説明

ハンドリング治具

【課題】被ハンドリング体を容易かつ精度よく移動させることができるハンドリング治具を提供する。
【解決手段】ハンドリング治具1は、グリップ2と、このグリップ2に回動自在に取り付けられたレバー3と、グリップ2に取り付けられた固定アーム4と、レバー3に取り付けられた回動アーム5とからなる、フォトマスク基板10を保持するハンドリング治具1であって、フォトマスク基板10を保持した状態のハンドリング治具1の重量バランスを、グリップ2の被ハンドリング体側の端部を支点とする平衡状態とした構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドリング治具に関し、特に、衝撃等を与えることなく慎重に取り扱われる被ハンドリング体(たとえば、フォトマスク基板などの電子デバイス等)を対象とし、被ハンドリング体を容易かつ精度よく移動させることができるハンドリング治具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体装置,表示装置,撮像装置、あるいは、これらの製造におけるリソグラフィー工程において用いられるフォトマスク,磁気記録媒体等の電子デバイスは、各製造工程ごとに異なる複数の製造装置を用いて製造される。たとえば、半導体装置,表示装置,撮像装置等の製造に用いられるフォトマスクは、透明基板上に微細加工された遮光膜パターンが形成されたものが代表的であるが、フォトマスク用ガラス基板に遮光膜を成膜する成膜装置,遮光膜上にレジストを塗布する塗布装置,レジスト膜にパターン描画を施す描画装置,レジストを現像する現像装置,遮光膜をエッチングするエッチング装置,洗浄装置,各種検査装置など、多数の装置が用いられる。各装置においては、処理部へ移送するための移送手段(ローダー)を備えているのが一般的であるが、装置どうしを連結する連結移送手段を備えていない。このため、作業者が、ハンドリング治具を用いてフォトマスク用ガラス基板,フォトマスクブランク(透明基板上に遮光膜が形成されたフォトマスクの素材),及びフォトマスク等(以下、これらフォトマスクを製造する段階を含めた基板を、フォトマスク基板と総称する。)を移動させ、各装置の移送手段に取付け及び取外しを行っている。
【0003】
また、上記フォトマスク基板は、たとえば、縦寸法×横寸法×厚さが、約150mm×150mm×7mmであり、重量が約300gである。このフォトマスク基板を、ハンドリング治具を用いて保持し移動させる際、通常、作業者は、フォトマスク基板が保持されたハンドリング治具を片手又は両手で持つこととなる。また、保持されたフォトマスク基板を移送手段に取り付ける際、フォトマスク基板を位置決めする必要があり、ハンドリング治具は、被ハンドリング体を保持した状態において、操作性に優れている必要がある。
このような要望を満足すべく、様々なハンドリング治具が開発されてきた。
【0004】
たとえば、特許文献1には、被搬送用平板(被ハンドリング体)の側部を保持するための保持部に先端が固定され、被搬送用平板上領域の外側に位置するような形状の第1腕部及び第2腕部が回転支点軸を枢軸として接続された鋏状構造を有するハンドリング治具の技術が開示されている。
このハンドリング治具は、上下ハンド板を閉めることにより、被ハンドリング体を保持することができる。
【0005】
また、特許文献2には、ほぼ平行に配置された一対のアームと四つの係止部を備えたフォトマスク基板の持ち運び治具の技術が開示されている。
この持ち運び治具によれば、第2のレバーを操作してフォトマスク基板を保持すると、第2のレバーに作用する付勢力によって、フォトマスク基板を保持した状態を維持することができる。
【特許文献1】特開2000−174107号公報 (請求項1、図1,2,3)
【特許文献2】実開平6−26261号公報 (請求項1、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のハンドリング治具は、ハンドリング治具の手前側端部(上下ハンド板の取手部)を作業者が握り締めることにより、ハンドリング治具の被ハンドリング体側に被ハンドリング体が保持される。このため、作業者は、被ハンドリング体をオーバーハング状態で持ち上げて移動させなければならず、被ハンドリング体とハンドリング治具の重量に加え、オーバーハングによるモーメントをも支える大きな力を必要とするといった問題があった。
また、被ハンドリング体を移動させる際、オーバーハングによるモーメントを支える大きな力を必要とするので、被ハンドリング体を精度よく位置決めするといった細かな移動を行うことが困難となり、精度よく移動させることができないといった問題があった。
【0007】
