説明

ハフニウム錯体の製造方法

【課題】半導体製造における成膜原料であるテトラ−t−ブトキシハフニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム、等の製造方法の提供。
【解決手段】テトラ−t−ブトキシハフニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム、等の製造方法において、一般式:Hf[N(R1)(R2)]4で示されるハフニウムアミド錯体に一般式:A(OyXOnfmで示される化合物を添加した後、減圧蒸留を行う工程、得られる留分に一般式:Li(NR34)で示されるリチウムアルキルアミドを添加した後、減圧蒸留を行う工程、得られる留分にt−ブタノール、アセチルアセトン、1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール、等を添加した後、減圧蒸留を行う工程を順次実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造における次世代高誘電率ゲート絶縁膜として注目されている、ハフニウム系絶縁膜(HfO2、HfSiON等)のハフニウム成膜原料として有望視されているテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、およびテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで半導体製造におけるゲート絶縁膜にはSiO2が長年に渡り使用され続けてきた。これは半導体の高集積化に伴う素子の微細化に、SiO2の薄膜化を進める事により対応することが出来た為である。しかしながら、近年、LSIの高機能化・高集積化を達成するため、素子の微細化が更に進められた結果、SiO2の薄膜化には物理的限界が迫り、更なる微細化への対応は困難となっている。その為、SiO2に替わるゲート絶縁膜としてハフニウム系絶縁膜が注目されている。ハフニウム系絶縁膜はSiO2に比べ誘電率が数倍高く、その分だけ物理的膜厚を増加することが可能となり、微細化へ対応することができ得る材料である。
【0003】
このハフニウム系絶縁膜の成膜方法としては、物理的気相成長法(Physical Vapor Deposition、以下PVDと略す。)と化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition、以下CVDと略す。)の二種類が挙げられる。一般に、PVDにおいては凹凸があるような基板への均一な成膜は困難であり、且つ膜組成の制御が難しい。一方、CVDは、凹凸の有無に関わらず基板上への均一な膜の成膜が可能であり、膜組成の制御性にも優れている。ゲート絶縁膜の成膜においては、ゲートスタック製造のプロセスにもよるが、凹凸のある部分への均一な膜の成膜が必要とされる場合がある。また、膜組成が半導体の電気特性に影響を与えるため、膜組成の制御が重要となる。その為、ゲート絶縁膜の成膜方法にはCVDを用いるのが現在の主流となっている。
【0004】
CVDによるハフニウム系絶縁膜の成膜を行うためには、蒸気圧の高いハフニウム成膜原料が必要である。蒸気圧の高いハフニウム成膜原料であるハフニウム錯体は、結合性分子間相互作用(架橋配位結合等)の影響を避けるために、嵩高い置換基を有する錯体であり、且つ、分子量の小さい錯体である必要がある。上記条件を満たすハフニウム成膜原料として近年注目されている物質にテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、およびテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]のようなハフニウム錯体がある。テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、およびテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]は、それぞれ[90℃/6.5Torr]、[82℃/0.001Torr]、[135℃/7.6Torr] 、[125℃/3Torr]、[65℃/0.3Torr]、[120℃/0.15Torr]の比較的高い蒸気圧を有しており、良好なハフニウム系絶縁膜のCVD成膜原料と成り得る物質である。また、ゲート絶縁膜は半導体素子の最下層部に位置し、更に次世代半導体のゲート絶縁膜は膜厚数nmの極薄膜となるため、ゲート絶縁膜中の不純物は半導体の電気特性に極めて大きな影響を与える。したがって、その原料となるハフニウム成膜原料には不純物濃度の極めて低い高純度品が要求される。
【0005】
一般的なテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4] 、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、およびテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]の合成法としては、四塩化ハフニウムとリチウムアルキルアミドを出発原料として、まずハフニウムアミド錯体を得、次にハフニウムアミド錯体とターシャリブタノール(C410O)、アセチルアセトン(C582)、1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール(C5122)、ターシャリアミルアルコール(C512O)、3−メチル−3−ペンタノール(C614O)、もしくはヘキサフロオロアセチルアセトン(C5622)を反応させることにより、それぞれを得る方法が知られている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。
【非特許文献1】J.C.Bailar,H.J.Emeleus,Sir Ronald Nyholm,A.F.Trotman−dickenson,Comprehensive Inorganic Chemistry.
【非特許文献2】R.C.Mehrotra,Inorganic Chimica Acta Reviews,vol.1,99(1967)
【非特許文献3】A.Williams,John L. Roberts,Anthony C.Jones,et al.,Chemical Vapap Deposition,vol.,8 163(2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、およびテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]の製造において、含まれるジルコニウム成分を簡便に高収率でかつ安全に除去された半導体分野で使用できうるテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、およびテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]を得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、
[発明1]一般式:Hf[N(R1)(R2)]4で示されるハフニウムアミド錯体に一般式:A(OyXOnfmで示されるカルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第1の工程)、
第1の工程により得られる留分に一般式:Li(NR34)で示されるリチウムアルキルアミドを添加した後、減圧蒸留を行う工程(第2の工程)、
第2の工程により得られる留分にターシャリブタノール(C410O)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程a)によるテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]の製造方法、
[発明2]第2の工程により得られる留分にアセチルアセトン(C582)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程b)によるテトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724] の製造方法、
[発明3]第2の工程により得られる留分に1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール(C5122)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程c)によるテトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]の製造方法、
[発明4]第2の工程により得られる留分にターシャリアミルアルコール(C512O)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程d)によるテトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]の製造方法、
[発明5]第2の工程により得られる留分に3−メチル−3−ペンタノール(C614O)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程e)によるテトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]の製造方法、および
[発明6]第2の工程により得られる留分にヘキサフロオロアセチルアセトン(C5622)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程f)によるテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24] の製造方法に係るものである。
【0008】
(上記式中において、R1及びR2はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わし、Aは水素原子、酸素原子、又はハフニウム原子を表わす。
Xは、Aが水素原子又は酸素原子の場合、炭素原子又は硫黄原子を表わし、Aがハフニウム原子の場合、硫黄原子を表わす。Aが水素原子、Xが炭素原子の場合、mは1、nは1、yは1を表わす。Aが水素原子、Xが硫黄原子の場合、mは1、nは2、yは1を表わす。Aが酸素原子、Xが炭素原子の場合、mは2、nは1、yは0を表わす。Aが酸素原子、Xが硫黄原子の場合、mは2、nは2、yは0を表わす。Aがハフニウム原子の場合、mは4、nは2、yは1を表す。Aが水素原子又は酸素原子の場合、Rfは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数4〜12のヘテロアリール基を表わす。
Aがハフニウム原子の場合、Rfは炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基を表わす。R3及びR4はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わす。)
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法によればハフニウムアミド錯体に、カルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第1の工程)、
第1の工程により得られる留分にリチウムアルキルアミドを添加した後、減圧蒸留を行う工程(第2の工程)、
第2に工程により得られるハフニウムアミド錯体に、ターシャリブタノール(C410O)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程a)を順次実施することにより、含有ジルコニウムが除去されたテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]の製造、
第2の工程により得られるハフニウムアミド錯体に、アセチルアセトン(C582)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程b)を順次実施することにより、含有ジルコニウムが除去されたテトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724] の製造、
第2の工程により得られるハフニウムアミド錯体に、1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール(C5122)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程c)を順次実施することにより、含有ジルコニウムが除去されたテトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]の製造、
第2の工程により得られるハフニウムアミド錯体に、ターシャリアミルアルコール(C512O)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程d)を順次実施することにより、含有ジルコニウムが除去されたテトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]の製造、
第2の工程により得られるハフニウムアミド錯体に、3−メチル−3−ペンタノール(C614O)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程e)を順次実施することにより、含有ジルコニウムが除去されたテトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]の製造、
または第2の工程により得られるハフニウムアミド錯体に、ヘキサフロオロアセチルアセトン(C5622)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程f)を順次実施することにより、含有ジルコニウムが除去されたテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]の製造を行うことができる。
