説明

ハイブリッド電源システムおよびハイブリッド電源運転方法

【課題】燃料電池システムがどのような環境下におかれても当該燃料電池システムを確実に起動・停止させることができるハイブリッド電源システムを提供する。
【解決手段】燃料となる水素を水素ボンベ2から燃料電池セル・スタック3に供給することにより発電する燃料電池システムと、負極金属と正極物質とを電解液に浸して該負極金属の酸化反応により放電する空気電池17とからなり、前記燃料電池システムの起動時・停止時に必要とする電力を空気電池17の放電により供給し、その結果生成される空気電池17の負極金属の酸化物を、水素ボンベ2からの水素および燃焼室19にて水素を燃焼させた燃焼熱を利用して負極金属還元室18にて還元させることにより、空気電池17を充電する。また、空気電池17の電解液があらかじめ定めた液量閾値よりも減少した場合、純水タンク6に蓄えられている純水を空気電池17に供給することにより電解液を補給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド電源システムおよびハイブリッド電源運転方法に関し、特に、燃料電池システムに電池を組み合わせたハイブリッド電源システムおよびハイブリッド電源運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムは、エンジン発電装置などの内燃機関を用いた発電装置に比べて、発電効率が高く、排熱を利用すれば、さらに高い総合エネルギー効率を期待することができる。また、燃料電池システムは、発電時の騒音や振動も小さく、窒素酸化物や硫黄酸化物などの有害ガスや、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の発生量も少ないことから、環境に優しい高効率な発電装置としても注目されている。
【0003】
代表的な燃料電池システムの種類としては、特許文献1の特許第3784775号公報「燃料電池発電システムの制御方法」や特許文献2の特許第3872006号公報「燃料電池発電システム」にも記載されているように、固体高分子形燃料電池、リン酸形燃料電池、固体酸化物形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池等があり、これらの燃料電池の発電特性の違いを活かした利用技術の検討が行われている。
【0004】
ここで、燃料電池システムを運転する場合、燃料電池システムを起動させてから燃料電池セル・スタックが所定の電力を発電することができるようになるまでの間は、燃料電池システムを構成している補機類であるブロワやポンプ、制御回路、等が必要とする電力を、燃料電池セル・スタック以外の電源により供給する必要がある。同様に、燃料電池システムを停止する場合についても、地震などの災害時やガス漏洩などの異常時等において緊急停止する場合を除き、燃料電池セル・スタックの発電を停止してから燃料電池システムを完全に停止させるまでの間、補機類への電力供給のために、燃料電池セル・スタック以外の電源が必要になる。
【0005】
このため、燃料電池システムを導入する場合には、商用電源と連系させる系統連系運転か商用電源とは連系しない自立運転かのいずれかを採用し、次のような対策が施されている。系統連系運転とする場合は、燃料電池システムの起動時、停止時の補機類への電力供給を、商用電源により行う。一方、自立運転とする場合は、エンジン発電装置等の他の発電装置、蓄電器や空気電池をさらに備えるようにしており、かかる他の発電装置を発電させることにより、または、蓄電器や空気電池を放電させることにより、燃料電池システムの起動時、停止時の補機類への電力供給を行うようにしている。
【0006】
また、燃料電池システムの燃料には、純水素または都市ガスやメタノールなどの炭化水素を用いることができ、純水素を燃料とする場合は、水素ボンベや水素吸蔵合金などの水素の供給タンクにより、燃料電池の発電部である燃料電池セル・スタックに対して直接水素を供給し、炭化水素を燃料とする場合は、改質器により炭化水素から水素を製造し、これを燃料電池セル・スタックに対して供給する。
【0007】
ここで、動作温度が80℃程度と、燃料電池システムの中でも、低温動作に分類される固体高分子形燃料電池について、燃料電池システムを起動してから発電ができるようになるまでの起動時間を観ると、純水素を燃料に用いた場合は、1分以内から数分程度である。
【0008】
これに対して、炭化水素を燃料に用いた場合は、改質器の動作温度が700℃程度と高いため、改質器が当該動作温度に達するまでの時間だけでも、数分よりもさらに長い時間を要することから、起動時間もこれに対応した長時間を要する。他のリン酸形燃料電池や固体酸化物形燃料電池についても、改質器を用いて炭化水素から水素を作る場合は、同様に、長時間を必要とする。
【0009】
したがって、燃料電池システムを自立運転させて短い起動時間で使用したい用途、例えば携帯用電源やバックアップ用電源などの用途の場合には、燃料に純水素を用いる方が有利である。
【0010】
