バッテリーの温度調整装置
【課題】 車両衝突に際し、バッテリー端子間の導通による感電を防止することの可能なEVやHEV用のバッテリー温度調整装置を提供すること。
【解決手段】 熱媒体40でバッテリーBと熱交換する第1熱交換部2を備えた第1熱交換ユニット1と、第1熱交換部2で熱交換した熱媒体40を放熱或いは放冷する第2熱交換部21を備えた第2熱交換ユニット20と、を有するバッテリーの温度調整装置において、第1熱交換ユニット1は、第1熱交換部2の下流側に設けられる熱媒体貯留部4と、熱媒体貯留部4の熱媒体40を配管3内で循環させるポンプ5と、を備え、車両停止の際行われる前記バッテリーの充電時には、ポンプ5を作動して熱媒体40を前記配管3内で循環させ、バッテリーの非充電時には、少なくとも、第1熱交換部2にある熱媒体40を、第1熱交換部2の外部へ排出するようにした。
【解決手段】 熱媒体40でバッテリーBと熱交換する第1熱交換部2を備えた第1熱交換ユニット1と、第1熱交換部2で熱交換した熱媒体40を放熱或いは放冷する第2熱交換部21を備えた第2熱交換ユニット20と、を有するバッテリーの温度調整装置において、第1熱交換ユニット1は、第1熱交換部2の下流側に設けられる熱媒体貯留部4と、熱媒体貯留部4の熱媒体40を配管3内で循環させるポンプ5と、を備え、車両停止の際行われる前記バッテリーの充電時には、ポンプ5を作動して熱媒体40を前記配管3内で循環させ、バッテリーの非充電時には、少なくとも、第1熱交換部2にある熱媒体40を、第1熱交換部2の外部へ排出するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車やハイブリッド電気自動車に装備されるバッテリーの温度調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(Electrical Vehicle 以下、「EV」)やハイブリッド電気自動車(Hybrid
Electrical Vehicle以下、「HEV」)に装備される走行用のバッテリーは、急速充電時に大電流が流れてバッテリー自体が発熱するため、一般的に冷却装置が付帯されている。
【0003】
ところで、走行用のバッテリーは、走行距離延長の要請や、充電時間の短縮化の要請により、単位時間当たりの充電量は増える傾向にある。そのため、充電時のバッテリーからの発熱量が増加し、充電効率が低下したりバッテリーの寿命が短縮化されてしまうので、冷却装置には冷却性能の確保及び向上が求められている。
【0004】
この種のバッテリーの冷却装置として、水冷式と空冷式のものが知られているところ、バッテリーとの単位時間当たり熱交換量を大きくとれる観点から、水冷式冷却装置への関心が高まっている(水冷式のものとして、後記特許文献1のもの参照)。
【0005】
また、走行用のバッテリーとして、リチウム系、ニッケル水素系、ナトリウム硫黄蓄電池等が開発されているが、これらのバッテリーは、従来の内燃機関用バッテリーとは異なり、例えば100Vや350V仕様のものが用いられていて電圧が高く、万一、EVやHEVに事故発生があったときは、乗員や救助を行う人が感電することのないように、感電防止の配慮が不可欠である。
【0006】
従来、上述した感電防止の措置として、車両衝突時の衝撃を感知し、バッテリー回路を遮断したり或いはバッテリー回路の配線を変えて低電圧化するものや、車両衝突時の衝撃を感知し、バッテリーに向けて冷却剤、中和剤、吸収剤、消化剤等の薬剤を噴射して、バッテリー自身の破損による電解液の飛散を防止するものが提案されている(後者のものとして、後記特許文献2のもの参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−105988号公報
【特許文献2】特開平9−074603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来技術においては、EVやHEVの車両衝突時の衝撃によりバッテリーの冷却装置が破損して、バッテリー電解液や薬剤等が飛散し、バッテリー端子間に侵入して導通せしめ、これにより乗員や救助者が感電するといった水冷式冷却装置の液体使用システムに由来する不具合を回避することは困難であった。
【0009】
そこで本発明は、この種のバッテリー冷却装置の液体使用システムにおいて、車両衝突に際し、バッテリー端子間の導通による感電を防止することの可能なEVやHEV用のバッテリー温度調整装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願第1請求項に記載した発明は、実施例で用いた符号を付して記すと、配管3内に液状の熱媒体40を充填しこの熱媒体40でバッテリーBと熱交換する第1熱交換部2を備えた第1熱交換ユニット1と、前記第1熱交換部2で熱交換した熱媒体40を放熱或いは放冷する第2熱交換部21を備えた第2熱交換ユニット20と、を有するバッテリーの温度調整装置において、
前記第1熱交換ユニット1は、熱媒体貯留部4と、前記熱媒体貯留部4の熱媒体40を前記配管3内で循環させるポンプ5と、を備え、
例えば車両停止の際行われる前記バッテリーの充電時には、前記ポンプ5を作動して前記熱媒体40を前記配管3内で循環させ、
前記バッテリーの非充電時には、少なくとも、前記第1熱交換部2にある前記熱媒体40を、当該第1熱交換部2の外部へ排出するようにしたバッテリーの温度調整装置である。
【0011】
本願第2請求項に記載した発明は、請求項1の発明において、前記熱媒体貯留部4は、前記第1熱交換部2よりも下方に設置して構成され、前記バッテリーの非充電時には、前記第1熱交換部2にある前記熱媒体40を、当該第1熱交換部2から前記熱媒体貯留部4へ排出するようにしたバッテリーの温度調整装置である。
【0012】
本願第3請求項に記載した発明は、請求項1の発明において、前記第1熱交換ユニット1の上方に大気連通口3aを設けるとともに、前記熱媒体貯留部4は、前記第1熱交換部2よりも下方に設置して構成され、前記バッテリーの非充電時には、前記第1熱交換部2にある前記熱媒体40を、当該第1熱交換部2から前記熱媒体貯留部4へ排出するようにしたバッテリーの温度調整装置である。
【0013】
本願第4請求項に記載した発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載した発明において、前記第1熱交換ユニット1の前記第1熱交換部2と、前記第2熱交換部21とを配管3により連結し、この連結した配管に三方弁7を設け、前記三方弁7の一方に前記熱媒体貯留部4への第1の開口3bを有する配管が備えられ、前記三方弁の上下いずれかに前記熱媒体貯留部4への第2の開口3cを有する配管を分岐して設け、更に前記第2の開口3cの近傍に開閉弁8を設けたバッテリーの温度調整装置である。
【0014】
本願第5請求項に記載した発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載した発明において、前記熱媒体貯留部4を取り外し可能に設けたバッテリーの温度調整装置である。
【発明の効果】
【0015】
本願第1請求項に記載した発明によれば、バッテリーの充電時においては、ポンプを作動して熱媒体を配管内で循環させるので、バッテリーの冷却が行われる。また、バッテリーの非充電時においては、熱媒体を第1熱交換部の外部へ排出するようにしたので、万一、衝突事故等によってEVやHEVのシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部から熱媒体が洩れ出るおそれは全くなく、従って、第1熱交換部にて熱媒体が洩れ出る場合に生じ得る感電事故を回避することができる。
