説明

バッテリシステム

【課題】外装ケース内部への出力端子の接続を簡単にしながら、長期間にわたって確実な防水構造を保持する。
【解決手段】バッテリシステムは、複数の電池1を内蔵してなる外装ケース2の内部に一対の出力端子7を防水構造で固定している。出力端子7は、円柱部70Aと非円柱部70Bとからなる金属ロッド70で、その先端を外装ケース2の表面に露出して、後端を外装ケース2の内部の出力リード板8に固定している。外装ケース2は、金属ロッド70の円柱部70Aを挿通する円形貫通孔26Aと、非円柱部70Bを回転しない状態に挿通する非円形貫通孔26Bとを有する。金属ロッド70は、円柱部70Aに設けたパッキン溝71にOリング72を配置して、出力端子7の円柱部70Aと円形貫通孔26Aとの隙間を防水構造に閉塞して、非円柱部70Bを非円形貫通孔26Bに挿通して、出力端子7を非回転状態で外装ケース2に連結している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池を収納してなる外装ケースにプラスとマイナスの出力端子を防水構造に固定しているバッテリシステムに関し、とくに、電動バイク等の電動車両に最適なバッテリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電動バイクなどの車両用に使用されるバッテリシステムは、屋外で使用されることから、防水構造として信頼性を向上できる。バッテリシステムは、電池の出力側を電動車両に接続するために、外装ケースからリード線を出力する必要がある。外装ケースからリード線を出力する防水構造は開発されている。(特許文献1参照)
【0003】
以上の特許文献に記載されるように、リード線を防水構造で外装ケースから外部に引き出すために、ゴム状弾性体を成形しているブッシュが使用される。ブッシュは、内部にリード線を防水構造に挿通して、外部を外装ケースに設けた貫通孔に隙間なく密着して防水する。この防水構造は、長期間にわたって理想的な状態で防水構造を保持するのが難しい。外装ケースの外部に露出するブッシュが劣化して弾性が失われると、リード線や外装ケースとの間に隙間ができ、この隙間から水が侵入するからである。また、外装ケースから引き出しているリード線がブッシュに挿通している部分で小さい半径で湾曲されると、ブッシュがリード線に沿って変形できなくなって隙間ができて水が侵入することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−212106号公報
【特許文献2】特開2005−216512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の弊害は、たとえば、図1に示すように、ケース102に雄ネジ104のある蓋103をねじ込み、雄ネジ104のある蓋103とケース102とでOリング106を挟着する構造で解消できる(特許文献2参照)。この防水構造は、雄ネジ104をねじ込んで、蓋103に設けたフランジ105とケース102とでOリング106を挟着する。この防水構造は、たとえば、図において、蓋を出力端子を設けた防水構造のコネクタとして、外装ケースから出力端子を防水構造で引き出すことができる。すなわち、図において蓋に相当する部分に、たとえば出力端子をインサート成形して防水構造に固定し、出力端子の内部を外装ケースの内部に接続して実現できる。ただ、コネクタに雄ネジを設けて回転してケースに固定する構造は、出力端子にリード線を連結しているので実現できないので、コネクタを別の構造でケースに固定する必要がある。すなわち、出力端子をケースの内部に接続した後、コネクタをケースに固定する必要がある。このため、出力端子をケースの内部に接続するのに手間がかかり、さらに、出力端子をケースの内部に接続する状態でコネクタを正確な位置に固定し、このときに、Oリングを確実に挟着して防水構造とするので、組み立てに手間がかかる欠点がある。さらに、電動車両に搭載されるバッテリシステムは、車両が走行して振動を受けることから、止ネジが緩みやすく、止ネジが緩むとOリングを確実に挟着できなくなって、防水構造に保持できなくなる欠点もある。
【0006】
本発明は、さらに以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、外装ケース内部への出力端子の接続を簡単にしながら、組み立てを簡単にでき、しかも振動環境にあっても、長期間にわたって確実な防水構造を保持するバッテリシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明のバッテリシステムは、複数の電池1を内蔵してなる絶縁材の成形体からなる外装ケース2と、この外装ケース2に防水構造で連結されて表面に露出し、かつ内蔵している電池1のプラスとマイナスの出力側に接続してなる一対の出力端子7とを備えている。外装ケース2は、電池1のプラスとマイナスの出力側に接続してなる一対の出力リード板8を内部に固定している。出力端子7の少なくとも一方は、円形ないし楕円形の円柱部70Aと、非円形の柱状である非円柱部70Bとからなる金属ロッド70である。この金属ロッド70の出力端子7は、その先端を外装ケース2の表面に露出して、後端を外装ケース2の内部に固定してなる出力リード板8に固定している。さらに、外装ケース2は、出力端子7である金属ロッド70の円柱部70Aを挿通する円柱状の円形貫通孔26Aと、金属ロッド70の非円柱部70Bを回転しない状態に挿通する非円柱状の非円形貫通孔26Bとを有する。出力端子7である金属ロッド70は、円柱部70Aにパッキン溝71があって、このパッキン溝71にOリング72を配置して、このOリング72でもって、出力端子7の円柱部70Aと円形貫通孔26Aとの隙間を防水構造に閉塞して、非円柱部70Bを非円形貫通孔26Bに挿通して、出力端子7を非回転状態で外装ケース2に連結している。
【0008】
以上のバッテリシステムは、外装ケースを開いて出力端子の後端を外装ケース内部に連結し、この状態で外装ケースの貫通孔に出力端子を挿通して、出力端子を外装ケースに防水構造に連結できるので、出力端子を簡単に、しかも確実に外装ケースの内部に接続しながら、組み立ても簡単にでき、しかも組み立てる状態にあっては、電動車両等に搭載する振動環境においても、長期間にわたって確実な防水構造を保持できる。とくに、以上のバッテリシステムは、出力端子を回転しない状態で外装ケースに連結しながら、出力端子である金属ロッドの円柱部に設けているOリングを、外装ケースに設けている貫通孔の円形貫通孔の内面に密着して防水構造とするので、外装ケースが開かれない限り、理想的な状態で出力端子を防水構造に保持できる。また、回転しない金属ロッドの出力端子には、露出部の外部に接続するリード線を簡単かつ容易に、しかも確実に接続できる特徴も実現する。
【0009】
本発明のバッテリシステムは、出力リード板8に出力端子7の金属ロッド70を固定する接続ネジ87を備えて、この接続ネジ87を、出力リード板8を貫通して、金属ロッド70の後端の雌ネジ孔74にねじ込んで、出力端子7を出力リード板8に固定することができる。
以上のバッテリシステムは、出力端子の金属ロッドを小さい電気抵抗で出力リード板に確実に固定できる。また、出力リード板に固定された出力端子を外装ケースに回転しない状態に保持できるので、接続ネジで確実に固定できる特徴がある。
【0010】
本発明のバッテリシステムは、出力端子7である金属ロッド70が、外装ケース2の表面に露出する先端面に、外装ケース2の外部に接続される外部接続リード線76を接続する雌ネジ孔73を有することができる。
