説明

ハイブリッド車両の制御装置

【課題】エンジン始動直後に油圧ポンプとクラッチ側の油室との間の油路に作動油を充満させるポンプアップ制御時に、異音の発生を抑制することができるようにする。
【解決手段】エンジン1と第1変速機構4Aとの間に介装され油圧室に供給される作動油の油圧によってクラッチプレート対が接続する第1クラッチ2Aと、エンジン1と第2変速機構4Bとの間に介装され油圧室に供給される作動油の油圧によってクラッチプレート対が接続する第2クラッチ2Bと、第1変速機構の入力軸に接続されたモータ3と、エンジン駆動の油圧ポンプ7と、をそなえ、エンジンの始動直後に、第1クラッチ及び第2クラッチを方向と係合方向への切り換え作動を交互に実施することにより前記油路内に作動油を充満させるポンプアップ制御を行ない第1クラッチのポンプアップ制御時に、モータの回転数をエンジンの回転数に合わせるように制御するモータ回転数制御を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行駆動源としてエンジンとモータとを備え、エンジンと変速機との間に動力を自動で断接する油圧式クラッチをそなえたハイブリッド車両の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車(以下、車両ともいう)の駆動系において、エンジン(内燃機関)によって駆動される油圧ポンプを備え、この油圧ポンプで発生された油圧によって、エンジンと変速機構との間に介装されたクラッチを断接制御するようにしたものが知られている。
このような油圧式クラッチでは、エンジンの停止に伴って油圧ポンプによる油圧供給が停止されると、潤滑部の隙間や油圧機器の漏れ等によって、油圧を伝達するために油路に充満していた作動油が少しずつ油路から抜けていくことがある。
【0003】
このように油路から作動油が抜けた状態からエンジンを始動してすぐに油圧式クラッチを駆動しようとする場合には、クラッチの駆動指令に応じて油圧ポンプからの油圧が供給されても、油路に再び作動油が充満するまでに時間を要する。このため、エンジン始動後に最初にクラッチを駆動する際には、駆動指令に対してクラッチの作動遅れが生じることになる。
【0004】
特に、例えばDCT(Dual Clutch Transmission)と称されるツインクラッチ式の自動マニュアル変速機などのように、2つの油圧式クラッチを装備する場合、油圧ポンプから各クラッチの各油室までの油路の合計容積も大きくなるので、上記作動遅れがより大きく生じることになる。
【0005】
これに関し、特許文献1には、ツインクラッチ式の自動マニュアル変速機のクラッチ制御装置において、エンジンの始動動作が検知されると、油圧ポンプと各クラッチとの間のそれぞれの油路に、異なるタイミングで油圧を供給して、油路を作動油で充満させてクラッチの駆動準備を整える初期準備動作(ポンプアップ制御)を行なうことが記載されている。
【0006】
つまり、2つのクラッチのうちの一方のクラッチに対して作動油を供給し、油圧ポンプと一方のクラッチとの間の油路に作動油を充満させて、その後、残りの他方のクラッチに対して作動油を供給し、油圧ポンプと他方のクラッチとの間の油路に作動油を充満させる。
各油路に同じタイミングで油圧を供給すると油圧ポンプの容量を超える油量が要求されるおそれがあるが、各油路に対して異なるタイミングで油圧を供給すれば油圧ポンプの容量を超える油量の要求は抑えられ、クラッチの初期準備動作をスムーズに実行することが可能となる。これにより、エンジン始動後の最初のクラッチ駆動指令に対する作動遅れを防ぎ、クラッチの初期動作のレスポンスを高めることが可能となる。
【0007】
一方、このようなツインクラッチ式の自動マニュアル変速機を、エンジンとモータ(電動発電機)とを駆動源とするハイブリッド電気自動車(以下、ハイブリッド車両ともいう)に適用したものも開発されている。
かかるハイブリッド車両としては、エンジンと変速機の第1変速機構との間に第1クラッチを介装し、エンジンと変速機の第2変速機構との間に第2クラッチを介装し、第1,第2変速機構の一方の入力軸にモータを直結し、車両の駆動にエンジン出力を用いる場合には、第1,第2クラッチの何れかを接続するようにしたものがある。
【0008】
このハイブリッド車両では、車両の発進に際して、まず、車両のキースイッチがオン操作されると、両クラッチが切り離された状態で、スタータモータによってエンジンを始動させ、その後の発進操作(アクセル操作)に応じて、モータ出力のみを用いたモータ単体走行で発進し、その後の加速過程で、出力要求やバッテリの充電状態等に応じてモータ出力にエンジン出力を併用する併用走行に移行したり、エンジン出力のみを用いたエンジン単体走行に移行したりする制御を行なう場合がある。
【0009】