図3に、純水素を燃料とした従来の燃料電池システムの構成例を示す。図3に示すように、燃料電池システムは、筐体1によりパッケージ化され、筐体1の中には、水素ボンベ2、燃料電池セル・スタック3、排気ガス冷却器4、水処理装置5、純水タンク6、純水ポンプ7、空気供給ブロワ8、電力変換装置10、スイッチ11,12,15、蓄電池13、充電器14、制御回路16、等が収納されている。なお、図3において、各ブロック間を結んでいる矢印細線は、ガスフロー系および液体フロー系を示し、矢印太線は、給電系を示し、破線は、制御信号系統を示している。
【0011】
図3において、水素ボンベ2は、燃料となる純水素を高圧で充填しているボンベであり、燃料電池セル・スタック3は、水素ボンベ2からの水素と酸化剤の空気(酸素)とが供給されて発電を行う部位である。排気ガス冷却器4は、燃料電池セル・スタック3からの排気ガス中に含まれている水蒸気を凝縮して水を取り出すための冷却器であり、水処理装置5は、排気ガス冷却器4で得られた水から不純物を取り除き純水を得るための装置である。
【0012】
また、純水タンク6は、水処理装置5で得られた純水や外部から供給される純水を蓄えるためのタンクであり、純水ポンプ7は、純水タンク6の純水を燃料電池セル・スタック3に供給して循環させるためのポンプである。また、空気供給ブロワ8は、燃料電池セル・スタック3に空気を供給するためのブロワである。
【0013】
また、電力変換装置10は、燃料電池セル・スタック3で発電した直流電力を、負荷9に対して供給すべき必要な電力および空気供給ブロワ8や純水ポンプ7や制御回路16等の補機類の動作に必要な電力に変換するための装置である。また、スイッチ11は、燃料電池セル・スタック3と電力変換装置10との間の電気的な接続状態を開閉するためのスイッチであり、スイッチ12は、電力変換装置10と負荷9との間の電気的な接続状態を開閉するためのスイッチである。
【0014】
また、蓄電池13は、燃料電池システムの起動、停止時において空気供給ブロワ8や純水ポンプ7や制御回路16等の補機類の動作に必要な電力を供給するための電源であり、充電器14は、蓄電池13の充電を行うための装置である。また、スイッチ15は、蓄電池13と電力変換装置10との間の電気的な接続状態を開閉するためのスイッチであり、制御回路16は、燃料電池システムの動作を制御するための回路である。
【0015】
なお、図3には表示していないが、筐体1内には、水素ボンベ2の水素残存量を求めるための圧力センサや、安全対策のための水素センサや感震器、等も組み込まれており、電力変換装置10から電力を供給されて動作する。また、図3に示す燃料電池システムの場合は、燃料となる水素の供給タンクとして、純水素を圧縮して充填した水素ボンベ2の適用を一例として示しているが、液体水素を充填した水素タンクや、水素吸蔵合金を充填した水素タンクも、同様に適用することができる。
【0016】
図3に示す構成の燃料電池システムを運転する場合、燃料電池システムを起動させてから燃料電池セル・スタック3が所定の電力を発電できるようになるまでの間は、燃料電池システムの補機類である空気供給ブロワ8や純水ポンプ7、制御回路16、等が必要とする電力は、蓄電池13により電力変換装置10を介して供給される。同様に、燃料電池システムを停止する場合も、地震などの災害時や水素ガス漏洩などの異常時などにおいて緊急停止する場合を除き、燃料電池セル・スタック3の発電を停止させてから燃料電池システムを完全に停止させるまでの間、空気供給ブロワ8や純水ポンプ7、制御回路16、等の補機類への電力供給を蓄電池13により電力変換装置10を介して行う。
【0017】
かくのごとく、蓄電池13は、燃料電池システムの起動、停止時の放電により電力容量が減少するが、該電力容量の減少分は、燃料電池セル・スタック3が発電中に発電電力の一部を蓄電池13の充電用に供給したり、あるいは、燃料電池システムが停止中に商用電源等の外部電源により蓄電池13を充電したりすることによって、回復させることができる。
【0018】
なお、図3の燃料電池システムにおいては、起動時や停止時において空気供給ブロワ8や純水ポンプ7や制御回路16等の補機類の動作に必要な電力を供給する電源として蓄電池13を用いて構成している場合を示しているが、該蓄電池13の代わりに空気電池を用いて構成することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特許第3784775号公報
【特許文献2】特許第3872006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
前述のように、従来の燃料電池システムにおいては、自立運転を行う場合、燃料電池システムの起動、停止時に必要な電力を蓄電池や空気電池によって供給するようにしているが、蓄電池を用いる場合、該蓄電池として鉛蓄電池やニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン電池、等を用いることができる。しかしながら、これらのいずれの蓄電池も、蓄電池を使用しない期間中であっても、蓄電容量が低下する自己放電現象があり、自己放電による蓄電容量の低下は、蓄電池の環境温度が高いほど大きくなる。
【0021】