【0016】
尚、バッテリーの充電開始前においては、ポンプを作動すると熱媒体は熱媒体貯留部から吸い込まれ、温度調整装置の経路内部、即ち第1熱交換部、第2熱交換部、ポンプ、これらを接続する配管で形成される経路内部を満たすことができる。
【0017】
本願第2請求項に記載した発明によれば、バッテリーの非充電時においては、熱媒体は第1熱交換部よりも下方に設置される熱媒体貯留部へ排出されるので、万一、衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部から熱媒体が洩れ出るおそれは全くなく、感電事故を回避することができる。
【0018】
本願第3請求項に記載した発明によれば、バッテリーの非充電時においては、熱媒体は自重により下方の熱媒体貯留部へ流下し、第1熱交換部から排出される。このとき、第1熱交換ユニットの上方には大気連通口が設けられているので、第1熱交換ユニット内に空気が流入して、熱媒体の熱媒体貯留部への流下は促進される。これにより、万一、衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部には熱媒体がないので、当然、熱媒体が洩れ出るおそれは全くなく、感電事故を回避することができる。
【0019】
本願第4請求項に記載した発明によれば、バッテリーの充電時においては、三方弁のうち開口3b側を閉塞するとともに開閉弁を閉塞し、ポンプを作動して熱媒体を循環させる。熱媒体は、ポンプ、第2熱交換部を経由し、第1熱交換部に至ってバッテリーとの熱交換が行われ、三方弁を経由して再びポンプに至る。
【0020】
バッテリーの非充電時においては、三方弁の開口3b側を開放するとともに、開閉弁を開放し、ポンプを反転動作して熱媒体を逆流させる。これにより、熱媒体は下方の熱媒体貯留部へ流下し、第1熱交換部から排出される。或いは、第1熱交換ユニットの上方に大気連通口を別途設け、第1熱交換ユニット内に空気を流入させ、熱媒体を熱媒体貯留部へ流下させてもよい。
【0021】
バッテリーの充電開始前においては、三方弁の開口3b側のみ開放するとともに開閉弁を開放し、ポンプを作動させる。これにより、熱媒体は熱媒体貯留部から開口3cを経由して吸込まれ、温度調整装置の経路内部を満たすことができる。
【0022】
このようにして、万一、衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部には熱媒体がないので、熱媒体が洩れ出るおそれは全くなく、感電事故を回避することができる。
【0023】
また、第1熱交換ユニットに三方弁及び開閉弁を設けているので、これらの開閉弁を適宜開閉することにより、ユニット内において熱媒体の循環サイクルを構成することができる。
【0024】
本願第5請求項に記載した発明によれば、熱媒体貯留部が取り外し可能に設けられているので、これをバッテリーの非充電時即ち走行の際に取り外せば、車両の重量を軽減することができるうえ、車両走行振動により熱媒体が発する意図しない音の発生を回避することもできる。
【0025】
また、前述したように、第1熱交換ユニットに三方弁及び開閉弁を設けているので、熱媒体貯留部を取り外しても、ユニット内における熱媒体の循環サイクルに支障をきたすことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。図1は、本例の温度調整装置を示す全体構成図であり、第1熱交換ユニット1と、第2熱交換ユニット20とから構成される。第1熱交換ユニット1は、配管3内に液状の熱媒体40を充填しこの熱媒体40でバッテリーBと熱交換する第1熱交換部2を備える。第2熱交換ユニット20は、第1熱交換部2で熱交換した熱媒体40を放熱或いは放冷する第2熱交換部21を備える。尚、熱媒体は、例えば水や不凍液が用いられるが、これらに特に限定されるものではない。
【0027】
前記第1熱交換ユニット1は、第1熱交換部2の下流側に設けられる熱媒体貯留部4と、この熱媒体貯留部4の熱媒体40を配管内3で循環させるポンプ5と、を備える。
【0028】
本例において、図示を省略したバッテリー充電用スタンド等により、バッテリーの急速充電が行われる。即ち、短時間で行われるバッテリーの急速充電は、車両停止の際、行われるものであって、バッテリーの温度が急上昇するが、車両走行時の回生発電によるバッテリー充電の場合は、所謂緩慢充電であり、これに伴いバッテリーの温度が上昇しても、その温度上昇はバッテリーに不具合を生じさせる程度のものではない。
【0029】
本例のバッテリーの充電時とりわけ急速充電時には、前記ポンプ5を作動して熱媒体を配管3内で循環させ、これにより、第1熱交換部2において熱媒体40によりバッテリーBとの熱交換がなされる。
【0030】
また、本例の場合、バッテリーの非充電時においては、少なくとも、第1熱交換部2にある熱媒体40を、当該第1熱交換部から排出するようにしている。
【0031】
このように、本例の温度調整装置によれば、バッテリーの充電時は、ポンプ5を作動して熱媒体40を配管3内で循環させるので、バッテリーBの冷却が行われる。また、バッテリーの非充電時においては、熱媒体40を第1熱交換部2の外部に排出するようにしたので、万一、衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部2から熱媒体40が洩れ出るおそれは全くない。従って、第1熱交換部にて熱媒体が洩れ出る場合に生じ得る感電事故を回避することができる。
【0032】
前記第2熱交換ユニット20は、前述したように第2熱交換部21を備えるものであって、冷媒を圧縮する圧縮機22と、圧縮機22で圧縮された冷媒を冷却する凝縮器23と、凝縮器23で冷却された冷媒を減圧して膨張させる減圧器24aと、減圧器24aで減圧された冷媒を蒸発する蒸発器25とを備えている。尚、圧縮機22は、図示を省略したモータによって駆動される。また、前記第2熱交換ユニットに用いられる冷媒としては、フロンや二酸化炭素、ハイドロカーボン等が適宜利用される。
【0033】
図1において、符号26は切替弁であり、この切替弁26の切替えによって、第2熱交換部21において温調を行うこともできる。従って、この温調により、第1熱交換部2においてバッテリーBの温調も行うことができるので、バッテリー温度を適宜一定状態にして、バッテリーの充放電効率を高めることが可能となる。
【0034】
例えば、圧縮機22から吐出され凝縮器23を経由した冷媒を、切替弁26により第2熱交換部21へ流れるようにすれば、冷媒は第2熱交換部21の上流の減圧器24bで減圧され、第2熱交換部21で蒸発するとともに熱交換ユニット1を冷却し、圧縮機22へ戻すことができる。更に、圧縮機22からの冷媒の吐出量や、第2熱交換部21の上流の減圧器24bの設定条件を適宜変更することによって、第2熱交換部21での第1熱交換ユニット1の冷却量を制御することができる。
【0035】
また、必要に応じて、圧縮機22から吐出され凝縮器23を経由した冷媒を切替弁26により、第2熱交換部21と、蒸発器25との両方に分配してもよい。
【0036】
図1に示すバッテリーの温度調整装置において、熱媒体貯留部4は上方が開口している例を示しているところ、これは装置の概念構成を示すものであり、これに限らず熱媒体貯留部4の上方を閉塞して、所謂クローズドサーキット(閉回路)を形成することができることはいうまでもない。
【0037】