この場合、発進後にエンジン出力を用いる走行に移行するには、第1,第2クラッチの何れかを遮断状態から接続状態に切り替えることが必要になる。この接続操作の際には、クラッチの急な接続による接続ショックを回避するために、クラッチを接続させる前に、クラッチの油室に適当量の作動油を供給し、クラッチプレートを係合直前の状態に保持するための、いわゆる作動油プリチャージを行なう。
【0010】
このプリチャージに際して、油圧ポンプと各クラッチとの間の油路に作動油が充満されてないと、例えばプリチャージの完了をその開始からの時間で推定する場合には、所定時間プリチャージを行なってもクラッチプレートが係合直前の状態まで接近しない場合があり、この場合、その後のクラッチの接続時にショックを招く。また、プリチャージの完了をセンサによって直接検出できる場合は、クラッチの接続ショックは回避できるものの、プリチャージに時間を要し、クラッチの接続が遅れエンジン出力を用いる走行への移行が遅れてしまう場合がある。
【0011】
そこで、この場合にも、上記のエンジンの始動直後の作動油の初期準備動作であるポンプアップ制御を行なうことが有効となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−111220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、本発明者は、上記のような、両クラッチが切り離された状態でエンジンによってポンプアップ制御を行なう試験を、実車を用いて実施した。その結果、このポンプアップの際に、異音が発生する場合があることが判明した。この異音は、いわゆる「ガラ音」と称されるもので、ドライバに違和感を与えるおそれがあるので、かかる異音の発生は抑制したい。
【0014】
本発明者は、この異音発生の原因を調べた結果、以下のような知見が得られた。
エンジン始動直後の両クラッチを遮断状態にしている際には、変速機構はニュートラル状態で、モータは変速機構の入力軸との間でトルクの授受を行なわないゼロトルク制御を実施して、モータが駆動系に影響しないようにしている。
【0015】
しかし、このゼロトルク制御は、モータの回転状態を制御しているのではないので、当然ながら、エンジン回転数とモータ回転数とは乖離しており、ポンプアップ制御によってクラッチを係合させるとエンジン側のクラッチプレートとモータ側(変速機構側)のクラッチプレートとの回転数差によって、「ガラ音」と称される異音が発生するものと推測される。
【0016】
したがって、異音発生の原因は、ポンプアップ制御によって急激にクラッチを係合させようとするが、モータ側のクラッチのクラッチプレートの動作がモータのゼロトルク制御によって回転数上昇が遅く、クラッチスプリングによる反力が働くためと考えられる。
【0017】
本発明は、かかる課題に鑑み創案されたものであり、エンジン始動直後に油圧ポンプとクラッチ側の油室との間の油路に作動油を充満させるポンプアップ制御時に、異音の発生を抑制することができるようにした、ハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するために、本発明のハイブリッド車両の制御装置は、エンジンと、第1変速機構と第2変速機構とを有する変速機と、前記エンジンと前記第1変速機構との間に介装され油圧室に供給される作動油の油圧によってクラッチプレート対が接続する第1クラッチと、前記エンジンと前記第2変速機構との間に介装され油圧室に供給される作動油の油圧によってクラッチプレート対が接続する第2クラッチと、前記第1変速機構の入力軸に接続されたモータと、前記エンジンによって駆動され、油路を介して前記各油圧室と接続された油圧ポンプと、前記油圧ポンプから前記各油圧室への作動油の供給を制御し前記各クラッチプレート対の係合圧であるクラッチ圧を制御するクラッチ圧制御手段と、前記モータを制御するモータ制御手段と、をそなえ、前記クラッチ圧制御手段は、前記エンジンの始動直後に、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチを遮断方向と係合方向への切り換え作動を交互に実施することにより前記油路内に作動油を充満させるポンプアップ制御を行ない、前記モータ制御手段は、前記第1クラッチの前記ポンプアップ制御時に、前記モータの回転数を前記エンジンの回転数に合わせるように制御するモータ回転数制御を行なうことを特徴としている。
【0019】
前記モータ制御手段は、前記第2クラッチの前記ポンプアップ制御時に、前記モータの出力トルクをゼロに制御するモータゼロトルク制御を行なうことが好ましい。
前記ポンプアップ制御は、前記第1クラッチの前記油路内にのみ作動油を供給する第1供給と、前記第2クラッチの前記油路内にのみ作動油を供給する第2供給とを、異なるタイミングで実施する制御であることが好ましい。
【0020】