【0010】
また、上記の製造方法により、ジルコニウム量を半導体成膜用材料として要求されるレベルにまで低減したテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、またはテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]を高収率で製造することができる。必要に応じ、第1の工程を繰り返し行ってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、半導体ゲート絶縁膜成膜プロセス等、高純度が要求される用途に使用するためのテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、およびテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]に適応される。本発明により得られる、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、およびテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]は、例えば半導体製造プロセスで高誘電率ゲート絶縁膜形成のためのCVD成膜原料等に使用可能である。
【0012】
本発明は、 ジルコニウムの含有量が1〜30,000質量ppmのハフニウムアミド錯体にカルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を添加した後に減圧蒸留を行う工程(第1の工程)の後、
留分にリチウムアルキルアミドを添加した後に減圧蒸留を行う工程(第2の工程)、
第2の工程により得られるハフニウムアミド錯体に、ターシャリブタノール(C410O)を添加し、減圧蒸留を行う工程(第3の工程a)
または第2の工程により得られるハフニウムアミド錯体に、アセチルアセトン(C582)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程b)、
または第2の工程により得られるハフニウムアミド錯体に、1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール(C5122)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程c)、
または第2の工程により得られるハフニウムアミド錯体に、ターシャリアミルアルコール(C512O)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程d)、
または第2の工程により得られるハフニウムアミド錯体に、3−メチル−3−ペンタノール(C614O)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程e)、
または第2の工程により得られるハフニウムアミド錯体に、ヘキサフロオロアセチルアセトン(C5622)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程f)を順次実施することにより、ジルコニウム含有量が100質量ppm以下、好ましくは10質量ppm以下、より好ましくは1質量ppm以下である、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、またはテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]を得ることができる。必要に応じ、第1の工程を繰り返し行ってもよい。
【0013】
以下に本発明につき更に詳しく説明する。
第1の工程は、ハフニウムアミド錯体においてジルコニウム成分を精製除去することを目的とする工程である。ジルコニウム成分を1〜30,000質量ppm含有するハフニウムアミド錯体にカルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を添加し、減圧蒸留を行う操作により、ハフニウムアミド錯体を主成分とする蒸留分中のジルコニウム濃度は、1/10〜9/10程度減少する。逆に、減圧蒸留後の底部残留物中のジルコニウム濃度は増加する。このことより、カルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を加えることにより、ハフニウムアミド錯体中のジルコニウム成分(ジルコニウムアミド錯体)を蒸気圧の低い不揮発性物質に変えていると推察される。
第1の工程において、ハフニウムアミド錯体は、一般式:Hf[N(R1)(R2)]4で示され(但し、R1及びR2はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わす。)、具体的には、テトラキスジエチルアミドハフニウム、テトラキスジメチルアミドハフニウムなどが挙げられる。さらに、カルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物は、一般式:A(OyXOnfmで示され(但し、Aは水素原子、酸素原子、又はハフニウム原子を表わす。Xは、Aが水素原子又は酸素原子の場合、炭素原子又は硫黄原子を表わし、Aがハフニウム原子の場合、硫黄原子を表わす。Aが水素原子、Xが炭素原子の場合、mは1、nは1、yは1を表わす。Aが水素原子、Xが硫黄原子の場合、mは1、nは2、yは1を表わす。Aが酸素原子、Xが炭素原子の場合、mは2、nは1、yは0を表わす。Aが酸素原子、Xが硫黄原子の場合、mは2、nは2、yは0を表わす。Aがハフニウム原子の場合、mは4、nは2、yは1を表す。Aが水素原子又は酸素原子の場合、Rfは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数4〜12のヘテロアリール基を表わす。Aがハフニウム原子の場合、Rfは炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基を表わす。)、具体的には、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、無水酢酸、トリフルオロ酢酸無水物、安息香酸無水物、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ベンゼンスルホン酸無水物、ハフニウムトリフルオロメタンスルホナートなどが挙げられる。これらの中では安価で効果の大きいトリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。
カルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物は、ハフニウムアミド錯体中のジルコニウム成分の1モルに対し、1〜100モルの範囲で加えることが好ましく、さらには、ハフニウムアミド錯体との副反応を抑制する観点から、5〜50モルの範囲で加えることがより好ましい。
【0014】
また、ハフニウムアミド錯体にカルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を添加する際は、激しい発熱を伴うため、副反応を抑制する観点から反応温度は、−78〜100℃、好ましくは−78〜30℃で行う。
【0015】
また、反応液を均一化させる観点から、カルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を添加した後、1〜3時間攪拌した後、減圧蒸留を行ったほうが好ましい。減圧蒸留は常法に従って行うが、0.0001〜0.02kPaの範囲が好ましい。カルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を添加することによって、ジルコニウム成分とハフニウム成分に蒸気圧差が生じるため、減圧で単蒸留を行う操作でハフニウムアミド錯体が主成分であり、且つ、含有ジルコニウム量の低減した蒸留分を容易に得ることができる。
次に、第2の工程は、第1の工程で得られる留分中のカルボニル成分又はスルホニル成分を除去することを目的とする工程である。第1の工程により得られる留分は、ハフニウムアミド錯体が主成分であり、且つ、ジルコニウム量が低減しているが、第1の工程で添加したカルボニル成分又はスルホニル成分が0.1〜4質量%程度混入している。
ハフニウムアミド錯体中のカルボニル成分又はスルホニル成分は、リチウムアルキルアミドを添加することによって、ペルフルオロアルキルスルホニルリチウム塩のような不揮発性の化合物へ変換される。次いで、減圧蒸留を行うという操作によって、ハフニウムアミド錯体を単離することにより、蒸留分中のカルボニル成分又はスルホニル成分濃度はイオンクロマト装置の検出下限以下である10質量ppm以下まで減少する。また、ハフニウムアミド錯体中のジルコニウム濃度はカルボニル成分又はスルホニル成分を除去する前後で殆ど変化はない。
【0016】
本工程において、使用するリチウムアルキルアミドとは、一般式:Li(NR34)で示されるリチウムアルキルアミド(但し、R3及びR4はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わす。)であり、具体的には、リチウムジメチルアミド、リチウムエチルメチルアミド、リチウムジエチルアミド等が挙げられる。また、ハフニウムアミド錯体のアミド配位子と同じ置換基を有するものを使用する。例えばハフニウムアミド錯体がテトラキスジエチルアミドハフニウムの場合、リチウムアルキルアミドにはリチウムジエチルアミドを用い、ハフニウムアミド錯体がテトラキスジメチルアミドハフニウムの場合、リチウムアルキルアミドにはリチウムジメチルアミドを用いる。
【0017】
リチウムアルキルアミドの使用量は、含有するハフニウムアミド錯体の含まれるカルボニル成分又はスルホニル成分1当量に対して、1〜50当量使用することが好ましい。これより少ない場合にはカルボニル成分又はスルホニル成分が十分減少しない恐れがあり、また、これより多く用いてもより一層のカルボニル分又はスルホニル分の低下は望めず、経済的でなく好ましくない。
また、リチウムアルキルアミドは、25℃で粉末固体であるが、固体としてハフニウムアミド錯体中に加えても、ジエチルエーテル等の有機溶媒等に溶かした状態でハフニウムアミド錯体に添加しても良い。その有機溶媒としては、ハフニウムアミド錯体の溶解性、反応性等を考慮して、ジエチルエーテル、ヘキサン、トルエン等が使用される。特に、入手が容易で安価なトルエンが好ましい。
ハフニウムアミド錯体にリチウムアルキルアミドを添加する際の温度は、−78〜200℃、好ましくは、0〜100℃で行う。200℃よりも高い温度で添加した場合、リチウムアルキルアミドが熱によって自己分解してしまう恐れがあり好ましくない。また、リチウムアルキルアミドを添加した後、瞬時に蒸留を行っても、攪拌機等により攪拌を行ってもよい。
【0018】
添加後は、減圧蒸留により単離を行う。減圧蒸留は最初の工程と同じく、常法に従って行うが、0.0001〜0.02kPaの範囲が好ましい。減圧蒸留することにより、カルボニル成分又はスルホニル成分が10質量ppm以下のハフニウムアミド錯体を得ることができる。
【0019】
次に、第3の工程aは、第2の工程で得られるハフニウムアミド錯体からテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]、第3の工程bは、第2の工程で得られるハフニウムアミド錯体からテトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、第3の工程cは、第2の工程で得られるハフニウムアミド錯体からテトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、第3の工程dは、第2の工程で得られるハフニウムアミド錯体からテトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、第3の工程eは、第2の工程で得られるハフニウムアミド錯体からテトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、第3の工程fは、第2の工程で得られるハフニウムアミド錯体からテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]を製造することを目的とした工程である。
【0020】
第2の工程で得られるハフニウムアミド錯体にターシャリブタノール(C410O)、アセチルアセトン(C582)、1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール(C5122)、ターシャリアミルアルコール(C512O)、3−メチル−3−ペンタノール(C614O)、もしくはヘキサフロオロアセチルアセトン(C5622)を添加することにより、配位子交換反応が起こり、
第3の工程a中にはテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4] とジアルキルアミン 、第3の工程b中にはテトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724] とジアルキルアミン、第3の工程c中にはテトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]とジアルキルアミン、第3の工程d中にはテトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]とジアルキルアミン、第3の工程e中にはテトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]とジアルキルアミン、第3の工程f中にはテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]とジアルキルアミンが生成する。
