説明

バイアス電流発生回路およびそれを用いた差動回路

【課題】半導体プロセスに起因する遅延時間および消費電力のばらつきを小さくすることができるバイアス電流発生回路およびそれを用いた差動回路を提供する。
【解決手段】バイアス電流発生回路は、半導体プロセスによって出力電流がばらつく第1の電流発生回路14と第2の抵抗21a〜21n、第3の抵抗22を直列接続し、半導体プロセスによって出力電流がばらつかない第2の電流発生回路16と第1の抵抗20a〜20mを直列接続して、第1の電流発生回路と第3の抵抗の接続点の電圧と、第1の抵抗と第2の電流発生回路の接続点の電圧を増幅器に入力して、この増幅器の出力によって第2の抵抗と第3の抵抗の接続点から電流を引き出すと共に、この電流に関連する電流を出力する。また、このバイアス電流発生回路の出力電流で差動回路の出力段の駆動電流を決める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路特性のばらつきを抑えることができるバイアス電流発生回路およびそれを用いた差動回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図4に差動回路の構成を示す。差動入出力部10は差動段11および出力段12で構成されている。差動段11は抵抗R1〜R4、トランジスタQ1〜Q4で構成されている。抵抗R1、R2の一端は正電源VCCに接続され、他端はそれぞれトランジスタQ1、Q2のコレクタに接続されている。トランジスタQ1、Q2のエミッタはトランジスタQ4のコレクタに接続され、ベースには差動入力信号が入力される。
【0003】
トランジスタQ3のベースとコレクタ、トランジスタQ4のベースは共通接続され、そのエミッタにはそれぞれ抵抗R3、R4の一端が接続されている。抵抗R3、R4の他端は負電源VEEに接続されている。
【0004】
出力段12はエミッタフォロア回路であり、トランジスタQ5〜Q9および抵抗R5〜R7で構成されている。トランジスタQ5、Q6のコレクタは正電源VCCに接続され、エミッタはそれぞれトランジスタQ8、Q9のコレクタに接続されている。またそのベースはそれぞれトランジスタQ1、Q2のコレクタに接続されている。
【0005】
トランジスタQ7〜Q9のエミッタには、それぞれ抵抗R5〜R7の一端が接続されている。これら抵抗R5〜R7の他端は負電源VEEに接続されている。差動出力信号はトランジスタQ5、Q6のエミッタから出力される。
【0006】
14は電流発生回路であり、アンプQ10、トランジスタQ11、抵抗R8および基準電源Vref1で構成されている。基準電源Vref1はアンプQ11の一方の入力端子に入力され、アンプQ10の出力はトランジスタQ11のベースに入力される。トランジスタQ11のエミッタはアンプQ10の他方の入力端子および抵抗R8の一端に接続される。
【0007】
このような構成において、アンプQ10は抵抗R8の降下電圧が基準電源Vref1の出力電圧に等しくなるように、トランジスタQ11を制御する。基準電源Vref1の出力電圧と抵抗R8の抵抗値を同じ記号のVref1、R8で表すと、この電流発生回路14の出力電流、すなわちトランジスタQ11のコレクタ電流Ivは下記(1)式で表される。
Iv=Vref1/R8 ・・・・・・ (1)
【0008】
13はカレントミラー回路であり、その一方の端子はトランジスタQ11のコレクタに接続され、他方の端子はトランジスタQ3のコレクタに接続されている。カレントミラー回路13は、2つの端子に流れる電流値が同じになるように動作する。従って、トランジスタQ3のコレクタ電流はIvになる。
【0009】
トランジスタQ3とQ4のベースは共通接続されているので、抵抗R3とR4の降下電圧は同じになる。抵抗R3、R4の抵抗値をそれぞれR、R/nとすると、トランジスタQ4のコレクタ電流Ivnは、
Ivn=n・Iv
になり、この電流I4がトランジスタQ1、Q2のコレクタ電流の加算値を規制する。トランジスタQ1、Q2のコレクタ電流の配分は、差動入力信号によって決まる。
【0010】
16は電流発生回路であり、アンプQ12、トランジスタQ13、抵抗R9および基準電源Vref2で構成されている。電流発生回路16の動作は電流発生回路14の動作と同じなので、説明を省略する。抵抗R9の抵抗値と基準電源Vref2の出力電流を同じ記号のR9、Vref2で表すと、電流発生回路16の出力電流Iuは下記(2)式になる。
Iu=Vref2/R9 ・・・・・・・ (2)
