説明

バックアップ電源を備えた電源供給器

【課題】バックアップ電源を備えた電源供給器を提供する。
【解決手段】本発明に係るバックアップ電源を備えた電源供給器は、複数本の電源出力ケーブルが設けられた本体と、本体上に設けられる電源ソケットと、本体の内部に対応して設けられ、そして電源ソケット、かつ電源出力ケーブルに電気的に接続されることにより、電源ソケットからの電源、または商用電源が中断された場合のバックアップ電源のいずれかを出力することを選択することができる電源供給モジュールと、本体の電気回路空間の内部に対応して設けられ、かつ電源供給モジュールに電気的に接続される電池モジュールと、本体の電気回路空間の内部に対応して設けられ、電池モジュールおよび電源供給モジュールに電気的に接続される充電回路モジュールと、を備えるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックアップ電源を備えた電源供給器に関し、特に電源供給機能およびバックアップ用の無停電電源システムを兼ね備えた電源供給器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の移り変わりと進歩、およびオフィス文化の変遷により、従来の伝統的な作業形態のように、頻繁に人力を主として行われた手動操作を取り替えるために、企業または工場、研究室などの各部門のいずれも電子化プロセスの作業を積極的に導入している。これにより、メインフレームが利用されていることから、職員に作業を行わせる部門においては、オペレーティングシステムの提供がすでに普及している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかして、従来技術において、前述したようにメインフレームがスペースの大半を占拠していて、かつこの種類のメインフレームの重要性が高いことから、特別に独立した空間に格納する必要があるため、事務処理や作業環境の空間配置は容易でない問題がある。そして、一般的に言えば、メインフレームの内部には、一定の空間を占拠する電源供給器(Power Supply)の他に、電力の供給が停止した場合に、メインフレームの故障またはデータロストを防止するために、無停電電源供給器(UPS)を搭載する必要もあるので、空間利用上ではさらなる問題をもたらすことになる。その上、電源供給器と無停電電源供給器とが互いに分離している単体から効果的に整合する技術について、いまのところは市場に出ていないため、未だ十分とはいえない状況にある。それゆえに、本発明の発明者は、上記従来技術の問題点を解決するバックアップ電源を備えた電源供給器を熟考して設計することにより、従来技術の欠陥を改善すると共に、産業上の実施利用の促進を図る。
【0004】
また、本発明の電源供給器は、設計上では従来技術におけるメインフレームの電源供給モードの変換に基づいてなされる。主にグリーンエネルギーの提唱またはエネルギーコストの配慮に応じるために、ほとんどのメインフレームの出力ワット数は、従来の数百ワットから百ワット以下に低減させることができる。さらに、多くのビル建物にバックアップ用の発電装置が普通に配置されている。従って、本発明の目的は、電源が中断される場合においても、一定時間の電力を供給し続ける装置として、システムに対して必要な電力供給を数十分維持させることができることに着目し、これにより、データロストによる予想外の損失を防止することが可能となり、また、その数十分間の重要な電力供給は、非常時の補助電力供給として、使用者が建物のバックアップ用の発電装置を起動するまで、充分に賄えるように設計されたものである。
【0005】
また、従来技術において、システムが室内空間の配置によって制限されるため、如何にして、従来のような限られた空間でUPS装置の空間を最適な効果に達するまで省くかは、本発明が設計上着目しているところでもある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたものであり、従来技術の難所を克服できるようにするためのバックアップ電源を備えた電源供給器を提供することを目的とする。
【0007】
前述目的を達成するため、本発明が採用されている技術手段は、バックアップ電源を備えた電源供給器を設計することである。
【0008】
上記のような電源供給器は、内部に電気回路空間を有するケーシングであり、かつその上に、さらに複数本の電源出力ケーブルが設けられている本体と、電源コードを挿設するための接続部であり、電源コードのプラグを介して商用電源を受け入れ、前記本体に対応して設けられると共に、そのうちのスロットを前記本体外部へ露出させる電源ソケットと、前記本体の前記電気回路空間の内部に対応して設けられ、そして前記電源ソケットに電気的に接続され、商用電源の交流電力を直流電力に変換することができ、かつ前記複数本の電源出力ケーブルに電気的に接続されることにより、前記電源ソケットからの電源、または商用電源が中断された場合のバックアップ電源のいずれかを出力することを選択することができる電源供給モジュールと、前記本体の前記電気回路空間の内部に対応して設けられ、かつ前記電源供給モジュールに電気的に接続されることにより、前記電源供給モジュールに電池モジュールよりバックアップ電源とした電源を出力させることができる電池モジュールと、前記本体の前記電気回路空間の内部に対応して設けられ、前記電池モジュールおよび前記電源供給モジュールに電気的に接続することにより、前記電池モジュールを充電することができる充電回路モジュールと、を備える。