【0021】
テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4] とジアルキルアミン、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724] とジアルキルアミン、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]とジアルキルアミン、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]とジアルキルアミン、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]とジアルキルアミン、もしくはテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]とジアルキルアミンの蒸気圧差は非常に大きいため、次いで、減圧蒸留を行うという操作によって、容易にテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、テトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]をそれぞれ得ることが出来る。
【0022】
得られるテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、テトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]中のジルコニウム濃度は、第2の工程後のハフニウムアミド錯体中のそれと殆ど違いはない。
【0023】
但し、第3の工程aにおいて、第2の工程により得られるハフニウムアミド錯体に、ターシャリブタノール(C410O)を添加した場合はテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]が得られ、アセチルアセトン(C582)を添加した場合はテトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]が得られ、1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール(C5122)を添加した場合はテトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]が得られ、ターシャリアミルアルコール(C512O)を添加した場合はテトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]が得られ、3−メチル−3−ペンタノール(C614O)を添加した場合はテトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]が得られ、ヘキサフロオロアセチルアセトン(C5622)を添加した場合はテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]が得られる。
【0024】
第3の工程aにおいて添加するターシャリブタノール(C410O)、第3の工程bにおいて添加するアセチルアセトン(C582)、第3の工程cにおいて添加する1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール(C5122)、第3の工程dにおいて添加するターシャリアミルアルコール(C512O)、第3の工程eにおいて添加する3−メチル−3−ペンタノール(C614O)、第3の工程fにおいて添加するヘキサフロオロアセチルアセトン(C5622)の量は、いずれもハフニウムアミド錯体の1モルに対し、4〜8モルの範囲が好ましい。これより添加量が少ない場合には、いずれも目的の化合物が得られない恐れがあり、また、これより多く用いても添加の効果はなく、経済的でなく好ましくない。
第3の工程aにおいてハフニウムアミド錯体にターシャリブタノール(C410O)を添加、第3の工程bにおいてハフニウムアミド錯体にアセチルアセトン(C582)を添加、第3の工程cにおいてハフニウムアミド錯体に1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール(C5122)を添加、第3の工程dにおいてハフニウムアミド錯体にターシャリアミルアルコール(C512O)を添加、第3の工程eにおいてハフニウムアミド錯体に3−メチル−3−ペンタノール(C614O)を添加、第3の工程fにおいてハフニウムアミド錯体にヘキサフロオロアセチルアセトン(C5622)を添加する際は、いずれも激しい発熱を伴うため、副反応を抑制する観点から反応温度は、−78〜100℃、好ましくは−78〜30℃で行う。また、反応を十分に完結させる観点から、第3の工程aにおいてターシャリブタノール(C410O)を、第3の工程bにおいてアセチルアセトン(C582)を、第3の工程cにおいて1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール(C5122)を、第3の工程dにおいてターシャリアミルアルコール(C512O)を、第3の工程eにおいて3−メチル−3−ペンタノール(C614O)を、第3の工程fにおいてヘキサフロオロアセチルアセトン(C5622)を添加した後、いずれの場合も1〜3時間攪拌した後、減圧蒸留を行ったほうが好ましい。
【0025】
第3の工程aにおいてターシャリブタノール(C410O)を、第3の工程bにおいてアセチルアセトン(C582)を、第3の工程cにおいて1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール(C5122)を、第3の工程dにおいてターシャリアミルアルコール(C512O)を、第3の工程eにおいて3−メチル−3−ペンタノール(C614O)を、第3の工程fにおいてヘキサフロオロアセチルアセトン(C5622)を添加した後の減圧蒸留は、いずれの場合も第1の工程及び第2の工程と同様に、常法に従って行うが、0.0001〜0.02kPaの範囲が好ましい。第3の工程aにおいて生成するテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]とジアルキルアミンの蒸気圧差、第3の工程bにおいて生成するテトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]とジアルキルアミンの蒸気圧差、第3の工程cにおいて生成するテトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]とジアルキルアミンの蒸気圧差、第3の工程dにおいて生成するテトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]とジアルキルアミンの蒸気圧差、第3の工程eにおいて生成するテトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]とジアルキルアミンの蒸気圧差、第3の工程fにおいて生成するテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]とジアルキルアミンの蒸気圧差は、いずれも非常に大きいため、減圧で単蒸留を行う操作で十分に、かつ容易に、第3の工程aにおいてはテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4] 、第3の工程bにおいてはテトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]、第3の工程cにおいてはテトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]、第3の工程dにおいてはテトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]、第3の工程eにおいてはテトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]、第3の工程fにおいてはテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]を得ることができる。
【0026】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【実施例1】
【0027】
500mLの5つ口ガラスフラスコに滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が1000質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(15.6g,104mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0028】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分66.5gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は138質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は2.1質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は35.0gであり、ジルコニウム濃度は1884質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は29.0質量%であった。
【0029】
続いて得られた留分65gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(10.1g,67mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0030】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分43.3gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は19質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は2.0質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は22.8gであり、ジルコニウム濃度は355質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は45.1質量%であった。
【0031】
続いて、得られた留分40.0gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](1.0g,13mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分38.8gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は19質量ppmであり、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は10質量ppm以下に減少していた。
尚、減圧蒸留後の底部残留物は2.0gであり、ジルコニウム濃度は30質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は6.8質量%であった。
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)30.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ターシャリブタノール(C410O)(38.1g,514mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を78℃、0.11kPaの条件下蒸留を行い、留分29.7gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は19質量ppmであった。
また、仕込みのテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(ジルコニウム濃度1000質量ppm)からの収率は42質量%であった。
【実施例2】
【0032】
500mLの5つ口ガラスフラスコに粉末滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が1000質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、0℃に冷却した後、ハフニウムトリフルオロメタンスルホナート[Hf(CF3SO34](20.0g,25.8mmol)を粉末滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0033】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分79.5gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は198質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は4.2質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は31.0gであり、ジルコニウム濃度は2840質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は28.8質量%であった。
【0034】