また、本例のバッテリーの温度調整装置において、熱媒体貯留部4は、第1熱交換部2よりも下方に設置するとよい。そして、バッテリーの非充電時には、第1熱交換部2にある熱媒体40を、当該第1熱交換部から熱媒体貯留部4へ排出する。このように構成すると、車両走行時に熱媒体40は熱媒体貯留部へ排出されるので、万一、衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部から熱媒体40が洩れ出るおそれは全くなく、感電事故を回避することができる。
【0038】
また、本例のバッテリーの温度調整装置においては、熱媒体貯留部4を取り外し可能に設けてもよい。つまり、バッテリーの非充電時において、熱媒体40を第1熱交換部2の外部に排出して熱媒体貯留部4で貯留するので、熱媒体貯留部4をバッテリーの非充電時即ち走行の際に取り外せば、車両の重量を軽減することができることになる。同時に、車両走行振動により熱媒体から意図しない音の発生があるところ、こうした不具合も回避することができる。
【0039】
図2〜図4に示すバッテリーの温度調整装置は、第1熱交換ユニット1の上方に大気連通口を設けるとともに、熱媒体貯留部4は、前例同様、第1熱交換部2よりも下方に設置し、バッテリーの非充電時には、第1熱交換部2にある熱媒体40を、当該第1熱交換部2から熱媒体貯留部4へ排出するようにしたものである。
【0040】
この例では、配管3の最上部に大気連通口3aを設けている。また、配管3の一方の開口3bは熱媒体貯留部4の上部に位置し、配管3の他方の開口3cは、熱媒体貯留部4の下部に位置している。
【0041】
この例の第1熱交換部2は、図5及び図6に示すように、バッテリーBを縦にして所定数並べた一ブロックごとに、熱交換コア6をその上部に配置して構成している。
【0042】
熱交換コア6は、同一構造のアルミ製プレート61,61を用い、一方のプレート61を、天地を逆にして他方のプレート61にろう付けして形成される。この熱交換コア6は、左右一対のヘッダ部62,62と、これらヘッダ部62,62に設けられる複数の流路63,63と、流路63,63間に設けられる仕切部64,64を備えている。この例では、熱媒体40は水溶液が用いられており、バッテリーの急速充電時には、この熱媒体(水溶液)は、図5に矢印にて示すように、一方のヘッダ部62から流路63,63を経由して他方のヘッダ部62へ流れるように構成されている。
【0043】
また、各熱交換コア6は、図2〜図4に示すように、若干斜めに配置されている。これは、前述したように、バッテリーの非充電時に第1熱交換部2にある熱媒体40を熱媒体貯留部4へ排出する際に、自重によっても熱媒体が流下することができるようにしたものである。
【0044】
図2〜図4に示すバッテリーの温度調整装置において、バッテリーの充電前、充電時及び非充電時の熱媒体40の流れは次の通りである。
【0045】
バッテリーの充電前は、図2に示すように、ポンプ5の作動により、熱媒体40は熱媒体貯留部4の下部に位置する配管3の開口3cから吸引され、配管3内に取り込まれる。このとき、取り込まれた熱媒体40の前方にある配管内の空気は、大気連通口3aから排出される。そして、熱媒体40は、熱交換コア6の内部を満たした後、開口3bまでの経路を満たす。
【0046】
バッテリー充電時は、図3に示すように、熱媒体40は配管3の第2熱交換部21で冷却されて、第1熱交換部2に至り、ここでバッテリーBを冷却し、配管3の開口3bから熱媒体貯留部4に排出される。このとき、熱媒体40は大気連通口3a近傍の配管3を通過するが、大気連通口3aは配管3のうち熱媒体40が通過する最上部に対して一定の距離をもって更に上方に設けられている。熱交換コア6等の流水抵抗により、配管3から大気連通口3aに向かって熱媒体40の液面が上昇することもあるが、一定の距離をもっているため、熱媒体40が大気連通口3aから排出されることはない。尚、上記一定の距離を確保するために、大気連通口3aに更にゴム配管等を接続し、ゴム配管の先端をより上方に位置させるようにしてもよい。
【0047】
バッテリーの非充電時は、図4に示すように、ポンプ5を停止し或いは反転作動させることにより、第1熱交換部2の側の熱媒体40は配管3の開口3bから、また、ポンプ5の側の熱媒体40は配管3の開口3cから、熱媒体貯留部4へ排出される。このとき、第1熱交換ユニット1の上方の配管3には大気連通口3aが設けられているので、第1熱交換ユニット内つまり配管3内に空気が流入して、熱媒体40の熱媒体貯留部4への流下は促進される。
【0048】
このようにして、図2〜図4に示すバッテリーの温度調整装置は、万一、車両の衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部には熱媒体40がないので、熱媒体40が洩れ出るおそれは全くなく、感電事故を回避することができる。また、開口3bや開口3cに開閉弁を設けなくとも、ポンプ5を適宜制御するだけで、温度調整装置の配管内部に熱媒体を満たし、循環させ、或いは、排出させることができるものである。
【0049】
図7〜図9に示すバッテリーの温度調整装置は、図2〜図4に示すバッテリーの温度調整装置と同じシステム構成を備えたものである。即ち、この例の温度調整装置は、第1熱交換ユニット1の上方に大気連通口を設けるとともに、熱媒体貯留部4は、第1熱交換部2よりも下方に設置し、バッテリーの非充電時には、第1熱交換部2にある熱媒体40を、当該第1熱交換部2から熱媒体貯留部4へ排出するようにしたものである。
【0050】
この例では、配管3の最上部に大気連通口3aを設けている点と、配管3の一方の開口3bが熱媒体貯留部4の上部に位置している点は前例と同じであるが、配管3の他方の開口3cは、熱媒体貯留部4の上部に位置している点で異なっている。従って、この例における温度調整装置の動作並びに作用効果は、前例のものと同じであるので、その説明を省略している。
【0051】
そして、図7〜図9に示すバッテリーの温度調整装置の場合は、配管3の他方の開口3cも熱媒体貯留部4の上部に位置しているので、熱媒体貯留部4の取り外しを一層容易化することができる。従って、熱媒体貯留部4をバッテリーの非充電時即ち走行の際に取り外せば、車両の重量を軽減することができる。
【0052】
図10〜図12に示すバッテリーの温度調整装置は、図2〜図4及び図7〜図9に示すバッテリーの温度調整装置と同じシステム構成を備えたものである。即ち、この例の温度調整装置は、第1熱交換ユニット1の上方に大気連通口を設けるとともに、熱媒体貯留部4は、第1熱交換部2よりも下方に設置し、バッテリーの非充電時には、第1熱交換部2にある熱媒体40を、当該第1熱交換部2から熱媒体貯留部4へ排出するようにしたものである。
【0053】
この例では、第1熱交換ユニット1の第1熱交換部2の下流側の配管3と、ポンプ5の上流側の配管3とを連結するとともに、この連結した配管に三方弁7を設け、この三方弁7の一方には開口3bを有する配管が備えられ、三方弁の下流側には、開口3cを有し熱媒体貯留部4へ向かう配管を分岐して設け、更に開口3cの近傍に開閉弁8を設けている。
【0054】
図10〜図12に示すバッテリーの温度調整装置において、バッテリーの充電前、充電時及び非充電時の熱媒体40の流れは次の通りである。
【0055】
バッテリーの充電前は、図10に示すように、三方弁7の開口3b側のみ開放するとともに開閉弁8を開放し、ポンプ5の作動により、熱媒体40は開口3cから吸引され、配管3内に取り込まれる。このとき、取り込まれた熱媒体40の前方にある配管内の空気は、大気連通口3aから排出される。そして、熱媒体40は、熱交換コア6の内部を満たした後、開口3bまでの経路内部を満たす。