この場合、前記ポンプアップ制御は、前記第1供給と前記第2供給とをそれぞれ複数回交互に行なう制御であってもよく、また、前記ポンプアップ制御は、前記第1供給及び前記第2供給のうち一方による前記油路内への作動油の充満を完了させた後に、前記第1供給及び前記第2供給のうち他方による前記油路内への作動油の充満を完了させる制御であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明のハイブリッド車両の制御装置によれば、エンジンの始動直後に、クラッチ圧制御手段が、第1クラッチ及び第2クラッチを遮断方向と係合方向への切り換え作動を交互に実施することにより油路内に作動油を充満させるポンプアップ制御を行なうので、油路内に作動油が充満され、その後の第1クラッチ又は第2クラッチの係合を速やかに且つ確実に行なうことができる。
【0022】
そして、第1クラッチのポンプアップ制御時には、モータ制御手段がモータの回転数をエンジンの回転数に合わせるように制御するので、かかるポンプアップ制御時における、第1クラッチのクラッチプレート対の回転数差は解消又は縮小されることになり、これらのクラッチプレート対が係合したとしても、「ガラ音」と称される異音の発生は防止又は抑制される。
【0023】
また、モータ制御手段は、上記異音が発生しない第2クラッチのポンプアップ制御時には、モータの出力トルクをゼロに制御するので、モータによる不要なエネルギー消費を抑制することができる。
【0024】
また、ポンプアップ制御が、第1クラッチの油路内にのみ作動油を供給する第1供給と、第2クラッチの油路内にのみ作動油を供給する第2供給とを、異なるタイミングで実施する制御であれば、各油路内に同じタイミングで油圧を供給する場合のように、油圧ポンプの容量を超える油量が要求される状況を回避でき、クラッチの初期準備動作をスムーズに実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる制御装置が適用されるハイブリッド車両におけるポンプアップ制御時の各部の作動を示すタイムチャートであり、(a)はクラッチ圧を示し、(b)はモータの回転数を示し、(c)はモータのトルクを示す。
【図3】本発明の一実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置による発進時の制御フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
[全体構成]
まず、一実施形態にかかる制御装置が適用されるハイブリッド電気自動車(以下、ハイブリッド車両、又は、単に車両ともいう)の構成を説明する。なお、本実施形態にかかるハイブリッド車両は、例えばトラック又はバスといったいわゆる大型又は中型の自動車とする。
【0027】
図1に示すように、本実施形態のハイブリッド車両(単に車両ともいう)は、車両の駆動源としてのエンジン(内燃機関)1と、このエンジン1の出力を断接するクラッチ2A,2Bと、車両の駆動源としての電動機又は発電機として作動するモータ(電動発電機)3と、車両の駆動源であるエンジン1或いはモータ3の出力回転を変速して伝達する変速機4と、駆動輪9と、これら変速機4と駆動輪9との間に介装されて回転動力を伝達する動力伝達部材5とを装備している。
【0028】
[変速機]
本車両の変速機4には、DCT(Dual Clutch Transmission)と称されるツインクラッチ式の自動マニュアル変速機が適用されている。
つまり、変速機4は、2つの入力軸40A,40Bと、各入力軸40A,40Bの入力回転を変速して出力する2つの変速機構4A,4Bと、各変速機構4A,4Bからの出力回転を動力伝達部材5に出力する1つの出力軸40Cと、を有しており、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)1Aと変速機4の第1入力軸40Aとの間には、第1クラッチ2Aが介装され、エンジン1の出力軸1Aと変速機4の第2入力軸40Bとの間には、第2クラッチ2Bが介装されている。
【0029】
図1では2つの入力軸40A,40Bを並列に記載しているが、第1入力軸40Aは、中空軸であって、第2入力軸40Bの外周に同軸に配置されている。そこで、第1入力軸40Aをアウタ軸、第2入力軸40Bをインナ軸とも呼び、また、第1入力軸40A及びこれに接続される第1変速機構4Aをアウタ側、第2入力軸40B及びこれに接続される第2変速機構4Bをインナ側とも呼ぶ。
【0030】
モータ3は、アウタ側の第1入力軸40Aの外周に、そのロータ(回転子)を固設され、第1入力軸40Aに出力トルクを加えるようになっている。したがって、モータ3と第1入力軸40Aとは切り離されることはないが、モータ3の出力トルクをゼロにすれば、モータ3から第1入力軸40Aに何らの回転トルクも加わらない状態にすることができる。また、モータ3を電動機として作動させて正の出力トルクを発生させれば、モータ3から第1入力軸40Aに駆動力が加えられ、モータ3を発電機として作動させて負の出力トルクを発生させれば、モータ3から第1入力軸40Aに制動力(回生制動力)が加えられる。
