説明

ハンマビット

ハンマドリルに結合されるビット本体と;前記ビット本体に結合されるハウジングビットと;前記ハウジングビットに傾斜して昇降するように結合されて、上昇した時に、前記ビット本体の外面より回転半径が拡張し、下降された時に、前記ビット本体の外面より回転半径が縮小するウィングビットと;前記ビット本体には、前記ウィングビットとともに昇降して、前記ウィングビットが下降した時に、前記ウィングビットの上部空間を埋めるように設置される少なくとも一つのスペーサーと;を含むハンマビットである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地層を掘削することができるハンマビットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ハンマビットは、地層の構造や性状を知るために地盤を試錐する装置である。前記ハンマビットは、地層の条件や掘削の深さによって、それぞれ異なる規格及び構造が適用されることができる。
【0003】
前記ハンマビットは、埋立管を適用するか否かによって、直接掘削方法と間接掘削方法とに分けることができる。
【0004】
前記直接掘削方法は、埋立管を使用しないで、前記ハンマドリルにハンマビットを装着して地層を掘削する。前記直接掘削方法は、地層が比較的安定していたり、掘削の深さが深くなくて、掘削された穴が崩れない所に適用できる。
【0005】
前記間接掘削方法は、埋立管の内部に前記ハンマドリルとハンマビットを挿入した状態で地層を掘削する。この場合、前記ハンマビットが地層を掘削すれば、前記埋立管はハンマビットとともに掘削された穴に挿入される。前記間接掘削方法は、地層が比較的不安定であったり、掘削の深さが深い所に適用できる。
【0006】
前記間接掘削方法の場合、前記ハンマビットは、前記埋立管を掘削された穴に挿入することができるように、埋立管の下部で埋立管の直径より大きく穴を掘削する。前記ハンマビットには、掘削の深さが深くなるほど、埋立管の荷重による圧力が増加することによって、前記ハンマビットにかかる負荷(LOAD)が増加される。
【0007】
前記ハンマビットは、掘削の作業の時、一方向に回転することによって、前記ウィングビットは、周りの石や土にとらえられて開くことになる。この場合、前記ビット本体の枠には、各ウィングビットの折り畳み空間が多数形成され、前記ウィングビットは、所定の角度に回転するように、前記ヒンジ軸によって前記折り畳み空間に結合される。
【0008】
また、前記ハンマビットは、掘削の完了の時に、反対方向に回転することによって、前記ハンマビットが埋立管の内径より小さくなるように、前記ウィングビットが折り畳まれる。この場合、前記ハンマビットの全体外径が埋立管の内径より小さくなるので、前記ハンマビットを埋立管を通じて回収することができる。
【0009】
しかし、前記ハンマビットは、掘削の作業の時、ビット本体のウィングビットの折り畳み空間に、掘削された土と砕石などのスラッジが満杯になることがある。この場合、前記ハンマビットが掘削の完了の時、反対方向に回転しても、前記ウィングビットが折り畳まれなくなるので、前記ハンマビットを回収することができなかった。
【0010】
また、前記ウィングビットは、ヒンジ軸によってビット本体に結合されるので、前記ウィングビットのヒンジ軸には、ウィングビットに加えられる荷重が集中した。また、前記ハンマビットの掘削の深さが深くなるほど、前記ウィングビットのヒンジ軸に埋立管による負荷が増加するので、前記ウィングビットの破損される蓋然性が増加した。
【0011】
また、前記ウィングビットの破損可能性が増加するにしたがって、前記ハンマビットの掘削の深さが制限されるようになった。また、掘削の作業中に、ハンマビットが損傷した場合、ハンマビットの回収をあきらめたり、または他の所を掘削しなければならない場合もあった。
【0012】
また、前記ハンマビットは、ビット本体に、ウィングビットをヒンジ軸によって結合させなければならないので、前記ハンマビットの組立時間及び費用が増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記諸課題を解決するための本発明は、ウィングビットが、掘削の作業の時発生するスラッジによって折り畳めなくなることを防止することができるハンマビットを提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、ウィングビットとビット本体の結合部に集中荷重が作用することを防止することができるハンマビットを提供することを他の目的とする。
【0015】
さらに、本発明は、掘削の深さを増加させ、組立時間を短縮させて、組み立てを容易にすることができるハンマビットを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一実施形態によれば、ハンマドリルに結合されるビット本体と;前記ビット本体に結合されるハウジングビットと;前記ハウジングビットに傾斜して昇降可能に結合され、上昇した時に、前記ビット本体の外面より回転半径が拡張され、下降した時に、前記ビット本体の外面より回転半径が縮小されるウィングビットと;前記ビット本体には、前記ウィングビットとともに昇降し、前記ウィングビットが下降した時に、前記ウィングビットの上部空間を埋めるように設置される少なくとも一つのスペーサーを含むハンマビットが提供される。
【0017】
本発明の他の実施様態によれば、ハンマドリルに結合されて、埋立管に挿入されるビット本体と;前記ビット本体に結合されて、傾斜部が形成されたハウジングビットと;前記ハウジングビットの傾斜部に対応するように傾斜部が形成されて、前記ハウジングビットの傾斜部に沿って上昇されると、前記埋立管の回転半径より拡大され、前記ハウジングビットの傾斜部に沿って下降されると、前記埋立管の内面より回転半径が縮小されるウィングビットと;前記ビット本体に配置されて、前記ハウジングビットが所定の角度に回転した時に前記ウィングビットが係止されて下降することを防止するストッパと;を含むハンマビットが提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、前記ウィングビットが、掘削の作業の時発生するスラッジによって折り畳めなくなることを防止することができる効果を奏する。
【0019】
本発明によれば、前記ウィングビットとビット本体の結合部に集中荷重が作用することを防止することができる効果を奏する。
【0020】
本発明によれば、掘削の深さを増加させ、組み立て時間を短縮させて、組み立てを容易にすることができる効果を奏する。
【0021】
本発明の、上記の、そして、他の局面、特徴、および他の利点は添付図面とともに以下の詳細な説明から、より明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るハンマビットを示した断面図である。
【図2】図1のハンマビットの第1実施形態を示した分解斜視図である。
【図3】図2のハンマビットのウィングビットの構造を示した斜視図である。
【図4】図3のハンマビットのウィングビットが下降した状態を示した斜視図である。
【図5】図3のハンマビットのウィングビットが下降した状態を示した断面図である。
【図6】図3のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した斜視図である。
【図7】図3のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した断面図である。
【図8】本発明に係るハンマビットの第2実施形態を示した分解斜視図である。
【図9】図8のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した側面図である。