【0056】
配管3内に熱媒体40が充填された後、図11に示すように、三方弁7の開口3bへの経路を閉塞するとともに開閉弁8を閉塞すると、ユニット内において熱媒体40の循環サイクルが構成される。
【0057】
この構成における別の実施例としては、三方弁7のうち開口3bのみを開口し、開閉弁8を開放し、ポンプ5を作動させることも実施可能である。この場合、熱媒体40は、熱媒体貯留部4、開閉弁8、ポンプ5、第2熱交換部21を経由し、第1熱交換部2に至ってバッテリーBとの熱交換が行われ、開口3bを経由して熱媒体貯留部4へ排出される。このとき、熱媒体40は大気連通口3a近傍の配管3を通過するが、大気連通口3aは配管3の最上部に設けられているので、熱媒体40が大気連通口3aから排出されることがないのは、前各例と同様である。
【0058】
バッテリーの非充電時は、図12に示すように、三方弁7の開口3bの経路と、開閉弁8を開放し、ポンプ5を停止し或いは反転作動させることにより、第1熱交換部2の側の熱媒体40は配管3の開口3bから、また、ポンプ5の側の熱媒体40は配管3の開口3cから、熱媒体貯留部4へ排出される。このとき、第1熱交換ユニット1の上方の配管3には大気連通口3aが設けられているので、第1熱交換ユニット内つまり配管3内に空気が流入して、熱媒体40の熱媒体貯留部4への流下が促進されるのは前各例と同様である。
【0059】
このようにして、図10〜図12に示すバッテリーの温度調整装置は、前各例と同様に、万一、車両の衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部には熱媒体40がないので、熱媒体40が洩れ出るおそれは全くなく、感電事故を回避することができる。
【0060】
また、第1熱交換ユニット2に三方弁7及び開閉弁8を設けているので、これらの弁を適宜開閉することにより、ユニット内において熱媒体40の循環サイクルを構成することができる。
【0061】
以上説明したように、本発明は、この種のバッテリー温度調整装置の液体使用システムにおいて、車両衝突に際し、バッテリー端子間の導通による感電を防止することの可能なEVやHEV用のバッテリー温度調整装置を得ることができるものである。
【0062】
また、本発明に係るバッテリーの温度調整装置は、前記各例のほか、本発明の目的に沿って適宜改変することができるものである。例えば、本発明は、バッテリーの冷却のみならず、バッテリーを加温する場合にも利用することができる。
【0063】
即ち、極寒地での使用において充電後すぐに走行する際、バッテリーを適切な温度まで上昇させ、放電能力を向上させたい要求がある。前述したように、充電時にはバッテリーから発熱があるが、極寒地においてはバッテリーからの発熱では足りず、むしろ加温したいケースがある。このような場合、本例の熱媒体40にお湯等を用いることで要求に応えることができる。更には、第2熱交換ユニットにおいて、圧縮機から吐出した高温高圧冷媒を、第2熱交換部に流入させ、第1熱交換ユニットを昇温し、膨張弁を経て凝縮器を蒸発器として利用することもできるものである。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、EVやHEV用のバッテリー温度調整装置の液体使用システムに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係るバッテリーの温度調整装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明のバッテリーの温度調整装置に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図3】本発明のバッテリーの温度調整装置に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図4】本発明のバッテリーの温度調整装置に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図5】本発明のバッテリーの温度調整装置に係り、第1熱交換部の外観を示す構成図である。
【図6】本発明のバッテリーの温度調整装置に係り、第1熱交換部の一部を拡大して示す構成図である。
【図7】本発明のバッテリーの温度調整装置の他の例に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図8】本発明のバッテリーの温度調整装置の他の例に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図9】本発明のバッテリーの温度調整装置の他の例に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図10】本発明のバッテリーの温度調整装置の他の例に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図11】本発明のバッテリーの温度調整装置の他の例に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図12】本発明のバッテリーの温度調整装置の他の例に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【符号の説明】
【0066】
1 第1熱交換ユニット
2 第1熱交換部
20 第2熱交換ユニット
21 第2熱交換部
22 圧縮機
23 凝縮器
24a 減圧器
24b 減圧器
25 蒸発器
26 切替弁
3 配管
3a 大気連通口
3b 開口
3c 開口
4 熱媒体貯留部
40 熱媒体
5 ポンプ
6 熱交換コア
61 アルミ製プレート
62 ヘッダ部
63 流路
64 仕切部
7 三方弁
8 開閉弁
B バッテリー
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車やハイブリッド電気自動車に装備されるバッテリーの温度調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(Electrical Vehicle 以下、「EV」)やハイブリッド電気自動車(Hybrid
Electrical Vehicle以下、「HEV」)に装備される走行用のバッテリーは、急速充電時に大電流が流れてバッテリー自体が発熱するため、一般的に冷却装置が付帯されている。
【0003】
ところで、走行用のバッテリーは、走行距離延長の要請や、充電時間の短縮化の要請により、単位時間当たりの充電量は増える傾向にある。そのため、充電時のバッテリーからの発熱量が増加し、充電効率が低下したりバッテリーの寿命が短縮化されてしまうので、冷却装置には冷却性能の確保及び向上が求められている。
【0004】
この種のバッテリーの冷却装置として、水冷式と空冷式のものが知られているところ、バッテリーとの単位時間当たり熱交換量を大きくとれる観点から、水冷式冷却装置への関心が高まっている(水冷式のものとして、後記特許文献1のもの参照)。
【0005】
また、走行用のバッテリーとして、リチウム系、ニッケル水素系、ナトリウム硫黄蓄電池等が開発されているが、これらのバッテリーは、従来の内燃機関用バッテリーとは異なり、例えば100Vや350V仕様のものが用いられていて電圧が高く、万一、EVやHEVに事故発生があったときは、乗員や救助を行う人が感電することのないように、感電防止の配慮が不可欠である。
【0006】