【0011】
15はカレントミラー回路であり、その一方の端子はトランジスタQ13のコレクタに、他方の端子はトランジスタQ7のコレクタに接続されている。カレントミラー回路15は2つの端子に流れる電流値が等しくなるように動作するので、トランジスタQ7のコレクタ電流はIuになる。
【0012】
トランジスタQ7〜Q9のベースは共通接続されているので、抵抗R5〜R7の降下電圧は同じになる。抵抗R5の抵抗値をR、抵抗R6、R7の抵抗値をR/mとすると、トランジスタQ8、Q9のコレクタ電流Iumは下式で表される。
Ium=m・Iu
【0013】
差動入出力部10、カレントミラー回路13、15、電流発生回路14、16は同じ半導体チップに形成される。但し、抵抗R9は半導体チップ内に形成しないで、外付けの抵抗を用いる。Pd1は抵抗R9を接続するパッドである。
【0014】
前記(1)、(2)式からわかるように、電流発生回路14、16の出力電流Iv、Iuはそれぞれ抵抗R8、R9の抵抗値によって変化する。半導体プロセスで抵抗を形成する場合、抵抗値の絶対値を精度よく作ることは困難であるが、同一チップ内の抵抗値の相対誤差を小さくすることは比較的簡単である。抵抗R8の抵抗値の誤差が大きくなり電流Ivが設計値からずれても、抵抗R1、R2の抵抗値も同じようにずれるので、差動段11の出力振幅は一定値に保たれる。
【0015】
それに対して、出力段12の遅延時間は、電流Iuによって大きく変化する。従って、抵抗R9に外付けの高精度抵抗を用いて電流発生回路16の出力電流Iuが半導体プロセスの影響を受けないようにすることにより、出力段12の遅延時間を一定に保つことができる。
【0016】
【特許文献1】特開2000−174568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、このような差動回路には次のような課題があった。前述したように、抵抗R8の抵抗値の誤差が大きくなって電流Ivが設計値からずれても、抵抗R1とR2の抵抗値も同じように変化するので、差動段11の出力振幅は一定値に保たれる。しかし、電流Ivが変わると電流Ivnも変わり、差動回路の遅延時間が設計値からずれてしまうという課題があった。また、Ivが大きくなると半導体チップの消費電力が増加してしまうという課題もあった。
【0018】
従って本発明の目的は、半導体プロセスに起因する遅延時間および消費電力のばらつきを小さくすることができるバイアス電流発生回路およびそれを用いた差動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
このような課題を解決するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
半導体チップ内に作成された抵抗によって出力電流値が決定される第1の電流発生回路と、
外部抵抗によって出力電流値が決定される第2の電流発生回路と、
前記第1の電流発生回路に直列に接続される第1の抵抗と、
前記第1の抵抗の一端にその一端が接続される第2の抵抗と、
前記第2の抵抗の他端にその一端が接続され、その他端が前記第2の電流発生回路に接続される第3の抵抗と、
前記第1の抵抗と前記第1の電流発生回路の接続点の電圧、および前記第3の抵抗と前記第2の電流発生回路の接続点の電圧が入力される増幅器と、
前記増幅器によって制御され、前記第2の抵抗と第3の抵抗の接続点から電流を引き出す第1の電流制御素子と、
前記増幅器によって制御され、前記第1の電流制御素子が引き出した電流に関連する電流を出力端子に出力する第2の電流制御素子と、
を具備したものである。外部抵抗によって決定されるバイアス電流を、半導体内の抵抗で決定されるバイアス電流で補正できる。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、
前記第1の抵抗と前記第2の抵抗は、複数の抵抗を直列接続したものである。抵抗の数を変えるだけで、補正特性を変えることができる。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、
前記第2の抵抗を構成する抵抗の数をX、前記第1の抵抗を構成する抵抗の数を(2・X+1)としたものである。2つの電流発生回路の出力電流の差に比例する補正特性が得られる。
【0022】
請求項4記載の発明は、
差動段および出力段で構成される差動入出力部と、
半導体チップ内に作成された抵抗によって出力電流値が決定される電流発生回路と、
