可能であるが、以下に示した各種の溶媒中でおこなうことが望ましい。ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒の種類としては、特に限定はされないが、たとえば、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、ニトリル系溶媒、エステル系溶媒、カーボネート系溶媒、アミド系溶媒、などが挙げられる。
【0221】
ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒である炭化水素系溶媒としては、具体的には、たとえば、ベンゼン、トルエン、などが挙げられる。ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒であるエーテル系溶媒としては、具体的には、たとえば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン、などが挙げられる。
【0222】
ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒であるハロゲン化炭化水素系溶媒としては、具体的には、たとえば、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、などが挙げられる。ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒であるケトン系溶媒としては、具体的には、たとえば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒であるアルコール系溶媒としては、具体的には、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、などが挙げられる。
【0223】
ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒であるニトリル系溶媒としては、具体的には、たとえば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、などが挙げられる。ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒であるエステル系溶媒としては、具体的には、たとえば、酢酸エチル、酢酸ブチル、などが挙げられる。ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒であるカーボネート系溶媒としては、具体的には、たとえば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、などが挙げられる。
【0224】
ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒であるアミド系溶媒としては、具体的には、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、などが挙げられる。ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒として前述した各種の溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0225】
(ハイパーブランチポリマーの合成方法)
つぎに、ハイパーブランチポリマーの合成方法について説明する。ハイパーブランチポリマーの合成に際しては、以下に示した(1)〜(4)のうち、いずれか1つの方法を用いる。
【0226】
(1)モノマーと重合開始剤と重合禁止剤とをあらかじめ混合してから重合させる。
(2)モノマーの中に重合開始剤、重合禁止剤を滴下しながら重合させる。
(3)モノマーと重合開始剤と重合禁止剤とを同時に反応器に滴下しながら重合させる。
(4)重合開始剤と重合禁止剤とが混合された中にモノマーを滴下しながら重合させる。
【0227】
ハイパーブランチポリマーの合成に際しては、上述した(1)〜(4)のいずれの方法を用いる場合にも、有機溶媒中のモノマーの濃度は、0.1〜50質量%とする。また、ハイパーブランチポリマーの合成に際しては、上述した(1)〜(4)のいずれの方法を用いる場合にも、反応時間は、0.5〜10時間とする。また、ハイパーブランチポリマーの合成に際しては、上述した(1)〜(4)のいずれの方法を用いる場合にも、反応温度は、20〜150℃とする。
【0228】
(末端置換基の変換)
上述したように合成されたハイパーブランチポリマーは、当該ハイパーブランチポリマーを精製した後、精製したモノマーの末端のビニル基に対して、引き続いて別のモノマーを重合させることで、コアシェル型のハイパーブランチポリマーを合成することができる。精製したモノマーの末端にビニル基が含有されていない場合は、末端置換基をビニル化合物と反応させ、引き続き、導入されたビニル基を起点に重合反応を行うことによって、コアシェル型のハイパーブランチポリマーを合成することができる。この場合、変換に用いる末端置換基としては、水酸基が好ましい。末端置換基の変換方法は、特に限定されないが、たとえば、アクリロイルクロリド、クロトノイルクロリド、メタクリロイルクロリド、シンナモイルクロリド、などの酸クロリドを、末端置換基の水酸基とアルカリ条件下で反応させることが望ましい。
【0229】
(シェル重合)
コアシェル型のハイパーブランチポリマーを合成する場合、上述したように合成されたハイパーブランチポリマーに別のモノマーを重合させる(以下、「シェル重合」という。)方法は、特に限定されないが、ラジカル重合であることが好ましい。シェル重合をラジカル重合によっておこなう場合、重合開始剤の濃度は、たとえば、全モノマーに対して、0.0001mol%〜10mol%であることが好ましい。
【0230】
(精製)
つぎに、合成されたハイパーブランチポリマー(コアシェル型のハイパーブランチポリマーを含む)の精製について説明する。合成されたハイパーブランチポリマー(コアシェル型のハイパーブランチポリマーを含む)の精製に際しては、リビングラジカル重合に際して未反応のモノマーを除去する。未反応のモノマーを除去する方法としては、たとえば、上述した反応方法Aにおける(S104−1),(S104−2)の方法を、単独あるいは複数組み合わせておこなう方法が挙げられる。