従来、上述した感電防止の措置として、車両衝突時の衝撃を感知し、バッテリー回路を遮断したり或いはバッテリー回路の配線を変えて低電圧化するものや、車両衝突時の衝撃を感知し、バッテリーに向けて冷却剤、中和剤、吸収剤、消化剤等の薬剤を噴射して、バッテリー自身の破損による電解液の飛散を防止するものが提案されている(後者のものとして、後記特許文献2のもの参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−105988号公報
【特許文献2】特開平9−074603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来技術においては、EVやHEVの車両衝突時の衝撃によりバッテリーの冷却装置が破損して、バッテリー電解液や薬剤等が飛散し、バッテリー端子間に侵入して導通せしめ、これにより乗員や救助者が感電するといった水冷式冷却装置の液体使用システムに由来する不具合を回避することは困難であった。
【0009】
そこで本発明は、この種のバッテリー冷却装置の液体使用システムにおいて、車両衝突に際し、バッテリー端子間の導通による感電を防止することの可能なEVやHEV用のバッテリー温度調整装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願第1請求項に記載した発明は、実施例で用いた符号を付して記すと、配管3内に液状の熱媒体40を充填しこの熱媒体40でバッテリーBと熱交換する第1熱交換部2を備えた第1熱交換ユニット1と、前記第1熱交換部2で熱交換した熱媒体40を放熱或いは放冷する第2熱交換部21を備えた第2熱交換ユニット20と、を有するバッテリーの温度調整装置において、
前記第1熱交換ユニット1は、熱媒体貯留部4と、前記熱媒体貯留部4の熱媒体40を前記配管3内で循環させるポンプ5と、を備え、
例えば車両停止の際行われる前記バッテリーの充電時には、前記ポンプ5を作動して前記熱媒体40を前記配管3内で循環させ、
前記バッテリーの非充電時には、少なくとも、前記第1熱交換部2にある前記熱媒体40を、当該第1熱交換部2の外部へ排出するようにしたバッテリーの温度調整装置である。
【0011】
本願第2請求項に記載した発明は、請求項1の発明において、前記熱媒体貯留部4は、前記第1熱交換部2よりも下方に設置して構成され、前記バッテリーの非充電時には、前記第1熱交換部2にある前記熱媒体40を、当該第1熱交換部2から前記熱媒体貯留部4へ排出するようにしたバッテリーの温度調整装置である。
【0012】
本願第3請求項に記載した発明は、請求項1の発明において、前記第1熱交換ユニット1の上方に大気連通口3aを設けるとともに、前記熱媒体貯留部4は、前記第1熱交換部2よりも下方に設置して構成され、前記バッテリーの非充電時には、前記第1熱交換部2にある前記熱媒体40を、当該第1熱交換部2から前記熱媒体貯留部4へ排出するようにしたバッテリーの温度調整装置である。
【0013】
本願第4請求項に記載した発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載した発明において、前記第1熱交換ユニット1の前記第1熱交換部2と、前記第2熱交換部21とを配管3により連結し、この連結した配管に三方弁7を設け、前記三方弁7の一方に前記熱媒体貯留部4への第1の開口3bを有する配管が備えられ、前記三方弁の上下いずれかに前記熱媒体貯留部4への第2の開口3cを有する配管を分岐して設け、更に前記第2の開口3cの近傍に開閉弁8を設けたバッテリーの温度調整装置である。
【0014】
本願第5請求項に記載した発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載した発明において、前記熱媒体貯留部4を取り外し可能に設けたバッテリーの温度調整装置である。
【発明の効果】
【0015】
本願第1請求項に記載した発明によれば、バッテリーの充電時においては、ポンプを作動して熱媒体を配管内で循環させるので、バッテリーの冷却が行われる。また、バッテリーの非充電時においては、熱媒体を第1熱交換部の外部へ排出するようにしたので、万一、衝突事故等によってEVやHEVのシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部から熱媒体が洩れ出るおそれは全くなく、従って、第1熱交換部にて熱媒体が洩れ出る場合に生じ得る感電事故を回避することができる。
【0016】
尚、バッテリーの充電開始前においては、ポンプを作動すると熱媒体は熱媒体貯留部から吸い込まれ、温度調整装置の経路内部、即ち第1熱交換部、第2熱交換部、ポンプ、これらを接続する配管で形成される経路内部を満たすことができる。
【0017】
本願第2請求項に記載した発明によれば、バッテリーの非充電時においては、熱媒体は第1熱交換部よりも下方に設置される熱媒体貯留部へ排出されるので、万一、衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部から熱媒体が洩れ出るおそれは全くなく、感電事故を回避することができる。
【0018】
本願第3請求項に記載した発明によれば、バッテリーの非充電時においては、熱媒体は自重により下方の熱媒体貯留部へ流下し、第1熱交換部から排出される。このとき、第1熱交換ユニットの上方には大気連通口が設けられているので、第1熱交換ユニット内に空気が流入して、熱媒体の熱媒体貯留部への流下は促進される。これにより、万一、衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部には熱媒体がないので、当然、熱媒体が洩れ出るおそれは全くなく、感電事故を回避することができる。
【0019】
本願第4請求項に記載した発明によれば、バッテリーの充電時においては、三方弁のうち開口3b側を閉塞するとともに開閉弁を閉塞し、ポンプを作動して熱媒体を循環させる。熱媒体は、ポンプ、第2熱交換部を経由し、第1熱交換部に至ってバッテリーとの熱交換が行われ、三方弁を経由して再びポンプに至る。
【0020】
バッテリーの非充電時においては、三方弁の開口3b側を開放するとともに、開閉弁を開放し、ポンプを反転動作して熱媒体を逆流させる。これにより、熱媒体は下方の熱媒体貯留部へ流下し、第1熱交換部から排出される。或いは、第1熱交換ユニットの上方に大気連通口を別途設け、第1熱交換ユニット内に空気を流入させ、熱媒体を熱媒体貯留部へ流下させてもよい。
【0021】
バッテリーの充電開始前においては、三方弁の開口3b側のみ開放するとともに開閉弁を開放し、ポンプを作動させる。これにより、熱媒体は熱媒体貯留部から開口3cを経由して吸込まれ、温度調整装置の経路内部を満たすことができる。
【0022】
このようにして、万一、衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部には熱媒体がないので、熱媒体が洩れ出るおそれは全くなく、感電事故を回避することができる。
【0023】
また、第1熱交換ユニットに三方弁及び開閉弁を設けているので、これらの開閉弁を適宜開閉することにより、ユニット内において熱媒体の循環サイクルを構成することができる。
【0024】
本願第5請求項に記載した発明によれば、熱媒体貯留部が取り外し可能に設けられているので、これをバッテリーの非充電時即ち走行の際に取り外せば、車両の重量を軽減することができるうえ、車両走行振動により熱媒体が発する意図しない音の発生を回避することもできる。
【0025】