また、上記特許文献2のフォトマスク基板の持ち運び治具は、特許文献1のハンドリング治具と同様に、作業者が、被ハンドリング体をオーバーハングした状態で持ち上げなければならず、被ハンドリング体と持ち運び治具の重量に加え、オーバーハングによるモーメントをも支える大きな力を必要とするといった問題や、精度よく移動させることができないといった問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決すべく、被ハンドリング体を容易かつ精度よく移動させることができるハンドリング治具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のハンドリング治具は、被ハンドリング体を保持する保持部と、この保持部と連結され、人手により把持される把持部を有するハンドリング治具であって、前記被ハンドリング体を保持した状態の前記ハンドリング治具における、被ハンドリング体側と把持部側との重量バランスが平衡状態となる支点を、前記把持部の被ハンドリング体側の端部付近に設定した構成としてある。
このようにすると、作業者が把持部の被ハンドリング体側の端部を掴むことにより、オーバーハングによるモーメントを受けなくてもすむので、被ハンドリング体を容易かつ精度よく移動させることができる。また、作業者の手が被ハンドリング体に近づくことによっても、移動精度を向上させることができる。
【0010】
また、本発明のハンドリング治具は、前記保持部が、前記被ハンドリング体を挟持する、固定アーム及び該固定アームに対して、回動又は往復移動自在に取り付けられた駆動アームと、該駆動アームを操作するレバーとを備え、かつ、前記把持部を、グリップとした構成としてある。
このように、ハンドリング治具は、保持部が被ハンドリング体を挟持する構成であってもよい。なお、保持部の構成は、上記構成に限定されるものではなく、たとえば、吸着などを利用して保持する構成としてもよい。
【0011】
また、本発明のハンドリング治具は、前記把持部が、重りを備えた構成としてある。
このようにすると、把持部を効果的に重くすることができるので、把持部を大きくしたりあるいは長くしたりしなくても、重量バランスを平衡状態とすることができる。
【0012】
また、本発明のハンドリング治具は、前記重りを、交換可能に取り付けた構成としてある。
このようにすると、異なる被ハンドリング体に応じて、重りを交換することにより、重量バランスを効率よく平衡状態とすることができる。
【0013】
また、本発明のハンドリング治具は、前記把持部の被ハンドリング体側の端部に、凸部及び/又は凹部を設けた構成としてある。
このようにすると、把持部の被ハンドリング体側の端部を掴むと、指が凸部及び/又は凹部と当接し、作業者の手からグリップが滑り落ちるといった不具合を防止することができる。
【0014】
また、本発明のハンドリング治具は、前記被ハンドリング体を、フォトマスク基板としてある。
このようにすると、フォトマスク基板のオーバーハングによるモーメントを受けなくてもすむので、フォトマスク基板を容易かつ精度よく移動させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のハンドリング治具は、被ハンドリング体を保持したハンドリング治具の重量バランスを、把持部の被ハンドリング体側の端部を支点として平衡状態としてあるので、把持部の被ハンドリング体側の端部を掴むことにより、オーバーハングによるモーメントを受けずに、被ハンドリング体を容易かつ精度よく移動させることができる。
また、把持部の被ハンドリング体側の端部に、凸部及び/又は凹部を設けることにより、把持部の被ハンドリング体側の端部を掴むと、指が凸部及び/又は凹部と当接し、作業者の手から把持部が滑り落ちるといった不具合を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1aは、本発明の第一実施形態にかかるハンドリング治具の全体的な構造を説明するための概略上面図を示している。
また、図1bは、本発明の第一実施形態にかかるハンドリング治具の全体的な構造を説明するための概略側面図を示している。
さらに、図1cは、本発明の第一実施形態にかかるハンドリング治具の全体的な構造を説明するための概略下面図を示している。
同図において、ハンドリング治具1は、把持部としてのグリップ2と、このグリップ2に回動自在に軸支されたレバー3と、グリップ2に取り付けられた固定アーム4と、この固定アーム4と対をなす、レバー3に取り付けられた回動アーム5と、固定アーム4及び回動アーム5の先端に取り付けられる爪6とからなっている。ここで、レバー3,固定アーム4,回動アーム5及び爪6が保持部として機能する。