【0009】
なお、前記本体は幅に対して長さの長い矩形を呈することが好ましい。また、前記電源ソケットは、前記本体の後端部側に設けられることが好ましい。また、前記電源供給モジュールは、電気回路板からなることが好ましい。また、前記電源供給モジュールは、細長い形状を呈することが好ましい。また、前記電源供給モジュールは、前記電源ソケットに隣設されていても良い。また、前記電池モジュールは、複数の長い形の電池を有することが好ましい。また、前記電池モジュールは、前記本体の前記電気回路空間に順に延びて、縦方向に配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るバックアップ電源を備えた電源供給器は、設計上では電気回路部品との整合を行うことによって、電源が中断される場合に、バックアップ電源とする電池モジュールと電源供給器とを1つに効果的に整合し、上述のようにすれば、従来技術のように使用者が電源供給器とは別である無停電電源システムを同時に購入して設置する必要性を省くことができる。また、空間を省いた配置をすることができるほか、コストの出費も大幅に軽減できる。さらに、本発明は、構造上では長い形に形成されるように設計されることにより、空間が極めてコンパクトになる効果が得られると共に、システムケーシングでの配置が便利となることから、ケーシング全体の体積を減少させることができる。上述した目的と、技術的特徴と、実際に実施することによって達成される利益性とを十分に理解するために、以下に、本発明の好ましい実施の形態を例示しているので、対応する関連図面に基づき詳細に説明してある記載内容を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のバックアップ電源を備えた電源供給器の局部部品の外観図である。
【図2】本発明のバックアップ電源を備えた電源供給器の配置図である。
【図3】本発明のバックアップ電源を備えた電源供給器の実施例の外観透視図である。
【図4】本発明のバックアップ電源を備えた電源供給器の局部部品の外観分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明をより完全に理解するために、本発明の技術的特徴、内容と長所および達成できる効果については、添付図面を参照して、実施例の表現形式で以下のように詳細に説明される。しかし、図示された図面は、単に例示または明細書内容を補助する目的としたものであって、本発明の実施後の原寸に比例したものや精確に配置したものには何ら拘束されない。よって、図示された図面は、添付図面の比例と配置関係で解釈されてはならず、本発明を実際に実施する権利範囲に制限することを意図したものではないことについて先に説明しておきたい。
【実施例】
【0013】
ここで図1ないし4を参照して、この発明の実施例を説明する。これらの図に示すように、本発明はバックアップ電源を備えた電源供給器であって、この電源供給器の好ましい1つの実施の形態としては、本体10と、電源ソケット20と、電源供給モジュール30と、電池モジュール40と、充電回路モジュール50と、を備えるものである。
【0014】
前述本体10は、内部に電気回路空間を有するケーシングであり、空間をコンパクトにする効果を達成するために、例えば幅に対して長さの長い矩形を呈するように形成されても良い。かつ本体10上から、さらに複数本の電源出力ケーブル11が通り抜けて、対応するメインフレームの回路板などの部品と接続することによって、電源の受け入れる役割を果たす。
【0015】
前述電源ソケット20は、電源コードを挿設するための接続部であり、プラグを介して商用電源を受け入れる。電源ソケット20は、本体10に対応して設けられると共に、電源ソケット20内のスロット21を本体10外部へ露出させて、かつ電源ソケット20は、本体10の後端部側に設けることができる。
【0016】
前述電源供給モジュール30は、例えば電気回路板からなっても良く、細長い形を呈するように形成されても良い。電源供給モジュール30は、本体10の電気回路空間の内部に対応して設けられるか、または電源ソケット20に隣設されるように設けることも可能で、電源ソケット20に電気的に接続されている。そして、電源供給モジュール30は、交流電力を直流電力に変換する機能を有し、かつ電源出力ケーブル11にも電気的に接続されていることから、電源ソケット20からの電源を提供することができるほか、商用電源が中断された場合には、バックアップ電源を出力することも可能である。
【0017】