以上のバッテリシステムは、出力端子の金属ロッドに設けている雌ネジ孔に止ネジをねじ込んで、外装ケースの外部に接続される外部接続リードを、確実に低抵抗な状態で接続できる。とくに、止ネジをねじ込むときに、出力端子の回転が外装ケースで阻止されるので、外部接続リードを簡単かつ確実に固定できる特徴も実現する。
【0011】
本発明のバッテリシステムは、出力端子7である金属ロッド70が、先端部を円柱部70Aとして、その他の部分を非円柱部70Bとし、非円柱部70Bの最大外形を円柱部70Aの最大外形よりも大きくすることができる。
以上のバッテリシステムは、出力端子である金属ロッドを外装ケースにスムーズに挿入して、外装ケースを簡単に組み立てでき、しかも、この状態で組み立てして、出力端子を確実に外装ケースに防水構造に連結できる。
【0012】
本発明のバッテリシステムは、出力端子7である金属ロッド70の非円柱部70Bを多角柱状として、外装ケース2の非円形貫通孔26Bを、金属ロッド70の非円柱部70Bを回転しない状態で挿通してなる多角柱状とすることができる。
以上のバッテリシステムは、出力端子である金属ロッドに設けている多角柱状の非円柱部と、これを回転しないように挿入している外装ケースの非円形貫通孔とで出力端子の回転を確実に阻止できる。このため、出力端子を確実に出力リード板に固定しながら、出力端子に簡単で確実に外部接続リードを接続できる特徴がある。
【0013】
本発明のバッテリシステムは、電動車両に搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来の防水構造の一例を示す分解断面図である。
【図2】本発明の一実施例にかかるバッテリシステムの斜視図である。
【図3】図2に示すバッテリシステムの分解斜視図である。
【図4】図3に示すバッテリシステムを背面側から見た分解斜視図である。
【図5】図3に示すバッテリシステムの電池組立の斜視図である。
【図6】図5に示す電池組立を左側から見た斜視図である。
【図7】図5に示す電池組立の分解斜視図である。
【図8】図7に示す電池組立の分解斜視図である。
【図9】図2に示すバッテリシステムの出力端子を示す拡大断面図であって、図2のIX−IX線断面に相当する図である。
【図10】図2に示すバッテリシステムの出力端子を示す拡大断面図であって、図2のX−X線断面に相当する図である。
【図11】外装ケースの貫通孔を示す拡大断面斜視図である。
【図12】図5に示す電池組立の出力リード板の連結構造を示す分解斜視図である。
【図13】図6に示す電池組立の出力リード板の連結構造を示す分解斜視図である。
【図14】出力端子である金属ロッドの拡大斜視図である。
【図15】本発明の一実施例にかかるバッテリシステムの回路図である。
【図16】外装ケースにサービスプラグを脱着する状態を示す分解斜視図である。
【図17】図16に示すサービスプラグの分解斜視図である。
【図18】図17に示すサービスプラグを反対側から見た分解斜視図である。
【図19】外装ケースとサービスプラグの連結構造を示す拡大断面図である。
【図20】カバーケースとインナーケースの連結構造を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのバッテリシステムを例示するものであって、本発明はバッテリシステムを以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0016】
本発明のバッテリシステムは、主として電動バイクに搭載されて、オートバイを走行させるモータに電力を供給する電源に最適である。ただ、本発明のバッテリシステムは、電動バイクに限らず、自動車や自転車等の電動車両に搭載されて、これらの車両を走行させる電源としても使用できる。さらに、本発明のバッテリシステムは、電動車両に限らず、ハイパワーな出力が要求される種々の電気機器の電源として使用することもできる。
【0017】
図2ないし図8に示すバッテリシステムは、複数の電池1を内蔵してなる絶縁材の成形体からなる防水構造の外装ケース2と、この外装ケース2に防水構造で連結されて表面に露出し、かつ内蔵している電池1のプラスとマイナスの出力側に接続してなる一対の出力端子7とを備える。図2ないし図4のバッテリシステムは、外装ケース2に複数の電池1からなる電池組立10を収納している。電池組立10は、複数の充電できる電池1を接続リード板3で直列と並列に接続している。
【0018】
[外装ケース]
図2ないし図4に示す外装ケース2は、防水構造に閉鎖された箱形であって、内部に電池組立10を収納している。外装ケース2は、プラスチックを成形して製作している。図の外装ケース2は、表面板20の外形を四角形として、この四角形の周囲を周壁21で連結する形状としている。図に示す外装ケース2は、防水構造で閉塞する構造としているが、外装ケースは、必ずしも防水構造とする必要はない。外装ケースは、例えば、下方に水抜き穴等を設けて、内部に侵入する水を下方から排出する構造とすることもできる。
【0019】
図3と図4の外装ケース2は、各々の電池1が表面板20に対して垂直姿勢となるように電池組立10を収納して、全ての電池1の端部電極1Aを表面板20の内面に対向するように配置している。この姿勢で電池組立10を外装ケース2に収納しているバッテリシステムは、各々の電池1が互いに平行な姿勢で外装ケース2に収納される。全ての電池1の端部電極1Aには接続リード板3を接続しているので、電池1と表面板20との間に接続リード板3が配設される。
【0020】
外装ケース2は、ABS樹脂などの絶縁材のプラスチックで成形されており、周壁21の中間を境界として、ふたつに分割されて、ネジ止めして防水構造に固定している。ただ、ふたつの外装ケースは、嵌め込み式などの連結方法により固定し、あるいは熱溶着や接着などの方法で固定することもできる。外装ケース2は、バッテリシステムの用途や目的、使用状況、さらに、収納する電池1の外形や個数に応じた様々な形状に設計できる。
【0021】
図2ないし図4に示す外装ケース2は、第1外装ケース2Aと第2外装ケース2Bに分割して成形している。第1外装ケース2Aと第2外装ケース2Bは、周壁21の当接する面にパッキン39を挟着して、ケース固定ネジ38で防水構造に連結している。さらに、図に示す外装ケース2は、電池組立10の外側に出力リード板8を配置するために、両端に位置する周壁21から外側に突出する連結突出部22を設けている。図2ないし図4の外装ケース2は、四角形の短辺となる周壁21の外側に連結突出部22を設けている。第1外装ケース2Aと第2外装ケース2Bの連結突出部22は、図9と図10に示すように、その間に出力リード板8を配置するスペースを設けている。さらに、第1外装ケース2Aと第2外装ケース2Bは、ネジ止めして防水構造に固定できるように、周壁21の開口部を同じ形状として、パッキン39を挟着できる形状に成形している。また、連結突出部22の中央部(図9及び図10参照)と、連結突出部22を設けない第1外装ケース2Aと第2外装ケース2Bの長辺側の周壁21(図3及び図4参照)には、一方に止ネジ33を案内する挿通孔23を、他方には止ネジ33をねじ込んで固定する連結ボス24を内面に突出して設けている。
【0022】
さらに、図3と図4の外装ケース2の四隅、すなわち連結突出部22の両端部において、第1外装ケース2Aと第2外装ケース2Bをケース固定ネジ38で連結して固定している。この外装ケース2は、連結突出部22の両端部に、電池組立10を定位置に固定するネジボス29を一体的に成形して設けている。図3と図4の外装ケース2は、電池ホルダ11に設けている嵌合連結部19である嵌着凹部19Aに嵌入できる円筒状のネジボス29を、連結突出部22の内面に突出して設けている。円筒状のネジボス29は、中心にケース固定ネジ38を挿通するねじ穴29Aを設けている(図9及び図10参照)。