【0031】
また、ここでは、第1変速機構4Aに、例えば2速,4速,6速といった偶数段の変速段のギヤ対を装備し、第2変速機構4Bに、例えば1速,3速,5速といった奇数段の変速段のギヤ対を装備している。
例えば、2速の変速段を使用する場合には、第1変速機構4Aの2速段のギヤ対を噛み合わせて、モータ3の出力トルクのみを用いる場合には、第1クラッチ2A及び第2クラッチ2Bをいずれも遮断し、モータ3の出力トルクとエンジン1の出力トルクとの両方を用いる場合には、第1クラッチ2Aのみを接続する。
【0032】
例えば、3速の変速段を使用する場合には、第2変速機構4Bの3速段のギヤ対を噛み合わせて、第2クラッチ2Bのみを接続して、エンジン1の出力トルクを用いる。このときには、第1クラッチ2Aを遮断したままで、第1変速機構4Aの隣接する変速段(例えば、4速段又は2速段)を用いてモータ3の出力トルクをエンジン1の出力トルクと併用することも可能である。
【0033】
第1クラッチ2A及び第2クラッチ2Bは、いずれも、摩擦係合要素として単数又は複数のクラッチプレートをその入力側及び出力側に有し、それぞれ油圧式のアクチュエータ6A,6Bにより、入,出力側クラッチプレート間を離隔又は圧接されて断接駆動される。
アクチュエータ6A,6Bには、油室6a,6bがそなえられ、油室6a,6bにはエンジン1の出力軸(クランクシャフト)1Aによって駆動される油圧ポンプ7によって加圧される作動油が油路7a,7bを介して導入されるようになっている。
【0034】
油室6a,6bには作動油の油圧(クラッチ圧)によって移動する図示しないピストンが隣接し、このピストンはリターンスプリングによってクラッチプレート間を離隔する側に付勢され、作動油の油圧高まると、クラッチプレート間を互いに圧接する側に押圧する。したがって、クラッチ圧が高まれば、入,出力側クラッチプレート間は接近し、その後接触係合し、係合後はクラッチ圧に応じて圧接する。また、クラッチ圧が低下すれば、入,出力側クラッチプレート間は圧接力が弱まってその後離隔する。
【0035】
このような制御は、後述のクラッチ圧制御部(クラッチ圧制御手段)54により行なわれる。
また、第1変速機構4A及び第2変速機構4Bの各係合要素の係合又は解放は、図示しないギヤシフトユニットにより油圧等を用いて行なわれる。
第1変速機構4A及び第2変速機構4Bの各部は、変速機ECU61に接続されており、変速機ECU61により設定された変速機のレンジに応じて制御される。
【0036】
本車両には、運転者により操作されるシフト部(シフトレバー)30が装備される。このシフト部30は、複数のシフトポジションが設けられ、運転者によりシフトポジションを切替えることにより何れかのレンジを選択可能に構成される。この複数のレンジとしては、Pレンジ(パーキングレンジ),Rレンジ(リバースレンジ),Nレンジ(ニュートラルレンジ),Dレンジ(ドライブレンジ)といったレンジが挙げられる。このうち、Pレンジ,Nレンジは非走行レンジに含まれ、Rレンジ,Dレンジは走行レンジに含まれる。
【0037】
なお、ここではシフト部30にPレンジ,Rレンジ,Nレンジ,Dレンジが設定されるものを示すが、これに限らずLレンジ等の走行レンジをさらに備えてもよい。また、走行レンジ及び非走行レンジのそれぞれ含まれる具体的なレンジやレンジ数は、ここに例示するものに限定されず、例示するレンジの一部のみであってもよい。
変速機ECU61では、シフト部30により選択された変速機4のレンジと、車速や車両への要求トルク(アクセル開度)といった車両の運転状態と、に応じて第1変速機構4A及び第2変速機構4Bの各部を制御する。
【0038】
[駆動源]
モータ3は、インバータ20を介してバッテリ10と電力送給線で接続される。これにより、バッテリ10からモータ3に給電してモータ3を電動機として作動させることができ、モータ3を発電機として作動させてモータ3による発電電力でバッテリ10を充電することができる。この充放電は、インバータ20の作動状態を切替えることにより行なわれる。
【0039】
バッテリ10は、制御用の信号線を介してバッテリECU11に接続され、その充電状態(以下SOCともいう)をバッテリECU11により管理される。
インバータ20は、制御用の信号線でインバータECU21を介して車両ECU50に接続され、インバータECU21を介して車両ECU50によりその作動を制御される。
また、エンジン1の各制御要素には、制御用の信号線を介してエンジンECU60が接続され、さらに、エンジンECU60は制御用の信号線を介して車両ECU50に接続され、車両ECU50により設定されたエンジン目標トルク等に基づいてエンジンECU60によりエンジン1の作動が制御される。