【図10】本発明に係るハンマビットの第3実施形態を示した分解斜視図である。
【図11】図10のハンマビットのウィングビットが下降した状態を示した斜視図である。
【図12】図11のハンマビットのウィングビットが下降した状態でストッパの位置を示した斜視図である。
【図13】図11のハンマビットのウィングビットが下降した状態でストッパの位置を示した斜視図である。
【図14】図11のハンマビットのウィングビットが下降した状態を示した断面図である。
【図15】図10のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した斜視図である。
【図16】図15のハンマビットのウィングビットが上昇した状態でストッパの位置を示した斜視図である。
【図17】図15のハンマビットのウィングビットが上昇した状態でストッパの位置を示した断面図である。
【図18】図15のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した断面図である。
【図19】本発明に係るハンマビットの第4実施形態を示した分解斜視図である。
【図20】図19のハンマビットのウィングビットが下降した状態を示した斜視図である。
【図21】図20のハンマビットのウィングビットが下降した状態でストッパの位置を示した斜視図である。
【図22】図20のハンマビットのウィングビットが下降した状態でストッパの位置を示した断面図である。
【図23】図20のハンマビットのウィングビットが下降した状態を示した断面図である。
【図24】図19のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した斜視図である。
【図25】図24のハンマビットのウィングビットが上昇した状態でストッパの位置を示した斜視図である。
【図26】図25のハンマビットのウィングビットが上昇した状態でストッパの位置を示した断面図である。
【図27】図25のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の典型的な実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明に係るハンマビットを示した断面図である。
【0025】
図1によれば、埋立管20の内部にはハンマドリル10が挿入される。前記ハンマドリル10の下部にはハンマビット100が結合される。前記ハンマドリル10は回転することによって前記ハンマビット100を駆動させる。前記ハンマドリル10は、前記ハンマビット100に空気を提供して、前記ハンマビット100を振動させる。また、前記ハンマビット100に空気が供給されると、前記ハンマビット100によって掘削された土や砕石が前記埋立管20の上側に排出される。ここで、前記ハンマドリル10から供給された一部の空気は、前記ハンマビット100を振動させるために用いられ、残余空気は、掘削された土と砕石を埋立管20を通じて、地上に排出させるために用いることができる。
【0026】
前記ハンマビット100は、一側に回転することによって前記埋立管20の直径より大きい穴を穿孔する。従って、前記ハンマビット100が地層を掘削することによって、前記埋立管20が穴の中に下降する。このような埋立管20としては鋼管を適用することができる。
【0027】
図2は、図1のハンマビットの第1実施形態を示した分解斜視図で、図3は図2のハンマビットのウィングビットの構造を示した斜視図である。
【0028】
図2及び図3によれば、前記ハンマビット100は、ビット本体110、ハウジングビット120及びウィングビット130を含むことができる。前記ハウジングビット120とウィングビット130の底面には、破砕突起部101が多数形成することができる。このような破砕突起部101は、耐磨耗性及び耐熱性に優れたタングステンカーバイトまたは工業用ダイヤモンドなどで形成することができる。
【0029】
前記ビット本体110は、前記ハンマドリル10に結合することができるように、結合部111が含まれる。前記結合部111は、前記ハンマドリル10から外力を受けて回転するように、スプライン部112と、前記ハンマビット100を引き上げるためのリング部113とを含むことができる。
【0030】
前記スプライン部112は、前記ビット本体110の長手方向に略平衡するように多数の溝と突起を交互に形成することができる。また、前記リング部113は、前記スプライン部112の上側に段差状に形成することができる。
【0031】
前記ビット本体110の下部には、ハウジングビット120を配置することができる。この場合、前記ハウジングビット120は、前記ビット本体110と一体に形成されたり、または別途に形成されて結合することができる。
【0032】
前記ビット本体110とハウジングビット120の外面には、前記ハンマビット100で噴射された空気が前記埋立管20に吐出することができるように、スラッジ排出溝119を形成することができる。前記スラッジ排出溝119は、埋立管20の長手方向に沿って形成することができる。
【0033】
前記ハウジングビット120には、傾斜して昇降することができるように、ウィングビット130を設置することができる。
【0034】
例えば、前記ハウジングビット120の下側には傾斜部122が形成され、前記ハウジングビット120の傾斜部122の両側には、傾斜ガイド123を突出して形成することができる。前記ハウジングビット120の傾斜部122と傾斜ガイド123には上下方向に沿って溝124が形成されることができる。
【0035】
前記ウィングビット130には、前記ハウジングビット120の傾斜部122に対応するように傾斜した形態の傾斜スライダ131を形成することができる。前記傾斜スライダ131は、前記ハウジングビット120の両側の傾斜ガイド123の間に結合される。前記傾斜スライダ131の両側には、前記傾斜ガイド123に対応するように段差面部132を形成することができる。前記傾斜スライダ131と段差面部132には、前記ハウジングビット120の溝124に対応するようにガイド突起134を形成することができる。
【0036】
前記ウィングビット130の傾斜スライダ131には、長い摺動孔135を形成することができる。この場合、前記摺動孔135は、前記ハウジングビット120の傾斜部122と対応するように傾斜して形成することができる。
【0037】
前記ハウジングビット120の傾斜ガイド123には結合孔125が形成され、前記結合孔125には固定ピン105を結合することができる。この場合、前記固定ピン105は摺動孔135を貫通して設置されるので、前記ウィングビット130がハウジングビット120から抜けることを防止することができる。また、前記固定ピン105の両側には、止め輪106(SNAP RING)が結合されて、前記固定ピン105が結合孔125と摺動孔135から抜けることを防止することができる。前記ハンマビット100は、ウィングビット130をハウジングビットの傾斜部122に対応させた後、前記固定ピン105を締結すれば組み立てられるので、ハンマビット100を容易に組み立て及び分解することができる。
【0038】
図4は、図3のハンマビットのウィングビットが下降した状態を示した斜視図で、図5は、図3のハンマビットのウィングビットが下降した状態を示した断面図である。
【0039】
図4及び図5によれば、前記ウィングビット130の上側には、前記ウィングビット130とともに昇降して、前記ウィングビット130が下降した時に、前記ウィングビット130の上部空間を埋めることができるように、スペーサー140をさらに含むことができる。この場合、前記ビット本体110には、前記スペーサー140が昇降可能になるようにガイド溝114を形成することができる。
【0040】