続いて、得られた留分75.0gを粉末滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ハフニウムトリフルオロメタンスルホナート[Hf(CF3SO34](1.8g,2mmol)を粉末滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0035】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分63.9gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は61質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は1.8質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は8.7gであり、ジルコニウム濃度は1200質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は17.0質量%であった。
【0036】
続いて、得られた留分60.0gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](4.7g,59mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分55.0gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は48質量ppmであり、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は10質量ppm以下に減少していた。
【0037】
尚、減圧蒸留後の底部残留物は3.5gであり、ジルコニウム濃度は291質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は28.5質量%であった。
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)50.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ターシャリブタノール(C410O)(63.5g,857mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を78℃、0.11kPaの条件下蒸留を行い、留分49.3gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は46質量ppmであった。
また、仕込みのテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(ジルコニウム濃度1000質量ppm)からの収率は60質量%であった。
【実施例3】
【0038】
500mLの5つ口ガラスフラスコに滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が733質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物[(CF3SO22O](29.5g,104mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0039】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分69.5gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は80質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は2.4質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は31.7gであり、ジルコニウム濃度は2112質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は33.8質量%であった。
【0040】
続いて、得られた留分65.0gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](8.8g,111mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分49.0gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は、66質量ppmであり、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は10質量ppm以下に減少していた。
尚、減圧蒸留後の底部残留物は7.5gであり、ジルコニウム濃度は147質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は16.7質量%であった。
【0041】
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)45.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ターシャリブタノール(C410O)(57.1g,772mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を78℃、0.11kPaの条件下蒸留を行い、留分44.5gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は65質量ppmであった。
【0042】
また、仕込みのテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(ジルコニウム濃度733質量ppm)からの収率は51質量%であった。
【実施例4】
【0043】
500mLの5つ口ガラスフラスコに滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が733質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロ酢酸(CF3CO2H)(11.9g,104mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0044】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分58.4gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は388質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロ酢酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロ酢酸イオン濃度は2.7質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は26.5gであり、ジルコニウム濃度は1786質量ppm、トリフルオロ酢酸イオン濃度は35.7質量%であった。
【0045】
続いて、得られた留分55.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロ酢酸(CF3CO2H)(6.5g,57mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0046】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分32.1gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は205質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロ酢酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロ酢酸イオン濃度は2.8質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は14.6gであり、ジルコニウム濃度は1011質量ppm、トリフルオロ酢酸イオン濃度は48.6質量%であった。
【0047】
続いて、得られた留分30.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロ酢酸(CF3CO2H)(3.6g,31mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0048】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分17.5gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は99質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロ酢酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロ酢酸イオン濃度は2.6質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は8.0gであり、ジルコニウム濃度は534質量ppm、トリフルオロ酢酸イオン濃度は49.4質量%であった。
【0049】
続いて、得られた留分15gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](0.6g,8mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分13.4gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は、93質量ppmであり、留分中のトリフルオロ酢酸イオン濃度は10質量ppm以下に減少していた。
【0050】
尚、減圧蒸留後の底部残留物は1.0gであり、ジルコニウム濃度は255質量ppm、トリフルオロ酢酸イオン濃度は44.0質量%であった。
【0051】
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)10.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ターシャリブタノール(C410O)(12.7g,171mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を78℃、0.11kPaの条件下蒸留を行い、留分9.9gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は91質量ppmであった。
【0052】
また、仕込みのテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(ジルコニウム濃度733質量ppm)からの収率は17質量%であった。
【実施例5】
【0053】
500mLの5つ口ガラスフラスコに滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が733質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、0℃に冷却した後、メタンスルホン酸(CH3SO3H)(10.0g,104mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0054】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分67.2gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は258質量ppmまで減少していた。また、留分中のメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、メタンスルホン酸イオン濃度は2.5質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は27.0gであり、ジルコニウム濃度は2003質量ppm、メタンスルホン酸イオン濃度は30.6質量%であった。
【0055】
続いて、得られた留分を65.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、メタンスルホン酸(CH3SO3H)(6.5g,68mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0056】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分43.7gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は91質量ppmまで減少していた。また、留分中のメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、メタンスルホン酸イオン濃度は2.6質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は17.6gであり、ジルコニウム濃度は730質量ppm、メタンスルホン酸イオン濃度は39.7質量%であった。
【0057】
続いて、得られた留分40.0gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](1.7g,21.5mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分30.2gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は、86質量ppmであり、留分中のメタンスルホン酸イオン濃度は10質量ppm以下に減少していた。
【0058】
尚、減圧蒸留後の底部残留物は2.5gであり、ジルコニウム濃度は410質量ppm、メタンスルホン酸イオン濃度は42.3質量%であった。
【0059】