したがって、燃料電池システムを、商用電源等の外部電源が存在しない場所に設置し、かつ、燃料電池システムの運転頻度が年に1、2回程度というように極めて少ない場合には、蓄電池の自己放電に伴う蓄電容量の不足により、燃料電池システムの起動、停止時に必要な電力を供給することができなくなり、燃料電池システムを起動することができないという事態が発生する場合がある。
【0022】
一方、空気電池を用いる場合、放電された空気電池の充電を行うためには、燃料電池システムとは独立した充電処理装置に空気電池を移動させて充電処理を行うことが必要であり、その充電期間の間は、燃料電池システムの起動、停止時に必要な電力を供給することができなくなっている。また、空気電池の電解液の液量が低下してきて電解液の補給を行おうとする場合についても、燃料電池システムとは独立した装置に空気電池を移動させて実施することが必要であり、電解液の補給期間の間、同様に、必要な電力を供給することができなくなっている。
【0023】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、燃料電池システムがどのような環境下におかれても、当該燃料電池システムを確実に起動し、停止させることができるハイブリッド電源システムおよびハイブリッド電源運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前述の課題を解決するために、本発明に係るハイブリッド電源システムおよびハイブリッド電源運転方法は、燃料となる水素を燃料電池セル・スタックに供給することにより発電する燃料電池システムと、負極金属と正極物質とを電解液に浸して該負極金属の酸化反応により放電する空気電池とを組み合わせた電源システムであって、前記水素および該水素を燃焼させた燃焼熱とを利用して、前記空気電池の前記負極金属の酸化物を還元させることを可能とし、さらに、前記燃料電池システムの排気ガスに含まれる水分を利用して、前記空気電池の前記電解液を補給することができることを特徴としている。
【0025】
つまり、本発明に係るハイブリッド電源システムは、水素の供給タンクを備え、該供給タンクから供給される水素を燃料として発電する燃料電池システムに対して、金属を負極活物質とし、空気中の酸素を正極活物質とし、前記金属と電気化学的に反応するイオンを含んだ溶液を電解液として前記負極活物質の金属の酸化反応により放電を行う空気電池を組み合わせて、該空気電池の放電により生成した前記金属の酸化物を、前記水素と前記水素を燃焼させた熱とを利用して還元することにより、前記空気電池の充電を行う仕組みを構築することにより、如何なる環境下であっても、ハイブリッド電源システムを確実に起動し、停止させることを可能としている。
【0026】
また、前記空気電池の構成材料である電解液の蒸発もしくは漏洩等によりその液量が減少した場合には、前記燃料電池システム内に組み込んでいる純水タンクに蓄えられている純水を、該空気電池に供給することにより、該空気電池の電解液量を適正値に増量させる仕組みも備えている。ここで、純水タンクへの水の供給は、前記燃料電池システムの外部からの純水、または、前記燃料電池システムからの排気ガスに含まれる水蒸気を凝縮させて得られる水から不純物を除去した純水により行う。而して、空気電池の性能低下を確実に防止することを可能としている。
【0027】
より具体的には、本発明は、以下のごとき各技術手段から構成されている。
【0028】
第1の技術手段は、燃料となる水素を燃料電池セル・スタックに供給することにより発電する燃料電池システムと、負極金属と正極物質とを電解液に浸して該負極金属の酸化反応により放電する空気電池とからなるハイブリッド電源システムであって、前記水素を燃焼させる燃焼手段と、該水素と前記燃焼手段による該水素の燃焼熱とにより前記空気電池の前記負極金属の酸化物を還元する還元手段とを、備えていることを特徴とする。
【0029】
第2の技術手段は、前記第1の技術手段に記載のハイブリッド電源システムであって、前記水素を前記燃料電池セル・スタックへ供給するための供給タンクを備え、前記燃焼手段および前記還元手段へ供給する前記水素を、前記供給タンクから供給することを特徴とする。
【0030】
第3の技術手段は、前記第2の技術手段に記載のハイブリッド電源システムであって、前記供給タンクが、水素を圧縮して充填した水素ボンベ、または、液体水素を充填した水素タンク、または、水素吸蔵合金を充填した水素タンクであることを特徴とする。
【0031】
第4の技術手段は、前記第1ないし第3の技術手段のいずれかに記載のハイブリッド電源システムであって、前記燃料電池システムの起動、停止時において必要になる電力を、前記空気電池の放電により供給することを特徴とする。
【0032】
第5の技術手段は、前記第1ないし第4の技術手段のいずれかに記載のハイブリッド電源システムであって、前記燃料電池システムにおける排気ガスに含まれる水分を利用して、前記空気電池の前記電解液を補給することができる補給手段を備えていることを特徴とする。
【0033】