【0023】
さらに、外装ケース2は、プラス側とマイナス側の出力端子7を挿入する貫通孔26を両端に設けている。図4の外装ケース2は、プラスとマイナスの貫通孔26を、両端に設けている連結突出部22に設けている。貫通孔26は、図11に示すように、出力端子7である金属ロッド70の円柱部70Aを挿通する円柱状の円形貫通孔26Aと、金属ロッド70の非円柱部70Bを回転しない状態に挿通する非円柱状の非円形貫通孔26Bとからなる。円形貫通孔26Aと非円形貫通孔26Bを設けて、貫通孔26を長くするために、図9ないし図11の断面図に示す外装ケース2は、連結突出部22の表面から内面に突出するように、筒状突出部27を一体的に成形して設けている。
【0024】
筒状突出部27を設けるために、図2、図9及び図10の外装ケース2は、周壁21から外側に突出して、連結突出部22の表面に連結ブロック部28を設けて、連結ブロック部28に筒状突出部27を設けて、この筒状突出部27の内面に円形貫通孔26Aと非円形貫通孔26Bとを設けている。さらに、図2、図9及び図10の外装ケース2は、連結ブロック部28の上面に凹部28Aを設けて、ここに貫通孔26を開口している。出力端子7を挿通する貫通孔26を連結ブロック部28の凹部28Aに開口する外装ケース2は、出力端子7に電気接続される外部接続リード76や、出力端子7にねじ込まれる止ネジ75を、表面板20の表面よりも内側に配置して保護でき、また、出力端子7が外部の金属部に接触するのを防止できる。さらに、図9と図10の外装ケース2は、連結ブロック部28の上面を表面板20の表面から下がった位置に配置して、凹部28Aに配置する外部接続リード76の接触端子77を表面板20よりもさらに下がった位置に配置している。
【0025】
[電池組立]
電池組立10を図3ないし図8に示す。これらの図の電池組立10は、互いに平行な姿勢で隣接して配設されている複数の充電できる電池1と、電池1を多段多列に配置するプラスチック製の電池ホルダ11と、電池ホルダ11で配置される各々の電池1の端部電極1Aに溶接されて、隣接する電池1を接続している複数の接続リード板3とを備える。
【0026】
図8の電池1は円筒形電池であり、両端の端部電極1Aを同一面に位置して、複数本を多段多列に並べている。図8の電池組立10は、図において上下8段に電池1を並べて、これを左右14列に配置している。すなわち、112個の電池1を、8段14列に並べて配置している。図の電池組立10は、同じ段であって隣接する列に配置している電池1を千鳥にずらせて、互いに隣の列の電池1をその中間に位置するように並べている。この配列は、円筒形の電池1を互いに接近して多列に配列できる。ただ、本発明のバッテリシステムは、電池の個数や配置をこの状態に特定しない。たとえば、電池を碁盤目状に配置することもできる。
【0027】
[電池]
電池1は、充電できる電池である。図のバッテリシステムは、電池1を円筒型電池としているが、電池には角型電池や薄型電池も使用できる。本実施例においては、電池1として円筒型のリチウムイオン電池を使用する。リチウムイオン電池は、大容量、大出力のバッテリシステムに適している。それは、リチウムイオン電池が容積や重量に対する容量を大きくできるからである。ただし、本発明のバッテリシステムは、電池をリチウムイオン電池には特定せず、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池等の二次電池も使用できる。
【0028】
[電池ホルダ]
図8に示す電池組立10は、電池ホルダ11の電池装着部12に電池1を挿入して定位置に配置している。電池ホルダ11は、図8に示すように、円柱状の電池装着部12を有する形状に成形している。電池装着部12は、円筒型電池を挿入できる内形に成形している。図の電池ホルダ11は、8段14列の電池1を挿入できるように、112個の電池装着部12を設けている。電池装着部12は両端を開口している。
【0029】
図8の電池組立10は、電池ホルダ11を、円筒形電池1の長さ方向である、図において左右方向に2分割して、第1の電池ホルダ11Aと第2の電池ホルダ11Bとで構成している。第1の電池ホルダ11Aと第2の電池ホルダ11Bは、電池装着部12の両端を開口して、円筒形電池1を挿入できる形状に成形している。電池ホルダ11は、プラスチックなどの絶縁性部材で成形される。電池装着部12を設けた形状にプラスチックを成形している電池ホルダ11は、電池1を区画して配列することで、複数の電池1を正確に位置決めしながら配列でき、かつ各電池1を各々独立して分離することで、電池1の熱暴走の誘発を防止できる。2分割して成形される電池ホルダ11は、2つを連結する状態で、電池1の端部電極1Aを電池装着部12の開口部から外部に露出させる。外部に露出する端部電極1Aに接続リード板3がスポット溶接やレーザー溶接などの方法で溶接される。電池ホルダ11のプラスチック材料としては、ポリカーボネートが利用できる。この材料は強度が大きく、漏液したリチウムイオン電池の電解液に対して溶け難い性質がある。なお、ABS樹脂は、漏液したリチウムイオン電池の電解液に対して解け易い性質があるので望ましくない。
【0030】
電池ホルダ11は、電池装着部12の両端を開口している両面に、複数の接続リード板3を互いに離して定位置に配置する複数列の嵌着凹部13を成形して設けている。接続リード板3は、嵌着凹部13に案内されて、電池1の端部電極1Aに接続される。したがって、嵌着凹部13は、端部電極1Aに接続される接続リード板3を配置する位置に設けている。
【0031】
さらに、第1の電池ホルダ11Aは、その両端部(図5と図6において電池ホルダ11の右左)に、出力リード板8を固定する固定プレート14を設けている。固定プレート14は、接続リード板3と平行な面内にあって、電池ホルダ11の厚さ方向の中間、いいかえると円筒形電池1の長手方向の中間に配置している。固定プレート14は、出力リード板8を止ネジ85で固定する固定ボス15と、出力リード板8を定位置に配置する嵌着凸部16を表面に突出して設けている。さらに、出力端子7を出力リード板8に固定する接続ネジ87を案内する貫通孔17も設けている。
【0032】
さらに、固定プレート14は、図3ないし図6、図9、及び図10に示すように、電池ホルダ11を外装ケース2の定位置に配置する嵌合連結部19をその両端部の両面に設けている。嵌合連結部19は、外装ケース2のネジボス29を嵌入する嵌着凹部19Aで、円筒状のネジボス29を案内して定位置に配置される内形としている。嵌合連結部19である嵌着凹部19Aは、その中心に、ケース固定ネジ38を挿通する貫通孔を設けている。この電池ホルダ11は、固定プレート14の両面に設けている嵌合連結部19に、第1外装ケース2Aと第2外装ケース2Bのネジボス29を嵌入して、外装ケース2の定位置に連結される。この状態で、ケース固定ネジ38でもって、第1外装ケース2Aと第2外装ケース2Bを固定して、電池ホルダ11は第1外装ケース2Aと第2外装ケース2Bに挟着して定位置に固定される。ケース固定ネジ38は、第1外装ケース2Aと第2外装ケース2Bと電池ホルダ11を貫通して、これらを一体構造に固定する。
【0033】
[接続リード板]
接続リード板3は、電池ホルダ11の嵌着凹部13に案内されて、電池1の端部電極1Aにスポット溶接やレーザー溶接して接続されて、隣接する電池1を直列と並列に接続する。図7の電池組立10は、複数枚の接続リード板3を、絶縁隙間34を設けて互いに平行に配列して、電池1の端部電極1Aに溶接している。