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)25.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ターシャリブタノール(C410O)(31.8g,429mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を78℃、0.11kPaの条件下蒸留を行い、留分24.8gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は85質量ppmであった。
【0060】
また、仕込みのテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(ジルコニウム濃度733質量ppm)からの収率は33質量%であった。
【実施例6】
【0061】
500mLの5つ口ガラスフラスコに粉末滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が733質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、0℃に冷却した後、ベンゼンスルホン酸(C65SO3H)(16.5g,104mmol)を粉末滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0062】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分70.5gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は341質量ppmまで減少していた。また、留分中のベンゼンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、ベンゼンスルホン酸イオン濃度は0.1質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は34.0gであり、ジルコニウム濃度は1450質量ppm、ベンゼンスルホン酸イオン濃度は47.4質量%であった。
【0063】
続いて得られた留分65.0gを粉末滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ベンゼンスルホン酸(C65SO3H)(10.7g,67mmol)を粉末滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0064】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分45.8gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は158質量ppmまで減少していた。また、留分中のベンゼンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、ベンゼンスルホン酸イオン濃度は0.2質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は22.1gであり、ジルコニウム濃度は674質量ppm、ベンゼンスルホン酸イオン濃度は48.5質量%であった。
【0065】
続いて得られた留分40.0gを粉末滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ベンゼンスルホン酸(C65SO3H)(6.6g,41mmol)を粉末滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0066】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分28.2gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は74質量ppmまで減少していた。また、留分中のベンゼンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、ベンゼンスルホン酸イオン濃度は0.1質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は13.6gであり、ジルコニウム濃度は313質量ppm、ベンゼンスルホン酸イオン濃度は48.6質量%であった。
【0067】
続いて、得られた留分25.0gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](0.1g,1mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分24.0gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は、72質量ppmであり、留分中のベンゼンスルホン酸イオン濃度は10質量ppm以下に減少していた。
尚、減圧蒸留後の底部残留物は0.7gであり、ジルコニウム濃度は147質量ppm、ベンゼンスルホン酸イオン濃度は3.6質量%であった。
【0068】
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)20.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ターシャリブタノール(C410O)(25.4g,343mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を78℃、0.11kPaの条件下蒸留を行い、留分19.9gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は70質量ppmであった。
【0069】
また、仕込みのテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(ジルコニウム濃度733質量ppm)からの収率は33質量%であった。
【実施例7】
【0070】
500mLの5つ口ガラスフラスコに粉末滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が1000質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、0℃に冷却した後、メタンスルホン酸無水物[(CH3SO22O](18.0g,104mmol)を粉末滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0071】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分69.0gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は195質量ppmまで減少していた。また、留分中のメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、メタンスルホン酸イオン濃度は1.7質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は35.0gであり、ジルコニウム濃度は2471質量ppm、メタンスルホン酸イオン濃度は25.0質量%であった。
【0072】
続いて、得られた留分65.0gを粉末滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、メタンスルホン酸無水物[(CH3SO22O](11.7g,68mmol)を粉末滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0073】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分44.8gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は38質量ppmまで減少していた。また、留分中のメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、メタンスルホン酸イオン濃度は1.6質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は22.8gであり、ジルコニウム濃度は483質量ppm、メタンスルホン酸イオン濃度は52.4質量%であった。
【0074】
続いて、得られた留分40.0gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](1.1g,13.9mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分38.3gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は、36質量ppmであり、留分中のメタンスルホン酸イオン濃度は10質量ppm以下に減少していた。
尚、減圧蒸留後の底部残留物は1.1gであり、ジルコニウム濃度は117質量ppm、メタンスルホン酸イオン濃度は55.1質量%であった。
【0075】
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)35.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ターシャリブタノール(C410O)(44.4g,600mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を78℃、0.11kPaの条件下蒸留を行い、留分34.7gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は35質量ppmであった。
【0076】
また、仕込みのテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(ジルコニウム濃度1000質量ppm)からの収率は45質量%であった。
【実施例8】
【0077】
500mLの5つ口ガラスフラスコに滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が900質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(3.5g,23mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0078】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分95.8gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は492質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は1.6質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は6.5gであり、ジルコニウム濃度は6591質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は28.5質量%であった。
【0079】
続いて、得られた留分90.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(3.1g,21mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0080】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分83.9gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は163質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は1.7質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は7.2gであり、ジルコニウム濃度は4250質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は41.1質量%であった。
【0081】
続いて、上記工程で得られた留分80.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(2.8g,19mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0082】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分71.4gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は48質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は1.4質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は9.6gであり、ジルコニウム濃度は997質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は31.5質量%であった。
【0083】
続いて、上記工程で得られた留分65.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(2.3g,15mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0084】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分60.2gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は20質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は1.5質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は4.6gであり、ジルコニウム濃度は413質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は47.3質量%であった。