【0231】
上述したように、実施の形態のハイパーブランチポリマーの合成方法によれば、リビングラジカル重合をおこなう反応系における溶媒に不溶な担持体に担持された金属触媒の存在下においてリビングラジカル重合をおこなうことで、リビングラジカル重合によって重合された共重合体から誘導されるコアシェル型のハイパーブランチポリマーの合成に際して反応溶液への金属の溶解を防止することができ、リビングラジカル重合後に反応溶液中から担持体を抽出することによって反応溶液中の金属触媒を容易に除去することができる。
【0232】
そして、これによって、金属触媒の除去にかかる作業を簡易化することができるので、従来のATRP法にしたがってハイパーブランチポリマーを合成する場合と比較して、ハイパーブランチポリマーの合成にかかるコスト低減を図ることができる。
【0233】
(ハイパーブランチポリマーの用途)
上述した反応方法A,Bにしたがって合成されたハイパーブランチポリマーの用途としては、たとえば、フォトレジストが挙げられる。上述したハイパーブランチポリマーをフォトレジストに用いる場合、具体的には、たとえば、印刷製版、ハードコート剤、反射防止フィルム、歯科材料、接着・粘着剤、塗料などを製造する際の紫外線硬化樹脂としての用途が挙げられる。
【0234】
また、上述したハイパーブランチポリマーの用途としては、たとえば、顔料、金属微粒子、有機EL、色素レーザーカラーフィルター用レジストなどの分散、安定化剤としての用途や、光ファイバー、光導波路などの光学材料としての用途、などが挙げられる。
【0235】
(レジスト組成物)
つぎに、ハイパーブランチポリマーを用いたレジスト組成物について説明する。ハイパーブランチポリマーを用いたレジスト組成物(以下、単に「レジスト組成物」という。)における、コアシェル型のハイパーブランチポリマーの配合量は、レジスト組成物の全量に対し、4〜40質量%が好ましく、4〜20質量%がより好ましい。
【0236】
レジスト組成物は、上述したコアシェル型のハイパーブランチポリマーと、光酸発生剤と、を含んでいる。レジスト組成物は、さらに、必要に応じて、酸拡散抑制剤(酸捕捉剤)、界面活性剤、その他の成分、および溶剤などを含んでいてもよい。
【0237】
レジスト組成物に含まれる光酸発生剤としては、たとえば、紫外線、X線、電子線など
が照射された場合に酸を発生するものであれば特に制限はなく、公知の各種光酸発生剤の中から目的に応じて適宜選択することができる。具体的に、光酸発生剤としては、たとえば、オニウム塩、スルホニウム塩、ハロゲン含有トリアジン化合物、スルホン化合物、スルホネート化合物、芳香族スルホネート化合物、N−ヒドロキシイミドのスルホネート化合物、などが挙げられる。
【0238】
上述した光酸発生剤に含まれるオニウム塩としては、たとえば、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、などが挙げられる。前記ジアリールヨードニウム塩としては、たとえば、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、などが挙げられる。
【0239】
上述したオニウム塩に含まれるトリアリールセレノニウム塩としては、具体的には、たとえば、トリフェニルセレノニウムヘキサフロロホスホニウム塩、トリフェニルセレノニウムホウフツ化塩、トリフェニルセレノニウムヘキサフロロアンチモネート塩、などが挙げられる。上述したオニウム塩に含まれるトリアリールスルホニウム塩としては、たとえば、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4一チオフエノキシフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフエノキシフェニルスルホニウムペンタフロロヒドロキシアンチモネート塩、などが挙げられる。
【0240】
上述した光酸発生剤に含まれるスルホニウム塩としては、たとえば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、p−トリルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウムトリフルオロアンチモネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、などが挙げられる。
【0241】
上述した光酸発生剤に含まれるハロゲン含有トリアジン化合物としては、具体的には、たとえば、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチルト1,3,5−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチルト1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−メトキシスチリル)4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ブトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ベンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、などが挙げられる。
【0242】
上述した光酸発生剤に含まれるスルホン化合物としては、具体的には、たとえば、ジフェニルジスルホン、ジ−p−トリルジスルホン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロへキシルスルホニル)ジアゾメタン、(ベンゾイル)(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニルアセトフェノン、などが挙げられる。
【0243】