【0034】
図7の電池組立10は、電池1の一方の端部(図7において右上側の端部)に、7列の接続リード板3を配列して、各接続リード板3には、8個×2列の電池1を接続している。また、電池1の他方の端部(図7において左下側の端部)には、8列の接続リード板3を配列して、両側の接続リード板3を出力用の接続リード板3Xとして8個×1列の電池1を接続すると共に、残りの6列の接続リード板3には8個×2列の電池1を接続している。この接続リード板3は、同じ列にある8個の電池1を並列に接続して、隣の列にある電池1を直列に接続している。すなわち、8個の電池1を並列に、14個の電池1を直列に接続して、112個の電池1を8並列14直列に接続している。
【0035】
さらに、図5ないし図7において電池組立10の両側に配置されて、電池1のプラスとマイナスの出力側に接続している出力端子7に接続される出力用の接続リード板3Xは、その側縁に、出力リード板8に接続するためのタブ部3Bを設けている。出力用の接続リード板3Xは、8個を並列に接続する帯状の電池接続部3Aの側縁で折曲して折曲片を設けており、この折曲片をタブ部3Bとして電池ホルダ11の側面に固定している出力リード板8に接続している。タブ部3Bは、先端部を直角に折曲して、折曲部3bを出力リード板8に接続している。この出力用の接続リード板3Xは、タブ部3Bを幅の広い板状とするので、タブ部3Bの電気抵抗を小さくできる。
【0036】
接続リード板3は、電気抵抗が小さくて熱伝導に優れた金属板、たとえばニッケル板、鉄や鉄合金あるいは銅や銅合金等の表面をニッケル等のメッキをしている金属板が使用される。接続リード板3は、溶接に最適な厚さの金属板、たとえば0.1mm〜0.3mmの金属板が使用される。スポット溶接やレーザー溶接される接続リード板3は、厚すぎても薄すぎて理想的な状態で電池1の端部電極1Aに溶接できない。厚すぎる接続リード板は、加熱して溶融させるのに大きな熱エネルギーを必要とするので、電池を加熱する弊害が大きくなる。また、薄すぎる接続リード板は、電気抵抗や熱抵抗が大きく、また、十分な強度がない。このため、接続リード板は、流れる電流や用途を考慮して最適な厚さに設定される。
【0037】
図7の接続リード板3は、電池1の端部電極1Aにスポット溶接する溶接部に、溶接の無効電流を少なくするスリット30を設けている。図7の接続リード板3は、溶接部に縦スリット30Aと、この縦スリット30Aの上下に連結して横スリット30Bを設けている。この接続リード板3は、縦スリット30Aの両側にスポット溶接の電極を押圧して、縦スリット30Aの両側を電池1の端部電極1Aに溶接する。電池1の端部電極1Aに溶接して接続される接続リード板3は、安定して電池1に接続される。さらに、接続リード板3は、その上端に、回路基板35に接続するための突出部3aを設けている。接続リード板3の突出部3aは、リード36を介して回路基板35に接続している。
【0038】
[出力リード板]
出力リード板8は、接続リード板3よりも電気抵抗が小さくて厚い金属板、たとえばニッケル板、鉄や鉄合金あるいは銅や銅合金等の表面をニッケル等のメッキをしている金属板である。出力リード板8は、第1の電池ホルダ11Aの両端部に設けている固定プレート14の表面に止ネジ85を介して固定している。
【0039】
図5と図12において、電池ホルダ11の右側の固定プレート14に固定している出力リード板8は、金属板である一対のリード板81からなる。この出力リード板8は、出力用の接続リード板3Xのタブ部3Bに接続している第1のリード板81Aと、出力端子7を接続している第2のリード板81Bからなる。図12に示す出力リード板8は、一対のリード板81をZ字状に折曲加工して、固定部81aと立ち上がり部81cと接続部81bとを設けている。固定部81aは、固定プレート14の表面に設けている嵌着凸部16を挿入する嵌合孔81dを設けて、ここに嵌着凸部16を案内して定位置に配置している。さらに、第2のリード板81Bの固定部81aは、出力端子7である金属ロッド70を固定する接続ネジ87を挿通する貫通孔81eを設けている。接続ネジ87は、固定プレート14の貫通孔17を通過して、固定部81aの貫通孔81eに挿入され、金属ロッド70の雌ネジ孔74にねじ込まれて、出力リード板8が金属ロッド70に固定される。接続部81bは、固定プレート14に設けている固定ボス15にねじ込まれる止ネジ85を挿入する貫通孔81fを設けている。止ネジ85が貫通孔81fに挿入され、固定ボス15にねじ込まれて出力リード板8は固定プレート14に固定される。さらに、第1のリード板81Aと第2のリード板81Bの接続部81bは、サービスプラグ4を介して電気接続して、出力端子7を出力用の接続リード板3Xに接続している。
【0040】
また、図6と図13において、電池ホルダ11の左側の固定プレート14に固定している出力リード板8は、金属板である1枚のリード板82からなる。このリード板82は、図10と図13に示すように、出力端子7である金属ロッド70を固定する接続ネジ87を挿通する貫通孔82eを設けている。接続ネジ87は、固定プレート14の貫通孔17を通過してリード板82の貫通孔82eに挿入され、金属ロッド70の雌ネジ孔74にねじ込まれて、出力リード板8が金属ロッド70に固定される。また、リード板82は、固定プレート14に設けている固定ボス15にねじ込まれる止ネジ85を挿入する貫通孔82fを設けている。止ネジ85が貫通孔82fに挿入され、固定ボス15にねじ込まれて出力リード板8は固定プレート14に固定される。この出力リード板8は、一端に出力端子7を接続して、他端を、保護素子6を介して出力用の接続リード板3Xに接続している。この保護素子6は、過電流が流れると溶断されるヒューズ6Aである。ただ、保護素子は、過電流が流れると電流を遮断するブレーカやPTC等とすることもできる。
【0041】
[出力端子]
出力端子7は、電気抵抗が小さい、例えば、ニッケル、鉄や鉄合金、あるいは銅や銅合金等の表面をニッケル等のメッキをしている金属を細長いロッド状に加工している金属ロッド70である。出力端子7の金属ロッド70は、円形ないし楕円形の円柱部70Aと、非円形の柱状である非円柱部70Bとからなる。図14の金属ロッド70は、先端部を円柱状の円柱部70Aとして、その他の部分を多角柱状である六角柱状の非円柱部70Bとしている。金属ロッドの円柱部は、必ずしも円柱状とする必要はなく、楕円柱状とすることができる。また、非円柱部は、必ずしも多角柱状とする必要はなく、たとえば楕円柱状とすることもできる。さらに、金属ロッド70の出力端子7は、非円柱部70Bの最大外形を円柱部70Aの最大外形よりも大きくしている。図14の金属ロッド70は、円柱部70Aの直径を、多角柱状の非円柱部70Bの内接円の直径よりも小さくしている。
【0042】
さらに、出力端子7の金属ロッド70は、円柱部70Aにパッキン溝71を設けて、このパッキン溝71にOリング72を配置している。Oリング72は、図9と図10に示すように、金属ロッド70の円柱部70Aが円形貫通孔26Aに挿入される状態で、円柱部70Aと円形貫通孔26Aの間に押し潰される状態で配設されて、円柱部70Aと円形貫通孔26Aとの間にできる隙間を防水構造に閉塞している。円柱部70Aの外径は円形貫通孔26Aの内径よりも小さく、円柱部70Aと円形貫通孔26Aの間にわずかな、たとえば0.1mmないし0.5mmの隙間を設けて、この隙間をパッキンのOリング72で防水構造に閉塞している。Oリング72のリング部の太さは、パッキン溝71の底部と円形貫通孔26Aの内面との間隔よりも大きく、パッキン溝71の底部と円形貫通孔26Aの内面とで弾性的に押し潰されて、円柱部70Aと円形貫通孔26Aとの隙間を防水構造に閉塞する。さらに、非円柱部70Bの外形も非円形貫通孔26Bの内形よりもわずかに小さくして、金属ロッド70を円形貫通孔26Aにスムーズに挿入できるようにしている。