【0040】
本車両には、アクセルペダルの踏込量に対応するアクセル開度θACCを検出するアクセルポジションセンサ(要求トルク検出手段,APS)31が設けられる。このアクセル開度θACCは、運転者の加速要求に対応するパラメータであり、車両の駆動源であるエンジン1,モータ3への要求トルクに相当する。
このアクセルペダルセンサ31は車両ECU50に接続され、アクセルペダルセンサ31により検出されたアクセル開度θACCの情報は車両ECU50に伝達され、車両ECU50は、アクセル開度θACCの情報に基づいて運転者の要求トルクを算出する。
【0041】
[制御系]
次に、本ハイブリッド車両の制御装置にかかる制御系の構成を、車両ECU50を中心に説明する。
エンジン1を制御するエンジンECU60、バッテリ10を制御,管理するバッテリECU11、インバータ20を制御するインバータECU21、変速機4を制御する変速機ECU61、及びこれらのECUを統合制御すると共に、クラッチ2を制御する車両ECU50の各ECU(Electronic Control Unit)は、周知のマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成される電子制御装置である。
【0042】
バッテリECU11は、バッテリ10の温度,充放電される電流及び電圧等の情報を取得し、これらの情報に基づいてバッテリ10の充電状態(SOC)を演算し検出する。このSOCは、具体的には、バッテリ10の充電率やこの充電率に基づいて算出される充電量により表すことができる。バッテリECU11により検出されたバッテリ10のSOCは車両ECU50に伝達される。
【0043】
車両ECU50は、車両の走行駆動源としてのエンジン1及びモータ3の出力トルクをそれぞれ設定する出力トルク設定部(出力トルク設定手段)51と、車両の走行駆動源としてエンジン1及びモータ3の少なくとも何れかを選択する走行モード選択部(走行モード選択手段)52と、モータ3の作動を制御するモータ制御部(モータ制御手段)53と、クラッチ2の作動を制御するクラッチ制御部(クラッチ制御手段)54と、変速機4を制御する変速制御部(変速制御手段)55と、を有する。
【0044】
出力トルク設定部51は、運転者の要求トルクに応じて駆動系(エンジン1及びモータ3)に要求する出力トルク(要求出力トルク)を設定する。
また、走行モード選択部52は、出力トルク設定部51により設定された要求出力トルクと、バッテリECU11により検出されるバッテリ10のSOCとに基づき、車両の走行モードとして、エンジン単体走行モードと、エンジン・モータ併用走行モードと、モータ単体走行モードとの何れかを選択する。ただし、この走行モード選択部52は、車両の始動時にはモータ単体走行モードを基本的に選択する。
【0045】
出力トルク設定部51は、設定した要求出力トルクと、走行モード選択部52により選択された走行モードとに基づいて、要求出力トルクをエンジン1の出力トルクとモータ3の出力トルクとに配分設定し、これにより、設定されたエンジン1の出力トルク信号は、エンジンECU60に送られエンジン1の出力トルクとして実現され、設定されたモータ3の出力トルクは、モータ制御部53によりモータ3の出力トルクとして実現される。
【0046】
モータ制御部53は、モータ3の出力トルクやその他の車両の運転状況に応じてモータ3の作動を制御する。つまり、モータ制御部53は、インバータECU21を介してインバータ20の作動を制御することにより、バッテリ10からモータ3への給電とモータ3からバッテリ10への充電とを制御する。
【0047】
クラッチ制御部54は、車両の運転状況に応じてクラッチ2の作動を制御する。詳細には、クラッチ制御部54は、第1クラッチ2Aに付設された第1アクチュエータ6Aのクラッチ圧と、第2クラッチ2Bに付設された第2アクチュエータ6Bのクラッチ圧とをそれぞれ制御する。クラッチ制御部54は、クラッチ圧制御部(クラッチ圧制御手段)とも称する。
【0048】
クラッチ制御部54では、第1アクチュエータ6Aの油室6a内及び第2アクチュエータ6Bの油室6b内の作動油をいずれも排出し、第1クラッチ2A及び第2クラッチ2Bを何れもそれぞれのクラッチプレートを離隔状態とする離隔制御と、第1アクチュエータ6Aの油室6a内及び第2アクチュエータ6Bの油室6b内のいずれか一方に作動油を供給し第1クラッチ2A及び第2クラッチ2Bの一方のクラッチプレートを圧接させ接続状態とする接続制御とを、後述の走行モード選択部52の選択結果及び変速制御部55からの指令に基づいて行なう。
【0049】