第6の技術手段は、前記第5の技術手段に記載のハイブリッド電源システムであって、前記補給手段として前記燃料電池システムに純水を蓄える純水タンクを少なくとも備え、前記空気電池の前記電解液の液量があらかじめ定めた液量閾値よりも減少した場合に、前記純水タンクに蓄えられている純水を、前記空気電池に供給することにより、前記空気電池の前記電解液の液量を適正な値まで補給することを特徴とする。
【0034】
第7の技術手段は、前記第6の技術手段に記載のハイブリッド電源システムであって、前記純水タンクに蓄えられる純水は、当該ハイブリッド電源システムの外部からの給水、または、前記燃料電池システムからの排気ガスに含まれている水蒸気を凝縮させた水から不純物を取り除いて得られる純水の給水により供給されることを特徴とする。
【0035】
第8の技術手段は、燃料となる水素を燃料電池セル・スタックに供給することにより発電する燃料電池システムと、負極金属と正極物質とを電解液に浸して該負極金属の酸化反応により放電する空気電池とにより電源として運転されるハイブリッド電源運転方法であって、前記水素と該水素の燃焼熱とにより前記空気電池の前記負極金属の酸化物を還元することにより、前記空気電池を充電することを特徴とする。
【0036】
第9の技術手段は、前記第8の技術手段に記載のハイブリッド電源運転方法であって、前記燃料電池システムにおける排気ガスに含まれる水分を利用して、前記空気電池の前記電解液を補給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
本発明のハイブリッド電源システムおよびハイブリッド電源運転方法によれば、以下のごとき効果を奏することができる。
【0038】
すなわち、本発明は、燃料電池システムに空気電池を組み合わせたハイブリッド電源システムを構成し、燃料電池システムへのガス供給系に空気電池の充放電系を組み込んでいるので、燃料電池システムがどのような環境下におかれても、当該燃料電池システムを確実に起動し、停止させることができる。つまり、燃料電池システムの起動時、停止時に使用する空気電池の充電を、燃料電池システム内の水素供給タンクからの水素と、水素の燃焼で得られる燃焼熱とを利用して行うことにしているので、外部電源が存在しない場所であっても、当該ハイブリッド電源システムすなわち燃料電池システムの起動、停止時において電源として使用される空気電池の充電が可能であり、当該ハイブリッド電源システムの起動時、停止時すなわち燃料電池システムの起動時、停止時において必要な電力を確実に確保することができる。
【0039】
さらに、空気電池の電解液があらかじめ定めた液量閾値よりも減少した場合に、外部から補給した純水または燃料電池システム内で得られる純水を空気電池に供給して電解液量を前記液量閾値以上に増液させることにしているので、空気電池の性能の低下を確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るハイブリッド電源システムのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
【図2】図1のハイブリッド電源システムにおける空気電池の構成の一例を示す構成図である。
【図3】純水素を燃料とする従来の燃料電池システムの構成例を示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に、本発明に係るハイブリッド電源システムおよびハイブリッド電源運転方法の好適な実施形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0042】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、燃料電池システムと、燃料電池システムの起動、停止の際にブロワやポンプ、制御回路等の補器類への給電を行う空気電池とを組み合わせたハイブリッド電源システムにおいて、空気電池の放電によって生成される該空気電池の負極材料(負極金属)の酸化物を、燃料電池システムの燃料である水素とその燃焼熱とを利用して還元することを主要な特徴としている。また、空気電池の電解液を、外部から補給する純水に限ることなく、燃料電池システム内で得られる純水を用いて補充する手段を備えることも、その特徴としている。
【0043】
かかる特徴を備えることにより、ハイブリッド電源システムの起動から停止に至る全ての動作を、ハイブリッド電源システム内部の発電構成によって自給することができる他、起動時・停止時に使用する電源として空気電池の代わりに蓄電池(二次電池)を用いている場合には、極めて低頻度の運転であった場合に発生する従来の蓄電池の自己放電による蓄電容量の低下を監視する動作を継続し、蓄電容量の低下を検知した際に充電動作を行うということも不要としている。
【0044】
(本発明の実施形態の構成例)