【0085】
続いて、上記工程で得られた留分55.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(2.0g,13mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0086】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分49.7gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は6質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は1.6質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は5.7gであり、ジルコニウム濃度は138質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は33.2質量%であった。
【0087】
続いて、上記工程で得られた留分45.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(1.6g,11mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0088】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分40.5gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は2質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は1.6質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は6.8gであり、ジルコニウム濃度は27質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は23.6質量%であった。
【0089】
続いて、上記工程で得られた留分35.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(1.2g,8mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0090】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分31.1gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は0.8質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は1.5質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は3.5gであり、ジルコニウム濃度は11質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は34.2質量%であった。
【0091】
続いて、上記工程で得られた留分25.0gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](1.0g,13mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分24.5gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は0.7質量ppmであり、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は10質量ppm以下に減少していた。
尚、減圧蒸留後の底部残留物は1.3gであり、ジルコニウム濃度は2.2質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は13.2質量%であった。
【0092】
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)20.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ターシャリブタノール(C410O)(25.3g,343mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を78℃、0.11kPaの条件下蒸留を行い、留分19.8gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は0.6質量ppmであった。
【0093】
また、仕込みのテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(ジルコニウム濃度900質量ppm)からの収率は51質量%であった。
【実施例9】
【0094】
500mLの5つ口ガラスフラスコに滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が1000質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(15.6g,104mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0095】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分66.5gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は138質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は2.1質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は35.0gであり、ジルコニウム濃度は1884質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は29.0質量%であった。
【0096】
続いて得られた留分65gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(10.1g,67mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0097】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分43.3gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は19質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は2.0質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は22.8gであり、ジルコニウム濃度は355質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は45.1質量%であった。
【0098】
続いて、得られた留分40.0gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](1.0g,13mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分38.1gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は16質量ppmであり、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は10質量ppm以下に減少していた。
尚、減圧蒸留後の底部残留物は1.7gであり、ジルコニウム濃度は30質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は6.8質量%であった。
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)20.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、アセチルアセトン(C582)(34.3g,343mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を82℃、0.13Paの条件下蒸留を行い、留分23.4gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は16質量ppmであった。
また、仕込みのテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(ジルコニウム濃度1000質量ppm)からの収率は39質量%であった。
【実施例10】
【0099】
500mLの5つ口ガラスフラスコに滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が1000質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(200.0g,428mmol)を仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(21.2g,208mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0100】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分134.2gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は137質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は2.0質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は68.5gであり、ジルコニウム濃度は1884質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は29.0質量%であった。
【0101】
続いて得られた留分130gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(20.1g,134mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0102】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分86.9gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は18質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は2.1質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は45.4gであり、ジルコニウム濃度は355質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は46.3質量%であった。
【0103】
続いて、得られた留分80.0gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](2.0g,26mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分76.3gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は18質量ppmであり、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は10質量ppm以下に減少していた。
尚、減圧蒸留後の底部残留物は5.5gであり、ジルコニウム濃度は30質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は6.8質量%であった。
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)70.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール(C5122)(93.6g,900mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を135℃、1.33Paの条件下蒸留を行い、留分84.2gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は18質量ppmであった。
また、仕込みのテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(ジルコニウム濃度1000質量ppm)からの収率は41質量%であった。
【実施例11】
【0104】
500mLの5つ口ガラスフラスコに滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が1000質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(15.6g,104mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0105】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分66.5gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は138質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は2.1質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は35.0gであり、ジルコニウム濃度は1884質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は29.0質量%であった。