前述電池モジュール40は、本体10の電気回路空間の内部に対応して設けられ、かつ電源供給モジュール30に電気的に接続されることにより、電源供給モジュール30に電池モジュール40よりバックアップ電源とした電源を出力させるようにすることができる。しかも電池モジュール40は、例えば複数の長い形の電池41からなっても良く、それに本体10の電気回路空間に沿って、縦方向に配列することができる。
【0018】
前述充電回路モジュール50は、本体10の電気回路空間の内部に対応して設けられ、電池モジュール40および電源供給モジュール30に電気的に接続されることにより、電源供給モジュール30から伝送された商用電源の電力で、電池モジュール40を充電することができる。
【0019】
本発明のバックアップ電源を備えた電源供給器によれば、設計上、創意工夫した変化が採られており、電気回路部品の整合を行うことによって、電源が中断された場合には、バックアップ電源とする電池モジュール40と電源供給器とを1つに効果的に整合するようになされたことから、従来技術のように使用者が電源供給器とは別である無停電電源システムを同時に購入して設置する必要性を省くことができる。また、空間を省いた配置をすることができるほか、コストの出費も大幅に軽減できる。さらに、本発明は、構造上では長い形に形成されるように設計されることにより、空間が極めてコンパクトになる効果が得られると共に、システムケーシングでの配置が便利となることから、ケーシング全体の体積を減少させることができる。この点は、従来技術では本発明に及ばないことが分かり、本発明が利益性を有することは明らかである。
【符号の説明】
【0020】
10 本体
11 電源出力ケーブル
20 電源ソケット
21 スロット
30 電源供給モジュール
40 電池モジュール
41 電池
50 充電回路モジュール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、電源ソケットと、電源供給モジュールと、電池モジュールと、充電回路モジュールと、を備えるバックアップ電源を備えた電源供給器であって、
前記本体は、内部に電気回路空間を有するケーシングであり、かつ前記本体の上に、さらに複数本の電源出力ケーブルが設けられており、
前記電源ソケットは、電源コードを挿設するための接続部であり、前記電源コードのプラグを介して商用電源を受け入れ、さらに、前記電源ソケットは、前記本体に対応して設けられると共に、前記電源ソケットのスロットを前記本体外部へ露出させ、
前記電源供給モジュールは、前記本体の前記電気回路空間の内部に対応して設けられ、そして前記電源ソケットに電気的に接続され、商用電源の交流電力を直流電力に変換することができ、かつ前記複数本の電源出力ケーブルに電気的に接続されることにより、前記電源ソケットからの電源、または商用電源が中断された場合のバックアップ電源のいずれかを出力することを選択することができ、
前記電池モジュールは、前記本体の前記電気回路空間の内部に対応して設けられ、かつ前記電源供給モジュールに電気的に接続されることにより、前記電源供給モジュールに前記電池モジュールよりバックアップ電源とした電源を出力させることができ、
前記充電回路モジュールは、前記本体の前記電気回路空間の内部に対応して設けられ、前記電池モジュールおよび前記電源供給モジュールに電気的に接続されることにより、前記電池モジュールを充電することができることを特徴とする、バックアップ電源を備えた電源供給器。
【請求項2】
前記本体は、幅に対して長さの長い矩形を呈することを特徴とする、請求項1記載のバックアップ電源を備えた電源供給器。
【請求項3】
前記電源ソケットは、前記本体の後端部側に設けられていることを特徴とする、請求項2記載のバックアップ電源を備えた電源供給器。
【請求項4】
前記電源供給モジュールは、電気回路板からなることを特徴とする、請求項3記載のバックアップ電源を備えた電源供給器。
【請求項5】
前記電源供給モジュールは、細長い形を呈することを特徴とする、請求項4記載のバックアップ電源を備えた電源供給器。
【請求項6】
前記電源供給モジュールは、前記電源ソケットに隣設されていることを特徴とする、請求項5記載のバックアップ電源を備えた電源供給器。
【請求項7】
前記電池モジュールは、複数の長い形の電池を有することを特徴とする、請求項6記載のバックアップ電源を備えた電源供給器。
【請求項8】
前記電池モジュールは、前記本体の前記電気回路空間に沿って、縦方向に配置されることを特徴とする、請求項7記載のバックアップ電源を備えた電源供給器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−106510(P2013−106510A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−5896(P2012−5896)
【出願日】平成24年1月16日(2012.1.16)
【出願人】(512012230)元致科技股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】