【0043】
金属ロッド70の出力端子7は、その先端部と後端部の両方に開口するように雌ネジ孔73、74を設けている。先端に開口する雌ネジ孔73は、図9と図10に示すように、ここにねじ込まれる止ネジ75で、外部接続リード76の接触端子77を出力端子7に固定する。後端に開口する雌ネジ孔74は、ここにねじ込まれる接続ネジ87で、出力端子7の金属ロッド70を出力リード板8に固定している。
【0044】
出力端子7である金属ロッド70の全長は、後端を出力リード板8に固定して、その先端を外装ケース2の表面に露出し、かつ、その先端面を外装ケース2の周壁21の外側に突出するように設けている連結ブロック部28の凹部28Aの底面から突出する長さとしている。先端面が凹部28Aの底面から突出している出力端子7は、ここに外部接続リード76の接触端子77を確実に固定できる。それは、外部接続リード76の接触端子77が凹部28Aの底面に接触することなく、出力端子7である金属ロッド70の先端面に接触して、止ネジ75で確実に固定できるからである。
【0045】
[回路基板]
各々の接続リード板3が接続される回路基板35は、電子部品などを実装し、電池1の充電制御や保護回路などを構成したり、電池1の残容量の演算回路を実装している。また、回路基板35においては、残容量、異常、放電停止(指令)、充電停止(指令)等の各種情報の演算、取得等を行い、これら情報を、リード線37を介して、本バッテリシステムを電源とする電気機器(例えば、電動二輪車)に伝達している。そして、これらの情報より、電気機器は各種の制御を行っている。図2に示す外装ケース2は、一方(図2において左側)の連結突出部22に、リード線37を案内するリード線開口22Aを設けており、このリード線開口22Aからリード線37を外部に引き出している。
【0046】
回路基板35は、図5ないし図8において、電池ホルダ11の上面に固定して保持される。電池ホルダ11は、回路基板35を定位置に案内するために、複数の位置決めリブ18を回路基板35の周囲に沿って一体的に成形して設けている。回路基板35は、電池ホルダ11の上面であって、位置決めリブ18で囲まれる領域に案内されて、ネジ止めして電池ホルダ11に固定される。
【0047】
回路基板35に実装される保護回路は、電池1の過充電や過放電を検出して電流を制御する回路、電池1の過充電を検出して電流を遮断する回路等である。保護回路は、電池1の過充電や過放電を検出するために、電池1の電圧を検出する電圧検出回路(図示せず)を備える。電圧検出回路は、接続リード板3を介して各々の電池電圧を検出して、過充電や過放電を防止する。
【0048】
[サービスプラグ]
サービスプラグ4は、図15の回路図に示すように、多数の電池1を直列に接続して、一方の出力側に接続される。サービスプラグ4が外装ケース2にセットされると、内蔵しているヒューズ5を介して全ての電池1を直列に接続する。サービスプラグ4が外装ケース2から除去されると、直列に接続している電池1の一端が切り離されて、プラス側とマイナス側の出力端子7に電圧が出力されなくなる。サービスプラグ4は、バッテリシステムを電動車両に搭載するまでは除去され、あるいはメンテナンスをするときに除去されて、出力端子7に高い電圧が出力されるのを防止する。バッテリシステムが電動車両に搭載される状態でサービスプラグ4は外装ケース2にセットされる。
【0049】
サービスプラグ4を図16ないし図20に示している。このサービスプラグ4は、外装ケース2に脱着自在に連結されるプラスチック製のプラグケース40と、このプラグケース40に内蔵しているヒューズ5と、このヒューズ5に接続している一対の接続端子51とを備える。プラグケース40は、プラグ連結部25に連結される筒部41Aを有するカバーケース41と、このカバーケース41の筒部41Aの内側に連結してヒューズ5を内蔵しているインナーケース42とを備える。
【0050】
カバーケース41は、細長い形状であって両端部を半円形とする蓋部41Bと、この蓋部41Bの周囲に設けている筒状壁41Cとをプラスチックで一体的に成形している。蓋部41Bは、インナーケース42を連結する連結ボス41Dを、その両端部に設けている。連結ボス41Dは、蓋部41Bの内面から垂直に突出する円柱状で、先端に止ネジ43をねじ込んで固定する連結穴41Eを設けている。
【0051】
カバーケース41は、筒状壁41Cの両側に係止フック41Fを設けている。筒状壁41Cは筒状に成形されて、その内面を平滑面に成形している。筒状の筒状壁41Cは、その内面形状を、開口部に向かって内形を大きくするテーパー状に成形して、外装ケース2に設けているプラグ連結部25にスムーズに連結しながら、パッキン49でより確実に防水できる。それは、筒状壁41Cにプラグ連結部25が挿入されて、筒状壁41Cの内形を小さくしてパッキン49を次第に強く押圧できるからである。ただ、筒状壁は、その内形を完全な筒状に成形することもできる。
【0052】
係止フック41Fは、外装ケース2に設けている係止部25Aに引っ掛けられて、サービスプラグ4を確実に外装ケース2に連結する。係止フック41Fは、一対の弾性アーム部41Gを介して筒状壁41Cに連結している。弾性アーム部41GはJ字状に成形されて、係止フック41Fを筒状壁41Cから外側に傾動できるように配置している。さらに、係止フック41Fは、先端の内側に、外装ケース2の係止部25Aに引っ掛けられる係止凸部41Hを設けて、後端には係止フック41Fを傾動させて外装ケース2から外すツマミ部41Iを設けている。係止フック41Fは、ツマミ部41Iを筒状壁41Cに向かって押すと、先端の係止凸部41Hを外装ケース2の係止部25Aから外す方向に傾動する。このサービスプラグ4は、図19の矢印Aで示すように、カバーケース41の両側に設けたツマミ部41Iを互いに接近させる方向に摘んで、両側のツマミ部41Iを筒状壁41Cに向かって押圧することによって、両側の係止フック41Fを、図19の矢印Bで示す方向に傾動させて外装ケース2から簡単に外すことができる。ツマミ部41Iが押圧されない状態で、係止フック41Fは、先端の係止凸部41Hを外装ケース2に係止部25Aに係止して、サービスプラグ4を抜けないように外装ケース2に連結する。
【0053】
インナーケース42は、内部にヒューズ5を収納する四角い筒状の収納壁42Cと、この収納壁42Cの底部を連結する底板42Bをプラスチックで一体的に成形している。インナーケース42は、その収納壁42Cの両端部で外側に、カバーケース41に設けている連結ボス41Dを挿通する連結穴42Dを設けている。この連結穴42Dに連結ボス41Dを挿通し、さらに、連結ボス41Dに止ネジ43をねじ込んで、インナーケース42はカバーケース41の定位置に連結される。インナーケース42の外形、正確には収納壁42Cの外形は、外装ケース2のプラグ連結部25に設けている嵌着凹部25Bに挿通できる形状に成形している。
【0054】