前記スペーサー140は、ウィングビット130の上面外側をカバー可能な大きさに形成することができる。従って、前記ウィングビット130が下降しても、前記スペーサー140がウィングビット130の上部空間を充分に覆うので、前記ウィングビット130の上部空間に土や砕石のようなスラッジが入ることを防止することができる。
【0041】
前記ビット本体110とハウジングビット120には、前記ハンマドリル10で供給された空気が流入される供給流路116が形成される。前記スペーサー140の内部には前記スペーサー140が上昇した時に、前記供給流路116に連通するように、連結流路141を形成することができる。前記ウィングビット130には、前記ウィングビット130が上昇した時に、前記スペーサー140の連結流路141と連通されるように1つもしくはそれ以上の吐出流路137を形成することができる。この場合、前記連結流路141と吐出流路137は多数形成することができる。
【0042】
このように構成された本発明に係るハンマビットの第1実施形態の作用について説明する。図4及び図5によれば、前記ハンマビット100は、前記ハンマドリル10に結合された状態で埋立管20に挿入される。前記ウィングビット130は、自重によって、前記ハウジングビット120の傾斜部122に沿って下降する。この場合、前記ウィングビット130とハウジングビット120の回転半径は、前記埋立管20の内径及び前記ビット本体110の回転半径より縮小される。
【0043】
また、前記スペーサー140は、自重によって、ウィングビット130とともに下降するので、前記ウィングビット130の上部空間がカバーされる。従って、前記ウィングビット130の上部空間に土や砕石のようなスラッジが入ることを防止することができるので、前記ウィングビット130が地面に当接する時に、前記ウィングビット130が上昇しないことを防止することができる。
【0044】
図6は、図3のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した上面図で、図7は、図3のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した断面図である。
【0045】
図6及び図7によれば、前記ウィングビット130が地面に当接される場合、前記ウィングビット130が上方へ加圧されるので、前記ウィングビット130の傾斜スライダ131が前記ハウジングビット120の傾斜部122に沿って上側に上昇する。従って、前記ウィングビット130は、前記ビット本体110の外面で突出されるので、前記ウィングビット130の回転半径は、前記ビット本体110の外面及び埋立管20の回転半径より拡大される。
【0046】
前記ウィングビット130が上昇した状態で、前記ハンマビット100が回転すると、前記ウィングビット130によって、前記埋立管20の直径より大きい穴が穿孔される。従って、前記ハンマビット100が掘削した深さだけ前記埋立管20を地盤に挿入することができる。
【0047】
前記ハンマドリル10で供給された空気は、前記供給流路116、連結流路141及び吐出流路137、128を通じて前記ウィングビット130の下側に吐出され、前記ウィングビット130の下側の空気は、前記ビット本体110の吐出溝を通じて、掘削された土や砕石を前記埋立管20の上側に排出させる。従って、前記ハンマドリル10が掘削された土や砕石によって抵抗を受けることを防止することができる。
【0048】
また、前記ハウジングビット120の傾斜ガイド123は、前記ウィングビット130のスライダの両側面と面接触しながら、ウィングビット130の両側を支持するので、前記ハウジングビット120とウィングビット130の結合強度を補強することができる。従って、前記ハンマビット100でウィングビット130が損傷されることを最小化することができる。
【0049】
一方、掘削の作業が終わったり、ハンマビット100が摩耗した場合に、前記ハンマビット100は回収することができる。
【0050】
この場合、前記ビット本体110が引き上げられると、前記ウィングビット130が自重によって下部に下降するので、前記ウィングビット130の回転半径は、前記埋立管20の内径より縮小される。従って、前記ハンマビット100が上側に引き上げられて回収することができる。
【0051】
次に、本発明に係るハンマビットの第2実施形態について説明する。
【0052】
図8は本発明に係るハンマビットの第2実施形態を示した分解斜視図である。
【0053】
図8によれば、前記ハンマビット200は、ビット本体210の下部にハウジングビット220が配置される。前記ハウジングビット220には少なくとも2つ以上のウィングビット230を設置することができる。この場合、前記ハウジングビット220には、2つ以上の傾斜部222を中心部に向かって傾斜して形成することができる。
【0054】
前記ビット本体210には、前記各ウィングビット230の上側に対応するように、ガイド溝214が形成され、前記各ガイド溝214には、前記ウィングビット230とともに昇降可能になるように、スペーサー240を結合することができる。このようなスペーサー240は、ウィングビット230とともに下降することによって、前記ウィングビット230の上部空間を埋める。
【0055】
また、前記スペーサー240は、ウィングビット230の上面の外側を完全にカバー可能な大きさに形成され、前記ウィングビット230が下降した時に、前記ウィングビット230の上部空間にスラッジが入ることを防止することができる。
【0056】
前記ビット本体210には、ハンマドリル20(図1参照)で供給される空気が流動するように供給流路216を形成することができる。前記ハウジングビット220には、前記各スペーサー240に対応するように分岐流路217、218を形成することができる。前記各スペーサー240には連結流路241が形成され、前記各ウィングビット230には吐出流路237を形成することができる。この場合、前記連結流路241と吐出流路237は、前記スペーサー240とウィングビット230が上昇した時に、互いに連通するように形成することができる。また、前記連結流路241と吐出流路237は多数形成することができる。
【0057】
一方、前記傾斜部222、スペーサー240及びウィングビット230の結合構造は、第1実施形態と実質的に同様であるので、これに関する説明は省略する。
【0058】
図9は、図8のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した側面図である。
【0059】
図9によれば、前記ハンマビット200は、ウィングビット230が地面に当接される場合上昇して、前記ハンマビット200と埋立管20より回転半径が増加される。従って、前記埋立管10(図1参照)より広い穴を穿孔する。
【0060】
この場合、前記ハンマビット200には、ウィングビット230が2つ以上設置されるので、前記ウィングビット230が1つである場合に比べて、各ウィングビット230に加えられる負荷が相対的に減少する。そこで、前記ハンマビット200は相対的に高速回転することができる。また、前記各ウィングビット230が損傷することを最小化することができる。
【0061】
次に、本発明に係るハンマビットの第3実施形態について説明する。
【0062】
図10は、本発明に係るハンマビットの第3実施形態を示した分解斜視図である。
【0063】
図10によれば、前記ハンマビット300は、ビット本体310、ハウジングビット320及びウィングビット330を含むことができる。前記ハウジングビット320とウィングビット330の底面には、破砕突起部301を多数形成することができる。このような破砕突起部301は、耐磨耗性及び耐熱性に優れたタングステンカーバイトまたは工業用ダイヤモンドなどで形成することができる。
【0064】