前記電流発生回路の出力が入力され、前記差動段の駆動電流を決定する第1のカレントミラー回路と、
請求項1乃至請求項3いずれかに記載のバイアス電流発生回路と、
このバイアス電流発生回路の出力が入力され、前記出力段の駆動電流を決定する第2のカレントミラー回路と、
を具備したものである。差動回路の消費電力および遅延時間のばらつきを小さくすることができる。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、
前記第1および第2のカレントミラー回路は少なくとも2つの出力電流を出力し、これらの出力電流を複数の差動入出力部に出力するようにしたものである。1つのバイアス電流発生回路で複数の差動入出力部の駆動電流を決定できる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。
請求項1,2、3、4および5の発明によれば、半導体プロセスによって出力電流がばらつく第1の電流発生回路と第1の抵抗を直列接続し、半導体プロセスによって出力電流がばらつかない第2の電流出力回路と第2、第3の抵抗を直列接続し、第1の抵抗と第1の電流発生回路の接続点の電圧と、第3の抵抗と第2の電流発生回路の抵抗の接続点の電圧を増幅器に入力し、この増幅器の出力で第1の電流制御素子を駆動して、第2の抵抗と第3の抵抗の接続点から電流を引き出すと共に、この引き出した電流に関連する電流を出力するようにした。また、このバイアス電流発生回路で差動入出力部の出力段の駆動電流を決定するようにした。
【0025】
半導体プロセスの影響を受けない電流発生回路の出力電流を、半導体プロセスによってばらつく電流発生回路の出力電流で補正することができるという効果がある。そのため、このバイアス電流発生回路を回路の駆動電流を決める回路として用いると、消費電流のばらつきを少なくすることができるという効果がある。
【0026】
また、このバイアス電流発生回路の出力電流で差動入出力部の出力段の駆動電流を決定するようにすると、差動段の駆動電流がばらついても、そのばらつきを抑えることができ、回路の駆動電流および遅延時間のばらつきを抑えることができるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下本発明を、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係るバイアス電流発生回路の一実施例を示す構成図である。なお、図4と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。
【0028】
図1において、14、16は図4に示した同じ符号の電流発生回路である。電流発生回路14内の出力電流Ivを決める抵抗(R8)は半導体チップ内に形成されており、半導体プロセスによってその絶対値はばらつくが、同じ半導体チップ内の他の抵抗との相対誤差は一定値以下になっている。電流発生回路16内の出力電流Iuを決める抵抗には外付け抵抗を用いるので、出力電流のばらつきは小さい。
【0029】
20a〜20mは抵抗値Rを有する抵抗であり、m個直列に接続されている。21a〜21nは抵抗値Rを有する抵抗であり、n個直列に接続されている。抵抗20aと21aの一端は共通接続され、正電源VCCに接続されている。また、抵抗20mは電流発生回路16に接続されている。
【0030】
22は抵抗値Rを有する抵抗であり、その一端は抵抗21nの抵抗が接続されていない側に接続されている。すなわち、抵抗21a〜21nと22はこの順に直列に接続されている。抵抗22の他端は電流発生回路14に接続されている。バイアス電流出力回路14、16の他端は負電源VEEに接続されている。抵抗20a〜20m、21a〜21n、22はそれぞれ第1〜第3の抵抗に相当する。
【0031】
23は増幅器であり、その非反転入力端子は抵抗22と電流発生回路14の接続点に、反転入力端子は抵抗20mと電流発生回路16の接続点に接続されている。
【0032】
24、25はトランジスタであり、そのベースには増幅器23の出力が入力される。トランジスタ24のコレクタは抵抗21nと22の接続点に接続され、エミッタには抵抗26の一端が接続される。28は出力端子であり、トランジスタ25のコレクタが接続される。トランジスタ25のエミッタには抵抗27の一端が接続され、この抵抗の他端と抵抗26の他端とは共通接続される。トランジスタ24、25はそれぞれ第1、第2の電流制限素子として動作する。