【0106】
続いて得られた留分65gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(10.1g,67mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0107】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分43.3gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は19質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は2.0質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は22.8gであり、ジルコニウム濃度は355質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は45.1質量%であった。
【0108】
続いて、得られた留分40.0gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](1.0g,13mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分38.1gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は16質量ppmであり、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は10質量ppm以下に減少していた。
【0109】
尚、減圧蒸留後の底部残留物は1.7gであり、ジルコニウム濃度は30質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は6.8質量%であった。
【0110】
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)20.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ターシャリアミルアルコール(C512O)(30.2g,343mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を125℃、0.4kPaの条件下蒸留を行い、留分21.4gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は18質量ppmであった。
【0111】
また、仕込みのテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(ジルコニウム濃度1000質量ppm)からの収率は39質量%であった。
【実施例12】
【0112】
500mLの5つ口ガラスフラスコに滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が1000質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(15.6g,104mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0113】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分66.5gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は138質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は2.1質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は35.0gであり、ジルコニウム濃度は1884質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は29.0質量%であった。
【0114】
続いて得られた留分65gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(10.1g,67mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0115】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分43.3gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は19質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は2.0質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は22.8gであり、ジルコニウム濃度は355質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は45.1質量%であった。
【0116】
続いて、得られた留分40.0gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](1.0g,13mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分38.1gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は16質量ppmであり、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は10質量ppm以下に減少していた。
【0117】
尚、減圧蒸留後の底部残留物は1.7gであり、ジルコニウム濃度は30質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は6.8質量%であった。
【0118】
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)20.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、3−メチル−3−ペンタノール(C614O)(35.0g,343mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を130℃、0.13kPaの条件下蒸留を行い、留分23.7gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は20質量ppmであった。
【0119】
また、仕込みのテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(ジルコニウム濃度1000質量ppm)からの収率は39質量%であった。
【実施例13】
【0120】
500mLの5つ口ガラスフラスコに滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が1000質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(15.6g,104mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0121】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分66.5gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は138質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は2.1質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は35.0gであり、ジルコニウム濃度は1884質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は29.0質量%であった。
【0122】
続いて得られた留分65gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(10.1g,67mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。
【0123】
この反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分43.3gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は19質量ppmまで減少していた。また、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーにより測定したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は2.0質量%であった。尚、減圧蒸留後の底部残留物は22.8gであり、ジルコニウム濃度は355質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は45.1質量%であった。
【0124】
続いて、得られた留分40.0gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](1.0g,13mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分38.1gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は16質量ppmであり、留分中のトリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は10質量ppm以下に減少していた。
【0125】
尚、減圧蒸留後の底部残留物は1.7gであり、ジルコニウム濃度は30質量ppm、トリフルオロメタンスルホン酸イオン濃度は6.8質量%であった。
【0126】
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)20.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ヘキサフロオロアセチルアセトン(C5622)(71.3g,343mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を120℃、13.3Paの条件下蒸留を行い、留分40.9gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は34質量ppmであった。
また、仕込みのテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(ジルコニウム濃度1000質量ppm)からの収率は39質量%であった。
[比較例1]
トリフルオロメタンスルホン酸を添加しないこと以外は実施例1と同様の方法で行った。500mLの5つ口ガラスフラスコに滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が1000質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分98gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は950質量ppmであった。
【0127】
続いて、得られた留分95.0gを還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](1.5g,19mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分94.9gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は950質量ppmであった。
【0128】
続いて、上記工程で得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)90.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ターシャリブタノール(C410O)(114.2g,1543mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を78℃、0.11kPaの条件下蒸留を行い、留分89.1gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は948質量ppmであった。
[比較例2]
500mLの5つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジルコニウム濃度が1000質量ppmであるテトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}(100.0g,214mmol)を仕込み、このフラスコにリチウムジエチルアミド[LiN(C252](1.5g,19mmol)を添加し、25℃で1時間攪拌した。次いでこの反応液を125℃、0.12kPaの条件下蒸留を行い、留分100.0gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラキスジエチルアミドハフニウム{Hf[N(C2524}であり、留分中のジルコニウム濃度は985質量ppmであった。
【0129】