さらに、図に示すインナーケース42は、カバーケース41にフローティング構造で連結されて、内部に収納しているヒューズ5の接続端子51をフローティング構造でプラグケース40に連結している。このインナーケース42は、連結穴42Dの内形を連結ボス41Dの外形よりも大きくして、インナーケース42をフローティング構造でカバーケース41に連結している。図17と図18に示すインナーケース42は、連結穴42Dを長円形の長穴としており、ここに挿通される連結ボス41Dを連結穴42Dの内側で移動させて、インナーケース42をカバーケース41に対して相対的に移動できるようにしている。インナーケース42をカバーケース41に対してスムーズに移動させるために、いいかえると、連結穴42Dの内側で連結ボス41Dをスムーズに移動させるために、図19に示すプラグケース40は、連結ボス41Dの高さ(h)を連結穴42Dの軸方向の長さ(s)よりもやや大きくすると共に、連結ボス41Dにねじ込む止ネジ43に鍔状リング44を挿通している。この鍔状リング44は、その外形を連結穴42Dの内形よりも大きくしており、連結ボス41Dが挿通されるインナーケース42の両端部が連結ボス41Dから抜けるのを防止している。
【0055】
図のインナーケース42は、長穴である連結穴42Dの長径方向をプラグ刃51Aの厚さ方向としている。この連結穴42Dは、プラグ刃51Aの厚さ方向と直交する幅方向の内径である短径を連結ボス41Dの外径にほぼ等しくし、あるいはわずかに大きくすると共に、プラグ刃51Aの厚さ方向の内径である長径を連結ボス41Dの外径よりも大きくして、連結穴42Dに挿通される連結ボス41Dをプラグ刃51Aの厚さ方向に相対的に移動できるようにしている。これにより、プラグケース40は、接続端子51をプラグ刃51Aの厚さ方向に移動できるフローティング構造としている。長穴である連結穴42Dの長径は、例えば、連結ボス41Dの外径の1.05〜3倍、好ましくは1.1〜2倍として、接続端子51を理想的なフローティング構造にできる。さらに、連結穴は、プラグ刃の幅方向の内径を連結ボスの外径よりも大きくして、連結穴に挿通される連結ボスをプラグ刃の幅方向に相対的に移動できる構造として、接続端子をプラグ刃の幅方向に移動できるフローティング構造とすることもできる。接続端子51をプラグ刃51Aの厚さ方向に移動できるフローティング構造は、接続端子51を被接続端子31に理想的な状態で接続できる。また、接続端子51を厚さ方向と幅方向の両方に移動できるフローティング構造は、接続端子51を被接続端子31に理想的な状態で接続しながら、さらに理想的な状態で防水構造に連結できる。本発明のバッテリシステムは、接続端子51をプラグ刃51Aの厚さ方向にのみ移動できるフローティング構造として、接続端子51を被接続端子31に無理なく理想的な状態で接続できるので、この方向にのみ移動できるフローティング構造とすることができる。
【0056】
インナーケース42は、底板42Bに収納壁42Cを設けてヒューズ5の収納部42Aを設けている。収納部42Aの深さは、ヒューズ5を内部に収納できる大きさとしている。さらに、収納部42Aは、その内幅、すなわち対向して平行に配設している一対の収納壁42Cの内幅(W)をヒューズ5の厚さ(D)とほぼ等しく、あるいはわずかに大きくすると共に、収納壁42Cの長手方向の内幅(H)をヒューズ5の長手方向の長さ(L)とほぼ等しくし、あるいはわずかに大きくして、ヒューズ5を内部の定位置に収納できるようにしている。図17と図19に示すインナーケース42は、収納壁42Cの開口端部において、内側に段差凹部42Eを設けている。この段差凹部42Eは、ヒューズ5の両側に設けている脱着凸部53を案内している。
【0057】
底板42Bは、図18に示すように、ヒューズ5に固定している接続端子51のプラグ刃51Aをスムーズに出し入れできる挿通部42Fを両側に設けている。図のサービスプラグ4は、接続端子51を金属板からなるプラグ刃51Aとするので、挿通部42Fをスリット状としている。サービスプラグ4は、一対のプラグ刃51Aを同一平面に配置するので、スリット状である一対の挿通部42Fを直線状に並べて配置している。直線状に配置している一対の挿通部42Fは、一対のプラグ刃51Aの対向する内側部分を位置決めしながら案内して、対向する外側部分を外部に突出させる深さのスリットとしている。スリット状の挿通部42Fは、その内幅、すなわち長手方向に直交する方向の幅を、接続端子51であるプラグ刃51Aの厚さとほぼ等しくし、あるいはわずかに大きくして、接続端子51のプラグ刃51Aをインナーケース42の定位置に配置している。また、スリット状である一対の挿通部42Fは、その間隔を、一対の接続端子51の間隔にほぼ等しくして、接続端子51を幅方向に位置ずれしないように配置している。ただ、インナーケースは、底板の幅を、一対の接続端子の両側まで延長する長さとして、プラグ刃をスムーズに出し入れできるスリット状の貫通孔を底板の両側に設けて挿通部とすることもできる。スリット状の貫通孔である挿通部は、スリットの長さを、接続端子の横幅にほぼ等しくして、接続端子を幅方向に位置ずれしないように挿通できる。
【0058】
ヒューズ5は、両端に接続端子51を連結しているヒューズ本体50と、このヒューズ本体50を固定しているヒューズホルダ52とを備える。ヒューズ本体50は、過電流が流れると溶断される素子で、前述の保護素子6であるヒューズ6Aよりも小さい電流で溶断されるように定格電流を小さく設定している。この構造は、バッテリシステムに過電流が流れると、サービスプラグ4のヒューズ本体50が、保護素子6であるヒューズ6Aよりも先に溶断されて電流を遮断する。このため、保護素子6であるヒューズ6Aを溶断することなく電流を遮断できる。溶断されたヒューズ5は、サービスプラグ4を交換して、新しいものに交換できる。このような構造のヒューズ5は、一般に市販されているものである。
【0059】
ヒューズホルダ52はプラスチック製で、内部にヒューズ本体50を内蔵して、このヒューズ本体50の両端に接続している接続端子51のプラグ刃51Aをインサート成形して定位置に固定している。接続端子51のプラグ刃51Aは金属板で、一対のプラグ刃51Aを同一平面に配置してヒューズホルダ52に固定している。ヒューズ5は、ヒューズホルダ52をインナーケース42の収納部42Aに収納して、接続端子51のプラグ刃51Aをスリット状の挿通部42Fに挿通して外部に突出させている。
【0060】
以上のサービスプラグ4は、ヒューズ5を収納しているインナーケース42を、カバーケース41に対して移動できるフローティング構造でカバーケース41に連結して、接続端子51をプラグケース40にフローティング構造で連結している。ただ、サービスプラグは、図示しないが、インナーケースの内部にヒューズをフローティング構造で収納して、接続端子をプラグケースにフローティング構造で連結することもできる。
【0061】
このインナーケースは、収納部の内部に、ヒューズをフローティング構造で収納できる構造とする。このインナーケースは、収納部の深さを、ヒューズを内部で自由に移動できるように、ヒューズの挿入方向の寸法よりもわずかに大きくする。さらに、収納部の内幅、すなわち対向して平行に配設している一対の収納壁の内幅(W)をヒューズの厚さ(D)よりも大きくして、ヒューズに固定しているプラグ刃である接続端子を、プラグ刃の厚さ方向に移動できるフローティング構造で収納する。さらに、収納壁は、その長手方向の内幅(H)をヒューズの長手方向の長さ(L)よりも大きくして、接続端子を厚さ方向に直交する幅方向に移動できるフローティング構造にできる。接続端子をプラグ刃の厚さ方向に移動できるフローティング構造は、接続端子を被接続端子に理想的な状態で接続できる。また、接続端子を厚さ方向と幅方向の両方に移動できるフローティング構造は、接続端子を被接続端子に理想的な状態で接続しながら、さらに理想的な状態で防水構造に連結できる。バッテリシステムは、接続端子をプラグ刃の厚さ方向にのみ移動できるフローティング構造として、接続端子を被接続端子に無理なく理想的な状態で接続できるので、この方向にのみ移動できるフローティング構造とすることができる。