次に、本発明に係るハイブリッド電源システムの実施形態として、まず、その構成例について説明する。図1に、本発明に係るハイブリッド電源システムのブロック構成の一例を示している。図1に示すハイブリッド電源システムは、筐体1によりパッケージ化され、筐体1の中には、水素ボンベ2、燃料電池セル・スタック3、排気ガス冷却器4、水処理装置5、純水タンク6、純水ポンプ7、空気供給ブロワ8、電力変換装置10、スイッチ11,12,15、制御回路16、空気電池17、負極金属還元室18、燃焼室19、バルブ20〜22,等が収納されている。なお、図1において、各ブロック間を結んでいる矢印細線は、ガスフロー系および液体フロー系を示し、矢印太線は、給電系を示し、破線は、制御信号系統を示している。
【0045】
ここで、ハイブリッド電源システムの起動・停止すなわち燃料電池システムの起動・停止時に使用する電源として、図3に示した従来の燃料電池システムにおいては蓄電池13を用いていたが、図1のハイブリッド電源システムの構成例においては、空気電池17を用いて、燃料電池へのガス供給系に空気電池17の充放電系を組み込むようにしている。
【0046】
さらに説明すると、図1に示すハイブリッド電源システムにおいては、従来の燃料電池システムとして図3に示した純水素を燃料とする燃料電池システムの構成において筐体1内に配置されていた、蓄電池13、充電器14、電力変換装置10から充電器14への電力線、充電器14から蓄電池13への電力線、および、制御回路16から充電器14への制御信号線が取り除かれており、その代わりに、新たに、空気電池17、負極金属還元室18、燃焼室19、バルブ20〜22、および、負極金属還元室18と燃焼室19とからの排気ガスラインが追加されている。
【0047】
なお、図3に示した従来の燃料電池システムと同一の機能を有する構成要素(ブロック)については、図3の場合と同一の符号を付しており、ここでの重複する説明は省略し、新たに追加した構成要素(ブロック)について、以下に説明する。
【0048】
空気電池17は、ハイブリッド電源システムの起動時および停止時に、電力を供給するための電源であり、金属を負極活物質とし、空気中の酸素を正極活物質とし、前記金属と電気化学的に反応するイオンを含んだ溶液を電解液として前記負極活物質の金属の酸化反応により放電を行うものである。
【0049】
また、負極金属還元室18は、空気電池17を構成する負極金属の酸化物を還元するための還元手段を実現するものであり、燃焼室19は、負極金属還元室18の温度を高温にするために水素を燃焼させるための燃焼手段を実現するものである。
【0050】
また、バルブ20は、水素ボンベ2と負極金属還元室18との間のガス流路を開閉するためのものであり、バルブ21は、水素ボンベ2と燃焼室19との間のガス流路を開閉するためのものである。また、バルブ22は、純水ポンプ7と空気電池17との間の純水の流路を開閉するためのものであって、純水ポンプ7、純水タンク6とともに、空気電池17の電解液を補給するための補給手段を実現している。
【0051】
なお、図1には表示していないが、筐体1内には、水素ボンベ2の水素残存量を求めるための圧力センサや、安全対策のための水素センサや感震器、等も組み込まれている。また、図1に示すハイブリッド電源システムの場合、燃料となる水素の供給タンクとして、純水素を圧縮して充填した水素ボンベ2の適用を一例として示しているが、液体水素を充填した水素タンクや、水素吸蔵合金を充填した水素タンクも、同様に適用することができる。
【0052】
ここで、空気電池17は、図2に示すような構成からなっている。図2は、図1のハイブリッド電源システムにおける空気電池17の構成の一例を示す構成図である。つまり、空気電池17は、図2に示すように、容器33内に蓄えられた電解液30の中に負極金属31と正極物質32とを浸した構成からなっており、負極金属31つまり負極活物質の金属の酸化反応によって放電を行う。
【0053】
電解液30の材料には、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、等の水溶液、または、これらの混合溶液を用いることができる。
【0054】
また、負極金属31には、亜鉛や鉄、カドミウム、コバルト、ニッケル、チタンなど、電解液30と電気化学的に反応し、酸化物となる金属を用いることができる。なお、電解液30との反応性を高め、空気電池17の電力容量を増大させるためには、負極金属31となる金属を多孔体として表面積を増やすことが有効であり、金属粉末の圧縮成形などを適用することができる。
【0055】
一方、正極物質32には、正極を形成する材料自身は変化しないで、空気中の酸素をイオン化させて電解液30に取り込む性能が要求され、白金や金、パラジウムなどの金属や、炭素などを用いることができる。
【0056】
なお、正極物質32の電気化学反応の場となるのは、特に、電解液30と正極物質32と空気とが接する三相界面となるため、該三相界面を増加させるほど、空気電池17の反応性が向上し、大電流を取り出し易くなる。そこで、正極物質32に金属を用いる場合は、該金属を発泡体やメッシュ体、粉末の圧縮成体、等として、該金属の表面積を増加させることが有効であり、正極物質32に炭素を用いる場合についても、炭素粉末の圧縮成形などが有効となる。
【0057】
ここで、空気電池17の容器33の中には、液量センサ34を取り付けており、電解液30の液量を常時モニタできるようにし、あらかじめ定めた液量閾値を下回った場合に、電解液30を自動的に補充する動作を起動するようにしている。