また、前述したように、第1熱交換ユニットに三方弁及び開閉弁を設けているので、熱媒体貯留部を取り外しても、ユニット内における熱媒体の循環サイクルに支障をきたすことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。図1は、本例の温度調整装置を示す全体構成図であり、第1熱交換ユニット1と、第2熱交換ユニット20とから構成される。第1熱交換ユニット1は、配管3内に液状の熱媒体40を充填しこの熱媒体40でバッテリーBと熱交換する第1熱交換部2を備える。第2熱交換ユニット20は、第1熱交換部2で熱交換した熱媒体40を放熱或いは放冷する第2熱交換部21を備える。尚、熱媒体は、例えば水や不凍液が用いられるが、これらに特に限定されるものではない。
【0027】
前記第1熱交換ユニット1は、第1熱交換部2の下流側に設けられる熱媒体貯留部4と、この熱媒体貯留部4の熱媒体40を配管内3で循環させるポンプ5と、を備える。
【0028】
本例において、図示を省略したバッテリー充電用スタンド等により、バッテリーの急速充電が行われる。即ち、短時間で行われるバッテリーの急速充電は、車両停止の際、行われるものであって、バッテリーの温度が急上昇するが、車両走行時の回生発電によるバッテリー充電の場合は、所謂緩慢充電であり、これに伴いバッテリーの温度が上昇しても、その温度上昇はバッテリーに不具合を生じさせる程度のものではない。
【0029】
本例のバッテリーの充電時とりわけ急速充電時には、前記ポンプ5を作動して熱媒体を配管3内で循環させ、これにより、第1熱交換部2において熱媒体40によりバッテリーBとの熱交換がなされる。
【0030】
また、本例の場合、バッテリーの非充電時においては、少なくとも、第1熱交換部2にある熱媒体40を、当該第1熱交換部から排出するようにしている。
【0031】
このように、本例の温度調整装置によれば、バッテリーの充電時は、ポンプ5を作動して熱媒体40を配管3内で循環させるので、バッテリーBの冷却が行われる。また、バッテリーの非充電時においては、熱媒体40を第1熱交換部2の外部に排出するようにしたので、万一、衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部2から熱媒体40が洩れ出るおそれは全くない。従って、第1熱交換部にて熱媒体が洩れ出る場合に生じ得る感電事故を回避することができる。
【0032】
前記第2熱交換ユニット20は、前述したように第2熱交換部21を備えるものであって、冷媒を圧縮する圧縮機22と、圧縮機22で圧縮された冷媒を冷却する凝縮器23と、凝縮器23で冷却された冷媒を減圧して膨張させる減圧器24aと、減圧器24aで減圧された冷媒を蒸発する蒸発器25とを備えている。尚、圧縮機22は、図示を省略したモータによって駆動される。また、前記第2熱交換ユニットに用いられる冷媒としては、フロンや二酸化炭素、ハイドロカーボン等が適宜利用される。
【0033】
図1において、符号26は切替弁であり、この切替弁26の切替えによって、第2熱交換部21において温調を行うこともできる。従って、この温調により、第1熱交換部2においてバッテリーBの温調も行うことができるので、バッテリー温度を適宜一定状態にして、バッテリーの充放電効率を高めることが可能となる。
【0034】
例えば、圧縮機22から吐出され凝縮器23を経由した冷媒を、切替弁26により第2熱交換部21へ流れるようにすれば、冷媒は第2熱交換部21の上流の減圧器24bで減圧され、第2熱交換部21で蒸発するとともに熱交換ユニット1を冷却し、圧縮機22へ戻すことができる。更に、圧縮機22からの冷媒の吐出量や、第2熱交換部21の上流の減圧器24bの設定条件を適宜変更することによって、第2熱交換部21での第1熱交換ユニット1の冷却量を制御することができる。
【0035】
また、必要に応じて、圧縮機22から吐出され凝縮器23を経由した冷媒を切替弁26により、第2熱交換部21と、蒸発器25との両方に分配してもよい。
【0036】
図1に示すバッテリーの温度調整装置において、熱媒体貯留部4は上方が開口している例を示しているところ、これは装置の概念構成を示すものであり、これに限らず熱媒体貯留部4の上方を閉塞して、所謂クローズドサーキット(閉回路)を形成することができることはいうまでもない。
【0037】
また、本例のバッテリーの温度調整装置において、熱媒体貯留部4は、第1熱交換部2よりも下方に設置するとよい。そして、バッテリーの非充電時には、第1熱交換部2にある熱媒体40を、当該第1熱交換部から熱媒体貯留部4へ排出する。このように構成すると、車両走行時に熱媒体40は熱媒体貯留部へ排出されるので、万一、衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部から熱媒体40が洩れ出るおそれは全くなく、感電事故を回避することができる。
【0038】
また、本例のバッテリーの温度調整装置においては、熱媒体貯留部4を取り外し可能に設けてもよい。つまり、バッテリーの非充電時において、熱媒体40を第1熱交換部2の外部に排出して熱媒体貯留部4で貯留するので、熱媒体貯留部4をバッテリーの非充電時即ち走行の際に取り外せば、車両の重量を軽減することができることになる。同時に、車両走行振動により熱媒体から意図しない音の発生があるところ、こうした不具合も回避することができる。
【0039】
図2〜図4に示すバッテリーの温度調整装置は、第1熱交換ユニット1の上方に大気連通口を設けるとともに、熱媒体貯留部4は、前例同様、第1熱交換部2よりも下方に設置し、バッテリーの非充電時には、第1熱交換部2にある熱媒体40を、当該第1熱交換部2から熱媒体貯留部4へ排出するようにしたものである。
【0040】
この例では、配管3の最上部に大気連通口3aを設けている。また、配管3の一方の開口3bは熱媒体貯留部4の上部に位置し、配管3の他方の開口3cは、熱媒体貯留部4の下部に位置している。
【0041】
この例の第1熱交換部2は、図5及び図6に示すように、バッテリーBを縦にして所定数並べた一ブロックごとに、熱交換コア6をその上部に配置して構成している。
【0042】
熱交換コア6は、同一構造のアルミ製プレート61,61を用い、一方のプレート61を、天地を逆にして他方のプレート61にろう付けして形成される。この熱交換コア6は、左右一対のヘッダ部62,62と、これらヘッダ部62,62に設けられる複数の流路63,63と、流路63,63間に設けられる仕切部64,64を備えている。この例では、熱媒体40は水溶液が用いられており、バッテリーの急速充電時には、この熱媒体(水溶液)は、図5に矢印にて示すように、一方のヘッダ部62から流路63,63を経由して他方のヘッダ部62へ流れるように構成されている。
【0043】
また、各熱交換コア6は、図2〜図4に示すように、若干斜めに配置されている。これは、前述したように、バッテリーの非充電時に第1熱交換部2にある熱媒体40を熱媒体貯留部4へ排出する際に、自重によっても熱媒体が流下することができるようにしたものである。
【0044】
図2〜図4に示すバッテリーの温度調整装置において、バッテリーの充電前、充電時及び非充電時の熱媒体40の流れは次の通りである。
【0045】
バッテリーの充電前は、図2に示すように、ポンプ5の作動により、熱媒体40は熱媒体貯留部4の下部に位置する配管3の開口3cから吸引され、配管3内に取り込まれる。このとき、取り込まれた熱媒体40の前方にある配管内の空気は、大気連通口3aから排出される。そして、熱媒体40は、熱交換コア6の内部を満たした後、開口3bまでの経路を満たす。
【0046】