【0062】
さらに、このインナーケースは、底板の両側に設けるスリット状の挿通部の内幅を、接続端子であるプラグ刃の厚さよりも大きくして、接続端子のプラグ刃を厚さ方向に移動できるように挿通する。また、スリット状である一対の挿通部は、その間隔を、一対の接続端子の間隔よりも小さくして、接続端子をスリットの長手方向に移動できるように挿通することもできる。さらに、インナーケースは、底板の幅を、一対の接続端子の両側まで延長する長さとして、プラグ刃をスムーズに出し入れできるスリット状の貫通孔を底板の両側に設けて挿通部とすることもできる。スリット状の貫通孔である挿通部は、スリットの長さを、接続端子の横幅よりも大きくして、接続端子をスリットの長手方向に移動できるように挿通できる。以上のように、収納部の内部に、ヒューズをフローティング構造で収納する構造のインナーケースは、両端部に設けた連結穴に、カバーケースに設けた連結ボスを挿通する状態で相対的に移動しないように固定して、インナーケースをカバーケースの定位置に固定できる。
【0063】
[プラグ連結部]
図16の外装ケース2は、プラグ連結部25を外装ケース2の表面から突出する突出部25Xとして設けている。プラグ連結部25は、この突出部25Xの外周に沿って全周にパッキン49を配設している。プラグ連結部25である突出部25Xは、周囲にパッキン49を配設するパッキン溝25Cを設けて、このパッキン溝25CにOリング49Aのパッキン49を配設している。Oリング49Aのパッキン49は、突出部25Xの表面から突出して、連結されるサービスプラグ4の筒部41Aの内面に弾性的に押圧されて、サービスプラグ4を防水構造で連結する。パッキン49は、サービスプラグ4の筒部41Aを構成している筒状壁41Cの内面に密着して、サービスプラグ4を防水構造に連結する。図18のサービスプラグ4は、両側の筒状壁41Cに切欠部41Jを設けて、この切欠部41Jに係止フック41Fを設けている。パッキン49は、図19に示すように、筒状壁41Cに設けている切欠部41Jよりも奥に挿通されて、筒部41Aを防水構造に連結する。いいかえると、パッキン溝25Cは、パッキン49を筒状壁41Cの切欠部41Jよりも奥に挿通する位置に設けている。パッキン49は、サービスプラグ4の筒部41Aの内面と、プラグ連結部25の突出部25Xの外面との間に挟着されて、サービスプラグ4を外装ケース2に防水構造で連結する。
【0064】
プラグ連結部25は、サービスプラグ4の係止フック41Fを連結する係止部25Aをその両側に突出して設けている。係止部25Aは、サービスプラグ4を定位置にセットする状態で、係止フック41Fの先端に設けている係止凸部41Hを係止できる位置に設けられて、サービスプラグ4を抜けないように外装ケース2に連結する。
【0065】
さらに、プラグ連結部25は、サービスプラグ4のインナーケース42を挿入する嵌着凹部25Bを内側に設けている。このプラグ連結部25は、連結壁25Dを設けて、その内側に嵌着凹部25Bを設けている。連結壁25Dは、外側面にパッキン溝25Cを設けて、ここにOリング49Aのパッキン49を配置している。連結壁25Dは、その内側の形状を、サービスプラグ4のインナーケース42が嵌入できる形状としている。連結壁25Dは、カバーケース41の筒状壁41Cとインナーケース42の収納壁42Cとの間に挿入できる形状に成形している。このプラグ連結部25は、サービスプラグ4のインナーケース42を嵌着凹部25Bに挿入し、連結壁25Dを筒部41Aに挿入して、サービスプラグ4を定位置に連結する。サービスプラグ4が連結される状態で、係止フック41Fは係止部25Aに引っ掛けられて、抜けないように連結される。
【0066】
さらに、外装ケース2は、プラグ連結部25に連結されるサービスプラグ4の接続端子51が挿入される位置に一対の被接続端子31を固定している。図5、図12、及び図16の被接続端子31は、出力リード板8と弾性金属板32で構成している。この被接続端子31は、図19に示すように、出力リード板8と弾性金属板32の間に接続端子51が挿入される。出力リード板8は、電池1の出力側に接続しているリード板81である第1のリード板81Aと、出力端子7に接続しているリード板81である第2のリード板81Bからなる。第1のリード板81Aと第2のリード板81Bがサービスプラグ4で接続されて、出力端子7は電池1の出力側に接続される。第1のリード板81Aと第2のリード板81Bは、その先端縁を所定の間隔離し、かつ被接続端子31を構成する端部である接触部81Xを同一平面に直線状に配置している。弾性金属板32は、後端部を出力リード板8であるリード板81に固定して、先端部を弾性接点32Xとしている。弾性金属板32の弾性接点32Xと出力リード板8の接触部81Xとの間隔は接続端子51の厚さよりも狭く、ここに挿入される接続端子51を弾性接点32Xで接触部81Xに弾性的に押圧して、被接続端子31を接続端子51に電気接続する構造としている。
【0067】
さらに、図12、図16、及び図19に示す被接続端子31は、接続端子51の挿入側にスパーク用の突起31aを設けている。図のスパーク用の突起31aは、被接続端子31を構成する出力リード板8の接触部81Xの端部と弾性金属板32の弾性接点32Xの端部をそれぞれ接続端子51の挿入側に突出させて、互いに対向する姿勢で設けている。互いに対向する一対のスパーク用の突起31aは、接続端子51の挿入側に向かって間隔が広くなるテーパー状に傾斜する形状としており、ここに挿入されるプラグ刃51Aの接続端子51をスムーズに挿入できるようにしている。このように、被接続端子31にスパーク用の突起31aを設ける構造は、サービスプラグ4を連結して電気接続する時に、挿入される接続端子51の先端がスパーク用の突起31aに先に接触することにより、スパーク用の突起31aと接続端子51の先端との接触部でスパークが発生し、この位置に炭化物等の付着による汚れやスパークによる表面の荒れを生じさせる。とくに、図に示す被接続端子31は、スパーク用の突起31aに幅を、プラグ刃51Aである接続端子51の幅よりも狭くして、対向するスパーク用の突起31aの間に挿入される接続端子51の先端との間でスパークを発生させやすくしている。以上のように、接続端子51の挿入時に生じるスパークによる汚れや荒れは、接続端子51と被接続端子31の端部にしか発生せず、接続端子51と被接続端子31の中央部である電気接続面はきれいな状態に維持される。したがって、被接続端子31である弾性接点32Xと接触部81Xとの間に接続端子51を挿入する状態では、接続端子51と被接続端子31とをきれいな面で安定して接触させて低抵抗な状態で電気接続できる。
【0068】
以上のバッテリシステムは、以下のようにして組み立てられる。
(1)図8に示すように、複数の電池1を電池ホルダ11に所定の向きで挿入する。複数の電池1は、図において上下に配列される電池1を同じ向きとし、左右に配列される電池1が逆向きとなるように挿入する。全ての電池1を電池ホルダ11の電池装着部12に挿入した後、一対の電池ホルダ11を連結する。
(2)図7に示すように、電池ホルダ11の上方に回路基板35を固定する。回路基板35は、電池ホルダ11の上面であって、位置決めリブ18の内側に案内して、ネジ止めして固定する。