【0058】
(本発明の実施形態の動作例)
次に、図1に示すハイブリッド電源システムの運転動作の一例について、本発明に係るハイブリッド電源運転方法として図1を参照しながら説明する。
【0059】
図1に示すハイブリッド電源システムを起動させると、燃料電池システムの発電電力つまり燃料電池セル・スタック3の発電電力が、本ハイブリッド電源システムの動作に必要とする必要電力閾値に達するまでは、燃料電池システムからの電力供給を行うことなく、スイッチ15が閉じて、空気電池17の放電電力が電力変換装置10に供給される。ここで、空気電池17には、制御回路16や空気供給ブロワ8、純水ポンプ7等の補機類、等へ供給するための電力としてあらかじめ定めた十分な電力が蓄積されているものとする。
【0060】
電力変換装置10からは、制御回路16や空気供給ブロワ8、純水ポンプ7等の補機類、等のそれぞれに供給するための電圧値としてあらかじめ定めた所定の電圧に変換した電力が送られ、制御回路16や空気供給ブロワ8、純水ポンプ7等の補機類、等が、それぞれの所定の動作状態に達すると、制御回路16の制御により、水素ボンベ2からの水素および空気供給ブロワ8からの空気を燃料電池セル・スタック3に供給することによって、燃料電池セル・スタック3は、発電を開始する。
【0061】
燃料電池セル・スタック3の発電電力が、空気供給ブロワ8や純水ポンプ7等や制御回路16等の補機類に必要な電力を全て供給することができる電力にまで達すると、スイッチ11を閉じて、空気供給ブロワ8や純水ポンプ7等や制御回路16等の補機類への電力供給を燃料電池セル・スタック3からの発電電力により行うとともに、スイッチ15を開いて空気電池17の放電を停止させる。
【0062】
さらに、燃料電池セル・スタック3の発電電力が、負荷9に必要な電力まで達すると、スイッチ12を閉じて負荷9への電力供給を開始する。
【0063】
燃料電池セル・スタック3の発電電力により負荷9への電力供給を開始した後は、負荷9の変動に追随して、燃料電池セル・スタック3が発電を行い、燃料電池セル・スタック3の発電電力に応じた量の水素が水素ボンベ2から燃料電池セル・スタック3に供給される。
【0064】
次に、負荷9への電力供給を終了し、ハイブリッド電源システムの発電を停止させようとする場合は、スイッチ12を開いて電力変換装置10と負荷9との接続を切り離すとともに、水素ボンベ2から燃料電池セル・スタック3への水素供給を停止させる。さらに、スイッチ15を閉じてスイッチ11を開くことにより、電力変換装置10への電力供給を燃料電池セル・スタック3から空気電池17に切り換えて、空気供給ブロワ8や純水ポンプ7、制御回路16等の補機類への電力供給を空気電池17の放電により行う。
【0065】
空気電池17に切り換えた後は、空気供給ブロワ8や純水ポンプ7、制御回路16等の補機類の出力を徐々に下げていき、最終的には、空気供給ブロワ8や純水ポンプ7、制御回路16等の補機類への電力供給を停止し、これら補機類の動作を停止させる。
【0066】
最後に、スイッチ15を開いて空気電池17の放電を終了させ、ハイブリッド電源システムの運転が停止となる。
【0067】
以上のような図1のハイブリッド電源システムにおける起動、運転、停止時の一連の動作は、全て、制御回路16によって制御される。
【0068】
以上、本発明に係るハイブリッド電源システムの一例を示した図1のハイブリッド電源システムにおける起動、運転、停止時の動作について説明したが、本発明は、かかる動作のみに限るものではない。
【0069】
例えば、ハイブリッド電源システムの起動の際、停止の際のみならず、負荷9への急激な給電増加が発生した際には、空気電池17からの放電電力を利用するようにしても良い。
【0070】
つまり、燃料電池システムから供給する発電電力が当該ハイブリッド電源システムの動作に必要とする必要電力閾値に達していない場合として、例えば、前述したような、燃料電池システムの起動時、燃料電池システムの停止時には、燃料電池システムからの電力供給は停止して、空気電池17からの放電電力によって、当該電源システム内の補機類等が動作するようにし、また、負荷9からの当該ハイブリッド電源システムに対する電力増加要求速度があらかじめ定めた増加閾値以上に達した場合には、該増加閾値以上に相当する燃料電池システムからの不足電力分を空気電池17からの放電電力によって賄う動作を行うようにしても良い。
【0071】
かくのごとき動作を行うことによって、本発明に係るハイブリッド電源システムにおいては、その起動から停止に至るまでの全ての動作を、外部の電源を一切利用することなく、当該ハイブリッド電源システム内部の発電機構を利用して自給することができ、かつ、円滑な安定動作を行うことができる。
【0072】
(空気電池17の充電動作例)
次に、本発明に係るハイブリッド電源運転方法として、本ハイブリッド電源システムを構成する空気電池17の、充電動作と電解液量の適正化動作とについて説明する。
【0073】