続いて、得られた留分(テトラキスジエチルアミドハフニウム)95.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、ターシャリブタノール(C410O)(120.6g,1629mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を78℃、0.11kPaの条件下蒸留を行い、留分94.1gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は983質量ppmであった。
【0130】
続いて、上記工程で得られたテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]90.0gを滴下漏斗、還流冷却器、温度計及び攪拌機の付いた500mLの5つ口ガラスフラスコに仕込み、0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)(3.2g,21.3mmol)を滴下漏斗より、1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら20℃まで昇温させた。この反応液を78℃、0.11kPaの条件下蒸留を行い、留分66.2gを得た。得られた留分は、1HNMRより、テトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]が主成分であり、留分中のジルコニウム濃度をICP発光装置により測定したところ、ジルコニウム濃度は980質量ppmであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式:Hf[N(R1)(R2)]4で示されるハフニウムアミド錯体に一般式:A(OyXOnfmで示されるカルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第1の工程)、
第1の工程により得られる留分に一般式:Li(NR34)で示されるリチウムアルキルアミドを添加した後、減圧蒸留を行う工程(第2の工程)、
第2の工程により得られる留分にターシャリブタノール(C410O)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程a)によるテトラターシャリブトキシハフニウム[Hf(C49O)4]の製造方法。
(式中において、R1及びR2はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わし、Aは水素原子、酸素原子、又はハフニウム原子を表わす。
Xは、Aが水素原子又は酸素原子の場合、炭素原子又は硫黄原子を表わし、Aがハフニウム原子の場合、硫黄原子を表わす。Aが水素原子、Xが炭素原子の場合、mは1、nは1、yは1を表わす。Aが水素原子、Xが硫黄原子の場合、mは1、nは2、yは1を表わす。Aが酸素原子、Xが炭素原子の場合、mは2、nは1、yは0を表わす。Aが酸素原子、Xが硫黄原子の場合、mは2、nは2、yは0を表わす。Aがハフニウム原子の場合、mは4、nは2、yは1を表す。Aが水素原子又は酸素原子の場合、Rfは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数4〜12のヘテロアリール基を表わす。
Aがハフニウム原子の場合、Rfは炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基を表わす。R3及びR4はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わす。)
【請求項2】
一般式:Hf[N(R1)(R2)]4で示されるハフニウムアミド錯体に一般式:A(OyXOnfmで示されるカルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第1の工程)、
第1の工程により得られる留分に一般式:Li(NR34)で示されるリチウムアルキルアミドを添加した後、減圧蒸留を行う工程(第2の工程)、
第2の工程により得られる留分にアセチルアセトン(C582)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程b)によるテトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C5724]の製造方法。
(式中において、R1及びR2はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わし、Aは水素原子、酸素原子、又はハフニウム原子を表わす。
Xは、Aが水素原子又は酸素原子の場合、炭素原子又は硫黄原子を表わし、Aがハフニウム原子の場合、硫黄原子を表わす。Aが水素原子、Xが炭素原子の場合、mは1、nは1、yは1を表わす。Aが水素原子、Xが硫黄原子の場合、mは1、nは2、yは1を表わす。Aが酸素原子、Xが炭素原子の場合、mは2、nは1、yは0を表わす。Aが酸素原子、Xが硫黄原子の場合、mは2、nは2、yは0を表わす。Aがハフニウム原子の場合、mは4、nは2、yは1を表す。Aが水素原子又は酸素原子の場合、Rfは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数4〜12のヘテロアリール基を表わす。
Aがハフニウム原子の場合、Rfは炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基を表わす。R3及びR4はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わす。)
【請求項3】
一般式:Hf[N(R1)(R2)]4で示されるハフニウムアミド錯体に一般式:A(OyXOnfmで示されるカルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第1の工程)、
第1の工程により得られる留分に一般式:Li(NR34)で示されるリチウムアルキルアミドを添加した後、減圧蒸留を行う工程(第2の工程)、
第2の工程により得られる留分に1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール(C5122)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程c)によるテトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノラト)ハフニウム[Hf(C51124]の製造方法。
(式中において、R1及びR2はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わし、Aは水素原子、酸素原子、又はハフニウム原子を表わす。
Xは、Aが水素原子又は酸素原子の場合、炭素原子又は硫黄原子を表わし、Aがハフニウム原子の場合、硫黄原子を表わす。Aが水素原子、Xが炭素原子の場合、mは1、nは1、yは1を表わす。Aが水素原子、Xが硫黄原子の場合、mは1、nは2、yは1を表わす。Aが酸素原子、Xが炭素原子の場合、mは2、nは1、yは0を表わす。Aが酸素原子、Xが硫黄原子の場合、mは2、nは2、yは0を表わす。Aがハフニウム原子の場合、mは4、nは2、yは1を表す。Aが水素原子又は酸素原子の場合、Rfは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数4〜12のヘテロアリール基を表わす。
Aがハフニウム原子の場合、Rfは炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基を表わす。R3及びR4はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わす。)
【請求項4】
一般式:Hf[N(R1)(R2)]4で示されるハフニウムアミド錯体に一般式:A(OyXOnfmで示されるカルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第1の工程)、
第1の工程により得られる留分に一般式:Li(NR34)で示されるリチウムアルキルアミドを添加した後、減圧蒸留を行う工程(第2の工程)、
第2の工程により得られる留分にターシャリアミルアルコール(C512O)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程d)によるテトラターシャリアミルオキシハフニウム[Hf(C511O)4]の製造方法。
(式中において、R1及びR2はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わし、Aは水素原子、酸素原子、又はハフニウム原子を表わす。
Xは、Aが水素原子又は酸素原子の場合、炭素原子又は硫黄原子を表わし、Aがハフニウム原子の場合、硫黄原子を表わす。Aが水素原子、Xが炭素原子の場合、mは1、nは1、yは1を表わす。Aが水素原子、Xが硫黄原子の場合、mは1、nは2、yは1を表わす。Aが酸素原子、Xが炭素原子の場合、mは2、nは1、yは0を表わす。Aが酸素原子、Xが硫黄原子の場合、mは2、nは2、yは0を表わす。Aがハフニウム原子の場合、mは4、nは2、yは1を表す。Aが水素原子又は酸素原子の場合、Rfは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数4〜12のヘテロアリール基を表わす。
Aがハフニウム原子の場合、Rfは炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基を表わす。R3及びR4はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わす。)
【請求項5】
一般式:Hf[N(R1)(R2)]4で示されるハフニウムアミド錯体に一般式:A(OyXOnfmで示されるカルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第1の工程)、
第1の工程により得られる留分に一般式:Li(NR34)で示されるリチウムアルキルアミドを添加した後、減圧蒸留を行う工程(第2の工程)、
第2の工程により得られる留分に3−メチル−3−ペンタノール(C614O)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程e)によるテトラキス(3−メチル−3−ペントキシ)ハフニウム[Hf(C613O)4]の製造方法。
(式中において、R1及びR2はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わし、Aは水素原子、酸素原子、又はハフニウム原子を表わす。
Xは、Aが水素原子又は酸素原子の場合、炭素原子又は硫黄原子を表わし、Aがハフニウム原子の場合、硫黄原子を表わす。Aが水素原子、Xが炭素原子の場合、mは1、nは1、yは1を表わす。Aが水素原子、Xが硫黄原子の場合、mは1、nは2、yは1を表わす。Aが酸素原子、Xが炭素原子の場合、mは2、nは1、yは0を表わす。Aが酸素原子、Xが硫黄原子の場合、mは2、nは2、yは0を表わす。Aがハフニウム原子の場合、mは4、nは2、yは1を表す。Aが水素原子又は酸素原子の場合、Rfは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数4〜12のヘテロアリール基を表わす。
Aがハフニウム原子の場合、Rfは炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基を表わす。R3及びR4はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わす。)
【請求項6】
一般式:Hf[N(R1)(R2)]4で示されるハフニウムアミド錯体に一般式:A(OyXOnfmで示されるカルボニル基又はスルホニル基を含有する化合物を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第1の工程)、
第1の工程により得られる留分に一般式:Li(NR34)で示されるリチウムアルキルアミドを添加した後、減圧蒸留を行う工程(第2の工程)、
第2の工程により得られる留分にヘキサフロオロアセチルアセトン(C5622)を添加した後、減圧蒸留を行う工程(第3の工程f)によるテトラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ハフニウム[Hf(C56HO24]の製造方法。
(式中において、R1及びR2はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わし、Aは水素原子、酸素原子、又はハフニウム原子を表わす。
Xは、Aが水素原子又は酸素原子の場合、炭素原子又は硫黄原子を表わし、Aがハフニウム原子の場合、硫黄原子を表わす。Aが水素原子、Xが炭素原子の場合、mは1、nは1、yは1を表わす。Aが水素原子、Xが硫黄原子の場合、mは1、nは2、yは1を表わす。Aが酸素原子、Xが炭素原子の場合、mは2、nは1、yは0を表わす。Aが酸素原子、Xが硫黄原子の場合、mは2、nは2、yは0を表わす。Aがハフニウム原子の場合、mは4、nは2、yは1を表す。Aが水素原子又は酸素原子の場合、Rfは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数4〜12のヘテロアリール基を表わす。
Aがハフニウム原子の場合、Rfは炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基を表わす。R3及びR4はそれぞれ独立で、メチル基又はエチル基を表わす。)

【公開番号】特開2009−292731(P2009−292731A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−131124(P2008−131124)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【Fターム(参考)】