【0033】
このような構成において、抵抗26と27の抵抗値が等しいとすると、トランジスタ24と25のコレクタ電流は等しくなる。出力端子28から流入する電流をIoutとすると、抵抗21a〜21nには(Iv+Iout)の電流が流れ、抵抗22にはIvの電流が流れる。また、抵抗20a〜20mにはIuの電流が流れる。
【0034】
抵抗20a〜20mの合成抵抗をRu、抵抗21a〜21nの合成抵抗をRvとすると、抵抗22の抵抗値はRであり、かつ増幅器23の反転入力端子と非反転入力端子の電圧は等しくなるので、下記(3)式が成立する。
Ru・Iu=Rv・(Iv+Iout)+R・Iv ・・・(3)
【0035】
この(3)式を変形すると、下記(4)式が得られる。
Iout=Iu−{(Rv−Ru)・Iu/Rv+(Rv+R)・Iv/Rv}
・・・・・・・・ (4)
すなわち、Ioutを電流発生回路14の出力電流Ivで補正することができる。補正の程度は(Rv+R)/Rvで変更することができる。なお、抵抗20a〜20m、21a〜21nを半導体プロセスで作成すると、抵抗値の絶対値には誤差が発生するが、Ru/Rv等の抵抗比は正確に保たれる。また、図4で説明したように、電流発生回路16の出力電流Iuは半導体プロセスによらず一定になるので、(Rv−Ru)・Iu/Rvは定数と考えてよい。
【0036】
抵抗20a〜20m、21a〜21nの抵抗値をすべてRとすると、Rv=n・R、Ru=m・Rなので、前記(4)式は下記(5)式になる。
Iout=Iu−{(n−m)・Iu+(n+1)・Iv}/n ・・・・ (5)
m=2・X+1、n=Xとおくと、上記(5)式は下記(6)式になる。
Iout=Iu−(Iv−Iu)・(X+1)/X ・・・・・・・ (6)
すなわち、IoutはIuをIvとIuの差で補正した値になり、その補正の程度はX、すなわち抵抗20a〜20m、21a〜21nの数を変えることにより変更することができる。たとえば、Iv>Iuのときは、IoutはIuより小さな値になる。
【0037】
なお、この実施例では抵抗20a〜20m、21a〜21nとして複数の抵抗を直列接続したものを用いたが、1つの抵抗とすることもできる。また、抵抗20a〜20m、21a〜21n、22の抵抗値は同じであるとしたが、違っていてもよい。また、抵抗26、27の抵抗値を異なった値にすると、トランジスタ24と25のコレクタ電流の比を変えることができる。
【0038】
図2に、図1のバイアス電流発生回路を用いた差動回路の実施例を示す。なお、図1および図4と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。図1において、30は図1に示した構成のバイアス電流発生回路であり、電流発生回路16の代わりに用いられている。トランジスタQ5、Q6のコレクタ電流はバイアス電流発生回30の出力電流によって決定される。すなわち、出力段12の駆動電流はバイアス電流発生回路30の出力電流Ioutになる。差動段11の駆動電流は、図4従来例と同じく電流発生回路14の出力電流になる。
【0039】
差動入出力部10は、差動段11と出力段12の合計遅延時間が仕様内に入っていればよい。半導体プロセスのばらつきによって電流発生回路14の出力電流が増加すると、トランジスタQ1、Q2のコレクタ電流が増加する。そのため、差動段11の遅延時間は短くなるが、同時に消費電力は増加する。
【0040】
この実施例では、バイアス電流発生回路30として図1実施例のものを用いる。前記(6)式からわかるように、電流発生回路14の出力電流Ivが増加すると、バイアス電流発生回路30の出力電流Ioutは減少する。このため、トランジスタQ5、Q6のコレクタ電流が減少し、差動回路10全体の消費電力は増加しない。
【0041】
トランジスタQ5、Q6のコレクタ電流が減少するために出力段12の遅延時間は増加するが、差動段11の遅延時間が短くなっているので、差動回路10の遅延時間は仕様範囲内になる。電流発生回路14の出力電流が減少すると差動段11の遅延時間は増加するが、バイアス電流発生回路30の出力電流が増加するので、出力段12の遅延時間は減少する。
【0042】
このようにして、半導体プロセスに起因する遅延時間および消費電力のばらつきを抑えることができる。差動段11と出力段12の駆動電流の変化に対する遅延時間の変化率は異なるが、前記(6)式のXを調整することにより、この差を吸収することができる。
【0043】