まず、空気電池17の放電能力があらかじめ定めた放電閾値よりも低下した場合の空気電池17の充電動作例について説明する。なお、空気電池17の充電とは、空気電池17の放電により生成された負極金属31の酸化物を還元することによって、放電能力を回復させることと等価であり、負極金属31の酸化物の還元のためには、水素を供給するとともに、負極金属31の酸化物に特有の還元温度まで昇温することが必要である。
【0074】
そこで、空気電池17から酸化した負極金属31を取り出し、負極金属還元室18に移す。続いて、バルブ21を開いて水素ボンベ2からの水素を燃焼室19に供給し、燃焼室19において水素を燃焼させる。該水素の燃焼熱によって、負極金属還元室18が負極金属31の酸化物の還元温度まで達すると、バルブ20を開いて水素ボンベ2から水素を負極金属還元室18にも供給する。
【0075】
この時、負極金属還元室18からの排気ガスの中には、負極金属31の酸化物とは反応せずに残った水素も存在し得るので、負極金属還元室18からの該排気ガスを燃焼室19に導き、残存水素があれば、燃焼室19においてさらに燃焼させる。
【0076】
負極金属還元室18において、負極金属31の酸化物の還元が終了すると、まず、バルブ21を閉じて、水素ボンベ2から燃焼室19への水素の供給を停止し、負極金属31の温度が室温付近にまで低下するまで放置する。この時、負極金属還元室18が高温時に空気が混入すると、還元された負極金属31が酸化物に戻ってしまうため、負極金属31が空気中の酸素と反応しなくなる温度までは、バルブ20は開いたままにして、負極金属還元室18には水素ボンベ2から水素を供給し続ける。なお、この時点で水素ボンベ2から負極金属還元室18へ供給する水素の流量は、ごく僅かな流量まで絞っても構わない。
【0077】
負極金属31の温度が室温付近にまで低下した時点で、負極金属31を負極金属還元室18から取り出して、元の空気電池17側に戻し、空気電池17の電解液30の中に浸すことにより、空気電池17を放電可能な状態に回復させる。
【0078】
以上のように、空気電池17の放電能力があらかじめ定めた放電閾値よりも低下した場合、放電した空気電池17を充電する動作として、外部の電源からの給電によって充電を行うことは一切不要であり、水素ボンベ2からの水素と燃料電池システム内で得られる水素の燃焼熱とを用いて、空気電池17の放電により生成された負極金属31の酸化物を還元させる。かくのごとき負極金属31の酸化物の還元動作により、空気電池17の放電能力を回復させることができる。
【0079】
つまり、空気電池17の充電動作として、該空気電池17の放電により生成された負極金属31の酸化物の還元を、外部電源に依存することなく、当該ハイブリッド電源システム内部の発電機構すなわち燃料電池システム内の水素ボンベ2からの水素と燃焼室19における該水素の燃焼熱とを利用して実施することが可能である。
【0080】
(空気電池17の電解液量の適正化動作例)
次に、空気電池17の電解液量があらかじめ定めた液量閾値よりも少なくなった際の空気電池17の電解液量の適正化動作例について説明する。空気電池17の電解液30が減少する原因としては、電解液30中の水の蒸発や電解液30の漏洩等があり、電解液30が減少すると、空気電池17の反応場が減少して、空気電池17の電池容量の低下に繋がるため、電解液30の液量を常に適正値に保つことが要求される。
【0081】
また、空気電池17の電解液30には、不純物の少ない純水を用いることが必要である。
【0082】
本発明に係るハイブリッド電源システムにおいては、図2に示すように、空気電池17に液量センサ34を取り付けており、電解液30の液量があらかじめ定めた液量閾値を下回ることを液量センサ34が検知すると、図1に示すバルブ22が開き、純水ポンプ7により、純水タンク6の純水が空気電池17に供給される。これにより、空気電池17の電解液30は、常に、前記液量閾値が示す適正量を維持することが可能になる。なお、純水タンク6の純水は、ハイブリッド電源システムの外部から供給するようにしても良いが、図1に示す例においては、燃料電池システムにおける排気ガスに含まれる水分を利用して、すなわち、燃料電池セル・スタック3からの排気ガスに含まれる水蒸気を排気ガス冷却器4にて凝縮させて得られる水を水処理装置5において水処理して純水を生成するようにして供給している。
【0083】
以上のように、空気電池17の電解液30の液量があらかじめ定めた液量閾値よりも低下した場合、外部から純水を補給するようにしても良いし、あるいは、該液量閾値よりも低下した空気電池17の電解液30の不足分を、燃料電池システム内で得られる純水(排気ガスに含まれる水蒸気を凝縮させた水を水処理装置5にて生処理して純水タンク6に蓄えられている純水)を用いて補給することが可能であり、而して、空気電池17の性能の低下を抑制することができる。
【0084】
以上に詳細に説明したように、本発明に係るハイブリッド電源システムは、燃料電池システムに高エネルギー密度の特徴を有する空気電池17を組み合わせたものであって、商用電源と連系させずに自立運転を行う環境下においても、燃料電池システムの発電電力が当該ハイブリッド電源システムの動作に必要とする必要電力閾値に達していない場合には、空気電池17の放電電力を利用することによって、例えば、燃料電池システムの起動、停止動作を円滑に行うことができ、さらに、電力を供給する負荷9側において急激な負荷変動があっても安定した動作を行うことができる。