上述した光酸発生剤に含まれる芳香族スルホネート化合物としては、具体的には、たとえば、α−ベンゾイルベンジルp−トルエンスルホネート(通称ベンゾイントシレート)、β−ベンゾイル−β−ヒドロキシフェネチルp−トルエンスルホネート(通称α−メチロールベンゾイントシレート)、1,2,3−ベンゼントリイルトリスメタンスルホネート、2,6−ジニトロベンジルp−トルエンスルホネート、2−ニトロベンジルp−トルエンスルホネート、4−ニトロベンジルp−トルエンスルホネート、などが挙げられる。
【0244】
上述した光酸発生剤に含まれるN−ヒドロキシイミドのスルホネート化合物としては、具体的には、たとえば、N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(p−クロロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(シクロへキシルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(1−ナフテルスルホニルオキシ)スクシンイミド、n−(ベンジルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルポルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフタルイミド、などが挙げられる。
【0245】
上述した各種の光酸発生剤のうち、スルホニウム塩が好ましい。特に、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート;スルホン化合物、特に、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタンが好ましい。
【0246】
上述した光酸発生剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。光酸発生剤の配合率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、この発明のハイパーブランチポリマー100質量部に対し0.1〜30質量部が好ましい。より好ましい光酸発生剤の配合率は、0.1〜10質量部である。
【0247】
レジスト組成物に含まれる酸拡散抑制剤としては、露光により酸発生剤から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する作用を有する成分であれば特に制限はない。レジスト組成物に含まれる酸拡散抑制剤は、公知のも各種の酸拡散抑制剤の中から、目的に応じて適宜選択することができる。
【0248】
レジスト組成物に含まれる酸拡散抑制剤としては、たとえば、同一分子内に窒素原子を1個有する含窒素化合物、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物、同一分子内に窒素原子を3個以上有するポリアミノ化合物や重合体、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物、などが挙げられる。
【0249】
上記の酸拡散抑制剤として挙げられた、同一分子内に窒素原子を1個有する含垂素化合物としては、たとえば、モノ(シクロ)アルキルアミン、ジ(シクロ)アルキルアミン、トリ(シクロ)アルキルアミン、芳香族アミン、などが挙げられる。モノ(シクロ)アルキルアミンとしては、具体的には、たとえば、n−ヘキシルアミン、n−へブチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、シクロへキシルアミン、などが挙げられる。
【0250】
同一分子内に窒素原子を1個有する含垂素化合物に含まれるジ(シクロ)アルキルアミンとしては、たとえば、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ベンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘブチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、シクロへキシルメチルアミン、などが挙げられる。
【0251】
同一分子内に窒素原子を1個有する含垂素化合物に含まれるトリ(シクロ)アルキルアミンとしては、たとえば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ベンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−へブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、などが挙げられる。
【0252】
同一分子内に窒素原子を1個有する含垂素化合物に含まれる芳香族アミンとしては、たとえば、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン、などが挙げられる。
【0253】
上記の酸拡散抑制剤として挙げられた、同一分子内に窒素原子を2個有する含窒素化合物としては、たとえば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、などが挙げられる。
【0254】
上記の酸拡散抑制剤として挙げられた、同一分子内に窒素原子を3個以上有するポリアミノ化合物や重合体としては、たとえば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミドの重合体、などが挙げられる。
【0255】
上記の酸拡散抑制剤として挙げられた、アミド基含有化合物としては、たとえば、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロへキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4,−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミンN,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノへブタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N,−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N,−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N,−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダソール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、などが挙げられる。