(3)接続リード板3を電池ホルダ11の嵌着凹部13にセットして、各々の電池1の端部電極1Aに溶着して固定する。接続リード板3は、電池ホルダ11の電池装着部12の開口部から表出する電池1の端部電極1Aに、スポット溶接やレーザー溶接などの方法で溶接される。互いに隣接する接続リード板3は、絶縁隙間34を設けて接触しないように配列している。さらに、接続リード板3の突出部3aを、リード36を介して回路基板35に接続する。
(4)図11と図13に示すように、電池ホルダ11の両側に設けている固定プレート14に出力リード板8を固定して、出力リード板8に出力用の接続リード板3Xを接続する。
(5)固定プレート14に固定したプラス側とマイナス側の出力リード板8に、プラス側とマイナス側の出力端子7の金属ロッド70を固定する。このとき、金属ロッド70は、次工程において、外装ケース2の貫通孔26に金属ロッド70を挿入できるように、位置決めしながら固定する。
以上の工程で電池組立10が組み立てられる。
(6)電池組立10を第1外装ケース2Aに収納する。このとき、第1外装ケース2Aの貫通孔26に、出力端子7の金属ロッド70を挿入する。プラス側とマイナス側の出力端子7は、後端を出力リード板8に固定して、先端を外装ケース2の表面に露出させる。
(7)第1外装ケース2Aに第2外装ケース2Bを連結する。第1外装ケース2Aと第2外装ケース2Bは、周壁21の当接する面にパッキン39を挟着して、ケース固定ネジ38で防水構造に連結する。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のバッテリシステムは、電動バイク、自転車、ハイブリッドカー、電気自動車等の屋外で使用される電動車両や、ハイパワーが要求される種々の電気機器の電源に好適に適用できる。
【符号の説明】
【0070】
1…電池 1A…端部電極
2…外装ケース 2A…第1外装ケース
2B…第2外装ケース
3…接続リード板 3X…出力用の接続リード板
3A…電池接続部
3B…タブ部
3a…突出部
3b…折曲部
4…サービスプラグ
5…ヒューズ
6…保護素子 6A…ヒューズ
7…出力端子
8…出力リード板
10…電池組立
11…電池ホルダ 11A…第1の電池ホルダ
11B…第2の電池ホルダ
12…電池装着部
13…嵌着凹部
14…固定プレート
15…固定ボス
16…嵌着凸部
17…貫通孔
18…位置決めリブ
19…嵌合連結部 19A…嵌着凹部
20…表面板
21…周壁
22…連結突出部 22A…リード線開口
23…挿通孔
24…連結ボス
25…プラグ連結部 25X…突出部
25A…係止部
25B…嵌着凹部
25C…パッキン溝
25D…連結壁
26…貫通孔 26A…円形貫通孔
26B…非円形貫通孔
27…筒状突出部
28…連結ブロック部 28A…凹部
29…ネジボス 29A…ねじ穴
30…スリット 30A…縦スリット
30B…横スリット
31…被接続端子 31a…スパーク用の突起
32…弾性金属板 32X…弾性接点
33…止ネジ
34…絶縁隙間
35…回路基板
36…リード
37…リード線
38…ケース固定ネジ
39…パッキン
40…プラグケース
41…カバーケース 41A…筒部
41B…蓋部
41C…筒状壁
41D…連結ボス
41E…連結穴
41F…係止フック
41G…弾性アーム部
41H…係止凸部
41I…ツマミ部
41J…切欠部
42…インナーケース 42A…収納部
42B…底板
42C…収納壁
42D…連結穴
42E…段差凹部
42F…挿通部
43…止ネジ
44…鍔状リング
49…パッキン 49A…Oリング
50…ヒューズ本体
51…接続端子 51A…プラグ刃
52…ヒューズホルダ
53…脱着凸部
70…金属ロッド 70A…円柱部
70B…非円柱部
71…パッキン溝
72…Oリング
73…雌ネジ孔
74…雌ネジ孔
75…止ネジ
76…外部接続リード
77…接触端子
81…リード板 81A…第1のリード板
81B…第2のリード板
81X…接触部
81a…固定部
81b…接続部
81c…立ち上がり部
81d…嵌合孔
81e…貫通孔
81f…貫通孔
82…リード板 82e…貫通孔
82f…貫通孔
85…止ネジ
87…接続ネジ
102…ケース
103…蓋
104…雄ネジ
105…フランジ
106…Oリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池(1)を内蔵してなる絶縁材の成形体からなる外装ケース(2)と、この外装ケース(2)に防水構造で連結されて表面に露出し、かつ内蔵している電池(1)のプラスとマイナスの出力側に接続してなる一対の出力端子(7)とを備えるバッテリシステムであって、
前記外装ケース(2)は、前記電池(1)のプラスとマイナスの出力側に接続してなる一対の出力リード板(8)を内部に固定しており、
前記出力端子(7)の少なくとも一方は、円形ないし楕円形の円柱部(70A)と、非円形の柱状である非円柱部(70B)とからなる金属ロッド(70)であって、この金属ロッド(70)の出力端子(7)はその先端を前記外装ケース(2)の表面に露出して、後端を前記外装ケース(2)の内部に固定してなる前記出力リード板(8)に固定しており、
さらに、前記外装ケース(2)は、出力端子(7)である金属ロッド(70)の円柱部(70A)を挿通する円柱状の円形貫通孔(26A)と、金属ロッド(70)の非円柱部(70B)を回転しない状態に挿通する非円柱状の非円形貫通孔(26B)とを有し、さらに、前記出力端子(7)である金属ロッド(70)は、前記円柱部(70A)にパッキン溝(71)があってこのパッキン溝(71)にOリング(72)を配置して、このOリング(72)でもって、出力端子(7)の円柱部(70A)と円形貫通孔(26A)との隙間を防水構造に閉塞して、非円柱部(70B)が非円形貫通孔(26B)に挿通されて、前記出力端子(7)が非回転状態で外装ケース(2)に連結されてなるバッテリシステム。
【請求項2】
前記出力リード板(8)に出力端子(7)の金属ロッド(70)を固定する接続ネジ(87)を有し、この接続ネジ(87)が出力リード板(8)を貫通し、金属ロッド(70)の後端の雌ネジ孔(74)にねじ込まれて、前記出力端子(7)を出力リード板(8)に固定してなる請求項1に記載されるバッテリシステム。
【請求項3】
前記出力端子(7)である金属ロッド(70)が、前記外装ケース(2)の表面に露出する先端面に、外装ケース(2)の外部に接続される外部接続リード(76)を接続する雌ネジ孔(73)を有する請求項1又は2に記載されるバッテリシステム。
【請求項4】
前記出力端子(7)である金属ロッド(70)が、先端部を円柱部(70A)として、その他の部分を非円柱部(70B)として、非円柱部(70B)の最大外形を円柱部(70A)の最大外形よりも大きくしている請求項1ないし3のいずれかに記載されるバッテリシステム。
【請求項5】
前記出力端子(7)である金属ロッド(70)の非円柱部(70B)が多角柱状で、前記外装ケース(2)の非円形貫通孔(26B)が、金属ロッド(70)の非円柱部(70B)を回転しない状態で挿通してなる多角柱状である請求項1ないし4のいずれかに記載されるバッテリシステム。
【請求項6】
バッテリシステムが、電動車両に搭載されるバッテリシステムである請求項1ないし5のいずれかに記載されるバッテリシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−154882(P2011−154882A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15523(P2010−15523)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】