【0085】
また、空気電池17の充電すなわち負極金属31の酸化物の還元に、水素ボンベ2からの水素と、燃焼室19で得られる水素の燃焼熱とを利用することにしているので、従来のように、商用電源などの外部電源が存在しない場所であっても、空気電池17の充電が可能であるとともに、充電器も不要となることから、電源システムの簡素化と低コスト化とを実現することができる。
【0086】
さらに、空気電池17の電解液30が減少した場合においても、外部から供給される純水のみならず、ハイブリッド電源システム内で得られる純水を、そのまま利用して、電解液30の液量を適正値に保つことができることから、新たな装置類を殆ど追加することなく、空気電池17の安定した放電動作が可能になる。
【符号の説明】
【0087】
1…筐体、2…水素ボンベ、3…燃料電池セル・スタック、4…排気ガス冷却器、5…水処理装置、6…純水タンク、7…純水ポンプ、8…空気供給ブロワ、9…負荷、10…電力変換装置、11〜12,15…スイッチ、13…蓄電池、14…充電器、16…制御回路、17…空気電池、18…負極金属還元室、19…燃焼室、20〜22…バルブ、30…電解液、31…負極金属、32…正極物質、33…容器、34…液量センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料となる水素を燃料電池セル・スタックに供給することにより発電する燃料電池システムと、負極金属と正極物質とを電解液に浸して該負極金属の酸化反応により放電する空気電池とからなるハイブリッド電源システムであって、前記水素を燃焼させる燃焼手段と、該水素と前記燃焼手段による該水素の燃焼熱とにより前記空気電池の前記負極金属の酸化物を還元する還元手段とを、備えていることを特徴とするハイブリッド電源システム。
【請求項2】
請求項1に記載のハイブリッド電源システムであって、前記水素を前記燃料電池セル・スタックへ供給するための供給タンクを備え、前記燃焼手段および前記還元手段へ供給する前記水素を、前記供給タンクから供給することを特徴とするハイブリッド電源システム。
【請求項3】
請求項2に記載のハイブリッド電源システムであって、前記供給タンクが、水素を圧縮して充填した水素ボンベ、または、液体水素を充填した水素タンク、または、水素吸蔵合金を充填した水素タンクであることを特徴とするハイブリッド電源システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のハイブリッド電源システムであって、前記燃料電池システムの起動、停止時において必要になる電力を、前記空気電池の放電により供給することを特徴とするハイブリッド電源システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のハイブリッド電源システムであって、前記燃料電池システムにおける排気ガスに含まれる水分を利用して、前記空気電池の前記電解液を補給することができる補給手段を備えていることを特徴とするハイブリッド電源システム。
【請求項6】
請求項5に記載のハイブリッド電源システムであって、前記補給手段として前記燃料電池システムに純水を蓄える純水タンクを少なくとも備え、前記空気電池の前記電解液の液量があらかじめ定めた液量閾値よりも減少した場合に、前記純水タンクに蓄えられている純水を、前記空気電池に供給することにより、前記空気電池の前記電解液の液量を適正な値まで補給することを特徴とするハイブリッド電源システム。
【請求項7】
請求項6に記載のハイブリッド電源システムであって、前記純水タンクに蓄えられる純水は、当該ハイブリッド電源システムの外部からの給水、または、前記燃料電池システムからの排気ガスに含まれている水蒸気を凝縮させた水から不純物を取り除いて得られる純水の給水により供給されることを特徴とするハイブリッド電源システム。
【請求項8】
燃料となる水素を燃料電池セル・スタックに供給することにより発電する燃料電池システムと、負極金属と正極物質とを電解液に浸して該負極金属の酸化反応により放電する空気電池とにより電源として運転されるハイブリッド電源運転方法であって、前記水素と該水素の燃焼熱とにより前記空気電池の前記負極金属の酸化物を還元することにより、前記空気電池を充電することを特徴とするハイブリッド電源運転方法。
【請求項9】
請求項8に記載のハイブリッド電源運転方法であって、前記燃料電池システムにおける排気ガスに含まれる水分を利用して、前記空気電池の前記電解液を補給することを特徴とするハイブリッド電源運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−249098(P2011−249098A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120113(P2010−120113)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】