図3に、複数の差動入出力部を用いた実施例を示す。なお、図2と同じ要素には同一号を付し、説明を省略する。図3において、40、41はカレントミラー回路、42〜45は差動入出力部である。差動入出力部42〜45は、実際には論理回路を構成しているが、図を簡単にするために、単に入力と出力を接続した構成としている。
【0044】
カレントミラー回路40は4つの電流出力端子を有しており、これらの電流出力端子の出力電流は電流発生回路14の出力電流と同じになる。カレントミラー回路40の出力電流は差動入出力部42〜45の差動段の駆動電流を決定する。
【0045】
カレントミラー回路41は4つの電流出力端子を有しており、これらの電流出力端子の出力電流はバイアス電流発生回路30の出力電流と同じになる。カレントミラー回路41の出力電流は差動入出力部42〜45の出力段の駆動電流を決定する。
【0046】
半導体プロセスのばらつきによって電流発生回路14の出力電流が増加し、差動段のコレクタ電流が増加すると、前記(6)式に従ってバイアス電流発生回路30の出力電流が減少し、出力段のコレクタ電流が減少する。差動回路42〜45の差動段の消費電力の増加および遅延時間の短縮は、同じ差動入出力部の出力段によってキャンセルされる。電流発生回路14の出力電流が減少した場合も同じである。このため、半導体プロセスのばらつきに起因する消費電力と遅延時間のばらつきを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す構成図である。
【図4】従来の差動回路の構成図である。
【符号の説明】
【0048】
10、42〜45 差動入出力部
11 差動段
12 出力段
13、15、40、41 カレントミラー回路
14、16 電流発生回路
20a〜20m、21a〜21n、22、26、27 抵抗
23 増幅器
24、25、Q1、Q2、Q5、Q6 トランジスタ
28 出力端子
30 バイアス電流発生回路
VCC 正電源
VEE 負電源
Iv、Iu、Iout 出力電流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップ内に作成された抵抗によって出力電流値が決定される第1の電流発生回路と、
外部抵抗によって出力電流値が決定される第2の電流発生回路と、
前記第1の電流発生回路に直列に接続される第1の抵抗と、
前記第1の抵抗の一端にその一端が接続される第2の抵抗と、
前記第2の抵抗の他端にその一端が接続され、その他端が前記第2の電流発生回路に接続される第3の抵抗と、
前記第1の抵抗と前記第1の電流発生回路の接続点の電圧、および前記第3の抵抗と前記第2の電流発生回路の接続点の電圧が入力される増幅器と、
前記増幅器によって制御され、前記第2の抵抗と第3の抵抗の接続点から電流を引き出す第1の電流制御素子と、
前記増幅器によって制御され、前記第1の電流制御素子が引き出した電流に関連する電流を出力端子に出力する第2の電流制御素子と、
を具備したことを特徴とするバイアス電流発生回路。
【請求項2】
前記第1の抵抗と前記第2の抵抗は、複数の抵抗を直列接続したものであることを特徴とする請求項1記載のバイアス電流発生回路。
【請求項3】
前記第2の抵抗を構成する抵抗の数をX、前記第1の抵抗を構成する抵抗の数を(2・X+1)としたことを特徴とする請求項2記載のバイアス電流発生回路。なお、Xは1以上の整数とする。
【請求項4】
差動段および出力段で構成される差動入出力部と、
半導体チップ内に作成された抵抗によって出力電流値が決定される電流発生回路と、
前記電流発生回路の出力が入力され、前記差動段の駆動電流を決定する第1のカレントミラー回路と、
請求項1乃至請求項3いずれかに記載のバイアス電流発生回路と、
このバイアス電流発生回路の出力が入力され、前記出力段の駆動電流を決定する第2のカレントミラー回路と、
を具備したことを特徴とする差動回路。
【請求項5】
前記第1および第2のカレントミラー回路は少なくとも2つの出力電流を出力し、これらの出力電流を複数の差動入出力部に出力するようにしたことを特徴とする請求項4記載の差動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−33283(P2009−33283A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−192844(P2007−192844)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】