前記ビット本体310は、前記ハンマドリル20(図1参照)に結合することができるように結合部311が含まれる。前記結合部311は、前記ハンマドリル10から外力を受けて回転するように、スプライン部312と、前記ハンマビット300を引き上げるためのリング部313とを含むことができる。
【0065】
前記スプライン部312は、前記ビット本体310の長手方向に略平行になるように多数の溝と突起を交互に形成することができる。また、前記リング部313は、前記スプライン部312の上側に段差状に形成することができる。
【0066】
前記ビット本体310とハウジングビット320の外面には、前記ハンマビット300で噴射された空気が前記埋立管10(図1参照)に吐出することができるようにスラッジ排出溝319を形成することができる。前記スラッジ排出溝319は埋立管20の長手方向に沿って形成することができる。
【0067】
前記ビット本体310の下部には、所定の角度の範囲内で回転することができるように、ハウジングビット320を結合することができる。例えば、前記ビット本体310の下部には円弧形状の収容溝315が形成され、前記ハウジングビット320の上部には、前記ビット本体310の収容溝315に挿入することができるように、円弧形状の固定部321が形成することができる。この場合、前記ハウジングビット320の固定部321は、収容溝315より小さな円弧形状に形成されて、前記固定部321が前記収容溝315で所定の角度に回転することができるように離間される。
【0068】
前記ビット本体310には、収容溝315を貫通することができるように、結合孔318が形成され、前記ハウジングビット320の固定部321には、前記収容溝315の結合孔328に対応するように縁溝321Aを形成することができる。この場合、前記縁溝321Aは固定部321の外側面に沿って形成することができる。前記ビット本体310の収容溝315に、前記ハウジングビット320の固定部321を挿入した状態で、前記結合孔318と縁溝321Aに固定ピン305が設置されると、前記ハウジングビット320は所定の角度に回転して、前記ビット本体310の収容溝315から抜けないように設置される。この場合、前記固定ピン305の両側には、前記固定ピン305が抜けないように止め輪306を設置することができる。
【0069】
前記ハウジングビット320には傾斜して昇降可能にウィングビット330を設置することができる。例えば、前記ハウジングビット320には傾斜部322が形成され、前記ハウジングビット320の傾斜部322の両側には、傾斜ガイド323が突出して形成される。この場合、前記傾斜部322は上下方向に傾斜して形成することができる。また、前記傾斜ガイド323は前記傾斜部322と略平行になるように上下方向に傾斜して形成することができる。また、前記傾斜ガイド323は内側を向けて突出された楔状に形成することができる。
【0070】
前記ウィングビット330には、前記傾斜部322に対応して傾斜された形態の傾斜スライダ331を形成することができる。前記傾斜スライダ331は、前記ハウジングビット320の両側の傾斜ガイド323の間に結合される。前記傾斜スライダ331の両側には、前記傾斜ガイド323に対応するように段差面部332を形成することができる。前記傾斜スライダ331の両側面は、外側に向かうように傾斜して形成することができる。従って、前記ハウジングビット320の傾斜部322に前記ウィングビット330の傾斜スライダ331が嵌められると、前記ウィングビット330の係止突起334とハウジングビット320の係止突起326によって、前記ハウジングビット320の外側に前記ウィングビット330が抜けることを防止することができる。
【0071】
また、前記ハウジングビット320の傾斜部322の下側には、係止突起326が形成され、前記ウィングビット330の傾斜スライダ331の下側には、前記ウィングビット330が下降した時に、前記ハウジングビット320の係止突起326に係止されるように、前記ウィングビット330に、係止突起334を形成することができる。
【0072】
前記ビット本体310とハウジングビット320は別途に形成されるので、前記ハウジングビット330の上側でウィングビット330を結合した後、前記ハウジングビット320の固定部321を前記ビット本体310の収容溝315に固定することができる。従って、前記ビット本体310とハウジングビット320が一体に形成されて、前記ウィングビット330を下側で結合する構造に比べて、相対的に容易に組み立てることができる。特に、前記ハンマビット300の重量が重いほど組立性がさらによい。
【0073】
図11は、図10のハンマビットのウィングビットが下降した状態を示した斜視図で、図12は、図11のハンマビットのウィングビットが下降した状態でのストッパの位置を示した斜視図で、図13は、図11のハンマビットのウィングビットが下降した状態でのストッパの位置を示した斜視図である。
【0074】
図11乃至図13によれば、前記ウィングビット330の上側には、前記ウィングビット330とともに昇降して、前記ウィングビット330が下降した時に、前記ウィングビット330の上部空間を埋めるようにスペーサー340をさらに含むことができる。この場合、前記ビット本体310には、前記スペーサー340が昇降可能になるようにガイド溝314を形成することができる。
【0075】
前記スペーサー340は、ウィングビット330の上面をカバー可能な大きさに形成することができる。従って、前記ウィングビット330が下降しても、前記スペーサー340がウィングビット330の上部空間を充分にカバーするので、前記ウィングビット330の上部空間に土や砕石のようなスラッジが入ることを防止することができる。
【0076】
前記ビット本体310の下部には、前記ビット本体310が所定の角度に回転した時に、前記ウィングビット330が係止されて下降することを防止するように、ストッパ350を形成することができる。前記ウィングビット330の上部には、前記ビット本体310が所定の角度に回転した時に、前記ストッパ350が位置する係止溝335を形成することができる。また、前記ハウジングビット320の上部には、前記係止溝335に連結するように、避難溝327を形成することができる。この場合、前記ウィングビット330の係止溝335と避難溝327は、前記ハウジングビット320が回転する時に、前記ストッパ350が係止溝335と避難溝327に沿って移動することができるように円弧形状に形成することができる。
【0077】
従って、前記ハウジングビット320が所定の角度に回転して、前記ストッパ350がウィングビット330の係止溝335に位置すると、前記ウィングビット330が自重によって、傾斜した方向に沿って下降しようとしても、前記ストッパ350が係止溝335に係止されることによって、前記ウィングビット330が下降することができなくなる。例えば、前記ウィングビット330は、自重によって、略45度の傾斜角に沿って下降しようとするが、前記ウィングビット330の係止溝335がストッパ350に係止されるので下降することができないように拘束される。
【0078】
また、前記ハウジングビット320が、反対に所定の角度に回転して、前記ストッパ350がハウジングビット320の避難溝327に位置すると、前記ウィングビット330がストッパ350に係止されないので、前記ウィングビット330が自重によって下降することができる。
【0079】
図14は、図11のハンマビットのウィングビットが下降した状態を示した断面図である。
【0080】