バッテリー充電時は、図3に示すように、熱媒体40は配管3の第2熱交換部21で冷却されて、第1熱交換部2に至り、ここでバッテリーBを冷却し、配管3の開口3bから熱媒体貯留部4に排出される。このとき、熱媒体40は大気連通口3a近傍の配管3を通過するが、大気連通口3aは配管3のうち熱媒体40が通過する最上部に対して一定の距離をもって更に上方に設けられている。熱交換コア6等の流水抵抗により、配管3から大気連通口3aに向かって熱媒体40の液面が上昇することもあるが、一定の距離をもっているため、熱媒体40が大気連通口3aから排出されることはない。尚、上記一定の距離を確保するために、大気連通口3aに更にゴム配管等を接続し、ゴム配管の先端をより上方に位置させるようにしてもよい。
【0047】
バッテリーの非充電時は、図4に示すように、ポンプ5を停止し或いは反転作動させることにより、第1熱交換部2の側の熱媒体40は配管3の開口3bから、また、ポンプ5の側の熱媒体40は配管3の開口3cから、熱媒体貯留部4へ排出される。このとき、第1熱交換ユニット1の上方の配管3には大気連通口3aが設けられているので、第1熱交換ユニット内つまり配管3内に空気が流入して、熱媒体40の熱媒体貯留部4への流下は促進される。
【0048】
このようにして、図2〜図4に示すバッテリーの温度調整装置は、万一、車両の衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部には熱媒体40がないので、熱媒体40が洩れ出るおそれは全くなく、感電事故を回避することができる。また、開口3bや開口3cに開閉弁を設けなくとも、ポンプ5を適宜制御するだけで、温度調整装置の配管内部に熱媒体を満たし、循環させ、或いは、排出させることができるものである。
【0049】
図7〜図9に示すバッテリーの温度調整装置は、図2〜図4に示すバッテリーの温度調整装置と同じシステム構成を備えたものである。即ち、この例の温度調整装置は、第1熱交換ユニット1の上方に大気連通口を設けるとともに、熱媒体貯留部4は、第1熱交換部2よりも下方に設置し、バッテリーの非充電時には、第1熱交換部2にある熱媒体40を、当該第1熱交換部2から熱媒体貯留部4へ排出するようにしたものである。
【0050】
この例では、配管3の最上部に大気連通口3aを設けている点と、配管3の一方の開口3bが熱媒体貯留部4の上部に位置している点は前例と同じであるが、配管3の他方の開口3cは、熱媒体貯留部4の上部に位置している点で異なっている。従って、この例における温度調整装置の動作並びに作用効果は、前例のものと同じであるので、その説明を省略している。
【0051】
そして、図7〜図9に示すバッテリーの温度調整装置の場合は、配管3の他方の開口3cも熱媒体貯留部4の上部に位置しているので、熱媒体貯留部4の取り外しを一層容易化することができる。従って、熱媒体貯留部4をバッテリーの非充電時即ち走行の際に取り外せば、車両の重量を軽減することができる。
【0052】
図10〜図12に示すバッテリーの温度調整装置は、図2〜図4及び図7〜図9に示すバッテリーの温度調整装置と同じシステム構成を備えたものである。即ち、この例の温度調整装置は、第1熱交換ユニット1の上方に大気連通口を設けるとともに、熱媒体貯留部4は、第1熱交換部2よりも下方に設置し、バッテリーの非充電時には、第1熱交換部2にある熱媒体40を、当該第1熱交換部2から熱媒体貯留部4へ排出するようにしたものである。
【0053】
この例では、第1熱交換ユニット1の第1熱交換部2の下流側の配管3と、ポンプ5の上流側の配管3とを連結するとともに、この連結した配管に三方弁7を設け、この三方弁7の一方には開口3bを有する配管が備えられ、三方弁の下流側には、開口3cを有し熱媒体貯留部4へ向かう配管を分岐して設け、更に開口3cの近傍に開閉弁8を設けている。
【0054】
図10〜図12に示すバッテリーの温度調整装置において、バッテリーの充電前、充電時及び非充電時の熱媒体40の流れは次の通りである。
【0055】
バッテリーの充電前は、図10に示すように、三方弁7の開口3b側のみ開放するとともに開閉弁8を開放し、ポンプ5の作動により、熱媒体40は開口3cから吸引され、配管3内に取り込まれる。このとき、取り込まれた熱媒体40の前方にある配管内の空気は、大気連通口3aから排出される。そして、熱媒体40は、熱交換コア6の内部を満たした後、開口3bまでの経路内部を満たす。
【0056】
配管3内に熱媒体40が充填された後、図11に示すように、三方弁7の開口3bへの経路を閉塞するとともに開閉弁8を閉塞すると、ユニット内において熱媒体40の循環サイクルが構成される。
【0057】
この構成における別の実施例としては、三方弁7のうち開口3bのみを開口し、開閉弁8を開放し、ポンプ5を作動させることも実施可能である。この場合、熱媒体40は、熱媒体貯留部4、開閉弁8、ポンプ5、第2熱交換部21を経由し、第1熱交換部2に至ってバッテリーBとの熱交換が行われ、開口3bを経由して熱媒体貯留部4へ排出される。このとき、熱媒体40は大気連通口3a近傍の配管3を通過するが、大気連通口3aは配管3の最上部に設けられているので、熱媒体40が大気連通口3aから排出されることがないのは、前各例と同様である。
【0058】
バッテリーの非充電時は、図12に示すように、三方弁7の開口3bの経路と、開閉弁8を開放し、ポンプ5を停止し或いは反転作動させることにより、第1熱交換部2の側の熱媒体40は配管3の開口3bから、また、ポンプ5の側の熱媒体40は配管3の開口3cから、熱媒体貯留部4へ排出される。このとき、第1熱交換ユニット1の上方の配管3には大気連通口3aが設けられているので、第1熱交換ユニット内つまり配管3内に空気が流入して、熱媒体40の熱媒体貯留部4への流下が促進されるのは前各例と同様である。
【0059】
このようにして、図10〜図12に示すバッテリーの温度調整装置は、前各例と同様に、万一、車両の衝突事故等によってシステムが破損するような場合でも、第1熱交換部には熱媒体40がないので、熱媒体40が洩れ出るおそれは全くなく、感電事故を回避することができる。
【0060】
また、第1熱交換ユニット2に三方弁7及び開閉弁8を設けているので、これらの弁を適宜開閉することにより、ユニット内において熱媒体40の循環サイクルを構成することができる。
【0061】
以上説明したように、本発明は、この種のバッテリー温度調整装置の液体使用システムにおいて、車両衝突に際し、バッテリー端子間の導通による感電を防止することの可能なEVやHEV用のバッテリー温度調整装置を得ることができるものである。
【0062】
また、本発明に係るバッテリーの温度調整装置は、前記各例のほか、本発明の目的に沿って適宜改変することができるものである。例えば、本発明は、バッテリーの冷却のみならず、バッテリーを加温する場合にも利用することができる。
【0063】