なお、ハンドリング治具1は、フォトマスク基板10をハンドリングする治具としてあるが、被ハンドリング体としては、フォトマスク基板10に限定されるものではない。
【0017】
(グリップ)
グリップ2は、樹脂製の四角棒としてあり、被ハンドリング体側の端部に段差状の凸部30を設けた構成としてある。このようにすると、作業者が、グリップ2の被ハンドリング体側の端部を掴むと、親指が凸部30と当接し、人差し指,中指,薬指及び小指がレバー3に掛かる状態となり、親指が凸部30に掛かるので、作業者の手からグリップ2が滑り落ちるといった不具合を防止することができる。
なお、本実施形態では、凸部30を設けた構成としてあるが、この構成に限定されるものではなく、たとえば、図示してないが、凹部や、凸部及び凹部を設ける構成としてもよい。
【0018】
また、グリップ2は、フォトマスク基板10を保持したハンドリング治具1における、被ハンドリング体側と把持部側との重量バランスが平衡状態となる支点を、グリップ2の被ハンドリング体側の端部付近に設定するために、手前側に長く形成してある。このようにすると、同図(b)に示すように、作業者は、グリップ2の被ハンドリング体側の端部を掴むことにより、フォトマスク基板10とグリップ2が重量バランス的にほぼ平衡状態となり、オーバーハングによるモーメントをほとんど受けなくてもすむので、被ハンドリング体を容易に(モーメントを受けない、持ちやすい状態で)持ち上げて移動させることができる。さらに、モーメントを受けないことにより、被ハンドリング体を精度よく移動させることができる。さらに、作業者の手がフォトマスク基板10に近づくことによっても、移動精度を向上させることができる。
また、グリップ2は、四角棒(角棒)としてあるので、グリップ2の中心軸回りにグリップ2を回転させる際、丸棒と異なり滑るといった不具合を防止することができる。
【0019】
グリップ2は、被ハンドリング体側の上端部に、固定アーム4が二本のねじ41によって交換自在に固定されている。本実施形態では、被ハンドリング体側の上端部に溝21を形成し、この溝21に固定アーム4の手前側端部を嵌合させた状態で、ねじ(たとえば、十字穴付き皿小ねじ)41を用いて固定してある(図2(a)参照)。このようにすると、固定アーム4が破損した場合に容易に交換することができ、また、大きさの異なるフォトマスク基板10や保持位置の異なるフォトマスク基板10に対して、固定アーム4を交換することにより対応することができるので、グリップ2やレバー3等の主要部を共用化することができる。
【0020】
(レバー)
レバー3は、被ハンドリング体側の端部がグリップ2に回動自在に軸支され、四角棒31がグリップ2とほぼ平行に手前側に延設された構造としてある。
また、作業者が、グリップ2の被ハンドリング体側の端部を掴むと、親指がグリップ2の凸部30と当接し、人差し指,中指,薬指及び小指がレバー3に掛かる状態となる。そして、たとえば、親指と人差し指によって、ハンドリング治具1を持ち上げ、中指,薬指及び小指によって、レバー3を開くことができる。
【0021】
また、レバー3は、被ハンドリング体側の下端部に、回動アーム5が二本のねじ51によって交換自在に固定されている。本実施形態では、被ハンドリング体側の下端部に溝32を形成し、この溝32に回動アーム5の手前側端部を嵌合させた状態で、ねじ(たとえば、十字穴付き皿小ねじ)51を用いて固定してある(図2(a)参照)。このようにすると、回動アーム5が破損した場合に容易に交換することができ、また、大きさの異なるフォトマスク基板10や保持位置の異なるフォトマスク基板10に対して、回動アーム5を交換することにより対応することができるので、グリップ2やレバー3等の主要部を共用化することができる。
上記構成とすることにより、レバー3は、開方向に回動されると、回動アーム5が開かれ、閉方向に回動されると、回動アーム5が閉じられる。
【0022】
(固定アーム)
固定アーム4は、ステンレス製の四角棒を鉤状に折り曲げた構造としてあり、手前側先端が、上述したようにグリップ2に固定され、被ハンドリング体側先端に雌ねじ(図示せず)が設けてあり、爪6が取り付けられている。
【0023】
(回動アーム)
駆動アームとしての回動アーム5は、ステンレス製の四角棒を鉤状に折り曲げた構造としてあり、手前側先端が、上述したようにレバー3に固定され、被ハンドリング体側先端に雌ねじ(図示せず)が設けてあり、爪6が取り付けられている。
【0024】
(爪)
爪6は、樹脂製の直方体状としてあり、側面に溝61を形成してある。このように、溝61を設けることにより、フォトマスク基板10を溝61に係止した状態で、保持することができる。
また、固定アーム4に取り付けられた爪6と回動アーム5に取り付けられた爪6は、同じ高さに対向して配設してある。