また、クラッチ制御部54では、クラッチプレートを離隔状態から接続状態とする過渡時にプリチャージ制御を実施する。このプリチャージ制御では、離隔状態から接続状態とするクラッチ2A又は2Bのクラッチプレートのクリアランスをゼロに近づける、いわゆるガタ詰めに相当する状態に制御する。アクチュエータ6A又は6Bの無効液圧分を補填したクラッチ圧にすれば、クラッチ2A又は2Bはプリチャージ状態とされる。こうして、クラッチ圧をプリチャージ状態としておいて、その後、クラッチ圧を高めて接続状態とすれば、クラッチ接続に伴うショックを回避することができる。
【0050】
さらに、クラッチ制御部54では、エンジン1の始動直後に、それまでエンジン1が停止していたことによって油圧ポンプ7による油圧供給が停止され、油室6a,6bに作動油を供給するための油路7a,7bに充満していた作動油が抜けている状態においては、油路7a,7b内に作動油を充満させるポンプアップ制御を行なう。このポンプアップ制御を開始する際には、第1クラッチ2A及び第2クラッチ2Bはいずれも遮断状態である。
【0051】
ここで、ポンプアップ制御を説明する。ポンプアップ制御は、エンジン1の始動直後に、図2(a)に示すように、第1アクチュエータ6Aを作動させ第1クラッチ2Aの油路7a内にのみ作動油を供給する第1供給(第1クラッチ2Aは係合方向、第2クラッチ2Bは遮断方向)と、第2アクチュエータ6Bを作動させ第2クラッチ2Bの油路7b内にのみ作動油を供給する第2供給(第2クラッチ2Bは係合方向、第1クラッチ2Aは遮断方向)とを、異なるタイミングで交互に実施する制御である。本実施形態では、第1供給と第2供給とをそれぞれ複数回所定のポンプアップ量ずつ交互に行なうようしている。なお、この場合のポンプアップ量とは、油路7a,7bに供給する作動油の量に相当し、各クラッチ2A,2Bのクラッチ圧の時間積分にも対応する。
【0052】
そこで、ここでは、第1供給を実施する時間によって、ポンプアップ量を推定し、予め第1供給と第2供給とをそれぞれ行なう時間T1を設定し、第1供給と第2供給とを各々時間T1だけ交互に所定回数n1ずつ行なうことによって、各油路7a,7b内に作動油を充満させるようにしている。したがって、時間T1及び回数n1はこのような観点から設定される。
【0053】
このように第1供給と第2供給とを交互に行なえば、各油路7a,7b内にほぼ均等に作動油が充填されて、全体としての充填効率がよくなり、所定回数n1ずつ行なうことで速やかに且つ確実に各油路7a,7b内に作動油を充満させることができる。なお、回数n1は、例えば、数回〜10回程度とする。
なお、上記のプリチャージ制御は、このポンプアップ制御の完了後に行なう。
【0054】
また、本装置では、このポンプアップ制御時に、モータ制御部53がこれに連動するようにモータを制御する。
モータ制御部53は、第1クラッチ2Aのポンプアップ制御時には、モータ3の回転数がエンジン回転数に近づくように制御するモータ回転数制御を行なう。これは、ポンプアップ制御に伴い「ガラ音」と称される異音の発生を防止又は抑制するためである。つまり、ポンプアップ制御時に第1クラッチ2Aのクラッチプレート対が係合することにより、「ガラ音」と称される異音が発生することがあるが、クラッチプレート対の回転数差を解消又は縮小すれば、クラッチプレート対が係合した場合にも、「ガラ音」と称される異音の発生を防止又は抑制することができる。
【0055】
また、モータ制御部53は、第2クラッチ2Bのポンプアップ制御時には、モータ3の出力トルクをゼロに制御するモータゼロトルク制御を行なう。これは、第2クラッチ2Bの出力軸は、モータ3の回転影響を受けないので、上記異音が発生することはなく、モータ3の出力トルクをゼロに制御し、モータによる不要なエネルギー消費を抑制しようとするものである。
【0056】
変速制御部55は、シフト部30により選択された変速機のレンジと、車速や車両への要求トルク(アクセル開度θACC)といった車両の運転状態とに応じて、変速機ECU61に制御信号を送り変速機4を制御する。詳細には、変速制御部55は、第1変速機構4A及び第2変速機構4Bの各係合要素の係合及び解放を制御する。これにより、変速制御部55は、変速機構4A,4Bを走行レンジの設定状態と非走行レンジの設定状態との切替制御や、走行レンジにおけるギヤ段の切替操作をクラッチ制御部54によるクラッチ2A,2Bの断接制御とともに実施する。
【0057】
[作用・効果]
本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置は、上述のように構成されるので、エンジン1の始動直後に、油路7a,7b内から作動油が抜けている状態において、本装置に特徴的なポンプアップ制御を実施する。このポンプアップ制御を図2,図3を用いて説明する。
【0058】