【0256】
上記の酸拡散抑制剤として挙げられたウレア化合物としては、具体的には、たとえば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア、などが挙げられる。
【0257】
上記の酸拡散抑制剤として挙げられた含窒素複素環化合物としては、具体的には、たとえば、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミグゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン、ピベラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピベラジン、ピラジン、ピラソール、ビリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピベリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチピベラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、などが挙げられる。
【0258】
上記の酸拡散抑制剤は、単独または2種以上を混合して使用することができる。上記の酸拡散抑制剤の配合量としては、光酸発生剤100質量部に対して0.1〜1000質量部が好ましい。上記の酸拡散抑制剤のより好ましい配合量は、光酸発生剤100質量部に対して0.5〜10質量部である。なお、上記の酸拡散抑制剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0259】
レジスト組成物に含まれる界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、などが挙げられる。なお、レジスト組成物に含まれる界面活性剤としては、塗布性、ストリエーション、現像性などを改良する作用を示す成分であれば特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。
【0260】
レジスト組成物に含まれる界面活性剤として挙げられたポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、具体的には、たとえば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、などが挙げられる。レジスト組成物に含まれる界面活性剤挙げられたポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルとしては、たとえば、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、などが挙げられる。
【0261】
レジスト組成物に含まれる界面活性剤として挙げられたソルビタン脂肪酸エステルとしては、具体的には、たとえば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルヒ゛タンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、などが挙げられる。レジスト組成物に含まれる界面活性剤として挙げられたポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤としては、具体的には、たとえば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、などが挙げられる。
【0262】
レジスト組成物に含まれる界面活性剤として挙げられたフッ素系界面活性剤としては、具体的には、たとえば、エフトップEF301、EF303、EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SX102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)、などが挙げられる。
【0263】
レジスト組成物に含まれる界面活性剤として挙げられたシリコン系界面活性剤としては、たとえば、オルガノシロキサンボリマーKP341(信越化学工業(株)製)、などが挙げられる。上述した各種の界面活性剤は、単独または2種以上を混合して使用することができる。上述した各種の界面活性剤の配合量としては、たとえば、この発明にかかる製造方法を用いて生成されたハイパーブランチポリマー100質量部に対して0.0001〜5質量部が好ましい。上述した各種の界面活性剤の、より好ましい配合量は、この発明にかかる製造方法を用いて生成されたハイパーブランチポリマー100質量部に対して0.0002〜2質量部である。なお、上述した各種の界面活性剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0264】
レジスト組成物に含まれるその他の成分としては、たとえば、増感剤、溶解制御剤、酸解離性基を有する添加剤、アルカリ可溶性樹脂、染料、顔料、接着助剤、消泡剤、安定剤、ハレーション防止剤、などが挙げられる。レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた増感剤としては、具体的には、たとえば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ビレン類、アントラセン類、フェノチアジン類、などが挙げられる。上記の増感剤としては、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを光酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示し、レジスト組成物のみかけの感度を向上させる効果を有するものであれば特に制限はない。上記の増感剤は、単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0265】
レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた溶解制御剤としては、具体的には、たとえば、ポリケトン、ポリスピロケタール、などが挙げられる。レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた溶解制御剤は、レジストとしたときの溶解コントラストおよび溶解速度をより適切に制御するものであれば特に制限はない。レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた溶解制御剤は、単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0266】
レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた酸解離性基を有する添加剤としては、具体的には、たとえば、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル、デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−フェトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル、リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル、などが挙げられる。上記各種の酸解離性基を有する添加剤は、単独または2種以上を混合して使用することができる。なお、上記各種の酸解離性基を有する添加剤は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性などをさらに改善するものであれば特に制限はない。
【0267】
レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられたアルカリ可溶性樹脂としては、具体的には、たとえば、ポリ(4−ヒドロキシスチレン)、部分水素添加ポリ(4−ヒドロキシスチレン)、ポリ(3−ヒドロキシスチレン)、ポリ(3−ヒドロキシスチレン)、4−ヒドロキシスチレン/3−ヒドロキシスチレン共重合体、4−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体、ノボラック樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などが挙げられる。
【0268】
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、通常、1000〜1000000、好ましくは2000〜100000である。上記のアルカリ可溶性樹脂は、単独または2種以上を混合して使用することができる。なお、レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられたアルカリ可溶性樹脂としては、この発明のレジスト組成物のアルカリ可溶性を向上させるものであれば特に制限はない。
【0269】
レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた染料あるいは顔料は、露光部の潜像を可視化させる。露光部の潜像を可視化させることによって、露光時のハレーションの影響を緩和することができる。また、レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた接着助剤は、レジスト組成物と基板との接着性を改善することができる。
【0270】
レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた溶剤としては、具体的には、たとえば、ケトン、環状ケトン、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル、3−アルコキシプロピオン酸アルキル、その他の溶剤などが挙げられる。レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた溶剤は、たとえば、レジスト組成物に含まれるその他の成分などを溶解することができる限り特に制限はなく、レジスト組成物に安全に使用可能なものの中から適宜選択することができる。
【0271】
レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた溶剤に含まれるケトンとしては、具体的には、たとえば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−へブタノン、2−オクタノン、などが挙げられる。
【0272】
レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた溶剤に含まれる環状ケトンとしては、具体的には、たとえば、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン、などが挙げられる。
【0273】
レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた溶剤に含まれるプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、具体的には、たとえば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−SeC−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート、などが挙げられる。
【0274】
レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた溶剤に含まれる2−ヒドロキシプロピオン酸アルキルとしては、具体的には、たとえば、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシアロビオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル、などが挙げられる。
【0275】
レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた溶剤に含まれる3−アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、たとえば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、などが挙げられる。
【0276】
レジスト組成物に含まれるその他の成分として挙げられた溶剤に含まれるその他の溶剤としては、たとえば、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルプチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルピン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、γ−プチロラクトン、トルエン、キシレン、カブロン酸、カプリル酸、オクタン、デカン、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゆう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。上記の溶剤は、単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0277】
上述したように、実施の形態のハイパーブランチポリマーを含むレジスト組成物によれば、パターン状に露光された後、現像をおこなってパタニング処理することができる。当該レジスト組成物は、表面平滑性がナノオーダーで求められる電子線、遠紫外線(DUV)、および極紫外線(EUV)光源に対応し得、半導体集積回路製造用の微細パターンを形成することができる。
【0278】
これによって、実施の形態のハイパーブランチポリマーを含むレジスト組成物は、波長の短い光を照射する光源を用いて製造される半導体集積回路を用いる各種分野において好適に用いることができる。
【0279】
また、実施の形態のハイパーブランチポリマーを含むレジスト組成物を用いて製造される半導体集積回路においては、製造に際して露光および加熱し、アルカリ現像液に溶解させた後、水洗などによって洗浄した場合に、露光面に溶け残りが殆ど無く、ほぼ垂直なエッジを得ることができる。
【実施例】
【0280】
以下に、この発明にかかる上述した実施の形態について、以下に示す実施例を用いて具体的に明らかにする。なお、この発明は、以下に示す実施例によって、何等限定的に解釈されるものではない。
【0281】
(固体担持触媒の合成1)
はじめに、実施例における固体担持触媒の合成1について説明する。固体担持触媒の合成1においては、真空脱気とアルゴン置換とを3度繰り返した、攪拌機、環流冷却器および窒素導入管を取り付けた200mLのフラスコに、あらかじめ100℃で5時間乾燥させたH+型イオン交換樹脂(DOWEX MAC−3:ダウケミカル社)10gを加えて、フラスコ内を攪拌しながら、窒素導入管よりフラスコ内に窒素ガスを導入した。
【0282】
つづいて、窒素ガスが導入されたフラスコ内に、トルエン80mL、臭化第一銅1g、ビピリジル2.18gを入れ、攪拌しながら窒素導入管よりフラスコ内に窒素ガスを導入した。そして24時間攪拌した後、攪拌した後の反応系に存在する樹脂を吸引濾過にて回収してから、100%エタノールで洗浄し、真空乾燥した。
【0283】
(固体担持触媒の合成2)
つぎに、実施例における固体担持触媒の合成2について説明する。固体担持触媒の合成2においては、真空脱気とアルゴン置換とを3度繰り返した、攪拌機、環流冷却器および窒素導入管を取り付けた200mLのフラスコに、あらかじめ100℃で5時間乾燥させたH+型イオン交換樹脂(DOWEX MAC−3:ダウケミカル社)10gを加えて、フラスコ内を攪拌しながら、窒素導入管よりフラスコ内に窒素ガスを導入した。
【0284】
つづいて、窒素ガスが導入されたフラスコ内に、トルエン80mL、塩化第一鉄1g、トリブチルアミン2.92gを入れ、攪拌しながら窒素導入管よりフラスコ内に窒素ガスを導入した。そして24時間攪拌した後、攪拌した後の反応系に存在する樹脂を吸引濾過にて回収してから、100%エタノールで洗浄し、真空乾燥した。
【0285】
(実施例1)
つぎに、実施例1のコアシェル型ハイパーブランチポリマーの合成について説明する。実施例1においては、上述した反応方法Aにしたがってコアシェル型ハイパーブランチポリマーを合成した。実施例1のコアシェル型ハイパーブランチポリマーの合成に際しては、攪拌機、環流冷却器および窒素導入管を取り付けた300mLの3つ口フラスコに、クロロベンゼン60g、ベンゾニトリル6.7g、合成例1で合成した固体支持触媒9.4gを入れ、攪拌しながら窒素導入管より3つ口フラスコ内に窒素ガスを導入した。
【0286】
つづいて、3つ口フラスコを115℃に加熱し、加熱した3つ口フラスコ内に、1時間かけてクロロメチルスチレン10gを滴下し、滴下終了後3つ口フラスコ内を3時間攪拌した。攪拌した後、攪拌した後の3つ口フラスコ内にクロロベンゼン134g、アクリル酸t−ブチル19.6gを入れ、115℃で5時間攪拌した。攪拌後、攪拌によって得られた反応混合物にメタノール300gを加えて、精製物としての実施例1のコアシェル型ハイパーブランチポリマーを再沈させた。再沈によって得られた実施例1のコアシェル型ハイパーブランチポリマーの収率は34%であり、重量平均分子量は12,000であった。
【0287】
(実施例2)