図14によれば、前記ビット本体310には、ハンマドリル10で供給された空気が流動するように供給流路316を形成することができる。前記供給流路316は、前記スペーサー340及び/またはハウジングビット320に対応するように分岐される分岐流路317,318を含むことができる。この場合、前記スペーサー340及び/またはハウジングビット320に1つずつまたは2つずつ以上の分岐流路317,318を対応させることができる。前記ハウジングビット320には、前記ビット本体310の一部の分岐流路317,318に連結されるように、吐出流路328を形成することができる。この場合、前記ハウジングビット320の吐出流路328の数は、前記ハウジングビット320に対応する分岐流路318の数と同じでもよい。
【0081】
また、前記スペーサー340には、前記ビット本体310の分岐流路317に対応するように、1つもしくはそれ以上の連結流路341を形成することができる。この場合、前記スペーサー340の連結流路341は、前記分岐流路317の数と同じく形成してもよい。前記ウィングビット330には、前記ウィングビット330が上昇した時に、前記スペーサー340の連結流路341と連通するように、吐出流路337を形成することができる。
【0082】
従って、前記ハンマドリル10で供給された空気は、前記ハウジングビット320及び/またはウィングビット330の下側に分けられて吐出することができる。
【0083】
このように構成された本発明に係るハンマビット100の第3実施形態の作用について説明する。図11乃至図14によれば、前記ハンマビット300は、前記ハンマドリル10に結合された状態で、埋立管20に挿入される。前記ウィングビット330は、自重によって、前記ハウジングビット320の傾斜部322に沿って下降する。この場合、前記ウィングビット330とハウジングビット320の回転半径は、前記埋立管20の内径及び前記ビット本体310の回転半径より縮小する。
【0084】
また、前記スペーサー340は、自重によって、ウィングビット330とともに下降するので、前記ウィングビット330の上部空間がカバーされる。従って、前記ウィングビット330の上部空間に、土や砕石のようなスラッジが入ることを防止することができるので、前記ウィングビット330が地面に当接される時に、前記ウィングビット330が土や砕石にかかって上昇することができなくなることを防止することができる。
【0085】
図15は、図10のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した斜視図で、図16は、図15のハンマビットのウィングビットが上昇した状態でのストッパの位置を示した斜視図で、図17は、図15のハンマビットのウィングビットが上昇した状態でのストッパの位置を示した断面図で、図18は、図15のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した断面図である。
【0086】
図15乃至図18によれば、前記ウィングビット330が地面に当接すると、前記ウィングビット330が加圧されるので、前記ウィングビット330とスペーサー340が上昇する。この時、前記ハウジングビット320とウィングビット330の下面はほぼ同一平面を成す。
【0087】
前記ハンマビット300が一側に回転すると、前記ビット本体310は一側に所定の角度に回転するが、前記ハウジングビット320とウィングビット330は回転しない。この場合、前記ビット本体310のストッパ350は、前記ウィングビット330の係止溝335に移動するので、前記ウィングビット330がストッパ350に係止されて下部へ下降しないで、安定して固定されることができる。従って、前記ハウジングビット320とウィングビット330が回転しながら掘削する間に、前記ウィングビット330が不均一な掘削面によって上下側に離間されることを防止することができる。また、前記ウィングビット330がハンマドリル10の掘削の作業の時に安定して固定されるので、前記ウィングビット330が損傷されることを最小化することができる。
【0088】
また、前記ウィングビット330は外側に突出するので、前記ウィングビット330の回転半径が前記ビット本体310と埋立管20の外径より拡大される。
【0089】
また、前記ハウジングビット320の吐出流路328は、前記ビット本体310の一部の分岐流路318に連結され、前記ウィングビット330の吐出流路337は、前記スペーサー340の連結流路341及びビット本体310の一部の分岐流路317に連結される。従って、前記ハウジングビット320とウィングビット330が回転しても、前記ハウジングビット320とウィングビット330を通じて空気を吐出することができる。
【0090】
前記ストッパ350は、前記ウィングビット330が上下方向に動くのを防止することができるので、前記ウィングビット330の吐出流路337に空気を安定的に供給するようにすることができる。従って、掘削された土と砕石が埋立管20を通じて正常に外部に排出される。
【0091】
前記ウィングビット330が上昇した状態で前記ハンマビット300が回転すると、前記ウィングビット330によって前記埋立管20の直径より大きい穴が穿孔される。従って、前記ハンマビット300が掘削した深みだけ前記埋立管20を地盤に挿入することができる。
【0092】
前記ハウジングビット320とウィングビット330の吐出空気は、前記ビット本体310の吐出溝を通じて掘削された土や砕石とともに前記埋立管20の上側に排出される。従って、前記ハンマドリル10が掘削された土や砕石によって抵抗を受けないで継続的に穴を穿孔することができる。
【0093】
また、前記ハウジングビット320の傾斜ガイド323は、前記ウィングビット330のスライダの両側面と面接触しながら、ウィングビット330を支持するので、前記ハウジングビット320とウィングビット330の結合強度を補強することができる。従って、前記ハンマビット300でウィングビット330が損傷されることを最小化することができる。
【0094】
一方、掘削の作業が終わったり、ハンマビット300が摩耗した場合に、前記ハンマビット300を上側に引き上げることができる。
【0095】
図11乃至図14によれば、前記ハンマビット300が掘削の作業の時と反対方向に所定の角度に回転すると、前記ビット本体310は反対方向に所定角度回転するが、前記ハウジングビット320とウィングビット330は回転しない。この時、前記ビット本体310のストッパ350は前記ウィングビット330の係止溝335から前記ハウジングビット320の避難溝327に移動するので、前記ウィングビット330の拘束が解除される。
【0096】
そして、前記ビット本体310が引き上げられると、前記ウィングビット330が自重によって下部へ下降するので、前記ハウジングビット320とウィングビット330の回転半径は前記埋立管20の内径より縮小する。従って、前記ハンマビット300が上側に引き上げられて回収することができる。
【0097】
次に、本発明に係るハンマビットの第4実施形態について説明する。
【0098】
図19は本発明に係るハンマビットの第4実施形態を示した分解斜視図である。
【0099】
図19によれば、前記ハンマビット400は、ビット本体410、ハウジングビット420及び2つ以上のウィングビット430を含むことができる。前記ハウジングビット420と各ウィングビット430の底面には、破砕突起部401を多数形成することができる。このような破砕突起部401は耐磨耗性及び耐熱性に優れたタングステンカーバイトまたは工業用ダイヤモンドなどで形成することができる。
【0100】
前記ビット本体410は、前記ハンマドリル10に結合することができるように結合部411が含まれる。前記結合部411は、前記ハンマドリルから外力を受けて回転するように、スプライン部412と、前記ハンマビット400を引き上げるためのリング部413とを含むことができる。
【0101】
前記スプライン部412は、前記ビット本体410の長手方向に略平行するように多数の溝と突起を交互に形成することができる。また、前記リング部413は、前記スプライン部412の上側に段差状に形成することができる。