なお、図3のフローは、車両のキースイッチ(図示略)がオン操作されると、終了(エンド)に進むまで、所定の周期で実施される。また、図3において、F1はポンプアップ制御を行なうモード(ポンプアップモード)の時に1とされ、それ以外の場合に0とされるポンプアップモードフラグであり、F2はポンプアップモード時に第1供給を実施している場合に1とされ、第2供給を実施している場合に0とされる供給モードフラグである。
【0059】
図3に示すように、まず、ポンプアップモードフラグF1が0であるかが判定される(ステップS10)。フラグF1が0であれば、ポンプアップモード条件が成立しているかを判定する(ステップS20)。このポンプアップモード条件とは、キーON後の最初のエンジン始動時である。
ポンプアップモード条件が成立していなければ、ポンプアップモードは開始されない。
【0060】
ポンプアップモード条件が成立していれば、フラグF1を1にセットし(ステップS30)、タイマを起動させ(ステップS40)、供給モード値nを1にセットし(ステップS50)、さらに、供給モードフラグF2を0とする(ステップS60)。
次に、供給モードフラグF2が1か否かを判定する(ステップS130)。ここで、供給モードフラグF2が0であれば、第2クラッチ2Bの側(インナ側)のポンプアップを行なう第2供給を実施し(ステップS160)、モータ3の出力トルクをゼロに制御するモータゼロトルク制御を行なう(ステップS170)。
【0061】
次回からは、ステップS10の判定から、ステップS70に進み、タイマのカウント値Tを第1供給,第2供給の各実施時間として設定された時間T1と比較し、タイマのカウント値Tが時間T1に達するまでは、前回制御を継続する。
タイマのカウント値Tが時間T1に達したら、供給モード値nをn+1にインクリメントし(ステップS80)、供給モード値nが上限値n1を超えたか否かを判定する(ステップS90)。供給モード値nが上限値n1を超えなければ、ステップS100に進み、供給モードフラグF2が0か否かを判定し、フラグF2が0ならばフラグF2を1に変更し(ステップS110)、フラグF2が0でなければフラグF2を0に変更する(ステップS120)。
【0062】
その後は、供給モードフラグF2が1か否かを判定する(ステップS130)。ここで、供給モードフラグF2が1であれば、第1クラッチ2Bの側(アウタ側)のポンプアップを行なう第1供給を実施し(ステップS140)、モータ3の回転数エンジン回転数に近づくように制御するモータ回転数制御を行なう(ステップS150)。一方、供給モードフラグF2が0であれば、第2クラッチ2Bの側(インナ側)のポンプアップを行なう第2供給を実施し(ステップS160)、モータ3の出力トルクをゼロに制御するモータゼロトルク制御を行なう(ステップS170)。
【0063】
このような制御によって、クラッチ圧は図2(a)に示すように制御され、モータの回転数又はモータのトルクは図2(b),(c)に示すように制御される。
なお、ここでは、第2クラッチ2Bを接続して実施する第3速を発進変速段とする場合を想定しているので、第2供給から開始しているが、第2クラッチ2Bを接続して実施する第2速を発進変速段とする場合には、第1供給から開始すればよい。
【0064】
このように、本ハイブリッド車両の制御装置によれば、エンジン1の始動直後に、第1クラッチ2A及び第2クラッチ2Bを遮断方向と係合方向とへの切り換え作動を交互に実施することにより、油路7a,7b内に作動油を充満させるポンプアップ制御を行なうので、油路内に作動油が充満され、その後の第1クラッチ2A又は第2クラッチ2Bの係合を速やかに且つ確実に行なうことができる。
【0065】
したがって、その後の作動油のプリチャージ制御も円滑に且つ速やかに行える。
また、第1クラッチ2Aのポンプアップ制御時には、モータ3の回転数をエンジン1の回転数を目標に制御するので、かかるポンプアップ制御時における、第1クラッチ2Aのクラッチプレート対の回転数差は解消又は縮小されることになり、これらのクラッチプレート対が係合したとしても、「ガラ音」と称される異音の発生は防止又は抑制される。
【0066】
また、上記異音が発生しない第2クラッチ2Bのポンプアップ制御時には、モータ3の出力トルクをゼロに制御するので、モータ3による不要なエネルギー消費を抑制することができる。
また、ポンプアップ制御が、第1クラッチ2Aの油路内にのみ作動油を供給する第1供給と、第2クラッチ2Bの油路内にのみ作動油を供給する第2供給とを、異なるタイミングで実施するので、各油路内に同じタイミングで油圧を供給する場合のように、油圧ポンプの容量を超える油量が要求される状況を回避でき、クラッチの初期準備動作をスムーズに実行することが可能となる。
【0067】