つぎに、実施例2のコアシェル型ハイパーブランチポリマーの合成について説明する。実施例2においては、上述した反応方法Aにしたがってコアシェル型ハイパーブランチポリマーを合成した。実施例2のコアシェル型ハイパーブランチポリマーの合成に際しては、攪拌機、環流冷却器および窒素導入管を取り付けた300mLの3つ口フラスコに、クロロベンゼン60g、ベンゾニトリル6.7g、合成例2で合成した固体支持触媒9.4gを入れ、攪拌しながら窒素導入管より3つ口フラスコ内に窒素ガスを導入した。
【0288】
つづいて、3つ口フラスコを115℃に加熱し、加熱した3つ口フラスコ内に、1時間かけてクロロメチルスチレン10gを滴下し、滴下終了後3つ口フラスコ内を3時間攪拌した。攪拌した後、攪拌した後の3つ口フラスコ内にクロロベンゼン134g、アクリル酸t−ブチル19.6gを入れ、115℃で5時間攪拌した。攪拌後、攪拌によって得られた反応混合物にメタノール300gを加えて、精製物としての実施例2のコアシェル型ハイパーブランチポリマーを再沈させた。再沈によって得られた実施例2のコアシェル型ハイパーブランチポリマーの収率は38%であり、重量平均分子量は10,000であった。
【0289】
つぎに、実施例3のコアシェル型ハイパーブランチポリマーの合成について説明する。実施例3においては、上述した反応方法Bにしたがってコアシェル型ハイパーブランチポリマーを合成した。実施例3のコアシェル型ハイパーブランチポリマーの合成に際しては、攪拌機、環流冷却器および窒素導入管を取り付けた100mLの3つ口フラスコに、トルエン34g、アクリル酸t−ブチル2.7g、ベンジルブロマイド0.2g、合成例2で合成した固体支持触媒0.39gを入れ、攪拌しながら窒素導入管より3つ口フラスコ内に窒素ガスを導入した。
【0290】
つづいて、3つ口フラスコを80℃のオイルバスで120分加温してから、ジビニルベンゼン0.65g、エチルスチレン0.54gを3つ口フラスコ内に入れ、80℃のオイルバスで60分加温した。加温によって得られた反応混合物にメタノール100gを加えて、精製物としての実施例3のスターブランチポリマーを再沈させた。再沈によって得られた実施例3のスターブランチポリマーの収率は40%であり、重量平均分子量は10,000であった。
【0291】
(微量金属の除去)
つぎに、微量金属の除去について説明する。微量金属の除去に際しては、実施例3のスターブランチポリマー6gを100gのクロロホルムに溶解した溶液に、3質量%シュウ酸水溶液50g、1質量%の塩酸水溶液50gと合わせ、30分間激しく攪拌した。攪拌した後、攪拌した後の溶液から有機層を取り出し、取り出した有機溶媒に再び3質量%シュウ酸水溶液50g、1質量%塩酸水溶液50gを合わせて、30分間激しく攪拌した。
【0292】
攪拌した後の溶液から有機層を取り出し、取り出した有機溶媒に再び3質量%シュウ酸水溶液および1質量%塩酸水溶液50gを合わせて攪拌する操作を計5回繰り返した。その後、取り出した有機層と超純水100gを留去し、原子吸光により含有金属量を計測したところ、銅、ナトリウム、鉄、アルミニウムの含有量は10ppb以下であった。
【0293】
(脱保護)
つぎに、脱保護について説明する、脱保護に際しては、上記で得られたスターブランチポリマー0.6gを還流管付反応容器に採取し、ジオキサン300mL、塩酸(30%)0.6mLを加えて、90℃で60分加熱攪拌した。攪拌後、反応組成物を300mLの超純水に注いで、固形物を再沈させた。そして、再沈によって得られた固形分にジオキサン30mLを加えて、再沈によって得られた固形分を溶解させ、その溶液に超純水を加えて、再び再沈させた。得られた固形分を乾燥させてスターブランチポリマーを得た。得られたスターブランチポリマーの収率は66%であった。
【図面の簡単な説明】
【0294】
【図1】ハイパーブランチポリマーの合成工程を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマーのリビングラジカル重合を経てコアシェル型ハイパーブランチポリマーを合成する方法であって、
溶媒に不溶な担持体に担持された金属触媒の存在下において前記リビングラジカル重合をおこなう重合工程を含むことを特徴とするコアシェル型ハイパーブランチポリマーの合成方法。
【請求項2】
請求項1において、コア部を形成し、当該コア部の外側に導入された酸分解性基を含有するシェル部を形成することにより、コアシェル型のハイパーブランチポリマーを合成することを特徴とする請求項1に記載のコアシェル型ハイパーブランチポリマーの合成方法。
【請求項3】
請求項1において、酸分解性基を含有するシェル部を形成し、当該シェル部の内側に、コア部を形成することにより、コアシェル型のハイパーブランチポリマーを合成することを特徴とする請求項1に記載のコアシェル型ハイパーブランチポリマーの合成方法。
【請求項4】
コア部は、分子内に重合性ビニル基を2つ以上有するモノマー、およびまたは、分子内に重合性ビニル基と開始剤部位を有するモノマーの少なくとも一種より形成される繰り返し単位を含有する事を特徴とする請求項1〜3に記載のコアシェル型ハイパーブランチポリマーの合成方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載のコアシェル型ハイパーブランチポリマーの合成方法にしたがって合成されたことを特徴とするコアシェル型ハイパーブランチポリマー。
【請求項6】
請求項5に記載のコアシェル型ハイパーブランチポリマーを包含することを特徴とするレジスト組成物。
【請求項7】
請求項6に記載のレジスト組成物によってパターンを形成されることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項8】
請求項6に記載のレジスト組成物を用いてパターンを形成する工程を含むことを特徴とする半導体集積回路の製造方法。





【図1】
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【公開番号】特開2008−174659(P2008−174659A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−10317(P2007−10317)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】