なお、爪6は、固定アーム4及び回動アーム5に交換自在に、たとえば、ねじ(図示せず)により固定されており、このようにすることにより、フォトマスク基板10の厚さに応じて、爪6を容易に交換することができ、グリップ2及びレバー3等の主要部を共用化することができる。
【0025】
(軸支機構)
次に、ハンドリング治具1の軸支機構について、図面を参照して説明する。
図2は、本発明の第一実施形態にかかるハンドリング治具の軸支機構を説明するための概略拡大図であり、(a)は図1aにおけるA−A断面図を、(b)はB−B断面図を示している。
同図において、グリップ2は、被ハンドリング体側の端部下面に、レバー3の被ハンドリング体側の端部を、非摺動の状態で収納する収納溝22が形成してある。また、収納溝22の被ハンドリング体側の端部に、レバー3と当接する凸部221が突設してあり、この凸部221により、閉方向に付勢されたレバー3の閉方向限界位置が設定される。
【0026】
グリップ2は、被ハンドリング体側の端部両側面に対向するように配設されたホルダー25及びすり割り付き止めねじ27を介して、固定軸26の両端を支持している。
また、グリップ2は、溝21の手前側上面から、レバー3に向けて、雌ねじ28が形成され、さらに、雌ねじ28とほぼ同径の貫通孔281が穿設してあり、伸縮ばね(駆動用ばね)29が取り付けられる。
伸縮ばね29は、貫通孔281に貫入され、先端部がレバー3の位置決め穴34に係止された状態で、すり割付き止めねじ291が雌ねじ28に締め込まれることにより、レバー3を閉方向に付勢する。
【0027】
また、伸縮ばね29は、先端部がレバー3の位置決め穴34に係止されているので、レバー3が、固定軸26の固定軸方向を左右に移動すると復元力が作用し、レバー3がグリップ2と接触しないように所定のクリアランスCを確保することができる。このようにすると、レバー3を回動させても、レバー3とグリップ2が摺動しないので、擦れによる磨耗粉の発生を防ぐことができる。
【0028】
レバー3は、両側からボールベアリング33が埋設してあり、このボールベアリング33には、固定軸26が貫通される。このように、ボールベアリング33を使用することにより、レバー3が回動されても、ボールベアリング33内のボール(図示せず)が回転するので、磨耗粉の発生量を大幅に低減することができる。
【0029】
このように、本実施形態のハンドリング治具1は、フォトマスク基板10を保持したハンドリング治具1の重量バランスが、グリップ2の被ハンドリング体側の端部を支点として平衡状態となるように、グリップ2を手前側に長く形成してある。作業者は、グリップ2の被ハンドリング体側の端部を掴むことにより、フォトマスク基板10とグリップ2が重量バランス的に平衡状態となり、オーバーハングによるモーメントをほとんど受けなくてもすむので、被ハンドリング体を容易かつ精度よく移動させることができる。
また、ハンドリング治具1は、グリップ2の被ハンドリング体側の端部に、凸部30を設けてあり、作業者が、グリップ2の被ハンドリング体側の端部を掴むと、親指が凸部30と当接し、作業者の手からグリップ2が滑り落ちるといった不具合を防止することができる。
【0030】
[第二実施形態]
図3は、本発明の第二実施形態にかかるハンドリング治具のグリップの構造を説明するための概略図であり、(a)は上面図を、(b)は側面図を、(c)は正面図を示している。
同図において、ハンドリング治具1aは、第一実施形態と比較して、グリップ2aが、重り200を備えた点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様としてある。
したがって、図3において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0031】
(重り)
重り200は、ステンレス等の金属製の重りであり、円柱部201と、円柱部201の一方の端面に突設された雄ねじ部202と、円柱部201のもう一方の端面に設けられた雌ねじ203とからなっている。
この重り200は、雄ねじ部202が、グリップ2aの手前側端面に設けられた雌ねじ204に締め込まれることにより、グリップ2aと連結される。このようにすると、グリップ2aを大きくしたりあるいは長くしたりしなくても、重量バランスを平衡状態とすることができる。
また、重り200は、交換可能にグリップ2aに取り付けてあるので、異なるフォトマスク基板10に応じて、重り200を交換することができ、重量バランスを効率よく平衡状態とすることができる。
なお、連結された重り200は、手前側端面に、雌ねじ203が設けてあるので、必要に応じて、重り200を追加して連結することができる。
【0032】