【0102】
前記ビット本体410とハウジングビット420の外面には、前記ハンマビット400で噴射された空気が前記埋立管20に吐出することができるように、スラッジ排出溝419を形成することができる。前記スラッジ排出溝419は埋立管20の長手方向に沿って形成することができる。
【0103】
前記ビット本体410の下部には、所定の角度の範囲内で回転することができるように、ハウジングビット420を結合することができる。
【0104】
例えば、前記ビット本体410の下部には略円筒形状の収容溝が形成され、前記ハウジングビット420の上部には、前記ビット本体410の収容溝に挿入することができるように、円筒形状または円柱形状の固定部421を形成することができる。この時、前記固定部421は、円筒形状または円柱形状に形成されるので、前記固定部421の一部に集中荷重が発生することを防止することができる。
【0105】
前記ビット本体410には収容溝を貫通するように結合孔415Aが形成され、前記ハウジングビット420の固定部421には、前記収容溝の結合孔415Aに対応するように縁溝421Aを形成することができる。この時、前記縁溝421Aは、固定部421の外周面に沿ってリング状に形成することができる。
【0106】
前記ビット本体410の収容溝に、前記ハウジングビット420の固定部421を挿入した状態で、前記結合孔415Aと縁溝421Aに固定ピン405が設置されると、前記ハウジングビット420は回転されながらも、前記ビット本体410の収容溝415から抜けないように設置される。この場合、前記固定ピン405の両側には、前記固定ピン405が抜けないように止め輪406を設置することができる。
【0107】
前記ハウジングビット420には、傾斜して昇降可能になるように、ウィングビット430を設置することができる。例えば、前記ハウジングビット420の両側には、2つ以上の傾斜部422が180度の位置に形成され、前記各傾斜部422の両側には、傾斜ガイド423を突出して形成することができる。この場合、前記各傾斜部422は、中心部に向けて傾斜して形成される。前記ハウジングビット420に3つの傾斜部422が形成される場合、前記傾斜部422は略120度の位置に形成することができる。
【0108】
また、前記傾斜ガイド423には、前記傾斜部422と同様に傾斜するようにガイド溝(図示せず)を形成することができる。前記各ウィングビット430の両側には、前記各傾斜部422のガイド溝に、スライド可能に結合されるように、ガイド突起(図示せず)を形成することができる。前記ウィングビット430のガイド突起は、前記ウィングビット430が外側に抜けることを防止する機能も行う。
【0109】
前記ウィングビット430には、前記傾斜部422に対応するように、傾斜スライダ431を形成することができる。前記傾斜スライダ431は、前記ハウジングビット420の両側の傾斜ガイド423の間に結合される。この場合、前記傾斜スライダ431は傾斜面状に形成することができる。
【0110】
また、前記ハウジングビット420の各傾斜部422の下側には、係止突起426が形成され、前記ウィングビット430の傾斜スライダ431の下側には、前記ウィングビット430が下降した時に前記ハウジングビット420の係止突起426に係止されるように係止突起434を形成することができる。
【0111】
前記ビット本体410とハウジングビット420は別途に形成されるので、前記ハウジングビット420の上側でウィングビット430を結合した後、前記ハウジングビット420の固定部421を前記ビット本体410の収容溝415に固定することができる。従って、前記ビット本体410とハウジングビット420が一体に形成されて、前記ウィングビット430を下側で結合する構造に比べて、相対的に容易に組み立てることができる。特に、前記ハンマビット400の重量が重くても組立性が優秀になる。
【0112】
図20は、図19のハンマビットのウィングビットが下降した状態を示した斜視図で、図21は、図20のハンマビットのウィングビットが下降した状態でのストッパの位置を示した斜視図で、図22は、図20のハンマビットのウィングビットが下降した状態でのストッパの位置を示した断面図である。
【0113】
図20乃至図22によれば、前記各ウィングビット430の上側には、前記各ウィングビット430とともに昇降して、前記各ウィングビット430が下降した時に前記各ウィングビット430の上部空間を埋めるようにスペーサー440をさらに含むことができる。前記ビット本体410には、前記各スペーサー440が昇降可能になるようにガイド溝414をそれぞれ形成することができる。
【0114】
前記各スペーサー440は、各ウィングビット430の上面外側をカバー可能な大きさに形成することができる。従って、前記ウィングビット430が下降しても前記スペーサー440がウィングビット430の上部空間を充分にカバーするので、前記ウィングビット430の上部空間に土や砕石のようなスラッジが入ることを防止することができる。
【0115】
また、前記各ウィングビット430は同じ大きさに形成したり、異なる大きさに形成してもよい。この場合、前記各ウィングビット430が異なる大きさに形成される場合、前記各スペーサー440は、該当のウィングビット430の上面を覆うことができるように、該当のウィングビット430に対応する大きさに形成することができる。
【0116】
前記ビット本体410の下部には、前記ハウジングビット420が所定の角度に回転した時に、前記ウィングビット430が係止されて下降することを防止するように、ストッパ450を形成することができる。この場合、前記ストッパ450は、前記各ウィングビット430の数だけ形成することができる。このようなストッパ450は、前記ビット本体410の下面に一体に形成したり、または結合することができる。
【0117】
前記各ウィングビット430の上部には、前記ハウジングビット420が所定の角度に回転した時に、前記ストッパ450が位置する係止溝435を形成することができる。また、前記ハウジングビット420の上部には、前記各係止溝435に連結されるように、避難溝427をそれぞれ形成することができる。この場合、前記ウィングビット430の係止溝435と避難溝427は、前記ビット本体410が回転する時に、前記ストッパ450が係止溝435と避難溝427に沿って移動することができるように円弧形状に形成することができる。
【0118】
従って、前記ビット本体410が一側に所定の角度に回転して、前記各ストッパ450がウィングビット430の該当の係止溝435に位置すると、前記各ウィングビット430が、自重によって、傾斜された方向に沿って下降しようとしても、前記各ストッパ450が該当の係止溝435に係止されることによって、前記各ウィングビット430が下降することができなくなる。
【0119】
また、前記ビット本体410が反対に所定の角度に回転して、前記各ストッパ450がハウジングビット420の各避難溝427に位置すると、前記各ウィングビット430が該当のストッパ450に係止されないので、前記各ウィングビット430が自重によって下降することができる。
【0120】
前記ハウジングビット420のスラッジ排出溝419は、前記ビット本体410が所定の角度に反対に回転して、前記ウィングビット430が下降する時に、前記ビット本体410のスラッジ排出溝419とずれることになる。また、前記ハウジングビット420のスラッジ排出溝429は、前記ビット本体410が所定の角度に回転して、前記ウィングビット430が上昇する時に、前記ビット本体410のスラッジ排出溝419と連結することになる。
【0121】
図23は、図20のハンマビットのウィングビットが下降した状態を示した断面図である。
【0122】