即ち、極寒地での使用において充電後すぐに走行する際、バッテリーを適切な温度まで上昇させ、放電能力を向上させたい要求がある。前述したように、充電時にはバッテリーから発熱があるが、極寒地においてはバッテリーからの発熱では足りず、むしろ加温したいケースがある。このような場合、本例の熱媒体40にお湯等を用いることで要求に応えることができる。更には、第2熱交換ユニットにおいて、圧縮機から吐出した高温高圧冷媒を、第2熱交換部に流入させ、第1熱交換ユニットを昇温し、膨張弁を経て凝縮器を蒸発器として利用することもできるものである。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、EVやHEV用のバッテリー温度調整装置の液体使用システムに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係るバッテリーの温度調整装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明のバッテリーの温度調整装置に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図3】本発明のバッテリーの温度調整装置に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図4】本発明のバッテリーの温度調整装置に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図5】本発明のバッテリーの温度調整装置に係り、第1熱交換部の外観を示す構成図である。
【図6】本発明のバッテリーの温度調整装置に係り、第1熱交換部の一部を拡大して示す構成図である。
【図7】本発明のバッテリーの温度調整装置の他の例に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図8】本発明のバッテリーの温度調整装置の他の例に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図9】本発明のバッテリーの温度調整装置の他の例に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図10】本発明のバッテリーの温度調整装置の他の例に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図11】本発明のバッテリーの温度調整装置の他の例に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【図12】本発明のバッテリーの温度調整装置の他の例に係り、第1熱交換ユニットを示す構成図である。
【符号の説明】
【0066】
1 第1熱交換ユニット
2 第1熱交換部
20 第2熱交換ユニット
21 第2熱交換部
22 圧縮機
23 凝縮器
24a 減圧器
24b 減圧器
25 蒸発器
26 切替弁
3 配管
3a 大気連通口
3b 開口
3c 開口
4 熱媒体貯留部
40 熱媒体
5 ポンプ
6 熱交換コア
61 アルミ製プレート
62 ヘッダ部
63 流路
64 仕切部
7 三方弁
8 開閉弁
B バッテリー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管内に液状の熱媒体を充填しこの熱媒体でバッテリーと熱交換する第1熱交換部を備えた第1熱交換ユニットと、前記第1熱交換部で熱交換した熱媒体を放熱或いは放冷する第2熱交換部を備えた第2熱交換ユニットと、を有するバッテリーの温度調整装置において、
前記第1熱交換ユニットは、熱媒体貯留部と、前記熱媒体貯留部の熱媒体を前記配管内で循環させるポンプと、を備え、
前記バッテリーの充電時には、前記ポンプを作動して前記熱媒体を前記配管内で循環させ、
前記バッテリーの非充電時には、少なくとも、前記第1熱交換部にある前記熱媒体を、当該第1熱交換部の外部へ排出するようにしたことを特徴とするバッテリーの温度調整装置。
【請求項2】
前記熱媒体貯留部は、前記第1熱交換部よりも下方に設置して構成され、前記バッテリーの非充電時には、前記第1熱交換部にある前記熱媒体を、当該第1熱交換部から前記熱媒体貯留部へ排出するようにしたことを特徴とする請求項1記載のバッテリーの温度調整装置。
【請求項3】
前記第1熱交換ユニットの上方に大気連通口を設けるとともに、前記熱媒体貯留部は、前記第1熱交換部よりも下方に設置して構成され、前記バッテリーの非充電時には、前記第1熱交換部にある前記熱媒体を、当該第1熱交換部から前記熱媒体貯留部へ排出するようにしたことを特徴とする請求項1記載のバッテリーの温度調整装置。
【請求項4】
前記第1熱交換ユニットの前記第1熱交換部と、前記第2熱交換部とを配管により連結し、この連結した配管に三方弁を設け、前記三方弁の一方に前記熱媒体貯留部への第1の開口を有する配管が備えられ、前記三方弁の上下いずれかに前記熱媒体貯留部への第2の開口を有する配管を分岐して設け、更に前記第2の開口の近傍に開閉弁を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載のバッテリーの温度調整装置。
【請求項5】
前記熱媒体貯留部を取り外し可能に設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項記載のバッテリーの温度調整装置。
【請求項1】
配管内に液状の熱媒体を充填しこの熱媒体でバッテリーと熱交換する第1熱交換部を備えた第1熱交換ユニットと、前記第1熱交換部で熱交換した熱媒体を放熱或いは放冷する第2熱交換部を備えた第2熱交換ユニットと、を有するバッテリーの温度調整装置において、
前記第1熱交換ユニットは、熱媒体貯留部と、前記熱媒体貯留部の熱媒体を前記配管内で循環させるポンプと、を備え、
前記バッテリーの充電時には、前記ポンプを作動して前記熱媒体を前記配管内で循環させ、
前記バッテリーの非充電時には、少なくとも、前記第1熱交換部にある前記熱媒体を、当該第1熱交換部の外部へ排出するようにしたことを特徴とするバッテリーの温度調整装置。
【請求項2】
前記熱媒体貯留部は、前記第1熱交換部よりも下方に設置して構成され、前記バッテリーの非充電時には、前記第1熱交換部にある前記熱媒体を、当該第1熱交換部から前記熱媒体貯留部へ排出するようにしたことを特徴とする請求項1記載のバッテリーの温度調整装置。
【請求項3】
前記第1熱交換ユニットの上方に大気連通口を設けるとともに、前記熱媒体貯留部は、前記第1熱交換部よりも下方に設置して構成され、前記バッテリーの非充電時には、前記第1熱交換部にある前記熱媒体を、当該第1熱交換部から前記熱媒体貯留部へ排出するようにしたことを特徴とする請求項1記載のバッテリーの温度調整装置。
【請求項4】
前記第1熱交換ユニットの前記第1熱交換部と、前記第2熱交換部とを配管により連結し、この連結した配管に三方弁を設け、前記三方弁の一方に前記熱媒体貯留部への第1の開口を有する配管が備えられ、前記三方弁の上下いずれかに前記熱媒体貯留部への第2の開口を有する配管を分岐して設け、更に前記第2の開口の近傍に開閉弁を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載のバッテリーの温度調整装置。
【請求項5】
前記熱媒体貯留部を取り外し可能に設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項記載のバッテリーの温度調整装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−134657(P2011−134657A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294525(P2009−294525)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(500309126)株式会社ヴァレオジャパン (282)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(500309126)株式会社ヴァレオジャパン (282)
【Fターム(参考)】
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