このように、本実施形態のハンドリング治具1aは、フォトマスク基板10に応じて、重り200を取り付けることができるので、重量バランスを効率よく平衡状態とすることができる。
【0033】
以上、本発明のハンドリング治具について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係るハンドリング治具は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
たとえば、上記各実施形態では、ボールベアリング33を介して、レバー3がグリップ2に付勢された状態で回動自在に軸支されているが、この構成に限定されるものではなく、図示してないが、リニアベアリング等を介して、レバー3をグリップ2に往復移動自在に付勢した状態で取り付ける構成としてもよい。このようにすると、リニアベアリングのローラやボールが回転するので、磨耗粉の発生量を大幅に低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のハンドリング治具は、フォトマスク基板をハンドリングする構成に限定されるものではなく、たとえば、高度の清浄度を必要とする光学機器や医療器具等のハンドリング治具にも好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1a】本発明の第一実施形態にかかるハンドリング治具の全体的な構造を説明するための概略上面図を示している。
【図1b】本発明の第一実施形態にかかるハンドリング治具の全体的な構造を説明するための概略側面図を示している。
【図1c】本発明の第一実施形態にかかるハンドリング治具の全体的な構造を説明するための概略下面図を示している。
【図2】本発明の第一実施形態にかかるハンドリング治具の軸支機構を説明するための概略拡大図であり、(a)は図1aにおけるA−A断面図を、(b)はB−B断面図を示している。
【図3】本発明の第二実施形態にかかるハンドリング治具のグリップの構造を説明するための概略図であり、(a)は上面図を、(b)は側面図を、(c)は正面図を示している。
【符号の説明】
【0036】
1,1a ハンドリング治具
2,2a グリップ
3 レバー
4 固定アーム
5 回動アーム
6 爪
10 フォトマスク基板
20 凸部
21 溝
22 収納溝
25 ホルダー
26 固定軸
27 すり割り付き止めねじ
28 雌ねじ
29 伸縮ばね(駆動用ばね)
31 四角棒
32 溝
33 ボールベアリング
34 位置決め穴
41 ねじ
51 ねじ
61 溝
200 重り
201 円柱部
202 雄ねじ部
203 雌ねじ
204 雌ねじ
221 凸部
281 貫通孔
291 すり割付き止めねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被ハンドリング体を保持する保持部と、この保持部と連結され、人手により把持される把持部を有するハンドリング治具であって、
前記被ハンドリング体を保持した状態の前記ハンドリング治具における、被ハンドリング体側と把持部側との重量バランスが平衡状態となる支点を、前記把持部の被ハンドリング体側の端部付近に設定したことを特徴とするハンドリング治具。
【請求項2】
前記保持部が、前記被ハンドリング体を挟持する、固定アーム及び該固定アームに対して、回動又は往復移動自在に取り付けられた駆動アームと、該駆動アームを操作するレバーとを備え、かつ、前記把持部を、グリップとしたことを特徴とする請求項1記載のハンドリング治具。
【請求項3】
前記把持部が、重りを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のハンドリング治具。
【請求項4】
前記重りを、交換可能に取り付けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハンドリング治具。
【請求項5】
前記把持部の被ハンドリング体側の端部に、凸部及び/又は凹部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハンドリング治具。
【請求項6】
前記被ハンドリング体を、フォトマスク基板としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のハンドリング治具。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−108156(P2006−108156A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288770(P2004−288770)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】