図23によれば、前記ビット本体410には、ハンマドリル10で供給された空気が流動することができるように供給流路416を形成することができる。前記供給流路416は、前記各スペーサー440及び/またはハウジングビット420に対応するように分岐される分岐流路417、418を含むことができる。この場合、前記各スペーサー440及び/またはハウジングビット420に1つずつまたは2つずつ以上の分岐流路417、418を対応させることができる。
【0123】
前記ハウジングビット420には、該当の分岐流路417,418に連結するように、吐出流路428を形成することができる。この場合、前記ハウジングビット420の吐出流路428の数は前記ハウジングビット420に対応する分岐流路418の数と同じでもよい。
【0124】
前記各スペーサー440には、所定の数ずつの連結流路441を形成することができる。この場合、前記各スペーサー440の連結流路441は、前記スペーサー440の分岐流路417の数と同じく形成することができる。前記ウィングビット430には、前記ウィングビット430が上昇した時に、前記スペーサー440の連結流路441と連通するように、吐出流路437を形成することができる。従って、前記ハンマドリル10で供給された空気は、前記ハウジングビット420とウィングビット430の下側に分けて吐出することができる。
【0125】
このように構成された本発明に係るハンマビットの第4実施形態の作用について説明する。前記ハンマビット400は、前記ハンマドリル10に結合された状態で埋立管20に挿入される。前記各ウィングビット430は、自重によって、前記ハウジングビット420の各傾斜部422に沿って下降する。この場合、前記各ウィングビット430の回転半径は、前記埋立管20の内径及び前記ビット本体410の回転半径より縮小する。また、この場合、前記ストッパ450は前記ハウジングビット420の避難溝427に位置する。
【0126】
また、前記各スペーサー440は、自重によって、該当のウィングビット430とともに下降するので、前記各ウィングビット430の上部空間がカバーされる。従って、前記各ウィングビット430の上部空間に土や砕石のようなスラッジが入ることを防止することができるので、前記各ウィングビット430が地面に当接する時に、前記各ウィングビット430がスラッジにかかって上昇できなくなることを防止することができる。
【0127】
図24は、図19のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した斜視図で、図25は、図24のハンマビットのウィングビットが上昇した状態でのストッパの位置を示した斜視図であり、図26は、図25のハンマビットのウィングビットが上昇した状態でのストッパの位置を示した断面図で、図27は、図25のハンマビットのウィングビットが上昇した状態を示した断面図である。
【0128】
図24乃至図27によれば、前記各ウィングビット430が地面に当接すると、前記各ウィングビット430が加圧されるので、前記各ウィングビット430とスペーサー440が上昇する。この場合、前記ハウジングビット420と各ウィングビット430の下面はほぼ同一平面を成す。
【0129】
前記ハンマビット400が一側に回転すると、前記ビット本体410は一側に所定の角度に回転するが、前記ハウジングビット420と各ウィングビット430は回転しない。この場合、前記ビット本体410の各ストッパ450は、該当のウィングビット430の係止溝435に移動するので、前記各ウィングビット430が該当のストッパ450に係止されて下部に下降しないで、安定して固定されることができる。
【0130】
従って、前記ハウジングビット420と各ウィングビット430が回転しながら掘削する間に、前記各ウィングビット430が不均一な掘削面によって上下方向に動くのを防止することができる。また、前記各ウィングビット430がハンマドリル10の掘削の作業の時安定して固定されるので、前記各ウィングビット430が損傷されることを最小化することができる。
【0131】
また、前記各ウィングビット430は、ビット本体410及び埋立管20の外周面より外側に突出するので、前記各ウィングビット430の回転半径が前記ビット本体410と埋立管20の外径より拡大される。
【0132】
前記各ウィングビット30の吐出流路437は、該当のスペーサー440の連結流路441及びビット本体410の一部の分岐流路417に連結される。また、前記ハウジングビット420に吐出流路428が形成される場合、前記ハウジングビット420の吐出流路428は、前記ビット本体410の一部の分岐流路418に連結することができる。従って、前記ビット本体410が前記ハウジングビット420及びウィングビット430に相対的に回転しても、前記ハウジングビット420及び/またはウィングビット430を通じて空気を吐出することができる。
【0133】
前記ストッパ450は、前記ウィングビット430が上下側に離間することを防止することができるので、前記ウィングビット430の吐出流路437に空気を安定的に供給することができる。従って、掘削された土及び砕石を埋立管20を通じて正常に地上に吐出することができる。
【0134】
前記各ウィングビット430が上昇した状態で前記ハンマビット400が回転すると、前記各ウィングビット430によって、前記埋立管20の外径より大きい穴が穿孔される。従って、前記ハンマビット400が掘削した深さだけ前記埋立管20を地盤に挿入することができる。
【0135】
前記ビット本体410のスラッジ排出溝419と前記ハウジングビット420のスラッジ排出溝429が連結されるので、前記ウィングビット430で吐出された空気は、前記ビット本体410のスラッジ排出溝429を通じて、掘削された土や砕石とともに前記埋立管20の上側に排出される。従って、前記ハンマドリル10が掘削された土や砕石によって抵抗を受けないで継続的に穴を穿孔することができる。
【0136】
また、前記ハウジングビット420の傾斜ガイド423は、該当のウィングビット430の両側面と面接触しながら、ウィングビット430を支持するので、前記ハウジングビット420とウィングビット430の結合強度を補強することができる。従って、前記ハンマビット400でウィングビット430が損傷されることを最小化することができる。
【0137】
一方、掘削の作業が終わったり、ハンマビット400が摩耗した場合に、前記ハンマビット400は上側に引き上げることができる。
【0138】
図20乃至図23によれば、前記ハンマビット400が掘削の作業の時と反対の方向に所定の角度に回転すると、前記ビット本体410は、反対方向に所定の角度に回転するが、前記ハウジングビット420とウィングビット430は回転しない。この場合、前記ビット本体410の各ストッパ450は該当のウィングビット430の係止溝435から前記ハウジングビット420の該当の避難溝427に移動するので、前記各ウィングビット430の拘束が解除される。
【0139】
そして、前記ビット本体410が引き上げられると、前記各ウィングビット430が、自重によって、下部に下降するので、前記ウィングビット430の回転半径は前記埋立管20の内径より縮小する。従って、前記ハンマビット400が上側に引き上げられて回収することができる。
【0140】
前記実施形態では、前記ハンマビットが、埋立管が適用される間接掘削方法に適用した場合についてのみ説明したが、本発明に係るハンマビットは、埋立管が適用されない直接掘削方法にも適用することができる。それは、前記ハンマビットが掘削の時にはビット本体より大きい回転半径を有し、回収の時にはハウジングビットより小さな回転半径を有することができるのである。
【0141】