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、第1供給と第2供給とを交互にそれぞれ複数回行なうため、各油路7a,7b内にほぼ均等に作動油が充填されて、全体としての充填効率がよくなり、所定回数n1ずつ行なうことで速やかに且つ確実に各油路7a,7b内に作動油を充満させることができるが、ポンプアップ制御は、第1供給及び第2供給のうち一方による油路内への作動油の充満を完了させた後に、第1供給及び第2供給のうち他方による油路内への作動油の充満を完了させるように制御してもよい。
【0068】
また、第1変速機構4Aに偶数段の変速段のギヤ対を装備し、第2変速機構4Bに奇数段の変速段のギヤ対を装備するものを示したが、これに限らない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のハイブリッド車両の制御装置は、トラック又はバスといった大型又は中型の自動車のみならず乗用車等の小型自動車にも適用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 エンジン
1A 出力軸
2A 第1クラッチ
2B 第2クラッチ
3 モータ
4 変速機
4A 第1変速機構
4B 第2変速機構
5 動力伝達部材
6A 第1アクチュエータ
6B 第2アクチュエータ
6a,6b 油室
7 油圧ポンプ
7a,7b 油路
9 駆動輪
10 バッテリ
11 バッテリECU(バッテリ状態検出手段)
20 インバータ
21 インバータECU
30 シフト部
31 アクセルポジションセンサ(要求トルク検出手段)
50 車両ECU
51 出力トルク設定部(出力トルク設定手段)
52 走行モード選択部(走行モード選択手段)
53 モータ制御部(モータ制御手段)
54 クラッチ制御部(クラッチ圧制御手段)
55 変速制御部(変速制御手段)
60 エンジンECU
61 変速機ECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
第1変速機構と第2変速機構とを有する変速機と、
前記エンジンと前記第1変速機構との間に介装され油圧室に供給される作動油の油圧によってクラッチプレート対が接続する第1クラッチと、
前記エンジンと前記第2変速機構との間に介装され油圧室に供給される作動油の油圧によってクラッチプレート対が接続する第2クラッチと、
前記第1変速機構の入力軸に接続されたモータと、
前記エンジンによって駆動され、油路を介して前記各油圧室と接続された油圧ポンプと、
前記油圧ポンプから前記各油圧室への作動油の供給を制御し前記各クラッチプレート対の係合圧であるクラッチ圧を制御するクラッチ圧制御手段と、
前記モータを制御するモータ制御手段と、をそなえ、
前記クラッチ圧制御手段は、前記エンジンの始動直後に、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチを遮断方向と係合方向への切り換え作動を交互に実施することにより前記油路内に作動油を充満させるポンプアップ制御を行ない、
前記モータ制御手段は、前記第1クラッチの前記ポンプアップ制御時に、前記モータの回転数を前記エンジンの回転数に合わせるように制御するモータ回転数制御を行なう
ことを特徴とする、ハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】
前記モータ制御手段は、前記第2クラッチの前記ポンプアップ制御時に、前記モータの出力トルクをゼロに制御するモータゼロトルク制御を行なう
ことを特徴とする、請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】
前記ポンプアップ制御は、前記第1クラッチの前記油路内にのみ作動油を供給する第1供給と、前記第2クラッチの前記油路内にのみ作動油を供給する第2供給とを、異なるタイミングで実施する制御である
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項4】
前記ポンプアップ制御は、前記第1供給と前記第2供給とをそれぞれ複数回交互に行なう制御である
ことを特徴とする、請求項3記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項5】
前記ポンプアップ制御は、前記第1供給及び前記第2供給のうち一方による前記油路内への作動油の充満を完了させた後に、前記第1供給及び前記第2供給のうち他方による前記油路内への作動油の充満を完了させる制御である
ことを特徴とする、請求項3記載のハイブリッド車両の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−67233(P2013−67233A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206078(P2011−206078)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】