本発明が典型的な実施形態として示され説明される一方、添付した特許請求の範囲によって定義された発明の趣旨と範囲から逸脱せずに変更させ変化させることができるのは当業者にとって明らかであろう。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明によれば、ハンマビットが容易に回収され、ハンマビットの損傷を最小化することができるので、産業上の利用可能性は著しく高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンマドリルに結合されるビット本体と;
前記ビット本体に結合されるハウジングビットと;
前記ハウジングビットに傾斜して昇降するように結合されて、上昇した時に、前記ビット本体の外面より回転半径が拡張されて、下降した時に、前記ビット本体の外面より回転半径が縮小されるウィングビットと;
前記ビット本体には、前記ウィングビットとともに昇降して、前記ウィングビットが下降した時に前記ウィングビットの上部空間を埋めるように設置されるスペースと;を含むことを特徴とするハンマビット。
【請求項2】
前記ハウジングビットは、前記ビット本体に所定の角度に回転するように結合され、
前記ビット本体の下部には、前記ハウジングビットが所定の角度に回転した時に、前記ウィングビットが係止されて下降することを防止するストッパが形成されることを特徴とする請求項1に記載のハンマビット。
【請求項3】
前記ウィングビットの上部には、前記ハウジングビットが所定の角度に回転した時に前記ストッパが位置されて、前記ウィングビットが係止されて下降することを防止するように係止溝が形成されることを特徴とする請求項2に記載のハンマビット。
【請求項4】
前記ハウジングビットの上部には、係止溝に連結されて、前記ストッパが位置された時に前記ウィングビットが下降することができるように避難溝が形成されることを特徴とする請求項3に記載のハンマビット。
【請求項5】
前記ビット本体には、スペーサーが挿入されるように、ガイド溝が形成されることを特徴とする請求項2に記載のハンマビット。
【請求項6】
前記ハウジングビットには傾斜部が形成され、
前記ウィングビットには、前記傾斜部に対応するように、傾斜スライダが形成されることを特徴とする請求項1に記載のハンマビット。
【請求項7】
前記ハウジングビットとウィングビットの傾斜部には、前記ウィングビットが下部に落下することを防止するように係止突起が形成されることを特徴とする請求項6に記載のハンマビット。
【請求項8】
前記ビット本体には円弧形状の収容溝が形成され、
前記ハウジングビットの上部には、前記収容溝に挿入されて、所定の角度に回転することができるように、前記収容溝より小さな円弧形状の固定部が形成されることを特徴とする請求項2に記載のハンマビット。
【請求項9】
前記ビット本体には、円筒形状の収容溝が形成され、
前記ハウジングビットの上部には、前記収容溝に挿入されるように、円柱形状の固定部が形成されることを特徴とする請求項2に記載のハンマビット。
【請求項10】
前記ビット本体及びハウジングビットには、前記ハンマドリルから空気が供給されるように少なくとも1つ以上の空気流路が形成され、
前記ウィングビットには、前記ハウジングビットが所定の角度に回転した時に、前記空気流路と連通するように、少なくとも1つ以上の排気孔が形成されることを特徴とする請求項2に記載のハンマビット。
【請求項11】
前記ビット本体とハウジングビットの外面には、前記ハウジングビットが所定の角度に回転した時に連通されて、掘削された物質が上側に排出されるようにするスラッジ排出溝が形成されることを特徴とする請求項2に記載のハンマビット。
【請求項12】
前記ウィングビットは、前記ハウジングビットの上側で挿入されることを特徴とする請求項1に記載のハンマビット。
【請求項13】
前記ウィングビットは上昇した時に、前記ハウジングビットの下面と平行になることを特徴とする請求項1に記載のハンマビット。
【請求項14】
ハンマドリルに結合されて、埋立管に挿入されるビット本体と;
前記ビット本体に結合されて、傾斜部が形成されたハウジングビットと;
前記ハウジングビットの傾斜部に対応するように傾斜部が形成され、前記ハウジングビットの傾斜部に沿って上昇すると、前記埋立管の内面より回転半径が拡大され、前記ハウジングビットの傾斜部に沿って下降すると、前記埋立管の内面より回転半径が縮小されるウィングビットと;
前記ビット本体に配置されて、前記ハウジングビットが所定の角度に回転した時に、前記ウィングビットが係止されて下降することを防止するストッパと;を含むことを特徴とするハンマビット。
【請求項15】
前記ウィングビットの上部には、前記ハウジングビットが所定の角度に回転した時に、前記ストッパが位置されて、前記ウィングビットが係止されて下降することを防止するように係止溝が形成されることを特徴とする請求項14に記載のハンマビット。
【請求項16】
前記ハウジングビットの上部には、係止溝に連結されて、前記ストッパが位置された時に、前記ウィングビットの拘束が解除されるように避難溝が形成されることを特徴とする請求項15に記載のハンマビット。
【請求項17】
前記ビット本体には、前記ウィングビットに対応するようにガイド溝が形成され、
前記ガイド溝には、前記ウィングビットとともに昇降するように設置されて、前記ウィングビットが下降した時に、前記ウィングビットとビット本体との間の空間を埋めるスペーサーがさらに含まれることを特徴とする請求項14に記載のハンマビット。
【請求項18】
前記ハウジングビットとウィングビットの傾斜部には、前記ウィングビットが下部に落下することを防止するように係止突起が形成されることを特徴とする請求項14に記載のハンマビット。
【請求項19】
前記ビット本体には、円弧形状の収容溝が形成され、
前記ハウジングビットの上部には、前記収容溝に挿入されて、所定の角度に回転することができるように、前記収容溝より小さな円弧形状の固定部が形成されることを特徴とする請求項14に記載のハンマビット。
【請求項20】
前記ビット本体には円筒形状の収容溝が形成され、
前記ハウジングビットの上部には、前記収容溝に挿入されるように円柱形状の固定部が形成されることを特徴とする請求項14に記載のハンマビット。
【請求項21】
前記ビット本体及びハウジングビットには、前記ハンマドリルから空気が供給されるように少なくとも1つ以上の流路が形成され、
前記ウィングビットには、前記ハウジングビットが所定の角度に回転した時に、前記流路と連通するように、少なくとも1つ以上の吐出流路が形成されることを特徴とする請求項14に記載のハンマビット。
【請求項22】
前記ビット本体及びハウジングビットの外面には、前記ハウジングビットが所定の角度に回転した時に連通して掘削された物質が上側に排出されるようにするスラッジ排出溝が形成されることを特徴とする請求項14に記載のハンマビット。
【請求項23】
前記ウィングビットは、前記ハウジングビットの上側で挿入されることを特徴とする請求項14に記載のハンマビット。
【請求項24】
前記ウィングビットは上昇した時に前記ハウジングビットの下面と平行になることを特徴とする請求項14に記載のハンマビット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2010−528204(P2010−528204A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510201(P2010−510201)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【国際出願番号】PCT/KR2008/002805
【国際公開番号】WO2008/147071
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(509324702)
【出願人】(509324724)
【出願人】(509324735)
【Fターム(参考)】